(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施の形態について、添付の図面を参照して説明する。
【0013】
実施形態を説明する前に、基礎となる予備的事項について説明する。
図1に示すように、予備的事項に係る配線基板100では、厚み方向の中央部にコア基板200が配置されている。コア基板200にはスルーホールTHが形成されており、スルーホールTHの内壁にスルーホールめっき層220が形成されている。さらに、スルーホールTHの残りの孔に樹脂240が充填されている。
【0014】
また、コア基板200の両面側には、スルーホールめっき層220を介して相互接続された第1配線層300がそれぞれ形成されている。さらに、コア基板200の両面側において、第1配線層300の上には第2、第3、第4配線層320,340,360がそれぞれ積層されている。
【0015】
両面側の第1〜第4配線層300,320,340,360は、各々の間に配置された層間絶縁層400を介して積層されている。そして、第1〜第4配線層300,320,340,360は、各層間絶縁層400に形成されたビアホールVHを介して接続されている。
【0016】
また、コア基板200の両面側において、第4配線層360の接続部上に開口部420aが設けられたソルダレジスト420がそれぞれ形成されている。
【0017】
コア基板200はガラスエポキシ樹脂から形成され、その厚みは400μm〜800μmである。コア基板200は比較的厚い厚みを有するリジッド基板であり、十分な剛性を有する。このため、配線基板の製造工程で加熱処理などを繰り返し行っても、配線基板にねじれや反りが発生することはない。
【0018】
近年では、電子部品装置の小型化及び高性能化などが要求されており、それに対応するために配線基板100のコア基板200の薄型化が進められている。
【0019】
図2には、
図1の配線基板100において、コア基板200の厚みを100μm〜200μmに薄くした配線基板120が示されている。
図2においてその他の要素は
図1と同一である。
【0020】
配線基板120のコア基板200の厚みが100μm〜200μmに薄くなると、剛性がかなり弱くなり、リジッド基板ではなくなってしまう。このため、
図2に示すように、配線基板の製造工程で加熱処理などを繰り返し行うと、内部に発生する熱応力に対してコア基板200が耐えることができず、配線基板120にねじれや反りが発生する問題がある。
【0021】
以下に説明する実施形態では、前述した不具合を解消することができる。
【0022】
(実施形態)
図3〜
図6は実施形態の配線基板の製造方法を示す断面図、
図7は実施形態の配線基板を示す断面図である。以下、実施形態の配線基板の製造方法を説明しながら配線基板の構造について説明する。
【0023】
実施形態の配線基板の製造方法では、
図3(a)に示すように、まず、絶縁樹脂材料から形成されるコア基板10を用意する。コア基板10は、好適にはガラスエポキシ樹脂などの繊維補強材含有樹脂から形成されるが、ポリイミドフィルムなどの樹脂フィルムから形成されてもよい。コア基板10は100μm〜200μm程度の厚みに薄型化されており、十分な剛性を有していない。
【0024】
次いで、
図3(b)に示すように、ルータ又は金型プレス機などによってコア基板10を厚み方向に貫通加工することにより、スルーホールTHを形成する。スルーホールTHの直径は例えば50μm〜100μm程度である。多面取り用の大型のコア基板10を使用する場合は、複数で画定された製品領域ごとにスルーホールTHがそれぞれ形成される。
【0025】
続いて、
図3(c)に示すように、コア基板10の両面及びスルーホールTHの内壁に無電解めっきにより銅層などのシード層20aを形成する。さらに、
図3(d)に示すように、コア基板10の両面側及びスルーホールTHの内壁のシード層20aの上に、シード層20aをめっき給電経路に利用する電解めっきにより金属めっき層20bを形成する。金属めっき層20bはスルーホールTH内を埋め込んで形成される。
【0026】
さらに、
図3(e)に示すように、コア基板10の両面側において、フォトリソグラフィ及びウェットエッチングによって金属めっき層20b及びシード層20aをパターニングすることにより、第1配線層20を形成する。
【0027】
第1配線層20はシード層20a及び金属めっき層20bから形成され、その全体の厚みは例えば20μm〜50μmである。両面側の第1配線層20は、スルーホールTHに充填された貫通電極TEを介して相互接続される。
【0028】
なお、
図3(e)の例の他に、貫通電極TEがスルーホールTHの内壁にスルーホールめっき層として形成され、スルーホールTHの残りの孔が樹脂で充填されていてもよい。つまり、両面側の第1配線層20はスルーホールTHに形成された導体層を介して相互接続されていればよい。
【0029】
次いで、
図4(a)に示すように、繊維補強材含有樹脂フィルム30aの一方の面にプライマーフィルム32aが接着された積層フィルムMFを用意する。
【0030】
繊維補強材含有樹脂フィルム30aはガラス繊維、アラミド繊維、炭素繊維などの繊維補強材に熱硬化性樹脂、例えばエポキシ樹脂を含浸させ、加熱乾燥することによって半硬化状態(Bステージ)にしたものである。繊維補強材含有樹脂フィルム30aは、薄膜のコア基板10に十分な剛性をもたせるための補強材として使用される。
【0031】
プライマーフィルム32aは、半硬化状態(Bステージ)のエポキシ樹脂又はポリイミド樹脂などから形成され、配線層を密着性よく形成するための密着層として機能する。
【0032】
繊維補強材含有樹脂フィルム30a及びプライマーフィルム32aの両者において、樹脂の中にシリカフィラーが分散されていてもよい。
【0033】
そして、
図3(e)の構造体の両面に、積層フィルムMFの繊維補強材含有樹脂フィルム30aの面をそれぞれ配置し、190℃〜200℃の温度で金型などによって熱プレスする。これにより、コア基板10の両面側において、繊維補強材含有樹脂フィルム30a及びプライマーフィルム32aが溶融して流動化した後に、硬化する。
【0034】
このようにして、
図4(b)に示すように、コア基板10の両面側に、繊維補強材含有樹脂フィルム30aから形成された繊維補強材含有樹脂層30がそれぞれ得られる。また、両面側の繊維補強材含有樹脂層30は、外面にプライマーフィルム32aから形成されたプライマー層32が接着された状態でそれぞれ形成される。
【0035】
例えば、繊維補強材含有樹脂層30の厚みは40μm〜60μmであり、プライマー層32の厚みは10μm〜20μmである。
【0036】
繊維補強材含有樹脂フィルム30aが溶融して流動化することによって、第1配線層20の間のスペース領域が埋め込まれて第1配線層20の段差が解消される。その結果、両面側のプライマー層32の外面が平坦になって形成される。
【0037】
薄型化されて剛性の低いコア基板10の両面に繊維補強材含有樹脂層30を形成することにより、コア基板10の剛性が補強される。従って、後の多層配線の各種の製造工程で加熱処理などを繰り返し行っても、コア基板10にねじれや反りが発生することが防止される。
【0038】
また、本実施形態では、繊維補強材含有樹脂層30の上にプライマー層32を形成している。後述するように、プライマー層32の上にめっき法に基づいて配線層が形成される。配線層を信頼性よく形成するためには、配線層の下地層の表面を粗化面としてアンカー効果によって密着性を確保する必要がある。
【0039】
繊維補強材含有樹脂層30の表面は適度に粗化することが困難であるため、繊維補強材含有樹脂層30の上に配線層を直接形成すると、配線層の十分な密着性が得られない。
【0040】
このため、本実施形態では、表面を容易に粗化できるエポキシ樹脂などのプライマー層32を繊維補強材含有樹脂層30の上に形成し、プライマー層32の上に配線層を密着性よく形成するようにしている。
【0041】
なお、
図4(a)及び(b)の例では、積層フィルムMFを貼り付けることにより、繊維補強材含有樹脂層30及びプライマー層32aを形成したが、コア基板10の両面側に繊維補強材含有樹脂層30を形成した後に、その上にプライマー層32を積層してもよい。
【0042】
つまり、コア基板10の両面側に、内側から順に、繊維補強材含有樹脂層30及びプライマー層32が積層された積層体を形成すればよい。
【0043】
このようにして、コア基板10の両面側に、
繊維補強材含有樹脂層30及びプライマー層32から形成される第1層間絶縁層40が得られる。
【0044】
次いで、
図4(c)に示すように、コア基板10の両面側において、プライマー層32及び
繊維補強材含有樹脂層30をレーザで加工することにより、第1配線層20に到達する第1ビアホールVH1をそれぞれ形成する。
【0045】
その後に、
図4(d)に示すように、過マンガン酸法などのデスミア処理によって、第1ビアホールVH1内の樹脂スミアを除去してクリーニングする。このとき、プライマー層32の表面が同時にデスミア処理される。
【0046】
これにより、
図4(d)の部分拡大断面図に示すように、プライマー層32の表面は、凹凸が形成されて粗化面Rとなる。プライマー層32の表面粗さ(Ra)は例えば100nm〜600nmとなり、配線層を形成する際に十分なアンカー効果が得られる。
【0047】
あるいは、デスミア処理は、CF
4などのガスを使用するプラズマ処理によって行ってもよい。この場合も、プライマー層32の表面を適度な粗化面Rとすることができる。プラズマ処理はドライエッチング装置によって行われる。
【0048】
また、デスミア処理だけでは粗化が足りない場合は、デスミア処理を行った後に、さらにプライマー層32の表面をプラズマ処理などで粗化してもよい。
【0049】
続いて、
図5(a)に示すように、コア基板10の両面側の第1層間絶縁層40の上に、第1ビアホールVH1を介して第1配線層20に接続される第2配線層22をそれぞれ形成する。第2配線層22は、例えばセミアディティブ法によって形成される。
【0050】
詳しく説明すると、まず、
図4(d)の構造体の両面側において、プライマー層32の上及び第1ビアホールVH1の内壁に無電解めっき又はスパッタ法によって銅層などのシード層(不図示)を形成する。
【0051】
続いて、第2配線層22が配置される第1ビアホールVH1を含む領域に開口部が設けられためっきレジスト(不図示)をシード層の上に形成する。続いて、シード層をめっき給電経路に利用する電解めっきにより、めっきレジストの開口部に銅層などの金属めっき層(不図示)を形成する。
【0052】
さらに、めっきレジストを除去した後に、金属めっき層をマスクにしてシード層をエッチングすることにより第2配線層22を得る。
【0053】
次いで、
図5(b)に示すように、コア基板10の両面側において、第1層間絶縁層40及び第2配線層22の上に未硬化の樹脂フィルムを熱プレスで貼り付けることにより、第2層間絶縁層42をそれぞれ形成する。
【0054】
さらに、
図5(c)に示すように、コア基板10の両面側において、第2層間絶縁層42をレーザで加工することにより、第2配線層22に到達する第2ビアホールVH2をそれぞれ形成する。
【0055】
続いて、
図6(a)に示すように、
図5(a)の第2配線層22の形成方法と同様な方法により、コア基板10の両面側の第2層間絶縁層42の上に、第2ビアホールVH2を介して第2配線層22に接続される第3配線層24をそれぞれ形成する。
【0056】
次いで、
図6(b)に示すように、コア基板10の両面側において、第2層間絶縁層42及び第3配線層24の上に未硬化の樹脂フィルムを熱プレスで貼り付けることにより、第3層間絶縁層44をそれぞれ形成する。さらに同様に、コア基板10の両面側において、第3層間絶縁層44をレーザで加工することにより、第3配線層24に到達する第3ビアホールVH3をそれぞれ形成する。
【0057】
続いて、
図6(c)に示すように、
図5(a)の第2配線層22の形成方法と同様な方法により、コア基板10の両面側の第3層間絶縁層44の上に、第3ビアホールVH3を介して第3配線層24に接続される第4配線層26をそれぞれ形成する。
【0058】
その後に、
図7に示すように、コア基板10の両面側の第3層間絶縁層44の上に、第4配線層26の接続部上に開口部46aが設けられたソルダレジスト46をそれぞれ形成する。さらに、必要に応じて、両面側の第4配線層26の接続部にニッケル/金めっき層を形成するなどしてコンタクト層(不図示)を形成する。
【0059】
以上により、実施形態の配線基板1が得られる。多面取り用の大型のコア基板10を使用する場合は、各製品領域から個々の配線基板1が得られるように最上のソルダレジスト46から最下のソルダレジスト46まで切断される。
【0060】
図7に示すように、実施形態の配線基板1では、厚み方向の中央部にコア基板10が配置されている。コア基板10の厚みは100μm〜200μm程度に薄型化されている。
【0061】
コア基板10には厚み方向に貫通するスルーホールTHが形成されている。コア基板10の両面側には第1配線層20がそれぞれ形成されている。両面側の第1配線層20はスルーホールTH内に充填された貫通電極TEを介して相互接続されている。
【0062】
コア基板10の両面側には繊維補強材含有樹脂層30がそれぞれ形成されている。繊維補強材含有樹脂層30は薄型化されたコア基板10の剛性を強化する補強材として機能する。また、両面側の繊維補強材含有樹脂層30の上にプライマー層32がそれぞれ形成されている。繊維補強材含有樹脂層30及びプライマー層32により第1層間絶縁層40が形成される。
【0063】
コア基板10の両面側において、第1層間絶縁層40には第1配線層20に到達する第1ビアホールVH1がそれぞれ形成されている。また、両面側の第1層間絶縁層40の上には、第1ビアホールVH1を介して第1配線層20に接続される第2配線層22がそれぞれ形成されている。
【0064】
プライマー層32は、第2配線層22を密着性よく繊維補強材含有樹脂層30の上に形成するための密着層として機能する。プライマー層32の表面は粗化面R(
図4(d))となっており、アンカー効果によって第2配線層22がプライマー層32の上に密着性よく形成されている。
【0065】
また、コア基板10の両面側の第1層間絶縁層40及び第2配線層22の上に、第2配線層22に到達する第2ビアホールVH2を備えた第2層間絶縁層42がそれぞれ形成されている。さらに、両面側の第2層間絶縁層42の上には、第2ビアホールVH2を介して第2配線層22に接続された第3配線層24がそれぞれ形成されている。
【0066】
また同様に、コア基板10の両面側の第2層間絶縁層42及び第3配線層24の上に、第3配線層24に到達する第3ビアホールVH3を備えた第3層間絶縁層44がそれぞれ形成されている。さらに、両面側の第3層間絶縁層44の上には、第3ビアホールVH3を介して第3配線層24に接続された第4配線層26がそれぞれ形成されている。
【0067】
また、コア基板10の両面側の第3層間絶縁層44の上に、第4配線層26の接続部上に開口部46aが設けられたソルダレジスト46がそれぞれ形成されている。
【0068】
実施形態の配線基板1では、コア基板10が薄型化されるとしても、コア基板10が繊維補強材含有樹脂層30で補強されているため十分な剛性を有する。従って、配線基板1の製造工程において樹脂フィルムを熱プレスする際の加熱処理などが繰り返し行われるとしても、コア基板10は内部に発生する熱応力に耐えることができる。
【0069】
これにより、配線基板1にねじれや反りが発生することが防止される。また、コア基板10の剛性が補強されているので、コア基板10のハンドリング性や搬送の信頼性を向上させることができる。
【0070】
また、繊維補強材含有樹脂層30の表面を適度に粗化することは困難であるため、繊維補強材含有樹脂層30の上にプライマー層32を密着層として形成している。前述したように、エポキシ樹脂などから形成されるプライマー層32は、デスミア処理を行うこことで容易に粗化面Rが得られるため、アンカー効果によって第2配線層22を密着性よく形成することができる。
【0071】
このように、本実施形態の配線基板1では、コア基板10を繊維補強材含有樹脂層30で補強し、その上にプライマー層32を形成することにより、コア基板10の反りの発生を防止できると共に、第2配線層22の密着性を確保すること
ができる。これにより、配線基板1が薄型化される場合であっても十分な信頼性を確保することができる。
【0072】
本実施形態の例では、コア基板10両面側に、貫通電極TEを介して相互接続される第1〜第4配線層20,22、24,26を形成しているが、配線層の積層数は任意に設定することができる。
【0073】
また、コア基板10の片面のみに繊維補強材含有樹脂層30及びプライマー層32を含む多層配線を形成してもよい。
【0074】
そして、
図8に示すように、
図7の配線基板1の上面側の第4配線層26の接続部に半導体チップ50のバンプ電極52がフリップチップ接続される。さらに、半導体チップ50と配線基板1との隙間にアンダーフィル樹脂54が充填される。また、配線基板1の下面側の第4配線層26の接続部にはんだボールを搭載するなどして外部接続端子56を設ける。
【0075】
これにより、本実施形態の配線基板を使用する半導体装置5が得られる。配線基板1の両面側の第1〜第4配線層20,22,24、26によって、半導体チップ50のバンプ電極52の狭ピッチが実装基板の接続電極の広ピッチに対応するようにピッチ変換される。
【0076】
そして、半導体装置5の外部接続端子56がマザーボードなどの実装基板の接続電極に接続される。