(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
<レジスト組成物>
本発明のレジスト組成物(以下「本レジスト組成物」という)は、
式(a)で表される化合物に由来する構造単位を有する樹脂(以下「樹脂(A)」とい
う)及び
(B)酸発生剤(以下「酸発生剤(B)」という)を含有する。
このレジスト組成物は、さらに、溶剤(以下「溶剤(D)」という)、塩基性化合物(
以下「塩基性化合物(C)」という)を含むことが好ましい。
本レジスト組成物は、樹脂(A)を含有することにより、欠陥の発生量が少なく、優れ
たマスクエラーファクター(MEF)のレジストパターンを製造できるという効果を発現
する。
【0010】
<樹脂(A)>
樹脂(A)は、式(a)で表される化合物(以下「化合物(a)」という)に由来する
構造単位を有する。
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[式(a)中、
R
1は、水素原子又はメチル基を表す。
R
2は、置換基を有していてもよい炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基を表す。
A
1は、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルカンジイル基又は式(a−g1
)で表される基を表す。
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(式(a−g1)中、
sは0又は1を表す。
A
10及びA
12は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数1〜5の脂肪族炭
化水素基を表す。
A
11は、置換基を有していてもよい炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基又は単結合を表す
。
X
10及びX
11は、それぞれ独立に、酸素原子(本明細書では当該酸素原子を「−O−」
で示すことがある。)、カルボニル基(本明細書では当該カルボニル基を「−CO−」で
示すことがある。)、カルボニルオキシ基(本明細書では当該カルボニルオキシ基を「−
CO−O−」で示すことがある。)又はオキシカルボニル基(本明細書では当該オキシカ
ルボニル基を「−O−CO−」で示すことがある)を表す。
ただし、A
10、A
11、A
12、X
10及びX
11の炭素数の合計は6以下である。)]
【0011】
A
1は、炭素数1〜6のアルカンジイル基又は前記式(a−g1)で表される基(以下
「基(a−g1)」という)である。
A
1のアルカンジイル基は、直鎖状であっても、分岐していてもよく、例えば、メチレ
ン基、エチレン基、プロパンジイル基、プロパンジイル基、ブタンジイル基、ペンタンジ
イル基、ペンタンジイル基及びヘキサンジイル基などが挙げられる。
このアルカンジイル基を構成する水素原子は置換基に置き換わっていてもよい。該置換
基としては、ヒドロキシ基及び炭素数1〜6のアルコキシ基などが挙げられる。
【0012】
以下に、基(a−g1)の具体例を示す。以下の具体例において、その左右を式(a)
に合わせて記載しており、それぞれ*で示される2つの結合手のうち、左側の結合手は、
R
1側の酸素原子と結合し、右側の結合手はR
2側の酸素原子と結合している。
【0013】
酸素原子を有する基(a−g1)としては、
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などが挙げられる(*は結合手を表す)。
【0014】
カルボニル基を有する基(a−g1)としては、
[この文献は図面を表示できません]
などが挙げられる(*は結合手を表す)。
【0015】
カルボニルオキシ基を有する基(a−g1)としては、
[この文献は図面を表示できません]
などが挙げられる(*は結合手を表す)。
【0016】
オキシカルボニル基を有する基(a−g1)としては、
[この文献は図面を表示できません]
などが挙げられる(*は結合手を表す)。
【0017】
なかでも、A
1はアルカンジイル基が好ましく、置換基を有さないアルカンジイル基が
より好ましく、炭素数1〜4のアルカンジイル基がさらに好ましく、エチレン基が特に好
ましい。
【0018】
R
2の脂肪族炭化水素基は炭素−炭素不飽和結合を有していてもよいが、脂肪族飽和炭
化水素基が好ましい。
脂肪族飽和炭化水素基としては、アルキル基(当該アルキル基は直鎖でも分岐していて
もよい)及び脂環式炭化水素基、並びに、アルキル基及び脂環式炭化水素基を組み合わせ
た脂肪族炭化水素基などが挙げられる。
【0019】
アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキ
シル基、ヘプチル基及びオクチル基などが挙げられる。
脂環式炭化水素基は、単環式及び多環式のいずれでもよい。単環式の脂環式炭化水素基
としては、例えば、シクロペンチル基、シクロへキシル基、メチルシクロヘキシル基、ジ
メチルシクロへキシル基、シクロヘプチル基及びシクロオクチル基などのシクロアルキル
基が挙げられる。多環式の脂環式炭化水素基としては、デカヒドロナフチル基、アダマン
チル基、ノルボルニル基及びメチルノルボルニル基並びに下記に示す基などが挙げられる
。
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【0020】
R
2の脂肪族炭化水素基は置換基を有していても有していなくてもよいが、R
2は置換
基を有する脂肪族炭化水素基であることが好ましい。
R
2の置換基としては、ハロゲン原子又は式(a−g3)で表される基(以下「基(a
−g3)」という)が好ましい。
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(式(a−g3)中、
X
12'は、酸素原子、カルボニル基、カルボニルオキシ基又はオキシカルボニル基を表
す。
A
14は、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数3〜17の脂肪族炭化水素基を表す。
)
【0021】
ハロゲン原子を有する脂肪族炭化水素基は、典型的には、ハロゲン原子を有するアルキ
ル基及びハロゲン原子を有する脂環式炭化水素基(好ましくは、ハロゲン原子を有するシ
クロアルキル基)である。
ハロゲン原子を有するアルキル基とは、該アルキル基を構成する水素原子がハロゲン原
子に置換されたものである。同様に、ハロゲン原子を有する脂環式炭化水素基とは、該脂
環式炭化水素基を構成する水素原子がハロゲン原子に置換されたものである。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子が挙げられ、
好ましくは、フッ素原子である。
【0022】
R
2のハロゲン原子を有する脂肪族炭化水素基は、アルキル基を構成する水素原子の全
部がフッ素原子に置換されたペルフルオロアルキル基、シクロアルキル基を構成する水素
原子の全部がフッ素原子に置換されたペルフルオロシクロアルキル基が好ましい。なかで
も、好ましくはペルフルオロアルキル基であり、より好ましくは、炭素数が1〜6のペル
フルオロアルキル基であり、さらに好ましくは炭素数1〜3のペルフルオロアルキル基で
ある。
ペルフルオロアルキル基としては、トリフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、ペ
ルフルオロプロピル基、ペルフルオロブチル基、ペルフルオロペンチル基、ペルフルオロ
ヘキシル基、ペルフルオロヘプチル基及びペルフルオロオクチル基などが挙げられる。
X
12'は、カルボニルオキシ基又はオキシカルボニル基であることが好ましい。
【0023】
R
2がフッ素原子を有する脂肪族炭化水素基であり、A
1がエチレン基である化合物(
a)としては、以下の式(a1)〜式(a22)で表される化合物が挙げられる。
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【0025】
R
2が、ペルフルオロアルキル基又はペルフルオロシクロアルキル基である化合物(a
)としては、上述の具体例の中では、式(a3)、式(a4)、式(a7)、式(a8)
、式(a11)、式(a12)、式(a15)、式(a16)、式(a19)、式(a2
0)、式(a21)及び式(a22)のいずれかで表される化合物が該当する。
【0026】
式(a−g3)で表される基を有する脂肪族炭化水素基としては、基(a−g3)を1
個又は複数個有していてもよいが、基(a−g3)に含まれる炭素原子の数を含めて、脂
肪族炭化水素基の総炭素数は、15以下が好ましく、12以下がより好ましい。このよう
な好ましい総炭素数を満たすためには、基(a−g3)を1個有する基がR
2として好ま
しい。
【0027】
基(a−g3)を有する脂肪族炭化水素基、つまり、基(a−g3)を有するR
2は、
以下の式(a−g2)で表される基(以下「基(a−g2)」という)であることが好ま
しい。
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(式(a−g2)中、
A
13は、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数3〜17の脂肪族炭化水素基を表す。
X
12は、カルボニルオキシ基又はオキシカルボニル基を表す。
A
14は、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数3〜17の脂肪族炭化水素基を表す。
ただし、A
13、A
14及びX
12の炭素数の合計は18以下である。)
【0028】
基(a−g2)(*はカルボニル基との結合手である)のうち、好ましいものとして、
以下の構造が挙げられる。
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【0030】
R
2が、式(a−g3)で表される基を1個有する脂肪族炭化水素基である化合物(a
)、つまり、R
2が式(a−g2)で表される基である化合物(a)は具体的には、以下
の式(a’)で表されるもの(以下「化合物(a’)」という)である。
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[式(a’)中、
A
13は、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数3〜17の脂肪族炭化水素基を表す。
X
12は、カルボニルオキシ基又はオキシカルボニル基を表す。
A
14は、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数3〜17の脂肪族炭化水素基を表す。
ただし、A
13及びA
14の炭素数の合計は17以下である。
A
1及びR
1は、前記と同義である。]
化合物(a’)は、本レジスト組成物に含有される樹脂(A)の製造用原料として、有
用且つ新規の化合物であり、本発明は、化合物(a’)に係る発明を含む。
【0031】
化合物(a’)において、A
13及びA
14はともにハロゲン原子を有することもあるが、
A
13のみが、ハロゲン原子を有する脂肪族炭化水素基であるか、または、A
14のみがハロ
ゲン原子を有する脂肪族炭化水素基であることが好ましい。さらには、A
13のみがハロゲ
ン原子を有する脂肪族炭化水素基が好ましく、中でも、A
13はフッ素原子を有するアルカ
ンジイル基がより好ましく、ペルフルオロアルカンジイル基がさらに好ましい。なお、こ
の「ペルフルオロアルカンジイル基」とは、水素原子の全部がフッ素原子に置換されたア
ルカンジイル基をいう。
【0032】
R
2がペルフルオロアルカンジイル基であり、A
1がエチレン基である化合物(a’)
としては、以下の式(a’1)〜式(a’46)で表される化合物が挙げられる。
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【0034】
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なかでも、式(a’7)〜式(a’42)で表される化合物が好ましい。
【0035】
A
13及びA
14は炭素数の合計が17以下である範囲で任意に選択されるが、A
13の炭素
数は1〜6が好ましく、1〜3がより好ましい。A
14の炭素数は4〜15が好ましく、5
〜12がより好ましい。さらに好ましいA
14は、炭素数6〜12の脂環式炭化水素基であ
り、脂環式炭化水素基としては、シクロヘキシル基及びアダマンチル基が好ましい。
【0036】
化合物(a)は、例えば、以下の製造方法(1)〜(3)によって製造することができ
る。
(1)以下の反応式に示したように、式(as−1)で表される化合物と式(as−2
)で表される化合物とを、塩基性触媒の存在下で、反応させることにより、化合物(a)
が得られる。
[この文献は図面を表示できません]
塩基性触媒としては、ピリジンなどが挙げられる。この反応は、通常、溶媒の存在下で
行われる。溶媒としては、テトラヒドロフランなどが用いられる。
式(as−1)で表される化合物としては、市場から容易に入手できる市販品を用いて
も、公知の方法で製造して用いることもできる。公知の方法とは例えば、(メタ)アクリ
ル酸又はその誘導体(例えば、(メタ)アクリル酸クロリドなど)と、適当なジオール(
HO−A
1−OH)とを縮合する方法が挙げられる。市販品としては、ヒドロキシエチル
メタクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレートなどが挙げられる。
式(a−2)で表される化合物としては、R
2の種類に応じて、対応するカルボン酸を
無水物へと変換して用いればよい。市場から入手できるものとしては、ヘプタフルオロ酪
酸無水物などが挙げられる。
【0037】
(2)以下の反応式に示したように、式(as−3)で表される化合物と式(as−4
)で表される化合物とを、溶媒の存在下又は非存在下で反応させることにより、化合物(
a)が得られる。
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反応の際には適当な脱酸剤(例えば、炭酸ナトリウムなど)を共存させてもよい。溶媒
としては、例えば、テトラヒドロフラン、メチルイソブチルケトン、トルエンなどを用い
ることができる。
式(as−3)で表される化合物は、(メタ)アクリル酸クロリドであり、これは市場
から容易に入手できる。式(as−3)で表される化合物の塩素原子を、臭素原子又はヨ
ウ素原子に置き換えたものを、式(as−3)で表される化合物に置き換えて用いてもよ
い。式(as−3)で表される化合物の塩素原子を、臭素原子又はヨウ素原子に置き換え
たものは、例えば、(メタ)アクリル酸と、適当な臭素化剤又はヨウ素化剤と反応させる
ことにより得ることができる。
式(as−4)で表される化合物は、R
2の種類に応じたカルボン酸(R
2−COOH
)又はその誘導体(例えば、R
2−COClなど)と、適当なジオール(HO−A
1−O
H)とを縮合することにより得ることができる。
【0038】
(3)以下の反応式に示したように、式(as−1)で表される化合物と式(as−5
)で表される化合物とを反応させることにより、化合物(a)が得られる。
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式(as−1)で表される化合物は、上述したとおりである。
式(as−5)で表されるカルボン酸は、R
2の種類に応じて公知の方法により製造す
ることができる。例えば、上述の基(a−g2)で表される基を有する化合物(a’)を
製造するには、以下のいずれかの化合物を用いればよい。
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【0040】
式(as−1)で表される化合物と、式(as−5)で表されるカルボン酸との反応は
通常、溶媒の存在下で行われる。かかる溶媒としては、テトラヒドロフラン及びトルエン
などが用いられる。なお、かかる反応の際には、公知のエステル化触媒(例えば、酸触媒
やカルボジイミド触媒など)を共存させてもよい。
【0041】
樹脂(A)の全構造単位(100モル%)に対する化合物(a)に由来する構造単位の
含有割合(樹脂(A)中の化合物(a)に由来する構造単位の含有割合)は1〜100モ
ル%が好ましく、5〜95モル%がより好ましく、10〜90モル%がさらに好ましい。
なお、このような含有割合で、化合物(a)に由来する構造単位を有する樹脂(A)は、
樹脂(A)製造時に用いる全モノマーの総モル量に対する化合物(a)の使用モル量を調
節することでコントロールできる。化合物(a)は、1種のみ又は2種以上を使用しても
よい。
【0042】
本発明のレジスト組成物において、樹脂は酸発生剤(B)との相乗効果によりレジスト
パターンを形成できるものであることが好ましい。そのために、樹脂(A)は、アルカリ
水溶液に不溶又は難溶であり、酸の作用によりアルカリ水溶液に可溶となる特性を有する
ものであることが好ましい。化合物(a)に由来する構造単位を有し、かつ、このような
特性を有するものを「樹脂(AA)」という。
ここで「酸との作用によりアルカリ水溶液に可溶となる」とは、酸との接触前ではアル
カリ水溶液に不溶又は難溶であるが、酸との接触後にはアルカリ水溶液に可溶となること
を意味する。
【0043】
樹脂(AA)は、分子内にある親水性基の一部又は全部が、酸(例えば、酸発生剤から
生じる酸)との接触により脱離し得る保護基により保護されているものであり、樹脂(A
A)が酸と接触すると保護基が脱離して、親水性基が生成することにより、アルカリ水溶
液に可溶な樹脂となる。保護基により保護されている親水性基を、以下「酸不安定基」と
いう。親水性基としては、ヒドロキシ基又はカルボキシ基が挙げられ、カルボキシ基がよ
り好ましい。
【0044】
本発明のレジスト組成物では、樹脂(A)自体が必ずしも上述した特性を有していなく
てもよい。以下、化合物(a)に由来する構造単位を有し、かつ、このような特性を有
さない樹脂を「樹脂(AB)」という。
樹脂(AA)及び/又は樹脂(AB)を本レジスト組成物に用いることにより、レジス
トパターン製造時のマスクエラーファクター(MEF)に優れ、かつ欠陥の発生数が少な
いレジストパターンを製造することができる。
樹脂(A)は、以下に示すモノマー又は公知のモノマーに由来する構造単位を含有して
いることが好ましい。
【0045】
なお、本明細書では、特に断りのない限り、同様の置換基を有するいずれの化学構造式
も、炭素数を適宜選択しながら、後述する具体的な各置換基を適用することができる。直
鎖状、分岐状又は環状いずれかをとることができるものは、特記ない限りそのいずれをも
含み、同一の基において、直鎖状、分岐状及び/又は環状の部分構造が混在していてもよ
い。立体異性体が存在する場合は、それらの立体異性体の全てを包含する。
本明細書において、化合物の官能基(基)の定義において、「C」に付して記載した数
値は、各基の炭素数を示す。
「炭化水素基」とは、脂肪族炭化水素基(鎖式又は環式)及び芳香族炭化水素基をいう
。
鎖式の脂肪族炭化水素基(鎖式炭化水素基)のうち1価のものは、典型的にはアルキル
基であり、当該アルキル基としては、メチル基(C
1)、エチル基(C
2)、プロピル基
(C
3)、ブチル基(C
4)、ペンチル基(C
5)、ヘキシル基(C
6)、ヘプチル基(
C
7)、オクチル基(C
8)、デシル基(C
10)、ドデシル基(C
12)、ヘキサデシル基
(C
14)、ペンタデシル基(C
15)、ヘキシルデシル基(C
16)、ヘプタデシル基(C
17
)及びオクタデシル基(C
18)などが挙げられ、これらは直鎖でも分岐していてもよい。
この鎖式脂肪族炭化水素基は特に限定しない限り、ここに例示したアルキル基の一部に炭
素−炭素二重結合を含むアルケニル基でもよいが、本明細書でいう鎖式脂肪族炭化水素基
は、このような炭素−炭素二重結合などを有さない、飽和脂肪族炭化水素であることが好
ましい。2価の鎖式炭化水素基は、ここに示した鎖式炭化水素基から水素原子を1個取り
去ったアルカンジイル基が挙げられる。
【0046】
環式の脂肪族炭化水素基(以下、場合により「脂環式炭化水素基」という)のうち1価
のものは、例えば、脂環式炭化水素から水素原子1個を取り去った基である。当該脂環式
炭化水素基には、炭素−炭素不飽和結合1個程度を含む不飽和脂環式炭化水素基でもよく
、このような炭素−炭素不飽和結合を含まない飽和脂環式炭化水素基でもよいが、本明細
書でいう脂環式炭化水素基は飽和脂環式炭化水素基であることが好ましい。また、脂環式
炭化水素基は単環式のものであっても、多環式のものであってもよい。脂環式炭化水素基
としては、以下に例示する脂環式炭化水素から、価数に応じた水素原子を取り去った基が
挙げられる。例えば、単環式の脂環式炭化水素基が挙げられ、シクロアルカンが好ましい
。例えば、
式(KA−1)で表されるシクロプロパン(C
3)、
式(KA−2)で表されるシクロブタン(C
4)、
式(KA−3)で表されるシクロペンタン(C
5)、
式(KA−4)で表されるシクロヘキサン(C
6)、
式(KA−5)で表されるシクロヘプタン(C
7)、
式(KA−6)で表されるシクロオクタン(C
8)、及び、
式(KA−7)で表されるシクロドデカン(C
12)
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などが挙げられる。
多環式の脂環式炭化水素としては例えば、
式(KA−8)で示されるビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン(以下「ノルボルナン」とい
う場合がある。)(C
7)、
式(KA−9)で示されるアダマンタン(C
10)、
式(KA−10)で示される脂環式炭化水素(C
10)、
式(KA−11)で示される脂環式炭化水素(C
14)、
式(KA−12)で示される脂環式炭化水素(C
17)、
式(KA−13)で示される脂環式炭化水素(C
10)、
式(KA−14)で示される脂環式炭化水素(C
11)、
式(KA−15)で示される脂環式炭化水素(C
15)、
式(KA−16)で示される脂環式炭化水素(C
12)、
式(KA−17)で示される脂環式炭化水素(C
14)、
式(KA−18)で示される脂環式炭化水素(C
15)、及び、
式(KA−19)で示される脂環式炭化水素(C
17)
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などが挙げられる。ここに示した脂環式炭化水素を「式(KA−1)〜式(KA−19)
の脂環式炭化水素」という場合がある。
例えば、2価の脂環式炭化水素基は、式(KA−1)〜式(KA−19)の脂環式炭化
水素から水素原子を2個取り去った基である。
【0047】
次に、芳香族炭化水素基について説明する。本明細書において、芳香族炭化水素基は1
価の芳香族炭化水素基であり、典型的にはアリール基である。具体的にいえば、フェニル
基(C
6)、ナフチル基(C
10)、アントリル基(C
14)、ビフェニル基(C
12)、フェ
ナントリル基(C
14)及びフルオレニル基(C
13)などを挙げることができる。
【0048】
脂肪族炭化水素基は置換基を有することがある。該置換基としては、ハロゲン原子、ア
ルコキシ基、アシル基、アリール基、アラルキル基及びアリールオキシ基を挙げることが
できる。以下に、これらの代表例を挙げる。
【0049】
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる
。
アルコキシ基としては、メトキシ基(C
1)、エトキシ基(C
2)、プロポキシ基(C
3)、ブトキシ基(C
4)、ペンチルオキシ基(C
5)、ヘキシルオキシ基(C
6)、ヘ
プチルオキシ基(C
7)、オクチルオキシ基(C
8)、デシルオキシ基(C
10)及びドデシ
ルオキシ基(C
12)などが挙げられ、該アルコキシ基は直鎖でも分岐していてもよい。
アシル基としては、アセチル基(C
2)、プロピオニル基(C
3)、ブチリル基(C
4
)、バレイル基(C
5)、ヘキシルカルボニル基(C
6)、ヘプチルカルボニル基(C
7
)、オクチルカルボニル基(C
8)、デシルカルボニル基(C
10)及びドデシルカルボニ
ル基(C
12)などのアルキル基とカルボニル基とが結合したものに加え、ベンゾイル基(
C
7)などのようにアリール基とカルボニル基とが結合したものが挙げられる。該アシル
基のうち、アルキル基とカルボニル基とが結合したものの該アルキル基は直鎖でも分岐し
ていてもよい。
アリール基としては、上述の芳香族炭化水素基のアリール基として例示したものと同じ
であり、アリールオキシ基としては、該アリール基と酸素原子とが結合したものが挙げら
れる。
アラルキル基としては、ベンジル基(C
7)、フェネチル基(C
8)、フェニルプロピル
基(C
9)、ナフチルメチル基(C
11)及びナフチルエチル基(C
12)などが挙げられる
。
【0050】
芳香族炭化水素基も置換基を有することがある。該置換基としては、ハロゲン原子、ア
ルコキシ基、アシル基、アルキル基及びアリールオキシ基が挙げられる。該アルキル基は
、鎖式脂肪族炭化水素基として例示したものと同じであり、該アルキル基以外のものは、
脂肪族炭化水素基の置換基として例示したものと同じものを含む。
【0051】
さらに、「(メタ)アクリル系モノマー」とは、「CH
2=CH−CO−」又は「CH
2
=C(CH
3)−CO−」の構造を有するモノマーの少なくとも1種を意味する。同様に
「(メタ)アクリレート」及び「(メタ)アクリル酸」とは、それぞれ「アクリレート及
びメタクリレートの少なくとも1種」並びに「アクリル酸及びメタクリル酸の少なくとも
1種」を意味する。
【0052】
<モノマー(a1)>
モノマー(a1)は酸不安定基を有するモノマーである。重合には、モノマー(a1)
を1種のみ使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。親水性基がカルボキシ基であ
る場合の酸不安定基は、該カルボキシ基の水素原子が、有機残基に置き換わり、カルボキ
シ基の−O−と結合する該有機残基の炭素原子が第三級炭素原子である基(すなわち第三
アルコールのエステル)が挙げられる。
このような酸不安定基のうち、好ましい酸不安定基は例えば、以下の式(1)で表され
るもの(以下「酸不安定基(1)」という)である。
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式(1)中、R
a1、R
a2及びR
a3(以下「R
a1〜R
a3」のように表記する。)は、それ
ぞれ独立に、炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基を表し、R
a1及びR
a2が結合して、それら
が結合する炭素原子とともに炭素数3〜20の環を形成してもよい。R
a1及びR
a2が互い
に結合して形成される環、又は該脂肪族炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子、
硫黄原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。*は結合手を表す。
【0053】
R
a1〜R
a3の脂肪族炭化水素基は、アルキル基又は脂環式炭化水素基が好ましい。該ア
ルキル基としては、炭素数が1〜8において、すでに例示したものが挙げられる。
R
a1〜R
a3の脂環式炭化水素基も、炭素数が8以下の範囲において、すでに例示したも
のが挙げられる。
【0054】
R
a1及びR
a2が結合して環を形成する場合の−C(R
a1)(R
a2)(R
a3)で表される
基としては、下記に示す基が挙げられる。R
a1及びR
a2が互いに結合して形成される環の
炭素数は、好ましくは3〜12である。
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【0055】
このような酸不安定基(1)の具体例は、1,1−ジアルキルアルコキシカルボニル基
(式(1)中、R
a1〜R
a3が全てアルキル基である基、このアルキル基のうち、1つはt
ert−ブチル基であると好ましい。)、2−アルキルアダマンタン−2−イルオキシカ
ルボニル基(式(1)中、R
a1及びR
a2が互いに結合し、これらが結合する炭素原子とと
もにアダマンチル環を形成し、R
a3がアルキル基である基)及び1−(アダマンタン−1
−イル)−1−アルキルアルコキシカルボニル基(式(1)中、R
a1及びR
a2がアルキル
基であり、R
a3がアダマンチル基である基)などが挙げられる。
【0056】
一方、親水性基がヒドロキシ基である場合の酸不安定基としては、該ヒドロキシ基の水
素原子が、有機残基に置き換わり、アセタール構造又はケタール構造を含む基となったも
のが挙げられる。このような酸不安定基のうち、好ましい酸不安定基は例えば、以下の式
(2)で表される基(以下「酸不安定基(2)」という)である。
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式(2)中、R
b1及びR
b2は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜12の炭化水
素基を表し、R
b3は、炭素数1〜20の炭化水素基を表し、R
b2及びR
b3は結合して、そ
れらが各々結合する炭素原子及び酸素原子とともに炭素数3〜20の環を形成してもよい
。該炭化水素基がメチレン基を含む場合、そのメチレン基は、酸素原子、硫黄原子又はカ
ルボニル基に置き換わっていてもよく、R
b2及びR
b3が結合して形成される環を構成する
メチレン基は、酸素原子、硫黄原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。*は結
合手を表す。
【0057】
R
b1〜R
b3の炭化水素基は、脂肪族炭化水素基及び芳香族炭化水素基のいずれでもよく
、その具体例も炭素数の上限が20以下である範囲において、すでに例示したものを含む
が、酸不安定基(2)としては、R
b1及びR
b2のうち、少なくとも1つが水素原子である
ものが好ましい。
【0058】
酸不安定基(2)の具体例としては、以下の基が挙げられる。
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【0059】
酸不安定基を有するモノマー(a1)は、好ましくは、酸不安定基と炭素−炭素二重結
合とを有するモノマー、より好ましくは酸不安定基を有する(メタ)アクリル系モノマー
である。
モノマー(a1)は好ましくは、酸不安定基(1)及び/又は酸不安定基(2)と、炭
素−炭素二重結合とをともに分子内に有するモノマーであり、より好ましくは酸不安定基
(1)を有する(メタ)アクリル系モノマーである。
【0060】
酸不安定基(1)を有する(メタ)アクリル系モノマーの中でも、炭素数5〜20の脂
環式炭化水素構造を含む酸不安定基(1)を有するモノマー(a1)が好ましい。このよ
うな立体的に嵩高い脂環式炭化水素構造を有するモノマー(a1)を重合して得られる樹
脂(AA)は、該樹脂(AA)を含有する本レジスト組成物を用いてレジストパターンを
製造したとき、より良好な解像度でレジストパターンを製造することができる。
【0061】
脂環式炭化水素構造を含む酸不安定基(1)を有する(メタ)アクリル系モノマーとし
ては、例えば、式(a1−a)で表されるモノマーが挙げられる(以下「モノマー(a1
−a)」という)
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式(a1−a)中、
R’は、水素原子又はメチル基を表す。
Lは、酸素原子又は
*−O−(CH
2)
k1−CO−O−(k1は1〜7の整数を表す。
*はカルボニル基(−CO−)との結合手である。)で表される基を表す。
環Wは、炭素数5〜20の脂環式炭化水素環を表す。
Rは、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基を表す。
m1は0〜14の整数を表す。
式(a1−a)において、脂環式炭化水素環としては、好ましくは、炭素数5〜12の
単環式及び多環式の脂環式炭化水素環であり、より好ましくは炭素数5〜10の脂環式炭
化水素環である。
【0062】
脂環式炭化水素構造を含む酸不安定基(1)を有する(メタ)アクリル系モノマーの中
でも、式(a1−1)で表されるモノマー(以下「モノマー(a1−1)」という)又は
式(a1−2)で表されるモノマー(以下「モノマー(a1−2)」という)が好ましい
。樹脂(A)製造の際には、これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい
。
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式(a1−1)及び式(a1−2)中、
L
a1及びL
a2は、それぞれ独立に、酸素原子又は
*−O−(CH
2)
k1−CO−O−(
k1は1〜7の整数を表す。*はカルボニル基(−CO−)との結合手である。)で表さ
れる基を表す。
R
a4及びR
a5は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。
R
a6及びR
a7は、それぞれ独立に、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基を表す。
m1は0〜14の整数を表す。
n1は0〜10の整数を表す。
n1’は0〜3の整数を表す。
なお、式(a1−1)においてアダマンタン環にある「−(CH
3)
m1」の表記は、
アダマンタン環に含まれるメチレン基及び/又はメチン基の水素原子が、メチル基に置き
換わっており、アダマンタン環に結合しているメチル基の個数がm1個であることを意味
する。同様に、式(a1−2)においてシクロアルカン環にある「−(CH
3)
n1」の
表記は、シクロアルカン環に含まれるメチレン基の水素原子が、メチル基に置き換わって
おり、シクロアルカン環に結合しているメチル基の個数がn1個であることを意味する。
【0063】
L
a1及びL
a2は、好ましくは、酸素原子又は、k1'が1〜4の整数である*−O−(
CH
2)
k1'−CO−O−で表される基であり、より好ましくは酸素原子又は*−O−CH
2−CO−O−であり、さらに好ましくは酸素原子である。
R
a4及びR
a5は、好ましくはメチル基である。
R
a6及びR
a7の脂肪族炭化水素基は、好ましくは炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数
3〜10の脂環式炭化水素基である。R
a6及びR
a7の脂肪族炭化水素基はそれぞれ独立に
、好ましくは炭素数8以下のアルキル基又は炭素数8以下の脂環式炭化水素基であり、よ
り好ましくは炭素数6以下のアルキル基又は炭素数6以下の脂環式炭化水素基である。
m1は、好ましくは0〜3の整数、より好ましくは0又は1である。
n1は、好ましくは0〜3の整数、より好ましくは0又は1である。
n1’は、好ましくは0又は1、より好ましくは1である。
【0064】
モノマー(a1−1)としては、例えば、以下のものが挙げられる。
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【0072】
[この文献は図面を表示できません]
これらの中でも、モノマー(a1−1)としては、2−メチルアダマンタン−2−イル
(メタ)アクリレート、2−エチルアダマンタン−2−イル(メタ)アクリレート及び2
−イソプロピルアダマンタン−2−イル(メタ)アクリレートが好ましく、2−メチルア
ダマンタン−2−イルメタクリレート、2−エチルアダマンタン−2−イルメタクリレー
ト及び2−イソプロピルアダマンタン−2−イルメタクリレートがより好ましい。
【0073】
モノマー(a1−2)としては、例えば、以下のものが挙げられる。
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これらの中でも、モノマー(a1−2)としては、1−エチルシクロヘキサン−1−イ
ル(メタ)アクリレートが好ましく、1−エチルシクロヘキサン−1−イルメタクリレー
トがより好ましい。
【0074】
樹脂(AA)をモノマー(a1−1)及び/又はモノマー(a1−2)を用いて製造す
る場合、得られる樹脂(AA)の全構造単位を100モル%としたとき、これらモノマー
に由来する構造単位の含有割合(これらモノマーに由来する構造単位の含有量)の合計は
、10〜95モル%が好ましく、15〜90モル%がより好ましく、20〜85モル%が
さらに好ましい。モノマー(a1−1)に由来する構造単位及び/又はモノマー(a1−
2)に由来する構造単位の含有割合の合計を、このような範囲にするためには、樹脂(A
A)を製造する際に、全モノマーの使用量に対するモノマー(a1−1)及び/又はモノ
マー(a1−2)の合計使用量を調整すればよい。
【0075】
さらに、酸不安定基(1)と炭素−炭素二重結合とをともに分子内に有するモノマー(
a1)として例えば、以下の式(a1−3)で表されるノルボルネン環を有するモノマー
(以下、「モノマー(a1−3)」という)が挙げられる。
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式(a1−3)中、
R
a9は、水素原子、ヒドロキシ基を有していてもよい炭素数1〜3のアルキル基、カル
ボキシル基、シアノ基又は−COOR
a13を表す。
R
a13は、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基を構成する
水素原子は、ヒドロキシ基に置換されていてもよく、該脂肪族炭化水素基を構成するメチ
レン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。
R
a10、R
a11及びR
a12は、それぞれ独立に、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基を表
し、R
a10及びR
a11は結合して、これらが結合している炭素原子とともに、炭素数3〜2
0の環を形成してもよい。脂肪族炭化水素基を構成する水素原子は、ヒドロキシ基などに
置換されていてもよい。脂肪族炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子又はカルボ
ニル基に置き換わっていてもよい。
【0076】
R
a9のヒドロキシ基を有するアルキル基は例えば、ヒドロキシメチル基及び2−ヒドロ
キシエチル基などが挙げられる。
R
a10〜R
a12の脂肪族炭化水素基は、鎖式炭化水素基及び脂環式炭化水素基のいずれで
もよい。その具体例も、炭素数20以下の範囲において、すでに例示したものを含む。
R
a10及びR
a11が結合して形成される環は脂肪族炭化水素環が好ましく、具体的には、
シクロへキサン環及びアダマンタン環などである。
【0077】
R
a13は、炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数3〜20の脂環式炭化水素基であるこ
とが好ましい。
R
a9の−COOR
a13は例えば、メトキシカルボニル基(C
2)及びエトキシカルボニ
ル基(C
3)など、すでに例示したアルコキシ基にカルボニル基がさらに結合した基が挙
げられる。
【0078】
モノマー(a1−3)としては、例えば、5−ノルボルネン−2−カルボン酸−ter
t−ブチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸1−シクロヘキシル−1−メチルエチル
、5−ノルボルネン−2−カルボン酸1−メチルシクロヘキシル、5−ノルボルネン−2
−カルボン酸2−メチルアダマンタン−2−イル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸2
−エチルアダマンタン−2−イル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸1−(4−メチル
シクロヘキシル)−1−メチルエチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸1−(4−ヒ
ドロキシシクロヘキシル)−1−メチルエチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸1−
メチル−1−(4−オキソシクロヘキシル)エチル及び5−ノルボルネン−2−カルボン
酸1−(アダマンタン−1−イル)−1−メチルエチルなどが挙げられる。
【0079】
モノマー(a1−3)を用いて樹脂(AA)を製造した場合、この樹脂(AA)にはモ
ノマー(a1−3)に由来する、立体的に嵩高い構造単位が含まれることになる。このよ
うに立体的に嵩高い構造単位を有する樹脂(AA)を含む本レジスト組成物により、レジ
ストパターンを製造すれば、より良好な解像度でレジストパターンを製造することができ
る。さらにモノマー(a1−3)を用いることにより、樹脂(AA)の主鎖に剛直なノル
ボルナン環を導入できるため、樹脂(AA)を含む本レジスト組成物は、ドライエッチン
グ耐性に優れたレジストパターンが得られ易いという傾向がある。
【0080】
上述のように、良好な解像度のレジストパターンを製造できることや、ドライエッチン
グ耐性に優れたレジストパターンが得られ易いという点では、樹脂(AA)の全構造単位
(100モル%)に対する、モノマー(a1−3)に由来する構造単位の含有割合は10
〜95モル%が好ましく、15〜90モル%がより好ましく、20〜85モル%がさらに
好ましい。
【0081】
酸不安定基(2)と炭素−炭素二重結合とをともに分子内に有するモノマー(a1)と
しては、以下の式(a1−4)で表されるモノマー(以下、「モノマー(a1−4)」と
いう)が挙げられる。
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式(a1−4)中、
R
a32は、ハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、水素原子又はハロ
ゲン原子を表す。
R
a33は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6の
アルコキシ基、炭素数2〜4のアシル基、炭素数2〜4のアシルオキシ基、アクリロイル
基又はメタクリロイル基を表す。
laは0〜4の整数を表す。laが2以上の場合、複数のR
a33は同一でも異なってい
てもよい。
R
a34及びR
a35はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜12の炭化水素基を表す。
X
a2は、単結合又は炭素数1〜17の脂肪族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基を
構成する水素原子は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数
1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜4のアシル基又は炭素数2〜4のアシルオキシ基に置
換されていてもよい。ここに示す置換基は、炭素数が各々の上限である範囲において、す
でに例示したものを含む。X
a2の脂肪族炭化水素基は鎖式炭化水素基が好ましく、脂肪族
飽和炭化水素基であると一層好ましい。なお、脂肪族炭化水素基を構成するメチレン基は
、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、スルホニル基(−SO
2−)又は−N(R
c)−
で示される基に置き換わっていてもよい。R
cは、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル
基を表す。
Y
a3は、炭素数1〜18の炭化水素基であり、さらに好ましくは、炭素数3〜18の脂
環式炭化水素基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基である。Y
a3の炭化水素基は、ハ
ロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、
炭素数2〜4のアシル基又は炭素数2〜4のアシルオキシ基を有していてもよい。
【0082】
R
a32及びR
a33のハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基及びアシル基の具体例はす
でに例示したものを含む。
R
a32のハロゲン原子を有するアルキル基としては、該アルキル基を構成する水素原子
がハロゲン原子に置換されたものである。ハロゲン原子を有するアルキル基の具体例は、
トリフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、ペルフルオロ
イソプロピル基、ペルフルオロブチル基、ペルフルオロsec−ブチル基、ペルフルオロ
tert−ブチル基、ペルフルオロペンチル基、ペルフルオロヘキシル基、トリクロロメ
チル基、トリブロモメチル基及びトリヨードメチル基などが挙げられる。
R
a34及びR
a35の炭化水素基は、鎖式炭化水素基、脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水
素基のいずれであってもよい。その具体例は、各々の炭素数の範囲において、すでに例示
したものを含む。これらのうち、鎖式炭化水素基としては、イソプロピル基、n−ブチル
基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基及び
2−エチルヘキシル基が好ましく、脂環式炭化水素基としては、シクロヘキシル基、アダ
マンチル基、2−アルキルアダマンタン−2−イル基、1−(アダマンタン−1−イル)
アルカン−1−イル基及びイソボルニル基などが好ましい。芳香族炭化水素基は、フェニ
ル基、ナフチル基、アントラニル基、p−メチルフェニル基、p−tert−ブチルフェ
ニル基、p−アダマンチルフェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基
、ビフェニル基、アントリル基、フェナントリル基、2,6−ジエチルフェニル基及び2
−メチル−6−エチルフェニルなどが好ましい。
【0083】
R
a32及びR
a33がアルキル基である場合、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、メチ
ル基及びエチル基がより好ましく、メチル基がさらに好ましい。
R
a33のアルコキシ基としては、メトキシ基及びエトキシ基が好ましく、メトキシ基が
より好ましい。
【0084】
上述したように、X
a2及びY
a3は、これらを構成する水素原子が、ハロゲン原子及びヒ
ドロキシ基などの置換基に置換されていてもよいが、その置換基は好ましくはヒドロキシ
基である。
【0085】
ここで、モノマー(a1−4)としては例えば、以下のモノマーが挙げられる。
[この文献は図面を表示できません]
【0091】
樹脂(AA)が、モノマー(a1−4)に由来する構造単位を有する場合、その含有割
合は、樹脂(AA)の全構造単位(100モル%)に対して、10〜95モル%が好まし
く、15〜90モル%がより好ましく、20〜85モル%がさらに好ましい。
【0092】
さらに、酸不安定基(2)と炭素−炭素二重結合とをともに分子内に有するモノマー[
酸不安定基(2)を有する(メタ)アクリル系モノマー]としては、例えば、式(a1−
5)で表されるモノマー(以下「モノマー(a1−5)」という)が挙げられる。
[この文献は図面を表示できません]
式(a1−5)中、
R
31は、ハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、水素原子又はハロ
ゲン原子を表す。
L
1、L
2及びL
3は、それぞれ独立に、オキシ基、−S−又は
*−O−(CH
2)
k1
−CO−O−で表される基を表す。ここで、k1は1〜7の整数を表し、*はカルボニル
基(−CO−)との結合手を表す。
Z
1は、単結合又は炭素数1〜6のアルカンジイル基を表し、該アルカンジイル基に含
まれるメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。
s1及びs1’は、それぞれ独立して、0〜4の整数を表す。
【0093】
式(a1−5)で表されるモノマーにおいては、R
31は、水素原子、メチル基及びトリ
フルオロメチル基が好ましい。
L
1は、酸素原子が好ましい。
L
2及びL
3は、それぞれ独立に、酸素原子又は硫黄原子であることが好ましく、L
2
及びL
3は、一方が酸素原子、他方が硫黄原子であることがより好ましい。
Z
1は、単結合又は−CH
2−CO−O−が好ましい。
s1は、1が好ましい。
s1’は、0〜2の整数が好ましい。
【0094】
モノマー(a1−5)の具体例は、以下のとおりである。
[この文献は図面を表示できません]
【0100】
樹脂(AA)が、モノマー(a1−5)に由来する構造単位を有する場合、その含有割
合は、樹脂(AA)の全構造単位(100モル%)に対して、10〜95モル%が好まし
く、15〜90モル%がより好ましく、20〜85モル%がさらに好ましい。
【0101】
また、酸不安定基(1)と炭素−炭素二重結合とを分子内に有する構造単位(a1)と
して、以下のモノマーを用いることができる。
[この文献は図面を表示できません]
【0104】
樹脂(AA)が、上述したモノマーに由来する構造単位を有する場合、その含有割合は
、樹脂(AA)の全構造単位(100モル%)に対して、10〜95モル%が好ましく、
15〜90モル%より好ましく、20〜85モル%がさらに好ましい。
【0105】
<酸安定モノマー>
樹脂(AA)は、化合物(a)及びモノマー(a1)に加えて、酸不安定基を有さない
モノマー(以下「酸安定モノマー」という)を共重合することで得られる共重合体が好ま
しい。
また、樹脂(AB)としては、酸安定モノマーと化合物(a)とを共重合して得られる
樹脂が好ましい。
【0106】
酸安定モノマーを用いて、樹脂(AA)を製造する場合、モノマー(a1)の使用量を
基準にして、酸安定性モノマーの使用量を定めるとよい。モノマー(a1)の使用量と酸
安定モノマーの使用量の割合は、〔モノマー(a1)〕/〔酸安定モノマー〕で表して、
好ましくは10〜80モル%/90〜20モル%であり、より好ましくは20〜60モル
%/80〜40モル%である。
また、アダマンチル基を有するモノマー(特に、モノマー(a1−1))を、モノマー
(a1)に用いる場合、モノマー(a1)の使用量の総量(100モル%)に対して、ア
ダマンチル基を有するモノマーの使用量を15モル%以上とすることが好ましい。このよ
うにすると、樹脂(AA)を含有する本レジスト組成物から製造されるレジストパターン
のドライエッチング耐性がより良好になる傾向がある。なお、このようにしてモノマー(
a1)と、酸安定モノマーとの比率を最適化する際には、化合物(a)は酸安定モノマー
に加えて、比率を算出すればよい。
【0107】
酸安定モノマーとしては、ヒドロキシ基又はラクトン環を分子内に有するモノマーが好
ましい。ヒドロキシ基を有する酸安定モノマー(以下「酸安定モノマー(a2)」という
)及び/又はラクトン環を有する酸安定モノマー(以下「酸安定モノマー(a3)」とい
う)に由来する構造単位を有する樹脂(AA)は、樹脂(AA)を含有する本レジスト組
成物を基板に塗布したとき、基板上に形成される塗布膜及び/又は塗布膜から得られる組
成物層は基板との密着性に優れる傾向があるため、高解像度で、レジストパターンを製造
することができる。
【0108】
<酸安定モノマー(a2)>
酸安定モノマー(a2)は、該モノマーに由来する構造単位を有する樹脂(A)を含有
する本レジスト組成物からレジストパターンを製造する際の露光源の種類によって、選択
することが好ましい。すなわち、本レジスト組成物を、KrFエキシマレーザ(波長:2
48nm)を光源とする露光、あるいは、電子線又はEUV光などの高エネルギー線を光
源とする露光に用いる場合には、酸安定モノマー(a2)は、フェノール性ヒドロキシ基
を有する酸安定モノマー(a2−0)〔例えば、ヒドロキシスチレン類など〕が好ましい
。一方、ArFエキシマレーザ(波長:193nm)を光源とする露光に用いる場合は、
酸安定モノマー(a2)は、式(a2−1)で表される酸安定モノマーが好ましい。この
ように、酸安定モノマー(a2)は、露光源の種類に応じて好適なモノマー1種のみを用
いてもよく、露光源の種類に応じて好適なモノマー2種以上を用いてもよく、或いは、露
光源の種類に応じて好適なモノマーと、それ以外の酸安定モノマー(a2)とを組み合わ
せた2種以上を用いてもよい。
【0109】
酸安定モノマー(a2)としては、以下の式(a2−0)で表されるモノマー(以下、
「酸安定モノマー(a2−0)」という)を挙げることができる。
[この文献は図面を表示できません]
[式(a2−0)中、
R
a30は、ハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、水素原子又はハロ
ゲン原子を表す。
R
a31は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6の
アルコキシ基、炭素数2〜4のアシル基、炭素数2〜4のアシルオキシ基、アクリロイル
基又はメタクリロイル基を表す。
maは0〜4の整数を表す。maが2以上の場合、複数のR
a31は同一でも異なってい
てもよい。]
【0110】
R
a30のハロゲン原子及びハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基の具
体例は、式(a1−4)のR
a32で例示したものと同じである。これらのうち、R
a30は、
炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、メチル基及びエチル基がより好ましく、メチル基
が特に好ましい。
R
a31のアルコキシ基の具体例は、式(a1−4)のR
a33で例示したものと同じである
。これらのうち、R
a31は、炭素数1〜4のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基及びエ
トキシ基がより好ましく、メトキシ基がさらに好ましい。
R
a31のアルキル基としては、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、炭素数1又は2
のアルキル基がより好ましく、メチル基が特に好ましい。
maは0、1又は2が好ましく、0又は1がより好ましく、0が特に好ましい。
【0111】
このような酸安定モノマー(a2−0)に由来する構造単位を有する樹脂(A)を製造
する場合は、酸安定モノマー(a2−0)にあるフェノール性ヒドロキシ基が保護基で保
護されているモノマーを用いることもできる。例えば、酸又は塩基で脱離する保護基で保
護されたフェノール性ヒドロキシ基は、酸又は塩基との接触により保護基が脱保護される
ため、これを用いて重合した重合体から、容易に酸安定モノマー(a2−0)に由来する
構造単位を有する重合体を得ることができる。ただし、樹脂(AA)は、酸不安定基を有
するモノマー(a1)に由来する構造単位を有しているため、フェノール性ヒドロキシ基
が保護基で保護されてなるモノマーに由来する構造単位を脱保護する際には、この酸不安
定基を著しく損なわないよう、塩基との接触により脱保護することが好ましい。塩基との
接触により脱保護する保護基としては例えば、アセチル基等が好ましい。塩基としては、
例えば、4−ジメチルアミノピリジン、トリエチルアミン等が挙げられる。
【0112】
酸安定モノマー(a2−0)としては、例えば、以下のモノマーが挙げられる。
[この文献は図面を表示できません]
【0114】
酸安定モノマー(a2−0)の例示の中では、4−ヒドロキシスチレン又は4−ヒドロ
キシ−α−メチルスチレンが特に好ましい。4−ヒドロキシスチレン又は4−ヒドロキシ
−α−メチルスチレンを用いて、樹脂(A)を製造する際には、これらにあるフェノール
性ヒドロキシ基を保護基で保護したものが好ましい。
【0115】
樹脂(AA)が、酸安定モノマー(a2−0)に由来する構造単位を有する場合、その
含有割合は、樹脂(AA)の全構造単位(100モル%)に対して、5〜95モル%が好
ましく、10〜80モル%の範囲がより好ましく、15〜80モル%がさらに好ましい。
樹脂(AB)が、酸安定モノマー(a2−0)に由来する構造単位を有する場合、その
含有割合は、樹脂(AB)の全構造単位(100モル%)に対して、5〜95モル%が好
ましく、10〜80モル%の範囲がより好ましく、15〜80モル%がさらに好ましい。
【0116】
酸安定モノマー(a2)として、式(a2−1)で表されるモノマー(以下「酸安定モ
ノマー(a2−1)」という)が挙げられる。
[この文献は図面を表示できません]
式(a2−1)中、
L
a3は、酸素原子又は
*−O−(CH
2)
k2−CO−O−(k2は1〜7の整数を表す
。*はカルボニル基(−CO−)との結合手を表す。)を表す。
R
a14は、水素原子又はメチル基を表す。
R
a15及びR
a16は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基又はヒドロキシ基を表す。
o1は、0〜10の整数を表す。
【0117】
式(a2−1)では、L
a3は、好ましくは、酸素原子又はk2'が1〜4の整数である
−O−(CH
2)
k2'−CO−O−で表される基であり、より好ましくは、酸素原子又は−
O−CH
2−CO−O−であり、さらに好ましくは酸素原子である。
R
a14は、好ましくはメチル基である。
R
a15は、好ましくは水素原子である。
R
a16は、好ましくは水素原子又はヒドロキシ基である。
o1は、好ましくは0〜3の整数、より好ましくは0又は1である。
【0118】
酸安定モノマー(a2−1)としては、例えば、以下のものが挙げられる。これらの中
でも、3−ヒドロキシアダマンタン−1−イル(メタ)アクリレート、3,5−ジヒドロ
キシアダマンタン−1−イル(メタ)アクリレート及び(メタ)アクリル酸1−(3,5
−ジヒドロキシアダマンタン−1−イルオキシカルボニル)メチルが好ましく、3−ヒド
ロキシアダマンタン−1−イル(メタ)アクリレート及び3,5−ジヒドロキシアダマン
タン−1−イル(メタ)アクリレートがより好ましく、3−ヒドロキシアダマンタン−1
−イルメタクリレート及び3,5−ジヒドロキシアダマンタン−1−イルメタクリレート
がさらに好ましい。
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【0122】
樹脂(AA)が、酸安定モノマー(a2−1)に由来する構造単位を有する場合、その
含有割合は、樹脂(AA)の全構造単位(100モル%)に対して、3〜45モル%が好
ましく、5〜40モル%がより好ましく、5〜35モル%がさらに好ましい。
樹脂(AB)が、酸安定モノマー(a2−1)に由来する構造単位を有する場合、その
含有割合は、樹脂(AB)の全構造単位(100モル%)に対して、3〜45モル%が好
ましく、5〜40モル%がより好ましく、5〜35モル%がさらに好ましい。
【0123】
<酸安定モノマー(a3)>
酸安定モノマー(a3)が有するラクトン環は例えば、β−プロピオラクトン環、γ−
ブチロラクトン環及びδ−バレロラクトン環のような単環式でもよく、単環式のラクトン
環と他の環との縮合環でもよい。これらラクトン環の中で、γ−ブチロラクトン環及びγ
−ブチロラクトン環と他の環との縮合環が好ましい。
【0124】
酸安定モノマー(a3)は好ましくは、以下の式(a3−1)、式(a3−2)又は式
(a3−3)で表されるものである。樹脂(AA)製造においては、これらのうち1種の
みを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。なお、以下の説明においては、式(a
3−1)で示される酸安定モノマー(a3)を「酸安定モノマー(a3−1)」といい、
式(a3−2)で示される酸安定モノマー(a3)を「酸安定モノマー(a3−2)」と
いい、式(a3−3)で示される酸安定モノマー(a3)を「酸安定モノマー(a3−3
)」という。
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式(a3−1)、式(a3−2)及び式(a3−3)中、
L
a4、L
a5及びL
a6は、それぞれ独立に、酸素原子又は*−O−(CH
2)
k3−CO−
O−(k3は1〜7の整数を表す。*はカルボニル基(−CO−)との結合手を表す。)
を表す。
R
a18、R
a19及びR
a20は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。
R
a21は、炭素数1〜4のアルキル基を表す。
p1は0〜5の整数を表す。
R
a22及びR
a23は、それぞれ独立に、カルボキシ基、シアノ基又は炭素数1〜4のアル
キル基を表す。
q1及びr1は、それぞれ独立に0〜3の整数を表す。p1が2以上の場合、複数のR
a21は同一でも異なっていてもよく、q1が2以上の場合、複数のR
a22は同一でも異なっ
ていてもよく、r1が2以上の場合、複数のR
a23は同一でも異なっていてもよい。
【0125】
式(a3−1)〜式(a3−3)中のL
a4〜L
a6は、それぞれ独立に、酸素原子又はk
3'が1〜4の整数である*−O−(CH
2)
k3'−CO−O−で表される基が好ましく、
酸素原子又は*−O−CH
2−CO−O−がより好ましく、さらに好ましくは酸素原子で
ある。
R
a18〜R
a21は、好ましくはメチル基である。
R
a22及びR
a23は、それぞれ独立に、好ましくはカルボキシ基、シアノ基又はメチル基
である。
p1、q1及びr1は、それぞれ独立に、好ましくは0〜2の整数であり、より好まし
くは0又は1である。
【0126】
酸安定モノマー(a3−1)としては、例えば、以下のものが挙げられる。
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【0129】
γ−ブチロラクトン環とノルボルナン環との縮合環を有する酸安定モノマー(a3−2
)としては、例えば以下のものが挙げられる。
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【0136】
γ−ブチロラクトン環とシクロヘキサン環との縮合環を有する酸安定モノマー(a3−
3)は例えば、以下のものが挙げられる。
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【0140】
ラクトン環を有する酸安定モノマー(a3)の中でも、(メタ)アクリル酸(5−オキ
ソ−4−オキサトリシクロ[4.2.1.0
3,7]ノナン−2−イル、(メタ)アクリル
酸テトラヒドロ−2−オキソ−3−フリル、(メタ)アクリル酸2−(5−オキソ−4−
オキサトリシクロ[4.2.1.0
3,7]ノナン−2−イルオキシ)−2−オキソエチル
等のメタクリレートエステル類がより好ましい。
【0141】
樹脂(AA)が、モノマー(a3−1)に由来する構造単位、モノマー(a3−2)に
由来する構造単位及びモノマー(a3−3)に由来する構造単位からなる群より選ばれる
少なくとも1種の構造単位〔酸安定モノマー(a3)に由来する構造単位〕を有する場合
、その含有割合は、樹脂(AA)の全構造単位(100モル%)に対して、それぞれ5〜
50モル%が好ましく、10〜40モル%がより好ましく、15〜40モル%がさらに好
ましい。
樹脂(AA)が酸安定モノマー(a3)に由来する構造単位を含む場合、その合計含有
割合は、樹脂(AA)の全構造単位に対して、5〜60モル%が好ましく、15〜55モ
ル%がより好ましい。
【0142】
樹脂(AB)が、モノマー(a3−1)に由来する構造単位、モノマー(a3−2)に
由来する構造単位及びモノマー(a3−3)に由来する構造単位からなる群より選ばれる
少なくとも1種の構造単位〔酸安定モノマー(a3)に由来する構造単位〕を有する場合
、その含有割合は、樹脂(AB)の全構造単位(100モル%)に対して、それぞれ5〜
50モル%が好ましく、10〜40モル%がより好ましく、15〜40モル%がさらに好
ましい。
樹脂(AB)が酸安定モノマー(a3)に由来する構造単位を含む場合、その合計含有
割合は、樹脂(AB)の全構造単位に対して、5〜60モル%が好ましく、15〜55モ
ル%がより好ましい。
【0143】
<酸安定モノマー(a4)>
酸安定モノマー(a4)は以下の式(3)で表される基を有するモノマーである。
[この文献は図面を表示できません]
[式(3)中、R
10は、炭素数1〜6のフッ化アルキル基を表す。*は結合手を表す。
]
【0144】
R
10のフッ化アルキル基とは、すでに例示したアルキル基に含まれる水素原子の一部又
は全部がフッ素原子に置換されたものであり、その具体例は、ジフルオロメチル基、トリ
フルオロメチル基、1,1−ジフルオロエチル基、2,2−ジフルオロエチル基、2,2
,2−トリフルオロエチル基、ペルフルオロエチル基、1,1,2,2−テトラフルオロ
プロピル基、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロプロピル基、ペルフルオロエチル
メチル基、1−(トリフルオロメチル)−1,2,2,2−テトラフルオロエチル基、ペ
ルフルオロプロピル基、1,1,2,2−テトラフルオロブチル基、1,1,2,2,3
,3−ヘキサフルオロブチル基、1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオロブチ
ル基、ペルフルオロブチル基、1,1−ビス(トリフルオロ)メチル−2,2,2−トリ
フルオロエチル基、2−(ペルフルオロプロピル)エチル基、1,1,2,2,3,3,
4,4−オクタフルオロペンチル基、ペルフルオロペンチル基、1,1,2,2,3,3
,4,4,5,5−デカフルオロペンチル基、1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2
,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、ペルフルオロペンチル基、2−(ペルフ
ルオロブチル)エチル基、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5−デカフルオロヘキ
シル基、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−ドデカフルオロヘキシル基
、ペルフルオロペンチルメチル基及びペルフルオロヘキシル基などが挙げられる。
【0145】
R
10のフッ化アルキル基は、その炭素数が1〜4のものが好ましく、トリフルオロメチ
ル基、ペルフルオロエチル基及びペルフルオロプロピル基がより好ましく、トリフルオロ
メチル基が特に好ましい。
【0146】
酸安定モノマー(a4)としては、例えば、以下で表されるものが挙げられる。
[この文献は図面を表示できません]
【0149】
樹脂(AA)が、酸安定モノマー(a4)に由来する構造単位を有する場合、その含有
割合は、樹脂(AA)の全構造単位(100モル%)に対して、1〜30モル%が好まし
く、3〜25モル%がより好ましく、5〜20モル%がさらに好ましい。
また、樹脂(AB)が、酸安定モノマー(a4)に由来する構造単位に由来する構造単
位を有する場合、その含有割合は、樹脂(AB)の全構造単位(100モル%)に対して
、5〜90モル%が好ましく、10〜80モル%がより好ましく、20〜70モル%がさ
らに好ましい。
【0150】
<酸安定モノマー(a5)>
酸安定モノマー(a5)は以下の式(4)で表される基を有するモノマーである。
[この文献は図面を表示できません]
[式(4)中、R
11は置換基を有してもよい炭素数6〜12の芳香族炭化水素基を表す。
R
12は、置換基を有してもよい炭素数1〜12の炭化水素基を表し、該炭化水素基は、
ヘテロ原子を含んでいてもよい。
A
2は、単結合、−(CH
2)
m10−SO
2−O−*又は−(CH
2)
m10−CO−O
−*を表し、該〔−(CH
2)
m10−〕に含まれるメチレン基は、酸素原子、カルボニル
基又はスルホニル基に置き換わっていてもよく、該〔−(CH
2)
m10−〕に含まれる水
素原子は、フッ素原子に置き換わっていてもよい。
m10は、1〜12の整数を表す。]
【0151】
R
11における炭素数6〜12の芳香族炭化水素基は、炭素数の上限が異なる以外は、す
でに例示したものが挙げられる。芳香族炭化水素基が置換基を有する場合、その置換基は
、炭素数1〜4のアルキル基、ハロゲン原子、フェニル基、ニトロ基、シアノ基、ヒドロ
キシ基、フェニルオキシ基及びtert−ブチルフェニル基などである。
【0152】
R
11のうち、好適なものは以下に示される。なお、*は炭素原子との結合手である。
[この文献は図面を表示できません]
【0153】
R
12における炭素数1〜12の炭化水素基は、鎖式炭化水素基、脂環式炭化水素基及び
芳香族炭化水素基のいずれでもよい。
脂肪族炭化水素基としては、典型的にはアルキル基であり、その具体例は炭素数が1〜
12の範囲において、すでに例示したものを含む。脂環式炭化水素基の具体例も、炭素数
が12以下の範囲で、すでに例示したものを含む。
なお、R
12が鎖式炭化水素基又は脂環式炭化水素基である場合、これら鎖式炭化水素
基又は脂環式炭化水素基は、ヘテロ原子を含むものであってもよい。ヘテロ原子としては
、ハロゲン原子、硫黄原子、酸素原子及び窒素原子などである〔連結基として、スルホニ
ル基、カルボニル基を含む形態でもよい〕。
このようなヘテロ原子を含むR
12としては、以下の基が挙げられる。
[この文献は図面を表示できません]
【0154】
R
12が芳香族炭化水素基である場合、その具体例は、R
11の場合と同じである。
A
2としては、下記に示す基が挙げられる。
[この文献は図面を表示できません]
【0155】
式(4)で表される基を含む酸安定モノマー(a5)としては、例えば、式(a5−1
)で表されるモノマー(以下、「酸安定モノマー(a5−1)」という)が挙げられる。
[この文献は図面を表示できません]
[式(a5−1)中、R
13は、水素原子又はメチル基を表す。その他の符号はいずれも
、前記と同義である。]
【0156】
酸安定モノマー(a5−1)としては、例えば、以下で表されるものが挙げられる。
[この文献は図面を表示できません]
【0157】
樹脂(AA)が、酸安定モノマー(a5−1)に由来する構造単位を有する場合、その
含有割合は、樹脂(AA)の全構造単位(100モル%)に対して、1〜30モル%が好
ましく、3〜25モル%がより好ましく、5〜20モル%がさらに好ましい。
また、樹脂(AB)が、酸安定モノマー(a5−1)に由来する構造単位に由来する構
造単位を有する場合、その含有割合は、樹脂(AB)の全構造単位(100モル%)に対
して、5〜90モル%が好ましく、10〜80モル%がより好ましく、20〜70モル%
がさらに好ましい。
【0158】
<酸安定モノマー(a6)>
酸安定モノマー(a6)は、以下の式(a6−1)で表されるモノマーである。
[この文献は図面を表示できません]
式(a6−1)中、
環W
1は、炭素数3〜36の脂環式炭化水素環を表す。
A
3は、単結合又は炭素数1〜17の脂肪族炭化水素基を表す。該脂肪族炭化水素基に
含まれるメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよいが、A
3の
うち、酸素原子に結合している原子は炭素原子である。
R
14は、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基、水素原子又はハ
ロゲン原子を表す。
R
15及びR
16は、それぞれ独立に、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜6のア
ルキル基を表す。
【0159】
環W
1は、単環式又は多環式の炭素数3〜36の脂環式炭化水素環であり、その炭素数
は5〜18が好ましく、6〜12がより好ましい。より具体的には、式(KA−1)〜式
(KA−19)で示した構造の環が挙げられる。すなわち、式(a6−1)において
[この文献は図面を表示できません]
で示される部分構造は、式(KA−1)〜式(KA−19)で示した脂環式炭化水素に含
まれる1個の水素原子がA
3との結合手に、脂環式炭化水素の環原子である炭素原子の1
つに結合している2つの水素原子がそれぞれ、−O−CO−R
15及び−O−CO−R
16と
の結合手に置き換わったものを挙げることができる。
環W
1としては、シクロヘキサン環、アダマンタン環、ノルボルネン環及びノルボルナ
ン環が好ましい。
【0160】
A
3の脂肪族炭化水素基は、炭素数が17以下の範囲において、すでに例示したアルカ
ンジイル基及び2価の脂環式炭化水素基を挙げることができ、炭素数が17以下の範囲で
あれば、アルカンジイル基と脂環式炭化水素基とを組み合わせた脂肪族炭化水素基であっ
てもよい。また、A
3の脂肪族炭化水素基は置換基を有していてもよい。
ここで、アルカンジイル基と脂環式炭化水素基とを組み合わせた脂肪族炭化水素基とし
ては、以下の式(X
x−A)、式(X
x−B)及び式(X
x−C)で表される基などが挙
げられる。
[この文献は図面を表示できません]
式(X
x−A)、式(X
x−B)及び式(X
x−C)中、
X
x1及びX
x2は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルカン
ジイル基又は単結合を表し、X
x1及びX
x2がともに単結合であることはなく、式(X
x−
A)、式(X
x−B)及び式(X
x−C)で表される基の総炭素数は17以下である。
【0161】
A
3の脂肪族炭化水素基において、脂肪族炭化水素基を構成するメチレン基が酸素原子
又はカルボニル基に置き換わった基としては、例えば、式(a)の基(a−g1)で例示
したものが挙げられる。
【0162】
A
3は、単結合又は*−(CH
2)
s1−CO−O−(*は−O−との結合手を表し、
s1は1〜6の整数を表す)で表される基が好ましく、単結合又は*−CH
2−CO−O
−がより好ましい。
【0163】
R
14は、水素原子又はメチル基が好ましい。
R
14、R
15及びR
16のアルキル基の具体例は、炭素数が1〜6の範囲において、すでに
例示したものを含む。ここでいうアルキル基を構成する水素原子がハロゲン原子に置換さ
れていてもよい。かかるハロゲン原子としては、フッ素原子が特に好ましい。R
15及びR
16において、ハロゲン原子を有するアルキル基のうち、好ましくは、トリフルオロメチル
基、ペルフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基及びペルフルオロブチル基などが挙
げられる。中でも、トリフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基及びペルフルオロプロ
ピル基がより好ましい。
【0164】
酸安定モノマー(a6−1)としては、以下で表される酸安定モノマーなどが挙げられ
る。なお、R
14〜R
16及びA
3は、上記と同じ意味を表す。
[この文献は図面を表示できません]
これらの中でも、
[この文献は図面を表示できません]
で示される酸安定モノマー(a6−1)が好ましい。
【0165】
好ましい酸安定モノマー(a6−1)としては、以下の酸安定モノマーなどが挙げられ
る。
[この文献は図面を表示できません]
【0166】
好ましい酸安定モノマー(a6−1)は、例えば、式(a6−1−a)で表される化合
物と、式(a6−1−b)で表される化合物とを反応させることにより製造することがで
きる。
[この文献は図面を表示できません]
[式(a6−1−a)及び式(a6−1−b)中の符号はいずれも、前記と同義である。
]
式(a6−1−a)で表される化合物は、例えば、特開2002−226436号公報
に記載されている1−メタクリロイルオキシ−4−オキソアダマンタンなどが挙げられる
。
式(a6−1−b)で表される化合物としては、例えばペンタフルオロプロピオン酸無
水物、ヘプタフルオロ酪酸無水物及びトリフルオロ酢酸無水物などが挙げられる。この反
応は、用いる式(a6−1−b)で表される化合物の沸点温度付近で加温することにより
、実施することが好ましい。
【0167】
樹脂(AA)が、酸安定モノマー(a6)に由来する構造単位を有する場合、その含有
割合は、樹脂(AA)の全構造単位(100モル%)に対して、1〜30モル%が好まし
く、3〜25モル%がより好ましく、5〜20モル%がさらに好ましい。
また、樹脂(AB)が、酸安定モノマー(a6)に由来する構造単位を有する場合、そ
の含有割合は、樹脂(AB)の全構造単位(100モル%)に対して、5〜90モル%が
好ましく、10〜80モル%がより好ましく、20〜70モル%がさらに好ましい。
【0168】
<酸安定モノマー(a7)>
さらに、その他の酸安定モノマー(以下「酸安定モノマー(a7)」という)としては
、式(a7−1)で表される無水マレイン酸、式(a7−2)で表される無水イタコン酸
、及び、式(a7−3)で表されるノルボルネン環を有する酸安定モノマー(以下、「酸
安定モノマー(a7−3)」という)などが挙げられる。
[この文献は図面を表示できません]
式(a7−3)中、
R
a25及びR
a26は、それぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシ基を有していてもよい炭素
数1〜3のアルキル基、シアノ基、カルボキシ基又は−COOR
a27を表すか、或いはR
a
25及びR
a26は互いに結合して−CO−O−CO−を形成する。
R
a27は、炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基に含まれる
メチレン基は、酸素原子又はカルボニル基で置き換わっていてもよい。但し−COOR
a2
7が酸不安定基となるものは除く(例えばR
a27は、第三級炭素原子が−O−と結合するも
のを含まない)。
【0169】
式(a7−3)のR
a25及びR
a26において、ヒドロキシ基を有していてもよいアルキル
基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ヒドロキシメチル基及び2−ヒドロキシ
エチル基などが好ましい。
R
a27の脂肪族炭化水素基は、好ましくは炭素数1〜8のアルキル基及び炭素数4〜1
8の脂環式炭化水素基であり、より好ましくは炭素数1〜6のアルキル基及び炭素数4〜
12の脂環式炭化水素基であり、メチル基、エチル基、プロピル基、2−オキソ−オキソ
ラン−3−イル基及び2−オキソ−オキソラン−4−イル基などがさらに好ましい。
【0170】
ノルボルネン環を有する酸安定モノマー(a7−3)としては、例えば、2−ノルボル
ネン、2−ヒドロキシ−5−ノルボルネン、5−ノルボルネン−2−カルボン酸、5−ノ
ルボルネン−2−カルボン酸メチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸2−ヒドロキシ
−1−エチル、5−ノルボルネン−2−メタノール、5−ノルボルネン−2,3−ジカル
ボン酸無水物などが挙げられる。
【0171】
樹脂(AA)が、式(a7−1)で表される無水マレイン酸に由来する構造単位、式(
a7−2)で表される無水イタコン酸に由来する構造単位及び酸安定モノマー(a7−3
)に由来する構造単位からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造単位〔酸安定モノマ
ー(a7)に由来する構造単位〕を有する場合、その合計含有割合は、樹脂(AA)の全
構造単位(100モル%)に対して、2〜40モル%が好ましく、3〜30モル%がより
好ましく、5〜20モル%がさらに好ましい。
また、樹脂(AB)が、式(a7−1)で表される無水マレイン酸に由来する構造単位
、式(a7−2)で表される無水イタコン酸に由来する構造単位及び酸安定モノマー(a
7−3)に由来する構造単位からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造単位〔酸安定
モノマー(a7)に由来する構造単位〕を有する場合、その合計含有割合は、樹脂(AB
)の全構造単位(100モル%)に対して、5〜70モル%が好ましく、10〜60モル
%がより好ましく、20〜50モル%がさらに好ましい。
【0172】
酸安定モノマー(a7)としては、例えば、式(a7−4)で表されるスルトン環を有
する酸安定モノマーなどが挙げられる。
[この文献は図面を表示できません]
式(a7−4)中、
L
a7は、酸素原子又は
*−T−(CH
2)
k2−CO−O−を(k2は1〜7の整数を表
す。Tは酸素原子又はNHである)表し、*はカルボニル基との結合手を表す。
R
a28は、水素原子又はメチル基を表す。
W
10は、置換基を有していてもよいスルトン環基を表す。
【0173】
スルトン環基に含まれるスルトン環としては、脂環式炭化水素に含まれる隣り合うメチ
レン基のうち、一方が酸素原子、他方がスルホニル基に置き換わったものであり、下記に
示すものなどが挙げられる。スルトン環基の代表例は、下記スルトン環にある水素原子の
1つが、結合手に置き換わったものであり、式(a7−4)においてはL
a7との結合手が
該当する。
[この文献は図面を表示できません]
置換基を有していてもよいスルトン環基とは、上述の結合手に置き換わった水素原子以
外の水素原子がさらに置換基(水素原子以外の1価の基)で置き換わったものである。置
換基としては、ヒドロキシ基、シアノ基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のフ
ッ化アルキル基、炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、
炭素数1〜7のアルコキシカルボニル基、炭素数1〜7のアシル基及び炭素数1〜8のア
シルオキシ基が挙げられる。
【0174】
酸安定モノマー(a7)としては、例えば、以下で表される酸安定モノマーが挙げられ
る。
[この文献は図面を表示できません]
【0198】
樹脂(AA)が、式(a7−4)で表される酸安定モノマー(a7)に由来する構造単
位を有する場合、その含有割合は、樹脂(AA)の全構造単位(100モル%)に対して
、2〜40モル%が好ましく、3〜35モル%がより好ましく、5〜30モル%がさらに
好ましい。
また、樹脂(AB)が、式(a7−4)で表される酸安定モノマー(a7)に由来する
構造単位を有する場合、その含有割合は、樹脂(AB)の全構造単位(100モル%)に
対して、5〜90モル%が好ましく、10〜80モル%がより好ましく、20〜70モル
%がさらに好ましい。
【0199】
<酸安定モノマー(a8)>
樹脂(A)製造には、例えば、以下に示すようなフッ素原子を有するモノマー〔以下「
酸安定モノマー(a8)」という〕も使用できる。
[この文献は図面を表示できません]
【0200】
このようなモノマーの中でも、単環式又は多環式の脂環式炭化水素基を有する(メタ)
アクリル酸5−(3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−[トリフルオロメチ
ル]プロピル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル、(メタ)アクリル酸6−(3
,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−[トリフルオロメチル]プロピル)ビシ
クロ[2.2.1]ヘプト−2−イル、(メタ)アクリル酸4,4−ビス(トリフルオロ
メチル)−3−オキサトリシクロ[4.2.1.0
2,5]ノニルが好ましい。
【0201】
樹脂(AA)が、酸安定モノマー(a8)に由来する構造単位を有する場合、その合計
含有割合は、樹脂(AA)の全構造単位(100モル%)に対して、1〜20モル%が好
ましく、2〜15モル%がより好ましく、3〜10モル%がさらに好ましい。
また、樹脂(AB)が、酸安定モノマー(a8)に由来する構造単位を有する場合、そ
の合計含有割合は、樹脂(AB)の全構造単位(100モル%)に対して、5〜90モル
%が好ましく、10〜80モル%がより好ましく、20〜70モル%がさらに好ましい。
【0202】
<樹脂の製造方法>
樹脂(AA)は、化合物(a)と、モノマー(a1)と、必要に応じて、酸安定モノマ
ーとを共重合させたものであり、より好ましくは、化合物(a)と、モノマー(a1)と
、酸安定モノマー(a2)及び/又は酸安定モノマー(a3)とを共重合させたものであ
る。樹脂(AA)を製造するうえでは、モノマー(a1)として、アダマンチル基を有す
るモノマー(a1−1)及びシクロアルキル基を有するモノマー(a1−2)のうち、少
なくとも1種を用いることが好ましく、アダマンチル基を有するモノマー(モノマー(a
1−1))を用いることがさらに好ましい。酸安定モノマーとしては、ヒドロキシアダマ
ンチル基を有する酸安定モノマー(a2−1)及び酸安定モノマー(a3)を用いること
が好ましい。酸安定モノマー(a3)としては、γ−ブチロラクトン環を有するモノマー
(a3−1)及びγ−ブチロラクトン環とノルボルナン環との縮合環を有するモノマー(
a3−2)の少なくとも1種を用いることが好ましい。樹脂(AA)は、このようにモノ
マーを選択した後、該モノマーを公知の重合法(例えばラジカル重合法)に供することに
よって製造できる。
【0203】
樹脂(AA)の全構造単位(100モル%)に対する、モノマー(a1)に由来する構
造単位の合計含有割合は、樹脂(AA)の全構造単位(100モル%)に対して、好まし
くは10〜95モル%であり、より好ましくは20〜80モル%である。
【0204】
樹脂(AA)の重量平均分子量は、2,500以上50,000以下であると好ましく
、3,000以上30,000以下がより好ましく、3,500以上10,000以下が
さらに好ましい。なお、本明細書において、重量平均分子量とは、ゲルパーミエーション
クロマトグラフィー分析により、標準ポリスチレン基準の換算値として求められるもので
あり、該分析の詳細な分析条件は、本願の実施例で詳述する。
【0205】
樹脂(AB)は、実質的に化合物(a)に由来する構造単位のみからなる樹脂であって
もよく、化合物(a)に由来する構造単位と酸安定モノマーに由来する構造単位と有する
樹脂であってもよい。
樹脂(AB)は、酸安定モノマー(a4)、酸安定モノマー(a5)、酸安定モノマー
(a6)、酸安定モノマー(a7)及び酸安定モノマー(a8)からなる群より選ばれる
少なくとも1種の酸安定モノマーと、化合物(a)とを共重合したものが好ましく、酸安
定モノマー(a5)及び酸安定モノマー(a6)からなる群より選ばれる少なくとも1種
の酸安定モノマーと、化合物(a)とを共重合したものがさらに好ましい。
【0206】
樹脂(AB)が、樹脂(AA)に加えてレジスト組成物に含まれる場合、例えば、樹脂
(AB)の含有量は、樹脂(AA)の含有量100質量部に対して、0.1〜20質量部
が挙げられる。
【0207】
樹脂(AB)は、上述したモノマーを選択し、公知の重合法(例えばラジカル重合法)
に供することにより製造できる。
樹脂(AB)の重量平均分子量は8,000以上80,000以下が好ましく、10,
000以上60,000以下がより好ましく、11,000以上50,000以下がさら
に好ましい。
【0208】
<樹脂(X)>
樹脂(AB)を本レジスト組成物に用いる場合、本レジスト組成物には、樹脂(AB)
に加えて、樹脂(AA)、あるいは、アルカリ水溶液に不溶又は難溶であり、酸との作用
によりアルカリ水溶液に可溶となるという特性を有し、かつ化合物(a)に由来する構造
単位を有さない樹脂(X)を含有することが好ましい。
樹脂(X)が、樹脂(AB)とともにレジスト組成物に含まれる場合、例えば、樹脂(
AB)の含有量は、樹脂(X)の含有量100質量部に対して、0.1〜20質量部が挙
げられる。
樹脂(X)は、樹脂(AA)と併用してもよい。
樹脂(AA)及び樹脂(X)がレジスト組成物に含まれる場合、樹脂(AA):樹脂(
X)の質量比は、1:100〜99.9:0.1が挙げられる。
【0209】
樹脂(X)は、例えば、モノマー(a1)と、酸安定モノマー(a2)及び/又は酸安
定モノマー(a3)とを共重合したものが好ましい。樹脂(X)製造に用いるモノマー(
a1)は、アダマンチル基を有するモノマー(a1−1)及びシクロアルキル基を有する
モノマー(a1−2)の少なくとも1種であると好ましく、アダマンチル基を有するモノ
マー(a1−1)がさらに好ましい。樹脂(X)製造に用いる酸安定モノマー(a2)は
、ヒドロキシアダマンチル基を有するモノマー(a2−1)が好ましく、酸安定モノマー
(a3)は、γ−ブチロラクトン環を有するモノマー(a3−1)及びγ−ブチロラクト
ン環とノルボルナン環との縮合環を有するモノマー(a3−2)の少なくとも1種が好ま
しい。
樹脂(X)は、モノマーを選択した後、かかるモノマーを公知の重合法(例えばラジカ
ル重合法)に供することにより製造できる。
樹脂(X)を製造する場合、上述した各モノマーに由来する構造単位の含有割合は、上
述した範囲と同様であってもよいし、樹脂の特性を考慮して、任意の範囲としてもよい。
特に、樹脂(X)においては、モノマー(a1)に由来する構造単位:酸安定モノマー(
a2)及び/又は酸安定モノマー(a3)に由来する構造単位のモル比として、10:9
0〜95:5が挙げられる。
【0210】
樹脂(X)の重量平均分子量は、好ましくは、2,500以上(より好ましくは3,0
00以上、さらに好ましくは3,500以上)、50,000以下(より好ましくは30
,000以下、さらに好ましくは10,000以下)である。
【0211】
<酸発生剤(B)>
酸発生剤(B)は、非イオン系とイオン系とに分類されるが、本レジスト組成物におい
ては、いずれを用いてもよい。非イオン系酸発生剤としては、有機ハロゲン化物、スルホ
ネートエステル類(例えば2−ニトロベンジルエステル、芳香族スルホネート、オキシム
スルホネート、N−スルホニルオキシイミド、N−スルホニルオキシイミド、スルホニル
オキシケトン、ジアゾナフトキノン4−スルホネート)、スルホン類(例えばジスルホン
、ケトスルホン、スルホニルジアゾメタン)等が挙げられる。イオン系酸発生剤は、オニ
ウムカチオンを含むオニウム塩(例えばジアゾニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム
塩、ヨードニウム塩)等が挙げられる。オニウム塩のアニオンとしては、スルホン酸アニ
オン、スルホニルイミドアニオン、スルホニルメチドアニオン等が挙げられる。
【0212】
酸発生剤(B)としては、例えば、特開昭63−26653号、特開昭55−1648
24号、特開昭62−69263号、特開昭63−146038号、特開昭63−163
452号、特開昭62−153853号、特開昭63−146029号、米国特許第3,
779,778号、米国特許第3,849,137号、独国特許第3914407号、欧
州特許第126,712号等に記載の放射線によって酸を発生する化合物を使用すること
ができる。
【0213】
酸発生剤(B)は、好ましくはフッ素含有酸発生剤であり、より好ましくは式(B1)
で表されるスルホン酸塩(以下「酸発生剤(B1)」という)である。
以下の説明において、この酸発生剤(B1)のうち、正電荷を有するZ
+は「有機カチ
オン」といい、該有機カチオンを除去してなる負電荷を有するものを「スルホン酸アニオ
ン」という場合がある。
【0214】
[この文献は図面を表示できません]
式(B1)中、
Q
1及びQ
2は、それぞれ独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル
基を表す。
L
b1は、置換基を有していてもよい炭素数1〜17の2価の脂肪族炭化水素基を表す。
該脂肪族炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わって
いてもよい。
Yは、置換基を有していてもよい炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基を表し、該脂肪族
炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子、カルボニル基又はスルホニル基に置き換
わっていてもよい。
Z
+は、有機カチオンを表す。
【0215】
Q
1及びQ
2のペルフルオロアルキル基としては、トリフルオロメチル基、ペルフルオロ
エチル基、ペルフルオロプロピル基、ペルフルオロイソプロピル基、ペルフルオロブチル
基、ペルフルオロsec−ブチル基、ペルフルオロtert−ブチル基、ペルフルオロペ
ンチル基及びペルフルオロヘキシル基等が挙げられる。
Q
1及びQ
2は、それぞれ独立に、好ましくは、トリフルオロメチル基又はフッ素原子で
あり、より好ましくはQ
1及びQ
2がともにフッ素原子である。
【0216】
L
b1の脂肪族炭化水素基の具体例は、すでに例示したアルカンジイル基及び上述の式(
KA−1)〜式(KA−19)の脂環式炭化水素から水素原子を2個取り去った基などで
ある。
【0217】
L
b1の脂肪族炭化水素基を構成するメチレン基が、酸素原子又はカルボニル基に置き換
わったものとしては、例えば、以下の式(b1−1)、式(b1−2)、式(b1−3)
、式(b1−4)、式(b1−5)及び式(b1−6)〔以下、「式(b1−1)〜式(
b1−6)」のように表記する。〕のいずれかで表される基が挙げられる。L
b1は、好ま
しくは式(b1−1)〜式(b1−4)のいずれかで表される基であり、さらに好ましく
は式(b1−1)で表される基又は式(b1−2)で表される基である。
式(b1−1)〜式(b1−6)は、その左右を式(B1)に合わせて記載しており、
左側の結合手は、C(Q
1)(Q
2)と結合し、右側の結合手はYと結合している。以下の
式(b1−1)〜式(b1−6)の具体例も同様である。*は結合手を表す。
[この文献は図面を表示できません]
式(b1−1)〜式(b1−6)中、
L
b2は、単結合又は炭素数1〜15の2価の脂肪族炭化水素基を表し、この脂肪族炭化
水素基は脂肪族飽和炭化水素基が好ましい。
L
b3は、単結合又は炭素数1〜12の2価の脂肪族炭化水素基を表し、この脂肪族炭化
水素基は脂肪族飽和炭化水素基が好ましい。
L
b4は、炭素数1〜13の2価の脂肪族炭化水素基を表し、これらの脂肪族炭化水素基
は脂肪族飽和炭化水素基が好ましい。但しL
b3及びL
b4の合計炭素数の上限は13である
。
L
b5は、炭素数1〜15の2価の飽和炭化水素基を表す。
L
b6及びL
b7は、それぞれ独立に、炭素数1〜15の2価の脂肪族炭化水素基を表し、
これらの脂肪族炭化水素基は脂肪族飽和炭化水素基が好ましい。但しL
b6及びL
b7の合計
炭素数の上限は16である。
L
b8は、炭素数1〜14の2価の脂肪族炭化水素基を表し、この脂肪族炭化水素基は脂
肪族飽和炭化水素基が好ましい。
L
b9及びL
b10は、それぞれ独立に、炭素数1〜11の2価の脂肪族炭化水素基を表し
、これらの脂肪族炭化水素基は脂肪族飽和炭化水素基が好ましい。但しL
b9及びL
b10の
合計炭素数の上限は12である。
本レジスト組成物に用いる酸発生剤(B1)としては、これらの中でも、式(b1−1
)で表される基をL
b1として有する酸発生剤(B1)が好ましく、L
b2が単結合又はメチ
レン基である式(b1−1)で表される基をL
b1として有する酸発生剤(B1)がより好
ましい。
【0218】
式(b1−1)で表される基は例えば、以下のものが挙げられる。
[この文献は図面を表示できません]
【0219】
式(b1−2)で表される基は例えば、以下のものが挙げられる。
[この文献は図面を表示できません]
【0220】
式(b1−3)で表される基は例えば、以下のものが挙げられる。
[この文献は図面を表示できません]
【0221】
式(b1−4)で表される基は例えば、以下のものが挙げられる。
[この文献は図面を表示できません]
【0222】
式(b1−5)で表される基は例えば、以下のものが挙げられる。
[この文献は図面を表示できません]
【0223】
式(b1−6)で表される基は例えば、以下のものが挙げられる。
[この文献は図面を表示できません]
【0224】
L
b1の脂肪族炭化水素基が有する置換基としては、例えば、ハロゲン原子、ヒドロキシ
基、カルボキシ基、炭素数6〜18の芳香族炭化水素基、炭素数7〜21のアラルキル基
、炭素数2〜4のアシル基及びグリシジルオキシ基などが挙げられる。
【0225】
Yはアルキル基及び脂環式炭化水素基が好ましく、炭素数1〜6のアルキル基及び炭素
数3〜12の脂環式炭化水素基がより好ましい。
Yの脂肪族炭化水素基が有する置換基としては、例えば、ハロゲン原子(但し、フッ素
原子を除く)、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜18の芳香族
炭化水素基、炭素数7〜21のアラルキル基、炭素数2〜4のアシル基、グリシジルオキ
シ基又は−(CH
2)
j2−O−CO−R
b1で表される基(式中、R
b1は、炭素数1〜16
の炭化水素基を表す。j2は、0〜4の整数を表す。)などが挙げられる。これら芳香族
炭化水素基及びアラルキル基は、例えば、アルキル基、ハロゲン原子又はヒドロキシ基を
さらに有していてもよい。
【0226】
Yの脂肪族炭化水素基に含まれるメチレン基が、酸素原子、スルホニル基又はカルボニ
ル基に置き換わった基としては、例えば、環状エーテル構造(脂環式炭化水素基を構成す
るメチレン基の1つ又は2つが酸素原子に置き換わった基)、環状ケトン基(脂環式炭化
水素基を構成するメチレン基の1つ又は2つがカルボニル基に置き換わった基)、スルト
ン環基(すでに式(a7−4)で説明したとおり、脂環式炭化水素基を構成するメチレン
基のうち隣り合う2つのメチレン基が、それぞれ、酸素原子及びスルホニル基に置き換わ
った基)及びラクトン環基(脂環式炭化水素基を構成するメチレン基のうち隣り合う2つ
のメチレン基が、それぞれ、酸素原子及びカルボニル基に置き換わった基)などが挙げら
れる。
【0227】
Yの脂環式炭化水素基の中でも、以下に示す式(Y1)、式(Y2)、式(Y3)、式
(Y4)及び式(Y5)のいずれかで表される基が好ましく、これらのうち、式(Y1)
、式(Y2)、式(Y3)及び式(Y5)のいずれかで表されるものがより好ましく、式
(Y1)及び式(Y2)のいずれかで表されるものがさらに好ましい。これらの脂環式炭化
水素基を構成する水素原子が置換基に置き換わっていてもよい。その置換基はヒドロキシ
基が好ましい。置換基を有する脂環式炭化水素基としては、ヒドロキシアダマンチル基が
好ましい。
[この文献は図面を表示できません]
【0228】
環を構成する原子の炭素原子にアルキル基が結合してなる脂環式炭化水素基としては、
例えば以下のものが挙げられる。
[この文献は図面を表示できません]
【0229】
ヒドロキシ基を有する脂環式炭化水素基としては、例えば以下のものが挙げられる。
[この文献は図面を表示できません]
【0230】
芳香族炭化水素基を有する脂環式炭化水素基としては、例えば以下のものが挙げられる
。
[この文献は図面を表示できません]
【0231】
−(CH
2)
j2−O−CO−R
b1で表される基を有する脂環式炭化水素基としては、例
えば以下のものが挙げられる。
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【0232】
スルホン酸アニオンとしては、L
b1が式(b1−1)で表される基である、以下の式(
b1−1−1)〜式(b1−1−9)〕で表されるスルホン酸アニオンが好ましい。R
b2
及びR
b3は、それぞれ独立に、Yの脂肪族炭化水素基が有していてもよい置換基として挙
げたものと同じであり、炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基及びヒドロキシ基が好ましく、
メチル基及びヒドロキシ基がより好ましい。
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【0233】
Yが無置換の鎖式炭化水素基又は無置換の脂環式炭化水素基であり、L
b1が式(b1−
1)で表される基であるスルホン酸アニオンとしては例えば、以下のものが挙げられる。
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【0234】
Yが無置換の脂環式炭化水素基又は置換基として脂肪族炭化水素基を有する脂環式炭化
水素基であり、L
b1が式(b1−1)で表される基であるスルホン酸アニオンとしては例
えば、以下のものが挙げられる。
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【0237】
Yが−(CH
2)
j2−O−CO−R
b1で表される基を有する脂環式炭化水素基であり、
L
b1が式(b1−1)で表される基であるスルホン酸アニオンとしては例えば、以下のも
のが挙げられる。
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【0238】
Yが、ヒドロキシ基を有する脂環式炭化水素基であり、L
b1が式(b1−1)で表され
る基であるスルホン酸アニオンとしては例えば、以下のものが挙げられる。
[この文献は図面を表示できません]
【0242】
Yが、芳香族炭化水素基又はアラルキル基を有する脂環式炭化水素基であり、L
b1が式
(b1−1)で表される基であるスルホン酸アニオンとしては例えば、以下のものが挙げ
られる。
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【0243】
Yが、前記環状エーテル構造を有し、L
b1が式(b1−1)で表される基であるスルホ
ン酸アニオンとしては例えば、以下のものが挙げられる。
[この文献は図面を表示できません]
【0244】
Yが、前記ラクトン環基であり、L
b1が式(b1−1)で表される基であるスルホン酸
アニオンとしては例えば、以下のものが挙げられる。
[この文献は図面を表示できません]
【0246】
Yが、前記環状ケトン基であり、L
b1が式(b1−1)で表される基であるスルホン酸
アニオンとしては例えば、以下のものが挙げられる。
[この文献は図面を表示できません]
【0247】
Yが、前記スルトン環基であり、L
b1が式(b1−1)で表される基であるスルホン酸
アニオンとしては例えば、以下のものが挙げられる。
[この文献は図面を表示できません]
【0248】
Yが、鎖式炭化水素基又は脂環式炭化水素基であり、L
b1が式(b1−2)で表される
基であるスルホン酸アニオンとしては例えば、以下のものが挙げられる。
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【0254】
Yが、−(CH
2)
j2−O−CO−R
b1で表される基を有する脂環式炭化水素基であり
、L
b1が式(b1−2)で表される基であるスルホン酸アニオンとしては例えば、以下の
ものが挙げられる。
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【0255】
Yが、ヒドロキシ基を有する脂環式炭化水素基であり、L
b1が式(b1−2)で表され
る基であるスルホン酸アニオンとしては例えば、以下のものが挙げられる。
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【0257】
Yが、芳香族炭化水素基を有する脂環式炭化水素基であり、L
b1が式(b1−2)で表
される基であるスルホン酸アニオンとしては例えば、以下のものが挙げられる。
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【0258】
Yが、前記環状エーテル基であり、L
b1が式(b1−2)で表される基であるスルホン
酸アニオンとしては例えば、以下のものが挙げられる。
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【0259】
Yが、前記ラクトン環基であり、L
b1が式(b1−2)で表される基であるスルホン酸
アニオンとしては例えば、以下のものが挙げられる。
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【0260】
Yが、前記環状ケトン基であり、L
b1が式(b1−2)で表される基であるスルホン酸
アニオンとしては例えば、以下のものが挙げられる。
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【0261】
Yが、前記スルトン環基であり、L
b1が式(b1−2)で表される基であるスルホン酸
アニオンとしては例えば、以下のものが挙げられる。
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【0262】
Yが、鎖式炭化水素基であり、L
b1が式(b1−3)で表される2価の基であるスルホ
ン酸アニオンとしては例えば、以下のものが挙げられる。
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【0264】
Yが、アルコキシ基を有する脂環式炭化水素基であり、L
b1が式(b1−3)で表され
る基であるスルホン酸アニオンとしては例えば、以下のものが挙げられる。
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【0265】
Yが、ヒドロキシ基を有する脂環式炭化水素基であり、L
b1が式(b1−3)で表され
る2価の基であるスルホン酸アニオンとしては、例えば以下のものが挙げられる。
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【0266】
Yが、前記環状ケトン基であり、L
b1が式(b1−3)で表される基であるスルホン酸
アニオンとしては例えば、以下のものが挙げられる。
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【0267】
Yが脂環式炭化水素基であり、L
b1が式(b1−4)で表される基であるスルホン酸ア
ニオンとしては例えば、以下のものが挙げられる。
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【0268】
Yが、アルコキシ基を有する脂環式炭化水素基であり、L
b1が式(b1−4)で表され
る基であるスルホン酸アニオンとしては例えば、以下のものが挙げられる。
[この文献は図面を表示できません]
【0269】
Yが、ヒドロキシ基を有する脂環式炭化水素基であり、L
b1が式(b1−4)で表され
る基であるスルホン酸アニオンとしては、例えば以下のものが挙げられる。
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【0270】
Yが前記環状ケトン基であり、L
b1が式(b1−4)で表される2価の基であるスルホ
ン酸アニオンとしては例えば、以下のものが挙げられる。
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【0271】
以上例示したスルホン酸アニオンの中でも、L
b1が式(b1−1)で表される基である
ものが好ましい。より好ましいスルホン酸アニオンを以下に示す。
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さらに好ましくは、Yが置換基を有していてもよい炭素数3〜18の脂環式炭化水素基
であるスルホン酸アニオンである。
【0272】
酸発生剤(B1)中の有機カチオン(Z
+)は例えば、オニウムカチオン、スルホニウ
ムカチオン、ヨードニウムカチオン、アンモニウムカチオン、ベンゾチアゾリウムカチオ
ン及びホスホニウムカチオンなどが挙げられる。これらの中でも、スルホニウムカチオン
及びヨードニウムカチオンが好ましく、スルホニウムカチオン及びヨードニウムカチオン
が好ましく、さらに好ましくは、以下の式(b2−1)〜式(b2−4)のいずれかで表
される有機カチオン〔以下、各式の番号に応じて、「カチオン(b2−1)」、「カチオ
ン(b2−2)」、「カチオン(b2−3)」及び「カチオン(b2−4)」という〕で
ある。
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【0273】
式(b2−1)〜式(b2−4)において、
R
b4、R
b5及びR
b6は、それぞれ独立に、炭素数1〜30の炭化水素基を表し、この炭
化水素基のうちでは、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基
及び炭素数6〜18の芳香族炭化水素基が好ましい。該アルキル基は、ヒドロキシ基、炭
素数1〜12のアルコキシ基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を有していてもよく
、該脂環式炭化水素基は、ハロゲン原子、炭素数2〜4のアシル基又はグリシジルオキシ
基を有していてもよく、該芳香族炭化水素基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1
〜18のアルキル基、炭素数3〜18の飽和環状炭化水素基又は炭素数1〜12のアルコ
キシ基を有していてもよい。
R
b7及びR
b8は、それぞれ独立に、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルキル基又は炭
素数1〜12のアルコキシ基を表す。
m2及びn2は、それぞれ独立に0〜5の整数を表す。
R
b9及びR
b10は、それぞれ独立に、炭素数1〜18のアルキル基又は炭素数3〜18
の脂環式炭化水素基を表す。
R
b11は、水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素
基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を表す。
R
b9、R
b10及びR
b11は、それぞれ独立に、脂肪族炭化水素基であり、該脂肪族炭化水
素基がアルキル基である場合、その炭素数は1〜12が好ましく、該脂肪族炭化水素基が
脂環式炭化水素基である場合、その炭素数は3〜18がと好ましく、4〜12がより好ま
しい。
R
b12は、炭素数1〜18の炭化水素基を表す。該炭化水素基のうち、芳香族炭化水素
基は、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数3〜18の
脂環式炭化水素基又は炭素数1〜12のアルキルカルボニルオキシ基を有していてもよい
。
【0274】
R
b13、R
b14、R
b15、R
b16、R
b17及びR
b18は、それぞれ独立に、ヒドロキシ基、炭
素数1〜12のアルキル基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。
L
b11は、酸素原子又は硫黄原子を表す。
o2、p2、s2及びt2は、それぞれ独立に、0〜5の整数を表す。
q2及びr2は、それぞれ独立に、0〜4の整数を表す。
u2は0又は1を表す。
o2が2以上であるとき、複数のR
b13は同一でも異なっていてもよく、p2が2以上
であるとき、複数のR
b14は同一でも異なっていてもよく、s2が2以上であるとき、複
数のR
b15は同一でも異なっていてもよく、t2が2以上であるとき、複数のR
b18は同一
でも異なっていてもよい。
【0275】
R
b12のアルキルカルボニルオキシ基としては、すでに例示したアシル基と酸素原子と
が結合したものである。
【0276】
R
b9〜R
b12の鎖式脂肪族炭化水素基のうち好ましい基はアルキル基であり、その具体
例は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−
ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基及び2−エチルヘ
キシル基などである。
R
b9〜R
b11の脂環式炭化水素基のうち好ましい基は例えば、シクロプロピル基、シク
ロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロデシル基
、2−アルキルアダマンタン−2−イル基、1−(アダマンタン−1−イル)アルカン−
1−イル基及びイソボルニル基などである。
R
b12の芳香族炭化水素基のうち好ましい基は例えば、フェニル基、4−メチルフェニ
ル基、4−エチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、4−シクロへキシルフ
ェニル基、4−メトキシフェニル基、ビフェニリル基及びナフチル基などである。
R
b12の芳香族炭化水素基と鎖式脂肪族炭化水素基が結合したものとしては、アラルキ
ル基が挙げられる。
R
b9とR
b10とは、互いに結合してイオウ原子を含む3員環〜12員環(好ましくは3
員環〜7員環)を形成していてもよく、該環に含まれるメチレン基は、酸素原子、硫黄原
子又はカルボニル基で置き換わっていてもよい。
R
b9とR
b10との組み合わせが結合して形成する環としては例えば、チオラン−1−イ
ウム環(テトラヒドロチオフェニウム環)、チアン−1−イウム環及び1,4−オキサチ
アン−4−イウム環などが挙げられる。
R
b11とR
b12とは、互いに結合して−CH−CO−を含む3員環〜12員環(好ましく
は4員環〜7員環)を形成していてもよく、該環に含まれるメチレン基は、酸素原子、硫
黄原子又はカルボニル基で置き換わっていてもよい。
R
b11とR
b12との組み合わせが結合して形成する環としては例えば、オキソシクロヘプ
タン環、オキソシクロヘキサン環、オキソノルボルナン環及びオキソアダマンタン環など
が挙げられる。
【0277】
有機カチオンの中でも、カチオン(b2−1)が好ましく、以下の式(b2−1−1)
で表される有機カチオン〔以下、「カチオン(b2−1−1)」という。〕がより好まし
く、トリフェニルスルホニウムカチオン(式(b2−1−1)中、v2=w2=x2=0
である)及びトリトリルスルホニウムカチオン(式(b2−1−1)中、v2=w2=x
2=1であり、R
b19、R
b20及びR
b21がいずれもメチル基である)がさらに好ましい。
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式(b2−1−1)中、
R
b19、R
b20及びR
b21は、それぞれ独立に、ハロゲン原子(より好ましくはフッ素原
子)、ヒドロキシ基、炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基又は炭素数1〜12のアルコキ
シ基を表す。
R
b19、R
b20及びR
b21を表す脂肪族炭化水素基としては、炭素数1〜12のアルキル
基及び炭素数4〜18の脂環式炭化水素基がより好ましい。
v2、w2及びx2は、それぞれ独立に0〜5の整数(好ましくは0又は1)を表す。
v2が2以上のとき、複数のR
b19は同一でも異なっていてもよく、w2が2以上のと
き、複数のR
b20は同一でも異なっていてもよく、x2が2以上のとき、複数のR
b21は同
一でも異なっていてもよい。
なかでも、R
b19、R
b20及びR
b21は、それぞれ独立に、好ましくは、ハロゲン原子(
より好ましくはフッ素原子)、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルキル基、又は炭素数
1〜12のアルコキシ基であることが好ましい。
【0278】
カチオン(b2−1−1)の具体例としては、以下のものが挙げられる。
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【0279】
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このような有機カチオンを有する酸発生剤(B1)を含む本レジスト組成物は、レジス
トパターン製造時のフォーカスマージンが広い傾向があるため好ましい。
【0280】
カチオン(b2−2)としては、以下のものが挙げられる。
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【0281】
カチオン(b2−3)としては、以下のものが挙げられる。
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【0283】
カチオン(b2−4)としては、以下のものが挙げられる。
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【0287】
酸発生剤(B1)は上述のスルホン酸アニオン及び上述の有機カチオンの組合せである
。該スルホン酸アニオンと該有機カチオンとは任意に組み合わせることができるが、
式(b1−1−1)〜式(b1−1−9)のいずれかで表されるスルホン酸アニオンと
カチオン(b2−1−1)との組合せである酸発生剤(B1)、並びに式(b1−1−3
)〜式(b1−1−5)のいずれかで表されるスルホン酸アニオンとカチオン(b2−3
)との組合せである酸発生剤(B1)が好ましい。
【0288】
さらに好ましい酸発生剤(B1)を具体的に示す。このような酸発生剤(B1)は、以
下の式(B1−1)〜式(B1−17)のいずれかで表されるものである。中でもトリフ
ェニルスルホニウムカチオンを含む酸発生剤(B1)である、式(B1−1)、式(B1
−2)、式(B1−6)、式(B1−11)、式(B1−12)、式(B1−13)及び
式(B1−14)並びにトリトチルスルホニウムカチオンを含む酸発生剤(B1)である
式(B1−3)のいずれかで表される塩がより好ましい。また、すでに述べたように、Y
が置換基を有していてもよい脂環式炭化水素基が好ましいので、この点では、式(B1−
1)、式(B1−2)、式(B1−11)及び式(B1−12)並びに式(B1−3)の
いずれかで表される塩がより好ましい。
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【0293】
<塩基性化合物(以下、「塩基性化合物(C)」という)>
本レジスト組成物は、さらに塩基性化合物(C)を含むことが好ましい。ここでいう「
塩基性化合物」とは、酸を捕捉するという特性を有する化合物、特に、酸発生剤から発生
する酸を捕捉するという特性を有する化合物を意味し、当該技術分野ではクエンチャーと
いわれている。
【0294】
塩基性化合物(C)は、好ましくは塩基性の含窒素有機化合物であり、例えば、アミン
及びアンモニウムヒドロキシドを挙げることができる。アミンは、脂肪族アミンでも、芳
香族アミンでもよい。脂肪族アミンは、第一級アミン、第二級アミン及び第三級アミンの
いずれも使用できる。芳香族アミンは、アニリンのような芳香環にアミノ基が結合したも
のや、ピリジンのような複素芳香族アミンのいずれでもよい。好ましい塩基性化合物(C
)として、以下の式(C2)で表される芳香族アミン、特に、以下の式(C2−1)で表
されるアニリン類が挙げられる。
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式(C2)及び式(C2−1)中、Ar
c1は、芳香族炭化水素基を表す。
R
c5及びR
c6は、それぞれ独立に、水素原子、脂肪族炭化水素基(好ましくは、炭素数
1〜6程度の鎖式炭化水素基及び炭素数5〜10程度の脂環式炭化水素基である)又は芳
香族炭化水素基(好ましくは、炭素数6〜10程度の芳香族炭化水素基である)を表す。
但し、該脂肪族炭化水素基、該脂環式炭化水素基及び該芳香族炭化水素基に含まれる水素
原子は、ヒドロキシ基、アミノ基又は炭素数1〜6のアルコキシ基で置換されていてもよ
く、該アミノ基はさらに、炭素数1〜4のアルキル基を有していてもよい。
R
c7は、鎖式炭化水素基(好ましくは、炭素数1〜6程度のアルキル基である)、炭素
数1〜6程度のアルコキシ基、脂環式炭化水素基(好ましくは、炭素数5〜10程度の脂
環式炭化水素基であり、さらに好ましくは、炭素数5〜10程度のシクロアルキル基であ
る)又は芳香族炭化水素基(好ましくは、炭素数6〜10程度の芳香族炭化水素基である
)を表す。但し、該脂肪族炭化水素基、該アルコキシ基、該脂環式炭化水素基及び該芳香
族炭化水素基に含まれる水素原子も、ヒドロキシ基、アミノ基、又は炭素数1〜6のアル
コキシ基で置換されていてもよく、該アミノ基はさらに、炭素数1〜4のアルキル基を有
していてもよい。
m3は0〜3の整数を表す。m3が2以上のとき、複数のR
c7は、同一でも異なってい
てもよい。
【0295】
式(C2)で表される芳香族アミンは例えば、1−ナフチルアミン及び2−ナフチルア
ミンなどが挙げられる。
式(C2−1)で表されるアニリン類は例えば、アニリン、ジイソプロピルアニリン、
2−,3−又は4−メチルアニリン、4−ニトロアニリン、N−メチルアニリン、N,N
−ジメチルアニリン及びジフェニルアミンなどが挙げられる。
【0296】
また、以下の式(C3)、式(C4)、式(C5)、式(C6)、式(C7)、式(C
8)、式(C9)、式(C10)及び式(C11)のいずれかで表される化合物(以下、
ここでいう化合物を、式番号に応じて、「化合物(C3)」〜「化合物(C11)」のよ
うに表記する)も用いることができる。
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式(C3)〜式(C11)中、
R
c8、R
c20、R
c21、R
c23、R
c24、R
c25、R
c26、R
c27及びR
c28は、上記R
c7で説
明したいずれかの基を表す。
R
c9、R
c10、R
c11、R
c12、R
c13、R
c14、R
c16、R
c17、R
c18、R
c19及びR
c22は
、上記のR
c5及びR
c6で説明したいずれかの基を表す。
R
c15は、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基又はアルカノイル基を表す。
n3は0〜8の整数を表す。n3が2以上のとき、複数のR
c15は同一でも異なってい
てもよい。
o3、p3、q3、r3、s3、t3及びu3は、それぞれ独立に0〜3の整数を表す
。
o3が2以上であるとき、複数のR
c20は同一でも異なっていてもよい。
p3が2以上であるとき、複数のR
c21は同一でも異なっていてもよい。
q3が2以上であるとき、複数のR
c24は同一でも異なっていてもよい。
r3が2以上であるとき、複数のR
c25は同一でも異なっていてもよい。
s3が2以上であるとき、複数のR
c26は同一でも異なっていてもよい。
t3が2以上であるとき、複数のR
c27は同一でも異なっていてもよい。
u3が2以上であるとき、複数のR
c28は同一でも異なっていてもよい。
L
c1及びL
c2は、それぞれ独立に、2価の脂肪族炭化水素基(好ましくは、炭素数1〜
6程度の脂肪族炭化水素基であり、より好ましくは、炭素数1〜6程度のアルカンジイル
基である)、カルボニル基、−C(=NH)−、−C(=NR
c3)−(但し、R
c3は、炭
素数1〜4のアルキル基を表す)、硫黄原子、ジスルフィド結合(−S−S−)又はこれ
らの組合せを表す。
【0297】
R
c15の脂肪族炭化水素基は、好ましくは炭素数1〜6程度であり、脂環式炭化水素基
は、好ましくは炭素数3〜6程度であり、アルカノイル基は、好ましくは炭素数2〜6程
度ある。
アルカノイル基としては、アセチル基、2−メチルアセチル基、2,2−ジメチルアセ
チル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ペンタノイル基、2,2−ジメ
チルプロピオニル基等が挙げられる。
【0298】
化合物(C3)としては例えば、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、
ノニルアミン、デシルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、
ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、ジノニルアミン、ジデシルアミン、トリエチルア
ミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン
、トリヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン、トリノニルアミン、
トリデシルアミン、メチルジブチルアミン、メチルジペンチルアミン、メチルジヘキシル
アミン、メチルジシクロヘキシルアミン、メチルジヘプチルアミン、メチルジオクチルア
ミン、メチルジノニルアミン、メチルジデシルアミン、エチルジブチルアミン、エチルジ
ペンチルアミン、エチルジヘキシルアミン、エチルジヘプチルアミン、エチルジオクチル
アミン、エチルジノニルアミン、エチルジデシルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミン
、トリス〔2−(2−メトキシエトキシ)エチル〕アミン、トリイソプロパノールアミン
エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4’−ジア
ミノ−1,2−ジフェニルエタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジフェニル
メタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチルジフェニルメタンなどが挙げられる。
【0299】
化合物(C4)としては例えば、ピペラジンなどが挙げられる。
化合物(C5)としては例えば、モルホリンなどが挙げられる。
化合物(C6)としては例えば、ピペリジン及び特開平11−52575号公報に記載
されているピペリジン骨格を有するヒンダードアミン化合物などが挙げられる。
化合物(C7)としては例えば、2,2’−メチレンビスアニリンなどが挙げられる。
化合物(C8)としては例えば、イミダゾール及び4−メチルイミダゾールなどが挙げ
られる。
化合物(C9)としては例えば、ピリジン、4−メチルピリジンなどが挙げられる。
化合物(C10)としては例えば、1,2−ジ(2−ピリジル)エタン、1,2−ジ(
4−ピリジル)エタン、1,2−ジ(2−ピリジル)エテン、1,2−ジ(4−ピリジル
)エテン、1,3−ジ(4−ピリジル)プロパン、1,2−ジ(4−ピリジルオキシ)エ
タン、ジ(2−ピリジル)ケトン、4,4’−ジピリジルスルフィド、4,4’−ジピリ
ジルジスルフィド、2,2’−ジピリジルアミン及び2,2’−ジピコリルアミンなどが
挙げられる。
化合物(C11)としては例えば、ビピリジンなどが挙げられる。
【0300】
アンモニウムヒドロキシドとしては例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、
テトライソプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド
、テトラヘキシルアンモニウムヒドロキシド、テトラオクチルアンモニウムヒドロキシド
、フェニルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、3−(トリフルオロメチル)フェニル
トリメチルアンモニウムヒドロキシド及びコリン等が挙げられる。
【0301】
塩基性化合物(C)としては、これらの中でもジイソプロピルアニリンが好ましく、2
,6−ジイソプロピルアニリンが特に好ましい。
【0302】
<溶剤(D)>
本レジスト組成物に含有される溶剤(D)は、用いる樹脂(A)[樹脂(AA)又は樹
脂(AB)]の種類及びその量、酸発生剤(B1)の種類及びその量などに応じ、さらに
後述するレジストパターンの製造において、基板上に本レジスト組成物を塗布する際の塗
布性が良好となるという点から適宜、最適なものを選ぶことができる。
【0303】
好適な溶剤(D)の例としては、エチルセロソルブアセテート、メチルセロソルブアセ
テート及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのグリコールエーテ
ルエステル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコールエーテル類;
乳酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル及びピルビン酸エチルなどのエステル類;アセトン
、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン及びシクロヘキサノンなどのケトン類;γ−
ブチロラクトンなどの環状エステル類を挙げることができる。溶剤(D)は、1種のみを
使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0304】
<その他の成分>
本レジスト組成物は、上記以外の構成成分(以下「成分(F)」という)を含んでいて
もよい。成分(F)は特に限定されず、レジスト分野で公知の添加剤、例えば、増感剤、
溶解抑止剤、界面活性剤、安定剤及び染料などが挙げられる。
【0305】
<レジスト組成物及びその調製方法>
本レジスト組成物は、樹脂(A)〔特に、樹脂(AA)〕、酸発生剤(B)並びに、必
要に応じて用いる溶剤(D)、塩基性化合物(C)、樹脂(X)及び成分(F)を混合す
ることで調製することができる。その混合順は任意であり、特に限定されるものではない
。混合する際の温度は、10〜40℃の範囲から、用いる化合物(a)に由来する構造単
位を有する樹脂などの種類や化合物(a)に由来する繰り返し単位を含む樹脂等の溶剤(
D)に対する溶解度等に応じて適切な温度範囲を選ぶことができる。混合時間は、混合温
度に応じて選べばよく、0.5〜24時間が好ましい。混合手段は特に限定されず、攪拌
混合などを用いることができる。
本レジスト組成物を調製する際に用いる各成分の使用量により、本レジスト組成物中の
各成分の含有量を調節することができる。
このように、各成分を混合した後は、孔径0.01〜0.2μm程度のフィルタを用い
てろ過することが好ましい。
【0306】
樹脂(A)が樹脂(AA)である場合、樹脂(A)の含有割合は、本レジスト組成物の
固形分に対して、80質量%以上99質量%以下が好ましい。
樹脂(A)が樹脂(AB)である場合、樹脂(A)の本レジスト組成物に対する含有割
合は、本レジスト組成物の固形分に対して0.1質量%以上10質量%以下が好ましい。
ここで、レジスト組成物の固形分とは、レジスト組成物総質量から溶剤(D)の含有量
を除いた量のことをいう。例えば、溶剤(D)の含有割合が90質量%である場合、レジ
スト組成物の固形分は10質量%である。
レジスト組成物の固形分及びこれに対する各成分の含有量は、例えば、液体クロマトグ
ラフィー又はガスクロマトグラフィーなどの公知の分析手段で測定することができる。
【0307】
酸発生剤(B)の含有量は、レジスト組成物に含まれる樹脂(A)100質量部に対し
て、好ましくは1質量部以上であり、より好ましくは3質量部以上であり、好ましくは3
0質量部以下であり、より好ましくは25質量部以下である。
なお、樹脂(AA)に代えて樹脂(AB)及び樹脂(X)を用いる場合には、酸発生剤
(B)の含有量は、樹脂(X)100質量部に対して、好ましくは1質量部以上であり、
より好ましくは3質量部以上であり、好ましくは30質量部以下であり、より好ましくは
25質量部以下である。
【0308】
レジスト組成物が塩基性化合物(C)を含む場合、その含有割合は、本レジスト組成物
の固形分に対して、0.01〜1質量%程度が好ましい。
【0309】
溶剤(D)の含有割合は、上述のとおり、樹脂(A)の種類などに応じて適宜調節でき
るが、レジスト組成物総質量に対して、好ましくは90質量%以上、より好ましくは92
質量%以上、さらに好ましくは94質量%以上であり、好ましくは99.9質量%以下、
より好ましくは99質量%以下である。このような含有割合で溶剤(D)を含む本レジス
ト組成物は、例えば後述するレジストパターンの製造方法において、厚み30〜300n
m程度の組成物層を形成するためのレジスト組成物として好ましい。
【0310】
レジスト組成物が成分(F)を含む場合には、当該成分(F)の種類に応じて、適切な
含有割合を調節できる。
【0311】
<レジストパターンの製造方法>
本発明のレジストパターンの製造方法は、
(1)本レジスト組成物を基板上に塗布する工程、
(2)塗布後の組成物を乾燥させて組成物層を形成する工程、
(3)組成物層に露光機を用いて露光する工程、
(4)露光後の組成物層を加熱する工程、
(5)加熱後の組成物層を、現像装置を用いて現像する工程を含む。以下、ここに示す工
程の各々を、「工程(1)」〜「工程(5)」のようにいう。
【0312】
工程(1)における本レジスト組成物の基板上への塗布は、スピンコーターなど、半導
体の微細加工のレジスト材料塗布用として広く用いられている塗布装置によって行うこと
ができる。これにより、基板上にレジスト組成物からなる塗布膜が形成される。塗布装置
の条件(塗布条件)を種々調節することで、塗布膜の膜厚は調整可能であり、適切な予備
実験等を行うことにより、所望の膜厚の塗布膜になるように塗布条件を選ぶことができる
。本レジスト組成物を塗布する前の基板は、微細加工を実施しようとする種々のものを選
ぶことができる。本レジスト組成物を塗布する前に、基板を洗浄してもよいし、予め基板
上に反射防止膜を形成してもよい。この反射防止膜の形成には例えば、市販の有機反射防
止膜用組成物を用いることができる。
【0313】
工程(2)においては、基板上に塗布された本レジスト組成物、すなわち塗布膜を乾燥
させて、溶剤を除去する。このような乾燥は、例えば、ホットプレート等の加熱装置を用
いた加熱手段(いわゆるプリベーク)又は減圧装置を用いた減圧手段により、或いはこれ
らの手段を組み合わせて、該塗布膜から溶剤を蒸発させることにより行われる。乾燥の条
件は、本レジスト組成物に含まれる溶剤(D)の種類等に応じて選択でき、例えばホット
プレートの場合、該ホットプレートの表面温度を50〜200℃程度の範囲にすることが
好ましい。また、減圧手段では、適当な減圧機の中に、塗布膜が形成された基板を封入し
た後、該減圧機の内部圧力を1〜1.0×10
5Pa程度にすればよい。このように塗布
膜を乾燥させることにより、該基板上には組成物層が形成される。
【0314】
工程(3)は該組成物層を露光する工程であり、好ましくは、露光機を用いて該組成物
層を露光する。この際には、微細加工を実施しようとする所望のパターンが形成されたマ
スク(フォトマスク)を介して露光が行われる。露光機の露光光源としては、KrFエキ
シマレーザ(波長248nm)、ArFエキシマレーザ(波長193nm)、F
2エキシ
マレーザ(波長157nm)のような紫外域のレーザ光を放射するもの、固体レーザ光源
(YAG又は半導体レーザ等)からのレーザ光を波長変換して遠紫外域または真空紫外域
の高調波レーザ光を放射するもの等、種々のものを用いることができる。該露光機は液浸
露光機であってもよいし、電子線、極端紫外光(EUV)を照射するものであってもよい
。
【0315】
上述のとおり、マスクを介して露光することにより、該組成物層には露光された部分(
露光部)及び露光されていない部分(未露光部)が生じる。露光部の組成物層では該組成
物層に含まれる酸発生剤(B1)が露光エネルギーを受けて酸を発生し、さらに発生した
酸との作用により、樹脂(AA)〔又は樹脂(X)〕にある酸不安定基が脱保護反応によ
り親水性基を生じるため、結果として露光部の組成物層にある樹脂(AA)〔又は樹脂(
X)〕はアルカリ水溶液に可溶なものとなる。一方、未露光部では露光エネルギーを受け
ていないため、樹脂(AA)〔又は樹脂(X)〕はアルカリ水溶液に対して不溶又は難溶
のままとなる。かくして、露光部にある組成物層と未露光部にある組成物層とは、アルカ
リ水溶液に対する溶解性が著しく相違することとなる。
【0316】
工程(4)では、露光後の組成物層に加熱処理(いわゆるポストエキスポジャーベーク
)が行われる。加熱処理は前記工程(2)で示したホットプレートを用いる加熱手段など
が好ましい。工程(4)におけるホットプレート加熱を行う場合、ホットプレートの表面
温度は50〜200℃程度が好ましく、70〜150℃程度がより好ましい。加熱処理を
行なうことにより、脱保護反応が促進される。
【0317】
工程(5)は、加熱後の組成物層を現像する工程であり、好ましくは、加熱後の組成物
層を、現像装置を用いて現像する。ここでいう現像とは、加熱後の組成物層をアルカリ水
溶液と接触させることである。これにより、露光部の組成物層はアルカリ水溶液に溶解し
て除去され、未露光部の組成物層は基板上に残るため、基板上にレジストパターンが製造
される。
アルカリ水溶液としては、「アルカリ現像液」と称される本技術分野で公知のものを用
いることができる。アルカリ水溶液としては例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキ
シドの水溶液や(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウムヒドロキシド(通称コ
リン)の水溶液などが挙げられる。
【0318】
現像後は、製造されたレジストパターンは超純水等でリンス処理を行うことが好ましく
、さらに基板及びレジストパターン上に残存している水分を除去することが好ましい。
【0319】
以上のような工程(1)〜工程(5)を含むレジストパターン製造方法によれば、本レ
ジスト組成物は、マスクエラーファクター(MEF)に優れ、欠陥の発生数が少ないレジ
ストパターンを形成できる。
【0320】
<用途>
本レジスト組成物は、KrFエキシマレーザ露光用のレジスト組成物、ArFエキシマ
レーザ露光用のレジスト組成物、電子線(EB)照射用のレジスト組成物又はEUV露光
用のレジスト組成物、さらに液浸露光用のレジスト組成物として好適である。
【実施例】
【0321】
実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。例中、含有量ないし使用量を表す
「%」及び「部」は、特記しないかぎり質量基準である。
以下の実施例において、化合物の構造は、質量分析(LCはAgilent製1100
型、MASSはAgilent製LC/MSD型)を用いて確認した。重量平均分子量は
、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより求めた値である。なお、ゲルパーミエ
ーションクロマトグラフィーの分析条件は下記のとおりである。
カラム:TSKgel Multipore HXL-M x 3+guardcolumn(東ソー社製)
溶離液:テトラヒドロフラン
流量:1.0mL/min
検出器:RI検出器
カラム温度:40℃
注入量:100μl
分子量標準:標準ポリスチレン(東ソー社製)
【0322】
合成例1:〔式(I)で表される化合物の合成〕
[この文献は図面を表示できません]
式(I−2)で表される化合物10.00部、テトラヒドロフラン40.00部及びピ
リジン7.29部を反応器に仕込み、23℃で30分間攪拌した後、0℃まで冷却した。
同温度を保持したまま、得られた混合物に、式(I−1)で表される化合物33.08部
を、1時間かけて添加した後、更に、温度を上げ、23℃に到達した時点で、同温度で3
時間攪拌した。得られた反応物に、酢酸エチル361.51部及び5%塩酸水溶液20.
19部を加え、23℃で30分間攪拌した。攪拌後、静置し、分液した。回収された有機
層に、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液81.42部を加え、23℃で30分間攪拌した後
、静置、分液することにより有機層を回収した。回収された有機層に、イオン交換水90
.38部を加え、23℃で30分間攪拌した後、静置、分液することにより有機層を水洗
した。この水洗操作を5回繰り返した。水洗後の有機層を濃縮し、式(I)で表される化
合物23.40部を得た。
MS(質量分析):326.0(分子イオンピーク)
【0323】
合成例2:〔式(J)で表される化合物の合成、実施例A〕
[この文献は図面を表示できません]
式(J−2)で表される化合物8.50部、テトラヒドロフラン34.00部及びピリ
ジン6.20部を反応器に仕込み、23℃で30分間攪拌した後、0℃まで冷却した。同
温度を維持したまま、得られた混合物に、式(J−1)で表される化合物13.78部を
1時間かけて添加した。その後、温度を上昇させ、23℃で3時間攪拌した。得られた反
応物に、酢酸エチル249.91部及び5%塩酸水溶液17.16部を加え、23℃で3
0分間攪拌した後、静置、分液した。回収された有機層に、飽和炭酸水素ナトリウム水溶
液62.62部を加え、23℃で30分間攪拌した後、静置、分液することにより有機層
を回収した。回収された有機層に、イオン交換水62.62部を加え、23℃で30分間
攪拌した後、静置、分液することにより有機層を水洗した。この水洗操作を5回繰り返し
た。水洗した有機層を濃縮した後、カラム分取(固定床:メルク社製シリカゲル60−2
00メッシュ 展開溶媒:酢酸エチル)することにより、式(J−3)で表される化合物
13.00部を得た。
【0324】
[この文献は図面を表示できません]
式(J−3)で表される化合物13.00部、イソプロパノール39.00部及び硫酸
0.20部を反応器に仕込み、85℃で3時間攪拌した。得られた反応物を23℃まで冷
却した後、酢酸エチル156.59部及び飽和炭酸水素ナトリウム水溶液42.00部を
加え、23℃で30分間攪拌した後、静置、分液することにより有機層を回収した。回収
された有機層に、イオン交換水39.15部を仕込み23℃で30分間攪拌した後、静置
、分液することにより有機層を水洗した。この水洗操作を5回繰り返した。水洗後の有機
層を濃縮した後、カラム分取(固定床:メルク社製シリカゲル60−200メッシュ 展
開溶媒:n−ヘプタン/酢酸エチル=1/1(質量比)混合溶媒)することにより、式(
J)で表される化合物11.64部を得た。
MS(質量分析):394.1(分子イオンピーク)
【0325】
合成例3:〔式(O)で表される化合物の合成〕
[この文献は図面を表示できません]
式(O−2)で表される化合物88.00部、メチルイソブチルケトン616.00部
及びピリジン60.98部を、23℃で30分間攪拌混合した後、0℃まで冷却した。同
温度を保持したまま、得られた混合物に、式(O−1)で表される化合物199.17部
を、1時間かけて添加した後、更に、10℃程度まで温度を上げ、同温度で1時間攪拌し
た。得られた反応物に、n−へプタン1446.22部及び2%塩酸水溶液703.41
部を加え、23℃で30分間攪拌した。静置、分液することにより回収された有機層に、
2%塩酸水溶液337.64部を仕込み、23℃で30分間攪拌した。静置、分液するこ
とにより有機層を回収した。回収された有機層に、イオン交換水361.56部を仕込み
23℃で30分間攪拌し、静置、分液することにより有機層を水洗した。回収された有機
層に、10%炭酸カリウム水溶液443.92部を仕込み、23℃で30分間攪拌し、静
置、分液することにより有機層を回収した。このような洗浄操作を2回繰り返した。回収
された有機層に、イオン交換水361.56部を仕込み、23℃で30分間攪拌、静置し
た後、分液することにより有機層を水洗した。このような水洗操作を5回繰り返した。回
収された有機層を濃縮し式(O)で表される化合物163.65部を得た。
MS(質量分析):276.0(分子イオンピーク)
【0326】
合成例4:〔式(P)で表される化合物の合成〕
[この文献は図面を表示できません]
式(P−2)で表される化合物80.00部、メチルイソブチルケトン560.00部
及びピリジン58.35部を、23℃で30分間攪拌混合した後、0℃まで冷却した。同
温度を保持したまま、得られた混合物に、式(P−1)で表される化合物135.57部
を、1時間かけて添加した後、更に、10℃程度まで温度を上げ、同温度で1時間攪拌し
た。得られた反応物に、酢酸エチル2084.79部、5%塩酸水溶液323.10部及
びイオン交換水521.20部を加え、23℃で30分間攪拌した。静置、分液すること
により回収された有機層に、イオン交換水521.20部を仕込み23℃で30分間攪拌
し、静置、分液することにより有機層を水洗した。水洗後の有機層に、10%炭酸カリウ
ム水溶液267.63部を仕込み、23℃で30分間攪拌し、静置、分液することにより
有機層を洗浄した。このような洗浄操作を2回繰り返した。回収された有機層に、イオン
交換水521.20部を仕込み、23℃で30分間攪拌し、静置、分液することにより有
機層を水洗した。このような水洗操作を4回繰り返した。水洗後の有機層を濃縮し式(P
)で表される化合物130.40部を得た。
MS(質量分析):226.1(分子イオンピーク)
【0327】
合成例5:〔式(Q)で表される化合物の合成、実施例B〕
[この文献は図面を表示できません]
式(Q−2)で表される化合物9.60部、テトラヒドロフラン38.40部及びピリ
ジン5.99部を、23℃で30分間攪拌混合した後、0℃まで冷却した。同温度を保持
したまま、得られた混合物に、式(Q−1)で表される化合物14.00部を、1時間か
けて添加し、更に、10℃程度まで温度を上げ、同温度で1時間攪拌した。得られた式(
Q−3)で表される化合物を含む反応混合物に、式(Q−4)で表される化合物(1−(
3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩)14.51部及び式
(Q−5)で表される化合物8.20部を添加し、23℃で3時間攪拌した。得られた反
応溶液に、酢酸エチル271.95部及び5%塩酸水溶液16.57部を加え、23℃で
30分間攪拌した。静置、分液することにより回収された有機層に、飽和炭酸水素ナトリ
ウム水溶液63.64部を加え、23℃で30分間攪拌し、静置、分液することにより有
機層を洗浄した。このような洗浄操作を2回繰り返した。洗浄後の有機層に、イオン交換
水67.99部を仕込み23℃で30分間攪拌し、静置、分液することにより有機層を水
洗した。このような水洗操作を5回繰り返した。水洗後の有機層を濃縮した後、得られた
濃縮物に、酢酸エチル107.71部を添加し完全に溶解するまで攪拌した後、n−ヘプ
タン646.26部を滴下した。滴下終了後、23℃で30分間攪拌した後、ろ過するこ
とにより、式(Q)で表される化合物15.11部を得た。
MS(質量分析):486.2(分子イオンピーク)
【0328】
合成例6:〔式(R)で表される化合物の合成、実施例C〕
[この文献は図面を表示できません]
式(R−1)で表される化合物5.00部、ジメチルホルムアミド20.00部及び炭
酸カリウム2.30部を、40℃で1時間攪拌した後、得られた式(R−2)で表される
化合物を含む反応混合物に、式(R−3)で表される化合物6.59部を添加し、60℃
で10時間攪拌した。得られた反応溶液に、酢酸エチル100.00部及び5%塩酸水溶
液24.30部を加え、23℃で30分間攪拌した。静置、分液することにより回収され
た有機層に、イオン交換水50.00部を仕込み23℃で30分間攪拌し、静置、分液す
ることにより有機層を水洗した。このような水洗操作を5回繰り返した。回収された有機
層を濃縮することにより、式(R−4)で表される化合物5.70部を得た。
得られた式(R−4)で表される化合物5.70部、式(R−5)で表される化合物3
.70部、トルエン36.47部及び硫酸0.05部を混合した後、115℃で6時間加
熱脱水した。得られた反応溶液を冷却後、酢酸エチル200.00部、イオン交換水12
5.00部及び炭酸水素ナトリウム3.00部を加え、23℃で30分間攪拌した。静置
、分液することにより回収された有機層に、イオン交換水125.00部を加え、23℃
で30分間攪拌し、静置、分液することにより有機層を水洗した。このような水洗操作を
5回繰り返した。水洗後の有機層を濃縮した後、得られた濃縮物をカラム分取(固定床:
メルク社製シリカゲル60−200メッシュ 展開溶媒:酢酸エチル)することにより、
式(R)で表される化合物4.82部を得た。
MS(質量分析):386.2(分子イオンピーク)
【0329】
合成例7:〔式(U)で表される化合物の合成〕
[この文献は図面を表示できません]
式(U−1)で表される化合物33.25部、ジシクロヘキシルカルボジイミド23.
93部及び塩化メチレン40.00部を、反応器に仕込み混合した。混合物を0℃程度ま
で冷却した後、式(U−2)で表される化合物18.83部を加え、0℃程度のまま、1
時間攪拌した。23℃まで昇温し、さらに30分間攪拌した。不溶物をろ過して除去し、
得られたろ液を濃縮して、式(U−3)で表される化合物44.19部を得た。
【0330】
[この文献は図面を表示できません]
前記のようにして得られた式(U−3)で表される化合物19.33部、式(U−4)
で表される化合物19.02部及びアセトニトリル200部を、反応器に仕込んで混合し
、この混合物を50℃で3時間攪拌した。得られた混合物を濃縮し、クロロホルム300
部及びイオン交換水150部を加えた後、分液操作により、有機層を回収した。回収され
た有機層をイオン交換水150部で水洗した後、有機層を濃縮した。濃縮物を、カラム分
取(カラム分取条件 固定相:メルク社製シリカゲル60−200メッシュ 展開溶媒:
酢酸エチル)することにより、式(U)で表される化合物14.58部を得た。
MS(質量分析):315.1(分子イオンピーク)
【0331】
合成例8:〔式(X)で表される化合物の合成、実施例D〕
[この文献は図面を表示できません]
式(X−2)で表される化合物6.32部、テトラヒドロフラン30.00部及びピリ
ジン5.99部を、23℃で30分間攪拌混合した後、0℃まで冷却した。同温度を保持
したまま、得られた混合物に、式(X−1)で表される化合物14.00部を、1時間か
けて添加し、更に、10℃程度まで温度を上げ、同温度で1時間攪拌した。得られた式(
X−3)で表される化合物を含む反応混合物に、式(X−4)で表される化合物(1−(
3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩)14.51部及び式
(X−5)で表される化合物8.20部を添加し、23℃で3時間攪拌した。得られた反
応溶液に、酢酸エチル270部及び5%塩酸水溶液16.57部を加え、23℃で30分
間攪拌した。静置、分液することにより回収された有機層に、飽和炭酸水素ナトリウム水
溶液65部を加え、23℃で30分間攪拌し、静置、分液することにより有機層を洗浄し
た。このような洗浄操作を2回繰り返した。洗浄後の有機層に、イオン交換水65部を仕
込み23℃で30分間攪拌し、静置、分液することにより有機層を水洗した。このような
水洗操作を5回繰り返した。水洗後の有機層を濃縮した。得られた濃縮物を、カラム分取
(カラム分取条件 固定相:メルク社製シリカゲル60−200メッシュ 展開溶媒:n
−ヘプタン/酢酸エチル)することにより、式(X)で表される化合物9.90部を得た
。
MS(質量分析):434.1(分子イオンピーク)
【0332】
合成例9:〔式(Y)で表される化合物の合成、実施例E〕
[この文献は図面を表示できません]
式(Y−2)で表される化合物7.08部、テトラヒドロフラン30.00部及びピリ
ジン5.99部を、23℃で30分間攪拌混合した後、0℃まで冷却した。同温度を保持
したまま、得られた混合物に、式(Y−1)で表される化合物14.00部を、1時間か
けて添加し、更に、10℃程度まで温度を上げ、同温度で1時間攪拌した。得られた式(
Y−3)で表される化合物を含む反応混合物に、式(Y−4)で表される化合物(1−(
3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩)14.51部及び式
(Y−5)で表される化合物8.20部を添加し、23℃で3時間攪拌した。得られた反
応溶液に、酢酸エチル270部及び5%塩酸水溶液16.57部を加え、23℃で30分
間攪拌した。静置、分液することにより回収された有機層に、飽和炭酸水素ナトリウム水
溶液65部を加え、23℃で30分間攪拌し、静置、分液することにより有機層を洗浄し
た。このような洗浄操作を2回繰り返した。洗浄後の有機層に、イオン交換水65部を仕
込み23℃で30分間攪拌し、静置、分液することにより有機層を水洗した。このような
水洗操作を5回繰り返した。水洗後の有機層を濃縮した。得られた濃縮物を、カラム分取
(カラム分取条件 固定相:メルク社製シリカゲル60−200メッシュ 展開溶媒:n
−ヘプタン/酢酸エチル)することにより、式(Y)で表される化合物10.24部を得
た。
MS(質量分析):446.1(分子イオンピーク)
【0333】
合成例10:〔式(Z)で表される化合物の合成、実施例F〕
[この文献は図面を表示できません]
式(Z−2)で表される化合物7.33部、テトラヒドロフラン30.00部及びピリ
ジン5.99部を、23℃で30分間攪拌混合した後、0℃まで冷却した。同温度を保持
したまま、得られた混合物に、式(Z−1)で表される化合物14.00部を、1時間か
けて添加し、更に、10℃程度まで温度を上げ、同温度で1時間攪拌した。得られた式(
Z−3)で表される化合物を含む反応混合物に、式(Z−4)で表される化合物(1−(
3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩)14.51部及び式
(Z−5)で表される化合物8.20部を添加し、23℃で3時間攪拌した。得られた反
応溶液に、酢酸エチル270部及び5%塩酸水溶液16.57部を加え、23℃で30分
間攪拌した。静置、分液することにより回収された有機層に、飽和炭酸水素ナトリウム水
溶液65部を加え、23℃で30分間攪拌し、静置、分液することにより有機層を洗浄し
た。このような洗浄操作を2回繰り返した。洗浄後の有機層に、イオン交換水65部を仕
込み23℃で30分間攪拌し、静置、分液することにより有機層を水洗した。このような
水洗操作を5回繰り返した。水洗後の有機層を濃縮した。得られた濃縮物を、カラム分取
(カラム分取条件 固定相:メルク社製シリカゲル60−200メッシュ 展開溶媒:n
−ヘプタン/酢酸エチル)することにより、式(Z)で表される化合物10.24部を得
た。
MS(質量分析):450.2(分子イオンピーク)
【0334】
合成例11:〔式(ZA)で表される化合物の合成、実施例G〕
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式(ZA−2)で表される化合物10.40部、メチルイソブチルケトン72.80部
及びピリジン7.21部を、23℃で30分間攪拌混合した後、0℃まで冷却した。同温
度を保持したまま、得られた混合物に、式(ZA−1)で表される化合物20.08部を
、1時間かけて添加した後、更に、10℃程度まで温度を上げ、同温度で1時間攪拌した
。得られた反応物を、n−ヘプタン220.97部及び2%塩酸水溶液99.76部に添
加し、23℃で30分間攪拌した。静置、分液することにより回収された有機層に、5%
塩酸水溶液39.90部を仕込み、23℃で30分間攪拌した。静置、分液することによ
り回収された有機層に、イオン交換水55.34部を仕込み23℃で30分間攪拌し、静
置、分液することにより有機層を水洗した。水洗後の有機層に、10%炭酸カリウム水溶
液73.45部を仕込み、23℃で30分間攪拌し、静置、分液することにより有機層を
洗浄した。このような洗浄操作を2回繰り返した。回収された有機層に、イオン交換水1
10.68部を仕込み、23℃で30分間攪拌し、静置、分液することにより有機層を水
洗した。このような水洗操作を4回繰り返した。水洗後の有機層を濃縮し式(ZA)で表
される化合物22.02部を得た。
MS(質量分析):358.1(分子イオンピーク)
【0335】
合成例12:〔式(ZB)で表される化合物の合成〕
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式(ZB−2)で表される化合物30.00部、メチルイソブチルケトン210.00
部及びピリジン18.00部を、23℃で30分間攪拌混合した後、0℃まで冷却した。
同温度を保持したまま、得られた混合物に、式(ZB−1)で表される化合物48.50
部を、1時間かけて添加した後、更に、5℃程度まで温度を上げ、同温度で1時間攪拌し
た。得られた反応物を、酢酸エチル630部、5%塩酸水溶液99.68部及びイオン交
換水126部に添加し、23℃で30分間攪拌した。静置、分液することにより回収され
た有機層に、10%炭酸カリウム水溶液86.50部を仕込み、23℃で30分間攪拌し
、静置、分液することにより有機層を洗浄した。このような洗浄操作を2回繰り返した。
回収された有機層に、イオン交換水157.50部を仕込み、23℃で30分間攪拌し、
静置、分液することにより有機層を水洗した。このような水洗操作を5回繰り返した。水
洗後の有機層を濃縮し式(ZB)で表される化合物27.61部を得た。
MS(質量分析):354.1(分子イオンピーク)
【0336】
合成例13:〔式(ZC)で表される化合物の合成、実施例F〕
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式(ZC−2)で表される化合物3.79部、テトラヒドロフラン20.00部及びピ
リジン5.99部を、23℃で30分間攪拌混合した後、0℃まで冷却した。同温度を保
持したまま、得られた混合物に、式(ZC−1)で表される化合物14.00部を、1時
間かけて添加し、更に、10℃程度まで温度を上げ、同温度で1時間攪拌した。得られた
式(ZC−3)で表される化合物を含む反応混合物に、式(ZC−4)で表される化合物
(1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩)14.51
部及び式(ZC−5)で表される化合物9.97部を添加し、23℃で3時間攪拌した。
得られた反応溶液に、酢酸エチル250部及び5%塩酸水溶液16.57部を加え、23
℃で30分間攪拌した。静置、分液することにより回収された有機層に、飽和炭酸水素ナ
トリウム水溶液65部を加え、23℃で30分間攪拌し、静置、分液することにより有機
層を洗浄した。このような洗浄操作を2回繰り返した。洗浄後の有機層に、イオン交換水
100部を仕込み23℃で30分間攪拌し、静置、分液することにより有機層を水洗した
。このような水洗操作を5回繰り返した。水洗後の有機層を濃縮した。得られた濃縮物を
、カラム分取(カラム分取条件 固定相:メルク社製シリカゲル60−200メッシュ
展開溶媒:n−ヘプタン/酢酸エチル)することにより、式(ZC)で表される化合物1
1.60部を得た。
MS(質量分析):422.1(分子イオンピーク)
【0337】
合成例14:〔式(ZD)で表される化合物の合成〕
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式(ZD−2)で表される化合物3.79部、テトラヒドロフラン20.00部及びピ
リジン5.99部を、23℃で30分間攪拌混合した後、0℃まで冷却した。同温度を保
持したまま、得られた混合物に、式(ZD−1)で表される化合物14.00部を、1時
間かけて添加し、更に、10℃程度まで温度を上げ、同温度で1時間攪拌した。得られた
式(ZD−3)で表される化合物を含む反応混合物に、式(ZD−4)で表される化合物
(1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩)14.51
部及び式(ZD−5)で表される化合物11.74部を添加し、23℃で3時間攪拌した
。得られた反応溶液に、酢酸エチル300部及び5%塩酸水溶液16.57部を加え、2
3℃で30分間攪拌した。静置、分液することにより回収された有機層に、飽和炭酸水素
ナトリウム水溶液65部を加え、23℃で30分間攪拌し、静置、分液することにより有
機層を洗浄した。このような洗浄操作を2回繰り返した。洗浄後の有機層に、イオン交換
水100部を仕込み23℃で30分間攪拌し、静置、分液することにより有機層を水洗し
た。このような水洗操作を5回繰り返した。水洗後の有機層を濃縮した。得られた濃縮物
を、カラム分取(カラム分取条件 固定相:メルク社製シリカゲル60−200メッシュ
展開溶媒:n−ヘプタン/酢酸エチル)することにより、式(ZD)で表される化合物
15.49部を得た。
MS(質量分析):450.2(分子イオンピーク)
【0338】
合成例15:〔式(ZE)で表される化合物の合成〕
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式(ZE−2)で表される化合物27.34部、メチルイソブチルケトン190.00
部及びピリジン18.00部を、23℃で30分間攪拌混合した後、0℃まで冷却した。
同温度を保持したまま、得られた混合物に、式(ZE−1)で表される化合物48.50
部を、1時間かけて添加した後、更に、5℃程度まで温度を上げ、同温度で1時間攪拌し
た。得られた反応物を、酢酸エチル570部、5%塩酸水溶液99.68部及びイオン交
換水126部に添加し、23℃で30分間攪拌した。静置、分液することにより回収され
た有機層に、10%炭酸カリウム水溶液86.50部を仕込み、23℃で30分間攪拌し
、静置、分液することにより有機層を洗浄した。このような洗浄操作を2回繰り返した。
回収された有機層に、イオン交換水150部を仕込み、23℃で30分間攪拌し、静置、
分液することにより有機層を水洗した。このような水洗操作を5回繰り返した。水洗後の
有機層を濃縮し式(ZE)で表される化合物23.89部を得た。
MS(質量分析):340.1(分子イオンピーク)
【0339】
合成例16:〔式(ZF)で表される化合物の合成〕
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式(ZF−2)で表される化合物6.32部、テトラヒドロフラン30.00部及びピ
リジン5.99部を、23℃で30分間攪拌混合した後、0℃まで冷却した。同温度を保
持したまま、得られた混合物に、式(ZF−1)で表される化合物14.00部を、1時
間かけて添加し、更に、10℃程度まで温度を上げ、同温度で1時間攪拌した。得られた
式(ZF−3)で表される化合物を含む反応混合物に、式(ZF−4)で表される化合物
(1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩)14.51
部及び式(ZF−5)で表される化合物11.74部を添加し、23℃で3時間攪拌した
。得られた反応溶液に、酢酸エチル300部及び5%塩酸水溶液16.57部を加え、2
3℃で30分間攪拌した。静置、分液することにより回収された有機層に、飽和炭酸水素
ナトリウム水溶液65部を加え、23℃で30分間攪拌し、静置、分液することにより有
機層を洗浄した。このような洗浄操作を2回繰り返した。洗浄後の有機層に、イオン交換
水100部を仕込み23℃で30分間攪拌し、静置、分液することにより有機層を水洗し
た。このような水洗操作を5回繰り返した。水洗後の有機層を濃縮した。得られた濃縮物
を、カラム分取(カラム分取条件 固定相:メルク社製シリカゲル60−200メッシュ
展開溶媒:n−ヘプタン/酢酸エチル)することにより、式(ZF)で表される化合物
16.89部を得た。
MS(質量分析):490.2(分子イオンピーク)
【0340】
合成例17:〔式(ZG)で表される化合物の合成〕
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式(ZG−2)で表される化合物6.32部、テトラヒドロフラン30.00部及びピ
リジン5.99部を、23℃で30分間攪拌混合した後、0℃まで冷却した。同温度を保
持したまま、得られた混合物に、式(ZG−1)で表される化合物14.00部を、1時
間かけて添加し、更に、10℃程度まで温度を上げ、同温度で1時間攪拌した。得られた
式(ZG−3)で表される化合物を含む反応混合物に、式(ZG−4)で表される化合物
(1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩)14.51
部及び式(ZG−5)で表される化合物9.97部を添加し、23℃で3時間攪拌した。
得られた反応溶液に、酢酸エチル300部及び5%塩酸水溶液16.57部を加え、23
℃で30分間攪拌した。静置、分液することにより回収された有機層に、飽和炭酸水素ナ
トリウム水溶液65部を加え、23℃で30分間攪拌し、静置、分液することにより有機
層を洗浄した。このような洗浄操作を2回繰り返した。洗浄後の有機層に、イオン交換水
100部を仕込み23℃で30分間攪拌し、静置、分液することにより有機層を水洗した
。このような水洗操作を5回繰り返した。水洗後の有機層を濃縮した。得られた濃縮物を
、カラム分取(カラム分取条件 固定相:メルク社製シリカゲル60−200メッシュ
展開溶媒:n−ヘプタン/酢酸エチル)することにより、式(ZG)で表される化合物1
9.85部を得た。
MS(質量分析):462.2(分子イオンピーク)
【0341】
樹脂の合成において使用した化合物(モノマー)を下記に示す。以下、これらのモノマ
ーを「モノマー(A)」〜「モノマー(ZG)」という。
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【0342】
[この文献は図面を表示できません]
【0343】
[この文献は図面を表示できません]
【0344】
合成例18:〔樹脂A1の合成〕
モノマーとして、モノマー(E)、モノマー(F)、モノマー(G)、モノマー(H)
及びモノマー(I)を用い、そのモル比(モノマー(E):モノマー(F):モノマー(
G):モノマー(H):モノマー(I))が40:10:17:30:3となるように混
合し、全モノマー量の1.5質量倍のジオキサンを加えて溶液とした。この溶液に、開始
剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)
を全モノマー量に対して各々、1mol%及び3mol%添加し、これらを75℃で約5
時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈
殿させ、この樹脂をろ過した。得られた樹脂を再び、ジオキサンに溶解させて得られる溶
解液をメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈
殿操作を2回行い、重量平均分子量7.7×10
3の樹脂A1(共重合体)を収率60%
で得た。この樹脂A1は、以下の構造単位を有するものである。
[この文献は図面を表示できません]
【0345】
合成例19:〔樹脂A2の合成、実施例H〕
モノマーとして、モノマー(E)、モノマー(F)、モノマー(G)、モノマー(H)
及びモノマー(J)を用い、そのモル比(モノマー(E):モノマー(F):モノマー(
G):モノマー(H):モノマー(J))が38:10:17:30:5となるように混
合し、全モノマー量の1.5質量倍のジオキサンを加えて溶液とした。この溶液に、開始
剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)
を全モノマー量に対して各々、1mol%及び3mol%添加し、これらを75℃で約5
時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈
殿させ、この樹脂をろ過した。得られた樹脂を再び、ジオキサンに溶解させて得られる溶
解液をメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈
殿操作を2回行い、重量平均分子量8.0×10
3の樹脂A2(共重合体)を収率59%
で得た。この樹脂A2は、以下の構造単位を有するものである。
[この文献は図面を表示できません]
【0346】
合成例20:〔樹脂A3の合成〕
モノマーとして、モノマー(I)及びモノマー(L)を用い、そのモル比(モノマー(
I):モノマー(L))が50:50となるように混合し、全モノマー量の1.5質量倍
のジオキサンを加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリ
ル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、0.
7mol%及び2.1mol%添加し、これらを75℃で約5時間加熱した。得られた反
応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過し
た。得られた樹脂を再び、ジオキサンに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合
溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平
均分子量1.6×10
4の樹脂A3(共重合体)を収率68%で得た。この樹脂A3は、
以下の構造単位を有するものである。
[この文献は図面を表示できません]
【0347】
合成例21:〔樹脂A4の合成〕
モノマーとして、モノマー(I)及びモノマー(M)を用い、そのモル比(モノマー(
I):モノマー(M))が50:50となるように混合し、全モノマー量の1.5質量倍
のジオキサンを加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリ
ル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、0.
7mol%及び2.1mol%添加し、これらを75℃で約5時間加熱した。得られた反
応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過し
た。得られた樹脂を再び、ジオキサンに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合
溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平
均分子量1.7×10
4の樹脂A4(共重合体)を収率68%で得た。この樹脂A4は、
以下の構造単位を有するものである。
[この文献は図面を表示できません]
【0348】
合成例22:〔樹脂A5の合成〕
モノマーとして、モノマー(I)及びモノマー(N)を用い、そのモル比(モノマー(
I):モノマー(N))が80:20となるように混合し、全モノマー量の1.5質量倍
のジオキサンを加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリ
ル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、0.
7mol%及び2.1mol%添加し、これらを75℃で約5時間加熱した。得られた反
応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過し
た。得られた樹脂を再び、ジオキサンに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合
溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平
均分子量1.7×10
4の樹脂A5(共重合体)を収率62%で得た。この樹脂A5は、
以下の構造単位を有するものである。
[この文献は図面を表示できません]
【0349】
合成例23:〔樹脂A6の合成〕
モノマーとして、モノマー(E)、モノマー(K)、モノマー(F)、モノマー(H)
及びモノマー(G)を用い、そのモル比(モノマー(E):モノマー(K):モノマー(
F):モノマー(H):モノマー(G))が32:7:8:10:43となるように混合
し、全モノマー量の1.5質量倍のジオキサンを加えて溶液とした。この溶液に、開始剤
としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を
全モノマー量に対して各々、1mol%及び3mol%添加し、これらを73℃で約5時
間加熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿
させ、この樹脂をろ過した。得られた樹脂を再び、ジオキサンに溶解させて得られる溶解
液をメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿
操作を2回行い、重量平均分子量8.9×10
3の樹脂A6(共重合体)を収率78%で
得た。この樹脂A6は、以下の構造単位を有するものである。
[この文献は図面を表示できません]
【0350】
合成例24:〔樹脂A7の合成〕
モノマーとして、モノマー(A)、モノマー(B)及びモノマー(C)を用い、そのモ
ル比(モノマー(A):モノマー(B):モノマー(C))が36:34:30となるよ
うに混合し、全モノマー量の1.5質量倍のジオキサンを加えて溶液とした。この溶液に
、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニト
リル)を全モノマー量に対して各々、1.5mol%及び4.5mol%添加し、これら
を75℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に
注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。得られた樹脂を再び、ジオキサンに溶解さ
せて得られる溶解液をメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過
するという再沈殿操作を2回行い、重量平均分子量5.0×10
3の樹脂A7(共重合体
)を収率48%で得た。この樹脂A7は、以下の構造単位を有するものである。
[この文献は図面を表示できません]
【0351】
合成例25:〔樹脂A8の合成〕
モノマーとして、モノマー(B)及びモノマー(D)を用い、そのモル比(モノマー(
B):モノマー(D))が70:30となるように混合し、全モノマー量の1.5質量倍
のジオキサンを加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリ
ル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、1m
ol%及び3mol%添加し、これらを75℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物
を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。得ら
れた樹脂を再び、ジオキサンに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合溶媒に注
いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平均分子量
6.7×10
3の樹脂A8(共重合体)を収率58%で得た。この樹脂A8は、以下の構
造単位を有するものである。
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【0352】
合成例26:〔樹脂A9の合成〕
モノマーとして、モノマー(O)及びモノマー(L)を用い、そのモル比(モノマー(
O):モノマー(L))が70:30となるように混合し、全モノマー量の1.5質量倍
のジオキサンを加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリ
ル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、0.
7mol%及び2.1mol%添加し、これらを75℃で約5時間加熱した。得られた反
応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過し
た。得られた樹脂を再び、ジオキサンに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合
溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平
均分子量1.5×10
4の樹脂A9(共重合体)を収率78%で得た。この樹脂A3は、
以下の構造単位を有するものである。
[この文献は図面を表示できません]
【0353】
合成例27:〔樹脂A10の合成〕
モノマーとして、モノマー(P)及びモノマー(L)を用い、そのモル比(モノマー(
P):モノマー(L))が80:20となるように混合し、全モノマー量の1.5質量倍
のジオキサンを加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリ
ル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、0.
7mol%及び2.1mol%添加し、これらを75℃で約5時間加熱した。得られた反
応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過し
た。得られた樹脂を再び、ジオキサンに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合
溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平
均分子量1.6×10
4の樹脂A10(共重合体)を収率82%で得た。この樹脂A10
は、以下の構造単位を有するものである。
[この文献は図面を表示できません]
【0354】
合成例28:〔樹脂A11の合成〕
モノマーとして、モノマー(O)を用い、全モノマー量の1.5質量倍のジオキサンを
加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス
(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、0.7mol%及び
2.1mol%添加し、これらを75℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大
量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。得られた樹
脂を再び、ジオキサンに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合溶媒に注いで樹
脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平均分子量1.8
×10
4の樹脂A11(共重合体)を収率77%で得た。この樹脂A11は、以下の構造
単位を有するものである。
[この文献は図面を表示できません]
【0355】
合成例29:〔樹脂A12の合成〕
モノマーとして、モノマー(I)及びモノマー(P)を用い、そのモル比(モノマー(
I):モノマー(P))が80:20となるように混合し、全モノマー量の1.5質量倍
のジオキサンを加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリ
ル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、0.
7mol%及び2.1mol%添加し、これらを75℃で約5時間加熱した。得られた反
応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過し
た。得られた樹脂を再び、ジオキサンに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合
溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平
均分子量1.5×10
4の樹脂A12(共重合体)を収率85%で得た。この樹脂A12
は、以下の構造単位を有するものである。
[この文献は図面を表示できません]
【0356】
合成例30:〔樹脂A13の合成、実施例I〕
モノマーとして、モノマー(O)及びモノマー(Q)を用い、そのモル比(モノマー(
O):モノマー(Q))が90:10となるように混合し、全モノマー量の1.5質量倍
のジオキサンを加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリ
ル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、0.
7mol%及び2.1mol%添加し、これらを75℃で約5時間加熱した。得られた反
応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過し
た。得られた樹脂を再び、ジオキサンに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合
溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平
均分子量1.7×10
4の樹脂A13(共重合体)を収率82%で得た。この樹脂A13
は、以下の構造単位を有するものである。
[この文献は図面を表示できません]
【0357】
合成例31:〔樹脂A14の合成、実施例J〕
モノマーとして、モノマー(O)及びモノマー(R)を用い、そのモル比(モノマー(
O):モノマー(R))が90:10となるように混合し、全モノマー量の1.5質量倍
のジオキサンを加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリ
ル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、0.
7mol%及び2.1mol%添加し、これらを75℃で約5時間加熱した。得られた反
応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過し
た。得られた樹脂を再び、ジオキサンに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合
溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平
均分子量1.7×10
4の樹脂A14(共重合体)を収率80%で得た。この樹脂A14
は、以下の構造単位を有するものである。
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【0358】
合成例32:〔樹脂A15の合成〕
モノマーとして、モノマー(E)、モノマー(K)、モノマー(F)、モノマー(S)
及びモノマー(G)を用い、そのモル比(モノマー(E):モノマー(K):モノマー(
F):モノマー(S):モノマー(G))が32:7:8:10:43となるように混合
し、全モノマー量の1.5質量倍のジオキサンを加えて溶液とした。この溶液に、開始剤
としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を
全モノマー量に対して各々、1mol%及び3mol%添加し、これらを70℃で約5時
間加熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿
させ、この樹脂をろ過した。得られた樹脂を再び、ジオキサンに溶解させて得られる溶解
液をメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿
操作を2回行い、重量平均分子量9.0×10
3の樹脂A15(共重合体)を収率80%
で得た。この樹脂A15は、以下の構造単位を有するものである。
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【0359】
合成例33:〔樹脂A16の合成〕
モノマーとして、モノマー(E)、モノマー(T)、モノマー(F)、モノマー(S)
及びモノマー(G)を用い、そのモル比(モノマー(E):モノマー(T):モノマー(
F):モノマー(S):モノマー(G))が32:7:8:10:43となるように混合
し、全モノマー量の1.5質量倍のジオキサンを加えて溶液とした。この溶液に、開始剤
としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を
全モノマー量に対して各々、1mol%及び3mol%添加し、これらを70℃で約5時
間加熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿
させ、この樹脂をろ過した。得られた樹脂を再び、ジオキサンに溶解させて得られる溶解
液をメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿
操作を2回行い、重量平均分子量8.7×10
3の樹脂A16(共重合体)を収率76%
で得た。この樹脂A16は、以下の構造単位を有するものである。
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【0360】
合成例34:〔樹脂A17の合成〕
モノマーとして、モノマー(W)、モノマー(K)、モノマー(F)、モノマー(G)
、モノマー(U)を、そのモル比〔モノマー(W):モノマー(K):モノマー(F):
モノマー(G):モノマー(U)〕が35:10:6:37:12となるように混合し、
全モノマー量の1.5質量倍のジオキサンを加えて溶液とした。この溶液に、開始剤とし
てアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モ
ノマー量に対して各々、1mol%及び3mol%添加し、これらを75℃で約5時間加
熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ
、この樹脂をろ過した。得られた樹脂を再び、ジオキサンに溶解させて得られる溶解液を
メタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作
を2回行い、重量平均分子量7.2×10
3の樹脂A17(共重合体)を収率65%で得
た。この樹脂A17は、以下の構造単位を有するものである。
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【0361】
合成例35:〔樹脂A18の合成〕
モノマーとして、モノマー(W)、モノマー(K)、モノマー(F)、モノマー(H)
、モノマー(G)、モノマー(U)を、そのモル比〔モノマー(W):モノマー(K):
モノマー(F):モノマー(H):モノマー(G):モノマー(U)〕が35:10:8
:12:23:12となるように混合し、全モノマー量の1.5質量倍のジオキサンを加
えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(
2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、1mol%及び3mo
l%添加し、これらを75℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノ
ール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。得られた樹脂を再び、
ジオキサンに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿さ
せ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平均分子量7.4×10
3の
樹脂A18(共重合体)を収率66%で得た。この樹脂A18は、以下の構造単位を有す
るものである。
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【0362】
合成例36:〔樹脂A19の合成〕
モノマーとして、モノマー(E)、モノマー(K)、モノマー(F)、モノマー(G)
、モノマー(U)を、そのモル比〔モノマー(E):モノマー(K):モノマー(F):
モノマー(G):モノマー(U)〕が32:7:8:43:10となるように混合し、全
モノマー量の1.5質量倍のジオキサンを加えて溶液とした。この溶液に、開始剤として
アゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノ
マー量に対して各々、1mol%及び3mol%添加し、これらを75℃で約5時間加熱
した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、
この樹脂をろ過した。得られた樹脂を再び、ジオキサンに溶解させて得られる溶解液をメ
タノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を
2回行い、重量平均分子量7.5×10
3の樹脂A19(共重合体)を収率78%で得た
。この樹脂A19は、以下の構造単位を有するものである。
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【0363】
合成例37:〔樹脂A20の合成〕
モノマーとして、モノマー(A)、モノマー(G)及びモノマー(F)を用い、そのモ
ル比(モノマー(A):モノマー(G):モノマー(F))が35:45:20となるよ
うに混合し、全モノマー量の1.5質量倍のジオキサンを加えて溶液とした。この溶液に
、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニト
リル)を全モノマー量に対して各々、1.0mol%及び3.0mol%添加し、これら
を75℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に
注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。得られた樹脂を再び、ジオキサンに溶解さ
せて得られる溶解液をメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過
するという再沈殿操作を2回行い、重量平均分子量7.0×10
3の樹脂A20(共重合
体)を収率75%で得た。この樹脂A20は、以下の構造単位を有するものである。
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【0364】
合成例38:〔樹脂A21の合成〕
モノマーとして、モノマー(V)及びモノマー(A)を用い、そのモル比(モノマー(
V):モノマー(A))が80:20となるように混合し、全モノマー量の1.5質量倍
のジオキサンを加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリ
ル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、0.
5mol%及び1.5mol%添加し、これらを70℃で約5時間加熱した。得られた反
応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過し
た。得られた樹脂を再び、ジオキサンに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合
溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平
均分子量2.8×10
4の樹脂A21(共重合体)を収率70%で得た。この樹脂A21
は、以下の構造単位を有するものである。
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【0365】
合成例39:〔樹脂A22の合成〕
モノマーとして、モノマー(W)、モノマー(F)、モノマー(G)、モノマー(S)
を、そのモル比〔モノマー(W):モノマー(F):モノマー(G):モノマー(S)〕
が51.7:7.8:23.3:17.2となるように混合し、全モノマー量の1.5質
量倍のジオキサンを加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニ
トリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、
1mol%及び3mol%添加し、これらを75℃で約5時間加熱した。得られた反応混
合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。
得られた樹脂を再び、ジオキサンに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合溶媒
に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平均分
子量7.7×10
3の樹脂A22(共重合体)を収率64%で得た。この樹脂A22は、
以下の構造単位を有するものである。
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【0366】
合成例40:〔樹脂A23の合成〕
モノマーとして、モノマー(I)を用い、全モノマー量の1.5質量倍のジオキサンを
加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス
(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、0.7mol%及び
2.1mol%添加し、これらを75℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大
量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。得られた樹
脂を再び、ジオキサンに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合溶媒に注いで樹
脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平均分子量1.9
×10
4の樹脂A23(共重合体)を収率83%で得た。この樹脂A23は、以下の構造
単位を有するものである。
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【0367】
合成例41:〔樹脂A24の合成、実施例K〕
モノマーとして、モノマー(X)を用い、全モノマー量の1.5質量倍のジオキサンを
加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス
(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、0.7mol%及び
2.1mol%添加し、これらを75℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大
量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。得られた樹
脂を再び、ジオキサンに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合溶媒に注いで樹
脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平均分子量2.0
×10
4の樹脂A24(共重合体)を収率85%で得た。この樹脂A24は、以下の構造
単位を有するものである。
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【0368】
合成例42:〔樹脂A25の合成、実施例L〕
モノマーとして、モノマー(Y)を用い、全モノマー量の1.5質量倍のジオキサンを
加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス
(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、0.7mol%及び
2.1mol%添加し、これらを75℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大
量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。得られた樹
脂を再び、ジオキサンに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合溶媒に注いで樹
脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平均分子量1.9
×10
4の樹脂A25(共重合体)を収率83%で得た。この樹脂A25は、以下の構造
単位を有するものである。
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【0369】
合成例43:〔樹脂A26の合成、実施例M〕
モノマーとして、モノマー(Z)を用い、全モノマー量の1.5質量倍のジオキサンを
加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス
(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、0.7mol%及び
2.1mol%添加し、これらを75℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大
量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。得られた樹
脂を再び、ジオキサンに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合溶媒に注いで樹
脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平均分子量2.1
×10
4の樹脂A26(共重合体)を収率81%で得た。この樹脂A26は、以下の構造
単位を有するものである。
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【0370】
合成例44:〔樹脂A27の合成〕
モノマーとして、モノマー(ZA)を用い、全モノマー量の1.5質量倍のジオキサン
を加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビ
ス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、0.7mol%及
び2.1mol%添加し、これらを75℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、
大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。得られた
樹脂を再び、ジオキサンに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合溶媒に注いで
樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平均分子量1.
8×10
4の樹脂A27(共重合体)を収率78%で得た。この樹脂A27は、以下の構
造単位を有するものである。
[この文献は図面を表示できません]
【0371】
合成例45:〔樹脂A28の合成〕
モノマーとして、モノマー(ZB)を用い、全モノマー量の1.5質量倍のジオキサン
を加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビ
ス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、0.7mol%及
び2.1mol%添加し、これらを75℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、
大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。得られた
樹脂を再び、ジオキサンに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合溶媒に注いで
樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平均分子量1.
9×10
4の樹脂A28(共重合体)を収率73%で得た。この樹脂A28は、以下の構
造単位を有するものである。
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【0372】
合成例46:〔樹脂A29の合成〕
モノマーとして、モノマー(ZC)を用い、全モノマー量の1.5質量倍のジオキサン
を加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビ
ス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、0.7mol%及
び2.1mol%添加し、これらを75℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、
大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。得られた
樹脂を再び、ジオキサンに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合溶媒に注いで
樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平均分子量1.
6×10
4の樹脂A29(共重合体)を収率71%で得た。この樹脂A29は、以下の構
造単位を有するものである。
[この文献は図面を表示できません]
【0373】
合成例47:〔樹脂A30の合成〕
モノマーとして、モノマー(ZD)を用い、全モノマー量の1.5質量倍のジオキサン
を加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビ
ス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、0.7mol%及
び2.1mol%添加し、これらを75℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、
大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。得られた
樹脂を再び、ジオキサンに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合溶媒に注いで
樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平均分子量1.
6×10
4の樹脂A30(共重合体)を収率69%で得た。この樹脂A30は、以下の構
造単位を有するものである。
[この文献は図面を表示できません]
【0374】
合成例48:〔樹脂A31の合成〕
モノマーとして、モノマー(ZE)を用い、全モノマー量の1.5質量倍のジオキサン
を加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビ
ス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、0.7mol%及
び2.1mol%添加し、これらを75℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、
大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。得られた
樹脂を再び、ジオキサンに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合溶媒に注いで
樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平均分子量1.
8×10
4の樹脂A31(共重合体)を収率76%で得た。この樹脂A31は、以下の構
造単位を有するものである。
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【0375】
合成例49:〔樹脂A32の合成〕
モノマーとして、モノマー(ZF)を用い、全モノマー量の1.5質量倍のジオキサン
を加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビ
ス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、0.7mol%及
び2.1mol%添加し、これらを75℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、
大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。得られた
樹脂を再び、ジオキサンに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合溶媒に注いで
樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平均分子量1.
7×10
4の樹脂A32(共重合体)を収率70%で得た。この樹脂A32は、以下の構
造単位を有するものである。
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【0376】
合成例50:〔樹脂A33の合成〕
モノマーとして、モノマー(ZG)を用い、全モノマー量の1.5質量倍のジオキサン
を加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビ
ス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、0.7mol%及
び2.1mol%添加し、これらを75℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、
大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。得られた
樹脂を再び、ジオキサンに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合溶媒に注いで
樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平均分子量1.
8×10
4の樹脂A33(共重合体)を収率76%で得た。この樹脂A33は、以下の構
造単位を有するものである。
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【0377】
<レジスト組成物の調製>
表1に示す各成分を、表1に示す質量部で、以下に示す溶剤に溶解し、さらに孔径0.
2μmのフッ素樹脂製フィルタで濾過して、レジスト組成物を調製した。
【0378】
【表1】
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【0379】
<樹脂>
A1〜A33:樹脂A1〜樹脂A33
<酸発生剤>
B1:
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B2:
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B3:
[この文献は図面を表示できません]
B4:
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B5:
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【0380】
<塩基性化合物:クエンチャー>
C1:2,6−ジイソプロピルアニリン
<溶剤>
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 265.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 20.0部
2−ヘプタノン 20.0部
γ−ブチロラクトン 3.5部
【0381】
<レジストパターンの製造及びその評価>
実施例及び比較例のレジスト組成物は以下のようにして欠陥評価、並びに、液浸露光に
よるマスクエラーファクター(MEF)及びフォーカスマージン(DOF)評価を行った
。以下、実施例及び比較例のレジスト組成物を総称して、「レジスト組成物」ということ
がある。
【0382】
<欠陥評価>
12インチのシリコン製ウェハ(基板)に、レジスト組成物を、乾燥(プリベーク)後
の膜厚が0.15μmとなるように塗布(スピンコート)した。塗布後、ダイレクトホッ
トプレート上にて、表1のPB欄に示す温度で60秒間プリベーク(PB)し、ウェハ上
に組成物層を形成させた。
このようにして組成物層を形成したウェハに、現像機[ACT−12;東京エレクトロ
ン(株)製]を用いて、60秒間、水リンスを行った。
その後、欠陥検査装置[KLA−2360;KLAテンコール製]を用いて、ウェハ上
の欠陥数を測定した。結果を表2に示す。
【0383】
<レジスト組成物の液浸露光評価>
以下のようにして、レジスト組成物の液浸露光を行い、マスクエラーファクター(ME
F)評価を実施した。
シリコンウェハに、有機反射防止膜用組成物(ARC−29;日産化学(株)製)を塗
布して、205℃、60秒の条件でベークすることによって、ウェハ上に膜厚78nmの
有機反射防止膜を形成した。次いで、この有機反射防止膜の上に、上記のレジスト組成物
を乾燥(プリベーク)後の膜厚が85nmとなるように塗布(スピンコート)した。塗布
後、シリコンウェハをダイレクトホットプレート上にて、表1の「PB」欄に記載された
温度で60秒間プリベークし、組成物層を形成した。組成物層が形成されたシリコンウェ
ハに、液浸露光用ArFエキシマレーザステッパー(XT:1900Gi;ASML社製
、NA=1.35、3/4Annular X−Y偏光)で、コンタクトホールパターン
(ホールピッチ100nm/ホール径70nm)を形成するためのマスクを用いて、露光
量を段階的に変化させて露光した。尚、液浸媒体としては超純水を使用した。
露光後、前記シリコンウェハを、ホットプレート上にて、表1の「PEB」欄に記載さ
れた温度で60秒間、加熱(ポストエキスポジャーベーク処理)した。次いでこのシリコ
ンウェハを、2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で60秒間のパド
ル現像を行い、レジストパターンを得た。
【0384】
現像後に得られたレジストパターンにおいて、前記マスクを用いて形成したホール径が
55nmとなる露光量を実効感度とした。
【0385】
<マスクエラーファクター(MEF)評価>
ピッチ幅100nmのラインアンドスペースパターン(1:1)マスク(ラインパター
ンのマスクサイズが50nm)で露光して形成されたラインパターンの線幅が50nmと
なる露光量で露光し、ラインパターンのマスクサイズが48nm、50nm、52nm(
ピッチ幅はいずれも100nm)のマスクを使用し、パターンをそれぞれ形成した。マス
クサイズを横軸に、各マスクを用いて形成されたラインパターンの線幅を縦軸にプロット
した。該プロットから求めた回帰直線の傾きをMEFとし、結果を表2に示す。
【0386】
【表2】
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【0387】
本レジスト組成物(実施例1〜実施例34)を用いて得られるレジストパターンは欠陥
数も少なく、優れたMEFで、レジストパターンを製造することができた。一方、比較例
1のレジスト組成物では、得られるレジストパターンの欠陥数も多く、MEFも不良であ
った。
【0388】
<フォーカスマージン(DOF)評価>
各レジスト組成物からのレジストパターン形成において、ホール径が70nmのマスク
を用いて形成したレジストパターンのホール径が55nmとなる露光量を実効感度とした
。
実効感度において、フォーカスを段階的に変化させてレジストパターンを形成し、得ら
れたホール径が52.2nm以上57.7nm以下を保持するフォーカス範囲をDOFと
した。すなわち、DOFが
0.18μm以上であるものを「○」、
0.18μm未満であるものを「×」とした。括弧内の数字は、DOF値を示す。
【0389】
【表3】
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