特許第6205356号(P6205356)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6205356
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】複素環化合物
(51)【国際特許分類】
   C07D 471/04 20060101AFI20170914BHJP
   A61K 31/4985 20060101ALI20170914BHJP
   A61K 31/506 20060101ALI20170914BHJP
   A61P 25/18 20060101ALI20170914BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20170914BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20170914BHJP
【FI】
   C07D471/04 120
   C07D471/04CSP
   A61K31/4985
   A61K31/506
   A61P25/18
   A61P25/28
   A61P43/00 111
【請求項の数】12
【全頁数】103
(21)【出願番号】特願2014-524898(P2014-524898)
(86)(22)【出願日】2013年7月12日
(86)【国際出願番号】JP2013069189
(87)【国際公開番号】WO2014010732
(87)【国際公開日】20140116
【審査請求日】2016年7月7日
(31)【優先権主張番号】特願2012-158096(P2012-158096)
(32)【優先日】2012年7月13日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002934
【氏名又は名称】武田薬品工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080791
【弁理士】
【氏名又は名称】高島 一
(74)【代理人】
【識別番号】100125070
【弁理士】
【氏名又は名称】土井 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100136629
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 光宜
(74)【代理人】
【識別番号】100121212
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 弥栄子
(74)【代理人】
【識別番号】100117743
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 美由紀
(74)【代理人】
【識別番号】100163658
【弁理士】
【氏名又は名称】小池 順造
(74)【代理人】
【識別番号】100174296
【弁理士】
【氏名又は名称】當麻 博文
(72)【発明者】
【氏名】中村 信二
(72)【発明者】
【氏名】味上 達
(72)【発明者】
【氏名】川崎 昌紀
(72)【発明者】
【氏名】野村 泉
(72)【発明者】
【氏名】芦沢 朋子
(72)【発明者】
【氏名】谷口 孝彦
【審査官】 杉江 渉
(56)【参考文献】
【文献】 特表2009−538853(JP,A)
【文献】 特表2008−526717(JP,A)
【文献】 特表2008−526716(JP,A)
【文献】 特表2006−519243(JP,A)
【文献】 特表2004−525098(JP,A)
【文献】 特開平11−292877(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/020521(WO,A1)
【文献】 国際公開第00/000478(WO,A1)
【文献】 国際公開第92/001938(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1):
【化1】

[式中、
およびRは、それぞれ独立して、水素原子または置換されていてもよいC1−6アルキル基を示すか、あるいは、RおよびRは結合して、隣接する炭素原子とともに、置換されていてもよい環を形成していてもよく、
Xは、置換されていてもよいメチレン基を示し、
Yは、置換されていてもよいメチレン基、酸素原子、−NR−(Rは、水素原子または置換されていてもよいC1−6アルキル基を示す。)または−S(O)−を示すか、あるいは、XおよびYを環構成原子として、置換されていてもよい環を形成していてもよく、
nは、0、1または2を示し、
環Aは、置換されていてもよい環状基を示すか、あるいは、Yが置換されたメチレン基であるとき、環Aは、メチレン基の置換基と一緒になって、置換されていてもよい縮合環を形成していてもよく、Yが−NR−であるとき、環Aは、Rと一緒になって、置換されていてもよい縮合環を形成していてもよく、
、−CRZ1=(RZ1は、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいC1−6アルキル基、置換されていてもよいC2−6アルケニル基、置換されていてもよいC2−6アルキニル基、置換されていてもよいC1−6アルコキシ基、置換されていてもよいアミノ基、シアノ基または置換されていてもよい環状基を示す。)を、
、−CRZ2=(RZ2は、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいC1−6アルキル基、置換されていてもよいC2−6アルケニル基、置換されていてもよいC2−6アルキニル基、置換されていてもよいC1−6アルコキシ基、置換されていてもよいアミノ基、シアノ基または置換されていてもよい環状基を示す。)を、
、−CRZ3=(RZ3は、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいC1−6アルキル基、置換されていてもよいC2−6アルケニル基、置換されていてもよいC2−6アルキニル基、置換されていてもよいC1−6アルコキシ基、置換されていてもよいアミノ基、シアノ基または置換されていてもよい環状基を示す。)を示し、
環Bは、環構成原子として炭素原子以外に窒素原子を1ないし2個含有する6員の芳香族複素環を示す。]
で表される化合物またはその塩。
【請求項2】
Xが、C1−6アルキル基で置換されていてもよいメチレン基である、請求項1記載の化合物またはその塩。
【請求項3】
環Aが、置換されていてもよい芳香環である、請求項1記載の化合物またはその塩。
【請求項4】
が、−CRZ1=(RZ1が、水素原子、置換されていてもよいピリジン−2−イル基または置換されていてもよいピラゾール−3−イル基である。)であり、
が、−CRZ2=(RZ2が、水素原子またはC1−6アルコキシ基である。)であり、かつ
が、−CH=である、請求項1記載の化合物またはその塩。
【請求項5】
およびRが、共に水素原子であり、
Xが、C1−6アルキル基で置換されていてもよいメチレン基であり、
Yが、酸素原子であり、
環Aが、置換されていてもよい芳香環であり、
が、−CRZ1=(RZ1は、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいC1−6アルキル基、置換されていてもよいC1−6アルコキシ基または置換されていてもよい芳香族複素環基である。)であり、
が、−CRZ2=(RZ2は、水素原子、置換されていてもよいC1−6アルキル基または置換されていてもよいC1−6アルコキシ基である。)であり、かつ
が、−CH=である、請求項1記載の化合物またはその塩。
【請求項6】
4-(2-(3-フルオロ-4-(1H-ピラゾール-1-イル)フェノキシ)-3-メチルブタノイル)-7-メトキシ-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オンまたはその塩。
【請求項7】
6-(1-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)-4-(2-(4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オンまたはその塩。
【請求項8】
請求項1記載の化合物またはその塩を含有してなる医薬。
【請求項9】
ホスホジエステラーゼ2A阻害薬である、請求項記載の医薬。
【請求項10】
統合失調症、注意欠陥障害/多動性障害、アルツハイマー病及び/または自閉症の予防または治療薬である、請求項記載の医薬。
【請求項11】
統合失調症、注意欠陥障害/多動性障害、アルツハイマー病及び/または自閉症の予防又は治療薬の製造のための、請求項1記載の化合物またはその塩の使用。
【請求項12】
統合失調症、注意欠陥障害/多動性障害、アルツハイマー病及び/または自閉症の予防又は治療に使用するための、請求項1記載の化合物またはその塩。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、PDE2A阻害作用を有し、統合失調症、アルツハイマー病などの予防・治療薬として有用な複素環化合物に関する。
【0002】
(発明の背景)
環状ヌクレオチドホスホジエステラーゼ(PDEs)は、二次メッセンジャーである環状アデノシン一リン酸(cAMP)及び環状グアノシン一リン酸(cGMP)の分解を制御することによって、それらの細胞内濃度を調節する酵素である。PDEsは21遺伝子によりコードされる酵素のスーパーファミリーであり、構造的及び機能的特徴により11の異なるファミリーに細分されている。該酵素は3’−エステル結合の加水分解を選択的に触媒し、不活性な5’−一リン酸塩を形成する。基質特異性に基づいて、PDEファミリーはさらに3つの群:i)cAMP−PDEs(PDE4、PDE7及びPDE8)、ii)cGMP−PDEs(PDE5、PDE6及びPDE9)、並びにiii)二重基質PDEs(PDE1、PDE2、PDE3、PDE10及びPDE11)に分類される。
【0003】
cAMP及びcGMPは、炎症誘発メディエーターの産生及び作用、イオンチャネル機能、筋弛緩、学習及び記憶形成、分化、アポトーシス、脂質生成、グリコーゲン分解、並びに糖新生など、事実上すべての生理学的プロセスに関与している。とりわけ、神経細胞においては、これらの二次メッセンジャーはシナプス伝達の調節及び神経細胞の分化と生存に重要な役割を果たしている(非特許文献1)。cAMP及びcGMPによるこれらのプロセスの制御は、さまざまな生理学的プロセスを調節する、転写因子、イオンチャネル及び受容体といった種々の基質をリン酸化するプロテインキナーゼA(PKA)及びプロテインキナーゼG(PKG)の活性化を伴う。細胞内のcAMP及びcGMP濃度は、細胞外シグナリングに応答したアデニル酸シクラーゼ及びグアニル酸シクラーゼの調節と、PDEsによるそれらの分解とによって、時間的、空間的及び機能的に区分されているらしい(非特許文献2)。PDEsは、環状ヌクレオチドであるcAMP及びcGMPを細胞内で分解する唯一の手段であり、故にPDEsは環状ヌクレオチドシグナル伝達において不可欠な役割を果たしている。そのため、PDEsは種々の治療薬にとって有望なターゲットとなり得る。
【0004】
ホスホジエステラーゼ2A(PDE2A)は、cAMP及びcGMPの両方を加水分解する二重基質酵素である。該酵素は4つのドメイン、即ちN末端、GAF−A、GAF−B及び触媒ドメインからなり、ホモダイマーとして機能する。PDE2Aの触媒活性はcGMP結合によってアロステリックに促進される。GAF−Bドメインは高親和性かつ高選択性にcGMPを結合する。cGMPの結合によりPDE2Aホモダイマーにコンフォーメーション変化が生じ、触媒活性が数倍以上に増大する(非特許文献3〜6)。対照的に、cAMPが生体内でPDE2Aの触媒活性を促進する例は、今のところ知られていない。さらに言えば、cAMPは30〜100倍低い親和性でしかGAF−Bに結合できない(非特許文献7および8)。PDE2A活性は、細胞のcGMP濃度が上昇した条件下において機能的に意味を持ち得るようになり、該酵素のGAFドメイン調節が生理学的な役割を示す。
【0005】
PDE2Aは、種々の組織で弱く発現しており、脳において高発現している。該活性及びタンパク質は最初、心臓、肝臓、副腎、血小板、内皮細胞及びマクロファージから見出された(非特許文献9〜14)。脳においては、尾状葉、側坐核、皮質(前頭皮質、頭頂皮質及び側頭皮質)並びに海馬でPDE2AのmRNAレベルが最も高く、他の脳領域での発現は少なくとも10倍低い(非特許文献15)。このことは、学習及び記憶形成に重要な領域において、PDE2Aが神経細胞内cAMP及びcGMPレベルを制御している可能性を示唆する。
【0006】
PDE2Aを阻害すると、認知機能を改善し得る程度にcAMP及びcGMPレベルが増大する。皮質ニューロンと海馬スライスのいずれにおいても、PDE2A阻害剤は、グアニル酸シクラーゼ活性化剤の存在下でcGMP濃度を強力に増大させ、また、フォルスコリン存在下でcAMP濃度を増大させる(非特許文献16)。PDE2A阻害剤はまた、弱い強縮性けいれん刺激に応答した海馬スライスにおける長期増強(LTP)の誘導を強力に増大させることが分かった。スライス中のLTPに及ぼすこの効果は、インビボでの学習及び記憶に及ぼす正の効果を示唆している(非特許文献16)。実際、同一のPDE2A阻害剤が、ラットにおける新奇物体認識試験と社会認知試験のいずれにおいても保持を増大させ、3、12及び24月齢ラットにおいて物体記憶及び物体認知を改善し、亜慢性PCP処理ラットにおける次元外−次元内(ED/ID)認知試験において次元外(ED)移行障害を軽減させた(非特許文献16〜18)。これらの結果は、PDE2A阻害が、cAMP及びcGMPにより調節されるシグナルカスケードを通じて、学習及び記憶プロセスを促進し得ることを示唆している。
【0007】
PDE2A阻害によりcGMPレベルが増大すると、不安やストレスに関連する事象にも影響し得る。PDE2A阻害剤は、酸化ストレス誘発剤処理マウスにおいて酸化ストレスを低減させ、NADPHオキシダーゼサブユニットの発現を誘導した。PDE2A阻害剤は、NADPHオキシダーゼ経路を通じて、高架式十字迷路試験、オープンフィールド試験及びホールボード試験における不安関連行動を改善した(非特許文献19)。さらに、PDE2A阻害剤は、高架式十字迷路試験及びホールボード試験において、非ストレス負荷マウスの行動に対し精神安定効果を及ぼした(非特許文献20)。PDE2Aは、認知障害だけでなく、精神神経疾患及び神経変性疾患における不安の治療についても新規な薬理学的ターゲットとなるかもしれない。
【0008】
このような脳内における独特の分布及び機能は、PDE2Aが精神神経疾患及び神経変性疾患、特に統合失調症やアルツハイマー病の治療のための、重要かつ新規なターゲットになり得ることを示している。
【0009】
一方、特許文献1には、
【0010】
【化1】
【0011】
が記載されている。
【0012】
しかしながら、上記化合物と本願化合物とは構造が異なる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】WO92/01938号
【非特許文献】
【0014】
【非特許文献1】Nat. Rev. Drug Discov. 2006, vol. 5: 660-670
【非特許文献2】Circ. Res. 2007, vol. 100: 950-966
【非特許文献3】J. Biol. Chem. 1971, vol. 246: 3841-3846
【非特許文献4】J. Biol. Chem. 1973, vol. 248: 1334-1340
【非特許文献5】PNAS 2005, vol. 99: 13260-13265
【非特許文献6】British J. Pharmacol. 2010, vol. 161: 1645-1660
【非特許文献7】J. Biol. Chem. 2004, vol. 279:37928-37938
【非特許文献8】British J. Pharmacol. 2010, vol. 161:1645-1660
【非特許文献9】J. Biol. Chem. 1982, vol. 257: 1973-1979
【非特許文献10】J. Biol. Chem. 1983, vol. 258: 12526-12533
【非特許文献11】Phosphodiesterase Inhibitors, Academic Press: 21-40
【非特許文献12】Rev. Physiol. Biochem. Pharmacol. 1999, vol. 135: 67-104
【非特許文献13】Cell Signal 2004, vol. 16: 365-374
【非特許文献14】J. Histochem. Cytochem. 2009, vol. 57: 933-949
【非特許文献15】Neuropharmacology 2010, vol. 59: 367-374
【非特許文献16】Neuropharmacology 2004, vol. 47: 1081-1092
【非特許文献17】Mol. Neurobiol. 2010, vol. 41: 129-137
【非特許文献18】Neuropharmacology 2012, vol. 62: 1182-1190
【非特許文献19】J. Pharmcol. Exp. Ther. 2008, vol. 326: 369-379
【非特許文献20】J. Pharmcol. Exp. Ther. 2009, vol. 331: 690-699
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、PDE2A阻害作用を有し、統合失調症、アルツハイマー病などの予防・治療薬として有用な化合物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明者らは、種々鋭意研究を重ねた結果、後記式(1)で表わされる化合物が、予想外にも優れたPDE2A阻害作用を有し、従って、統合失調症、アルツハイマー病などの予防・治療薬として有用であることを見出し、これらの知見に基づいて本発明を完成した。
【0017】
すなわち、本発明は、以下の通りである。
[1] 式(1):
【0018】
【化2】
【0019】
[式中、
およびRは、それぞれ独立して、水素原子または置換されていてもよいC1−6アルキル基を示すか、あるいは、RおよびRは結合して、隣接する炭素原子とともに、置換されていてもよい環を形成していてもよく、
Xは、置換されていてもよいメチレン基を示し、
Yは、置換されていてもよいメチレン基、酸素原子、−NR−(Rは、水素原子または置換基を示す。)または−S(O)−を示すか、あるいは、XおよびYを環構成原子として、置換されていてもよい環を形成していてもよく、
nは、0、1または2を示し、
環Aは、置換されていてもよい環状基を示すか、あるいは、Yが置換されたメチレン基であるとき、環Aは、メチレン基の置換基と一緒になって、置換されていてもよい縮合環を形成していてもよく、Yが−NR−であるとき、環Aは、Rと一緒になって、置換されていてもよい縮合環を形成していてもよく、
は、窒素原子または−CRZ1=(RZ1は、水素原子または置換基を示す。)を、
は、窒素原子または−CRZ2=(RZ2は、水素原子または置換基を示す。)を、
は、窒素原子または−CRZ3=(RZ3は、水素原子または置換基を示す。)を示し、
環Bは、環構成原子として炭素原子以外に窒素原子を1ないし2個含有する6員の芳香族複素環を示す。]
で表される化合物またはその塩(以下、化合物(I)ともいう)。
[2] Zが、−CRZ1=(RZ1が、水素原子または置換基である。)、
が、−CRZ2=(RZ2が、水素原子または置換基である。)、かつ
が、−CRZ3=(RZ3が、水素原子または置換基である。)である、上記[1]記載の化合物またはその塩。
[3] Xが、C1−6アルキル基で置換されていてもよいメチレン基である、上記[1]記載の化合物またはその塩。
[4] 環Aが、置換されていてもよい芳香環である、上記[1]記載の化合物またはその塩。
[5] Zが、−CRZ1=(RZ1が、水素原子、置換されていてもよいピリジン−2−イル基または置換されていてもよいピラゾール−3−イル基である。)であり、
が、−CRZ2=(RZ2が、水素原子またはC1−6アルコキシ基である。)であり、かつ
が、−CH=である、上記[1]記載の化合物またはその塩。
[6] RおよびRが、共に水素原子であり、
Xが、C1−6アルキル基で置換されていてもよいメチレン基であり、
Yが、酸素原子であり、
環Aが、置換されていてもよい芳香環であり、
が、−CRZ1=(RZ1は、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいC1−6アルキル基、置換されていてもよいC1−6アルコキシ基または置換されていてもよい芳香族複素環基である。)であり、
が、−CRZ2=(RZ2は、水素原子、置換されていてもよいC1−6アルキル基または置換されていてもよいC1−6アルコキシ基である。)であり、かつ
が、−CH=である、上記[1]記載の化合物またはその塩。
[7] 4-(2-(3-フルオロ-4-(1H-ピラゾール-1-イル)フェノキシ)-3-メチルブタノイル)-7-メトキシ-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オンまたはその塩。
[8] 6-(1-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)-4-(2-(4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オンまたはその塩。
[9] 上記[1]記載の化合物またはその塩を含有してなる医薬。
[10] ホスホジエステラーゼ2A阻害薬である、上記[9]記載の医薬。
[11] 統合失調症の予防または治療薬である、上記[9]記載の医薬。
[12] 上記[1]記載の化合物またはその塩の有効量を哺乳動物に投与することを特徴とする、ホスホジエステラーゼ2Aの阻害方法。
[13] 上記[1]記載の化合物またはその塩の有効量を哺乳動物に投与することを特徴とする、統合失調症の予防又は治療方法。
[14] 統合失調症の予防又は治療薬の製造のための、上記[1]記載の化合物またはその塩の使用。
[15] 統合失調症の予防又は治療に使用するための、上記[1]記載の化合物またはその塩。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、PDE2A阻害作用を有し、統合失調症、アルツハイマー病などの予防・治療薬として有用な化合物を提供できる。
【0021】
(発明の詳細な説明)
本明細書中の「置換基」としては、「置換されていてもよい炭化水素基」、「置換されていてもよい複素環基」、「置換されていてもよいヒドロキシ」、「置換されていてもよいアミノ」、「置換されていてもよいスルファニル」、「アシル」、「ハロゲン原子」、「シアノ」、「ニトロ」等が挙げられる。
【0022】
本明細書中の「ハロゲン原子」としては、特に断りのない限り、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
【0023】
本明細書中の「置換されていてもよい炭化水素基」としては、特に断りのない限り、例えば、「置換されていてもよいC1−10アルキル」、「置換されていてもよいC2−10アルケニル」、「置換されていてもよいC2−10アルキニル」、「置換されていてもよいC1−10アルキリデン」、「置換されていてもよいC3−8シクロアルキル」、「置換されていてもよいC3−8シクロアルケニル」、「置換されていてもよいC6−14アリール」、「置換されていてもよいC7−14アラルキル」などが挙げられる。
【0024】
本明細書中の「C1−10アルキル」としては、特に断りのない限り、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシルなどが挙げられる。本明細書中の「C1−6アルキル」としては、上記「C1−10アルキル」のうち、C1−6のものが挙げられる。
【0025】
本明細書中の「C2−10アルケニル」としては、特に断りのない限り、例えば、ビニル、プロペニル、イソプロペニル、2−ブテン−1−イル、4−ペンテン−1−イル、5−へキセン−1−イルなどが挙げられる。本明細書中の「C2−6アルケニル」としては、上記「C2−10アルケニル」のうち、C2−6のものが挙げられる。
【0026】
本明細書中の「C2−10アルキニル」としては、特に断りのない限り、例えば、2−ブチン−1−イル、4−ペンチン−1−イル、5−へキシン−1−イルなどが挙げられる。本明細書中の「C2−6アルキニル」としては、上記「C2−10アルキニル」のうち、C2−6のものが挙げられる。
【0027】
本明細書中の「C1−10アルキリデンとしては、特に断りのない限り、例えば、メチレン、エチリデンなどが挙げられる。本明細書中の「C1−6アルキリデン」としては、上記「C1−10アルキリデン」のうち、C1−6のものが挙げられる。
【0028】
本明細書中の「C3−8シクロアルキル」としては、特に断りのない限り、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルなどが挙げられる。
【0029】
本明細書中の「C3−8シクロアルケニル」としては、特に断りのない限り、例えば、シクロプロペニル(例、2−シクロプロペン−1−イル)、シクロブテニル(例、2−シクロブテン−1−イル)、シクロペンテニル(例、1−シクロペンテン−1−イル、2−シクロペンテン−1−イル、3−シクロペンテン−1−イル)、シクロヘキセニル(例、1−シクロヘキセン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル、3−シクロヘキセン−1−イル)などが挙げられる。
【0030】
本明細書中の「C6−14アリール」としては、特に断りのない限り、例えば、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、2−ビフェニリル、3−ビフェニリル、4−ビフェニリル、2−アンスリルなどが挙げられる。該C6−14アリールは、下記「C3−8シクロアルカン」または「C3−8シクロアルケン」と縮合していてもよく、例えば、テトラヒドロナフチルなどが挙げられる。
【0031】
本明細書中の「C7−14アラルキル」としては、特に断りのない限り、例えば、ベンジル、フェネチル、1−メチル−2−フェニルエチル、ジフェニルメチル、1−ナフチルメチル、2−ナフチルメチル、2,2−ジフェニルエチル、3−フェニルプロピル、4−フェニルブチル、5−フェニルペンチル、2−ビフェニリルメチル、3−ビフェニリルメチル、4−ビフェニリルメチルなどが挙げられる。
【0032】
本明細書中の「置換されていてもよいヒドロキシ」としては、特に断りのない限り、例えば、「ヒドロキシ」、「置換されていてもよいC1−6アルコキシ」、「置換されていてもよいC2−6アルケニルオキシ」、「置換されていてもよいC2−6アルキニルオキシ」、「置換されていてもよいC3−8シクロアルキルオキシ」、「置換されていてもよいC3−8シクロアルケニルオキシ」、「置換されていてもよい複素環−オキシ」、「置換されていてもよいC6−14アリールオキシ」、「置換されていてもよいC7−14アラルキルオキシ」などが挙げられる。
【0033】
本明細書中の「C1−6アルコキシ」としては、特に断りのない限り、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシなどが挙げられる。
【0034】
本明細書中の「C1−6アルコキシ−C1−6アルコキシ」としては、特に断りのない限り、例えば、メトキシメトキシ、メトキシエトキシ、エトキシメトキシ、エトキシエトキシなどが挙げられる。
【0035】
本明細書中の「置換されていてもよいC2−6アルケニルオキシ」としては、特に断りのない限り、例えば、ビニルオキシ、プロペニルオキシ、イソプロペニルオキシなどが挙げられる。
【0036】
本明細書中の「置換されていてもよいC2−6アルキニルオキシ」としては、特に断りのない限り、例えば、2−ブチニルオキシ、2−ペンチニルオキシ、5−ヘキシニルオキシなどが挙げられる。
【0037】
本明細書中の「置換されていてもよいC3−8シクロアルキルオキシ」としては、特に断りのない限り、例えば、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ、シクロヘプチルオキシ、シクロオクチルオキシなどが挙げられる。
【0038】
本明細書中の「置換されていてもよいC3−8シクロアルケニルオキシ」としては、特に断りのない限り、例えば、シクロプロペニルオキシ(例、2−シクロプロペニルオキシ)、シクロブテニルオキシ(例、2−シクロブテニルオキシ)、シクロペンテニルオキシ(例、1−シクロペンテニルオキシ、2−シクロペンテニルオキシ、3−シクロペンテニルオキシ)、シクロヘキセニルオキシ(例、1−シクロヘキセニルオキシ、2−シクロヘキセニルオキシ、3−シクロヘキセニルオキシ)などが挙げられる。
【0039】
本明細書中の「トリC1−6アルキルシリルオキシ」としては、特に断りのない限り、例えば、トリメチルシリルオキシ、トリエチルシリルオキシ、tert−ブチルジメチルシリルオキシなどが挙げられる。
【0040】
本明細書中の「複素環−オキシ」としては、後述の「複素環基」で置換されたヒドロキシが挙げられる。該複素環−オキシの好適な例としては、テトラヒドロピラニルオキシ、チアゾリルオキシ、ピリジルオキシ、ピラゾリルオキシ、オキサゾリルオキシ、チエニルオキシ、フリルオキシなどが挙げられる。
【0041】
本明細書中の「C6−14アリールオキシ」としては、特に断りのない限り、例えば、フェノキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシなどが挙げられる。
【0042】
本明細書中の「C7−14アラルキルオキシ」としては、特に断りのない限り、例えば、ベンジルオキシ、フェネチルオキシなどが挙げられる。
【0043】
本明細書中の「置換されていてもよいスルファニル」としては、特に断りのない限り、例えば、「スルファニル」、「置換されていてもよいC1−6アルキルスルファニル」、「置換されていてもよいC2−6アルケニルスルファニル」、「置換されていてもよいC2−6アルキニルスルファニル」、「置換されていてもよいC3−8シクロアルキルスルファニル」、「置換されていてもよいC3−8シクロアルケニルスルファニル」、「置換されていてもよい複素環−スルファニル」、「置換されていてもよいC6−14アリールスルファニル」、「置換されていてもよいC7−14アラルキルスルファニル」などが挙げられる。
【0044】
本明細書中の「C1−6アルキルスルファニル」としては、特に断りのない限り、例えば、メチルスルファニル、エチルスルファニル、プロピルスルファニル、イソプロピルスルファニル、ブチルスルファニル、sec−ブチルスルファニル、tert−ブチルスルファニルなどが挙げられる。
【0045】
本明細書中の「置換されていてもよいC2−6アルケニルスルファニル」としては、特に断りのない限り、例えば、ビニルスルファニル、プロペニルスルファニル、イソプロペニルスルファニルなどが挙げられる。
【0046】
本明細書中の「置換されていてもよいC2−6アルキニルスルファニル」としては、特に断りのない限り、例えば、2−ブチニルスルファニル、2−ペンチニルスルファニル、5−ヘキシニルスルファニルなどが挙げられる。
【0047】
本明細書中の「置換されていてもよいC3−8シクロアルキルスルファニル」としては、特に断りのない限り、例えば、シクロプロピルスルファニル、シクロブチルスルファニル、シクロペンチルスルファニル、シクロヘキシルスルファニル、シクロヘプチルスルファニル、シクロオクチルスルファニルなどが挙げられる。
【0048】
本明細書中の「置換されていてもよいC3−8シクロアルケニルスルファニル」としては、特に断りのない限り、例えば、シクロプロペニルスルファニル(例、2−シクロプロペニルスルファニル)、シクロブテニルスルファニル(例、2−シクロブテニルスルファニル)、シクロペンテニルスルファニル(例、1−シクロペンテニルスルファニル、2−シクロペンテニルスルファニル、3−シクロペンテニルスルファニル)、シクロヘキセニルスルファニル(例、1−シクロヘキセニルスルファニル、2−シクロヘキセニルスルファニル、3−シクロヘキセニルスルファニル)などが挙げられる。
【0049】
本明細書中の「複素環−スルファニル」としては、後述の「複素環基」で置換されたスルファニルが挙げられる。該複素環−スルファニルの好適な例としては、テトラヒドロピラニルスルファニル、チアゾリルスルファニル、ピリジルスルファニル、ピラゾリルスルファニル、オキサゾリルスルファニル、チエニルスルファニル、フリルスルファニルなどが挙げられる。
【0050】
本明細書中の「C6−14アリールスルファニル」としては、特に断りのない限り、例えば、フェニルスルファニル、1−ナフチルスルファニル、2−ナフチルスルファニルなどが挙げられる。
【0051】
本明細書中の「C7−14アラルキルスルファニル」としては、特に断りのない限り、例えば、ベンジルスルファニル、フェネチルスルファニルなどが挙げられる。
【0052】
本明細書中の「複素環基」としては、特に断りのない限り、例えば、環構成原子として、炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子及び酸素原子から選ばれる1又は2種、1ないし4個のヘテロ原子を含む3ないし14員(単環、2環又は3環式)複素環基、好ましくは、(i)5ないし14員(好ましくは、5ないし10員)芳香族複素環基、(ii)3ないし8員非芳香族複素環基などが挙げられる。なかでも5または6員芳香族複素環基、あるいは5または6員非芳香族複素環基が好ましい。具体的には、例えば、チエニル(例:2−チエニル、3−チエニル)、フリル(例:2−フリル、3−フリル)、ピリジル(例:2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル)、チアゾリル(例:2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル)、オキサゾリル(例:2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、5−オキサゾリル)、ピラジニル、ピリミジニル(例:2−ピリミジニル、4−ピリミジニル)、ピロリル(例:1−ピロリル、2−ピロリル、3−ピロリル)、イミダゾリル(例:1−イミダゾリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル)、ピラゾリル(例:1−ピラゾリル、3−ピラゾリル、4−ピラゾリル)、トリアゾリル(例:1−トリアゾリル、2−トリアゾリル)、テトラゾリル、ピリダジニル(例:3−ピリダジニル、4−ピリダジニル)、イソチアゾリル(例:3−イソチアゾリル、4−イソチアゾリル、5−イソチアゾリル)、イソキサゾリル(例:3−イソキサゾリル、4−イソキサゾリル、5−イソキサゾリル)、インドリル(例:1−インドリル、2−インドリル、3−インドリル)、2−ベンゾチアゾリル、2−ベンズオキサゾリル、ベンズイミダゾリル(例:1−ベンズイミダゾリル、2−ベンズイミダゾリル)、ベンゾ[b]チエニル(例:2−ベンゾ[b]チエニル、3−ベンゾ[b]チエニル)、ベンゾ[b]フリル(例:2−ベンゾ[b]フラニル、3−ベンゾ[b]フラニル)、キノリル(例:2−キノリル、3−キノリル、4−キノリル、5−キノリル、8−キノリル)、イソキノリル(例:1−イソキノリル、3−イソキノリル、4−イソキノリル、5−イソキノリル)、ピラゾロピリジニル(例:ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)などの芳香族複素環基;
例えば、ピロリジニル(例:1−ピロリジニル、2−ピロリジニル、3−ピロリジニル)、オキサゾリジニル(例:2−オキサゾリジニル)、イミダゾリニル(例:1−イミダゾリニル、2−イミダゾリニル、4−イミダゾリニル)、ピペリジニル(例:ピペリジノ、2−ピペリジニル、3−ピペリジニル、4−ピペリジニル)、ピペラジニル(例:1−ピペラジニル、2−ピペラジニル)、モルホリニル(例:2−モルホリニル、3−モルホリニル、モルホリノ)、チオモルホリニル(例:2−チオモルホリニル、3−チオモルホリニル、チオモルホリノ)、テトラヒドロフリル、テトラヒドロピラニルなどの非芳香族複素環基などが挙げられる。
【0053】
本明細書中の「置換されていてもよい環状基」としては、特に断りのない限り、例えば、「置換されていてもよいC6−14アリール」、「置換されていてもよいC3−8シクロアルキル」、「置換されていてもよいC3−8シクロアルケニル」、「置換されていてもよい複素環基」などが挙げられる。
【0054】
本明細書中の「置換されていてもよい環」としては、特に断りのない限り、例えば、上記「置換されていてもよい環状基」に対応する置換されていてもよい環が挙げられる。
【0055】
本明細書中の「置換されていてもよいC6−14芳香族炭化水素」としては、上記「置換されていてもよいC6−14アリール」に対応する環が挙げられる。
【0056】
本明細書中の「置換されていてもよいC3−8シクロアルカン(好ましくは、置換されていてもよいC5−6シクロアルカン)」としては、上記「置換されていてもよいC3−8シクロアルキル(好ましくは、置換されていてもよいC5−6シクロアルキル)」に対応する環が挙げられる。
【0057】
本明細書中の「置換されていてもよいC3−8シクロアルケン」としては、上記「置換されていてもよいC3−8シクロアルケニル」に対応する環が挙げられる。
【0058】
本明細書中の「置換されていてもよい3ないし8員非芳香族複素環」としては、上記「置換されていてもよい3ないし8員非芳香族複素環基」に対応する環が挙げられる。
【0059】
本明細書中の「複素環」としては、上記「複素環基」に対応する環が挙げられる。
【0060】
本明細書中の「窒素原子を1ないし2個含有する含窒素芳香族複素環」としては、特に断りのない限り、例えば、環構成原子として、炭素原子および1ないし2個の窒素原子以外に、硫黄原子及び酸素原子から選ばれる1又は2種、1ないし3個のヘテロ原子を含んでもよい含窒素芳香族複素環(好ましくは、5または6員含窒素芳香族複素環)が挙げられる。具体的には、例えば、ピロール環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環などが挙げられる。
【0061】
本明細書中の「窒素原子を1ないし2個含有する含窒素非芳香族複素環」としては、特に断りのない限り、例えば、環構成原子として、炭素原子および1ないし2個の窒素原子以外に、硫黄原子及び酸素原子から選ばれる1又は2種、1ないし3個のヘテロ原子を含んでもよい含窒素非芳香族複素環(好ましくは、5または6員含窒素非芳香族複素環)が挙げられる。具体的には、例えば、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリンなどが挙げられる。
【0062】
本明細書中の「C1−6アルキル−カルボニル」としては、特に断りのない限り、例えば、アセチル、イソブタノイル、イソペンタノイルなどが挙げられる。
【0063】
本明細書中の「C1−6アルコキシ−カルボニル」としては、特に断りのない限り、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニルなどが挙げられる。
【0064】
本明細書中の「C3−8シクロアルキル−カルボニル」としては、特に断りのない限り、例えば、シクロペンチルカルボニル、シクロヘキシルカルボニルなどが挙げられる。
【0065】
本明細書中の「C6−14アリール−カルボニル」としては、特に断りのない限り、例えば、ベンゾイル、1−ナフトイル、2−ナフトイルなどが挙げられる。
【0066】
本明細書中の「C7−14アラルキル−カルボニル」としては、特に断りのない限り、例えば、フェニルアセチル、2−フェニルプロパノイルなどが挙げられる。
【0067】
本明細書中の「C6−14アリールオキシ−カルボニル」としては、特に断りのない限り、例えば、フェノキシカルボニル、ナフチルオキシカルボニルなどが挙げられる。
【0068】
本明細書中の「C7−14アラルキルオキシ−カルボニル」としては、特に断りのない限り、例えば、ベンジルオキシカルボニル、フェネチルオキシカルボニルなどが挙げられる。
【0069】
本明細書中の「含窒素複素環−カルボニル」としては、特に断りのない限り、例えば、ピロリジニルカルボニル、ピペリジノカルボニルなどが挙げられる。
【0070】
本明細書中の「C1−6アルキルスルホニル」としては、特に断りのない限り、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニルなどが挙げられる。
【0071】
本明細書中の「C6−14アリールスルホニル」としては、特に断りのない限り、例えば、フェニルスルホニル、1−ナフチルスルホニル、2−ナフチルスルホニルなどが挙げられる。
【0072】
本明細書中の「C1−6アルキルスルフィニル」としては、特に断りのない限り、例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニルなどが挙げられる。
【0073】
本明細書中の「C6−14アリールスルフィニル」としては、特に断りのない限り、例えば、フェニルスルフィニル、1−ナフチルスルフィニル、2−ナフチルスルフィニルなどが挙げられる。
【0074】
本明細書中の「エステル化されていてもよいカルボキシル」としては、特に断りのない限り、例えば、カルボキシル、C1−6アルコキシ−カルボニル、C6−14アリールオキシ−カルボニル、C7−14アラルキルオキシ−カルボニルなどが挙げられる。
【0075】
本明細書中の「ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル」としては、特に断りのない限り、1ないし5個の上記「ハロゲン原子」で置換されていてもよい上記「C1−6アルキル」が挙げられる。例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、tert−ブチル、イソブチル、トリフルオロメチルなどが挙げられる。
【0076】
本明細書中の「ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ」としては、特に断りのない限り、1ないし5個の上記「ハロゲン原子」で置換されていてもよい上記「C1−6アルコキシ」が挙げられる。例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、tert−ブトキシ、トリフルオロメトキシなどが挙げられる。
【0077】
本明細書中の「モノ−又はジ−C1−6アルキル−アミノ」としては、特に断りのない限り、上記「C1−6アルキル」でモノ−又はジ−置換されたアミノが挙げられる。例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノなどが挙げられる。
【0078】
本明細書中の「モノ−又はジ−C6−14アリール−アミノ」としては、特に断りのない限り、上記「C6−14アリール」でモノ−又はジ−置換されたアミノが挙げられる。例えば、フェニルアミノ、ジフェニルアミノ、1−ナフチルアミノ、2−ナフチルアミノなどが挙げられる。
【0079】
本明細書中の「モノ−又はジ−C7−14アラルキル−アミノ」としては、特に断りのない限り、上記「C7−14アラルキル」でモノ−又はジ−置換されたアミノが挙げられる。例えば、ベンジルアミノ、フェネチルアミノなどが挙げられる。
【0080】
本明細書中の「N−C1−6アルキル−N−C6−14アリール−アミノ」としては、特に断りのない限り、上記「C1−6アルキル」及び上記「C6−14アリール」で置換されたアミノが挙げられる。例えば、N−メチル−N−フェニルアミノ、N−エチル−N−フェニルアミノなどが挙げられる。
【0081】
本明細書中の「N−C1−6アルキル−N−C7−14アラルキル−アミノ」としては、特に断りのない限り、上記「C1−6アルキル」及び上記「C7−14アラルキル」で置換されたアミノが挙げられる。例えば、N−メチル−N−ベンジルアミノ、N−エチル−N−ベンジルアミノなどが挙げられる。
【0082】
本明細書中の「C1−6アルキル−カルボニルアミノ」としては、特に断りのない限り、上記「C1−6アルキル−カルボニル」で置換されたアミノが挙げられる。例えば、アセチルアミノ、プロピオニルアミノなどが挙げられる。
【0083】
本明細書中の「モノ−又はジ−C1−6アルキル−カルバモイル」としては、特に断りのない限り、上記「C1−6アルキル」でモノ−又はジ−置換されたカルバモイルが挙げられる。例えば、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル、ジメチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、エチルメチルカルバモイルなどが挙げられる。
【0084】
本明細書中の「モノ−又はジ−C6−14アリール−カルバモイル」としては、特に断りのない限り、上記「C6−14アリール」でモノ−又はジ−置換されたカルバモイルが挙げられる。例えば、フェニルカルバモイル、1−ナフチルカルバモイル、2−ナフチルカルバモイルなどが挙げられる。
【0085】
本明細書中の「モノ−又はジ−C3−8シクロアルキル−カルバモイル」としては、特に断りのない限り、上記「C3−8シクロアルキル」でモノ−又はジ−置換されたカルバモイルが挙げられる。例えば、シクロプロピルカルバモイルなどが挙げられる。
【0086】
本明細書中の「モノ−又はジ−C7−14アラルキル−カルバモイル」としては、特に断りのない限り、上記「C7−14アラルキル」でモノ−又はジ−置換されたカルバモイルが挙げられる。例えば、ベンジルカルバモイルなどが挙げられる。
【0087】
本明細書中の「N−C1−6アルキル−N−C6−14アリール−カルバモイル」としては、特に断りのない限り、上記「C1−6アルキル」および「C6−14アリール」で置換されたカルバモイルが挙げられる。例えば、(n−ブチル)(フェニル)カルバモイルなどが挙げられる。
【0088】
本明細書中の「モノ−又はジ−5ないし7員複素環−カルバモイル」としては、特に断りのない限り、5ないし7員複素環基でモノ−又はジ−置換されたカルバモイルが挙げられる。ここで、5ないし7員複素環基としては、環構成原子として、炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子及び酸素原子から選ばれる1又は2種、1ないし4個のヘテロ原子を含む複素環基が挙げられる。「モノ−又はジ−5ないし7員複素環−カルバモイル」の好適な例としては、2−ピリジルカルバモイル、3−ピリジルカルバモイル、4−ピリジルカルバモイル、2−チエニルカルバモイル、3−チエニルカルバモイルなどが挙げられる。
【0089】
本明細書中の「モノ−又はジ−C1−6アルキル−スルファモイル」としては、特に断りのない限り、上記「C1−6アルキル」でモノ−又はジ−置換されたスルファモイルが用いられ、例えば、メチルスルファモイル、エチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、ジエチルスルファモイルなどが挙げられる。
【0090】
本明細書中の「モノ−又はジ−C6−14アリール−スルファモイル」としては、特に断りのない限り、上記「C6−14アリール」でモノ−又はジ−置換されたスルファモイルが用いられ、例えば、フェニルスルファモイル、ジフェニルスルファモイル、1−ナフチルスルファモイル、2−ナフチルスルファモイルなどが挙げられる。
【0091】
本明細書中の「モノ−又はジ−C7−14アラルキル−スルファモイル」としては、特に断りのない限り、上記「C7−14アラルキル」でモノ−又はジ−置換されたスルファモイルが挙げられる。例えば、ベンジルスルファモイルなどが挙げられる。
【0092】
本明細書中の「C1−6アルキル−カルボニルオキシ」としては、特に断りのない限り、例えば、メチルカルボニルオキシ、エチルカルボニルオキシなどが挙げられる。
【0093】
本明細書中の「置換されていてもよいC1−6アルキル」、「置換されていてもよいC2−6アルケニル」、「置換されていてもよいC2−6アルキニル」、「置換されていてもよいC1−6アルキリデン」、「置換されていてもよいC1−6アルコキシ」、「置換されていてもよいC1−6アルキルスルファニル」および「置換されていてもよいメチレン」としては、例えば、
(1)ハロゲン原子;
(2)ヒドロキシ;
(3)アミノ;
(4)ニトロ;
(5)シアノ;
(6)ハロゲン原子、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル、モノ−又はジ−C1−6アルキル−アミノ、C6−14アリール、モノ−又はジ−C6−14アリール−アミノ、C3−8シクロアルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルコキシ−C1−6アルコキシ、C1−6アルキルスルファニル、C1−6アルキルスルフィニル、C1−6アルキルスルホニル、エステル化されていてもよいカルボキシル、カルバモイル、チオカルバモイル、モノ−又はジ−C1−6アルキル−カルバモイル、モノ−又はジ−C6−14アリール−カルバモイル、スルファモイル、モノ−又はジ−C1−6アルキル−スルファモイル及びモノ−又はジ−C6−14アリール−スルファモイルから選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい複素環基;
(7)モノ−又はジ−C1−6アルキル−アミノ;
(8)モノ−又はジ−C6−14アリール−アミノ;
(9)モノ−又はジ−C7−14アラルキル−アミノ;
(10)N−C1−6アルキル−N−C6−14アリール−アミノ;
(11)N−C1−6アルキル−N−C7−14アラルキル−アミノ;
(12)C3−8シクロアルキル;
(13)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ;
(14)C1−6アルキルスルファニル;
(15)C1−6アルキルスルフィニル;
(16)C1−6アルキルスルホニル;
(17)エステル化されていてもよいカルボキシル;
(18)C1−6アルキル−カルボニル;
(19)C3−8シクロアルキル−カルボニル;
(20)C6−14アリール−カルボニル;
(21)カルバモイル;
(22)チオカルバモイル;
(23)モノ−又はジ−C1−6アルキル−カルバモイル;
(24)モノ−又はジ−C6−14アリール−カルバモイル;
(25)N−C1−6アルキル−N−C6−14アリール−カルバモイル;
(26)モノ−又はジ−5ないし7員複素環−カルバモイル;
(27)カルボキシルで置換されていてもよいC1−6アルキル−カルボニルアミノ;
(28)ハロゲン原子、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル、モノ−又はジ−C1−6アルキル−アミノ、C6−14アリール、モノ−又はジ−C6−14アリール−アミノ、C3−8シクロアルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルコキシ−C1−6アルコキシ、C1−6アルキルスルファニル、C1−6アルキルスルフィニル、C1−6アルキルスルホニル、エステル化されていてもよいカルボキシル、カルバモイル、チオカルバモイル、モノ−又はジ−C1−6アルキル−カルバモイル、モノ−又はジ−C6−14アリール−カルバモイル、スルファモイル、モノ−又はジ−C1−6アルキル−スルファモイル及びモノ−又はジ−C6−14アリール−スルファモイルから選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC6−14アリールオキシ;
(29)ハロゲン原子、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル、モノ−又はジ−C1−6アルキル−アミノ、C6−14アリール、モノ−又はジ−C6−14アリール−アミノ、C3−8シクロアルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルコキシ−C1−6アルコキシ、C1−6アルキルスルファニル、C1−6アルキルスルフィニル、C1−6アルキルスルホニル、エステル化されていてもよいカルボキシル、カルバモイル、チオカルバモイル、モノ−又はジ−C1−6アルキル−カルバモイル、モノ−又はジ−C6−14アリール−カルバモイル、スルファモイル、モノ−又はジ−C1−6アルキル−スルファモイル及びモノ−又はジ−C6−14アリール−スルファモイルから選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC6−14アリール;
(30)複素環−オキシ;
(31)スルファモイル;
(32)モノ−又はジ−C1−6アルキル−スルファモイル;
(33)モノ−又はジ−C6−14アリール−スルファモイル;
(34)ハロゲン原子、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル、モノ−又はジ−C1−6アルキル−アミノ、C6−14アリール、モノ−又はジ−C6−14アリール−アミノ、C3−8シクロアルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルコキシ−C1−6アルコキシ、C1−6アルキルスルファニル、C1−6アルキルスルフィニル、C1−6アルキルスルホニル、エステル化されていてもよいカルボキシル、カルバモイル、チオカルバモイル、モノ−又はジ−C1−6アルキル−カルバモイル、モノ−又はジ−C6−14アリール−カルバモイル、スルファモイル、モノ−又はジ−C1−6アルキル−スルファモイル及びモノ−又はジ−C6−14アリール−スルファモイルから選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC7−14アラルキルオキシ;
(35)C1−6アルキル−カルボニルオキシ;
(36)C1−6アルコキシ−カルボニル;
(37)トリC1−6アルキルシリルオキシ;
などから選ばれる1ないし5個の置換基をそれぞれ置換可能な位置に有していてもよい、「C1−6アルキル」、「C2−6アルケニル」、「C2−6アルキニル」、「C1−6アルキリデン」、「C1−6アルコキシ」、「C1−6アルキルスルファニル」および「メチレン」が挙げられる。置換基が複数存在する場合、各置換基は同一でも異なっていてもよい。
【0094】
本明細書中の「置換されていてもよいC3−8シクロアルキル」、「置換されていてもよいC3−8シクロアルケニル」、「置換されていてもよいC6−14アリール」、「置換されていてもよいC7−14アラルキル」、「置換されていてもよい複素環基」、「置換されていてもよい複素環−オキシ」、「置換されていてもよいC6−14アリールオキシ」、「置換されていてもよいC7−14アラルキルオキシ」、「置換されていてもよい複素環−スルファニル」、「置換されていてもよいC6−14アリールスルファニル」および「置換されていてもよいC7−14アラルキルスルファニル」としては、例えば、
(1)ハロゲン原子;
(2)ヒドロキシ;
(3)アミノ;
(4)ニトロ;
(5)シアノ;
(6)置換されていてもよいC1−6アルキル;
(7)置換されていてもよいC2−6アルケニル;
(8)置換されていてもよいC2−6アルキニル;
(9)ハロゲン原子、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル、モノ−又はジ−C1−6アルキル−アミノ、C6−14アリール、モノ−又はジ−C6−14アリール−アミノ、C3−8シクロアルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルコキシ−C1−6アルコキシ、C1−6アルキルスルファニル、C1−6アルキルスルフィニル、C1−6アルキルスルホニル、エステル化されていてもよいカルボキシル、カルバモイル、チオカルバモイル、モノ−又はジ−C1−6アルキル−カルバモイル、モノ−又はジ−C6−14アリール−カルバモイル、スルファモイル、モノ−又はジ−C1−6アルキル−スルファモイル及びモノ−又はジ−C6−14アリール−スルファモイルから選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC6−14アリール;
(10)ハロゲン原子、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル、モノ−又はジ−C1−6アルキル−アミノ、C6−14アリール、モノ−又はジ−C6−14アリール−アミノ、C3−8シクロアルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルコキシ−C1−6アルコキシ、C1−6アルキルスルファニル、C1−6アルキルスルフィニル、C1−6アルキルスルホニル、エステル化されていてもよいカルボキシル、カルバモイル、チオカルバモイル、モノ−又はジ−C1−6アルキル−カルバモイル、モノ−又はジ−C6−14アリール−カルバモイル、スルファモイル、モノ−又はジ−C1−6アルキル−スルファモイル及びモノ−又はジ−C6−14アリール−スルファモイルから選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC6−14アリールオキシ;
(11)ハロゲン原子、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル、モノ−又はジ−C1−6アルキル−アミノ、C6−14アリール、モノ−又はジ−C6−14アリール−アミノ、C3−8シクロアルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルコキシ−C1−6アルコキシ、C1−6アルキルスルファニル、C1−6アルキルスルフィニル、C1−6アルキルスルホニル、エステル化されていてもよいカルボキシル、カルバモイル、チオカルバモイル、モノ−又はジ−C1−6アルキル−カルバモイル、モノ−又はジ−C6−14アリール−カルバモイル、スルファモイル、モノ−又はジ−C1−6アルキル−スルファモイル及びモノ−又はジ−C6−14アリール−スルファモイルから選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC7−14アラルキルオキシ;
(12)ハロゲン原子、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル、モノ−又はジ−C1−6アルキル−アミノ、C6−14アリール、モノ−又はジ−C6−14アリール−アミノ、C3−8シクロアルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルコキシ−C1−6アルコキシ、C1−6アルキルスルファニル、C1−6アルキルスルフィニル、C1−6アルキルスルホニル、エステル化されていてもよいカルボキシル、カルバモイル、チオカルバモイル、モノ−又はジ−C1−6アルキル−カルバモイル、モノ−又はジ−C6−14アリール−カルバモイル、スルファモイル、モノ−又はジ−C1−6アルキル−スルファモイル及びモノ−又はジ−C6−14アリール−スルファモイルから選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい複素環基;
(13)モノ−又はジ−C1−6アルキル−アミノ;
(14)モノ−又はジ−C6−14アリール−アミノ;
(15)モノ−又はジ−C7−14アラルキル−アミノ;
(16)N−C1−6アルキル−N−C6−14アリール−アミノ;
(17)N−C1−6アルキル−N−C7−14アラルキル−アミノ;
(18)C3−8シクロアルキル;
(19)置換されていてもよいC1−6アルコキシ;
(20)置換されていてもよいC1−6アルキルスルファニル;
(21)C1−6アルキルスルフィニル;
(22)C1−6アルキルスルホニル;
(23)エステル化されていてもよいカルボキシル;
(24)C1−6アルキル−カルボニル;
(25)C3−8シクロアルキル−カルボニル;
(26)C6−14アリール−カルボニル;
(27)カルバモイル;
(28)チオカルバモイル;
(29)モノ−又はジ−C1−6アルキル−カルバモイル;
(30)モノ−又はジ−C6−14アリール−カルバモイル;
(31)N−C1−6アルキル−N−C6−14アリール−カルバモイル;
(32)モノ−又はジ−5ないし7員複素環−カルバモイル;
(33)スルファモイル;
(34)モノ−又はジ−C1−6アルキル−スルファモイル;
(35)モノ−又はジ−C6−14アリール−スルファモイル;
(36)カルボキシルで置換されていてもよいC1−6アルキル−カルボニルアミノ;
(37)複素環−オキシ;
(38)C1−6アルキル−カルボニルオキシ;
(39)C1−6アルコキシ−カルボニル;
などから選ばれる1ないし5個の置換基をそれぞれ置換可能な位置に有していてもよい、「C3−8シクロアルキル」、「C3−8シクロアルケニル」、「C6−14アリール」、「C7−14アラルキル」、「複素環基」、「複素環−オキシ」、「C6−14アリールオキシ」、「C7−14アラルキルオキシ」、「複素環−スルファニル」、「C6−14アリールスルファニル」および「C7−14アラルキルスルファニル」が挙げられる。置換基が複数存在する場合、各置換基は同一でも異なっていてもよい。
【0095】
本明細書中の「置換されていてもよいアミノ」としては、特に断りのない限り、
(1)置換されていてもよいC1−6アルキル;
(2)置換されていてもよいC2−6アルケニル;
(3)置換されていてもよいC2−6アルキニル;
(4)置換されていてもよいC3−8シクロアルキル;
(5)置換されていてもよいC6−14アリール;
(6)置換されていてもよいC7−14アラルキル;
(7)置換されていてもよいアシル;
(8)置換されていてもよい複素環基(好ましくは、フリル、ピリジル、チエニル、ピラゾリル、チアゾリル、オキサゾリル);
などから選ばれる1または2個の置換基で置換されていてもよいアミノが挙げられる。また、「置換されていてもよいアミノ」が2個の置換基で置換されたアミノである場合、これらの置換基は同一でも異なっていてもよく、また、これらの置換基は、隣接する窒素原子とともに、含窒素複素環を形成していてもよい。該「含窒素複素環」としては、例えば、環構成原子として炭素原子以外に少なくとも1個の窒素原子を含み、さらに酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から選ばれる1ないし2個のヘテロ原子を含有していてもよい5ないし7員の含窒素複素環が挙げられる。該含窒素複素環の好適な例としては、ピロリジン、イミダゾリジン、ピラゾリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、チオモルホリン、チアゾリジン、オキサゾリジンなどが挙げられる。
【0096】
本明細書中の「置換されていてもよいアミノカルボニル」としては、特に断りのない限り、「置換されていてもよいアミノ」部分が上記「置換されていてもよいアミノ」であるものが挙げられる。
【0097】
本明細書中の「置換されていてもよいアシル」としては、特に断りのない限り、式:−COR、−CO−OR、−SO、−SOR、−PO(OR)(OR)、−CO−NRAaBa、−CS−NRAaBa及び−SO−NRAaBa[式中、RおよびRは、同一または異なって、水素原子、置換されていてもよい炭化水素基または置換されていてもよい複素環基を示し、RAaおよびRBaは、同一または異なって、水素原子、置換されていてもよい炭化水素基または置換されていてもよい複素環基を示すか、RAaおよびRBaは、隣接する窒素原子とともに、置換されていてもよい含窒素複素環を形成していてもよい。]で表される基などが挙げられる。
【0098】
AaおよびRBaが隣接する窒素原子とともに形成する「置換されていてもよい含窒素複素環」における「含窒素複素環」としては、例えば、環構成原子として炭素原子以外に少なくとも1個の窒素原子を含み、さらに酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から選ばれる1ないし2個のヘテロ原子を含有していてもよい5ないし7員の含窒素複素環が挙げられる。該含窒素複素環の好適な例としては、ピロリジン、イミダゾリジン、ピラゾリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、チオモルホリン、チアゾリジン、オキサゾリジンなどが挙げられる。
【0099】
該含窒素複素環は、置換可能な位置に1ないし2個の置換基を有していてもよい。このような置換基としては、ヒドロキシ、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル、C6−14アリール、C7−14アラルキルなどが挙げられる。置換基が2個存在する場合、これら置換基は同一でも異なっていてもよい。
【0100】
「置換されていてもよいアシル」の好適な例としては、
ホルミル;
カルボキシル;
カルバモイル;
1−6アルキル−カルボニル;
1−6アルコキシ−カルボニル;
3−8シクロアルキル−カルボニル;
6−14アリール−カルボニル;
7−14アラルキル−カルボニル;
6−14アリールオキシ−カルボニル;
7−14アラルキルオキシ−カルボニル;
モノ−又はジ−C1−6アルキル−カルバモイル;
モノ−又はジ−C6−14アリール−カルバモイル;
モノ−又はジ−C3−8シクロアルキル−カルバモイル;
モノ−又はジ−C7−14アラルキル−カルバモイル;
1−6アルキルスルホニル;
ニトロで置換されていてもよいC6−14アリールスルホニル;
含窒素複素環−カルボニル;
1−6アルキルスルフィニル;
6−14アリールスルフィニル;
チオカルバモイル;
スルファモイル;
モノ−又はジ−C1−6アルキル−スルファモイル;
モノ−又はジ−C6−14アリール−スルファモイル;
モノ−又はジ−C7−14アラルキル−スルファモイル;
などが挙げられる。
【0101】
本明細書中の「縮合炭素環」としては、特に断りのない限り、C3−8シクロアルカンまたは置換されていてもよいC3−8シクロアルケンと、C6−14芳香族炭化水素とが縮合した基などが挙げられる。
本明細書中の「縮合複素環」としては、特に断りのない限り、ベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、イミダゾピリジニル、チエノピリジニル、フロピリジニル、ピロロピリジニル、ピラゾロピリジニル、オキサゾロピリジニル、チアゾロピリジニル、イミダゾピラジニル、イミダゾピリミジニル、チエノピリミジニル、フロピリミジニル、ピロロピリミジニル、ピラゾロピリミジニル、オキサゾロピリミジニル、チアゾロピリミジニル、ピラゾロトリアジニル、ナフト[2,3−b]チエニル、フェノキサチイニル、インドリル、イソインドリル、1H−インダゾリル、プリニル、イソキノリル、キノリル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、カルバゾリル、β−カルボリニル、フェナントリジニル、アクリジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニルなどの8ないし14員縮合多環式(好ましくは2または3環式)芳香族複素環基;または、
ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾイミダゾリル、ジヒドロベンゾオキサゾリル、ジヒドロベンゾチアゾリル、ジヒドロベンゾイソチアゾリル、ジヒドロナフト[2,3−b]チエニル、テトラヒドロイソキノリル、テトラヒドロキノリル、4H−キノリジニル、インドリニル、イソインドリニル、テトラヒドロチエノ[2,3−c]ピリジニル、テトラヒドロベンゾアゼピニル、テトラヒドロキノキサリニル、テトラヒドロフェナントリジニル、ヘキサヒドロフェノチアジニル、ヘキサヒドロフェノキサジニル、テトラヒドロフタラジニル、テトラヒドロナフチリジニル、テトラヒドロキナゾリニル、テトラヒドロシンノリニル、テトラヒドロカルバゾリル、テトラヒドロ−β−カルボリニル、テトラヒドロアクリジニル、テトラヒドロフェナジニル、テトラヒドロチオキサンテニル、オクタヒドロイソキノリルなどの9ないし14員縮合多環式(好ましくは2または3環式)非芳香族複素環基;
が挙げられる。
【0102】
以下に、式(1)中の各記号の定義について詳述する。
およびRは、それぞれ独立して、水素原子または置換されていてもよいC1−6アルキル基を示すか、あるいは、RおよびRは結合して、隣接する炭素原子とともに、置換されていてもよい環を形成していてもよい。
およびRが結合して、隣接する炭素原子とともに形成する「置換されていてもよい環」としては、置換されていてもよいC3−8シクロアルカン、置換されていてもよいC3−8シクロアルケン、または置換されていてもよい3ないし8員非芳香族複素環が挙げられる。
およびRは、好ましくは、それぞれ独立して、水素原子または置換されていてもよいC1−6アルキル基(例、メチル)であり、より好ましくは、それぞれ独立して、水素原子またはC1−6アルキル基(例、メチル)である。
さらに好ましくは、RおよびRは、共に水素原子であるか、または、RおよびRの一方が水素原子であり、他方がC1−6アルキル基(例、メチル)である。RおよびRは、特に好ましくは、共に水素原子である。
【0103】
Xは、置換されていてもよいメチレン基を示す。
Xで示される「置換されていてもよいメチレン基」の具体例としては、
(1)ヒドロキシ、
(2)シアノ、
(3)カルバモイル、
(4)(i)C1−6アルコキシ(例、メトキシ)、
(ii)トリC1−6アルキルシリルオキシ(例、tert−ブチルジメチルシリルオキシ)、
(iii)C1−6アルキルスルファニル(例、メチルスルファニル)、
(iv)C1−6アルキルスルホニル(例、メチルスルホニル)、および
(v)C3−8シクロアルキル(例、シクロペンチル)
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、tert-ブチル)、
(5)C1−6アルキリデン(例、メチレン)、
(6)C1−6アルコキシ(例、メトキシ)、
(7)C1−6アルキルスルファニル、
(8)C1−6アルキルスルホニル、
(9)モノ−又はジ−C1−6アルキル−アミノ、
(10)C3−8シクロアルキル(例、シクロプロピル)、
(11)ハロゲン化されていてもよい(好ましくは、1ないし3個のハロゲン原子で置換されていてもよい)C1−6アルコキシで1ないし3個置換されていてもよいC6−14アリール(例、フェニル)、および
(12)1ないし3個のC1−6アルキルで置換されていてもよい複素環基
から選ばれる1ないし2個の置換基で置換されていてもよいメチレン基が挙げられる。
【0104】
Xで示される「置換されていてもよいメチレン基」の具体例として、好ましくは、
(1)ヒドロキシ、
(2)シアノ、
(3)カルバモイル、
(4)(i)C1−6アルコキシ(例、メトキシ)、および
(ii)トリC1−6アルキルシリルオキシ(例、tert−ブチルジメチルシリルオキシ)
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル)、
(5)C1−6アルキリデン(例、メチレン)、
(6)C1−6アルコキシ(例、メトキシ)、
(7)C1−6アルキルスルファニル、
(8)C1−6アルキルスルホニル、
(9)モノ−又はジ−C1−6アルキル−アミノ、
(10)C3−8シクロアルキル、
(11)ハロゲン化されていてもよい(好ましくは、1ないし3個のハロゲン原子で置換されていてもよい)C1−6アルコキシで1ないし3個置換されていてもよいC6−14アリール(例、フェニル)、および
(12)1ないし3個のC1−6アルキルで置換されていてもよい複素環基
から選ばれる1ないし2個の置換基で置換されていてもよいメチレン基が挙げられる。
【0105】
Xは、好ましくは、
(1)(i)C1−6アルコキシ(例、メトキシ)、
(ii)トリC1−6アルキルシリルオキシ(例、tert−ブチルジメチルシリルオキシ)、
(iii)C1−6アルキルスルファニル(例、メチルスルファニル)、
(iv)C1−6アルキルスルホニル(例、メチルスルホニル)、および
(v)C3−8シクロアルキル(例、シクロペンチル)
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、tert-ブチル)、
(2)C1−6アルキリデン(例、メチレン)、
(3)C6−14アリール(例、フェニル)、および
(4)C3−8シクロアルキル(例、シクロプロピル)
から選ばれる1ないし2個の置換基で置換されていてもよいメチレン基である。
【0106】
Xは、より好ましくは、
(1)(i)C1−6アルコキシ(例、メトキシ)、および
(ii)トリC1−6アルキルシリルオキシ(例、tert−ブチルジメチルシリルオキシ)
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル)、
(2)C1−6アルキリデン(例、メチレン)、および
(3)C6−14アリール(例、フェニル)
から選ばれる1ないし2個の置換基で置換されていてもよいメチレン基である。
【0107】
Xは、さらに好ましくは、C1−6アルキル基で置換されていてもよいメチレン基である。
Xは、さらにより好ましくは、1ないし2個のC1−6アルキル(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、tert-ブチル)で置換されていてもよいメチレン基である。
【0108】
別の態様として、Xは、より好ましくは、
(1)1ないし3個のC1−6アルコキシ(例、メトキシ)で置換されていてもよいC1−6アルキル(例、エチル、イソプロピル)
から選ばれる1ないし2個の置換基で置換されていてもよいメチレン基である。
【0109】
さらに好ましくは、1個のC1−6アルキル基(例、エチル、イソプロピル)で置換されたメチレン基であり、特に好ましくは、イソプロピルで置換されたメチレン基である。
Yは、置換されていてもよいメチレン基、酸素原子、−NR−(Rは、水素原子または置換基を示す。)または−S(O)−(nは、0、1または2を示す。)を示す。
【0110】
Yで示される「置換されていてもよいメチレン基」の具体例としては、
(1)ヒドロキシ、
(2)シアノ、
(3)カルバモイル、
(4)(i)C1−6アルコキシ(例、メトキシ)、
(ii)トリC1−6アルキルシリルオキシ(例、tert−ブチルジメチルシリルオキシ)、
(iii)C1−6アルキルスルファニル(例、メチルスルファニル)、
(iv)C1−6アルキルスルホニル(例、メチルスルホニル)、および
(v)C3−8シクロアルキル(例、シクロペンチル)
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、tert-ブチル)、
(5)C1−6アルキリデン(例、メチレン)、
(6)C1−6アルコキシ(例、メトキシ)、
(7)C1−6アルキルスルファニル、
(8)C1−6アルキルスルホニル、
(9)モノ−又はジ−C1−6アルキル−アミノ、
(10)C3−8シクロアルキル(例、シクロプロピル)、
(11)ハロゲン化されていてもよい(好ましくは、1ないし3個のハロゲン原子で置換されていてもよい)C1−6アルコキシで1ないし3個置換されていてもよいC6−14アリール(例、フェニル)、および
(12)1ないし3個のC1−6アルキルで置換されていてもよい複素環基
から選ばれる1ないし2個の置換基で置換されていてもよいメチレン基が挙げられる。
【0111】
Yで示される「置換されていてもよいメチレン基」は、好ましい具体例として、
(1)ヒドロキシ、
(2)シアノ、
(3)カルバモイル、
(4)(i)C1−6アルコキシ、および
(ii)トリC1−6アルキルシリルオキシ
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル、
(5)C1−6アルキリデン、
(6)C1−6アルコキシ、
(7)C1−6アルキルスルファニル、
(8)C1−6アルキルスルホニル、
(9)モノ−又はジ−C1−6アルキル−アミノ、
(10)C3−8シクロアルキル、
(11)ハロゲン化されていてもよい(好ましくは、1ないし3個のハロゲン原子で置換されていてもよい)C1−6アルコキシで1ないし3個置換されていてもよいC6−14アリール、および
(12)1ないし3個のC1−6アルキルで置換されていてもよい複素環基
から選ばれる1ないし2個の置換基で置換されていてもよいメチレン基が挙げられる。
【0112】
で示される「置換基」は、好ましくは、置換されていてもよい炭化水素基であり、より好ましくは、置換されていてもよいC1−6アルキル、特に好ましくは、C1−6アルキル(例、メチル、エチル)である。
Yは、好ましくは、メチレン基、酸素原子、−NR−(Rは、水素原子またはC1−6アルキル基(例、メチル、エチル)である)または−S(O)−(nは、前記と同義である)である。
Yは、より好ましくは、メチレン基、酸素原子、−NH−、−NCH−、−N(CHCH)−、−S−または−SO−であり、中でも、メチレン基、酸素原子、−NH−、−NCH−、−S−または−SO−が好ましい。
Yは、さらに好ましくは、酸素原子または−NH−である。
Yは、特に好ましくは、酸素原子である。
【0113】
あるいは、XおよびYは、これらを環構成原子として、置換されていてもよい環を形成してもよい。
XおよびYを環構成原子として形成される「置換されていてもよい環」は、
式(1)中、部分構造:
【0114】
【化3】
【0115】
において、
【0116】
【化4】
【0117】
を示し、XおよびYを環構成原子として形成される「置換されていてもよい環」として、好ましくは、置換されていてもよいC5−6シクロアルカン、置換されていてもよいC5−6シクロアルケン、または置換されていてもよい5または6員非芳香族複素環であり、より好ましくは、置換されていてもよい5または6員の窒素原子を1ないし2個含有する含窒素非芳香族複素環であり、さらに好ましくは、1ないし3個のオキソ基で置換されていてもよい、5または6員の窒素原子を1ないし2個含有する含窒素非芳香族複素環(例、ピロリジン、ピペリジン)であり、特に好ましくは、ピロリジンである。
【0118】
環Aは、置換されていてもよい環状基を示すか、あるいは、Yが置換されたメチレン基であるとき、環Aは、該メチレン基の置換基と一緒になって、置換されていてもよい縮合環を形成していてもよく、Yが−NR−であるとき、環Aは、Rと一緒になって、置換されていてもよい縮合環を形成していてもよい。
【0119】
当該Yが、置換されたメチレン基であるときに、該メチレン基の置換基と一緒になって、形成していてもよい「置換されていてもよい縮合環」、またはYが−NR−であるとき、環AがRと一緒になって形成していてもよい「置換されていてもよい縮合環」は、
【0120】
【化5】
【0121】
(式中、a’およびa”は、それぞれ独立して、炭素原子または窒素原子を示し、R’は、置換基を示し、どちらの環に結合してもよい。)を示す。
【0122】
環AおよびYで形成される「環」は、縮合炭素環または縮合複素環である。
【0123】
環Aで示される「置換されていてもよい環状基」の「環状基」は縮合していてもよく、例えば、C6−14芳香族炭化水素、C3−8シクロアルカン、C3−8シクロアルケン、複素環などと縮合していてもよい。
【0124】
環Aで示される「置換されていてもよい環状基」の「環状基」は、好ましくは、C6−14アリール基、C3−8シクロアルキル基、5または6員芳香族複素環基、C6−14芳香族炭化水素とC3−8シクロアルカンが縮合した基、またはC6−14芳香族炭化水素と複素環が縮合した基である。
【0125】
環Aで示される「置換されていてもよい環状基」の「環状基」として、
より好ましくは、C6−14アリール基、5または6員芳香族複素環基、C6−14芳香族炭化水素とC3−8シクロアルカンが縮合した基、またはC6−14芳香族炭化水素と複素環が縮合した基であり、
さらに好ましくは、C6−10アリール基、5または6員の窒素原子を1ないし2個含有する含窒素芳香族複素環基、ベンゼン環とC3−8シクロアルカンが縮合した基、またはベンゼン環と複素環が縮合した基であり、
さらにより好ましくは、フェニル、ナフチル、インダニル、ピラゾリルまたはベンゾチアゾリルであり、
特に好ましくは、フェニルである。
【0126】
また、別の態様として、環Aで示される「置換されていてもよい環状基」の「環状基」は、
より好ましくは、C6−10アリール基、C3−8シクロアルキル基、5または6員の窒素原子を1ないし2個含有する含窒素芳香族複素環基、ベンゼン環とC3−8シクロアルカンが縮合した基、またはベンゼン環と複素環が縮合した基であり、
さらに好ましくは、フェニル、ナフチル、シクロへキシル、インダニル、ピラゾリル、ピリジルまたはベンゾチアゾリルであり、
特に好ましくは、フェニルである。
【0127】
また、別の態様として、環Aで示される「置換されていてもよい環状基」の「環状基」は、
好ましくは、芳香環であり、
より好ましくは、C6−14アリール基、5または6員芳香族複素環基、C3−8シクロアルカンが縮合したC6−14アリール基、または複素環が縮合したC6−14アリール基であり、
より好ましくは、C6−10アリール基、5または6員の窒素原子を1ないし2個含有する含窒素芳香族複素環基、C3−8シクロアルカンが縮合したフェニル基、または複素環が縮合したフェニル基であり、
さらに好ましくは、フェニル、ナフチル、インダニル、ピラゾリル、ピリジルまたはベンゾチアゾリルであり、
特に好ましくは、フェニルである。
【0128】
具体的には、環Aは、好ましくは、
(1)ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子)、
(2)シアノ、
(3)(i)ハロゲン原子(例、フッ素原子)、
(ii)C1−6アルコキシ(例、メトキシ)、
(iii)シアノ、および
(iv)ヒドロキシ
から選択される1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、tert−ブチル)、
(4)ハロゲン化されていてもよい(好ましくは、1ないし3個のハロゲン原子(例、フッ素原子)で置換されていてもよい)C1−6アルコキシ(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ)、
(5)C1−6アルキル−カルボニル(例、アセチル)、
(6)ハロゲン化されていてもよい(好ましくは、1ないし5個のハロゲン原子(例、フッ素原子)で置換されていてもよい)C1−6アルキルスルファニル(例:メチルスルファニル)、
(7)ハロゲン化されていてもよい(好ましくは、1ないし3個のハロゲン原子(例、フッ素原子)で置換されていてもよい)C1−6アルキルスルフィニル(例:メチルスルフィニル)、
(8)ハロゲン化されていてもよい(好ましくは、1ないし5個のハロゲン原子(例、フッ素原子)で置換されていてもよい)C1−6アルキルスルホニル(例:メチルスルホニル)、
(9)C3−8シクロアルキル(例、シクロヘキシル)、
(10)C6−14アリール(例:フェニル)、
(11)(i)ハロゲン化されていてもよい(好ましくは、1ないし5個のハロゲン原子(例、フッ素原子)で置換されていてもよい)C1−6アルキル(例、メチル、エチル、イソプロピル)、
(ii)オキソ、
(iii)ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子)、および
(iv)シアノ
から選択される1ないし3個の置換基で置換されていてもよい複素環基(例、ピラゾリル、ピリジル、テトラヒドロピラニル、イミダゾリル、1,2−ジヒドロピリジル、チアゾリル、ピリミジニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピロリル、ピロリジニル)、
(12)複素環オキシ基(例、ピリジルオキシ)、
(13)C1−6アルキル(例、メチル)でモノまたはジ置換されていてもよいカルバモイル、
(14)ペンタフルオロスルファニル、および
(15)オキソ
から選択される1ないし3個の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C6−10アリール基、C3−8シクロアルキル基、5または6員の窒素原子を1ないし2個含有する含窒素芳香族複素環基、ベンゼン環とC3−8シクロアルカンが縮合した基、またはベンゼン環と複素環が縮合した基(好ましくは、フェニル、ナフチル、シクロヘキシル、インダニル、ピラゾリル、ピリジルまたはベンゾチアゾリルであり、特に好ましくは、フェニルである)である。
【0129】
環Aは、より好ましくは、
(1)ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子)、
(2)シアノ、
(3)(i)ハロゲン原子(例、フッ素原子)、
(ii)C1−6アルコキシ(例、メトキシ)、
(iii)シアノ、および
(iv)ヒドロキシ
から選択される1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、tert−ブチル)、
(4)ハロゲン化されていてもよい(好ましくは、1ないし3個のハロゲン原子(例、フッ素原子)で置換されていてもよい)C1−6アルコキシ(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ)、
(5)C1−6アルキル−カルボニル(例、アセチル)、
(6)ハロゲン化されていてもよい(好ましくは、1ないし5個のハロゲン原子(例、フッ素原子)で置換されていてもよい)C1−6アルキルスルファニル(例:メチルスルファニル)、
(7)ハロゲン化されていてもよい(好ましくは、1ないし3個のハロゲン原子(例、フッ素原子)で置換されていてもよい)C1−6アルキルスルフィニル(例:メチルスルフィニル)、
(8)ハロゲン化されていてもよい(好ましくは、1ないし5個のハロゲン原子(例、フッ素原子)で置換されていてもよい)C1−6アルキルスルホニル(例:メチルスルホニル)、
(9)C3−8シクロアルキル(例、シクロヘキシル)、
(10)C6−14アリール(例:フェニル)、
(11)(i)C1−6アルキル(例、メチル)、および
(ii)オキソ
から選択される1ないし3個の置換基で置換されていてもよい複素環基(例、ピラゾリル、ピリジル、テトラヒドロピラニル、イミダゾリル、1,2−ジヒドロピリジル)、および
(12)オキソ
から選択される1ないし3個の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C6−10アリール基、5または6員の窒素原子を1ないし2個含有する含窒素芳香族複素環基、ベンゼン環とC3−8シクロアルカンが縮合した基、またはベンゼン環と複素環が縮合した基(好ましくは、フェニル、ナフチル、インダニル、ピラゾリルまたはベンゾチアゾリルであり、特に好ましくは、フェニルである)である。
【0130】
別の態様として、環Aは、より好ましくは、
(1)ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子)、
(2)シアノ、
(3)(i)ハロゲン原子(例、フッ素原子)、
(ii)C1−6アルコキシ(例、メトキシ)、
(iii)シアノ、および
(iv)ヒドロキシ
から選択される1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、tert−ブチル)、
(4)ハロゲン化されていてもよい(好ましくは、1ないし3個のハロゲン原子(例、フッ素原子)で置換されていてもよい)C1−6アルコキシ(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ)、
(5)C1−6アルキル−カルボニル(例、アセチル)、
(6)ハロゲン化されていてもよい(好ましくは、1ないし5個のハロゲン原子(例、フッ素原子)で置換されていてもよい)C1−6アルキルスルファニル(例:メチルスルファニル)、
(7)ハロゲン化されていてもよい(好ましくは、1ないし3個のハロゲン原子(例、フッ素原子)で置換されていてもよい)C1−6アルキルスルフィニル(例:メチルスルフィニル)、
(8)ハロゲン化されていてもよい(好ましくは、1ないし5個のハロゲン原子(例、フッ素原子)で置換されていてもよい)C1−6アルキルスルホニル(例:メチルスルホニル)、
(9)C3−8シクロアルキル(例、シクロヘキシル)、
(10)C6−14アリール(例:フェニル)、
(11)(i)ハロゲン化されていてもよい(好ましくは、1ないし5個のハロゲン原子(例、フッ素原子)で置換されていてもよい)C1−6アルキル(例、メチル、エチル、イソプロピル)、
(ii)オキソ、
(iii)ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子)、および
(iv)シアノ
から選択される1ないし3個の置換基で置換されていてもよい複素環基(例、ピラゾリル、ピリジル、テトラヒドロピラニル、イミダゾリル、1,2−ジヒドロピリジル、チアゾリル、ピリミジニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピロリル、ピロリジニル)、
(12)複素環オキシ基(例、ピリジルオキシ)、
(13)C1−6アルキル(例、メチル)でモノまたはジ置換されていてもよいカルバモイル、および
(14)ペンタフルオロスルファニル
から選択される1ないし3個の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C6−10アリール基、5または6員の窒素原子を1ないし2個含有する含窒素芳香族複素環基、C3−8シクロアルカンが縮合したフェニル基、または複素環が縮合したフェニル基(好ましくは、フェニル、ナフチル、インダニル、ピラゾリル、ピリジルまたはベンゾチアゾリルであり、特に好ましくは、フェニルである)である。
【0131】
また、別の態様として、環Aは、好ましくは、それぞれ置換されていてもよい、C6−10アリール基、または5または6員の窒素原子を1ないし2個含有する含窒素芳香族複素環基である。
【0132】
具体的には、環Aは、好ましくは、
(1)ハロゲン原子(例、フッ素原子)、
(2)ハロゲン化されていてもよい(好ましくは、1ないし3個のハロゲン原子(例、フッ素原子)で置換されていてもよい)C1−6アルキル基(例、メチル)、
(3)ハロゲン化されていてもよい(好ましくは、1ないし3個のハロゲン原子(例、フッ素原子)で置換されていてもよい)C1−6アルコキシ(例、メトキシ)、および
(4)複素環基(例、ピラゾリル、ピロリル)
から選択される1ないし3個の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C6−10アリール基、または5または6員の窒素原子を1ないし2個含有する含窒素芳香族複素環基(好ましくは、フェニルまたはピリジルであり、特に好ましくは、フェニルである)である。
【0133】
環Aは、より好ましくは、
(1)ハロゲン原子(例、フッ素原子)、
(2)ハロゲン化されていてもよい(好ましくは、1ないし3個のハロゲン原子(例、フッ素原子)で置換されていてもよい)C1−6アルコキシ(例、メトキシ)、および
(3)複素環基(例、ピラゾリル、ピロリル)
から選択される1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC6−10アリール基(好ましくは、フェニルである)であり、特に好ましくは、3−フルオロ− 4−(1H−ピラゾール−1−イル)フェニル基、4−(1H−ピロール−1−イル)フェニル基、4−トリフルオロメトキシフェニル基である。
【0134】
は、窒素原子または−CRZ1=(RZ1は、水素原子または置換基を示す。)を示す。
は、好ましくは、−CRZ1=(RZ1が、水素原子または置換基である。)である。
は、より好ましくは、−CRZ1=(RZ1は、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいC1−6アルキル基(例、メチル)、置換されていてもよいC2−6アルケニル基、置換されていてもよいC2−6アルキニル基、置換されていてもよいC1−6アルコキシ基(例、メトキシ)、置換されていてもよいアミノ基、シアノ基または置換されていてもよい環状基である。)である。
【0135】
は、
さらに好ましくは、−CRZ1=(RZ1は、水素原子、置換されていてもよいC1−6アルキル基または置換されていてもよい複素環基である。)であり、
さらにより好ましくは、−CRZ1=(RZ1は、水素原子、C1−6アルキル基または置換されていてもよい複素環基(例、ピペラジニル、ピラゾリル)である。)であり、
特に好ましくは、−CRZ1=(RZ1は、水素原子、メチル基または置換されていてもよい5または6員芳香族複素環基(例、ピラゾリル)である。)である。
【0136】
別の態様として、Zは、
さらに好ましくは、−CRZ1=(RZ1は、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいC1−6アルキル基、置換されていてもよいC1−6アルコキシ基または置換されていてもよい複素環基である。)であり、
さらにより好ましくは、−CRZ1=(RZ1は、
(1)水素原子、
(2)ハロゲン原子(例、塩素原子)、
(3)C1−6アルキル基(例、メチル)、
(4)C1−6アルコキシ基(例、メトキシ)、または
(5)(i)ハロゲン原子(例、塩素原子)、
(ii)C1−6アルキル基(例、メチル)、および
(iii)C1−6アルコキシ基(例、メトキシ)
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい複素環基(例、ピペラジニル、ピラゾリル、ピリジル)である。)であり、
特に好ましくは、−CRZ1=(RZ1は、
(1)水素原子、
(2)メチル基、
(3)メトキシ基、または
(4)1ないし3個のC1−6アルキル基(例、メチル)で置換されていてもよい5または6員芳香族複素環基(例、ピラゾリル、ピリジル)である。)である。
【0137】
また、別の態様として、Zは、
さらに好ましくは、−CRZ1=(RZ1は、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいC1−6アルキル基、置換されていてもよいC1−6アルコキシ基または置換されていてもよい芳香族複素環基である。)であり、
さらにより好ましくは、−CRZ1=(RZ1は、
(1)水素原子、
(2)ハロゲン原子(例、塩素原子)、
(3)C1−6アルキル基(例、メチル)、
(4)C1−6アルコキシ基(例、メトキシ)、または
(5)(i)ハロゲン原子(例、塩素原子)、
(ii)C1−6アルキル基(例、メチル)、および
(iii)C1−6アルコキシ基(例、メトキシ)
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい芳香族複素環基(例、ピラゾリル、ピリジル)である。)であり、
特に好ましくは、−CRZ1=(RZ1は、
(1)水素原子、
(2)メチル基、
(3)メトキシ基、または
(4)1ないし3個のC1−6アルキル基(例、メチル)で置換されていてもよい5または6員芳香族複素環基(例、ピラゾリル、ピリジン)である)である。
【0138】
さらに、別の態様として、Zは、
さらに好ましくは、−CRZ1=(RZ1は、水素原子、置換されていてもよいピラゾール−3−イル基または置換されていてもよいピリジン−2−イル基である。)であり、
さらにより好ましくは、−CRZ1=(RZ1は、
(1)水素原子、
(2)1ないし3個のC1−6アルキル基(例、メチル)で置換されていてもよいピラゾール−3−イル基、または
(3)(i)ハロゲン原子(例、塩素原子)、および
(ii)C1−6アルコキシ基(例、メトキシ)
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいピリジン−2−イル基である。)であり、
特に好ましくは、−CRZ1=(RZ1は、
(1)水素原子、
(2)1ないし3個のC1−6アルキル基(例、メチル)で置換されていてもよいピラゾール−3−イル基(特に、1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル基)、または
(3)ピリジン−2−イル基である。)であり、
最も好ましくは、−CRZ1=(RZ1は、
(1)1ないし3個のC1−6アルキル基(例、メチル)で置換されたピラゾール−3−イル基(特に、1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル基)、または
(2)ピリジン−2−イル基である。)である。
【0139】
別の態様として、Zは、
さらに好ましくは、−CRZ1=(RZ1は、水素原子または置換されていてもよいC1−6アルキル基である。)であり、
さらにより好ましくは、−CRZ1=(RZ1は、水素原子またはC1−6アルキル基である。)であり、
特に好ましくは、−CRZ1=(RZ1は、水素原子またはメチル基である。)である。
【0140】
は、窒素原子または−CRZ2=(RZ2は、水素原子または置換基を示す。)を示す。
は、好ましくは、−CRZ2=(RZ2が、水素原子または置換基である。)である。
は、より好ましくは、−CRZ2=(RZ2は、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいC1−6アルキル基(例、メチル)、置換されていてもよいC2−6アルケニル基、置換されていてもよいC2−6アルキニル基、置換されていてもよいC1−6アルコキシ基(例、メトキシ)、置換されていてもよいアミノ基、シアノ基または置換されていてもよい環状基である。)である。
【0141】
は、
さらに好ましくは、−CRZ2=(RZ2は、水素原子または置換されていてもよいC1−6アルキル基である。)であり、
さらにより好ましくは、−CRZ2=(RZ2は、水素原子またはC1−6アルキル基(例、メチル)である。)であり、
特に好ましくは、−CRZ2=(RZ2は、水素原子またはメチル基である。)である。
【0142】
別の態様として、Zは、
さらに好ましくは、−CRZ2=(RZ2は、水素原子、置換されていてもよいC1−6アルキル基または置換されていてもよいC1−6アルコキシ基である。)であり、
さらにより好ましくは、−CRZ2=(RZ2は、水素原子、C1−6アルキル基(例、メチル)またはC1−6アルコキシ基(例、メトキシ)である。)であり、
特に好ましくは、−CRZ2=(RZ2は、水素原子、メチル基またはメトキシ基である。)である。
【0143】
別の態様として、Zは、
さらに好ましくは、−CRZ2=(RZ2は、水素原子または置換されていてもよいC1−6アルコキシ基である。)であり、
さらにより好ましくは、−CRZ2=(RZ2は、水素原子またはC1−6アルコキシ基(例、メトキシ)である。)であり、
特に好ましくは、−CRZ2=(RZ2は、水素原子またはメトキシ基である。)であり、
最も好ましくは、−CRZ2=(RZ2は、メトキシ基である。)である。
【0144】
は、窒素原子または−CRZ3=(RZ3は、水素原子または置換基を示す。)を示す。
は、好ましくは、−CRZ3=(RZ3が、水素原子または置換基である。)である。
は、より好ましくは、−CRZ3=(RZ3は、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいC1−6アルキル基(例、メチル)、置換されていてもよいC2−6アルケニル基、置換されていてもよいC2−6アルキニル基、置換されていてもよいC1−6アルコキシ基(例、メトキシ)、置換されていてもよいアミノ基、シアノ基または置換されていてもよい環状基である。)である。
は、
さらに好ましくは、−CRZ3=(RZ3は、水素原子または置換されていてもよいC1−6アルキル基である。)であり、
さらにより好ましくは、−CRZ3=(RZ3は、水素原子またはC1−6アルキル基である。)であり、
さらに一層好ましくは、−CRZ3=(RZ3は、水素原子またはメチル基である。)であり、
特に好ましくは、−CH=である。
【0145】
Bは、環構成原子として炭素原子以外に窒素原子を1ないし2個含有する6員の芳香族複素環を示す。
「環構成原子として炭素原子以外に窒素原子を1ないし2個含有する6員の芳香族複素環」としては、ピリジン環、ピラジン環、ビリミジン環、ピリダジン環等が挙げられる。
Bは、好ましくは、ピリジン環またはピラジン環である。
Bは、特に好ましくは、ピリジン環である。
【0146】
化合物(1)の好適な例としては、以下の化合物が挙げられる。
[化合物A−1]
およびRが、それぞれ独立して、水素原子または置換されていてもよいC1−6アルキル基であり;
Xが、置換されていてもよいメチレン基であり;
Yが、メチレン基、酸素原子、−NR−(Rは、水素原子またはC1−6アルキル基(例、メチル)である)または−S(O)−(nは、前記と同義である)であるか;あるいはXおよびYを環構成原子として、それぞれ5または6員の、シクロアルカン、シクロアルケンまたは非芳香族複素環を形成し;
環Aが、それぞれ置換されていてもよい、C6−10アリール基、5または6員の窒素原子を1ないし2個含有する含窒素芳香族複素環基、ベンゼン環とC3−8シクロアルカンが縮合した基、またはベンゼン環と複素環が縮合した基であり;
が、−CRZ1=(RZ1が、水素原子、または置換されていてもよいC1−6アルキル基(例、メチル)である。)であり;
が、−CRZ2=(RZ2が、水素原子、または置換されていてもよいC1−6アルキル基(例、メチル)である。)であり;
が、−CRZ3=(RZ3が、水素原子、または置換されていてもよいC1−6アルキル基(例、メチル)である。)であり;
かつ
Bが、窒素原子を1ないし2個含有する6員の窒素原子を1ないし2個含有する芳香族複素環である;
である化合物(1)。
【0147】
[化合物B−1]
およびRが、ともに水素原子であるか、または、RおよびRの一方が水素原子であり、他方がC1−6アルキル基(例、メチル)であり;
Xが、
(1)(i)C1−6アルコキシ(例、メトキシ)、および
(ii)トリC1−6アルキルシリルオキシ(例、tert−ブチルジメチルシリルオキシ)
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル)、
(2)C1−6アルキリデン(例、メチレン)、および
(3)C6−14アリール(例、フェニル)
から選ばれる1ないし2個の置換基で置換されていてもよいメチレン基であり;
Yが、メチレン基、酸素原子、−NR−(Rは、水素原子またはC1−6アルキル基(例、メチル)である)または−S(O)−(nは、前記と同義である)であるか、あるいは、XおよびYを環構成原子として5または6員の窒素原子を1ないし2個含有する含窒素非芳香族複素環(例、ピロリジン、ピペリジン)を形成し;
環Aが、
(1)ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子)、
(2)シアノ、
(3)(i)ハロゲン原子(例、フッ素原子)、
(ii)C1−6アルコキシ(例、メトキシ)、
(iii)シアノ、および
(iv)ヒドロキシ
から選択される1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、tert−ブチル)、
(4)ハロゲン化されていてもよい(好ましくは、1ないし3個のハロゲン原子(例、フッ素原子)で置換されていてもよい)C1−6アルコキシ(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ)、
(5)C1−6アルキル−カルボニル(例、アセチル)、
(6)ハロゲン化されていてもよい(好ましくは、1ないし5個のハロゲン原子(例、フッ素原子)で置換されていてもよい)C1−6アルキルスルファニル(例:メチルスルファニル)、
(7)ハロゲン化されていてもよい(好ましくは、1ないし3個のハロゲン原子(例、フッ素原子)で置換されていてもよい)C1−6アルキルスルフィニル(例:メチルスルフィニル)、
(8)ハロゲン化されていてもよい(好ましくは、1ないし5個のハロゲン原子(例、フッ素原子)で置換されていてもよい)C1−6アルキルスルホニル(例:メチルスルホニル)、
(9)C3−8シクロアルキル(例、シクロヘキシル)、
(10)C6−14アリール(例:フェニル)、
(11)(i)C1−6アルキル(例、メチル)、および
(ii)オキソ
から選択される1ないし3個の置換基で置換されていてもよい複素環基(例、ピラゾリル、ピリジル、テトラヒドロピラニル、イミダゾリル、1,2−ジヒドロピリジル)、および
(12)オキソ
から選択される1ないし3個の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C6−10アリール基、5または6員の窒素原子を1ないし2個含有する含窒素芳香族複素環基、ベンゼン環とC3−8シクロアルカンが縮合した基、またはベンゼン環と複素環が縮合した基(好ましくは、フェニル、ナフチル、インダニル、ピラゾリルまたはベンゾチアゾリルであり、特に好ましくは、フェニルである)であり;
が、−CRZ1=(RZ1が、水素原子またはC1−6アルキル基(例、メチル)である。)であり;
が、−CRZ2=(RZ2が、水素原子またはC1−6アルキル基(例、メチル)である。)であり;
が、−CRZ3=(RZ3が、水素原子またはC1−6アルキル基(例、メチル)である。)であり;かつ
環Bが、ピリジン環である;
である、化合物(1)。
【0148】
[化合物A−2]
およびRが、それぞれ独立して、水素原子または置換されていてもよいC1−6アルキル基(例、メチル)であり;
Xが、置換されていてもよいメチレン基であり;
Yが、メチレン基、酸素原子、−NR−(Rは、水素原子またはC1−6アルキル基(例、メチル、エチル)である)または−S(O)−(nは、前記と同義である)であるか;あるいは
XおよびYを環構成原子として、それぞれ置換されていてもよい5または6員の、シクロアルカン、シクロアルケンまたは非芳香族複素環を形成し;
環Aが、それぞれ置換されていてもよい、C6−10アリール基、C3−8シクロアルキル基、5または6員の窒素原子を1ないし2個含有する含窒素芳香族複素環基、ベンゼン環とC3−8シクロアルカンが縮合した基、またはベンゼン環と複素環が縮合した基であり;
が、−CRZ1=(RZ1が、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいC1−6アルキル基、置換されていてもよいC1−6アルコキシ基または置換されていてもよい複素環基である。)であり;
が、−CRZ2=(RZ2が、水素原子、置換されていてもよいC1−6アルキル基または置換されていてもよいC1−6アルコキシ基である。)であり;
が、−CRZ3=(RZ3は、水素原子または置換されていてもよいC1−6アルキル基である。)であり;かつ
環Bが、窒素原子を1ないし2個含有する6員の窒素原子を1ないし2個含有する芳香族複素環である;
である化合物(1)。
【0149】
[化合物B−2]
およびRが、共に水素原子であるか、または、RおよびRの一方が水素原子であり、他方がC1−6アルキル基(例、メチル)であり;
Xが、
(1)(i)C1−6アルコキシ(例、メトキシ)、
(ii)トリC1−6アルキルシリルオキシ(例、tert−ブチルジメチルシリルオキシ)、
(iii)C1−6アルキルスルファニル(例、メチルスルファニル)、
(iv)C1−6アルキルスルホニル(例、メチルスルホニル)、および
(v)C3−8シクロアルキル(例、シクロペンチル)
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、tert-ブチル)、
(2)C1−6アルキリデン(例、メチレン)、
(3)C6−14アリール(例、フェニル)、および
(4)C3−8シクロアルキル(例、シクロプロピル)
から選ばれる1ないし2個の置換基で置換されていてもよいメチレン基であり;
Yが、メチレン基、酸素原子、−NH−、−NCH−、−N(CHCH)−、−S−または−SO−であるか;あるいは
XおよびYを環構成原子として、1ないし3個のオキソ基で置換されていてもよい、5または6員の窒素原子を1ないし2個含有する含窒素非芳香族複素環(例、ピロリジン、ピペリジン)を形成し;
環Aが、
(1)ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子)、
(2)シアノ、
(3)(i)ハロゲン原子(例、フッ素原子)、
(ii)C1−6アルコキシ(例、メトキシ)、
(iii)シアノ、および
(iv)ヒドロキシ
から選択される1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、tert−ブチル)、
(4)ハロゲン化されていてもよい(好ましくは、1ないし3個のハロゲン原子(例、フッ素原子)で置換されていてもよい)C1−6アルコキシ(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ)、
(5)C1−6アルキル−カルボニル(例、アセチル)、
(6)ハロゲン化されていてもよい(好ましくは、1ないし5個のハロゲン原子(例、フッ素原子)で置換されていてもよい)C1−6アルキルスルファニル(例:メチルスルファニル)、
(7)ハロゲン化されていてもよい(好ましくは、1ないし3個のハロゲン原子(例、フッ素原子)で置換されていてもよい)C1−6アルキルスルフィニル(例:メチルスルフィニル)、
(8)ハロゲン化されていてもよい(好ましくは、1ないし5個のハロゲン原子(例、フッ素原子)で置換されていてもよい)C1−6アルキルスルホニル(例:メチルスルホニル)、
(9)C3−8シクロアルキル(例、シクロヘキシル)、
(10)C6−14アリール(例:フェニル)、
(11)(i)ハロゲン化されていてもよい(好ましくは、1ないし5個のハロゲン原子(例、フッ素原子)で置換されていてもよい)C1−6アルキル(例、メチル、エチル、イソプロピル)、
(ii)オキソ、
(iii)ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子)、および
(iv)シアノ
から選択される1ないし3個の置換基で置換されていてもよい複素環基(例、ピラゾリル、ピリジル、テトラヒドロピラニル、イミダゾリル、1,2−ジヒドロピリジル、チアゾリル、ピリミジニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピロリル、ピロリジニル)、
(12)複素環オキシ基(例、ピリジルオキシ)、
(13)C1−6アルキル(例、メチル)でモノまたはジ置換されていてもよいカルバモイル、
(14)ペンタフルオロスルファニル、および
(15)オキソ
から選択される1ないし3個の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C6−10アリール基、C3−8シクロアルキル基、5または6員の窒素原子を1ないし2個含有する含窒素芳香族複素環基、ベンゼン環とC3−8シクロアルカンが縮合した基、またはベンゼン環と複素環が縮合した基(好ましくは、フェニル、ナフチル、シクロヘキシル、インダニル、ピラゾリル、ピリジルまたはベンゾチアゾリルであり、特に好ましくは、フェニルである)であり;
が、−CRZ1=(RZ1が、
(1)水素原子、
(2)ハロゲン原子(例、塩素原子)、
(3)C1−6アルキル基(例、メチル)、
(4)C1−6アルコキシ基(例、メトキシ)、または
(5)(i)ハロゲン原子(例、塩素原子)、
(ii)C1−6アルキル基(例、メチル)、および
(iii)C1−6アルコキシ基(例、メトキシ)
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい複素環基(例、ピペラジニル、ピラゾリル、ピリジル)である。)であり;
が、−CRZ2=(RZ2が、水素原子、C1−6アルキル基(例、メチル)またはC1−6アルコキシ基(例、メトキシ)である。)であり;
が、−CRZ3=(RZ3が、水素原子またはC1−6アルキル基(例、メチル)である。)であり;かつ
環Bが、ピリジン環である;
である化合物(1)。
【0150】
[化合物C−2]
およびRが、共に水素原子であり;
Xが、C1−6アルキル基で置換されていてもよいメチレン基であり;
Yが、酸素原子であり;
環Aが、置換されていてもよい芳香環であり;
が、CRZ1=(RZ1が、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいC1−6アルキル基、置換されていてもよいC1−6アルコキシ基または置換されていてもよい芳香族複素環基である。)であり;
が、−CRZ2=(RZ2が、水素原子、置換されていてもよいC1−6アルキル基または置換されていてもよいC1−6アルコキシ基である。)であり;
が、−CH=であり;かつ
環Bが、ピリジン環である;
である化合物(1)。
【0151】
[化合物D−2]
およびRが、共に水素原子であり;
Xが、1ないし2個のC1−6アルキル(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、tert-ブチル)で置換されていてもよいメチレン基であり;
Yが、酸素原子であり;
環Aが、
(1)ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子)、
(2)シアノ、
(3)(i)ハロゲン原子(例、フッ素原子)、
(ii)C1−6アルコキシ(例、メトキシ)、
(iii)シアノ、および
(iv)ヒドロキシ
から選択される1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、tert−ブチル)、
(4)ハロゲン化されていてもよい(好ましくは、1ないし3個のハロゲン原子(例、フッ素原子)で置換されていてもよい)C1−6アルコキシ(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ)、
(5)C1−6アルキル−カルボニル(例、アセチル)、
(6)ハロゲン化されていてもよい(好ましくは、1ないし5個のハロゲン原子(例、フッ素原子)で置換されていてもよい)C1−6アルキルスルファニル(例:メチルスルファニル)、
(7)ハロゲン化されていてもよい(好ましくは、1ないし3個のハロゲン原子(例、フッ素原子)で置換されていてもよい)C1−6アルキルスルフィニル(例:メチルスルフィニル)、
(8)ハロゲン化されていてもよい(好ましくは、1ないし5個のハロゲン原子(例、フッ素原子)で置換されていてもよい)C1−6アルキルスルホニル(例:メチルスルホニル)、
(9)C3−8シクロアルキル(例、シクロヘキシル)、
(10)C6−14アリール(例:フェニル)、
(11)(i)ハロゲン化されていてもよい(好ましくは、1ないし5個のハロゲン原子(例、フッ素原子)で置換されていてもよい)C1−6アルキル(例、メチル、エチル、イソプロピル)、
(ii)オキソ、
(iii)ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子)、および
(iv)シアノ
から選択される1ないし3個の置換基で置換されていてもよい複素環基(例、ピラゾリル、ピリジル、テトラヒドロピラニル、イミダゾリル、1,2−ジヒドロピリジル、チアゾリル、ピリミジニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピロリル、ピロリジニル)、
(12)複素環オキシ基(例、ピリジルオキシ)、
(13)C1−6アルキル(例、メチル)でモノまたはジ置換されていてもよいカルバモイル、および
(14)ペンタフルオロスルファニル
から選択される1ないし3個の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C6−10アリール基、5または6員の窒素原子を1ないし2個含有する含窒素芳香族複素環基、C3−8シクロアルカンが縮合したフェニル基、または複素環が縮合したフェニル基(好ましくは、フェニル、ナフチル、インダニル、ピラゾリル、ピリジルまたはベンゾチアゾリルであり、特に好ましくは、フェニルである)であり;
が、−CRZ1=(RZ1が、
(1)水素原子、
(2)ハロゲン原子(例、塩素原子)、
(3)C1−6アルキル基(例、メチル)、
(4)C1−6アルコキシ基(例、メトキシ)、または
(5)(i)ハロゲン原子(例、塩素原子)、
(ii)C1−6アルキル基(例、メチル)、および
(iii)C1−6アルコキシ基(例、メトキシ)
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい芳香族複素環基(例、ピラゾリル、ピリジル)である。)であり;
が、−CRZ2=(RZ2が、水素原子、C1−6アルキル基(例、メチル)またはC1−6アルコキシ基(例、メトキシ)である。)であり;
が、−CH=であり;かつ
環Bが、ピリジン環である;
である化合物(1)。
【0152】
[化合物E−2]
およびRが、共に水素原子であり;
Xが、
(1)1ないし3個のC1−6アルコキシ(例、メトキシ)で置換されていてもよいC1−6アルキル(例、エチル、イソプロピル)
から選ばれる1ないし2個の置換基で置換されていてもよいメチレン基であり;
Yが、酸素原子または−NH−であるか;あるいは
XおよびYを環構成原子として、ピロリジンを形成し;
環Aが、
(1)ハロゲン原子(例、フッ素原子)、
(2)ハロゲン化されていてもよい(好ましくは、1ないし3個のハロゲン原子(例、フッ素原子)で置換されていてもよい)C1−6アルキル基(例、メチル)、
(3)ハロゲン化されていてもよい(好ましくは、1ないし3個のハロゲン原子(例、フッ素原子)で置換されていてもよい)C1−6アルコキシ(例、メトキシ)、および
(4)複素環基(例、ピラゾリル、ピロリル)
から選択される1ないし3個の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C6−10アリール基、または5または6員の窒素原子を1ないし2個含有する含窒素芳香族複素環基(好ましくは、フェニルまたはピリジルであり、特に好ましくは、フェニルである)であり;
が、−CRZ1=(RZ1が、
(1)水素原子、
(2)メチル基、
(3)メトキシ基、または
(4)1ないし3個のC1−6アルキル基(例、メチル)で置換されていてもよい5または6員芳香族複素環基(例、ピラゾリル、ピリジル)である。)であり;
が、−CRZ2=(RZ2が、水素原子、C1−6アルキル基(例、メチル)またはC1−6アルコキシ基(例、メトキシ)である。)であり;
が、−CRZ3=(RZ3は、水素原子またはC1−6アルキル基(例、メチル)である。)であり;かつ
環Bが、ピリジン環である;
である化合物(1)。
【0153】
[化合物F−2]
4-(2-(3-フルオロ-4-(1H-ピラゾール-1-イル)フェノキシ)-3-メチルブタノイル)-7-メトキシ-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オンまたはその塩。
6-(1-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)-4-(2-(4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オンまたはその塩。
【0154】
化合物(1)の具体例としては、例えば、実施例1〜156の化合物が挙げられる。
【0155】
式(1)で表される化合物の塩としては、例えば、金属塩、アンモニウム塩、有機塩基との塩、無機酸との塩、有機酸との塩、塩基性又は酸性アミノ酸との塩などが挙げられる。
【0156】
金属塩の好適な例としては、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩などのアルカリ土類金属塩;アルミニウム塩などが挙げられる。
【0157】
有機塩基との塩の好適な例としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、2,6−ルチジン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N'−ジベンジルエチレンジアミンなどとの塩が挙げられる。
【0158】
無機酸との塩の好適な例としては、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸などとの塩が挙げられる。
【0159】
有機酸との塩の好適な例としては、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フタル酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などとの塩が挙げられる。
【0160】
塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、アルギニン、リジン、オルニチンなどとの塩が挙げられ、酸性アミノ酸との塩の好適な例としては、アスパラギン酸、グルタミン酸などとの塩が挙げられる。
【0161】
上記した塩のなかでも、薬学的に許容し得る塩が好ましい。
【0162】
化合物(1)のプロドラッグは、生体内における生理条件下で酵素や胃酸などによる反応により化合物(1)に変換される化合物、すなわち酵素的に酸化、還元、加水分解などを起こして化合物(1)に変化する化合物、胃酸などにより加水分解などを起こして化合物(1)に変化する化合物をいう。
【0163】
化合物(1)のプロドラッグとしては、化合物(1)のアミノ基がアシル化、アルキル化またはリン酸化された化合物(例えば、化合物(1)のアミノ基がエイコサノイル化、アラニル化、ペンチルアミノカルボニル化、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メトキシカルボニル化、テトラヒドロフラニル化、ピロリジルメチル化、ピバロイルオキシメチル化またはtert−ブチル化された化合物);化合物(1)のヒドロキシ基がアシル化、アルキル化、リン酸化またはホウ酸化された化合物(例えば、化合物(1)のヒドロキシ基がアセチル化、パルミトイル化、プロパノイル化、ピバロイル化、スクシニル化、フマリル化、アラニル化またはジメチルアミノメチルカルボニル化された化合物);化合物(1)のカルボキシル基がエステル化またはアミド化された化合物(例えば、化合物(1)のカルボキシル基がC1−6アルキルエステル化、フェニルエステル化、カルボキシメチルエステル化、ジメチルアミノメチルエステル化、ピバロイルオキシメチルエステル化、エトキシカルボニルオキシエチルエステル化、フタリジルエステル化、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチルエステル化、シクロヘキシルオキシカルボニルエチルエステル化またはメチルアミド化された化合物);などが挙げられ、なかでも化合物(1)のカルボキシル基がメチル、エチル、tert−ブチルなどのC1−6アルキルでエステル化された化合物が好ましく用いられる。これらの化合物は自体公知の方法によって化合物(1)から製造することができる。
【0164】
また、化合物(1)のプロドラッグは、広川書店1990年刊「医薬品の開発」第7巻分子設計163頁から198頁に記載されているような生理的条件で化合物(1)に変化するものであってもよい。
【0165】
以下に、化合物(1)またはその塩の製造法を説明する。
以下の反応式における略図中の化合物の各記号は、特に記載のない限り、前記と同義を示す。反応式に記載された各化合物は、反応を阻害しないのであれば、塩を形成していてもよく、かかる塩としては、化合物(1)の塩と同様なものが挙げられる。
【0166】
また、各工程で得られた化合物は反応液のまま粗生成物として次の反応に用いることもできるが、常法に従って反応混合物から単離することもでき、さらに再結晶、蒸留、クロマトグラフィーなどの分離手段により容易に精製することもできる。
【0167】
以下、本発明の化合物の製造法について述べる。
化合物(1)(以下に詳述する反応式1中の(1a)および(1b)で表わされる化合物(それぞれ化合物(1a)、化合物(1b)と略す))は、自体公知の方法、例えば、反応式1から反応式3で示される製造法またはこれに準じた方法に従って製造することができる。
以下の各製造法において、化合物(1)の製造に用いられる各原料化合物は、塩を形成していてもよく、このような塩としては、化合物(1)の塩と同様のものが挙げられる。
【0168】
また、化合物(1)の製造に用いられる各原料化合物は、反応液のままか粗生成物として次の反応に用いることもできるが、常法に従って反応混合物から単離することもでき、それ自体が公知の手段、例えば、抽出、濃縮、中和、濾過、蒸留、再結晶、クロマトグラフィー等の分離手段により容易に精製することができる。上記再結晶に用いられる溶媒としては、例えば、水、アルコール類、エーテル類、炭化水素類、アミド類、ハロゲン化炭化水素類、ニトリル類、ケトン類、エステル類、スルホキシド類、有機酸類等が挙げられる。これらの溶媒は、単独で用いることもできるし、二種以上の溶媒を適当な割合、例えば、1:1〜1:10の割合で混合して用いてもよい。また、式中の化合物は、市販品をそのまま用いることもでき、自体公知の方法、またはそれに準じた方法にて製造したものを用いることもできる。
【0169】
化合物(1)が、変換可能な官能基(例、カルボキシル基、アミノ基、ヒドロキシ基、カルボニル基、メルカプト基、C1−6アルコキシ−カルボニル基、C6−14アリールオキシ−カルボニル基、C7−16アラルキルオキシ−カルボニル基、スルホ基、ハロゲン原子、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルスルホニルオキシ基等)を有する場合、これらの官能基を自体公知の方法またはそれに準ずる方法によって変換することにより、種々の化合物を製造することができる。
カルボキシル基は、例えば、エステル化、還元、アミド化、保護されていてもよいアミノ基への変換反応等の反応により変換可能である。
アミノ基は、例えば、アミド化、スルホニル化、ニトロソ化、アルキル化、アリール化、イミド化等の反応により変換可能である。
ヒドロキシ基は、例えば、エステル化、カルバモイル化、スルホニル化、アルキル化、アリール化、酸化、ハロゲン化等の反応により変換可能である。
カルボニル基は、例えば、還元、酸化、イミノ化(オキシム化、ヒドラゾン化を含む)、(チオ)ケタール化、アルキリデン化、チオカルボニル化等の反応により変換可能である。
メルカプト基は、例えば、アルキル化、酸化等の反応により変換可能である。
1−6アルコキシ−カルボニル基、C6−14アリールオキシ−カルボニル基、またはC7−16アラルキルオキシ−カルボニル基は、例えば、還元、加水分解等の反応により変換可能である。
スルホ基は、例えば、スルホンアミド化、還元等の反応により変換可能である。
ハロゲン原子は、例えば、各種求核置換反応、各種カップリング反応等により変換可能である。
ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルスルホニルオキシは、例えば、各種カップリング反応等により変換可能である。
前記の各反応において、化合物が遊離の状態で得られる場合には、常法に従って塩に変換してもよく、また塩として得られる場合には、常法に従って遊離体またはその他の塩に変換することもできる。
これらの官能基の変換は、自体公知の方法、例えば、Wiley−VCH社1999年刊「Comprehensive Organic Transformations」(Richard C. Larock著)に記載の方法等に準じて行えばよい。
【0170】
また、化合物(1)の製造法の各反応および原料化合物合成の各反応において、原料化合物が、置換基としてアミノ基、カルボキシル基、ヒドロキシ基、カルボニル基またはメルカプト基を有する場合、これらの基にペプチド化学等で一般的に用いられるような保護基が導入されていてもよく、反応後に必要に応じて当該保護基を除去することにより目的化合物を得ることができる。
アミノ基の保護基としては、例えば、ホルミル基、それぞれ置換基を有していてもよい、C1−6アルキル−カルボニル基(例、アセチル、エチルカルボニル等)、フェニルカルボニル基、C1−6アルキル−オキシカルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル(Boc)等)、アリルオキシカルボニル(Alloc)基、フェニルオキシカルボニル基、フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)基、C7−10アラルキル−カルボニル基(例、ベンジルカルボニル等)、C7−10アラルキル−オキシカルボニル基(例、ベンジルオキシカルボニル(Z)等)、C7−10アラルキル基(例、ベンジル等)、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル(SEM)基、トリチル基、フタロイル基、N,N−ジメチルアミノメチレン基、アリル基等が用いられる。これらの置換基としては、フェニル基、ハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)、C1−6アルキル−カルボニル基(例、メチルカルボニル、エチルカルボニル、ブチルカルボニル等)、ニトロ基等が用いられ、置換基の数は1ないし3個程度である。
カルボキシル基の保護基としては、例えば、それぞれ置換基を有していてもよい、C1−6アルキル基(例、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、tert−ブチル等)、アリル基、ベンジル基、フェニル基、トリチル基、トリアルキルシリル基等が用いられる。これらの置換基としては、ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)、ホルミル基、C1−6アルキル−カルボニル基(例、アセチル、エチルカルボニル、ブチルカルボニル等)、ニトロ基等が用いられ、置換基の数は1ないし3個程度である。
ヒドロキシ基の保護基としては、例えば、それぞれ置換基を有していてもよい、C1−6アルキル基(例、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、tert−ブチル等)、C7−10アラルキル基(例、ベンジル等)、ホルミル基、C1−6アルキル−カルボニル基(例、アセチル、エチルカルボニル等)、ベンゾイル基、C7−10アラルキル−カルボニル基(例、ベンジルカルボニル等)、テトラヒドロピラニル基、フラニル基、シリル基等が用いられる。これらの置換基としては、ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)、C1−6アルキル基(例、メチル、エチル、n−プロピル等)、フェニル基、C7−10アラルキル基(例、ベンジル等)、C1−6アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ等)、ニトロ基等が用いられ、置換基の数は1ないし4個程度である。
カルボニル基の保護基としては、例えば、環状アセタール(例、1,3−ジオキサン)、非環状アセタール(例、ジ−C1−6アルキルアセタール)等が挙げられる。
メルカプト基の保護基としては、例えば、C1−6アルキル基、フェニル基、トリチル基、C7−10アラルキル基(例、ベンジル)、C1−6アルキル−カルボニル基、ベンゾイル基、C7−10アラルキル−カルボニル基(例、ベンジルカルボニル)、C1−6アルコキシ−カルボニル基、C6−14アリールオキシ−カルボニル基(例、フェニルオキシカルボニル)、C7−14アラルキルオキシ−カルボニル基(例、ベンジルオキシカルボニル、9−フルオレニルメトキシカルボニル)、2−テトラヒドロピラニル基、C1−6アルキルアミノ−カルボニル基(例、メチルアミノカルボニル、エチルアミノカルボニル)等が挙げられる。これらの基は、ハロゲン原子、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基またはニトロ基から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい。
これらの保護基の導入または除去は、自体公知の方法、例えば、Wiley−Interscience社1999年刊「Protective Groups in Organic Synthesis, 3rdEd.」(Theodora W. Greene, Peter G. M. Wuts著)に記載の方法等に準じて行えばよい。具体的には、酸、塩基、紫外光、ヒドラジン、フェニルヒドラジン、N−メチルジチオカルバミン酸ナトリウム、テトラブチルアンモニウムフルオリド、酢酸パラジウム、トリアルキルシリルハライド(例、トリメチルシリルヨージド、トリメチルシリルブロミド)等を使用する方法、還元法等が挙げられる。
【0171】
化合物(1)がコンフィギュレーショナルアイソマー、ジアステレオマー、コンフォーマー等として存在する場合には、公知の手段によりそれぞれを単離することができる。また、化合物(1)に光学異性体が存在する場合には、通常の光学分割手段によりラセミ体を分割することにより、光学活性体((+)体、(−)体)を得ることができる。
【0172】
化合物(1)が、光学異性体、立体異性体、位置異性体、回転異性体、互変異性体を有する場合には、これらも化合物(1)として包含されるとともに、自体公知の合成手法、分離手法によりそれぞれを単品として得ることができる。
例えば、光学分割法としては、自体公知の方法、例えば、分別再結晶法、キラルカラム法、ジアステレオマー法等が用いられる。
1)分別再結晶法:ラセミ体と光学活性な化合物(例、(+)−マンデル酸、(−)−マンデル酸、(+)−酒石酸、(−)−酒石酸、(+)−1−フェネチルアミン、(−)−1−フェネチルアミン、シンコニン、(−)−シンコニジン、ブルシン等)との塩を形成させ、これを分別再結晶法によって分離し、所望により、中和工程を経てフリーの光学異性体を得る方法。
2)キラルカラム法:ラセミ体またはその塩を光学異性体分離用カラム(キラルカラム)にかけて分離する方法。例えば、液体クロマトグラフィーの場合、ENALTIO−OVM(トーソー社製)または、ダイセル社製CHIRALシリーズ等のキラルカラムに光学異性体の混合物を添加し、展開溶媒として水、種々の緩衝液(例、リン酸緩衝液)または有機溶媒(例、エタノール、メタノール、イソプロパノール、アセトニトリル、トリフルオロ酢酸、ジエチルアミン)を単独でまたはそれらを混合して用い、該光学異性体の混合物を展開させることにより、光学異性体を分離する。また、例えば、ガスクロマトグラフィーの場合、CP−Chirasil−DeX CB(ジーエルサイエンス社製)等のキラルカラムを使用して分離する。
3)ジアステレオマー法:ラセミ体の混合物を光学活性な試薬との化学反応によってジアステレオマーの混合物とし、これを通常の分離手段(例、分別再結晶、クロマトグラフィー法等)等を経て単一物質とした後、加水分解反応等の化学的な処理により光学活性な試薬部位を切り離すことにより光学異性体を得る方法。例えば、化合物(1)が分子内にヒドロキシ基または1級、2級アミノ基を有する場合、該化合物と光学活性な有機酸(例、MTPA〔α−メトキシ−α−(トリフルオロメチル)フェニル酢酸〕、(−)−メントキシ酢酸等)等とを縮合反応に付すことにより、それぞれエステル体またはアミド体のジアステレオマーが得られる。一方、化合物(1)がカルボキシル基を有する場合、該化合物と光学活性アミンまたはアルコール試薬とを縮合反応に付すことにより、それぞれアミド体またはエステル体のジアステレオマーが得られる。分離されたジアステレオマーは、酸加水分解または塩基性加水分解反応に付すことにより、元の化合物の光学異性体に変換される。
【0173】
本発明の化合物の製造法で挙げられる溶媒、酸および塩基を以下に説明する。
「溶媒」としては、例えば、「アルコール類」、「エーテル類」、「炭化水素類」、「アミド類」、「ハロゲン化炭化水素類」、「ニトリル類」、「ケトン類」、「エステル類」、「スルホキシド類」等を用いることができる。
「アルコール類」としては、例えば、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、tert−ブチルアルコール等が挙げられる。
「エーテル類」としては、例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジフェニルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2-ジメトキシエタン等が挙げられる。
「炭化水素類」としては、例えば、ベンゼン、トルエン、シクロヘキサン、ヘキサン、石油エーテル等が挙げられる。
「アミド類」としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジン、ヘキサメチルホスホリックトリアミド等が挙げられる。
「ハロゲン化炭化水素類」としては、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン等が挙げられる。
「ニトリル類」としては、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル等が挙げられる。
「ケトン類」としては、例えば、アセトン、エチルメチルケトン等が挙げられる。
「エステル類」としては、例えば、酢酸エチル、酢酸tert−ブチル等が挙げられる。
「スルホキシド類」としては、例えば、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
「酸」としては、例えば、「有機酸類」、「鉱酸類」、「ルイス酸類」等を用いることができる。
「有機酸類」としては、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等が挙げられる。
「鉱酸類」としては、例えば、塩酸、硫酸等が挙げられる。
「ルイス酸類」としては、例えば、三塩化ホウ素、三臭化ホウ素等が挙げられる。
「塩基」としては、例えば、「無機塩基類」、「塩基性塩類」、「芳香族アミン類」、「第3級アミン類」、「アルカリ金属水素化物類」、「アルカリ金属類」、「金属アミド類」、「アルキル金属類」、「アリール金属類」、「金属アルコキシド類」等を用いることができる。
「無機塩基類」としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化バリウム等が挙げられる。
「塩基性塩類」としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸水素ナトリウム、酢酸ナトリウム、酢酸アンモニウム等が挙げられる。
「芳香族アミン類」としては、例えば、ピリジン、ルチジン等が挙げられる。
「第3級アミン類」としては、例えば、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、シクロヘキシルジメチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、N,N−ジメチルアニリン、N−メチルピペリジン、N−メチルピロリジン、N−メチルモルホリン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデカ−7−エン等が挙げられる。
「アルカリ金属水素化物類」としては、例えば、水素化ナトリウム、水素化カリウム等が挙げられる。
「アルカリ金属類」としては、例えば、ナトリウム、リチウム、カリウム等が挙げられる。
「金属アミド類」としては、例えば、ナトリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムヘキサメチルジシラジド等が挙げられる。
「アルキル金属類」としては、例えば、ブチルリチウム、sec-ブチルリチウム、tert-ブチルリチウム等が挙げられる。
「アリール金属類」としては、例えば、フェニルリチウム等が挙げられる。
「金属アルコキシド類」としては、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムtert-ブトキシド、カリウムtert-ブトキシド等が挙げられる。
【0174】
化合物(1)は、例えば、以下の反応式1で示される方法またはこれに準ずる方法に従って製造することができる。
【0175】
反応式1
【0176】
【化6】
【0177】
〔式中、R5は、置換されていてもよいC1−6アルキル基を、Lは、脱離基を、Lは、水酸基または脱離基を、nは、1または2を表し、その他の記号は前記と同義である。〕
【0178】
で表される脱離基としては、例えば、ハロゲン原子、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルスルホニルオキシ基、C1−6アルキル基で置換されていてもよいC6−10アリールスルホニルオキシ基等が挙げられ、好ましくは、ハロゲン原子、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルスルホニルオキシ基である。
で表される脱離基としては、例えば、ハロゲン原子、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルスルホニルオキシ基、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ基、置換されていてもよいアリールオキシ基、1−1H−イミダゾリル基等が挙げられる。Lは、好ましくは、水酸基、またはハロゲン原子である。
【0179】
化合物(2)、(3)および(6)は、市販品として容易に入手でき、また、自体公知の方法またはこれらに準じた方法に従って製造することができる。
【0180】
<工程1> 化合物(4)は、化合物(2)と化合物(3)を反応させることにより製造することができる。
本反応は、通常、塩基の存在下で行われる。このような塩基としては、例えば、第3級アミン類、炭酸アルカリ金属類、炭酸水素アルカリ金属類、アルカリ金属水素化物類、金属アルコキシド類、金属アミド類、有機金属類等が挙げられる。
化合物(3)は、化合物(2)1モルに対して、通常0.5〜10モル、好ましくは、1〜3モルの量で用いられる。塩基は、化合物(2)1モルに対して、通常1〜100モル、好ましくは、1〜10モルの量で用いられる。
本反応は、反応に不活性な溶媒を用いて行うのが有利である。このような溶媒としては、反応が進行する限り特に限定されないが、例えば、アルコール類、エーテル類、アミド類、スルホキシド類、第3級アミン類等の溶媒、もしくはそれらの混合溶媒等が好ましい。
反応時間は、用いる試薬や溶媒により異なるが、通常0.1〜24時間、好ましくは、0.5〜12時間である。
反応温度は、通常0〜300℃、好ましくは、20〜150℃である。
【0181】
<工程2> 化合物(5)は、化合物(4)から製造することができる。
ニトロ基からアミノ基への変換は、自体公知の方法、例えば、Reductions in Organic Chemistry、Second Edition、The American Chemical Society、95−97頁、1996年に記載の方法あるいはそれに準じた方法に従って行うことができ、例えば、水素添加反応や金属塩を用いる反応等が挙げられる。続く分子内アミド化反応は、通常、ニトロ基の還元後速やかに進行するが、適当な酸を添加することにより、当該アミド化反応を促進させることができる。
このような酸としては、例えば、酢酸、メタンスルホン酸等の有機酸類、塩酸等の鉱酸類等が挙げられる。これらの酸は、化合物(4)1モルに対して、通常0.01〜5モル、好ましくは0.01〜0.3モルの量で用いられる。
本反応は、反応に不活性な溶媒を用いて行うのが有利である。このような溶媒としては、反応が進行する限り特に限定されないが、例えば、アルコール類、エーテル類等の溶媒、もしくはそれらの混合溶媒等が好ましい。
反応時間は、用いる試薬や溶媒により異なるが、通常0.1〜24時間、好ましくは、0.5〜12時間である。
反応温度は、通常0〜200℃、好ましくは、20〜100℃である。
【0182】
<工程3> 化合物(1)のYが、置換されていてもよいメチレン基、酸素原子、−NR−(Rは、水素原子または置換基を示す。)、または−S−である化合物(1a)は、化合物(5)から、自体公知の方法により、製造することができる。
が水酸基の場合、化合物(5)と化合物(6)との縮合は、縮合剤の存在下、反応に悪影響を及ぼさない溶媒中で行われる。縮合剤としては、例えばカルボジイミド系縮合試薬、リン酸系縮合試薬、N,N’−カルボニルジイミダゾール、2−メチル−6−ニトロ安息香酸無水物、2−クロロ−1,3−ジメチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、2−クロロ−1−メチルピリジニウム、N,N−ジメチルスルファモイルクロリド、2−クロロ−4,6−ジメトキシトリアジン、4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチル−モルホリニウムクロリド等の一般に知られている縮合剤が挙げられる。
縮合剤として、カルボジイミド系縮合試薬、2−メチル−6−ニトロ安息香酸無水物等を用いる場合、必要に応じて適当な縮合促進剤(例えば1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、N−ヒドロキシコハク酸イミド、N−ヒドロキシフタルイミド、4−ジメチルアミノピリジン等)を用いることにより反応効率を向上させることができる。また、縮合剤として、リン酸系縮合試薬、2−メチル−6−ニトロ安息香酸無水物等を用いる場合、通常、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等の有機アミン性塩基を添加することにより、反応効率を向上させることができる。縮合剤の使用量は、化合物(5)1モルに対して、通常0.1〜10モル、好ましくは、1〜3モルである。上記した縮合促進剤や塩基の使用量は、化合物(5)1モルに対して、通常0.1〜10モル、好ましくは、0.3〜3モルである。
が脱離基の場合、化合物(5)と化合物(6)との縮合は、反応に悪影響を及ぼさない溶媒中で、必要に応じて塩基を加えることにより行われる。
ここで用いられる塩基としては、例えば、第3級アミン類、炭酸アルカリ金属類、炭酸水素アルカリ金属類等が挙げられる。
化合物(6)は、化合物(5)1モルに対して、通常0.1〜10モル、好ましくは、1〜2モルの量で用いられる。
これらの反応において、反応に悪影響を及ぼさない溶媒としては、反応が進行する限り特に限定されないが、例えば、ハロゲン化炭化水素類、アミド類、スルホキシド類、エーテル類、ニトリル類、エステル類、炭化水素類、水等の溶媒、もしくはそれらの混合溶媒等が好ましい。
反応時間は、用いる試薬や溶媒により異なるが、通常0.1〜24時間、好ましくは、0.5〜12時間である。
反応温度は、通常0〜200℃、好ましくは、20〜100℃である。
【0183】
<工程4> Yが−S(O)n−(nは、1または2である)である場合、化合物(1b)は、Yが−S−である化合物(1a)より、自体公知の酸化反応により製造することもできる。
酸化反応に用いることのできる酸化剤としては、m-クロロ過安息香酸、オキソン(登録商標)等のペルオキシ一硫酸カリウムおよびその複塩、過酸化水素水等の一般に知られている酸化剤が挙げられる。
酸化剤は、化合物(1a)1モルに対して、通常0.1〜20モル、好ましくは、0.5〜2モルの量で用いられる。
本反応は、反応に不活性な溶媒を用いて行うのが有利である。このような溶媒としては、反応が進行する限り特に限定されないが、例えば、ハロゲン化炭化水素類、アミド類、スルホキシド類、エーテル類、ニトリル類、エステル類、炭化水素類、水等の溶媒、もしくはそれらの混合溶媒等が好ましい。
反応時間は、用いる試薬や溶媒により異なるが、通常0.1〜24時間、好ましくは、0.5〜12時間である。
反応温度は、通常−80〜200℃、好ましくは、0〜100℃である。
【0184】
反応式1中の化合物(6)は、例えば、反応式2および反応式3に示される方法またはこれに準ずる方法により製造することができる。
【0185】
反応式2
【0186】
【化7】
【0187】
〔式中、Rは、置換されていてもよいC1−6アルキル基を、RおよびRは、それぞれ独立して置換基を、Rは、置換されていてもよいC1−6アルキル基、置換されていてもよいC1−6アルコキシ基、置換されていてもよいC5−10アリール基、または置換されていてもよいC5−10アリールオキシ基を、LおよびLは、それぞれ独立して脱離基を表し、その他の記号は、前記と同義である。〕
【0188】
反応式3
【0189】
【化8】
【0190】
〔式中、R10は、置換されていてもよいC1−6アルキル基、またはトリアルキルシリル基を、LおよびLは、それぞれ独立して脱離基を表し、pは、1ないし4の整数を示し、その他の記号は前記と同義である。〕
【0191】
およびLで表される脱離基としては、例えば、ハロゲン原子、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルスルホニルオキシ基、C1−6アルキル基で置換されていてもよいC6−10アリールスルホニルオキシ基等が挙げられ、好ましくは、ハロゲン原子、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルスルホニルオキシ基である。LおよびLで表される脱離基としては、例えば、ハロゲン原子、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルスルホニルオキシ基、C1−6アルキル基で置換されていてもよいC6−10アリールスルホニルオキシ基等が挙げられ、好ましくは、ハロゲン原子、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルスルホニルオキシ基である。
【0192】
化合物(7)、(8)、(10)、(11)、(13)、(14)、(15)および(18)は、市販品として容易に入手でき、また、自体公知の方法またはこれらに準じた方法に従って製造することができる。
【0193】
<工程5> 化合物(9a)は、化合物(7)と化合物(8)を反応させることにより製造することができ、化合物(17)は、化合物(16)と化合物(8)を反応させることにより製造することができる。
本反応は、通常、塩基の存在下で行われる。このような塩基としては、例えば、第3級アミン類、炭酸アルカリ金属類、炭酸水素アルカリ金属類、アルカリ金属水素化物類、金属アルコキシド類、金属アミド類、有機金属類等が挙げられる。
化合物(8)は、化合物(7)または化合物(16)1モルに対して、通常0.1〜100モル、好ましくは、0.8〜3モルの量で用いられる。塩基は、化合物(7)または化合物(16)1モルに対して、通常1〜100モル、好ましくは、1〜10モルの量で用いられる。
本反応は、反応に不活性な溶媒を用いて行うのが有利である。このような溶媒としては、反応が進行する限り特に限定されないが、例えば、アルコール類、エーテル類、アミド類、スルホキシド類、ケトン類、ニトリル類の溶媒、もしくはそれらの混合溶媒等が好ましい。
反応時間は、用いる試薬や溶媒により異なるが、通常0.1〜24時間、好ましくは、0.5〜12時間である。
反応温度は、通常0〜300℃、好ましくは、20〜150℃である。
【0194】
<工程6> 化合物(6a)、化合物(6c)および化合物(6e)は、それぞれ化合物(9a)、化合物(9b)および化合物(9c)から製造することができる。
これらの反応は、一般に塩基性条件で加水分解する方法が採用される。例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属等で処理することにより行われる。好ましくは、原料化合物を、水溶性のアルコール類またはエーテル類等の溶媒、もしくはこれらの混合溶媒に溶解し、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化リチウム水溶液等のアルカリ水溶液で処理することにより行われる。
これらの反応は、原料化合物1モルに対して通常、アルカリ水溶液約1〜約10当量を用いる。
反応温度は、通常、0℃〜100℃、好ましくは、20℃〜100℃の反応温度で行われる。
反応時間は、約0.1〜約100時間、好ましくは、約0.5〜約24時間である。
【0195】
<工程7> 化合物(6b)、化合物(6d)および化合物(6f)は、それぞれ化合物(6a)、化合物(6c)および化合物(6e)を塩化チオニルまたは塩化チオニル等価体と反応させることによって製造することができる。
塩化チオニル等価体としては、塩化オキサリル、三塩化りん、五塩化りん、塩化スルフリル等が挙げられる。これらの試薬は、原料化合物1モルに対して、通常0.1〜100モル、好ましくは、0.3〜10モルの量で用いられる。
本反応は、無溶媒で行うか、反応に不活性な溶媒を用いて行うのが有利である。このような溶媒としては、反応が進行する限り特に限定されないが、例えば、ハロゲン化炭化水素類、エーテル類、炭化水素類等の溶媒、もしくはそれらの混合溶媒等が好ましい。
反応時間は、用いる試薬や溶媒により異なるが、通常0.1〜24時間、好ましくは、0.5〜12時間である。
反応温度は、通常−20〜150℃、好ましくは、0〜100℃である。
【0196】
化合物(6)のYが置換されていてもよいメチレン基である化合物は、化合物(10)から工程8、工程9、工程6および工程7を経て製造することもできる。
<工程8> 化合物(12)は、化合物(10)を化合物(11)と反応させることによって製造することができる。
本反応は、通常、塩基の存在下で行われる。このような塩基としては、例えば、アルカリ金属水素化物類、金属アルコキシド類、有機金属類等が挙げられる。
化合物(10)1モルに対して、化合物(11)は、通常0.5〜10モル、好ましくは、0.8〜3モルの量で、塩基は、通常1〜100モル、好ましくは、1〜2モルの量で用いられる。
本反応は、反応に不活性な溶媒を用いて行うのが有利である。このような溶媒としては、反応が進行する限り特に限定されないが、例えば、炭化水素類、エーテル類、アミド類等の溶媒、もしくはそれらの混合溶媒等が好ましい。
反応時間は、用いる試薬や溶媒により異なるが、通常0.1〜24時間、好ましくは、0.5〜12時間である。
反応温度は、通常-80〜200℃、好ましくは、0〜80℃である。
【0197】
<工程9> 化合物(9a)は、化合物(12)より、自体公知の還元反応によって製造することができる。
還元反応は、通常触媒(パラジウム−炭素、パラジウムブラック、水酸化パラジウム、酸化白金、ラネーニッケル等)の存在下、常圧または加圧の水素雰囲気下またはギ酸アンモニウム存在下で行なわれる。
触媒は、化合物(12)1モルに対して、通常0.01〜100モル、好ましくは、0.1〜1モルの量で用いられる。
本反応は、反応に不活性な溶媒を用いて行うのが有利である。このような溶媒としては、反応が進行する限り特に限定されないが、例えば、炭化水素類、エーテル類、アルコール類、アミド類、スルホキシド類、水等の溶媒、もしくはそれらの混合溶媒等が好ましい。
反応時間は、用いる試薬や溶媒により異なるが、通常0.1〜24時間、好ましくは、0.5〜12時間である。
反応温度は、通常0〜200℃、好ましくは、20〜100℃である。
水素圧力は、通常1〜100気圧、好ましくは、1〜10気圧である。
【0198】
<工程10> 化合物(6a)は、化合物(13)より、公知の方法等に準じたカップリング反応、付加反応、置換反応、縮合反応等によって、化合物(14)と反応させることによって製造することができる。
カップリング反応は、例えば、塩基、パラジウム試薬または銅試薬を用いて行われる。必要に応じて、ホスフィン類等のリガンドを用いてもよい。
この反応で用いられる塩基としては、例えば、水酸化アルカリ金属類、炭酸水素アルカリ金属類、炭酸アルカリ金属類、リン酸アルカリ金属類、アルカリ金属水素化物類、アルカリ金属アミド類、アルカリ金属アルコキシド類、有機アミン類等が挙げられる。
パラジウム試薬としては、例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)二塩化物、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、トランス−ジクロロビス(トリ−o−トリルホスフィン)パラジウム(II)、トリフルオロ酢酸パラジウム(II)、酢酸パラジウム(II)等が挙げられる。
銅触媒としては、例えば、ヨウ化銅、酸化銅(I)あるいは(II)、臭化銅、塩化銅、酢酸銅等が挙げられる。
ホスフィン類等のリガンドとしては、例えば、トリフェニルホスフィン、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、2−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)ビフェニル、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニル、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−2’,6’−ジメトキシ−1,1’−ビフェニル、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−2’,−4’,6’−トリイソプロピル−1,1’−ビフェニル、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−2’−(N,N−ジメチルアミノ)ビフェニル、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、トリ−tert−ブチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、(9,9-ジメチル-9H-キサンテン-4,5-ジイル)ビス(ジフェニルホスフィン)、シクロヘキシル−1,2−ジアミン、N,N’−ジメチルシクロヘキシル−1,2−ジアミン、ピコリン酸等が挙げられる。
この反応は、好ましくは、化合物(13)1モルに対して化合物(14)を通常、約0.5〜約10モル、好ましくは、約1〜約5モル用い、塩基の量は、約0.1〜約100当量、好ましくは、約1〜約5当量、パラジウム試薬または銅試薬は、約0.01〜約2当量、好ましくは、約0.01〜約0.5当量、リガンドは、約0.01〜約2当量、好ましくは、約0.01〜約0.5当量を用いて行われる。
本反応は、無溶媒、もしくは反応に不活性な溶媒を用いて行うのが有利である。このような溶媒としては、反応が進行する限り特に限定されないが、例えば、炭化水素類、エーテル類、アルコール類、アミド類、スルホキシド類、ケトン類、水等の溶媒、もしくはそれらの混合溶媒等が好ましい。
反応時間は、用いる試薬や溶媒により異なるが、通常0.1〜100時間、好ましくは、0.5〜24時間である。
反応温度は、通常0〜200℃、好ましくは、50〜150℃である。
【0199】
<工程11> 化合物(16)は、公知の方法等に準じたハロゲン化反応等により、化合物(15)から製造することができる。
ハロゲン化反応は、例えば、臭素等のハロゲン化剤を用いて行われる。必要に応じて、塩基や、三臭化りん等のりん試薬を用いても良い。または、化合物(15)を、塩基の存在下、ハロゲン化シラン等のシリル化剤と反応させた後、臭素等と反応させることもできる。
この反応で用いられるハロゲン化剤としては、例えば、臭素、N−ブロモスクシンイミド、N−クロロスクシンイミド、1,2−ジブロモ−1,1,2,2−テトラフルオロエタン等が挙げられる。
この反応に用いられるりん試薬としては、例えば、三臭化りん、三塩化りん等が挙げられる。
この反応で用いられる塩基としては、例えば、アルカリ金属水素化物類、アルカリ金属アミド類、有機アミン類等が挙げられる。
この反応で用いられるシリル化剤としては、例えば、クロロトリメチルシラン、トリメチルシリルトリフルオロメタンスルフォネート、tert−ブチルジメチルクロロシラン等が挙げられる。
この反応は、好ましくは、化合物(15)1モルに対して、ハロゲン化剤を通常、約0.5〜約10モル、好ましくは、約1〜約5モル用い、りん試薬は、通常、約0.01〜約2モル、好ましくは、約0.05〜約0.2モル、塩基は、通常、約1〜約100当量、好ましくは、約1〜約2当量、シリル化剤は、通常、約1〜約10当量、好ましくは、約1〜約2当量を用いて行われる。
本反応は、無溶媒、もしくは反応に不活性な溶媒を用いて行うのが有利である。このような溶媒としては、反応が進行する限り特に限定されないが、例えば、炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、エーテル類等の溶媒、もしくはそれらの混合溶媒等が好ましい。
反応時間は、用いる試薬や溶媒により異なるが、通常0.1〜100時間、好ましくは、0.5〜24時間である。
反応温度は、通常−80〜200℃、好ましくは、−20〜100℃である。
【0200】
<工程12> 化合物(9c)は化合物(17)から製造することができる。
本反応は、塩基性条件で加水分解した後、適当な塩基の存在下、ハロゲン化アルキル等のアルキル化剤でアルキル化する方法により行なわれる。アルキル化の際、15−クラウン−5等の添加剤を用いても良い。
加水分解は、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属等で処理することにより行われる。好ましくは、化合物(17)を、水溶性のアルコール類またはエーテル類等の溶媒、もしくはこれらの混合溶媒に溶解し、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化リチウム水溶液等のアルカリ水溶液で処理することにより行われる。
アルキル化反応で用いられるアルキル化剤としては、例えば、ヨウ化アルキル、臭化アルキル、アルキルトリフレート、アルキルトシレート、アルキルメシレート等が挙げられる。
アルキル化反応で用いられる塩基としては、例えば、アルカリ金属水素化物類、水素化アルカリ土類金属類、有機金属類、アルカリ金属アミド類等が挙げられる。
アルキル化反応で用いられる添加剤としては、例えば、12−クラウン−4、15−クラウン−5、18−クラウン−6等が挙げられる。
アルキル化反応は、反応に不活性な溶媒を用いて行うのが有利である。このような溶媒としては、反応が進行する限り特に限定されないが、例えば、炭化水素類、エーテル類、アミド類等の溶媒、もしくはそれらの混合溶媒等が好ましい。
これらの反応は、原料化合物1モルに対して、通常、アルカリ水溶液約1〜約100当量、好ましくは、約1〜10当量を、アルキル化剤は、約2〜約100当量、好ましくは、約2〜5当量を、塩基は、約1〜約100当量、好ましくは、約2〜5当量を、反応促進剤は、約0.01〜約100当量、好ましくは、約0.1〜2当量を用いる。
反応時間は、用いる試薬や溶媒により異なるが、通常0.1〜100時間、好ましくは、0.5〜24時間である。
反応温度は、通常、−20℃〜150℃、好ましくは、0℃〜100℃の反応温度で行われる。
【0201】
上記の製造法により得られる本化合物(1)は、濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィー等の公知の手段により単離精製することができる。また、上記の各製造法において用いられる各原料化合物は、前記と同様の公知の手段によって単離精製することができる。一方、これら原料化合物を単離することなく、そのまま反応混合物として、次の工程の原料として用いてもよい。
化合物(1)が、光学異性体、立体異性体、位置異性体、回転異性体等の異性体を有する場合には、いずれか一方の異性体も混合物も化合物(1)に包含される。例えば、化合物(1)に光学異性体が存在する場合には、ラセミ体から分割された光学異性体も化合物(1)に包含される。これらの異性体は、自体公知の合成手法、分離手法(例、濃縮、溶媒抽出、カラムクロマトグラフィー、再結晶等)、光学分割手法(例、分別再結晶法、キラルカラム法、ジアステレオマー法等)等によりそれぞれを単品として得ることができる。
化合物(1)は、結晶であってもよく、結晶形が単一であっても結晶形混合物であっても化合物(1)に包含される。結晶は、自体公知の結晶化法を適用して、結晶化することによって製造することができる。
化合物(1)は、溶媒和物(例、水和物等)であっても、無溶媒和物(例、非水和物等)であってもよく、いずれも化合物(1)に包含される。
同位元素(例、H、14C、35S、125I等)等で標識された化合物も、化合物(1)に包含される。
HをH(D)に変換した重水素変換体も、化合物(1)に包含される。
同位元素で標識または置換された化合物(1)は、例えば、陽電子断層法(Positron Emission Tomography:PET)において使用するトレーサー(PETトレーサー)として用いることができ、医療診断などの分野において有用である。
【0202】
本発明の化合物は、優れたPDE2A阻害作用を有し、また毒性(例、光毒性、急性毒性、慢性毒性、遺伝毒性、生殖毒性、心毒性、薬物相互作用、癌原性等、特に光毒性)が低く、安定性(特に、代謝安定性)および体内動態(吸収性、分布、代謝、排泄等)にも優れており、さらに高い溶解性を示すので、医薬品として有用である。本発明の化合物は、哺乳動物(例、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、ネコ、イヌ、ウシ、ウマ、ヒツジ、サル、ヒト等)に対して、PDE2A阻害作用を有し、以下の疾患および症状:
(1)精神病性障害(例、短期精神病性障害、共有精神病性障害)、
(2)アルコール、アンフェタミン、大麻、コカイン、幻覚剤、肥満症、吸入薬、オピオイドまたはフェンシクリジンにより誘発される精神病、
(3)妄想性障害、
(4)不安障害、
(5)運動障害、
(6)気分障害、
(7)大うつ病性障害、
(8)精神病(妄想性障害および統合失調症を含む)に併発する大うつ病性障害、
(9)軽度、中等度または重度の大うつ病エピソード、
(10)躁病または混合気分エピソード、
(11)軽躁気分エピソード、
(12)非定型な特徴を伴ううつ病エピソード、
(13)憂鬱な特徴を伴ううつ病エピソード、
(14)緊張性の特徴を伴ううつ病エピソード、
(15)産後発症の気分エピソード
(16)脳卒中後のうつ、
(17)気分変調性障害、
(18)小うつ病性障害、
(19)自閉症、
(20)薬物依存、
(21)神経変性疾患、
(22)脳外傷に付随する神経変性、
(23)脳卒中に付随する神経変性、
(24)脳梗塞に付随する神経変性、
(25)低血糖に付随する神経変性、
(26)てんかん発作に付随する神経変性、
(27)神経毒中毒症に付随する神経変性、
(28)多系統萎縮症、
(29)アルツハイマー病、
(30)認知症、
(31)多発脳梗塞性認知症、
(32)アルコール性認知症または他の薬物関連認知症、
(33)頭蓋内腫瘍または脳外傷に付随する認知症、
(34)ハンチントン病またはパーキンソン病に付随する認知症、
(35)エイズ関連認知症、
(36)前頭側頭型認知症、
(37)せん妄、
(38)健忘障害、
(39)心的外傷後ストレス障害、
(40)精神遅滞、
(41)学習障害(例、読字障害、算数障害、書字表出障害)、
(42)注意欠陥障害/多動性障害、
(43)加齢性認知機能低下、
(44)月経前不快気分障害、
(45)統合失調症の精神病後うつ病性障害、
(46)双極性傷害(I型双極性障害およびII型双極性障害を含む)、
(47)気分循環性障害、
(48)パーキンソン病、
(49)ハンチントン病、
(50)偏執傾向、
(51)統合失調症(例、妄想型統合失調症、解体型統合失調症、緊張型統合失調症、未分化統合失調症、残遺型統合失調症)、
(52)統合失調症様障害、
(53)妄想型またはうつ病型の統合失調感情障害、
(54)妄想型の人格障害、
(55)統合失調型の人格障害、
(56)肥満症、
(57)メタボリック症候群、
(58)インスリン非依存性糖尿病(NIDDM)、
(59)耐糖能障害
の予防または治療薬として使用できる。
【0203】
特に、本発明の化合物は、統合失調症やアルツハイマー病の予防または治療に有用である。
【0204】
本発明の化合物は代謝安定性に優れるため、低用量であっても、上記疾患に対して優れた治療効果を示すことが予期される。
本発明の化合物は毒性が低いため、本発明の化合物を含有する医薬組成物(以下、「本発明の医薬」と称する)は、医薬製剤の製造法として自体公知の方法(例、日本薬局方記載の方法等)に従って、本発明化合物を単独で、あるいは薬理学的に許容される担体と混合して、例えば錠剤(糖衣錠、フィルムコーティング錠、舌下錠、口腔内崩壊錠、バッカル錠等を含む)、丸剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤(ソフトカプセル剤、マイクロカプセル剤を含む)、トローチ剤、シロップ剤、液剤、乳剤、懸濁剤、放出制御製剤(例、速放性製剤、徐放性製剤、徐放性マイクロカプセル剤)、エアゾール剤、フィルム剤(例、口腔内崩壊フィルム、口腔粘膜貼付フィルム)、注射剤(例、皮下注射剤、静脈内注射剤、筋肉内注射剤、腹腔内注射剤)、点滴剤、経皮吸収型製剤、軟膏剤、ローション剤、貼付剤、坐剤(例、肛門坐剤、膣坐剤)、ペレット、経鼻剤、経肺剤(吸入剤)、点眼剤等として調製し、経口的または非経口的(例、静脈内、筋肉内、皮下、臓器内、鼻腔内、皮内、点眼、脳内、直腸内、膣内、腹腔内、腫瘍内部、腫瘍の近位、病巣等)に安全に投与することができる。
【0205】
上記「薬理学的に許容される担体」としては、製剤素材として慣用の各種有機又は無機担体物質が挙げられ、例えば固形製剤における賦形剤、滑沢剤、結合剤及び崩壊剤、又は液状製剤における溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤及び無痛化剤等が挙げられる。更に必要に応じ、通常の防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤、吸着剤、湿潤剤等の添加物を適宜、適量用いることもできる。
【0206】
賦形剤としては、例えば乳糖、白糖、D−マンニトール、D−ソルビトール、デンプン、α−デンプン、コーンスターチ、デキストリン、結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アラビアゴム、プルラン、軽質無水ケイ酸、合成ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等が挙げられる。
滑沢剤としては、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、コロイドシリカ等が挙げられる。
【0207】
結合剤としては、例えばα−デンプン、結晶セルロース、白糖、アラビアゴム、D−マンニトール、トレハロース、デキストリン、プルラン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、デンプン、ショ糖、ゼラチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム等が挙げられる。
【0208】
崩壊剤としては、例えば乳糖、ショ糖、デンプン、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、軽質無水ケイ酸、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。
【0209】
溶剤としては、例えば注射用水、生理食塩水、リンガー液、アルコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、マクロゴール、ゴマ油、トウモロコシ油、オリーブ油、綿実油等が挙げられる。
【0210】
溶解補助剤としては、例えばポリエチレングリコール、プロピレングリコール、D−マンニトール、トレハロース、安息香酸ベンジル、エタノール、トリスアミノメタン、コレステロール、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、サリチル酸ナトリウム、酢酸ナトリウム等が挙げられる。
【0211】
懸濁化剤としては、例えばステアリルトリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸、レシチン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、モノステアリン酸グリセリン等の界面活性剤;例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリソルベート、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等の親水性高分子等が挙げられる。
【0212】
等張化剤としては、例えばブドウ糖、D−ソルビトール、塩化ナトリウム、グリセリン、D−マンニトール等が挙げられる。
緩衝剤としては、例えばリン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、クエン酸塩等の緩衝液等が挙げられる。
無痛化剤としては、例えばベンジルアルコール等が挙げられる。
防腐剤としては、例えばパラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、デヒドロ酢酸、ソルビン酸等が挙げられる。
抗酸化剤としては、例えば亜硫酸塩、アスコルビン酸、α−トコフェロール等が挙げられる。
【0213】
着色剤としては、例えば水溶性の食用タール色素(例、食用赤色2号および3号、食用黄色4号および5号、食用青色1号および2号)、水不溶性のレーキ色素(例、上記水溶性の食用タール色素のアルミニウム塩)、天然色素(例、β−カロテン、クロロフィル、ベンガラ)等が挙げられる。
甘味剤としては、例えばサッカリンナトリウム、グリチルリチン酸ジカリウム、アスパルテーム、ステビア等が挙げられる。
【0214】
本発明の医薬中の本発明の化合物の含有量は、剤形、本発明の化合物の投与量等により異なるが、例えば、医薬全体の約0.01〜100重量%、好ましくは、約0.1〜95重量%である。
【0215】
本発明の化合物の投与量は、投与対象、投与経路、対象疾患、症状等により異なるが、例えば統合失調症の患者(成人、約60kg体重)に経口投与する場合、通常約0.1〜約20mg/kg体重、好ましくは、約0.2〜約10mg/kg体重、さらに好ましくは、約0.5〜約10mg/kg体重であり、これらの服用量を症状に応じて1日約1〜数回(例、1〜3回)投与するのが望ましい。
【0216】
本発明の化合物は、単独の活性物質として投与してもよく、あるいは、例えば、精神病(特に、統合失調症および双極性障害)、強迫性障害、大うつ病、パーキンソン病、アルツハイマー病、認知障害、記憶喪失等の治療に使用される他の薬剤等の他の医薬品(以下、「併用薬物」と称する場合がある)と併用して投与してもよい。
併用薬物としては、例えば、ニコチン性α7アゴニスト、ニコチン性α7部分アゴニスト、ニコチン性α7陽性アロステリックモジュレーター、PDE2阻害剤、PDE4阻害剤、PDE5阻害剤、PDE10阻害剤、他のPDE阻害剤、カルシウムチャネル遮断薬、ムスカリン性m1およびm2モジュレーター、アデノシン受容体モジュレーター、アンパカイン、グリシン輸送体1阻害剤、NMDA−Rモジュレーター、mGluRモジュレーター、ドーパミンモジュレーター、セロトニンモジュレーター、選択的セロトニン再取り込み阻害剤、セロトニンおよびノルエピネフリン再取り込み阻害剤、ノルエピネフリンおよびドーパミン再取り込み阻害剤、三重再取り込み阻害剤、カンナビノイドモジュレーター、コリンエステラーゼ阻害剤(例、ドネペジル、リバスチグミン、ガランタミン)等が挙げられる。
また、併用薬物としては、これらに限定されないが、例えば、他の好適な統合失調症薬(例、ハロペリドール、クロザピン、オランザピン、リスペリドン、アリピプラゾール、ジプラシドン、パリペリドン、クエチアピンフマル酸塩等)、双極性障害薬(例、リチウム、オランザピン、アリピプラゾール、バルプロ酸等)、パーキンソン病薬(例、レボドパ、ブロモクリプチン、ペルゴリド、プラミペキソール、トルカポン、プロシクリジン、トリヘキシフェニジル、ベンズトロピン等)、大うつ病の治療に使用される薬剤(例、アミトリプチリン、イミプラミン、デシプラミン、ノルトリプチリン、パロキセチン、フルオキセチン、セルトラリン、ブプロピオン、エシタロプラム、ミルタザピン、ベンラファクシン、デュロキセチン等)、アルツハイマー病の治療に使用される薬剤(例、ガランタミン、タクリン、ドネペジル、リバスティグミン、メマンチン、ネオトロピン、セレギリン、エストロゲン、クリオキノール等)、認知症の治療に使用される薬剤(例、チオリダジン、ハロペリドール、リスペリドン、タクリン、ドネペジル、リバスティグミン等)、てんかんの治療に使用される薬剤(例、フェニトイン、フェノバルビタール、カルバマゼピン、バルプロ酸、エトスクシミド、ガバペンチン、フェノバルビタール、ソルフェトン、フェルバトール等)、多発性硬化症の治療薬(例、トルテロジン、オキシブチニン、オキシコドン、インターフェロンβ−1b、インターフェロンβ−1a、アザチオプリン、メトトレキサート、ガラティラメル等)、ハンチントン病の治療薬(例、アミトリプチリン、イミプラミン、デシプラミン、ノルトリプチリン、パロキセチン、フルオキセチン、セルトラリン、テトラベナジン、ハロペリドール、クロルプロマジン、チオリダジン、スルピリド、クエチアピン、クロザピン、リスペリドン等)、糖尿病の治療薬[例えば、PPARリガンド(例、ロシグリタゾン、トログリタゾンおよびピオグリタゾンなどのアゴニスト、アンタゴニスト等)、インスリン分泌促進剤(例、グリブリド、グリメピリド、クロルプロパミド、トルブタミド、グリピジドなどのスルホニルウレア剤;非スルホニル分泌促進剤等)、α−グルコシダーゼ阻害剤(例、アカルボース、ミグリトール、ボグリボース等)、インスリン増感剤(例、グリタゾンなどのPPAR−γアゴニスト;ビグアニド、PTP−1B阻害剤、DPP−IV阻害剤、11β−HSD阻害剤等)、肝臓でのグルコース生産低下化合物(例、グルカゴンアンタゴニスト;グルコファージ、グルコファージXRなどのメトホルミン)、インスリンおよびインスリン誘導体(長時間作用型および短時間作用型のインスリンおよびインスリン製剤を含む)]、抗肥満薬[例えば、β−3アゴニスト、CB−1アゴニスト、神経ペプチドY5阻害剤、毛様体神経栄養因子および誘導体(例、アキソキン)、食欲抑制剤(例、シブトラミン)、リパーゼ阻害剤(例、オルリスタット)等]等が挙げられる。
【0217】
本発明の併用剤の投与形態は、特に限定されず、投与時に、本発明の化合物と併用薬物とが組み合わされていればよい。このような投与形態としては、例えば、
(1)本発明の化合物と併用薬物とを同時に製剤化して得られる単一の製剤の投与、
(2)本発明の化合物と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の同一投与経路での同時投与、
(3)本発明の化合物と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の同一投与経路での時間差をおいての投与、
(4)本発明の化合物と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の異なる投与経路での同時投与、
(5)本発明の化合物と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の異なる投与経路での時間差をおいての投与(例、本発明の化合物、併用薬物の順序での投与、または逆の順序での投与等)等が挙げられる。
これらの投与形態は以下に要約され、本発明の併用剤として略記する。
【0218】
本発明の併用剤を投与する場合、併用剤および本発明の化合物を同時に投与することができる。また、併用剤の投与後に本発明の化合物を投与することができ、本発明の化合物の投与後に併用剤を投与することができる。時間差をおいて投与する場合、投与時間は、投与される活性成分、剤形および投与方法によって異なる。
例えば、併用薬物またはその医薬組成物を先に投与する場合、本発明の化合物またはその医薬組成物を、併用薬物またはその医薬組成物の投与後1分〜3日、好ましくは、10分〜1日、より好ましくは、15分〜1時間以内に投与することができる。また、本発明の化合物またはその医薬組成物を先に投与する場合、併用薬物またはその医薬組成物は、本発明の化合物またはその医薬組成物の投与後1分〜1日、好ましくは、10分〜6時間、より好ましくは、15分〜1時間以内に投与することができる。
【0219】
併用薬物の副作用が問題とならない場合、任意の投与量を設定することができる。併用薬物としての投与量は、剤形、投与対象、投与経路、対象疾患、症状等により異なるが、例えば統合失調症の患者(成人、約60kg体重)に経口投与する場合、通常約0.1〜約20mg/kg体重、好ましくは、約0.2〜約10mg/kg体重、さらに好ましくは、約0.5〜約10mg/kg体重であり、これらの服用量を症状に応じて1日約1〜数回(例、1〜3回)投与するのが望ましい。
本発明の化合物が併用剤と組み合わせて使用される場合、それぞれの薬物の逆の効果を考慮して、それぞれの投与量を安全域内で低減することができる。
【0220】
本発明の併用剤は、毒性が低く、例えば、本発明化合物、または(および)上記併用薬物を自体公知の方法に従って、薬理学的に許容される担体と混合して医薬組成物、例えば錠剤(糖衣錠、フィルムコーティング錠等も含む)、散剤、顆粒剤、カプセル剤(ソフトカプセルを含む)、液剤、乳剤、懸濁剤、注射剤、坐剤、徐放剤(例、舌下錠、マイクロカプセル等)、貼布剤、口腔内崩壊錠、口腔内崩壊フィルム等として調製し、経口的または非経口的(例、皮下、局所、直腸、静脈投与等)に安全に投与することができる。
【0221】
本発明の併用剤の製造に用いてもよい「薬理学的に許容される担体」としては、本発明の医薬の製造に用いてもよい「薬理学的に許容される担体」として前記したものが挙げられる。
【0222】
本発明の併用剤における本発明の化合物と併用薬物との配合比は、投与対象、投与経路、対象疾患等により適宜選択することができる。
本発明の併用剤における併用薬物は、必要により、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
併用薬物の投与量は、臨床上用いられている投与量により適宜選択することができる。さらに、本発明の化合物と併用薬物の配合比は、投与対象、投与経路、対象疾患、症状、組合せ等により適宜選択することができる。例えば、ヒトに投与する場合、併用薬物は、本発明の化合物の1重量部に対して約0.01〜100重量部の範囲で使用することができる。
【0223】
例えば、本発明の併用剤における本発明の化合物の含有量は、製剤の形態によって異なるが、通常製剤全体に対して約0.01〜99.9重量%、好ましくは、約0.1〜50重量%、さらに好ましくは、約0.5〜20重量%である。
【0224】
本発明の併用剤における併用薬物の含有量は、製剤の形態によって異なるが、通常製剤全体に対して約0.01〜99.9重量%、好ましくは、約0.1〜50重量%、さらに好ましくは、約0.5〜20重量%である。
【0225】
本発明の併用剤における担体等の添加剤の含有量は、製剤の形態によって相違するが、通常製剤全体に対して約1〜99.99重量%、好ましくは、約10〜90重量%である。
【0226】
また、本発明の化合物および併用薬物をそれぞれ別々に製剤化する場合も同様の含有量でよい。
【0227】
上述のように投与量は様々な条件下で変動するため、上記投与量より少ない投与量で十分であることもあり、また、上記範囲を超えた投与量が必要になることもあり得る。
【実施例】
【0228】
本発明は、更に以下の実施例、製剤例及び試験例によって詳しく説明されるが、これらの例は単なる実施であって、本発明を限定するものではなく、また本発明の範囲を逸脱しない範囲で変化させてもよい。以下の実施例中の「室温」は通常約10℃ないし約35℃を示す。混合溶媒において示した比は、特に断らない限り容量比を示す。%は、特に断らない限り重量%を示す。
シリカゲルカラムクロマトグラフィーにおいて、NHと記載した場合は、アミノプロピルシラン結合シリカゲルを用いた。HPLC (高速液体クロマトグラフィー) において、C18と記載した場合は、オクタデシル結合シリカゲルを用いた。溶出溶媒の比は、特に断らない限り容量比を示す。
1H NMR (プロトン核磁気共鳴スペクトル) はフーリエ変換型NMRで測定した。水酸基やアミノ基などのプロトンがブロードで確認できないものについてはデータに記載していない。
以下の参考例および実施例において、マススペクトル(MS)、核磁気共鳴スペクトル (NMR) および融点は以下の装置により測定した。
MS (マススペクトル) は、LC/MS (液体クロマトグラフ質量分析計) により測定した。イオン化法としては、API(Atmospheric Pressure Ionization、大気圧化学イオン化)法、または、ESI (Electron Spray Ionization、エレクトロスプレーイオン化) 法を用いた。データは実測値 (found) を記載した。通常、分子イオンピークが観測されるが、アミノ基 (-NH2) を有する化合物の場合、フラグメントイオンとして、NH3が脱離したピークが観測されることもある。塩の場合は、通常、フリー体の分子イオンピークもしくはフラグメントイオンピークが観測される。
【0229】
実施例1
4-(2-(4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
【0230】
A) メチル N-(3-ニトロピリジン-2-イル)グリシナート
メチル グリシナート 塩酸塩 (1.98 g) と2-クロロ-3-ニトロピリジン(2.50 g) のN,N-ジメチルホルムアミド (16.0 mL) 溶液にトリエチルアミン (5.50 mL) を加えた。反応混合物を80℃で終夜撹拌後、溶媒を減圧下留去した。残渣を酢酸エチルに溶解し、酢酸エチル溶液を水、続いて飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製して標題化合物 (2.25 g) を得た。
MS (API+): [M+H]+212.0.
【0231】
B) 3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
メチル N-(3-ニトロピリジン-2-イル)グリシナート (50.0 mg) のエタノール (3.00 mL) 溶液に10%パラジウム-炭素 (50.0 mg) を加えた。反応混合物を水素雰囲気下、室温で2時間撹拌後、触媒をろ別した。ろ液を70℃で終夜撹拌し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (メタノール/酢酸エチル) で精製して標題化合物 (23.5 mg) を得た。
MS (API+): [M+H]+150.2.
【0232】
C) エチル 2-(4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)ブチラート
4-(トリフルオロメトキシ)フェノール (1.00 g) のN,N-ジメチルホルムアミド (10 mL) 溶液に炭酸カリウム (1.16 g) およびエチル 2-ブロモブチラート (1.10 g) を加え、90℃で18時間撹拌した。ここに酢酸エチルおよび水を加え、有機層を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮することで標題化合物 (1.64 g) を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.08 (3H, t, J = 7.2 Hz), 1.25 (3H, t, J = 7.2 Hz), 1.96-2.03 (2H, m), 4.23 (2H, q, J = 7.2 Hz), 4.52 (1H, t, J = 6.0 Hz), 6.87 (2H, d, J = 8.8 Hz), 7.13 (2H, d, J = 8.8 Hz).
【0233】
D) 2-(4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)ブタン酸
エチル 2-(4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)ブチラート (500 mg) のメタノール (15 mL) 溶液に水酸化リチウム一水和物(216 mg) を加え、反応混合物を室温で18時間撹拌した。溶媒を減圧下留去し、残渣にジクロロメタンおよび水を加え、水層を1 M塩酸でpH3に調整し、酢酸エチルで抽出した。有機層を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮することで標題化合物 (390 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 1.11 (3H, t, J = 7.2 Hz), 1.99-2.08 (2H, m), 4.58 (1H, t, J = 6.0 Hz), 6.90 (2H, d, J = 9.0 Hz), 7.15 (2H, d, J = 8.4 Hz).
【0234】
E) 4-(2-(4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
2-(4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)ブタン酸 (390 mg) のジクロロメタン (20 mL) 溶液に塩化オキザリル(904 mg) とN,N-ジメチルホルムアミド (2滴) を加えた。反応混合物を室温で18時間撹拌後、溶媒を減圧下留去し、塩化 2-(4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)ブタノイルを得た。3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(355 mg) のN,N-ジメチルホルムアミド (5 mL) 溶液に、トリエチルアミン (361 mg) と塩化 2-(4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)ブタノイル (500 mg) のジクロロメタン (10 mL)溶液を加え、室温で4時間撹拌した。反応混合物にジクロロメタンおよび水を加え、ろ過した後、有機層を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン/酢酸エチル) およびHPLC (C18, 移動相:水/アセトニトリル (0.1% TFA含有系)) で精製して標題化合物 (60 mg) を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 0.87 (3H, t, J = 7.2 Hz), 1.66-1.80 (2H, m), 4.33 (1H, d, J = 16.4 Hz), 4.60 (1H, d, J = 16.4 Hz), 5.96-5.99 (1H, m), 6.98 (2H, d, J = 8.8 Hz), 7.26-7.31 (3H m), 7.44 (1H, d, J = 8.4 Hz), 8.10 (1H, d, J = 4.8 Hz), 10.92 (1H, s).
【0235】
実施例2
4-(2-((4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)スルファニル)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
実施例1の工程AからEと同様の方法により標題化合物を得た。
【0236】
実施例3
4-(2-(4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オンの光学活性体
4-(2-(4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オンのラセミ体 (52 mg) を超臨界流体クロマトグラフィー (カラム:CHIRALPAK AS-H、LA005 20 mmID×250 mmL、ダイセル化学工業製、移動相:二酸化炭素/メタノール = 860/140) にて分取し、保持時間の大きい方の標題化合物 (24.0 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 1.00 (3H, t, J = 7.3 Hz), 1.77-1.96 (2H, m), 4.40 (1H, d, J = 17.3 Hz), 4.74-4.92 (1H, m), 5.99 (1H, d, J = 5.3 Hz), 6.86-6.98 (2H, m), 7.01-7.12 (2H, m), 7.13-7.23 (1H, m), 7.22-7.33 (1H, m), 8.10 (1H, dd, J = 4.7, 1.7 Hz).
【0237】
実施例4
4-(2-(4-(トリフルオロメチル)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
【0238】
A) メチル 2-(4-(トリフルオロメチル)フェノキシ)ブチラート
DL-メチル 2-ブロモブチラート (3.35 g)、4-トリフルオロメトキシフェノール (3 g)、炭酸カリウム (3.84 g)、およびN,N-ジメチルホルムアミド (37 mL) の混合物を90℃で終夜撹拌した。反応混合物を室温に冷却後、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン/酢酸エチル) で精製し、標題化合物 (3.8 g) を得た。
MS (API-): [M-H]- 261.1.
【0239】
B) 2-(4-(トリフルオロメチル)フェノキシ)ブタン酸
メチル 2-(4-(トリフルオロメチル)フェノキシ)ブチラート(3.8 g) のテトラヒドロフラン (48 mL) 溶液に2 M水酸化ナトリウム水溶液 (36 mL) を加え、室温で終夜撹拌した。テトラヒドロフランを減圧除去し、混合物を2 M塩酸でpH3に調整し、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた生成物は精製することなく、次の反応に用いた。
MS (API-): [M-H]-247.1.
【0240】
C) 4-(2-(4-(トリフルオロメチル)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
2-(4-(トリフルオロメチル)フェノキシ)ブタン酸 (298 mg)、3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン (149 mg)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド 塩酸塩 (230 mg)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール 一水和物 (184 mg)、およびN,N-ジメチルホルムアミド (5 mL) の混合物を室温で3時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン/酢酸エチル)で精製後、酢酸エチルとヘキサンから再結晶して標題化合物 (113 mg) を得た。
【0241】
実施例5
7-メチル-4-(2-(4-(トリフルオロメチル)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
実施例4と同様の方法により標題化合物を得た。
【0242】
実施例6
7-メチル-4-(2-(4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
【0243】
A) エチル N-(5-メチル-3-ニトロピリジン-2-イル)グリシナート
エチル グリシナート 塩酸塩 (30.3 g) と5-メチル-2-クロロ-3-ニトロピリジン (25.0 g) のエタノール (250 mL) 溶液にトリエチルアミン (29.3 g) を加えた。反応混合物を加熱還流下、終夜撹拌後、溶媒を減圧下留去した。残渣に水を加え、酢酸エチルで抽出し、続いて飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/石油エーテル) で精製して標題化合物 (9.96 g) を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.30 (3H, t, J = 7.2 Hz), 2.28 (3H, s), 4.25 (2H, q, J = 7.2 Hz), 4.35 (2H, d, J = 5.6 Hz), 8.23-8.27 (2H, m), 8.35 (1H, brs).
【0244】
B) 7-メチル-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
エチル N-(5-メチル-3-ニトロピリジン-2-イル)グリシナート (9.46 g) のエタノール溶液 (50 mL) に濃塩酸 (5 mL) と鉄粉末 (8.85 g) を加えた。反応混合物を加熱還流下、3時間撹拌後、減圧濃縮した。残渣にジメチルスルホキシド (15 mL) および水 (85 mL)を加え、1日間放置した。析出した固体をろ過後、水で洗浄した。得られた固体を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液 (150 mL) に懸濁し、16時間撹拌後、固体をろ別して標題化合物(3.80 g) を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 2.08 (3H, s), 3.85 (2H, s), 6.46 (1H, brs), 6.77 (1H, s), 7.43 (1H, s), 10.35 (1H, brs).
【0245】
C) 7-メチル-4-(2-(4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
7-メチル-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(273 mg) と2-[4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ]ブタン酸 (530 mg) のN,N-ジメチルホルムアミド (20 mL) 溶液に1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド 塩酸塩 (481 mg) と1-ヒドロキシベンゾトリアゾール 一水和物 (384 mg) を室温下で加えた。反応混合物を80℃で15分撹拌後、室温で更に3日間撹拌した。反応混合物を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン/酢酸エチル) で精製して標題化合物 (418 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 0.87 (3H, t, J = 7.5 Hz), 1.55-1.90 (2H, m), 2.29 (3H, s), 4.30 (1H, d, J = 17.0 Hz), 4.57 (1H, d, J = 16.6 Hz), 5.91 (1H, dd, J = 7.3, 4.3 Hz), 6.91-7.01 (2H, m), 7.19-7.31 (3H, m), 7.93 (1H, d, J = 1.1 Hz), 10.88 (1H, brs).
【0246】
実施例7
6-メチル-4-(2-(4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
【0247】
A) メチル N-(6-メチル-3-ニトロピリジン-2-イル)グリシナート
メチル グリシナート 塩酸塩 (1.91 g) と2-クロロ-6-メチル-3-ニトロピリジン (2.5 g) のN,N-ジメチルホルムアミド (16 mL) 溶液にトリエチルアミン (5.05 mL) を加えた。反応混合物を80℃で終夜撹拌後、溶媒を減圧下留去した。残渣を酢酸エチルで希釈後、水、続いて飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧下留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン/酢酸エチル) で精製して標題化合物 (2.65 g) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 2.38 (3H, s), 3.66 (3H, s), 4.29 (2H, d, J = 6.1 Hz), 6.70 (1H, d, J = 8.3 Hz), 8.34 (1H, d, J= 8.7 Hz), 8.76 (1H, t, J = 5.7 Hz).
【0248】
B) 6-メチル-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
メチル N-(6-メチル-3-ニトロピリジン-2-イル)グリシナート (2.65 g) のエタノール (227 mL) 溶液に10%パラジウム-炭素 (2.00 g) を加えた。反応混合物を水素雰囲気下、室温で2時間撹拌後、触媒をろ別した。ろ液を70℃で終夜撹拌し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン/酢酸エチル) で精製して標題化合物(1.53 g) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 2.20 (3H, s), 3.86 (2H, d, J = 1.5 Hz), 6.39 (1H, d, J = 7.6 Hz), 6.62 (1H, s), 6.83 (1H, d, J= 7.6 Hz), 10.26 (1H, s).
【0249】
C) 6-メチル-4-(2-(4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
6-メチル-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(272 mg) と2-[4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ]ブタン酸 (529 mg) のN,N-ジメチルホルムアミド (15 mL) 溶液に1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド 塩酸塩 (480 mg) と1-ヒドロキシベンゾトリアゾール 一水和物 (383 mg) を室温下で加えた。反応混合物を80℃で15分撹拌後、室温で更に3日間撹拌した。反応混合物を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン/酢酸エチル) で精製して標題化合物 (537 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 0.90 (3H, t, J = 7.3 Hz), 1.63-1.98 (2H, m), 2.38 (3H, s), 4.34 (1H, d, J = 16.6 Hz), 4.50 (1H, d, J = 16.6 Hz), 5.91 (1H, dd, J = 7.5, 4.5 Hz), 6.92-7.03 (2H, m), 7.12 (1H, d, J = 7.9 Hz), 7.20-7.29 (2H, m), 7.32 (1H, d, J = 7.9 Hz), 10.81 (1H, s).
【0250】
実施例8
8-メチル-4-(2-(4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
【0251】
A) メチル N-(4-メチル-3-ニトロピリジン-2-イル)グリシナート
メチル グリシナート 塩酸塩 (1.91 g) と2-クロロ-4-メチル-3-ニトロピリジン (2.5 g) のN,N-ジメチルホルムアミド (16 mL) 溶液にトリエチルアミン (5.05 mL) を加えた。反応混合物を80℃で終夜撹拌後、溶媒を減圧下留去した。残渣を酢酸エチルで希釈後、水、続いて飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧下留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン/酢酸エチル) で精製して標題化合物 (1.31 g) を得た。
MS (API+): [M+H]+ 226.1.
【0252】
B) 8-メチル-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
メチル N- (4-メチル-3-ニトロピリジン-2-イル)グリシナート (1.31 g) のエタノール溶液 (120 mL)に10%パラジウム-炭素 (1.00 g) を加えた。反応混合物を水素雰囲気下、室温で2時間撹拌後、触媒をろ別した。ろ液を80℃で終夜撹拌後、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をヘキサン/酢酸エチルで結晶化して標題化合物 (870 mg) を得た。
MS (API+): [M+H]+ 164.2.
【0253】
C) 8-メチル-4-(2-(4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
8-メチル-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(249 mg) と2-[4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ]ブタン酸 (484 mg) のN,N-ジメチルホルムアミド (15 mL) 溶液に1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド 塩酸塩 (439 mg) と1-ヒドロキシベンゾトリアゾール 一水和物 (351 mg) を室温下で加えた。反応混合物を80℃で15分撹拌後、室温で更に3日間撹拌した。反応混合物を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン/酢酸エチル) で精製して標題化合物 (538 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 0.86 (3H, t, J = 7.3 Hz), 1.60-1.90 (2H, m), 2.34 (3H, s), 4.28 (1H, d, J = 16.2 Hz), 4.59 (1H, d, J = 16.2 Hz), 5.92 (1H, dd, J = 7.5, 4.5 Hz), 6.91-7.05 (2H, m), 7.18 (1H, d, J = 4.9 Hz), 7.22-7.33 (2H, m), 8.01 (1H, d, J = 4.9 Hz), 10.53 (1H, s).
【0254】
実施例9
4-(2-(4-(トリフルオロメチル)フェノキシ)プロパノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
【0255】
A) 2-(4-(トリフルオロメチル)フェノキシ)プロパン酸
実施例1の工程CからDと同様の方法により標題化合物を得た。
MS (API-): [M-H]-233.0.
【0256】
B) 4-(2-(4-(トリフルオロメチル)フェノキシ)プロパノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
2-(4-(トリフルオロメチル)フェノキシ)プロパン酸 (300 mg)、3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン (191 mg)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール 一水和物 (196 mg)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド 塩酸塩 (246 mg) およびN,N-ジメチルホルムアミド (10 mL) の混合物を室温で終夜撹拌した。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣を酢酸エチルおよびヘキサンで粉砕し、ろ取することで標題化合物 (178.3 mg) を得た。
【0257】
実施例10
4-(2-(4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)アクロイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
メチル 2-ブロモ-3-メトキシプロパノエートから、実施例4と同様の方法により標題化合物を得た。
【0258】
実施例11
4-(フェニル(4-(トリフルオロメチル)フェノキシ)アセチル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
実施例9と同様の方法により標題化合物を得た。
【0259】
実施例12
4-(2-(4-(トリフルオロメチル)フェノキシ)ペンタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
実施例9と同様の方法により標題化合物を得た。
【0260】
実施例13
4-(2-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)スルファニル)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
実施例9と同様の方法により標題化合物を得た。
【0261】
実施例14
4-(2-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
4-(2-((4-(トリフルオロメチル)フェニル)スルファニル)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン (150 mg)、m-クロロ過安息香酸 (206 mg) および酢酸エチル (15 mL) の混合物を室温で終夜撹拌した。反応混合物を飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液に加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン/酢酸エチル) で精製し、標題化合物 (152 mg) を得た。
【0262】
実施例15
4-(3-メトキシ-2-(4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)プロパノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
【0263】
A) 3-メトキシ-2-(4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)プロパン酸メチル
メチル 2-ブロモ-3-メトキシプロピオナート (2.96 g)、4-トリフルオロメトキシフェノール(2.67 g)、炭酸カリウム (2.49 g)、およびN,N-ジメチルホルムアミド (15 mL) の混合物を室温で終夜撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン/酢酸エチル) で精製し、標題化合物 (3.64 g) を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 3.46 (3H, s), 3.79 (3H, s), 3.81-3.95 (2H, m), 4.80 (1H, dd, J = 5.1, 4.0 Hz), 6.87-6.97 (2H, m), 7.09-7.18 (2H, m).
【0264】
B) 3-メトキシ-2-(4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)プロパン酸
実施例4の工程Bと同様の方法により標題化合物を得た。
MS (API-): [M-H]- 279.1.
【0265】
C) 4-(3-メトキシ-2-(4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)プロパノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
実施例4の工程Cと同様の方法により標題化合物を得た。
【0266】
実施例16
3-メチル-4-(2-(4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オンのエナンチオ混合物
【0267】
A) 3-メチル-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
【0268】
メチル アラニナート 塩酸塩 (66.0 g) と2-クロロ-3-ニトロピリジン(15.0 g) のエタノール (250 mL) 溶液にトリエチルアミン(47.9 g) を加えた。反応混合物を加熱還流下、4時間撹拌後、溶媒を減圧下留去した。残渣にジクロロメタンを加え、水、続いて飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去してメチル N-(3-ニトロピリジン-2-イル)アラニナートおよびエチル N-(3-ニトロピリジン-2-イル)アラニナートの混合物 (19.0 g) を得た。得られた混合物 (18.0 g) のエタノール溶液 (500 mL) に濃塩酸 (2 mL) と鉄粉末 (17.9 g) を加えた。反応混合物を加熱還流下、16時間撹拌後、不溶物をろ別し、ろ液を減圧濃縮した。残渣を分取HPLC (C18, 移動相:水/アセトニトリル (0.1%TFA含有系)) にて分取後、得られた画分に濃塩酸 (1 mL) を加え減圧下濃縮した。得られた固体を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(100 mL) に懸濁し、16時間撹拌後、固体をろ取して標題化合物(1.20 g) を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 1.29 (3 H, d, J = 6.8 Hz), 3.93-4.02 (1H, m), 6.56 (1H, dd, J = 7.2, 4.8 Hz), 6.82 (1H, brs), 6.93 (1H, dd, J = 7.2, 1.2 Hz), 7.62 (1H, dd, J = 4.8, 1.2 Hz), 10.34 (1H, brs).
【0269】
B) 3-メチル-4-(2-(4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オンのエナンチオ混合物
【0270】
実施例6の工程Cと同様の方法により標題化合物を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.02-1.20 (6H, m), 1.83-2.07 (1H, m), 2.14-2.37 (1H, m), 5.08 (1H, q, J = 7.2 Hz), 5.32-5.45 (1H, m), 6.56-6.68 (2H, m), 7.07-7.18 (2H, m), 7.23 (1H, dd, J = 8.1, 4.7 Hz), 7.41 (1H, dd, J = 7.9, 1.5 Hz), 8.01 (1H, dd, J = 4.7, 1.7 Hz), 10.92 (1H, s).
【0271】
実施例17
3-メチル-4-(2-(4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オンのエナンチオ混合物
実施例6の工程Cと同様の方法により標題化合物を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 0.77 (3H, t, J = 7.3 Hz), 1.15 (3H, d, J = 7.2 Hz), 1.44-1.68 (2H, m, J = 7.5 Hz), 5.05 (1H, q, J = 7.5 Hz), 6.14-6.26 (1H, m), 7.09-7.19 (2H, m), 7.29-7.39 (3H, m), 7.42-7.51 (1H, m), 8.17 (1H, dd, J = 4.7, 1.7 Hz), 10.94 (1H, brs).
【0272】
実施例18
4-(4-メトキシ-2-(4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
【0273】
A) 3-(4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)ジヒドロフラン-2(3H)-オン
3-ブロモジヒドロフラン-2(3H)-オン (6.50 mL) および4-トリフルオロメトキシフェノール (6.79 mL) のN,N-ジメチルホルムアミド (105 mL) 溶液に炭酸カリウム (8.70 g) を室温で加え、室温で終夜撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン/酢酸エチル) で精製し、標題化合物 (7.92 g) を得た。
MS (API-): [M-H]- 261.1.
【0274】
B) メチル 4-メトキシ-2-(4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)ブチラート
3-(4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)ジヒドロフラン-2(3H)-オン (7.92 g) のテトラヒドロフラン (60 mL) 溶液に2 M 水酸化ナトリウム水溶液(45 mL)を室温で加え、室温で終夜撹拌した。反応混合物を減圧濃縮した。残渣のテトラヒドロフラン (150 mL) 溶液に60% 水素化ナトリウム (4.83 g) を0℃で加え、15分間撹拌した。反応混合物にヨウ化メチル (7.56 mL) と15-クラウン-5 (0.599 mL) を加え、室温で2時間撹拌した。反応混合物にN,N-ジメチルホルムアミド (50 mL) を加えた後、50℃で終夜撹拌した。反応混合物を室温に冷却後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン/酢酸エチル) で精製し、標題化合物 (2.16 g) を得た。
MS (API+): [M+H]+ 309.1.
【0275】
C) 4-メトキシ-2-(4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)ブタン酸
メチル 4-メトキシ-2-(4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)ブチラート(2.16 g) のテトラヒドロフラン (14 mL) 溶液に、2 M水酸化ナトリウム水溶液 (10.5 mL) を加え、室温で1時間撹拌した。混合物を2 M塩酸水溶液でpH3に調整し、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた生成物は精製することなく、次の反応に用いた。
MS (API-): [M-H]-293.1.
【0276】
D) 4-(4-メトキシ-2-(4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(0.477 g)、4-メトキシ-2-(4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)ブタン酸 (0.883 g)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド 塩酸塩 (0.690 g)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール 一水和物 (0.551 g)、およびN,N-ジメチルホルムアミド (15 mL) の混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン/酢酸エチル) で精製し、標題化合物 (1.09 g) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.75-2.04 (2H, m), 3.03 (3H, s), 3.23-3.46 (2H, m), 4.25 (1H, d, J = 16.6 Hz), 4.63 (1H, d, J = 16.6 Hz), 6.15 (1H, dd, J = 7.5, 4.1 Hz), 6.94-7.08 (2H, m), 7.28 (3H, dt, J = 8.3, 2.1 Hz), 7.42 (1H, dd, J = 7.9, 1.9 Hz), 8.07 (1H, dd, J = 4.7, 1.7 Hz), 10.89 (1H, brs).
【0277】
実施例19
4-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
【0278】
A) 1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(5.22 g) のN,N-ジメチルホルムアミド (17.5 mL) とジメチルスルホキシド (17.5 mL) 溶液に1 Mカリウム ヘキサメチルジシラジドのテトラヒドロフラン溶液 (49 mL) を0℃で滴下した。反応混合物を0℃で30分間撹拌した後、2-(クロロメトキシ)エチルトリメチルシラン (8.67 mL) を滴下し、3日間撹拌した。揮発物を減圧除去した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン/酢酸エチル) で精製して標題化合物(0.830 g) を得た。
MS (API+): [M+H]+ 280.1.
【0279】
B) 4-(2-クロロブタノイル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(419 mg) およびトリエチルアミン (314 μL) のテトラヒドロフラン (7.5 mL) 溶液に2-クロロブチリルクロリド (205 μL) を0℃で加えた。反応混合物を0℃で1時間撹拌した後、トリエチルアミン(314 μL) と2-クロロブチリルクロリド (205 μL) を0℃で加えた。反応混合物を0℃で1時間撹拌した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン/酢酸エチル) で精製して標題化合物 (165 mg) を得た。
MS (API+): [M+H]+ 384.2.
【0280】
C) 4-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)ブタノイル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
4-(2-クロロブタノイル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン (165 mg)、3-トリフルオロメトキシフェノール (55.5 μL)、炭酸カリウム(71.3 mg)、およびN,N-ジメチルホルムアミド(1.4 mL) の混合物を室温で1時間撹拌し、80℃で終夜撹拌した。反応混合物を室温に冷却後、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン/酢酸エチル) で精製し、標題化合物 (43 mg) を得た。
MS (API+): [M+H]+ 526.2.
【0281】
D) 4-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
4-(2-(3-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)ブタノイル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(43 mg) のトリフルオロ酢酸 (744 μL) 溶液に水(74.4 μL) を加え、室温で2時間撹拌した。反応混合物にトルエンを加え、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン/酢酸エチル) で精製し、標題化合物 (24 mg) を得た。
【0282】
実施例20
4-(2-(4-(トリフルオロメトキシ)ベンジル)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
【0283】
A) 2-[4-(トリフルオロメトキシ)ベンジル]ブタン酸
エチル 2-(ジエトキシホスホリル)ブチラート(1.41 g) のテトラヒドロフラン (25 mL)溶液に60%水素化ナトリウム (223 mg) を氷冷下ゆっくりと加えた。反応混合物を室温で30分間撹拌後、4-(トリフルオロメトキシ)ベンズアルデヒド (1.01 g) のテトラヒドロフラン (5 mL) 溶液を氷冷下ゆっくりと加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌後、水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン/酢酸エチル) で精製してエチル 2-[4-(トリフルオロメトキシ)ベンジリデン]ブチラート(1.31 g) を得た。得られたエチル 2-[4-(トリフルオロメトキシ)ベンジリデン]ブチラート(1.31 g) のメタノール (40 mL) 溶液に10%パラジウム-炭素 (483 mg) を加えた。反応混合物を水素雰囲気下、室温で3時間撹拌後、触媒をろ別し、ろ液を減圧下留去した。残渣をテトラヒドロフラン (10 mL) とメタノール (5 mL) の混合溶液に溶解し、2 M水酸化ナトリウム水溶液 (6.81 mL) を加えた。反応混合物を80℃で2時間撹拌後、2 M塩酸水溶液 (7 mL) を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去して標題化合物 (1.17 g) を得た。
MS (API-): [M-H]- 261.1.
【0284】
B) 4-(2-(4-(トリフルオロメトキシ)ベンジル)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
実施例6の工程Cと同様の方法により標題化合物を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 0.80 (3H, t, J = 7.5 Hz), 1.31-1.50 (1H, m), 1.56-1.77 (1H, m), 2.62-2.76 (1H, m, J = 6.4 Hz), 2.80-2.95 (1H, m), 3.68-3.87 (1H, m), 4.28 (1H, d, J = 16.2 Hz), 4.42 (1H, d, J = 16.6 Hz), 7.11 (4H, s), 7.19-7.27 (1H, m), 7.27-7.34 (1H, m), 8.10 (1H, dd, J = 4.5, 1.9 Hz), 10.59 (1H, s).
【0285】
実施例21
4-(3-メチル-2-(4-(トリフルオロメチル)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
実施例9と同様の方法により標題化合物を得た。
【0286】
実施例22
4-(2-(4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)プロパノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
実施例9と同様の方法により標題化合物を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.41 (3H, d, J = 6.4 Hz), 4.31-4.58 (2H, m), 6.07 (1H, q, J = 6.6 Hz), 6.85-6.96 (2H, m), 7.17-7.30 (3H, m), 7.41 (1H, dd, J = 7.9, 1.9 Hz), 8.01 (1H, dd, J = 4.7, 1.7 Hz), 10.89 (1H, s).
【0287】
実施例23
4-(2-((4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)アミノ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
【0288】
A) メチル 2-((4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)アミノ)ブチラート
p-アミノトリフルオロメトキシベンゼン (2.66 g)、DL-メチル 2-ブロモブチラート (1.73 mL)、炭酸カリウム (2.28 g)、およびN,N-ジメチルホルムアミド (30 mL) の混合物を80℃で3日間撹拌した。反応混合物を室温に冷却後、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン/酢酸エチル) で精製し、標題化合物 (1.42 g) を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 0.94-1.05 (3H, m), 1.70-1.98 (2H, m), 3.74 (3H, s), 3.99 (1H, dt, J = 8.6, 6.3 Hz), 4.14-4.26 (1H, m), 6.51-6.61 (2H, m), 6.98-7.07 (2H, m).
MS (API+): [M+H]+ 278.1.
【0289】
B) 2-((4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)アミノ)ブタン酸
メチル 2-((4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)アミノ)ブチラート(1.42 g)、2 M 水酸化ナトリウム (7.68 mL)、およびテトラヒドロフラン (10.2 mL) の混合物を室温で終夜撹拌した。混合物をエーテルで抽出し、水層に2 M塩酸を加えた。生じた固体をろ取し、水で洗浄後、減圧乾燥して標題化合物 (1.17 g) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 0.96 (3H, t, J = 7.3 Hz), 1.59-1.93 (2H, m), 3.79 (1H, t, J = 6.4 Hz), 6.10 (1H, brs), 6.53-6.70 (2H, m), 7.05 (2H, d, J = 8.3 Hz), 12.59 (1H, brs).
MS (API-): [M-H]- 262.1.
【0290】
C) 4-(2-((4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)アミノ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(298 mg)、2-((4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)アミノ)ブタン酸 (526 mg)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド 塩酸塩 (460 mg)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール 一水和物 (368 mg)、およびN,N-ジメチルホルムアミド (10 mL) の混合物を室温で2時間撹拌した。混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン/酢酸エチル) で精製し、酢酸エチルおよびジイソプロピルエーテルから再結晶して標題化合物 (364 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 0.75-0.89 (3H, m), 1.42-1.78 (2H, m), 4.22-4.43 (1H, m), 4.49-4.63 (1H, m), 5.19 (1H, td, J = 8.8, 4.7 Hz), 6.17 (1H, d, J = 9.4 Hz), 6.53-6.66 (2H, m), 7.00 (2H, d, J = 8.3 Hz), 7.26-7.37 (1H, m), 7.40-7.49 (1H, m), 8.16 (1H, dd, J = 4.7, 1.7 Hz), 10.87 (1H, brs).
【0291】
実施例24
4-((1-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピペリジン-2-イル)カルボニル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
【0292】
A) 4-((1-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピペリジン-2-イル)カルボン酸
ピペリジン-2-カルボン酸 (646 mg)、1-ヨード-4-トリフルオロメトキシベンゼン (0.939 mL)、ヨウ化銅(I) (381 mg)、炭酸カリウム (2.07 g)、およびジメチルスルホキシド (20 mL) の混合物を100℃で終夜撹拌した。反応混合物を室温に冷却後、2 M塩酸でpH3に調整し、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン/酢酸エチル) で精製して標題化合物 (531 mg) を得た。
MS (API+): [M+H]+ 290.1.
【0293】
B) 4-((1-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピペリジン-2-イル)カルボニル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
実施例4の工程Cと同様の方法により標題化合物を得た。
【0294】
実施例25
4-(1-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)プロリル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
【0295】
A) 4-(1-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピロリジン-2-カルボン酸
DL-プロリン(576 mg)、1-ヨード-4-(トリフルオロメトキシ)ベンゼン (0.939 mL)、ヨウ化銅(I) (1.047 g)、炭酸カリウム (2.073 g)、およびジメチルスルホキシド (20 mL) の混合物を100℃で終夜撹拌した。反応混合物を室温に冷却後、2 M塩酸でpH3に調整し、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン/酢酸エチル) で精製し、標題化合物 (49 mg) を得た。
MS (API-): [M-H]- 274.2.
【0296】
B) 4-(1-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)プロリル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
4-(1-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピロリジン-2-カルボン酸 (49.0 mg)、3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(26.6 mg)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド 塩酸塩 (41.0 mg)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール 一水和物(32.7 mg)、およびN,N-ジメチルホルムアミド (1.78 mL) の混合物を室温で3時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、塩基性シリカゲルを用いてろ過し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン/酢酸エチル) で精製して標題化合物 (23.0 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 1.95-2.36 (4H, m), 3.41 (1H, q, J = 8.0 Hz), 3.62 (1H, td, J = 8.2, 3.6 Hz), 4.52-4.62 (1H, m), 4.62-4.73 (1H, m), 5.54 (1H, d, J = 7.9 Hz), 6.44-6.54 (2H, m), 7.03 (2H, d, J = 8.3 Hz), 7.17 (1H, dd, J = 7.9, 4.9 Hz), 7.28-7.35 (1H, m), 8.15 (1H, dd, J = 4.9, 1.5 Hz), 9.57 (1H, brs).
【0297】
実施例26
4-(4-((tert-ブチル(ジメチル)シリル)オキシ)-2-(4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
【0298】
A) ((tert-ブチル(ジメチル)シリル)オキシ)-2-(4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)ブタン酸
3-(4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)ジヒドロフラン-2(3H)-オン (2.62 g)、2 M水酸化ナトリウム (6.0 mL)、およびテトラヒドロフラン (12 mL) の混合物を室温で30分撹拌した。混合物を減圧濃縮し、残渣をN,N-ジメチルホルムアミド (35 mL) に溶解した。溶液にイミダゾール (1.7 g) およびtert-ブチルジメチルクロロシラン (3.32 g) を室温で加え、室温で1時間撹拌した。反応溶液に水を加え、エーテルで抽出した。水層を0℃で2 M塩酸によりpH3に調整し、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた生成物は精製することなく、次の反応に用いた。
MS (API-): [M-H]-393.1.
【0299】
B) 4-(4-((tert-ブチル(ジメチル)シリル)オキシ)-2-(4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
実施例4の工程Cと同様の手法により、標題化合物を得た。
【0300】
実施例27
6-メチル-4-(2-(4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オンの光学活性体
6-メチル-4-(2-(4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オンのラセミ体 (451 mg) をHPLC (カラム:CHIRALPAK IC、50mmID×500 mmL、ダイセル化学工業製、移動相:ヘキサン/エタノール = 800/200) にて分取し、保持時間の小さい方の標題化合物 (218 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 0.90 (3H, t, J = 7.3 Hz), 1.62-2.00 (2H, m), 2.38 (3H, s), 4.34 (1H, d, J = 16.6 Hz), 4.50 (1H, d, J = 16.6 Hz), 5.91 (1H, dd, J = 7.5, 4.5 Hz), 6.92-7.03 (2H, m), 7.12 (1H, d, J = 8.3 Hz), 7.20-7.38 (3H, m), 10.80 (1H, s).
【0301】
実施例28
6-メチル-4-(2-(4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オンの光学活性体
6-メチル-4-(2-(4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オンのラセミ体 (451 mg) をHPLC (カラム:CHIRALPAK IC、50mmID×500 mmL、ダイセル化学工業製、移動相:ヘキサン/エタノール = 800/200) にて分取し、保持時間の大きい方の標題化合物 (209 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 0.90 (3H, t, J = 7.3 Hz), 1.77 (2H, s), 2.38 (3H, s), 4.34 (1H, d, J = 16.6 Hz), 4.49 (1H, d, J = 16.6 Hz), 5.91 (1H, dd, J = 7.5, 4.5 Hz), 6.92-7.03 (2H, m), 7.12 (1H, d, J = 8.3 Hz), 7.20-7.29 (2H, m), 7.32 (1H, d, J = 7.9 Hz), 10.79 (1H, brs).
【0302】
実施例29
8-メチル-4-(2-(4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オンの光学活性体
8-メチル-4-(2-(4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オンのラセミ体 (435 mg) をHPLC (カラム:CHIRALPAK IC、50mmID×500 mmL、ダイセル化学工業製、移動相:ヘキサン/エタノール = 700/300) にて分取し、保持時間の小さい方の標題化合物 (209 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 0.86 (3H, t, J = 7.3 Hz), 1.60-1.90 (2H, m), 2.34 (3H, s), 4.28 (1H, d, J = 16.2 Hz), 4.59 (1H, d, J = 16.2 Hz), 5.92 (1H, dd, J = 7.5, 4.5 Hz), 6.91-7.05 (2H, m), 7.18 (1H, d, J = 4.9 Hz), 7.22-7.33 (2H, m), 8.01 (1H, d, J = 4.9 Hz), 10.53 (1H, s).
【0303】
実施例30
4-(2-(4-(メチルスルホニル)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
メチル 2-ブロモブチラート (36 mg) のN,N-ジメチルホルムアミド (1.5 mL) 溶液に4-メチルスルフォニルフェノール (34 mg)、炭酸カリウム (41 mg)を加え、室温で終夜撹拌した。反応溶液に水 (1 mL) と酢酸エチル (2 mL) を加え撹拌した後、有機層を抽出し、空気噴き付け装置により溶媒を蒸発させた。残渣にメタノール (500 μL)、テトラヒドロフラン(500 μL) および2 M水酸化ナトリウム水溶液 (100 μL) を加え1時間撹拌した後、2 M 塩酸水溶液(100 μL) で中和した。水 (1 mL) と酢酸エチル(2 mL) を加え撹拌した後、有機層を抽出し、空気噴き付け装置により溶媒を蒸発させた。残渣のN,N-ジメチルホルムアミド (1.5 mL) 溶液に3,4-ジヒドロ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(15 mg)、トリエチルアミン (42 mL)、O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N′,N′-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート (76 mg) を加え、室温で終夜撹拌した。反応溶液に水 (1 mL) と酢酸エチル (2 mL) を加え撹拌した後、有機層を抽出し、空気噴き付け装置により溶媒を蒸発させた。残渣をHPLC (カラム:YMC Triart C18, 移動相:アセトニトリル/10 mM 重炭酸アンモニウム水溶液) で精製し、空気噴き付け装置により溶媒を蒸発させ、標題化合物 (22 mg) を得た。
【0304】
実施例31
4-(2-(1-ナフチルオキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
実施例30と同様の方法により標題化合物を得た。
【0305】
実施例32
4-(2-(4-シクロヘキシルフェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
実施例30と同様の方法により標題化合物を得た。
【0306】
実施例33
4-(2-(4-クロロフェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
実施例30と同様の方法により標題化合物を得た。
【0307】
実施例34
4-(2-(ビフェニル-4-イルオキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
実施例30と同様の方法により標題化合物を得た。
【0308】
実施例35
4-(2-(4-フルオロフェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
実施例30と同様の方法により標題化合物を得た。
【0309】
実施例36
4-(2-(2-フルオロフェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
実施例30と同様の方法により標題化合物を得た。
【0310】
実施例37
4-(2-(4-エトキシフェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
実施例30と同様の方法により標題化合物を得た。
【0311】
実施例38
4-(2-(4-tert-ブチルフェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
実施例30と同様の方法により標題化合物を得た。
【0312】
実施例39
2-((1-オキソ-1-(2-オキソ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-4(1H)-イル)ブタン-2-イル)オキシ)ベンゾニトリル
実施例30と同様の方法により標題化合物を得た。
【0313】
実施例40
4-(2-((2-メチル-1,3-ベンゾチアゾール-5-イル)オキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
実施例30と同様の方法により標題化合物を得た。
【0314】
実施例41
4-(2-(4-(2-メトキシエチル)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
実施例30と同様の方法により標題化合物を得た。
【0315】
実施例42
3-(4-((1-オキソ-1-(2-オキソ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-4(1H)-イル)ブタン-2-イル)オキシ)フェニル)プロパンニトリル
実施例30と同様の方法により標題化合物を得た。
【0316】
実施例43
4-(2-(3-アセチルフェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
実施例30と同様の方法により標題化合物を得た。
【0317】
実施例44
4-((1-オキソ-1-(2-オキソ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-4(1H)-イル)ブタン-2-イル)オキシ)ベンゾニトリル
実施例30と同様の方法により標題化合物を得た。
【0318】
実施例45
4-(2-(2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-イルオキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
実施例30と同様の方法により標題化合物を得た。
【0319】
実施例46
4-(2-フェノキシブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
実施例30と同様の方法により標題化合物を得た。
【0320】
実施例47
4-(2-(4-イソプロピルフェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
実施例30と同様の方法により標題化合物を得た。
【0321】
実施例48
3-((1-オキソ-1-(2-オキソ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-4(1H)-イル)ブタン-2-イル)オキシ)ベンゾニトリル
実施例30と同様の方法により標題化合物を得た。
【0322】
実施例49
4-(2-(3,4-ジフルオロフェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
実施例30と同様の方法により標題化合物を得た。
【0323】
実施例50
4-(2-(4-メチルフェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン]
実施例30と同様の方法により標題化合物を得た。
【0324】
実施例51
4-(2-(2-メチルフェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
実施例30と同様の方法により標題化合物を得た。
【0325】
実施例52
4-(2-(4-アセチルフェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
実施例30と同様の方法により標題化合物を得た。
【0326】
実施例53
4-(2-((1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-イル)オキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
実施例30と同様の方法により標題化合物を得た。
【0327】
実施例54
(4-((1-オキソ-1-(2-オキソ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-4(1H)-イル)ブタン-2-イル)オキシ)フェニル)アセトニトリル
実施例30と同様の方法により標題化合物を得た。
【0328】
実施例55
4-(2-(4-(1H-ピラゾール-1-イル)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
実施例30と同様の方法により標題化合物を得た。
【0329】
実施例56
4-(2-(4-メトキシフェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
実施例30と同様の方法により標題化合物を得た。
【0330】
実施例57
4-(2-(4-プロポキシフェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
実施例30と同様の方法により標題化合物を得た。
【0331】
実施例58
4-(2-(4-(2-ヒドロキシエチル)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
実施例30と同様の方法により標題化合物を得た。
【0332】
実施例59
4-(2-(4-(ヒドロキシメチル)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
実施例30と同様の方法により標題化合物を得た。
【0333】
実施例60
4-(2-(ビフェニル-2-イルオキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
実施例30と同様の方法により標題化合物を得た。
【0334】
実施例61
4-(2-(3-フルオロフェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
実施例30と同様の方法により標題化合物を得た。
【0335】
実施例62
4-(2-(3-メチルフェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
実施例30と同様の方法により標題化合物を得た。
【0336】
実施例63
4-(2-(3-メトキシフェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
実施例30と同様の方法により標題化合物を得た。
【0337】
実施例64
4-(2-(2-ナフチルオキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
実施例30と同様の方法により標題化合物を得た。
【0338】
実施例65
4-(2-(4-プロピルフェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
実施例30と同様の方法により標題化合物を得た。
【0339】
実施例66
4-(2-(4-(ピリジン-2-イル)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
【0340】
A) 4-(ピリジン-2-イル)フェノール
炭酸ナトリウム (2.364 g)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0) (0.644 g)、2-ブロモピリジン (1.76 g)、4-ヒドロキシフェニルボロン酸 (2 g)、1,2-ジメトキシエタン(50 mL) および水 (10 mL) の混合物を窒素雰囲気下、80℃で終夜撹拌した。反応混合物にシリカゲルを加え、減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン/酢酸エチル) で精製し、標題化合物 (0.431 g) を得た。
MS (API+): [M+H]+172.1.
【0341】
B) 4-(2-(4-(ピリジン-2-イル)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
実施例30と同様の方法により標題化合物を得た。
【0342】
実施例67
4-(2-(4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
【0343】
A) 4-(4-メトキシフェニル)-3,6-ジヒドロ-2H-ピラン
ジヒドロ-2H-ピラン-4(3H)-オン (4.55 g) に臭化(4-メトキシフェニル)マグネシウム (0.5 Mテトラヒドロフラン溶液, 100 mL) を0℃で加え、反応混合物を窒素雰囲気下で2日間撹拌した。反応混合物に1 M塩酸水溶液を0℃で加え、室温で3時間撹拌した後、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン/酢酸エチル)で精製して標題化合物 (7.32 g) を得た。
MS (API+): [M+H]+ 191.1.
【0344】
B) 4-(4-メトキシフェニル)テトラヒドロ-2H-ピラン
10%パラジウム-炭素 (420 mg)、4-(4-メトキシフェニル)-3,6-ジヒドロ-2H-ピラン(4.2 g) およびメタノール (150 mL) の混合物を水素雰囲気下室温で3時間撹拌した。これをセライトろ過し、ろ液を濃縮して標題化合物 (4.34 g) を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 1.67-1.90 (4H, m), 2.62-2.80 (1H, m), 3.40-3.58 (2H, m), 3.79 (3H, s), 3.96-4.11 (2H, m), 6.81-6.91 (2H, m), 7.08-7.21 (2H, m).
【0345】
C) 4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)フェノール
ドデカンチオール (12.95 g)、4-(4-メトキシフェニル)テトラヒドロ-2H-ピラン (4.1 g)、塩化アルミニウム (8.53 g) およびトルエン (100 mL) の混合物を0℃で2時間撹拌した後、1 M塩酸を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水と飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をヘキサンで洗浄して標題化合物 (2.71 g) を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 1.68-1.95 (4H, m), 2.69 (1H, tt, J = 10.5, 5.3 Hz), 3.42-3.62 (2H, m), 3.99-4.17 (2H, m), 5.15 (1H, s), 6.73-6.83 (2H, m), 7.05-7.12 (2H, m).
【0346】
D) 4-(2-(4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
実施例30と同様の方法に従って標題化合物を得た。
【0347】
実施例68
4-(2-(4-(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
【0348】
A) 1-(4-メトキシフェニル)-2-メチル-1H-イミダゾール
キノリン-8-オール (0.674 g)、ヨウ化銅(I)(0.884 g)、炭酸カリウム (7.70 g)、2-メチル-1H-イミダゾール (4 g)、1-ヨード-4-メトキシベンゼン (10.9 g) およびジメチルスルホキシド (100 mL) の混合物を窒素雰囲気下140℃ で終夜撹拌した。混合物を水に加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (NH、ヘキサン/酢酸エチル) で精製して標題化合物 (7.60 g) を得た。
MS (API+): [M+H]+189.1.
【0349】
B) 4-(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)フェノール
1−(4-メトキシフェニル)-2-メチル-1H-イミダゾール(7.15 g)、48%臭化水素酸水溶液(35 mL) および酢酸 (50 mL) の混合物を100℃で36時間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた後、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をジイソプロピルエーテルで洗浄して標題化合物 (4.07 g) を得た。
MS (API+): [M+H]+175.1.
【0350】
C) 4-(2-(4-(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
実施例30と同様の方法により標題化合物を得た。
【0351】
実施例69
4-(2-(4-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
【0352】
A) 4-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)フェノール
炭酸ナトリウム10水和物 (11.5 g)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0) (0.694 g)、1-メチル-4-(4,4,5,6,-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール (5 g)、4-ヨードフェノール (4.41 g)、1,2-ジメトキシエタン (60 mL) および水 (12 mL) の混合物を窒素雰囲気下80℃で2日間撹拌した。ここにシリカゲルを加え、減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン/酢酸エチル) で精製して標題化合物 (3.58 g) を得た。
MS (API+): [M+H]+175.1.
【0353】
B) 4-(2-(4-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
実施例30と同様の方法により標題化合物を得た。
【0354】
実施例70
4-(2-(4-(1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
【0355】
A) 3-ブロモ-1-メチルピリジン-2(1H)-オン
ヨードメタン (1.22 g)、3-ブロモピリジン-2-オール (500 mg)、炭酸カリウム (1.19 g) およびN,N-ジメチルホルムアミド (2 mL) の混合物を80℃で1時間撹拌した。反応混合物を水に加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン/酢酸エチル) で精製して標題化合物 (352 mg) を得た。
MS (API+): [M+H]+ 187.9.
【0356】
B) 3-(4-(ベンジルオキシ)フェニル)-1-メチルピリジン-2(1H)-オン
(4-(ベンジルオキシ)フェニル)ボロン酸 (619 mg)、3-ブロモ-1-メチルピリジン-2(1H)-オン (340 mg)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0) (62.7 mg)、炭酸ナトリウム (383 mg)、1,2-ジメトキシエタン (15 mL) および水 (5 mL) の混合物を窒素雰囲気下80℃で撹拌後、NHシリカゲルを加え、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン/酢酸エチル) で精製して標題化合物(425 mg) を得た。
MS (API+): [M+H]+ 292.1.
【0357】
C) 3-(4-ヒドロキシフェニル)-1-メチルピリジン-2(1H)-オン
3-(4-(ベンジルオキシ)フェニル)-1-メチルピリジン-2(1H)-オン (930 mg)、10%パラジウム-炭素 (80 mg)、メタノール (25 mL) およびテトラヒドロフラン (25 mL)の混合物を、水素雰囲気下室温にて終夜撹拌した。反応混合物をろ過し、ろ液を減圧濃縮して標題化合物 (559 mg)を得た。
MS (API+): [M+H]+ 202.0.
【0358】
D) 4-(2-(4-(1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
実施例30と同様の方法により標題化合物を得た。
【0359】
実施例71
4-(2-(メチル(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)アミノ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
【0360】
A) メチル 2-(メチル(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)アミノ)ブチラート
メチル 2-((4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)アミノ)ブチラート(3.53 g)、ヨードメタン(0.955 mL)、炭酸カリウム (2.11 g)、およびN,N-ジメチルホルムアミド (25.5 mL) の混合物を室温で1時間撹拌し、60℃で終夜撹拌した。反応混合物にヨードメタン (2.39 mL) を加え、60℃で4時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン/酢酸エチル) で精製して標題化合物 (1.43 g) を得た。
MS (API+): [M+H]+ 292.1.
【0361】
B) 2-(メチル(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)アミノ)ブタン酸
実施例4の工程Bと同様の方法により標題化合物を得た。
MS (API-): [M-H]- 276.1.
【0362】
C) 4-(2-(メチル(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)アミノ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
実施例4の工程Cと同様の方法により標題化合物を得た。
【0363】
実施例72
4-(2-(2-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
実施例4と同様の方法により標題化合物を得た。
【0364】
実施例73
4-(2-(4-((トリフルオロメチル)スルファニル)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
実施例9と同様の方法により標題化合物を得た。
【0365】
実施例74
4-(2-(4-((トリフルオロメチル)スルフィニル)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
4-(2-(4-((トリフルオロメチル)スルファニル)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オンから実施例14と同様の方法により標題化合物を得た。
【0366】
実施例75
4-(2-(4-((トリフルオロメチル)スルホニル)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
4-(2-(4-((トリフルオロメチル)スルファニル)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オンから実施例14と同様の方法により標題化合物を得た。
【0367】
実施例1から実施例75のいずれかの方法またはそれらの組み合わせの方法により、実施例76から実施例84に示す化合物を合成した。
実施例76
6-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-4-(2-(4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
MS (API+): [M+H]+476.2.
実施例77
4-(5-オキソ-1-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)プロリル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
MS (API+): [M+H]+ 421.1.
実施例78
4-(5-メトキシ-2-(4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)ペンタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
MS (API+): [M+H]+ 440.1.
実施例79
N,N-ジメチル-4-((1-オキソ-1-(2-オキソ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-4(1H)-イル)ブタン-2-イル)オキシ)ベンズアミド
MS (API+): [M+H]+ 383.1.
実施例80
4-(2-(4-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
MS (API+): [M+H]+ 410.1.
【0368】
実施例81
4-(2-(4-(1,3-チアゾール-2-イル)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
MS (API+): [M+H]+ 395.2.
実施例82
4-(2-(4-(ピリジン-2-イルオキシ)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
MS (API+): [M+H]+ 405.2.
実施例83
4-(3-メチル-2-(4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
MS (API+): [M+H]+ 408.0.
実施例84
6-(1H-ピラゾール-1-イル)-4-(2-(4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
MS (API+): [M+H]+ 462.2.
【0369】
実施例85
6-(1-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)-4-(2-(4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
【0370】
A) 2-((6-クロロ-3-ニトロピリジン-2-イル)アミノ)酢酸メチル
2,6-ジクロロ-3-ニトロピリジン (20.7 g) およびメチル グリシナート 塩酸塩 (20.2 g)、およびエタノール (300 mL) の混合物にトリエチルアミン (27.1 mL) を加えた。反応混合物を16時間加熱還流後、溶媒を減圧下留去し、残渣に水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水、1 M塩酸、続いて飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン/酢酸エチル) で精製した後、得られた固体をヘキサンで洗浄して標題化合物 (15.1 g) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 3.67 (3H, s), 4.27 (2H, d, J = 6.0 Hz), 6.87 (1H, d, J = 8.7 Hz), 8.48 (1H, d, J = 8.7 Hz), 8.96 (1H, t, J = 5.7 Hz).
【0371】
B) メチル N-(6-(1-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)-3-ニトロピリジン-2-イル)グリシナート
2-((6-クロロ-3-ニトロピリジン-2-イル)アミノ)酢酸メチル(2.05 g)、1-メチル-3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(2.258 g)、炭酸セシウム(5.44 g)、[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリド(0.611 g)、1,2-ジメトキシエタン(50 mL)および水(10 mL)の混合物を窒素雰囲気下50℃で1時間撹拌した。混合物にNHシリカゲルを加え、減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NH, 酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、標題化合物(2.45 g)を得た。
MS (API+): [M+H]+ 292.1.
【0372】
C) 6-(1-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
メチル N-(6-(1-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)-3-ニトロピリジン-2-イル)グリシナート(2.45 g)、二酸化白金(IV)(200 mg)、テトラヒドロフラン(300 mL)およびメタノール(300 mL)の混合物を水素雰囲気下室温で終夜撹拌した。混合物をセライトろ過し、ろ液を濃縮した。残渣にエタノール(500 mL)を加え、90℃で終夜撹拌した。混合物を減圧濃縮し、残渣をジイソプロピルエーテルで洗浄して標題化合物(1.550 g)を得た。
MS (API+): [M+H]+ 230.1.
【0373】
D) 2-(4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)ブタン酸エチル
4-(トリフルオロメトキシ)フェノール(5 g)、2-ブロモブタン酸エチル(6.57 g)、炭酸カリウム(7.76 g)およびDMSO(50 mL)の混合物を室温で終夜撹拌した混合物に飽和食塩水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮して標題化合物(8.62 g)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 1.08 (3H, t, J = 7.5 Hz), 1.25 (3H, t, J = 7.2 Hz), 1.89-2.07 (2H, m), 4.17-4.30 (2H, m), 4.51 (1H, t, J = 6.1 Hz), 6.78-6.94 (2H, m), 7.05-7.19 (2H, m).
【0374】
E) 2-(4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)ブタン酸
2-(4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)ブタン酸エチル(8.62 g)、2M水酸化ナトリウム水溶液(40 mL)およびテトラヒドロフラン(100 mL)の混合物を室温で2日間撹拌した。混合物を室温で1M塩酸に加えて酸性にし、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をヘキサンで洗浄して標題化合物(6.96 g)を得た。
MS (API-): [M-H]- 262.9.
【0375】
F) 6-(1-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)-4-(2-(4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
6-(1-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(90.7 mg)、2-(4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)ブタン酸(115 mg)およびN,N-ジメチルホルムアミド (6 mL)の混合物に1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド 塩酸塩 (114 mg)および1-ヒドロキシベンゾトリアゾール 一水和物 (91 mg)を加えた。混合物を室温で16時間撹拌した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に加え、酢酸エチルで抽出し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、得られた化合物をヘキサン/酢酸エチルで洗浄して標題化合物(138 mg)を得た。
MS (API+): [M+H]+476.2.
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 0.83 (3H, t, J = 7.3 Hz), 1.64-1.93 (2H, m), 3.88 (3H, s), 4.32 (1H, d, J = 16.6 Hz), 4.64 (1H, d, J = 16.6 Hz), 6.12 (1H, dd, J = 7.5, 4.5 Hz), 6.59 (1H, d, J = 2.3 Hz), 7.06 (2H, d, J = 9.0 Hz), 7.23-7.32 (2H, m), 7.46 (1H, d, J = 8.3 Hz), 7.74 (1H, d, J = 2.3 Hz), 7.79 (1H, d, J = 8.3 Hz), 10.97 (1H, brs).
【0376】
実施例1から実施例85のいずれかの方法またはそれらの組み合わせの方法により、実施例86から実施例131に示す化合物を合成した。
実施例86
4-(2-(4-(ペンタフルオロスルファニル)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
MS (API+): [M+H]+ 436.0.
実施例87
4-(2-((5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)オキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
MS (API+): [M+H]+ 379.0.
実施例88
6-クロロ-4-(2-(4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
MS (API+): [M+H]+ 428.0.
実施例89
4-(3-シクロペンチル-2-(4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)プロパノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
MS (API+): [M+H]+ 450.1.
実施例90
4-(3,3-ジメチル-2-(4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
MS (API+): [M+H]+ 422.0.
【0377】
実施例91
4-(N-エチル-N-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)グリシル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
MS (API+): [M+H]+ 395.2.
実施例92
6-(4-メチルピペラジン-1-イル)-4-(2-(4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
MS (API+): [M+H]+ 494.2.
実施例93
6-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-4-(2-(4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
MS (API+): [M+H]+ 476.2
実施例94
6-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-4-(2-(4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オンの光学活性体
MS (API+): [M+H]+ 476.2.
実施例95
6-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-4-(2-(4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オンの光学活性体
MS (API+): [M+H]+ 476.2.
【0378】
実施例96
6-(1H-ピラゾール-1-イル)-4-(2-(4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オンの光学活性体
MS (API+): [M+H]+ 462.1.
実施例97
6-(1H-ピラゾール-1-イル)-4-(2-(4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オンの光学活性体
MS (API+): [M+H]+ 462.0.
実施例98
4-(4-(メチルスルファニル)-2-(4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
MS (API+): [M+H]+ 439.9.
実施例99
4-(4-(メチルスルホニル)-2-(4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
MS (API+): [M+H]+ 474.1.
実施例100
4-(シクロプロピル(4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)アセチル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
MS (API+): [M+H]+ 408.1.
【0379】
実施例101
4-(2-(4-(4-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
MS (API+): [M+H]+ 392.1.
実施例102
4-(2-(2-フルオロ-4-(1H-ピラゾール-1-イル)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
MS (API+): [M+H]+ 396.2.
実施例103
4-(2-(4-(5-フルオロピリミジン-2-イル)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
MS (API+): [M+H]+ 408.1.
実施例104
4-(2-(3-フルオロ-4-(5-メチル-1,2-オキサゾール-3-イル)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
MS (API+): [M+H]+ 411.2.
実施例105
4-(2-(4-(5-フルオロピリジン-2-イル)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
MS (API+): [M+H]+ 407.1.
【0380】
実施例106
5-フルオロ-6-(4-((1-オキソ-1-(2-オキソ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-4(1H)-イル)ブタン-2-イル)オキシ)フェニル)ニコチノニトリル
MS (API+): [M+H]+ 432.1.
実施例107
4-(2-(4-(5-メチル-1,2-オキサゾール-3-イル)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
MS (API+): [M+H]+ 393.2.
実施例108
4-(2-((6-(4-クロロ-1H-ピラゾール-1-イル)ピリジン-3-イル)オキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
MS (API+): [M+H]+ 413.2.
実施例109
4-(2-(4-(4-イソプロピル-1H-ピラゾール-1-イル)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
MS (API+): [M+H]+ 420.2
実施例110
4-(2-(2-フルオロ-4-(5-メチル-1,2-オキサゾール-3-イル)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
MS (API+): [M+H]+ 411.2.
【0381】
実施例111
4-(2-(4-(2-メチル-1,3-オキサゾール-4-イル)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
MS (API+): [M+H]+ 393.2.
実施例112
4-(2-(4-(5-クロロ-3-フルオロピリジン-2-イル)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
MS (API+): [M+H]+ 441.1.
実施例113
4-(2-(4-(2-メチル-1,3-チアゾール-4-イル)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
MS (API+): [M+H]+ 409.2.
実施例114
4-(2-(4-(1,3-オキサゾール-5-イル)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
MS (API+): [M+H]+ 379.2.
実施例115
4-(2-(4-(4-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-1-イル)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
MS (API+): [M+H]+ 444.0.
【0382】
実施例116
4-(2-(4-(3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-1-イル)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
MS (API+): [M+H]+ 446.1.
実施例117
4-(2-(4-(4-クロロ-1H-ピラゾール-1-イル)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
MS (API+): [M+H]+ 412.2.
実施例118
4-(2-(4-(5-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
MS (API+): [M+H]+ 392.1.
実施例119
4-(2-(4-(1,5-ジメチル-1H-ピラゾール-3-イル)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
MS (API+): [M+H]+ 406.2.
実施例120
4-(2-(4-(3-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
MS (API+): [M+H]+ 392.1.
【0383】
実施例121
5-((1-オキソ-1-(2-オキソ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-4(1H)-イル)ブタン-2-イル)オキシ)-2-(1H-ピラゾール-1-イル)ベンゾニトリル
MS (API+): [M+H]+ 403.1.
実施例122
4-(2-(4-(4-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
MS (API+): [M+H]+ 392.1.
実施例123
4-(2-(4-(4-エチル-1H-ピラゾール-1-イル)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
MS (API+): [M+H]+ 406.2.
実施例124
4-(2-(4-(2-オキソピロリジン-1-イル)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
MS (API+): [M+H]+ 395.2.
実施例125
4-(2-(3-フルオロ-4-(4-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
MS (API+): [M+H]+ 410.2.
【0384】
実施例126
4-(2-(2-フルオロ-4-(4-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
MS (API+): [M+H]+ 410.2.
実施例127
4-(2-(3-フルオロ-4-(1H-ピラゾール-1-イル)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
MS (API+): [M+H]+ 396.2.
実施例128
4-(2-(4-(1H-ピロール-1-イル)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
MS (API+): [M+H]+ 377.1.
実施例129
4-(2-(4-(1,3-チアゾール-4-イル)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
MS (API+): [M+H]+ 395.2.
実施例130
4-(2-(シクロヘキシルオキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
MS (API+): [M+H]+ 318.2.
実施例131
6-(1-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)-4-(2-(4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オンの光学活性体
MS (API+): [M+H]+ 476.2.
【0385】
実施例132
6-(1-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)-4-(2-(4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オンの光学活性体
6-(1-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)-4-(2-(4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(98.7 mg)のラセミ体をHPLC (カラム:CHIRALPAK AS、50 mmID×500 mmL、ダイセル化学工業製、移動相:ヘキサン/エタノール = 700/300)にて分取し、保持時間の大きい方の化合物をヘキサン/酢酸エチルで洗浄することで、標題化合物 (24.8 mg)を得た。
MS (API+): [M+H]+ 476.2.
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) d 0.83 (3H, t, J = 7.2 Hz), 1.64-1.92 (2H, m), 3.88 (3H, s), 4.32 (1H, d, J = 16.6 Hz), 4.64 (1H, d, J = 16.6 Hz), 6.06-6.18 (1H, m), 6.59 (1H, d, J = 2.3 Hz), 7.00-7.12 (2H, m), 7.22-7.33 (2H, m), 7.46 (1H, d, J = 8.3 Hz), 7.74 (1H, d, J = 2.3 Hz), 7.79 (1H, d, J = 8.3 Hz), 10.97 (1H, brs).
【0386】
実施例1から実施例132のいずれかの方法またはそれらの組み合わせの方法により、実施例133および実施例134に示す化合物を合成した。
実施例133
4-(2-(3-フルオロ-4-(1H-ピラゾール-1-イル)フェノキシ)ブタノイル)-6-メチル-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
MS (API+): [M+H]+ 410.1.
実施例134
4-(2-(3-フルオロ-4-(1H-ピラゾール-1-イル)フェノキシ)-3-メチルブタノイル)-6-メチル-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
MS (API+): [M+H]+ 424.1.
【0387】
実施例135
4-(2-(3-フルオロ-4-(1H-ピラゾール-1-イル)フェノキシ)-3-メチルブタノイル)-7-メトキシ-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
【0388】
A) (5-ブロモピリジン-3-イル)カルバミン酸エチル
5-ブロモピリジン-3-アミン (35.4 g) とピリジン (19.8 mL) のテトラヒドロフラン (600 mL) 混合物にクロロギ酸エチル (23.4 mL) を0℃でゆっくりと加えた。反応混合物を窒素雰囲気下、室温で終夜撹拌した後、水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣にジイソプロピルエーテル (400 mL) を加え、室温で20分間撹拌した後、得られた固体をろ取して標題化合物 (29.0 g) を得た。
MS (API+): [M+H]+245.1.
【0389】
B) (5-ブロモ-2-ニトロピリジン-3-イル)カルバミン酸エチル
(5-ブロモピリジン-3-イル)カルバミン酸エチル(19.0 g) の濃硫酸 (37.2 mL) 溶液に発煙硝酸(26.1 mL) を0℃でゆっくりと加えた。反応混合物を窒素雰囲気下、室温で72時間撹拌した。反応混合物をゆっくりと氷に注いだ後、28%アンモニア水でpHを9に調整し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣に酢酸エチル/ヘキサンを加え、15分間撹拌した後、生じた固体をろ取し、ヘキサンで洗浄して標題化合物 (13.9 g) を得た。
MS (API+): [M+H]+ 290.1.
【0390】
C) 5-メトキシ-2-ニトロピリジン-3-アミン
(5-ブロモ-2-ニトロピリジン-3-イル)カルバミン酸エチル(31.1 g) のメタノール (900 mL) 溶液に28%ナトリウムメトキシド/メタノール溶液 (83.0 g) を室温で加えた。反応混合物を窒素雰囲気下、65℃で4時間撹拌した後、溶媒を減圧下、150 mL程度まで留去した。残渣に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、室温で20分間撹拌した後、溶媒を減圧下、100 mL程度まで留去した。生じた固体をろ取し、水で洗浄して標題化合物 (16.6 g) を得た。
MS (API+): [M+H]+ 170.2.
【0391】
D) 2-クロロ-N-(5-メトキシ-2-ニトロピリジン-3-イル)アセトアミド
5-メトキシ-2-ニトロピリジン-3-アミン (24.7 g) のN,N-ジメチルホルムアミド (740 mL) 溶液に塩化クロロアセチル (23.2 mL) のテトラヒドロフラン (40 mL) 溶液を0℃でゆっくりと加えた。反応混合物を窒素雰囲気下、室温で3時間撹拌した後、溶媒を減圧下留去した。残渣に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣にジイソプロピルエーテル/ヘキサンを加え、混合物を室温で30分間撹拌した。得られた固体をろ取し、ジイソプロピルエーテル/ヘキサンで洗浄して標題化合物 (34.1 g) を得た。
MS (API+): [M+H]+ 246.0.
【0392】
E) N-(2-アミノ-5-メトキシピリジン-3-イル)-2-クロロアセトアミド
2-クロロ-N-(5-メトキシ-2-ニトロピリジン-3-イル)アセトアミド (34.1 g)、塩化アンモニウム (44.6 g)、鉄 (27.1 g)、エタノール (823 mL) および水 (206 mL) の混合物を75℃で40分間撹拌した後、溶媒を減圧下留去した。残渣にテトラヒドロフラン (500 mL) および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液 (300 mL) を加えた後、反応混合物を15分間撹拌した。不溶物をセライトを用いてろ別した後、ろ液に飽和食塩水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄後、溶媒を減圧下留去した。残渣にジイソプロピルエーテル/ヘキサンを加え、得られた固体をろ取し、ジイソプロピルエーテル/ヘキサンで洗浄して標題化合物 (26.3 g) を得た。
MS (API+): [M+H]+ 216.1.
【0393】
F) (3-((クロロアセチル)アミノ)-5-メトキシピリジン-2-イル)カルバミン酸ベンジル
N-(2-アミノ-5-メトキシピリジン-3-イル)-2-クロロアセトアミド(2.74 g)、ピリジン (5.14 mL) およびテトラヒドロフラン (85 mL) の混合物にクロロぎ酸ベンジル (2.72 mL) を0℃でゆっくりと加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌した後、酢酸エチルを加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水の混合液で洗浄し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン/酢酸エチル) で精製した後、得られた固体をジイソプロピルエーテルで洗浄して標題化合物 (3.79 g) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 3.82 (3H, s), 4.36 (2H, s), 5.13 (2H, s), 7.30-7.43 (5H, m), 7.87 (1H, d, J = 3.0 Hz), 7.95 (1H, d, J = 2.6 Hz), 9.46 (1H, s), 9.64 (1H, s).
【0394】
G) 7-メトキシ-2-オキソ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-4(1H)-カルボン酸ベンジル
(3-((クロロアセチル)アミノ)-5-メトキシピリジン-2-イル)カルバミン酸ベンジル (200 mg) のN,N-ジメチルホルムアミド (11 mL) 溶液に炭酸セシウム (279 mg) を50℃で加え、反応混合物を50℃で30分間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈した後、飽和食塩水で洗浄し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン/酢酸エチル) で精製して標題化合物 (115 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 3.81 (3H, s), 4.36 (2H, s), 5.20 (2H, s), 6.92 (1H, d, J = 2.6 Hz), 7.27-7.43 (5H, m), 7.84 (1H, d, J = 2.6 Hz), 10.72 (1H, s).
【0395】
H) 7-メトキシ-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
7-メトキシ-2-オキソ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-4(1H)-カルボン酸ベンジル (0.722 g) のテトラヒドロフラン (46.1 mL) 溶液に10%パラジウム-炭素 (50%含水、0.049 g) を加え、反応混合物を水素雰囲気下、室温で15時間撹拌した。反応混合物にメタノールを50℃で加え、析出した固体を溶解した後、触媒をろ別し、ろ液を減圧下留去した。得られた固体をジイソプロピルエーテルで洗浄して標題化合物 (0.380 g) を得た。
MS (API+): [M+H]+180.2.
【0396】
I) 3-フルオロ-4-(1H-ピラゾール-1-イル)フェノール
4-ブロモ-3-フルオロフェノール (133 g)、1H-ピラゾール(95.0 g)、 2-((E)-(ヒドロキシイミノ)メチル)フェノール (19.1 g)、炭酸セシウム (340 g) およびヨウ化銅 (I) のジメチルホルムアミド溶液 (1000 mL) を脱気し、窒素気流下130℃で64時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却した後、6N 塩酸 (400 mL) と水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (NH、ヘキサン/酢酸エチル) で精製し、標題化合物 (24.8 g) を得た。
MS (API+): [M+H]+ 179.1.
【0397】
J) 2-(3-フルオロ-4-(1H-ピラゾール-1-イル)フェノキシ)-3-メチルブタン酸エチル
3-フルオロ-4-(1H-ピラゾール-1-イル)フェノール (2.0 g) および2-ブロモ-3-メチルブタン酸エチル(2.4 mL) のジメチルホルムアミド溶液 (50 mL) に炭酸カリウム (2.33 g) を加え、80℃で24時間撹拌した。反応混合物を水に加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン/酢酸エチル) で精製し、標題化合物 (2.47 g) を得た。
MS (API+): [M+H]+307.1.
【0398】
K) 2-(3-フルオロ-4-(1H-ピラゾール-1-イル)フェノキシ)-3-メチルブタン酸
2-(3-フルオロ-4-(1H-ピラゾール-1-イル)フェノキシ)-3-メチルブタン酸エチル (2.47 g) のテトラヒドロフラン (40 mL)-エタノール (8 mL) 混合溶液に2N 水酸化ナトリウム水溶液 (8 mL) を加え、室温で20時間撹拌した。反応混合物を1N 塩酸で中和し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をヘキサン−酢酸エチルから結晶化して標題化合物 (1.99 g) を得た。
MS (API+): [M+H]+279.1.
【0399】
L) 4-(2-(3-フルオロ-4-(1H-ピラゾール-1-イル)フェノキシ)-3-メチルブタノイル)-7-メトキシ-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
7-メトキシ-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(39.2 mg)、2-(3-フルオロ-4-(1H-ピラゾール-1-イル)フェノキシ)-3-メチルブタン酸 (67 mg)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール 一水和物 (40.2 mg) および1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド 塩酸塩 (50.4 mg) のN,N-ジメチルホルムアミド溶液 (3 mL) を60℃で24時間撹拌した。室温まで冷却後、反応混合物を水に加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン/酢酸エチル) で精製し、ヘキサン−酢酸エチルから結晶化して標題化合物 (9.7 mg) を得た。
MS (API+): [M+H]+ 440.0
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 0.95 (3H, d, J = 6.8 Hz), 1.00 (3H, d, J = 7.2 Hz), 2.05-2.19 (1H, m), 3.90 (3H, s), 4.24 (1H, d, J = 17.0 Hz), 4.98 (1H, d, J = 17.3 Hz), 5.86 (1H, d, J = 5.3 Hz), 6.41-6.47 (1H, m), 6.81 (1H, d, J = 3.0 Hz), 6.89-7.01 (2H, m), 7.60-7.72 (2H, m), 7.81-7.89 (2H, m), 8.41 (1H, br. s).
【0400】
実施例1から実施例135のいずれかの方法またはそれらの組み合わせの方法により、実施例136から実施例156に示す化合物は、上述の方法と同様の方法に従い合成した。
実施例136
4-(2-(3-フルオロ-4-(1H-ピラゾール-1-イル)フェノキシ)ブタノイル)-6-メチル-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オンの光学活性体
MS (API+): [M+H]+ 410.1.
実施例137
4-(2-(3-フルオロ-4-(1H-ピラゾール-1-イル)フェノキシ)ブタノイル)-6-メチル-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オンの光学活性体
MS (API+): [M+H]+ 410.1.
実施例138
4-(2-(3-フルオロ-4-(1H-ピラゾール-1-イル)フェノキシ)-3-メチルブタノイル)-6-メチル-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オンの光学活性体
MS (API+): [M+H]+ 424.1.
実施例139
4-(2-(3-フルオロ-4-(1H-ピラゾール-1-イル)フェノキシ)-3-メチルブタノイル)-6-メチル-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オンの光学活性体
MS (API+): [M+H]+ 424.1.
実施例140
4-(2-(3-フルオロ-4-(1H-ピラゾール-1-イル)フェノキシ)プロパノイル)-6-(1H-ピラゾール-1-イル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
MS (API+): [M+H]+ 448.1.
【0401】
実施例141
4-(3-メチル-2-((5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)オキシ)ブタノイル)-6-(1H-ピラゾール-1-イル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
MS (API+): [M+H]+ 459.1.
実施例142
4-(2-(3-フルオロ-4-(1H-ピラゾール-1-イル)フェノキシ)-3-メチルブタノイル)-6-メトキシ-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
MS (API+): [M+H]+ 440.0.
実施例143
4-(2-(4-(1H-ピラゾール-1-イル)フェノキシ)ブタノイル)-6-(ピリジン-2-イル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
MS (API+): [M+H]+ 455.1.
実施例144
4-(2-(3-フルオロ-4-(1H-ピラゾール-1-イル)フェノキシ)ブタノイル)-6-(ピリジン-2-イル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
MS (API+): [M+H]+ 473.1.
実施例145
4-(2-(3-フルオロ-4-(1H-ピラゾール-1-イル)フェノキシ)プロパノイル)-6-(ピリジン-2-イル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
MS (API+): [M+H]+ 459.1.
【0402】
実施例146
6-(5-クロロピリジン-2-イル)-4-(2-(4-(1H-ピラゾール-1-イル)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
MS (API+): [M+H]+ 489.2.
実施例147
6-(6-メトキシピリジン-2-イル)-4-(2-(4-(1H-ピラゾール-1-イル)フェノキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
MS (API+): [M+H]+ 485.2.
実施例148
7-メトキシ-4-(2-((5-(1H-ピロール-1-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
MS (API+): [M+H]+ 406.0.
実施例149
7-メトキシ-4-(2-((5-(1H-ピロール-1-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)プロパノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
MS (API+): [M+H]+ 392.2.
実施例150
6-(ピリジン-2-イル)-4-(2-((5-(1H-ピロール-1-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)ブタノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
MS (API+): [M+H]+ 453.1.
【0403】
実施例151
6-(ピリジン-2-イル)-4-(2-((5-(1H-ピロール-1-イル)ピリジン-2-イル)オキシ)プロパノイル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
MS (API+): [M+H]+ 439.0.
実施例152
4-(2-(3-フルオロ-4-(1H-ピラゾール-1-イル)フェノキシ)プロパノイル)-6-(3-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
MS (API+): [M+H]+ 462.1.
実施例153
4-(2-(4-(1H-ピラゾール-1-イル)フェノキシ)ブタノイル)-6-(ピリジン-2-イル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オンの光学活性体
MS (API+): [M+H]+ 455.1.
実施例154
4-(2-(3-フルオロ-4-(1H-ピラゾール-1-イル)フェノキシ)ブタノイル)-6-(ピリジン-2-イル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オンの光学活性体
MS (API+): [M+H]+ 473.1.
実施例155
4-(2-(3-フルオロ-4-(1H-ピラゾール-1-イル)フェノキシ)プロパノイル)-6-(ピリジン-2-イル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オンの光学活性体
MS (API+): [M+H]+ 459.2.
実施例156
4-(2-(3-フルオロ-4-(1H-ピラゾール-1-イル)フェノキシ)-3-メチルブタノイル)-6-(ピリジン-2-イル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン
MS (API+): [M+H]+ 487.1.
【0404】
上記の方法、または、それらに準じた方法に従って製造した実例化合物を以下の表に示す。表中のMSは実測値を示す。
【0405】
【表1-1】
【0406】
【表1-2】
【0407】
【表1-3】
【0408】
【表1-4】
【0409】
【表1-5】
【0410】
【表1-6】
【0411】
【表1-7】
【0412】
【表1-8】
【0413】
【表1-9】

【0414】
【表1-10】
【0415】
【表1-11】
【0416】
【表1-12】
【0417】
【表1-13】
【0418】
【表1-14】
【0419】
【表1-15】
【0420】
試験例1
PDE酵素阻害アッセイ
ヒトPDE2A3全長遺伝子をSf9に形質導入し、ヒスタグアフィニティカラムとゲル濾過によってヒトPDE2A3酵素を精製した。酵素は-70℃で保存した上で使用した。SPA (Scintillation Proximity Assay) (GE Healthcare) を用いてPDE活性を測定した。化合物の阻害活性を測定する為、10 μLの段階希釈した化合物と20 μLのPDE酵素を室温で30分間、アッセイバッファー (50 mM HEPES-NaOH、8.3 mM MgCl2、1.7 mM EGTA、0.1 % BSA (pH 7.4))中で反応させた。反応液中のDMSOの終濃度は1 %であった。化合物評価は96ウェルハーフエリアプレート (Corning) または384ウェルOptiPlate (PerkinElmer) を用い、duplicateで行った。基質 [3H] cGMP (終濃度77 nM、PerkinElmer) を10 μL添加し、総計40 μLとすることで反応を開始させた。60分の室温での反応の後、反応停止の為に硫酸亜鉛を含んだイットリウムSPAビーズ (20 mg/mL) を20 μL添加した。更に1時間の静置後、シンチレーションカウンター (PerkinElmer) を用いた測定を行い、阻害率を計算した。阻害率は、酵素とDMSOが存在するコントロールの値を0%、酵素が無いコントロールの値を100%とした。これらの結果を表2に示す。
【0421】
【表2】
【0422】
製剤例1
(1)実施例1の化合物 10.0g
(2)乳糖 70.0g
(3)コーンスターチ 50.0g
(4)可溶性デンプン 7.0g
(5)ステアリン酸マグネシウム 3.0g
実施例1の化合物(10.0g)及びステアリン酸マグネシウム(3.0g)を可溶性デンプンの水溶液(70mL)(可溶性デンプンとして7.0g)で顆粒化した後、乾燥し、乳糖(70.0g)及びコーンスターチ(50.0g)と混合する(乳糖、コーンスターチ、可溶性デンプン、及びステアリン酸マグネシウムはいずれも日本薬局方第16改正適合品)。混合物を圧縮して錠剤を得る。
【産業上の利用可能性】
【0423】
本発明によれば、PDE2A阻害作用を有し、統合失調症、アルツハイマー病などの予防・治療薬として有用な化合物を提供できる。
【0424】
本出願は、日本で出願された特願2012−158096を基礎としており、その内容は本明細書にすべて包含されるものである。