特許第6203834号(P6203834)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6203834-二次電池用陰極及びこれを含む二次電池 図000011
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6203834
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】二次電池用陰極及びこれを含む二次電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 4/131 20100101AFI20170914BHJP
   H01M 4/485 20100101ALI20170914BHJP
   H01M 4/62 20060101ALI20170914BHJP
   H01M 4/1391 20100101ALI20170914BHJP
   H01M 4/36 20060101ALN20170914BHJP
【FI】
   H01M4/131
   H01M4/485
   H01M4/62 Z
   H01M4/1391
   !H01M4/36 C
【請求項の数】19
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-514937(P2015-514937)
(86)(22)【出願日】2013年7月10日
(65)【公表番号】特表2015-518264(P2015-518264A)
(43)【公表日】2015年6月25日
(86)【国際出願番号】KR2013006122
(87)【国際公開番号】WO2014010930
(87)【国際公開日】20140116
【審査請求日】2014年12月2日
(31)【優先権主張番号】10-2012-0075122
(32)【優先日】2012年7月10日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100122161
【弁理士】
【氏名又は名称】渡部 崇
(72)【発明者】
【氏名】キュン−ホ・アン
(72)【発明者】
【氏名】チュル−ヘン・イ
(72)【発明者】
【氏名】ド−キュン・ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ミン−ジュン・キム
(72)【発明者】
【氏名】ジュン−ホーン・イ
(72)【発明者】
【氏名】イ−ジン・ジュン
【審査官】 青木 千歌子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−061930(JP,A)
【文献】 特開2012−119092(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 4/00− 4/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
陰極活物質を含む陰極合剤が集電体に塗布されている二次電池用陰極において、前記陰極活物質は、架橋高分子コーティング層が表面に形成されたリチウムチタン酸化物(LTO)粒子であって、前記コーティング層が形成されたリチウムチタン酸化物粒子は、各粒子の間に形成された気孔構造を維持し、前記架橋高分子はホスフェート系化合物であり、
前記ホスフェート系化合物から形成された前記架橋高分子コーティング層の厚さは0.001μm〜10μmの範囲であり、
前記ホスフェート系化合物は、下記の化学式1で表示されるホスフェート系アクリレート、下記の化学式2で表示されるパイロホスフェート系アクリレート、及びホスフェート系ウレタンアクリレートからなる群より選ばれる一つ以上であることを特徴とする二次電池用陰極:
【化1】
【化2】
前記化学式1及び2において、R及びRは、それぞれ独立に水素、メチル基、またはFであって、nは1〜20の整数である。
【請求項2】
前記陰極は、ホスフェート系化合物と重合可能な多官能性化合物をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の二次電池用陰極。
【請求項3】
前記多官能性化合物は、(メタ)アクリル酸エステル系化合物、不飽和カルボン酸系化合物、及びビニル系化合物からなる群より選ばれる1種以上であることを特徴とする、請求項2に記載の二次電池用陰極。
【請求項4】
前記(メタ)アクリル酸エステル系化合物は、分子内に(メタ)アクリレート基が2個以上含まれた(メタ)アクリレート系化合物であることを特徴とする、請求項3に記載の陰極。
【請求項5】
前記(メタ)アクリレート系化合物は、下記の化学式3で表示される単量体またはそのオリゴマーであることを特徴とする、請求項4に記載の二次電池用陰極:
【化3】
前記化学式3において、及びRは水素又はメチル基であり、は水素、置換または非置換のC―Cのアルキル基であって、mは1〜20の整数である。
【請求項6】
前記(メタ)アクリル酸エステル系化合物は、ジエチレングリコールジアクリレート(Di(EG)DA)、ジエチレングリコールジメタクリレート(Di(EG)DM)、エチレングリコールジメタクリレート(EGDM)、ジプロピレングリコールジアクリレート(Di(PG)DA)、ジプロピレングリコールジメタクリレート(Di(PG)DM)、エトキシル化トリメチロールプロパントリアクリレート(ETMPTA)、トリエチレングリコールジメタクリレート(Tri(EG)DM)、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(DPentA)、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、トリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPTM)、プロポキシル化(3)トリメチロールプロパントリアクリレート(PO(3)TMPTA)、プロポキシル化(6)トリメチロールプロパントリアクリレート(PO(6)TMPTA)、ポリエチレングリコールジアクリレート(PA1)及びポリエチレングリコールジメタクリレートで構成される群より選ばれる1種以上であることを特徴とする、請求項4に記載の二次電池用陰極。
【請求項7】
前記ホスフェート系化合物の含量は、前記陰極活物質100重量部に対して0.01重量部〜50重量部であることを特徴とする、請求項1に記載の二次電池用陰極。
【請求項8】
前記陰極の気孔率は10%〜50%であることを特徴とする、請求項1に記載の二次電池用陰極。
【請求項9】
請求項1に記載の二次電池用陰極の製造方法であって、
(A)陰極活物質としてリチウムチタン酸化物を含む陰極スラリーを集電体上に塗布及び乾燥するステップ;
(B)前記(A)で製造された陰極を前記ホスフェート系化合物が溶解された溶液に含浸させ、陰極活物質粒子の表面にホスフェート系化合物コーティング層を形成するステップ;及び、
(C)熱硬化、電子ビームまたはガンマ線の照射による光硬化、または30℃〜80℃での安定化反応を行い、前記ホスフェート系化合物を重合するステップ、を含み、
前記ホスフェート系化合物は、前記ホスフェート系化合物が溶解された前記溶液の溶媒重量を基準にして0.1%〜30%で含まれていることを特徴とする二次電池用陰極の製造方法。
【請求項10】
前記ホスフェート系化合物が溶解された溶液には、重合開始剤、電解液(可塑剤)及びリチウム塩が含まれていることを特徴とする、請求項9に記載の二次電池用陰極の製造方法。
【請求項11】
前記リチウム塩は、固形分の全体重量を基準にして1%〜30%で含まれていることを特徴とする、請求項10に記載の二次電池用陰極の製造方法。
【請求項12】
ステップ(B)の溶液に、ホスフェート系化合物と重合可能な多官能性化合物が、前記ホスフェート系化合物が溶解された前記溶液の溶媒重量を基準にして0.1%〜10%で含まれていることを特徴とする、請求項9に記載の二次電池用陰極の製造方法。
【請求項13】
請求項1に記載の二次電池用陰極の製造方法であって、
(a)陰極活物質としてリチウムチタン酸化物及び前記ホスフェート系化合物を含む陰極スラリーを集電体上に塗布及び乾燥するステップ;及び、
(b)前記(a)で製造された陰極に対して熱硬化、電子ビームまたはガンマ線の照射による光硬化、または30℃〜80℃での安定化反応を行い、前記ホスフェート系化合物を重合するステップ、を含み、
前記ホスフェート系化合物は、前記陰極スラリーの溶媒重量を基準にして0.1%〜30%で含まれていることを特徴とする二次電池用陰極の製造方法。
【請求項14】
請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載の二次電池用陰極を含むことを特徴とする二次電池。
【請求項15】
前記二次電池はリチウム二次電池であることを特徴とする、請求項14に記載の二次電池。
【請求項16】
請求項15に記載の二次電池を単位電池として含むことを特徴とする電池モジュール。
【請求項17】
請求項16に記載の電池モジュールを含むことを特徴とする電池パック。
【請求項18】
請求項17に記載の電池パックを含むことを特徴とするデバイス。
【請求項19】
前記デバイスは、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、プラグ―インハイブリッド電気自動車、または電力保存用システムであることを特徴とする、請求項18に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、陰極活物質を含む陰極合剤が集電体に塗布されている二次電池用陰極において、前記陰極活物質は、架橋高分子コーティング層が表面に形成されたリチウムチタン酸化物(Lithium Titanium Oxide:LTO)粒子であって、前記コーティング層が形成されたリチウムチタン酸化物粒子は、それぞれの粒子の間に形成された気孔構造を維持し、前記架橋高分子はホスフェート系化合物であることを特徴とする二次電池用陰極及びこれを含む二次電池に関する。
【背景技術】
【0002】
モバイル機器に対する技術開発と需要が増加すると共に、エネルギー源としての二次電池に対する需要が急激に増加しており、そのような二次電池の中でも、高いエネルギー密度と作動電位を示し、サイクル寿命が長く、自己放電率が低いリチウム二次電池が商用化されて広く使用されている。
【0003】
また、最近は、環境問題に対する関心が高まるにつれて、大気汚染の主要原因の一つであるガソリン車両、ディーゼル車両などの化石燃料を使用する車両に取って代わる電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)などに対する研究が大いに進められている。このような電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)などの動力源としては、主にニッケル水素金属(Ni―MH)二次電池が使用されているが、高いエネルギー密度、高い放電電圧及び出力安定性を有するリチウム二次電池を使用する研究が活発に進められており、一部は商用化されている。
【0004】
リチウム二次電池は、電極集電体上にそれぞれ活物質が塗布されている陽極と陰極との間に多孔性の分離膜が介在した電極組立体にリチウム塩を含む非水系電解質が含浸されている構造からなっている。
【0005】
このようなリチウム二次電池は、活物質のイオン伝導度を考慮した上で、電極の空隙度(porosity)を一定の水準以上に維持する必要がある。
【0006】
しかし、電極活物質を含む電極スラリーの製造過程で電極の空隙度が過度に減少し、結局、C―rateの急激な減少を誘発し得る。
【0007】
二次電池は、それぞれの用途に合わせて一定の水準以上のC―rateを維持しなければならず、特に、パワーを高めなければならない電動工具用二次電池や、電気自動車、ハイブリッド電気自動車用二次電池の場合は、遥かに高いC―rateが要求される。
【0008】
したがって、前記のような問題を解決できる技術に対する必要性が非常に高い実情にある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、前記のような従来技術の問題と過去から要請されてきた技術的課題を解決することを目的とする。
【0010】
本出願の発明者等は、深度ある研究と多様な実験を繰り返えした結果、架橋高分子としてホスフェート系化合物が表面に塗布されたリチウムチタン酸化物を陰極活物質として使用する場合、所望の効果を達成できることを確認し、本発明を完成するに至った。
【課題を解決するための手段】
【0011】
したがって、本発明は、陰極活物質を含む陰極合剤が集電体に塗布されている二次電池用陰極において、前記陰極活物質は、架橋高分子コーティング層が表面に形成されたリチウムチタン酸化物(Lithium Titanium Oxide:LTO)粒子であって、前記コーティング層が形成されたリチウムチタン酸化物粒子は、それぞれの粒子の間に形成された気孔構造を維持し、前記架橋高分子はホスフェート系化合物であることを特徴とする。
【0012】
本発明に係る二次電池用陰極は、ホスフェート系化合物が表面に塗布されたリチウムチタン酸化物を陰極活物質として使用し、電池の出力特性を向上させると同時に、電極界面の安定化によって寿命を向上させることができる。
【0013】
具体的に、前記リチウムチタン酸化物粒子は、コーティング層が表面に形成されたとしても、所定の気孔構造を維持することから、陰極活物質層の比表面積が広くなり、気孔の連結度が高くなり得るので、結果的に電解液の含浸比率が高くなり、速い充放電特性などを示すことができる。
【0014】
すなわち、前記ホスフェート系化合物は、ラジカルとの反応性に優れ、重合反応の進捗度向上を通じた陰極活物質の電気化学的安定性の向上を図るものと推測される。
【0015】
具体的に、LTO電極の場合、充電・放電時にTi4+<―――>Ti3+に変化しながら電解液分解反応を加速化することができ、また、塩(Salt)の陰イオンの場合、LTO触媒及び電気化学的反応を加速化することができる。このような側面で、ホスフェート基(Phosphate group)の場合、陰イオンとの結合を通じた安定化及び還元反応性が大きいTi3+に結合し、液体電解質の分解を減少させ得ると見なされ、また、生成された被膜は、構造的な分解反応を抑制する役割もする。
【0016】
さらに、陰極活物質として使用するリチウムチタン酸化物が所定の触媒として作用し、ホスフェート系化合物の架橋重合を促進させ得るので、前記効果を極大化することができる。
【0017】
一つの例として、前記ホスフェート系化合物は、下記の化学式1で表示されるホスフェート系アクリレート、下記の化学式2で表示されるパイロホスフェート系アクリレート、及びホスフェート系ウレタンアクリレートからなる群より選ばれる一つ以上であってもよい。
【0018】
【化1】
【化2】
【0019】
前記化学式1及び2において、R及びRは、それぞれ独立に水素、メチル基、またはFであって、nは、1〜20の整数である。
【0020】
より詳細には、前記化学式1及び/または化学式2において、Rは水素であって、nは1であってもよい。
【0021】
前記陰極は、ホスフェート系化合物と重合可能な多官能性化合物をさらに含めてもよい。
【0022】
前記ホスフェート系化合物と重合可能な多官能性化合物を共に使用して陰極活物質のコーティング層を形成する場合、電池の諸般の特性がさらに向上し得る。
【0023】
すなわち、リチウムイオンを効率的に配位可能な構造を通じて、優れた結合力を示すホスフェート系化合物と優れた弾力性の多官能性化合物を共に架橋重合し、陰極活物質のコーティング層を形成する場合、各物質の電気化学的特性と機械的特性とが互いに補完され得る。
【0024】
一つの例として、前記多官能性化合物は、(メタ)アクリル酸エステル系化合物、不飽和カルボン酸系化合物、及びビニル系化合物からなる群より選ばれた1種以上であってもよい。
【0025】
前記(メタ)アクリル酸エステル系化合物は、分子内にアクリレート基が2個以上含まれた(メタ)アクリレート系化合物であって、このような(メタ)アクリレート系化合物は、下記の化学式3で表示される単量体またはそのオリゴマーであってもよい。
【0026】
【化3】
【0027】
前記式において、R、R及びRは、それぞれ独立に水素、置換または非置換のC1―C4のアルキル基であり、mは1〜20の整数である。
【0028】
また、前記(メタ)アクリル酸エステル系化合物は、ジエチレングリコールジアクリレート(diethylene glycol diacrylate;Di(EG)DA)、ジエチレングリコールジメタクリレート(diethylene glycol dimethacrylate;Di(EG)DM)、エチレングリコールジメタクリレート(ethylene glycol dimethacrylate;EGDM)、ジプロピレングリコールジアクリレート(dipropylene glycol diacrylate;Di(PG)DA)、ジプロピレングリコールジメタクリレート(dipropylene glycol dimethacrylate;Di(PG)DM)、エチレングリコールジビニルエーテル(ethylene glycol divinyl ether;EGDVE)、エトキシル化トリメチロールプロパントリアクリレート(ethoxylated trimethylolpropane triacrylate;ETMPTA)、ジエチレングリコールジビニルエーテル(diethylene glycol divinyl ether;Di(EG)DVE)、トリエチレングリコールジメタクリレート(triethylene glycol dimethacrylate;Tri(EG)DM)、ジペタエリスリトールペンタアクリレート(dipentaerythritol pentaacrylate;DPentA)、トリメチロールプロパントリアクリレート(trimethylolpropane triacrylate、TMPTA)、トリメチロールプロパントリメタクリレート(trimethylolpropane trimethacrylate、TMPTM)、プロポキシル化(3)トリメチロールプロパントリアクリレート(propoxylated(3)trimethylolpropane triacrylate;PO(3)TMPTA)、プロポキシル化(6)トリメチロールプロパントリアクリレート(propoxylated(6)trimethylopropane triacrylate;PO(6)TMPTA)、ポリエチレングリコールジアクリレート(poly(ethylene glycol)diacrylate、PA1)及びポリエチレングリコールジメタクリレート(poly(ethylene glycol)dimethaacrylate)で構成される群より選ばれる1種以上であってもよいが、前記化合物のみに制限されることはない。
【0029】
前記多官能性化合物は、ホスフェート系化合物と多様な形態の共重合体、例えば、ランダムコポリマー、ブロックコポリマー、グラフトコポリマーなどを形成してもよいことは当然である。
【0030】
前記ホスフェート系化合物の含量は、陰極活物質100重量部に対して0.01重量部〜50重量部であってもよく、具体的には1重量部〜30重量部であってもよい。
【0031】
前記ホスフェート系化合物のコーティング層の厚さは、0.001μm〜10μmであってもよく、具体的には0.1μm〜5μmであってもよい。
【0032】
このような前記陰極の気孔率は、10%〜50%であってもよく、具体的には30%〜40%であってもよい。
【0033】
前記‘気孔率’は、多孔質材料において空いている部分がその全体の体積に占める比率を意味し、気孔度または空隙度などと表現することもある。
【0034】
本発明に係る二次電池用陰極は、
(A)陰極活物質としてリチウムチタン酸化物を含む陰極スラリーを集電体上に塗布及び乾燥するステップ;
(B)前記(A)で製造された陰極を前記ホスフェート系化合物が溶解された溶液に含浸させ、陰極活物質粒子の表面にホスフェート系化合物コーティング層を形成するステップ;
(C)熱硬化、電子ビームまたはガンマ線の照射による光硬化、または30℃〜80℃での安定化反応を行い、前記ホスフェート系化合物を重合するステップ;を含む方法で製造されてもよい。
【0035】
前記ステップ(B)において、ホスフェート系化合物は、溶媒重量を基準にして0.1重量%〜30重量%で含まれてもよい。
【0036】
前記ホスフェート系化合物の比率が0.1重量%未満である場合は、コーティング層の形成が難しく、その一方、30重量%を超える場合は、リチウムイオン伝達速度が減少し、電池性能が低下し得る。これは、ホスフェート系化合物に前記多官能性化合物が添加される場合にも同様である。すなわち、ホスフェート系化合物と前記多官能性化合物の全体重量は、溶媒重量を基準にして0.1重量%〜30重量%であってもよく、具体的には1重量%〜20重量%であってもよい。
【0037】
前記ステップ(B)の溶液には、ホスフェート系化合物と重合可能な多官能性化合物が溶媒重量を基準にして0.1重量%〜10重量%で含まれてもよく、より詳細には、0.1重量%〜0.5重量%で含まれてもよい。これより過度に少ない場合は、その効果を発揮しにくく、これより過度に多い場合は、ホスフェート系化合物との重合が難しくなり得るので好ましくない。
【0038】
前記ホスフェート系化合物が溶解された溶液には、重合開始剤、電解液(可塑剤)及びリチウム塩が含まれていてもよい。
【0039】
前記重合開始剤としては、例えば、2,2―アゾビス(2―シアノブタン)、2,2―アゾビス(メチルブチロニトリル)、2,2’―アゾイソブチロニトリル(AIBN)、アゾビスジメチル―バレロニトリル(AMVN)などのアゾ(azo)系列の化合物;ベンゾイル過酸化物、アセチル過酸化物、ジラウリル過酸化物、ジ―t―ブチル過酸化物(Di―tert―butyl peroxide)、酸化されたクミル過酸化物、過酸化水素などの過酸化物(peroxy)系列の化合物;及びヒドロ過酸化物類などが使用されてもよく、具体的には、AIBN、2,2’―アゾビス(2,4―ジメチルバレロニトリル)(V65)、ジ―(4―ターシャリーブチルシクロヘキシル)―ペルオキシジカーボネート(DBC)などが使用されてもよい。
【0040】
前記重合開始剤は、40℃〜80℃の所定の温度で分解してラジカルを形成し、フリーラジカル重合によってモノマーと反応することができる。一般に、フリーラジカル重合は、反応性の強い一時的な各分子または活性点が形成される開始反応、活性連鎖末端に単量体が付加され、再び鎖末端に活性点が形成される成長反応、活性点を他の各分子に移動させる連鎖移動反応、活性連鎖中心が破壊される停止反応の過程を通じて行われる。一方、重合開始剤を使用せずに重合を行ってもよいことは当然である。
【0041】
前記電解液は、可塑剤としての役割も行い、前記電解液としては、例えば、N―メチル―2―ピロリジノン、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ブチレンカーボネート(BC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ガンマ―ブチロラクトン、1,2―ジメトキシエタン、テトラヒドロキシフラン(franc)、2―メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、1,3―ジオキソラン、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジオキソラン、アセトニトリル、ニトロメタン、ギ酸メチル、酢酸メチル、リン酸トリエステル、トリメトキシメタン、ジオキソラン誘導体、スルホラン、メチルスルホラン、1,3―ジメチル―2―イミダゾリジノン、プロピレンカーボネート誘導体、テトラヒドロフラン誘導体、エーテル、ピロピオン酸メチル、プロピオン酸エチルなどの非プロトン性有機溶媒が使用されてもよい。これらは、一つまたは二つ以上の混合形態で使用されてもよい。
【0042】
前記リチウム塩は、非水系電解液に溶解され、リチウムイオンが解離される物質であって、前記リチウム塩としては、例えば、LiCl、LiBr、LiI、LiClO、LiBF、LiB10Cl10、LiPF、LiCFSO、LiCFCO、LiAsF、LiSbF、LiAlCl、CHSOLi、CFSOLi、(CFSONLi、クロロボランリチウム、低級脂肪族カルボン酸リチウム、4フェニルホウ酸リチウム、イミドなどが使用されてもよい。これらは、一つまたは二つ以上の混合形態で使用されてもよい。
【0043】
このようなリチウム塩は、全体の固形分に対して0.01重量%〜30重量%の含量で含まれてもよく、具体的には0.1重量%〜20重量%の含量で含まれてもよい。
【0044】
また、前記電解液には、充放電特性、難燃性などの改善を目的として、例えば、ピリジン、トリエチルホスファイト、トリエタノールアミン、環状エーテル、エチレンジアミン、n―グリム(glyme)、ヘキサリン酸トリアミド、ニトロベンゼン誘導体、硫黄、キノンイミン染料、N―置換オキサゾリジノン、N,N―置換イミダゾリジン、エチレングリコールジアルキルエーテル、アンモニウム塩、ピロール、2―メトキシエタノール、三塩化アルミニウムなどが添加されてもよい。場合に応じては、不燃性を付与するために、四塩化炭素、三フッ化エチレンなどのハロゲン含有溶媒をさらに含ませてもよく、高温保存特性を向上させるために二酸化炭酸ガスをさらに含ませてもよい。
【0045】
更に他の例において、本発明に係る二次電池用陰極は、
(a)陰極活物質としてリチウムチタン酸化物及び前記ホスフェート系化合物を含む陰極スラリーを集電体上に塗布及び乾燥するステップ;
(b)前記(a)で製造された陰極に対して熱硬化、電子ビームまたはガンマ線の照射による光硬化、または30℃〜80℃での安定化反応を行い、前記ホスフェート系化合物を重合するステップを含んで製造されてもよい。
【0046】
また、本発明は、前記二次電池用陰極を含む二次電池を提供する。
【0047】
前記二次電池は、陽極と陰極との間に分離膜が介在した電極組立体に電解液が含まれるように構成して製造される。
【0048】
前記陽極は、例えば、陽極集電体上に陽極活物質、導電剤及びバインダーの混合物を塗布した後、乾燥及びプレッシングすることによって製造され、必要に応じて、前記混合物に充填剤をさらに添加してもよい。
【0049】
前記陽極集電体は、一般に3μm〜500μmの厚さに製作する。このような陽極集電体としては、当該電池に化学的変化を誘発しないと共に、高い導電性を有するものであれば特別に制限されなく、例えば、ステンレススチール、アルミニウム、ニッケル、チタン、焼成炭素、またはアルミニウムやステンレススチールの表面をカーボン、ニッケル、チタン、銀などで表面処理したものなどが使用されてもよい。集電体は、その表面に微細な凹凸を形成することによって陽極活物質の接着力を高めることもでき、フィルム、シート、ホイル、ネット、多孔質体、発泡体、不織布体などの多様な形態が可能である。
【0050】
前記陽極活物質としては、リチウムコバルト酸化物(LiCoO)、リチウムニッケル酸化物(LiNiO)などの層状化合物や、1またはそれ以上の遷移金属に置換された化合物;化学式Li1+xMn2−x(ここで、xは、0〜0.33である)、LiMnO、LiMn、LiMnOなどのリチウムマンガン酸化物;リチウム銅酸化物(LiCuO);LiV、LiFe、V、Cuなどのバナジウム酸化物;化学式LiNi1−x(ここで、M=Co、Mn、Al、Cu、Fe、Mg、BまたはGaであって、x=0.01〜0.3である)で表現されるNiサイト型リチウムニッケル酸化物;化学式LiMn2−x(ここで、M=Co、Ni、Fe、Cr、ZnまたはTaであって、x=0.01〜0.1である)またはLiMnMO(ここで、M=Fe、Co、Ni、CuまたはZnである)で表現されるリチウムマンガン複合酸化物;化学式のLiの一部がアルカリ土類金属イオンに置換されたLiMn;ジスルフィド化合物;Fe(MoOなどを挙げてもよいが、これらのみに限定されることはない。
【0051】
前記導電剤は、通常、陽極活物質を含む混合物の全体重量を基準にして1重量%〜50重量%で添加される。このような導電剤としては、当該電池に化学的変化を誘発しないと共に、導電性を有するものであれば特別に制限されなく、例えば、天然黒鉛や人造黒鉛などの黒鉛;カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サマーブラックなどのカーボンブラック;炭素繊維や金属繊維などの導電性繊維;フッ化カーボン、アルミニウム、ニッケル粉末などの金属粉末;酸化亜鉛、チタン酸カリウムなどの導電性ウィスカー;酸化チタンなどの導電性金属酸化物;ポリフェニレン誘導体などの導電性素材などが使用されてもよい。
【0052】
前記バインダーは、活物質と導電剤などの結合と集電体に対する結合を補助する成分であって、通常、陽極活物質を含む混合物の全体重量を基準にして1重量%〜50重量%で添加される。このようなバインダーの例としては、ポリフッ化ビニリデン、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース(CMC)、澱粉、ヒドロキシプロピルセルロース、再生セルロース、ポリビニルピロリドン、テトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン―プロピレン―ジエンテルポリマー(EPDM)、スルホン化EPDM、スチレンブチレンゴム、フッ素ゴム、多様な共重合体などを挙げてもよい。
【0053】
前記充填剤は、陽極の膨張を抑制する成分として選択的に使用され、当該電池に化学的変化を誘発しないと共に、繊維状材料であれば特別に制限されるものではなく、前記充填剤としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレフィン系重合体;ガラス繊維、炭素繊維などの繊維状物質が使用される。
【0054】
前記陰極は、陰極集電体上に陰極活物質を塗布・乾燥することによって製作され、必要に応じて、上述した成分をさらに含めてもよい。
【0055】
前記陰極集電体は、一般に3μm〜500μmの厚さに製作される。このような陰極集電体は、当該電池に化学的変化を誘発しないと共に、導電性を有するものであれば特別に制限されず、陰極集電体としては、例えば、銅、ステンレススチール、アルミニウム、ニッケル、チタン、焼成炭素、銅やステンレススチールの表面をカーボン、ニッケル、チタン、銀などで表面処理したもの、アルミニウム―カドミウム合金などが使用されてもよい。また、陽極集電体と同様に、前記陰極集電体は、表面に微細な凹凸を形成することによって陰極活物質の結合力を強化させることもでき、フィルム、シート、ホイル、ネット、多孔質体、発泡体、不織布体などの多様な形態で使用されてもよい。
【0056】
前記陰極活物質としては、上述したように、リチウムチタン酸化物を使用してもよい。
【0057】
前記リチウムチタン酸化物は、具体的には、LiTi12、LiTiまたはその混合物であってもよく、より具体的にはLiTi12であってもよい。
【0058】
さらに、前記陰極活物質としては、難黒鉛化炭素、黒鉛系炭素などの炭素;LiFe(0≦x≦1)、LiWO(0≦x≦1)、SnMe1−xMe’(Me:Mn、Fe、Pb、Ge;Me’:Al、B、P、Si、周期律表の1族、2族、3族元素、ハロゲン;0<x≦1;1≦y≦3;1≦z≦8)などの金属複合酸化物;リチウム金属;リチウム合金;ケイ素系合金;スズ系合金;SnO、SnO、PbO、PbO、Pb、Pb、Sb、Sb、Sb、GeO、GeO、Bi、Bi、及びBiなどの金属酸化物;ポリアセチレンなどの導電性高分子;Li―Co―Ni系材料などを混合して使用してもよい。
【0059】
本発明に係る二次電池は、リチウム二次電池であってもよく、例えば、リチウム金属二次電池、リチウムイオン二次電池、リチウムポリマー二次電池またはリチウムイオンポリマー二次電池などであってもよい。前記二次電池は多様な形態に製造されてもよく、例えば、電極組立体は、ゼリーロール型、スタック型、スタック/フォルディング型などに製作されてもよく、電池の形態は、円筒形缶、角形缶または金属層及び樹脂層を含むラミネートシートの電池ケースなどに内蔵されている形態であってもよい。これは、当業界に広く知られているので、これについての詳細な説明は省略する。
【0060】
前記二次電池は、小型電子機器のみならず、下記で説明するように中大型デバイスの電源として使用されてもよい。
【0061】
また、本発明は、前記二次電池を単位電池として含む電池モジュールを提供し、前記電池モジュールを含む電池パックを提供する。
【0062】
前記電池パックは、高温安定性、長いサイクル特性及び高いレート特性などが要求される中大型デバイスの電源として使用されてもよい。
【0063】
前記中大型デバイスの具体的な例としては、電気モーターによって受けた動力によって動くパワーツール(power tool);電気自動車(Electric Vehicle、EV)、ハイブリッド電気自動車(Hybrid Electric Vehicle、HEV)、プラグ―インハイブリッド電気自動車(Plug―in Hybrid Electric Vehicle、PHEV)などを含む電気車;電気自転車(E―bike)、電気スクーター(E―scooter)を含む電気二輪車;電気ゴルフカート(electric golf cart);電力保存用システムなどを挙げてもよいが、これに限定されることはない。
【図面の簡単な説明】
【0064】
図1】実験例2による45℃チャンバーでのサイクル特性を比較したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0065】
以下では、実施例を通じて本発明の内容を詳細に説明するが、下記の実施例は本発明を例示するためのものであって、本発明の範疇がそれによって限定されることはない。
【0066】
<実施例1>
陰極の製造
陰極活物質(Li1.33Ti1.67)、導電材(Denka black)、バインダー(PVdF)を95:2.5:2.5の重量比でNMPに入れてミキシングすることによって陰極合剤を製造し、20μm厚の銅ホイルに前記陰極合剤を200μmの厚さでコーティングした後、圧延及び乾燥することによって陰極を製造した。
【0067】
前記の製造された陰極を、DMC溶媒にホスフェート系物質として下記の化学式aで表されるホスフェート系アクリレートを、溶媒重量を基準にして10重量%溶解させたコーティング溶液に30分間含浸させることによってコーティング層を形成し、これに電子ビームを照射し、ホスフェート系化合物コーティング層が形成された陰極を得た。
【0068】
【化4】
【0069】
電池の製造
陽極活物質としてはLiNi0.5Mn1.5を使用し、導電材(Denka black)、バインダー(PVdF)をそれぞれ95:2.5:2.5の重量比でNMPに入れてミキシングした後、20μm厚のアルミニウムホイルにコーティングし、圧延及び乾燥することによって陽極を製造した。
【0070】
このように製造された陰極と陽極との間に分離膜としてポリエチレン膜(Celgard、厚さ:20μm)を介在し、EC/EMC=1/2(vol%)溶媒にLiPFが1Mだけ溶けている液体電解液を使用してパウチ電池を製造した。
【0071】
<実施例2>
前記実施例1において、ホスフェート系物質としてパイロホスフェート系アクリレート(化学式2において、RはH、nは1)を使用したことを除いては、実施例1と同一の方法でパウチ電池を製造した。
【0072】
<実施例3>
前記実施例1において、ホスフェート系物質が含まれた溶液に多官能性化合物としてジペタエリスリトールペンタアクリレート(dipentaerythritol pentaacrylate;DPentA)を、溶媒重量を基準にして0.2重量%さらに添加したことを除いては、実施例1と同一の方法でパウチ電池を製造した。
【0073】
<実施例4>
前記実施例2において、ホスフェート系物質が含まれた溶液に多官能性化合物としてジペタエリスリトールペンタアクリレート(dipentaerythritol pentaacrylate;DPentA)を、溶媒重量を基準にして0.2重量%さらに添加したことを除いては、実施例2と同一の方法でパウチ電池を製造した。
【0074】
<実施例5>
陰極の製造
陰極活物質(Li1.33Ti1.67)、導電材(Denka black)、バインダー(PVdF)を95:2.5:2.5の重量比でNMPに入れてミキシングすることによって陰極合剤を製造し、20μm厚の銅ホイルに前記陰極合剤を200μmの厚さでコーティングした後、圧延及び乾燥することによって陰極を製造した。
【0075】
前記の製造された陰極を、DMC溶媒にホスフェート系物質として下記の化学式aで表されるホスフェート系アクリレートを、溶媒重量を基準にして0.2重量%溶解させたコーティング溶液に30分間含浸させることによってコーティング層を形成し、これに電子ビームを照射し、ホスフェート系化合物コーティング層が形成された陰極を得た。
【0076】
【化5】
【0077】
電池の製造
陽極活物質としてはLiNi0.5Mn1.5を使用し、導電材(Denka black)、バインダー(PVdF)をそれぞれ95:2.5:2.5の重量比でNMPに入れてミキシングした後、20μm厚のアルミニウムホイルにコーティングし、圧延及び乾燥することによって陽極を製造した。
【0078】
このように製造された陰極と陽極との間に分離膜としてポリエチレン膜(Celgard、厚さ:20μm)を介在し、EC/EMC=1/2(vol%)溶媒にLiPFが1Mだけ溶けている液体電解液を使用してパウチ電池を製造した。
【0079】
<実施例6>
前記実施例5において、ホスフェート系物質が含まれた溶液に多官能性化合物としてジペタエリスリトールペンタアクリレート(dipentaerythritol pentaacrylate;DPentA)を、溶媒重量を基準にして0.2重量%さらに添加したことを除いては、実施例5と同一の方法でパウチ電池を製造した。
【0080】
<比較例1>
前記実施例1において、製造された陰極にホスフェート系アクリレートを添加しないことを除いては、実施例1と同一の方法でパウチ電池を製造した。
【0081】
<比較例2>
前記実施例1において、化学式aの化合物を、溶媒重量を基準にして40重量%添加してコーティング溶液を製造したことを除いては、実施例1と同一の方法でパウチ電池を製造した。
【0082】
<実験例1>
前記実施例1〜6及び比較例1〜2で製造された電池(設計容量:10.2mAh)を2.75Vでフォーメーションし、2.75V―1.6VでC―rate充放電を進行した後、放電容量を確認し、その結果を下記の表1に示した。
【0083】
【表1】
【0084】
<実験例2>
前記実施例1、3及び比較例1、2で製造された電池を45℃のチャンバー内で1.6V〜2.75Vの区間で、5Cで充放電しながら5C/5Cサイクル特性を測定し、その結果を下記の図1に示した。
【0085】
本発明の属する分野で通常の知識を有する者であれば、前記の内容に基づいて本発明の範疇内で多様な応用及び変形が可能であろう。
【産業上の利用可能性】
【0086】
以上説明したように、本発明に係る二次電池用陰極は、ホスフェート系化合物が表面に塗布されたリチウムチタン酸化物を陰極活物質として使用し、優れた高温保存性及び高出力特性を示すだけでなく、電極界面安定化によって優れた寿命特性を示すことができる。
図1