(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
化合物Bが、ジビニルベンゼン;テトラアリルアンモニウムクロリド;アクリル酸アリル;メタクリル酸アリル;グリコールまたはポリグリコールのジアクリル酸エステルおよびジメタクリル酸エステル;ブタジエン;1,7-オクタジエン;アリルアクリルアミドまたはアリルメタクリルアミド;ビスアクリルアミド酢酸;N,N'-メチレンビスアクリルアミドまたはポリオールポリアリルエーテルから選択される、請求項1〜9のいずれか1項に記載の逆分散体。
安定化剤が、Aブロックとしてのポリヒドロキシステアリン酸およびBブロックとしてのポリアルキレンオキシドに基づくABAブロック構造を有する、請求項1〜12のいずれか1項に記載の逆分散体。
【発明を実施するための形態】
【0013】
好ましくは、安定化剤のカチオン性ポリマーに対する比は、0.1重量%〜20重量%の範囲にあり、さらにより好ましくは1重量%〜5重量%の範囲にある。
【0014】
本発明による逆分散体は、低凝固分(low coagulum content)、高い保存安定性、沈着、剪断希釈度、安定化および/または粘度(増粘度)に関して有利な特性を有することを特徴とする。低凝固は、逆乳化重合工程中に、重合している分散粒子間に凝集が見られないという点で理解される。重合工程後、同安定化剤は、熱運動、ブラウン分子運動または加えれらる剪断ストレスによって誘発され得るポリマー粒子の合体をさらに回避する。従って、本発明の逆分散体は、昇温でも高い保存安定性を有し、連続油相中でポリマー粒子の任意の目視可能な凝固またはさらに任意の沈降を生じることなく高速で容易に送出することができる。さらに、本発明の逆分散体は、所要の任意の再分散が極めて迅速に達成されるという利点を有する。沈着は、洗濯操作中の、例えば織物柔軟剤の活性成分の繊維への沈着を意味すると理解される。本発明に適用すると、これは、例えば少なくとも1種のカチオン性ポリマー(活性成分)を含む本発明による逆分散体が織物柔軟剤に含まれ、洗濯操作中または洗濯操作後にこの織物柔軟剤が使用されることを意味する。本発明による逆分散体は、この洗濯操作中または洗濯操作後の活性成分の沈着をかなりの程度促進する。
【0015】
剪断希釈度を評価する際、本逆分散体が織物柔軟剤のような水性製剤に加えられた後、ここで油中水膨潤性ポリマー粒子または溶解ポリマー分子から水中油膨潤性ポリマー粒子または溶解ポリマー分子への位相反転が起こり、基本状態では粘性で濃厚であるが、撹拌すると薄くなることが重要である。剪断希釈度の改善は、水性織物柔軟剤の製造中にポンプの寿命および特性に好ましい影響を与え、消費者に便利な剤の普及を促進し、特に自動注入装置を有する洗濯機における織物柔軟剤の無残留使用を推進する。本発明による逆分散体は、増粘剤自体の安定性および対応する製剤の安定性を高める。また、本発明のポリマーを含む水性製剤においても、位相反転後、ベシクル、様々な石けん相、マイクロカプセル、アルミニウムフレークのような付加的に加えられた粒子または他の粒子の沈降またはクリーミングが、これらの粒子がナノメートルの桁であるか、マイクロメートルの桁であるかまたはミリメートルの桁であるかに関わりなく、効果的に防止される。さらに、本発明による逆分散体は、所要の任意の再分散および増粘が極めて迅速に達成されるという利点を有する。
【0016】
逆分散体中に存在するカチオン性ポリマーが、少量の架橋剤を使用するか、あるいは架橋剤を使用せずに調製される本発明の実施形態は、同様に利点を伴う。ポリマーの比較的高い(水)可溶性成分により、洗濯操作中の再汚染が低減される。結果的に、洗濯される物品は、繰り返し洗濯操作後であっても、灰色化が検出されない程度に汚れ粒子が効果的に除去された清浄な繊維を有する。汚れ粒子が存在する場合でも、洗濯された物品には、汚れ粒子/ポリマーの極めてわずかな付着または再分配しか観察されず、その後、この汚れ粒子/ポリマーは、次の洗濯サイクルで蓄積効果を回避しながら除去することができる。また、上記の工程のこの段階において、本発明の安定化剤は、明らかに、特に比較的長い親水性Bブロックにより分散した固体粒子の安定化を支持している。
【0017】
逆乳化重合によってカチオン性ポリマーが得られる本発明の逆分散体のさらなる利点は、界面活性剤含有製剤において、低い増粘剤濃度(<1重量%)でも高い増粘性能および/または顕著な剪断希釈が達成されることから示される。
【0018】
本発明の逆分散体は、成分i)として化合物Aならびに場合によりBおよびCの重合により得られる少なくとも1種のカチオン性ポリマー、化合物ii)として安定化剤、および化合物iii)として非水性担体を含む。
【0019】
化合物i):カチオン性ポリマー
化合物Aによるカチオン性モノマーは、好ましくは式(I):
【0021】
(式中、
R
1は、HまたはC
1-C
4-アルキルであり、
R
2は、Hまたはメチルであり、
R
3は、C
1-C
4-アルキレンであり、
R
4、R
5およびR
6は、それぞれ独立して、HまたはC
1-C
30-アルキルであり、
Xは、-O-または-NH-であり、
Yは、Cl;Br;I;硫酸水素またはメトサルフェートである)
で表される化合物から選択される。
【0022】
本発明の1つの実施形態において、式(I)のカチオン性モノマー中、
i) R
1およびR
2がそれぞれHであるか、あるいは
ii) R
1がHであり、R
2がCH
3または好ましくはまたHである
ことが好ましい。
【0023】
特に好ましいカチオン性モノマーは、[2-(アクリロイルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウムクロリド(ジメチルアミノエチルアクリレートメトクロリド(DMA3*MeCl)とも呼ばれる)またはトリメチル-[2-(2-メチルプロパ-2-エノイルオキシ)エチル]アザニウムクロリド(ジメチルアミノエチルメタクリレートメトクロリド(DMAEMA*MeCl)とも呼ばれる)である。
【0024】
化合物Aは、少なくとも1種の非イオン性モノマーを含み得る。以下に記載の窒素含有モノマー(例えば、式(II)による化合物など)の他に、非イオン性モノマーとしてアニオン性モノマーのエステルが適している。このような非イオン性モノマーは、好ましくはアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸またはマレイン酸のメチルエステルまたはエチルエステル、例えばアクリル酸エチルまたはアクリル酸メチルである。さらに好ましいのは、対応するジメチルアミノ置換エステル(例えばジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート)である。
【0025】
好ましくは、カチオン性ポリマー中の化合物Aによる非イオン性モノマーは、N-ビニルピロリドン、N-ビニルイミダゾールまたは式(II):
【0027】
(式中、
R
7は、HまたはC
1-C
4-アルキルであり、
R
8は、Hまたはメチルであり、また
R
9およびR
10は、互いに独立して、HまたはC
1-C
30-アルキルである)
による化合物から選択される。
【0028】
非イオン性モノマーは、特に好ましくはアクリルアミド、メタクリルアミドまたはジアルキルアミノアクリルアミドである。
【0029】
また、非イオン性モノマーは、以下の式:
R-O-(CH
2-CHR’-O)
n-CO-CR”=CH
2
(式中、
Rは、C
6-C
50-アルキル、好ましくはC
8-C
30-アルキル、特にC
16-C
22-アルキルであり、
R'は、HまたはC
1-C
4-アルキル、好ましくはHであり、
R''は、Hまたはメチルであり、
nは、0〜100、好ましくは3〜50の整数、特に25である)
で表される化合物から選択されるエチレン性不飽和会合性モノマーであってもよい。
【0030】
これらの化合物は、脂肪アルコールエトキシレートのメタクリル酸エステルであってよい。
【0031】
また、化合物中のR基は、異なる鎖長(例えばC
16およびC
18など)を有する基の混合物として存在していてもよい。その一例は、C
16脂肪アルコール基とC
18脂肪アルコール基(無視できない量)の両方が混合物として存在するメタクリル酸C
16-C
18-脂肪アルコール-(エチレングリコール)
25-エーテルである。対照的に、例えばメタクリル酸ベヘニル-25およびメタクリル酸セチル-25では、特定のR基は、混合物としては存在しないが、C
22鎖またはC
16鎖として存在する。他の鎖長は、不純物の形態としてのみ生じる。これらの化合物における数「25」は、可変要素nの大きさを表す。
【0032】
従って、逆乳化重合中の水相は、例えば、連鎖移動剤、架橋剤、カチオン性モノマーおよび場合により非荷電モノマー、ならびに/または、例えばファンデルワールス力による疎水性-疎水性相互作用を与える会合性モノマー、また場合によりさらなる成分も含み得る。好適なさらなる成分は、例えば、塩用の錯化剤(例えばジエチレントリアミン五酢酸五ナトリウム)、またはpHを調整するために使用し得る化合物(例えばクエン酸)である。
【0033】
本発明の好ましい実施形態において、化合物i)、すなわちカチオン性ポリマーは、少なくとも1種のカチオン性モノマーの重合によって得ることができる。本発明の別の好ましい実施形態において、化合物i)、すなわちカチオン性ポリマーは、少なくとも1種のカチオン性モノマーと少なくとも1種の非イオン性モノマーとの重合によって得ることができる。好ましくは、カチオン性モノマーと非イオン性モノマーとの重量比は、90/10〜10/90の範囲内にあり、より好ましくは、カチオン性モノマーと非イオン性モノマーとの重量比は75/25〜40/60の範囲内にあり、さらに最も好ましくは60/40〜50/50の範囲内にある。
【0034】
重合によるポリマーの調製において、少なくとも1種の架橋剤が、場合により化合物Bとして存在し得る。好適な架橋剤は当業者に公知である。好ましくは、本発明のポリマーにおいて、化合物Bによる架橋剤は、ジビニルベンゼン;テトラアリルアンモニウムクロリド;アクリル酸アリル;メタクリル酸アリル;グリコールまたはポリグリコールのジアクリル酸エステルおよびジメタクリル酸エステル;ブタジエン;1,7-オクタジエン;アリルアクリルアミドまたはアリルメタクリルアミド;ビスアクリルアミド酢酸;N,N'-メチレンビスアクリルアミドまたはポリオールポリアリルエーテル(例えばポリアリルスクロースエーテルまたはペンタエリスリトールトリアリルエーテル)から選択される。好ましい架橋剤として、ジアルキルジメチルアンモニウムクロリドもまた好適である。
【0035】
さらに、重合によるポリマーの調製中、少なくとも1種の連鎖移動剤を化合物Cとして使用することができる。好適な連鎖移動剤は当業者に公知である。化合物Cによる好ましい連鎖移動剤は、メルカプタン、乳酸、ギ酸、イソプロパノールまたは次亜リン酸塩から選択される。
【0036】
好ましくは、本発明の逆分散体は、
a) 20〜99.99重量%、好ましくは95〜99.95重量%(ポリマーに基づいて)の少なくとも1種のカチオン性モノマー、および場合により少なくとも1種の非イオン性モノマー、
b) 0〜0.3重量%、好ましくは0.0075〜0.1%、さらにより好ましくは0.01〜0.1重量%(ポリマーに基づいて)、さらにより好ましくは0.05〜0.1重量%の、場合により少なくとも1種の架橋剤、
c) 0〜3重量%、好ましくは0.05〜0.5重量%(ポリマーに基づいて)の、場合により少なくとも1種の連鎖移動剤
の、1種の安定化剤の存在下での重合によって得られる少なくとも1種のカチオン性ポリマーを含み、ここで上記の安定化剤は50個を超える炭素原子を有する疎水性鎖を1つ以上有し、好ましくは安定化剤のカチオン性ポリマーに対する比は、0.1重量%〜10重量%の範囲内にある。
【0037】
本発明のさらなる実施形態において、カチオン性ポリマーの総重量に基づいて10重量%〜100重量%、好ましくはカチオン性ポリマーの総重量に基づいて25重量%〜50重量%が水溶性ポリマーである。カチオン性ポリマーの水溶性ポリマーは、水性媒体中で0,1〜100Sved、好ましくは1〜30Svedの沈降係数を有する。カチオン性ポリマーの溶解性は、当業者に公知の方法により、本発明の増粘剤に含まれるカチオン性ポリマーと規定量の水とを混合することによって(例えば、EP-A 343 840を参照)、または好ましくはP. Schuck, "Size-distribution analysis of macromolecules by sedimentation velocity ultracentrifugation and Lamm equation modeling", Biophysical Journal 78,(3) (2000), 1606-1619によるスヴェドベリ(sved)単位の沈降係数の測定方法によって測定される。
【0038】
本発明のさらに好ましい実施形態において、カチオン性ポリマーの総重量に基づいて0%〜90重量%、好ましくはカチオン性ポリマーの総重量に基づいて50%〜75重量%が架橋水膨潤性ポリマーである。架橋水膨潤性ポリマーは、水性媒体中で300Svedを超える、好ましくは600〜20 000Svedの沈降係数を有する。
【0039】
本発明の特に好ましい実施形態において、カチオン性ポリマーの重合に使用される架橋剤(化合物B)の割合は、1%未満、好ましくは0.1重量%未満(化合物A〜Cの総量に基づいて)である。
【0040】
より好ましくは、カチオン性ポリマーの重合に架橋剤は使用されない。
【0041】
化合物ii):安定化剤
本発明の逆分散体は、化合物ii)として少なくとも1種の安定化剤をさらに含む。安定化剤自体は、原則として当業者に公知である。
【0042】
好適な安定化剤は、好ましくは界面活性剤またはポリマー乳化剤である。
【0043】
界面活性剤は、例えばアニオン性、非イオン性、カチオン性および/または両性界面活性剤である。例えば、US2004/0071716 A1中に開示されているアニオン性および/または非イオン性界面活性剤を使用することが好ましい。
【0044】
上記の技術水準において、疎水性連続相中で分散親水性ポリマー粒子を安定化させるための低HLB値を有する安定化剤が記載されている。これらの剤は、コポリマーのモノもしくはオリゴグルコシドまたはカルボン酸含有部分のような親水性部分、および例えば様々な鎖長を有するアルキル鎖のような疎水性部分を有する。親水性部分は親水性ポリマー粒子中で溶解し、疎水性部分は粒子の表面上で濃縮されて疎水性連続相に溶解し、親水性カチオン性ポリマー粒子の周囲に「疎水性毛状層(hydrophobic hairy layer)」を形成する。このようにして、立体安定化の効果は親水性粒子の不安定化および凝固を防ぐ。従って、安定化効果は、逆乳化重合工程中の大きな粒子(凝固)を回避するため、また逆分散体の保存安定性(水性製剤中で逆分散体が使用される前に粒子の沈降を回避する)のための両方で重要である。また立体安定化は、特に高電解質含有分散体または製剤においても効果的である。
【0045】
この発明によれば、安定化剤が、疎水性単位当たり30個を超える炭素原子、好ましくは疎水性単位当たり50個を超える炭素原子を有する疎水性単位を1つ以上有する場合、この安定化剤は、疎水性連続相中に分散している親水性ポリマー粒子の安定化効果の劇的な増大をもたらすことが見出された。上記の炭素原子は、好ましくはCH
2基またはCH(C
1-C
8アルキル)基またはC(CH
3)
2基の一部であってよい。一般に、本発明の目的のために、疎水性単位当たり30個を超える炭素原子、好ましくは疎水性単位当たり50個を超える炭素原子を含み、かつ疎水性性単位当たり300個未満の炭素原子、好ましくは疎水性単位当たり150個未満の炭素原子を含む全ての乳化剤またはポリマー安定化剤が求められる。場合により、上記の疎水性鎖において、7個毎未満、好ましくは11個毎未満のCH
2基を、酸素、窒素、硫黄、リンのような他の原子またはカーボネート基、イソシアネート基、カルバミド基、エステル基もしくは他の基のような基により、以下に記載される低HLB値を得るためにこれらが疎水性単位の疎水性特性を本質的に妨げない量で置換することができる。ブロック、グラフトまたは櫛型構造は、好ましくはポリヒドロキシステアリン酸に基づく。ブロック構造において、ABブロックまたは特にABAブロックが好ましい。ABAブロック構造において、Aブロックは、好ましくはポリヒドロキシステアリン酸に基づき、Bブロックは、ポリアルキレンオキシド、好ましくはポリエチレンオキシド、さらにより好ましくは15エチレンオキシド単位または30エチレンオキシド単位または75エチレンオキシド単位を含むポリエチレンオキシドに基づく。
【0046】
好ましい安定化剤は、少なくとも3000g/モル、好ましくは少なくとも5000g/モルおよび最大で16000g/モル、好ましくは最大で10000g/モルの分子量を有する。
【0047】
本発明の文脈において、(比較的)低HLB(親水性-親油性バランス)値を有する安定化界面活性剤を使用することがさらに好ましい。安定化剤は、好ましくは1〜12、より好ましくは3〜9および特に好ましくは5〜7のHLB値を有する。
【0048】
これらの本発明の安定化界面活性剤の好ましい濃度は、ポリマーに対して0.1%〜10%、好ましくは1%〜5%の間にある。
【0049】
ポリマー乳化剤は、好ましくは一般式A-COO-B-OOC-Aを有するブロックコポリマーであり、式中、Bは、水溶性ポリアルキレングリコールの二価の残基であり、Aは、油溶性錯体モノカルボン酸の残基である。このようなポリマー乳化剤ならびにその調製は、GB 2002400およびW09607689に開示されており、これら文献の内容は参照により本明細書に組み込まれる。GB2002400中に記載されている乳化剤は、Aが、少なくとも500の分子量を有し、かつ油溶性錯体モノカルボン酸(すなわち脂肪酸)の残基である乳化剤である。これらの錯体モノカルボン酸は、一般式:
【0051】
(式中、
Rは、水素または一価の炭化水素基もしくは置換炭化水素基であり;
R
1は、水素または一価のC
1〜C
24炭化水素基であり;
R
2は、二価のC
1〜C
24炭化水素基であり;
nは、0または1であり;
pは、0〜200の整数である)
によって表すことができる。
【0052】
式1中の括弧間の単位は、全く同じであってもよいし、またはR1、R2およびnに関して異なっていてもよい。数pは、通常は錯酸(complex acid)の全分子について同じ固有値を有さないが、ポリマー材料において一般的であるとおり、記載した範囲内にある平均値の周囲に統計的に分布する。ポリマー成分Bは、少なくとも500の分子量を有し、一般式
【0054】
(式中、
R
3は、水素またはC
1〜C
3アルキル基であり;
qは、10〜500の整数である)
を有する水溶性ポリアルキレングリコールの二価の残基である。
【0055】
本発明において使用される最も好ましい乳化剤は、例えば、PEG30ジポリヒドロキシステアレートである。本発明と共に使用するための別の類似の乳化剤は、ポリエチレングリコールと、約5000のモル重量を有するポリヒドロキシステアリン酸とのブロックコポリマー(A-B-A)である。
【0056】
さらに、これらのABA型ブロックコポリマーの使用は、保存中に優れた安定性を有する油中水エマルションをもたらし、これにより前記エマルションの保存期間を改善する。得られる油中水エマルションは安定であり、また低温、特に25℃において液体である。
【0057】
化合物iii):非水性担体
本発明の増粘剤において、カチオン性ポリマーは、好ましくは逆分散体、油中水分散体として、または油中の分散無水カチオン性ポリマーとして、油相中に分散して存在し得る(すなわち非水性担体が油相である)。
【0058】
WO 2005/097834中で定義されるとおり、好適な油相は、1種以上の、220℃超の沸点を有する高沸点油(例えば、ステアリン酸2-エチルヘキシルおよび水素加熱(hydroheated)重ナフサ)、および220℃未満の沸点を有する好適な低沸点油(例えば、脱芳香族化脂肪族炭化水素または低粘度の鉱物油)を含む。
【0059】
本発明はさらに、以下のもの:
i) 少なくとも1種のカチオン性ポリマーであって、
a) 少なくとも1種のカチオン性モノマーおよび場合により少なくとも1種の非イオン性モノマー(化合物A)、
b) 場合により少なくとも1種の架橋剤(化合物B)、
c) 場合により少なくとも1種の連鎖移動剤(化合物C)、
の重合により得られる前記カチオン性ポリマー、
ii) 少なくとも1種の安定化剤(ここで安定化剤は、30個を超える炭素原子、好ましくは50個を超える炭素原子を有する疎水性鎖を1つ以上有する)、
iii) 少なくとも1つの非水性担体
を含む逆分散体の製造方法であって、逆分散体が、液体分散ポリマー技術(Liquid Dispersion Polymer Technology)を用いた逆乳化重合、場合によりそれに続く蒸留によって得られる上記方法を提供する。
【0060】
本発明の文脈において、カチオン性ポリマーは逆乳化重合によって調製される。逆乳化重合は、それ自体当業者に公知である。逆乳化重合は、当業者により一般に以下の定義による重合工程を意味すると理解される:親水性モノマーを疎水性油相に分散させる。重合は、これらの親水性モノマー粒子において、開始剤の添加により直接引き起こされる。
【0061】
さらに、逆乳化重合の後、水の少なくとも一部および油相の低沸点成分の少なくとも一部が、特にLDP技術(液体分散ポリマー技術)により蒸留除去されることが好ましい。LDP技術自体は当業者に公知であり;例えば、WO 2005/097834に記載されている。逆分散体はこのようにして得られる。
【0062】
以下の情報は、別段の記載がない限り、あらゆる種類の乳化重合、例えば、水中乳化重合(水が連続相を構成する)に適用し、また特に逆乳化重合(疎水性油相が連続相を構成する)にも適用する。
【0063】
水相は、例えば、連鎖移動剤、架橋剤、カチオン性モノマーおよび場合により非荷電モノマー、ならびに場合によりさらなる成分を含む。好適なさらなる成分は、例えば、塩の錯化剤(例えば、ジエチレントリアミン五酢酸五ナトリウム)、またはpHを調整するために使用することができる化合物(例えばクエン酸)である。
【0064】
油相は、好ましくは乳化剤、安定化剤、高沸点油および低沸点油を含む。さらに、油相は、場合により非イオン性モノマーまたは油溶性界面活性剤、水による希釈中に相転移を誘導する活性化剤、架橋剤、連鎖移動剤または開始剤成分を含み得る。
【0065】
重合には、好適な重合開始剤が使用される。レドックス開始剤および/または熱的に活性化可能なフリーラジカル重合開始剤が好ましい。
【0066】
好適な熱的に活性化可能なフリーラジカル開始剤またはレドックス開始剤対の酸化成分は、特にペルオキシ型およびアゾ型のものである。これらは、過酸化水素、過酢酸、t-ブチルヒドロペルオキシド、過酸化ジ-t-ブチル、過酸化ジベンゾイル、ベンゾイルヒドロペルオキシド、過酸化2,4-ジクロロベンゾイル、2,5-ジメチル-2,5-ビス(ヒドロペルオキシ)ヘキサン、過安息香酸、ペルオキシピバル酸t-ブチル、過酢酸t-ブチル、過酸化ジラウロイル、過酸化ジカプリロイル、過酸化ジステアロイル、過酸化ジベンゾイル、ペルオキシ二炭酸ジイソプロピル、ペルオキシ二炭酸ジデシル、ペルオキシ二炭酸ジエイコシル、過安息香酸ジ-t-ブチル、アゾビスイソブチロニトリル、2,2'-アゾビス-2,4-ジメチルバレロニトリル、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウムおよび過リン酸ナトリウムを含む。
【0067】
過硫酸塩(ペルオキソ二硫酸塩)、特に過硫酸ナトリウムが最も好ましい。
【0068】
逆分散体は、t-ブチルヒドロペルオキシドと臭素酸カリウムのような、レドックス開始剤の酸化成分の混合物を含んでいてよく、好ましい還元成分は亜硫酸水素ナトリウムである。
【0069】
乳化重合の実施において、開始剤は、重合反応を開始するのに十分な量で使用される。開始剤は、典型的には使用されるモノマーの総重量に基づいて約0.01〜3重量%の量で使用される。開始剤の量は、好ましくは使用されるモノマーの総重量に基づいて約0.05〜2重量%、また特に0.1〜1重量%である。
【0070】
乳化重合は、典型的には0℃〜100℃において引き起こされる。乳化重合は、バッチ法として、または供給法(feed process)の形で実施することができる。供給法では、重合開始剤の少なくとも一部、また場合によりモノマーの一部を初期充填して重合温度に加熱し、次いで、残りの重合混合物を、典型的には数回の別々の供給(その1回以上がモノマーを純粋形態または乳化形態で含む)にわたって、重合を継続しながら連続的にまたは段階的に供給する。モノマーを、モノマーエマルションの形態で供給することが好ましい。モノマー供給と並行して、さらなる重合開始剤を計量導入することができる。
【0071】
好ましい実施形態において、開始剤の全量が初期充填され、すなわちモノマーの供給と並行した開始剤のさらなる計量導入は行われない。
【0072】
従って、好ましい実施形態において、熱的に活性化可能なフリーラジカル重合開始剤が完全に初期充填され、好ましくはモノマーエマルションの形態のモノマー混合物が供給される。モノマー混合物の供給を開始する前に、初期充填物を熱的に活性化可能なフリーラジカル重合開始剤の活性化温度またはそれより高い温度にする。活性化温度は、1時間後に開始剤の少なくとも半分が分解されている温度であると考えられる。
【0073】
別の好ましい調製方法において、カチオン性ポリマーは、レドックス開始剤系の存在下におけるモノマー混合物の重合によって得られる。レドックス開始剤系は、少なくとも1種の酸化剤成分および少なくとも1種の還元剤成分を含み、この場合、重金属イオンは、好ましくは反応媒体中の触媒(例えばセリウムの塩、マンガンまたは鉄(II))としてさらに存在する。
【0074】
好適な酸化剤成分は、例えば、臭素酸ナトリウムまたは臭素酸カリウム、過酸化物および/またはヒドロペルオキシド(例えば、過酸化水素、tert-ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、ピナンヒドロペルオキシド、ジイソプロピルフェニルヒドロペルオキシド、過炭酸ジシクロヘキシル、過酸化ジベンゾイル、過酸化ジラウロイルおよび過酸化ジアセチル)である。過酸化水素およびtert-ブチルヒドロペルオキシドが好ましい。
【0075】
好適な還元剤成分は、アルカリ金属亜硫酸塩、アルカリ金属亜ジチオン酸塩、アルカリ金属次亜硫酸塩、亜硫酸水素ナトリウム、ロンガリットC(ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート)、モノおよびジヒドロキシアセトン、糖(例えばグルコールまたはデキストロース)、アスコルビン酸およびその塩、重亜硫酸アセトン付加物および/またはヒドロキシメタンスルフィン酸のアルカリ金属塩である。亜硫酸水素ナトリウムまたはメタ重亜硫酸ナトリウムが好ましい。
【0076】
鉄(II)塩(例えば硫酸鉄(II))、スズ(II)塩(例えば塩化スズ(II))、チタン(III)塩(例えば硫酸チタン(III))もまた好適な還元剤成分または触媒である。
【0077】
使用される酸化剤の量は、使用されるモノマーの総重量に基づいて、0.001〜5.0重量%、好ましくは0.005〜1.0重量%、またより好ましくは0.01〜0.5重量%である。還元剤は、使用されるモノマーの総重量に基づいて、0.001〜2.0重量%、好ましくは0.005〜1.0重量%、またより好ましくは0.01〜0.5重量%の量で使用される。
【0078】
特に好ましいレドックス開始剤系は、ペルオキソ二硫酸ナトリウム/亜硫酸水素ナトリウム系、例えば0.001〜5.0重量%のペルオキソ二硫酸ナトリウムと0.001〜2.0重量%の亜硫酸水素ナトリウム、特に0.005〜1.0重量%のペルオキソ二硫酸ナトリウムと0.005〜1.0重量%の亜硫酸水素ナトリウム、より好ましくは0.01〜0.5重量%のペルオキソ二硫酸ナトリウムと0.01〜0.5重量%の亜硫酸水素ナトリウムである。
【0079】
さらに特に好ましいレドックス開始剤系は、t-ブチルヒドロペルオキシド/過酸化水素/アスコルビン酸、例えば0.001〜5.0重量%のt-ブチルヒドロペルオキシド、0.001〜5.0重量%の過酸化水素および0.001〜2.0重量%のアスコルビン酸、特に0.005〜1.0重量%のt-ブチルヒドロペルオキシド、0.005〜1.0重量%の過酸化水素および0.005〜1.0重量%のアスコルビン酸、より好ましくは0.01〜0.5重量%のt-ブチルヒドロペルオキシド、0.01〜0.5重量%の過酸化水素および0.01〜0.5重量%のアスコルビン酸である。
【0080】
本発明の好ましい実施形態において、熱開始剤とレドックス開始剤を一緒に使用してもよく、また使用される開始剤化合物の1つ以上の成分を部分的にまたは完全に予め供給してもよい。
【0081】
乳化剤、安定化剤、低沸点油および高沸点油は、それ自体当業者に公知である。これらの化合物は、個々にまたは混合物の形態で使用することができる。
【0082】
安定化剤の他に、典型的な乳化剤は、アニオン性乳化剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、トリデシルエーテル硫酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム塩およびアルキルアリールポリエーテルスルホネートのナトリウム塩);ならびに非イオン性乳化剤(例えば、アルキルアリールポリエーテルアルコールおよびエチレンオキシド-プロピレンオキシドコポリマー)である。ソルビタントリオレエートは、乳化剤として同様に適している。
【0083】
好ましい乳化剤は、以下の一般式:
R-O-(CH
2-CHR'-O)
n-X
(式中、RはC
6-C
30-アルキルであり、
R'は、水素またはメチルであり、
Xは、水素またはSO
3Mであり、
Mは、水素または1種のアルカリ金属であり、また
nは、2〜100の整数である)
を有する。
【0084】
好適な安定化剤は、例えば、EP-A 172 025またはEP-A 172 724に記載されている。好ましい安定化剤は、メタクリル酸ステアリルとメタクリル酸のコポリマーである。
【0085】
好適な高沸点油は、例えば、ステアリン酸2-エチルヘキシルおよび水素加熱重ナフサであり、好適な低沸点油は、例えば、脱芳香族化脂肪族炭化水素または低粘度の鉱物油である。
【0086】
本発明の好ましい実施形態において、化合物Aは、逆乳化重合において油相に完全にまたは部分的に添加される。
【0087】
逆乳化重合においては、温度は一定に保ってもよいし、あるいは上昇させてもよい。温度は、連続的にまたは段階的に上昇させることができる。例えば、重合中、温度は1分当たり0.1〜10℃で、好ましくは1分当たり0.5〜3℃で上昇させることができる。温度上昇は、開始剤添加の速度によって制御される。開始温度値は、0〜30℃、好ましくは10〜20℃であってよい。
【0088】
本発明の別の実施形態において、逆乳化重合における温度は一定に保たれ(低温法);その温度は、0〜30℃、好ましくは10〜20℃である。本発明のさらなる実施形態において、温度は比較的高い温度範囲内で一定に保たれる(高温法)。重合における温度は、40〜150℃、好ましくは70〜120℃である。
【0089】
本発明の特に好ましい実施形態において、逆乳化重合中、温度は一定に保たれ、その温度は少なくとも40℃、好ましくは50〜90℃である。
【0090】
本発明の文脈において、重合において(特に逆乳化重合において)温度が一定に保たれる場合、これは、重合開始から温度が一定値に保たれることを意味する。重合工程中の+/-5℃、好ましくは+/-2℃および特に+/-1℃の変動は、(所望の一定温度値に基づいて)一定温度であると見なされる。この温度は、重合が終了するまで一定に保たれるが、これは、好ましくは、使用されるモノマーの90%超、より好ましくは95重量%超の変換後の場合、また特に好ましくは完全変換(100重量%)における場合である。上記の温度は、冷却によって生じる反応の熱を除くことによって一定に保つことができる。重合の開始は、通常、重合開始剤の添加、好ましくはレドックス開始剤系の添加である。通常は、上記の系を最初に所望の温度まで加熱し、撹拌しながら一定温度になるのを待つ。その後、重合開始剤を添加し、その結果として重合工程が開始する。本発明の1つの実施形態において、温度は、使用される会合性モノマーの融点を上回る値に一定に保たれる。
【0091】
本発明の好ましい実施形態において、重合は低温で開始し、上記のとおり重合中は特定の温度に到達するまで温度が上昇し、次いで冷却によって重合温度が一定に保たれる。
【0092】
本発明は、好ましくは、少なくとも1種の上記の定義による本発明の増粘剤を含む界面活性剤含有アルカリ製剤を提供する。製剤のpHは7〜13である。
【0093】
酸性またはアルカリ性界面活性剤含有水性製剤を含む本発明の逆分散体は、当業者に公知のさらなる成分を含み得る。好適な成分は、ビルダー(洗濯助剤)、漂白剤、漂白活性化剤、酵素、電解質、非水性溶媒、pH調節剤、香料、香料担体、蛍光剤、染料、ハイドロトロープ、発泡防止剤、シリコーン油、抗再沈着剤、蛍光増白剤、灰色化防止剤、抗縮剤、抗しわ剤、染料移行防止剤、活性抗菌成分、殺菌剤、殺真菌剤、抗酸化剤、腐食防止剤、帯電防止剤、アイロンがけ助剤、疎水化剤および含浸剤、膨潤剤および滑り止め剤、UV吸収剤および織物柔軟化合物の群から選択される1種以上の物質を含む。
【0094】
本発明の1つの実施形態において、界面活性剤含有製剤は1重量%未満の逆分散体(全製剤に基づいて)を含み、逆分散体のカチオン性ポリマーは昇温における逆乳化重合によって得られる。好ましくは、本製剤は、0.01〜<1重量%の増粘剤を含む。
【0095】
本発明はさらに、本発明の界面活性剤含有酸性製剤の、好ましくは化粧室または浴室用の、ヘアスタイリングにおける、シャンプーとしての、軟化剤としての、コンディショナーとしての頭髪用化粧品中の使用、スキンクリームとしての、シャワージェルとしての、洗濯用の織物柔軟剤としての、または酸性洗剤としての使用を提供する。
【0096】
本発明はさらに、界面活性剤含有アルカリ性製剤の、液体洗濯組成物としての、または機械式もしくは手動の食器洗浄洗剤としての使用を提供する。
【0097】
本発明はさらに、本発明の増粘剤の、剪断希釈度を最適化するための粘度調節剤としての使用、ナノメートル〜ミリメートルの範囲のサイズを有する懸濁成分を安定化させるための増粘剤としての使用、および/または界面活性剤含有酸性もしくはアルカリ性製剤における使用を提供する。
【0098】
本発明は、本明細書中以下で実施例により例証される。
【実施例】
【0099】
実施例中、以下の略語を使用する:
モノマー
ACM アクリルアミド
DMA3*MeCl 2-トリメチルアンモニウムメチルアクリレートクロリドまたは
2-(アクリロイルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウムクロリド
DMAEMA*MeCl 2-トリメチルアンモニウムメチルメタクリレートクロリド
BEM メタクリル酸ベヘニル-25
MBA メチレンビスアクリルアミド(架橋剤)
TAAC テトラアリルアンモニウムクロリド(架橋剤)
NaHP 次亜リン酸ナトリウム(連鎖移動剤)
C16EO25MAc メタクリル酸C
16-C
18-脂肪アルコール(エチレングリコール)
25エーテル
その他
pphm モノマーの100部当たりの部
【0100】
実施例
一般的試験方法
別段の記載がない限り、以下に続く実施例においては、以下の一般的試験方法が用いられる。
【0101】
水性媒体中の粘度の測定
DIN 51550、DIN 53018、DIN 53019による方法に準拠して、以下の表中に別段の記載がない限り、規定されたスピンドルno. 2、3または6を用いて10または60回転/分の速度でブルックフィールドモデルDV II粘度計を使用し、ミリパスカル(mPas)で報告される粘度を測定する。
【0102】
1重量%水溶液生成物(約50重量%活性ポリマー)の25℃における粘度の測定 - ブルックフィールド粘度を、スピンドル3を装着したブルックフィールドDVIIを10rpmで使用して測定する。この試験は、脱イオン水中で25℃において実施する。初期粘度を、サンプル作成後35分以内に測定されるブルックフィールド粘度として定義する。
【0103】
0,4重量%生成物(約50重量%活性ポリマー)および100ppmの塩化カルシウムを含む水溶液の25℃における粘度の測定 - ブルックフィールド粘度を、スピンドル2を装着したブルックフィールドDVIIを60rpmで使用して測定する。この試験は、100ppmの脱イオン水中塩化カルシウム溶液中で25℃において実施する。初期粘度を、サンプル作成後2時間以内に測定されるブルックフィールド粘度として定義する。
【0104】
相およびブルックフィールド粘度の安定性の評価
ブルックフィールド粘度を、LV2スピンドルを装着したブルックフィールドDV-E粘度計を60RPMで使用して測定する。この試験は、機器の使用説明書に従って実施する。初期粘度を、サンプル作成後24時間以内に測定されるブルックフィールド粘度として定義する。サンプルを、ねじ蓋を有するガラス瓶中に保存し、35℃に維持した恒温室中で攪乱せずに経時変化させる。物理的安定性は、攪乱されていないガラス瓶中の生成物の目視の観察によって評価される。瓶の底に透明層が観察されない場合、生成物は安定であると見なされる。瓶の底に透明層が観察される場合、生成物は不安定であると見なされる。経時変化させたサンプルのブルックフィールド粘度を、瓶を手でティッピングしてサンプルを均質化させた後に測定する。
【0105】
粘度傾斜の測定
酸性化水を、約0.1ppmの塩酸を脱イオン水に加えることによって重量測定的に調製する。一連の水性ポリマー溶液を、上記の酸性化水中で、対数的にポリマーの0.01〜1ポリマー重量パーセントにわたるように調製する。各ポリマー溶媒溶液を、ポリマーと溶媒を、SpeedMixer DAC 150 FVZ-K(FlackTek Inc.(ランドラム、サウスカロライナ州)により作製された)を用いて2,500RPMで1分間、マックス60カップまたはマックス100カップ中で、水性ポリマー溶液の目標ポリマー重量パーセントに混合することによって重量測定的に調製する。各ポリマー溶媒溶液の剪断速度の関数としての粘度を、DSR 301測定ヘッドおよび同心円筒形状を有するAnton Paarレオメータを使用して、40の異なる剪断速度で測定する。各測定の時間差は180〜10秒の範囲にわたって対数的であり、測定の剪断速度範囲は0.001〜500 1/sである(低剪断速度から高剪断速度まで採られた測定値)。
【0106】
水性ポリマー溶媒溶液のポリマー重量パーセントの関数としての、0.01 1/sの剪断速度における0.2Pa s以上の粘度を、式Y = bX
a(式中、Xは溶媒ポリマー溶液中のポリマー濃度であり、Yはポリマー溶媒溶液粘度であり、bは外挿された溶媒ポリマー溶液粘度である)を用いて適合させ、Xがある重量パーセントについて外挿され、かつ指数aがポリマー濃度粘度スケーリング力である場合、指数aが最大値であるポリマー濃度範囲にわたる粘度傾斜として定義する。上記の式に適合させた粘度の範囲および得られた適合パラメータを表T1に挙げる。
【0107】
織物柔軟剤の標準製剤における本発明のポリマーの使用
W3:部分的に水素化されたメチルトリス(ヒドロキシエチル)アンモニウムジタロウ脂肪酸エステルメトサルフェート、織物柔軟剤(活性物含有量5.5%)の調製
上記の織物柔軟剤は、2.7のpHを有し、5.5重量%のメチルトリス(ヒドロキシエチル)アンモニウムジタロウ脂肪酸エステルメトサルフェート(部分的に水素化された)および94.5重量%の脱塩水を含む。
【0108】
1重量%分散体(約50重量%活性ポリマー)の、織物柔軟剤製剤W3への添加
本増粘剤を、特定の織物柔軟剤製剤に室温で徐々に加え、製剤が均質になるまで撹拌する。
【0109】
ブルックフィールド粘度を、規定されたスピンドルno.6を用いてブルックフィールドモデルDV II粘度計を10回転/分の速度で使用した調製の2時間後に測定し、mPasで報告する。結果を表4にまとめる。
【0110】
分析的超遠心分離法(AUC)を用いたモノマーの可溶性部分および不溶性部分の測定
本ポリマーの可溶性部分および不溶性部分の測定のため、分析的超遠心分離法を用いた分別実験を実施した。沈降速度法は、干渉光学検出系(波長675nm)を備えたBeckman Optima XL-I(Beckman Instruments、パロアルト、米国)を使用して実施する。サンプルを、高分子電解質スクリーニング効果を確実にするための塩溶液を用いて、臨界ポリマー重複濃度未満のポリマー濃度で測定した。遠心分離速度は、1000rpm〜45,000rpmの間で変動した。
【0111】
各画分についての中央値として定義される沈降係数と、ある沈降画分の濃度を、標準分析ソフトウェア(SEDFIT)を使用して、溶媒の密度および粘度、ならびにポリマーの特異的屈折率増分を用いて測定した。沈降係数は、スヴェドベリ(Sved)(1スヴェドベリ(Sved) = 10
-13秒)の単位である。水溶性で架橋された水膨潤性ポリマーの重量画分および沈降係数の測定の標準偏差は、それぞれ3%、10%および30%以下である。
【0112】
織物および試験見本の調製方法
織物を、Kenmore FS 600および/または80シリーズ洗濯機を使用して、北米(NA)最大負荷洗濯条件下で評価する。洗濯機を、90°F/60°Fの洗濯/すすぎ温度、硬度6gpg、通常サイクル、および中程度負荷(17ガロン)に設定する。織物の束は、100%綿からなる5.5ポンドの清浄織物で構成される。試験見本はこの束に組み込まれ、100%綿のユーロタッチ(Euro Touch)テリー織タオル(Standard Textile, Inc.(シンシナティ、オハイオ州)から購入した)で構成される。試験を実施する前に、束を、織物調製-剥離および湯通し法に従って剥離する。洗濯機が少なくとも半分水で満たされた後、タイドフリー(Tide Free)液体洗剤(1x推奨用量)を水面下に加える。水の流れが止まり、洗濯機が撹拌し始めたら清浄織物の束を加える。洗濯機がすすぎ水でほぼ満たされたとき、撹拌が始まる前に、織物ケア試験組成物を、試験見本または織物の束と確実に直接接触しないようにしながらゆっくりと加える(1x用量)。洗濯/すすぎサイクルが完了したとき、湿った織物の束をそれぞれ対応する乾燥機に移す。使用される乾燥機は、綿/高熱/時限乾燥設定でタイマーが55分に設定されたMaytagコマーシャルシリーズ(または同等物)の乾燥機である。乾燥機を止めてすぐに、活性物質沈着分析用に、各織物の束から12枚のテリータオルを取り外す。次いで、織物を、一定の温度/相対湿度(70°F、50%相対湿度)に制御した評価室中に12〜24時間置き、その後柔軟性および/または活性物質沈着について評価する。
【0113】
織物調製-剥離および湯通し法は、100%綿ユーロタッチ(Euro Touch)テリー織タオルの試験見本を含む清浄織物の束(5.5ポンド(lbs)の、100%綿を含む織物)の5回連続洗濯サイクルの洗濯とそれに続く乾燥サイクルを含む。AATCC(アメリカ繊維化学技術・染色技術協会(American Association of Textile Chemists and Colorists))高性能(HE)液体洗剤を使用して、試験見本織物および清浄織物の束(1回の洗濯サイクル当たり1x推奨用量)を剥離/湯通しする。洗濯条件は以下のとおりである:Kenmore FS 600および/または80シリーズ洗濯機(または同等物)、120°F/120°Fの洗濯/すすぎ温度、水の硬度0gpg相当、通常洗濯サイクル、中程度の負荷(17ガロン)に設定。乾燥機のタイマーを、綿/高熱/時限乾燥設定で55分に設定する。
【0114】
シリコーン測定法
シリコーンを、約0.5グラムの織物(試験見本処理法に従って予め処理した)から、12mLの、50:50のトルエン:メチルイソブチルケトンまたは15:85のエタノール:メチルイソブチルケトンのいずれかを用いて、20mLのシンチレーションバイアル中で抽出する。バイアルを、パルスボルテクサー上で30分間撹拌する。抽出物中のシリコーンを、誘導結合プラズマ発光分析(ICP-OES)を用いて定量する。既知のシリコーン濃度のICP較正標準を、同じ種類かまたは構造的に類似の種類のシリコーン原料を試験対象の製品として使用して作成する。上記の方法の測定範囲は、織物1グラム当たり8〜2300μgシリコーンである。織物1グラム当たり2300μgを超えるシリコーンの濃度は、その後希釈することにより評価することができる。シリコーンの沈着効率指数を、製剤実施例によりどの程度の量のシリコーンが送達されたかに対する、上記の測定技術によりどの程度の量のシリコーンが回収されたかのパーセンテージとして計算することによって決定する。分析は、本明細書中で概説される洗濯法に従って処理されたテリー織タオル(ユーロソフト(EuroSoft)タオル、Standard Textile, Inc.(シンシナティ、オハイオ州)から供給された)上で実施する。
【0115】
実施例において使用される安定化剤
安定化剤A(非イオン性ブロックコポリマー):ジポリ-ω-ヒドロキシステアリン酸PEG-75。
【0116】
安定化剤Bは、約5000g/モルの分子量、および5〜6の疎水性親油性バランス値(HLB)を有する非イオン性ABA-ブロックコポリマー(Aブロックはポリヒドロキシステアリン酸に基づき、Bブロックは約15エチレンオキシド単位を含むポリアルキレンオキシドに基づく)である。
【0117】
【化5】
【0118】
安定化剤C(非イオン性ブロックコポリマー):ジポリ(12-ヒドロキシステアリン酸)PEG-30
安定化剤D(非イオン性ブロックコポリマー):HLB5〜7を有するアルキドポリエチレングリコール-ポリイソブテン安定化界面活性剤
【0119】
【化6】
【0120】
比較実施例1(CE1)
カチオン性ポリマーの合成
水溶性成分の水相は、以下の成分を一緒に混合することによって調製する:
1.23g(0,5pphm)のクエン酸1水和物、
0.7g(0.29pphm)のジエチレントリアミン五酢酸五ナトリウムの水溶液、
43.78g(17.85pphm)の水、
29,56g(0.12pphm)のメチレンビスアクリルアミド(1%水溶液)、
8.0g(0.02pphm)のテトラアリルアンモニウムクロリド(TAAC)(5%水溶液)、
8.0g(0.02pphm)の次亜リン酸ナトリウム(5%水溶液)、および
326.66g(100.0pphm)のメチルクロリド四級化ジメチルアミノエチルメタクリレート。
【0121】
油相は、以下の成分を一緒に混合することによって調製する:
8.0g(2.45pphm)の、160℃〜190℃の沸点を有するソルビタントリオレエート(脱芳香族化脂肪族炭化水素中75%)。
67.8g(5.22pphm)のポリマー安定化剤(メタクリル酸ステアリル-メタクリル酸コポリマー:(溶媒中18.87%)
151.29g(61.75pphm)のステアリン酸2-エチルヘキシル、および
60.2g(24.57pphm)の、160℃〜190℃の沸点を有する脱芳香族化炭化水素溶媒。
【0122】
上記の2相を、高剪断下で、41.8部の油相と58.2部の水相の比で一緒に混合し、油中水エマルションを形成する。得られた油中水エマルションを、窒素スパージ管、撹拌棒および温度計を備えた反応器に移す。エマルションは窒素でパージして酸素を除去する。
【0123】
重合は、メタ重亜硫酸ナトリウムと第三級ブチルヒドロペルオキシドのレドックス対を、温度上昇が2℃/分となるように段階的に添加することによって引き起こされる。
【0124】
等温線に到達するとすぐに、フリーラジカル開始剤(2,2'-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)、CAS:13472-08-7)を2段階で添加し(第2段階は45分後)、エマルションを85℃で75分間保持する。
【0125】
真空蒸留を実施して水と揮発性溶媒を除去し、50%ポリマー固体の最終生成物を得る。
【0126】
この生成物に、34.3g(14.0pphm)の脂肪アルコールアルコキシレート[アルコールC6-C17(第二級)ポリ(3-6)エトキシレート:97%第二級アルコールエトキシレート + 3%ポリ(エチレンオキシド)]、(CAS No. 84133-50-6)を添加する。
【0127】
比較実施例2(CE2)
カチオン性ポリマーの合成
この実施例は、好適なカチオン性ポリマーの調製について例証する。
【0128】
水溶性成分の水相は、以下の成分を一緒に混合することによって調製する:
1.88g(0.5pphm)のクエン酸1水和物、
1.07g(0.29pphm)のジエチレントリアミン五酢酸五ナトリウムの水溶液、
220.37g(58.77pphm)の水、
3.75g(0.01pphm)のメチレンビスアクリルアミド(1%水溶液)、
0.75g(0.2pphm)のギ酸
281,25g(60.0pphm)のメチルクロリド四級化ジメチルアミノエチルアクリレート(DMA3*MeCl 80%水溶液)、および
300.00g(40.0pphm)のアクリルアミド(50%水溶液)。
【0129】
油相は、以下の成分を一緒に混合することによって調製する:
12.245g(2.45pphm)の、160℃〜190℃の沸点を有するソルビタントリオレエート(脱芳香族化脂肪族炭化水素中75%)、
103.825g(5.22pphm)の重合安定化剤、メタクリル酸ステアリル-メタクリル酸コポリマー(溶媒中18.87%)、
259.14g(69.1pphm)のステアリン酸2-エチルヘキシル、および
99.97g(26.66pphm)の、160℃〜190℃の沸点を有する脱芳香族化炭化水素溶媒。
【0130】
上記の2相を、高剪断下で、37部の油相と63部の水相の比で一緒に混合し、油中水エマルションを形成する。得られた油中水エマルションを、窒素スパージ管、撹拌棒および温度計を備えた反応器に移す。0.21g(0.056pphm)のWako V59を加え、エマルションを窒素でパージして酸素を除去する。
【0131】
重合は、メタ重亜硫酸ナトリウムと第三級ブチルヒドロペルオキシドのレドックス対を、温度上昇が2℃/分となるように段階的に添加することによって引き起こされる。等温線の完了後、エマルションを85℃で60分間保持する。次いで、72.7g(0.25pphm)の第三級ブチルヒドロペルオキシド(溶媒中1.29%)および82.2g(0.25pphm)のメタ重亜硫酸ナトリウム(エマルション中1.14%)を用いた残りのモノマーの還元を開始する(供給時間は3時間)。
【0132】
真空蒸留を実施して水と揮発性溶媒を除去し、最終生成物(すなわち50%ポリマー固体を含む分散体)を得る。
【0133】
この生成物に、52.5g(14.0pphm)のTergitol 15-S-7(エトキシル化第二級アルコール)を添加する。
【0134】
強化された可溶性ポリマー部分ならびに改善された沈着および強化された安定性を有する実施例2
カチオン性ポリマーの合成
この実施例は、好適なカチオン性ポリマーの調製について例証する。
【0135】
水溶性成分の水相は、以下の成分を一緒に混合することによって調製する:
1.88g(0.5pphm)のクエン酸1水和物、
1.07g(0.29pphm)のジエチレントリアミン五酢酸五ナトリウムの水溶液、
220.37g(58.77pphm)の水、
3.75g(0.01pphm)のメチレンビスアクリルアミド(1%水溶液)、
0.75g(0.2pphm)のギ酸
281,25g(60.0pphm)のメチルクロリド四級化ジメチルアミノエチルアクリレート(DMA3*MeCl80%水溶液)、および
300.00g(40.0pphm)のアクリルアミド(50%水溶液)。
【0136】
油相は、以下の成分を一緒に混合することによって調製する:
45.92g(2.45pphm)の、安定化界面活性剤としての安定化剤B(溶媒中20%)、
103.825g(5.22pphm)の重合安定化剤、メタクリル酸ステアリル-メタクリル酸コポリマー(溶媒中18.87%)、
295.13g(78.7pphm)のステアリン酸2-エチルヘキシル、および
30.3g(8.08pphm)の、160℃〜190℃の沸点を有する脱芳香族化炭化水素溶媒。
【0137】
上記の2相を、高剪断下で、37部の油相と63部の水相の比で一緒に混合し、油中水エマルションを形成する。得られた油中水エマルションを、窒素スパージ管、撹拌棒および温度計を備えた反応器に移す。0.38g(0.1pphm)のWako V59を加え、エマルションを窒素でパージして酸素を除去する。
【0138】
重合は、メタ重亜硫酸ナトリウムと第三級ブチルヒドロペルオキシドのレドックス対を、温度上昇が2℃/分となるように段階的に添加することによって引き起こされる。等温線の完了後、エマルションを85℃で60分間保持する。次いで、72.7g(0.25pphm)の第三級ブチルヒドロペルオキシド(溶媒中1.29%)および82.2g(0.25pphm)のメタ重亜硫酸ナトリウム(エマルション中1.14%)を用いた残りのモノマーの還元を開始する(供給時間は3時間)。
【0139】
真空蒸留を実施して水と揮発性溶媒を除去し、最終生成物(すなわち50%ポリマー固体を含む分散体)を得る。
【0140】
この生成物に、52.5g(14.0pphm)の脂肪アルコールアルコキシレート[アルコールC6-C17(第二級)ポリ(3-6)エトキシレート:97%第二級アルコールエトキシレート + 3%ポリ(エチレンオキシド)]、(CAS No. 84133-50-6)を加える。
【0141】
実施例2.1〜2.6は、実施例2について上記した方法と同じ方法に従って調製する。実施例2.5については、酸化レドックス開始剤成分であるt-ブチルヒドロペルオキシドを、重合工程の前半に臭素酸カリウムで置換し、水相に供給した。
【0142】
【表1】
【0143】
安定化剤A、CおよびDを用いた実施例は、安定化剤Bを使用した場合に得られる結果と同等の結果をもたらす。
【0144】
【表2】
【0145】
【表3】
【0146】
保存時間後、ポリマー粒子を含まない分散体(セラム(serum)と呼ばれる)の上部に溶媒が存在せず、室温における保存後にポリマー粒子が沈降しておらず、2つ以上の粒子の凝集によって凝固が形成されない場合、逆ポリマー分散体は安定であると言われる。
【0147】
【表4】
【0148】
【表5】
【0149】
【表6】
【0150】
【表7】
【0151】
【表8】
本発明の実施形態として例えば以下を挙げることができる。
[実施形態1]
逆分散体であって、以下のもの:
i) 少なくとも1種のカチオン性ポリマーであって、
a) 少なくとも1種のカチオン性モノマーおよび場合により少なくとも1種の非イオン性モノマー(化合物A)、
b) 場合により少なくとも1種の架橋剤(化合物B)、および
c) 場合により少なくとも1種の連鎖移動剤(化合物C)、
の重合により得られる前記カチオン性ポリマー、
ii) 少なくとも1種の安定化剤、ここで該安定化剤は、疎水性単位当たり30個を超える炭素原子を有する疎水性単位を1つ以上有する、および
iii) 少なくとも1つの油相
を含む、前記逆分散体。
[実施形態2]
安定化剤が、疎水性単位当たり50個を超える炭素原子を有する疎水性単位を1つ以上有する、実施形態1に記載の逆分散体。
[実施形態3]
化合物Aが、少なくとも1種のカチオン性モノマーと少なくとも1種の非イオン性モノマーとを含む、実施形態1または2に記載の逆分散体。
[実施形態4]
カチオン性モノマーと非イオン性モノマーとの重量比が、90/10〜10/90の範囲内にある、実施形態1〜3のいずれかに記載の逆分散体。
[実施形態5]
カチオン性モノマーが、式(I):
【化7】
(式中、
R1は、HまたはC1-C4-アルキルであり、
R2は、Hまたはメチルであり、
R3は、C1-C4-アルキレンであり、
R4、R5およびR6は、それぞれ独立して、HまたはC1-C30-アルキルであり、Xは、-O-または-NH-であり、さらに
Yは、Cl;Br;I;硫酸水素またはメトサルフェートである)
で表される化合物から選択される、実施形態1〜4のいずれかに記載の逆分散体。
[実施形態6]
カチオン性モノマーが、2-(アクリロイルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウムクロリドである、実施形態1〜5のいずれかに記載の逆分散体。
[実施形態7]
非イオン性モノマーが、N-ビニルピロリドン、N-ビニルイミダゾールまたは式(II):
【化8】
(式中、
R7は、HまたはC1-C4-アルキルであり、
R8は、Hまたはメチルであり、また
R9およびR10は、互いに独立して、HまたはC1-C30-アルキルである)
による化合物から選択される、実施形態1〜6のいずれかに記載の逆分散体。
[実施形態8]
非イオン性モノマーがアクリルアミドである、実施形態1〜7のいずれかに記載の逆分散体。
[実施形態9]
化合物Bが、ジビニルベンゼン;テトラアリルアンモニウムクロリド;アクリル酸アリル;メタクリル酸アリル;グリコールまたはポリグリコールのジアクリル酸エステルおよびジメタクリル酸エステル;ブタジエン;1,7-オクタジエン;アリルアクリルアミドまたはアリルメタクリルアミド;ビスアクリルアミド酢酸;N,N'-メチレンビスアクリルアミドまたはポリオールポリアリルエーテルから選択される、実施形態1〜8のいずれかに記載の逆分散体。
[実施形態10]
化合物Cが、メルカプタン、乳酸、ギ酸、イソプロパノールまたは次亜リン酸塩から選択される、実施形態1〜9のいずれかに記載の逆分散体。
[実施形態11]
安定化剤が3〜9の親水性-親油性バランス値を有する、実施形態1〜10のいずれかに記載の逆分散体。
[実施形態12]
安定化剤が5〜7の親水性-親油性バランス値を有する、実施形態1〜11のいずれかに記載の逆分散体。
[実施形態13]
安定化剤が、ブロック構造、グラフト構造または櫛型構造を有する、実施形態1〜12のいずれかに記載の逆分散体。
[実施形態14]
安定化剤が、Aブロックとしてのポリヒドロキシステアリン酸およびBブロックとしてのポリアルキレンオキシドに基づくABAブロック構造を有する、実施形態1〜13のいずれかに記載の逆分散体。
[実施形態15]
カチオン性ポリマーの総重量に基づいて10重量%〜100重量%が水溶性ポリマーである、実施形態1〜14のいずれかに記載の逆分散体。
[実施形態16]
カチオン性ポリマーの水溶性ポリマーが、水性媒体中で0,1〜100Svedの沈降係数を有する、実施形態15に記載の逆分散体。
[実施形態17]
カチオン性ポリマーの総重量に基づいて0〜90重量%が架橋水膨潤性ポリマーである、実施形態1〜14のいずれかに記載の逆分散体。
[実施形態18]
架橋水膨潤性ポリマーが、水性媒体中で300Svedを超える沈降係数を有する、実施形態17に記載の逆分散体。
[実施形態19]
逆分散体が、水性媒体中で約3.7〜約6.5、約3.9〜約6、約4〜約5.5、約4〜約4.2の粘度傾斜を示す、実施形態1〜18のいずれかに記載の逆分散体。
[実施形態20]
以下のもの:
i) 少なくとも1種のカチオン性ポリマーであって、
a) 少なくとも1種のカチオン性モノマーおよび場合により少なくとも1種の非イオン性モノマー、
b) 場合により少なくとも1種の架橋剤、および
c) 場合により少なくとも1種の連鎖移動剤、
の重合により得られる前記カチオン性ポリマー、
ii) 少なくとも1種の安定化剤、ここで該安定化界面活性剤は、30個を超える炭素原子、好ましくは50個を超える炭素原子を有する疎水性鎖を1つ以上有する、および
iii) 少なくとも1つの油相
を含む逆分散体の製造方法であって、該逆分散体が、液体分散ポリマー技術を用いた逆乳化重合、場合によりそれに続く蒸留によって得られる、前記方法。