特許第6205300号(P6205300)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6205300-通信光可視化モジュール 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6205300
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】通信光可視化モジュール
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/46 20060101AFI20170914BHJP
   G02B 6/40 20060101ALI20170914BHJP
【FI】
   G02B6/46 301
   G02B6/40
【請求項の数】7
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-77920(P2014-77920)
(22)【出願日】2014年4月4日
(65)【公開番号】特開2015-200708(P2015-200708A)
(43)【公開日】2015年11月12日
【審査請求日】2016年4月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005083
【氏名又は名称】日立金属株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】399035766
【氏名又は名称】エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100068021
【弁理士】
【氏名又は名称】絹谷 信雄
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 香菜子
(72)【発明者】
【氏名】大越 幹夫
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 哲朗
(72)【発明者】
【氏名】西川 貴雄
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 智之
【審査官】 右田 昌士
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−221153(JP,A)
【文献】 特開2007−248732(JP,A)
【文献】 特開2005−309106(JP,A)
【文献】 特開平10−332948(JP,A)
【文献】 特開2011−150279(JP,A)
【文献】 特開2009−276628(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0287356(US,A1)
【文献】 欧州特許出願公開第02437090(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/00
G02B 6/20
G02B 6/24 − 6/255
G02B 6/36 − 6/40
G02B 6/46 − 6/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
漏洩光が取り出される光取出孔とコネクタが嵌挿される嵌挿口とを有する複数の通信光可視化アダプタと、
複数の前記通信光可視化アダプタが前記光取出孔を上方に向けると共に前記嵌挿口を側方に向けて縁部の一辺に沿わせるように並列して配置される底面と、前記底面を囲繞するように前記底面の縁部の上方に向けて起立して形成されると共に前記嵌挿口が配置される位置に形成されたコネクタ嵌挿用開口を有する下側壁面と、を有し、光に対して不透明である下側筐体と、
前記下側筐体及び複数の前記通信光可視化アダプタの前記光取出孔側を被覆する天面と、前記嵌挿口が配置される位置以外の前記下側壁面を囲繞するように前記天面の縁部の下方に向けて起立して形成されると共に前記嵌挿口が配置される位置以外の前記下側壁面と接触する上側壁面と、を有し、光に対して不透明である上側筐体と、
前記天面に取り付けられると共に前記光取出孔を開放する開位置と前記光取出孔を閉鎖する閉位置との間で移動可能に配置される蓋部材と、
を備え、
前記下側筐体は、前記嵌挿口が配置される位置の前記下側壁面の更に上方に向けて起立して形成されると共に前記上側壁面が形成されていない前記天面の縁部に接触する遮光面を更に有することを特徴とする通信光可視化モジュール。
【請求項2】
前記遮光面は、前記天面を超える高さまで起立して形成される請求項1に記載の通信光可視化モジュール。
【請求項3】
前記上側壁面が形成されていない前記天面の縁部を前記下側筐体に対して締結する複数の締結部材を更に有する請求項1又は2に記載の通信光可視化モジュール。
【請求項4】
前記蓋部材は、特定の光に対して透明である請求項1から3の何れか一項に記載の通信光可視化モジュール。
【請求項5】
前記下側筐体は、複数の前記通信光可視化アダプタから延在する光伝送路を相互に分離する光伝送路分離部を更に有する請求項1から4の何れか一項に記載の通信光可視化モジュール。
【請求項6】
前記下側筐体は、複数の前記通信光可視化アダプタから延在する光伝送路の余長部分が規定の曲げ半径で巻き付けられる余長巻回部を更に有する請求項1から5の何れか一項に記載の通信光可視化モジュール。
【請求項7】
前記下側筐体は、複数の前記通信光可視化アダプタから延在する光伝送路を保持する保持部を更に有する請求項1から6の何れか一項に記載の通信光可視化モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信光を可視化して光伝送路の使用/不使用の状態を目視で確認するための通信光可視化モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
光通信関連設備では、光伝送路の健全性を監視したり、人為的な通信用光コネクタの誤抜を防止したりするために、不可視光領域にある通信光を可視化して光伝送路の使用/不使用の状態(以下、通信状態という)を目視で確認している。
【0003】
具体的には、受光素子と表示部とが搭載された通信光検知器を光取出孔が形成されたアダプタ(以下、通信光可視化アダプタという)に取り付け、光伝送路で伝送されている通信光の一部が光伝送路の途中に形成されている光取出部を通じて光伝送路の外部に取り出されてなる漏洩光を、光取出孔を通じて受光素子で受光することにより、光伝送路で通信光が伝送されているか否かを検知し、更に人間が目視で確認することができる形態で光伝送路の通信状態を表示部に表示し、これを作業者が観察することで光伝送路の通信状態を目視で確認している(例えば、特許文献1から特許文献4を参照)。
【0004】
このとき、重大な通信障害を回避すべく、光伝送路で通信光が伝送されているか否かを高精度で検知する必要があるため、通信状態を確認したい光伝送路からの漏洩光のみを受光素子で受光することができるように、その他の光(以下、無関係光という)の影響から受光素子を保護するための十分な遮光性を確保することが重要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−145676号公報
【特許文献2】特開2010−231082号公報
【特許文献3】特開2011−013359号公報
【特許文献4】特開2011−013360号公報
【特許文献5】特開2011−060988号公報
【特許文献6】特開2011−013497号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
通信光可視化アダプタは、通常のアダプタに改良を加えたものであり、その形状は通常のアダプタと略同様であるため、通常のアダプタと共通の光成端箱に搭載された上で通信光可視化モジュールとして使用されていることが多いと考えられるが(例えば、特許文献5及び特許文献6を参照)、通常のアダプタを使用する際には、そもそも無関係光による影響を考慮する必要が無いことから、従来技術に係る通信光可視化モジュールでは、当然ながら、無関係光による影響から受光素子を保護するための十分な遮光性が確保されていない。
【0007】
そこで、本発明の目的は、無関係光による影響から受光素子を保護するための十分な遮光性を確保することが可能な通信光可視化モジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
発明は、漏洩光が取り出される光取出孔とコネクタが嵌挿される嵌挿口とを有する複数の通信光可視化アダプタと、複数の前記通信光可視化アダプタが前記光取出孔を上方に向けると共に前記嵌挿口を側方に向けて縁部の一辺に沿わせるように並列して配置される底面と、前記底面を囲繞するように前記底面の縁部の上方に向けて起立して形成されると共に前記嵌挿口が配置される位置に形成されたコネクタ嵌挿用開口を有する下側壁面と、を有し、光に対して不透明である下側筐体と、前記下側筐体及び複数の前記通信光可視化アダプタの前記光取出孔側を被覆する天面と、前記嵌挿口が配置される位置以外の前記下側壁面を囲繞するように前記天面の縁部の下方に向けて起立して形成されると共に前記嵌挿口が配置される位置以外の前記下側壁面と接触する上側壁面と、を有し、光に対して不透明である上側筐体と、前記天面に取り付けられると共に前記光取出孔を開放する開位置と前記光取出孔を閉鎖する閉位置との間で移動可能に配置される蓋部材と、を備え、前記下側筐体は、前記嵌挿口が配置される位置の前記下側壁面の更に上方に向けて起立して形成されると共に前記上側壁面が形成されていない前記天面の縁部に接触する遮光面を更に有する通信光可視化モジュールを提供する
【0009】
前記遮光面は、前記天面を超える高さまで起立して形成されると良い。
【0010】
前記下側筐体は、複数の前記通信光可視化アダプタから延在する光伝送路を相互に分離する光伝送路分離部を更に有すると良い。
【0011】
前記下側筐体は、複数の前記通信光可視化アダプタから延在する光伝送路の余長部分が規定の曲げ半径で巻き付けられる余長巻回部を更に有すると良い。
【0012】
前記下側筐体は、複数の前記通信光可視化アダプタから延在する光伝送路を保持する保持部を更に有すると良い。
【0013】
前記上側壁面が形成されていない前記天面の縁部を前記下側筐体に対して締結する複数の締結部材を更に有すると良い。
【0014】
前記蓋部材は、特定の光に対して透明であると良い。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、無関係光による影響から受光素子を保護するための十分な遮光性を確保することが可能な通信光可視化モジュールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明に係る通信光可視化モジュールを示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面にしたがって説明する。
【0018】
図1に示すように、本発明の好適な実施の形態に係る通信光可視化モジュール100は、漏洩光が取り出される光取出孔101とコネクタが嵌挿される嵌挿口102とを有する複数の通信光可視化アダプタ103と、底面104と下側壁面105とを有すると共に光に対して不透明である下側筐体106と、天面107と上側壁面108とを有すると共に光に対して不透明である上側筐体109と、光取出孔101を開放する開位置と光取出孔101を閉鎖する閉位置との間で移動可能に配置される蓋部材110と、を備えている。
【0019】
光取出孔101は、通信光検知器に搭載された受光素子が無関係光を受光して光伝送路の通信状態を正確に確認することができなくなることを防止するために受光素子を無関係光から遮光するように収容し、また通信光検知器が通信光可視化アダプタ103に取り付けられているときに漏洩光を受光素子に向けて取り出す機能を有している。
【0020】
ここで、漏洩光とは、光伝送路で伝送されている通信光の一部が光伝送路の途中に形成されている光取出部を通じて光伝送路の外部に取り出されてなる光を意味している。
【0021】
光取出部としては、従来より知られている軸ズレ部等を採用することができるが、光取出部についての説明は本発明の主旨から逸れるため、本明細書では詳細な説明を避ける。
【0022】
底面104は、複数の通信光可視化アダプタ103が光取出孔101を上方に向けると共に嵌挿口102を側方に向けて縁部の一辺に沿わせるように並列して配置される部分である。
【0023】
下側壁面105は、底面104を囲繞するように底面104の縁部の上方に向けて起立して形成されると共に嵌挿口102が配置される位置に形成されたコネクタ嵌挿用開口111を有する部分である。
【0024】
ここでは、底面104が略長方形の形状を呈しており、下側壁面105が前部に形成された下側前面部112と背部に形成された下側背面部113と側部に形成された2つの下側側面部114とからなり、嵌挿口102が下側前面部112に配置されており、下側前面部112にコネクタ嵌挿用開口111が形成されている形態を説明する。
【0025】
また、下側筐体106は、複数の通信光可視化アダプタ103から延在する光伝送路を相互に分離する光伝送路分離部115と、複数の通信光可視化アダプタ103から延在する光伝送路の余長部分が規定の曲げ半径で巻き付けられる余長巻回部116と、複数の通信光可視化アダプタ103から延在する光伝送路を保持する保持部117と、を更に有している。
【0026】
光伝送路分離部115は、棒状の形状を呈しており、複数の通信光可視化アダプタ103から延在する光伝送路を1経路ずつ分離して混線を防止するために、通信光可視化アダプタ103の数に対応して形成されている。
【0027】
余長巻回部116は、光伝送路分離部115を挟んで通信光可視化アダプタ103と反対側に形成されており、所定の曲げ半径(例えば、15mm)で複数の光伝送路を纏めて巻き回せるようになっている。
【0028】
保持部117は、光伝送路に限らず、光伝送路の途中に配置された光学部品等も保持するようにかぎ爪形状に形成されている。
【0029】
天面107は、下側筐体106を被覆する部分である。天面107には、蓋部材110が取り付けられており、その蓋部材110に形成されたタブ118を押すことにより、光取出孔101を閉鎖している蓋部材110の先端が持ち上がり、光取出孔101が開放されるようになっている。
【0030】
上側壁面108は、嵌挿口102が配置される位置以外の下側壁面105を囲繞するように天面107の縁部の下方に向けて起立して形成されると共に嵌挿口102が配置される位置以外の下側壁面105と接触する部分である。
【0031】
即ち、上側壁面108は、下側背面部113と殆ど隙間なく接触する上側背面部119と、下側側面部114と殆ど隙間なく接触する2つの上側側面部120と、を有している。
【0032】
これらにより、通信光可視化モジュール100では、下側壁面105と上側壁面108とが背部や側部で接触する、所謂カブセ蓋構造を成すことになるため、背部や側部から無関係光が進入することを防止することが可能となる。
【0033】
このように、通信光可視化モジュール100では、下側筐体106と上側筐体109とが光に対して不透明であるため(例えば、遮光のために光を吸収し易い黒色等に彩色されているため)、下側筐体106と上側筐体109とを全周に亘って殆ど隙間なく接触させることにより、内部に無関係光が進入することを防止することができる。
【0034】
ところが、通信光可視化モジュール100では、コネクタが通信光可視化アダプタ103の嵌挿口102に嵌挿されているときに、即ち、通信光可視化モジュール100の使用中に、下側筐体106から上側筐体109を取り外して内部のメンテナンス等を行うことがあるため、上側筐体109の前部に上側壁面108を形成してしまうと、上側壁面108とコネクタや光伝送路との機械的な干渉により、下側筐体106から上側筐体109を取り外すことができなくなる。
【0035】
この点を考慮して、上側筐体109は、下側筐体106と異なり下側前面部112に相当する部分を有していないことから、構造上、下側前面部112と十分に接触する部分が無く、使用環境の温度変化により、万が一、通信光可視化モジュール100が変形し、天面107が浮き上がったときに天面107と下側前面部112との隙間から、即ち、前部から内部に無関係光が進入し易いという問題を抱えている。
【0036】
この問題を解決して前部から内部に無関係光が進入することを防止すべく、下側筐体106は、嵌挿口102が配置される位置の下側壁面105の更に上方に向けて起立して形成されると共に上側壁面108が形成されていない天面107の縁部に接触する遮光面121を更に有している。
【0037】
遮光面121は、天面107の前部と接触するように下側前面部112の上方に起立して形成されているため、天面107が浮き上がったとしても、天面107と下側前面部112との間に隙間を発生させずに前部から内部に無関係光が進入することを防止する機能を有している。
【0038】
また、遮光面121は、天面107を超える高さまで起立して形成されていることが好ましい。これにより、天面107がより大きく浮き上がったとしても、前部から内部に無関係光が進入することを防止することができるからである。
【0039】
また、通信光可視化モジュール100は、上側壁面108が形成されていない天面107の縁部を下側筐体106に対して締結する複数の締結部材122を更に有していることが好ましい。これにより、天面107の浮き上がりを未然に防ぐことができる。
【0040】
以上の通り、通信光可視化モジュール100では、前述の問題を解決しており、無関係光による影響から受光素子を保護するための十分な遮光性を確保することが可能となる。
【0041】
なお、本発明は、前述の実施の形態に限定されるものでは無く、種々の変更を加えることが可能である。
【0042】
例えば、蓋部材110は、特定の光に対して透明であっても良い。これにより、特定の光として可視光を使用して光伝送路で伝送させたときに、蓋部材110を通じて可視光を目視で確認することができ、通信光検知器を使用しなくても、光伝送路の健全性を確認することが可能となる。
【符号の説明】
【0043】
100 通信光可視化モジュール
101 光取出孔
102 嵌挿口
103 通信光可視化アダプタ
104 底面
105 下側壁面
106 下側筐体
107 天面
108 上側壁面
109 上側筐体
110 蓋部材
111 コネクタ嵌挿用開口
112 下側前面部
113 下側背面部
114 下側側面部
115 光伝送路分離部
116 余長巻回部
117 保持部
118 タブ
119 上側背面部
120 上側側面部
121 遮光面
122 締結部材
図1