(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6203072
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】内容物検出装置、内容物検出方法および包装品製造方法
(51)【国際特許分類】
B65B 57/10 20060101AFI20170914BHJP
G01N 25/18 20060101ALI20170914BHJP
【FI】
B65B57/10 A
G01N25/18 Z
【請求項の数】6
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-23078(P2014-23078)
(22)【出願日】2014年2月10日
(65)【公開番号】特開2015-147614(P2015-147614A)
(43)【公開日】2015年8月20日
【審査請求日】2016年7月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000226976
【氏名又は名称】日清食品ホールディングス株式会社
(72)【発明者】
【氏名】永野 暁
(72)【発明者】
【氏名】乗附 順行
(72)【発明者】
【氏名】坂井 孝司
(72)【発明者】
【氏名】菅 猛
【審査官】
西堀 宏之
(56)【参考文献】
【文献】
特開2009−298430(JP,A)
【文献】
特開平08−040424(JP,A)
【文献】
特開2008−285190(JP,A)
【文献】
特開平09−104420(JP,A)
【文献】
特開2004−323099(JP,A)
【文献】
欧州特許出願公開第02500287(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 57/00−57/20
G01N 25/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物を含む内包装体が外包装体に内包されてなる包装品の製造ラインにおいて用いられる内包装体検出装置であって、
外包装体に内包される前の内包装体を加熱または冷却する内包装体変温手段と、
前記内容物が前記外包装体に内包される工程を経た後の前記外包装体の温度を検知する温度検知手段と、
前記温度検知手段により検知された温度に基づいて、前記内包装体が前記外包装体に内包されているか否か判別する判別手段と、
を備える前記内包装体検出装置。
【請求項2】
前記外包装体は金属を成分に含み、前記内包装体は金属を成分に含む請求項1に記載の内包装体検出装置。
【請求項3】
前記温度検知手段は、前記外包装体の複数箇所の温度を検知する手段であり、前記判別手段は、前記温度検知手段により検知された温度およびその箇所に基づいて、前記内容物の位置を判別する手段である請求項1又は2に記載の内包装体検出装置。
【請求項4】
前記包装品には液体スープが封入された内包装体と麺塊とが含まれ、
前記包装品は即席袋麺である請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の内包装体検出装置。
【請求項5】
内容物を含む内包装体が外包装体に内包されてなる包装品の製造ラインにおいて用いられる内包装体検出方法であって、
外包装体に内包される前の内包装体を加熱または冷却する内包装体変温工程と、
前記内容物が前記外包装体に内包される工程を経た後の前記外包装体の温度を検知する
温度検知工程と、
前記温度検知工程で検知された温度に基づいて、前記内包装体前記外包装体に内包されているか否か判別する判別工程と、
を含む内包装体検出方法。
【請求項6】
内容物を含む内包装体が外包装体に内包されてなる包装品の製造方法であって、
外包装体に内包される前の内包装体を加熱または冷却する内包装体変温工程と、
前記内包装体が前記外包装体に内包される工程を経た後の前記外包装体の温度を検知する温度検知工程と、
前記温度検知工程で検知された温度に基づいて、前記内包装体が前記外包装体に内包されているか否か判別する判別工程と、
を含む包装品製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内容物が外包装体に内包されてなる包装品の製造ラインにおいて、内容物が正しく収納されているか否かを判別する内容物検出装置、内容物検出方法および包装品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、内容物が外包装体に内包されてなる包装品が、様々な製品として流通している。このような包装品としては、例えば、小袋入りの液体スープや粉末スープ、乾燥された麺塊等を含む内容物を、ポリエチレンテレフタレート(PET)や延伸ポリプロピレン(OPP)等を原料とするラミネートフィルムからなる外包装体をヒートシールすることで内包した袋入り即席麺等の袋入りの食品が挙げられる。
【0003】
このような包装品の製造ラインにおいては、内容物が外包装体に正しく内包されたか否かを検査することが以前より行われている。例えば、特許文献1には、充填物を袋に投入する際に受け台に掛かる重量に基づいて充填物投入の有無を識別する包装機について記載されている。また、特許文献2(調査文献4)には、被検査物に添付されるべき添付品の有無を検査する添付品有無検査方法において、被検査物にX線を照射することで画像を撮影し、このX線画像に基づいて添付品の有無を判断する技術が記載されている。さらに、内容物の成分に金属が含まれる場合、金属に反応する近接センサー等を用いて、内容物が内包されているか否かを判断する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−309312号公報
【特許文献2】特開平9−159770号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1記載の技術のように、重量に基づいて充填物投入の有無を識別する場合、包装品全体および充填物の重量が製品ごとにバラツキが生じないよう、高精度で制御しなくてはならないという問題があった。また、特許文献2記載の技術では、被検査物にX線を照射する設備にコストが掛かり過ぎるという問題があった。さらに、金属に反応する近接センサー等を用いる場合、内容物の成分に金属が含まれ、かつ、外包装体の成分には金属が含まれないことが必要であった。
【0006】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたもので、製品重量を厳密に管理する必要なく、低コストで、内容物のみに金属が含まれることを条件とせずに、内容物が外包装体に内包されているか否かを判別できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る内容物検出装置は、内容物が外包装体に内包されてなる包装品の製造ラインにおいて用いられる内容物検出装置であって、外包装体に内包される前の内容物を加熱または冷却する内容物変温手段と、前記内容物が前記外包装体に内包される工程を経た後の前記外包装体の温度を検知する温度検知手段と、前記温度検知手段により検知された温度に基づいて、前記内容物が前記外包装体に内包されているか否か判別する判別手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る内容物検出方法は、内容物が外包装体に内包されてなる包装品の製造ラインにおいて用いられる内容物検出方法であって、外包装体に内包される前の内容物を加熱または冷却する内容物変温工程と、前記内容物が前記外包装体に内包される工程を経た後の前記外包装体の温度を検知する温度検知工程と、前記温度検知工程で検知された温度に基づいて、前記内容物が前記外包装体に内包されているか否か判別する判別工程と、を含むことを特徴とする。
【0009】
さらに、本発明に係る包装品製造方法は、内容物が外包装体に内包されてなる包装品の製造方法であって、外包装体に内包される前の内容物を加熱または冷却する内容物変温工程と、前記内容物が前記外包装体に内包される工程を経た後の前記外包装体の温度を検知する温度検知工程と、前記温度検知工程で検知された温度に基づいて、前記内容物が前記外包装体に内包されているか否か判別する判別工程と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、内容物が外包装体に内包される前に加熱または冷却することで内包工程後の温度に基づいて内容物が内包されているか否かを判別することができるので、製品重量を厳密に管理する必要なく、低コストで、内容物のみに金属が含まれることを条件とせずに、内容物が外包装体に内包されているか否かを判別できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】包装品の製造ラインの一部および内容物検出装置100の全体像を示す側面図である。
【
図2】温度センサー120が包装品200の温度を検知する様子を示す側面図である。
【
図3】温度センサー120を複数備えた場合の包装品200の温度を検知する様子を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための形態について、図面に基づいて詳細に説明する。
【0013】
図1は、本発明を適用した一実施形態に用いられる、包装品の製造ラインの一部および内容物検出装置100の全体像を示す側面図である。内容物検出装置100は、ヒーター110、温度センサー120および判別部130により構成される。なお、これらの構成要素は、必ずしも物理的に接続している必要はない。ヒーター110は、内包の有無を検知するために第一内容物210または第二内容物220のいずれかを予め過熱し、第一内容物210と第二内容物220に温度センサー120による検出が可能な放射熱または伝導温度差を生じさせるためのものであり、ここでは第二内容物220を過熱する。温度センサー120は、包装品200の一部分の温度を検知するためのものであり、例えば放射温度計が用いられる。温度センサー120として放射温度計を用いた場合には、包装品200表面の外包装体231の温度のみならず、包装品200内部からの放射熱を検知することも可能である。判別部130は、温度センサー120により検知された包装品200の温度情報に基づいて第二内容物220が内包されているか否かを判別する。
【0014】
製造ライン上には、コンベアベルト7、第二内容物投入器8およびエンドシーラー9が備えられる。コンベアベルト7は、載置された物を
図1中で白色の太矢印で示された方向に搬送するためのものであり、本実施形態においては第一内容物210を順次搬送する。第二内容物投入器8は、コンベアベルト7上に第二内容物220を投入して、搬送されてきた第一内容物210と合流させるためのものである。エンドシーラー9は、第一内容物210と第二内容物220を包み込んだ筒状の包装資材230を、搬送方向を横断するようにシールし、かつ、カットするためのものである。エンドシーラー9により、第一内容物210と第二内容物220を1つずつ内包する包装品200が次々と製造される。
【0015】
包装品200は、外包装体231により、第一内容物210および第二内容物220を内容物として内包した構成である。包装品200は、例えば、袋入り即席麺等の袋入り食品からなる。外包装体231は、包装資材230がカットされたものであり、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、もしくはポリエチレンテレフタレート等の樹脂にアルミニウムもしくは銅等の金属を蒸着したフィルム、または、アルミニウム等の金属箔フィルム等、ガスバリア性、保香性、遮光性に優れた素材からなる。
【0016】
第一内容物210は、包装品200が袋入り即席麺の場合、麺塊からなり、フライ麺、ノンフライ麺、生タイプ麺等いずれでもよい。生タイプ麺の場合は、第一内容物210一つ一つが個別に包装されていることが望ましい。第二内容物220は、ヒーター110により加熱され、外包装体231への封入直後に第二内容物220の封入有無により包装品200に温度差が生じればよい。包装品200が袋入り即席麺の場合、第二内容物220は液体スープ、粉末スープ、かやく等からなり、個別に包装されていることが望ましい。第二内容物220の包装資材は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、もしくはポリエチレンテレフタレート等の樹脂にアルミニウムもしくは銅等の金属を蒸着したフィルム、または、アルミニウム等の金属箔フィルム等、ガスバリア性、保香性、遮光性に優れた素材からなる。
【0017】
以下、本実施形態に係る内容物検出方法および包装品製造方法について順を追って説明する。
コンベアベルト7上を第一内容物210が順次搬送される。ここに、第二内容物投入器8において投入された第二内容物220が合流し、第一内容物210とともに搬送される。ここで、第二内容物220は、第二内容物投入器8において製造ラインに投入される前に、予めヒーター110により加熱される。加熱による昇温の程度は、後の工程において第二内容物220が包装品200に内包されているか否かを判別部130が判別できる程度に第一内容物210や包装資材230との温度差がつけばよい。例えば、第二内容物220を5℃以上昇温させることが好ましい。
【0018】
合流した第一内容物210と第二内容物220は、エンドシーラー9に搬送されるまでの間に、筒状に形成された包装資材230の内側に配置される。その後、第一内容物210と第二内容物220とが1つずつ含まれるように、エンドシーラー9により順次シールされ、カットされていく。
【0019】
エンドシーラー9によりシールされ、カットされた包装資材230は、外包装体231として第一内容物210と第二内容物220とを封入し、包装品200として順次製造される。その後、温度センサー120は、製造された包装品200の温度を検知する。
【0020】
ここで、温度センサー120が包装品200の温度を検知する様子を、
図2を用いて説明する。包装品200に内包された第二内容物220は、ヒーター110により予め加熱されていたことで、外包装体231や第一内容物210よりも高温となっている。温度センサー120は、包装品200の一部分の温度を検知する。検知された温度データは判別部130に送られ、判別部130は、得られた温度データを第二内容物が内包されていない場合の温度データと比較する。判別部130は、第二内容物が内包されていない場合の温度データと同一温度か、例えば2℃以内で差である等、一定の範囲内の温度差である場合には、第二内容物が内包されていないと判断する。一方、第二内容物が内包されていない場合の温度データとの温度差が上記一定の範囲内の温度差以上である場合には、第二内容物が内包されていると判断する。
【0021】
判別部130により、第二内容物が内包されていないと判断された場合には、その包装品200は不良品として手動または自動で製造ラインから排除される。このようにして、第二内容物の内包有無を判別することができる。
【0022】
上述した実施形態においては、温度センサー120は1つであるとして説明したが、複数備えてもよい。温度センサー120を複数備えることにより、第二内容物の内包有無のみならず、内包された位置についても検出が可能である。
【0023】
図3は、温度センサー120を複数備えた場合の包装品200の温度を検知する様子を示す上面図である。便宜上、包装品200の外包装体231を透明として図示しているが、外包装体231は透明である場合に限られない。
【0024】
図3では、温度センサー120が4つである場合について図示している。A1〜A4はそれぞれの温度センサーが包装品200の温度を検知可能な検出エリアを示しており、いずれも包装品200内の中央付近に位置している。
図3(a)は、第二内容物220が包装品200内の略中央に配置されている例を示し、
図3(b)は、第二内容物220が包装品200内の左側に寄って配置されている例を示している。
【0025】
図3(a)で示す例では、第二内容物220は包装品200の略中央に配置されているため、A1〜A4いずれの検出エリアにおいても第二内容物が検出される。この場合、判別部130は、第二内容物が包装品200の中央付近に配置されていると判別する。
【0026】
図3(b)で示す例では、第二内容物220は包装品200の左側に寄って配置されているため、A1、A3では第二内容物220が検出されるが、A2、A4では第二内容物220が検出されない。この場合、判別部130は、第二内容物220が包装品200の左側に寄って配置されていると判別する。また、図示しないが、A1のみ、A2のみ、A3のみ、またはA4のみで第二内容物220が検出された場合、判別部130は、それぞれ左上、右上、左下、右下に第二内容物220が寄って配置されていると判別する。また、A1およびA2のみ、A2およびA4のみ、またはA3およびA4のみで第二内容物220が検出された場合、判別部130は、それぞれ上側、右側、下側に第二内容物220が寄って配置されていると判別する。さらに、A1〜A4いずれからも第二内容物220が検出されない場合、判別部130は、第二内容物220が内包されていないと判別する。
【0027】
上記のように、第二内容物220が包装品200内でいずれかの方向に寄って配置されている場合、エンドシーラー9によるシール部に噛みこんでいる可能性があるため、不良品であるとして製造ラインから排除することができる。
【0028】
なお、本願発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。さらに、前記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されたり、幾つかの構成要件が異なる形態にして組み合わされても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除されたり組み合わされた構成が発明として抽出され得るものである。
【0029】
例えば、包装品200として、袋入り即席麺であるとして説明したが、このような製品に限定されない。内容物を含有する包装品であれば食品である必要もない。
【0030】
また、内容物として、第一内容物210および第二内容物220の2種類として説明したが、1種類でもよく、また3種類以上でもよい。
【0031】
さらに、第二内容物220を過熱するとして説明したが、内包の有無による温度差を封入後に外部から温度センサー120で検知可能であればこのような態様に限定されず、例えば冷却するとしてもよい。また、第一内容物210を加熱または冷却するとしてもよい。
【符号の説明】
【0032】
100…内容物検出装置
110…ヒーター
120…温度センサー
130…判別部
200…包装品
210…第一内容物
220…第二内容物
230…包装資材
231…外包装体
7…コンベアベルト
8…第二内容物投入器
9…エンドシーラー
A1〜A4…検出エリア