(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記スケーリング係数は、少なくとも、溶融可能な材料をエネルギー源にさらすために使用される機械において補償しようとする誤差に基づいている、請求項5に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図面は必ずしも実寸通りではないこと、および開示の実施形態が、時には図式的に部分視野で示されていることを理解されたい。ある場合には、開示の方法および装置の理解には必要でない詳細、またはその他の詳細を認知するのを難しくする詳細は省略されていることがある。勿論のこと、本開示は、本明細書に示される特定の実施形態に限定されるものではないことを理解すべきである。
【0021】
本開示は、多孔質構造を製造する、フリーフォームファブリケーション機械における方向ずれに対処する方法を提供する。好ましくは、本発明の改良型多孔質構造は、ダイレクトメタルファブリケーション(DMF)などのラピッドマニュファクチャリングテクニック(RMT)を含む、フリーフォームファブリケーション法を使用することによって形成される。典型的にはRMTまたはフリーフォームファブリケーションにおいて、モデル、または所望の構造を定義する計算、または所望の構造のコンピュータ可読ファイルが、提供されたモデルに従って、粉末を溶解または焼結して一時に一層ずつ構造を構築する、レーザービームなどのエネルギー源を有するコンピュータ支援機械または装置に供給される。
【0022】
選択的レーザー焼結技術の詳細な説明が、米国特許第4863538号、第5017753号、第5076869号、および第4944817号に示されており、これらの開示は、その全文を参照により本明細書に組み入れてある。現在の慣行は、コンピュータの支援で作成された数学モデルを使用するコンピュータによって、製造プロセスを制御することである。結果として、選択的レーザー再溶解および焼結技術のようなRMTは、様々な材料からソリッド構造または3-D構造を直接製造することを可能にした。
【0023】
ヒートソース/シンクの機械配設および一時に一層または一面毎の構築のために、層または面に垂直な方向での構築工程を制御することはさらに困難である。したがって、構築面に垂直な方向の構造の形体は、モデルと調和しないことに加えて、構築面内にある形体とも調和しない。例えば、
図8A〜
図8C、
図9A〜
図9C、および
図10は、1つの特定のRMT機械に対するこの方向不一致を実証している。
図8B〜
図8Cおよび
図9B〜
図9Cを参照すると、この機械によって(
図8B〜8Cに示された)XY面内に構築されたストラッドは、(
図9B〜9Cに示された)Z面内に構築されたストラッドと異なる表面粗さおよび外見を有しており、ここでZ面におけるストラッドはより粗く、より「曖昧(fuzzy)」に見える。
図10を参照すると、両方の組のストラッドは、入力モデルに従えば同じ厚さを持たなければならないが、この機械によって構築されたZ面におけるストラッドは、XY面に構築されたストラッドよりもわずかに厚く、平均で約50ミクロンだけ厚い。
【0024】
したがって、各RMT機械は、系統的ずれ因子を有することが多い。例えば、ストラッド厚さは、レーザー(例えば、ヒートソース)からの距離に比例することのある、レーザー強度によって影響を受ける可能性がある。さらに、設備の構築プラットフォームは、ヒートシンクとしてだけでなく、構築中の構造としても作用する可能性がある。例えば、ヒートシンクに近い部品は、正しい寸法を有しやすい。また、ヒートソースからヒートシンクへの熱流の相対的な複雑さも、機械の方向ずれに寄与する。多孔質金属構造において、ストラッドの振動する分子が、隣接する金属の分子を加熱することは、それらが完全に接合されていなければ、少なくともより困難であり、したがって熱放散は減少する。
【0025】
理論によって限定されることを意図するものではないが、系統的な方向ずれに対して、いくつかの可能な説明がある。例えば、熱が高すぎると、溶解プールがその形状を失い、平坦になる可能性がある。この場合には、隣接する材料が互いに接合して、その部分を、モデルによって望まれるよりも厚くさせる。他方で、熱が低すぎると、場合によっては層間の接合は、またX-Y面における隣接する粒子間の接合も、最適に満たず、それによってモデルに応じて所望されるよりも薄いストラッドを生成する可能性がある。(前記のその他の因子のいくつかに基づく)表面粗さに応じて、過剰な粉末を取り出すのに使用される洗浄工程が、多孔質開口の形状と大きさに影響を与えることがある。このことは、下側が非常に粗い(高表面積)状態であって、(高表面積に対してより敏感である)エッチング技法が使用される場合に、特にあてはまる。
【0026】
好ましい実施形態において、「ヒートソース」という用語は、一般的にレーザーを指し、「ヒートゾーン」という用語は、一般的に融解されている粉末の層を指し、「ヒートシンク」という用語は、一般的に、同じ目的で役割を果たす構築プラットフォームまたは構築形体(built feature)を指している。さらに、上述のように、ヒートシンクに関連する熱流は、構築ずれにも影響を与える。例えば、低熱流領域は、意図する熱の80%しか受け入れず、これはモデルと比較して20%の減少となることがある。同様に、中間熱流領域は、目標とする熱の90%を受け入れ、それによってモデルと比較して大きさにおいて10%の減少を生じ、高熱流領域または最適熱流領域は、全熱を受け入れ、それによって、モデルに適合するか、またはわずかに厚い構築形体が得られる。低熱流領域は、一般に、中間熱流領域および高熱流領域よりも、構築プラットフォームから遠くに離れている。中間熱流領域は、高熱流領域よりも、構築プラットフォームから遠くに離れている。高熱流領域は、構築プラットフォームに最も近い。
【0027】
1つの可能性のある解決策は、特定のRMT機械に対してこのずれを補償することである。例えば、使用中のRMT機械が、垂直面において、ある割合だけモデルよりも厚い構造を構築することがわかっている場合には、オペレータは、モデルを修正することにより、または機械に、垂直方向にその割合だけモデルよりも薄い構造を構築するように命令を与えることによって、そのずれを手動で補償することができる。この手法は、大きな構造に対して好適である。しかしながら、組織内殖を促進および/または支持することを目的とする構造などの、精密な寸法を必要とする小さい構造においては、問題を生じる可能性がある。例えば、薄すぎるストラッドは破壊しやすく、厚すぎるか、または細長いストラッドは、組織内殖に対して最適な範囲の孔径を提供しない。
【0028】
図1Aを参照すると、構造10は、長さがAで、厚さがBのストラッド12を有する。特定の機械が、通常、ストラッド12の厚さBを入力モデルで指定されるよりも薄く構築する場合には、RMT機械用の入力モデルを作成するか、または作成するのを支援する3次元ソフトウェアアプリケーションが、指定されたよりも薄いストラッド12のような、RMT機械におけるある構築方向ずれを説明するために、入力モデルにアフィンスケール係数を適用することを可能にする。不運なことに、アフィンスケーリングによってストラッド12の厚さBに加えた調節はいずれも、構造10において、孔14などの孔の場所を変える結果となる。例えば、
図1Bを参照すると、ストラッド12の厚さBを増大させるためにアフィンスケーリング係数γが適用されて、厚さB'を生じるとき、長さAも同じ係数γの影響を受けて、長さA'が得られる。言い換えると、アフィンスケーリングは以下のように表わすことができる。
A'=γA B'=γB
【0029】
したがって、アフィンスケーリングは、
図1Bにおける構造10を増大させる結果となる。構造10が成長するにしたがって、孔14の場所は変化し、このことはより大きな長さA'に反映される。したがって、この種のアフィンスケーリングは、望ましいB'の変化を、望ましくないA'の変化に結合する。アフィンスケーリングのグローバルなスケーリング効果は、ローカルスケーリングだけが望ましいときに、全体構造に対して不要な歪を導入する。孔14の場所または寸法の変化は、構造10がマクロな用途に使用されるより大型の構造である場合には、その影響は最小であることもある。しかしながら、構造10が、組織内殖を促進および/または支援することを意図する構造のような、精密な寸法を必要とする、より小型の構造である場合には、入力モデルの理想寸法からのいかなるわずかな変化または移動であっても、構造10をその目的とする用途に対して無効にする、重大な構造欠陥を生じる可能性がある。例えば、アフィンスケーリングの後に、孔14は、組織成長を促進する、所望の最適孔径よりも大きいことがある。
【0030】
マクロな用途に使用される、より大型の構造の例としては、一般に、対象となる形体が約1mm〜2mmよりも大きくなる、状況が挙げられる。さらに、「大型」という用語は、一般に、寸法とその交差との比を指している。例えば、方向ずれが、0.050から0.25mmの程度であり、公差が±0.3である場合には、ずれは、許容される公差範囲に入るので、補償が必要とはなり難い。他方、同じ方向ずれに対して、公差が±0.1mmである場合には、その誤差は望ましくなく、補償が必要である。
【0031】
本開示はまた、フリーフォームファブリケーション機械工程、または類似の方向ずれの問題がある、その他の機械工程に固有の方向ずれを、修正された構造に対する意図しない歪を最小にして、補償する方法を提供する。一実施形態においては、修正された形体は、比例的には成長せず、そうではなく、この工程は、1層または複数層の材料を追加して、ずれを補償する。別の実施形態において、材料の層は、10分の1ミリメートル未満であることが多い。
【0032】
本開示の一観点によれば、方向ずれに対処する1つの方法は、補償を必要とする方向、例えばZ方向においてのみスケーリングを行うなどの、不均一アフィンスケーリングを伴う。不均一スケーリングを実施する1つの方法は、構造のモデルの孔の格子を圧縮または拡張することを伴う。この好ましい実施形態においては、構造をZ-方向に拡張することは、X-Y方向に構造を収縮させて、X-Y方向が変化を示さなくなるまで、ストラッドまたは全体構造をスケールアップすることと同じである。同様に、構造またはストラッドをZ方向に収縮させることは、ストラッドまたは構造をX-Y方向に拡張して、次いで、X-Y方向が変化を示さなくなるまで、ストラッドまたは構造をスケールダウンすることと同じである。
【0033】
圧縮または拡張の後に、次いで、モデルのストラッドを定義して、構造に厚さと形態を与えることができる。一実施形態においては、孔は、好ましくは外見が長円状であって、Z方向に圧縮されている(または細長い)。次いで、このモデルは、孔がその元の場所に戻り、ストラッドが比例的に厚くなるように、Z方向にスケーリングすることができる。この手法には、構造の部分だけを修正する必要があるときには、孔構造または孔格子全体の修正が必要である。
【0034】
本開示の別の観点によれば、方向ずれに対処する別の方法は、特定の部分に対する所望のローカルスケーリング効果から、全体構造に対する、グローバルスケーリング効果または全体スケーリング効果を切り離すことによって、構造の特定の部分を個別にスケーリングすることを伴う。
【0035】
グローバルなスケーリング効果をローカルスケーリング効果から切り離す一実施形態は、ローカルスケーリングが望ましい構造の特定の部分に、ローカル座標系を割り当てることを含む。好ましい実施形態において、極座標系の一軸は、ストラッドの本体に沿って向いており、別の軸は、概して歪の方向、例えば、Z方向にある。それらがストラッドをその元の場所に戻ることを可能にする限り、その他の逆転可能な座標系を使用して、切り離し効果を達成してもよい。割り当てられたローカル座標は、これらの特定の部分を、線形代数を使用して、所望の方向(例えば、Z方向などの、構築面に垂直な方向)に、機械不一致を補償するのに最適量または所望量だけ、スケーリングすることを可能にする。ローカル座標が割り当てられた後に、これらの部分の3次元(3D)体積を、構築面、例えば、横平面またはX-Y面に投射して、スケーリングしようとするこれらの部分の場所がその面内に位置するようにされる。次いで、これらの部分を、所望の方向、例えばZ-方向において、その方向の機械構築不一致を補償するために、最適量または所望量だけ修正する(例えば、厚さを増大または低減させる)。横平面においてその部分が修正された後に、スケーリングされた部分が、その元の位置へ投射されて、スケーリングされた部分は、構築面(例えば、X-Y方向)とは独立して、Z-方向において(所望に応じて)より大きいか、より小さい。したがって、ローカルスケーリングは、全体構造に対して、これらのスケーリングされた部分の場所を変更することはなく、それによってスケーリング工程中の構造に対する不要な歪を最小化する。
【0036】
別の実施形態においては、スケーリングしようとする部分の3D体積を横平面に投射する代わりに、これらの部分を横平面に変換することができる。この好ましい実施形態においては、変換とは、新規の座標系とすべての関連する物体を、通常は「グローバル」座標系と呼ばれる、他方の座標系に沿って位置決めする、回転および平行移動である。そうすれば、横平面においては、その部分の厚さは、構築面に垂直な方向に、所望に応じて修正(例えば、増大または低減)することができる。次いで、スケーリングされた部分が、その元の位置に変換して戻されて、そこでスケーリングされた部分は、構築面(例えば、X-Y方向)とは独立して、Z-方向において(所望に応じて)より大きいか、またはより小さい。この実施形態において、ローカル座標系のX-Y面における以外は、スケーリングされた部分のその他の領域は、構築面(例えば、機械座標系のX-Y面)においてわずかに歪んで見える可能性がある。横平面において、またはグローバル座標系において、特定の形体がZ方向においてスケーリングされているので、これらの形体は、逆変換が行われると、Z方向においてわずかに歪んで見える可能性がある。一実施形態において、グローバル座標系に対するストラッドの角度は、わずかな歪、例えば、Z方向において適用された膨張/収縮係数の程度を示す。例えば、厚さが10%だけ増大すると、水平ストラッドは、その厚さの110%に増大する。しかしながら、水平に対して45度のストラッドに対しては、厚さは、その厚さの105%に増大し、垂直ストラッドは変化しないままとなる。その他の実施形態において、ある割合だけ補償するよりも、固定値(例えば、50または150ミクロン)を割り当てて、所望に応じて、ストラッド厚さまたは長さにおける増加または減少を補償することができる。
【0037】
代替的に、ローカルスケーリング効果は、水平方向に対して修正を必要とする形体の方向に基づいて、モデルにおけるストラッド/孔構造を定義する点のz-座標を移動させることによって、グローバルな変化を生じさせることなく実施することができる。例えば、ストラッドの表面が小面を有し(faceted)、これらの小面が構築プラットフォームと平行であれば、座標は、表面に直角にフルオフセットだけ移動させることができる。他方で、小面が構築プラットフォームに垂直であれば、座標はその表面に直角に移動しない。この実施形態は、ストラッドがモデルにおいて定義されることを必要としない。ローカルスケーリングをz-座標の移動によって実現するには、大量の計算資源を必要とすることに加えて、構造の3次元ファイルを操作することが必要となる可能性がある。
【0038】
別の観点によれば、本開示は、特にRMT機械におけるヒートソース/シンクに対する部分の相対距離による、RMT機械における方向不一致に対処する。ある場合には、入力モデルが、ヒートソースからの距離に関係なく同じ厚さを示しているにもかかわらず、構造の部分は、ヒートソースにより近いほど、はるかに離れている部分と比較して、より厚く構築される傾向がある。同様に、構造の部分は、ヒートシンクから遠い場合には、ヒートシンクにより近い部分よりも、厚くなることがある。ヒートソースに対する構築距離による不一致を補償するために、勾配スケーリング係数または段階的膨張を使用することができる。勾配スケーリング係数は、一定とするか、または機械もしくは応用に応じて変化させることができる。例えば、構造は、ヒートソースの位置、またはその近くで入力モデルの厚さの80%であって、ヒートソースから十分な距離だけ離れた位置で100%まで徐々に増大する、スケーリング勾配を有することができる。代替的に、ヒートソースの位置、またはその近くの部分は、本開示の観点に応じて修正して、厚さの80%において、ヒートソースから約100ミクロン離れた位置で85%、ヒートソースから約200ミクロン離れた位置で90%、以下同様に構築することができる。スケーリング勾配または段階状膨張は、少なくとも、使用される特定の機械の特定の方向不一致および/または動作条件に基づいて選択されるのが好ましいので、上記の数字は、単に例示にすぎない。
【0039】
構築面または構築層に垂直な方向での変動を説明するために、構造の形体の形状を変更する方法の特定の実施形態において、変更を必要とする形体、例えばストラッドは、孔のような構造の別の形体への不要な歪を避けるために、離隔されて、個別にスケーリングされる。このことは、好ましくは、個々の形体またはストラッドに対して望まれるローカルスケーリング効果から、ストラッドのアフィンスケーリングによる全体構造へのグローバルなスケーリング効果を、切り離すことによって達成される。
【0040】
一実施形態において、機械がいかなる構築ずれもなくモデルに従って構造の形体を構築するかのように、所望の孔構成を定義する、理想的に設置されたストラッドおよびノードを備える、RMT機械に対する構造モデル入力がある。特定の実施形態においては、
図2を参照すると、ストラッド200は、好ましくは、第1の端部202、第2の端部204、および第1の端部202と第2の端部204の間の連続的な細長い本体206を含む。本体206は、選択された、または所定の、厚さと長さとを有する。この好ましい実施形態においては、第1の端部202と第2の端部204は、ストラッド200のノードとしての役割を果たし、この場合に、ノードには、第1のストラッドの一端部と第2のストラッドの本体の間の交差部、第1のストラッドの一端部と第2のストラッドの一端部の間の交差部、および/またはストラッドの一端部と全体構造のその他任意の部分の間の交差部を含めることができる。
【0041】
分かり易さと物事を簡潔に保つために、より大型の構造(図示せず)のストラッド200だけを、図に提示して、例示目的で本明細書において考察する。本開示の様々な観点は、複数のストラッド、またはRMT機械によって構築される構造の様々な部分を修正するのに応用可能であることが理解される。一実施形態において、ストラッド200は、RMT機械が、いかなる方向不一致もなく入力モデルによって規定されているように、いつも完全な部品を生成できるかのようにして、定義されている。この好ましい実施形態においては、理想のストラッドを定義することは、ノード間の各領域に対して、すべての表面および/または体積を識別することを含む。例えば、このことは、ストラッド200の本体206の特定の特性を定義することを含む。これらの特性としては、ストラッド直径、縦方向形状、横断面形状、大きさ、形状プロフィール、ストラッド厚さ、材料性質、強度プロフィール、またはその他の特性が挙げられる。これはストラッド200の理想入力モデルである。
【0042】
図2を参照すると、一実施形態において、ストラッド200の理想的なモデルは、機械座標系210とは異なる、ローカル座標系またはノード座標系208を割り当てられている。ローカル座標系またはノード座標系208は、ストラッド200がその一部品である、大型の構造(図示せず)に、不要な歪を導入することなく、特定の機械の構築方向不一致を補償するために、ストラッド200をスケーリングすることを可能にする。例えば、特定のRMT機械は、構築面に垂直な方向における構築方向不一致のような、系統的膨張問題を有する可能性があり、この場合には、機械が、ヒートソースの近くでより厚く、構築面に垂直な方向でヒートソースから遠ざかるほど薄くなる、より厚いストラッドまたはその他の形体を備える構造を、生成する傾向がある。ヒートシンクまでの相対的距離または熱流は、上述のように、機械の系統的膨張誤差にも寄与する可能性がある。
【0043】
補償工程において、不要な歪を最小化する1つの方法は、ストラッド200の本体206の厚さをローカル座標系208を使用して修正する間に、ストラッド202およびストラッド204の場所を維持することである。好ましくは、線形代数を使用して、本体206の厚さをスケーリングする。
【0044】
図3を参照すると、一実施形態において、ストラッド200の3D体積は、変更が望ましくない面へと投射されて、ノード202およびノード204がその面に位置するようにされる。この投射は矢印212で示されている。ストラッド200が、新規の面に投射されると、ストラッド200はなお、特定の3D特性を保持する。一実施形態においては、この面は、構築面または、横平面またはX-Y面などの機械座標系210であり、この面においては、場合によっては、その面における構造の部分によって機械のヒートソースから吸収されるエネルギーが、実質的に同じである。本体206は、ストラッド200が機械座標系210を有する面に投射されるときの厚さ216と同じ、投射前の厚さ214を有している。この面において、本体206が、特定の機械の構築方向不一致を補償するように、適当に膨脹または収縮されて、本体206'が結果として得られる。例えば、機械が、構築面(例えば、Z-方向)に垂直な方向にヒートソースに向かって、約25%の厚いストラッドを構築する傾向を示す場合には、80%スケーリング係数を、この垂直方向に適用して、125%のより大きな厚さではなく、入力モデルによって規定されているように、約100%の厚さを達成してもよい。この補償は、逆効果を入力データに与えることによって、製造工程の系統的誤差に対処する。このスケーリング係数は、特定の機械によって示される構築不一致に応じて、上述のように勾配方式または段階方式で適用してもよい。所望のスケーリング係数が適用された後に、ストラッド200は、矢印218で示される、元の場所に投射して戻される。今では本体206'を備えるストラッド200は、X-Y方向(または構築面)とは独立して、それぞれ、Z-方向(または、補償を必要とする方向)にスケーリングされる。機械座標系210を有する構築面においてストラッド200がスケーリングされて、ローカル座標系208へと投射して戻されるとき、ノード202およびノード204の場所は変化しない。したがって、本体206の厚さのスケーリングは、局所的に発生して、ノード202およびノード204の場所に対して不要な歪を発生させない。この実施形態においては、ストラッド200は、機械座標系210に対してスケーリングされる。
【0045】
理論によって拘束されることを望みはしないが、以下の例が、上記の投射工程の一般的な類比を提示する。ストラッドは、第1の座標系に従ってスライスされた一塊のパンであると考えることができる、これによって角度のついたスライス片が得られる。このパンの塊を第2の面に投射するために、スライス片を、それらが良好な真っ直ぐな塊に属するかのように、互いに隣接して設置する。この新規の面において、新規の塊は、それが第1の座標においてスライスされる前よりも、より短く、かつ大きく見えることになる。第2の座標系の新規の塊において、各スライス片は、スライスする前にその塊がどの程度、平坦であったかに応じて、異なる高さを有することがある。第2の座標系(すなわち、新規の面)における新規の塊のスライス片は、所望の方向に所望の量だけ伸ばされる。次いで、これらのスライス片は、第1の座標系に投射して戻され、この座標系においては、スライス片は、その角度づけされた位置で互いに隣接して設置され、次いで全体の塊が所望の方向に伸ばされる。
【0046】
図4を参照すると、別の実施形態において、ストラッド200は、ローカル座標系208に対してスケーリングすることができる。特に、ストラッド200は、矢印212によって示されるように、上述のような横平面のような、変更が望ましくない面へ変換される。この好ましい実施形態において、この変換は、例えば[T]および[T]
-1のような変換マトリックスを使用して達成され、ここで矢印212で示されるように、[T]≡機械座標系210への回転および/または平行移動、であり、また矢印214に示されるように、[T]
-1≡ノード座標系208への回転および変換、である。ストラッド200が、機械座標系210を有する面に変換されると、ストラッド200のローカル座標系208は機械座標系210と同じである。使用することのできる、例示的な変換マトリックスとして、運動力学マトリックスがあるが、その他の好適な変換マトリックスも使用することができる。その他の実施形態においては、カルダン(Cardan)角度、オイラー(Euler)角度、または所望の位置への回転および平行移動する、その他任意の方法を使用することができる。ストラッド200が、機械座標系210を有する面に変換された後に、本体206の厚さを、機械ずれが本体206の厚さの増大を規定するか、または低減を規定するかに応じて、所望通りにスケーリングすることができる。本体206の少なくとも1つの寸法をスケーリングまたは修正することは、変更された寸法を有する本体206'が結果として得られる。所望のスケーリングが行われた後に、ストラッド200'は、矢印214で示されるように、ローカル座標系208に変換して戻される。ストラッド200は、この実施形態においては、ローカル座標系208に対してスケーリングされる。今では本体206'を有する、ストラッド200は、スケーリングの前の本体206と比較して新規の厚さを有し、この場合に、ノード202およびノード204の場所は、アフィン係数を適用された場合よりも、小さい歪のままである。
【0047】
場合によっては、2つ以上のストラッドが構造内に存在するときに、機械不一致は、1本のストラッドの厚さのスケーリングに加えて、そのストラッドの長さのスケーリングも必要とすることがある。本開示の様々な観点は、これらの変更を全体構造に結合することなく、異なる方向要件に個々に対処するのに利用することができる。
図5Aを参照すると、厚さ504および長さ506を有するストラッド502を備える構造500があり、この構造は、本開示の観点に従って、厚さ504'および長さ506'を有するストラッド502を備える、
図5Bの構造500にスケーリングされている。ストラッド502の厚さ504をスケーリングする例示的な工程が、
図6に示されており、ストラッド502の長さ506をスケーリングする例示的な工程が
図7に示されている。この好ましい実施形態においては、厚さ504のスケーリングは、長さ506と独立に行われる。言い換えると、切り離されたスケーリングは以下のように表わすことができる。
504'=γ504 506'=ξ506
ただし、γ≠ξ、およびγ、ξは、>1、<1、または=1であり得る。
【0048】
図6を参照すると、
図5に示された構造500の製造工程における、既知の構築誤差の補償への第1のステップは、ストラッド502のノード508およびノード510を定義することを含む。これには、構造500に対するノード508およびノード510の場所、および/またはノード508とノード510の間の距離を定義することが含まれる。この工程は、ノード508とノード510の間の各領域に対する全表面および/または体積を識別するステップをさらに含む。例えば、これにはストラッド502の本体512の特定の特性を定義することが含まれる。これらの特性としては、ストラッド直径、縦形状、横断面形状、大きさ、形状プロフィール、ストラッド厚さ、材料性質、強度プロフィール、またはその他の特性が挙げられる。
【0049】
この工程は、機械座標系516とは異なる、ローカル座標系514をストラッド502に割り当てることをさらに含む。この好ましい実施形態においては、機械座標系516は、機械の1次ヒートシンクである形体の座標系、例えば、補正を必要とするこの系統的構築誤差を規定する機械内部の座標系である。ノード508およびノード510の場所は、厚さ504がスケーリングされる間に維持され、それによって機械の入力データに対して逆効果を導入して、構造500に対する不要な歪を最小にして、製造工程の系統的誤差を打ち消す。厚さ補償は、上述のように、機械の座標系に対して、またはローカル座標系に対して達成することができる。
【0050】
ローカル座標系514に対して厚さ504をスケーリングするために、ストラッド502は、機械座標系516を有する上述のような横平面などの、変更が望ましくない面へ変換される。この好ましい実施形態において、この変換は、例えば[T]および[T]
-1のような変換マトリックスを使用して達成され、ここで矢印518で示されるように、[T]≡機械座標系516への回転および/または平行移動であり、また矢印520に示されるように、[T]
-1≡ノード座標系514への回転および変換である。使用することのできる例示的な変換マトリックスとしては、運動力学マトリックスがある。厚さ504は、所望に応じて機械座標系516においてスケーリングされて、結果として厚さ504'が得られる。スケーリング係数は、好ましくは、機械構築不一致が、本体512の厚さの増大を規定するか、または低減を規定するかに少なくとも基づく。所望のスケーリングが行われた後に、ストラッド502は、矢印520で示されるように、ローカル座標系514に変換して戻される。ストラッド502がスケーリングされると、ストラッド502は、旧来の厚さ504と比較して、新規の厚さ504'を有する。
【0051】
機械座標系516に対して厚さ504をスケーリングするために、ストラッド502の3D体積が、変更が望ましくない面に、ノード202およびノード204がその面に位置するように投射される。一実施形態において、この面は、上述のような横平面またはX-Y面などの、構築面または機械座標系516である。この面において一度、特定の機械の構築方向不一致を補償するために、本体512が適当に膨脹または収縮される。この補償は、入力データに対して逆効果を与えることによって、製造工程の系統的誤差に対処する。スケーリング係数は、特定の機械が示す構築不一致に応じて、上述のように、勾配方式または段階方式で適用してもよい。厚さ504が所望に応じて修正された後に、ストラッド502は、その元の位置に投影して戻され、その位置においては、厚さ504'は、構築面とは独立に補償を必要とする方向に、より大きいか、またはより小さい。
【0052】
図7を参照すると、一実施形態において、機械座標系516においてノード508および/またはノード510の場所をスケーリングすることによって、厚さ504を維持するとともに、ストラッド502をローカル座標系514に変換して戻すことによって、
図5Aに示された構造500に対して導入される不要な歪を最小にして、長さ506を修正することができる。機械座標系516に変換される前に、ストラッド502には新規のノード508'およびノード510'が割り当てられ、これらはそれ自体のローカル座標系522を有する。ローカル座標系514および522の両方は、ノード508およびノード510の元の場所に対して、上述の変換マトリックス[T]を使用して、またノード508'およびノード510'の新規の場所に対して[T
new]を使用して、機械座標系516に変換され、ここで[T
new]≡ローカル座標系522から機械座標系516への回転および/または平行移動、である。[T]および[T
new]を使用する変換は、矢印524で示されている。
図7を参照すると、図示のように、ストラッド502が機械座標系516に変換された後に、ローカル座標系514、ローカル座標系522、および機械座標系516は互いに調和する。機械座標系516においてスケーリングが実施されて、ストラッド502に新規の長さ506'と新規の対応するノード518およびノード520を与えた後に、新規のローカル座標系522だけが、矢印526で示されるように、[T
new]
-1を使用して機械座標系514に変換して戻され、ここで[T
new]
-1≡機械座標系516からノード座標系522への回転および変換、である。この変換によって、製造のための機械に入力されるデータにおける、長さ506'の補償スケーリングが得られる。スケーリングを行うとともにローカル座標522へ変換して戻した後に、ストラッド502は、新規のノード508'およびノード510'を有し、これらのノードは、厚さ504が同じままであるのに対して、旧来のノード508およびノード510と比較しての長さ506の変化を反映している。
【0053】
代替的に、
図3について説明した投射方法も、ストラッド502の長さを補償するのに使用することができる。この実施形態においては、構築面のX-Y面内以外では、スケーリングされた(すなわち、延長または短縮された)部分のその他の領域は、わずかに歪んで見える。構築面に対するストラッドの角度は、わずかな歪、例えば、Z-方向に適用された膨張/収縮係数の程度を規定する。例えば、投射方法を使用する、水平ストラッドの長さスケーリングは、長さスケーリングの全効果を達成するのに対して、垂直ストラッドは、いかなる延長効果も受けず、それはむしろ厚さが増す。角度をなしているストラッドの長さは、その角度と延長割合の知識に基づいてスケーリングすることが可能であり、それによって垂直ストラッドはいかなる長さスケーリングを受けないのに対して、水平のストラッドは、その全量を受ける。その間に、角度のなすストラッドの長さに適用されたスケーリング係数は、例えば、角度のコサインと水平ストラッドに適用されたスケーリング係数の全量の積だけ、相応に変更され得る。「水平」および「垂直」の参照は、特定の機械のヒートソースに対して行われる。
【0054】
一実施形態において、物体が、X方向またはY方向における形体に影響を与えることなくZ方向にスケーリングされる場合には、X方向またはY方向におけるスケーリングは、独立に実施することができる。この好ましい実施形態において、ストラッドが、主としてXと整列するか、またはYと整列するかを識別し、次いで、X-Y面に投射されたストラッドと最も近い軸との間の角度を使用するのが望ましいことがある。延長の手順は、その方向に、計算された角度に比例して、適用することができる。
【0055】
修正または補償、例えば、厚さまたは長さの順序、は問題とならないのが好ましい。本開示の実施形態は、ローカル座標系とグローバル座標系を整列させる。したがって、順序について問題の多くは消失する。
【0056】
機械の構築不一致の補償の工程は、定義されたストラッドが、RMT機械によって読み取られるコンピュータファイルに書き込まれる前に、行うことができる。代替的に、それは、ストラッドが定義されているときに、同時に行うことができる。別の実施形態において、製造工程の系統的誤差の補償は、理想的モデルが、RMT機械用のコンピュータ可読ファイルに変換されて、機械に転送され、そこで機械設定が追加された後に、行うことができる。この好ましい実施形態においては、ストラッドが定義された後に、補償が実施される。
【0057】
別の実施形態によれば、コンピュータプログラムプロダクトを利用して、本開示の実施形態を実現または実行することができる。例えば、コンピュータプログラムプロダクトは、好ましくは、ローカル座標系を、ローカルスケーリングが望ましい、構造のある部分に割り当てるコードを有する、非一時的コンピュータ可読媒体を含む。この媒体は、これらの部分の3次元(3D)体積を構築面、例えば、横平面またはX-Y面に投射して、スケーリングしようとするこれらの部分の場所が、その面内に位置するようにする、コードも含む。この媒体は、これらの部分を所望の方向、例えばZ-方向に最適量または所望量だけ修正(例えば、厚さもしくは長さの増大または低減、または望ましいその他任意の膨張補償)して、その方向の機械構築不一致を補償する、コードもさらに含む。この媒体は、それらの部分が横平面において修正された後に、スケーリングされた部分を、それらの元の部分に投射して戻すコードも含む。
【0058】
別の実施形態においては、この媒体は、横平面へ変換するコードも含む。この媒体は、横平面において所望に応じて、(すなわち、構築面に垂直な方向に)それらの部分の寸法を修正するコードも含む。この媒体は、スケーリングされた部分を、それらの元の位置に変換して戻すコードも含み、その位置では、スケーリングされた部分は、構築面(例えば、X-Y方向)に独立に、Z-方向において(所望に応じて)より大きくなるか、またはより小さくなる。
【0059】
さらに別の実施形態によれば、メモリに結合されたプロセッサを含むシステムであって、プロセッサが本開示の実施形態を実現または実行するように構成されている、システムがある。例えば、プロセッサは、ローカル座標系を、ローカルスケーリングが望まれる、構造の特定の部分に割り当てるように構成されている。このプロセッサはまた、これらの部分の3次元(3D)体積を、構築面、例えば横平面またはX-Y面に投射し、スケーリングしようとするこれらの部分をその面内に位置させるように、構成されている。このプロセッサは、これらの部分を、所望の方向、例えば、Z-方向に、最適量または所望量だけ修正(例えば、厚さもしくは長さの増大または低減、または所望の、その他任意の膨張補償)して、その方向における機械構築不一致を補償するようにさらに構成されている。このプロセッサはまた、それらの部分が横平面において修正された後に、スケーリングされた部分を、それらの元の位置に投射して戻すように構成されている。
【0060】
別の実施形態において、このプロセッサはまた、横平面に変換するように構成されている。このプロセッサはまた、横平面において、所望に応じて(すなわち、構築面に垂直な方向において)それらの部分の寸法を修正するように構成されている。このプロセッサはまた、スケーリングされた部分を、それらの元の位置に変換して戻すように構成されており、この位置では、スケーリングされた部分が、構築面(例えば、X-Y方向)と独立に、Z-方向に(所望に応じて)、より大きくなるか、またはより小さくなる。
【0061】
本発明のシステムの実施形態は、本発明の様々な方法を実現するために、1つまたは複数のコンピュータシステムを含んでもよい。1つの例示的なコンピュータシステムとして、中央処理ユニット(CPU)が挙げられ、これは任意の汎用CPUとしてもよい。CPUおよびその他の構成要素が、本明細書に記載されるような本発明の動作をサポートする限り、本発明は、CPUまたは本発明のシステムのその他の構成要素のアーキテクチャによって拘束されるものではない。CPUは、本発明の実施形態による、様々な論理命令を実行してもよい。例えば、CPUは、上述のような様々な実施形態を判定するコードを実行してもよい。
【0062】
さらに、例示的コンピュータシステムは、SRAM、DRAM、SDRAM、その他であってもよい、ランダムアクセスメモリ(RAM)を含んでもよい。これらの実施形態はまた、PROM、EPROM、EEPROM、その他であってもよい、読取り専用メモリ(ROM)も含んでもよい。RAMおよびROMは、当該技術においてよく知られているように、ユーザ、システムデータおよびプログラムを保持する。
【0063】
例示的なコンピュータシステムはまた、入力/出力(I/O)アダプタ、通信アダプタ、ユーザインターフェイスアダプタ、およびディスプレイアダプタを含む。I/Oアダプタ、ユーザインターフェイスアダプタ、および/または通信アダプタは、ある実施形態においては、ユーザが、情報を入力するとともに、コンピュータシステムによって処理された出力情報を得るために、コンピュータシステムと対話することを可能にする。
【0064】
I/Oアダプタは、好ましくは、例えば、ハードドライブ、コンパクトディスク(CD)ドライブ、フロッピー(登録商標)ディスクドライブ、テープドライブ、その他の内の1つまたは複数などの、1つまたは複数のストレージデバイスを、例示的なコンピュータシステムに接続する。記憶デバイスは、上述の要素の動作(例えば、クレーム判定システム(claim adjudication system)、その他)のためのデータを記憶することに関連するメモリ要件にRAMが不十分であるときに、使用してもよい。通信アダプタは、好ましくは、コンピュータシステムをネットワークに結合するように適合されており、このネットワークは、情報がネットワーク(例えば、インターネットまたはその他のワイドエリアネットワーク、ローカルエリアネットワーク、パブリックまたはプライベート用交換電話ネットワーク、ワイヤレスネットワーク、前記の任意の組合せ)を介して、コンピュータシステムに入力されるとともに/またはそこから出力されることを可能にする。ユーザインターフェイスアダプタは、キーボード、ポインティングデバイス、およびマイクロフォンおよび/またはスピーカ(複数を含む)などの出力デバイスなどの、ユーザ入力デバイスを、例示的コンピュータシステムに結合する。ディスプレイアダプタは、CPUに駆動されて、ディスプレイデバイス上のディスプレイを制御し、例えば、上述のような様々な実施形態によって修正しようとする構造のモデルを表示する。
【0065】
本発明は、この例示的なコンピュータシステムのアーキテクチャに限定されないことを理解すべきである。例えば、任意好適なプロセッサベースデバイスを、それに限定されることなく、パーソナルコンピュータ、ラップトップコンピュータ、コンピュータワークステーション、およびマルチプロセッササーバを含み、上述の様々な要素(例えば、ユーザインターフェイスを提示するためのソフトウェア、クレーム判定システム、その他)を実現するために使用してもよい。さらに、本発明の実施形態は、特定用途向け集積回路(ASIC)または超大規模集積回路(VLSI)上で実現してもよい。実際に、当業者であれば、本発明の実施形態による、論理動作を実行することのできる任意の数の好適な構造を使用してもよい。
【0066】
本発明とその効果について詳細に記述したが、様々な変更、置換および改修を、添付の特許請求の範囲によって定義されている、本発明の趣旨と範囲から逸脱することなく、本明細書において行うことが可能であることを理解すべきである。さらに、本出願の範囲は、明細書に記載された、特定の工程、機械、製造、物の組成、手段、方法および段階に限定されることを意図していない。当業者であれば、本発明の開示から容易に気付くように、本明細書で記載された対応する実施形態と実質的に同等の機能を実施するか、または実質的に同等の結果を達成する、現在存在しているか、または後に開発される、工程、機械、製造、物質の組成、手段、方法、または段階を、本発明に従って使用してもよい。したがって、添付の特許請求の範囲は、その範囲の中に、そのような工程、機械、製造、物質の組成、手段、方法、または段階を含めることを意図している。