特許第6208119号(P6208119)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6208119
(24)【登録日】2017年9月15日
(45)【発行日】2017年10月4日
(54)【発明の名称】新規化合物及び感光性樹脂組成物
(51)【国際特許分類】
   C07D 401/12 20060101AFI20170925BHJP
   C07D 403/12 20060101ALI20170925BHJP
   C08F 2/48 20060101ALI20170925BHJP
【FI】
   C07D401/12
   C07D403/12
   C08F2/48
【請求項の数】6
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2014-506122(P2014-506122)
(86)(22)【出願日】2013年3月5日
(86)【国際出願番号】JP2013055968
(87)【国際公開番号】WO2013141014
(87)【国際公開日】20130926
【審査請求日】2016年1月6日
(31)【優先権主張番号】特願2012-65659(P2012-65659)
(32)【優先日】2012年3月22日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2012-194007(P2012-194007)
(32)【優先日】2012年9月4日
(33)【優先権主張国】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000000387
【氏名又は名称】株式会社ADEKA
(74)【代理人】
【識別番号】110002170
【氏名又は名称】特許業務法人翔和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大石 武雄
(72)【発明者】
【氏名】君島 孝一
(72)【発明者】
【氏名】冨永 信秀
(72)【発明者】
【氏名】科野 裕克
(72)【発明者】
【氏名】沢本 大介
(72)【発明者】
【氏名】村田 聖
【審査官】 池上 京子
(56)【参考文献】
【文献】 韓国公開特許第10−2009−0008811(KR,A)
【文献】 特開2006−257248(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/078678(WO,A1)
【文献】 国際公開第2011/030645(WO,A1)
【文献】 国際公開第2007/062963(WO,A1)
【文献】 SUYAMA,K. et al.,Thermally stable carbamates as novel photobase generator,Journal of Photopolymer Science and Technology,2005年,Vol.18, No.1,p.141-148
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)で表される新規化合物。
【化1】
(式中、R1は、無置換若しくは置換基を有している炭素原子数1〜20の脂肪族炭化水素基又は無置換若しくは置換基を有している炭素原子数6〜20の芳香族炭化水素基を表し、
2及びR3は、連結して、イミダゾール環又はピペリジン環を形成し、
4は、無置換若しくは置換基を有している炭素原子数1〜20の脂肪族炭化水素基、無置換若しくは置換基を有している炭素原子数6〜20の芳香族炭化水素基又は無置換若しくは置換基を有している炭素原子数2〜20の複素環基を表し、
5、R6、R7、R8、R9、R10及びR11は、それぞれ独立に、水素原子、シアノ基、ニトロ基、−OR12、−COOR12、−CO−R12、−SR12、ハロゲン原子、無置換若しくは置換基を有している炭素原子数1〜20の脂肪族炭化水素基又は無置換若しくは置換基を有している炭素原子数6〜20の芳香族炭化水素基を表し、R12は、無置換若しくは置換基を有している炭素原子数1〜20の脂肪族炭化水素基、無置換若しくは置換基を有している炭素原子数6〜20の芳香族炭化水素基又は無置換若しくは置換基を有している炭素原子数2〜20の複素環基を表し、
nは、0又は1を表す。)
【請求項2】
上記一般式(1)中のR1が、無置換若しくは置換基を有している炭素原子数6〜20の芳香族炭化水素基である請求項1に記載の新規化合物。
【請求項3】
上記一般式(1)中のR5、R6、R7、R8、R9、R10及びR11の内、少なくとも一つがニトロ基である請求項1に記載の新規化合物。
【請求項4】
上記一般式(1)中のnが、0である請求項1に記載の新規化合物。
【請求項5】
(A)下記一般式(1)で表される化合物を少なくとも1種含む光開始剤及び(B)感光性樹脂を含有する感光性樹脂組成物。
【化2】
(式中、R1は、無置換若しくは置換基を有している炭素原子数1〜20の脂肪族炭化水素基又は無置換若しくは置換基を有している炭素原子数6〜20の芳香族炭化水素基を表し、
2及びR3は、連結して、イミダゾール環又はピペリジン環を形成し、
4は、無置換若しくは置換基を有している炭素原子数1〜20の脂肪族炭化水素基、無置換若しくは置換基を有している炭素原子数6〜20の芳香族炭化水素基又は無置換若しくは置換基を有している炭素原子数2〜20の複素環基を表し、
5、R6、R7、R8、R9、R10及びR11は、それぞれ独立に、水素原子、シアノ基、ニトロ基、−OR12、−COOR12、−CO−R12、−SR12、ハロゲン原子、無置換若しくは置換基を有している炭素原子数1〜20の脂肪族炭化水素基又は無置換若しくは置換基を有している炭素原子数6〜20の芳香族炭化水素基を表し、R12は、無置換若しくは置換基を有している炭素原子数1〜20の脂肪族炭化水素基、無置換若しくは置換基を有している炭素原子数6〜20の芳香族炭化水素基又は無置換若しくは置換基を有している炭素原子数2〜20の複素環基を表し、
nは、0又は1を表す。)
【請求項6】
請求項5に記載の感光性樹脂組成物にエネルギー線を照射してなる硬化物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感光性樹脂組成物に用いられる光塩基発生剤として有用な新規化合物、感光性樹脂に該化合物を含有させてなる感光性樹脂組成物、及び該感光性樹脂組成物の硬化物に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、感光性樹脂組成物は、感光性樹脂に光開始剤を加えたものであり、エネルギー線(光)照射により重合硬化、又は現像させることが出来るため、光硬化性インキ、感光性印刷版、各種フォトレジスト、光硬化性接着剤等に用いられている。
【0003】
光開始剤は、エネルギー線(光)照射により発生する活性種の違いで、光ラジカル発生剤、光酸発生剤、光塩基発生剤に分けられる。光ラジカル発生剤は、硬化速度が速く、硬化後に活性種が残存しない等の長所がある一方、酸素による硬化阻害が起こるため薄膜の硬化においては酸素を遮断する層等を設けなければならないという短所がある。光酸発生剤は、酸素による阻害を受けないという長所がある一方、活性種の酸が残存することで金属基板を腐食させたり、硬化後の樹脂を変性させたりする等の短所がある。光塩基発生剤は、前記の酸素による硬化阻害及び残存活性種による腐食といった問題を生じにくいため注目されているが、概して光酸発生剤と比較すると低感度(低硬化性)という問題があった。光塩基発生剤は、例えば特許文献1〜3等により開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】欧州特許1032576号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開2011/233048号明細書
【特許文献3】国際公開WO2010/064632号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、本発明の目的は、満足できる感度(塩基発生能)を有する新規な化合物、該化合物を光開始剤として含有してなる感光性樹脂組成物及びその硬化物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、鋭意検討を行い、特定の構造を有する化合物が光開始剤として、高い感度(塩基発生能)を有することを知見した。
【0007】
即ち、本発明は、上記知見に基づいてなされたものであって、下記一般式(1)で表される新規化合物を提供するものである。
【0008】
【化1】
(式中、R1は、無置換若しくは置換基を有している炭素原子数1〜20の脂肪族炭化水素基又は無置換若しくは置換基を有している炭素原子数6〜20の芳香族炭化水素基を表し、
2及びR3は、それぞれ独立に、水素原子、無置換若しくは置換基を有している炭素原子数1〜20の脂肪族炭化水素基又はフェニル基であるか、R2及びR3が、互いに連結して形成する窒素原子及び炭素原子からなる環であり、
4は、無置換若しくは置換基を有している炭素原子数1〜20の脂肪族炭化水素基、無置換若しくは置換基を有している炭素原子数6〜20の芳香族炭化水素基又は無置換若しくは置換基を有している炭素原子数2〜20の複素環基を表し、
5、R6、R7、R8、R9、R10及びR11は、それぞれ独立に、水素原子、シアノ基、ニトロ基、−OR12、−COOR12、−CO−R12、−SR12、ハロゲン原子、無置換若しくは置換基を有している炭素原子数1〜20の脂肪族炭化水素基、無置換若しくは置換基を有している炭素原子数6〜20の芳香族炭化水素基又は無置換若しくは置換基を有している炭素原子数2〜20の複素環基を表し、R12は、無置換若しくは置換基を有している炭素原子数1〜20の脂肪族炭化水素基、無置換若しくは置換基を有している炭素原子数6〜20の芳香族炭化水素基又は無置換若しくは置換基を有している炭素原子数2〜20の複素環基を表し、nは、0又は1を表す。)
【0009】
また、本発明は、(A)上記一般式(1)で表される化合物を少なくとも1種含む光開始剤及び(B)感光性樹脂を含有する感光性樹脂組成物を提供するものである。
また、本発明は、上記感光性樹脂組成物にエネルギー線を照射してなる硬化物を提供するものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の新規化合物は、光開始剤として用いた場合、従来の光塩基発生剤よりも効率的に塩基を発生させることができるため、低露光量においても感光性樹脂を硬化させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明について、その好ましい実施形態について詳細に説明する。
本発明の新規化合物は、上記一般式(1)で表されるものである。該オキシムエステル化合物には、オキシムの二重結合による幾何異性体が存在するが、これらを区別するものではない。
即ち、本明細書において、上記一般式(1)で表される化合物、並びに後述する該化合物の好ましい形態である化合物及び例示化合物は両方の混合物又はどちらか一方を表すものであり、異性体を示した構造に限定するものではない。
尚、一般式(1)中のR1〜R12で表される基が、炭素原子を含む基により中断又は置換されている場合、それらの炭素原子数を含めた数が規定の炭素原子数となる。
【0012】
上記一般式(1)中のR1で表される無置換の炭素原子数1〜20の脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、アミル、イソアミル、t−アミル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル、2−エチルヘキシル、t−オクチル、ノニル、イソノニル、デシル、イソデシル、ウンデシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、イコシル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチル等が挙げられ、これらの脂肪族炭化水素基は、−O−、−COO−、−OCO−、−CO−、−CS−、−S−、−SO−、−SO2−、−NR−、−NR−CO−、−CO−NR−、−NR−COO−、−OCO−NR−又は−SiRR’−で中断されていてもよい。但し、これら中断する2価の基は隣り合わないものとする。
R及びR’は、無置換の脂肪族炭化水素基であり、無置換の脂肪族炭化水素基としては、上記のR1で表される無置換の炭素原子数1〜20の脂肪族炭化水素基として例示したものと同様の基が挙げられる。
【0013】
上記一般式(1)中のR1で表される無置換の炭素原子数6〜20の芳香族炭化水素基としては、フェニル、ナフチル、フェナントリル、ピレニル及びビフェニル、並びに脂肪族炭化水素基により置換されたフェニル、ナフチル、フェナントリル、ピレニル及びビフェニル等が挙げられ、これらの芳香族炭化水素基中のアルキレン部分又はR1とR1の結合部は、−O−、−COO−、−OCO−、−CO−、−CS−、−S−、−SO−、−SO2−、−NR−、−NR−CO−、−CO−NR−、−NR−COO−、−OCO−NR−又は−SiRR’−で中断されていてもよい。但し、これら中断する2価の基は隣り合わないものとする。
上記脂肪族炭化水素基としては、上記のR1で表される無置換の炭素原子数1〜20の脂肪族炭化水素基として例示したものと同様の基が挙げられる。
R及びR’は、無置換の脂肪族炭化水素基であり、無置換の脂肪族炭化水素基としては、上記のR1で表される無置換の炭素原子数1〜20の脂肪族炭化水素基として例示したものと同様の基が挙げられる。
【0014】
1で表される置換基を有している炭素原子数1〜20の脂肪族炭化水素基及び置換基を有している炭素原子数6〜20の芳香族炭化水素基としては、上記で説明した無置換体の水素原子が、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、シアノ基、ニトロ基、水酸基、チオール基、−COOH又は−SO2Hで置換されているものが挙げられる。
【0015】
2及びR3で表される無置換若しくは置換基を有している炭素原子数1〜20の脂肪族炭化水素基としては、上記R1の説明で例示したものと同様の基が挙げられる。また、R2及びR3が連結して形成する窒素原子及び炭素原子からなる環としては、結合している窒素原子を含めた基として、ピロール基、ピロリジン基、イミダゾール基、イミダゾリジン基、イミダゾリン基、ピラゾール基、ピラゾリジン基、ピペリジン基、ピペラジン基等が挙げられ、これらの環の水素原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、シアノ基、ニトロ基、水酸基、チオール基、−COOH、−SO2H又は脂肪族炭化水素基により置換されていてもよい。
上記脂肪族炭化水素基としては、上記のR1で表される無置換の炭素原子数1〜20の脂肪族炭化水素基として例示したものと同様の基が挙げられる。
【0016】
上記一般式(1)中の、R4で表される無置換若しくは置換基を有している炭素原子数1〜20の脂肪族炭化水素基、無置換若しくは置換基を有している炭素原子数6〜20の芳香族炭化水素基としては、上記R1の説明で例示したものと同様の基(但し、R4と結合する窒素原子との結合部を中断する基は無い)が挙げられ、
4で表される無置換の炭素原子数2〜20の複素環基としては、テトラヒドロフラン基、ジオキソラニル基、テトラヒドロピラニル基、モルホリルフラン基、チオフェン基、メチルチオフェン基、ヘキシルチオフェン基、ベンゾチオフェン基、ピロール基、ピロリジン基、イミダゾール基、イミダゾリジン基、イミダゾリン基、ピラゾール基、ピラゾリジン基、ピペリジン基及びピペラジン基、並びに脂肪族炭化水素基で置換されたテトラヒドロフラン基、ジオキソラニル基、テトラヒドロピラニル基、モルホリルフラン基、チオフェン基、メチルチオフェン基、ヘキシルチオフェン基、ベンゾチオフェン基、ピロール基、ピロリジン基、イミダゾール基、イミダゾリジン基、ピラゾール基、ピラゾリジン基、ピペリジン基及びピペラジン基等が挙げられ、これらの複素環基中のアルキレン部分及び複素環とアルキル基との結合部は、−O−、−COO−、−OCO−、−CO−、−CS−、−S−、−SO−、−SO2−、−NR−、−NR−CO−、−CO−NR−、−NR−COO−、−OCO−NR−又は−SiRR’−で中断されていてもよい。但し、これら中断する2価の基は隣り合わないものとする。
上記脂肪族炭化水素基としては、上記のR1で表される無置換の炭素原子数1〜20の脂肪族炭化水素基として例示したものが挙げられる。
R及びR’は、無置換の脂肪族炭化水素基であり、無置換の脂肪族炭化水素基としては、上記のR1で表される無置換の炭素原子数1〜20の脂肪族炭化水素基として例示したものと同様の基が挙げられる。
【0017】
4で表される置換基を有している炭素原子数2〜20の複素環基としては、上記で説明した無置換の複素環基の水素原子が、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、シアノ基、ニトロ基、水酸基、チオール基、−COOH又は−SO2Hで置換されているものが挙げられる。尚、中断される基に炭素原子を含む場合、及び置換基を有する場合には、それらの炭素原子数を含めた数が規定の炭素原子数となる。
【0018】
5、R6、R7、R8、R9、R10、R11及びR12で表される無置換若しくは置換基を有している炭素原子数1〜20の脂肪族炭化水素基、無置換若しくは置換基を有している炭素原子数6〜20の芳香族炭化水素基又は無置換若しくは置換基を有している炭素原子数2〜20の複素環基としては、上記R4の説明で例示したものと同様の基が挙げられる。
【0019】
上記一般式(1)で表される新規化合物としては、UV感度、硬化性組成物に用いた場合の硬化性に優れる点から、R2又はR3がフェニル基である化合物;R2及びR3のいずれも水素原子ではない化合物;R2及びR3が互いに連結して環を形成している化合物;R5、R6、R7、R8、R9、R10及びR11の少なくとも一つがニトロ基である化合物;nが0である化合物が好ましく、R2及びR3が互いに連結してイミダゾール環又はイミダゾリン環を形成している化合物;R2及びR3が互いに連結してピペリジン環を形成している化合物;R10がニトロ基である化合物が更に好ましい。
また、UV感度に優れ、吸収波長の長波長化及び樹脂への溶解性に優れる点から、R1が無置換若しくは置換基を有している炭素原子数6〜20の芳香族炭化水素基である化合物が好ましく、R1がフェニル基、ナフチル基、又はニトロ基、−COOH若しくは炭素原子数1〜20の脂肪族炭化水素基(−O−、−COO−、−OCO−、−CO−で中断されているものを含む)で置換されたフェニル基若しくはナフチル基である化合物が更に好ましい。
また、UV感度に優れ、吸収波長の長波長化及び樹脂への溶解性に優れる点から、;R5、R6、R7、R8、R9、R10及びR11の少なくとも一つがシアノ基、水酸基、カルボキシル基又はチオール基である化合物が好ましく、少なくとも一つがニトロ基である化合物がより好ましく、R10がニトロ基である化合物が特に好ましい。
また、UV感度に優れ、樹脂への溶解性に優れる点から、R4が無置換若しくは置換基を有している炭素原子数1〜20の脂肪族炭化水素基(−O−、−COO−、−OCO−、−CO−で中断されているものを含む)、フェニル基又はナフチル基である化合物が好ましく、炭素原子数1〜10の無置換脂肪族炭化水素基である化合物がより好ましい。
また、UV感度に優れ、吸収波長の長波長化及び樹脂への溶解性に優れる点から、R5、R6、R7、R8、R9、R10及びR11の少なくとも一つが−CO−R12で表される化合物が好ましく、R10が−CO−R12である化合物がより好ましく、中でもR12がハロゲン原子により置換されたフェニルであることが特に好ましい。
【0020】
上記一般式(1)で表される新規化合物の具体例としては、以下の化合物No.1〜No.43が挙げられる。但し、本発明は以下の化合物により何ら制限を受けるものではない。
【0021】
【化2】
【0022】
【化3】
【0023】
【化4】
【0024】
【化5】
【0025】
【化6】
【0026】
【化6A】
【0027】
上記一般式(1)で表される新規化合物は、特に限定されないが、例えば、下記〔化7〕の方法で製造できる。
即ち、オキシム体(2)とイソシアネート体(3)をジメチルホルムアミド(DMF)中で触媒を用いて反応させることで一般式(1)のR3が水素原子である新規化合物(1’)を得る。R3に水素原子以外の基を導入するにはその後、定法に従いアルキル鎖等を導入することができる。また、上記一般式(1)におけるR2及びR3が互いに連結して窒素原子と形成する環がイミダゾール環である化合物の合成には、イソシアネート体3の代わりに、カルボニルジイミダゾールを原料とすることで合成が可能である。
【0028】
【化7】
(式中、R1、R2、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11及びnは上記一般式(1)と同じである。)
【0029】
本発明の新規化合物は、感光性樹脂の硬化性に優れる点、エネルギー線に対する感度が高い点から、以下で説明する光塩基発生剤である光開始剤として好適に用いることが出来るほか、化学増幅型レジスト等に用いることが出来る。
【0030】
次に、本発明の感光性樹脂組成物について説明する。尚、特に説明しない点については、本発明の新規化合物における説明が適宜適用される。
【0031】
<(A)光開始剤>
本発明の感光性樹脂組成物において、(A)光開始剤は上記一般式(1)で表される化合物を少なくとも1種含んでいるものである。光開始剤中における上記一般式(1)で表される化合物の含有量は、好ましくは1〜100質量%、より好ましくは50〜100質量%である。
本発明の感光性樹脂組成物において、(A)光開始剤の含有量は、(B)感光性樹脂組成物100質量部に対して、好ましくは1〜20質量部、より好ましくは1〜10質量部である。(A)光開始剤の含有量が、1質量部未満であると、感度不足による硬化不良などが起こる可能性があり、20質量部を超えると光照射時又は加熱時の揮発物が多くなる可能性がある。
【0032】
<(B)感光性樹脂>
本発明で用いられる(B)感光性樹脂は、アニオン重合性官能基、又は塩基を触媒とし硬化温度が低温化する樹脂を示し、紫外線等のエネルギー線を照射することにより重合して硬化する感光性樹脂又は硬化温度が低温化する硬化樹脂である。上記アニオン重合性官能基とは、紫外線等の活性エネルギー線によって光塩基発生剤から発生する塩基により重合しうる官能基を意味し、例えば、エポキシ基、エピスルフィド基、環状モノマー(σ-バレロラクトン、ε-カプロラクタム)、イソシアネートとアルコールによるウレタン結合形成の触媒、(メタ)アクリル基のマイケル付加触媒、等が挙げられる。(B)感光性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ナイロン樹脂、、ポリエステル樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。中でも、速やかに反応が進行することや接着性が良好であるという点から、エポキシ樹脂が好適である。
【0033】
上記エポキシ樹脂としては、例えば、ハイドロキノン、レゾルシン、ピロカテコール、フロログルクシノール等の単核多価フェノール化合物のポリグリシジルエーテル化合物;ジヒドロキシナフタレン、ビフェノール、メチレンビスフェノール(ビスフェノールF)、メチレンビス(オルトクレゾール)、エチリデンビスフェノール、イソプロピリデンビスフェノール(ビスフェノールA)、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、イソプロピリデンビス(オルトクレゾール)、テトラブロモビスフェノールA、1,3−ビス(4−ヒドロキシクミルベンゼン)、1,4−ビス(4−ヒドロキシクミルベンゼン)、1,1,3−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,2,2−テトラ(4−ヒドロキシフェニル)エタン、チオビスフェノール、スルホビスフェノール、オキシビスフェノール、フェノールノボラック、オルソクレゾールノボラック、エチルフェノールノボラック、ブチルフェノールノボラック、オクチルフェノールノボラック、レゾルシンノボラック、テルペンフェノール等の多核多価フェノール化合物のポリグリシジルエーテル化合物;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ポリグリコール、チオジグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ビスフェノールA−エチレンオキシド付加物等の多価アルコール類のポリグリシジルエーテル;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、コハク酸、グルタル酸、スベリン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ダイマー酸、トリマー酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸等の脂肪族、芳香族又は脂環族多塩基酸のグリシジルエステル類、及びグリシジルメタクリレートの単独重合体又は共重合体;N,N−ジグリシジルアニリン、ビス(4−(N−メチル−N−グリシジルアミノ)フェニル)メタン、ジグリシジルオルトトルイジン等のグリシジルアミノ基を有するエポキシ化合物;ビニルシクロヘキセンジエポキシド、ジシクロペンタンジエンジエポキサイド、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート等の環状オレフィン化合物のエポキシ化物;エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化アクリロニトリル−ブタジエン共重合物、エポキシ化スチレン−ブタジエン共重合物等のエポキシ化共役ジエン重合体、トリグリシジルイソシアヌレート等の複素環化合物が挙げられる。また、これらのエポキシ樹脂は末端イソシアネートのプレポリマーによって内部架橋されたもの或いは多価の活性水素化合物(多価フェノール、ポリアミン、カルボニル基含有化合物、ポリリン酸エステル等)で高分子量化したものでもよい。
上記エポキシ樹脂の中では、硬化性に優れる点から、グリシジル基を有するものが好ましく、2官能以上のグリシジル基を有するものがより好ましい。
【0034】
上記ポリアミド樹脂としては、酸二無水物としてはエチレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2,3,3−ビフェニルテトラカルボン酸無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、ジアミンとしては、(o−,m−若しくはp−)フェニレンジアミン、(3,3'−若しくは4,4’−)ジアミノジフェニルエーテル、ジアミノベンゾフェノンノン、(3,3’−若しくは4,4’−)ジアミノジフェニルメタン等を原料とする樹脂が挙げられる。
【0035】
上記ポリウレタン樹脂としては、ジイソシアネートとして、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の多官能イソシアネートと、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール等のポリオール(多官能アルコール)とを原料とする樹脂等が挙げられる。
また、上記ナイロン樹脂としては、ε―カプロラクタム、ラウリルラクタム等の環状モノマーを原料とした樹脂等が挙げられる。
また、上記ポリエステル樹脂としては、δ―バレロラクトン、β―プロピオラクトン等の環状モノマーを原料とした樹脂等が挙げられる。
【0036】
<(C)添加剤>
本発明の感光性樹脂組成物には、任意成分として、無機化合物、色材、潜在性エポキシ硬化剤、連鎖移動剤、増感剤、溶剤等の添加剤を用いることができる。
【0037】
上記無機化合物としては、例えば、酸化ニッケル、酸化鉄、酸化イリジウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化カリウム、シリカ、アルミナ等の金属酸化物;層状粘土鉱物、ミロリブルー、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、コバルト系、マンガン系、ガラス粉末(特にガラスフリット)、マイカ、タルク、カオリン、フェロシアン化物、各種金属硫酸塩、硫化物、セレン化物、アルミニウムシリケート、カルシウムシリケート、水酸化アルミニウム、白金、金、銀、銅等が挙げられる。これらの無機化合物は、例えば、充填剤、反射防止剤、導電材、安定剤、難燃剤、機械的強度向上剤、特殊波長吸収剤、発インク剤等として用いられる。
【0038】
上記色材としては、顔料、染料、天然色素等が挙げられる。これらの色材は、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
【0039】
上記顔料としては、例えば、ニトロソ化合物;ニトロ化合物;アゾ化合物;ジアゾ化合物;キサンテン化合物;キノリン化合物;アントラキノン化合物;クマリン化合物;フタロシアニン化合物;イソインドリノン化合物;イソインドリン化合物;キナクリドン化合物;アンタンスロン化合物;ペリノン化合物;ペリレン化合物;ジケトピロロピロール化合物;チオインジゴ化合物;ジオキサジン化合物;トリフェニルメタン化合物;キノフタロン化合物;ナフタレンテトラカルボン酸;アゾ染料、シアニン染料の金属錯体化合物;レーキ顔料;ファーネス法、チャンネル法又はサーマル法によって得られるカーボンブラック、或いはアセチレンブラック、ケッチェンブラック又はランプブラック等のカーボンブラック;上記カーボンブラックをエポキシ樹脂で調整又は被覆したもの、上記カーボンブラックを予め溶媒中で樹脂で分散処理し、20〜200mg/gの樹脂を吸着させたもの、上記カーボンブラックを酸性又はアルカリ性表面処理したもの、平均粒径が8nm以上でDBP吸油量が90ml/100g以下のカーボンブラック、950℃における揮発分中のCO及びCO2から算出した全酸素量が、表面積100m2当たり9mg以上であるカーボンブラック;黒鉛、黒鉛化カーボンブラック、活性炭、炭素繊維、カーボンナノチューブ、カーボンマイクロコイル、カーボンナノホーン、カーボンエアロゲル、フラーレン;アニリンブラック、ピグメントブラック7、チタンブラック;酸化クロム緑、ミロリブルー、コバルト緑、コバルト青、マンガン系、フェロシアン化物、リン酸塩群青、紺青、ウルトラマリン、セルリアンブルー、ピリジアン、エメラルドグリーン、硫酸鉛、黄色鉛、亜鉛黄、べんがら(赤色酸化鉄(III))、カドミウム赤、合成鉄黒、アンバー等の有機又は無機顔料を用いることができる。これらの顔料は単独で、或いは複数を混合して用いることができる。
【0040】
上記顔料としては、市販の顔料を用いることもでき、例えば、ピグメントレッド1、2、3、9、10、14、17、22、23、31、38、41、48、49、88、90、97、112、119、122、123、144、149、166、168、169、170、171、177、179、180、184、185、192、200、202、209、215、216、217、220、223、224、226、227、228、240、254;ピグメントオレンジ13、31、34、36、38、43、46、48、49、51、52、55、59、60、61、62、64、65、71;ピグメントイエロー1、3、12、13、14、16、17、20、24、55、60、73、81、83、86、93、95、97、98、100、109、110、113、114、117、120、125、126、127、129、137、138、139、147、148、150、151、152、153、154、166、168、175、180、185;ピグメントグリ−ン7、10、36;ピグメントブルー15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:5、15:6、22、24、56、60、61、62、64;ピグメントバイオレット1、19、23、27、29、30、32、37、40、50等が挙げられる。
【0041】
上記染料としては、アゾ染料、アントラキノン染料、インジゴイド染料、トリアリールメタン染料、キサンテン染料、アリザリン染料、アクリジン染料スチルベン染料、チアゾール染料、ナフトール染料、キノリン染料、ニトロ染料、インダミン染料、オキサジン染料、フタロシアニン染料、シアニン染料等の染料等が挙げられ、これらは複数を混合して用いてもよい。
【0042】
上記潜在性エポキシ硬化剤としては、例えば、ジシアンジアミド、変性ポリアミン、ヒドラジド類、4,4'−ジアミノジフェニルスルホン、三フッ化ホウ素アミン錯塩、イミダゾール類、グアナミン類、イミダゾール類、ウレア類及びメラミン等が挙げられる。
【0043】
上記連鎖移動剤又は増感剤としては、一般的に硫黄原子含有化合物が用いられる。例えばチオグリコール酸、チオリンゴ酸、チオサリチル酸、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプト酪酸、N−(2−メルカプトプロピオニル)グリシン、2−メルカプトニコチン酸、3−[N−(2−メルカプトエチル)カルバモイル]プロピオン酸、3−[N−(2−メルカプトエチル)アミノ]プロピオン酸、N−(3−メルカプトプロピオニル)アラニン、2−メルカプトエタンスルホン酸、3−メルカプトプロパンスルホン酸、4−メルカプトブタンスルホン酸、ドデシル(4−メチルチオ)フェニルエーテル、2−メルカプトエタノール、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール、1−メルカプト−2−プロパノール、3−メルカプト−2−ブタノール、メルカプトフェノール、2−メルカプトエチルアミン、2−メルカプトイミダゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプト−3−ピリジノール、2−メルカプトベンゾチアゾール、メルカプト酢酸、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)等のメルカプト化合物、該メルカプト化合物を酸化して得られるジスルフィド化合物、ヨード酢酸、ヨードプロピオン酸、2−ヨードエタノール、2−ヨードエタンスルホン酸、3−ヨードプロパンスルホン酸等のヨード化アルキル化合物、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトイソブチレート)、ブタンジオールビス(3−メルカプトイソブチレート)、ヘキサンジチオール、デカンジチオール、1,4−ジメチルメルカプトベンゼン、ブタンジオールビスチオプロピオネート、ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、ブタンジオールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、トリスヒドロキシエチルトリスチオプロピオネート、ジエチルチオキサントン、ジイソプロピルチオキサントン、下記化合物No.C1、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等の脂肪族多官能チオール化合物、昭和電工社製カレンズMT BD1、PE1、NR1等が挙げられる。
【0044】
【化8】
【0045】
上記溶剤としては、通常、前記の各成分((A)光開始剤及び(B)感光性樹脂等)を溶解又は分散しえる溶媒、例えば、メチルエチルケトン、メチルアミルケトン、ジエチルケトン、アセトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン等のケトン類;エチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶媒;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸−n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸シクロヘキシル、乳酸エチル、コハク酸ジメチル、テキサノール等のエステル系溶媒;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のセロソルブ系溶媒;メタノール、エタノール、イソ−又はn−プロパノール、イソ−又はn−ブタノール、アミルアルコール等のアルコール系溶媒;エチレングリコールモノメチルアセテート、エチレングリコールモノエチルアセテート、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、エトキシエチルプロピオネート等のエーテルエステル系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン等のBTX系溶媒;ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒;テレピン油、D−リモネン、ピネン等のテルペン系炭化水素油;ミネラルスピリット、スワゾール#310(コスモ松山石油(株))、ソルベッソ#100(エクソン化学(株))等のパラフィン系溶媒;四塩化炭素、クロロホルム、トリクロロエチレン、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化脂肪族炭化水素系溶媒;クロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素系溶媒;カルビトール系溶媒;アニリン;トリエチルアミン;ピリジン;酢酸;アセトニトリル;二硫化炭素;N,N−ジメチルホルムアミド;N,N−ジメチルアセトアミド;N−メチルピロリドン;ジメチルスルホキシド;水等を用いることができ、これらの溶媒は1種で又は2種以上の混合溶媒として使用することができる。
これらの中でも、アルカリ現像性、パターニング性、製膜性、溶解性の点から、ケトン類又はエーテルエステル系溶媒、特に、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート又はシクロヘキサノンが好ましく用いられる。
本発明の感光性樹脂組成物において、溶媒の含有量は、特に制限されず、各成分が均一に分散又は溶解され、また本発明の感光性樹脂組成物が各用途に適した液状ないしペースト状を呈する量であればよいが、通常、本発明の感光性樹脂組成物中の固形分(溶媒以外の全成分)の量が10〜90質量%となる範囲で溶媒を含有させることが好ましい。
【0046】
また、本発明の感光性樹脂組成物は、有機重合体を用いることによって、硬化物の特性を改善することもできる。該有機重合体としては、例えば、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、メチルメタクリレート−エチルアクリレート共重合体、ポリ(メタ)アクリル酸、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸−メチルメタクリレート共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル樹脂、ABS樹脂、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、ウレタン樹脂、ポリカーボネートポリビニルブチラール、セルロースエステル、ポリアクリルアミド、飽和ポリエステル、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられる。
上記有機重合体を使用する場合、その使用量は、(B)感光性樹脂100質量部に対して、好ましくは10〜500質量部である。
【0047】
本発明の感光性樹脂組成物には、更に、界面活性剤、シランカプリング剤、メラミン化合物等を併用することができる。
【0048】
上記界面活性剤としては、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルカルボン酸塩等のフッ素界面活性剤;高級脂肪酸アルカリ塩、アルキルスルホン酸塩、アルキル硫酸塩等のアニオン系界面活性剤;高級アミンハロゲン酸塩、第四級アンモニウム塩等のカチオン系界面活性剤;ポリエチレングリコールアルキルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド等の非イオン界面活性剤;両性界面活性剤;シリコーン系界面活性剤等の界面活性剤を用いることができ、これらは組み合わせて用いてもよい。
【0049】
上記シランカップリング剤としては、例えば信越化学社製シランカップリング剤を用いることができ、その中でも、KBE−9007、KBM−502、KBE−403等の、イソシアネート基、メタクリロイル基又はエポキシ基を有するシランカップリング剤が好適に用いられる。
【0050】
上記メラミン化合物としては、(ポリ)メチロールメラミン、(ポリ)メチロールグリコールウリル、(ポリ)メチロールベンゾグアナミン、(ポリ)メチロールウレア等の窒素化合物中の活性メチロール基(CH2OH基)の全部又は一部(少なくとも2つ)がアルキルエーテル化された化合物等を挙げることができる。
ここで、アルキルエーテルを構成するアルキル基としては、メチル基、エチル基又はブチル基が挙げられ、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。また、アルキルエーテル化されていないメチロール基は、一分子内で自己縮合していてもよく、二分子間で縮合して、その結果オリゴマー成分が形成されていてもよい。
具体的には、ヘキサメトキシメチルメラミン、ヘキサブトキシメチルメラミン、テトラメトキシメチルグリコールウリル、テトラブトキシメチルグリコールウリル等を用いることができる。
これらの中でも、溶媒への溶解性、感光性樹脂組成物から結晶析出しにくいという点から、ヘキサメトキシメチルメラミン、ヘキサブトキシメチルメラミン等のアルキルエーテル化されたメラミンが好ましい。
【0051】
本発明の感光性樹脂組成物において、(A)光重合開始剤及び(B)感光性樹脂以外の任意成分(但し、無機化合物、色材、及び溶剤は除く)の使用量は、その使用目的に応じて適宜選択され特に制限されないが、好ましくは、(B)感光性樹脂100質量部に対して合計で50質量部以下とする。
【0052】
本発明の感光性樹脂組成物は、エネルギー線を照射して硬化物とすることができる。該硬化物は、用途に応じた適宜な形状として形成される。例えば膜状の硬化物を形成する場合には、本発明の感光性樹脂組成物は、スピンコーター、ロールコーター、バーコーター、ダイコーター、カーテンコーター、各種の印刷、浸漬等の公知の手段で、ソーダガラス、石英ガラス、半導体基板、金属、紙、プラスチック等の支持基体上に適用することができる。また、一旦フィルム等の支持基体上に施した後、他の支持基体上に転写することもでき、その適用方法に制限はない。
【0053】
本発明の感光性樹脂組成物を硬化させる際に用いられるエネルギー線の光源としては、超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、中圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、水銀蒸気アーク灯、キセノンアーク灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、蛍光灯、タングステンランプ、エキシマーランプ、殺菌灯、発光ダイオード、CRT光源等から得られる2000オングストローム〜7000オングストロームの波長を有する電磁波エネルギーや電子線、X線、放射線等の高エネルギー線を利用することができるが、好ましくは、波長300〜450nmの光を発光する超高圧水銀ランプ、水銀蒸気アーク灯、カーボンアーク灯、キセノンアーク灯等が用いられる。
【0054】
更に、露光光源にレーザー光を用いることにより、マスクを用いずに、コンピューター等のデジタル情報から直接画像を形成するレーザー直接描画法が、生産性のみならず、解像性や位置精度等の向上も図れることから有用であり、そのレーザー光としては、340〜430nmの波長の光が好適に使用されるが、エキシマーレーザー、窒素レーザー、アルゴンイオンレーザー、ヘリウムカドミウムレーザー、ヘリウムネオンレーザー、クリプトンイオンレーザー、各種半導体レーザー及びYAGレーザー等の可視から赤外領域の光を発するものも用いることができる。これらのレーザー光を使用する場合には、好ましくは、可視から赤外の当該領域を吸収する増感色素が加えられる。
【0055】
また、本発明の感光性樹脂組成物の硬化には、上記エネルギー線の照射後、加熱することが通常必要であり、40〜150℃程度の加熱が硬化率の点で好ましい。
【0056】
本発明の感光性樹脂組成物は、光硬化性塗料又はワニス;光硬化性接着剤;プリント基板;カラーテレビ、PCモニタ、携帯情報端末、デジタルカメラ等のカラー表示の液晶表示素子におけるカラーフィルタ;CCDイメージセンサのカラーフィルタ;プラズマ表示パネル用の電極材料;粉末コーティング;印刷インク;印刷版;接着剤;歯科用組成物;ゲルコート;電子工学用のフォトレジスト;電気メッキレジスト;エッチングレジスト;ドライフィルム;はんだレジスト;種々の表示用途用のカラーフィルタを製造するための或いはプラズマ表示パネル、電気発光表示装置、及びLCDの製造工程においてそれらの構造を形成するためのレジスト;電気及び電子部品を封入するための組成物;ソルダーレジスト;磁気記録材料;微小機械部品;導波路;光スイッチ;めっき用マスク;エッチングマスク;カラー試験系;ガラス繊維ケーブルコーティング;スクリーン印刷用ステンシル;ステレオリトグラフィによって三次元物体を製造するための材料;ホログラフィ記録用材料;画像記録材料;微細電子回路;脱色材料;画像記録材料のための脱色材料;マイクロカプセルを使用する画像記録材料用の脱色材料;印刷配線板用フォトレジスト材料;UV及び可視レーザー直接画像系用のフォトレジスト材料;プリント回路基板の逐次積層における誘電体層形成に使用するフォトレジスト材料又は保護膜等の各種の用途に使用することができ、その用途に特に制限はない。
【0057】
本発明の感光性樹脂組成物は、液晶表示パネル用スペーサーを形成する目的及び垂直配向型液晶表示素子用突起を形成する目的で使用することもできる。特に垂直配向型液晶表示素子用の突起とスペーサーを同時に形成するための感光性樹脂組成物として有用である。
【0058】
上記の液晶表示パネル用スペーサーは、(1)本発明の感光性樹脂組成物の塗膜を基板上に形成する工程、(2)該塗膜に所定のパターン形状を有するマスクを介してエネルギー線(光)を照射する工程、(3)露光後のベーク工程、(4)露光後の被膜を現像する工程、(5)現像後の該被膜を加熱する工程により好ましく形成される。
【0059】
色材を添加した本発明の感光性樹脂組成物は、カラーフィルタにおけるRGB等の各画素を構成するレジストや、各画素の隔壁を形成するブラックマトリクス用レジストとして好適に用いられる。更に、撥インク剤を添加するブラックマトリクス用レジストの場合、プロファイル角が50°以上であるインクジェット方式カラーフィルタ用隔壁に好ましく用いられる。該撥インク剤としては、フッ素系界面活性剤及びフッ素系界面活性剤を含有する組成物が好適に用いられる。
【0060】
上記インクジェット方式カラーフィルタ用隔壁に用いた場合、本発明の感光性樹脂組成物から形成された隔壁が被転写体上を区画し、区画された被転写体上の凹部にインクジェット法により液滴を付与して画像領域を形成する方法により光学素子が製造される。この際、上記液滴が着色剤を含有し、上記画像領域が着色されていることが好ましく、その場合には、上記の製造方法により作製された光学素子は、基板上に複数の着色領域からなる画素群と該画素群の各着色領域を離隔する隔壁を少なくとも有するものとなる。
【0061】
本発明の感光性樹脂組成物は、保護膜又は絶縁膜用組成物としても用いることができる。この場合、紫外線吸収剤、アルキル化変性メラミン及び/又はアクリル変性メラミン、分子中にアルコール性水酸基を含有する1又は2官能の(メタ)アクリレートモノマー及び/又はシリカゾルを含有することができる。
【0062】
上記絶縁膜は、剥離可能な支持基材上に絶縁樹脂層が設けられた積層体における該絶縁樹脂層に用いられ、該積層体は、アルカリ水溶液による現像が可能なものであり、絶縁樹脂層の膜厚が10〜100μmであることが好ましい。
【0063】
本発明の感光性樹脂組成物は、無機化合物を含有させることで、感光性ペースト組成物として用いることができる。該感光性ペースト組成物は、プラズマディスプレイパネルの隔壁パターン、誘電体パターン、電極パターン及びブラックマトリックスパターン等の焼成物パターンを形成するために用いることができる。
【実施例】
【0064】
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例等に限定されるものではない。
【0065】
実施例1〜12は、本発明の新規化合物(光開始剤)の合成例を示し、実施例13〜16及び比較例1は、本発明の新規化合物及び比較化合物の光分解能の評価を示し、実施例17〜20並びに比較例2及び3は、本発明の新規化合物及び比較化合物のアミン発生能の評価を示し、実施例21及び比較例4は感光性樹脂組成物の調製例及び評価を示す。
【0066】
〔実施例1〕化合物No.1の合成
(E)-(9-ethyl-6-nitro-9H-carbazol-3-yl)(4-((1-methoxypropan-2-yl)oxy)-2-methylphenyl)methanone oximeを50.0g(108mmol)及び脱水DMFを242 gにカルボニルジイミダゾール(CDI)を21.1g(130mmol)を加え、24℃で3時間攪拌した。水と酢酸エチルを加え油水分離し、有機層を水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥、ろ過後、脱溶媒した。得られた粗生成物42.7gをクロロホルム220gとジブチルエーテル128gから晶析し、黄色固体6.6g(収率11.0%)を得た。得られた個体のUVスペクトル(λmax、ε)、TG−DTA(融点/℃、外挿点(分解点) / ℃)、IRスペクトル、1H−NMRを分析し、化合物No.1であることを確認した。結果を〔表1〕〜〔表3〕に示す。
【0067】
〔実施例2〕化合物No.2の合成
(E)-(9-ethyl-6-nitro-9H-carbazol-3-yl)(4-((1-methoxypropan-2-yl)oxy)-2-methylphenyl)methanone oximeを6.00g(13mmol)、アデカスタブBT11(ADEKA社製、ジブチル錫ラウレート)0.2g及び脱水DMFを38gの溶液にイソシアン酸フェニル5.1g(43mmol)を加え、25 ℃で6時間攪拌した。水と酢酸エチルを加え油水分離し、有機層を水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥、ろ過後、脱溶媒した。得られた粗生成物9.6gをシリカゲルカラムクロマトグラムにより精製し、淡黄色固体2.3g(収率34.8%)を得た。得られた個体のUVスペクトル(λmax、ε)、TG−DTA(融点/℃、外挿点(分解点) / ℃)、IRスペクトル、1H−NMRを分析し、化合物No.2であることを確認した。結果を〔表1〕〜〔表3〕に示す。
【0068】
〔実施例3〕化合物No.3の合成
(E)-(9-ethyl-6-nitro-9H-carbazol-3-yl)(4-((1-methoxypropan-2-yl)oxy)-2-methylphenyl)methanone oximeを30.0g(65mmol)、アデカスタブBT11(ADEKA社製、ジブチル錫ラウレート)2.9g及び脱水DMFを182gの溶液にイソシアン酸ブチル15.4g(156mmol)を加え、25℃で8時間攪拌した。水と酢酸エチルを加え油水分離し、有機層を水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥、ろ過後、脱溶媒した。得られた粗生成物58.5gをシリカゲルカラムクロマトグラムにより精製し、黄色固体20.5g(収率56.3%)を得た。得られた個体のUVスペクトル(λmax、ε)、TG−DTA(融点/℃、外挿点(分解点)/℃)、IRスペクトル、1H−NMRを分析し、化合物No.3であることを確認した。結果を〔表1〕〜〔表3〕に示す。
【0069】
〔実施例4〕化合物No.16の合成
(Z)-1-(9-(2-ethylhexyl)-6-nitro-9H-carbazol-3-yl)-2-(hydroxyimino)-2-phenylethanoneを4.00g(8.48mmol)及び脱水DMFを14.40gの溶液を5℃まで冷却し、di(1H-imidazol-1-yl)methanoneを1.65g(10.18mmol)加え、5℃で2時間撹拌した。水と酢酸エチルを加え油水分離し、有機層を水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥、ろ過後、脱溶媒した。得られた粗生成物3.50gをカラムクロマトグラフィーにより精製し、淡黄色固体2.5g(収率52.1%)を得た。得られた個体のUVスペクトル(λmax、ε)、TG−DTA(融点/℃、外挿点(分解点)/℃)、IRスペクトル、1H−NMRを分析し、化合物No.16であることを確認した。結果を〔表1〕〜〔表3〕に示す。
【0070】
〔実施例5〕化合物No.36の合成
(9-ethyl-6-nitro-9H-carbazol-3-yl)(4-((1-methoxypropan-2-yl)oxy)-2-methylphenyl)methanone oximeの9.23gとトリエチルアミン4.05gとジクロロメタン75gを混合して5℃に冷却した。撹拌しながらクロロ炭酸p−ニトロフェニル4.43gをジクロロメタン15gに溶解させたものを30分かけて滴下した。室温まで昇温し、1時間撹拌した。再度5℃まで冷却し、ピペリジン1.87gを滴下した。室温まで昇温し、1時間撹拌した。溶媒を減圧留去し、酢酸エチルで抽出して、5%水酸化ナトリウム水溶液で2回洗浄した。さらに4回水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、酢酸エチルで晶析精製を行い、減圧乾燥して黄色結晶6.84g(ODS純度99%、収率60%)を得た。得られた結晶のUVスペクトル(λmax、ε)、TG−DTA(融点/℃、外挿点(分解点)/℃)、IRスペクトル、1H−NMRを分析し、化合物No.36であることを確認した。結果を〔表1〕〜〔表3〕に示す。
【0071】
〔実施例6〕化合物No.37の合成
実施例5における(9-ethyl-6-nitro-9H-carbazol-3-yl)(4-((1-methoxypropan-2-yl)oxy)-2-methylphenyl)methanone oxime を、1-(9-(2-ethylhexyl)-6-nitro-9H-carbazol-3-yl)-2-(hydroxyimino)-2-phenylethanoneの1.18gに変更し同様の当量にて反応、処理を行った後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=4/1→3/1)で精製して淡黄色泡状物0.65g(ODS純度99%、収率45%)を得た。
【0072】
〔実施例7〕化合物No.38の合成
実施例5における(9-ethyl-6-nitro-9H-carbazol-3-yl)(4-((1-methoxypropan-2-yl)oxy)-2-methylphenyl)methanone oxime を、(2,4-dichlorophenyl)(9-ethyl-6-(1-(hydroxyimino)ethyl)-9H-carbazol-3-yl)methanoneの1.23gに変更し同様の当量にて反応、処理を行った後、シクロペンチルメチルエーテルで晶析精製を行い、更に酢酸エチルで熱洗浄を行い淡黄色結晶0.51g(ODS純度94%、収率34%)を得た。
【0073】
〔実施例8〕化合物No.39の合成
実施例5における(9-ethyl-6-nitro-9H-carbazol-3-yl)(4-((1-methoxypropan-2-yl)oxy)-2-methylphenyl)methanone oxime を、(2,4-dichlorophenyl)(9-ethyl-6-(1-(hydroxyimino)ethyl)-9H-carbazol-3-yl)methanoneの1.23gに変更し、更にピペリジンをエチルブチルアミンに変更し同様の当量にて反応、処理を行った後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=3/2)で精製して淡褐色泡状物1.06g(ODS純度99%、収率64%)を得た。
【0074】
〔実施例9〕化合物No.40の合成
実施例5における(9-ethyl-6-nitro-9H-carbazol-3-yl)(4-((1-methoxypropan-2-yl)oxy)-2-methylphenyl)methanone oxime を、(9-ethyl-6-(1-(hydroxyimino)ethyl)-9H-carbazol-3-yl)(o-tolyl)methanone1.23gに変更し同様の当量にて反応、処理を行った後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=3/2)で精製して淡褐色泡状物0.79g(ODS純度99%、収率49%)を得た。
【0075】
〔実施例10〕化合物No.41の合成
実施例5におけるピペリジンを、2−プロピル−2−イミダゾリンに変更し同様の当量にて反応、処理を行った後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=5/1)で精製して黄色結晶1.13g(ODS純度86%,収率63%)を得た。
【0076】
〔実施例11〕化合物No.42の合成
実施例5におけるピペリジン を、N−メチルピペラジンに変更し同様の当量にて反応、処理を行った後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=5/1)で精製して黄色結晶4.66g(ODS純度98%、収率79%)を得た。
【0077】
〔実施例12〕化合物No.43の合成
実施例5におけるピペリジン を、3−ピペリジンメタノールに変更し同様の当量にて反応、処理を行った後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール=10/1)で精製して橙黄色結晶4.55g(ODS純度99%、収率75%)を得た。
【0078】
【表1】
【0079】
【表2】
【0080】
【表3】
【0081】
〔実施例13〜16及び比較例1〕光分解能の評価
下記〔表4〕に記載の化合物をアセトニトリル/水=90/10(v)溶液に希釈して濃度100ppm溶液を調製しサンプルとした。調製したサンプルに、超高圧水銀ランプを光源とする光を100mJ/cm2、1000mJ/cm2、10000mJ/cm2(i線における積算量)の条件で照射し、下記〔表4〕に記載の化合物の分解性を調べた。
分解性の評価には、HPLCを用いて未照射時のピークを0として、分解した量を%で表した。
HPLC:日立ハイテクノロジー社製、UV検出器 L−2400
展開溶媒:アセトニトリル/水/トリエチルアミン/酢酸
=90/10/0.2/0.2
流速:1ml/min
カラム:Inertsil ODS−2
カラム温度:40℃
検出:254nm
【0082】
【表4】
【0083】
上記〔表4〕の結果より、本発明の新規化合物は、UV光に対し高い分解性を有しており、よって、分解によって発生する塩基量が多く、硬化性組成物において高感度の硬化性を示すものである。
【0084】
〔実施例17〜20並びに比較例2及び3〕アミン発生率の測定
〔表5〕に記載の化合物0.04mmolをメタノール/テトラヒドロフラン=1/1(重量比)溶液28gに希釈して、化合物溶液を調製した。調製した溶液3.5gに、超高圧水銀ランプを光源とする光を10000mJ/cm2(i線における積算量)照射した。照射後の溶液を2.8g取り、メタノールで希釈して平沼自動滴定装置COM−1600を用いて滴定を行った(滴定液:0.01mol/L塩酸)。別途ジメチルベンジルアミン0.04mmolのメタノール溶液をリファレンスとして滴定し、各滴定値よりアミン発生率を求めた。結果を〔表5〕に示す。
【0085】
【表5】
【0086】
〔実施例21及び比較例4〕感光性樹脂組成物の調製例及び評価
(A)光開始剤成分として、下記〔表6〕に記載の化合物を5質量部、(B)感光性樹脂成分として、EP−4901(ADEKA社製、ビスフェノールF型グリシジルエーテル)52質量部、及び(C)添加剤成分として、カレンズMT BD1(昭和電工社製、エポキシ硬化剤)43質量部を混合し、三本ロールミルにて混練して、実施例21及び比較例4の感光組成樹脂組成物をそれぞれ得た。得られた感光性樹脂組成物について、超高圧水銀ランプによるUV光の照射なし及び200mJ/cm2のUV光照射後に60℃にて60分間加熱し、硬化率を測定した。硬化率は、5000mJ/cm2のUV光照射後、120℃で60分硬化させたときのFI−IRにおける(3450cm-1のピーク強度)/(1510cm-1のピーク強度)の値を硬化率100%として、相対値として求めた。結果を下記〔表6〕に示す。
【0087】
【表6】
【0088】
上記表6の結果より、UV光を照射しない場合、いずれも硬化しなかったが、照射後に加熱した場合、本発明の感光性樹脂組成物は高い硬化率を示した。よって、本発明の新規化合物は、光開始剤として優れていることは明白である。