特許第6203220号(P6203220)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6203220
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】ケーブル型二次電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/058 20100101AFI20170914BHJP
   H01M 10/052 20100101ALI20170914BHJP
   H01M 10/0565 20100101ALI20170914BHJP
   H01M 4/80 20060101ALI20170914BHJP
   H01M 4/70 20060101ALI20170914BHJP
   H01M 4/74 20060101ALI20170914BHJP
   H01M 4/66 20060101ALI20170914BHJP
   H01M 10/0568 20100101ALI20170914BHJP
   H01M 10/0569 20100101ALI20170914BHJP
   H01M 4/505 20100101ALI20170914BHJP
   H01M 4/525 20100101ALI20170914BHJP
   H01M 4/58 20100101ALI20170914BHJP
   H01M 4/485 20100101ALI20170914BHJP
   H01M 4/36 20060101ALI20170914BHJP
   H01M 4/38 20060101ALI20170914BHJP
   H01M 2/16 20060101ALI20170914BHJP
【FI】
   H01M10/058
   H01M10/052
   H01M10/0565
   H01M4/80 C
   H01M4/70 A
   H01M4/74 C
   H01M4/66 A
   H01M10/0568
   H01M10/0569
   H01M4/505
   H01M4/525
   H01M4/58
   H01M4/485
   H01M4/36 A
   H01M4/38 Z
   H01M2/16 M
   H01M2/16 P
【請求項の数】18
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-158569(P2015-158569)
(22)【出願日】2015年8月10日
(62)【分割の表示】特願2014-535659(P2014-535659)の分割
【原出願日】2012年10月15日
(65)【公開番号】特開2016-21404(P2016-21404A)
(43)【公開日】2016年2月4日
【審査請求日】2015年10月13日
(31)【優先権主張番号】10-2011-0104876
(32)【優先日】2011年10月13日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2012-0114122
(32)【優先日】2012年10月15日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000040
【氏名又は名称】特許業務法人池内・佐藤アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】クォン、ヨ−ハン
(72)【発明者】
【氏名】ウ、サン−ウク
(72)【発明者】
【氏名】チュン、ヘ−ラン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ジェ−ヨン
【審査官】 青木 千歌子
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/093661(WO,A2)
【文献】 実開平02−143779(JP,U)
【文献】 特表2010−534389(JP,A)
【文献】 特表2014−519167(JP,A)
【文献】 特開2011−054891(JP,A)
【文献】 特開昭64−060971(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/04−10/0587
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定形状の水平断面を有して長さ方向に延びたケーブル型二次電池であって、
電解質を含むリチウムイオン供給コア部;
前記リチウムイオン供給コア部の外面を囲んで形成された開放構造の内部電極であり、内部電極活物質が外面にコーティングされた3次元網状構造のパイプ型内部集電体を含む内部電極;
前記内部電極の外面を囲んで形成され、電極の短絡を防止する分離層;並びに
前記分離層の外面を囲んで形成され、外部電極活物質層及び外部集電体を備える外部電極;を含み、
前記電解質は、非水電解液またはゲル型高分子電解質であるケーブル型二次電池の製造方法であって、
前記電解質がゲル型高分子又は担体に注入された非水電解液である場合は、
前記3次元網状構造のパイプ型内部集電体の表面に前記内部電極活物質層をコーティングして前記内部電極を形成し、
前記リチウムイオン供給コア部の外面に前記内部電極を適用し、
前記内部電極を包むように前記分離層を形成し、
前記分離層の外面に前記外部電極を形成する工程を含むか、若しくは、
前記電解質が担体に注入されていない非水電解液である場合は、
前記3次元網状構造のパイプ型内部集電体の表面に前記内部電極活物質層をコーティングして前記内部電極を形成し、
前記内部電極を包むように前記分離層を形成し、
前記分離層の外面に前記外部電極を形成し、
前記外部電極の外面に保護コーティングを適用し、
前記内部集電体の中心部に非水電解液を注入する工程を含む
ケーブル型二次電池の製造方法。
【請求項2】
前記外部電極を形成する工程において、前記外部電極活物質層が、前記分離層の外面を囲んで形成され、かつ前記外部集電体が、前記外部電極活物質層の外面を囲んで形成されるか;
前記外部集電体が、前記分離層の外面を囲んで形成され、かつ前記外部電極活物質層が、前記外部集電体の外面を囲んで形成されるか;
前記外部集電体が、前記分離層の外面を囲んで形成され、かつ前記外部電極活物質層が、前記外部集電体の外面を囲み、前記分離層と接するように形成されるか;または、
前記外部電極活物質層が、前記分離層の外面を囲んで形成され、かつ前記外部集電体が、前記外部電極活物質層内に被覆され、前記分離層の外面を離隔した状態で囲んで形成されることを特徴とする請求項1に記載のケーブル型二次電池の製造方法
【請求項3】
前記外部集電体が、パイプ型集電体、巻き取られたワイヤ型集電体、巻き取られたシート型集電体、またはメッシュ型集電体であることを特徴とする請求項1または2に記載のケーブル型二次電池の製造方法
【請求項4】
前記内部集電体が、ステンレススチール、アルミニウム、ニッケル、チタン、焼成炭素、もしくは銅;カーボン、ニッケル、チタンもしくは銀で表面処理されたステンレススチール;アルミニウム‐カドミウム合金;導電材で表面処理された非伝導性高分子;または、伝導性高分子から製造されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のケーブル型二次電池の製造方法
【請求項5】
前記導電材が、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリ窒化硫黄、酸化インジウムスズ(ITO)、銀、パラジウム、及びニッケルから選択された1種または2種以上の混合物であることを特徴とする請求項4に記載のケーブル型二次電池の製造方法
【請求項6】
前記伝導性高分子が、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、及びポリ窒化硫黄から選択された1種または2種以上の混合物であることを特徴とする請求項4に記載のケーブル型二次電池の製造方法
【請求項7】
前記外部集電体が、ステンレススチール、アルミニウム、ニッケル、チタン、焼成炭素、もしくは銅;カーボン、ニッケル、チタンもしくは銀で表面処理されたステンレススチール;アルミニウム‐カドミウム合金;導電材で表面処理された非伝導性高分子;伝導性高分子;Ni、Al、Au、Ag、Al、Pd/Ag、Cr、Ta、Cu、BaもしくはITOの金属粉末を含む金属ペースト;または、黒鉛、カーボンブラックもしくは炭素ナノチューブの炭素粉末を含む炭素ペーストから製造されたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のケーブル型二次電池の製造方法
【請求項8】
前記電解質が、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、ビニレンカーボネート(VC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、メチルホルメート(MF)、γ‐ブチロラクトン(γ−BL)、スルホラン、メチルアセテート(MA)またはメチルプロピオネート(MP)を使用した非水電解液;およびポリエチレンオキサイド(PEOポリフッ化ビニリデン(PVdFポリフッ化ビニリデン‐ヘキサフルオロプロピレン(PVdF‐HFPポリメチルメタクリレート(PMMAポリアクリロニトリル(PANまたはポリビニルアセテート(PVAcを使用したゲル型高分子電解質;から選択された電解質を含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のケーブル型二次電池の製造方法
【請求項9】
前記電解質が、リチウム塩をさらに含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のケーブル型二次電池の製造方法
【請求項10】
前記リチウム塩が、LiCl、LiBr、LiI、LiClO4、LiBF4、LiB10Cl10、LiPF6、LiCF3SO3、LiCF3CO2、LiAsF6、LiSbF6、LiAlCl4、CH3SO3Li、CF3SO3Li、(CF3SO22NLi、クロロほう酸リチウム、低級脂肪族カルボン酸リチウム、及びテトラフェニルホウ酸リチウムから選択された1種または2種以上であることを特徴とする請求項9に記載のケーブル型二次電池の製造方法
【請求項11】
前記内部電極が負極であり、前記外部電極が正極であるか、または、前記内部電極が正極であり、前記外部電極が負極であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載のケーブル型二次電池の製造方法
【請求項12】
前記内部電極が負極であり、前記外部電極が正極である場合、前記内部電極活物質層は、天然黒鉛、人造黒鉛、もしくは炭素質材料;リチウム含有チタン複合酸化物(LTO)、Si、Sn、Li、Zn、Mg、Cd、Ce、NiもしくはFeを含む金属類(Me);前記金属類の合金類;前記金属類の酸化物(MeOx);ならびに前記金属類と炭素との複合体からなる群より選択されたいずれか1つの活物質またはこれらのうち2種以上の混合物を含み、
前記外部電極活物質層は、LiCoO2、LiNiO2、LiMn24、LiCoPO4LiFePO4、及びLiNi1-x-y-zCoxM1yM2z2(M1及びM2は互いに独立してAl、Ni、Co、Fe、Mn、V、Cr、Ti、W、Ta、Mg及びMoからなる群より選択され、x、y及びzは互いに独立した酸化物組成元素の原子分率であって、0≦x<0.5、0≦y<0.5、0≦z<0.5、0<x+y+z≦1である)からなる群より選択されたいずれか1つの活物質またはこれらのうち2種以上の混合物を含むことを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載のケーブル型二次電池の製造方法
【請求項13】
前記内部電極が正極であり、前記外部電極が負極である場合、前記内部電極活物質層は、LiCoO2、LiNiO2、LiMn24、LiCoPO4LiFePO4、及びLiNi1-x-y-zCoxM1yM2z2(M1及びM2は互いに独立してAl、Ni、Co、Fe、Mn、V、Cr、Ti、W、Ta、Mg及びMoからなる群より選択され、x、y及びzは互いに独立した酸化物組成元素の原子分率であって、0≦x<0.5、0≦y<0.5、0≦z<0.5、0<x+y+z≦1である)からなる群より選択されたいずれか1つの活物質またはこれらのうち2種以上の混合物を含み、
前記外部電極活物質層は、天然黒鉛、人造黒鉛、もしくは炭素質材料;リチウム含有チタン複合酸化物(LTO)、Si、Sn、Li、Zn、Mg、Cd、Ce、NiまたはFeを含む金属類(Me);前記金属類の合金類;前記金属類の酸化物(MeOx);及び前記金属類と炭素との複合体からなる群より選択されたいずれか1つの活物質またはこれらのうち2種以上の混合物を含むことを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載のケーブル型二次電池の製造方法
【請求項14】
前記分離層が、電解質層またはセパレータであることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載のケーブル型二次電池の製造方法
【請求項15】
前記電解質層が、ポリエチレンオキサイド(PEOポリフッ化ビニリデン(PVdFポリフッ化ビニリデン‐ヘキサフルオロプロピレン(PVdF‐HFPポリメチルメタクリレート(PMMAポリアクリロニトリル(PANまたはポリビニルアセテート(PVAc)を使用したゲル型高分子電解質;および、PEO、ポリプロピレンオキシド(PPO)、ポリエーテルイミン(PEI)、ポリエチレンスルフィド(PES)またはポリビニルアセテート(PVAc)を使用した固体電解質;から選択された電解質を含むことを特徴とする請求項14に記載のケーブル型二次電池の製造方法
【請求項16】
前記電解質層が、リチウム塩をさらに含むことを特徴とする請求項14または15に記載のケーブル型二次電池の製造方法
【請求項17】
前記リチウム塩が、LiCl、LiBr、LiI、LiClO4、LiBF4、LiB10Cl10、LiPF6、LiCF3SO3、LiCF3CO2、LiAsF6、LiSbF6、LiAlCl4、CH3SO3Li、CF3SO3Li、(CF3SO22NLi、クロロほう酸リチウム、低級脂肪族カルボン酸リチウム、及びテトラフェニルホウ酸リチウムから選択された1種または2種以上であることを特徴とする請求項16に記載のケーブル型二次電池の製造方法
【請求項18】
前記セパレータが、エチレン単独重合体、プロピレン単独重合体、エチレン‐ブテン共重合体、エチレン‐ヘキセン共重合体及びエチレン‐メタクリレート共重合体からなる群より選択されたポリオレフィン系高分子から製造された多孔性基材;ポリエステル、ポリアセタール、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレンスルファイド及びポリエチレンナフタレンからなる群から選択された高分子から製造された多孔性基材;または、無機物粒子とバインダー高分子との混合物から形成された多孔性基材であることを特徴とする請求項14に記載のケーブル型二次電池の製造方法

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、変形自在なケーブル型二次電池に関し、より詳しくは、リチウムイオン供給コア部を含むケーブル型二次電池に関する。
【0002】
本出願は、2011年10月13日出願の韓国特許出願第10−2011−0104876号、及び2012年10月15日出願の韓国特許出願第10−2012−0114122号に基づく優先権を主張し、該当出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に援用される。
【背景技術】
【0003】
二次電池は、外部の電気エネルギーを化学エネルギーの形態に変換して貯蔵しておき、必要なときに電気を作る装置であり、充電を繰り返すことができるという意味で「充電式電池(rechargeable battery)」とも呼ばれる。広く使用される二
次電池としては、鉛蓄電池、ニッケル‐カドミウム電池(NiCd)、ニッケル水素蓄電池(NiMH)、リチウムイオン電池(Li‐ion)、リチウムイオンポリマー電池(Li‐ion polymer)がある。二次電池は使い捨ての一次電池に比べて経済的
な利点と環境的な利点を共に提供する。
【0004】
現在、二次電池は低い電力を要する所に使用されている。例えば、自動車の始動を補助する機器、携帯用装置、道具、無停電電源装置が挙げられる。近年の無線通信技術の発展は携帯用装置の大衆化を主導しており、従来の多くの装置が無線化される傾向もあるため、二次電池に対する需要が爆発的に伸びている。また、環境汚染防止の面でハイブリッド自動車、電気自動車が実用化されているが、これら次世代自動車は二次電池を使用することで、コストと重量を下げ、寿命を伸ばす技術を採用している。
【0005】
一般に、二次電池は円筒型、角形、またはパウチ型の電池が殆どである。二次電池が、負極、正極及び分離膜で構成された電極組立体を円筒型または角形の金属缶またはアルミニウムラミネートシートのパウチ型ケースの内部に収納し、前記電極組立体に電解質を注入して製造されるためである。したがって、このような二次電池の装着には一定空間が必要となるため、二次電池の円筒型、角形、またはパウチ型の形態は多様な形態の携帯用装置の開発に制約となる。そこで、形態の変形が自在な新たな形態の二次電池が求められている。
【0006】
このような要求に応えて、断面の直径に対する長さの比が非常に大きい電池である線型電池が提案された。韓国特許公開第2005−99903号(特許文献1)には、内部電極、外部電極、及びこれら電極の間に介在する電解質層で構成される可変型電池が開示されているが、可撓性が良くない。また、該線型電池では電解質層を形成するためにポリマー電解質を使用するため、電解質が電極の活物質に流入し難く、電池の抵抗が増加して容量特性及びサイクル特性が低下するという問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】韓国特許公開第2005−99903号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、変形が容易であり、二次電池の安
定性と優れた性能を維持でき、電解質が電極の活物質に流入し易い新規な線型構造の二次電池を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を達成するため、本発明は、電解質を含むリチウムイオン供給コア部;前記リチウムイオン供給コア部の外面を囲んで形成され、内部電極活物質が外面にコーティングされた3次元網状構造のパイプ型内部集電体を含む内部電極;前記内部電極の外面を囲んで形成され、電極の短絡を防止する分離層;並びに前記分離層の外面を囲んで形成され、外部電極活物質層及び外部集電体を備える外部電極;を含み、所定形状の水平断面を有して長さ方向に延びたケーブル型二次電池を提供する。
【0010】
前記外部電極は、前記分離層の外面を囲んで形成された外部電極活物質層、及び前記外部電極活物質層の外面を囲んで形成された外部集電体を備えるか;前記分離層の外面を囲んで形成された外部集電体、及び前記外部集電体の外面を囲んで形成された外部電極活物質層を備えるか;前記分離層の外面を囲んで形成された外部集電体、及び前記外部集電体の外面を囲み、前記分離層と接するように形成された外部電極活物質層を備えるか;または、前記分離層の外面を囲んで形成された外部電極活物質層、及び前記外部電極活物質層内に被覆され、前記分離層の外面を離隔した状態で囲んで形成された外部集電体を備えることができる。
【0011】
前記外部集電体としては、その形態を特に制限することはないが、パイプ型集電体、巻き取られたワイヤ型集電体、巻き取られたシート型集電体、またはメッシュ型集電体を使用することが望ましい。
【0012】
前記内部集電体としては、その種類を特に限定することはないが、ステンレススチール、アルミニウム、ニッケル、チタン、焼成炭素、銅;カーボン、ニッケル、チタンまたは銀で表面処理されたステンレススチール;アルミニウム‐カドミウム合金;導電材で表面処理された非伝導性高分子;または、伝導性高分子などを含むものを使用することができる。
【0013】
前記導電材としては、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリ窒化硫黄、ITO(Indium Thin Oxide)、銀、パラジウム、及びニッケルなどを使用することができる。また、前記伝導性高分子としては、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、及びポリ窒化硫黄のうち選択された1種の化合物または2種以上の混合物などを使用することができる。
【0014】
前記外部集電体としては、ステンレススチール、アルミニウム、ニッケル、チタン、焼成炭素、銅;カーボン、ニッケル、チタンまたは銀で表面処理されたステンレススチール;アルミニウム‐カドミウム合金;導電材で表面処理された非伝導性高分子;伝導性高分子;Ni、Al、Au、Ag、Al、Pd/Ag、Cr、Ta、Cu、BaまたはITOの金属粉末を含む金属ペースト;若しくは、黒鉛、カーボンブラックまたは炭素ナノチューブの炭素粉末を含む炭素ペーストで製造されたものを使用することができる。
【0015】
本発明のリチウムイオン供給コア部は、電解質を含む。このような電解質としては、その種類を特に限定しないが、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、ビニレンカーボネート(VC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、メチルホルメート(MF)、γ‐ブチロラクトン、スルホラン、メチルアセテート(MA)またはメチルプロピオネート(MP)を使用した非水電解液;PEO、PVdF、PVdF‐HFP、PMMA、PANまたはPVACを使用したゲル型高分子電解質
;若しくは、PEO、PPO(polypropylene oxide)、PEI(p
olyethylene imine)、PES(polyethylene sulphide)またはPVAc(polyvinyl acetate)を使用した固体電解質
などを使用することができる。また、このような電解質は、リチウム塩をさらに含むことができ、このようなリチウム塩としては、LiCl、LiBr、LiI、LiClO4
LiBF4、LiB10Cl10、LiPF6、LiCF3SO3、LiCF3CO2、LiAsF6、LiSbF6、LiAlCl4、CH3SO3Li、CF3SO3Li、(CF3SO22NLi、クロロほう酸リチウム、低級脂肪族カルボン酸リチウム、及びテトラフェニルホウ酸リチウムなどを使用することが望ましい。
【0016】
本発明の内部電極は負極または正極であり得、外部電極は前記内部電極に対応する正極または負極であり得る。
【0017】
また、本発明の内部電極が負極であって、外部電極が正極である場合、前記内部電極活物質層は、天然黒鉛、人造黒鉛、炭素質材料;リチウム含有チタン複合酸化物(LTO)、Si、Sn、Li、Zn、Mg、Cd、Ce、NiまたはFeである金属類(Me);前記金属類(Me)で構成された合金類;前記金属類(Me)の酸化物(MeOx);及び前記金属類(Me)と炭素との複合体からなる群より選択されたいずれか1つの活物質またはこれらのうち2種以上の混合物を含む負極活物質層であり得、前記外部電極活物質層は、LiCoO2、LiNiO2、LiMn24、LiCoPO4、LiFePO4、LiNiMnCoO2、及びLiNi1-x-y-zCoxM1yM2z2(M1及びM2は互いに独立してAl、Ni、Co、Fe、Mn、V、Cr、Ti、W、Ta、Mg及びMoからなる群より選択され、x、y及びzは互いに独立した酸化物組成元素の原子分率であって、0≦x<0.5、0≦y<0.5、0≦z<0.5、x+y+z≦1である)からなる群より選択されたいずれか1つの活物質またはこれらのうち2種以上の混合物を含む正極活物質層であり得る。
【0018】
また、前記内部電極が正極であり、前記外部電極が負極である場合、前記内部電極活物質層は、LiCoO2、LiNiO2、LiMn24、LiCoPO4、LiFePO4、LiNiMnCoO2、及びLiNi1-x-y-zCoxM1yM2z2(M1及びM2は互いに独立してAl、Ni、Co、Fe、Mn、V、Cr、Ti、W、Ta、Mg及びMoからなる群より選択され、x、y及びzは互いに独立した酸化物組成元素の原子分率であって、0≦x<0.5、0≦y<0.5、0≦z<0.5、x+y+z≦1である)からなる群より選択されたいずれか1つの活物質またはこれらのうち2種以上の混合物を含む正極活物質層であり得、前記外部電極活物質層は、天然黒鉛、人造黒鉛、炭素質材料;リチウム含有チタン複合酸化物(LTO)、Si、Sn、Li、Zn、Mg、Cd、Ce、NiまたはFeである金属類(Me);前記金属類(Me)で構成された合金類;前記金属類(Me)の酸化物(MeOx);及び前記金属類(Me)と炭素との複合体からなる群より選択されたいずれか1つの活物質またはこれらのうち2種以上の混合物を含む負極活物質層であり得るが、これらに限定されることはない。
【0019】
本発明の分離層は、電解質層またはセパレータを使用することができる。
【0020】
前記電解質層としては、その種類を特に限定しないが、PEO、PVdF、PVdF‐HFP、PMMA、PANまたはPVACを使用したゲル型高分子電解質;若しくは、PEO、PPO、PEI、PESまたはPVAcを使用した固体電解質などを使用することが望ましい。また、前記電解質層は、リチウム塩をさらに含むことができ、前記リチウム塩の非制限的な例としては、LiCl、LiBr、LiI、LiClO4、LiBF4、LiB10Cl10、LiPF6、LiCF3SO3、LiCF3CO2、LiAsF6、LiSbF6、LiAlCl4、CH3SO3Li、CF3SO3Li、(CF3SO22NLi、クロロ
ほう酸リチウム、低級脂肪族カルボン酸リチウム、及びテトラフェニルホウ酸リチウムなどが挙げられる。
【0021】
前記分離層としてセパレータを使用する場合は、本発明のケーブル型二次電池は電解液を必要とする。前記セパレータとしては、その種類を限定しないが、エチレン単独重合体、プロピレン単独重合体、エチレン‐ブテン共重合体、エチレン‐ヘキセン共重合体及びエチレン‐メタクリレート共重合体からなる群より選択されたポリオレフィン系高分子で製造した多孔性基材;ポリエステル、ポリアセタール、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレンスルファイド及びポリエチレンナフタレンからなる群より選択された高分子で製造した多孔性基材;または、無機物粒子とバインダー高分子との混合物で形成された多孔性基材などを使用することができる。
【0022】
また、本発明は、複数の内部電極を備えるケーブル型二次電池を提供する。
【発明の効果】
【0023】
本発明の電解質を含むリチウムイオン供給コア部は内部電極の内部に位置し、前記内部電極は3次元網状構造のパイプ型集電体を含む開放構造を有するため、リチウムイオン供給コア部の電解質が電極の活物質に浸透し易く、リチウムイオンの供給及び交換を容易に行うことができる。したがって、本発明のケーブル型二次電池は、リチウムイオン供給コア部を備えることで、電池の容量特性及びサイクル特性に優れる。
【0024】
また、本発明は、内部電極活物質が外面にコーティングされた3次元網状構造のパイプ型内部集電体を使用するため、充放電過程におけるLiイオンとの反応表面積が増加して電池のレート特性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本明細書に添付される次の図面は、本発明の望ましい実施例を例示するものであり、発明の詳細な説明とともに本発明の技術的な思想をさらに理解させる役割をするため、本発明は図面に記載された事項だけに限定されて解釈されてはならない。
図1】本発明の望ましい一実施例によるケーブル型二次電池の斜視図である。
図2】本発明の望ましい一実施例による3次元網状構造のパイプ型内部集電体を概略的に示した斜視図である。
図3】本発明の望ましい一実施例による3次元網状構造のパイプ型内部集電体の拡大図である。
図4】本発明の望ましい一実施例による複数の内部電極を備えるケーブル型二次電池の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付された図面を参照して本発明を詳しく説明する。これに先立ち、本明細書及び請求範囲に使われた用語や単語は通常的や辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応ずる意味及び概念で解釈されねばならない。
【0027】
図1には、本発明によるケーブル型二次電池の一実施例が概略的に示されている。しかし、本明細書に記載された実施例及び図面に示された構成は、本発明のもっとも望ましい一実施例に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを代弁するものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解せねばならない。
【0028】
図1を参照すれば、所定形状の水平断面を有して長さ方向に延びた本発明のケーブル型二次電池100は、電解質を含むリチウムイオン供給コア部110;前記リチウムイオン供給コア部110の外面を囲んで形成され、内部電極活物質が外面にコーティングされた3次元網状構造のパイプ型内部集電体を含む内部電極120;前記内部電極120の外面を囲んで形成され、電極の短絡を防止する分離層130;並びに前記分離層130の外面を囲んで形成され、外部電極活物質層及び外部集電体を備える外部電極を含む。
【0029】
このとき、前記外部電極は、分離層と接するようになる、外部電極活物質層と外部集電体の配置によって様々な具現例があり得る。
【0030】
図1による外部電極は、前記分離層130の外面を囲んで形成された外部電極活物質層140、及び前記外部電極活物質層140の外面を囲んで形成された外部集電体を備える。
【0031】
また、本発明の一実施例によるケーブル型二次電池の外部電極は、前記分離層の外面を囲んで形成された外部集電体、及び前記外部集電体の外面を囲んで形成された外部電極活物質層を備える構造;前記分離層の外面を囲んで形成された外部集電体、及び前記外部集電体の外面を囲み、前記分離層と接するように形成された外部電極活物質層を備える構造;または、前記分離層の外面を囲んで形成された外部電極活物質層、及び前記外部電極活物質層内に被覆され、前記分離層の外面を離隔した状態で囲んで形成された外部集電体を備える構造;などであり得る。
【0032】
また、ここで、所定の形状とは、特に形状を制限しないということであり、本発明の本質から逸脱しない如何なる形状も可能であるという意味である。本発明のケーブル型二次電池は、所定形状の水平断面を有し、水平断面に対する長さ方向に長く延びた線型構造であり、可撓性を有するため、変形が自在である。また、ここで、内部電極は内部電極活物質が外面にコーティングされた3次元網状構造のパイプ型内部集電体を備える開放構造を有し、開放構造とは、その開放構造を境界面にし、該境界面を通過して内部から外部への物質の移動が自在な形態の構造を言う。
【0033】
従来のケーブル型二次電池は、内部電極と外部電極との間に電解質層を備え、これら電解質層は、短絡を防止するため、内部電極と外部電極とを隔離させなければならないため、一定水準の機械的物性を有するゲル型高分子電解質や固体高分子電解質を使用する必要がある。しかし、このようなゲル型高分子電解質や固体高分子電解質は、リチウムイオン源としての性能が優れず、電極活物質層にリチウムイオンを十分供給するためには電解質層の厚さを増加させるしかない。しかし、このような電解質層の厚さの増加によって電極間の間隔が広がり、かえって抵抗の増加による電池性能の低下をもたらすという問題がある。一方、本発明のケーブル型二次電池100は、電解質を含むリチウムイオン供給コア部110を備え、本発明の内部電極120は開放構造の内部集電体を有するため、リチウムイオン供給コア部110の電解質は内部集電体を通過して内部電極活物質層及び外部電極活物質層140に到達することができる。したがって、電解質層の厚さを無理に増加させる必要がなく、さらに電解質層を必須構成要素としないため、選択的にセパレータのみを使用することもできる。すなわち、本発明のケーブル型二次電池は、電解質を含むリチウムイオン供給コア部110を備えることで、電極活物質に浸透し易く、電極におけるリチウムイオンの供給及び交換を容易に行うことができるため、電池の容量特性及びサイクル特性に優れる。
【0034】
前記リチウムイオン供給コア部110は、電解質を含む。このような電解質としては、その種類を特に限定しないが、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、ビニレンカーボネート(VC)、ジエチルカ
ーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、メチルホルメート(MF)、γ‐ブチロラクトン、スルホラン、メチルアセテート(MA)またはメチルプロピオネート(MP)を使用した非水電解液;PEO、PVdF、PVdF‐HFP、PMMA、PANまたはPVACを使用したゲル型高分子電解質;若しくは、PEO、PPO、PEI、PESまたはPVAcを使用した固体電解質などを使用することができる。また、このような電解質は、リチウム塩をさらに含むことができ、このようなリチウム塩としては、LiCl、LiBr、LiI、LiClO4、L
iBF4、LiB10Cl10、LiPF6、LiCF3SO3、LiCF3CO2、LiAsF6
、LiSbF6、LiAlCl4、CH3SO3Li、CF3SO3Li、(CF3SO22
Li、クロロほう酸リチウム、低級脂肪族カルボン酸リチウム、及びテトラフェニルホウ酸リチウムなどを使用することが望ましい。また、このようなリチウムイオン供給コア部110は、電解質のみで構成でき、液体電解質の場合には多孔質の担体を使用して構成することもできる。
【0035】
本発明の内部電極120は、内部電極活物質が外面にコーティングされた3次元網状構造のパイプ型内部集電体を備える。ここで、3次元網状構造とは、多層の網状構造からなることを意味し、単層の網状構造であるメッシュ構造と区別される構造である。
【0036】
図2を参照すれば、本発明の内部電極活物質が外面にコーティングされた3次元網状構造のパイプ型内部集電体20は、スポンジと類似するフォーム(foam)組織を持つ。図3を参照すれば、本発明の内部電極活物質が外面にコーティングされた3次元網状構造のパイプ型内部集電体20のフォーム組織を確認することができる。本発明の内部集電体20は、このようなフォーム組織からなるため、表面積を向上させることができる。
【0037】
特に、内部電極が負極である場合は、負極活物質として使用される高容量の負極素材であるSiやSn系列の金属または金属化合物は、これら素材の特性上、Liイオンの合金(alloying)/脱合金(dealloying)過程を通じて電気化学的特性が具現されるため、体積の膨張による体積の変化が大きく、このような体積の変化がさらに酷くなれば、構造が崩壊する。すると、金属活物質間の電子的接触が悪化するため、これら負極活物質の金属層内部へのLiイオンの移動が阻害され、サイクルが劣化する。また、形成された負極活物質層の金属の密度が高く、層が厚い場合には、負極活物質金属層の内部にまでLiイオンが拡散し難く容量具現が制限され、レート特性が悪い。しかし、本発明の内部電極活物質が外面にコーティングされた3次元網状構造のパイプ型内部集電体20は、表面積の広いフォーム組織からなるため、充放電過程におけるLiイオンとの反応表面積が増加し、電池性能を向上させることができる。また、フォーム組織の間に空間が存在し、該空間が充放電時に伴われる活物質層の体積膨張のような電池内部のストレス及び圧力に対する緩衝作用をするため、電池の変形を防止して安定性を確保でき、電池の寿命向上に寄与することができる。
【0038】
前記内部集電体としては、ステンレススチール、アルミニウム、ニッケル、チタン、焼成炭素、銅、ステンレススチールの表面にカーボン、ニッケル、チタン、銀で表面処理したもの、アルミニウム‐カドミウム合金、導電材で表面処理された非伝導性高分子、または伝導性高分子を使用して製造されたものが望ましい。
【0039】
集電体は、活物質の電気化学反応によって生成された電子を集めるか、または、電気化学反応に必要な電子を供給する役割をするものであり、一般に銅やアルミニウムなどの金属を使用する。特に、導電材で表面処理された非伝導性高分子または伝導性高分子からなる高分子伝導体を使用する場合には、銅やアルミニウムのような金属を使用した場合より相対的に可撓性に優れる。また、金属集電体に代えて高分子集電体を使用することで、電池の軽量性を達成することができる。
【0040】
前記導電材としては、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリ窒化硫黄、ITO、銀、パラジウム、及びニッケルなどが使用でき、伝導性高分子としては、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、及びポリ窒化硫黄などが使用できる。ただし、集電体に使用される非伝導性高分子は特に種類を限定しない。
【0041】
本発明の外部集電体としては、特にその形態を制限しないが、パイプ型集電体、巻き取られたワイヤ型集電体、巻き取られたシート型集電体、またはメッシュ型集電体を使用することができる。また、このような外部集電体としては、ステンレススチール、アルミニウム、ニッケル、チタン、焼成炭素、銅;カーボン、ニッケル、チタンまたは銀で表面処理されたステンレススチール;アルミニウム‐カドミウム合金;導電材で表面処理された非伝導性高分子;伝導性高分子;Ni、Al、Au、Ag、Al、Pd/Ag、Cr、Ta、Cu、BaまたはITOの金属粉末を含む金属ペースト;若しくは、黒鉛、カーボンブラックまたは炭素ナノチューブの炭素粉末を含む炭素ペーストで製造されたものを使用することができる。
【0042】
前記内部電極は負極または正極であり得、前記外部電極は前記内部電極に対応する正極または負極であり得る。
【0043】
本発明の電極活物質層は、集電体を通じてイオンを移動させる作用をし、これらイオンの移動は電解質層からのイオンの吸蔵及び電解質層へのイオンの放出を通じた相互作用による。
【0044】
このような電極活物質層は、負極活物質層と正極活物質層とに区分することができる。
【0045】
具体的に、前記内部電極が負極であり、前記外部電極が正極である場合、前記内部電極活物質層は負極活物質層であって、天然黒鉛、人造黒鉛、炭素質材料;リチウム含有チタン複合酸化物(LTO)、Si、Sn、Li、Zn、Mg、Cd、Ce、NiまたはFeである金属類(Me);前記金属類(Me)で構成された合金類;前記金属類(Me)の酸化物(MeOx);及び前記金属類(Me)と炭素との複合体からなる群より選択されたいずれか1つの活物質またはこれらのうち2種以上の混合物を含むことができ、前記外部電極活物質層は正極活物質層であって、LiCoO2、LiNiO2、LiMn24、LiCoPO4、LiFePO4、LiNiMnCoO2、及びLiNi1-x-y-zCoxM1yM2z2(M1及びM2は互いに独立してAl、Ni、Co、Fe、Mn、V、Cr、Ti、W、Ta、Mg及びMoからなる群より選択され、x、y及びzは互いに独立した酸化物組成元素の原子分率であって、0≦x<0.5、0≦y<0.5、0≦z<0.5、x+y+z≦1である)からなる群より選択されたいずれか1つの活物質またはこれらのうち2種以上の混合物を含むことができる。
【0046】
また、前記内部電極が正極であり、前記外部電極が負極である場合には、内部電極活物質層は正極活物質層になって、外部電極活物質層は負極活物質層になり得る。
【0047】
上述したように、前記外部電極は、図1を参照すれば、前記分離層130の外面を囲んで形成された外部電極活物質層140、及び前記外部電極活物質層140の外面を囲んで形成された外部集電体150を備えることができる。
【0048】
また、前記外部電極は、前記分離層の外面を囲んで形成された外部集電体、及び前記外部集電体の外面を囲んで形成された外部電極活物質層を備えるか;前記分離層の外面を囲んで形成された外部集電体、及び前記外部集電体の外面を囲み、前記分離層と接するよう
に形成された外部電極活物質層を備えるか;または、前記分離層の外面を囲んで形成された外部電極活物質層、及び前記外部電極活物質層内に被覆され、前記分離層の外面を離隔した状態で囲んで形成された外部集電体を備えることができる。
【0049】
具体的に、このような分離層の外面に外部集電体を巻き取る場合、活物質層との接触面積が十分広くなるため、一定水準の電池性能が保障される。特に、本発明の外部電極活物質層は、例えば、活物質スラリーの形態で製造され、外部集電体の外面にコーティングされて形成されるため、前記分離層と接することができる。また、前記外部集電体は、外部電極活物質層の内部に被覆されて含まれ、かつ、前記分離層の外面を外部電極活物質層によって離隔した状態で囲んで形成され得るため、その結果、外部集電体と外部電極活物質との間の電気接点(electric contact)を向上でき、電池特性の向上に
寄与する。
【0050】
例えば、外部集電体として可撓性を有する巻き取られたワイヤ型外部集電体が使用される場合、前記巻き取られたワイヤ型外部集電体は、その形態から弾性が与えられ、全体的なケーブル型二次電池の可撓性を向上させる役割を果たす。また、本発明のケーブル型二次電池に外部から過度な力が加えられる場合にも、本発明のワイヤ型外部集電体は、形態的特性上、崩れや折れなどの過度な変形が少ないため、内部集電体との接触による短絡の恐れが少ない。
【0051】
電極活物質層は、電極活物質、バインダー及び導電材を含み、集電体と結合して電極を構成する。電極に、外部の力によって折り畳まれるか又は酷く曲がるなどの変形が起きる場合、電極活物質の脱離が発生し、このような電極活物質の脱離により、電池性能及び電池容量が低下することがある。しかし、巻き取られたワイヤ型外部集電体は弾性を有するため、外部の力による変形の際にも力を分散させ、活物質層に対する変形を抑え、それにより活物質の脱離を予防することができる。
【0052】
本発明の分離層は、電解質層またはセパレータを使用することができる。
【0053】
このようなイオンの通路になる電解質層としては、PEO、PVdF、PVdF‐HFP、PMMA、PANまたはPVACを使用したゲル型高分子電解質、若しくは、PEO、PPO、PEI、PESまたはPVAcを使用した固体電解質などを使用する。固体電解質のマトリクスは、高分子またはセラミックガラスを基本骨格にすることが望ましい。一般的な高分子電解質の場合は、イオン伝導度が満たされても、反応速度の面でイオンの移動が遅すぎることがあり得るため、固体よりはイオンの移動が容易なゲル型高分子電解質を使用することが望ましい。しかし、ゲル型高分子電解質は機械的特性が良好ではなく、それを補うために気孔構造の支持体または架橋高分子を含み得る。本発明の電解質層はセパレータの役割を果たせるため、別途のセパレータを使用しなくても良い。
【0054】
本発明の電解質層は、リチウム塩をさらに含むことができる。リチウム塩はイオン伝導度及び反応速度を向上させることができ、その非制限的な例としては、LiCl、LiBr、LiI、LiClO4、LiBF4、LiB10Cl10、LiPF6、LiCF3SO3
LiCF3CO2、LiAsF6、LiSbF6、LiAlCl4、CH3SO3Li、CF3SO3Li、(CF3SO22NLi、クロロほう酸リチウム、低級脂肪族カルボン酸リチウム、及びテトラフェニルホウ酸リチウムが挙げられる。
【0055】
前記セパレータとしては、その種類を限定しないが、エチレン単独重合体、プロピレン単独重合体、エチレン‐ブテン共重合体、エチレン‐ヘキセン共重合体及びエチレン‐メタクリレート共重合体からなる群より選択されたポリオレフィン系高分子で製造した多孔性基材;ポリエステル、ポリアセタール、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリイミド、
ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレンスルファイド及びポリエチレンナフタレンからなる群より選択された高分子で製造した多孔性基材;または、無機物粒子とバインダー高分子との混合物で形成された多孔性基材などを使用することができる。特に、リチウムイオン供給コア部のリチウムイオンが外部電極にも伝達され易くするためには、前記ポリエステル、ポリアセタール、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレンスルファイド及びポリエチレンナフタリンからなる群より選択された高分子で製造した多孔性基材に該当する不織布材質のセパレータを使用することが望ましい。
【0056】
本発明は保護被覆を備えるが、保護被覆は絶縁体であって、空気中の水分及び外部衝撃から電極を保護するために外部集電体の外面に形成される。保護被覆としては、通常の高分子樹脂を使用することができ、一例としてPVC、HDPE、またはエポキシ樹脂を使用することができる。
【0057】
以下、本発明の一実施例によるケーブル型二次電池及びその製造方法を図1を参照して簡略に説明する。
【0058】
本発明の一実施例によるケーブル型二次電池100は、電解質を含むリチウムイオン供給コア部110;前記リチウムイオン供給コア部110の外面を囲んで形成され、内部電極活物質が外面にコーティングされた3次元網状構造のパイプ型内部集電体を含む内部電極120;前記内部電極120の外面を囲んで形成され、電極の短絡を防止する分離層130;並びに前記分離層130の外面を囲んで形成された外部電極活物質層140及び前記外部電極活物質層140の外面を囲んで形成された外部集電体を備える外部電極;を備える。
【0059】
まず、高分子電解質を使用し、押出機などでワイヤ状のリチウムイオン供給コア部110を形成する。または、中空の内部電極を用意した後、内部電極の中心部に非水電解液を注入してリチウムイオン供給コア部110を形成することもでき、保護コーティングまで適用された電池組立体を用意した後、電池の内部電極支持体の中心部に非水電解液を注入して形成することもできる。さらに、他の方法としては、スポンジ材質のワイヤ状の担体を用意した後、それに非水電解液を注入してリチウムイオン供給コア部110を形成することもできる。
【0060】
次いで、3次元網状構造のパイプ型内部集電体を用意し、前記内部集電体の表面に内部電極活物質層をコーティングして電極を製造する。
【0061】
コーティング方法としては一般的なコーティング方法が適用でき、具体的には電気メッキ(electroplating)または陽極酸化処理(anodic oxidat
ion process)法が使用可能であるが、一定間隔を維持するためには活物質を
含む電極スラリーを押出機を用いて押出コーティングする方法で製造することが望ましい。また、活物質を含む電極スラリーである場合は、ディップコーティング(dip co
ating)または押出機を使用する押出コーティング法で製造することもできる。このようにして製造された電極を前記リチウムイオン供給コア部110の外面に適用して内部電極120を形成する。
【0062】
次いで、前記内部電極120を包むように高分子電解質層からなる分離層130を形成する。電解質層である前記分離層130を形成する方法も特に限定されないが、線型であるケーブル型二次電池の特性上、押出コーティング法で製造することが容易である。
【0063】
コーティングされた電解質である前記分離層130の外面に、外部電極活物質層140をコーティングして形成する。内部電極活物質層のコーティング方法を外部電極活物質層140のコーティングにも同様に適用することができる。
【0064】
また、ワイヤ状の外部集電体を用意し、前記外部電極活物質層140の外面に巻いて、巻き取られたワイヤ型外部集電体150を形成する。
【0065】
このとき、前記外部集電体としては、巻き取られたシート型集電体、パイプ型集電体、またはメッシュ型集電体を適用することもできる。
【0066】
このとき、外部電極活物質層を外部集電体に予め形成した後、それを分離層上に適用して外部電極を形成することもできる。例えば、巻き取られたシート型集電体の場合、シート型集電体上に外部電極活物質層を形成し、それを所定の幅で切断してシート型外部電極を形成することができる。その後、前記外部電極活物質層が分離層に接するように、用意したシート型外部電極で分離層の外面を巻いて外部電極を分離層上に形成することができる。
【0067】
他には、外部電極の形成時に、分離層の外面を包むように外部集電体をまず形成し、前記外部集電体の外面を包むように外部電極活物質層を形成することもできる。
【0068】
一方、外部電極が、前記分離層の外面を囲んで形成された外部集電体、及び前記外部集電体の外面を囲み、前記分離層と接するように形成された外部電極活物質層を備える構造である場合、まず、前記分離層の外面に、例えば、ワイヤ型またはシート型の外部集電体を巻き取る。巻き取る方法を特に限定することはないが、ワイヤ型外部集電体の場合は巻線機を用いて分離層の外面に巻き取ることができる。また、巻き取られたワイヤ型またはシート型の外部集電体の外面に外部電極活物質層をコーティングする。このような外部電極活物質層は巻き取られたワイヤ型外部集電体を囲んで、分離層と接するように形成される。
【0069】
また、外部電極が、前記分離層の外面を囲んで形成された外部電極活物質層、及び前記外部電極活物質層内に被覆され、前記分離層の外面を離隔した状態で囲んで形成された外部集電体を備える構造である場合は、まず前記分離層の外面に最終的に得ようとする外部電極活物質層の一部を形成し、その上部を包むように外部集電体を形成し、前記外部集電体上に外部電極活物質層をさらに形成して前記外部集電体を完全に被覆する。このとき、外部集電体は、分離層と離隔した状態で外部電極活物質層の内部に存在するようになるため、集電体と活物質との間の電気接点を向上でき、電池特性の向上に寄与する。
【0070】
最後に、前記電極組立体150の外面を包むように保護被覆160を形成する。前記保護被覆160は絶縁体であって、空気中の水分及び外部衝撃から電極を保護するために最外面に形成される。保護被覆160としては、通常の高分子樹脂を使用でき、一例としてPVC、HDPE、またはエポキシ樹脂を使用することができる。
【0071】
以下、さらに他の可能な実施例を図4を参照して説明する。
【0072】
図4を参照すれば、一実施例による本発明のケーブル型二次電池200は、電解質を含む2以上のリチウムイオン供給コア部210;それぞれの前記リチウムイオン供給コア部の外面を囲んで形成され、内部電極活物質が外面にコーティングされた3次元網状構造のパイプ型内部集電体を含んで、互いに平行に配置される2以上の内部電極220;前記内部電極220の外面を囲んで形成され、電極の短絡を防止する分離層230;並びに前記分離層230の外面を囲んで形成された外部電極活物質層240、及び前記外部電極活物
質層240の外面を囲んで形成された外部集電体250を備える外部電極;を備える。このようなケーブル型二次電池200は、複数の電極からなる内部電極を備えるため、負極と正極とのバランス調整が容易であり、複数の電極を備えることで、断線を防止することができる。
【0073】
このような図4による複数の内部電極を備えるケーブル型二次電池の場合にも、上述したように、前記外部電極は、前記分離層の外面を囲んで形成された外部電極活物質層、及び前記外部電極活物質層の外面を囲んで形成された外部集電体を備える構造の外にも、前記分離層の外面を囲んで形成された外部集電体、及び前記外部集電体の外面を囲んで形成された外部電極活物質層を備える構造;前記分離層の外面を囲んで形成された外部集電体、及び前記外部集電体の外面を囲み、前記分離層と接するように形成された外部電極活物質層を備える構造;または、前記分離層の外面を囲んで形成された外部電極活物質層、及び前記外部電極活物質層内に被覆され、前記分離層の外面を離隔した状態で囲んで形成された外部集電体を備える構造であり得る。
【符号の説明】
【0074】
20:3次元網状構造の内部集電体
100、200:ケーブル型二次電池
110、210:リチウムイオン供給コア部
120、220:内部電極
130、230:分離層
140、240:外部電極活物質層
150、250:外部集電体
160、260:保護被覆
図1
図2
図3
図4