(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
着用者の肌に対向する肌対向面およびその反対側に位置する非肌対向面を有し、前胴ベルトと、後胴ベルトと、前記前後胴ベルト間に連結される股間パネルとを備え、前記前後胴ベルトの両側縁部が接合されて環状の胴回りベルトが形成されるとともに、前記股間パネルの両端部の前記非肌対向面がそれぞれ前記前後胴ベルトの前記肌対向面の中央部に重ね合わせて接合域において接合され、前記前後胴ベルトの上端部により胴回り開口縁が形成され、前記前後胴ベルトの下端部の両側と前記股間パネルの両側縁部とにより一対の脚回り開口縁が形成されるパンツ型の吸収性物品であって、
前記股間パネルに配置され、前記前後胴ベルトの少なくとも一方のベルトの前記下端部が重なり合う第1視認領域と、前記前後胴ベルトの少なくとも前記一方のベルトに配置され、前記下端部に沿って延びる第2視認領域との視認領域を有し、
前記第1および第2視認領域は色彩、模様、および色彩と模様の組合せのいずれかで構成され、
前記第1視認領域は、前記前後胴ベルトと対比したとき、色彩、模様、および色彩と模様の組合せの内の少なくともいずれか1つにおいて相違し、
前記第2視認領域は、前記股間パネルと対比したとき、色彩、模様、および色彩と模様の組合せの内の少なくともいずれか1つにおいて相違し、
前記股間パネルに前記第1視認領域が配置され、前記前後胴ベルトがそれぞれ少なくとも2層の繊維不織布で形成されるとともに前記繊維不織布の層間で間隔を置いて互いに接合され、前記下端部では前記少なくとも2層の繊維不織布が互いに遊離しており、
前記前後胴ベルトと前記股間パネルとを接合する前記接合域の接合下端部が、前記前後胴ベルトの前記下端部に沿って延び、
前記接合下端部から、前記前後胴ベルトの前記下端部において前記繊維不織布が互いに遊離している部分が、前記前後胴ベルトの前記上端部から前記下端部に向かう方向に延び出すことを特徴とする吸収性物品。
着用者の肌に対向する肌対向面およびその反対側に位置する非肌対向面を有し、前胴ベルトと、後胴ベルトと、前記前後胴ベルト間に連結される股間パネルとを備え、前記前後胴ベルトの両側縁部が接合されて環状の胴回りベルトが形成されるとともに、前記股間パネルの両端部の前記非肌対向面がそれぞれ前記前後胴ベルトの前記肌対向面の中央部に重ね合わせて接合域において接合され、前記前後胴ベルトの上端部により胴回り開口縁が形成され、前記前後胴ベルトの下端部の両側と前記股間パネルの両側縁部とにより一対の脚回り開口縁が形成されるパンツ型の吸収性物品であって、
前記股間パネルに配置され、前記前後胴ベルトの少なくとも一方のベルトの前記下端部が重なり合う第1視認領域と、前記前後胴ベルトの少なくとも前記一方のベルトに配置され、前記下端部に沿って延びる第2視認領域との視認領域を有し、
前記第1および第2視認領域は色彩、模様、および色彩と模様の組合せのいずれかで構成され、
前記第1視認領域は、前記前後胴ベルトと対比したとき、色彩、模様、および色彩と模様の組合せの内の少なくともいずれか1つにおいて相違し、
前記第2視認領域は、前記股間パネルと対比したとき、色彩、模様、および色彩と模様の組合せの内の少なくともいずれか1つにおいて相違し、
前記股間パネルに前記第1視認領域が配置され、前記前後胴ベルトの少なくとも一方に、前記股間パネルに配置された前記第1視認領域の一部と重なり合う遮蔽シートを備えることを特徴とする吸収性物品。
着用者の肌に対向する肌対向面およびその反対側に位置する非肌対向面を有し、前胴ベルトと、後胴ベルトと、前記前後胴ベルト間に連結される股間パネルとを備え、前記前後胴ベルトの両側縁部が接合されて環状の胴回りベルトが形成されるとともに、前記股間パネルの両端部の前記非肌対向面がそれぞれ前記前後胴ベルトの前記肌対向面の中央部に重ね合わせて接合域において接合され、前記前後胴ベルトの上端部により胴回り開口縁が形成され、前記前後胴ベルトの下端部の両側と前記股間パネルの両側縁部とにより一対の脚回り開口縁が形成されるパンツ型の吸収性物品であって、
前記股間パネルに配置され、前記前後胴ベルトの少なくとも一方のベルトの前記下端部が重なり合う第1視認領域と、前記前後胴ベルトの少なくとも前記一方のベルトに配置され、前記下端部に沿って延びる第2視認領域との視認領域を有し、
前記第1および第2視認領域は色彩、模様、および色彩と模様の組合せのいずれかで構成され、
前記第1視認領域は、前記前後胴ベルトと対比したとき、色彩、模様、および色彩と模様の組合せの内の少なくともいずれか1つにおいて相違し、
前記第2視認領域は、前記股間パネルと対比したとき、色彩、模様、および色彩と模様の組合せの内の少なくともいずれか1つにおいて相違し、
前記前後胴ベルトの少なくとも一方に前記第2視認領域が配置され、
前記前後胴ベルトがそれぞれ少なくとも2層の繊維不織布で形成されるとともに前記繊維不織布の層間で間隔を置いて互いに接合され、前記下端部では前記少なくとも2層の繊維不織布が互いに遊離しており、
前記前後胴ベルトと前記股間パネルとを接合する前記接合域の接合下端部が、前記前後胴ベルトの前記下端部に沿って延び、
前記接合下端部から、前記前後胴ベルトの前記下端部において前記繊維不織布が互いに遊離している部分が、前記前後胴ベルトの前記上端部から前記下端部に向かう方向に延び出し、前記第2視認領域に前記接合下端部が重なり合うことを特徴とする吸収性物品。
着用者の肌に対向する肌対向面およびその反対側に位置する非肌対向面を有し、前胴ベルトと、後胴ベルトと、前記前後胴ベルト間に連結される股間パネルとを備え、前記前後胴ベルトの両側縁部が接合されて環状の胴回りベルトが形成されるとともに、前記股間パネルの両端部の前記非肌対向面がそれぞれ前記前後胴ベルトの前記肌対向面の中央部に重ね合わせて接合域において接合され、前記前後胴ベルトの上端部により胴回り開口縁が形成され、前記前後胴ベルトの下端部の両側と前記股間パネルの両側縁部とにより一対の脚回り開口縁が形成されるパンツ型の吸収性物品であって、
前記股間パネルに配置され、前記前後胴ベルトの少なくとも一方のベルトの前記下端部が重なり合う第1視認領域と、前記前後胴ベルトの少なくとも前記一方のベルトに配置され、前記下端部に沿って延びる第2視認領域との視認領域を有し、
前記第1および第2視認領域は色彩、模様、および色彩と模様の組合せのいずれかで構成され、前記第1視認領域は目視により前記前後胴ベルトと対比したとき互いに見分けることができ、前記第2視認領域は目視により前記股間パネルと対比したとき互いに見分けることができ、
前記股間パネルに前記第1視認領域が配置され、前記前後胴ベルトがそれぞれ少なくとも2層の繊維不織布で形成されるとともに前記繊維不織布の層間で間隔を置いて互いに接合され、前記下端部では前記少なくとも2層の繊維不織布が互いに遊離しており、
前記前後胴ベルトと前記股間パネルとを接合する前記接合域の接合下端部が、前記前後胴ベルトの前記下端部に沿って延び、
前記接合下端部から、前記前後胴ベルトの前記下端部において前記繊維不織布が互いに遊離している部分が、前記前後胴ベルトの前記上端部から前記下端部に向かう方向に延び出すことを特徴とする吸収性物品。
着用者の肌に対向する肌対向面およびその反対側に位置する非肌対向面を有し、前胴ベルトと、後胴ベルトと、前記前後胴ベルト間に連結される股間パネルとを備え、前記前後胴ベルトの両側縁部が接合されて環状の胴回りベルトが形成されるとともに、前記股間パネルの両端部の前記非肌対向面がそれぞれ前記前後胴ベルトの前記肌対向面の中央部に重ね合わせて接合域において接合され、前記前後胴ベルトの上端部により胴回り開口縁が形成され、前記前後胴ベルトの下端部の両側と前記股間パネルの両側縁部とにより一対の脚回り開口縁が形成されるパンツ型の吸収性物品であって、
前記股間パネルに配置され、前記前後胴ベルトの少なくとも一方のベルトの前記下端部が重なり合う第1視認領域と、前記前後胴ベルトの少なくとも前記一方のベルトに配置され、前記下端部に沿って延びる第2視認領域との視認領域を有し、
前記第1および第2視認領域は色彩、模様、および色彩と模様の組合せのいずれかで構成され、前記第1視認領域は目視により前記前後胴ベルトと対比したとき互いに見分けることができ、前記第2視認領域は目視により前記股間パネルと対比したとき互いに見分けることができ
前記股間パネルに前記第1視認領域が配置され、前記前後胴ベルトの少なくとも一方に、前記股間パネルに配置された前記第1視認領域の一部と重なり合う遮蔽シートを備えることを特徴とする吸収性物品。
着用者の肌に対向する肌対向面およびその反対側に位置する非肌対向面を有し、前胴ベルトと、後胴ベルトと、前記前後胴ベルト間に連結される股間パネルとを備え、前記前後胴ベルトの両側縁部が接合されて環状の胴回りベルトが形成されるとともに、前記股間パネルの両端部の前記非肌対向面がそれぞれ前記前後胴ベルトの前記肌対向面の中央部に重ね合わせて接合域において接合され、前記前後胴ベルトの上端部により胴回り開口縁が形成され、前記前後胴ベルトの下端部の両側と前記股間パネルの両側縁部とにより一対の脚回り開口縁が形成されるパンツ型の吸収性物品であって
前記股間パネルに配置され、前記前後胴ベルトの少なくとも一方のベルトの前記下端部が重なり合う第1視認領域と、前記前後胴ベルトの少なくとも前記一方のベルトに配置され、前記下端部に沿って延びる第2視認領域との視認領域を有し、
前記第1および第2視認領域は色彩、模様、および色彩と模様の組合せのいずれかで構成され、前記第1視認領域は目視により前記前後胴ベルトと対比したとき互いに見分けることができ、前記第2視認領域は目視により前記股間パネルと対比したとき互いに見分けることができ、
前記前後胴ベルトの少なくとも一方に前記第2視認領域が配置され、
前記前後胴ベルトがそれぞれ少なくとも2層の繊維不織布で形成されるとともに前記繊維不織布の層間で間隔を置いて互いに接合され、前記下端部では前記少なくとも2層の繊維不織布が互いに遊離しており、
前記前後胴ベルトと前記股間パネルとを接合する前記接合域の接合下端部が、前記前後胴ベルトの前記下端部に沿って延び、
前記接合下端部から、前記前後胴ベルトの前記下端部において前記繊維不織布が互いに遊離している部分が、前記前後胴ベルトの前記上端部から前記下端部に向かう方向に延び出し、前記第2視認領域に前記接合下端部が重なり合うことを特徴とする吸収性物品。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、パンツ型の吸収性物品を着用者に装着させるとき、吸収性物品の両脇部を掴んで引き上げる。特許文献1に開示された吸収性物品は、矩形状の腹側および背側シート部材に、縦長の矩形状の吸収性本体(以下、吸収構造体と呼ぶ)を架け渡す構造となっているので、吸収性物品の両脇部を掴んで引き上げると、吸収性物品の両脇部のみが上に引きあげられてしまい、吸収構造体が十分に引き上げられないことがある。吸収構造体が十分に引き上げられていないことに気付かないまま吸収性物品を使用すると、吸収性物品の脚回りから漏れが発生することがある。
【0005】
以上に鑑み、本発明は、吸収構造体が十分に引き上げられていないことを容易に判別可能な吸収性物品を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、着用者の肌に対向する肌対向面およびその反対側に位置する非肌対向面を有し、前胴ベルトと、後胴ベルトと、前後胴ベルト間に連結される股間パネルとを備え、前後胴ベルトの両側縁部が接合されて環状の胴回りベルトが形成されるとともに、股間パネルの両端部の非肌対向面がそれぞれ前後胴ベルトの肌対向面の中央部に重ね合わせて接合域において接合され、前後胴ベルトの上端部により胴回り開口縁が形成され、前後胴ベルトの下端部の両側と股間パネルの両側縁部とにより一対の脚回り開口縁が形成されるパンツ型の吸収性物品に関する。
【0007】
第1発明の吸収性物品は、股間パネルに配置され、前後胴ベルトの少なくとも一方のベルトの下端部が重なり合う第1視認領域と、前後胴ベルトの少なくとも一方のベルトに配置され、下端部に沿って延びる第2視認領域と
の視認領域を有し、第1および第2視認領域は色彩、模様、および色彩と模様の組合せのいずれかで構成され、第1視認領域は、前後胴ベルトと対比したとき、色彩、模様、および色彩と模様の組合せの内の少なくともいずれか1つにおいて相違し、第2視認領域は、股間パネルと対比したとき、色彩、模様、および色彩と模様の組合せの内の少なくともいずれか1つにおいて相違し、
股間パネルに第1視認領域が配置され、前後胴ベルトがそれぞれ少なくとも2層の繊維不織布で形成されるとともに繊維不織布の層間で間隔を置いて互いに接合され、下端部では少なくとも2層の繊維不織布が互いに遊離しており、前後胴ベルトと股間パネルとを接合する接合域の接合下端部が、前後胴ベルトの下端部に沿って延び、接合下端部から、前後胴ベルトの下端部において繊維不織布が互いに遊離している部分が、前後胴ベルトの上端部から下端部に向かう方向に延び出すことを特徴とする。
第2発明の吸収性物品は、股間パネルに配置され、前後胴ベルトの少なくとも一方のベルトの下端部が重なり合う第1視認領域と、前後胴ベルトの少なくとも一方のベルトに配置され、下端部に沿って延びる第2視認領域との視認領域を有し、第1および第2視認領域は色彩、模様、および色彩と模様の組合せのいずれかで構成され、第1視認領域は、前後胴ベルトと対比したとき、色彩、模様、および色彩と模様の組合せの内の少なくともいずれか1つにおいて相違し、第2視認領域は、股間パネルと対比したとき、色彩、模様、および色彩と模様の組合せの内の少なくともいずれか1つにおいて相違し、股間パネルに第1視認領域が配置され、前後胴ベルトの少なくとも一方に、股間パネルに配置された第1視認領域の一部と重なり合う遮蔽シートを備えることを特徴とする。
第3発明の吸収性物品は、股間パネルに配置され、前後胴ベルトの少なくとも一方のベルトの下端部が重なり合う第1視認領域と、前後胴ベルトの少なくとも一方のベルトに配置され、下端部に沿って延びる第2視認領域との視認領域を有し、第1および第2視認領域は色彩、模様、および色彩と模様の組合せのいずれかで構成され、第1視認領域は、前後胴ベルトと対比したとき、色彩、模様、および色彩と模様の組合せの内の少なくともいずれか1つにおいて相違し、第2視認領域は、股間パネルと対比したとき、色彩、模様、および色彩と模様の組合せの内の少なくともいずれか1つにおいて相違し、前後胴ベルトの少なくとも一方に第2視認領域が配置され、前後胴ベルトがそれぞれ少なくとも2層の繊維不織布で形成されるとともに繊維不織布の層間で間隔を置いて互いに接合され、下端部では少なくとも2層の繊維不織布が互いに遊離しており、前後胴ベルトと股間パネルとを接合する接合域の接合下端部が、前後胴ベルトの下端部に沿って延び、接合下端部から、前後胴ベルトの下端部において繊維不織布が互いに遊離している部分が、前後胴ベルトの上端部から下端部に向かう方向に延び出し、第2視認領域に接合下端部が重なり合うことを特徴とする。
【0008】
第4発明の吸収性物品は、股間パネルに配置され、前後胴ベルトの少なくとも一方のベルトの下端部が重なり合う第1視認領域と、前後胴ベルトの少なくとも一方のベルトに配置され、下端部に沿って延びる第2視認領域と
の視認領域を有し、第1および第2視認領域は色彩、模様、および色彩と模様の組合せのいずれかで構成され、第1視認領域は目視により前後胴ベルトと対比したとき互いに見分けることができ、第2視認領域は目視により股間パネルと対比したとき互いに見分けることがで
き、股間パネルに第1視認領域が配置され、前後胴ベルトがそれぞれ少なくとも2層の繊維不織布で形成されるとともに繊維不織布の層間で間隔を置いて互いに接合され、下端部では少なくとも2層の繊維不織布が互いに遊離しており、前後胴ベルトと股間パネルとを接合する接合域の接合下端部が、前後胴ベルトの下端部に沿って延び、接合下端部から、前後胴ベルトの下端部において繊維不織布が互いに遊離している部分が、前後胴ベルトの上端部から下端部に向かう方向に延び出すことを特徴とする。
第5発明の吸収性物品は、股間パネルに配置され、前後胴ベルトの少なくとも一方のベルトの下端部が重なり合う第1視認領域と、前後胴ベルトの少なくとも一方のベルトに配置され、下端部に沿って延びる第2視認領域との視認領域を有し、第1および第2視認領域は色彩、模様、および色彩と模様の組合せのいずれかで構成され、第1視認領域は目視により前後胴ベルトと対比したとき互いに見分けることができ、第2視認領域は目視により股間パネルと対比したとき互いに見分けることができ、股間パネルに第1視認領域が配置され、前後胴ベルトの少なくとも一方に、股間パネルに配置された第1視認領域の一部と重なり合う遮蔽シートを備えることを特徴とする。
第6発明の吸収性物品は、股間パネルに配置され、前後胴ベルトの少なくとも一方のベルトの下端部が重なり合う第1視認領域と、前後胴ベルトの少なくとも一方のベルトに配置され、下端部に沿って延びる第2視認領域との視認領域を有し、第1および第2視認領域は色彩、模様、および色彩と模様の組合せのいずれかで構成され、第1視認領域は目視により前後胴ベルトと対比したとき互いに見分けることができ、第2視認領域は目視により股間パネルと対比したとき互いに見分けることができ、前後胴ベルトの少なくとも一方に第2視認領域が配置され、前後胴ベルトがそれぞれ少なくとも2層の繊維不織布で形成されるとともに繊維不織布の層間で間隔を置いて互いに接合され、下端部では少なくとも2層の繊維不織布が互いに遊離しており、前後胴ベルトと股間パネルとを接合する接合域の接合下端部が、前後胴ベルトの下端部に沿って延び、接合下端部から、前後胴ベルトの下端部において繊維不織布が互いに遊離している部分が、前後胴ベルトの上端部から下端部に向かう方向に延び出し、第2視認領域に接合下端部が重なり合うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本願の吸収性物品では、股間パネルと前後胴ベルトとの境界は、前後胴ベルトの下端部に位置する。吸収性物品の吸収構造体が十分に引き上げられていないときには、前後胴ベルトの下端部は、その両側が吊り上った形状(以下V字形状と呼ぶ)となる。本願発明では、この下端部を含むエリア内に、股間パネルに配置され前後胴ベルトの下端部に重なり合う第1視認領域と、下端部に沿って延びる第2視認領域との少なくとも一方が配置され、第1視認領域は、目視により前後胴ベルトと対比したとき、色彩、模様、および色彩と模様の組合せの内の少なくともいずれか1つにおいて相違し、第2視認領域は、目視により股間パネルと対比したとき、色彩、模様、および色彩と模様の組合せの内の少なくともいずれか1つにおいて相違する。本願発明の別の態様では、この下端部を含むエリア内に、股間パネルに配置され前後胴ベルトの下端部に重なり合う第1視認領域と、下端部に沿って延びる第2視認領域との少なくとも一方が配置され、第1および第2視認領域をそれぞれ前後胴ベルトおよび股間パネルと目視により対比したとき、互いに見分けることができる。すなわち、本願の吸収性物品では、股間パネルと前後胴ベルトとの境界を、目視により見分けることができる。この構成により、吸収構造体の引き上げが不十分なとき、V字形状となった前後胴ベルトの下端部を明瞭に際立たせることができるので、吸収構造体が十分に引き上げられていないことを容易に判別可能な吸収性物品が提供される。
【0010】
本願の「視認領域」とは、色彩、模様、または色彩と模様の組合せにより形成された領域を意味する。色彩には、有彩色と無彩色が含まれ、透明は含まれない。但し、吸収性物品の前後胴ベルトおよび股間パネルを白色の繊維不織布で構成する場合、白色は第1および第2視認領域を構成する色彩には含まれないものとする。模様には、文字、幾何学形状および装飾的形状(例えば花柄)等の図形のほか、表面の凹凸も含まれる。「目視により対比したとき互いに見分けることができる」とは、第1および第2視認領域をそれぞれ前後胴ベルトおよび股間パネルと目視により対比したとき、色彩と模様のいずれかが、相違が認められる程度に異なっていることを意味する。第1および第2視認領域をそれぞれ前後胴ベルトおよび股間パネルと目視により対比したとき相違が認められる場合の例として、黒色と白色の組合せ、赤色と青色の組合せ、縦縞と横縞の色彩、または縦縞と横縞の凹凸模様の組合せが挙げられるが、これらに限定されない。吸収性物品を構成する繊維不織布およびプラスチックフィルム等の基材に視認領域を配置する場合、印刷による幾何学形状等の着色領域の形成、着色料により着色されたシート片の接合、印刷により幾何学形状を有する着色領域が形成されたシート片の接合、エンボス加工による凹凸の形成等の手段により行うことができるが、これらに限定されない。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<第1実施形態>
本発明の吸収性物品がパンツ型のおむつ10である場合について、
図1〜4を参照して説明する。
図1に示すおむつ10は、着用者の肌に対向する肌対向面およびその反対側に位置する非肌対向面を有し、前胴ベルト18と、後胴ベルト19と、前後胴ベルト18,19間に連結される股間パネル13とを備える。前胴ベルト18および後胴ベルト19は、側縁部18c,18d,19c,19dどうしが接合されることにより、環状の胴回りベルト20を形成する。股間パネル13は、その両端部13a,13b(
図2参照)の非肌対向面が、それぞれ前胴ベルト18および後胴ベルト19の肌対向面の中央部に接合されている。また、おむつ10は、前胴ベルト18の上端部18aと後胴ベルト19の上端部19aとにより形成される胴回り開口縁22と、股間パネル13の両側縁部13c,13dと、前胴ベルト18および後胴ベルト19の下端部18bおよび下端部19bの両側とにより形成される一対の脚回り開口縁23とを有する。
【0013】
おむつ10は、股間パネル13に配置され、前胴ベルト18の下端部18bおよび後胴ベルト19の下端部19bに重なり合う第1視認領域51を有する。本実施形態の第1視認領域51は、フィルム上に印刷により形成された格子状の模様であり、黒色、青色、赤色等の色彩を有する。本実施形態の前後胴ベルト18,19は白色の繊維不織布で構成されており、第1視認領域51は、前後胴ベルト18,19と目視で対比したとき、互いに明瞭に見分けることができる。なお、本実施形態の変形例として、第1視認領域51を前胴ベルト18の下端部18bおよび後胴ベルト19の下端部19bのいずれか一方のみに重なり合う位置に設けることもできる。また、第1視認領域を繊維不織布上に形成することもできる。本実施形態では、前後胴ベルト18、19には第2視認領域52は配置されていない。
【0014】
図2は、
図1のおむつ10の側縁部18c,18d,19c,19dにおける前胴ベルト18と後胴ベルト19との接合を解き、平面状に伸展したときのおむつ10の平面展開図である。なお、以下の説明では、
図2においておむつ10の前胴ベルト18から後胴ベルト19に向かう方向を縦方向Yと呼び、縦方向Yに直交する方向を横方向Xと呼ぶ。
図2に示すように、前胴ベルト18は、横方向Xに平行に延びる上端部18aおよび下端部18bと、上下端部18a,18bに直交し、互いに平行に延びる両側縁18c,18dとを有し、後胴ベルト19は、横方向Xに平行に延びる上端部19aおよび下端部19bと、上端部19aおよび下端部19bに直交し、互いに平行に延びる両側縁19c,19dとを有する。前胴ベルト18の下端部18bと、後胴ベルト19の下端部19bは、いずれも直線状であり、前胴ベルト18と後胴ベルト19は同形同大の矩形形状を有する。
【0015】
互いに対応する前胴ベルト18の両側縁18c,18dと後胴ベルト19の両側縁19c,19dとの肌対向面どうしを重ね合わせ、例えば熱エンボス加工、超音波溶着などの公知の熱溶着手段によって接合したとき、前後胴ベルト18,19の上端部18a,19aとで、おむつ10の胴回り開口縁22が形成される。前後胴ベルト18,19のそれぞれには、横方向Xに延びる複数条の胴回り弾性部材30が伸長状態で接合されている。また、股間パネル13の両側縁部13c,13dに沿って、縦方向Yに互いに平行に延びる一対の脚回り弾性部材32が伸長状態で取り付けられている。さらに、横方向Xにおける一対の脚回り弾性部材32の間には、一対のバリアカフ弾性部材42が伸長状態で取り付けられ、縦方向Yに互いに平行に延びている。
【0016】
胴回り弾性部材30を構成する複数条の弾性糸として、例えば、太さ300〜800dtex、好ましくは太さ400〜650dtexのゴム紐等の弾性糸を用いて、伸長倍率1.8〜3.5倍、好ましくは伸長倍率2.0〜2.5倍において用いることができる。脚回り弾性部材32およびバリアカフ弾性部材42には、胴回り弾性部材30と同様の弾性糸を用いることができる。脚回り弾性部材32およびバリアカフ弾性部材42の伸長倍率も、2.0〜3.5倍の範囲にすることができる。
【0017】
図3に示すように、前後胴ベルト18,19は、それぞれ、1枚の前シート部材24および1枚の後シート部材25を半分に折り返した中に、横方向Xに延びる複数条の胴回り弾性部材30を伸長状態でホットメルト接着剤(図示せず)により接合して形成されている。詳しくは、前シート部材24および後シート部材25は同形同大であり、それぞれ半分に折り返されることにより2層とされるとともに、層間においてホットメルト接着剤により間隔を置いて互いに接合されている。但し、
図4に示すように、前後胴ベルト18,19の下端部18b,19bでは、2層とされた前シート部材24および後シート部材25は互いに接合されておらず、互いに遊離している。また、前後胴ベルト18,19と股間パネル13とが、接合域55においてホットメルト接着剤により互いに接合されている。接合域55には、ホットメルト接着剤がスパイラル状、ドット状、ストライプ状等、公知のパターンで塗布されている。接合域55の接合下端部55aは、前後胴ベルト18,19の下端縁18e,19eから離間して、前後胴ベルト18,19の下端部18b,19bに沿って延びている。接合下端部55aと前後胴ベルト18,19の下端縁18e,19eとの離間距離は、通常3〜20mmである。この接合下端部55aから、前後胴ベルト18,19の下端部18b,19bにおいて前後シート部材25,24が互いに遊離している部分が、前後胴ベルト18,19の上端部18a,19aから下端部18b,19bに向かう方向に延び出し、フリル状になっている。なお、
図4では、接合域55、接合下端部55a以外のホットメルト接着剤、及び吸収構造体11に含まれる体液吸収性材料およびティッシュペーパは図示していない。また、前後胴ベルト18,19を1枚の前シート部材24および1枚の後シート部材25を半分に折り返して構成する代わりに、前後胴ベルト18,19のそれぞれを、肌対向面側に位置する内層側シート材と、非肌対向面側に位置する外層側シート材とに異なるシート材を用い、これらのシート材を接合して形成することもできる。さらに、外層側シート材を前後胴ベルト18,19の上端部18a、19aにおいて折り返すとともに、内層側シート材を2種以上のシート材を用いて構成して、前後胴ベルト18,19を形成することもできる。
【0018】
前シート部材24および後シート部材25は、通気性を有する熱可塑性樹脂製の繊維不織布を用いて形成することが好ましい。本実施形態では、顔料等により着色していない白色の熱可塑性樹脂製の繊維不織布を用いている。熱可塑性樹脂製の繊維不織布として、例えば、単位面積当り質量が約10〜30g/m
2のSMS(スパンボンド・メルトブローン・スパンボンド)繊維不織布、スパンボンド不織布、エアスルー不織布から成る群から1種または2種以上を選択して用いることができる。また、前後胴ベルト18,19の全光線透過率(JIS−K7105)が60%以下であることが好ましく、57%以下であることがより好ましく、53%以下であることがさらに好ましい。前後胴ベルト18,19の全光線透過率が60%を超えると、繊維不織布を通して股間パネル13に配置された第1視認領域51が視認され易くなるので、好ましくない。前後胴ベルト18,19の全光線透過率は公知の全光線透過率測定装置を用いて測定することができ、例えば日本電色工業株式会社製の交照測光式色差計Z−300Aを用いてJIS−K7105に準拠して測定することができる。
【0019】
遮蔽シート53の横方向Xの寸法は、前後胴ベルト18,19と、股間パネル13とが重なり合う領域に位置する第1視認領域51の横方向Xの寸法と同じか、大きいことが好ましい。一方、縦方向Yにおいては、フリル状となる前後胴ベルト18,19の下端部18b,19bに遮蔽シート53が存在しないことが好ましい。別言すれば、縦方向Yにおいて、遮蔽シート53をフリル状となる前後胴ベルト18,19の下端部18b,19bまで延在させないことが好ましい。本実施形態では、遮蔽シート53の下端は、前後胴ベルト18,19の下端部18b,19bに最も近い胴回り弾性部材30と、下端部18b,19bとの間に位置する。通常、前後胴ベルト18,19の下端部18b,19bから遮蔽シート53の下端までの距離は、5〜20mmの範囲とすることが好ましい。
【0020】
前記のように前後胴ベルト18,19の下端部18b,19bをフリル状にすることにより、装飾的効果が得られるだけでなく、互いに遊離する2層の不織布により、透過光の散乱が促進される。この結果、前後胴ベルト18,19と、股間パネル13との境界を際立たせることができる。このような透過光の散乱効果を高めるため、前後胴ベルト18,19を構成する少なくとも2層の繊維不織布を下端部18b,19bにおいて互いに接合せず、さらに下端部18b,19bでフリル状になっている部分を、股間パネル13に接合しないことが好ましい。また、前後胴ベルト18,19を構成する前後シート部材24,25内に遮蔽シート53を配置することで、下端部18b,19bでフリル状になる部分がめくれてしまう事を防止し、遮蔽効果を着用時等にも発現することができる。さらに、下端部18b,19bでフリル状になる部分の先端部を少なくとも2層の繊維不織布で構成し、フリル状になる部分の基端部側を2層の繊維不織布の間に遮蔽シート53を配置した3層とすることにより、フリル部の先端部は曲がり易く、基端部側は先端部よりも曲がり難い状態となるので、おむつ10の使用者または着用者の手等が触れたときにもフリル状になった部分がめくれることが一層発生しにくい。
【0021】
図2,3を参照して、股間パネル13は矩形形状を有し、吸収構造体11と、肌対向面側に吸収構造体11が接合される防漏シート44と、防漏シート44の非肌対向面側に接合される外面シート45とを含んで構成される。股間パネル13は、横方向Xに延びる前後端部13a,13bと、縦方向Yに延びる両側縁部13c,13dを有し、股間パネル13の前後端部13a,13bの非肌対向面が、それぞれ、前胴ベルト18および後胴ベルト19の肌対向面の中央部にホットメルト接着剤により接合されている。また、股間パネル13の両側縁部13c,13dには、縦方向Yに延びる脚回り弾性部材32が伸長状態で取り付けられている。さらに、股間パネル13の肌対向面には、両側縁部13c,13dに並行に延びる一対のバリアカフ40が設けられている。バリアカフ40は股間パネル13の肌対向面に対し起立可能であり、脚回り開口縁23からの排泄物の漏出を防止する機能を有する。
【0022】
防漏シート44は、吸収構造体11の非肌対向面を完全に覆うことができる面積および形状を有しており、体液不透過性のプラスチックフィルムから形成されている。防漏シート44の非肌対向面には、格子模様の第1視認領域51が印刷されている。但し、第1視認領域51は、防漏シート44の肌対向面に印刷してもよいし、外面シート45の肌対向面または非肌対向面に印刷することもできる。第1視認領域51をおむつ10の外側から見えやすくするためには、第1視認領域51を防漏シート44の非肌対向面に配置することが好ましい。なお、
図2では第1視認領域51が配置された範囲を仮想線で示している。外面シート45は、おむつ10の内外面の一部を構成するので、通気性があり肌触りの良い繊維不織布で形成することが好ましい。また、防漏シート44に第1視認領域51を配置する場合、外面シート45を通して第1視認領域51が視認され易いよう、全光線透過率(JIS−K7105)が70%以上、より好ましくは75%以上の繊維不織布で形成することが好ましい。吸収構造体11は、縦方向Yにおける中央部が内側に窪んだ砂時計型の形状を有しており、例えば、フラッフパルプおよび超吸収性ポリマー粒子(SAP)等の公知の体液吸収性材料をティッシュペーパで包み、さらに液透過性と柔軟性を有する不織布で覆うことにより形成することができるが、これに限定されない。吸収構造体11は、防漏シート44の肌対向面にホットメルト接着剤により接合されている。
【0023】
股間パネル13を構成する外面シート45は、横方向Xにおける寸法が防漏シート44よりも大きく、防漏シート44に重ね合わされて接合されたとき、横方向Xにおいて防漏シート44の両外側に延び出す一対の延出部46を有する。吸収構造体11は、横方向Xにおいて一対の延出部46の間に位置する。各延出部46において、防漏シート44の側縁に沿って延びる領域には、縦方向Yに延びる複数条の脚回り弾性部材32が伸長状態でホットメルト接着剤により接合されている。
【0024】
また、外面シート45の両側縁部では、肌対向面を内側にして折り返してスリーブ43が形成されており、この一対のスリーブ43の中には、縦方向Yに延びる複数条のバリアカフ弾性部材42が伸長状態でホットメルト接着剤により接合されている。スリーブ43は、バリアカフ40の自由縁部40dとして機能する。スリーブ43は、横方向Xにおいて股間パネル13の両側縁部13c,13dよりも内側で縦方向Yに延びるとともに、スリーブ43の縦方向Yにおける両端部は、それぞれ前後胴ベルト18,19の肌対向面側にホットメルト接着剤により接合されている。
【0025】
図5を参照して、おむつ10を着用者に着用させるとき、股間パネル13に設けられた吸収構造体11が十分引き上げられていない場合、直線状の前後胴ベルト18,19の下端部18b、19bが変形して、V字形状となる。本実施形態のおむつ10は、股間パネル13に配置され、前後胴ベルト18,19の下端部18b、19bが重なり合う第1視認領域51が設けられているので、少なくとも前後胴ベルト18,19と股間パネル13との境界領域において、股間パネル13の中央部が、横方向X両側に比べて下向きに下がっている印象を与える事となり、
図1との対比から明らかなように、上記のV字形状を際立たせることができる。これにより、おむつ10を着用者に着用させる保護者等が、吸収構造体11の引き上げが不十分であることを視認し、前後胴ベルト18,19と股間パネル13との境界領域付近の第1視認領域51によるV字形状が直線状の形状に近づくように、股間パネル13の横方向X中央部付近を引き上げることを促す事ができる。第1視認領域51を構成する模様としては、股間パネル13と前後胴ベルト18,19との境界に表れるV字形状を視認しやすいよう、横方向Xに延びる部分を含む模様であることが好ましく、本実施形態の格子模様はその一例である。
【0026】
<第2実施形態>
図6に示す本発明の第2実施形態では、前後胴ベルト18,19の一方または両方に、下端部18b、19bに沿って延びる第2視認領域52が設けられている。なお、前後胴ベルト18,19は無着色の白色の繊維不織布からなる。また、股間パネル13は第1視認領域51が配置されていない点を除き第1実施形態と同一であるので、詳細な説明は省略する。第2視認領域52は、前後胴ベルト18,19の下端部18b,19bに沿って延び、前後胴ベルト18,19と股間パネル13とを接合する接合域55の接合下端部55aに重なる位置に配置されている。また、第2視認領域52は遮蔽シート53の非肌対向面に印刷により形成された着色領域であり、
図6に示す例では、前後胴ベルト18,19の下端部18b、19bに沿って、側縁部18c,18d,19c,19dの間に帯状に延びている。これに代えて、第2視認領域52を、前後胴ベルト18,19の下端部18b、19bの中央部には配置せず、前後胴ベルト18,19の下端部18b、19bの両側に配置するこにより、2箇所に分けて設けることともできる。前後胴ベルト18,19の下端部18b、19bの中央部において第2視認領域52を設けない部分の横方向Xの寸法は、前後胴ベルト18,19と重なり合う位置における吸収構造体11の横方向Xの寸法の1/2以下であることが好ましい。前後胴ベルト18,19の下端部18b、19bの横方向X両側に配置される第2視認領域52の横方向Xの寸法は、前記吸収構造体11の横方向Xの寸法の1/2以上であることが好ましい。
【0027】
本実施形態では、前後胴ベルト18,19の下端部18b、19bに沿って延び、前後胴ベルト18,19と股間パネル13とを接合する接合域55の接合下端部55aに重なる位置に配置される帯状の第2視認領域52により、おむつ10を着用者に着用させるとき、股間パネル13に設けられた吸収構造体11の引き上げが不十分な場合、股間パネル13と前後胴ベルト18,19との境界に表れるV字形状を際立たせることができる。なお、前後胴ベルト18,19の全体を印刷または顔料の添加により着色して、第2視認領域52とすることもできる。また、第2視認領域52を、前後胴ベルト18,19の下端部18b,19bがフリル状となっている部分まで設ける必要は無い。さらに、第2視認領域52を3箇所以上に分けて、前後胴ベルト18,19の下端部18b、19bに沿って配置することもできる。
【0028】
本発明の変形例として、外面シート45の両側縁部を肌対向面を内側にして折り返してバリアカフ40を形成する代わりに、外面シート45とは別体のバリアカフ60を外面シート45に接合することもできる。
図7に示す本発明の変形例に係るバリアカフ60は、一枚の矩形のバリアカフシート61を半分に折り返した内側に、複数条のバリアカフ弾性部材62を所定の伸長倍率で伸長させた状態で接合して形成される。バリアカフ60は、折り返したバリアカフシート61の開放端部63を外面シート45の両側縁部に重ね合わせ、ホットメルト接着剤により接合領域64において外面シート45に接合されている。また、バリアカフ60の縦方向Y両端部60a,60bは、それぞれ前後胴ベルト18,19にホットメルト接着剤により接合される。この変形例のバリアカフ60は、バリアカフ弾性部材62の伸長倍率が前記所定の伸長倍率よりも小さいが、1よりも大きくなるように収縮させた状態で外面シート45に接合されており、バリアカフ弾性部材62の収縮により、横方向Xに延びる多数のギャザーが形成されている。別言すれば、バリアカフ60は、その最大伸長時における有効伸長寸法が、前胴ベルト18の下端縁18eから後胴ベルト19の下端縁19eまでの縦方向Yにおける離間寸法よりも大きい状態で、外面シート45に接合されている。以下、この状態をオーバーフィードと呼ぶ。ここで、有効伸長寸法とは、前後胴ベルト18,19に固定されたバリアカフ60のうち、前後胴ベルト18,19にホットメルト接着剤により固定され伸長しない縦方向Y両端部60a,60bを除く部分が、縦方向Yにおいて弾性的に伸縮加可能な寸法をいう。また、最大伸長時とは、バリアカフ60をギャザーが消失するまで伸長させることを意味する。バリアカフ60の最大伸長時の有効伸長寸法は、前後胴ベルト18,19の下端縁18e,19e間の離間寸法の約1.05〜1.5倍であることが好ましい。バリアカフ60は、最大伸長時における有効伸長寸法が、前後胴ベルト18,19の下端縁18e,19e間の離間寸法よりも大きいことにより、おむつ10を縦方向Yに引き上げる力を受けたとき、股間パネル13の中央部と比較して変形し易く、したがって伸長し易い。
【0029】
このように、股間パネル13の横方向X両側において両側縁部13c,13dに沿って縦方向Yに延びるバリアカフ60をオーバーフィードすることにより、バリアカフ60は縦方向Yに伸長し易くなる。したがって、吸収構造体11の横方向X両外側の部分はより変形し易くなり、引きあがり性に優れる。前述のように、従来、吸収構造体11の中央部の引き上げが不十分になる事があった。しかし、バリアカフ60をオーバーフィードすることにより、吸収構造体11の中央部の引き上げが促される。これにより、おむつ10全体をうまく引き上げる事ができるので、よりフィットした状態で着用者に装着させることができる。またバリアカフ60をオーバーフィードする場合、吸収構造体11の形状が、長方形または幅広部と股下側の幅狭部との差が10%以内とされているほぼ長方形であることが好ましい。オーバーフィードされたバリアカフ60と、ほぼ長方形の吸収構造体11とを組み合わせることにより、バリアカフ60は引きあがり性に優れる一方、吸収構造体11の中央部の引き上げがより一層促進されるので、着用者の体にバリアカフ60および吸収構造体11をさらにフィットした状態で装着させることができる。また、中央部の幅が広い、ほぼ長方形の吸収構造体11を用いることで、着用者の体と吸収構造体11とのフィット性を高めることができる。一般に、吸収構造体11の幅を広くするとおむつ10を引き上げ難くなるが、バリアカフ60をオーバーフィードすることによりおむつ10を容易に引き上げることが可能となる結果、モレ難さとフィット性とを同時に改善することができる。
【0030】
第1視認領域51を股間パネル13の全面に配置する必要はない。また、第1視認領域51を2箇所以上に分けて配置することもできる。
図7に示す例では、第1視認領域51は、股間パネル13の中央部には配置されておらず、股間パネル13の側縁部13c,13dに沿って縦方向Yに配置されている。この場合、股間パネル13の中央部において第1視認領域51を配置しない部分の横方向Xの寸法は、前後胴ベルト18,19と股間パネル13とが重なり合う位置における吸収構造体11の横方向Xの寸法の1/2以下であることが好ましい。股間パネル13の側縁部13c,13dに沿って縦方向Yに配置される第1視認領域51の横方向Xの寸法は、前記吸収構造体11の横方向Xの寸法の1/2以上であることが好ましい。
【0031】
第1視認領域51が配置されたおむつ10のサンプルについて、視認性の確認を行った。このサンプルは、
図7に示すように、股間パネル13の縦方向Yに延びる仮想中心線(図示せず)の両側に互いに離間して配置されるとともに格子模様が形成された一対の第1視認領域51を有するものであった。第1視認領域51の格子模様の一方は赤色で着色され、他方は青色で着色されていた。着色された格子の線幅は3mmで、格子間ピッチは10mmであった。一対の第1視認領域51は、プラスチックフィルムからなる防漏シート44の非肌対向面に印刷されていた。防漏シート44は、外面シート45の肌対向面にホットメルト接着剤で接合されていた。このときのホットメルト接着剤の塗布パターンは、格子模様のピッチ(10mm)の約半分のピッチ(約5mm程度)の円状パターン(スパイラル状)であった。外面シート45は、単位面積当り質量(坪量)が15g/m
2の、着色していない、白色のSMS繊維不織布シートであった。
【0032】
この股間パネル13に接合する前後胴ベルト18,19を構成するシート材の種類を表1に示すように種々変更することにより、前後胴ベルト18,19の全光線透過率が30%〜65%のおむつ10のサンプル5種を準備した。この5種のサンプルについて、おむつ10を着用させる際、吸収構造体11の引き上げが不十分な場合に第1視認領域51によりに形成されるV字形状の視認し易さを母親10名にヒアリングした。ヒアリングは、通常のおむつ交換時を想定して、母親が着用者におむつ10を着用させた直後に行った。ヒアリングの結果6名以上がV字形状を視認し易いと答えたサンプルを、良好な視認性を有するサンプルであると評価し、表1中に「良」で示した。なお、試験を行った室の照明には昼光色蛍光灯を用い、おむつ10を交換するためのベッド上で測定した照度(JIS−C7612)は約500luxであった。表1に示すように、全光線透過率が57%のおむつ10の評価が「良」であったのに対し、全光線透過率が63%のものの評価が「不良」であったことから、全光線透過率が60%であれば、前後胴ベルト18,19と股間パネル13との境界に形成されるV字形状を視認し易いことが分かった。
【0034】
前後胴ベルト18,19の全光線透過率の測定は、次のようにして行った。前後胴ベルト18,19それぞれの第1視認領域51と重なる部分から、幅約50mm、長さ約40mmの試験片を切り取り、温度23±2℃、相対湿度50±5%において24時間以上保存して状態調節した。この試験片を、皺が入らないように伸ばした状態にして、日本電色工業株式会社製の交照測光式色差計Z−300Aの測定チャンバーに取り付け、JIS−K7105に準拠して全光線透過率を測定した(n=10)。ホットメルト接着剤で接合された前後胴ベルト18,19と股間パネル13とを分離するときには、冷却スプレー(LPG混合物からなる肌冷却用スプレー)を噴射してホットメルト接着剤を溶解させながら股間パネル13を剥離することにより行った。また、不織布の厚みは、尾崎製作所製のPEACOCK厚み計を用い、測定端子直径10mm、測定力5gf/cm
2において測定した。
【0035】
上記では、矩形の前後胴ベルト18,19、および股間パネル13からなるおむつ10の例について説明したが、本願発明はこれに限定されず、例えば前後胴ベルト18,19の下端部18b,19bが下方に向けて台形状または円弧状に突き出す形状であってもよい。また、前後胴ベルト18,19の下端部18b,19bの少なくとも一部が直線状であることが好ましい。一般に、直線と曲線とを見分けることは容易なので、下端部18b,19bの少なくとも一部が直線状であることにより、吸収構造体11の引き上げが不十分でV字形状が形成されたとき、股間パネル13と前後胴ベルト18,19との境界を目視により容易に見分けることができる。
【0036】
股間パネル13に第1視認領域51を配置するとともに前後胴ベルト18,19に第2視認領域52を配置して、股間パネル13と前後胴ベルト18,19との境界を際立たせることもできる。また、前胴ベルト18と後胴ベルト19の縦方向Yにおける寸法が等しいものとして説明したが、縦方向Yにおける前胴ベルト18と後胴ベルト19の寸法が異なっていてもよく、前後胴ベルト18,19の両側縁部の縦方向Yにおける長さの差が0〜10mmの範囲内にあることが好ましい。
【0037】
おむつ10を構成する各構成部材には、特に明記されていない限りにおいて、本明細書に記載されている材料のほかに、この種の分野において通常用いられている、各種公知の材料を制限なく用いることができる。また、「ホットメルト接着剤により接合」とは、特に断りの無い限り、スパイラル状、ドット状、ストライプ状等、公知のパターンでホットメルト接着剤を塗布して接合することを意味する。本願の
図1〜
図7ではホットメルト接着剤の図示は省略している。また、本発明の明細書および特許請求の範囲において、「第1」および「第2」の用語は、同様の要素、位置などを単に区別するために用いている。
【0038】
第1発明から第3発明に関する開示は、少なくとも下記事項に整理することができる。
着用者の肌に対向する肌対向面およびその反対側に位置する非肌対向面を有し、前胴ベルトと、後胴ベルトと、前後胴ベルト間に連結される股間パネルとを備え、前後胴ベルトの両側縁部が接合されて環状の胴回りベルトが形成されるとともに、股間パネルの両端部の非肌対向面がそれぞれ前後胴ベルトの肌対向面の中央部に重ね合わせて接合域において接合され、前後胴ベルトの上端部により胴回り開口縁が形成され、前後胴ベルトの下端部の両側と股間パネルの両側縁部とにより一対の脚回り開口縁が形成されるパンツ型の吸収性物品であって、股間パネルに配置され、前後胴ベルトの少なくとも一方のベルトの下端部が重なり合う第1視認領域と、前後胴ベルトの少なくとも一方のベルトに配置され、下端部に沿って延びる第2視認領域との、いずれか一方または両方の視認領域を有し、第1および第2視認領域は色彩、模様、および色彩と模様の組合せのいずれかで構成され、第1視認領域は、前後胴ベルトと対比したとき、色彩、模様、および色彩と模様の組合せの内の少なくともいずれか1つにおいて相違し、第2視認領域は、股間パネルと対比したとき、色彩、模様、および色彩と模様の組合せの内の少なくともいずれか1つにおいて相違
し、股間パネルに第1視認領域が配置され、前後胴ベルトがそれぞれ少なくとも2層の繊維不織布で形成されるとともに繊維不織布の層間で間隔を置いて互いに接合され、下端部では少なくとも2層の繊維不織布が互いに遊離しており、前後胴ベルトと股間パネルとを接合する接合域の接合下端部が、前後胴ベルトの下端部に沿って延び、接合下端部から、前後胴ベルトの下端部において繊維不織布が互いに遊離している部分が、前後胴ベルトの上端部から下端部に向かう方向に延び出すことを特徴とする、吸収性物品。
着用者の肌に対向する肌対向面およびその反対側に位置する非肌対向面を有し、前胴ベルトと、後胴ベルトと、前後胴ベルト間に連結される股間パネルとを備え、前後胴ベルトの両側縁部が接合されて環状の胴回りベルトが形成されるとともに、股間パネルの両端部の非肌対向面がそれぞれ前後胴ベルトの肌対向面の中央部に重ね合わせて接合域において接合され、前後胴ベルトの上端部により胴回り開口縁が形成され、前後胴ベルトの下端部の両側と股間パネルの両側縁部とにより一対の脚回り開口縁が形成されるパンツ型の吸収性物品であって、股間パネルに配置され、前後胴ベルトの少なくとも一方のベルトの下端部が重なり合う第1視認領域と、前後胴ベルトの少なくとも一方のベルトに配置され、下端部に沿って延びる第2視認領域との、いずれか一方または両方の視認領域を有し、第1および第2視認領域は色彩、模様、および色彩と模様の組合せのいずれかで構成され、第1視認領域は、前後胴ベルトと対比したとき、色彩、模様、および色彩と模様の組合せの内の少なくともいずれか1つにおいて相違し、第2視認領域は、股間パネルと対比したとき、色彩、模様、および色彩と模様の組合せの内の少なくともいずれか1つにおいて相違し、股間パネルに第1視認領域が配置され、前後胴ベルトの少なくとも一方に、股間パネルに配置された第1視認領域の一部と重なり合う遮蔽シートを備えることを特徴とする、吸収性物品。
着用者の肌に対向する肌対向面およびその反対側に位置する非肌対向面を有し、前胴ベルトと、後胴ベルトと、前後胴ベルト間に連結される股間パネルとを備え、前後胴ベルトの両側縁部が接合されて環状の胴回りベルトが形成されるとともに、股間パネルの両端部の非肌対向面がそれぞれ前後胴ベルトの肌対向面の中央部に重ね合わせて接合域において接合され、前後胴ベルトの上端部により胴回り開口縁が形成され、前後胴ベルトの下端部の両側と股間パネルの両側縁部とにより一対の脚回り開口縁が形成されるパンツ型の吸収性物品であって、股間パネルに配置され、前後胴ベルトの少なくとも一方のベルトの下端部が重なり合う第1視認領域と、前後胴ベルトの少なくとも一方のベルトに配置され、下端部に沿って延びる第2視認領域との、いずれか一方または両方の視認領域を有し、第1および第2視認領域は色彩、模様、および色彩と模様の組合せのいずれかで構成され、第1視認領域は、前後胴ベルトと対比したとき、色彩、模様、および色彩と模様の組合せの内の少なくともいずれか1つにおいて相違し、第2視認領域は、股間パネルと対比したとき、色彩、模様、および色彩と模様の組合せの内の少なくともいずれか1つにおいて相違し、前後胴ベルトの少なくとも一方に第2視認領域が配置され、前後胴ベルトがそれぞれ少なくとも2層の繊維不織布で形成されるとともに繊維不織布の層間で間隔を置いて互いに接合され、下端部では少なくとも2層の繊維不織布が互いに遊離しており、前後胴ベルトと股間パネルとを接合する接合域の接合下端部が、前後胴ベルトの下端部に沿って延び、接合下端部から、前後胴ベルトの下端部において繊維不織布が互いに遊離している部分が、前後胴ベルトの上端部から下端部に向かう方向に延び出し、第2視認領域に接合下端部が重なり合うことを特徴とする、吸収性物品。
【0039】
第4発明から第6発明は、少なくとも下記事項に整理することができる。
着用者の肌に対向する肌対向面およびその反対側に位置する非肌対向面を有し、前胴ベルトと、後胴ベルトと、前後胴ベルト間に連結される股間パネルとを備え、前後胴ベルトの両側縁部が接合されて環状の胴回りベルトが形成されるとともに、股間パネルの両端部の非肌対向面がそれぞれ前後胴ベルトの肌対向面の中央部に重ね合わせて接合域において接合され、前後胴ベルトの上端部により胴回り開口縁が形成され、前後胴ベルトの下端部の両側と股間パネルの両側縁部とにより一対の脚回り開口縁が形成されるパンツ型の吸収性物品であって、股間パネルに配置され、前後胴ベルトの少なくとも一方のベルトの下端部が重なり合う第1視認領域と、前後胴ベルトの少なくとも一方のベルトに配置され、下端部から上端部に向けて延び出す第2視認領域
との視認領域を有し、第1および第2視認領域は色彩、模様、および色彩と模様の組合せのいずれかで構成され、第1視認領域は目視により前後胴ベルトと対比したとき互いに見分けることができ、第2視認領域は目視により股間パネルと対比したとき互いに見分けることがで
き、股間パネルに第1視認領域が配置され、前後胴ベルトがそれぞれ少なくとも2層の繊維不織布で形成されるとともに繊維不織布の層間で間隔を置いて互いに接合され、下端部では少なくとも2層の繊維不織布が互いに遊離しており、前後胴ベルトと股間パネルとを接合する接合域の接合下端部が、前後胴ベルトの下端部に沿って延び、接合下端部から、前後胴ベルトの下端部において繊維不織布が互いに遊離している部分が、前後胴ベルトの上端部から下端部に向かう方向に延び出すことを特徴とする、吸収性物品。
着用者の肌に対向する肌対向面およびその反対側に位置する非肌対向面を有し、前胴ベルトと、後胴ベルトと、前後胴ベルト間に連結される股間パネルとを備え、前後胴ベルトの両側縁部が接合されて環状の胴回りベルトが形成されるとともに、股間パネルの両端部の非肌対向面がそれぞれ前後胴ベルトの肌対向面の中央部に重ね合わせて接合域において接合され、前後胴ベルトの上端部により胴回り開口縁が形成され、前後胴ベルトの下端部の両側と股間パネルの両側縁部とにより一対の脚回り開口縁が形成されるパンツ型の吸収性物品であって、股間パネルに配置され、前後胴ベルトの少なくとも一方のベルトの下端部が重なり合う第1視認領域と、前後胴ベルトの少なくとも一方のベルトに配置され、下端部から上端部に向けて延び出す第2視認領域との視認領域を有し、第1および第2視認領域は色彩、模様、および色彩と模様の組合せのいずれかで構成され、第1視認領域は目視により前後胴ベルトと対比したとき互いに見分けることができ、第2視認領域は目視により股間パネルと対比したとき互いに見分けることができ、股間パネルに第1視認領域が配置され、前後胴ベルトの少なくとも一方に、股間パネルに配置された第1視認領域の一部と重なり合う遮蔽シートを備えることを特徴とする、吸収性物品。
着用者の肌に対向する肌対向面およびその反対側に位置する非肌対向面を有し、前胴ベルトと、後胴ベルトと、前後胴ベルト間に連結される股間パネルとを備え、前後胴ベルトの両側縁部が接合されて環状の胴回りベルトが形成されるとともに、股間パネルの両端部の非肌対向面がそれぞれ前後胴ベルトの肌対向面の中央部に重ね合わせて接合域において接合され、前後胴ベルトの上端部により胴回り開口縁が形成され、前後胴ベルトの下端部の両側と股間パネルの両側縁部とにより一対の脚回り開口縁が形成されるパンツ型の吸収性物品であって、股間パネルに配置され、前後胴ベルトの少なくとも一方のベルトの下端部が重なり合う第1視認領域と、前後胴ベルトの少なくとも一方のベルトに配置され、下端部から上端部に向けて延び出す第2視認領域との視認領域を有し、第1および第2視認領域は色彩、模様、および色彩と模様の組合せのいずれかで構成され、第1視認領域は目視により前後胴ベルトと対比したとき互いに見分けることができ、第2視認領域は目視により股間パネルと対比したとき互いに見分けることができ、前後胴ベルトの少なくとも一方に第2視認領域が配置され、前後胴ベルトがそれぞれ少なくとも2層の繊維不織布で形成されるとともに繊維不織布の層間で間隔を置いて互いに接合され、下端部では少なくとも2層の繊維不織布が互いに遊離しており、前後胴ベルトと股間パネルとを接合する接合域の接合下端部が、前後胴ベルトの下端部に沿って延び、接合下端部から、前後胴ベルトの下端部において繊維不織布が互いに遊離している部分が、前後胴ベルトの上端部から下端部に向かう方向に延び出し、第2視認領域に接合下端部が重なり合うことを特徴とする、吸収性物品。
【0040】
上記の本発明に係る吸収性物品は、少なくとも下記の実施の形態において、互いに分離又は組み合わせて採択することができる。
(
1)遮蔽シートが、前後胴ベルトの下端部において繊維不織布が互いに遊離する部分には存在しない。
(
2)前後胴ベルトの全光線透過率(JIS−K7105)が60%以下である。
(
3)前後胴ベルトの下端部の少なくとも一部が直線状である。
(
4)前後胴ベルトの形状がそれぞれ矩形であり、前後胴ベルトの両側縁部の長さの差が0〜10mmの範囲内にある。
(
5)股間パネルの両側部に沿って縦方向に延び、バリアカフ弾性部材が伸長状態で取り付けられた一対のバリアカフを備える。
(
6)縦方向において、バリアカフの最大伸長時における有効伸長寸法が、前胴ベルトの下端縁から後胴ベルトの下端縁までの離間寸法よりも大きい。