【実施例】
【0026】
まず、本発明の第1実施例に係る培養ユニットについて、
図1および
図2に基づいて説明する。
【0027】
第1実施例の培養ユニットは、
図1や
図2に示すように、培養容器900と、(
図1、
図2では図示しない)蓋部材910と、培養容器900内に配置される組織剥離防止プレート100とから構成されている。
【0028】
組織剥離防止プレート100は、
図1や
図2に示すように、ステンレスから成る円板状のプレート本体110と、プレート本体110を打ち抜くことで形成された複数の観察用開口部120とを有している。プレート本体110の直径は、(培養容器900の直径が6.0cmの場合に)5.1cm等、培養容器900の直径に応じて決定される。また、プレート本体110の厚みは、0.5〜1.5mm程度である。
【0029】
つぎに、培養ユニットを用いた組織Tの培養方法について、以下に説明する。
【0030】
まず、生理食塩水と共に、複数の組織Tを培養容器900の内底面上に配置する。次に、生理食塩水内で組織Tが浮かび上がらないように、複数の組織Tの上に組織剥離防止プレート100を設置する。次に、培養容器900内から生理食塩水を除去し適度に乾燥させることで、組織Tが培養容器900の内底面に貼り付いた状態にする。次に、培養容器900内に培養液Cを加える。最後に、培養液Cを入れた状態で、約2〜3週間保管し、組織Tを培養する。
【0031】
なお、上述した方法は、培養ユニットを用いた組織Tの培養方法の一例である。
【0032】
このように構成された第1実施例の組織剥離防止プレート100を用いた場合、
図11に示すように、従来技術のPET不織布を用いた場合と比較して、約9.5倍程度の細胞数を得ることができた。なお、ABS樹脂(比重:約1.05g/cm
3)を本実施例と同様に用いた場合、従来技術のPET不織布を用いた場合と比較して、約1.5倍程度の細胞数を得ることができた。
【0033】
次に、本発明の第2実施例に係る培養ユニットについて、
図3に基づいて説明する。ここで、第2実施例では、一部構成以外は、前述した第1実施例と全く同じである。そのため、第1実施例に関する明細書および図面に示す組織剥離防止プレートの100番台の符号を200番台の符号に読み替えることによって、相違点以外の構成については、その説明を省略する。
【0034】
第2実施例の培養ユニットでは、
図3に示すように、プレート本体210が、ステンレス製のリング状の枠状部材211と、リング状の枠状部材211に固着されたステンレス製の網状部材212とから構成されている。網状部材212の網目部分が、観察用開口部220として機能する。
【0035】
このように構成された第2実施例の組織剥離防止プレート200を用いた場合、
図11に示すように、従来技術のPET不織布を用いた場合と比較して、約6.0倍程度の細胞数を得ることができた。
【0036】
次に、本発明の第3実施例に係る培養ユニットについて、
図4、
図5に基づいて説明する。ここで、第3実施例では、一部構成以外は、前述した第1実施例と全く同じである。そのため、第1実施例に関する明細書および図面に示す組織剥離防止プレートの100番台の符号を300番台の符号に読み替えることによって、相違点以外の構成については、その説明を省略する。
【0037】
第3実施例の培養ユニットでは、
図4に示すように、培養容器900内に配置された状態で上側を向くプレート本体310の上面310aに、スタンド用取付部材330が固着されている。
【0038】
スタンド用取付部材330には、
図4に示すように、一対のスタンド用係合部331が形成されており、この一対のスタンド用係合部331にスタンド340の先端部を挿入し係合させることで、
図5に示すように、組織剥離防止プレート300に対してスタンド340が取り付けられる。
【0039】
なお、スタンド用係合部331の具体的態様は、上記に限定されず、スタンド340に係合し、組織剥離防止プレート300に対してスタンド340を安定して取り付けることが可能なものであれば、如何なるものでもよい。例えば、スタンド用係合部331をプレート本体310に一体に設けてもよく、また、スタンド用係合部331をプレート本体310に着脱可能に取り付け可能に構成してもよ
い。
【0040】
次に、本発明の第4実施例に係る培養ユニットについて、
図6に基づいて説明する。ここで、第4実施例では、一部構成以外は、前述した第1実施例と全く同じである。そのため、第1実施例に関する明細書および図面に示す組織剥離防止プレートの100番台の符号を400番台の符号に読み替えることによって、相違点以外の構成については、その説明を省略する。
【0041】
第4実施例の培養ユニットでは、
図6に示すように、培養容器900内に配置された状態で下側を向くプレート本体410の下面410bに、プレート脚部450が固着されている。このプレート脚部450は、プレート本体410の傾斜を抑制するために、少なくとも3箇所に設けられ、または、プレート本体410の縁部付近においてリング状に形成されるのが好ましい。
【0042】
なお、プレート脚部450の具体的態様は、上記に限定されず、プレート本体410の下面410bと培養容器900の内底面とを所定間隔で離間させ、組織Tが押し潰されることを防止するものであれば、如何なるものでもよい。例えば、プレート脚部450をプレート本体410に一体に設けてもよい。また、プレート脚部450と同様の機能を果たす脚部を、培養容器900側に設けてもよい。
【0043】
次に、本発明の第5実施例に係る培養ユニットについて、
図7に基づいて説明する。ここで、第5実施例では、一部構成以外は、前述した第1実施例と全く同じである。そのため、第1実施例に関する明細書および図面に示す組織剥離防止プレートの100番台の符号を500番台の符号に読み替えることによって、相違点以外の構成については、その説明を省略する。
【0044】
第5実施例の培養ユニットでは、
図7に示すように、培養容器900の外周壁の内周面に、プレート本体510に係合し、組織剥離防止プレート500の下方への移動を規制する突起状の下方移動規制係合部920が設けられている。下方移動規制係合部920は、培養容器900の外周壁の内周面に少なくとも3箇所に設けられ、または、リング状に設けられる。
【0045】
次に、本発明の第6実施例に係る培養ユニットについて、
図8に基づいて説明する。ここで、第6実施例では、一部構成以外は、前述した第1実施例と全く同じである。そのため、第1実施例に関する明細書および図面に示す組織剥離防止プレートの100番台の符号を600番台の符号に読み替えることによって、相違点以外の構成については、その説明を省略する。
【0046】
第6実施例の培養ユニットでは、
図8に示すように、培養容器900の外周壁の内周面に、プレート本体610に係合し、組織剥離防止プレート600の上方への移動を規制する弾性変形可能な突起状の上方移動規制係合部930が設けられている。上方移動規制係合部930は、培養容器900の外周壁の内周面に少なくとも1箇所に設けられ、または、リング状に設けられる。
【0047】
次に、本発明の第7実施例に係る培養ユニットについて、
図9に基づいて説明する。ここで、第7実施例では、一部構成以外は、前述した第1実施例と全く同じである。そのため、第1実施例に関する明細書および図面に示す組織剥離防止プレートの100番台の符号を700番台の符号に読み替えることによって、相違点以外の構成については、その説明を省略する。
【0048】
第7実施例の培養ユニットでは、
図9に示すように、培養容器900内に配置された状態で上方側を向くプレート本体710の上面710aに、蓋部材910に接触し、組織剥離防止プレート700の上方への移動を規制する規制スペーサ760が固着されている。この規制スペーサ760は、組織剥離防止プレート700の取っ手としても機能する。
【0049】
蓋部材910は、組織剥離防止プレート700から力を受けて、上方に移動しない程度の重さで設計され、または、蓋部材910の外周壁の内周面および培養容器900の外周壁の外周面に、互いに係合する係合部(図示しない)を設けることで、組織剥離防止プレート700から力を受けた場合でも、蓋部材910が上方に移動しないように構成されている。
【0050】
なお、規制スペーサ760と同様の機能を果たす脚部を、培養容器900側に設けてもよい。
【0051】
次に、本発明の第8実施例に係る培養ユニットについて、
図10に基づいて説明する。ここで、第8実施例では、一部構成以外は、前述した第1実施例と全く同じである。そのため、第1実施例に関する明細書および図面に示す組織剥離防止プレートの100番台の符号を800番台の符号に読み替えることによって、相違点以外の構成については、その説明を省略する。
【0052】
第8実施例の培養ユニットでは、
図10に示すように、プレート本体810の外周面に、外側に突出する弾性変形可能な突起状の移動規制部870が複数形成されている。これにより、組織剥離防止プレート800は、培養容器900に対して上下への移動を規制される。なお、
図10に示す点線は、培養容器900の外周壁を表している。
【0053】
なお、移動規制部870の具体的態様は、上記に限定されず、培養容器900に接触し、組織剥離防止プレート800の上下への移動を規制するものであれば、如何なるものでもよい。例えば、移動規制部870を、プレート本体810に一体に設けてもよく、別体に設けてもよい。また、移動規制部870を、プレート本体810の外周面の外側にリング状に設けてもよく、
図10に示すように、複数に分離して設けてもよい。また、移動規制部870と同様の機能を果たす部位を、培養容器900側に設けてもよい。
【0054】
なお、上述した第1〜8実施例の各構成を任意に組み合わせて、培養ユニットを構成しても何ら構わない。また、上記では、培養容器が円板状の底板および外周壁を有したシャーレであるものとして説明したが、培養容器の具体的態様は、矩形状の底版を有するもの等、如何なるものでもよい。また、上述した実施例では、1つの培養容器に対して、1つの組織剥離防止プレートを設置するものとして説明したが、1つの培養容器に対して、複数の組織剥離防止プレートを設置してもよい。また、組織剥離防止プレートに、取り出し用の取っ手を設けてもよい。また、プレート本体を、単一部材から構成してもよく、複数部材から構成してもよい。また、上記では、組織が臍帯組織であるものとして説明したが、組織の具体的種類についてはこれに限定されない。また、プレート本体の形状については、円板状、矩形板状等、如何なるものでもよい。プレート本体の形状は、培養容器の外周壁の形状に適合するような形状であることが望ましい。