(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6211053
(24)【登録日】2017年9月22日
(45)【発行日】2017年10月11日
(54)【発明の名称】フィードスルー構造体を備える基板支持体
(51)【国際特許分類】
H01L 21/683 20060101AFI20171002BHJP
H05B 3/68 20060101ALI20171002BHJP
H01L 21/02 20060101ALI20171002BHJP
【FI】
H01L21/68 N
H05B3/68
H01L21/02 Z
【請求項の数】14
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-503364(P2015-503364)
(86)(22)【出願日】2013年3月19日
(65)【公表番号】特表2015-518275(P2015-518275A)
(43)【公表日】2015年6月25日
(86)【国際出願番号】US2013032874
(87)【国際公開番号】WO2013148406
(87)【国際公開日】20131003
【審査請求日】2016年3月22日
(31)【優先権主張番号】61/617,946
(32)【優先日】2012年3月30日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/845,492
(32)【優先日】2013年3月18日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100109726
【弁理士】
【氏名又は名称】園田 吉隆
(74)【代理人】
【識別番号】100101199
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 義教
(72)【発明者】
【氏名】ヴォルフォフスキ, レオン
(72)【発明者】
【氏名】クルカルニ, マユル ジー.
【審査官】
儀同 孝信
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−222931(JP,A)
【文献】
国際公開第2010/144314(WO,A1)
【文献】
実開昭63−125311(JP,U)
【文献】
特開平07−106319(JP,A)
【文献】
特開平08−139039(JP,A)
【文献】
特開2004−095722(JP,A)
【文献】
特開2002−313144(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0149462(US,A1)
【文献】
特開2007−266231(JP,A)
【文献】
特開平09−205080(JP,A)
【文献】
国際公開第2010/008827(WO,A2)
【文献】
国際公開第2011/075437(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/683
H01L 21/02
H05B 3/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板支持体であって、
基板をその上で支持する基板処理面を有する支持部材と、
前記基板支持体内に配置された複数の電気要素であり、前記基板処理面に配置されているときに前記基板を監視することと前記基板を処理することのうちの少なくとも一方を実行する複数の電気要素と、
1つまたは複数の開口を画定する壁を有する本体であり、前記1つまたは複数の開口が、前記支持部材に面した前記本体の第1の端部と反対側の前記本体の第2の端部との間に配置された、本体と、
前記第1の端部から前記第2の端部までの前記壁の中に配置され、前記複数の電気要素のうちの少なくとも第1の電気要素に第1の電気信号を供給する1つまたは複数の第1の導体と、
前記第1の端部から前記第2の端部までの前記壁の中に配置され、前記複数の電気要素のうちの少なくとも第2の電気要素に第2の電気信号を供給する1つまたは複数の第2の導体と
を備え、
前記壁の中に配置された複数の導電性メッシュをさらに備え、少なくとも1つの導電性メッシュが、前記1つまたは複数の第1の導体を含む前記壁の第1の領域を取り囲み、少なくとも1つの導電性メッシュが、前記1つまたは複数の第2の導体を含む前記壁の第2の領域を取り囲み、前記複数の導電性メッシュが、前記第1の領域を、前記第1の領域の外側の第1の外部電磁場から電気的に実質的に絶縁し、前記第2の領域を、前記第2の領域の外側の第2の外部電磁場から電気的に実質的に絶縁する、基板支持体。
【請求項2】
前記1つまたは複数の開口の中に配置された1つまたは複数の第3の導体をさらに備え、前記複数の導電性メッシュが、前記1つまたは複数の第3の導体を流れている電流によって生み出される第3の外部電磁場から、前記第1および第2の領域を電気的に絶縁する、請求項1に記載の基板支持体。
【請求項3】
前記複数の導電性メッシュが、
第1の導電性メッシュと、前記第1の導電性メッシュの周りに同心に配置された第2の導電性メッシュと、前記第2の導電性メッシュの周りに同心に配置された第3の導電性メッシュ、または
前記第1の領域を取り囲む第1の導電性メッシュと、前記第2の領域を取り囲む第2の導電性メッシュ
のうちの一方をさらに含み、前者においては、前記第2の導電性メッシュと前記第3の導電性メッシュの間に前記第1の領域が形成され、前記第1の導電性メッシュと前記第2の導電性メッシュの間に前記第2の領域が形成されている、請求項1または2に記載の基板支持体。
【請求項4】
前記第1の端部と前記第2の端部の間の前記壁の中に配置された1つまたは複数の第1の開口であり、それらを貫いて配置された前記1つまたは複数の第1の導体を有する1つまたは複数の第1の開口と、
前記第1の端部と前記第2の端部の間の前記壁の中に配置された1つまたは複数の第2の開口であり、それらを貫いて配置された前記1つまたは複数の第2の導体を有する1つまたは複数の第2の開口と、
前記第1の端部と前記第2の端部の間の前記壁の中に配置された複数の第3の開口であり、それぞれの第3の開口がそれらを貫いて配置された前記複数の導電性メッシュのうちの1つを有する複数の第3の開口と
をさらに備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の基板支持体。
【請求項5】
前記1つまたは複数の第1の開口が複数の第1の開口であり、前記1つまたは複数の第1の導体が複数の第1の導体であり、それぞれの第1の導体が対応する第1の開口の中に配置された、請求項4に記載の基板支持体。
【請求項6】
前記複数の電気要素のうちの前記少なくとも第1の電気要素が複数の抵抗加熱要素を有するヒータであり、前記複数の電気要素のうちの前記少なくとも第2の電気要素が複数の温度センサである、請求項1から5のいずれか一項に記載の基板支持体。
【請求項7】
前記複数の抵抗加熱要素が1つまたは複数の加熱ゾーンに配置された、請求項6に記載の基板支持体。
【請求項8】
前記基板処理面にあるときに前記基板を固定する静電チャックと、
前記静電チャックに電力を供給するために前記本体の前記1つまたは複数の開口を貫いて配置された1つまたは複数の第3の導体と
をさらに備え、
前記複数の導電性メッシュが、前記1つまたは複数の第3の導体を流れている電流によって生み出される第3の外部電磁場から、前記第1の領域および前記第2の領域を電気的に絶縁する、
請求項1から7のいずれか一項に記載の基板支持体。
【請求項9】
前記本体の前記1つまたは複数の開口を貫いて配置された1つまたは複数の導管と、
前記1つまたは複数の導管に結合された真空装置であり、基板が前記基板処理面にあるときに前記基板の裏側に、前記1つまたは複数の導管を介して吸引を提供して、前記基板処理面に前記基板を固定する真空装置と
をさらに備える、請求項1から8のいずれか一項に記載の基板支持体。
【請求項10】
前記基板処理面にあるときに前記基板にRFエネルギーを供給する電極と、
前記電極に電力を供給するために前記本体の前記1つまたは複数の開口を貫いて配置された1つまたは複数の第4の導体と
をさらに備え、
前記複数の導電性メッシュが、前記1つまたは複数の第4の導体を流れている電流によって生み出される第4の外部電磁場から、前記第1の領域および前記第2の領域を電気的に絶縁する、
請求項1から9のいずれか一項に記載の基板支持体。
【請求項11】
基板支持体用のフィードスルー構造体であって、
壁を有する本体であり、前記壁が、前記本体の第1の端部から前記本体の第2の端部まで前記本体を貫いて配置された1つまたは複数の開口を画定する本体と、
前記第1の端部から前記第2の端部までの前記壁の中に配置された1つまたは複数の第1の導体と、
前記第1の端部から前記第2の端部までの前記壁の中に配置された1つまたは複数の第2の導体と、
前記壁の中に配置された複数の導電性メッシュであり、少なくとも1つの導電性メッシュが、前記1つまたは複数の第1の導体を含む前記壁の第1の領域を取り囲み、少なくとも1つの導電性メッシュが、前記1つまたは複数の第2の導体を含む前記壁の第2の領域を取り囲み、前記複数の導電性メッシュが、前記第1の領域を、前記第1の領域の外側の第1の外部電磁場から電気的に実質的に絶縁し、前記第2の領域を、前記第2の領域の外側の第2の外部電磁場から電気的に実質的に絶縁する複数の導電性メッシュと
を備えるフィードスルー構造体。
【請求項12】
前記1つまたは複数の開口の中に配置された1つまたは複数の第3の導体をさらに備え、前記複数の導電性メッシュが、前記1つまたは複数の第3の導体を流れている電流によって生み出される第3の外部電磁場から、前記第1および第2の領域を電気的に絶縁する、請求項11に記載のフィードスルー構造体。
【請求項13】
前記複数の導電性メッシュが、
第1の導電性メッシュ、前記第1の導電性メッシュの周りに同心に配置された第2の導電性メッシュ、および前記第2の導電性メッシュの周りに同心に配置された第3の導電性メッシュであって、前記第2の導電性メッシュと前記第3の導電性メッシュの間に前記第1の領域が形成され、前記第1の導電性メッシュと前記第2の導電性メッシュの間に前記第2の領域が形成されている、または
前記第1の領域を取り囲む第1の導電性メッシュおよび前記第2の領域を取り囲む第2の導電性メッシュ
のうちの一方をさらに含む、請求項11または12に記載のフィードスルー構造体。
【請求項14】
前記本体が、
前記第1の端部と前記第2の端部の間の前記壁の中に配置された1つまたは複数の第1の開口であり、それらを貫いて配置された前記1つまたは複数の第1の導体を有する1つまたは複数の第1の開口と、
前記第1の端部と前記第2の端部の間の壁の中に配置された1つまたは複数の第2の開口であり、それらを貫いて配置された前記1つまたは複数の第2の導体を有する1つまたは複数の第2の開口と、
前記第1の端部と前記第2の端部の間の前記壁の中に配置された複数の第3の開口であり、それぞれの第3の開口がそれらを貫いて配置された、前記複数の導電性メッシュのうちの1つを有する複数の第3の開口と
をさらに備える、請求項11または12に記載のフィードスルー構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は一般に基板処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子デバイスの限界寸法(critical dimension)が縮小し続けるにつれて、基板処理システムは、このような寸法を再現可能に達成するために、改良されたプロセス制御を必要とする。例えば、いくつかの実施形態では、基板支持体上に配置された基板上で均一な温度プロファイルを達成することができ、かつ/または処理中に温度プロファイルを速やかに変化させることができるようなよりコンパクトな設計の基板支持体が製作される。基板支持体設計にこのようなコンパクトさを加えると、適当な設備(例えば配管および/または配線)を提供するためのフィードスルー構造体内の限られた空間が、基板支持体内または基板支持体上に提供される真空チャック、静電チャック、裏側ガス管路、電極、温度センサ、ヒータまたは他の適当なデバイスなどのうちの1つまたは複数の構成要素のために残されることを本発明の発明者らは見出した。
【0003】
したがって、本発明の発明者らは、基板支持体とともに利用することができる改良されたフィードスルー構造体を提供した。
【発明の概要】
【0004】
本明細書では、電流を供給する装置およびこの装置を利用する基板支持体が提供される。いくつかの実施形態では、フィードスルー構造体が、壁を有する本体であり、この壁が、本体の第1の端部から本体の第2の端部まで本体を貫いて配置された1つまたは複数の開口を画定する本体と、第1の端部から第2の端部までの壁の中に配置された1つまたは複数の第1の導体と、第1の端部から第2の端部までの壁の中に配置された1つまたは複数の第2の導体と、壁の中に配置された複数の導電性メッシュであり、少なくとも1つの導電性メッシュが、前記1つまたは複数の第1の導体を含む壁の第1の領域を取り囲み、少なくとも1つの導電性メッシュが、前記1つまたは複数の第2の導体を含む壁の第2の領域を取り囲み、前記複数の導電性メッシュが、第1の領域を、第1の領域の外側の第1の外部電磁場から電気的に実質的に絶縁し、第2の領域を、第2の領域の外側の第2の外部電磁場から電気的に実質的に絶縁する複数の導電性メッシュとを含む。
【0005】
いくつかの実施形態では、装置が基板支持体を含み、この基板支持体が、基板をその上で支持する基板処理面を有する支持部材と、基板支持体内に配置された複数の電気要素であり、基板処理面に配置されているときに基板を監視することと基板を処理することのうちの少なくとも一方を実行する複数の電気要素と、1つまたは複数の開口を画定する壁を有する本体であり、前記1つまたは複数の開口が、支持部材に面した本体の第1の端部と反対側の本体の第2の端部との間に配置された本体と、第1の端部から第2の端部までの壁の中に配置された1つまたは複数の第1の導体であり、前記複数の電気要素のうちの少なくとも第1の電気要素に第1の電気信号を供給する1つまたは複数の第1の導体と、第1の端部から第2の端部までの壁の中に配置された1つまたは複数の第2の導体であり、前記複数の電気要素のうちの少なくとも第2の電気要素に第2の電気信号を供給する1つまたは複数の第2の導体とを備える。
【0006】
いくつかの実施形態では、装置が基板支持体を含み、この基板支持体が、基板をその上で支持する基板処理面を有する支持部材と、基板処理面にあるときに基板に熱を供給するヒータであり、複数の加熱ゾーンとして配置された複数の抵抗加熱要素を有するヒータと、基板処理面にあるときに基板に基板の温度を監視する複数の温度センサと、1つまたは複数の開口を画定する壁を有する本体であり、前記1つまたは複数の開口が、支持部材に面した本体の第1の端部と反対側の本体の第2の端部との間に配置された本体と、第1の端部から第2の端部までの壁の中に配置された複数の第1の導体であり、それぞれの第1の導体が、第1の電気信号を供給し、1つまたは複数の抵抗加熱要素から第1の電気信号を受け取る複数の第1の導体と、第1の端部から第2の端部までの壁の中に配置された複数の第2の導体であり、それぞれの第2の導体が、第2の電気信号を供給し、1つまたは複数の温度センサから第2の電気信号を受け取る複数の第2の導体と、壁の中に配置された複数の導電性メッシュであり、少なくとも1つの導電性メッシュが、前記1つまたは複数の第1の導体を含む壁の第1の領域を取り囲み、少なくとも1つの導電性メッシュが、前記1つまたは複数の第2の導体を含む壁の第2の領域を取り囲み、前記複数の導電性メッシュが、第1の領域を、第1の領域の外側の第1の外部電磁場から電気的に実質的に絶縁し、第2の領域を、第2の領域の外側の第2の外部電磁場から電気的に実質的に絶縁する複数の導電性メッシュとを備える。
【0007】
本発明の他の追加の実施形態は以下で説明される。
【0008】
上で簡単に概説し後により詳細に論じる本発明の実施形態は、添付図面に示された本発明の例示的な実施形態を参照することによって理解することができる。しかしながら、添付図面は本発明の典型的な実施形態だけを示したものであり、したがって添付図面を本発明の範囲を限定するものと考えるべきではないことに留意すべきである。これは、等しく有効な別の実施形態を本発明が受け入れる可能性があるためである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明のいくつかの実施形態に基づくフィードスルー構造体を有する基板支持体の略部分図である。
【
図1A】
図1に示した本発明のいくつかの実施形態に基づくフィードスルー構造体の断面図である。
【
図1B】本発明のいくつかの実施形態に基づくフィードスルー構造体の断面図である。
【
図1C】本発明のいくつかの実施形態に基づくフィードスルー構造体の部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
理解を容易にするため、可能な場合には、上記の図に共通する同一の要素を示すのに同一の参照符号を使用した。これらの図は、一定の比率では描かれておらず、分かりやすくするために単純化されていることがある。特段の言及なしに、1つの実施形態の要素および特徴を別の実施形態に有利に組み込むことが企図される。
【0011】
本明細書では、電流を供給する装置およびこの装置を利用する基板支持体が提供される。本発明のフィードスルー構造体は、後に論じる基板を処理する基板支持体の部分として利用することができる。しかしながら、本発明のフィードスルー構造体は、電気フィードスルーを必要とする適当な任意のデバイスとともに利用することができる。本発明の装置は、複数の電気配線および/または配管を管理し、かつ/または効率的な空間利用を提供するコンパクトな設計を有利に提供することができる。本発明の装置は、後に論じるようにして各信号間の干渉(例えば混信)を制限しまたは排除することによって、多数の異なる電気信号の正確な送達を有利に提供することができる。さらに、本発明のフィードスルー装置は、フィードスルー構造体の壁に配置された導体、フィードスルー構造体の壁によって画定される1つまたは複数の開口の中にある導体、または電磁場を発生させる可能性がある他の構成要素、例えばプラズマ源、基板支持体の上方もしくは離れた位置にプラズマを発生させるためにRFエネルギーを供給する電極、プラズマ自体によって生み出される外部電磁場などによって生み出される外部電磁場などの外部電磁場からの干渉を制限しまたは防ぐことができる。
【0012】
図1は、本発明のいくつかの実施形態に基づく基板支持体100を示す。基板支持体100は、その第1の表面104(例えば上面または基板処理面)上またはその第1の表面104の上方にあるときに基板103に熱を分配する支持部材102と、支持部材102に熱を供給する1つまたは複数の加熱ゾーン108(
図1には多数の加熱ゾーンが示されている)を有するヒータ106とを含むことができる。任意選択で、ヒータ106はさらに、前記1つまたは複数の加熱ゾーン108の下にあって、前記1つまたは複数の加熱ゾーン108と範囲が重なり、第1の表面104に対して追加の温度制御を提供する第2の加熱ゾーンを含むことができる。
図1に示されているように、ヒータ106は、支持部材102の下方に配置することができる。しかしながら、この配置は単に、ヒータ106の例示的な一実施形態にすぎない。ヒータ106は、支持部材102の内部、支持部材102の表面または支持部材102の下方に配置することができる。
【0013】
いくつかの実施形態では、基板支持体が、摂氏約450度から摂氏約600度の範囲の温度を提供する。しかしながら、本明細書に開示された基板支持体の実施形態は上記の温度範囲だけに限定されない。例えば、この温度を、室温以上もしくは摂氏約150度から摂氏約450度などのようにこの温度範囲よりも低くし、または摂氏約600度超などのようにこの温度範囲よりも高くすることもできる。
【0014】
支持部材102を利用して基板103に熱を分配することができる。例えば、支持部材は、前記1つまたは複数の加熱ゾーン108によって供給された熱を拡散させるヒートスプレッダ(heat spreader)の働きをすることができる。いくつかの実施形態では、支持部材102が、支持部材102に埋め込まれたまたは支持部材102を貫いて延びる1つまたは複数の温度監視デバイス120であって、基板103に供給されている温度を、支持部材102の第1の表面104に沿った1つまたは複数の位置において監視する1つまたは複数の温度監視デバイス120を含む。温度監視デバイス120は、温度センサ、抵抗温度デバイス(resistance tempeature device)(RTD)、光センサ、熱電対、サーミスタなどのうちの1つまたは複数のデバイスなど、温度を監視する適当な任意のデバイスを含むことができる。前記1つまたは複数の温度監視デバイス120をコントローラ122に結合して、前記複数のそれぞれの温度監視デバイス120から温度情報を受け取ることができる。後にさらに論じるように、コントローラ122を使用して、この温度情報に応じて加熱ゾーン108を制御することもできる。支持部材102は、高い熱伝導率、高い剛性および低い熱膨張係数のうちの1つまたは複数の特性を有する材料など、プロセスに適合する適当な材料から形成することができる。いくつかの実施形態では、支持部材102の熱伝導率が少なくとも約140W/mKである。いくつかの実施形態では、支持部材102の熱膨脹係数が約9×10
−6/℃以下である。支持部材102を形成する目的に使用される適当な材料の例には、アルミニウム(Al)、銅(Cu)または銅の合金、窒化アルミニウム(AlN)、酸化ベリリウム(BeO)、パイロリティックボロンナイトライド(pyrolytic boron nitride)(PBN)、窒化ケイ素(Si
3N
4)、酸化アルミニウム(Al
2O
3)、炭化ケイ素(SiC)、PBNでコーティングされた黒鉛、酸化イットリウム(Y
2O
3)でコーティングされたAlNなどのうちの1種または数種の材料が含まれる。支持部材102とともに利用することができる他の適当なコーティングにはダイヤモンド状コーティング(diamond like coating)(DLC)などがある。
【0015】
ヒータ106は、1つまたは複数の抵抗加熱要素124を含むことができる。例えば、前記1つまたは複数の加熱ゾーン108はそれぞれ1つまたは複数の抵抗加熱要素124を含む。
図1には一様に分布しているように示されているが、基板103上に所望の温度プロファイルを提供するために望まれる適当な任意の構成で、前記1つまたは複数の加熱ゾーン108を分布させることができる。抵抗加熱要素124はそれぞれ電源126に結合することができる。電源126は、直流(DC)、交流(AC)など、抵抗加熱要素124に適合する適当なタイプの電力を供給することができる。電源126を、コントローラ122に結合し、コントローラ122によって制御することができ、または基板支持体がその中に配置された処理チャンバを制御するシステムコントローラなどの別のコントローラ(図示せず)によって制御することができる。いくつかの実施形態では、電源126がさらに、それぞれの加熱ゾーン108内の抵抗加熱要素124に供給される電力を分割する電力分割器(図示せず)を含む。例えば、電力分割器は、第1の表面104付近に配置された1つまたは複数の温度監視デバイス120に応答して作動して、特定の加熱ゾーン108内の抵抗加熱要素124に電力を選択的に分配することができる。あるいは、いくつかの実施形態では、対応するそれぞれのヒータゾーン内の抵抗加熱要素に対して多数の電源が提供される。
【0016】
ヒータ106の下方に配置されたフィードスルー構造体128を介して、抵抗加熱要素124および温度監視デバイス120をそれぞれ電源126およびコントローラ122に結合することができる。いくつかの実施形態では、フィードスルー構造体128が、ボルト、溶接、エポキシ樹脂、拡散接合、プレスばめ、共燃焼、焼結または適当な取付け手段および/もしくは方法などの適当な固定手段および/または方法によってヒータ106の裏側に直接に結合される。いくつかの実施形態では、例えばヒータ106および/またはRF電極、静電チャック、第1の表面104などの基板支持体100の残りの要素に各種給電および/またはガス供給を提供するために、2つ以上のフィードスルー構造体128がヒータ106の裏側に結合される。
【0017】
図1の側面断面図および
図1Aの上面断面図にフィードスルー構造体128が示されている。フィードスルー構造体128は、壁134を有する本体130を含むことができ、壁134は、第1の端部138から第2の端部144まで本体130を貫いて配置された1つまたは複数の開口136(
図1および1Aには中心開口が示されている)を画定する。
図1〜1Aに示されている中心開口は単なる例であり、中心から外れた構成、多数の開口など、前記1つまたは複数の開口136の他の構成も可能である。前記1つまたは複数の開口136を利用して、ガス、真空、RF電力、静電チャック電力、または基板支持体とともに利用することができる適当な電力もしくはガスのための配線および/または導管を提供することができる。例えば、配線はさらに、光ファイバおよび光ファイバに関係したデバイスを含むことができる。本体130は、セラミックなどの誘電体材料、または支持部材102と同じかもしくは支持部材102よりも低い熱伝導率を有する他の適当な材料から形成することができる。セラミック、ガラス繊維、空気、真空などの適当な誘電体材料によって導電性要素、例えば後に論じる導体またはメッシュを分離することができる。
【0018】
本体130は、壁134の中に配置された複数の開口を含むことができ、これらの複数の開口は、第1の端部138と第2の端部144の間の前記1つまたは複数の開口136に沿って1つまたは複数の導電性要素、例えば後に論じる導体またはメッシュを収容する目的に利用することができる。例えば、それらの導電性要素を利用して、抵抗加熱要素124、または温度監視デバイス120などの基板支持体100の部分である電気デバイスに電力を供給することができ、または、電気信号を運ぶ目的に使用される電気配線を、望ましくない電磁場、例えば隣接する電気配線および/または他のデバイス、例えばRF電極、RFエネルギーを使用する遠隔プラズマ源、静電チャックなどの基板支持体100の部分である他のデバイスに起因する望ましくない電磁場から遮蔽することができる。
図1〜1Aには、壁134の開口が、開口を貫いて配置された各種導電性材料の寸法よりも大きいものとして示されている。しかしながら、これは単に説明のためであり、導電性材料が開口全体を満たしてもよい。壁134の開口および/または本体130は、円形(
図1および1Aに示されている)、長方形または望ましい任意の形状など、適当な任意の形状を有することができる。例えば、本体130は、開口が形成された後に開口の中に導電性要素が入れられるのではなく、導電性要素の周囲に開口が形成されるような態様で、モールド(mold)、フォーム(form)などから製造することができる。しかしながら、開口を形成してからその中に導電性要素を入れる方法を含め、多くの製造方法が可能である。
【0019】
壁134は、第1の端部138と第2の端部144の間の前記1つまたは複数の開口136に沿って壁134の中に配置された1つまたは複数の第1の開口146を含むことができる。壁134の中に、例えば第1の端部138と第2の端部144の間の前記1つまたは複数の第1の開口146を貫いて、1つまたは複数の第1の導体148を配置することができる。
図1Aに示されているように、前記1つまたは複数の第1の導体148を複数の第1の導体148とすることができ、前記1つまたは複数の第1の開口146を複数の第1の開口146とすることができ、第1の導体148はそれぞれ対応する第1の開口146の中に配置される。いくつかの実施形態では、任意選択で、それぞれの第1の導体148を遮蔽体149によって個別に遮蔽することができる。例えば、遮蔽体149を、非導電性材料などの絶縁体とすることができ、あるいは、遮蔽体149が、それぞれの第1の導体148を外部電磁場から隔離するファラデーケージ(Faraday cage)として機能してもよい。このような外部電磁場は例えば、後に論じる1つまたは複数の第2の導体152、前記1つまたは複数の開口136の中にある導体、または電磁場を発生させる他の構成要素、例えばプラズマ源、基板支持体100の上方もしくは離れた位置にプラズマを発生させるためにRFエネルギーを供給する電極、あるいはプラズマ自体によって生み出される外部電磁場などによって発生しうる。また、第1の導体148と第1の開口146のこの構成は単なる例であり、他の構成、例えば単一の第1の開口146の中に複数の第1の導体148が配置され、それぞれの第1の導体148が遮蔽体149を含み、かつ/または隣接する第1の導体148が互いに接触することを防ぐ適当な構成によってそれぞれの第1の導体148が物理的に分離された構成も可能である。
【0020】
図1に示されているように、前記1つまたは複数の第1の導体148を利用して、それぞれの抵抗加熱要素124に電源126を結合することができる。いくつかの実施形態では、互いから絶縁された隣接する複数のワイヤを使用するなどして電力を供給することと電力を戻すことの両方を実行するように、それぞれの第1の導体148が構成される。前記1つまたは複数の第1の導体148を、1つまたは複数の電気信号を運ぶ導電性ワイヤとすることができる。あるいは、前記1つまたは複数の第1の導体148を、例えば熱電対などのデバイス、または光ファイバケーブルもしくは他の適当な光学ワイヤなどの光学ワイヤとすることもできる。
【0021】
壁134は、第1の端部138と第2の端部144の間の1つまたは複数の開口136に沿って壁134の中に配置された1つまたは複数の第2の開口150を含むことができる。壁134の中に、例えば第1の端部138と第2の端部144の間の前記1つまたは複数の第2の開口150を貫いて、1つまたは複数の第2の導体152を配置することができる。
図1Aに示されているように、前記1つまたは複数の第2の導体152を複数の第2の導体152とすることができ、前記1つまたは複数の第2の開口150を複数の第2の開口150とすることができ、第2の導体152はそれぞれ対応する第2の開口150の中に配置される。第1の導体148に関して上で論じた方式と実質的に同様の方式で、第2の導体152とともに遮蔽体149を利用することができる。また、この第2の導体152と第2の開口150の構成は単なる例であり、他の構成、例えば単一の第2の開口150の中に複数の第2の導体152が配置され、それぞれの第2の導体152が遮蔽体149を含み、かつ/または隣接する第2の導体152が互いに接触することを防ぐ適当な構成によってそれぞれの第2の導体152が物理的に分離された構成も可能である。
【0022】
図1に示されているように、前記1つまたは複数の第2の導体152を利用して、それぞれの温度監視デバイス120にコントローラ122を結合することができる。例えば、1つの第2の導体152が、所与の温度監視デバイス120に電気信号を供給することができ、別の第2の導体152が、コントローラ122に電気信号を戻すことができる。いくつかの実施形態では、第2の導体152の数が、温度監視デバイス120の数の2倍もしくは3倍、または3倍超である。温度監視デバイス120の数と比較して追加されたこれらの第2の導体152は例えば、それぞれの第2の導体152の長さに沿った抵抗補償のために利用し、または他の目的に利用することができる。あるいは、第1の導体148に関して論じたのと同様に、電気信号を供給し、電気信号を戻すように、それぞれの第2の導体152を構成することもできる。前記1つまたは複数の第1の導体148と同様に、前記1つまたは複数の第2の導体152を、1つまたは複数の電気信号を運ぶ導電性ワイヤとすることができる。あるいは、前記1つまたは複数の第2の導体152を、例えば熱電対などのデバイス、または光ファイバケーブルもしくは他の適当な光学ワイヤなどの光学ワイヤとすることもできる。
【0023】
壁134は、第1の端部138と第2の端部144の間の1つまたは複数の開口136に沿って壁の中に配置された複数の第3の開口154を含むことができる(
図1Aには3つの第3の開口154が示されている)。第3の開口154はそれぞれ、その中に配置された導電性メッシュ156を有することができる。
図1〜1Aに示されているように、第3の開口154および導電性メッシュ156は、前記1つまたは複数の第1の導体148の両側に、例えば
図1Aに示されているように前記1つまたは複数の第1の導体の両側の同心環として配置することができる。例えば、
図1Aに示されているように組み合わされた導電性メッシュ156(例えば2つの導電性メッシュ156)は、示されているように前記1つまたは複数の第1の導体148を取り囲むことができ、前記1つまたは複数の第2の導体152を流れている電流によって生み出される電磁場などの外部電磁場から前記1つまたは複数の第1の導体148を電気的に絶縁することができる。前記1つまたは複数の第1の導体148および前記1つまたは複数の第1の開口146を含む、導電性メッシュ156間の壁134の第1の領域158を、外部電磁場から電気的に絶縁することができる。このような外部電磁場は例えば、後に論じる1つまたは複数の第2の導体152、前記1つまたは複数の開口136の中にある導体、または電磁場を発生させる他の構成要素、例えばプラズマ源、基板支持体100の上方もしくは離れた位置にプラズマを発生させるためにRFエネルギーを供給する電極、あるいはプラズマ自体によって生み出される外部電磁場などによって発生しうる。いくつかの実施形態では、導電性メッシュ156が、ファラデーケージと実質的に同様の方式で機能して、第1の導体148を含む第1の領域158から外部電気信号を隔離する。
【0024】
例えば、本発明の発明者らは、1つのデバイス用の所与のワイヤを流れている電流によって生み出される電磁場は、基板支持体上の別のデバイス用の別のワイヤを流れている電流によって生み出される別の電磁場と干渉しうることを見出した。電磁場の干渉によって、それぞれのデバイスに供給される所望の電流が望ましくなく変化することがあり、また、望ましくないことに、温度センサのような監視デバイスなどが誤って読み取られ、かつ/またはヒータからの温度や、RF電極からの高周波(RF)エネルギーなどの間違った処理パラメータが基板に送達されることがある。いくつかの実施形態では、RFエネルギーが、前記1つまたは複数の第1の導体148および/または前記1つまたは複数の第2の導体152内における、高い電圧ノイズならびに/または急速に変化する電圧および/もしくは電流などの干渉を引き起こすことがある。
【0025】
図1Aに示されているように、第1の領域158と前記1つまたは複数の開口136の間に、前記1つまたは複数の第2の導体152を含む第2の領域159を、例えば前記1つまたは複数の第2の導体と前記1つまたは複数の開口136の間に第3の導電性メッシュ156を配置することによって形成することができる。したがって、
図1Aに示された実施形態などのいくつかの実施形態では、フィードスルー構造体128が、前記1つまたは複数の開口136の周りに同心に配置された3つの導電性メッシュ156を含み、隣接する導電性メッシュ156間に、第1および第2の領域158、159が形成される。第1の領域158と同様に、導電性メッシュ156は、前記1つまたは複数の第1の導体148を流れている電流によって生み出される外部電磁場、または上で論じた外部電磁場などの一切の外部電磁場から第2の領域159を電気的に絶縁する働きをすることができる。
【0026】
代替として、
図1Bは、本発明のいくつかの実施形態に基づくフィードスルー構造体128を示す。
図1Bに示されているように、フィードスルー構造体128は、導電性メッシュ156がその中に配置された2つの第3の開口154を含むことができる。
図1Bに示されているように、それぞれの第3の開口154および導電性メッシュ156は、半環状断面(semi−toroidal cross section)を描くことができ、前記2つの第3の開口154および前記2つの導電性メッシュ156は、前記1つまたは複数の開口136の両側に配置される。一方の半環状トレース(trace)内に、前記1つまたは複数の第1の導体148を含む第1の領域158を配置することができ、もう一方の半環状トレース内に、前記1つまたは複数の第2の導体152を含む第2の領域159を配置することができる。
図1Bにおいて、導電性メッシュ156、第1の領域158、第2の領域159、1つまたは複数の第1の導体148および1つまたは複数の第2の導体152は、
図1Aに関して上で論じた方式と実質的に同様の方式で機能することができる。
【0027】
図1に戻ると、基板支持体100は、以下に論じるように、例示的で非限定的な任意選択のさまざまな実施形態を含むことができる。いくつかの実施形態では、基板支持体100が、ガス源141から基板103の裏側にガスを供給することと、基板支持体100に基板103を固定するために真空ポンプ143(または他の真空源)から真空を供給することのうちの少なくとも一方を実行することができる第1の導管140を含む。この真空またはガスは例えば、別法では真空ポンプ143およびガス源141を第1の導管140に結合する多方弁147によって供給することができる。例えば、第1の導管140によって供給されるガスを利用して、支持部材102と基板103の間の熱伝達を向上させる(または反復可能な基板−ヒータインタフェースを達成する)ことができる。いくつかの実施形態ではこのガスがヘリウム(He)である。例えば、動作時に、真空ポンプ143を使用して、基板支持体100に基板103を固定することができる。基板103が固定された後、ガス源141が、基板103と支持部材102の間の空間にガスを供給して、熱伝達を向上させることができる。
【0028】
第1の導管140は、ベローズなどの可撓性のセクション142を含むことができる。第1の導管140のこのような可撓性は例えば、基板支持体100を水平にするとき、および/または加熱中の基板支持体100の熱変形もしくは熱膨張時に役立つことがある。水平にするこのようなデバイスは例えば、キネマチックジャッキ(kinematic jack)などを含むことができる。
図1に示されているように、基板支持体100はさらに、可撓性のセクション162を有する第2の導管160であって、第1の導管140を通してガス源141によって供給されたガスを排出する第2の導管160を含むことができる。しかしながら、第2の導管160がない場合でも、第1の導管140によって真空ポンプ143を通してこのガスを排出することもできる。
【0029】
その代わりにまたはそれと組み合わせて、基板支持体100は、第1の表面104に基板103を固定する静電チャック164を含むことができる。静電チャック164の電力は、静電チャック164に電力を供給するために本体130の前記1つまたは複数の開口136を貫いて配置された1つまたは複数の第3の導体166を通して供給することができる。また、導電性メッシュ156が、前記1つまたは複数の第3の導体166を流れている電流によって生み出される外部電磁場から、第1の領域158および/または第2の領域159を電気的に絶縁することができる。
【0030】
その代わりにまたはそれと組み合わせて、基板支持体100は、基板103にRFエネルギーを供給する電極168を含むことができる。電極168の電力は、電極168に電力を供給するために本体130の前記1つまたは複数の開口136を貫いて配置された1つまたは複数の第4の導体170を通して供給することができる。また、導電性メッシュ156が、前記1つまたは複数の第4の導体170を流れている電流によって生み出される外部電磁場から、第1の領域158および/または第2の領域159を電気的に絶縁することができる。
【0031】
あるいは、
図1Cに示されているように、いくつかの実施形態では、前記1つまたは複数の開口136の中に配置された導管および/または導体のうちの1つまたは複数の導管および/または導体を経済的に使用して、空間を節約することができる。例えば、
図1Cに示されているように、第1の導管140の周りに第2の導管160を同心に配置することができ、第3または第4の導体166、170の周りに第1の導管140を同心に配置することができる。前記1つまたは複数の開口136内の空間を節約するこれらの導管および/または導体の他の構成が可能なこともある。さらに、
図1Cに示されているように、第3または第4の導体166、170の周りに遮蔽体180を配置することができる。遮蔽体180は、上で論じた遮蔽体149と実質的に同様の遮蔽体とすることができ、電気絶縁体および/またはファラデーケージとして利用することができる。
【0032】
いくつかの実施形態では、基板支持体100が、支持部材102の第1の表面104から第1の距離だけ上方に配置された複数の基板支持ピン112を含み、前記複数の基板支持ピン112は、基板支持体上にあるときに基板103の裏面を支持することができる。前記複数の基板支持ピン112を取り囲んで支持リング123を配置することができる。支持リング123は、基板103の周縁の近くで基板103の裏側と接触することができる。例えば、支持リング123を使用して、例えば基板103の裏側と基板支持体100の間に空間または容積を画定することができる。例えば、この空間を使用して、上で論じたように、基板103を基板支持体100に固定するための真空を形成すること、および/または基板支持体100と基板102の間で熱を伝達するためのガスを供給することができる。
【0033】
いくつかの実施形態では、(それぞれの基板支持ピン112および支持リング123の近くの点線によって示されているように、)前記複数のそれぞれの基板支持ピンおよび支持リング123が支持部材102の第1の表面104から延びる(例えば、基板支持ピン112および支持リング123を支持部材102の部分とし、支持部材102内に形成することができる)。あるいは、いくつかの実施形態では、支持部材102の第1の表面104に支持層116が配置され、前記複数のそれぞれの基板支持ピン112および支持リング123が支持層116の表面114から延びる。いくつかの実施形態では、支持層116ならびに前記複数のそれぞれの基板支持ピン112および支持リング123が同じ材料から形成される。例えば、支持層116ならびに前記複数のそれぞれの基板支持ピン112および支持リング123をワンピース構造(
図2Aに示されている。これについては後に論じる)とすることができる。支持層ならびに前記複数のそれぞれの基板支持ピン112および支持リング123は、耐摩耗特性を有しプロセスに適合する適当な材料から形成することができる。例えば、材料は、基板、基板上で実行するプロセスなどに適合させることができる。いくつかの実施形態では、支持層116および/または基板支持ピン112および/または支持リング123が誘電体材料から製造される。いくつかの実施形態では、支持体層116および/または基板支持ピン112および/または支持リング123を形成するのに使用する材料が、ポリイミド(KAPTON(登録商標)など)、酸化アルミニウム(Al
2O
3)、窒化アルミニウム(AlN)、二酸化ケイ素(SiO
2)、窒化ケイ素(Si
3N
4)、炭化ケイ素(SiC)、石英、サファイヤなどのうちの1つまたは複数の材料を含む。いくつかの実施形態、例えば低温用途(例えば温度が摂氏約200度未満の用途)のいくつかの実施形態では、支持層116および/または基板支持ピン112および/または支持リング123がKAPTON(登録商標)を含む。
【0034】
いくつかの実施形態では、基板支持体100が、支持部材102の第1の表面104から、前記複数の基板支持ピン112を取り囲んで(例えば支持部材102の外縁119の近くから)延びる位置合わせガイド118を含む。位置合わせガイド118は、例えば、複数のリフトピン(図示せず。
図1にはリフトピン穴113が示されており、リフトピン穴113は、支持層116および支持部材102を貫いて延びることができる)によって基板が基板支持ピン112上に降ろされたときに、基板103を案内し、基板103を中心に置き、かつ/または基板103の下方に配置された前記1つまたは複数の加熱ゾーン108などに対して基板103の位置を合わせる役目を果たすことができる。
【0035】
位置合わせガイド118は、耐摩耗特性および/または低い熱膨脹係数を有する材料など、プロセスに適合する適当な材料から形成することができる。位置合わせガイド118は、単一の材料片または多数の構成要素の組立品とすることができる。いくつかの実施形態では、位置合わせガイド118が誘電体材料から製造される。位置合わせガイド118を形成するのに使用する適当な材料は例えば、CELAZOLE(登録商標) PBI(ポリベンゾイミダゾール)、酸化アルミニウム(Al
2O
3)などのうちの1つまたは複数の材料を含むことができる。基板支持体100の各種構成要素の材料は一般に、材料相互間の化学的および熱的適合性ならびに/または所与のプロセス用途との化学的および熱的適合性に基づいて選択することができる。
【0036】
以上の説明は本発明の実施形態を対象としているが、本発明の基本的な範囲を逸脱することなく本発明の他の追加の実施形態を考案することができる。