(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
発光素子と、前記発光素子の側面を被覆する被覆部材と、前記発光素子と前記被覆部材の光出射方向の上面において、前記被覆部材の端面と略同一面上の端面を有する透光性部材と、を備える発光装置であって、
前記透光性部材は、蛍光体を含有しており、
前記被覆部材は上面に凸部を有し、
前記発光素子の光出射面と、前記被覆部材の前記凸部以外の上面は略同一面上にあり、
前記透光性部材は、前記凸部と嵌合し、
前記発光素子が配置され且つ電気的に接続される基板は、導電配線のみから成ることを特徴とする発光装置。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、発明の実施形態について適宜図面を参照して説明する。ただし、以下に説明する発光装置は、本発明の技術的思想を具現化するためのものであって、本発明を以下のものに特定しない。特に、以下に記載される構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするために誇張していることがある。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。また、以下に記載されている実施形態も同様に、特に排除する記載がない限りは各構成等を適宜組み合わせて適用できる。
【0014】
<実施形態1>
図1aは、本発明の実施形態1に係る発光装置の平面図であり、
図1bは
図1aのA−A断面における断面図である。
図1に示す発光装置100は、主として、発光素子1と、導電配線2と、被覆部材3と、透光性部材5と、から構成される。導電配線2には、発光素子1がフリップチップ実装されている。また、導電配線上には、発光素子1の光出射面を露出するように側面を被覆し、透光性部材5と接する上面に凹部4を有する被覆部材3が配置されており、発光素子1と、凹部を有する被覆部材3の光出射方向の上面を、透光性部材5が連続して被覆する。なお、本実施形態における被覆部材は光反射性材料を含有しており、透光性部材は波長変換部材を含んでいる。凹部以外の被覆部材3の上面と、発光素子1の光出射面は略同一面上にあるが、完全に同一面上になくてもよい。
【0015】
以上のような構成とすると、発光素子から側面へ漏れ出した光を、光反射性材料によって光出射面へ反射させ、波長変換部材である透光性部材によって波長変換して出射させることができる。また、端面の揃った被覆部材3と透光性部材5は、発光素子1と被覆部材3の上面にシート状等の透光性部材5を配置して、被覆部材と透光性部材を合わせて切断することで容易に形成できる。
【0016】
さらに、透光性部材5と接する被覆部材3の上面には、凹部4が設けられており、その凹部4は透光性部材5と嵌合している。凹部4と透光性部材5が嵌合することで、被覆部材3と透光性部材5の密着性が高まっている。被覆部材の凹部4は、樹脂のポッティングによる表面張力等で形成されるような、表面全体にわたる湾曲や孤等の緩やかなものではなく、発光素子1の光出射面と略同一面上にある被覆部材の上面に対して、穴や溝が形成されたような凹部(例えば深さ約30〜50μm程度)であり、透光性部材5が凹部4に深く入り込むので、密着性をさらに向上させることができる。また、凹部4と透光性部材5は嵌合しているが、微細に観察すると、一部において嵌合していなくてもよく、完全に接していない部分があってもかまわない。最も好ましいのは、凹部4と透光性部材5が隙間なく密着している状態であるが、部材の細かな凹凸や粗面による空隙、凹部に透光性部材が入り込みにくい場合等における部分的な非嵌合領域があってもよく、両者の密着性が保たれる程度に嵌合していればよい。凹部に透光性部材が入り込みにくい場合とは、例えば、
図6cのように凹部が深い場合(深さ約50μm以上)や、
図6cのように凹部の開口面と底部がズレている(凹部の開口面は発光素子から離間しているが、底部が発光素子方向に向かっている)場合、
図6bのように凹部が底に向かって広くなっている場合等が挙げられる。
【0017】
以上、説明したように、本発明の発光装置は、発光素子と、少なくとも一部が発光素子の光出射面と略同じ高さで発光素子の側面を被覆する被覆部材と、発光素子と被覆部材の光出射方向の上面に、被覆部材の端面と略同一面上の端面を有する透光性部材と、を備え、被覆部材は上面に凹部を有し、凹部は透光性部材と嵌合していることを特徴とする。同様に、被覆部材の上面に凸部を有し、凸部は光反射性部材と嵌合することを特徴とする。本発明では、発光素子からの熱や光による部材の劣化に加え、発光素子の光出射面と凹部又は凸部以外の被覆部材の上面、並びに、被覆部材と透光性部材の端面がそれぞれ略同一面上にあることで、さらに透光性部材が剥離しやすい構造となっている。そこで、透光性部材を被覆部材の上面の凹部又は凸部と嵌合させることで、両部材の間に接着剤などを介することなく密着性を向上した、薄型で信頼性の高い発光装置とすることができる。
【0018】
次に、本発明の発光装置の各構成部材について、以下に詳述する。
【0019】
(発光素子)
発光素子1は公知のもの、具体的には半導体発光素子を利用でき、特に発光素子構造にGaN系化合物半導体を用いると、蛍光体を効率良く励起できる短波長の可視光や紫外光が発光可能である。具体的な発光ピーク波長は、約240nm〜560nm、好ましくは約380nm〜470nmである。なお、この他、ZnSe系、InGaAs系、AlInGaP系の半導体発光素子でもよい。
【0020】
(発光素子構造)
半導体層による発光素子構造は、少なくとも第1導電型(n型)層と第2導電型(p型)層により構成され、その間に活性層を有する構造が好ましい。また、電極構造は、一方の主面側に第1導電型、第2導電型の両電極が設けられる同一面側電極構造が好ましいが、半導体層の各主面に対向して電極が各々設けられる対向電極構造でもよい。前記同一面側電極構造では、電極形成面を実装面として、それに対向する基板側を主な光出射面とするフリップチップ実装が好ましい。フリップチップ実装とすると、蛍光体層と対向する発光素子の表面側に電極やワイヤがないので光取り出し効率がよく、バンプ等によって発光素子の電極と基板とを対向配置して接続するので高い放熱性を確保でき、実装面積も小さく済む。なお、半導体層の成長基板は除去してもよく、さらに成長基板が除去された半導体層に、例えば導電性基板または別の透光性部材や基板を接着した構造とすることもできる。成長基板の除去は、支持体、装置又はサブマウントに実装又は保持して、剥離、研磨、若しくはLLO(Laser Lift Off)で実施できる。また、発光素子は光反射構造を有することができ、具体的には、半導体層の互いに対向する2つの主面の内、光出射面と対向する他方の主面を光反射側とし、この光反射側の半導体層内や電極などに光反射構造を設ける。光反射構造の例として、半導体層内に多層膜反射層を設ける構造、あるいはAg,Al等の光反射性の高い金属膜や誘電体多層膜を有する電極、反射層を設ける構造等がある。
【0021】
図1の発光素子1の一例について説明する。発光素子1は、透光性のサファイア基板上に、第1の窒化物半導体層であるn型半導体層、活性層である発光層、第2の窒化物半導体層であるp型半導体層が順に積層されている。n型層の一部が露出された部分に第1の電極であるn型パッド電極が設けられ、p型層のほぼ全面にAg等の光反射率の高い導電層、透光性導電層上に第2の電極であるp型パッド電極を設け、保護膜をn型、p型パッド電極の表面を露出して半導体層を被覆するように設けている。発光素子の基板は、サファイアなどの絶縁性基板、また炭化珪素、Si,ZnS,ZnO,GaN,AIN等の半導体の導電性基板を用いることができる。発光素子の基板が光出射面となる場合には、サファイア、SiN等の透光性であることが好ましい。
【0022】
(透光性部材)
図1の発光装置100は、発光素子1と発光素子1の側面を被覆する被覆部材3の上面に、発光素子1からの光の少なくとも一部を透過する透光性部材5を備える。透光性部材5は、発光素子1と被覆部材の凹部4の上面に配置され、凹部4と嵌合しており、端面が被覆部材の端面と略同一面上にあれば、形状は特に限定されない。従って、透光性部材5の下面は、被覆部材の凹部4と接する領域において、凹部4と嵌合するような凸形状となる。また、被覆部材3が凸部を有する場合は、透光性部材5の下面は凸部と嵌合するような凹形状となる。凹部と透光性部材5の凸形状は、完全に対応していることが好ましいが、対応していない部分は接着剤等で補完して嵌合させてもよく、一部で嵌合していない部分があってもかまわない。また、透光性部材5の上面(発光素子および被覆部材と接していない方の面)は、被覆部材3の凹部又は凸部が位置する領域に対応して、緩やかな凹形状又は凸形状を有して(つまり、透光性部材5が柔軟な状態で積層される場合、透光性部材5の下方にある被覆部材3の凹部や凸部に沿って変形して)いてもかまわない。
【0023】
また、透光性部材5と接合する発光素子1の搭載個数は特に限定されず、1つでも複数でもよい。複数にすれば光束量を多くできて好ましい。複数とする場合は、等間隔で一列や格子状など規則的又は周期的に配置すると、好ましい配光が得られやすい。
【0024】
透光性部材の材料は、例えば、樹脂、ガラス、無機物等を用いることができる。具体的には、ガラス板、単結晶体、多結晶体、アモルファス体、セラミック体等が挙げられる。この他、焼結体、凝集体、多孔質体、更にそれらに透光性樹脂等の透光性部材を混入、含浸したもの、透光性樹脂の成形体等から構成される。
【0025】
透光性部材5は、耐熱性の観点から樹脂等の有機材料よりもガラス等の無機材料が好ましいが、本発明では被覆部材3と透光性部材5を嵌合させる必要があるので、容易に所望の形状を形成できる樹脂等の方が好ましい。例えば、シリコーン樹脂で構成されるシート状の透光性部材5とすれば、半硬化の柔軟な状態(例えば、弾性率約1MPa以下)で凹部又は凸部を有する被覆部材3の上面に配置すると、その凹部又は凸部の形状に沿うように変形するため、容易に透光性部材5と凹部又は凸部を嵌合させることができる。その後、樹脂シートは本硬化を行うため、発光装置の完成後は配置時の柔軟な状態に比べて硬質となり、量産性と信頼性が両立できる。シート状でなくても、可撓性を有するものであれば好適に用いることが可能である。例えば、フィルム状とし、ラミネート加工を行うことで透光性部材5を形成してもよい。
【0026】
さらに、透光性部材5はスプレーによる噴霧で形成してもよい。そうすることで、柔軟な状態の樹脂等を配置することでは嵌合させられないような凹部、すなわち、
図6cに示すような深い凹部や複雑な形状の側壁を有する凹部、
図6aのように開口面と底部がズレている(断面図で見て斜めになっている)ような凹部に対しても、容易に嵌合する透光性部材を形成できる。同様に、被覆部材が凸部を有する場合は、凸部が高かったり、複雑な形状(断面図で見て斜めになっている等)であっても、容易に嵌合させることができる。また、スプレーによれば、所望の膜厚となるまで噴霧を複数回繰り返すことで、細かな厚みの調整ができ好適である。特に、本実施形態のように、透光性部材が蛍光体等の波長変換部材を含有している場合、噴霧を重ねることで所望の発光色を容易に得ることができる。
【0027】
また、硬質(例えば、弾性率約10MPa以上)な透光性部材とすることで、経年劣化を低減でき、さらに長寿命の発光装置100とできる。例えば、所望の焼結体を凹部又は凸部と嵌合するように加工し、発光素子1と被覆部材3の上面に対向配置させることができる。加工してから配置する場合は、高い加工精度を維持する必要があるが、完全に嵌合させることができない場合は、透光性部材5と被覆部材3の間に接着剤を設けるなどしてもかまわない。
【0028】
透光性部材5は、上記の材料のみで構成されていてもかまわないが、本実施形態のように発光素子1からの出射光の少なくとも一部を波長変換可能な蛍光体を含有していると、所望の発光色を得ることができ好ましい。この場合、透光性部材5は蛍光体を含有する基材となる。また、透光性部材5は、蛍光体のみで構成されていてもよい。青色発光素子と好適に組み合わせて白色発光とできる代表的な蛍光体としては、ガーネット構造のセリウムで賦活されたYAG系蛍光体(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)やLAG系蛍光体(ルテチウム・アルミニウム・ガーネット)等が好ましい。その他、BAM、BAM:Mn、(Zn、Cd)Zn:Cu、CCA、SCA、赤色を発光する窒化物蛍光体(SCESN、SESN、CESN、CASBN及びCaAlSiN3:Eu)等の蛍光体が使用できる。黄〜赤色発光を有する窒化物系蛍光体等を用いて赤味成分を増すと、平均演色評価数Raの高い照明や電球色LED等を実現することができる。蛍光体は、蛍光体層中だけでなく、例えば各構成部材間に介在する接着剤中、発光素子1と被覆部材3の間などに設けることができる。
【0029】
蛍光体を含有する透光性部材5としては、上述の透光性部材を基材として蛍光体を含有させたものを用いることができ、例えば、蛍光体シート、蛍光体ガラス、蛍光体焼結体などが挙げられる。
【0030】
(被覆部材)
被覆部材3は、
図1bに示すように発光素子1の側面を被覆する。詳述すると、発光素子1の光出射面を露出し、発光素子1の側面を埋め込むように被覆している。すなわち、発光素子1の光出射面と、被覆部材の凹部4以外の上面の少なくとも一部は略同一面上にあり、両者の高さは略等しい。しかし、完全に同じ高さでなくてもよく、約10〜50μm程度の若干の高低差があってもかまわない。
図1cのように、被覆部材3が発光素子1の側面を全て被覆していない状態でもよい。
【0031】
また、被覆部材3は、透光性部材5と接する上面に凹部又は凸部を有する。凹部又は凸部は、被覆部材3の表面全体にわたる緩やかな湾曲ではなく、穴や溝が深い(例えば深さ約30〜70μm程度、より好ましくは約50μm程度)、または、突起が大きい(高さ約30〜70μm程度、より好ましくは約50μm程度)方が、透光性部材5との密着性を強化できる。凹部又は凸部の短手方向の幅は、約100μm以下であると、透光性部材5との嵌合性が低下しないので好ましい。
【0032】
前記のように、凹部は穴や溝状、凸部は発光素子1の光出射面から突出した突起状とすることができる。凹部又は凸部は、
図1aのように連続していても、
図1dのように分断されていても、不均一に分布させてもよい。凹部又は凸部が複雑な形状で偏在していても、柔軟な透光性部材を配置することで容易に嵌合させることができる。凹部又は凸部が発光素子1の外縁の約50パーセント以上を囲んでいると透光性部材5の剥離が発生しにくく、特に発光素子1の長手方向の外縁に沿っていると、透光性部材5との密着性を効果的に高めることができる。
【0033】
ところで、金型を用いて被覆部材を形成する際、金型と発光素子及び被覆部材を剥離しやすくするために、金型と発光素子及び被覆部材の間に離型シートを配置することがあるが、この離型シートの弛みを利用して被覆部材の凹部4を形成することができる。離型シートの弛みとは、発光素子に離型シートが押圧されることで、発光素子と金型に圧迫された部分の離型シートが、被覆部材方向へ弛むことで発生するもので、その弛みが被覆部材に凹部を形成する。金型のプレス時に、離型シートの弛みの弾性率が被覆部材の弾性率よりも大きい場合、例えば、被覆部材3が液状の樹脂等で構成されていると、凹部を形成することが可能である。この場合、凹部4は発光素子に沿ったものとなることが多いが、発光素子から離間した凹部を形成することも可能である。さらに、凹部の深さは離型シートの厚さの倍程度になることが多く、例えば、離型シートの厚さを約50μm程度とすると、約20〜100μm程度の深さの凹部が形成されやすい。
【0034】
以上のことから、離型シートが厚いほど凹部は深くなりやすいが、薄い離型シートを用いることで離型シートの撚れが発生すると、その撚れによって比較的開口面が狭く深い凹部を形成することも可能である。さらに、この場合、凹部は発光素子から離間した位置に形成され、凹部の開口面に対して底部が発光素子方向にズレたような形状になることが多い。このような凹部は、凹部の透光性部材が被覆部材に上方と下方を挟持されているので、透光性部材がさらに剥離しにくく好適である。
【0035】
また、複数の発光素子を配置し、その配置間隔を狭くする(例えば約100〜1000μm程度離間させる)と、隣接する発光素子同士に圧迫された離型シートの弛みが発光素子間で相乗し、より深い凹部(例えば深さ約50μm以上)が形成でき、さらに発光素子に沿った凹部が形成されやすい。
【0036】
最も劣化が進行しやすく剥離が起こりやすいのは、光出射量の多い領域の構成部材、すなわち、発光素子1に直接接する部分の透光性部材5である。従って、
図1bや
図5のような発光素子に沿った凹部4または凸部54を形成して透光性部材と嵌合させると、被覆部材3と透光性部材5の密着性を効果的に高められる。被覆部材の形成に金型と離型シートを用いると、金型のプレス圧力や離型シートの厚さ、発光素子の配置などを調整することで、発光素子に沿った所望の凹部を形成することができるので効率的で好ましい。
図1cに示すような凹部を形成することも可能である。この凹部4は、離型シートの弛みが被覆部材の発光素子方向に押し付けられ、凹部4の側面が発光素子1の側面と被覆部材3で形成されている。このように、発光素子1の側面が一部露出し、透光性部材5が発光素子1を挟むような凹形状を有すると、さらに透光性部材5が剥離しにくい構成となる。
【0037】
本実施形態では、平面視矩形の発光素子1を1つ用い、その発光素子1の4辺全ての周縁に沿った周溝状の凹部4が設けられている。発光素子に沿った凹部とは、
図1aのように平面視で見て凹部4が発光素子と接している状態を指す。凹部が発光素子の全周縁に沿ってあることで、被覆部材3と透光性部材5の密着状態が均一になり、両部材の剥離がより起こりにくい。また、発光素子1から透光性部材5へ出射される光が、均一に透過されるので好ましい。特に、透光性部材が蛍光体含有する場合は、均一に波長変換ができるので色むらが防止できる。発光素子の全周縁に凸部が形成されている場合は、その凸部は発光素子を囲む枠状になる。なお、凹部4又は凸部は被覆部材3の上面において透光性部材5と嵌合していれば、発光素子1から離間していても、周縁全てに形成されていなくてもよく、形成位置は特に限定されない。複数の発光素子を配置する場合も同様である。
【0038】
被覆部材3の材料としては、例えば、透光性の基材に光反射性材料を含有させたものを用いることができる。被覆部材が光反射性部材であると、発光素子1からの出射光を側面から漏らすことなく上方の透光性部材へ反射させることができ好ましい。また、被覆部材は光反射性を有さない透光性の基材のみで構成されていてもよく、前述した蛍光体等の波長変換部材を含有していてもかまわない。形成する工程が別であれば、材料が透光性部材5と一部異なっていても全く同じでもよい。なお、透光性部材と被覆部材のどちらか一方に波長変換部材を含有させ、一方は波長変換部材を含有しない透光性とすることで、波長変換時の光の吸収を低減することができ、光取出し効率の高い発光装置とすることができる。基材に含有させる波長変換部材としては、特に蛍光体が好ましく、透光性部材に含有させる波長変換部材として挙げられた前記の蛍光体が好適に用いられる。
【0039】
基材は、例えば樹脂材料であり、さらに透光性のシリコーン樹脂組成物、変性シリコーン樹脂組成物等を用いることができる。また、エポキシ樹脂組成物、変性エポキシ樹脂組成物、アクリル樹脂組成物等の透光性を有する絶縁樹脂組成物を用いることもでき、これらの樹脂を少なくとも一種以上含むハイブリッド樹脂等、耐候性に優れた封止部材も利用できる。基材が以上のような樹脂であると、被覆部材の上面に容易に凹部又は凸部を形成可能であり、被覆領域(発光素子の側面)の制御性、封止性能、気密性能を高められるので好ましいが、ガラス、シリカゲル等の耐光性に優れた無機物を用いることもできる。さらに、耐熱性の高い基材とすると、発光素子や透光性部材からの熱に対応できる。実施形態1では、被覆部材3を構成する基材となる樹脂にシリコーン樹脂を用いる。シリコーン樹脂は耐熱性、耐光性が高く、好適に用いられる。
【0040】
光反射性材料は、高い光反射性を有するものであり、材料としては、Ti,Zr,Nb,Al,Siからなる群から選択される1種の酸化物、若しくはAlN,MgFの少なくとも1種であり、具体的にはTiO
2,ZrO
2,Nb
2O
5,Al
2O
3,MgF,AlN,SiO
2よりなる群から選択される少なくとも1種を用いることができる。光反射性材料の粒子が、Ti,Zr,Nb,Alからなる群から選択される1種の酸化物であると、高い光反射性を有しつつ光吸収を抑えられ、基材との屈折率差を大きくできるので好ましい。被覆部材3は、前記光反射性材料による成形体で構成することもでき、具体的には前記粒子を凝集した凝集体、焼結体等の多孔質材料とすることもできる。その他に、ゾル・ゲル法による成形体でもよい。このようにすると、前記光反射性材料と多孔質内の空気との屈折率差が大きくなるので、光反射性を高められる。さらに、無機材料で構成できるため、信頼性が高まり、複合的な成形体とすることもできる。
【0041】
上述した、基材中に光反射性材料を含有する被覆部材3では、光反射性材料の含有濃度で光の漏れ方が異なるため、発光装置の形状や大きさに応じて適宜調整するとよい。例えば、比較的小さな発光装置で被覆部材の幅や厚さを薄く形成する(例えば発光装置の厚さ約50μm以下)場合、高濃度の光反射性材料を備えることが好ましい。一方、被覆部材3の原料の調製、塗布、成形等の製造に適するように、粒径は従来のフィラー等と同様のものを用いることができる。一例として、光反射性材料の含有濃度は20重量パーセント濃度以上、被覆部材の厚さは約20μm以上とすると好適である。この範囲であれば、生産性がよく、光出射面から高輝度で指向性の高い放出光を得られる。さらに、樹脂である基材中には、その他のフィラーを添加してもよい。例えば、熱伝導性材料を付加することができ、発光素子による発熱を効率良く拡散でき、信頼性と出力を向上できる。熱伝導性材料として、具体的には0.8W/K・m以上の熱伝導率が好ましく、例えばAg,Cu等の金属材料や、ダイヤモンド、アルミナ、AlN等のセラミックス材料が挙げられ、これらを混合して含有させてもよい。また、顔料などを混合させて着色し、特定の波長の光を吸収させることもできる。
【0042】
被覆部材3の被覆領域は上述の通りであるが、発光素子と一対の導電配線間にも、被覆部材3が設けられていると好ましい。詳述すると、フリップチップ実装された発光素子1の底面のpパッド電極とnパッド電極および導電性接着材の間を充填するように設けられる。これにより、一対の導電配線間を絶縁でき、さらに光の取り出し効率や波長変換効率を高めることが可能であり、放熱性がよくなる。
【0043】
(実装基板)
実装基板は、前記の発光素子が搭載されて電気的に接続される基板であり、支持基板上に導電配線を有するもの、導電配線のみからなるもの、が挙げられる。さらに、導電配線のみからなる実装基板は、当初支持基板を有しているが、製造工程中に剥離して最終的に導電配線のみになるものと、最初から導電配線のみで形成されるもの(例えば、リード電極等)とに分類される。いずれも発光素子との実装に、半田、Agペースト、Auバンプなどの導電性接着剤などを用いてもよい。
【0044】
まず、支持基板上に導電配線を有する実装基板について詳述する。支持基板上の導電配線は、Au,Cu,Al等の金属層で形成され、異なる金属を2層以上積層してもよい。導電配線の厚さは、特に限定されないが、約1〜50μm程度であると好ましい。支持基板は、光透過率の低い材料で形成されると好適である。具体的には、セラミックス(Al
2O
3,AlN等)、あるいはフェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、BTレジン、ポリフタルアミド(PPA)等の樹脂が挙げられる。また、表面に絶縁層を形成した金属基板であってもよい。以上のような支持基板上に導電配線を有する実装基板は、基板下方に発光素子の出射光が抜けにくく、発光装置の光取出し効率が向上するため好ましい。従って、導電配線が数μm程度の薄膜である場合や、被覆部材が光反射性を有さない場合に、光漏れ防止に好適に用いられる。
【0045】
次に、導電配線のみからなる実装基板について説明する。支持基板を製造工程中に除去する場合、導電配線は、Cu,Al,Au,Ag,W,Mo,Fe,Ni,Co等の金属又はこれらの合金(Fe−Ni合金等)、リン青銅、Fe入りCu、ITO等で形成される。膜厚は、例えば約25〜200μm程度とすると好ましく、更に約50〜100μm程度とすると好ましい。このような厚さの導電配線は、鍍金で積層された鍍金層であると特に好ましい。
【0046】
除去される支持基板は、SUS板などの導電性を有する金属板の他、ポリイミドなど絶縁性板にスパッタ法や蒸着法によって導電膜を形成したものを用いることができる。或いは、金属薄膜などを貼り付け可能な絶縁性の板状部材を用いてもよい。また、導電配線から剥がす必要があるため、屈曲可能な部材を用いる必要があり、材料にもよるが膜厚10〜300μm程度の板状部材を用いるのが好ましい。このような支持基板の材料としては、前記のSUSの他、Fe,Cu,Ag,Co,Ni等の金属板や、金属薄膜などを貼り付け可能なポリイミドからなる樹脂シートなどが挙げられる。このように、支持基板がなく、導電配線が発光装置100の外表面を形成することで、小型の発光装置とすることができる。
【0047】
ここで、導電配線と被覆部材の線膨張係数の差は、小さくなるように制御すると好ましい。好ましくは約40%以下、より好ましくは約20%以下の差とするのがよい。これにより、導電配線と被覆部材の剥離を抑制し、信頼性に優れた発光装置とすることができる。また、被覆部材と除去される支持基板の線膨張係数の差も、小さい方が好ましい。好ましくは約30%以下、より好ましくは約10%以下の差とするとよい。最終的に除去される支持基板としてSUS板を用いる場合、線膨張係数の差は約20ppm以下が好ましく、約10ppm以下がより好ましい。これにより、被覆部材とSUS板の残留応力を緩和でき、SUS板剥離後の発光装置の集合体の反りを緩和することができる。反りを少なくすることで、ワイヤの切断などの内部損傷を低減し、個片化する際の位置ズレを抑制して歩留まりよく製造することができる。
【0048】
最初から導電配線のみで形成される実装基板としては、例えばリード電極が挙げられる。リード電極の材料は、Fe,Cu,Fe入りCu,Tin入りCu,Al等が電気抵抗を考慮する上で好ましい。このような金属平板に打ち抜き加工を施すことで、正負一対のリード電極となる突出部を複数対有するリードフレームが形成できる。リード電極の表面は、鍍金やスパッタリングなどにより、Ag,Au,Pdを材料とする金属で被覆されていると、光反射率を向上させることができ好ましい。
【0049】
(枠体)
発光装置は、被覆部材を保持する枠体を有していてもよい。枠体は、セラミックや樹脂などで形成することができる。材料としては、光反射性の高いアルミナなどが好適に用いられるが、表面に反射膜を形成すれば、これに限らない。その他、スクリーン印刷や、別に成形された成形体を支持基板に接着するなどして形成してもよい。また、枠体は目的に応じて着色してもよい。なお、この枠体は、被覆部材を充填又は成形後に取り外すこともできる。除去しない場合は、光反射性の部材として機能する。被覆部材が光反射性を有する場合は、同様の機能を有するので、被覆部材の一部とみなしてもよい。枠体も被覆部材の一部とみなすと、透光性部材の端面は枠体の端面と略同一面上となるように形成する。
【0050】
(接着剤)
発光素子、被覆部材、透光性部材、実装基板、枠体の間には、部材どうしの固着を強化するために、適宜接着剤を介在させてもよい。実施形態1では、コストや生産性の面を考慮し、接着剤は設けないこととする。
【0051】
接着剤は、発光素子からの出射光を透光性部材側へと有効に導光でき、双方の部材を光学的に連結できる材質が好ましい。その材料としては前記各部材に用いられる樹脂材料が挙げられ、一例としてシリコーン樹脂などの透光性の接着材料を用いる。なお、その他の各部材間、光路上で同様の透光性接着剤を設けてもよい。塗布方法は、ディスペンサによる吐出や、粘度の低い樹脂をスピンコーターでスピンコートしてもよく、特に限定されない。ディスペンサによると塗布量や塗布領域を調整しやすいが、スピンコートは接着剤を広範囲に均一な厚さで容易に設けることができる。
【0052】
(発光装置の製造方法)
図1に示される発光装置100の製造方法の一例を、
図4を用いて以下に説明する。
図4aに示すように、発光素子41にバンプを形成し、それを介して発光素子41を支持基板上の導電配線42にフリップチップ実装する。この例では、1つの発光装置に対応する領域に、各々1個の発光素子41を並べて実装する(但し、発光素子の個数は適宜変更できる)。なお、支持基板は製造工程中に除去し、導電配線を実装基板とする。
【0053】
(第1の工程)
第1の工程では、被覆部材の上面を、発光素子の光出射面と略同一面上となるように形成し、その上面に凹部を形成する。具体的には、発光素子41の光出射面側を上金型50で、支持基板49の下面側を下金型60で挟持し、光反射性材料を含有する樹脂で被覆部材43を形成する。
【0054】
前記のように金型を用いる際、上金型と密着させるようにして離型シート48を配置することができる。そうすることで、発光素子41と金型の干渉が緩和され、金型と部材が剥離しやすくなるだけでなく、プレス時の応力によって発光素子と上金型に押圧される部分の離型シート48が、発光素子周縁の被覆部材43方向へ弛むことで、発光素子に沿った溝状の凹部44が形成できる。すなわち、被覆部材43と凹部44の形成を同時に行うことができる。プレス時の圧力を高くすると、離型シートの弛みが大きくなり、被覆部材に深い凹部を形成することが可能である。凹部または凸部は、光や熱の影響を受けやすい発光素子周辺に設けられることが好ましく、発光素子に沿っていると最も好ましい。離型シート48を利用すれば、金型に掛かるコストを削減でき、発光素子を破損する恐れなく発光素子に沿った凹部が形成できる。凹部の形成は、離型シートの弛みを用いるほか、上金型の凸構造、エッチング、切削、ブラスト加工等によっても形成でき、発光素子から離間した凹部も形成可能である。第1の工程は、透光性部材45の形成前に行われる。
【0055】
(第2の工程)
第2の工程では、発光素子41と被覆部材43の光出射方向の上面に透光性部材45、ここでは蛍光体を含有した蛍光体シートを直接配置し、被覆部材の凹部44と嵌合させる。樹脂に蛍光体を含有させた比較的柔軟で粘着性を有する透光性部材を配置することで、光出射面から出射された光を所望の発光色に波長変換することができ、凹部44に合わせて変形しやすいので嵌合が容易になる。その他、透光性部材45は塗布法、スキージ、金型等で形成することができる。
【0056】
(第3の工程)
最後に、支持基板49を導電配線42から剥離し、被覆部材43と透光性部材45の端面が略同一面上になるように、所望の位置でまとめてダイシングして個片化すれば、
図1の発光装置100と同様のものを得ることができる。ダイシングの位置は、例えば
図4aの点線で示すように、発光素子の搭載間隔が狭い場合や、発光素子から離れた凹部または凸部を有する場合は、凹部または凸部の途中であってもかまわない。この場合、
図4bの発光装置400に示すような凹部44となり、凹部が途中で切断された形状となっている。これにより、小型の発光装置を量産性よく製造することができる。
【0057】
<実施形態2>
図2aは、本発明の実施形態2に係る発光装置の平面図であり、
図2bは
図2aのA−A断面における断面図である。実装基板がリード電極22であり、発光素子21が複数(図中では2個)配置され、それらの発光素子全体を囲むように凹部が形成されている以外は、実施形態1と実質上同様の構造および製造方法で製造されたものとする。発光素子21が複数あることで光束量が多くなるだけでなく、隣接する発光素子の間の離型シートの弛みが相乗されるので、発光素子間の凹部は発光素子に挟まれていない凹部よりも深く形成される。また、実装基板がリード電極22であると、支持基板を剥離する工程を削減でき好ましい。
図2cの発光装置は、発光素子を4つ搭載し、各々の発光素子に沿った複数の凹部が形成されている。
【0058】
<実施形態3>
図3aは、本発明の実施形態3に係る発光装置の平面図であり、
図3bは
図3aのA−A断面における断面図と、凹部の部分拡大図である。部分拡大図では、透光性部材5の上面が被覆部材の凹部4の溝に対応して、緩やかに窪んでいる。本実施形態の被覆部材33は光反射性を有さず、シリコーン樹脂等の透光性樹脂で形成され、凹部34は発光素子31から離間してその周縁を囲っており、凹部34と透光性部材35の間に接着剤37を設けている。また、支持基板39の上面に導電配線32と枠体36を有しており、発光素子の光出射面に比べて被覆部材の上面が僅かに低く形成されている。以上を除く他の構造については、実施形態1と実質上同様であり、同様の構成については適宜説明を省略する。
【0059】
この発光装置300では、発光素子31を、支持基板39の上面に形成された導電配線32上に並べて接続し、その周囲に所望の枠体36を設けている。枠体36によって被覆部材33が仕切られるので、ディスペンサ(液体定量吐出装置)等で被覆部材33をポッティングしやすい。さらに、枠体36は光反射性を有するため、被覆部材を透過した発光素子側方からの出射光を反射させ、上方の透光性部材方向へ導光することができる。図示では、枠体36の高さは発光素子31の光出射面と略同じであるが、それよりも高くしても低くしてもかまわない。
【0060】
実施形態3では、接着層37は凹部にあり、被覆部材33と透光性部材35を接着している。被覆部材33と透光性部材35の間に接着剤37を設けると、光の透過効率を低減させることなく、効果的に透光性部材35の剥離を防止することができる。接着層37は、透光性部材35がセラミックや蛍光体焼結板等のように硬質で粘着性を有さない場合や、凹部34が深く、透光性部材35が嵌合しにくいような場合において、嵌合性を確保するために好適に用いられる。塗布範囲は凹部34に限らず、発光素子や凹部以外の透光性部材の上面に配置することもでき、塗布範囲が広いほど透光性部材の密着性を高めることが可能である。
【0061】
本実施形態のように、光反射性を有する枠体36の上面には透光性部材35が配置されていなくてもよい。しかし、被覆部材33が光反射性を有する場合は、枠体36を被覆部材33の一部とみなし、透光性部材35と枠体36の端面が略同一面となるように形成してもよい。
【0062】
ここで、凹部34は、発光素子31に沿ったものではないが、離型シートの弛みを利用して形成している。このような凹部34は他に、治具を用いて所望の凹部形状に研磨、エッチング、ブラスト加工を施すか、上金型の凸構造によっても形成することができる。また、前記の方法を組み合わせて、複数の凹部を設けても構わない。研磨、エッチング、ブラスト加工によれば、凹部34の詳細な形状や深さ、位置を選択することができる。なお、実施形態3は支持基板を有する構成となっており、支持基板の上面に設けられた導電配線32は、支持基板の厚み方向に設けられた導電配線によって、支持基板の裏面の導電配線と接続される。支持基板を有していると、支持基板を剥離する工程が削減でき、さらに基板下方への光の漏れ出しを防止できて好ましい。
【0063】
ここで、被覆部材33は蛍光体を含有していてもよい。例えば、青色(発光波長430nm〜490nm)の発光素子31を用いた場合、被覆部材33に青色光に励起されて赤色を発光する(Sr,Ca)AlSiN
3:Eu等のSCASN系蛍光体、CaAlSiN
3:Eu等のCASN系蛍光体を含有させ、透光性部材35に緑色を発光するYAG系蛍光体を含有させると、RGB(赤・緑・青)による発光となり、より演色性の高い白色を発光する発光装置300とすることもできる。
【0064】
<実施形態4>
図5に示す発光装置500は、被覆部材が凸部を有する。本実施形態の発光装置500は、透光性部材が凸部と嵌合する凹形状を有していること以外、その他の構成部材の構造や製造方法は、凹部を有する実施形態1の発光装置と略同じとすることができる。
【0065】
凸部も、凹部と同様に、発光素子51に近いほど部材の劣化による透光性部材の剥離を効果的に防ぐことができる。しかし、発光素子51と透光性部材55の密着性を考慮すると、比較的硬質な状態で透光性部材を配置する場合には、凸部は発光素子51から離間していた方が好ましい。比較的硬質な状態の透光性部材を配置すると、凸部によって透光性部材が光出射面と一部沿わない形状となり、その場合、出射光が均一に透過されにくくなるためである。しかし、柔軟な状態で透光性部材を配置することで、透光性部材は発光素子の光出射面と密着するように形成することが可能となる。この場合は、凸部も発光素子に沿っている方がより好ましい。
【0066】
凸部54は、上金型の凹構造による形成が一般的であるが、被覆部材の形成時に薄型の離型シートを使用し、かつ複数の発光素子の搭載間隔を狭くした場合に発生する離型シートの破れによって形成することもできる。離型シートの破れを利用する場合は、凹部の形成と同様に被覆部材の充填と同時に、かつ発光素子に沿って形成できるが、
図6dに示すような歪な形状となることが多い。
【0067】
その他の凸部の形成方法としては、被覆部材をあらかじめ発光素子の光反射面よりも高く設けておき、発光素子とその周縁部にわたってマスクをし、マスクしていない部分を発光素子の光出射面と略同一面上になるようにエッチング、切削、ブラスト加工する方法や、金型やポッティング等で光出射面と略同一面となるように被覆部材を形成した後、さらにポッティング等で凸部を所望の位置に形成する方法等が挙げられる。また、前述の方法を適宜組み合わせて複数の凸部を設けてもよい。いずれにおいても、凸部の形成は発光素子を破損する恐れが少ないが、被覆部材が凹部を有する構成とした方が、発光装置を薄型化できるので好ましい。
【0068】
<実施例1>
以下、実施例1において発光装置100を形成する工程を説明する。まず、SUSなどの金属からなる支持基板を用意し、レジストを塗布して露光することで開口部を有するレジストを形成する。次いで、開口部に所望の厚さの金属を鍍金後、レジストを除去することで、互いに離間する一対の導電配線(厚さ約30〜100μm、特に好ましくは約70μm)を形成する。鍍金方法としては、電解鍍金、無電解鍍金等を用いることができ、特に電解鍍金を用いると、レジストが除去しやすく、導電配線の形状が均一に形成しやすいので好ましい。
【0069】
実施例1では、それぞれ離間して複数対設けられた正負の電極の上に、発光素子として平面視形状が約0.8m×0.3mmの略長方形の発光素子(発光波長約455nm、厚さ約120μm)をそれぞれフリップチップ実装する。隣接する発光素子どうしの離間距離は、約1500μmである。
【0070】
続いて、複数の発光素子を実装した支持基板を、上金型および下金型からなる金型内に挟み込み、被覆部材を圧縮成型等により形成する。この際、上金型と密着させるように離型シートを配置してから、被覆部材を充填する。離型シートは、厚さ約20〜100μm程度、好ましくは約50μmとし、熱耐久性、濡れ性、コストの低さ等を考慮してETFE(テトラフルオロエチレン(C
2F
4)とエチレン(C
2H
4)の共重合体)を用いる。金型による加熱温度や加熱時間、圧力、離型シートの厚さなどは、用いる樹脂の組成や所望とする被覆部材の凹部等によって、適宜調整することができる。
【0071】
実施例1では、粒径約270nmのTiO
2の微粒子である光反射性材料を約23重量パーセント濃度で含有するシリコーン樹脂からなる被覆部材を形成する。被覆部材は、発光素子と略同じ厚さ(約120μm)で発光素子の側面を全て被覆して光出射面を露出するように形成され、一対の電極の間と発光素子の下方にも設けられる。また、被覆部材の光出射方向の上面に、離型シートの弛みによって発光素子に沿った凹部を設ける。弛みは、プレス時に発光素子と接触する領域の離型シートが、シリコーン樹脂を基材とする被覆部材方向に押圧されて形成されるので、被覆部材の形成とほぼ同時に形成される。凹部は、被覆部材の表面にわたる緩やかな湾曲ではなく、溝状(深さ約50μm、幅約100μm以下)である。
【0072】
そして、発光素子の露出面と凹部が形成された被覆部材の上面を、透光性部材であるYAG蛍光体が含まれた蛍光体シート(厚さ約50μm)で直接覆う。被覆部材が発光素子の光出射面まで形成された場合は、適宜研磨などで光出射面を露出させてから透光性部材を配置してもよい。蛍光体シートと被覆部材の凹部は嵌合している。透光性部材はシート状でなくてもよく、金型を用いて樹脂等で形成することもできる。支持基板は、透光性部材の形成後に取り除く。続いて、ダイシングで平面視形状が約2.2mm×0.5mmで中心部に発光素子を1つ含むよう個片化し、略矩形状の厚さ約0.26mmの発光装置100を得る。
【0073】
以上により、実施例1では、実施形態1とほぼ同様の効果を奏する発光装置を提供することができる。
【0074】
<実施例2>
図7に示す実施例2における発光装置600は、被覆部材の凹部64が発光素子61から離間しており、支持基板69上に導電配線62を有した実装基板を備える。また、透光性部材65はスプレーによって形成され、被覆部材の凹部64と嵌合している。以上を除いて、発光装置600は実施例1と実質上同様の構造を有する。同様の構成については適宜説明を省略する。
【0075】
まず、セラミックの支持基板(厚さ約500μm)上の所望の位置に、Cuを鍍金して正負一対の導電配線(厚さ約50μm)を形成する。そしてその上面に発光素子61をフリップチップ実装し、実施例1と同様に金型による圧縮成型等で被覆部材63を設ける。
【0076】
この時、実施例1で用いた離型シートよりも薄い(厚さ約30μm)離型シートを用い、発光素子どうしの間隔を狭く(例えば離間距離約300μm)、金型のプレス押圧を強くすることで、発光素子61から離間した凹部64が形成できる。この凹部64は、平面図で見て開口面が発光素子から離間しており、開口面から底部に向かって発光素子方向に延伸した形状となっている。
【0077】
さらに、発光素子の光出射面と凹部64が形成された被覆部材63の上面に、YAG蛍光体が含まれた液状のシリコーン樹脂をスプレーすることで透光性部材65を形成する。本実施例における凹部64は、断面図で見て開口面と底部がズレているので、透光性部材65を嵌合させることは困難であるが、スプレー噴射することで透光性部材65を嵌合させている。スプレーを噴射する角度や回数は適宜調節することができ、斜めから噴射すると、透光性部材を凹部に形成しやすく好ましい。複数回噴射することで、透光性部材は所望の厚さに積層することができ、各所で異なる厚さに調整することもできる。さらに、異なった種類の蛍光体を含有する樹脂を積層することも可能である。
【0078】
最後に、実施例1と同様にダイシングで個片化して発光装置600を得る。