(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6202348
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】高密度ニッケル粉の製造方法
(51)【国際特許分類】
B22F 9/26 20060101AFI20170914BHJP
B22F 1/00 20060101ALI20170914BHJP
H01B 13/00 20060101ALI20170914BHJP
H01M 4/52 20100101ALN20170914BHJP
H01B 5/00 20060101ALN20170914BHJP
【FI】
B22F9/26 C
B22F1/00 M
H01B13/00 501Z
!H01M4/52
!H01B5/00 F
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-210245(P2015-210245)
(22)【出願日】2015年10月26日
(65)【公開番号】特開2017-82269(P2017-82269A)
(43)【公開日】2017年5月18日
【審査請求日】2017年3月22日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000183303
【氏名又は名称】住友金属鉱山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123869
【弁理士】
【氏名又は名称】押田 良隆
(72)【発明者】
【氏名】大原 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】尾崎 佳智
(72)【発明者】
【氏名】平郡 伸一
(72)【発明者】
【氏名】高石 和幸
(72)【発明者】
【氏名】池田 修
(72)【発明者】
【氏名】米山 智暁
(72)【発明者】
【氏名】工藤 陽平
【審査官】
米田 健志
(56)【参考文献】
【文献】
特許第5796696(JP,B1)
【文献】
国際公開第2015/115427(WO,A1)
【文献】
国際公開第2015/146989(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B22F 9/00〜9/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ニッケルが5g/L以上、75g/L以下の濃度で含有されるニッケルアンミン錯体溶液を、前記ニッケルアンミン錯体溶液1リットル当たり5g以上、200g以下の量の種結晶とともに攪拌機を有する加圧容器に入れて昇温し、次いで加圧容器内に水素ガスを吹き込んで水素による還元反応を施し、前記ニッケルアンミン錯体溶液中のニッケルをニッケル粉として得る初回操作後、
以下のA操作を少なくとも1回繰り返し行うことにより、メディアン径が100μm以上、160μm以下で、1〜4.5g/cm3の嵩密度をもつニッケル粉を得ることを特徴とするニッケル粉の製造方法。
(A操作)
得られたニッケル粉を密度で選別して密度の小さいニッケル粉を採取し、
前記ニッケルが5g/L以上、75g/L以下の濃度で含有されるニッケルアンミン錯体溶液1リットルについて5g以上、200g以下の量となるように秤量した前記採取した密度の小さいニッケル粉を種結晶として前記ニッケルアンミン錯体溶液とともに攪拌機を有する加圧容器に入れて昇温し、次いで加圧容器内に水素ガスを吹き込んで水素による還元反応を施してニッケル粉を得る操作。
【請求項2】
前記A操作が、4回以上繰り返して施され、前記初回操作と併せて合計5回以上の還元反応を施してニッケル粉を得ることを特徴とする請求項1記載のニッケル粉の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水素還元により高純度で高密度なニッケル粉を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
導電性ペースト材料やニッケル水素電池等の正極活物質として使用が期待されるニッケル粉を工業的に製造する方法として、湿式プロセスを用いる方法がある。湿式プロセスにてニッケル粉を工業的に製造する方法にも種々の方法があるが、その中でニッケルを含有する溶液に還元剤を添加して溶液中のニッケルイオンを還元しニッケル粉を製造する方法がある。その中でもニッケルを錯体として有する酸性溶液に水素ガスを吹き込んで還元する方法は、工業的に安価に行うことができ、広く利用されている。
この方法は、特許文献1に示すように、ニッケルを含んだアンミン錯体溶液を加圧容器に入れて密栓後昇温し、その中に水素ガスを吹き込むもので、水素により還元されニッケル粉が得られるものである。
【0003】
ニッケル粉は直径数十μm以下のものでは、乾燥させた際に粉塵が発生することや、濾過時に目詰まりが生じる問題がある。電子材料のように数十μm以下の微細なサイズが直接必要となる場合は別として、得たニッケル粉を再度酸溶解してニッケル化合物の塩などを得るための原料に用いる場合には、100〜160μm程度の粒径で嵩密度が1〜4.5g/cm
3程度のものが処理とハンドリングの両面で適しており望まれてきた。
【0004】
しかしながら、前述の方法で製造したニッケル粉は、粒径が大きくても嵩密度が低い、すなわち密度が低くなりやすい課題があった。
このような低密度なニッケル粉は、それだけ嵩張りハンドリングの手間となるほかに、還元前の溶液に含有された不純物が析出しやすいという課題もある。
【0005】
このため100〜160μm程度の粒径で同時により嵩密度が大きい、すなわち高密度なニッケル粉が必要とされてきた。
しかしながら、特許文献1においては、粒子径の制御法について有機添加剤を添加するものについてしか示されておらず、この方法のみでは高密度なニッケル粉を得ることは難しく、他の手法を見出すことが課題となっていた。
【0006】
さらに非特許文献1には、ニッケル粉を工業的に生産する方法について示されているが、本文件でも粒子径の制御法については、還元するニッケル量を増加させることで粒子径を増大させるものについては示されているものの、高密度なニッケル粉を得るための方法は見いだせていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2015−140480号公報
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】POWDER METALLURGY、1958、No.1/2、P.40−52
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、ニッケル粉の粒子径を制御して、特にメディンアン径が100〜160μmの高密度なニッケル粉の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するための本発明の第1の発明は、ニッケルが5g/L以上、75g/L以下の濃度で含有されるニッケルアンミン錯体溶液を、前記
ニッケルアンミン錯体溶液1リットル当たり5g以上、200g以下の量の種結晶とともに攪拌機を有する加圧容器に入れて昇温し、次いで加圧容器内に水素ガスを吹き込んで水素による還元反応を施し、前記ニッケルアンミン錯体溶液中のニッケルをニッケル粉として得る初回操作後、以下のA操作を少なくとも1回繰り返し行うことにより、メディアン径が100μm以上、160μm以下で、1〜4.5g/cm
3の嵩密度をもつニッケル粉を得ることを特徴とするニッケル粉の製造方法である。
(A操作):得られたニッケル粉を密度で選別して密度の小さいニッケル粉を採取し、前記ニッケルが5g/L以上、75g/L以下の濃度で含有されるニッケルアンミン錯体溶液1リットルについて5g以上、200g以下の量となるように秤量した前記採取した密度の小さいニッケル粉を種結晶として前記ニッケルアンミン錯体溶液とともに攪拌機を有する加圧容器に入れて昇温し、次いで加圧容器内に水素ガスを吹き込んで水素による還元反応を施してニッケル粉を得る操作。
【0011】
本発明の第2の発明は、第1の発明おけるA操作が、4回以上繰り返して施され、初回操作と併せて合計5回以上の還元反応を施してニッケル粉を得ることを特徴とするニッケル粉の製造方法である。
【発明の効果】
【0012】
混合状態を制御することもしくは反応時に用いる種晶の量を調整することで、今まで困難であった湿式での水素還元反応におけるニッケル粉生成時の粒子径制御が可能になった。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の粒子径が制御され内部の稠密した高密度ニッケル粉を作製するフロー図である。
【
図2】各攪拌動力および各種晶量において水素還元反応を実施した場合の粒子径(メディアン径)を示す図である。
【
図3】粒子径の制御された高純度ニッケル粉を種晶として、ニッケルの水素による還元反応を繰り返し実施した場合の還元反応回数と粒子径(メディアン径)および嵩密度の関係を示す図である。
【
図4A】粒子径の制御された高純度ニッケル粉を種晶として、ニッケルの水素による還元反応を繰り返し実施した場合の各繰り返し回数において得られたニッケル粉の断面を示す断面図である(水素還元反応1回後と3回後)。
【
図4B】
図4Aに続く図で、同様に粒子径の制御された高純度ニッケル粉を種晶として、ニッケルの水素による還元反応を繰り返し実施した場合の各繰り返し回数において得られたニッケル粉の断面を示す断面図である(水素還元反応5回後と7回後)。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明では限定した一定の混合状態および、還元反応時の種晶量を調整してニッケルアンミン錯体溶液に含まれるニッケル錯イオンを水素による還元反応を実施することで、粒子径の制御されたニッケル粉を得る初回操作を実施後に、以下のA操作を繰り返し実施するものである。
【0015】
このA操作は、還元反応により得られたニッケル粉を密度で分別し、低密度なニッケル粉を種晶として用い、限定した一定の混合状態とした後、水素による還元反応を実施してニッケル粉を得る操作である。
このA操作を繰り返すことでニッケル粉内部でのニッケルの析出が進み、粒径の成長よりも嵩密度の増加が顕著になり、高密度なニッケル粉を得るものである。
その繰り返し回数は、メディアン径が100μm以上、160μm以下で、1〜4.5g/cm
3の嵩密度をもつニッケル粉を得るには少なくともA操作を1回、また嵩密度を2g/cm
3以上を得るには少なくともA操作を2回以上繰り返し、さらに4g/cm
3を超える高嵩密度を得るにはA操作を少なくとも3回、それ以上の嵩密度を安定して得るには、望ましくはA操作を4回以上、すなわち最初の析出(初回操作)を含めると5回以上、還元反応よるニッケルの析出を繰り返す。しかし、このA操作の繰り返しを5回(最初を含め6回)以上に増やしても効果は少なく、4回のA操作の繰り返しで密度の増加は頭打ちなり、それ以上の繰返しは実用上の効果が得られず無駄に終わってしまう。
【0016】
[混合状態と種晶量]
この還元反応時には、ニッケルアンミン錯体溶液中のニッケル濃度は5g/L以上、75g/L以下の濃度とし、種晶は上記ニッケル濃度のニッケルアンミン錯体溶液1リットル当たり5g以上、200g以下の量となるように種晶とするニッケル粉を加えた混合状態を形成する。
その混合状態の形成に際して、混合状態における撹拌速度が小さい程、メディアン径が大きな粒子が生成し、同一撹拌速度では、種晶量が多いほど粒子径(メディアン径)が増加することから、攪拌動力を制御し、種晶量を調整することで生成するニッケル粉の粒子径を制御できる。
【0017】
[ニッケル粉の分別]
次に密度による分別は、例えば水を張った円筒にニッケル粉を入れ撹拌して正立させ静置することで、高密度なニッケル粉を円筒の下端に、低密度なものを上部に集めることができ、この低密度なニッケル粉の中から必要な繰り返しに充当する量を採取すればよい。
【実施例】
【0018】
以下、実施例を用いて本発明を説明する。
【実施例1】
【0019】
この実施例1では、
図1に示す本発明に係る粒子径が制御され内部の稠密した高密度ニッケル粉を作製するフロー図を参照し、以下の作製手順により初回操作を行い、本発明に係る混合状態と種晶量が示す、還元反応により得られるニッケル粒子の粒子径の制御への影響を調査し、目標とする粒子径100μm以上、160μm以下のニッケル粉を得る混合状態及び種晶量を検討した。
図1において、破線矢印は「初回操作」を示し、太曲線矢印は「A操作」を示す。
【0020】
[作製手順]
(手順1)
粒子径(メディアン径)約1μmのニッケル粉を用意し、これを5g、7.5g、15g、22.5g分取して、それぞれに硫酸ニッケル六水和物336g、硫酸アンモニウム330g、25%アンモニア水191mlに純水約440mlを加え、液量が1リットルになるよう調合した元液をそれぞれ2サンプル、合計8サンプルを用意した。
(手順2)
上記手順1で用意した元液を、それぞれオートクレーブの内筒缶に投入し、内筒缶をオートクレーブに設置した。
(手順3)
この手順では混合状態の影響を調べるために、ニッケル粉の添加量別に、それぞれ攪拌速度500rpmと750rpmとで撹拌した。なお、攪拌速度500rpmでの撹拌動力は3.6W/L、750rpmでの撹拌動力は11.3W/Lだった。
(手順4)
オートクレーブ内の液温度を185℃まで上昇させた。
(手順5)
所定の温度に維持しつつ、水素ガスを全圧で3.5MPaを維持するようにボンベから吹き込んだ。
(手順6)
水素吹き込み開始から60分が経過した後、水素ガスの吹き込みを停止し、オートクレーブを降温した。
(手順7)
70℃以下まで降温後、内筒缶を取り出し、液を濾過してニッケル粉を回収し回収したニッケル粉を洗浄並びに真空乾燥した。
(手順8)
回収したニッケル粉の粒子径(メディアン径)を粒度分布測定装置を用いて測定した。
【0021】
測定結果、実施例1の撹拌速度と種晶添加量の条件で、粒径100〜160μmのサイズのニッケル粉が得られることがわかった。
【0022】
なお、
図2に示すように、撹拌速度が小さい程、メディアン径が大きな粒子が生成し、同一撹拌速度では、種晶量が多いほど粒子径(メディアン径)が増加することが分かった。すなわち攪拌動力を制御し、種晶量を調整することで生成するニッケル粉の粒子径を制御できることがわかった。
【実施例2】
【0023】
実施例1と同様に、以下の作製手順で実施例2に係るニッケル粉を作製した。
【0024】
[作製手順]
<初回操作>
(手順1)
実施例1で用いたものと同じ粒径約1μmのニッケル粉を、種晶として22.5g添加し、撹拌速度500rpmとした以外は実施例1と同じ装置と方法を用いて1回目のニッケル粉を作製した。
【0025】
<A操作>
(手順2)
手順1で得たニッケル粉を密度の大小で分別し、低密度な側から91gを分取し、断面組織観察に充当するとともに、硫酸ニッケル六水和物336g、硫酸アンモニウム330g、25%アンモニア水191mlに添加し、純水約440mlを加えて液量が1リットルになるよう調合した溶液を作製した。
なお、密度の大小はニッケル粉を純水を満たしたメスシリンダーに入れ、撹拌後静置して後に、上方から必要な量のニッケル粉を分取した。
(手順3)
上記により作製した溶液を実施例1と同じオートクレーブに装入した。
(手順4)
750rpmの撹拌速度で撹拌しながらオートクレーブを185℃まで上昇させ、水素ガスを2L/min(大気圧下流量)で吹き込み、全圧が3.5MPaを維持するように水素ガスの吹き込みを制御し、1回目の繰り返し(初回から2回目)の還元反応を行った。
(手順5)
60分が経過後、水素ガスの吹き込みを停止し、オートクレーブを降温した。
(手順6)
70℃以下まで降温し、オートクレーブ内のニッケル粉を濾過および洗浄して回収した。
【0026】
(手順7)
次に回収したニッケル粉から上記と同様に低密度な方から129gを分取し、上記の1回目の繰り返しと同じ方法(実施例2、手順2〜6)で2回目の繰り返し(初回から3回目)の還元反応を行った。
(手順8)
次に回収したニッケル粉から上記と同様に156gを分取し、上記の1回目の繰り返しと同じ方法(実施例2、手順2〜6)で3回目の繰り返し(初回から4回目)の還元反応を行った。
(手順9)
次に回収したニッケル粉から上記と同様に153gを分取し、上記の1回目の繰り返しと同じ方法(実施例2、手順2〜6)で4回目の繰り返し(初回から5回目)の還元反応を行った。
(手順10)
次に回収したニッケル粉から上記と同様に158gを分取し、上記の1回目の繰り返しと同じ方法(実施例2、手順2〜6)で5回目の繰り返し(初回から6回目)の還元反応を行った。
(手順11)
次に回収したニッケル粉から上記と同様に158gを分取し、上記の1回目の繰り返しと同じ方法(実施例2、手順2〜6)で6回目の繰り返し(初回から7回目)の還元反応を行った。
【0027】
なお、それぞれの還元反応が終わる毎に、実施例1と同じ粒度分布測定装置を用いて回収したニッケル粉の粒子径(メディアン径)を測定した。また、断面観察を実施し、粒子内部の稠密具合を確認した。
さらに、メスシリンダーにニッケル粉を入れ、3分間タップした後に公知の方法で嵩密度を測定した。
【0028】
その測定結果を
図3に示す。
図3は横軸に初回操作の還元反応を含めた還元反応繰り返し回数、縦軸左に粒子径[μm]、縦軸右に嵩密度[g/cm
3]を示す。
図3に示されるように、還元反応の繰り返し回数を増加させても、粒子径(メディアン径)にはほとんど変化がなく、本発明の条件で100〜160μmの粒径で、その嵩密度が1〜4.5g/cm
3の範囲のニッケル粉が得られることが分かった。
【0029】
また、
図3からは還元反応の繰り返し回数を増加させるに伴い、粒径の増加なしに嵩密度が増加することが分かる。つまり高密度なニッケル粉が得られている。初回操作の還元反応を含めた繰り返し回数は4回までは嵩密度が急激に増加していくが、4回を超えて5回目以降の嵩密度の増加は小さく、ほぼ一定の値を示すようになる。
すなわち、4回のA操作の繰り返し、つまり初回操作の還元反応を入れて5回の還元処理のよる還元反応を行うことが適している。
【0030】
さらに、各繰り返し回数において得たニッケル粉を樹脂に埋め研磨して断面を電子顕微鏡で観察すると、
図4Aから
図4Bが示すように、粒子の内部が稠密し、その結果嵩密度が増加していることが確認された。
【0031】
繰り返して水素還元することで外径が増加するよりも内部が稠密になるメカニズムは正確にはわからないが、例えば供給された水素をニッケル粉が吸蔵し、ニッケル粉の粒子同士の接触の影響がない粒子内側で接する溶液中のニッケルイオンを還元することで成長することも一つの原因と考えられる。
これらより、粒子径の制御された高純度ニッケル粉を種晶として、還元反応を繰り返すことで、粒子径を一定範囲に制御し同時に内部が稠密した高密度なニッケル粉を製造できることが分かった。
【0032】
(従来例)
図5に示す従来のニッケル粉の製造方法を参照し、種晶とした実施例1で用いたものと同じ粒径約1μmのニッケル粉22.5gに、硫酸ニッケル六水和物336g、硫酸アンモニウム330g、25%アンモニア水191mlに純水約440mlを加え、液量が1リットルになるよう調合した元液を用い、攪拌速度が500rpm未満となるような攪拌とした以外は、実施例1と同じ装置を用いて従来例に係るニッケル粉を作製した。
その得られたニッケル粉の嵩密度は1g/cm
3未満であった。