特許第6211822号(P6211822)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6211822
(24)【登録日】2017年9月22日
(45)【発行日】2017年10月11日
(54)【発明の名称】電力供給回路
(51)【国際特許分類】
   H03K 17/06 20060101AFI20171002BHJP
   H03K 17/04 20060101ALI20171002BHJP
   H03K 17/687 20060101ALI20171002BHJP
   H02M 3/07 20060101ALI20171002BHJP
【FI】
   H03K17/06 063
   H03K17/04 E
   H03K17/687 A
   H02M3/07
【請求項の数】9
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2013-127818(P2013-127818)
(22)【出願日】2013年6月18日
(65)【公開番号】特開2014-82744(P2014-82744A)
(43)【公開日】2014年5月8日
【審査請求日】2016年5月19日
(31)【優先権主張番号】特願2012-216188(P2012-216188)
(32)【優先日】2012年9月28日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】303046277
【氏名又は名称】旭化成エレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100066980
【弁理士】
【氏名又は名称】森 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100109380
【弁理士】
【氏名又は名称】小西 恵
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(72)【発明者】
【氏名】相浦 正巳
【審査官】 白井 亮
(56)【参考文献】
【文献】 特開平06−311731(JP,A)
【文献】 特開2009−240151(JP,A)
【文献】 特開平07−006583(JP,A)
【文献】 特開2002−123234(JP,A)
【文献】 特開2008−136047(JP,A)
【文献】 特開平04−222455(JP,A)
【文献】 特開2006−165703(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03K 17/06
H02M 3/07
H03K 17/04
H03K 17/687
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力される負荷制御信号に応じてトランジスタを制御することにより負荷を駆動する負荷駆動回路に対して、電力供給を行う電力供給回路であって、
入力電力の電圧を昇圧し、前記電圧が昇圧された後の電力を前記トランジスタ駆動用の電力として供給する昇圧回路と、前記負荷制御信号に応じて前記昇圧回路の電力供給能力を切り替える電力供給能力切替回路と、を備え、
前記昇圧回路は、前記負荷制御信号に応じて電力供給能力が可変であり、
前記電力供給能力切替回路は、前記負荷制御信号が、前記負荷への電力供給量がより小さいことを示す負荷制御信号であるときほど前記電力供給能力がより低くなるように、前記電力供給能力を切り替えることを特徴とする電力供給回路。
【請求項2】
前記電力供給能力切替回路は、前記負荷制御信号に応じた周波数を有する電力供給能力切替用のクロック信号を出力し、
前記負荷制御信号が、前記負荷への電力供給量がより小さいことを示す負荷制御信号であるときほど、前記電力供給能力切替用のクロック信号の周波数はより小さいことを特徴とする請求項1に記載の電力供給回路。
【請求項3】
前記電力供給能力切替回路は、
前記負荷制御信号が、前記負荷への電力供給量がしきい値以上であることを示す負荷制御信号であるとき、周波数が第1の周波数である第1のクロック信号を前記電力供給能力切替用のクロック信号として出力し、
前記負荷制御信号が、前記負荷への電力供給量が前記しきい値未満であることを表す負荷制御信号であるとき、周波数が前記第1の周波数よりも低い第2の周波数である第2のクロック信号を前記電力供給能力切替用のクロック信号として出力することを特徴とする請求項に記載の電力供給回路。
【請求項4】
前記電力供給能力切替回路は、
第3のクロック信号を生成する発振回路と、
前記第3のクロック信号の周波数を、前記第1の周波数および前記第2の周波数に周波数変換して前記第1のクロック信号および前記第2のクロック信号を生成する周波数変換回路と、を備え、
前記周波数変換回路は、前記負荷制御信号が、前記電力供給量が前記しきい値以上であることを示す負荷制御信号であるとき前記第1のクロック信号を生成し、前記負荷制御信号が、前記電力供給量が前記しきい値未満であることを表す負荷制御信号であるとき前記第2のクロック信号を生成することを特徴とする請求項3に記載の電力供給回路。
【請求項5】
前記電力供給能力切替回路は、
前記第1のクロック信号を生成する第1の発振回路と、
前記第2のクロック信号を生成する第2の発振回路と、
前記負荷制御信号が、前記電力供給量が前記しきい値以上であることを示す負荷制御信号であるとき前記第1の発振回路を選択して前記第1のクロック信号を出力し、前記電力供給量が前記しきい値未満であることを表す制御信号であるとき前記第2の発振回路を選択して前記第2のクロック信号を出力する選択回路と、
を備えることを特徴とする請求項3に記載の電力供給回路。
【請求項6】
前記しきい値は、零であることを特徴とする請求項から請求項のいずれか1項に記載の電力供給回路。
【請求項7】
前記電力供給能力切替回路は、
第3のクロック信号を生成する発振回路と、
前記第3のクロック信号を異なる分周比で分周して、周波数の異なる複数のクロック信号を生成する分周器と、
前記分周で生成された複数のクロック信号のうち、前記負荷制御信号に応じた周波数のクロック信号を、前記電力供給能力切替用のクロック信号として選択する選択部と、を備え、
前記選択部は、前記負荷制御信号が、前記負荷への電力供給量がより小さいことを示す負荷制御信号であるときほど、周波数がより小さいクロック信号を選択することを特徴とする請求項2に記載の電力供給回路。
【請求項8】
前記電力供給能力切替回路は、
第3のクロック信号を生成する発振回路と、
前記第3のクロック信号を分周して前記電力供給能力切替用のクロック信号を生成する分周器と、を備え、
前記分周器は、前記負荷制御信号が、前記負荷への電力供給量がより小さいことを示す負荷制御信号であるときほど、周波数がより低くなる分周比に切り替えることを特徴とする請求項2に記載の電力供給回路。
【請求項9】
前記昇圧回路は、前記電力供給能力切替用のクロック信号に応じて前記入力電力の電圧を昇圧するチャージポンプ回路であることを特徴とする請求項から請求項のいずれか1項に記載の電力供給回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータドライバ、DC−DCコンバータ、電源接続回路などの直流電源装置に適用されるトランジスタをオンオフ制御するための制御用電圧などを供給する電力供給回路に関する。
【背景技術】
【0002】
モータドライバ、DC−DCコンバータ、電源接続回路などの直流電源装置は、入力電圧を、負荷を駆動するための出力電圧に変換するためのハイサイドMOSトランジスタを備えている。このような、ハイサイドMOSトランジスタを備えた直流電源装置においては、ハイサイドMOSトランジスタを駆動するためのオン電圧を、チャージポンプ回路を用いて充電し昇圧することにより生成し、このようにして生成したオン電圧を供給するようにしたものが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−214647号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述のように、ハイサイドMOSトランジスタを駆動するためのオン電圧をチャージポンプ回路により充電して生成する回路においては、負荷を駆動するための駆動許可信号が入力されている間、チャージポンプ回路を駆動してハイサイドMOSトランジスタにオン電圧を供給し、負荷を停止させるための駆動許可信号が入力されるとチャージポンプ回路を停止してオン電圧の供給を停止するようになっている。
【0005】
ここで、チャージポンプ回路では、負荷を駆動しない状態から負荷を駆動する状態となったとき、負荷を駆動するための駆動許可信号が入力された時点で起動されるため、この時点でチャージポンプ回路を構成するコンデンサの充電を開始することになる。そのため、コンデンサに充電が行われている間は、ハイサイドMOSトランジスタに供給されるオン電圧が安定せず、ハイサイドMOSトランジスタに供給されるオン電圧が安定するまでに時間がかかるという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は上記未解決の問題に着目してなされたものであり、ハイサイドMOSトランジスタを駆動するための制御用電圧が安定するまでの所要時間をより短縮することの可能な電力供給回路を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、入力される負荷制御信号に応じてトランジスタ(例えば、図1のハイサイドMOSトランジスタM1)を制御することにより負荷を駆動する負荷駆動回路(例えば、図1のモータ駆動回路2)に対して、電力供給を行う電力供給回路(例えば、図1の電力供給回路3)であって、入力電力の電圧を昇圧し、前記電圧が昇圧された後の電力を前記トランジスタ駆動用の電力として供給する昇圧回路(例えば、図1のチャージポンプ23)と、前記負荷制御信号に応じて前記昇圧回路の電力供給能力を切り替える電力供給能力切替回路(例えば、図1の発振回路21および分周回路22)と、を備え、前記昇圧回路は、前記負荷制御信号に応じて電力供給能力が可変であり、前記電力供給能力切替回路は、前記負荷制御信号が、前記負荷への電力供給量がより小さいことを示す負荷制御信号であるときほど前記電力供給能力がより低くなるように、前記電力供給能力を切り替えることを特徴とする電力供給回路、である。
【0009】
前記電力供給能力切替回路は、前記負荷制御信号に応じた周波数を有する電力供給能力切替用のクロック信号を出力し、前記負荷制御信号が、前記負荷への電力供給量がより小さいことを示す負荷制御信号であるときほど、前記電力供給能力切替用のクロック信号の周波数はより小さいものであってよい。
前記電力供給能力切替回路(例えば、図1の発振回路21および分周回路22)は、前記負荷制御信号が、前記負荷への電力供給量がしきい値以上であることを示す負荷制御信号であるとき、周波数が第1の周波数である第1のクロック信号を前記電力供給能力切替用のクロック信号として出力し、前記負荷制御信号が、前記負荷への電力供給量が前記しきい値未満であることを表す負荷制御信号であるとき、周波数が前記第1の周波数よりも低い第2の周波数である第2のクロック信号を前記電力供給能力切替用のクロック信号として出力するようになっていてよい。
【0010】
前記電力供給能力切替回路は、第3のクロック信号を生成する発振回路(例えば、図1の発振回路21)と、前記第3のクロック信号の周波数を、前記第1の周波数および前記第2の周波数に周波数変換して前記第1のクロック信号および前記第2のクロック信号を生成する周波数変換回路(例えば、図1の分周回路22)と、を備え、前記周波数変換回路は、前記負荷制御信号が、前記電力供給量が前記しきい値以上であることを示す負荷制御信号であるとき前記第1のクロック信号を生成し、前記負荷制御信号が、前記電力供給量が前記しきい値未満であることを表す負荷制御信号であるとき前記第2のクロック信号を生成するようになっていてよい。
【0011】
前記電力供給能力切替回路は、前記第1のクロック信号を生成する第1の発振回路(例えば、図9の第1発振回路51)と、前記第2のクロック信号を生成する第2の発振回路(例えば、図9の第2発振回路52)と、前記負荷制御信号が、前記電力供給量が前記しきい値以上であることを示す負荷制御信号であるとき前記第1の発振回路を選択して前記第1のクロック信号を出力し、前記電力供給量が前記しきい値未満であることを表す制御信号であるとき前記第2の発振回路を選択して前記第2のクロック信号を出力する選択回路(例えば、図9のクロック選択回路53)と、を備えていてよい。
【0012】
前記しきい値は、零であってもよい。
前記電力供給能力切替回路(例えば、図11のクロック制御回路71)は、第3のクロック信号を生成する発振回路(例えば、図12の発振回路21)と、前記第3のクロック信号を異なる分周比で分周して、周波数の異なる複数のクロック信号を生成する分周器(例えば、図12の分周器74)と、前記分周期で生成された複数のクロック信号のうち、前記負荷制御信号に応じた周波数のクロック信号を、前記電力供給能力切替用のクロック信号として選択する選択部(例えば、図12の選択スイッチ75)と、を備え、前記選択部は、前記負荷制御信号が、前記負荷への電力供給量がより小さいことを示す負荷制御信号であるときほど、周波数がより小さいクロック信号を選択するようになっていてよい。
【0013】
前記電力供給能力切替回路(例えば、図11のクロック制御回路71)は、第3のクロック信号を生成する発振回路(例えば、図15の発振回路21)と、前記第3のクロック信号を分周して前記電力供給能力切替用のクロック信号を生成する分周器(例えば、図15の分周器76)と、を備え、前記分周器は、前記負荷制御信号が、前記負荷への電力供給量がより小さいことを示す負荷制御信号であるときほど、周波数がより低くなる分周比に切り替えるようになっていてよい。
前記昇圧回路は、前記電力供給能力切替用のクロック信号に応じて前記入力電力の電圧を昇圧するチャージポンプ回路(例えば、図1のチャージポンプ23)であってよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明の一態様によれば、負荷駆動用のトランジスタを制御するための負荷制御信号に応じて昇圧回路の電力供給能力が可変であるため、例えば負荷への電力供給量が少ないときには、電力供給能力を低い状態にすることにより、電力供給回路全体の消費電力を削減することができる。このとき、昇圧回路を停止させてはいないため、負荷への電力供給量が少ない状態から大きい状態に遷移した場合には、昇圧回路において既に昇圧された状態から電力供給能力が高い状態での動作が開始される。その結果、トランジスタ駆動用の電力を速やかに安定させることができ、すなわち、電力供給能力が高い状態に遷移することに伴い、速やかに安定したトランジスタ駆動用の電力を供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の電力供給回路を適用した直流電源装置の一例を示す概略構成図である。
図2】クロック生成部の一例を示す構成図である。
図3】クロック生成部の各部の信号を示すタイミングチャートの一例である。
図4】チャージポンプの一例を示す構成図である。
図5】チャージポンプの動作説明に供するタイミングチャートである。
図6】分周回路の一例を示す概略構成図である。
図7】本発明の動作説明に供する、第1実施形態における直流電源装置の各部の信号を示すタイミングチャートの一例である。
図8】従来の直流電源装置における各部の信号を示すタイミングチャートの一例である。
図9】第2実施形態における直流電源装置の一例を示す概略構成図である。
図10】クロック選択回路の一例を示す概略構成図である。
図11】第3実施形態における直流電源装置の一例を示す概略構成図である。
図12】クロック制御回路の一例を示す概略構成図である。
図13】タイマ出力とクロック信号との関係を示す図である。
図14】第3実施形態における直流電源装置の各部の信号を示すタイミングチャートの一例である。
図15】クロック制御回路の他の例を示す概略構成図である。
図16】タイマ出力と分周比との関係を示す図である。
図17】クロック制御回路の他の例を示す概略構成図である。
図18】ドライブパターン周波数計測器の一例を示す概略構成図である。
図19】ドライブパターン周波数計測器の各部の信号を示すタイミングチャートの一例である。
図20】クロック制御回路の他の例を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
まず、第1実施形態を説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の電力供給回路を適用した直流電源装置1の一例を示す概略構成図である。
図1に示す直流電源装置1は、モータドライバであって、モータ駆動回路(Motor Driver)2と、電力供給回路3と、を備える。
【0017】
モータ駆動回路2は、例えば、デコード/レベルシフト回路(Decode&level shift)11と、MOSトランジスタからなるハイサイドMOSトランジスタM1と、ハイサイドMOSトランジスタM1と直列に接続されたローサイドMOSトランジスタM2と、これらハイサイドMOSトランジスタM1およびローサイドMOSトランジスタM2にゲート電圧を供給するプリドライバ(pre−driver)12および13と、を備える。ハイサイドMOSトランジスタM1およびローサイドMOSトランジスタM2のそれぞれには逆並列にボディダイオードが形成されている。
【0018】
直列に接続されたハイサイドMOSトランジスタM1およびローサイドMOSトランジスタM2は、電源端子Tvmおよび接地電圧間に接続される。電源端子Tvmは、モータ駆動回路2用の電源Pmdを介して接地される。
ハイサイドMOSトランジスタM1およびローサイドMOSトランジスタM2の接続部には、モータ駆動信号を出力する出力端子Toutが接続される。この出力端子Toutに負荷としてのモータが接続される。なお、図1は、負荷として単相モータを備えた場合を表している。
【0019】
デコード/レベルシフト回路11およびローサイドMOSトランジスタM2を駆動するプリドライバ13は、電源端子Tvcに接続される。この電源端子Tvcは、直流電源装置1内の各種制御を行う回路用の電源Pccを介して接地される。一方、プリドライバ12は電源端子Tvgに接続される。
デコード/レベルシフト回路11は、制御入力端子Tinから、モータの回転量に応じたパルス幅あるいはパルス数のモータ制御信号を入力し、このモータ制御信号に対して、デコードおよびレベルシフト、さらにバッファ処理を行って、各MOSトランジスタM1、M2を制御するためのトランジスタ制御信号を生成し、生成したトランジスタ制御信号を、プリドライバ12および13に出力する。
【0020】
プリドライバ12および13は、デコード/レベルシフト回路11からのトランジスタ制御信号に応じて、ハイサイドMOSトランジスタM1およびローサイドMOSトランジスタM2を相補的に駆動するためのゲート駆動信号を生成し、これをハイサイドMOSトランジスタM1およびローサイドMOSトランジスタM2のゲートに供給する。これにより、ハイサイドMOSトランジスタM1およびローサイドMOSトランジスタM2が相補的に駆動され、ハイサイドMOSトランジスタM1およびローサイドMOSトランジスタM2間の電圧が出力端子Toutからモータ駆動信号として、図示しないモータに供給される。
【0021】
電力供給回路3は、発振回路(OSC)21と、分周回路(Adaptive clock divider)22と、チャージポンプ23と、を備える。これら発振回路21、分周回路22、チャージポンプ23は、イネーブル入力端子Teと接続され、イネーブル入力端子Teを介して、図示しない上位装置からイネーブル信号(Enable)を入力し、イネーブル信号が、直流電源装置1を駆動状態とすることを表すイネーブル信号であるとき、後述のチャージポンプクロック信号に応じて昇圧動作を行う。また、発振回路21およびチャージポンプ23は、電源端子Tvcを介して、直流電源装置1内の各種制御を行う回路用の電源Pccに接続される。
【0022】
なお、イネーブル信号は、直流電源装置1を駆動状態とするときにオンとなり、非駆動状態とするときにオフとなる信号である。
発振回路21はクロック信号を生成し、これを分周回路22に出力する。
分周回路22は、発振回路21からのクロック信号と、デコード/レベルシフト回路11からプリドライバ12に供給されるハイサイドMOSトランジスタM1用のトランジスタ制御信号と、を入力し、プリドライバ12へのトランジスタ制御信号に基づき、モータに大電力を供給する駆動パターンであるか否かを判定し、判定結果に応じて比較的高い第1の周波数または第1の周波数よりも周波数の低い第2の周波数の何れかにクロック信号を分周し、これをチャージポンプ用のクロック信号(以下、チャージポンプクロック信号(charge pump clock)という。)として、チャージポンプ23に出力する。
【0023】
チャージポンプ23は、クロック生成部23aとチャージポンプ回路23bとを備える。なお、図1では、チャージポンプ23を概念的に表している。クロック生成部23aおよびチャージポンプ回路23bの構成は後述する。
クロック生成部23aは、分周回路22からチャージポンプクロック信号を入力し、入力したチャージポンプクロック信号から4つのノンオーバーラップ信号を生成する。チャージポンプ回路23bは、クロック生成部23aで生成したノンオーバーラップ信号に基づき、電源端子Tvmの端子電圧(すなわち入力電圧)VM、および電源端子Tvcの端子電圧(すなわち入力電圧)VCを昇圧して昇圧電圧VGを生成する。
【0024】
図2は、クロック生成部23aの一例を示す概略構成図である。
クロック生成部23aは、図2に示すように、2つのNAND回路31および32を備える。NAND回路31は、分周回路22からのチャージポンプクロック信号と、イネーブル信号と、後述のクロック信号CKN′とを入力し、これらの論理和を演算してその反転信号を出力する。NAND回路32は、分周回路22からのチャージポンプクロック信号をインバータ33で反転した反転出力と、イネーブル信号と、後述のクロック信号CK′と、を入力し、これらの論理和を演算しその反転信号を出力する。
【0025】
NAND回路31の出力をインバータ34で反転した信号がクロック信号CK、NAND回路31の出力をインバータ35および36で反転した信号がクロック信号CK′、NAND回路32の出力をインバータ37および38で反転した信号がクロック信号CKN′、NAND回路32の出力をインバータ39で反転した信号がクロック信号CKNとなる。図2に示すクロック生成部23aを構成する各回路の時定数を調整し、各回路での遅延時間を調整することによって、図3に示すタイミングで変化するノンオ―バーラップ信号を生成する。
【0026】
図3は、これらクロック信号のタイミングチャートを表したものであって、図3(a)はイネーブル信号(Enable)、(b)は発振回路(OSC)21の出力から生成されるチャージポンプクロック信号(charge pump clock)、(c)はNAND回路31の出力端aの電圧、(d)はNAND回路32の出力端bの電圧、(e)はクロック信号CK′、(f)はクロック信号CKN′、(g)はクロック信号CK、(h)はクロック信号CKNである。図3に示すように、クロック信号CKは、分周回路22からのチャージポンプクロック信号の立ち上がりエッジを一定時間2×Δtだけ遅延させ、立ち下がりエッジを一定時間Δtだけ遅延させた信号であり、クロック信号CK′は、クロック信号CKの反転信号である。クロック信号CKNは、チャージポンプクロック信号の立ち上がりエッジを一定時間Δtだけ遅延させ、立ち下がりエッジを一定時間2×Δtだけ遅延させ、かつ反転した信号であり、クロック信号CKN′は、クロック信号CKNの反転信号である。
なお、クロック生成部23aの構成は、図2の構成に限るものではなく、図3に示すように、分周回路22から出力されるクロック信号から、4種類のノンオーバーラップ信号CK、CK′、CKN、CKN′を生成することができればどのような回路であってもよい。
【0027】
図4は、チャージポンプ回路23bの一例を示す回路図である。
チャージポンプ回路23bは、図4に示すように、電源端子Tvgおよび電源端子Tvc間に直列に接続されたPチャネル型MOSトランジスタからなるMOSトランジスタM11およびM12と、電源端子Tvmおよび接地端子Tpgnd間に直列に接続されたPチャネル型MOSトランジスタからなるM13およびNチャネル型MOSトランジスタからなるMOSトランジスタM14と、MOSトランジスタM11およびM12の接続点CHとMOSトランジスタM13およびM14の接続点CLとの間に接続された容量Cqと、電源端子Tvgと電源端子Tvmとの間に接続された容量Cvgと、を備える。
【0028】
MOSトランジスタM11〜M14のゲートには、クロック生成部23aで生成されたノンオーバーラップ信号が入力される。具体的には、MOSトランジスタM11のゲートにはクロック信号CK′、MOSトランジスタM12のゲートにはクロック信号CKN′、MOSトランジスタM13のゲートにはクロック信号CK′、MOSトランジスタM14のゲートにはクロック信号CKNがそれぞれ入力される。なお、チャージポンプ回路23bの構成は、図4の構成に限らず、クロック信号に応じて入力電力の電圧を昇圧できるものであればどのような構成でも構わない。
【0029】
次に、チャージポンプ23の動作を、図4および図5を伴って説明する。
チャージポンプ回路23bでは、図4に示すように、MOSトランジスタM12およびM14をオン状態、MOSトランジスタM11およびM13をオフ状態とすることによって、電源端子Tvc、MOSトランジスタM12、容量Cq、MOSトランジスタM14、接地端子Tpgndからなる経路L1が形成され、容量Cqへの充電が行われる。
【0030】
この状態から、MOSトランジスタM11およびM13をオン状態、MOSトランジスタM12およびM14をオフ状態に切り替えると、電源端子Tvm、MOSトランジスタM13、容量Cq、MOSトランジスタM11、電源端子Tvg、容量Cvg、電源端子Tvmからなる経路L2が形成され、容量Cqの電荷が容量Cvgに転送されて、電源端子Tvgの電圧VGが上昇する。
【0031】
すなわち、図5に示すように、クロック信号CKN(図5(a))がHIGHレベルの期間に容量Cqへの充電(Charge)を行い、クロック信号CK(図5(b))がHIGHレベルの期間に、容量Cqの電荷を容量Cvgに転送(Transfer)するようになっている。
このような構成において、電源端子Tvgの電圧VGはプリドライバ12に電源電圧として与えられ、プリドライバ12を介して、ゲート駆動電圧としてハイサイドMOSトランジスタM1のゲート端子に供給される。そのため、チャージポンプ23で昇圧された比較的高い電圧でハイサイドMOSトランジスタM1は駆動されることになり、その結果、ハイサイドMOSトランジスタM1のオン抵抗が小さくなる。このオン抵抗を小さくすることで、ハイサイドMOSトランジスタM1における電力損失を低減している。なお、ローサイドMOSトランジスタM2はもともと低い電圧で駆動されており、デコード/レベルシフト回路11から入力されるトランジスタ制御信号と同等レベルの電圧を、ゲート駆動電圧として用いればよい。また、本実施形態では、クロック信号CK′がMOSトランジスタM13のゲートに直接入力されているが、レベルシフタを介して入力してもよい。レベルシフタを介することで、比較的耐圧の低いMOSトランジスタで構成することができる。
【0032】
図6は分周回路22の一例を示す概略構成図である。
分周回路22は、発振回路21のクロック信号を比較的高い周波数の信号(fast clock)に分周する第1分周器(Divider1)41および、第1分周器41よりもより低い周波数の信号(slow clock)に分周する第2分周器(Divider2)42と、第1分周器41および第2分周器42のいずれかの出力を選択してチャージポンプ23にチャージポンプクロック信号として供給する選択スイッチ43と、デコード/レベルシフト回路11からプリドライバ12へのトランジスタ制御信号を入力し、入力したトランジスタ制御信号に対して、デコードおよびレベルシフト処理を行い、ハイサイドMOSトランジスタM1を駆動するためのトランジスタ制御信号が、モータに大きな電力を供給する駆動パターンであるか否かを判断するドライブパターンデコーダ(Drive pattern decoder)44と、タイマ(Timer)45と、を備える。
【0033】
選択スイッチ43は、タイマ45の出力信号をクロック制御信号(ck control)として選択先を切り替える。具体的には、タイマ45の出力信号がLOWレベルであるときには周波数がより高い第1分周器41の出力信号(fast clock)を選択し、タイマ45の出力信号がHIGHレベルであるときには周波数がより低い第2分周器42の出力信号(slow clock)を選択する。
【0034】
ドライブパターンデコーダ44は、プリドライバ12へのトランジスタ制御信号に基づき、モータに大きな電力を供給する駆動パターンであるか、すなわち、パルス幅が大きいか、単位時間あたりのパルス数が大きいかを判断する。例えばパルス幅がしきい値以上であるとき、あるいは単位時間あたりのパルス数がしきい値以上であるときに、モータに大きな電力を供給するパターンであると判断する。逆に、パルス幅がしきい値未満であるとき、あるいは単位時間あたりのパルス数がしきい値未満であるときには、モータに小さな電力を供給するパターンであると判断する。
【0035】
そして、大電力を供給するパターンであるときにはHIGHレベルの信号を出力し、小電力を供給するパターンであるときには、LOWレベルの信号を出力する。
タイマ45は、経過時間をカウントし、一定時間が経過したときHIGHレベルの信号を出力する。また、ドライブパターンデコーダ44の出力信号をtimer clear信号として用いる。つまり、ドライブパターンデコーダ44の出力信号がHIGHレベルのときに、タイマ45はリセットされる。すなわち、タイマ45は、例えばドライブパターンデコーダ44の出力信号がLOWレベルである期間をカウントし、LOWレベルである期間が予め設定したタイマ45の上限値に達したとき、HIGHレベルの信号を出力する。
【0036】
このような構成とする結果、モータに供給する電力が小さいときにはトランジスタ制御信号がHIGHレベルとなることはほとんどないため、ドライブパターンデコーダ44の出力信号がHIGHレベルとなることは少なく、すなわち、タイマ45はほとんどリセットされない。したがって、タイマ45の出力信号がLOWレベルとなることはほとんどないため、選択スイッチ43では、第2分周器42の出力、すなわち、低周波数側の分周信号を選択することが多くなる。また、モータを駆動しないときには、トランジスタ制御信号がHIGHレベルとなることはないため、タイマ45の出力信号は上限値相当の所定時間が経過した後、HIGHレベルを維持し、タイマ45はリセットされない。したがって、低周波数側の分周信号が選択される。
【0037】
一方、モータに供給する電力が大きいときにはトランジスタ制御信号は頻繁にHIGHレベルとなるため、ドライブパターンデコーダ44の出力信号は頻繁にHIGHレベルとなるため、タイマ45がリセットされる頻度が高くなる。つまり、タイマ45の上限値相当の所定時間が経過する前にリセットがかかるため、タイマ45の出力信号はLOWレベルを維持し、高周波数側の分周信号が選択される。
【0038】
次に、上記第1実施形態の動作を説明する。
図7は、図1の直流電源装置1の各部の信号を表したタイミングチャートであって、(a)はモータの回転量に応じたパルス信号からなるモータ制御信号、(b)はイネーブル信号、(c)は電源端子Tvgの電圧VG、(d)は出力端子Toutから出力されるモータ駆動信号、(e)はタイマ45から出力されるクロック制御信号、(f)はチャージポンプ23に供給されるクロック信号の周波数レベルである。
【0039】
図示しない上位装置では、直流電源装置1を駆動させる場合には、HIGHレベルのイネーブル信号を出力する。また、モータを駆動させることから、上位装置では、モータへの供給電力に応じたパルス幅のモータ制御信号を出力する(時点t1)。
モータ駆動回路2では、デコード/レベルシフト回路11において、モータ制御信号をデコードし、レベルシフトおよびバッファ処理を行って、プリドライバ12および13へのドライバ制御信号を生成し出力する。
【0040】
ドライブパターンデコーダ44では、ドライバ制御信号からモータに大きな電力を供給するパターンであると判断するため、ドライブパターンデコーダ44の出力信号は頻繁にHIGHレベルとなり、そのため、タイマ45は頻繁にリセットされるため、クロック制御信号はLOWレベルを維持する。その結果、第1分周器41からのより高周波のクロック信号がチャージポンプクロック信号として選択される。
【0041】
このとき、電力供給回路3では、分周回路22からチャージポンプクロック信号として高周波のクロック信号が供給されるため、クロック生成部23aでは、高周波のクロック信号から、4つのノンオーバーラップ信号を生成し、これに応じてチャージポンプ回路23bが駆動されることになる。そのため、電源端子Tvgの電圧VGの上昇に伴ってハイサイドMOSトランジスタM1のオン抵抗は小さくなり、パルス信号からなるモータ駆動信号は徐々に振幅が大きくなる。このとき、チャージポンプ23は高周波のクロック信号に応じて駆動されるため、電源端子Tvgの電圧VGは速やかに昇圧され安定する。
【0042】
この状態からモータを非駆動とするため、上位装置からのモータ制御信号がLOWレベルを維持する状態となりパルスが発生しない状態となると(時点t2)、デコード/レベルシフト回路11からプリドライバ12に出力されるドライバ制御信号はLOWレベルを維持する。ドライブパターンデコーダ44では、ドライバ制御信号からモータに小さな電力を供給するパターンであると判断するため、ドライブパターンデコーダ44の出力信号はLOWレベルを維持する。そのため、タイマ45の出力信号、すなわちクロック制御信号は、カウンタ値が上限値に達した時点t3でHIGHレベルとなり、選択スイッチ43によって、より低周波数の第2分周器42の出力信号が選択され、これがチャージポンプクロック信号として出力される。
【0043】
そのため、チャージポンプ23の動作周波数はより低周波数となるが、電源端子Tvgの電圧VGの昇圧を図る。ここで、チャージポンプ23は、より低周波数、すなわちより遅い周波数で動作するが、上位装置からのモータ制御信号は、モータを非駆動とする信号であるため、プリドライバ12および13は駆動されない。つまり、ハイサイドMOSトランジスタM1にゲート駆動電圧は供給されないから、チャージポンプ23を低周波数で駆動した場合でも、電源端子Tvgの電圧VGは一定電圧を維持する。
【0044】
この状態から再度モータを駆動する場合には、上位装置からモータの回転数に応じたパルス数のモータ制御信号が出力され(時点t4)、プリドライバ12にモータを駆動するためのドライバ制御信号が出力される。そのため分周回路22のドライブパターンデコーダ44の出力信号が頻繁にHIGHレベルとなり、タイマ45は頻繁にリセットされるため、タイマ45の出力信号はLOWレベルを維持する。その結果、選択スイッチ43において、第1分周器41からの高周波のクロック信号が選択され、これがチャージポンプクロック信号として出力される。
【0045】
ここで、電力供給回路3では、時点t4でモータを駆動するためのモータ制御信号が入力された時点から、電源端子Tvgの電圧VGをゲート駆動電圧としてハイサイドMOSトランジスタM1のゲート駆動電圧として供給することになるが、この時点t4で、電源端子Tvgの電圧VGはすでに安定した電圧となっている。そのため、モータを駆動するためのモータ制御信号が入力された時点でハイサイドMOSトランジスタM1を速やかにフルドライブでき、すなわち、安定した振幅のモータ駆動信号を供給することができる。
【0046】
また、ドライブパターンデコーダ44でモータに大電力を供給するパターンであることが検出されたときに出力信号をHIGHレベルに切り替えており、このHIGHレベルに切り替わるタイミングでタイマ45をリセットし、クロック制御信号をLOWレベルに切り替える構成としている。そのため、ドライブパターンデコーダ44でモータに大電力を供給するパターンであることが検出された時点で、チャージポンプクロック信号を高周波のクロック信号に切り替えることができ、モータへのモータ駆動信号の供給開始に伴い速やかに昇圧動作を開始することができ、モータ駆動信号をより確実に安定させることができる。
【0047】
そして、この状態から時点t5で上位装置からのモータ制御信号の入力が停止し、時点t6で、イネーブル信号がLOWレベルに切り替わると、分周回路22は動作を停止し、これに伴い、容量Cvgにおいて放電が生じることにより電源端子Tvgの電圧VGは減少する。
このように、直流電源装置1では、直流電源装置1を駆動状態とするときにイネーブル信号をオン、比駆動状態とするときにイネーブル信号をオフとしている。そして、このイネーブル信号に応じてチャージポンプ23を駆動/非駆動とするのではなく、イネーブル信号がオンのときにチャージポンプクロック信号に応じてチャージポンプ23を駆動するようにしており、つまり、モータを駆動するか否かに関係なく、イネーブル信号がオンのときにはチャージポンプクロック信号に応じてチャージポンプ23を駆動するようにしている。そして、このとき、モータ駆動回路2のハイサイドMOSトランジスタM1を駆動するためのトランジスタ制御信号のパターンから、モータに大電力を供給する必要があるときには、チャージポンプクロック信号の周波数を高くしてチャージポンプ23の昇圧能力、すなわち電圧供給能力を高くすることにより十分に昇圧を行い、逆に、モータに大電力を供給する必要がないときには、チャージポンプクロック信号の周波数を低下させ、チャージポンプ23の昇圧能力、すなわち電圧供給能力を低くすることにより最低限の供給能力としている。
【0048】
その結果、モータを駆動しないときの消費電力を抑えたまま、モータを駆動しない状態からモータを駆動する状態に遷移してから、ハイサイドMOSトランジスタM1に供給する昇圧電圧が安定するまでの時間を短縮することができるという効果を得ることができる。
また、モータを駆動するか否かに関係なくチャージポンプ23を駆動状態とし、モータを駆動するか否かに応じて、チャージポンプクロック信号の周波数を切り替えることでモータ非駆動時の消費電力の抑制を図っている。したがって、特に、駆動および非駆動が頻繁に繰り返されるモータなどに電圧供給を行う直流電源装置1に適用すれば、非駆動時には消費電力の抑制が図れ、かつ駆動時には速やかに十分な電圧供給を行うことができ、効果的である。例えば、デジタルカメラのレンズの調整を行うためのモータ、電動アシスト自転車のモータなど、断続的に駆動されるモータに好適である。また、駆動時には速やかに十分な電圧供給を行うことができ、駆動時の速やかな電圧供給と、非駆動時の消費電力の低減とを両立させることができる。よって、特に、電池で駆動するモータなどの場合には、使い勝手を向上させることができるとともに、電池の寿命を伸ばすことができ好適である。
【0049】
図8は、図1に示す直流電源装置1において、モータを駆動しないときにはチャージポンプ23を停止させるようにした場合の、各部の信号の波形を示したタイミングチャートである。
図8に示すように、従来の直流電源装置1においては、上位装置では、モータを駆動するときにイネーブル信号をHIGHレベルとして出力するとともにモータ制御信号を出力しており、時点t11でモータ制御信号がLOWレベルとなり時点t12でイネーブル信号がLOWレベルとなると、この時点で、チャージポンプ23を停止させている。そのため、容量Cvgにおいて放電が生じることにより電源端子Tvgの電圧VGは時点t12から徐々に減少することになる。
【0050】
そして、時点t13で再度モータを駆動する場合には、上位装置では、モータ制御信号とともにイネーブル信号をHIGHレベルとして出力する。そのため、時点t13から、チャージポンプ23は再度起動されることになる。このとき、電源端子Tvgの電圧VGは、時点t12でチャージポンプ23を停止させた時点から減少を開始している。したがって、時点t13でイネーブル信号が入力された時点では、電圧VGは本来必要な電圧よりも低下しているため、必要電圧よりも低下した電圧VGをゲート駆動電圧としてハイサイドMOSトランジスタを駆動することによって生成されるモータ駆動信号の振幅は徐々に増加することになり、モータ駆動信号が安定するまでに時間がかかる。つまり、モータを一旦、停止させると、再度駆動する毎にモータ駆動信号は駆動開始時に不安定となることになる。これを回避するために、モータを一時的に非駆動とする場合にはイネーブル信号をHIGHレベルのままとし、非駆動時も駆動時と同じ周波数のチャージポンプクロック信号にしたがってチャージポンプ23を動作させる構成とした場合には、非駆動時にはそれほど昇圧させる必要がないにも関わらず、駆動時と同様に昇圧が行われることになって、無駄な電力消費が行われることになる。
【0051】
これに対し、上記第1実施形態における直流電源装置1では、モータを非駆動とするときには、チャージポンプクロック信号の周波数を低周波数とし、電圧VGが一定電圧を維持する程度の周波数でチャージポンプ23を動作させるようにしているため、上述のように、消費電力の削減を図ることができるとともに、非駆動状態から駆動状態への移行時におけるモータ駆動信号を安定させることができ、すなわち、モータを安定駆動することができる。
【0052】
なお、上記第1実施形態では、分周回路22を用いてクロック信号を分周して低周波数のクロック信号および高周波数のクロック信号を生成する場合について説明したが、これに限るものではなく、たとえば、周波数を逓倍する逓倍回路を用い、発振回路21で発生したクロック信号を、逓倍回路により逓倍して高周波数のクロック信号および低周波数のクロック信号を生成し、これを用いるようにしてもよい。
・BR>@また、ドライブパターンデコーダ44では、デコード/レベルシフト回路11からプリドライバ12へのトランジスタ制御信号に基づいて、モータに大きな電力を供給するパターンであるか否かを判断する場合について説明したが、これに限るものではない。例えば、制御入力端子Tinに入力されるモータ制御信号、あるいは、ハイサイドMOSトランジスタM1に供給されるゲート電圧に基づき、モータに大きな電力を供給するパターンであるか否かを判断するようにしてもよく、要は、モータに大きな電力を供給すべき状況であるか否かを判定することができれば、どの信号に基づいてパターンを判断するようにしてもよい。
【0053】
次に、本発明の第2実施形態を説明する。
(第2実施形態)
図9は、第2実施形態における電力供給回路を含む直流電源装置1の一例を示す概略構成図である。
図9に示す直流電源装置1は、図1に示す直流電源装置1と同様に、モータドライバであって、モータ駆動回路2と、電力供給回路5と、を備える。モータ駆動回路2は上記第1実施形態におけるモータ駆動回路2と同一であるのでその詳細な説明は省略する。
【0054】
第2実施形態における電力供給回路5は、第1発振回路(OSC1)51と、第2発振回路(OSC2)52と、クロック選択回路(Adaptive clock Selector)53と、チャージポンプ(Charge pump)54と、を備え、これら第1発振回路51、第2発振回路52、クロック選択回路53、チャージポンプ54は、図示しない上位装置からイネーブル信号を入力し、イネーブル信号が、モータの駆動を表すイネーブル信号であるとき動作し、チャージポンプ54はチャージポンプクロック信号に応じて昇圧動作を行う。
【0055】
また、第1発振回路51、第2発振回路52およびチャージポンプ54は、電源端子Tvcに接続される。この電源端子Tvcは、直流電源装置1内の各種制御を行う回路用の電源Pccを介して接地される。
第1発振回路51は比較的周波数の高い、高周波数クロック信号を生成する。第2発振回路52は、第1発振回路51よりも周波数の低い低周波クロック信号を生成する。
【0056】
クロック選択回路53は、第1発振回路51および第2発振回路52からのクロック信号と、ハイサイドMOSトランジスタM1を駆動するプリドライバ12に対するデコード/レベルシフト回路11からのトランジスタ制御信号と、を入力する。そして、プリドライバ12へのトランジスタ制御信号がモータに大きな電力を供給するパターンであるときには、周波数のより高い第1発振回路51からの高周波クロック信号を選択し、これをチャージポンプ54に出力する。一方、プリドライバ12へのトランジスタ制御信号がモータに大きな電力を供給するパターンでないときには、周波数のより低い第2発振回路52からの低周波クロック信号を選択し、これをチャージポンプ54に出力する。なお、チャージポンプ54は、図1に示すチャージポンプ23の構成と同一である。
【0057】
図10は、クロック選択回路53の一例を示す概略構成図である。
クロック選択回路53は、ドライブパターンデコーダ(Drive pattern decoder)61と、タイマ(Timer)62と、選択スイッチ63と、を備える。
ドライブパターンデコーダ61およびタイマ62は、上記第1実施形態におけるドライブパターンデコーダ44および45と同一の機能構成を有する。
【0058】
選択スイッチ63は、タイマ62の出力信号をクロック切り替え信号(ck control)として選択先を切り替え、タイマ62の出力信号がLOWレベルであるときには周波数がより高い第1発振回路51からの高周波クロック信号を選択し、タイマ62の出力信号がHIGHレベルであるときには周波数がより低い第2発振回路52からの低周波クロック信号を選択する。
【0059】
したがって、この第2実施形態においても上記第1実施形態と同等の作用効果を得ることができる。
なお、上記実施形態においては、負荷として単相のモータを適用した場合について説明したが、多相のモータを適用することも可能であり、この場合には、各相に対応してモータ駆動回路2を設ければよく、その場合には、各相に対応するモータ駆動回路2に対して、1つの電力供給回路3から昇圧電圧VGを供給する構成にしてもよく、あるいは、モータ駆動回路2毎に電力供給回路3を設け、それぞれ対応する電力供給回路3からモータ駆動回路2に対して昇圧電圧VGを供給する構成としてもよい。
【0060】
また、直流電源装置1としてモータドライバを適用した場合について説明したが、これに限るものではなく、DC−DCコンバータ、電源接続回路など、ハイサイドMOSトランジスタを備えた回路であれば適用することができる。
また、上記実施形態においては、ハイサイドMOSトランジスタM1とローサイドMOSトランジスタM2とを備えたモータ駆動回路2を用いた場合について説明したが、必ずしもローサイドMOSトランジスタM2を備える必要はなく、ローサイドMOSトランジスタM2を有していないモータ駆動回路であっても適用することができる。
【0061】
また、上記実施形態においては、チャージポンプクロック信号の周波数を高周波数と低周波数とに切り替えることで、電力供給能力を2段階に切り替える場合について説明したが、これに限るものではなく、カウントする時間の異なる複数のタイマやカウント時間が可変のタイマを用意して、負荷の駆動状況から要求される供給電圧の大きさに応じて、電力供給能力を3段階以上に、または連続的に切り替えるようにしてもよい。
【0062】
なお、上記第1及び第2実施形態では、ドライブパターンデコーダ44、61は、プリドライバ12へのトランジスタ制御信号に基づき、モータに大きな電力を供給する駆動パターンであるか、すなわち、パルス幅が大きいか、単位時間あたりのパルス数が大きいかを判断している。しかし、ドライブパターンデコーダ44、61は、プリドライバ12へのトランジスタ制御信号に基づき、モータを駆動するパターンであるか否か、すなわち、パルス幅が零か、単位時間あたりのパルス数が零かを判断してもよい。
【0063】
つまり、上記第1及び第2実施形態では、例えばパルス幅がしきい値以上であるとき、あるいは単位時間あたりのパルス数がしきい値以上であるときに、モータに大きな電力を供給するパターンであると判断している。逆に、パルス幅がしきい値未満であるとき、あるいは単位時間あたりのパルス数がしきい値未満であるときには、モータに小さな電力を供給するパターンであると判断している。しかし、例えばパルス幅が零より大きいとき、あるいは単位時間あたりのパルス数が零より大きいときに、モータを駆動するパターンであると判断してもよい。逆に、パルス幅が零であるとき、あるいは単位時間あたりのパルス数が零であるときには、モータを駆動しないパターンであると判断してもよい。
【0064】
つまり、しきい値を零にしてもよい。
この場合、モータを駆動するときには、発振回路21及び分周回路22がチャージポンプ23の電力供給能力を大きくし、モータを駆動しないときには、発振回路21及び分周回路22がチャージポンプ23の電力供給能力を小さくする。
【0065】
次に、本発明の第3実施形態を説明する。
(第3実施形態)
図11は、第3実施形態における電力供給回路を含む直流電源装置1の一例を示す概略構成図である。
図11に示す直流電源装置1は、図1に示す直流電源装置1と同様にモータドライバであって、モータ駆動回路2と、電力供給回路6と、を備える。モータ駆動回路2は上記第1実施形態におけるモータ駆動回路2と同一であるのでその詳細な説明は省略する。
第3実施形態における電力供給回路6は、クロック制御回路(Adaptive clock Control)71と、チャージポンプ(Charge pump)23と、を備え、クロック制御回路71、チャージポンプ23は、図示しない上位装置からイネーブル信号を入力し、イネーブル信号が、モータの駆動を表すイネーブル信号であるとき動作し、チャージポンプ23はチャージポンプクロック信号に応じて昇圧動作を行う。
【0066】
また、クロック制御回路71およびチャージポンプ23は、電源端子Tvcに接続される。この電源端子Tvcは、直流電源装置1内の各種制御を行う回路用の電源Pccを介して接地される。
クロック制御回路71は、ハイサイドMOSトランジスタM1を駆動するプリドライバ12に対するデコード/レベルシフト回路11からのトランジスタ制御信号を入力する。そして、プリドライバ12へのトランジスタ制御信号がモータに大きな電力を供給するパターンであるときには、周波数のより高い高周波クロック信号をチャージポンプ23に出力する。一方、プリドライバ12へのトランジスタ制御信号がモータに大きな電力を供給するパターンでないときには、周波数のより低い低周波クロックをチャージポンプ23に出力する。
【0067】
図12は、クロック制御回路71の一例を示す概略構成図である。
クロック制御回路71は、発振回路21と、ドライブパターンデコーダ(Drive pattern decoder)44と、タイマ(Timer)72と、デコーダ73と、分周器74と、選択スイッチ75と、を備える。
分周器74は、分周比の異なる複数の分周器(Divider1〜Divider(N+1))を備え、各分周器(Divider1〜Divider(N+1))は、発振回路21で生成されるクロック信号をそれぞれ所定の分周比で分周し、クロック信号clock1〜clock(N+1)として出力する。
【0068】
ドライブパターンデコーダ44は、上記第1実施形態におけるドライブパターンデコーダ44と同一機能を有し、プリドライバ12へのトランジスタ制御信号に基づき、モータに大きな電力を供給する駆動パターンであるか、すなわち、パルス幅が大きいか、単位時間あたりのパルス数が大きいかを判断する。そして、大電力を供給するパターンであるときには、HIGHレベルの信号を出力し、小電力を供給するパターンであるときには、LOWレベルの信号を出力する。
【0069】
タイマ72は経過時間をカウントし、経過時間、すなわちカウント信号をデコーダ73に出力する。また、タイマ72のカウント値が予め設定した上限値に達したときすなわち、一定時間が経過したときにHIGHレベルとなるクロック制御信号を出力する。また、タイマ72は、ドライブパターンデコーダ44の出力信号をtimer clear信号として用いる。つまり、ドライブパターンデコーダ44から、HIGHレベルの信号が入力されたとき、すなわち大電力を供給するパターンであると判定されたとき、タイマ72はリセットされる。
【0070】
このように、タイマ72は、例えばドライブパターンデコーダ44の出力信号がLOWレベルである期間をカウントしそのカウント信号を出力するとともに、LOWレベルである期間が予め設定したタイマ72の上限値に達したとき、HIGHレベルのクロック制御信号を出力する。
デコーダ73はタイマ72からのカウント信号の大きさを判定し、タイマ72のカウント信号の大きさに応じたクロック切り替え信号(ck control)を出力する。
【0071】
選択スイッチ75は、分周器74から出力されるクロック信号clock1〜clock(N+1)のうち、デコーダ73からのクロック切替信号(ck control)に応じたクロック信号を選択し、チャージポンプクロック信号として出力する。具体的には、タイマ72のカウント信号が小さいときには周波数がより高い分周器からの高周波クロック信号(clock1)を選択し、タイマ72のカウント信号が大きくなるにしたがって周波数がより低い分周器からの低周波クロック信号(clock2〜clock(N+1))を選択する。
【0072】
図13にタイマ72から出力されるカウント信号(Timer)と分周器74から出力されるクロック信号clock1〜clock(N+1)、つまりチャージポンプクロック信号との関係を示す。図中のT1〜T(N+1)はT1<T2<T3……<T(N+1)を満足する任意の時間に設定され、分周器74から出力されるクロック信号clock1〜clock(N+1)の周波数関係をclock1>clock2>……>clock(N+1)と設定される。タイマ72のカウント信号すなわち経過時間に応じて、図13の関係にしたがって、クロック信号を選択することで、タイマ72のカウント信号が大きくなるにしたがってより遅いクロック信号が選択され、これがチャージポンプクロック信号として出力されることになる。
【0073】
図14は、図11の直流電源装置1の各部の信号を表したタイミングチャートであって、
(a)はモータの回転量に応じたパルス信号からなるモータ制御信号、(b)はイネーブル信号、(c)は電源端子Tvgの電圧VG、(d)は出力端子Toutから出力されるモータ駆動信号、(e)はチャージポンプ23に供給されるクロック信号の周波数レベルである。
【0074】
図14に示すように、モータに供給する電力が大きいときには、ドライブパターンデコーダ44の出力信号が頻繁にHIGHレベルとなるため、タイマ72は頻繁にリセットされる。そのため、タイマ72から出力されるカウント信号は比較的小さい値を維持し、Timer<T1を満足することから、図13から、クロック信号clock1が特定される。そのため、デコーダ73からクロック信号clock1を選択するためのクロック切替信号(ck control)が出力され、その結果、選択スイッチ75により分周器(Divider1)から出力されるクロック信号clck1が選択され、これがチャージポンプクロック信号として出力される。
【0075】
この状態から、モータを非駆動とするため、上位装置からのモータ制御信号がLOWレベルを維持する状態となり、パルスが発生されない状態となると、ドライブパターンデコーダ44は、モータに小さな電力を供給するパターンであると判断するため、ドライブパターンデコーダ44の出力信号はLOWレベルを維持する。そのため、タイマ72のカウント信号は増加し、カウント信号がT1≦Timer<T2を満足する状態となると、図13からクロック信号clock2が特定される。そのため、デコーダ73からクロック信号clock2を選択するためのクロック切替信号(ck control)が出力され、その結果、分周器(Divider2)から出力されるクロック信号clck2が選択され、これがチャージポンプクロック信号として出力される。
【0076】
さらにカウント信号が増加してT2≦Timer<T3を満足する状態となると、クロック信号clock3が選択され、以後、カウント信号(Timer)の増加に応じて、より低周波数のクロック信号が選択され、カウント信号がTN≦Timerを満足する状態となると、最も低周波数のクロック信号clock(N+1)(SLOW)が選択され、これがチャージポンプクロック信号として出力される。
【0077】
したがって、この第3実施形態においても上記第1、第2実施形態と同等の作用効果を得ることができる。
さらに、第3実施形態においては、カウント信号の大きさに応じて複数のクロック信号を切り替えて使用するため、モータを駆動する駆動パターンに応じて、消費電力をより細かく制御でき、その結果、電力供給回路の消費電力のさらなる低減を図ることができる。
【0078】
なお、上記第3実施形態においては、負荷として単相のモータを適用した場合について説明したが、多相のモータを適用することも可能であり、この場合には、各相に対応してモータ駆動回路2を設ければよい。その場合には、各相に対応するモータ駆動回路2に対して、1つの電力供給回路6から昇圧電圧VGを供給する構成にしてもよく、あるいは、モータ駆動回路2毎に電力供給回路6を設け、それぞれ対応する電力供給回路6からモータ駆動回路2に対して昇圧電圧VGを供給する構成としてもよい。
【0079】
また、直流電源装置1としてモータドライバを適用した場合について説明したが、これに限るものではなく、DC−DCコンバータ、電源接続回路など、ハイサイドMOSトランジスタを備えた回路であれば適用することができる。
また、上記第3実施形態においては、ハイサイドMOSトランジスタM1とローサイドMOSトランジスタM2とを備えたモータ駆動回路2を用いた場合について説明したが、必ずしもローサイドMOSトランジスタM2を備える必要はなく、ローサイドMOSトランジスタM2を有していないモータ駆動回路であっても適用することができる。
【0080】
なお、上記第3実施形態では、ドライブパターンデコーダ44は、プリドライバ12へのトランジスタ制御信号に基づき、モータに大きな電力を供給する駆動パターンであるか、すなわち、パルス幅が大きいか、単位時間あたりのパルス数が大きいかを判断している。しかし、ドライブパターンデコーダ44は、プリドライバ12へのトランジスタ制御信号に基づき、モータを駆動するパターンであるか否か、すなわち、パルス幅が零か、単位時間あたりのパルス数が零かを判断してもよい。
【0081】
つまり、上記第3実施形態では、例えばパルス幅がしきい値以上であるとき、あるいは単位時間あたりのパルス数がしきい値以上であるときに、モータに大きな電力を供給するパターンであると判断している。逆に、パルス幅がしきい値未満であるとき、あるいは単位時間あたりのパルス数がしきい値未満であるときには、モータに小さな電力を供給するパターンであると判断している。しかし、例えばパルス幅が零より大きいとき、あるいは単位時間あたりのパルス数が零より大きいときに、モータを駆動するパターンであると判断してもよい。逆に、パルス幅が零であるとき、あるいは単位時間あたりのパルス数が零であるときには、モータを駆動しないパターンであると判断してもよい。つまり、しきい値を零にしてもよい。
【0082】
図15は、クロック制御回路71の他の一例を示す概略構成図である。
クロック制御回路71は、発振回路21と、ドライブパターンデコーダ(Drive pattern decoder)44と、タイマ(Timer)72と、デコーダ73aと、分周器76と、を備える。
分周器(Divider)76は、デコーダ73aからの分周比切替信号(divider control)に応じて分周比を切り替えて、発振回路21で生成されるクロック信号を分周する。具体的には、分周器76は、タイマ72のカウント信号が小さいときには周波数がより高い分周比の高周波クロック信号を出力し、タイマ72のカウント信号が大きくなるにしたがって周波数がより低い分周比の低周波クロック信号を出力する。
【0083】
デコーダ73aは、タイマ72からのカウント信号に応じて分周比を決定し、これを分周比切り替え信号(divider control)として分周器76に出力する。
なお、発振回路21、ドライブパターンデコーダ44、タイマ72は、図11に示す各部と同一の機能を有する。
図16にタイマ72のカウント信号(Timer)と分周器76で設定される分周比、つまりチャージポンプクロック信号を生成するための分周比との関係を示す。図中のT1〜TNはT1<T2<T3……<TNを満足する任意の時間に設定され、分周器76の分周比は、x1<x2<……<x(n+1)を満足する任意の値に設定される。そして、図16に示す対応にしたがって、カウント信号の大きさに応じた分周比を選択することで、タイマ72のカウント信号すなわち経過時間が大きくなるにしたがってより大きな分周比が選択され、その結果、タイマ72のカウント信号が大きくなるほど分周器76から周波数がより低い低周波クロック信号が出力され、これがチャージポンプクロック信号として出力されることになる。
【0084】
つまり、この場合も、タイマ72のカウント信号が大きくなるほど、周波数がより小さくなるため、上記第3実施形態と同等の作用効果を得ることができる。
図17は、クロック制御回路71の他の一例を示す概略構成図である。
図17に示すクロック制御回路71は、電圧制御発振回路(VCO)82と、ドライブパターン周波数計測器(Hi−seide Drive frequency detector)81と、を備える。
【0085】
電圧制御発振回路82は、ドライブパターン周波数計測器81からのVCO制御信号(VCO control)に応じた周波数のクロック信号を生成する。
ドライブパターン周波数計測器81はハイサイドMOSトランジスタM1を駆動するためのトランジスタ制御信号が、モータに大きな電力を供給する駆動パターンであるときほど、すなわち、トランジスタ制御信号の周波数が大きいときほど、電圧制御発振回路82の周波数がより高い高周波クロック信号となるVCO制御信号を出力する。
【0086】
そのため、モータに大きな電力を供給する駆動パターンであるときほど、より高い周波数クロック信号が電圧制御発振回路82で生成されてこれがチャージポンプクロック信号として出力され、逆にモータに小さな電力を供給する駆動パターンであるときほど、より低い周波数クロック信号が電圧制御発振回路82で生成されてこれがチャージポンプクロック信号として出力されることになる。そのため、この場合も、上記第3実施形態と同等の作用効果を得ることができる。
【0087】
図18は、ドライブパターン周波数計測器81の一例を示す概略構成図である。なお、ドライブパターン周波数計測器81は、後述のドライブパターン周波数計測器83と同一機能構成を有する。
ドライブパターン周波数計測器81は、駆動開始判断デコーダ(Drive start decorder)81aと、タイマ(Timer)81bと、ラッチ回路(Latch)81cと、最大値選択回路(MAX)81dと、周波数変換部(Frequency Conversion)81eと、デコーダ(Decorder)81fと、を備える。
【0088】
図19は、ドライブパターン周波数計測器81の各部の信号を示すタイミングチャートの一例である。図19において、(a)はトランジスタ制御信号、(b)はラッチ回路81cに入力されるCount update信号としての駆動開始判断デコーダ81aの出力、(c)はタイマ81bをリセットするTimer clear信号としての駆動開始判断デコーダ81aの出力、(d)はタイマ81bから出力されるタイマデータ(Timer Data)、(e)はラッチ回路81cの出力であるラッチ出力(Latch OUT)、(f)は最大値選択回路81dから出力される周期信号(Period)である。
【0089】
駆動開始判断デコーダ81aは、トランジスタ制御信号を入力し、図19(a)〜(c)に示すように、トランジスタ制御信号のパルスの立ち上がりのタイミングで1パルスを出力する。
タイマ81bは、ドランジスタ制御信号の周期を計測するものであって、デジタル回路で実現する場合には、時間をカウントするタイマとなる。すなわち、タイマ81bは、駆動開始判断デコーダ81aの出力を、Timer clear信号として入力し、Timer clear信号を入力する毎に、タイマ値をリセットし、再度、カウントを開始する。タイマ81bの出力であるTimer data信号は、ラッチ回路81c及び最大値選択回路81に入力される。
【0090】
ラッチ回路81cは、駆動開始判断デコーダ81aからのCount update信号と、タイマ81bからのタイマデータとを入力し、Count update信号がHIGHレベルとなるタイミングでタイマデータをラッチし、ラッチしたタイマデータをラッチ出力(LatchOUT)として出力する。
最大値選択回路81dは、タイマ81bからのTimer data信号と、ラッチ回路81cからのラッチ出力とを入力し、Timer data信号とラッチ出力とのうち大きい方を周期信号(Period)として出力する。
【0091】
周波数変換部81eは、最大値選択回路81dから出力される周期信号を周波数データ(Frequency)に変換し、デコーダ81fは、周波数変換部81eで変換された周波数データを、電圧制御発振回路82へのVCO制御信号(VCO control)(後述のドライブパターン周波数計測器83の場合には、可変周波数発振器(OSC)への周波数制御信号(OSC frequency control))に変換する。
【0092】
このような構成とする結果、図19に示すように、トランジスタ制御信号が、モータに比較的大きな電力を供給する駆動パターンであるときほど、タイマ81bが頻繁にリセットされてタイマデータが比較的小さい値となることから、周期信号は比較的小さな値となって周波数データはより大きな周波数となる。そのため、デコーダ81fでは、比較的大きな周波数のクロック信号をチャージポンプクロック信号とするVCO制御信号を出力する。
【0093】
そして、トランジスタ制御信号が、モータに供給する電力がより小さくなる駆動パターンとなると、これに応じてタイマ81bがリセットされる間隔が長くなることから、タイマデータが増加し、周期信号が大きくなり、周波数データはより小さな周波数となる。そのため、デコーダ81fでは、より小さな周波数のクロック信号をチャージポンプクロック信号とするVCO制御信号を出力する。
【0094】
なお、周波数変換部(Frequency Conversion)81eを設けずに、最大値選択回路81dから出力される周期信号(Period)を、直接デコーダ81fで、VCO制御信号(あるいは周波数制御信号)に変換するように構成してもよい。
図20は、クロック制御回路71の他の一例を示す概略構成図である。
クロック制御回路71は、可変周波数発振器(OSC)84と、ドライブパターン周波数計測器(Hi−side Drive frequency detector)83と、を備える。
【0095】
可変周波数発振器84は、ドライブパターン周波数計測器83から出力される周波数制御信号(OSC frequency control)に応じた発振周波数のクロック信号を生成する。
ドライブパターン周波数計測器83は、図17に示すドライブパターン周波数計測器81と同一の機能構成を有し、ハイサイドMOSトランジスタM1を駆動するためのトランジスタ制御信号が、モータに大きな電力を供給する駆動パターンであるときほど、すなわちトランジスタ制御信号の周波数が大きいときほど可変周波数発振器84の周波数がより高い高周波クロック信号となる周波数制御信号を出力し、トランジスタ制御信号の周波数が小さいときほど可変周波数発振器84の周波数がより低い低周波クロック信号となる周波数制御信号を出力する。
【0096】
そのため、モータに大きな電力を供給する駆動パターンであるときほど、より高い周波数クロック信号が可変周波数発振器84で生成されてこれがチャージポンプクロック信号として出力され、逆にモータに小さな電力を供給する駆動パターンであるときほど、より低い周波数クロック信号が可変周波数発振器84で生成されてこれがチャージポンプクロック信号として出力されることになる。そのため、この場合も上記第3実施形態と同等の作用効果を得ることができる。
【0097】
なお、本発明の範囲は、図示され記載された例示的な実施形態に限定されるものではなく、本発明が目的とするものと均等な効果をもたらすすべての実施形態をも含む。さらに、本発明の範囲は、各請求項により画される発明の特徴の組み合わせに限定されるものではなく、すべての開示されたそれぞれの特徴のうち特定の特徴のあらゆる所望する組み合わせによって画されうる。
【符号の説明】
【0098】
1 直流電源装置
2 モータ駆動回路
3、5 電力供給回路
11 デコード/レベルシフト回路
12、13 プリドライバ
21 発振回路
22 分周回路
23 チャージポンプ
41 第1分周器
42 第2分周器
43 選択スイッチ
44 ドライブパターンデコーダ
45 タイマ
51 第1発振回路
52 第2発振回路
53 クロック選択回路
54 チャージポンプ
61 ドライブパターンデコーダ
62 タイマ
63 選択スイッチ
71 クロック制御回路
72 タイマ
73 デコーダ
74 分周器
75 選択スイッチ
76 分周器
81 ドライブパターン周波数計測器
82 電圧制御発振回路
83 ドライブパターン周波数計測器
84 可変周波数発振器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図10
図11
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図18
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