【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を達成するため、本発明による二次電池の出力推定装置は、少なくとも第1正極材と第2正極材とが混合された混合正極材を含む二次電池の出力を推定する装置であって、相異なる複数の放電率(C−rate)条件で二次電池を放電させる放電手段と、前記複数の放電率条件に対応する複数の放電終了電圧(V
f)を測定するセンサー手段と、前記複数の放電率と前記複数の放電終了電圧との間の相関関係を2次元の線形方程式に近似し、前記線形方程式を用いて放電下限電圧(V
min)に対応する二次電池の最大放電率(C
max)を計算し、計算された最大放電率から二次電池の最大出力(P
max)を推定する制御手段と、を含む。
【0010】
上記の課題を達成するため、本発明による二次電池の出力推定方法は、(a)少なくとも第1正極材と第2正極材とが混合された混合正極材を含む二次電池を相異なる複数の放電率(C−rate)条件で放電させる段階と、(b)前記複数の放電率条件に対応する複数の放電終了電圧(V
f)を測定する段階と、(c)前記複数の放電率と前記複数の放電終了電圧との間の相関関係を2次元の線形方程式に近似し、前記線形方程式を用いて放電下限電圧(V
min)に対応する二次電池の最大放電率(C
max)を計算する段階と、(d)前記計算された最大放電率から二次電池の最大出力(P
max)を推定する段階と、を含む。
【0011】
一態様によれば、前記放電手段は、相異なる複数の放電率条件で二次電池を一定時間間隔を置いてパルス放電させる。
別の態様によれば、前記複数の放電率条件は、二次電池の充電状態(SOC:State Of Charge)毎に測定したI−Vプロファイルで観察される転移放電率の最大値より大きい。
【0012】
ここで、前記I−Vプロファイルは、同じ充電状態の二次電池を相異なる放電率で一定時間放電させた直後に測定した二次電池の放電終了電圧(V
f)を放電率の変化に従って図化したグラフである。
前記I−Vプロファイルは、同じ充電状態条件で放電率を変化させたとき、二次電池の動的電圧(Dynamic voltage)がどのくらい降下するのかを示す。前記I−V測定プロファイルは、通常、負の傾きを有する一次関数の形態である。
しかし、混合正極材を含む二次電池の場合、充電状態(または開放電圧)が特定の範囲に属するとき、前記I−V測定プロファイルは特定の放電率を基準にしてプロファイルの傾きが変わる。
このように、I−Vプロファイルの傾きが変化する放電率を転移放電率と定義でき、前記転移放電率は二次電池の充電状態(または開放電圧)に依存して変化する。前記I−V測定プロファイルは、二次電池の充電状態毎に図化し得る。
【0013】
また、さらに別の態様によれば、前記制御手段は、少なくとも2組の放電率及び放電終了電圧を用いて線形方程式を近似することができる。
また、さらに別の態様によれば、前記制御手段は、下記数式1及び数式2を用いて二次電池の最大放電率(C
max)と最大出力(P
max)を計算する。
ここで、前記最大放電率はC−rate単位で表されるが、アンペア(ampere)単位に変換して表すこともできることは自明である。
<数式1>
最大放電率(C
max)=(線形方程式のY切片−放電下限電圧)/線形方程式の傾きの絶対値
<数式2>
P
max=最大放電率(C
max)*放電下限電圧(V
min)
【0014】
本発明において、前記第1正極材及び第2正極材は、電圧の変化と共にこれらと反応する作動イオンの反応濃度が変化する。
このような場合、前記第1及び第2正極材を含む二次電池は、充電状態の変化に従って抵抗プロファイルを測定したとき、抵抗プロファイル上にコンベックス(convex)パターンを有し、コンベックスパターンの頂点を前後にして2つの変曲点が現れる。
また、前記第1及び第2正極材を含む二次電池は、充電状態の変化に従って開放電圧(OCV:Open Circuit Voltage)プロファイルを測定したとき、開放電圧プロファイル上に少なくとも1つの電圧平坦領域(plateau)を有する。
【0015】
ここで、前記作動イオンは、混合正極材を含む二次電池が充電または放電する過程で前記第1及び第2正極材と電気化学的反応をするイオンを指称する。
前記作動イオンは、二次電池の種類によって変わり得る。一例として、リチウム二次電池である場合、作動イオンはリチウムイオンであり得る。
前記電気化学的反応は、二次電池の充電と放電過程で伴われる前記第1及び第2正極材の酸化及び還元反応を含むものであって、二次電池の作動メカニズムによって変わり得る。
一例として、前記電気化学的反応は、作動イオンが前記第1正極材及び/または前記第2正極材の内部に挿入されるか又は逆に内部から脱離することを意味し得る。
このような場合、前記第1及び第2正極材に挿入される作動イオンの濃度、または、前記第1及び第2正極材から脱離する作動イオンの濃度は、二次電池の電圧の変化によって変わり得る。
【0016】
一例として、二次電池が放電する条件において、ある電圧帯域では前記第2正極材よりも前記第1正極材に作動イオンが優先的に挿入され、他の電圧帯域ではその逆になり得る。
別の例として、二次電池が充電される条件において、ある電圧帯域では前記第1正極材よりも前記第2正極材から作動イオンが優先的に脱離し、他の電圧帯域ではその逆になり得る。
以下では、二次電池が放電するとき、高い電圧帯域では作動イオンが前記第2正極材よりも第1正極材に優先的に挿入され、低い電圧帯域では作動イオンが前記第1正極材よりも第2正極材に優先的に挿入されるとして説明する。
【0017】
二次電池の開放電圧は、二次電池の充電または放電が中断し、二次電池が電気化学的に安定した状態にあるときに測定した電圧を意味する。前記開放電圧は、二次電池の充電状態と1:1の対応関係を有するため、充電状態と均等な概念であると言える。
本発明において、前記第1及び第2正極材として使用可能な物質は、二次電池の電圧レベルに従って作動イオンと反応する濃度が変わる物質であれば特に制限がない。
【0018】
一態様によれば、前記第1正極材は、一般化学式A[A
xM
y]O
2+z(AはLi、Na、及びKのうち少なくとも1つの元素を含む;MはNi、Co、Mn、Ca、Mg、Al、Ti、Si、Fe、Mo、V、Zr、Zn、Cu、Al、Mo、Sc、Zr、Ru、及びCrから選択された少なくとも1つの元素を含む;x≧0、1≦x+y≦2、−0.1≦z≦2;x、y、z、及びMに含まれた成分の化学量論係数は化合物が電気的中性を維持するように選択される)で表されるアルカリ金属化合物であり得る。
選択的に、前記第1正極材は、米国特許第6,677,082号(特許文献1)、米国特許第6,680,143号(特許文献2)などに開示されたアルカリ金属化合物xLiM
1O
2‐(1‐x)Li
2M
2O
3(M
1は平均酸化状態3を有する少なくとも1つの元素を含む;M
2は平均酸化状態4を有する少なくとも1つの元素を含む;0≦x≦1)であり得る。
【0019】
別の態様によれば、前記第2正極材は、一般化学式Li
aM
1xFe
1‐xM
2yP
1‐yM
3zO
4‐z(M
1はTi、Si、Mn、Co、Fe、V、Cr、Mo、Ni、Nd、Al、Mg、及びAlから選択された少なくとも1つの元素を含む;M
2はTi、Si、Mn、Co、Fe、V、Cr、Mo、Ni、Nd、Al、Mg、Al、As、Sb、Si、Ge、V、及びSから選択された少なくとも1つの元素を含む;M
3はFを含むハロゲン族元素から選択された少なくとも1つの元素を含む;0<a≦2、0≦x≦1、0≦y<1、0≦z<1;a、x、y、z、M
1、M
2、及びM
3に含まれた成分の化学量論係数は化合物が電気的中性を維持するように選択される)、または、Li
3M
2(PO
4)
3(MはTi、Si、Mn、Fe、Co、V、Cr、Mo、Ni、Al、Mg、及びAlから選択された少なくとも1つの元素を含む)で表されるリチウム金属フォスフェートであり得る。
【0020】
さらに別の態様によれば、前記第1正極材は、Li[Li
aNi
bCo
cMn
dO
2+z](a≧0;a+b+c+d=1;b、c、及びdのうち少なくとも1つは0でない;0.1≦z≦2)であり得る。また、前記第2正極材は、LiFePO
4、LiMn
xFe
yPO
4(0<x+y≦1)、及びLi
3Fe
2(PO
4)
3からなる群より選択された1つ以上であり得る。
さらに別の態様によれば、前記第1正極材及び/または前記第2正極材は、コーティング層を含むことができる。前記コーティング層は炭素層を含むか、若しくは、Ti、Si、Mn、Co、Fe、V、Cr、Mo、Ni、Nd、Al、Mg、Al、As、Sb、Si、Ge、V、及びSからなる群より選択された少なくとも1つの元素を含む酸化物層またはフッ化物層を含むことができる。
【0021】
本発明において、前記第1正極材と第2正極材との混合比率は、製造しようとする二次電池の用途と性能を考慮し、放電抵抗プロファイルでコンベックスパターンが現れるか又は開放電圧プロファイルで少なくとも1つの電圧平坦領域が現れるように選択する。
一実施態様として、放電出力に優れた二次電池を所望する場合、Li[Ni
1/3Mn
1/3Co
1/3]O
2とLiFePO
4をそれぞれ第1正極材と第2正極材として選択し、第1正極材と第2正極材との混合比率を5:5に設定することができる。
別の実施態様として、高温安全性に優れた二次電池を所望する場合、Li[Ni
1/3Mn
1/3Co
1/3]O
2とLiFePO
4をそれぞれ第1正極材と第2正極材として選択し、第1正極材と第2正極材との混合比率を2:8に設定することができる。
【0022】
さらに別の実施態様として、製造コストが安い二次電池を所望する場合、Li[Ni
1/3Mn
1/3Co
1/3]O
2とLiFePO
4をそれぞれ第1正極材と第2正極材として選択し、第1正極材と第2正極材との混合比率を1:9に設定することができる。
さらに別の実施態様として、放電出力が良く高温安全性に優れた二次電池を所望する場合、[Ni
1/3Mn
1/3Co
1/3]O
2とLiFePO
4をそれぞれ第1正極材と第2正極材として選択し、第1正極材と第2正極材との混合比率を4:6に設定することができる。
さらに別の実施態様として、重量当りの容量が大きい二次電池を所望する場合、Li[Ni
0.5Mn
0.3Co
0.2]O
2とLiFePO
4をそれぞれ第1正極材と第2正極材として選択し、第1正極材と第2正極材との混合比率を9:1に設定することができる。
【0023】
上述した前記第1及び第2正極材の選択と混合比率の調節方式は、一例に過ぎない。したがって、混合正極材に与えようとする電気化学的物性の相対的加重値とバランスを考慮して前記第1及び第2正極材を適切に選択し、それぞれの正極材の混合比率を適切に設定できることは当業者にとって自明である。
【0024】
本発明において、前記混合正極材に含まれ得る正極材の数は2種に限定されない。一実施態様として、前記混合正極材は3種の相異なる正極材を含むことができ、その例としては、LiMn
2O
4、Li[Li
aNi
xCo
yMn
zO
2](a≧0;x+y+z=1;x、y、及びzのうち少なくとも1つは0でない)、及びLiFePO
4が含まれた混合正極材が挙げられる。さらに別の実施態様として、前記混合正極材は4種の相異なる正極材を含むことができ、その例としてはLiNiO
2、LiMn
2O
4、Li[Li
aNi
xCo
yMn
zO
2](a≧0;x+y+z=1;x、y、及びzのうち少なくとも1つは0でない)、及びLiFePO
4が含まれた混合正極材が挙げられる。
【0025】
また、混合正極材の物性を改善するために他の添加物、例えば導電材、バインダーなどを混合正極材に添加することは特に制限されない。したがって、少なくとも2つの正極材が含まれた混合正極材であれば、正極材の数と他の添加物の存在如何と関係なく、本発明の範疇に含まれると解釈することができる。
【0026】
本発明によれば、前記二次電池は、開放電圧を基準に予め定義された放電下限電圧と放電上限電圧との間で充電または放電する。一例として、前記放電下限電圧は2.0〜3.0Vであって、前記放電上限電圧は4.0〜4.6Vであり得る。以下、前記放電下限電圧と前記放電上限電圧との間の電圧範囲を二次電池の使用電圧範囲と称する。
ここで、前記使用電圧範囲は、第1正極材及び第2正極材の種類と混合比率によって変わり得、大きく3つの電圧区間、すなわち、第1正極材電圧区間(△V
1)、転移電圧区間(△V
t)、及び第2正極材電圧区間(△V
2)に分けられる。
ここで、前記第1正極材電圧区間(△V
1)は、二次電池が放電するとき、放電率の大きさと関係なく主に第1正極材に作動イオンが挿入される電圧区間である。また、前記転移電圧区間(△V
t)は、二次電池が放電するとき、特定の放電率(転移放電率)を基準に作動イオンが主に挿入される正極材が第1正極材から第2正極材に変更される電圧区間である。また、前記第2正極材電圧区間(△V
2)は、二次電池が放電するとき、放電率の大きさと関係なく主に第2正極材に作動イオンが挿入される電圧区間である。
【0027】
前記二次電池がパルス放電するとき、放電率(C−rate)を増加させれば、放電終了電圧(V
f)は放電率が増加するほど減少するようになる。すなわち、パルス放電する前の二次電池の開放電圧(OCV
0)が同じであっても(すなわち、充電状態が同じであっても)、放電率が増加するほど二次電池の放電終了電圧(V
f)が減少する。放電率が増加するほど二次電池から流れ出るエネルギーが増加して、二次電池の充電状態が低くなるためである。しかし、OCV
0が前記3つの電圧区間のどこに属するかによって、放電率の増加に伴う放電終了電圧(V
f)の減少パターンが変わり得る。
【0028】
<ケース1:OCV
0が第1正極材電圧区間(△V
1)に属する>
二次電池がパルス放電するとき、作動イオンが第1正極材に主に挿入されるため、二次電池の放電率に関係なく、放電終了電圧(V
f)が第1正極材の抵抗特性に依存性を見せながら減少する。したがって、I−Vプロファイルは、放電率の増加と共に放電終了電圧(V
f)が負の傾きを有して線形的に減少するパターンを有し、第1正極材電圧区間(△V
1)内でOCV
0が低くなるほど前記I−Vプロファイルは下方に移動する。
【0029】
<ケース2:OCV
0が転移電圧区間(△V
t)に属する>
二次電池がパルス放電するとき、転移放電率を基準に作動イオンが主に挿入される正極材の種類が第1正極材から第2正極材に変わる。
説明の便宜上、前記転移放電率より小さい放電率の区間を第1放電率区間とし、前記転移放電率区間より大きい放電率の区間を第2放電率区間とする。そして、前記第1放電率区間で観察されるI−Vプロファイルを第1プロファイルとし、前記第2放電率区間で観察されるI−Vプロファイルを第2プロファイルとする。
【0030】
前記二次電池がパルス放電するとき、放電率が前記第1放電率区間に属する場合は、作動イオンが前記ケース1と同様に第1正極材に主に挿入される。したがって、第1放電率区間で観察される第1プロファイルは、第1正極材の抵抗特性に依存して減少するパターンを見せる。しかし、前記第1プロファイルの減少する傾きは前記ケース1のI−Vプロファイルより大きい。第1正極材に挿入された作動イオンの量が増加するほど、第1正極材の抵抗が増加するためである。また、前記転移電圧区間(△V
t)内で、OCV
0が低いほど前記第1プロファイルの減少する傾きは増加する。前記転移電圧区間(△V
t)内でOCV
0が低くなるほど、第1正極材に作動イオンが挿入可能な容量が消尽しながら第1正極材の抵抗がさらに増加するためである。ここで、前記第1プロファイルの減少する傾きの増加程度は第1正極材の種類によって変わり得る。
【0031】
一方、前記二次電池が放電するとき、放電率が前記第2放電率区間に属する場合は、第1正極材に作動イオンが挿入可能な容量が実質的に消尽して、第2正極材に作動イオンが挿入され始める。したがって、第2放電率区間で観察される第2プロファイルは、第2正極材の抵抗特性に依存しながら減少するパターンを見せる。ただし、前記第2プロファイルの減少する傾きは前記第1プロファイルの減少する傾きより小さい。
【0032】
なお、OCV
0が前記転移電圧区間(△V
t)の下限電圧に該当し、二次電池の放電率が前記第2放電率区間に属する場合、前記第2放電率区間で観察される第2プロファイルは下方境界プロファイル(lower−bounded profile)と称し得る。OCV
0が前記転移電圧区間(△V
t)の下限電圧に近接するほど、第2放電率区間で観察される第2プロファイルが前記下方境界プロファイルに収束するためである。
また、前記転移放電率は一定値に固定されず、転移電圧区間(△V
t)内で二次電池のOCV
0が減少すれば、共に減少する傾向を有する。OCV
0が減少すれば、その分第1正極材に作動イオンが挿入可能な容量が減少して、二次電池が低い放電率で放電しても第2正極材に作動イオンが挿入され始めるためである。
【0033】
<ケース3:OCV
0が第2正極材電圧区間(△V
2)に属する>
二次電池がパルス放電するとき、放電率の大きさと関係なく、作動イオンが第2正極材に主に挿入される。したがって、全体放電率区間にわたってI−Vプロファイルは一定傾きを有して線形的に減少するパターンを有し、前記第2正極材電圧区間(△V
2)内でOCV
0が低いほどI−Vプロファイルの減少する傾きは増加する。OCV
0が低くなるほど、第2正極材に作動イオンが挿入可能な容量が消尽しながら、第2正極材の抵抗が共に増加するか又は負極材の抵抗が増加するためである。ここで、前記減少する傾きの増加程度は第2正極材の種類によって変わり得る。
【0034】
前記放電手段が異なる放電率で二次電池を放電させるとき、それぞれの放電率は前記転移放電率より大きく設定することが望ましい。
本発明において、前記放電手段が異なる放電率で二次電池を放電させるとき、それぞれの放電率は前記転移放電率の最大値より大きく設定することが望ましい。
本発明において、前記線形方程式を近似するときに使用する放電率と放電終了電圧(V
f)に関するデータ組をI−Vデータと定義するとき、前記I−Vデータの数は少なくとも2つ、望ましくは3つ以上であり得る。
一方、二次電池のOCV
0が転移電圧区間(△V
t)に属するとき、前記数式1及び数式2によって計算される最大出力
Pmaxは二次電池が出せる最大出力の下限値に該当する。したがって、二次電池が実際に出せる最大出力は計算された最大出力(P
max)より大きいか又は同じ値を有する。
【0035】
本発明による二次電池の出力推定装置は、前記制御手段と組み合わせられた表示手段をさらに含み得、前記制御手段は、前記表示手段を通じて前記推定された二次電池の最大出力を示すことができる。前記最大出力は、数字、文字、グラフ、またはこれらの組合せで示し得る。
本発明による二次電池の出力推定装置は、前記推定された二次電池の最大出力を外部のコントロールユニットに伝送することができる。
本発明による二次電池の出力推定装置は、前記制御手段と組み合わせられた保存手段をさらに含み得、前記制御手段は、前記複数の放電率及び放電終了電圧(V
f)、及び/または、前記近似した線形方程式の傾き及びY切片、及び/または、前記推定された二次電池の最大出力を前記保存手段に記録することができる。
【0036】
本発明による二次電池の出力推定装置は、電気駆動装置に含まれ得る。
一態様によれば、前記電気駆動装置は、携帯電話、ラップトップパソコン、タブレットパソコンなどのモバイルコンピューター装置、またはデジタルカメラ、ビデオカメラ、オーディオ/ビデオ再生装置などを含む手持ち式のマルチメディア装置であり得る。
別の態様によれば、前記電気駆動装置は、電気自動車、ハイブリッド自動車、電気自転車、電気バイク、電気列車、電気船、電気飛行機などのように電気によって移動可能な電気動力装置、または電気ドリル、電気グラインダーなどのようにモーターを備えるパワーツールであり得る。
さらに別の態様によれば、前記電気駆動装置は、電力グリッドに設けられて新再生エネルギーや余剰発電電力を貯蔵する大容量電力貯蔵装置、または停電などの非常状況でサーバーコンピューターや移動通信装備などを含む各種の情報通信装置の電源を供給する無停電電源供給装置であり得る。
【0037】
また、前記二次電池は、作動イオンが含まれた電解質と、正極と負極とを電気的に分離して作動イオンの移動を許可する分離膜をさらに含むことができる。
前記電解質は、作動イオンを含み、作動イオンを介して正極と負極で電気化学的な酸化または還元反応を行えるものであれば、その種類に特に制限がない。
前記二次電池は、また、前記正極、負極、及び分離膜を密封する包装材をさらに含むことができる。前記包装材は、化学的に安全性を有するものであれば、その材質に特に制限がない。
前記二次電池の外形は、包装材の構造によって決定される。前記包装材の構造は当業界で知られた多様な構造のうち1つであり得るが、代表的に円筒型、角形、パウチ型、コイン型などの構造を有し得る。