(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6201044
(24)【登録日】2017年9月1日
(45)【発行日】2017年9月20日
(54)【発明の名称】RGBWによるダイナミックな色忠実度の制御
(51)【国際特許分類】
G09G 3/36 20060101AFI20170911BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20170911BHJP
G09G 3/34 20060101ALI20170911BHJP
G02F 1/133 20060101ALI20170911BHJP
H04N 9/64 20060101ALI20170911BHJP
【FI】
G09G3/36
G09G3/20 642K
G09G3/20 621K
G09G3/20 611A
G09G3/20 612U
G09G3/34 J
G02F1/133 510
G02F1/133 535
H04N9/64 F
【請求項の数】10
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-521532(P2016-521532)
(86)(22)【出願日】2014年6月18日
(65)【公表番号】特表2016-532885(P2016-532885A)
(43)【公表日】2016年10月20日
(86)【国際出願番号】US2014042864
(87)【国際公開番号】WO2014209705
(87)【国際公開日】20141231
【審査請求日】2015年12月21日
(31)【優先権主張番号】13/931,455
(32)【優先日】2013年6月28日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591003943
【氏名又は名称】インテル・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼木 晶弘
【審査官】
西島 篤宏
(56)【参考文献】
【文献】
特開2009−192887(JP,A)
【文献】
国際公開第2012/057013(WO,A1)
【文献】
欧州特許出願公開第02293276(EP,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0278867(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/36
G02F 1/133
G09G 3/20
G09G 3/34
H04N 9/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
色忠実度を制御するシステムであって、
赤緑青白(RGBW)ディスプレイと、
少なくとも部分的に固定機能ハードウェアに実装され、前記RGBWディスプレイと関連付けられた動作モードを判断し、前記動作モードに基づいて前記RGBWディスプレイの黄/白(Y/W)輝度比を制御するロジックとを備え、
前記動作モードを判断することは、
ユーザプレファレンスに基づいて、前記RGBWディスプレイが高色忠実度モードで動作するか、又は、低電力モードで動作するかを判断することと、
画像と関連付けられたヒストグラムが飽和色優位を示す場合に、前記高色忠実度モードの動作を選択し、前記画像に関連付けられた前記ヒストグラムが飽和色優位を示さない場合に、前記低電力モードの動作を選択することと
のうちの少なくとも一方を含み、
前記RGBWディスプレイの前記Y/W輝度比を制御することは、
前記RGBWディスプレイが前記低電力モードである場合に、前記Y/W輝度比を減少させ、前記RGBWディスプレイが前記高色忠実度モードである場合に、前記Y/W輝度比を増加させることを含み、
白の輝度は、前記低電力モード及び前記高色忠実度モードの両方で同一である、システム。
【請求項2】
前記ロジックは、ユーザインターフェース(UI)を生成し、前記UIを介して前記ユーザプレファレンスを受け取る、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
色忠実度を制御する装置であって、
少なくとも部分的に固定機能ハードウェアに実装され、赤緑青白(RGBW)ディスプレイと関連付けられた動作モードを判断し、前記動作モードに基づいて前記RGBWディスプレイの黄/白(Y/W)輝度比を制御するロジックを備え、
前記動作モードを判断することは、
ユーザプレファレンスに基づいて、前記RGBWディスプレイが高色忠実度モードで動作するか、又は、低電力モードで動作するかを判断することと、
画像と関連付けられたヒストグラムが飽和色優位を示す場合に、前記高色忠実度モードの動作を選択し、前記画像に関連付けられた前記ヒストグラムが飽和色優位を示さない場合に、前記低電力モードの動作を選択することと
のうちの少なくとも一方を含み、
前記RGBWディスプレイの前記Y/W輝度比を制御することは、
前記RGBWディスプレイが前記低電力モードである場合に、前記Y/W輝度比を減少させ、前記RGBWディスプレイが前記高色忠実度モードである場合に、前記Y/W輝度比を増加させることを含み、
白の輝度は、前記低電力モード及び前記高色忠実度モードの両方で同一である、装置。
【請求項4】
前記ロジックは、ユーザインターフェース(UI)を生成し、前記UIを介して前記ユーザプレファレンスを受け取る、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
色忠実度を制御する方法であって、
赤緑青白(RGBW)ディスプレイと関連付けられた動作モードを判断する段階と、
前記動作モードに基づいて前記RGBWディスプレイの黄/白(Y/W)輝度比を制御する段階とを備え、
前記動作モードを判断する段階は、
ユーザプレファレンスに基づいて、前記RGBWディスプレイが高色忠実度モードで動作するか、又は、低電力モードで動作するかを判断する段階と、
画像と関連付けられたヒストグラムが飽和色優位を示す場合に、前記高色忠実度モードの動作を選択する段階、及び、前記画像に関連付けられた前記ヒストグラムが飽和色優位を示さない場合に、前記低電力モードの動作を選択する段階と
のうちの少なくとも一方を含み、
前記Y/W輝度比を制御する段階は、
前記RGBWディスプレイが前記低電力モードである場合に、前記Y/W輝度比を減少させる段階と、
前記RGBWディスプレイが前記高色忠実度モードである場合に、前記Y/W輝度比を増加させる段階とを含み、
白の輝度は、前記低電力モード及び前記高色忠実度モードの両方で同一である、方法。
【請求項6】
ユーザインターフェース(UI)を生成する段階と、
前記UIを介して前記ユーザプレファレンスを受け取る段階とを更に含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
色忠実度を制御する装置であって、
請求項5又は6に記載の方法を実行する手段を備える、装置。
【請求項8】
赤緑青白(RGBW)ディスプレイと関連付けられた動作モードを判断する手順と、
前記動作モードに基づいて前記RGBWディスプレイの黄/白(Y/W)輝度比を制御する手順とをコンピュータに実行させ、
前記動作モードを判断する手順は、
ユーザプレファレンスに基づいて、前記RGBWディスプレイが高色忠実度モードで動作するか、又は、低電力モードで動作するかを判断する手順と、
画像と関連付けられたヒストグラムが飽和色優位を示す場合に、前記高色忠実度モードの動作を選択する手順、及び、前記画像と関連付けられた前記ヒストグラムが飽和色優位を示さない場合に、前記低電力モードの動作を選択する手順と
のうちの少なくとも一方を含み、
前記Y/W輝度比を制御する手順は、
前記RGBWディスプレイが前記低電力モードである場合に、前記Y/W輝度比を減少させる手順と、
前記RGBWディスプレイが前記高色忠実度モードである場合に、前記Y/W輝度比を増加させる手順とを含み、
白の輝度は、前記低電力モード及び前記高色忠実度モードの両方で同一である、プログラム。
【請求項9】
ユーザインターフェース(UI)を生成する手順と、
前記UIを介して前記ユーザプレファレンスを受け取る手順とをコンピュータに実行させる、請求項8に記載のプログラム。
【請求項10】
請求項8又は9に記載のプログラムを格納する、コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態は、概して、ディスプレイに関する。より具体的には、実施形態はRGBW(赤緑青白)ディスプレイにおけるダイナミックな色忠実度の制御に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の液晶ディスプレイ(LCD)は、2枚の薄いガラス基板の間に挟まれた液晶を具備し得る。バックライトランプから放射された光は、液晶によって制御され得る。ここで、色の表示を可能にすべく、カラーフィルタが複数のガラス基板の1枚の上に形成され得る。従来の赤緑青(RGB)のカラーフィルタの各画素は、赤緑青の成分を有する3サブピクセル構成を具備し得る。カラーフィルタ技術の最近の開発は、RGBWカラーフィルタの形成をもたらした。ここで、RGBWカラーフィルタの各画素は、青白(BW)成分又は赤緑(RG)成分のいずれかで、2サブピクセル構成を具備し得る。RGBWカラーフィルタは、従来のRGBカラーフィルタと比べて、透過率、解像度、及び電力効率が増加し得る一方、RGBカラーフィルタ構成と比較して、黄色の飽和度が、RG/フルホワイト比の減少に起因して減少し得る。
【図面の簡単な説明】
【0003】
以下の明細書及び添付の特許請求の範囲を読むことによって、並びに以下の図面を参照することによって、複数の実施形態の様々な利点が当業者に明らかになるだろう。
【0004】
【
図1】RGBカラーフィルタレイアウト及びRGBWカラーフィルタレイアウトの一例の例示である。
【0005】
【
図2】一実施形態に従った、モード変更アプローチの一例のブロック図である。
【0006】
【
図3】一実施形態に従った、色忠実度を制御する方法の一例のフローチャートである。
【0007】
【
図4】一実施形態に従った、ユーザインターフェースの一例の例示である。
【0008】
【
図5】一実施形態に従った、一対の画像及び関連付けられたヒストグラムの一例の例示である。
【0009】
【
図6】一実施形態に従った、通信リンクの一例のブロック図である。
【0010】
【
図7】一実施形態に従った、モバイルデバイスの一例のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
ここで
図1を参照すると、カラーフィルタレイアウトのセットが示される。概して、レイアウトは色の表示を可能にすべく、液晶ディスプレイ(LCD)に使用され得る。例示された例において、赤緑青(RGB)のレイアウト10は3サブピクセル構成を具備し、ここで各画素は赤緑青の成分を含む。一方、赤緑青白(RGBW)のレイアウト12は、2サブピクセル構成を具備し得て、ここで各画素は青白(BW)成分又は赤緑(RG)成分のいずれかを含む。各BW成分の白のサブピクセルは、比較的大きなバックライトエネルギーがフィルタを通過することを可能にし得る。その結果、電力消費は低減され得る。更に、RGBWレイアウト12のサブピクセルの幅がより大きいことで、解像度が増加し、更に電力効率が高まる。しかしながら特に注目すべきは、RGBWレイアウト12が、RGBレイアウト10より低い赤緑(RG)/フルホワイト比を具備し得るということである。更に、赤と緑の光が混ざって黄色の光を形成するので、フルホワイトに対する黄色の飽和度は、RGBレイアウト10と比較して、RGBWレイアウト12によって実現するのは、より困難になり得る。 より詳細に説明されるように、ダイナミックな色忠実度の解決法は、RGBWディスプレイの黄/白(Y/W)輝度比を選択的に高め、黄色の飽和度又は電力消費に関するあらゆる問題を除去するために、使用され得る。
【0012】
図2は、RGBWディスプレイのモード変更アプローチを示す。ここでRG画素14は、RGBWディスプレイが低電力モードであるときに鈍い黄色の出力16を有し、RGBWディスプレイが高色忠実度モードであるときに明るい黄色の出力18を有する。概してモード変更は、RGBWディスプレイのY/W輝度比を制御することによって実現され得る。例えば、低電力モードでは45%のY/W輝度比が使用され得る。そのようなシナリオでは、鈍い黄色の出力16は約67.5cd/m
2の輝度を有し、白の出力20は約150cd/m
2の輝度を有する。一方、高色忠実度モードでは、90%のY/W輝度比が使用され得る。ここで、明るい黄色の出力18は約135cd/m
2の輝度を有し、白の出力22は約150cd/m
2の輝度を有する。本明細書に使用された特定の値は、説明を容易にする目的のみである。
【0013】
低電力モードのY/W輝度比の減少は、高色忠実度モードのY/W輝度比の増加と比較して(例えば、3.2W)、著しく低い電力消費(例えば、1.6W)をもたらし得る。したがって、Y/W輝度比の減少は、バッテリ寿命が一番の問題である場合(例えば、モバイルプラットフォーム/デバイスにおいて)、許容可能であり得る。一方、高色忠実度モードのY/W輝度比の増加は、低電力モードのY/W輝度比の減少と比較して、著しく大きい黄色の飽和度をもたらし得る。したがって、Y/W輝度比の増加は、色忠実度が一番の問題である場合、許容可能であり得る。例示された例において、白の出力24は、輝度(例えば、約150cd/m
2)及び電力消費(例えば、1.6W)の両方に関して、低電力モード及び高色忠実度モードの両方で同一であり得る。
【0014】
ここで
図3を参照すると、色忠実度を制御する方法26が示される。方法26は、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、プログラマブルROM(PROM)、ファームウェア、フラッシュメモリなどの機械可読記憶媒体又はコンピュータ可読記憶媒体に、例えば、プログラマブルロジックアレイ(PLA)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、複合プログラマブルロジックデバイス(CPLD)などの設定可能ロジックに、例えば、特定用途向け集積回路(ASIC)、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)又はトランジスタ−トランジスタロジック(TTL)技術などの回路技術を用いる固定機能ロジックハードウェアに、又はそれらの任意の組み合わせに格納された複数のロジック命令のセットとして実装され得る。例えば、方法26に示された複数の処理を実行するコンピュータプログラムコードは、Java(登録商標)、Smalltalk、C++、又は同様のものなどのオブジェクト指向プログラミング言語、「C」プログラミング言語又は類似の複数のプログラミング言語などの従来の手続き型プログラミング言語を含む、1又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述され得る。
【0015】
例示された処理ブロック28は、RGBWディスプレイと関連付けられた動作モードを判断する。動作モードは、RGBWディスプレイを介して提示される1又は複数のユーザプレファレンス、及び/又は、1又は複数の画像に基づいて判断され得る。例えば、
図4は、ユーザインターフェース(UI)30が、ユーザプレファレンスを受け取るべく生成され得ることを示す。例示された例において、スライドバー32は、ユーザが「最大バッテリ」(例えば低電力モード)及び「最大品質」(例えば、高色忠実度モード)の間で、可変設定を確定することを可能にする。以下の表1は、スライドバー32と共に使用され得る所定のY/W輝度比のセットの一例を示す。
【表1】
【0016】
更に、
図5は、高飽和度画像34がRGBWディスプレイを介して提示される場合、値のヒストグラム36(例えば、色相、飽和度、値/HSVヒストグラム)は、画像34において飽和色優位を示し得ることを示す。この点に関して、色の色相(H)は、それがどの純粋色に類似しているかを指し(例えば、全ての赤のティント、トーン、シェイドは同一の色相を有する)、色の飽和度(S)は、色がどれだけ白いかを表現し得る(例えば、純粋な赤は飽和度1で完全飽和し、赤のティントは1より小さい飽和度を有し、白は飽和度0を有する)。一方、色の明度/値(V)は、色がどれほど暗いかを表現し得る(例えば、0の値は黒であり、黒から離れていくと明度が増加する)。
【0017】
したがって、値のヒストグラム36が飽和色優位を示す場合、RGBWディスプレイは高色忠実度モードの動作であることが推測され得る。一方、低飽和度画像38がRGBWディスプレイを介して提示される場合、値のヒストグラム40は、RGBWディスプレイが低電力モードの動作に置かれることが可能であることを示し得る。以下の表2、ヒストグラム36、40と共に使用され得るY/W輝度比のセットを示す。
【表2】
【0018】
ここで
図3に戻ると、ブロック42においてRGBWディスプレイが低電力モードであると判断された場合、ブロック44はRGBWのY/W輝度比を比較的低い値に設定し得る(例えば、Y/W輝度比を低減し得る)。そのようなアプローチは、電力消費の著しい減少及びバッテリ寿命の増加を可能にし得る。ブロック42において、RGBWディスプレイが低電力モードではないと判断された場合、RGBWディスプレイは高色忠実度モードであり得るので、例示されたブロック46はY/W輝度比を比較的高い値に設定する(例えば、Y/W輝度比を増加させる)。Y/W輝度比を比較的高い値も設定することは、品質を改善し得る。
【0019】
図6は、Y/W輝度比を制御する1つのアプローチを示す。例示された例において、プロセッサ50及びRGBWディスプレイ53の間の通信リンク48(48a、48b)は、色忠実度の制御情報の転送を容易にする。プロセッサ50は、概して、上記の方法26(
図3)の機能を提供するように構成されたロジック52を具備し得る。より具体的には、補助リンク48bは、プロセッサ50のロジック52とRGBWディスプレイ53のタイミング制御装置(TCON)54との間で、認識された拡張表示識別(EDID)情報、及び複数の比設定コマンドを伝え得る。例示されたタイミング制御装置54は、複数のコマンド及び関連情報を格納すべく、補助レジスタ及び/又は拡張レジスタなど様々なレジスタ56を具備する。主リンク48aは、RGBWカラーフィルタを有するLCDパネル58を介して、提示されたデータ(例えば、画像、ビデオ、視覚コンテンツ)を伝え得る。一例において、リンク48はディスプレイポート規格(例えば、埋め込みディスプレイポート規格(eDP)バージョン1.3、2011年1月、ビデオ・エレクトロニクス・スタンダーズ・アソシエーション)に準拠しており、LCDパネル58のカラーフィルタは、例えば、既に説明されたRGBWレイアウト12(
図1)などのレイアウトを有するペンタイル方式のRGBWカラーフィルタである。
【0020】
図7は、モバイルデバイス60を示す。モバイルデバイス60は、コンピューティング機能(例えば、携帯情報端末(PDA)、ラップトップ、スマートタブレット)、通信機能(例えば、無線スマートフォン)、画像機能、メディア再生機能(例えば、スマートテレビ(TV))、又はそれらの任意の組み合わせ(例えば、モバイルインターネットデバイス(MID))を有するプラットフォームの一部であり得る。例示された例において、デバイス60は、システムに電力を供給するバッテリ72と、システムメモリ66と通信を行い得る統合メモリコントローラ(IMC)64を有するプロセッサ50とを具備する。システムメモリ66は、例えば、デュアルインラインメモリモジュール(DIMM)、スモールアウトラインDIMM(SODIMM)など1又は複数のメモリモジュールとして構成された、例えば、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)を具備し得る。
【0021】
また、例示されたデバイス60は、チップセットのサウスブリッジと称されること場合がある入出力(IO)モジュール68を具備する。入出力(IO)モジュール68はホストデバイスとして機能し、例えばRGBWディスプレイ53及び大容量記憶装置70(例えば、ハードディスクドライブ(HDD)、光ディスク、フラッシュメモリなど)と通信を行い得る。例示されたプロセッサ50は、ユーザプレファレンス、RGBWディスプレイ53に提示される画像などに基づいて、RGBWディスプレイ53と関連付けられた動作モードを判断するように構成される、ロジック52を実行する。ユーザプレファレンスは、ディスプレイ53(例えば、タッチスクリーン)、又はキーボード、キーパッド、マイク、マウスなど他のユーザ入力デバイスを介して取得され得る。RGBWディスプレイ53に提示される画像は、システムメモリ66、大容量記憶装置70、別のプラットフォーム搭載ソース、別のプラットフォーム非搭載ソースなどから、取得され得る。
【0022】
また、ロジック52は、RGBWディスプレイ53のY/W輝度比を、動作モードに基づいて制御し得る。例えば、ロジック52は、RGBWディスプレイ53が低電力モードである場合に、Y/W輝度比を減少させ、RGBWディスプレイ53が高色忠実度モードである場合に、Y/W輝度比を増加させ得る。ロジック52は、代替的には、プロセッサ50の外部に実装され得る。更に、プロセッサ50及びIOモジュール68は、システムオンチップ(SoC)として、同一の半導体ダイ上に合わせて実装され得る。
【0024】
例1は、システムに電力を供給するバッテリと、赤緑青白(RGBW)ディスプレイと、少なくとも部分的に固定機能ハードウェアに実装され、RGBWディスプレイと関連付けられた動作モードを判断し、動作モードに基づいてRGBWディスプレイの黄/白(Y/W)輝度比を制御するロジックとを備える、色忠実度を制御するシステムを具備し得る。
【0025】
例2は、例1のシステムを具備し得る。ここで、ロジックは、RGBWディスプレイが低電力モードである場合に、Y/W輝度比を減少させ、RGBWディスプレイが高色忠実度モードである場合に、Y/W輝度比を増加させる。
【0026】
例3は、例1又は2のいずれか1つのシステムを具備し得る。ここで、動作モードはユーザプレファレンスに基づいて判断される。
【0027】
例4は、例3のシステムを具備し得る。ここで、ロジックはユーザインターフェース(UI)を生成し、UIを介してユーザプレファレンスを受け取る。
【0028】
例5は、例1又は2のいずれか1つのシステムを具備し得る。ここで、動作モードは画像に基づいて判断される。
【0029】
例6は、例5のシステムを具備し得る。ここで、ロジックは、画像と関連付けられたヒストグラムが飽和色優位を示す場合に、高色忠実度モードの動作を選択し、画像と関連付けられたヒストグラムが飽和色優位を示さない場合に、低電力モードの動作を選択する。
【0030】
例7は、少なくとも部分的に固定機能ハードウェアに実装され、赤緑青白(RGBW)ディスプレイと関連付けられた動作モードを判断し、動作モードに基づいてRGBWディスプレイの黄/白(Y/W)輝度比を制御するロジックを備える、色忠実度を制御する装置を具備し得る。
【0031】
例8は、例7の装置を具備し得る。ここで、ロジックは、RGBWディスプレイが低電力モードである場合に、Y/W輝度比を減少させ、RGBWディスプレイが高色忠実度モードである場合に、Y/W輝度比を増加させる。
【0032】
例9は、例7又は8のいずれか1つの装置を具備し得る。ここで、動作モードは、ユーザプレファレンスに基づいて判断される。
【0033】
例10は、例9の装置を具備し得る。ここで、ロジックはユーザインターフェース(UI)を生成し、UIを介してユーザプレファレンスを受け取る。
【0034】
例11は、例7又は8のいずれか1つの装置を具備し得る。ここで、動作モードは画像に基づいて判断される。
【0035】
例12は、例11の装置を具備し得る。ここで、ロジックは、画像に関連付けられたヒストグラムが飽和色優位を示す場合に、高色忠実度モードの動作を選択し、画像に関連付けられたヒストグラムが飽和色優位を示さない場合に、低電力モードの動作を選択する。
【0036】
例13は、赤緑青白(RGBW)ディスプレイと関連付けられた動作モードを判断する段階と、動作モードに基づいてRGBWディスプレイの黄/白(Y/W)輝度比を制御する段階とを備える、色忠実度を制御する方法を具備し得る。
【0037】
例14は、例13の方法を具備し得る。ここで、Y/W輝度比を制御する段階は、RGBWディスプレイが低電力モードである場合に、Y/W輝度比を減少させる段階と、RGBWディスプレイが高色忠実度モードである場合に、Y/W輝度比を増加させる段階とを含む。
【0038】
例15は、例13又は14のいずれか1つの方法を具備し得る。ここで動作モードは、ユーザプレファレンスに基づいて判断される。
【0039】
例16は、ユーザインターフェース(UI)を生成する段階と、UIを介してユーザプレファレンスを受け取る段階とを更に含む、例15の方法を具備し得る。
【0040】
例17は、例13又は14のいずれか1つの方法を具備し得る。ここで、動作モードは画像に基づいて判断される。
【0041】
例18は、画像に関連付けられたヒストグラムが飽和色優位を示す場合に、高色忠実度モードの動作を選択する段階と、画像に関連付けられたヒストグラムが飽和色優位を示さない場合に、低電力モードの動作を選択する段階とを更に含む、例17の方法を具備し得る。
【0042】
例19は、デバイスによって実行された場合、デバイスに赤緑青白(RGBW)ディスプレイと関連付けられた動作モードを判断させ、動作モードに基づいてRGBWディスプレイの黄/白(Y/W)輝度比を制御させる、複数の命令セットを備える、非一時的コンピュータ可読記憶媒体を具備し得る。
【0043】
例20は、デバイスによって実行された場合、デバイスに例13から18のいずれか1つの方法を実行させる、複数の命令セットを含む、非一時的コンピュータ可読記憶媒体を具備し得る。
【0044】
例21は、色忠実度を制御する装置を具備し得る。装置は、例13から18のいずれか1つの方法を実行するための手段を備える。
【0045】
したがって、本明細書に説明された複数の技術は、所与のプラットフォーム上の様々な使用ケースに対して、電力と品質との最適設計ポイントを提供し得る。更に言えば、ラップトップコンピュータ、タブレットなどの多目的使用のデバイスは、これらの技術を用いて、多種多様な使用ケースにわたって、品質のために電力を妥協するあらゆる必要性を除去し得るし、逆もまた然りである。
【0046】
複数の実施形態は、全てのタイプの半導体集積回路(「IC」)チップとの使用に適用可能である。これらのICチップの例には、限定されないが、プロセッサ、コントローラ、チップセットコンポーネント、プログラマブルロジックアレイ(PLA)、メモリチップ、ネットワークチップ、システムオンチップ(SoC)、SSD/NANDコントローラASIC、及び同様のものが含まれる。更に、複数の図面のいくつかにおいて、複数の信号導体線が、線で表される。線によっては、より多くの構成信号パスを示すべく異なっていたり、複数の構成信号パスを示すべく番号符号を有していたり、及び/又は、フロー方向の主要情報を示すべく1又は複数の端部に矢印を有していたりする場合がある。しかしながら、これは、限定するやり方で解釈されるべきではない。むしろ、そのような更なる詳細は、回路の理解しやすさを容易にすべく、1又は複数の例示的な実施形態と関連して用いられ得る。 表されているあらゆる信号線は、追加の情報を有するか否かに関わらず、複数の方向に移動し得て、また例えば、差動対とともに実装されたデジタル又はアナログ線、光ファイバ線、及び/又はシングルエンド線などのあらゆる適切なタイプの信号スキームに実装され得る、1又は複数の信号を実際に備え得る。
【0047】
例示的な複数のサイズ/モデル/値/範囲が提示されているかもしれないが、複数の実施形態はそれらに限定されない。製造技術(例えば、フォトリソグラフィ)が時の経過と共に成熟するにつれ、より小さいサイズのデバイスが製造され得ることが予期される。更に、ICチップ及び他の複数のコンポーネントへの既知の電源/グラウンド接続は、例示及び説明の簡略化のために、また複数の実施形態の特定の態様を不明瞭にしないように、複数の図の中に示されても、示されなくてもよい。更に、複数の実施形態を曖昧にすることを回避すべく、及び、そのようなブロック図の構成の実装に関する詳細が、実施形態が実装されるプラットフォームに大きく依存している、つまり、そのような詳細が十分に当業者の理解の範囲内であるべきという事実にも鑑みて、複数の構成がブロック図の形態で示され得る。例示的な複数の実施形態を説明すべく、具体的な詳細(例えば、回路)が明記される場合、複数の実施形態がこれらの具体的な詳細なしで又はその変形例で実施されることが可能であることは、当業者に明らかであるべきである。したがって、説明は、限定する代わりに例示的であるとみなされる。
【0048】
本明細書では、「結合される」という用語は、対象の構成要素間の直接的又は間接的な任意のタイプの関係を指すために使用され得て、電気的接続、機械的接続、流体接続、光学的接続、電磁的接続、電気機械的接続、又は他の複数の接続に適用し得る。更に、「第1の」、「第2の」などの用語は、説明を容易にするためのみに本明細書に使用され得て、別段の指示がない限り、何ら特定の時間的又は経時的な意味を有さない。
【0049】
当業者は上記の説明から、複数の実施形態の幅広い技術が、様々な形態で実装され得ることを理解されよう。したがって、複数の実施形態は、それらの特定の複数の例と関連して説明されたが、複数の図面、明細書、及び以下の特許請求の範囲を調査する当業者には他の複数の変更が明らかになるので、複数の実施形態の真の範囲はあまり限定されるべきではない。
(項目1)
色忠実度を制御するシステムであって、
上記システムに電力を供給するバッテリと、
赤緑青白(RGBW)ディスプレイと、
少なくとも部分的に固定機能ハードウェアに実装され、上記RGBWディスプレイと関連付けられた動作モードを判断し、前記動作モードに基づいて上記RGBWディスプレイの黄/白(Y/W)輝度比を制御するロジックとを備える、システム。
(項目2)
上記ロジックは、上記RGBWディスプレイが低電力モードである場合に、上記Y/W輝度比を減少させ、上記RGBWディスプレイが高色忠実度モードである場合に、上記Y/W輝度比を増加させる、項目1に記載のシステム。
(項目3)
上記動作モードは、ユーザプレファレンスに基づいて判断される、項目1又は2に記載のシステム。
(項目4)
上記ロジックは、ユーザインターフェース(UI)を生成し、上記UIを介して上記ユーザプレファレンスを受け取る、項目3に記載のシステム。
(項目5)
上記動作モードは、画像に基づいて判断される、項目1又は2に記載のシステム。
(項目6)
上記ロジックは、上記画像と関連付けられたヒストグラムが飽和色優位を示す場合に、高色忠実度モードの動作を選択し、前記画像に関連付けられた上記ヒストグラムが飽和色優位を示さない場合に、低電力モードの動作を選択する、項目5に記載のシステム。
(項目7)
色忠実度を制御する装置であって、
少なくとも部分的に固定機能ハードウェアに実装され、赤緑青白(RGBW)ディスプレイと関連付けられた動作モードを判断し、上記動作モードに基づいて上記RGBWディスプレイの黄/白(Y/W)輝度比を制御するロジックを備える、装置。
(項目8)
上記ロジックは、上記RGBWディスプレイが低電力モードである場合に、上記Y/W輝度比を減少させ、上記RGBWディスプレイが高色忠実度モードである場合に、上記Y/W輝度比を増加させる、項目7に記載の装置。
(項目9)
上記動作モードは、ユーザプレファレンスに基づいて判断される、項目7又は8に記載の装置。
(項目10)
上記ロジックは、ユーザインターフェース(UI)を生成し、上記UIを介して上記ユーザプレファレンスを受け取る、項目9に記載の装置。
(項目11)
上記動作モードは、画像に基づいて判断される、項目7又は8に記載の装置。
(項目12)
上記ロジックは、上記画像に関連付けられたヒストグラムが飽和色優位を示す場合に、高色忠実度モードの動作を選択し、上記画像に関連付けられた上記ヒストグラムが飽和色優位を示さない場合に、低電力モードの動作を選択する、項目11に記載の装置。
(項目13)
色忠実度を制御する方法であって、
赤緑青白(RGBW)ディスプレイと関連付けられた動作モードを判断する段階と、
上記動作モードに基づいて上記RGBWディスプレイの黄/白(Y/W)輝度比を制御する段階とを備える、方法。
(項目14)
上記Y/W輝度比を制御する段階は、
上記RGBWディスプレイが低電力モードである場合に、上記Y/W輝度比を減少させる段階と、
上記RGBWディスプレイが高色忠実度モードである場合に、上記Y/W輝度比を増加させる段階とを含む、項目13に記載の方法。
(項目15)
上記動作モードは、ユーザプレファレンスに基づいて判断される、項目13又は14に記載の方法。
(項目16)
ユーザインターフェース(UI)を生成する段階と、
上記UIを介して上記ユーザプレファレンスを受け取る段階とを更に含む、項目15に記載の方法。
(項目17)
上記動作モードは、画像に基づいて判断される、項目13又は14に記載の方法。
(項目18)
上記画像と関連付けられたヒストグラムが飽和色優位を示す場合に、高色忠実度モードの動作を選択する段階と、
上記画像と関連付けられた上記ヒストグラムが飽和色優位を示さない場合に、低電力モードの動作を選択する段階とを更に含む、項目17に記載の方法。
(項目19)
複数の命令のセットを備え、
上記複数の命令のセットは、デバイスによって実行されると、デバイスに、赤緑青白(RGBW)ディスプレイと関連付けられた動作モードを判断させ、
上記動作モードに基づいて上記RGBWディスプレイの黄/白(Y/W)輝度比を制御させる、非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
(項目20)
上記複数の命令は、実行されると、デバイスに、上記RGBWディスプレイが低電力モードである場合に、上記Y/W輝度比を減少させ、
上記RGWBディスプレイが高色忠実度モードである場合に、上記Y/W輝度比を増加させる、項目19に記載の媒体。
(項目21)
上記動作モードは、ユーザプレファレンスに基づいて判断される、項目19又は20に記載の媒体。
(項目22) 上記複数の命令は、実行されると、デバイスに、ユーザインターフェース(UI)を生成させ、
上記UIを介して上記ユーザプレファレンスを受け取らせる、項目21に記載の媒体。
(項目23)
上記動作モードは、画像に基づいて判断される、項目19又は20に記載の媒体。
(項目24)
上記複数の命令は、実行されると、デバイスに、上記画像と関連付けられたヒストグラムが飽和色優位を示す場合に、高色忠実度モードの動作を選択させ、
上記画像と関連付けられた上記ヒストグラムが飽和色優位を示さない場合に、低電力モードの動作を選択させる、項目23に記載の媒体。
(項目25)
色忠実度を制御する装置であって、
項目13又は14に記載の方法を実行する手段を備える、装置。