【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、少なくとも特定の構造を有する遷移金属化合物、特定の構造を有する脂肪族塩で変性した有機変性粘土及び有機アルミニウム化合物より得られるメタロセン系触媒からなる新規のポリエチレン系重合体製造用触媒をスラリー法プロセス等に適用した際に、固有粘度(dL/g)が28.0以上又はMvが700万以上である超高分子量ポリエチレン系重合体を効率良く製造することが可能となることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、少なくとも下記一般式(1)で表される遷移金属化合物(A)、
【0010】
【化1】
[式中、M
1はハフニウム原子であり、Xは各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜30の炭化水素基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルアミノ基、炭素数1〜20のアルキルシリル基、炭素数1〜20の炭化水素基の炭素と炭素の結合間に酸素を導入した置換基、炭素数1〜20の炭化水素基の一部を炭素数1〜20のアルキルアミノ基に置換した置換基、炭素数1〜20の炭化水素基の一部の炭素をケイ素に置換した置換基であり、R
1は下記一般式(2)で示されるシクロペンタジエニル基であり、
【0011】
【化2】
(式中、R
4は各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜30の炭化水素基、炭素数1〜20のアルキルアミノ基、炭素数1〜20のアルキルシリル基、炭素数1〜20の炭化水素基の炭素と炭素の結合間に酸素を導入した置換基、炭素数1〜20の炭化水素基の一部を炭素数1〜20のアルキルアミノ基に置換した置換基、炭素数1〜20の炭化水素基の一部の炭素をケイ素に置換した置換基である。)
R
2は下記一般式(3)で示されるアミノ基を有するフルオレニル基であり、
【0012】
【化3】
(式中、R
5は各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜30の炭化水素基、炭素数6〜30のアリールアミノ基、炭素数7〜30のアリールアルキルアミノ基、炭素数1〜20のアルキルアミノ基、炭素数1〜20のアルキルシリル基、炭素数1〜20の炭化水素基の炭素と炭素の結合間に酸素を導入した置換基、炭素数1〜20の炭化水素基の一部を炭素数1〜20のアルキルアミノ基に置換した置換基、炭素数1〜20の炭化水素基の一部の炭素をケイ素に置換した置換基であり、R
5のうち少なくとも1つが炭素数6〜30のアリールアミノ基、炭素数7〜30のアリールアルキルアミノ基又は炭素数1〜20のアルキルアミノ基である。)
R
3は、下記一般式(4)または下記一般式(5)で示されるR
1とR
2の架橋単位であり、
【0013】
【化4】
【0014】
【化5】
(式中、R
6は各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜30の炭化水素基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルアミノ基、炭素数1〜20のアルキルシリル基、炭素数1〜20の炭化水素基の炭素と炭素の結合間に酸素を導入した置換基、炭素数1〜20の炭化水素基の一部を炭素数1〜20のアルキルアミノ基に置換した置換基、炭素数1〜20の炭化水素基の一部の炭素をケイ素に置換した置換基であり、M
2はケイ素原子、ゲルマニウム原子または錫原子である。)
nは1〜5の整数である。]
下記一般式(6)で表される脂肪族塩にて変性した有機変性粘土(B)、
【0015】
【化6】
(式中、R
7〜R
9は各々独立して炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のアルキルアルコキシ基、炭素数1〜30のアルキルアミノ基、炭素数1〜30のアルキルシリル基、上記炭素数1〜30のアルキル基の炭素と炭素の結合間に酸素を導入した置換基、上記炭素数1〜30のアルキル基の一部を炭素数1〜30のアルキルアミノ基に置換した置換基、上記炭素数1〜30のアルキル基の一部の炭素をケイ素に置換した置換基であり、かつR
7〜R
9のうち少なくとも1つが炭素数10以上のアルキル基であり、M
3は周期表第15族の原子であり、[A
−]はアニオンである。)
及び、有機アルミニウム化合物(C)より得られるメタロセン系触媒からなることを特徴とするポリエチレン系重合体製造用触媒、それを用いてなるポリエチレン系重合体の製造方法に関するものである。
【0016】
以下に、本発明を詳細に説明する。
【0017】
本発明のポリエチレン系重合体製造用触媒は、少なくとも上記一般式(1)で示される遷移金属化合物(A)、上記一般式(6)で表される脂肪族塩にて変性した有機変性粘土(B)及び有機アルミニウム化合物(C)より得られるメタロセン系触媒からなるものである。
【0018】
本発明のポリエチレン系重合体製造用触媒を構成する該遷移金属化合物(A)は、上記一般式(1)で示される遷移金属化合物であり、R
1であるシクロペンタジエニル基とR
2であるアミノ基を有するフルオレニル基でM
1をサンドイッチする構造をとると共に、R
3によりR
1とR
2とを架橋した構造を有するものである。
【0019】
ここで、M
1は、ハフニウム原子であり、この特定の金属原子であることにより分子量の極めて高いポリエチレン系重合体を効率よく製造することが可能となる。
【0020】
Xは、各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜30の炭化水素基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルアミノ基、炭素数1〜20のアルキルシリル基、炭素数1〜20の炭化水素基の炭素と炭素の結合間に酸素を導入した置換基、炭素数1〜20の炭化水素基の一部を炭素数1〜20のアルキルアミノ基に置換した置換基、炭素数1〜20の炭化水素基の一部の炭素をケイ素に置換した置換基であり、これら特定の置換基であることにより分子量の極めて高いポリエチレン系重合体を製造することが可能となる。そして、Xの具体的例示として、例えば水素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基やそれらの異性体置換基などの炭素数1〜30のアルキル基、フェニル基、インデニル基、ナフチル基、フルオレニル基、ビフェニレニル基などの炭素数6〜30のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、ジフェニルメチル基、ジフェニルエチル基などの炭素数7〜30のアリールアルキル基、またはメチルフェニル基、エチルフェニル基、メチルナフチル基などの炭素数7〜30のアルキルアリール基、トリメチルシリル基などのアルキルシリル基などが挙げられる。
【0021】
R
1は、上記一般式(2)で示されるシクロペンタジエニル基であり、R
4は各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜30の炭化水素基、炭素数1〜20のアルキルアミノ基、炭素数1〜20のアルキルシリル基、炭素数1〜20の炭化水素基の炭素と炭素の結合間に酸素を導入した置換基、炭素数1〜20の炭化水素基の一部を炭素数1〜20のアルキルアミノ基に置換した置換基、炭素数1〜20の炭化水素基の一部の炭素をケイ素に置換した置換基であり、これら特定の置換基であることにより分子量の極めて高いポリエチレン系重合体を製造することが可能となる。そして、R
4の具体的例示としては、上記したXの例示と同様のものを挙げることができ、R
1の具体的例示としては、例えばシクロペンタジエニル基、メチルシクロペンタジエニル基、エチルシクロペンタジエニル基、n−ブチル−シクロペンタジエニル基、ジメチルシクロペンタジエニル基、ジエチルシクロペンタジエニル基、メトキシシクロペンタジエニル基、ジメチルアミノ−シクロペンタジエニル基、トリメチルシリル−シクロペンタジエニル基などが挙げられる。
【0022】
R
2は、上記一般式(3)で示されるアミノ基を有するフルオレニル基であり、R
5は各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜30の炭化水素基、炭素数6〜30のアリールアミノ基、炭素数7〜30のアリールアルキルアミノ基、炭素数1〜20のアルキルアミノ基、炭素数1〜20のアルキルシリル基、炭素数1〜20の炭化水素基の炭素と炭素の結合間に酸素を導入した置換基、炭素数1〜20の炭化水素基の一部を炭素数1〜20のアルキルアミノ基に置換した置換基、炭素数1〜20の炭化水素基の一部の炭素をケイ素に置換した置換基であり、R
5の少なくとも1つは、炭素数6〜30のアリールアミノ基、炭素数7〜30のアリールアルキルアミノ基又は炭素数1〜20のアルキルアミノ基であり、特に炭素数6〜30のジアリールアミノ基、炭素数7〜30のジアリールアルキルアミノ基又は炭素数1〜20のジアルキルアミノ基であることが好ましい。これら特定の置換基であることにより分子量の極めて高いポリエチレン系重合体を製造することが可能となる。そして、R
5の具体的例示としては、上記したXの例示と同様のもの、更にはジフェニルアミノ基、ジベンジルアミノ基等を挙げることができ、R
2の具体的例示としては、2−(ジメチルアミノ)−フルオレニル基、2−(ジエチルアミノ)−フルオレニル基、2−(ジイソプロピルアミノ)−フルオレニル基、2−(ジ−n−プロピルアミノ)−フルオレニル基、2−(ジ−n−ブチルアミノ)−フルオレニル基、2−(ジベンジルアミノ)−フルオレニル基、3−(ジメチルアミノ)−フルオレニル基、3−(ジエチルアミノ)−フルオレニル基、3−(ジイソプロピルアミノ)−フルオレニル基、3−(ジ−n−プロピルアミノ)−フルオレニル基、3−(ジ−n−ブチルアミノ)−フルオレニル基、3−(ジベンジルアミノ)−フルオレニル基、4−(ジメチルアミノ)−フルオレニル基、4−(ジエチルアミノ)−フルオレニル基、4−(ジイソプロピルアミノ)−フルオレニル基、4−(ジ−n−プロピルアミノ)−フルオレニル基、4−(ジ−n−ブチルアミノ)−フルオレニル基、4−(ジベンジルアミノ)−フルオレニル基、2,7−ビス(ジメチルアミノ)−フルオレニル基、2,7−ビス(ジエチルアミノ)−フルオレニル基、2,7−ビス(ジイソプロピルアミノ)−フルオレニル基、2,7−ビス(ジ−n−プロピルアミノ)−フルオレニル基、2,7−ビス(ジ−n−ブチルアミノ)−フルオレニル基、2,7−ビス(ジベンジルアミノ)−フルオレニル基、3,6−ビス(ジメチルアミノ)−フルオレニル基、3,6−ビス(ジエチルアミノ)−フルオレニル基、3,6−ビス(ジイソプロピルアミノ)−フルオレニル基、3,6−ビス(ジ−n−プロピルアミノ)−フルオレニル基、3、6−ビス(ジ−n−ブチルアミノ)−フルオレニル基、3、6−ビス(ジベンジルアミノ)−フルオレニル基、2、5−ビス(ジメチルアミノ)−フルオレニル基、2、5−ビス(ジエチルアミノ)−フルオレニル基、2、5−ビス(ジイソプロピルアミノ)−フルオレニル基、2、5−ビス(ジ−n−プロピルアミノ)−フルオレニル基、2、5−ビス(ジ−n−ブチルアミノ)−フルオレニル基、2、5−ビス(ジベンジルアミノ)−フルオレニル基などが挙げられる。ここで、R
5のいずれもが、炭素数6〜30のアリールアミノ基、炭素数7〜30のアリールアルキルアミノ基又は炭素数1〜20のアルキルアミノ基でない場合、得られる触媒をポリエチレン系重合体の製造に用いても分子量の高いポリエチレン系重合体を効率的に製造することができない。
【0023】
R
3は、該R
1と該R
2の架橋単位であり、上記一般式(4)又は上記一般式(5)で表される架橋単位であり、R
6は各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜30の炭化水素基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルアミノ基、炭素数1〜20のアルキルシリル基、炭素数1〜20の炭化水素基の炭素と炭素の結合間に酸素を導入した置換基、炭素数1〜20の炭化水素基の一部を炭素数1〜20のアルキルアミノ基に置換した置換基、炭素数1〜20の炭化水素基の一部の炭素をケイ素に置換した置換基であり、これら特定の置換基であることにより分子量の極めて高いポリエチレン系重合体を製造することが可能となる。そして、R
6の具体的例示として、上記したXの例示と同様のものを挙げることができる。また、M
2はケイ素原子、ゲルマニウム原子または錫原子である。
【0024】
そして、nは1〜5の整数である。
【0025】
該遷移金属化合物(A)は、シクロペンタジエニル基(または置換シクロペンタジエニル基)とアミノ基を有するフルオレニル基を組み合わせた構造の配位子を有する遷移金属化合物であり、その具体例として、例えばジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル)(2−(ジメチルアミノ)−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル)(2−(ジエチルアミノ)−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル)(2−(ジイソプロピルアミノ)−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル)(2−(ジ−n−プロピル−アミノ)−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル)(2−(ジ−n−ブチル−アミノ)−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル)(2−(ジベンジルアミノ)−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル)(3−(ジメチルアミノ)−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル)(3−(ジエチルアミノ)−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル)(3−(ジイソプロピルアミノ)−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル)(3−(ジ−n−プロピル−アミノ)−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル)(3−(ジ−n−ブチル−アミノ)−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル)(3−(ジベンジルアミノ)−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル)(4−(ジメチルアミノ)−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル)(4−(ジエチルアミノ)−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル)(4−(ジイソプロピルアミノ)−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル)(4−(ジ−n−プロピル−アミノ)−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル)(4−(ジ−n−ブチル−アミノ)−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル)(4−(ジベンジルアミノ)−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2−(ジメチルアミノ)−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2−(ジエチルアミノ)−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2−(ジイソプロピルアミノ)−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2−(ジ−n−プロピル−アミノ)−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2−(ジ−n−ブチル−アミノ)−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2−(ジベンジルアミノ)−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(3−(ジメチルアミノ)−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(3−(ジエチルアミノ)−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(3−(ジイソプロピルアミノ)−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(3−(ジ−n−プロピル−アミノ)−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(3−(ジ−n−ブチル−アミノ)−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(3−(ジベンジルアミノ)−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(4−(ジメチルアミノ)−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(4−(ジエチルアミノ)−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(4−(ジイソプロピルアミノ)−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(4−(ジ−n−プロピル−アミノ)−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(4−(ジ−n−ブチル−アミノ)−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(4−(ジベンジルアミノ)−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル)(2,7−ビス(ジメチルアミノ)−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル)(2,7−ビス(ジエチルアミノ)−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル)(2,7−ビス(ジイソプロピルアミノ)−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル)(2,7−ビス(ジ−n−プロピル−アミノ)−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル)(2,7−ビス(ジ−n−ブチル−アミノ)−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル)(2,7−ビス(ジベンジルアミノ)−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル)(3,6−ビス(ジメチルアミノ)−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル)(3,6−ビス(ジエチルアミノ)−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル)(3,6−ビス(ジイソプロピルアミノ)−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル)(3,6−ビス(ジ−n−プロピル−アミノ)−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル)(3,6−ビス(ジ−n−ブチル−アミノ)−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル)(3,6−ビス(ジベンジルアミノ)−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル)(2,5−ビス(ジメチルアミノ)−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル)(2,5−ビス(ジエチルアミノ)−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル)(2,5−ビス(ジイソプロピルアミノ)−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル)(2,5−ビス(ジ−n−プロピル−アミノ)−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル)(2,5−ビス(ジ−n−ブチル−アミノ)−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル)(2,5−ビス(ジベンジルアミノ)−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ビス(ジメチルアミノ)−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ビス(ジエチルアミノ)−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ビス(ジイソプロピルアミノ)−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ビス(ジ−n−プロピル−アミノ)−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ビス(ジ−n−ブチル−アミノ)−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ビス(ジベンジルアミノ)−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(3,6−ビス(ジメチルアミノ)−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(3,6−ビス(ジエチルアミノ)−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(3,6−ビス(ジイソプロピルアミノ)−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(3,6−ビス(ジ−n−プロピル−アミノ)−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(3,6−ビス(ジ−n−ブチル−アミノ)−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(3,6−ビス(ジベンジルアミノ)−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,5−ビス(ジメチルアミノ)−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,5−ビス(ジエチルアミノ)−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,5−ビス(ジイソプロピルアミノ)−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,5−ビス(ジ−n−プロピル−アミノ)−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,5−ビス(ジ−n−ブチル−アミノ)−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,5−ビス(ジベンジルアミノ)−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライドなどのハフニウム化合物や上記遷移金属化合物のジクロロ体をジメチル体、ジエチル体、ジヒドロ体、ジフェニル体、ジベンジル体に変えた化合物などを例示することができる。
【0026】
本発明のポリエチレン系重合体製造用触媒を構成する有機変性粘土(B)は、上記一般式(6)で表される脂肪族塩にて変性された有機変性粘土である。
【0027】
ここで、R
7〜R
9は、各々独立して炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のアルキルアルコキシ基、炭素数1〜30のアルキルアミノ基、炭素数1〜30のアルキルシリル基、上記炭素数1〜30のアルキル基の炭素と炭素の結合間に酸素を導入した置換基、上記炭素数1〜30のアルキル基の一部を炭素数1〜30のアルキルアミノ基に置換した置換基、上記炭素数1〜30のアルキル基の一部の炭素をケイ素に置換した置換基であり、かつ、R
7〜R
9のうち少なくとも1つが炭素数10以上のアルキル基である。R
7〜R
9のいずれもが、炭素数10未満のアルキル基又はアルキル基以外の置換基である場合、得られる触媒は、分子量の高いポリエチレン系重合体を効率的に製造することが困難となる。
【0028】
そして、R
7〜R
9の具体的例示としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、アリル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、2−メチルブチル基、1−メチルブチル基、1−エチルプロピル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、オレイル基、ベヘニル基等の炭素数1〜30のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、イソプロポキシ基等の炭素数1〜30のアルキルアルコキシ基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基等の炭素数1〜30のアルキルアミノ基;トリメチルシリル基、トリtert−ブチルシリル基、ジtert−ブチルメチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基等炭素数1〜30のアルキルシリル基;メトキシメチレン基、エトキシメチレン基等の炭素数1〜30のアルキル基の炭素と炭素の結合間に酸素を導入した置換基;ジメチルアミノメチレン基、ジエチルアミノメチレン基等の炭素数1〜30のアルキル基の一部を炭素数1〜30のアルキルアミノ基に置換した置換基;トリメチルシリルメチレン基、tert−ブチルジメチルシリルメチレン基等の炭素数1〜30のアルキル基の一部の炭素をケイ素に置換した置換基、等を挙げることができる。
【0029】
該R
7〜R
9のうち少なくとも1つの置換基は、炭素数10以上のアルキル基であり、例えばデシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、オレイル基、ベヘニル基等を例示することができる。
【0030】
該M
3は、周期律表第15族の原子であり、周期律表第15族以外の原子である場合、得られる触媒は、分子量の高いポリエチレン系重合体を効率的に製造することが困難となる。そして、該M
3としては、例えば窒素原子、リン原子等を挙げることができる。
【0031】
該[A
−]はアニオンであり、アニオンの範疇に属するものであれば如何なるものでもよく、例えばフッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、リン酸イオン、過塩素酸イオン、シュウ酸イオン、クエン酸イオン、コハク酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオンまたはヘキサフルオロリン酸イオン等を挙げることがきる。
【0032】
そして、該脂肪族塩の具体例としては、例えばN,N−ジメチル−ベヘニルアミン塩酸塩、N−メチル−N−エチル−ベヘニルアミン塩酸塩、N−メチル−N−n−プロピル−ベヘニルアミン塩酸塩、N,N−ジオレイル−メチルアミン塩酸塩、N,N−ジメチル−ベヘニルアミンフッ化水素酸塩、N−メチル−N−エチル−ベヘニルアミンフッ化水素酸塩、N−メチル−N−n−プロピル−ベヘニルアミンフッ化水素酸塩、N,N−ジオレイル−メチルアミンフッ化水素酸塩、N,N−ジメチル−ベヘニルアミン臭化水素酸塩、N−メチル−N−エチル−ベヘニルアミン臭化水素酸塩、N−メチル−N−n−プロピル−ベヘニルアミン臭化水素酸塩、N,N−ジオレイル−メチルアミン臭化水素酸塩、N,N−ジメチル−ベヘニルアミンヨウ化水素酸塩、N−メチル−N−エチル−ベヘニルアミンヨウ化水素酸塩、N−メチル−N−n−プロピル−ベヘニルアミンヨウ化水素酸塩、N,N−ジオレイル−メチルアミンヨウ化水素酸塩、N,N−ジメチル−ベヘニルアミン硫酸塩、N−メチル−N−エチル−ベヘニルアミン硫酸塩、N−メチル−N−n−プロピル−ベヘニルアミン硫酸塩、N,N−ジオレイル−メチルアミン硫酸塩等の脂肪族アミン塩;P,P−ジメチル−ベヘニルホスフィン塩酸塩、P,P−ジエチル−ベヘニルホスフィン塩酸塩、P,P−ジプロピル−ベヘニルホスフィン塩酸塩、P,P−ジメチル−ベヘニルホスフィンフッ化水素酸塩、P,P−ジエチル−ベヘニルホスフィンフッ化水素酸塩、P,P−ジプロピル−ベヘニルホスフィンフッ化水素酸塩、P,P−ジメチル−ベヘニルホスフィン臭化水素酸塩、P,P−ジエチル−ベヘニルホスフィン臭化水素酸塩、P,P−ジプロピル−ベヘニルホスフィン臭化水素酸塩、P,P−ジメチル−ベヘニルホスフィンヨウ化水素酸塩、P,P−ジエチル−ベヘニルホスフィンヨウ化水素酸塩、P,P−ジプロピル−ベヘニルホスフィンヨウ化水素酸塩、P,P−ジメチル−ベヘニルホスフィン硫酸塩、P,P−ジエチル−ベヘニルホスフィン硫酸塩、P,P−ジプロピル−ベヘニルホスフィン硫酸塩等の脂肪族ホスフォニウム塩;等を挙げることができる。
【0033】
また、該有機変性粘土(B)を構成する粘土化合物としては、粘土化合物の範疇に属するものであれば如何なるものであってもよく、一般的にシリカ四面体が二次元上に連続した四面体シートと、アルミナ八面体やマグネシア八面体等が二次元上に連続した八面体シートが1:1又は2:1で組合わさって構成されるシリケート層と呼ばれる層が何枚にも重なって形成され、一部のシリカ四面体のSiがAl、アルミナ八面体のAlがMg、マグネシア八面体のMgがLi等に同型置換されることにより層内部の正電荷が不足し、層全体として負電荷を帯びており、この負電荷を補償するために層間にはNa
+やCa
2+等の陽イオンが存在しているものとして知られているものである。そして、該粘土化合物としては天然品、または合成品としてのカオリナイト、タルク、スメクタイト、バーミキュライト、雲母、脆雲母、縁泥石等が存在し、これらを用いることが可能であり、その中でも入手のしやすさと有機変性の容易さからスメクタイトが好ましく、特にスメクタイトのなかでもヘクトライトまたはモンモリロナイトがさらに好ましい。
【0034】
該有機変性粘土(B)は、該粘土化合物の層間に該脂肪族塩を導入し、イオン複合体を形成することにより得る事が可能である。該有機変性粘土(B)を調製する際には、粘土化合物の濃度0.1〜30重量%、処理温度0〜150℃の条件を選択して処理を行うことが好ましい。また、該脂肪族塩は固体として調製して溶媒に溶解させて使用しても良いし、溶媒中での化学反応により該脂肪族塩の溶液を調製してそのまま使用しても良い。該粘土化合物と該脂肪族塩の反応量比については、粘土化合物の交換可能なカチオンに対して当量以上の脂肪族塩を用いることが好ましい。処理溶媒としては、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類;エチルアルコール、メチルアルコール等のアルコール類;エチルエーテル、n−ブチルエーテル等のエーテル類;塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類;アセトン;1,4−ジオキサン;テトラヒドロフラン;水、等を用いることができる。そして、好ましくは、アルコール類または水を単独もしくは溶媒の一成分として用いることである。
【0035】
また、本発明のポリエチレン系重合体製造用触媒を構成する有機変性粘土(B)の粒径に制限はなく、その中でも触媒調製時の効率、ポリエチレン系重合体製造時の効率に優れるものとなることから1〜100μmであることが好ましい。その際の粒径を調節する方法にも制限はなく、大きな粒子を粉砕して適切な粒径にしても、小さな粒子を造粒して適切な粒径にしても良く、あるいは粉砕と造粒を組み合わせても良い。また、粒径の調節は有機変性前の粘土に行っても、変性後の有機変性粘土に行っても良い。
【0036】
有機変性粘土(B)の粒径制御を行う際の粉砕や造粒の方法に制限はなく、粉砕としては、例えばインパクトミル、回転ミル、カスケードミル、カッターミル、ケージミル、衝撃式粉砕機、コニカルミル、コロイドミル、コンパウンドミル、ジェットミル、振動ミル、スタンプミル、チューブミル、ディスクミル、タワーミル、媒体攪拌ミル、ハンマーミル、ピンミル、フレットミル、ペブルミル、ボールミル、摩砕機、遊星ミル、リングボールミル、リングロールミル、ロッドミル、ローラーミル、ロールクラッシャー等の機器による粉砕を挙げることができ、造粒としては、例えば転動造粒、流動層造粒、攪拌造粒、圧縮造粒、押出造粒、破砕造粒、溶融造粒、噴霧造粒等の方法を挙げることができる。
【0037】
本発明のポリエチレン系重合体製造用触媒を構成する有機アルミニウム化合物(C)は、有機アルミニウム化合物と称される範疇に属するものであれば如何なるものも用いることができ、その中でも、特に超高分子量ポリエチレン系重合体を生産効率よく製造することが可能なポリエチレン系重合体製造用触媒となることから、下記一般式(7)で表される有機アルミニウム化合物であることが好ましい。ここで、有機アルミニウム化合物以外の化合物、例えばホウ素系化合物、メチルアルモキサン系化合物を用いた場合、触媒により得られるポリエチレン系重合体は、分子量が低いものとなったり、成形加工性に劣るなどの課題を有するものとなる。
【0038】
【化7】
(式中、R
10は炭素数1〜20の炭化水素基であり、R
11は各々独立して炭素数1〜20の炭化水素基、水素原子または塩素原子である。)
該有機アルミニウム化合物としては、特に遷移金属化合物(A)を容易にアルキル化することが可能となることから、例えばトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムなどのアルキルアルミニウムなどを挙げることができる。
【0039】
本発明のポリエチレン系重合体製造用触媒を構成する該遷移金属化合物(A)(以下(A)成分ということもある。)、該有機変性粘土(B)(以下、(B)成分ということもある。)、および該有機アルミニウム化合物(C)(以下、(C)成分ということもある。)の使用割合に関しては、ポリエチレン系重合体製造用触媒としての使用が可能であれば如何なる制限を受けるものでなく、その中でも、特に超高分子量ポリエチレン系重合体を生産効率よく製造することが可能なポリエチレン系重合体製造用触媒となることから、(A)成分と(C)成分の金属原子当たりのモル比は(A成分):(C成分)=100:1〜1:100000の範囲にあることが好ましく、特に1:1〜1:10000の範囲であることが好ましい。また、(A)成分と(B)成分の重量比が(A成分):(B成分)=10:1〜1:10000にあることが好ましく、特に3:1〜1:1000の範囲であることが好ましい。
【0040】
本発明のポリエチレン系重合体製造用触媒の調製方法に関しては、少なくとも該(A)成分、該(B)成分および該(C)成分より得られるポリエチレン系重合体製造用触媒を調製することが可能であれば如何なる方法を用いてもよく、例えば各(A)、(B)、(C)成分に関して不活性な溶媒中あるいは重合を行うモノマーを溶媒として用い、混合する方法などを挙げることができる。また、これらの成分を反応させる順番に関しても制限はなく、この処理を行う温度、処理時間も制限はない。また、(A)成分、(B)成分、(C)成分のそれぞれを2種類以上用いてポリエチレン系重合体製造用触媒を調製することも可能である。
【0041】
本発明のエチレン系重合体製造用触媒を用いて得られるエチレン系重合体としては、エチレンの単独重合のみならず他のオレフィンとの共重合であってもよく、これら重合により得られるポリエチレン系重合体は、単独重合体のみならず共重合体も含む意味で用いられる。
【0042】
本発明のポリエチレン系重合体製造用触媒を用いエチレン系重合体を製造する際の製造方法としては、例えば溶液重合法、塊状重合法、気相重合法、スラリー重合法等の方法を挙げることができ、その中でも、特に粒子形状の整ったポリエチレン系重合体を効率よく安定的に製造することが可能となることからスラリー重合法であることが好ましい。また、スラリー重合法に用いる溶媒としては、一般に用いられている有機溶媒であればいずれでもよく、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等が挙げられ、プロピレン、1−ブテン、1−オクテン、1−ヘキセンなどのオレフィンを溶媒として用いることもできる。
【0043】
また、ポリエチレン系重合体を共重合体とする際にエチレンとの共重合に用いる他のオレフィンとしては、例えばプロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン等のα−オレフィン;スチレン、スチレン誘導体;ブタジエン、1,4−ヘキサジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン等の共役および非共役ジエン;シクロブテン等の環状オレフィン;等が挙げられる。さらに、エチレンとプロピレンとスチレン、エチレンと1−ヘキセンとスチレン、エチレンとプロピレンとエチリデンノルボルネンのように、3種以上の成分を用いた共重合体とすることもできる。
【0044】
本発明のポリエチレン系重合体製造用触媒によりポリエチレン系重合体を製造する際の重合温度、重合時間、重合圧力、モノマー濃度などの重合条件については任意に選択可能であり、その中でも、重合温度30〜90℃、重合時間10秒〜20時間、重合圧力常圧〜100MPaの範囲で行うことが好ましい。また、重合時に水素などを用いて分子量の調節を行うことも可能である。重合はバッチ式、半連続式、連続式のいずれの方法でも行うことが可能であり、重合条件を変えて、2段以上に分けて行うことも可能である。また、重合終了後に得られるポリエチレン系重合体は、従来既知の方法により重合溶媒から分離回収され、乾燥して得ることができる。
【0045】
本発明のポリエチレン系重合体製造用触媒は特に超高分子量のポリエチレン系重合体を製造するのに適したものであり、得られるポリエチレン系重合体としては、耐摩耗性等の機械物性に優れるポリエチレン系重合体となることから固有粘度(dL/g)28.0以上又はMvが700万以上であることが好ましく、さらには固有粘度(dL/g)28.0以上45.0以下又はMvが700万以上1400万以下であることが好ましい。