(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6205527
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】マグネトロンスパッタリング装置用の回転式カソードユニット
(51)【国際特許分類】
C23C 14/34 20060101AFI20170914BHJP
【FI】
C23C14/34 L
C23C14/34 C
【請求項の数】2
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2017-518765(P2017-518765)
(86)(22)【出願日】2016年5月17日
(86)【国際出願番号】JP2016002409
(87)【国際公開番号】WO2016185714
(87)【国際公開日】20161124
【審査請求日】2017年7月10日
(31)【優先権主張番号】特願2015-102213(P2015-102213)
(32)【優先日】2015年5月19日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000231464
【氏名又は名称】株式会社アルバック
(74)【代理人】
【識別番号】110000305
【氏名又は名称】特許業務法人青莪
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 修司
【審査官】
末松 佳記
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2013/076966(WO,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0200395(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0243428(US,A1)
【文献】
特開2008-66240(JP,A)
【文献】
国際公開第2007/108313(WO,A1)
【文献】
特開平5-230634(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 14/00−14/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状のターゲットと、ターゲットを回転駆動する駆動ブロックと、流体を循環させる流体循環通路を有する流体循環手段とを備えるマグネトロンスパッタリング装置用の回転式カソードユニットであって、
駆動ブロックが、ターゲットの軸線方向に沿ってのびる内筒体と、内筒体と同心に配置されてターゲットの軸線方向一端が連結される外筒体と、この外筒体を回転駆動する駆動手段とを有し、内筒体の内部空間が流体循環通路の第1往路を構成すると共に、内筒体と外筒体との間の空間が流体循環通路の第1復路を構成し、ターゲットがその軸線方向に亘ってのびる管体に外挿され、管体内に、第1往路に連通する流体循環通路の第2往路と、第1復路に連通する流体循環通路の第2復路とが設けられるものにおいて、
ターゲットから駆動ブロックに向かう側を右側、駆動ブロックからターゲットに向かう側を左側として、外筒体の左側部分に、ターゲットの右端開口を閉塞する円盤状の規制板が固定され、規制板の右側の面に規制板の外縁から第1復路を臨む位置まで径方向にのびる連通路が形成されてこの連通路により第2復路と第1復路との間における流体の流れが規制され、連通路の径方向先端が鉛直方向下方を指向する規制板の姿勢を検出する検出手段を備えることを特徴とするマグネトロンスパッタリング装置用の回転式カソードユニット。
【請求項2】
前記駆動手段は、モータとこのモータの駆動軸と外筒体の外周面との間に巻き掛けられるベルトとを備え、この駆動軸に設けられてベルトが巻き掛けられるプーリ―に付設したセンサで前記検知手段を構成したことを特徴とする請求項1記載のマグネトロンスパッタリング装置用の回転式カソードユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マグネトロンスパッタリング装置に用いられる回転式カソードユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の回転式カソードユニットは例えば特許文献1で知られている。この従来例のものは、円筒状のターゲットと、このターゲットを回転駆動する駆動ブロックと、冷却水または圧縮空気たる流体を循環させる流体循環通路を有する流体循環手段とを備える。駆動ブロックには、流体の流入口と流出口とが設けられ、その内部には、流入口に通じる流体循環通路の第1往路と流出口に通じる流体循環通路の第1復路とが設けられている。他方、ターゲット内には管体が設けられ、ターゲットと管体との間の空間が第1往路に通じる流体循環通路の第2往路を構成すると共に、管体の内部空間が第1復路に通じる流体循環通路の第2復路を構成するようにしている。
【0003】
ターゲットの駆動ブロック側の端部にはターゲットの端部開口を閉塞するキャップ体が装着されている。キャップ体内には流体通路が形成され、その外縁には、第2往路から流体通路への流体の流入を許容する流入開口が部分的に形成され、第2往路と第2復路とが連通するようにしている。そして、ターゲットに電力投入してターゲットをスパッタリングする間、ターゲット内の第2往路と第2復路とが冷却水で満たされるように流体循環通路に冷却水が供給され、駆動ブロックによるターゲットの回転に伴ってこれと一体に回転するキャップ体の流入開口を通して第2往路から第2復路へと流れる冷却水との熱交換でターゲットが冷却される。
【0004】
ところで、ターゲットはスパッタリングにより侵食されていくため、定期的に交換する必要があり、このとき、メンテナンス性等を考慮すれば、ターゲット内に残留する冷却水を確実に排水(水抜き)しておく必要がある。上記従来例のものでは、スパッタリング時と同様、ターゲットを回転させながら、冷媒循環路内に冷却水にかえて圧縮空気を供給し、ターゲット内に残留する冷却水を排水するようにしている(水抜き操作)。ここで、ターゲットの軸線が水平となる姿勢である場合において水抜き操作を行うと、第2復路の上流端から供給される圧縮空気により第2往路内に残留する冷却水が先ず押され、この押された冷却水がキャップ体の流入開口からキャップ体内の流体通路に流入し、この流体通路を経て第2復路の下流端へと流れてターゲットから排水される。これに伴って第2往路内の水位が鉛直方向下方へと低下していく。このとき、上記従来例のものでは、回転するキャップ体の流入開口が水没している間だけしか、冷却水がキャップ体の流体通路を経て第2復路へと流れないため、水位が低下するのに従い、冷却水の排水速度が低下し、冷却水の排水に時間を要するという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許公開2010/243428号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、以上の点に鑑み、ターゲット内に残留する冷却水を可及的速やかかつ確実に排出することができるように構成したマグネトロンスパッタリング装置用の回転式カソードユニットを提供することをその課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、筒状のターゲットと、ターゲットを回転駆動する駆動ブロックと、流体を循環させる流体循環通路を有する流体循環手段とを備える本発明のマグネトロンスパッタリング装置用の回転式カソードユニットは、駆動ブロックが、ターゲットの軸線方向に沿ってのびる内筒体と、内筒体と同心に配置されてターゲットの軸線方向一端が連結される外筒体と、この外筒体を回転駆動する駆動手段とを有し、内筒体の内部空間が流体循環通路の第1往路を構成すると共に、内筒体と外筒体との間の空間が流体循環通路の第1復路を構成し、ターゲットがその軸線方向に亘ってのびる管体に外挿され、管体内に、第1往路に連通する流体循環通路の第2往路と、第1復路に連通する流体循環通路の第2復路とが設けられ、ターゲットから駆動ブロックに向かう側を右側、駆動ブロックからターゲットに向かう側を左側として、外筒体の左側部分に、ターゲットの右端開口を閉塞する円盤状の規制板が固定され、規制板の右側の面に規制板の外縁から第1復路を臨む位置まで径方向にのびる連通路が形成されてこの連通路により第2復路と第1復路との間における流体の流れが規制され、連通路の径方向先端が鉛直方向下方を指向する規制板の姿勢を検出する検出手段を備えることを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、真空チャンバに回転式カソードユニットをセットし、真空雰囲気中で駆動ブロックを介して所定の回転速度でターゲットを回転駆動させながら、ターゲットに負の電位を持った電力を投入することでターゲットがスパッタリングされる。スパッタリング中、流体循環通路に流体としての冷却水を循環させ、冷却水との熱交換でターゲットが冷却される。そして、ターゲット交換を含むメンテナンス等のため、真空チャンバから回転式カソードユニットを取り外す場合、これに先立ってターゲット内の水抜き操作が行われる。
【0009】
ここで、本発明では、連通路の径方向先端が鉛直方向下方を指向する規制板の姿勢を検知する検出手段を備えるため、駆動ブロックによりターゲットの回転駆動を停止するときや、水抜き操作を行う直前に、検出手段の検出結果に基づいて連通路の径方向先端が鉛直方向下方を指向するように規制板の姿勢が変えられ、この状態で保持される。そして、第1往路への冷却水の供給に代えて、この第1往路に圧縮空気を供給する。これにより、圧縮空気で流体循環通路内の冷却水が順次押され、駆動ブロック内の第1往路、ターゲット内の第2往路、ターゲット内の第2復路及び駆動ブロック内の第1復路を経て排水される。このとき、ターゲット内の第2復路内の水位が鉛直方向下方へと低下していくが、規制板の連通路への流体の流入口(即ち、規制板の外縁)が常時鉛直方向最下方に位置しているため、第2復路内の冷却水の全てが押し出されるまで圧縮空気のみが優先的に通過する経路が形成されることがなく、流体循環通路内の冷却水が確実に除去される。しかも、ターゲット内の第2復路内の水位が低下しても、連通路の流入口はほぼ水没しているため、冷却水を圧縮空気と共に可及的速やか第1復路へと排水することができる。このように本発明では、ターゲットを回転駆動する駆動手段の構成部品に流体の流れを規制する規制板を設けると共に、水抜き操作に際してはその姿勢を制御できる構成を採用したため、ターゲット内に残留する冷却水を可及的速やかかつ確実に排出することができる。
【0010】
本発明において、前記駆動手段は、モータとこのモータの駆動軸と外筒体の外周面との間に巻き掛けられるベルトとを備え、この駆動軸に設けられてベルトが巻き掛けられるプーリ―に付設したセンサで前記検知手段を構成すればよい。これにより、水抜き操作を行うときには常に規制板の先端が鉛直方向下方を向く姿勢にするための構成が簡単に実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明のスパッタリング装置用の回転カソードユニットの構成を説明する図。
【
図2】回転カソードユニットの要部を拡大して示す部分断面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明のマグネトロンスパッタリング装置用の回転式カソードユニットの実施形態を説明する。以下において、
図1に示す回転式カソードユニットの水平姿勢で図外の真空チャンバに設置されるものとし、これを基準として鉛直方向としての「上」、「下」並びに「右」、「左」と言った方向を示す用語を用いるものとする。
【0013】
図1を参照して、回転式カソードユニットRCは、図外の真空チャンバ内で成膜対象物たる基板Wに上下方向で対向配置される円筒状のターゲットTgと、ターゲットTgの右端にクランプCpを介して連結される駆動ブロックDbと、ターゲットTgの左端にクランプCpを介して連結される支持ブロックSbとを備えている。支持ブロックSbには、軸受11で支承された被動軸12が設けられ、ターゲットTgの一端を回転自在に支持するようになっている。ターゲットTgは、筒状のバッキングチューブ21と、バッキングチューブ21にインジウムやスズなどのボンディング材(図示せず)を介して接合される筒状のターゲット材22とで構成される。ターゲット材22としては、基板Wに成膜しようする膜の組成に応じて金属や金属化合物の中から適宜選択されたものが用いられる。
【0014】
バッキングチューブ21は、ターゲットTgの軸方向たる左右方向略全長に亘ってのびる管体としての外管23に外挿され、外管23内には同心に管体としての内管24が設けられている。外管23の左右方向両端の開口はキャップ体25で夫々閉塞され、キャップ体25には軸方向の透孔25aが夫々開設されている。そして、内管24の内部空間が、ターゲット材22のスパッタリング中や水抜き操作の際に、冷却水または圧縮空気たる流体を循環させる流体循環手段Fuを構成する流体循環通路Fpの第2往路26を構成し、外管23と内管24との間の空間が流体循環通路Fpの第2復路27を構成する。なお、特に図示して説明しないが、例えば外管23と内管24との間の空間に公知の構造を持つ磁石ユニットを組み込み、ターゲット材22のスパッタリング中、基板WとターゲットTgとの間の間に磁場の垂直成分がゼロとなる位置を通る線がターゲット材22の軸方向略全長に沿ってのびてレーストラック状に閉じるように漏洩磁場を発生させるようにしている。また、管体として、内管24と外管23とを同心に配置した二重管構造のものを例示したが、これに限定されるものではなく、ターゲットTgを支持しつつ第2往路26と第2復路27とを設けることができるものであればその形態は問わない。
【0015】
駆動ブロックDbは、
図2に示すように、ハウジング41を備え、ハウジング41の右内壁には左右方向にのびる内筒体42が立設され、内筒体42の左端が内管24に液密に連結されている。ハウジング41に固定の内筒体42の周囲には、この内筒体42と同心に外筒体43が配置されている。外筒体43の内周面には、径方向にくぼむ環状の凹部43aが形成され、この凹部43aには、内筒体42の外表面と外筒体43の内表面とに夫々接触して両者を電気的に接続するブラシ44が嵌着されている。この場合、内筒体42の内部空間が流体循環通路Fpの第1往路45を形成し、内筒体42と外筒体43との間の空間が流体循環通路Fpの第1復路46を構成する。なお、ブラシ44には左右方向に貫通する貫通孔44aが開設され、第1復路46の一部を構成するようにしている。
【0016】
外筒体43は、複数の軸受51を介してハウジング41に内挿された支持部材5で回転自在に支持されている。外筒体43には、軸受51の左右方向両側に位置させてオイルシール52が外挿されている。また、駆動ブロックDbには、外筒体43を回転駆動してこれに連結されるターゲットTgを回転駆動する駆動手段6が設けられている。駆動手段6は、モータ61と、モータ61の駆動軸に設けたプーリ―62と外筒体43の外周面との間に巻き掛けられるベルト63とを備える。また、プーリ―62には、検知手段としてのセンサ64が付設され、センサ64により、後述するように、連通路48eの径方向先端である切欠き48cが鉛直方向下方を指向する規制板48の姿勢が検出されるようにしている。センサ64としては公知のものが利用できるため、規制板48の姿勢の検出方法を含め、詳細な説明は省略する。なお、検知手段としては、モータの回転角や原点位置を検出するもの、即ち、使用されるモータ61の種類に応じて公知のセンサやエンコーダ等を用いることもでき、例えば、モータ61の回転駆動が停止されると、原点位置に復帰した状態でモータ61が停止され、このとき、切欠き48cが鉛直方向下方を指向する規制板48の姿勢になるように設定してもよい。
【0017】
また、外筒体43の左端には、導電性のフランジ47が液密に取り付けられ、このフランジ47を介してクランプCpによりバッキングチューブ21と連結されている。これにより、モータ61を駆動して外筒体43を回転駆動すると、この外筒体43と一体にターゲットTgが所定の回転数で回転駆動される。外筒体43の左端にはまた、フランジ47の左側に密着させてバッキングチューブ21の右端開口を閉塞するように規制板48が取り付けられている。
図3も参照して、規制板48には、内筒体42が挿通される中央開口48aが開設され、その周囲に3個の透孔48bが開設されている。そして、この透孔48bを通して規制板48がフランジ47と共にボルト(図示せず)により外筒体43の左端に固定されている。
【0018】
また、規制板48の外縁には、バッキングチューブ21の内周面との間で所定の隙間を形成する切欠き48cが部分的に形成され、この切欠き48cで流体の流入口が区画される。規制板48の右側の面には、切欠き48cから第1復路46を臨む位置まで径方向にのびる溝部48dが凹設され、この溝部48dとフランジ47の左側面との間で連通路48eを形成するようにしている。この場合、切欠き48cの長さ、バッキングチューブ21の内周面との間の隙間及び溝部48dの幅とは、スパッタリング中に循環させる冷却水の流量や後述の水抜き操作の圧縮空気の供給圧等に応じて適宜設定され、また、溝部48dの幅は、外縁から第1復路46に向かって先細りなテーパ状に形成してもよい。この規制板48により第2復路27と第1復路46との間における流体の流れが規制される。
【0019】
ハウジング41には、内部に元往路71と元復路72とが夫々設けられ、先端が内筒体42に接続される導電性の元管7が設けられている。そして、元往路71が内筒体42内の第1往路45に連通し、元復路72が第1復路46に連通し、元管7がチラーユニットChに接続されている。また、元管7には分岐管81が接続され、開閉弁82を介して公知の構造を持つコンプレッサー8に接続されている。この場合、流体循環通路Fp、チラーユニットCh並びにコンプレッサー8が本実施形態の流体循環手段Fuを構成する。また、元管7には、図外のスパッタ電源からの出力ケーブル9が接続されている。内筒体42が、ブラシ44を介して外筒体43と導通し、この外筒体43が、フランジ47を介してバッキングチューブ21、ひいてはターゲット材22に導通している(つまり、内筒体42とターゲット材22とが同電位となる)。これにより、モータ61により外筒体43を回転駆動してターゲットTgを回転駆動しながら、スパッタ電源からの出力ケーブル9を介してターゲット材22に例えば負の電位を持った所定電力を投入することでターゲット材22をスパッタリングすることができ、スパッタリング中には、チラーユニットChにより流体循環通路Fp内に冷却水を循環させ、冷却水との熱交換でターゲット材22が冷却される。
【0020】
ここで、上記ターゲット材22はスパッタリングにより侵食されていくため、定期的に回転式カソードユニットRCを取り外して交換する必要があり、この交換に先立ってターゲットTg内に残留する冷却水を排水する操作(水抜き操作)が行われる。本実施形態では、モータ61が停止されるとき、センサ64からの検出結果に応じて、連通路48eの径方向先端である切欠き48cが鉛直方向下方を指向する規制板48の姿勢になるようにしている。そして、水抜き操作に際しては、チラーユニットChからの給水が停止され、開閉弁82を開弁してコンプレッサー8からの圧縮空気が元往路71に供給する。これにより、駆動ブロックDb内の第1往路45、ターゲットTg内の第2往路26、ターゲットTg内の第2復路27及び駆動ブロックDb内の第1復路46を経て元復路72を介して排水される。
【0021】
このとき、第2復路27内の水位が鉛直方向下方へと低下していくが、規制板48の切欠き48cとしての流体の流入口を常時鉛直方向最下方に位置させているため、第2復路27内の冷却水の全てが押し出されるまで圧縮空気のみが優先的に通過する経路が形成されることがなく、流体循環通路Fp内の冷却水が確実に除去される。しかも、第2復路27内の水位が低下しても、連通路の流入口はほぼ水没しているため、冷却水を圧縮空気と共に可及的速やかに連通路48eを経て第1復路46へと排水することができる。従って、ターゲットTg内に残留する冷却水を可及的速やかかつ確実に排出することができる。また、駆動ブロックDb側にて外筒体43に規制板48を固定しているため、クランプCpを外して駆動ブロックDbからターゲットTgを取り外しても、規制板48は外筒体43に取り付けられたままである。このため、ターゲット交換等のメンテナンス終了後に、例えばセンサ64の検出位置にて切欠き48cが鉛直方向下方を指向する規制板48の姿勢になるように規制板48の位置を再調節するといった作業を不要にでき、メンテナンス性を向上できる。
【0022】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記のものに限定されるものではない。上記実施形態では、原点位置に復帰した状態でモータ61が停止されたとき、連通路48eの径方向先端である切欠き48cが鉛直方向下方を指向する規制板48の姿勢になるように設定されているものを例に説明したが、スパッタリング装置の作動を集中制御する制御ユニットに水抜き操作の指示があった場合に、検出手段64の検出値に応じてモータ61を回転させて切欠き48cが鉛直方向下方を指向する規制板48の姿勢にするようにしてもよい。
【符号の説明】
【0023】
RC…回転式カソードユニット、Db…駆動ブロック、Fp…流体循環通路、Fu…流体循環手段、Tg…ターゲット、42…内筒体、43…外筒体(筒体)、45…第1往路(流体循環通路)、46…第1復路(流体循環通路)、48…規制板、48e…連通路(流体循環通路)、23…外管(管体)、61…モータ(駆動手段)、64…センサ(検出手段)。