(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、絞り成型容器を用いた電池容器は、特許文献1,2に記載されているように、脂肪酸アマイド系や流動パラフィン等の滑剤を用いると、エンボス加工の金型と積層体の表面との滑り性が増すので、絞り性を向上できる。しかし、絞り性を向上させても、金属箔を三次元形状に絞り加工するので、絞り深さには限界があり、絞り成型容器の深さとしては10mm程度が上限値であった。そのため、絞り成型容器を用いた電池容器は、大容量の厚みが厚い電池素子を収容することができないという課題があった。
また、絞り成型容器の隅部が、特に大きく引き伸ばされるので、その隅部において金属箔が薄くなり小さな亀裂が入ったり、ピンホールが発生したりする。金属箔の小さな亀裂部分やピンホールから水分が浸入すると、電解液と水分とが反応し、フッ酸等が生成する。このため、電極部材の溶着部等が腐食して劣化し、電解液が漏洩するといった問題があった。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、絞り成型容器を用いた電池容器と同様に、軽量で、容積効率が高く、大容量の厚みが厚い電池素子も容易に収容可能であり、且つ、生産性が高く安価に製造可能である電池容器、それを用いたフィルム包装電池及びそれらの製造方法を提供することを課題とする。
なお、本明細書において、電池容器の凹状壁のことを、説明の都合により側壁と説明している場合があるが、同一部分を指している。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下の電池容器を提供する。
(1)金属箔と溶着層とを有する積層フィルムから形成された容器本体
と、蓋材とを有する電池容器であって、前記容器本体の周壁は、前記積層フィルムの溶着層が収納部側に凸となるように絞り成型され
、且つ、外面に凹部が形成されて
前記容器本体の底部から折られて立ち上がる一対の対向する凹状壁の両側端面の溶着層が、前記
容器本体の底部から折られて立ち上がる一対の対向する壁面の両側縁の溶着層に溶着されて連結した電池容器。
(2)前記凹状壁の
、前記
容器本体の底部に折り重なる折返し部の溶着層が、前記
容器本体の底部の溶着層に溶着された(1)に記載の電池容器。
(3)前記凹状壁の凹部に補強樹脂が充填された(1)または(2)に記載の電池容器。
【0007】
また、本発明は、以下のフィルム包装電池を提供する。
(4)上記の(1)ないし(3)のいずれかに記載の電池容器を用いたフィルム包装電池であって、前記容器本体に電池素子を収納し、
前記蓋材で封止したフィルム包装電池。
【0008】
また、本発明は、以下の電池容器の製造方法を提供する。
(5)金属箔と溶着層とを有する積層フィルムから形成された容器本体を有し、前記容器本体の周壁は、前記積層フィルムの溶着層が収納部側に凸となるように絞り成型され
、且つ、外面に凹部が形成されて
前記容器本体の底部から折られて立ち上がる一対の対向する凹状壁の両側端面の溶着層が、前記
容器本体の底部から折られて立ち上がる一対の対向する壁面の両側縁の溶着層に溶着されて連結した電池容器の製造方法であって、長尺の前記積層フィルムの長手方向に、一定の間隔を介して配置された複数の前記容器本体
の底部となる部分同士の間に、前記積層フィルムの幅方向両側辺において、隣接する前記凹状壁同士の対向する二つの側面に溶着される部分の長さより長い間隔をあけて絞り成型して凹状壁を形成する絞り成型工程と、前記積層フィルムの幅が前記
容器本体の底部の幅となり、かつ前記凹状壁が複数の自由端として外方に広がるように前記凹状壁の周囲の絞り成型されない部分の前記積層フィルムに切欠きを設けるフィルム切欠き工程と、前記積層フィルムの両側辺の前記凹状壁を、互いの溶着層同士が対向するように前記
容器本体の底部となる部分に対して、折返し部の根本から折り曲げて立ち上げる凹状壁の立上工程と、前記凹状壁が存在しない部分の前記積層フィルムを、前記
容器本体の底部となる部分に対して、凹状壁の端部延出部の根本から折り曲げて立ち上げる端壁の立上工程と、前記端壁の両側縁を前記凹状壁の両側端面の溶着層に重ねて溶着し、前記端壁と前記凹状壁とを連結して前記容器本体の周壁を形成する壁面の連結工程と、を有することを特徴とする電池容器の製造方法
。
【発明の効果】
【0010】
本発明の電池容器及びフィルム包装電池は、絞り成型容器を用いた電池容器と同様に、電池容器における容器本体の底部と周壁とが、薄い金属箔を含む積層フィルムで構成されているので、電池容器のガスバリア性が高く、軽量で、容積効率が高い。
しかも、本発明の電池容器及びフィルム包装電池は、絞り成型容器を用いた電池容器と異なり、周壁が、底部から折られて立ち上がる一対の対向する凹状壁の両側端面の溶着層が、底部から折られて立ち上がる一対の対向する端壁の両側縁の溶着層に溶着されて連結されているので、水密な構造を形成できると共に保形性に優れる。
また、本発明の電池容器及びフィルム包装電池は、金属箔を含む積層フィルムを折り線で折り曲げることで、任意の厚さの電池素子を収納できる。これにより、大容量の厚い電池素子を収容できるため、三次元形状に深く絞るエンボス加工を施す必要がないので、金属箔の厚みが薄くても、金属箔に亀裂やピンホールが発生したりすることがない。
また、本発明の電池容器及びフィルム包装電池は、従来技術では、金属箔の厚みを薄くすると、絞り成型容器に使用できなかった、展性が小さくて絞り加工性の低い金属箔を用いた積層フィルムも使用できる。
さらに、凹状壁と蓋材とが溶着されるので、フィルム包装電池の少なくとも対向する二辺は、蓋材を凹状壁に溶着して封止できる。これにより、蓋材の溶着部が電池容器の外方に延出しないので、電池がコンパクトになり、複数の電池容器を集積して用いる場合に、集積体の体積を小さくすることができる。また、複数の電池容器の保管時や集積時の取扱性にも優れる。
また、凹状壁と蓋材とを溶着する時の、シール幅を十分に大きくできるため、溶着が容易で確実になり、ガスバリア性も高くなる。
【0011】
また、請求項2記載の発明によれば、凹状壁の底部に折り重なる折返し部の溶着層が、底部の溶着層に溶着されているので、水密な構造が形成されると共に保形性がより優れる。また、凹状壁の両側端面の溶着層と、底部から折られて立ち上がる壁面の両側縁の溶着層との溶着が容易で確実となる。
【0012】
また、請求項3記載の発明によれば、凹状壁の凹部に補強樹脂が充填されているので、保形性がより優れる。また、凹状壁の両側端面の溶着層と、底部から折られて立ち上がる壁面の両側縁部の溶着層との溶着が、容易で確実となる。
【0013】
また、本発明の電池容器及びフィルム包装電池の製造方法によれば、長尺の積層フィルムを用いて、複数の電池容器本体を連続的に形成することができる。これにより、ロール、ボビン巻きやカセット巻きに巻き取られた積層フィルムや、凹状壁となる部分が絞り成型された積層フィルムを、巻き戻しながら、電池容器やフィルム包装電池を連続的に製造できる。よって、電池容器及びフィルム包装電池の生産性を高めることができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
<第1形態例>
図1〜
図3に示す第1形態例の電池容器10は、金属箔と溶着層とを有する積層フィルム1からなる容器本体4を有する。
第1形態例の電池容器10は、容器本体4に電池素子5が収納された後に、蓋材3が取り付けられて、
図4に示す本第1形態例のフィルム包装電池20となる。第1形態例のフィルム包装電池20は、二次電池や電気二重層キャパシタ等の電池容器として好適に用いられる。
【0016】
第1形態例のフィルム包装電池20は、電池容器10の内側に、正極板と、負極板と、セパレータと、電解液とを有する電池素子5が収納されている。なお、電池素子5は、電解質を含む全ての充電・発電に必要な要素を全て含むものである。
第1形態例のフィルム包装電池20は、正極と負極の電極板に電気的に接続された、正極リードと負極リードとからなる電極リード47が電池容器10から互いに反対の方向へ突出している。電極リード47は、正極と負極の電極板に取り付けられて電気的に接続される。
セパレータとしては、ポリオレフィン等の熱可塑性樹脂から作られた多孔フィルム、不織布や織布など、電解液を含浸することができるシート状の部材が用いられる。
【0017】
図1〜
図3に示す第1形態例の電池容器10は、金属箔と溶着層とを有する積層フィルム1からなる容器本体4を有する。
容器本体4は、平面視矩形に形成された底部41と、底部41の端縁から立ち上がる一対の端壁42、42と、外面に凹部45が形成され、収納部側に凸となる凹状壁に絞り成型されて底部41の側縁から立ち上がる一対の凹状壁43、43と、凹状壁43の凹部45に形成された板状の樹脂成型体2と、端壁42,42の上縁部から外方に延出するリード挟持部44、44とを有する。
【0018】
容器本体4の周壁は、端壁42,42と凹状壁43,43とが、直線からなる折り線で折られて四角形状の底部41から立ち上がり、側端部同士で連結して形成されているので水密な構造にできる。
容器本体4は、底部41から周壁が立ち上がる部分が直線からなる折り線で折られた積層フィルム1で形成されているので、底部41から立ち上がる部分に、金属箔を三次元形状に絞るエンボス加工を施す必要がない。
そのため、容器本体4の採用できる深さに、数値的な制限はない。また、容器本体4の隅部が特に大きく引き伸ばされて金属箔が薄くなり、金属箔に小さな亀裂やピンホールが発生することもない。
【0019】
容器本体4を形成する積層フィルム1は、金属箔と、最内層に熱可塑性樹脂層を有する溶着層とが積層された積層フィルムである。
第1形態例においては、積層フィルム1は、金属箔の片面のみに溶着層を有する。積層フィルム1は、溶着層が容器本体4の最内層となる。
第1形態例に用いる積層フィルム1は、金属箔の、溶着層が積層されている側とは反対の側の面に、樹脂からなる保護層が積層されているのが好ましい。
保護層は、金属箔の外表面が水分や電解液により腐食したり、金属箔の外表面が他の物品と接触して損傷したりすることを防止する。保護層は、溶着層に比べて融点が高い熱可塑性樹脂、あるいは熱硬化性樹脂によって形成されることが好ましい。
【0020】
積層フィルム1の具体例としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンナフタレートなどのポリエステルあるいは6ナイロンや66ナイロンなどのポリアミドなどの樹脂によって形成された保護層と、ステンレススチールやアルミニウムなどの金属箔と、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィンによって形成された溶着層とを、順に積層したものを挙げることができる。
保護層は、二軸延伸フィルムを使用するのが、耐熱性と強度が高くなるので好ましく、複数層が積層されていてもよい。
積層フィルム1を構成する各層の積層方法には、ドライラミネート、押出ラミネートや熱圧着ラミネート等の公知の方法を採用できる。
【0021】
積層フィルム1の金属箔は、積層フィルム1に酸素や水蒸気などの気体遮断性を付与するガスバリア層として機能する。金属箔としては、例えば、アルミニウム箔(アルミ箔)、アルミニウム合金箔(アルミ合金箔)、ステンレス箔、鉄箔、ニッケル箔、銅箔や鉛箔などを挙げることができる。
これらの金属箔のうち、比重が小さく、展延性(延びやすさ)および熱伝導性に優れることから、アルミ箔やアルミ合金箔が好ましい。熱伝導性に優れた金属箔を使用すると、電池素子が発熱した場合の放熱性が向上する。アルミ箔を使用した場合のアルミ箔の厚さは、ガスバリア性の確保や加工適性その他を考慮すると、6μm〜200μmの範囲であることが好ましい。アルミ箔の厚さが6μmに満たないと、ピンホールの発生が多くなり、ガスバリア性が低下することが懸念される。
【0022】
ステンレス箔は、アルミ箔に比べて熱伝導性に劣るが、引っ張り強度と耐食性が高い点において優れている。耐食性が高い金属箔は、容器本体4における金属箔より内側の溶着層が損傷して、電池容器10内部に充填された電解液が金属箔と接触しても腐食し難く、気体遮断性を維持できる点で好ましい。ステンレス箔を用いる場合は、耐食性に優れるSUS304やSUS316などのオーステナイト系ステンレス鋼が好ましい。ステンレス箔としては、特にSUS316が好ましい。ステンレス箔の厚さは、10μm〜150μmの範囲とすることが好ましい。
ステンレス箔の厚さが10μmに満たないと、ピンホールの発生が多くなり、ガスバリア性が低下することが懸念される。また、ステンレス箔の厚さが150μmを超えると、剛性が高いことから加工し難い。
【0023】
積層フィルム1の溶着層に用いる樹脂としては、例えば、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖線状ポリエチレン、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタアクリル酸共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−メチルアクリレート共重合体、アイオノマー、エチレン−酢酸ビニル共重合体、カルボン酸変性ポリエチレン等のポリエチレン(PE)系樹脂;プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体、エチレン−プロピレンブロック共重合体、プロピレン−α−オレフィンブロック共重合体、カルボン酸変性ポリプロピレン等のポリプロピレン(PP)系樹脂、などのポリオレフィンを挙げることができる。
【0024】
図4に示すように、フィルム包装電池20は、電池容器10の容器本体4に電池素子5が収納されて、蓋材3で密閉されている。蓋材3は、凹状壁43の蓋材溶着面と、リード挟持部44と、電極リード47とに溶着されている。リード挟持部44と蓋材3とは、電極リード47を挟んで溶着されている。
容器本体4のリード挟持部44は、積層フィルム1が端壁42の上端で折り曲げられて、容器本体4の外方に延出している。
蓋材3は、凹状壁43の上端面とリード挟持部44とに溶着されて、電極リード47を挟持すると共に、容器本体4の開口部を塞いでいる。
第1形態例においては、蓋材3として、容器本体4の積層フィルム1と同じ積層構成の部材を用いている。
【0025】
第1形態例においては、蓋材3は、容器本体4と同じ幅となっている。このため、容器本体4の凹状壁43の上端は蓋材3で覆われている。従って、凹状壁43に十分な厚さがあれば、容器本体4と蓋材3とは十分な溶着幅で溶着されるため、溶着強度が高く、溶着部界面のガスバリア性を高くすることができる。
蓋材3は、容器本体4の幅より広く形成し、容器本体4からはみ出した部分の蓋材3によって容器本体4の両方の側縁部を覆ってもよい。この場合、蓋材3の一部は、凹状壁43の外面に固定されることが好ましい。
【0026】
蓋材3に使用している積層フィルムの構成は、容器本体4の積層フィルム1の積層構成と同じでなくてもよい。蓋材3が、金属箔と溶着層とを有する積層フィルムである場合には、フィルム包装電池20が軽量化できると共に容積率が高くなるので好ましい。ただし、蓋材3に、金属箔と同等のガスバリア性を有する厚い樹脂板を用いる場合は、金属箔を用いなくてもよい。
蓋材3が、金属箔と溶着層とを有する積層フィルムである場合は、蓋材3に、積層フィルム1と同様の保護層を積層するのが好ましい。
【0027】
図1〜
図3に示すように、容器本体4の両側の側壁43,43は、外面に凹部45が形成され、収納部側が凸となるように絞り成型されている。側壁43を構成する積層フィルム1は、溶着層が収納部側に向けられている。
図2および
図3に示すように、側壁43は、積層フィルム1が底部41の側縁部で収納部側に折り返された折返し部43aと、折返し部43aの内側縁部から立ち上がる立上り部43bと、立上り部43bの上縁部から外方に延出する上部延出部43cと、立上り部43bの長さ方向の両端部からそれぞれ外方に延出する端部延出部43d(
図2(b)を参照)と、を備えている。
折返し部43aは、底部41に重ねられている。折返し部43aの溶着層は、底部41の溶着層に溶着され、これによって折返し部43aが底部41に固定されていることが望ましい。
【0028】
側壁43の外面の凹部45は、折返し部43aと、立上り部43bと、上部延出部43cと、端部延出部43dとによって形成されている。
凹部45の深さは、蓋材3や端壁42との溶着部分の幅を2〜5mm程度に確保できる深さであることが好ましい。溶着部分の幅が2mm以上であると、蓋材3や端壁42との溶着強度および溶着部界面のガスバリア性が高くなる。
一方、溶着部分の幅が5mmを越えても、溶着強度やガスバリア性のさらなる向上は望めず、電池容器10の容積効率が低下する。
【0029】
凹部45の内部には、補強樹脂が充填されて積層された、板状の樹脂成型体2が設けられているのが好ましい。樹脂成型体2は、保形性を補強する観点から、側壁43の凹部45の折返し部43aと、上部延出部43cと、両側の端部延出部43dとに接する形状であることが好ましい。
第1形態例では、樹脂成型体2は、底部41側の下端面と開口部側の上端面と長さ方向の両端の側端面を有する矩形の板状とされている。そして、主面が立上り部43bに当接し、下端面が折返し部43aに当接し、長さ方向の端面である側端面が端部延出部43dに当接し、上端面が上部延出部43cに当接している。
なお、本明細書において、「主面」とは、複数の面のうち、最も広い面を意味する。
【0030】
樹脂成型体2に使用する樹脂としては、積層フィルム1の保護層に使用可能な樹脂を用いることができる。樹脂成型体2に用いる樹脂は、積層フィルム1の保護層の樹脂と同じものを用いることが好ましいが、異なるものを用いてもよい。
また、樹脂成型体2に用いる樹脂は、積層フィルム1の保護層と、必ずしも高い接着強度で接着される必要はないので、予め板状に成型した樹脂成型体2を接着剤で貼り合せてもよい。
樹脂成型体2の厚さは、所望の保形性が得られる限り薄いことが好ましい。樹脂成型体2が厚いと、電池容器10が重くなり、容積効率が低下する。
樹脂成型体2は、外面に、積層フィルム1の長さ方向に沿う凹部を形成することによって、軽量化を図ることができる。
【0031】
第1形態例においては、
図1に示す容器本体4の端壁42は、樹脂板で補強されておらず、実質的に積層フィルム1からなる。
端壁42の両端は、
図2(b)に示すように、側壁43の端部延出部43dに溶着されている。これにより、端壁42は側壁43に固定されて連結し、本体容器4の周壁が形成され、水密な構造が形成される。また、端壁42が樹脂板で補強されていなくても、端部延出部43dにより端壁42の保形性が強化される。
端壁42は、十分な厚さを有する側壁43の端部延出部43dの外面(側端面)に溶着されているため、溶着部界面におけるガスバリア性の低下は小さい。
【0032】
第1発明の電池容器10の製造方法の一例として、独立した1つの容器本体4を製造する例を、
図5〜
図13を参照して説明する。第1発明に係わる電池容器10の製造は、例えば、次のとおり、(1)〜(4)の工程を順に経て行われる。
<(1)絞り成型工程>
図5に示すように、積層フィルム1の両側辺部分に、それぞれ絞り成型加工により凹部45を形成する。凹部45の形成方法としては、例えば、射出成型機の金型を使用して絞り成型を行うことにより形成することができる。
また、次に説明するような手順によれば、射出成型機の金型を使用して、絞り成型加工により凹部45を形成した後に、引き続いて、該凹部45に補強樹脂を充填して樹脂成型体2を積層することができる(
図6、及び
図8〜11を参照)。
図8は、絞り成型加工に使用する射出成型機の金型の一例を示す模式断面図である。
図8の金型70は、凹部45の内面形状に即したコア71aを有する雄型71と、側壁43の外面形状に即したキャビティ72aを有する雌型72と、を備えている。
雄型71には、射出成形ノズル74から供給された溶融樹脂73(
図10を参照)を導く流路75(スプル、ランナー)が形成されている。
雄型71のコア71aと雌型72のキャビティ72aとの間には、成形空間76(
図9を参照)が形成される。
【0033】
雄型71のコア71aより外側の周縁部78には、押圧部60を摺動可能に収容する摺動穴62が形成されている。型締め時には、押圧部60は、
図9に示すように、押圧手段61により付勢されて、雄型71と雌型72との間に挿入される積層フィルム1を、雌型72側の周縁部79に対して押圧することができる。
押圧部60の積層フィルム1と接する当接面60aは、積層フィルム1との摩擦を低減するため、平滑面とされていることが好ましい。
雄型71のコア71aは、型締め時に積層フィルム1を押圧して賦形することができるようになっている。
【0034】
押圧手段61は、摺動穴62と連通して形成された押圧手段収容空間63に収容されており、成形時に積層フィルム1が雄型71と雌型72の向き合う方向(
図8〜
図11における上下方向)に移動するのを抑制する。
押圧部60によって押圧された状態の積層フィルム1は、雄型71や樹脂73などから受ける力により成形空間76側に移動することが許容される。つまり、押圧部60による押圧力は、積層フィルム1の引っ張り強度の限界内とされており、この押圧力より強い力が積層フィルム1に加えられた場合、積層フィルム1が押圧部60に対して摺動できる。
押圧手段61は、積層フィルム1に対して弾性的な押圧力を付与することができるものが好ましく、スプリングやエアシリンダーなどが使用できる。
【0035】
摺動穴62の底面62aは、
図9および
図10に示すように、型締め時に押圧部60の受け座となり、押圧部60の後退(
図9および
図10における上方への移動)を規制する。
【0036】
金型70を用いて積層フィルム1を成型するには、まず、
図8に示すように、互いに離間した雄型71と雌型72との間に積層フィルム1を配置する。
次いで、
図9に示すように、雄型71と雌型72との間に積層フィルム1を挟み込む。これにより、積層フィルム1の一部はコア71aに押圧され、成形空間76内で、コア71aの形状に沿って凹状に変形する。
【0037】
図10に示すように、雄型71のコア71aと雌型72のキャビティ72aとの間に形成された成形空間76に、射出成形ノズル74から溶融した樹脂73を射出する。溶融樹脂73の射出圧により、積層フィルム1は雌型72のキャビティ72aの表面に向かって押され、キャビティ72aの表面に沿って賦形され、凹部45が形成される。溶融樹脂73は、凹部45の内面に充填される(射出成形)。本形態例では、溶融樹脂73はコア71aに沿う凹部を有する。
【0038】
押圧部60の押圧力は、積層フィルム1を変形させる力に比較すれば十分に小さいため、溶融樹脂73の圧力を受けた積層フィルム1は押圧部60と雌型72の周縁部79との間で摺動し、成形空間76側に引き込まれる。
溶融樹脂73を冷却すると、溶融樹脂73は硬化し、樹脂成型体2となる。樹脂成型体2は積層フィルム1と一体化される。
【0039】
図11に示すように、雌型72を雄型71から離れる方向に移動させると、押圧部60により、積層フィルム1が雄型71から押し離されるため、積層フィルム1を容易に離型することができる。
【0040】
<(2)フィルム切欠き工程>
図6に示す、絞り成型された凹部45,45に樹脂成型体2が形成された積層フィルム1の、凹部45,45が形成された部分を残して、積層フィルム1の四隅を含む側辺部分(
図6の不要な側辺部分48)を、
図7に示すように、端部延出部43dまで切除して側壁43,43を切り出す。
積層フィルム1の側辺部分を切除する方法としては、例えば、打抜き金型を用いて打ち抜く方法、レーザー光線を用いた切断等の公知の方法を採用できる。不要な側辺部分48を切り欠くことによって、積層フィルム1は、
図7に示すように、側壁43,43と、凹部45,45に挟まれて底部41となる中央部分46と、中央部分46から外方に広がり端壁42およびリード挟持部44となる自由端53,53と、を有する形状となる。
自由端53は、積層フィルム1の長さ方向に関して、側壁43がない部分である。
なお、本明細書において、「自由端」とは、自由に動くことができる端部を意味する。
【0041】
<(3)凹状壁、端壁の立上工程>
図12に示すように、積層フィルム1を、凹部45の開口が下を向く姿勢として、絞り成型されて凹部45,45が形成された積層フィルム1を折返し部43aの根本(中央部分46の根本)から折り曲げる。これにより、
図13に示すように、凹状壁(側壁)43が、底部41となる中央部分46の上に立ち上がる。
そして、凹部45,45が形成された積層フィルム1の折返し部43aの溶着層と中央部分46の積層フィルム1の溶着層とを、底部41側から加熱して溶着する。
その結果、積層フィルム1の一対の凹部45,45を含む部分は、凸となる溶着層同士が対向するように立設された凹状壁(側壁)43,43となる(
図3を参照)。
また、
図13に示す側壁43が、底部41となる中央部分46の上に立ち上がった状態で、自由端53,53を、側壁43の端部延出部43dの根本から折り曲げて立ち上げ、端壁42,42が形成される(
図1,2を参照)。
【0042】
<(4)壁面の連結工程>
形成された端壁42,42の両側縁を凹状壁(側壁)43,43のそれぞれの端部延出部43dに重ね、端壁42の溶着層と端部延出部43dの溶着層とを、端壁42側から加熱して互いに溶着させる。
自由端53,53のうち、中央部分46から立ち上げられて側壁43と同じ高さとなる部分は端壁42,42となり、残余の部分はリード挟持部44,44となる。端壁42,42は、溶着層同士が対向するように立設される(
図2を参照)。
【0043】
そして、端壁42から延出する、自由端53の残余の部分を、外側に水平に折り曲げてリード挟持部44を形成し、端壁42の壁面と側壁43とを、溶着により互いに連結して容器本体4の周壁として、
図1に示す第1形態例の電池容器10が得られる。
なお、リード挟持部44の形成は、端壁42の形成と同時に行なってもよい。
【0044】
得られた電池容器10に電池素子5を入れ、開口部に蓋材3を載置し、電池容器10の樹脂成型体2の上端面と、リード挟持部44と、電極リード47に蓋材3を溶着する。このようにして、蓋材3とリード挟持部44とで電極リード47を挟持すると共に、電池容器10の開口部を塞ぐと、
図4に示す第1形態例のフィルム包装電池20が得られる。
【0045】
本発明に係わる電池容器およびフィルム包装電池の製造方法によれば、第1形態例の電池容器10およびフィルム包装電池20は、長尺の積層フィルム1を用いて、連続的に効率よく製造することが可能である。なお、本発明において長尺とは、長さが1mから10,000mのことをいう。
以下、その製造方法の一例を、
図14〜
図21を参照して説明する。
長尺の積層フィルム1を用いておこなう第1形態例の電池容器10の製造方法は、概ね、上述した独立した1つの容器本体4の製造方法と同じである。
以下、個々の工程について、独立した1つの容器本体4の製造方法と異なる点のみを説明する。
長尺の積層フィルム1を使用した場合の、第1形態例の電池容器10の製造方法は、次のとおり、(a)〜(g)の工程を経て行われる。
【0046】
<(a)絞り成型工程>
図14に示すように、長尺の積層フィルム1の両側辺部分に、絞り成型により凹部45を形成するとともに、凹部45内に補強樹脂を充填して樹脂成型体2を積層する。
凹部45の形成方法は、独立した1つの容器本体4の製造方法における凹部45の形成方法と同様である。樹脂成型体2の積層方法も、独立した1つの容器本体4の製造方法における樹脂成型体2の積層方法と同様である(
図5〜
図11を参照)。
凹部45は、底部41となる部分(中央部分46)同士の間に、長尺の積層フィルム1の長さ方向に隣り合う凹状壁43,43(
図15等を参照)に溶着される部分(端壁42の側縁)の長さより、長い間隔を空けて形成される。
【0047】
<(b)電極用開口工程>
長尺の積層フィルム1には、電極となる電極リード47を露出させるための開口50(電極引出部)が形成されている。
開口50は、後述する壁面の連結工程で得られる容器本体4の帯を、そのままフィルム包装電池20の製造方法に適用するためのものである。
開口50を形成する方法としては、例えば、打抜き金型を用いて打ち抜く方法やレーザー光線を用いた切断等を採用できる。
なお、長尺の積層フィルム1に形成された容器本体4の帯から、独立した1つの容器本体4を複数切り出してフィルム包装電池20を製造する場合は、開口50はなくともよい。
開口50は、容器本体4の製造工程のどの段階で形成してもよいが、後述するフィルム切欠き工程で開口50を形成すると、フィルムの切欠きと開口50の位置が正確となる。また、フィルム切欠き工程で開口50を形成すると、長尺の積層フィルム1の切欠きと開口50の形成とは、いずれもフィルムを切除する作業なので、作業が効率的となり、好ましい。
【0048】
<(c)フィルム切欠き工程>
図15に示すように、独立した1つの容器本体4の製造方法におけるフィルム切欠き工程と同様に、絞り成型されて複数対の凹部45,45が形成された、長尺の積層フィルム1の複数対の凹部45,45を自由端となるように残して、長尺の積層フィルム1の側辺の一部(
図14の不要な側辺部分48)を切除する。
不要な側辺部分48が切除された長尺の積層フィルム1は、
図17に示すように、複数対の側壁43,43と、複数対の凹部45,45に挟まれて底部41となる中央部分46と、中央部分46から外方に広がり端壁42およびリード挟持部44となる部分49と、を有する形状となる。
【0049】
図17に示すように、端壁42およびリード挟持部44となる部分49は、開口50を有する連結部51と、リード挟持部44、44および端壁42、42となる端壁予定部52と、からなる。
従って、複数の容器本体4の底部41となる部分同士の間の長さ、すなわち、端壁42,42およびリード挟持部44,44となる部分49の長さは、端壁42、42となる部分の長さよりリード挟持部44,44と開口50の分だけ長い。
連結部51および端壁予定部52の幅は、底部41の幅に等しいことが望ましい。
【0050】
図17を参照して、電極リード用開口の開口工程(電極用開口工程)と、フィルム切欠き工程とを経た長尺の積層フィルム1の形状を詳しく説明する。
長尺の積層フィルム1の、開口50の端縁から外方に延びる二本の二点鎖線1a、1aは、連結部51を切断除去するための仮想の切断予定線である。この切断予定線1a、1aは、完成した容器本体4またはフィルム包装電池20が複数連結された帯を、二組の切断予定線1a、1aに挟まれる連結部51を切断除去して分断する。二組の切断予定線1a、1aの幅は、連結部51を切断除去できれば、開口50の幅より狭くてもよい。
また、端部延出部43d同士を結ぶ二点鎖線1bは、底部41となる中央部分46と端壁予定部52の境界線である。この境界線1bは、端壁予定部52の積層フィルム1を側壁43に溶着して端壁42を形成する際に、谷折りされる。
また、この境界線1bと切断予定線1a、1aとの間にある二点鎖線1cは、端壁予定部52の端壁42となる部分とリード挟持部44となる部分の境界線である。この境界線1cは、端壁42を形成する際に、山折りされる。
なお、
図14〜
図21には、長尺の積層フィルム1に、連続した2つの電池容器10が形成される例が図示されているが、通常は、3つ以上の電池容器10が形成される。
なお、第1形態例では、端壁予定部52,52の間の部分だけでなく、長尺の積層フィルム1のもっとも端部側に位置する端壁予定部52より、さらに端部側の部分も連結部51と呼ぶ。
【0051】
<(d)凹状壁、端壁の立上工程>
図16に示すように、独立した1つの容器本体4の製造方法における凹状壁、端壁の立上工程と同様に、長尺の積層フィルム1を、凹部45の開口が下を向く姿勢とし、絞り成型されて複数対の凹部45,45が形成された長尺の積層フィルム1を、折返し部43aの根本から中央部分46の上に立つように折り曲げて、
図18に示すように凹状壁を立上げる。
複数対の凹部45,45が形成された長尺の積層フィルム1の折返し部43aと中央部分46とを、中央部分46側から加熱して溶着する。これによって、複数の凹状壁(側壁)43が形成される。
また、
図17に示す二点鎖線1bに沿って垂直に谷折りし、二点鎖線1cに沿って水平に山折りして、連結部51と、端壁予定部52と、を持ち上げ、長尺の積層フィルム1の端壁42となる部分を、凹状壁(側壁)43の端部延出部43dに密着させ端壁42が形成される(
図19を参照)。
【0052】
<(e)壁面の連結工程> 独立した1つの容器本体4の製造方法における壁面の連結工程と同様に、長尺の積層フィルム1の両側縁を凹状壁(側壁)43の端部延出部43d,43dの外面(両側端面)の溶着層に重ねて溶着すると、
図19に示す、長尺の積層フィルム1に複数の容器本体4が形成されて連結部51で連結された電池容器10の帯が得られる。
また、長尺の積層フィルム1に形成された電池容器10の帯の連結部51を切断除去して分断すると、
図1に示す第1形態例の電池容器10が得られる。
また、長尺の積層フィルム1に形成された電池容器10の帯は、分断せずにフィルム包装電池20の製造用として用いることもできる。
【0053】
次に、長尺の積層フィルム1に形成された電池容器10の帯を分断せずに行う、フィルム包装電池20の製造方法について説明する。
第1形態例のフィルム包装電池20の製造方法は、本発明の電池容器10の製造方法に、電池素子の収納工程と封止工程を付加したものである。以下、電池素子の収納工程と、封止工程について説明する。
【0054】
<(f)電池素子の収納工程>
第1形態例のフィルム包装電池20の製造方法は、まず、
図20に示すように、長尺の積層フィルム1に形成された電池容器10の帯の、それぞれの電池容器10の容器本体4に電池素子5を収納する。
容器本体4に電池素子5を収納する際には、電池容器10の容器本体4から互いに反対の方向へ突出する正極リードと負極リードのそれぞれの端部が、連結部51の開口50内に位置するように収納する。
【0055】
<(g)封止工程>
図21に示すように、第1形態例においては、複数の蓋材3が連結した長尺の蓋材3を用いる。この蓋材3は、長尺の積層フィルム1に形成された電池容器10の帯の連結部51と同様に、開口30を有する連結部31を有する。開口30の大きさは、長尺の積層フィルム1に形成された電池容器10の帯の連結部51と異なっていてもよいが、同じであることが好ましい。なお、独立した複数の蓋材3を用いることもできる。
第1形態例において用いる長尺の蓋材3の連結部31は、長尺の積層フィルム1に形成された容器本体4の帯の連結部51と幅と長さが同じで、開口50と同一形状の開口30が、開口50の間隔と同一の間隔で形成されている。なお、通常は帯同士の長さは一致していなくてもよい。
【0056】
電池素子5が収納された、長尺の積層フィルム1に形成された電池容器10の帯の開口50と、長尺の蓋材3の開口30とが一致するように蓋材3を重ね、蓋材3側から、それぞれの容器本体4の側壁43の上部延出部43cの溶着層とリード挟持部44の溶着層との両方にそれぞれの蓋材3の溶着層を溶着する。
このようにして、それぞれの蓋材3と、それぞれの電池容器10のリード挟持部44との間に、リードを挟持すると共に、それぞれの電池容器10の開口部を塞ぐと、
図21に示すように、長尺の積層フィルム1に複数の包装電池20が形成された帯が得られる。
また、長尺の積層フィルム1に複数のフィルム包装電池20が形成された帯の、連結部31,51を切断除去すると、
図4に示すフィルム包装電池20が完成する。
また、長尺の積層フィルム1に複数のフィルム包装電池20が形成された帯は、そのまま完成品としてもよい。
【0057】
このようにして製造された本発明に係わる電池容器10は、絞り成型容器を用いた電池容器と同様に、容器本体4の底部41と周壁が、薄い金属箔を含む積層フィルム1で構成されるので、電池容器10のガスバリア性が高く、軽量で、容積効率が高い。しかも、絞り成型容器を用いた電池容器と異なり、容器本体の周壁を構成する凹状壁43が、端壁42に溶着されて連結されているので、容器本体4が深くても、水密な構造が形成でき保形性に優れる。また、電池容器10は、金属箔を含む積層フィルム1を折り線で折り曲げることにより、任意の深さの電池容器を製造することができる。
これにより、本発明に係わる電池容器10は、大容量の厚い電池素子5を収容する場合であっても、三次元形状に深く絞る必要がないので、金属箔が薄くても、金属箔に亀裂やピンホールが発生しない。
また、本発明に係わる電池容器10は、今まで金属箔の厚みを薄くすると絞り成型容器に使用できなかった、絞り加工性の低い金属箔や、伸びが小さいため絞り加工に適さない金属箔を用いた積層フィルムも使用できる。
さらに、本発明に係わる電池容器10は、凹状壁43に蓋材3が溶着されるので、フィルム包装電池20の少なくとも対向する二辺は、蓋材3を凹状壁43の上部延出部43cに溶着して封止できる。これにより、蓋材3の溶着部が電池容器10の外方に延出しないので、電池がコンパクトになり、複数の電池容器を集積して用いる場合に、集積体の体積を小さくすることができる。そのため、複数の電池容器の保管時や集積時の、取扱性にも優れる。
また、本発明に係わる電池容器10は、凹状壁43が凹状構造を有するため、蓋材3の溶着時のシール幅を十分に大きくできる。このため、溶着が容易で確実になり、溶着部界面のガスバリア性も高くなる。
【0058】
また、本発明に係わる電池容器10では、凹状壁43の折返し部43aの溶着層が、底部41の溶着層に溶着されているので、保形性がより優れている。また、凹状壁43の端部延出部43dの溶着層と、端壁42の両側縁の溶着層との溶着が容易で確実となる。また、電池容器10では、凹状壁43の凹部45に補強樹脂が充填されて樹脂成型体2が積層されているので、保形性がより優れる。
【0059】
また、本発明に係わる電池容器10の製造方法によれば、長尺の積層フィルム1を用いて、複数の容器本体4を連続的に形成することができる。これにより、ロール、ボビン巻きやカセ巻きに巻き取られた長尺の積層フィルム1や、凹部45が絞り成型された長尺の積層フィルム1を、巻き戻しながら、電池容器やフィルム包装電池を連続的に製造できる。よって、本発明に係わる電池容器10の製造方法は、生産効率を高めることができる。
【0060】
<第2形態例>
図22は、第2形態例の電池容器110を示す。
第2形態例の電池容器110が、第1形態例の電池容器10と異なる点は、樹脂成型体2の中央部がくり抜かれた枠体を用いている点のみである。
第2形態例の電池容器110は、樹脂成型体2を、例えば射出成型によって、枠体となるように形成すること以外は、第1形態例と同様にして作製することができる。
第2形態例の電池容器110は、樹脂成型体2が枠体であるため、軽量化を図ることができる。
【0061】
<第3形態例>
図23は、第3形態例の電池容器120を示す。
第3形態例の電池容器120が、第1形態例の電池容器10と異なる点は、凹状壁43の下端面の長さが上端面の長さに比べて短く形成されている点のみである。
第3形態例の電池容器120は、凹状壁43の端部延出部43d,43dが、上部延出部43cに対して鋭角に傾斜して形成されている。これによって、凹状壁43は台形となっている。
第3形態例の電池容器120は、凹状壁43を、折返し部43aの長さが上部延出部43cの長さに比べて短くなるように形成すること以外は、第1形態例と同様にして作製することができる。
【0062】
第3形態例においては、凹状壁43の端部延出部43dが、上部延出部43cに対して鋭角に傾斜しているので、第1形態例に比べて、端壁42の、底部41やリード挟持部44に対する屈曲角度が小さい。
そのため、積層フィルム1の剛性が高い場合でも、凹状壁43および蓋材3からの端壁42の剥離が起こり難い。よって、第3形態例の電池容器120は、積層フィルム1や蓋材3にガスバリア層として剛性の高いステンレス箔を用いる場合に好適である。
また、容器本体4の開口部が底部41に比べて広いので、電池素子5を収納する際に作業性がよい。
また、凹状壁43の上部延出部43cと端部延出部43dとで形成される先端の角度が小さくなるため、蓋材3を気密に溶着するうえで有利となる。
【0063】
<第4形態例>
図24は、第4形態例の電池容器130を示す。
第4形態例の電池容器130においては、凹状壁43の端部延出部43dは、傾斜角(上部延出部43cに対する傾斜角)が上部延出部43cから折返し部43aに向かうにしたがって90度に近くなるように湾曲している。
この場合は、凹状壁43の上部延出部43cと端部延出部43dとで形成される先端の角度が小さくなるため、蓋材3を気密に溶着するうえで有利となる。また、電池容器130の下部では端部延出部43dの傾斜角が大きいため、高い容積率を確保することができる。
【0064】
あるいは、逆に、凹状壁43の端部延出部43dが、折返し部43aから上部延出部43cに向かうにしたがって傾斜角が90度に近くなるように湾曲していてもよい。
また、凹状壁43は、必ずしも、両方の端部延出部43d,43dが傾斜して形成される必要はなく、端部延出部43d,43dの一方が上部延出部43cに対して鋭角に傾斜し、他方が第1形態例のように上部延出部43cに対して垂直に形成されていてもよい。
【0065】
以上、本発明の実施の形態について図面を参照して説明したが、本発明は、これらの形態例に限定されることなく、本発明の要旨を変更しない範囲において、種々の変更が可能である。
上記のとおり、例示した第1形態例〜第4形態例における電池容器10、110、120、130では、凹状壁43の凹部45に樹脂成型体2が積層されているが、所望の保形性が確保できれば、凹部45内に樹脂成型体2が積層されていない構成も可能である。
また、樹脂成型体2の形状は、上述の例に限らず、橋梁の構造に用いられている、2本または3本以上の橋脚と床盤のような橋渡し形状であってもよい。
さらに、正負の電極リードが互いに反対方向に延出する態様を示したが、正負の電極リードが一つの辺から同じ方向に延出するようにしてもよい。