特許第6202085号(P6202085)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6202085
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】水性懸濁状農薬組成物
(51)【国際特許分類】
   A01N 25/04 20060101AFI20170914BHJP
   A01N 25/22 20060101ALI20170914BHJP
   A01N 37/32 20060101ALI20170914BHJP
   A01N 43/38 20060101ALI20170914BHJP
   A01N 47/24 20060101ALI20170914BHJP
   A01P 3/00 20060101ALI20170914BHJP
【FI】
   A01N25/04 102
   A01N25/22
   A01N37/32 101
   A01N43/38
   A01N47/24 G
   A01P3/00
【請求項の数】4
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-503077(P2015-503077)
(86)(22)【出願日】2014年2月25日
(86)【国際出願番号】JP2014055205
(87)【国際公開番号】WO2014133181
(87)【国際公開日】20140904
【審査請求日】2017年1月10日
(31)【優先権主張番号】特願2013-38434(P2013-38434)
(32)【優先日】2013年2月28日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002093
【氏名又は名称】住友化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100113000
【弁理士】
【氏名又は名称】中山 亨
(74)【代理人】
【識別番号】100151909
【弁理士】
【氏名又は名称】坂元 徹
(72)【発明者】
【氏名】福井 雄佑
(72)【発明者】
【氏名】津田 尚己
(72)【発明者】
【氏名】大脇 真紀
【審査官】 阿久津 江梨子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−189354(JP,A)
【文献】 特開2012−184209(JP,A)
【文献】 特開平5−105606(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01N 25/04
A01N 25/22
A01N 37/32
A01N 43/38
A01N 47/24
A01P 3/00
JSTPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フェンピラザミンと酸成分とを含有する水性懸濁状農薬組成物であって、該組成物の25℃におけるpHが2.5〜6.5の範囲である水性懸濁状農薬組成物。
【請求項2】
酸成分がリン酸、塩酸及び硫酸からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求の範囲1に記載の水性懸濁状農薬組成物。
【請求項3】
更にプロシミドンを含有する請求の範囲1または2に記載の水性懸濁状農薬組成物。
【請求項4】
更にポリオキシアルキレンアリールフェニルエーテルリン酸エステル塩を含有する請求の範囲3に記載の水性懸濁状農薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フェンピラザミンを含有する水性懸濁状農薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、フェンピラザミンを含有する農薬製剤が農業用殺菌剤として知られており、例えば、フェンピラザミンとリグニンスルホン酸塩とを含有する粒状農薬組成物及び水性懸濁状農薬組成物が実用に供されている(例えば、JP2006−249067A及びJP2010−189354A参照。)。
かかる製剤においては、例えば高温下での保存や輸送等の間に、臭気を発生することがある。このような臭気の発生は、その殆どが含有される農薬活性成分の分解等、実用上問題となるような品質の劣化を伴うものではないものの、使用者や使用場面によっては、不快臭と認識されることがあり、臭気の発生の抑制が望まれている。
【0003】
本発明は、臭気の発生の問題がなく、保存安定性にも優れるフェンピラザミン含有水性懸濁状農薬組成物を提供することを課題とする。
【発明の開示】
【0004】
本発明者等は、臭気の発生の問題がなく、保存安定性にも優れるフェンピラザミン含有水性懸濁状農薬組成物を見出すべく検討した結果、本発明にいたった。
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1] フェンピラザミンと酸成分とを含有する水性懸濁状農薬組成物であって、該組成物の25℃におけるpHが2.5〜6.5の範囲である水性懸濁状農薬組成物。
【0005】
[2] 酸成分がリン酸、塩酸及び硫酸からなる群より選ばれる少なくとも1種である[1]に記載の水性懸濁状農薬組成物。
【0006】
[3] 更にプロシミドンを含有する[1]または[2]に記載の水性懸濁状農薬組成物。
【0007】
[4] 更にポリオキシアルキレンアリールフェニルエーテルリン酸エステル塩を含有する[3]に記載の水性懸濁状農薬組成物。
【0008】
本発明により、臭気の発生の問題がなく、保存安定性にも優れるフェンピラザミン含有水性懸濁状農薬組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の水性懸濁状農薬組成物(以下、本発明組成物と記す。)はフェンピラザミンを、本発明組成物100重量%に対して、通常1〜50重量%含有する。
【0010】
本発明組成物は、25℃におけるpHが2.5〜6.5の範囲である。
本発明組成物において、25℃におけるpHは、本発明組成物を、恒温槽等を用いて25℃に保ち、ガラス電極式水素イオン濃度計(型番:D−51、株式会社堀場製作所製)のガラス電極を該本発明組成物の原液に浸漬し、10秒間の電位差の変化が±1mV以内に安定した時点で測定されるpH値である。
【0011】
25℃におけるpHが2.5〜6.5の範囲である本発明組成物を得るための手段として、該pHが2.5〜6.5の範囲を呈するために必要な量の酸成分を添加する。かかる酸成分としては、無機酸、有機酸等が挙げられる。無機酸としては、塩酸、次亜塩素酸、硫酸、亜硫酸、硝酸、リン酸、ホウ酸等が挙げられる。有機酸としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、オクタン酸、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸、ハートール脂肪酸(オレイン酸、リノール酸を主成分とする材木からの抽出物であり、トール油脂肪酸ともいう。:播磨化成工業社製)等の飽和もしくは不飽和脂肪酸、安息香酸、フタル酸等の芳香族カルボン酸、コハク酸、リンゴ酸、シュウ酸、クエン酸等のジまたはトリカルボン酸、ソルビン酸、乳酸等のカルボン酸、モノもしくはジC1−6アルキルホスフェート(例、ジイソプロピルホスフェート、モノイソプロピルホスフェート、PAP(ジイソプロピルホスフェートとモノイソプロピルホスフェートを主成分とする混合物:日本化学工業社製))等の有機リン酸等が挙げられ、リン酸、塩酸または硫酸の使用が好ましい。
【0012】
本発明組成物は酸成分を、本発明組成物100重量%に対して、その合計として通常0〜3.0重量%、好ましくは0.01〜2.0重量%、より好ましくは0.01〜1.0重量%含有する。
【0013】
本発明組成物に用いられる水は特に制限されることがなく、水道水、井水及び脱イオン水等の通常の水性懸濁状農薬組成物に用いられる水を用いることができるが、脱イオン水の使用が好ましい。
【0014】
本発明組成物は水を、本発明組成物100重量%に対して、通常30〜80重量%含有する。
【0015】
本発明組成物はさらに、通常の水性懸濁状農薬組成物において用いられる農薬補助剤を含有していてもよい。かかる農薬補助剤としては、界面活性剤、増粘剤、消泡剤、防腐剤、凍結防止剤等が挙げられる。
【0016】
かかる界面活性剤としては、ノニオン界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤及び両性界面活性剤が挙げられる。ノニオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンラノリンアルコール、ポリオキシエチレンアルキルフェノールホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリルモノ脂肪酸エステル、ポリオキシプロピレングリコールモノ脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、高級脂肪酸グリセリンエステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、アルキロールアミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン、及びポリオキシエチレンアルカンジオールが挙げられる。
【0017】
カチオン性界面活性剤としては、例えば、ドデシルアミン塩酸塩等のアルキルアミン塩酸塩;ドデシルトリメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、ジアルキルモルホリニウム塩等のアルキル四級アンモニウム塩;塩化ベンゼトニウム、及びポリアルキルビニルピリジニウム塩が挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、パルミチン酸ナトリウム等の脂肪酸ナトリウム;ポリオキシエチレンラウリルエーテルカルボン酸ナトリウム等のエーテルカルボン酸ナトリウム;ラウロイルサルコシンナトリウム、N−ラウロイルグルタミン酸ナトリウム等の高級脂肪酸のアミノ酸縮合物;高級アルキルスルホン酸塩、ラウリン酸エステルスルホン酸塩等の高級脂肪酸エステルスルホン酸塩;ジオクチルスルホサクシネート等のジアルキルスルホコハク酸塩;オレイン酸アミドスルホン酸等の高級脂肪酸アミドスルホン酸塩;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジイソプロピルナフタレンスルホン酸塩等のアルキルアリールスルホン酸塩;アルキルアリールスルホン酸塩のホルマリン縮合物、ペンタデカン−2−サルフェート等の高級アルコール硫酸エステル塩;ジポリオキシエチレンドデシルエーテルリン酸エステル等のポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル塩;スチレン−マレイン酸共重合体;リグニンスルホン酸塩;ポリオキシアルキレンアリールフェニルエーテルリン酸エステル塩が挙げられる。
【0018】
両性界面活性剤としては、例えば、N−ラウリルアラニン、N,N,N−トリメチルアミノプロピオン酸、N,N,N−トリヒドロキシエチルアミノプロピオン酸、N−ヘキシル−N,N−ジメチルアミノ酢酸、1−(2−カルボキシエチル)ピリミジニウムベタイン、及びレシチンが挙げられる。
【0019】
上記界面活性剤の中でも、リグニンスルホン酸塩の使用が好ましい。本発明に用いられるリグニンスルホン酸塩としては、例えば、リグニンスルホン酸のナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩が挙げられる。かかるリグニンスルホン酸塩としては、重量平均分子量が4000以上、好ましくは4000〜11000程度、また、スルホン化度が1.9以下、好ましくは0.5〜1.9程度のものが用いられる。かかるリグニンスルホン酸塩のスルホン化度とは、リグニン1ユニットの分子量を1000としたときの、1ユニット中にあるスルホン酸基の個数の平均をいう。
本発明組成物が界面活性剤を含有する場合、その合計含有量は本発明組成物100重量%に対して、通常0.1〜10重量%である。
【0020】
増粘剤としては、例えばザンサンガム、ラムザンガム、ローカストビーンガム、グァーガム、カラギーナン、ウェランガム、アルギン酸、アルギン酸塩、トラガントガム等の天然多糖類;アルミニウムシリケート、マグネシウムアルミニウムシリケート、スメクタイト、ベントナイト、ヘクライト、合成含水珪酸、乾式シリカ等の鉱物質粉末;およびアルミナゾルを挙げることができる。これらの増粘剤として市販品をそのまま使用することができる。かかる市販品としては、例えば、ザンサンガムであるケルザンS(CP Kelco社商品名)、アルミニウムシリケートであるビーガム R(バンダービルト社商品名)、及び乾式シリカであるアエロジル200(日本アエロジル社商品名)が挙げられる。
本発明組成物が増粘剤を含有する場合、その合計含有量は本発明組成物100重量%に対して、通常0.1〜5重量%である。
【0021】
消泡剤としては、例えばアンチフォームCエマルション(東レ・ダウコーニング株式会社商品名)、アンチフォームCE(東レ・ダウコーニング株式会社商品名)、アンチフォームAコンパウンド(東レ・ダウコーニング株式会社商品名)、FSアンチフォーム1266(東レ・ダウコーニング株式会社商品名)、KM−98(信越化学工業株式会社商品名)、KS−530(信越化学工業株式会社商品名)、KS−538(信越化学工業株式会社商品名)、ブレイク−スルーAF5503(エボニックインダストリーズAG社商品名)、アンチフォームE−20(花王株式会社商品名)、TSA730(モメンティブ・パフォーマンスマテリアルズ・ジャパン合同会社商品名)、TSA731(モメンティブ・パフォーマンスマテリアルズ・ジャパン合同会社商品名)、TSA732(モメンティブ・パフォーマンスマテリアルズ・ジャパン合同会社商品名)、YMA6509(モメンティブ・パフォーマンスマテリアルズ・ジャパン合同会社商品名)等のシリコーン系消泡剤;及びフルオウェットPL80(クラリアント社商品名)等のフッ素系消泡剤;フォームスターW220(コグニスジャパン株式会社商品名)が挙げられる。
本発明組成物が消泡剤を含有する場合、その合計含有量は本発明組成物100重量%に対して、通常0.05〜0.5重量%である。
【0022】
防腐剤としては、例えばp−ヒドロキシ安息香酸エステル、サリチル酸誘導体、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン(例えば、プロキセルGXL(Lonza社商品名))及びイソチアゾリン−3−オン誘導体(例えば、バイオホープL(ケイ・アイ化成社商品名))が挙げられる。
本発明組成物が防腐剤を含有する場合、その合計含有量は本発明組成物100重量%に対して、通常0.01〜3重量%である。
【0023】
凍結防止剤としては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール等の水溶性グリコール類が挙げられる。
本発明組成物が凍結防止剤を含有する場合、その合計含有量は本発明組成物100重量%に対して、通常1〜20重量%である。
【0024】
本発明組成物はさらに、フェンピラザミン以外の農薬活性成分を含有していてもよい。かかる農薬活性成分としては、殺虫活性成分、殺菌活性成分、除草活性成分、植物生長調節活性成分等が挙げられる。
【0025】
殺虫活性成分としては、例えば、シフルトリン、シペルメトリン、デルタメトリン、フェンプロパトリン、エスフェンバレレート、トラロメトリン、アクリナトリン、ビフェントリン、レスメトリン、テトラメトリン等のピレスロイド化合物;プロポキサー、イソプロカルブ、キシリルカルブ、メトルカルブ、XMC、カルバリル、ピリミカルブ、カルボフラン、メソミル、オキサミル、フェノキシカルブ、アラニカルブ、メトキサジアゾン、ベンフラカルブ、カルボスルファン、フラチオカルブ、PHC、ベンタイオカルブ等のカーバメート化合物;アセフェート、フェントエート、バミドチオン、トリクロルホン、モノクロトホス、テトラクロルビンホス、ジメチルビンホス、ホサロン、クロルピリホス、クロルピリホスメチル、ピリダフェンチオン、キナルホス、メチダチオン、メタミドホス、ジメトエート、エチルチオメトン、プロパホス、フェルモチオン、アジンホスエチル、アジンホスメチル、サリチオン等の有機リン化合物;ジフルベンズロン、クロルフルアズロン、ルフェヌロン、ヘキサフルムロン、フルフェノクスロン、フルシクロクスロン、シロマジン、ジアフェンチウロン、ヘキシチアゾクス、ノヴァルロン、テフルベンズフロン、トリフルムロン、4−クロロ−2−(2−クロロ−2−メチルプロピル)−5−(6−ヨード−3−ピリジルメトキシ)ピリダジン−3(2H)−オン、1−(2,6−ジフルオロベンゾイル)−3−[2−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル]ウレア、1−(2,6−ジフルオロベンゾイル)−3−[2−フルオロ−4−(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロポキシ)フェニル]ウレア、2−tert−ブチルイミノ−3−イソプロピル−5−フェニル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−1,3,5−チアジアゾン−4−オン、1−(2,6−ジフルオロベンゾイル)−3−[2−フルオロ−4−(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)フェニル]ウレア等のキチン合成阻害活性を有するウレア化合物;5−アミノ−4−ジクロロフルオロメチルスルフェニル−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)ピラゾール、5−アミノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−4−トリフルオロメチルスルフェニルピラゾール等のピラゾール化合物;イミダクロプリド、アセタミプリド、ニテンピラム、ジアクロデン、クロチアニジン、チアメトキサム、ジノテフラン、チアクロプリド等のクロロニコチル化合物;スピノサド等のマクロライド化合物;カルタップ塩酸塩、ブプロフェジン、チオシクラム、フェノキシカルブ、フェナザキン、フェンピロキシメート、ピリダベン、ピリプロキシフェン、フィプロニル、エチプロール、アセトプロール、ダイアジノンヒドラメチルノン、チオジカルブ、クロルフェナピル、フェンプロキシメート、ピメトロジン、ピリミジフェン、テブフェノジド、テブフェンピラド、トリアザメート、インドキサカーブ、スルフルラミド、ミルベメクチン、アベルメクチン、クロフェンテジン、ホウ酸、パラジクロロベンゼンが挙げられる。
【0026】
殺菌活性成分としては、例えば、ベノミル、カルベンダジム、チアベンダゾール、チオファネートメチル等のベンズイミダゾール化合物;ジエトフェンカルブ等のフェニルカーバメート化合物;チウラム等のジチオカーバメート化合物;プロシミドン、イプロジオン、ビンクロゾリン等のジカルボキシイミド化合物;ジニコナゾール、エポキシコナゾール、テブコナゾール、ジフェノコナゾール、シプロコナゾール、フルシラゾール、トリアジメフォン、ヘキサコナゾール等のアゾール化合物;メタラキシル等のアシルアラニン化合物;フラメトピル、メプロニル、チアジニル、フルトラニル、トリフルザミド等のカルボキシアミド化合物;トルクロホスメチル、フォセチルアルミニウム、ピラゾホス等の有機リン化合物;フルジオキソニル、フェンピクロニル等のシアノピロール化合物;ブラストサイジンS、カスガマイシン、ポリオキシン、バリダマイシン、ミルディオマイシン等の抗生物質;クレソキシムメチル、メトミノストロビン等のメトキシアクリレート化合物;オキサジキル、PCNB、ヒドロキシイソキザール、ダゾメット、ジクロメジン、トリアジン、イソプロチオラン、ジクロシメット、オリサストロビン、カルプロパミド、クロロタロニル、マンゼブ、キャプタン、フォルペット、オキシン銅、塩基性塩化銅、トリシクラゾール、ピロキロン、プロベナゾール、フサライド、アシベンゾラルSメチル、シモキサニル、ジメトモルフ、S−メチルベンゾ[1.2.3]チアジアゾール−7−カルボチオエート、ファモキサドン、オキソリニック酸、フルアジナム、クロベンチアゾン、イソバレジオン、シメコナゾール、テトラクロオロイソフタロニトリル、チオフタルイミドオキシビスフェノキシアルシン、3−ヨード−2−プロピルブチルカーバメイト、銀ゼオライト、シリカゲル銀、リン酸ジルコニウム銀塩、パラヒドロキシ安息香酸エステル、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸カリウムが挙げられる。
【0027】
除草活性成分としては、例えば、アトラジン、メトリブジン等のトリアジン化合物;フルオメツロン、イソプロチュロン、ダイムロン等のウレア化合物;ブロモキシニル、アイオキシニル等のヒドロキシベンゾニトリル化合物;ペンディメサリン、トリフルラリン等の2,6−ジニトロアニリン化合物;2,4−D、ジカンバ、フルロキシピル、メコプロップ等のアリロキシアルカノイック酸化合物;ベンスルフロンメチル、メツルフロンメチル、ニコスルフロン、プリミスルフロンメチル、シクロスルファムロン、イマゾスルフロン、1−(2−クロロ−6−プロピルイミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン−3−イルスルフォニル)−3−(4,6−ジメトキシ−ピリミジン−2−イル)ウレア等のスルホニルウレア化合物;イマザピル、イマザキン、イマゼタピル等のイミダゾリノン化合物;ビスピリバックナトリウム、ビスチオバックナトリウム、アシフルオルフェンナトリウム、サルフェントラゾン、パラコート、フルメツラム、トリフルスルフロンメチル、フェノキサプロップ−p−エチル、シハロホップブチル、ジフルフェニカン、ノルフルラゾン、イソキサクロルトール、ベンタゾン、ベンチオカーブ、メフェナセット、プロパニル、フルチアミド、シメトリン、フェントラザミド、エトベンザニド、スエップ、オキサジクロメフォン、オキサジアゾロン、ピラゾレート、プロジアミン、カフェンストロール、ペントキサゾン、クロメプロップ、ピリフタリド、ベンゾビシクロン、ブロモブチド、ピラクロニルが挙げられる。
【0028】
植物生長調節活性成分としては、例えば、マレイックヒドラジド、クロルメカット、エテフォン、ジベレリン、メピカットクロライド、チジアズロン、イナベンファイド、パクロブトラゾール、ウニコナゾールが挙げられる。
【0029】
本発明組成物がフェンピラザミン以外の農薬活性成分を含有する場合、その合計含有量は本発明組成物100重量%に対して、通常1〜50重量%である。
【0030】
本発明組成物の例のいくつかを以下に示す。尚、量は本発明組成物全重量に対する重量を示す。
・フェンピラザミン1〜50重量%、酸成分0〜3.0重量%を含有し、25℃におけるpHが2.5以上6.5以下である水性懸濁状農薬組成物。
・フェンピラザミン1〜50重量%、酸成分0.01〜2.0重量%を含有し、25℃におけるpHが2.5以上6.5以下である水性懸濁状農薬組成物。
・フェンピラザミン1〜50重量%、酸成分0.01〜1.0重量%を含有し、25℃におけるpHが2.5以上6.5以下である水性懸濁状農薬組成物。
・フェンピラザミン1〜50重量%、リン酸、塩酸及び硫酸からなる群より選ばれる1種以上の酸成分0〜3.0重量%を含有し、25℃におけるpHが2.5以上6.5以下である水性懸濁状農薬組成物。
・フェンピラザミン1〜50重量%、リン酸、塩酸及び硫酸からなる群より選ばれる1種以上の酸成分0.01〜2.0重量%を含有し、25℃におけるpHが2.5以上6.5以下である水性懸濁状農薬組成物。
・フェンピラザミン1〜50重量%、リン酸、塩酸及び硫酸からなる群より選ばれる1種以上の酸成分0.01〜1.0重量%を含有し、25℃におけるpHが2.5以上6.5以下である水性懸濁状農薬組成物。
【0031】
・フェンピラザミン1〜50重量%、酸成分0〜3.0重量%を含有し、25℃におけるpHが3.0以上6.5以下である水性懸濁状農薬組成物。
・フェンピラザミン1〜50重量%、酸成分0.01〜2.0重量%を含有し、25℃におけるpHが3.0以上6.5以下である水性懸濁状農薬組成物。
・フェンピラザミン1〜50重量%、酸成分0.01〜1.0重量%を含有し、25℃におけるpHが3.0以上6.5以下である水性懸濁状農薬組成物。
・フェンピラザミン1〜50重量%、リン酸、塩酸及び硫酸からなる群より選ばれる1種以上の酸成分0〜3.0重量%を含有し、25℃におけるpHが3.0以上6.5以下である水性懸濁状農薬組成物。
・フェンピラザミン1〜50重量%、リン酸、塩酸及び硫酸からなる群より選ばれる1種以上の酸成分0.01〜2.0重量%を含有し、25℃におけるpHが3.0以上6.5以下である水性懸濁状農薬組成物。
・フェンピラザミン1〜50重量%、リン酸、塩酸及び硫酸からなる群より選ばれる1種以上の酸成分0.01〜1.0重量%を含有し、25℃におけるpHが3.0以上6.5以下である水性懸濁状農薬組成物。
【0032】
・フェンピラザミン1〜50重量%、プロシミドン1〜50重量%、酸成分0〜3.0重量%を含有し、25℃におけるpHが2.5以上6.5以下である水性懸濁状農薬組成物。
・フェンピラザミン1〜50重量%、プロシミドン1〜50重量%、酸成分0.01〜2.0重量%を含有し、25℃におけるpHが2.5以上6.5以下である水性懸濁状農薬組成物。
・フェンピラザミン1〜50重量%、プロシミドン1〜50重量%、酸成分0.01〜1.0重量%を含有し、25℃におけるpHが2.5以上6.5以下である水性懸濁状農薬組成物。
・フェンピラザミン1〜50重量%、プロシミドン1〜50重量%、リン酸、塩酸及び硫酸からなる群より選ばれる1種以上の酸成分0〜3.0重量%を含有し、25℃におけるpHが2.5以上6.5以下である水性懸濁状農薬組成物。
・フェンピラザミン1〜50重量%、プロシミドン1〜50重量%、リン酸、塩酸及び硫酸からなる群より選ばれる1種以上の酸成分0.01〜2.0重量%を含有し、25℃におけるpHが2.5以上6.5以下である水性懸濁状農薬組成物。
・フェンピラザミン1〜50重量%、プロシミドン1〜50重量%、リン酸、塩酸及び硫酸からなる群より選ばれる1種以上の酸成分0.01〜1.0重量%を含有し、25℃におけるpHが2.5以上6.5以下である水性懸濁状農薬組成物。
【0033】
・フェンピラザミン1〜50重量%、プロシミドン1〜50重量%、酸成分0〜3.0重量%を含有し、25℃におけるpHが3.0以上6.5以下である水性懸濁状農薬組成物。
・フェンピラザミン1〜50重量%、プロシミドン1〜50重量%、酸成分0.01〜2.0重量%を含有し、25℃におけるpHが3.0以上6.5以下である水性懸濁状農薬組成物。
・フェンピラザミン1〜50重量%、プロシミドン1〜50重量%、酸成分0.01〜1.0重量%を含有し、25℃におけるpHが3.0以上6.5以下である水性懸濁状農薬組成物。
・フェンピラザミン1〜50重量%、プロシミドン1〜50重量%、リン酸、塩酸及び硫酸からなる群より選ばれる1種以上の酸成分0〜3.0重量%を含有し、25℃におけるpHが3.0以上6.5以下である水性懸濁状農薬組成物。
・フェンピラザミン1〜50重量%、プロシミドン1〜50重量%、リン酸、塩酸及び硫酸からなる群より選ばれる1種以上の酸成分0.01〜2.0重量%を含有し、25℃におけるpHが3.0以上6.5以下である水性懸濁状農薬組成物。
・フェンピラザミン1〜50重量%、プロシミドン1〜50重量%、リン酸、塩酸及び硫酸からなる群より選ばれる1種以上の酸成分0.01〜1.0重量%を含有し、25℃におけるpHが3.0以上6.5以下である水性懸濁状農薬組成物。
【0034】
・フェンピラザミン1〜50重量%、プロシミドン1〜50重量%、酸成分0〜3.0重量%、界面活性剤0.1〜10重量%を含有し、25℃におけるpHが2.5以上6.5以下である水性懸濁状農薬組成物。
・フェンピラザミン1〜50重量%、プロシミドン1〜50重量%、酸成分0.01〜2.0重量%、界面活性剤0.1〜10重量%を含有し、25℃におけるpHが2.5以上6.5以下である水性懸濁状農薬組成物。
・フェンピラザミン1〜50重量%、プロシミドン1〜50重量%、酸成分0.01〜1.0重量%、界面活性剤0.1〜10重量%を含有し、25℃におけるpHが2.5以上6.5以下である水性懸濁状農薬組成物。
・フェンピラザミン1〜50重量%、プロシミドン1〜50重量%、リン酸、塩酸及び硫酸からなる群より選ばれる1種以上の酸成分0〜3.0重量%、界面活性剤0.1〜10重量%を含有し、25℃におけるpHが2.5以上6.5以下である水性懸濁状農薬組成物。
・フェンピラザミン1〜50重量%、プロシミドン1〜50重量%、リン酸、塩酸及び硫酸からなる群より選ばれる1種以上の酸成分0.01〜2.0重量%、界面活性剤0.1〜10重量%を含有し、25℃におけるpHが2.5以上6.5以下である水性懸濁状農薬組成物。
・フェンピラザミン1〜50重量%、プロシミドン1〜50重量%、リン酸、塩酸及び硫酸からなる群より選ばれる1種以上の酸成分0.01〜1.0重量%、界面活性剤0.1〜10重量%を含有し、25℃におけるpHが2.5以上6.5以下である水性懸濁状農薬組成物。
【0035】
・フェンピラザミン1〜50重量%、プロシミドン1〜50重量%、酸成分0〜3.0重量%、界面活性剤0.1〜10重量%を含有し、25℃におけるpHが3.0以上6.5以下である水性懸濁状農薬組成物。
・フェンピラザミン1〜50重量%、プロシミドン1〜50重量%、酸成分0.01〜2.0重量%、界面活性剤0.1〜10重量%を含有し、25℃におけるpHが3.0以上6.5以下である水性懸濁状農薬組成物。
・フェンピラザミン1〜50重量%、プロシミドン1〜50重量%、酸成分0.01〜1.0重量%、界面活性剤0.1〜10重量%を含有し、25℃におけるpHが3.0以上6.5以下である水性懸濁状農薬組成物。
・フェンピラザミン1〜50重量%、プロシミドン1〜50重量%、リン酸、塩酸及び硫酸からなる群より選ばれる1種以上の酸成分0〜3.0重量%、界面活性剤0.1〜10重量%を含有し、25℃におけるpHが3.0以上6.5以下である水性懸濁状農薬組成物。
・フェンピラザミン1〜50重量%、プロシミドン1〜50重量%、リン酸、塩酸及び硫酸からなる群より選ばれる1種以上の酸成分0.01〜2.0重量%、界面活性剤0.1〜10重量%を含有し、25℃におけるpHが3.0以上6.5以下である水性懸濁状農薬組成物。
・フェンピラザミン1〜50重量%、プロシミドン1〜50重量%、リン酸、塩酸及び硫酸からなる群より選ばれる1種以上の酸成分0.01〜1.0重量%、界面活性剤0.1〜10重量%を含有し、25℃におけるpHが3.0以上6.5以下である水性懸濁状農薬組成物。
【0036】
・フェンピラザミン1〜50重量%、プロシミドン1〜50重量%、酸成分0〜3.0重量%、ポリオキシアルキレンアリールフェニルエーテルリン酸エステル塩0.1〜10重量%を含有し、25℃におけるpHが2.5以上6.5以下である水性懸濁状農薬組成物。
・フェンピラザミン1〜50重量%、プロシミドン1〜50重量%、酸成分0.01〜2.0重量%、ポリオキシアルキレンアリールフェニルエーテルリン酸エステル塩0.1〜10重量%を含有し、25℃におけるpHが2.5以上6.5以下である水性懸濁状農薬組成物。
・フェンピラザミン1〜50重量%、プロシミドン1〜50重量%、酸成分0.01〜1.0重量%、ポリオキシアルキレンアリールフェニルエーテルリン酸エステル塩0.1〜10重量%を含有し、25℃におけるpHが2.5以上6.5以下である水性懸濁状農薬組成物。
・フェンピラザミン1〜50重量%、プロシミドン1〜50重量%、リン酸、塩酸及び硫酸からなる群より選ばれる1種以上の酸成分0〜3.0重量%、ポリオキシアルキレンアリールフェニルエーテルリン酸エステル塩0.1〜10重量%を含有し、25℃におけるpHが2.5以上6.5以下である水性懸濁状農薬組成物。
・フェンピラザミン1〜50重量%、プロシミドン1〜50重量%、リン酸、塩酸及び硫酸からなる群より選ばれる1種以上の酸成分0.01〜2.0重量%、ポリオキシアルキレンアリールフェニルエーテルリン酸エステル塩0.1〜10重量%を含有し、25℃におけるpHが2.5以上6.5以下である水性懸濁状農薬組成物。
・フェンピラザミン1〜50重量%、プロシミドン1〜50重量%、リン酸、塩酸及び硫酸からなる群より選ばれる1種以上の酸成分0.01〜1.0重量%、ポリオキシアルキレンアリールフェニルエーテルリン酸エステル塩0.1〜10重量%を含有し、25℃におけるpHが2.5以上6.5以下である水性懸濁状農薬組成物。
【0037】
・フェンピラザミン1〜50重量%、プロシミドン1〜50重量%、酸成分0〜3.0重量%、ポリオキシアルキレンアリールフェニルエーテルリン酸エステル塩0.1〜10重量%を含有し、25℃におけるpHが3.0以上6.5以下である水性懸濁状農薬組成物。
・フェンピラザミン1〜50重量%、プロシミドン1〜50重量%、酸成分0.01〜2.0重量%、ポリオキシアルキレンアリールフェニルエーテルリン酸エステル塩0.1〜10重量%を含有し、25℃におけるpHが3.0以上6.5以下である水性懸濁状農薬組成物。
・フェンピラザミン1〜50重量%、プロシミドン1〜50重量%、酸成分0.01〜1.0重量%、ポリオキシアルキレンアリールフェニルエーテルリン酸エステル塩0.1〜10重量%を含有し、25℃におけるpHが3.0以上6.5以下である水性懸濁状農薬組成物。
・フェンピラザミン1〜50重量%、プロシミドン1〜50重量%、リン酸、塩酸及び硫酸からなる群より選ばれる1種以上の酸成分0〜3.0重量%、ポリオキシアルキレンアリールフェニルエーテルリン酸エステル塩0.1〜10重量%を含有し、25℃におけるpHが3.0以上6.5以下である水性懸濁状農薬組成物。
・フェンピラザミン1〜50重量%、プロシミドン1〜50重量%、リン酸、塩酸及び硫酸からなる群より選ばれる1種以上の酸成分0.01〜2.0重量%、ポリオキシアルキレンアリールフェニルエーテルリン酸エステル塩0.1〜10重量%を含有し、25℃におけるpHが3.0以上6.5以下である水性懸濁状農薬組成物。
・フェンピラザミン1〜50重量%、プロシミドン1〜50重量%、リン酸、塩酸及び硫酸からなる群より選ばれる1種以上の酸成分0.01〜1.0重量%、ポリオキシアルキレンアリールフェニルエーテルリン酸エステル塩0.1〜10重量%を含有し、25℃におけるpHが3.0以上6.5以下である水性懸濁状農薬組成物。
【0038】
・フェンピラザミン1〜50重量%、リグニンスルホン酸ナトリウム塩1〜10重量%、リン酸、塩酸及び硫酸からなる群より選ばれる1種以上の酸成分0.01〜2.0重量%を含有し、25℃におけるpHが3.0以上6.5以下である水性懸濁状農薬組成物。
・フェンピラザミン1〜50重量%、リグニンスルホン酸ナトリウム塩1〜10重量%、リン酸、塩酸及び硫酸からなる群より選ばれる1種以上の酸成分0.01〜1.0重量%を含有し、25℃におけるpHが3.0以上6.5以下である水性懸濁状農薬組成物。
・フェンピラザミン9〜40重量%、リグニンスルホン酸ナトリウム塩4〜7重量%、リン酸、塩酸及び硫酸からなる群より選ばれる1種以上の酸成分0.01〜2.0重量%を含有し、25℃におけるpHが3.0以上6.5以下である水性懸濁状農薬組成物。
・フェンピラザミン9〜40重量%、リグニンスルホン酸ナトリウム塩4〜7重量%、リン酸、塩酸及び硫酸からなる群より選ばれる1種以上の酸成分0.01〜1.0重量%を含有し、25℃におけるpHが3.0以上6.5以下である水性懸濁状農薬組成物。
【0039】
・フェンピラザミン5〜10重量%、プロシミドン20〜25重量%、リン酸、塩酸及び硫酸からなる群より選ばれる1種以上の酸成分0.01〜2.0重量%を含有し、25℃におけるpHが3.0以上6.5以下である水性懸濁状農薬組成物。
・フェンピラザミン5〜10重量%、プロシミドン20〜25重量%、リン酸、塩酸及び硫酸からなる群より選ばれる1種以上の酸成分0.01〜2.0重量%、ポリオキシアルキレンアリールフェニルエーテルリン酸エステル塩0.1〜5.0重量%を含有し、25℃におけるpHが3.0以上6.5以下である水性懸濁状農薬組成物。
・フェンピラザミン5〜10重量%、プロシミドン20〜25重量%、リン酸、塩酸及び硫酸からなる群より選ばれる1種以上の酸成分0.01〜1.0重量%を含有し、25℃におけるpHが3.0以上6.5以下である水性懸濁状農薬組成物。
・フェンピラザミン5〜10重量%、プロシミドン20〜25重量%、リン酸、塩酸及び硫酸からなる群より選ばれる1種以上の酸成分0.01〜1.0重量%、ポリオキシアルキレンアリールフェニルエーテルリン酸エステル塩0.1〜5.0重量%を含有し、25℃におけるpHが3.0以上6.5以下である水性懸濁状農薬組成物。
【0040】
・フェンピラザミン5〜10重量%、プロシミドン20〜25重量%、リン酸0.10〜1.0重量%を含有し、25℃におけるpHが3.0以上6.5以下である水性懸濁状農薬組成物。
・フェンピラザミン5〜10重量%、プロシミドン20〜25重量%、リン酸0.10〜0.7重量%を含有し、25℃におけるpHが3.0以上6.5以下である水性懸濁状農薬組成物。
・フェンピラザミン5〜10重量%、プロシミドン20〜25重量%、リン酸0.10〜1.0重量%、ポリオキシアルキレンアリールフェニルエーテルリン酸エステル塩0.1〜5.0重量%を含有し、25℃におけるpHが3.0以上6.5以下である水性懸濁状農薬組成物。
・フェンピラザミン5〜10重量%、プロシミドン20〜25重量%、リン酸0.10〜0.7重量%、ポリオキシアルキレンアリールフェニルエーテルリン酸エステル塩0.1〜5.0重量%を含有し、25℃におけるpHが3.0以上6.5以下である水性懸濁状農薬組成物。
【0041】
本発明組成物は、フェンピラザミン及び水、酸成分及び農薬補助剤等を混合して製造することができる。より具体的には、必要に応じ、界面活性剤等が添加された水とフェンピラザミンとを混合し、ビーズミル等の湿式粉砕機を使用してフェンピラザミンを微粉砕することにより、フェンピラザミン懸濁液を調製する。または、ジェットミル等の乾式粉砕機を使用してフェンピラザミンを微粉砕してから、必要に応じ、界面活性剤等が添加された水と微粉砕されたフェンピラザミンとを混合することにより、フェンピラザミン懸濁液を調製することもできる。そして、該フェンピラザミン懸濁液に、必要に応じ、増粘剤等を添加して25℃におけるpHを前記の方法により測定し、該pHが3〜7の範囲となるように酸成分を添加することにより本発明組成物を得ることができる。なお、酸成分添加のタイミングは問わない。
【0042】
本発明組成物において、フェンピラザミンは水中に微粒子の形で分散している。該微粒子の平均粒径は、通常10μm以下、好ましくは0.2〜5μmである。
本発明において、平均粒径とは体積中位径を意味する。体積中位径は、体積基準の頻度分布において累積頻度で50%となる粒径を指し、例えばレーザ回折式粒度分布測定装置を用いて湿式測定により求めることができる。より具体的には、水中に本発明組成物を滴下し、分散させて該装置を用いて測定する。かかるレーザ回折式粒度分布測定装置としては、例えば、マスターサイザー2000(マルバーン社製)が挙げられる。
【0043】
本発明組成物は、通常の水性懸濁状農薬組成物と同様の方法で、水田、畑地、果樹園、芝地、非農耕地等の場所に施用することができる。本発明組成物は所望により本発明組成物を水で希釈し、得られた水希釈液を上記場所に生育する植物や上記場所の土壌に散布する等の方法により施用することができる。該水希釈液の散布方法としては公知の散布機等を用いて該水希釈液の土壌表面散布、茎葉散布等が挙げられる。
また、該水希釈液は、種子処理、育苗箱処理等に使用することもできる。
【0044】
本発明組成物は水で希釈することなくそのまま施用することもでき、例えば本発明組成物を湛水下水田等の畦畔から畦畔に沿って散布する方法が挙げられる。散布する前には通常本発明組成物が入った容器を軽く振り、本発明組成物を混ぜる。
【実施例】
【0045】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。
まず、製造例及び比較製造例を示す。なお、製造例及び比較製造例に記載される%は、質量パーセント濃度である。
【0046】
製造例1
フェンピラザミン40重量部、リグニンスルホン酸ナトリウム塩(商品名:Reax 85A、MeadWestveco社製、重量平均分子量 10000、スルホン化度 0.8)7重量部、プロピレングリコール5重量部、シリコーン系消泡剤(商品名:Antifoam C emulsion、東レ・ダウコーニング社製)0.2重量部、酸化珪素と酸化アルミニウムとの混合物(商品名:アエロジルCOK−84、日本アエロジル社製)1.0重量部及びイオン交換水26.8重量部を混合した後、DYNO−MILL KDL(株式会社シンマルエンタープライゼス製)を用いて湿式粉砕し、懸濁液を得た。一方、キサンタンガム(商品名:Kelzan S、CP Kelco社製)0.15重量部および防腐剤(商品名:Proxel GXL、Lonza社製)0.2重量部をイオン交換水19.65重量部に加えて、1時間攪拌を継続して増粘剤溶液を得た。懸濁液に増粘剤溶液を加えて混合した後に、リン酸(85%水溶液)0.32重量部を添加することにより該混合液のpHを6.0にし、本発明の水性懸濁状農薬組成物(以下、本発明組成物(1)と記す。)を得た。
【0047】
製造例2
懸濁液に増粘剤溶液を加えて混合した後に、リン酸(85%水溶液)0.47重量部を添加することにより該混合液のpHを5.0にした以外は製造例1と同様の操作を行い、本発明の水性懸濁状農薬組成物(以下、本発明組成物(2)と記す。)を得た。
【0048】
製造例3
懸濁液に増粘剤溶液を加えて混合した後に、リン酸(85%水溶液)0.76重量部を添加することにより該混合液のpHを4.0にした以外は製造例1と同様の操作を行い、本発明の水性懸濁状農薬組成物(以下、本発明組成物(3)と記す。)を得た。
【0049】
製造例4
懸濁液に増粘剤溶液を加えて混合した後に、リン酸(85%水溶液)1.16重量部を添加することにより該混合液のpHを3.0にした以外は製造例1と同様の操作を行い、本発明の水性懸濁状農薬組成物(以下、本発明組成物(4)と記す。)を得た。
【0050】
製造例5
懸濁液に増粘剤溶液を加えて混合した後に、塩酸(36%水溶液)0.3重量部を添加することにより該混合液のpHを6.0にした以外は製造例1と同様の操作を行い、本発明の水性懸濁状農薬組成物(以下、本発明組成物(5)と記す。)を得た。
【0051】
製造例6
懸濁液に増粘剤溶液を加えて混合した後に、硫酸(96%水溶液)0.16重量部を添加することにより該混合液のpHを6.0にした以外は製造例1と同様の操作を行い、本発明の水性懸濁状農薬組成物(以下、本発明組成物(6)と記す。)を得た。
【0052】
製造例7
フェンピラザミン10重量部、プロシミドン25重量部、リグニンスルホン酸ナトリウム塩(商品名:Reax 85A、MeadWestveco社製、重量平均分子量 10000、スルホン化度 0.8)4重量部、ポリオキシエチレントリスチリルフェニルエーテルリン酸エステルトリエタノールアミン塩(商品名:ソプロフォールFL、ローディア社製)1重量部、プロピレングリコール5重量部、シリコーン系消泡剤(商品名:Antifoam A compound、東レ・ダウコーニング社製)0.2重量部、イオン交換水43.1重量部を混合した後、DYNO−MILL KDL(株式会社シンマルエンタープライゼス製)を用いて湿式粉砕し、懸濁液を得た。一方、キサンタンガム(商品名:Kelzan S、CP Kelco社製)0.2重量部、ケイ酸アルミニウムマグネシウム(商品名:Veegum R、Venderbilt社製)0.4重量部及び防腐剤(商品名:Proxel GXL、Lonza社製)0.2重量部をイオン交換水25.9重量部に加えて、1時間攪拌を継続して、増粘剤溶液を調製した。懸濁液に増粘剤溶液を加えて混合した後に、リン酸(85%水溶液)0.29重量部を添加することにより該混合液のpHを6.0にし、本発明の水性懸濁状農薬組成物(以下、本発明組成物(7)と記す。)を得た。
【0053】
製造例8
懸濁液に増粘剤溶液を加えて混合した後に、リン酸(85%水溶液)0.43重量部を添加することにより該混合液のpHを5.0にした以外は製造例7と同様の操作を行い、本発明の水性懸濁状農薬組成物(以下、本発明組成物(8)と記す。)を得た。
【0054】
製造例9
懸濁液に増粘剤溶液を加えて混合した後に、リン酸(85%水溶液)0.53重量部を添加することにより該混合液のpHを4.0にした以外は製造例7と同様の操作を行い、本発明の水性懸濁状農薬組成物(以下、本発明組成物(9)と記す。)を得た。
【0055】
製造例10
懸濁液に増粘剤溶液を加えて混合した後に、リン酸(85%水溶液)0.76重量部を添加することにより該混合液のpHを3.0にした以外は製造例7と同様の操作を行い、本発明の水性懸濁状農薬組成物(以下、本発明組成物(10)と記す。)を得た。
【0056】
製造例11
懸濁液に増粘剤溶液を加えて混合した後に、塩酸(36%水溶液)0.26重量部を添加することにより該混合液のpHを6.0にした以外は製造例7と同様の操作を行い、本発明の水性懸濁状農薬組成物(以下、本発明組成物(11)と記す。)を得た。
【0057】
製造例12
懸濁液に増粘剤溶液を加えて混合した後に、硫酸(96%水溶液)0.13重量部を添加することにより該混合液のpHを6.0にした以外は製造例7と同様の操作を行い、本発明の水性懸濁状農薬組成物(以下、本発明組成物(12)と記す。)を得た。
【0058】
製造例13
フェンピラザミン 10重量部、プロシミドン 25重量部、リグニンスルホン酸ナトリウム塩(商品名:Reax 85A、MeadWestveco社製、重量平均分子量 10000、スルホン化度 0.8)4重量部、ポリオキシエチレントリスチリルフェニルエーテルリン酸エステルカリウム塩(商品名:ソプロフォールFLK、ローディア社製)2.5重量部、プロピレングリコール 3.5重量部、シリコーン系消泡剤(商品名:Antifoam A compound、東レ・ダウコーニング社製)0.2重量部、イオン交換水 43.1重量部を混合した後、DYNO−MILL KDL(株式会社シンマルエンタープライゼス製)を用いて湿式粉砕し、懸濁液を得た。一方、キサンタンガム(商品名:Kelzan S、CP Kelco社製)0.2重量部、ケイ酸アルミニウムマグネシウム(商品名:Veegum R、Venderbilt社製)0.4重量部及び防腐剤(商品名:Proxel GXL、Lonza社製)0.2重量部をイオン交換水25.9重量部に加えて、1時間攪拌を継続して、増粘剤溶液を調製した。懸濁液に増粘剤溶液を加えて混合した後に、リン酸(85%水溶液)0.28重量部を添加することにより該混合液のpHを6.5にし、本発明の水性懸濁状農薬組成物(以下、本発明組成物(13)と記す。)を得た。
【0059】
比較製造例1
懸濁液に増粘剤溶液を加えて混合した後に、リン酸(85%水溶液)0.08重量部を添加することにより該混合液のpHを7.5にした以外は製造例1と同様の操作を行い、比較用の水性懸濁状農薬組成物(以下、比較組成物(1)と記す。)を得た。
【0060】
比較製造例2
懸濁液に増粘剤溶液を加えて混合した後に、リン酸(85%水溶液)1.9重量部を添加することにより該混合液のpHを2.0にした以外は製造例1と同様の操作を行い、比較用の水性懸濁状農薬組成物(以下、比較組成物(2)と記す。)を得た。
【0061】
比較製造例3
懸濁液に増粘剤溶液を加えて混合した後に、リン酸(85%水溶液)0.1重量部を添加することにより該混合液のpHを7.5にした以外は製造例7と同様の操作を行い、比較用の水性懸濁状農薬組成物(以下、比較組成物(3)と記す。)を得た。
【0062】
比較製造例4
懸濁液に増粘剤溶液を加えて混合した後に、リン酸(85%水溶液)1.37重量部を添加することにより該混合液のpHを2.0にした以外は製造例7と同様の操作を行い、比較用の水性懸濁状農薬組成物(以下、比較組成物(4)と記す。)を得た。
【0063】
次に、試験例を示す。
試験例1
本発明組成物(1)〜(13)及び比較組成物(1)〜(4)の各々50mLをガラス瓶に入れて密封し、54℃の恒温器中に2週間静置した後、各々の水性懸濁状農薬組成物の臭気官能試験を行った。臭気官能試験は、3名のモニターが行い、協議して判定した。判定基準は以下の通り。
判定基準
− :フェンピラザミン由来の臭気なし
+ :フェンピラザミン由来の弱い臭気あり
++ :フェンピラザミン由来の強い臭気あり
結果を表1に示す。なお、比較組成物(2)は54℃2週間の保存により固化し、懸濁状態を維持できなかった。また、比較組成物(4)は54℃2週間の保存により凝集物が発生し、懸濁状態を維持できなかった。
【0064】
【表1】