特許第6202488号(P6202488)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6202488
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】塗布容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 83/00 20060101AFI20170914BHJP
【FI】
   B65D83/00 J
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-101841(P2013-101841)
(22)【出願日】2013年5月14日
(65)【公開番号】特開2014-221655(P2014-221655A)
(43)【公開日】2014年11月27日
【審査請求日】2016年5月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000186588
【氏名又は名称】小林製薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100143085
【弁理士】
【氏名又は名称】藤飯 章弘
(72)【発明者】
【氏名】秋田 幸男
【審査官】 高橋 裕一
(56)【参考文献】
【文献】 実公昭37−006920(JP,Y1)
【文献】 特開2003−054608(JP,A)
【文献】 特表2010−525993(JP,A)
【文献】 特開平09−002550(JP,A)
【文献】 スイス国特許発明第213755(CH,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D83/00
B65D83/08−83/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部に口部を有する容器本体と、
前記口部に装着された塗布部材と、
前記口部に装着されるキャップと、を備え、
前記容器本体に収容された塗布液を前記塗布部材に含浸させて被塗布面に接触させることにより塗布液を塗布する塗布容器であって、
前記容器本体は、底部と、
前記底部と連続し上方に起立する胴部と、
前記胴部と連続し斜め上方に起立する前記口部を有する首部と、を備えており、
前記胴部は、底部と連続し上方に起立する第1胴部と、
前記第1胴部と連続し縮径するように上方へ起立する第2胴部と、
前記第2胴部から連続し上方へ起立する第3胴部と、を備え、
前記容器本体の前記第1胴部及び前記第3胴部は、長手方向がそれぞれ互いに略直交する水平方向断面形状を有しており、
前記口部に装着されるキャップの上方からの投影面は、前記容器本体の上方からの投影面内に配置されていることを特徴とする塗布容器。
【請求項2】
前記第3胴部の水平方向断面における長手方向と、前記第3胴部から前記口部に向けて延伸する前記首部の延伸方向とは、上方からの投影面において、略直交することを特徴とする請求項1に記載の塗布容器。
【請求項3】
前記第2胴部及び前記第3胴部は、前記口部の下方に空間部を形成するように構成される請求項1又は2に記載の塗布容器。
【請求項4】
前記容器本体の内面には、前記底部から前記口部に向けて伸びる線条が形成されている請求項1から3のいずれかに記載の塗布容器。
【請求項5】
前記第3胴部における水平方向断面の面積の最小値は、前記第1胴部における水平方向断面の面積の最大値の40%以上70%以下の範囲となるように形成されている請求項1から4のいずれかに記載の塗布容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗布容器、特に、収容された塗布液を被塗布面に塗布する塗布容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、肩こり、腰痛、関節痛、打撲などの症状を和らげるため、或いは、虫さされや痒み止め等の目的で、特許文献1に開示されているような鎮痛消炎液等の塗布液を収納した塗布容器が知られている。
【0003】
このような塗布容器としては、図9に示すように、容器100の首部101が斜め上方に傾斜した形状を有し、当該首部101における口部102にラバースポンジ等の塗布部材103が設けられているものが知られている。塗布液を塗布する方法としては、容器100の内部に収容される塗布液を塗布部材103に含浸させ、その後、塗布部材103を皮膚に直接押し当てることにより、塗布部材103を介して塗布液を皮膚表面に染み出させることにより行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−152138
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のような塗布容器は、塗布部材が設けられている容器首部が、斜め上方に傾斜するように構成されているため、肩や背中における患部に対して塗布液を塗りやすいという優れた特質を有するものである。しかしながら、容器首部が斜め上方に傾斜するように構成されていることに起因して、塗布容器全体の重心位置が容器首部の口部側に片寄っており、載置して保管する際に倒れるおそれがあった。特に、塗布液の残量が少なくなった場合、塗布液を収容した塗布容器全体の重心位置が、塗布液の残量が多い場合の重心位置よりも首部先端側に移ってしまい倒れやすいという問題があった。
【0006】
本発明は、かかる問題を解決すべくなされたものであって、倒れにくく、安定して保管することができ、塗布容器の使用者の利便性を向上させることができる塗布容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の上記目的は、上部に口部を有する容器本体と、前記口部に装着された塗布部材と、前記口部に装着されるキャップと、を備え、前記容器本体に収容された塗布液を前記塗布部材に含浸させて被塗布面に接触させることにより塗布液を塗布する塗布容器であって、前記容器本体は、底部と、前記底部と連続し上方に起立する胴部と、前記胴部と連続し斜め上方に起立する前記口部を有する首部と、を備えており、前記胴部は、底部と連続し上方に起立する第1胴部と、前記第1胴部と連続し縮径するように上方へ起立する第2胴部と、前記第2胴部から連続し上方へ起立する第3胴部と、を備え、前記容器本体の前記第1胴部及び前記第3胴部は、長手方向がそれぞれ互いに略直交する水平方向断面形状を有しており、前記口部に装着されるキャップの上方からの投影面は、前記容器本体の上方からの投影面内に配置されていることを特徴とする塗布容器より達成される。
【0008】
この塗布容器において、前記第3胴部の水平方向断面における長手方向と、前記第3胴部から前記口部に向けて延伸する前記首部の延伸方向とは、上方からの投影面において、略直交することが好ましい。
【0009】
また、前記第2胴部及び前記第3胴部は、前記口部の下方に空間部を形成するように構成されることが好ましい。
【0010】
また、前記容器本体の内面には、前記底部から前記口部に向けて伸びる線条が形成されていることが好ましい。
【0011】
また、前記第3胴部における水平方向断面の面積の最小値は、前記第1胴部における水平方向断面の面積の最大値の40%以上70%以下の範囲となるように形成されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、倒れにくく、安定して保管することができ、塗布容器の使用者の利便性を向上させることができる塗布容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態に係る塗布容器の側面図である。
図2】本発明の一実施形態に係る塗布容器の正面図である。
図3】本発明の一実施形態に係る塗布容器の背面図である。
図4】本発明の一実施形態に係る塗布容器の平面図である。
図5】本発明の一実施形態に係る塗布容器の底面図である。
図6】塗布容器が備えるキャップを取り外した状態の側面図である
図7】本発明に係る塗布容器の口部に螺着されるキャップの上方からの投影面と、容器本体の上方からの投影面との関係を示す説明図である
図8】(a)は図1におけるA−A断面図であり、(b)は図1におけるB−B断面図である。
図9】従来の塗布容器を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る塗布容器の実施形態について添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る塗布容器1の側面図であり、図2は、その正面図、図3は、背面図である。また、図4は、塗布容器1の平面図であり、図5は、塗布容器1の底面図である。また、図6は、塗布容器1が備えるキャップ4を取り外した状態の側面図である。なお、以下では、説明の便宜上図1の上下方向を上下方向又は軸方向、図8の左右方向を前後方向と称する。また、図8(a)及び(b)の中央(点Z)から外部に向かう方向を径方向と称する。そして、これらを基準として他の図面でも説明する。
【0015】
本発明の一実施形態に係る塗布容器1は、図1から図6に示すように、上部に口部23aを有する容器本体2と、口部23aに装着された塗布部材3と、口部23aに装着されるキャップ4とを備えている。塗布容器1は、容器本体2に収容された塗布液を塗布部材3に含浸させて皮膚等の被塗布面に接触させることにより塗布液を塗布する塗布容器である。
【0016】
容器本体2は、図6に示すように、底部21と、底部21と連続し上方に起立する胴部22と、胴部22と連続し斜め上方に起立する口部23aを有する首部23と、を備えている。この容器本体2を形成する材料としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(高密度ポリエチレン:HDPE、低密度ポリエチレン:LDPE)、ポリスチレン等の合成樹脂材料を使用することができる。また、これらの材料の1種または2種類以上を組み合わせて容器本体2を形成してもよい。また、容器本体2は、手指で把持して圧力を加えた場合に、わずかに押圧変形されるように構成することが好ましい。
【0017】
胴部22は、底部21と連続し上方に起立する第1胴部22aと、第1胴部22aと連続し縮径するように上方に起立する第2胴部22bと、第2胴部22bと連続し上方に起立する第3胴部22cと、を備えている。第2胴部22bおよび第3胴部22cは、図6に示すように、首部23の下方に空間部Sを形成するために、第1胴部22aから首部23との接続部に向けて軸方向に沿って径方向内方へ凸に湾曲する湾曲部25を有するように構成されている。
【0018】
首部23は、第3胴部22cと連続し斜め上方に起立する口部23aを備えており、口部23aの形成方向に対して略垂直な開口面を有するように開口が形成されており、当該開口内に、塗布部材3が装着されている。そして、塗布部材3の表面は、口部23aの開口に対して隆起するように構成されている。また、口部23aの外周部には螺子山が形成されており、キャップ4の内面に形成される螺子溝と螺着可能に構成されている。なお、キャップ4を形成する材料としては、容器本体2を形成する材料と同一のものを使用することができる。
【0019】
容器本体2の底部21、並びに第1胴部22a及び第2胴部22bの断面形状は、図8(a)に示すように、前後方向を長手方向とする略卵型をしており、後側の曲率半径は前側の曲率半径より小さくなるように形成されている。また、第3胴部22cの断面は、図8(b)に示すように、前後方向に直交する方向を長手方向とする楕円型をしている。したがって、第1胴部22aと第3胴部22cとは、長手方向がそれぞれ互いに直交する水平方向断面形状を有するように構成されている。なお、図8(a)は、図1におけるA−A断面図であり、容器本体2の第1胴部22aの水平方向断面図に相当し、図8(b)は、図1におけるB−B断面図であり、容器本体2の第3胴部22cの水平方向断面図に相当する。
【0020】
また、第2胴部22bは、第1胴部22aと連続し上方へ緩やかに縮径し第2胴部22cと連続するように形成されている。また、第2胴部22bは、その縮径が軸方向に沿って径方向内方に凸になる湾曲部25を有しており、湾曲部25の曲率半径Rは100mm〜200mm、好ましくは120mm〜180mmの範囲となるように形成されていることが望ましい。
【0021】
また、第3胴部22cの水平方向断面における長手方向と、第3胴部22cから口部23aに向けて延伸する首部23の延伸方向とは、上方からの投影面において、略直交するように構成されている。
【0022】
塗布部材3は、上述のように、首部23における口部23aの開口に装着され、当該開口を閉塞するようにして配置される部材であり、塗布液の吸放出性に優れ、強度及び肌触りが良好である軟質多孔質体を含む材料で形成される。軟質多孔質体の材料としては、具体的には、天然ゴム、発泡ウレタン、発泡スチレン等を使用することができる。多孔質体の孔径は、例えば、50〜250μmの範囲が好ましい。孔径がこの範囲にあると、塗布液の保持性が良好であり、また、塗布液の浸透性や放出性も良好であるため好ましい。また、塗布部材3における軟質多孔質体の幾何学的構造(粒子構造体、スポンジ構造体、バルーン構造体、ハニカム構造体等)、細孔の分散状態又は形態(中空構造体、フィブリル構造体等)、細孔分布、厚さ等は特に制限されず、塗布液が容器外部に排出できる構造であればよい。
【0023】
容器本体2に収容される塗布液としては特に限定されないが、肩こり、腰痛、関節痛、打撲などの症状を和らげるため、或いは、虫さされや痒み止め等の目的で、従来から用いられている鎮痛消炎液等の塗布液を使用できる。
【0024】
ここで、本発明に係る塗布容器1は、口部23aに螺着されるキャップ4の上方からの投影面が、図7に示すように、容器本体2の上方からの投影面内に配置されるように構成することができる。なお、図7において、実線で示している部分は、容器本体2の投影面の輪郭であり、鎖線で示している部分は、キャップ4の投影面の輪郭である。
【0025】
このような構成の塗布容器1を用いて皮膚等の被塗布面に塗布液を塗布するには、容器本体2の胴部22を手指で把持し、キャップ4を外して、首部23を下方に傾けて塗布部材3に塗布液を含浸させつつ塗布部材3の表面を皮膚等の被塗布面に押し当てることにより行う。或いは、塗布部材3の表面を皮膚等の被塗布面に押し当てる前に、一旦、首部23を下方に傾けて、容器本体2に収容される塗布液を塗布部材3に含浸させたのち、塗布部材3の表面を皮膚等の被塗布面に押し当てることにより行う。
【0026】
容器本体2の第1胴部22a及び第3胴部22cは、長手方向がそれぞれ互いに略直交する水平方向断面形状を有するように構成されている。このような構成により、上述のように、口部23aに螺着されるキャップ4の上方からの投影面が、容器本体2の上方からの投影面内に配置されるように構成することができ、塗布容器1を載置した場合の安定性が極めて高く、より倒れにくいものとなる。特に、塗布液の残量が少なくなり、塗布液を収容した塗布容器全体の重心位置が、塗布液の残量が多い場合の重心位置よりも首部先端側に移ってしまったとしても、この重心位置の水平方向の変位量を小さくすることができる。この結果、わずかな振動や、手や物が軽く当たった程度で倒れてしまうような事態が発生することを効果的に抑制でき、塗布容器1の使用者の利便性を向上させることができる。
【0027】
また、上記実施形態においては、第3胴部22cの水平方向断面における長手方向と、第3胴部22cから口部23aに向けて延伸する首部23の延伸方向とは、上方からの投影面において、略直交するように構成されている。このような構成により、例えば、衣服の襟くび辺りから容器本体2の首部23及び胴部22を挿入して肩や背中に塗布液を塗布するような場合、第3胴部22cの水平方向断面における長手方向と、肩や背中の皮膚表面(被塗布面)とが略平行となる。つまり、第3胴部22cの水平方向断面における短手方向が、肩や背中の皮膚表面に対して略垂直な方向となるため、肩や背中の皮膚表面と衣服との隙間が狭い場合であっても、塗布容器1を操作して被塗布面にスムーズに塗布液を塗布することが可能となり、塗布容器1の使用者の利便性を向上させることができる。
【0028】
また、上記実施形態においては、第1胴部22aの水平断面形状が、前後方向を長手方向とする略卵型をしており、後側(開口面と反対側)の曲率半径は前側(開口面)の曲率半径より小さくなるように形成されている。このように形成することで、使用者が肩や背中に塗布液を塗布するような場合に、人差し指及び中指が第1胴部22aの曲率半径の小さな円弧上を支持し、親指が第1胴部22aの曲率半径の大きな円弧上を支持するので、塗布容器1を安定して保持することが可能となり、塗布容器1の使用者の利便性を向上させることができる。
【0029】
また、上記実施形態においては、第2胴部22bおよび第3胴部22cは、図6に示すように、首部23の下方に空間部Sを形成している。このようにすることで、使用者が肩や背中に塗布液を塗布する場合に空間部Sに肩の上部が入りこむことができるので、塗布容器1を安定した状態で肩や背中部分に使用することが可能となり、塗布容器1の使用者の利便性を向上させることができる。特に、第2胴部22bが第1胴部22aと連続し上方へ緩やかに縮径し第2胴部22cと連続するように形成されているので、空間部Sを上下方向に長く形成することができるので、より塗布容器1を安定した状態で肩や背中部分に使用することが可能となり、塗布容器1の使用者の利便性を向上させることができる。また、第2胴部22bは、その縮径が軸方向に沿って径方向内方に凸になる湾曲部25を有しているので、塗布容器1を肩や背中の皮膚表面と衣服との隙間が狭い場合であっても、塗布容器1を肩の上部により入りこませることが可能となり、さらに塗布容器1を安定した状態で肩や背中部分に使用することが可能となり、塗布容器1の使用者の利便性を向上させることができる。
【0030】
また、第1胴部22aの上下方向の長さL1は、第2胴部22bの上下方向の長さL2に第3胴部22cの上下方向の長さL3を加えた長さより短いことが望ましい。すなわちL1<L2+L3とすることが望ましく、L1<(L2+L3)/2がより好ましい。このように構成することで、空間部Sを上下方向により長く形成することができので、より塗布容器1を安定した状態で且つ肩や背中部分の広範囲にわたり使用することが可能となり、塗布容器1の使用者の利便性を向上させることができる。
【0031】
また、本発明に係る塗布容器1においては、第3胴部22cにおける水平方向断面の面積の最小値が、第1胴部22aにおける水平方向断面の面積の最大値の40%以上70%以下の範囲となるように形成することが好ましく、50%以上60%以下の範囲がより好ましい。このような範囲に設定することにより、例えば、容器本体2の第1胴部22aを手指で把持して当該第1胴部22aに圧力を加えて第1胴部22aをわずかに変形させた場合に、第3胴部22cにおいて、第1胴部22aにて付与した圧力以上の内圧を発生させることができる。したがって、塗布液の残量が少なくなった場合であっても、容器本体2の第1胴部22aを押圧変形させて第3胴部22c付近での内圧を高めることにより、塗布液を塗布部材3側に供給して効率よく塗布部材3に含浸させることが可能となり、塗布容器1の使用者の利便性を向上させることができる。
【0032】
このような塗布容器1はインジェクションブロー成型など公知のブロー成型で製造することが出来る。塗布容器1の内容積は、例えば、内容物の量として、30〜150mLが好ましい。塗布容器1の高さは10〜20cmが好ましい。
【0033】
以上、本発明に係る塗布容器1について説明したが、具体的構成は、上記実施形態に限定されない。例えば、容器本体2の内面に、胴部22から口部23aに向けて伸びる線条を形成するように構成してもよい。線条の形態は種々採用することができ、例えば、容器本体2の内面に形成した溝により構成してもよく、或いは、容器本体2の内面に対して凸となる突起体により構成してもよい。線条の本数は特に限定されず、単一であっても、複数であってもよい。このような線条を容器本体2の内面に形成することにより、塗布液の残量が少なくなった場合であっても、塗布液を迅速に塗布部材3側へと導くことが可能となる。具体的に説明すると、塗布液の残量が少なくなった場合、塗布液を塗布部材3に含浸させようとして首部23を下方に傾けたとしても、塗布液が容器本体2の内面に広がって流動しまい、塗布部材3に塗布液を含浸させるために長時間を要することとなるが、線条を容器本体2の内面に形成した場合、塗布液を線条に伝わらせて流下させることができ、塗布液が容器本体2の内面に広がって流動することを防止して、塗布液を迅速に塗布部材3側へと導くことが可能となり、塗布容器1の使用者の利便性を向上させることができる。
【0034】
また、上述のような線条の形成位置は、特に限定されるものではないが、口部23aに螺着されるキャップ4の上方からの投影面が重なる容器本体2の内面に形成することが好ましい。このような線条の形成位置は、首部23を下方に傾けつつ塗布部材3の表面を皮膚等の被塗布面に押し当てる動作を行った場合に、塗布液が自然と線条を伝わる位置であるため、容器本体2に収納される塗布液の残量が少なくなった場合に、塗布液を塗布部材3側に導く動作と、塗布液を被塗布面に塗布する動作を一連の動作で行うことが可能となり、塗布容器1の使用者の利便性を向上させることができる。
【0035】
また、第1胴部22aの水平断面形状は、前後方向を長手方向とする楕円型であってもよい。
【符号の説明】
【0036】
1 塗布容器
2 容器本体
21 底部
22 胴部
22a 第1胴部
22b 第2胴部
22c 第3胴部
23 首部
23a 口部
3 塗布部材
4 キャップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9