(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記基準画像が生成される前に、前記基準画像の元となる基板画像以外の基板画像が前記欠陥検査装置で取得された場合は、前記基板画像の画素値の平均値を算出し、前記基準画像の元となる基板画像の画素値の平均値と、前記基準画像の元となる基板画像以外の基板画像の画素値の平均値とが比較され、当該平均値の差分が閾値を超えた場合に欠陥有りと判定され、
前記基準画像が生成された後は、当該基準画像と前記各欠陥検査装置で取得された基板画像とが比較されて欠陥の有無が判定されることを特徴とする、請求項6に記載の欠陥検査方法。
請求項6または7のいずれかに一項に記載の欠陥検査方法を、基板処理システムによって実行させるように、当該基板処理システムを制御する制御装置のコンピュータ上で動作するプログラム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上述の塗布現像処理システムにおいて検査装置も含めた多重化を行う場合、当該検査装置も含めて単位ユニットを構成するか、あるいは単位ユニットと同数の検査装置を設けることが好ましい。そうすることで、例えばいずれかの検査装置に異常が発生した場合でも、他の単位ユニットでは、引き続き検査を含めたウェハ処理を続行することができる。
【0008】
単位ユニットを多段に積層した塗布現像処理システムに検査装置を複数設ける場合、各検査装置ごとに基準画像が設定されるのが通常である。具体的には、ある検査装置により、どの単位ユニットで処理された基板の欠陥検査を行うかが予め対応付けらており、当該対応付けられた単位ユニットで処理された同一ロットのウェハのうち、最初に処理された(最初に検査装置に搬入された)ウェハの撮像画像がその検査装置における基準画像として設定される。そして、検査装置と対応付けられた単位ユニットで処理された後続のウェハの欠陥検査は、この基準画像に基づいて行われる。
【0009】
かかる場合においては、例えばある単位ユニットの処理装置に何らかの異常が生じ、それにより欠陥を有するウェハが最先のウェハとして検査装置に搬入されると、その単位ユニットの欠陥検査においては欠陥を有するウェハの撮像画像が基準画像として採用されることがある。そうすると、同一の単位ユニットで処理された後続のウェハに同様の欠陥が生じた場合であっても、検査装置では後続のウェハの欠陥を検出できず、欠陥を有するウェハが大量に生産されてしまうという問題が生じる。
【0010】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、複数の処理装置及び検査装置を有する基板処理システムにおいて、欠陥検査を適正に行うことを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記の目的を達成するため、本発明は、基板に対して塗布現像処理を行う基板処理システムであって、基板に所定の処理を施す複数の処理装置を備えた処理ユニットと、前記処理ユニット内の前記各処理装置間で基板を搬送する基板搬送機構と、前記処理ユニットで処理された基板の表面を撮像する撮像部を備えた欠陥検査装置と、以下(1)〜(4)の規則に従って欠陥検査を行うように前記欠陥検査装置及び前記基板搬送機構を制御する制御装置と、を有し、前記処理ユニット、前記基板搬送機構及び前記欠陥検査装置は複数設けられ、前記各基板搬送機構による基板の搬送ルートは互いに独立していることを特徴とする、基板処理システム。
(1)前記各処理ユニットで処理された基板を予め定められた前記各欠陥検査装置に搬送するように前記基板搬送機構は制御される
(2)前記各欠陥検査装置に搬入された基板は撮像部で撮像されて基板画像が取得される
(3)同一ロットの基板の基板画像のうち、前記各欠陥検査装置の間で最先に取得された基板画像に基づいて基準画像が生成され、当該基準画像が全ての前記欠陥検査装置に共通の基準画像として設定される
(4)前記各欠陥検査装置で取得された基板画像と前記基準画像とが比較されて欠陥の有無が判定される
【0012】
本発明によれば、同一ロットの基板画像のうち、各欠陥検査装置の間で最先に取得された基板画像を基準画像として設定する。そして、この基準画像に基づいて全ての基板画像について、換言すれば、各処理ユニットで別個に処理された全ての基板について、共通する単一の基準画像で欠陥の有無を判定する。かかる場合、仮に欠陥を有する基板が欠陥検査装置に最先で搬入され、基準画像が欠陥を含んだものとなった場合は、他の健全な処理ユニットで処理された基板が欠陥有りと判定されるので、基板処理システムに何らかの異常が発生したことを直ちに検出できる。またその反対に、最先の基板が健全なものであった場合、同一ロットの後続の基板に欠陥が生じれば、通常通りその異常を直ちに検出することができる。したがって、処理装置及び検査装置を複数備えた基板処理システムにおいて、欠陥検査を適正に行うことができる。
【0013】
前記制御装置では、前記基準画像が生成される前に、前記基準画像の元となる基板画像以外の基板画像が前記欠陥検査装置で取得された場合は、前記基板画像の画素値の平均値を算出し、前記基準画像の元となる基板画像の画素値の平均値と、前記基準画像の元となる基板画像以外の基板画像の画素値の平均値とが比較され、当該平均値の差分が閾値を超えた場合に欠陥有りと判定され、前記基準画像が生成された後は、当該基準画像と前記各欠陥検査装置で取得された基板画像とが比較されて欠陥の有無が判定されてもよい。
【0014】
前記基板搬送機構は、横方向に延伸する搬送路上を移動し、前記処理ユニット内の前記各処理装置は、前記搬送路上を移送する前記基板搬送機構の搬送経路に沿って配置されていてもよい。
【0015】
前記処理ユニットは、上下方向に多段に積層して設けられていてもよい。
【0016】
前記欠陥検査装置は、前記処理ユニットの設置数と同数設けられていてもよい。
【0017】
別の観点による本発明は、基板に対して塗布現像処理を行う基板処理システムにおける欠陥検査方法であって、前記基板処理システムは、基板に所定の処理を施す複数の処理装置を備えた処理ユニットと、前記処理ユニット内の前記各処理装置間で基板を搬送する基板搬送機構と、前記処理ユニットで処理された基板の表面を撮像する撮像部を備えた欠陥検査装置と、を有し、前記処理ユニット、前記基板搬送機構及び前記欠陥検査装置は複数設けられ、前記各基板搬送機構による基板の搬送ルートは互いに独立しており、前記欠陥検査方法は、以下(1)〜(4)の規則に従って行われることを特徴としている。
(1)前記各処理ユニットで処理された基板は、前記各基板搬送機構により、予め定められた前記欠陥検査装置に搬送される
(2)前記各欠陥検査装置に搬入された基板は撮像部で撮像されて基板画像が取得される
(3)同一ロットの基板の基板画像のうち、前記各欠陥検査装置の間で最先に取得された基板画像に基づいて基準画像が生成され、当該基準画像が全ての前記欠陥検査装置に共通の基準画像として設定される
(4)前記各欠陥検査装置で取得された基板画像と前記基準画像とが比較されて欠陥の有無が判定される
【0018】
前記基準画像が生成される前に、前記基準画像の元となる基板画像以外の基板画像が前記欠陥検査装置で取得された場合は、前記基板画像の画素値の平均値を算出し、前記基準画像の元となる基板画像の画素値の平均値と、前記基準画像の元となる基板画像以外の基板画像の画素値の平均値とが比較され、当該平均値の差分が閾値を超えた場合に欠陥有りと判定され、前記基準画像が生成された後は、当該基準画像と前記各欠陥検査装置で取得された基板画像とが比較されて欠陥の有無が判定されてもよい。
【0019】
また別な観点による本発明によれば、前記欠陥検査方法を、基板処理システムによって実行させるように、当該基板処理システムを制御する制御装置のコンピュータ上で動作するプログラムが提供される。
【0020】
さらに別な観点による本発明によれば、前記プログラムを格納した読み取り可能なコンピュータ記憶媒体が提供される。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、複数の処理装置及び検査装置を有する基板処理システムにおいて、欠陥検査を適正に行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施の形態にかかる基板処理システム1の構成の概略を示す説明図である。
図2及び
図3は、各々基板処理システム1の内部構成の概略を模式的に示す、正面図と背面図である。なお、本実施の形態では、基板処理システム1がウェハWに対して塗布現像処理を行う塗布現像処理システムである場合を例にして説明する。
【0024】
基板処理システム1は、
図1に示すように複数枚のウェハWを収容したカセットCが搬入出されるカセットステーション10と、ウェハWに所定の処理を施す複数の各種処理装置を備えた処理ステーション11と、処理ステーション11に隣接する露光装置12との間でウェハWの受け渡しを行うインターフェイスステーション13とを一体に接続した構成を有している。
【0025】
カセットステーション10には、カセット載置台20が設けられている。カセット載置台20には、基板処理システム1の外部に対してカセットCを搬入出する際に、カセットCを載置するカセット載置板21が複数設けられている。
【0026】
カセットステーション10には、
図1に示すようにX方向に延びる搬送路22上を移動自在なウェハ搬送装置23が設けられている。ウェハ搬送装置23は、上下方向及び鉛直軸周り(θ方向)にも移動自在であり、各カセット載置板21上のカセットCと、後述する処理ステーション11の第3のブロックG3の受け渡し装置との間でウェハWを搬送できる。
【0027】
処理ステーション11には、各種装置を備えた複数例えば4つのブロックG1、G2、G3、G4が設けられている。例えば処理ステーション11の正面側(
図1のX方向負方向側)には、第1のブロックG1が設けられ、処理ステーション11の背面側(
図1のX方向正方向側)には、第2のブロックG2が設けられている。また、処理ステーション11のカセットステーション10側(
図1のY方向負方向側)には、第3のブロックG3が設けられ、処理ステーション11のインターフェイスステーション13側(
図1のY方向正方向側)には、第4のブロックG4が設けられている。
【0028】
例えば第1のブロックG1には、
図4に示すように複数の液処理装置、例えばウェハWを現像処理する現像処理装置30、ウェハWのレジスト膜の下層に反射防止膜(以下「下部反射防止膜」という)を形成する下部反射防止膜形成装置31、ウェハWにレジスト液を塗布してレジスト膜を形成するレジスト塗布装置32、ウェハWのレジスト膜の上層に反射防止膜(以下「上部反射防止膜」という)を形成する上部反射防止膜形成装置33がそれぞれ複数配置されている。第1のブロックG1の各液処理装置30〜33は、処理時にウェハWを収容するカップF、カップ内でウェハWを吸着保持しながら回転させるスピンチャック(図示せず)、ウェハWに対して所定の塗布液を供給する塗布ノズルを有している。
【0029】
これら各液処理装置30〜33は、ウェハW処理の順序に従って下から上、及びカセットステーション10側からインターフェイスステーション13側(
図4の左側から右側)に順に配置されている。具体的には、
図4に示すように、第1のブロックG1の最下段には、カセットステーション10側からインターフェイスステーション13側に向かってこの順で下部反射防止膜形成装置31、レジスト塗布装置32、上部反射防止膜形成装置33が配置されている。この下部反射防止膜形成装置31、レジスト塗布装置32及び上部反射防止膜形成装置33により液処理ユニットM1が構成される。この液処理ユニットM1の上面には、液処理ユニットM1と同一の構成を有する液処理ユニットM2、M3が積層して設けられている。即ち、液処理ユニットM1、M2、M3は上下方向に3段積層して設けられている。
【0030】
液処理ユニットM3の上面には、3つの現像処理装置30が水平方向に並んで配置されている。この3つの現像処理装置30は、液処理ユニットM4を構成している。この液処理ユニットM4の上面には、当該液処理ユニットM4と同一の構成を有する液処理ユニットM5、M6が3段に積層して設けられている。したがって、第1のブロックG1は、6段の液処理ユニットM1〜M6を有している。なお、各液処理ユニットM1〜M6の配置や設置数などは本実施の形態の内容に限定されるものではなく、任意に設定できる。
【0031】
例えば
図5に示すように、第2のブロックG2には、複数の処理装置が水平方向に並べられて構成された熱処理ユニットT1〜T6が、第1のブロックG1の各液処理ユニットM1〜M6と同程度の高さに、下から上にこの順で上下方向に積層して設けられている。
【0032】
図5に示すように、各熱処理ユニットT1〜T3のカセットステーション10側(
図5の左側)には、ウェハWに対して熱処理を行う熱処理装置40が水平方向にそれぞれ例えば3つ並んで配置されている。各熱処理ユニットT1〜T3のインターフェイスステーション13側(
図5の右側)には、ウェハW上のレジスト膜の周縁部に対して周辺露光処理を行うと共に、当該周辺露光処理が終了したウェハWの欠陥を検査する周辺露光検査装置41が1つずつ配置されている。即ち、各熱処理ユニットT1〜T3には、3つの熱処理装置40と一つの周辺露光検査装置41がそれぞれカセットステーション10側からインターフェイスステーション13側に向けてこの順で並んで配置されている。熱処理装置40は、ウェハWを載置して加熱する熱板と、ウェハWを載置して冷却する冷却板を有し、加熱処理と冷却処理の両方を行うことができる。周辺露光検査装置41の構成については後述する。
【0033】
例えば第3のブロックG3には、レジスト液とウェハWとの定着性を高めるためのアドヒージョン装置42と、受け渡し装置43がそれぞれ複数配置されている。アドヒージョン装置42は、液処理ユニットM1〜M3及び熱処理ユニットT1〜T3と同程度の高さにそれぞれ配置されている。受け渡し装置43は、液処理ユニットM1〜M6及び熱処理ユニットT1〜T6と同程度の高さにそれぞれ配置されている。なお、
図2、
図3では、液処理ユニットM1〜M3及び熱処理ユニットT1〜T3と同程度の高さの受け渡し装置43については、描図を省略している。
【0034】
第4のブロックG4には、複数の受け渡し装置60が、各液処理ユニットM1〜M6及び熱処理ユニットT1〜T6と同程度の高さにそれぞれ配置されている。
【0035】
図1に示すように第1のブロックG1〜第4のブロックG4に囲まれた領域には、ウェハ搬送領域Dが形成されている。ウェハ搬送領域Dには、例えばY方向、X方向、θ方向及び上下方向に移動自在な搬送アームを有し、図示しない搬送路上を移動する、基板搬送機構としてのウェハ搬送装置70が配置されている。ウェハ搬送装置70の搬送路(図示せず)は、各液処理ユニットM1〜M6及び各熱処理ユニットT1〜T6と同程度の高さにそれぞれ水平方向に沿って配置されている。即ち、ウェハ搬送装置70は複数設けられており、例えば本実施の形態では、
図3に示すように、下から順にウェハ搬送装置70a〜70fが、各液処理ユニットM1〜M6及び各熱処理ユニットT1〜T6と同程度の高さに配置されている。したがって、例えばウェハ搬送装置70aにより、同程度の高さに配置された液処理ユニットM1、熱処理ユニットT1及びアドヒージョン装置42の間で、他のウェハ搬送装置70b〜70fと干渉することなくウェハWを搬送することができる。その結果、液処理ユニットM1、熱処理ユニットT1、及び液処理ユニットM1や熱処理ユニットT1と同程度の高さに配置されたアドヒージョン装置42により、他の液処理ユニットM2〜M6、熱処理ユニットT2〜T6と干渉することなく一連のウェハ処理を行うことが可能となる。
【0036】
同様に、各ウェハ搬送装置70b〜70fも、他のウェハ搬送装置70a〜70fと干渉することなく各液処理ユニットM2〜M6、各熱処理ユニットT2〜T6、各アドヒージョン装置42及び受け渡し装置43の間でウェハWを搬送できる。そのため、各液処理ユニットM2〜M6、各熱処理ユニットT2〜T6、各アドヒージョン装置42においても、それぞれ別個独立して一連のウェハ処理を行うことができる。
【0037】
なお、本実施の形態では、例えば液処理ユニットM1と熱処理ユニットT1及びアドヒージョン装置42により処理ユニットA1が形成されている。また、同様に、液処理ユニットM2、M3と熱処理ユニットT2、T3及びアドヒージョン装置42、42によりそれぞれ処理ユニットA2、A3が形成されている。そして、例えば処理ユニットA1で処理されたウェハWは、同じく処理ユニットA1の周辺露光検査装置41で検査され、処理ユニットA2、A3で処理されたウェハWは、同じく処理ユニットA2、A3の周辺露光検査装置41で検査される。換言すれば、各処理ユニットA1〜A3で処理されたウェハWを、各ウェハ搬送装置70a〜70cによりどの周辺露光検査装置41に搬送するかは予め定められている。
【0038】
図1に示すように第3のブロックG3のX方向正方向側の隣には、ウェハ搬送装置90が設けられている。ウェハ搬送装置90は、例えばX方向、θ方向及び上下方向に移動自在な搬送アームを有している。ウェハ搬送装置90は、ウェハWを支持した状態で上下に移動して、第3のブロックG3内の各アドヒージョン装置42、各受け渡し装置43の間でウェハWを搬送できる。
【0039】
インターフェイスステーション13には、ウェハ搬送装置100と受け渡し装置101が設けられている。ウェハ搬送装置100は、例えばY方向、θ方向及び上下方向に移動自在な搬送アームを有している。ウェハ搬送装置100は、例えば搬送アームにウェハWを支持して、第4のブロックG4内の各受け渡し装置60、受け渡し装置101及び露光装置12との間でウェハWを搬送できる。
【0040】
次に、上述した周辺露光検査装置41の構成について説明する。周辺露光検査装置41は、
図6及び
図7に示すように処理容器110を有している。処理容器110のウェハ搬送領域D側(
図6及び
図7のX方向負方向側)の側面には、ウェハWを搬入出させる搬入出口111が形成されている。搬入出口111には、開閉シャッタ112が設けられている。
【0041】
処理容器110の内部には、ウェハWを吸着保持する保持部120が設けられている。保持部120は、水平な上面を有し、当該上面には、例えばウェハWを吸引する吸引口(図示せず)が設けられている。この吸引口からの吸引により、ウェハWを保持部120上に吸着保持できる。
【0042】
保持部120には、
図7に示すように保持部120を回転させる駆動部121が取り付けられている。処理容器110の底面には、処理容器110内を延伸するガイドレール122が設けられている。駆動部121は、ガイドレール122上に設けられている。そのため保持部120は、ガイドレール122に沿って、周辺露光検査装置41の外部との間でウェハWの受け渡しを行う受渡位置P1とウェハWの周縁部に対して周辺露光処理を行う周辺露光位置P2との間で移動できる。
【0043】
処理容器110の内部であって周辺露光位置P2には、保持部120に保持されたウェハWの周縁部の位置を検出する位置検出センサ130が設けられている。位置検出センサ130は例えばCCDカメラ(図示せず)を有し、保持部120に保持されたウェハWの中心からの偏心量やウェハWのノッチ部の位置を検出する。
【0044】
処理容器110の内部には、保持部120に保持されたウェハW上のレジスト膜の周縁部に光を照射して露光する露光部140が設けられている。露光部140には、当該露光部140に光を供給する光源装置としてのランプハウス141が設けられている。ランプハウス141の内部には、超高圧水銀ランプ(図示せず)や超高圧水銀ランプからの光を集光する集光ミラー(図示せず)が設けられている。これら露光部140とランプハウス141は、周辺露光位置P2よりX方向正方向側、すなわち処理容器110のX方向正方向端部に配置されている。
【0045】
処理容器110の内部には、保持部120に保持されたウェハWを撮像する撮像部150が設けられている。撮像部150は、周辺露光位置P2よりX方向正方向側、すなわち処理容器110のX方向正方向端部であって、露光部140とランプハウス141の上方に配置されている。撮像部150には、例えばCCDカメラが用いられる。また、撮像部150は、後述する制御装置200に接続されている。撮像部150で撮像したウェハWの撮像画像(以下、ウェハWの撮像画像を「基板画像」という場合がある)は制御装置200に入力される。
【0046】
処理容器110の内部であって受渡位置P1と周辺露光位置P2との間には、照明を照射する照明部152と、保持部120に保持されたウェハWと撮像部150との間で形成される光路の方向を変更させる方向変換部153とが設けられている。照明部152と方向変換部153は、撮像部150と対向する位置にそれぞれ設けられ、且つ保持部120に保持されたウェハWの上方にそれぞれ設けられている。また、これら照明部152と方向変換部153は、例えば支持部材(図示せず)によって処理容器110に固定されている。
【0047】
方向変換部153は、
図7に示すようにそれぞれ所定の角度傾斜した第1の反射鏡154、第2の反射鏡155及び第3の反射鏡156を有している。第1の反射鏡154は、照明部152の下方に設けられている。当該第1の反射鏡154には例えばハーフミラーが用いられ、水平方向から45度傾斜して設けられている。そのため、照明部152からの照明は第1の反射鏡を通過して鉛直方向下方に照射されウェハW上で反射する。また、ウェハWから鉛直方向上方に反射された光は、第1の反射鏡154で反射して周辺露光位置P2側(
図7のX方向正方向側)に水平方向に進行する。
【0048】
第2の反射鏡155は、第1の反射鏡154と対向する位置であって、第1の反射鏡154より周辺露光位置P2側(
図7のX方向正方向側)に配置されており、第3の反射鏡156は、第1の反射鏡154と第2の反射鏡155との間であって、これら第1の反射鏡154と第2の反射鏡155の上方に配置されている。そして、第2の反射鏡155と第3の反射鏡156の傾斜角は同一に設定されている。そのため、第2の反射鏡155からの光は、第3の反射鏡156で反射して周辺露光位置P2側(
図7のX方向正方向側)に水平方向に進行し、撮像部150に取り込まれ、撮像部150でウェハWが撮像される。
【0049】
以上の基板処理システム1には、
図1に示すように制御装置200が設けられている。制御装置200は、例えばコンピュータであり、プログラム格納部(図示せず)を有している。プログラム格納部には、基板処理システム1におけるウェハWの処理や搬送、ウェハWの欠陥検査などを実行するプログラムが格納されている。なお、前記プログラムは、例えばコンピュータ読み取り可能なハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD)、マグネットオプティカルデスク(MO)、メモリーカードなどのコンピュータに読み取り可能な記憶媒体Hに記録されていたものであって、その記憶媒体Hから制御装置200にインストールされたものであってもよい。
【0050】
次に、以上のように構成された基板処理システム1を用いて行われるウェハWの処理方法について説明する。
【0051】
先ず、同一ロットの複数枚のウェハWを収容したカセットCが、カセットステーション10の所定のカセット載置板21に載置される。その後、ウェハ搬送装置23によりカセットC内の各ウェハWが順次取り出され、処理ステーション11の第3のブロックG3の各受け渡し装置43に順次搬送される。なお、以下では、カセットCから最初に取り出されたウェハWをウェハW1、それ以降に取り出されたウェハWを、取り出された順にウェハWN(Nは2以上の整数)として表記する。
【0052】
次に、例えばウェハW1〜W3は、ウェハ搬送装置70a〜70cによって第2のブロックG2の熱処理ユニットT1〜T3にそれぞれ搬送され、熱処理装置40で温度調節される。その後ウェハW1〜W3は、ウェハ搬送装置70a〜70cによって第1のブロックG1の液処理ユニットM1〜M3の下部反射防止膜形成装置31にそれぞれ搬送され、ウェハW上に下部反射防止膜が形成される。
【0053】
次にウェハWは、各ウェハ搬送装置70a〜70cにより第3のブロックG3のアドヒージョン装置42にそれぞれ搬送され、アドヒージョン処理される。その後ウェハWは、ウェハ搬送装置70a〜70cによって熱処理装置40に搬送され、温度調節される。
【0054】
その後ウェハW1〜W3は、ウェハ搬送装置70a〜70cによって各液処理ユニットM1〜M3のレジスト塗布装置32に搬送され、ウェハW1〜W3上にそれぞれレジスト膜が形成される。
【0055】
その後ウェハW1〜W3は、各ウェハ搬送装置70a〜70cによって熱処理装置40に搬送されて、プリベーク処理される。その後ウェハW1〜W3は、ウェハ搬送装置70a〜70cによって各液処理ユニットM1〜M3の上部反射防止膜形成装置33に搬送され、ウェハW1〜W3上に上部反射防止膜が形成される。その後ウェハW1〜W3は、ウェハ搬送装置70a〜70cによって熱処理装置40に搬送されて、加熱され、温度調節される。
【0056】
その後ウェハW1〜W3は、ウェハ搬送装置70a〜70cによって周辺露光検査装置41にそれぞれ搬送される。そして、周辺露光検査装置41において、ウェハW上のレジスト膜の周縁部に対して周辺露光処理が行われ、当該周辺露光処理が終了したウェハW1〜W3の欠陥の検査が行われる。なお、この周辺露光検査装置41におけるウェハW1〜W3の周辺露光処理と欠陥検査の詳細については後述する。
【0057】
そして、周辺露光検査装置41において欠陥があると判定されたウェハWは、その後ウェハ搬送装置23によって所定のカセット載置板21のカセットCに搬送される。一方、周辺露光検査装置41において欠陥がなく正常であると判定されたウェハWは、第4のブロックG4の受け渡し装置62に搬送される。なお、本実施の形態では、ウェハW1、W3が欠陥無し(正常)、ウェハW2が欠陥有り(異常)であると判断されたものとして説明する。
【0058】
その後ウェハW1、W3は、インターフェイスステーション13のウェハ搬送装置100によって露光装置12に搬送され、露光処理される。欠陥有りと判定されたウェハW2は、カセットCに回収される。
【0059】
露光処理後のウェハW1、W3は、ウェハ搬送装置100によって露光装置12から第4のブロックG4の受け渡し装置60のうち、例えば液処理ユニットM4、M6及び熱処理ユニットT4、T6と同程度の高さの受け渡し装置60にそれぞれ搬送される。その後、ウェハW1、W3は、ウェハ搬送装置70d、70fによって熱処理装置40に搬送され、露光後ベーク処理される。その後、ウェハWは、ウェハ搬送装置70d、70fによって例えば各液処理ユニットM4、M6の現像処理装置30に搬送され、現像処理される。現像終了後、ウェハW1、W3は、ウェハ搬送装置70a、70cによって熱処理装置40に搬送され、ポストベーク処理される。こうして、各処理ユニットA1〜A3により、並行し且つ別個独立して一連のフォトリソグラフィ工程が行われる。
【0060】
その後、フォトリソグラフィ工程を終えたウェハW1、W3は、ウェハ搬送装置70a、70cによって第3のブロックG3の受け渡し装置43に搬送され、その後カセット載置板21のカセットCに搬送される。そして、この一連のフォトリソグラフィ工程が、後続のウェハW4〜WNにおいても順次行われる。
【0061】
次に、上述した周辺露光検査装置41における周辺露光処理及びウェハWの検査について説明する。なお、ここでは、ウェハW1、ウェハW2、ウェハW3の順に、それぞれ熱処理ユニットT1、T2、T3の周辺露光検査装置41に搬入されたものとして説明する。
【0062】
ウェハ搬送装置70aによって熱処理ユニットT1の周辺露光検査装置41に搬送されたウェハW1は、先ず、受渡位置P1において保持部120に受け渡される。その後、駆動部121によって保持部120を受渡位置P1から周辺露光位置P2側に所定速度で移動させる。
【0063】
保持部120に保持されたウェハW1が周辺露光位置P2に移動すると、駆動部121によってウェハW1を回転させつつ、露光部140からウェハW1の周縁部の所定の位置に光が照射され、ウェハW1上のレジスト膜の周縁部が露光処理される。
【0064】
その後、
図8に示すように駆動部121によって保持部120を周辺露光位置P2から受渡位置P1側に所定速度で移動させる。そして、ウェハW1が第1の反射鏡154の下を通過する際に、照明部152からウェハWに対して照明を照らす。この照明によるウェハW1上での反射光は、第1の反射鏡154、第2の反射鏡155及び第3の反射鏡156で反射して、光路Lに沿って進行し、撮像部150に取り込まれる。そして、撮像部150によってウェハW1が撮像される。撮像されたウェハWの画像は制御装置200に出力される。後続のウェハW2、W3についても、同様にレジスト膜の周辺部の露光処理及び撮像部150による撮像が行われる。
【0065】
制御装置200では、ウェハW1〜W3の内、最先で取得されたウェハW1の基板画像に基づいて、欠陥検査の際の基準となる基準画像を生成する。それと共に制御装置200では、このウェハW1の基板画像に基づいて生成された基準画像を、熱処理ユニットT1〜T3の各周辺露光検査装置41での欠陥検査の際に共通の基準画像として設定する。したがって、このウェハW1については、実質的には周辺露光検査装置41での欠陥検査は行われない。
【0066】
なお基準画像の作成法の一例としては、ウェハWの標準的な基板画像に、疑似欠陥と判定されうる色むらを有する基板画像を合成して作成するという手法がある。疑似欠陥とは、実際には欠陥ではないものの、撮像された基板画像上で色むらなどが生じることにより、欠陥と判定されるものである。そして、本実施の形態では、ウェハWの標準的な基板画像として最先に取得されたウェハW1の基板画像が用いられる。
【0067】
そして、同一ロットの後続のウェハW2、W3が処理ユニットA2、A3の各周辺露光検査装置41で撮像され、制御装置200に各ウェハW2、W3の基板画像が入力されると、制御装置200では、基準画像とウェハW2の基板画像及びウェハW3の基板画像が比較される。そして、制御装置200では、基準画像と各基板画像とを比較し、両者に規定以上の差異があれば欠陥有りと、差異が規定未満であれば欠陥無しと、それぞれ判定する。このように、最先に基板画像が取得されたウェハW1の基板画像を、同一ロットの後続のウェハW2〜WNの欠陥検査において基準画像として用いることで、本実施の形態の基板処理システム1のように、ウェハWを並行して処理する処理ユニットA1〜A3及び各処理ユニットA1〜A3で処理されたウェハWを別個に検査する検査装置(本実施の形態では、周辺露光検査装置41)を備えた基板処理システム1に特有の不具合を解消することができる。以下、具体的に説明する。
【0068】
例えば本実施の形態のように、並行して3つの処理ユニットA1〜A3でウェハWの処理及び検査を行う場合、例えば
図9に示すように、ウェハW1、W4、W7が順次、処理ユニットA1で、ウェハW2、W5、W8が順次、処理ユニットA2で、ウェハW3、W6、W9が順次、処理ユニットA3で処理され、各処理ユニットA1〜A3に対応する周辺露光検査装置41で欠陥の検査が行われる。
【0069】
かかる場合において、例えば各処理ユニットA1〜A3の周辺露光検査装置41毎に独立して基準画像を設定する場合、各周辺露光検査装置41毎に最先で取得された基板画像を基準画像として設定するのが通常である。しかしながら、このように基準画像を設定すると、例えば
図10に示すように、処理ユニットA2において最先のウェハであるウェハW2に欠陥が生じたときに、基準画像が欠陥を含んだものとなってしまう場合がある。そうすると、後続のウェハW5、W8は、この欠陥を含んだ基準画像との比較により欠陥が判定されることとなるが、例えば後続のウェハW5、W8においても同様の欠陥が生じると、これら後続のウェハW5、W8も欠陥無しと判定されてしまう。そうすると、処理ユニットA2で処理された後続のウェハに同様の欠陥が生じた場合であっても、周辺露光検査装置41では後続のウェハの欠陥を検出できず、欠陥を有するウェハWが大量に生産されてしまうという問題が生じる。特に、塗布現像処理では、例えば液処理装置において塗布ノズルを移動させるアームから当該塗布ノズルが脱落してしまうトラブルや、カップF内の気流の異常、アームの駆動系の異常などにより、同様の欠陥が連続して発生することが多いため、欠陥を検出できないことの不利益は甚大なものとなる。なお、
図10では、欠陥が生じたウェハWであって、その欠陥が周辺露光検査装置41で検出されないウェハ、或いは周辺露光検査装置41で検査される前のウェハを、「def」と表記している。そして、各周辺露光検査装置41毎に独立して基準画像を設定すると、上述の通り、後続のウェハW5、W8は、周辺露光検査装置41で検査された後も、依然として「def」のままとなる。
【0070】
そこで、本実施の形態では、上述のように、各処理ユニットA1〜A3で処理されたウェハW1〜W3の内、最先で取得されたウェハWの基板画像に基づいて、欠陥検査の際の基準となる基準画像を生成する。それと共に制御装置200では、このウェハW1の基板画像に基づいて生成された基準画像を、全ての周辺露光検査装置41に対して共通の基準画像として設定する。それにより、例えば欠陥を有さないウェハW1が最先のウェハであり、基準画像がウェハW1の基板画像に基づいて生成された場合は、後続のウェハW2で欠陥が生じた場合、
図11に示すように、そのウェハW2に異常が生じていることを検出できる。なお、
図11では、欠陥有りと判定されたウェハWに「fail」と表記している。同様に欠陥を有する「def」の状態である後続のウェハW5、W8についても、周辺露光検査装置41で検査後に、順次異常を検出することができる。即ち、ウェハW5、W8については「fail」の状態となる。
【0071】
また、仮に、最先のウェハW1に欠陥が生じており、全ての周辺露光検査装置41に対して共通の基準画像が欠陥を含むものとなった場合であっても、
図12に示すように、他の健全な処理ユニットA2、A3で処理、検査されるウェハW2、W3において、欠陥有りと判定され、この状態が継続するため、基板処理システム1に何らかの異常が発生していることを速やかに検知することができる。これが、本実施の形態において、最先に基板画像が取得されたウェハWの基板画像を、同一ロットの後続のウェハWの欠陥検査において基準画像として用いる理由である。
【0072】
撮像部150による撮像が終了すると、
図13に示すように保持部120に保持されたウェハW1が周辺露光位置P2に移動し、保持部120からウェハ搬送装置70aにウェハW1が受け渡される。そして、搬入出口111を介してウェハW1は周辺露光検査装置41から搬出される。
【0073】
以上の実施の形態によれば、同一ロットのウェハWの基板画像のうち、各周辺露光検査装置41の間で最先に取得された基板画像を基準画像として設定する。そして、この基準画像に基づいて全てのウェハWの基板画像について、換言すれば、各処理ユニットA1〜A3で別個に処理された全てのウェハWについて、共通する単一の基準画像で欠陥の有無を判定する。かかる場合、最先の基板が健全なものであれば、同一ロットの後続の基板に欠陥が生じたときに、その異常を直ちに検出することができる。また、その反対に、仮に欠陥を有するウェハWが周辺露光検査装置41に最先で搬入され、基準画像が欠陥を含んだものとなった場合であっても、他の健全な処理ユニットで処理された基板が欠陥有りと判定されるので、基板処理システム1に何らかの異常が発生したことを直ちに検出できる。
したがって、複数の処理ユニットA1〜A3及び複数の周辺露光検査装置41を備えた基板処理システム1において、欠陥検査を適正に行うことができる。
【0074】
また、従来のように、各処理ユニットA1〜A3ごとに最先のウェハWから基準画像を生成すると、ウェハW1、W2、W3の全てが未検査の状態となるが、本実施の形態のように、最先のウェハWからのみ基準画像を生成し、後続のウェハWNを基準画像に基づいて検査することで、未検査のウェハWを最小限に抑えることができる。
【0075】
なお以上の実施の形態では、ウェハWの基板画像を基準画像と比較することで欠陥の有無を判定したが、制御装置200で基準画像を作成するには所定の時間を要する。そのため、例えばウェハW1の基板画像に基づいて基準画像を作成する間に、後続のウェハW2〜WNが順次周辺露光検査装置41で撮像を終えてしまう場合がある。そうすると、適切なタイミングで欠陥検査を行うことができず、基板処理システム1内でウェハ処理に渋滞が生じてしまう可能性がある。
【0076】
そこで、基準画像が生成される前に、最先のウェハW1以外の基板画像が周辺露光検査装置41で取得された場合は、基板画像の画素値(輝度)の平均値に基づいて簡易的に欠陥検査を行うようにしてもよい。基板画像からの画素値の抽出及び平均化は、基準画像の作成に要する時間よりも大幅に短い時間で行うことができるので、基板処理システム1内で欠陥検査の遅延に起因するウェハ処理の渋滞を回避することができる。
【0077】
画素値に基づく欠陥検査について
図14のフローチャートと共に具体的に説明する。先ず、周辺露光検査装置41でウェハW1の基板画像が最先で取得される(
図14のS1)。これにより、制御装置200では、基準画像の作成を行う(
図14のS2)。なお、一般に、基準画像の作成時にはウェハW1の基板画像の画素値も同時に取得されるため、基準画像の作成時に平行してウェハW1の基板画像の画素値の平均値を算出しておいてもよい。次いで、後続のウェハWNの基板画像が取得されたときに(
図14のS3)、基準画像が生成されていなければ(
図14のS4)、換言すれば、基準画像が生成される前に、後続のウェハWNの基板画像が取得された場合、後続のウェハWNの基板画像の画素値の平均値が算出される(
図14のS5)。そして、ウェハW1の基板画像の画素値の平均値と、後続のウェハWNの基板画像の画素値の平均値とがそれぞれ比較され(
図14のS6)、画素値の平均値の差分が閾値以内であれば欠陥無しと、閾値を超えた場合は欠陥有りと、それぞれ判定される(
図14のS7、S8、S9)。
【0078】
また、後続のウェハWNの基板画像が取得されたときに基準画像の生成が完了している場合、または、当初は画素値の平均値による簡易検査を行い、さらに後続のウェハW(N+1)の基板画像取得時に基準画像の生成が完了した場合(
図14のS4)、基準画像とウェハWN(またはウェハW(N+1))の基板画像が比較される(
図14のS10)。そして、既述の通り、その差異が規定以上であれば欠陥有り、規定未満であれば欠陥無しと判定される(
図14のS11)。
【0079】
なお、以上の実施の形態では、後続のウェハWNの基板画像が取得されたときに基準画像の生成が完了しているか否かにより欠陥検査方法の選択を行ったが、
図14のS4の判断をどのタイミングで行うかについては本実施の形態の内容に限定されるものではなく、任意に設定できる。例えば後続のウェハWNが周辺露光検査装置41に搬入されたタイミングで基準画像の生成状況を確認し、そのタイミングでいずれの方法で欠陥判定を行うかを決定してもよい。また、例えば制御装置200においては各ウェハWの搬送プログラムから各ウェハの基板画像の取得タイミングを予測し、後続のウェハWNの基板画像取得までに基準画像の生成が完了しないと判断された場合は、画素値の平均値に基づく欠陥検査を行うようにしてもよい。
【0080】
なお、以上の実施の形態では、ウェハWに対して周辺露光と欠陥検査を連続して行う周辺露光検査装置41を用いていたが、周辺露光を行う装置と欠陥検査を行う装置は、夫々個別に設けられていてもよい。
【0081】
また、例えば各処理ユニットA1〜A3を構成する各種処理装置の配置についても、各ウェハ搬送装置70a〜70fにより別箇独立してウェハWの搬送が可能なように配置されていれば、本実施の形態の内容に限定されるものではなく、任意に設定が可能である。即ち、例えば第2のブロックG2に配置されていた周辺露光検査装置41をインターフェイスステーション13に配置したり、第3のブロックに配置されていたアドヒージョン装置42を、処理ステーション11の第3のブロックG3や第4のブロックG4に配置してもよい。
【0082】
なお、処理ユニットA1〜A3を構成する処理装置の種類についても本実施の形態の内容に限定されるものではなく、ウェハWに対して施す処理に応じて任意に設定できる。また、本実施の形態における「処理ユニット」とは、例えばウェハWの検査を行う検査装置(本実施の形態では周辺露光検査装置41)にウェハWが搬入されるまでにウェハWに対して処理を行う装置の集合的な概念である。したがって、例えば、露光装置12での処理前に行う欠陥検査に代えて、現像処理後にウェハWの欠陥検査を行う場合、例えば液処理ユニットM4〜M6に欠陥検査装置が設けられると共に、液処理ユニットM4〜M6もそれぞれ処理ユニットA1〜A3に含まれるものと理解される。
【0083】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。本発明はこの例に限らず種々の態様を採りうるものである。本発明は、基板がウェハ以外のFPD(フラットパネルディスプレイ)、フォトマスク用のマスクレチクルなどの他の基板である場合にも適用できる。