(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明するが、本発明は、下記の実施形態に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、下記の実施形態に種々の変形および置換を加えることができる。
【0014】
本実施の形態では、基板熱処理装置の一構成例について説明する。なお、本実施形態では、基板熱処理装置として縦型熱処理装置を例に説明するが、係る形態に限定されるものではない。
【0015】
本実施形態の縦型熱処理装置は、搬送保管ユニットと、熱処理ユニットと、を有することができる。
【0016】
搬送保管ユニットは、ウエハを複数枚収納した複数の運搬容器を保管する第1保管部及び第2保管部と、運搬容器を搬送する搬送機構部と、を含むことができる。
【0017】
熱処理ユニットは、多数枚のウエハを多段に保持した保持具を収納して、ウエハに熱処理を施す熱処理炉が設けられた構成とすることができる。
【0018】
そして、搬送保管ユニットの第1保管部の下方には、運搬容器内のウエハを熱処理ユニットの保持具に移載するために、運搬容器を載置する移載部の載置台を設けることができる。また、第2保管部は、搬送機構部の下方に移載部に隣り合うように配置することができ、第2保管部に配置された運搬容器の高さ方向の位置を変化させる昇降機構部を有することができる。
【0019】
ここでまず、本実施形態の縦型熱処理装置においてウエハを搬送、保管する際に用いる運搬容器の構成例について
図1を用いて説明する。
図1は、ウエハの運搬容器の一例の概略斜視図を示している。なお、本実施形態においては、ウエハを収容する運搬容器として密閉型のFOUP(Front Opening Unified Pod)を使用する場合について説明するが、係る形態に限定されるものではない。
【0020】
運搬容器はキャリアとも呼ばれ、
図1に示すように運搬容器1は一端部が開口部として形成され、他端部は例えば略半楕円形状に形成することができる。
【0021】
運搬容器1の内壁面には、ウエハを多段に配置することができる支持部が形成されている。この支持部にウエハの周縁部を載置して支持することにより、略等ピッチで多段にウエハを収納することができる。一般的に、1つの運搬容器に対して、25枚のウエハを収納することができる。
【0022】
そして、運搬容器1の天井部には、運搬容器1を把持する際に掴むことが可能である把手2が設けられる。
【0023】
運搬容器1の開口部には、この開口部に対応する開閉蓋3が着脱可能に取り付けられており、運搬容器1内は開閉蓋3によって実質的に気密状態とされる。一般的に、運搬容器の内部の雰囲気は、清浄空気となっている。
【0024】
開閉蓋3には、例えば2つのロック機構4が設けられており、ロック機構4を施錠又は開錠することにより、開閉蓋3を開口部から着脱することができる構成となっている。
【0025】
運搬容器1の底部の下面には、図示しない複数の位置決め凹部を設けることができる。位置決め凹部を設けることにより、縦型熱処理装置内を搬送して載置台等に載置した際に、載置台等に設けられた凸部と運搬容器1に設けられた位置決め凹部とにより、運搬容器1を位置決め可能に構成できる。また、運搬容器1の底部の下面に図示しないロック片を設け、例えば後述の移載部123の載置台123a等に運搬容器1を載置した際にロックできる構成とすることもできる。
【0026】
そして、上述のように、縦型熱処理装置において処理に供給するウエハの直径は、従来は300mmであったが、近年では450mmとすることが要求されている。そして、ウエハの直径が大きくなったことにより、ウエハの厚みも例えば従来は0.725mmであったところ0.925mmと増大している。このため、運搬容器もその内部に25枚のウエハを収納する場合、直径300mmのウエハを収納する運搬容器であれば高さが339mm程度であったが、直径450mmのウエハを収納する運搬容器の場合、高さが404mmと大きくなっている。
【0027】
なお、本発明における直径450mmのウエハとは半導体装置の当業者において直径450mmのウエハと認識されるウエハを全て包含するものである。従って、厳密に直径が450mmのウエハに限定されるものではなく、直径が450mmよりも多少ずれているウエハ、例えば直径が450±0.2mmのウエハも含む。
【0028】
そこで、ウエハの直径が450mmの場合であっても縦型熱処理装置のフットプリントを直径300mmに対応した縦型熱処理装置と同程度に保ちつつ、縦型熱処理装置内に十分な数量の運搬容器を保管するため、本発明の発明者らは縦型熱処理装置内の構成を検討して本発明を完成させた。
【0029】
以下、本実施形態の縦型熱処理装置の構成について、
図2を用いて具体的に説明する。
【0030】
図2(A)は本実施形態の縦型熱処理装置の断面模式図を表わしており、
図2(B)は
図2(A)のA−A´線での断面図を示している。
【0031】
図2(A)に示すように、本実施形態の縦型熱処理装置10は、図中横方向に並んで配列された、搬送保管ユニット12と、熱処理ユニット13と、を有することができる。各ユニットについて以下に説明する。
(搬送保管ユニット)
搬送保管ユニット12は、複数の運搬容器1を保管する第1保管部121と、第2保管部122とを有することができる。なお、既述のように複数の運搬容器1は、その内部にウエハを複数枚収納した状態とすることができる。そして、運搬容器1内のウエハを熱処理ユニット13の保持具1321に移載するために、運搬容器1を載置する移載部123の載置台123aを有することができる。さらに、第1保管部121、第2保管部122、移載部123や、例えば後述する搬入搬出ユニット11と、の間で運搬容器1を搬送する搬送機構部124を有することができる。
【0032】
第1保管部(第1キャリアステージ)121は
図2(A)に示したように、搬送保管ユニット12の選択された一の壁面部に配置することができる。例えば、搬送保管ユニット12の熱処理ユニット13に対向する壁面部に配置することが好ましい。
【0033】
第1保管部121は
図2(A)に示すように複数段の載置棚121a〜121dを有し、各載置棚にはそれぞれ2個ずつ運搬容器1を配置することができる。
【0034】
ここで、複数段の載置棚のうち載置棚121cと、その上面に運搬容器1を配置した場合の構成を
図2(B)に示す。
図2(B)は
図2(A)のA−A´線の断面図にあたる。
図2(B)に示したように、各載置棚上には2個ずつ運搬容器1を配置することができる。このため、
図2(A)に示すように第1保管部121が載置棚を4段有する場合、全ての載置棚に運搬容器1を配置すると第1保管部121全体で8個の運搬容器1を配置できることになる。
【0035】
なお、
図2(A)では第1保管部121の載置棚の段数を4段としたが、段数は4段に限定されるものではなく、装置のサイズや、要求される運搬容器1の設置数に応じて変更することができる。ただし、縦型熱処理装置のスループット(処理能力)を高めるため、縦型熱処理装置10内には、次バッチ用のウエハや、複数種類のダミー用のウエハを保持しておくことが好ましい。このため、例えば後述する熱処理炉1311に1回に搬入できるウエハの枚数が100〜125枚程度であれば、第1保管部121は4段以上であることが好ましい。なお、縦型熱処理装置10は通常クリーンルーム内に設置されるため、その高さはクリーンルームの高さによって制約される場合がある。このため、例えばクリーンルームの高さに応じて第1保管部121の段数を選択することができる。
【0036】
第2保管部(第2キャリアステージ)122は
図2(A)に示したように、搬送機構部124の下方に移載部123に隣り合うようにして設けることができる。なお、本実施形態における下方とは、高さ方向(
図2(A)中z軸方向)で見て下方向を意味しており、水平方向(
図2(A)中でのx軸方向や、紙面と垂直な方向)の位置は問わない。ただし、第2保管部122は、上述のように水平方向、すなわち、
図2(A)においてはx軸方向でみて移載部123に隣り合う位置に配置することが好ましい。また、第2保管部122は、搬送機構部124側から、高さ方向(
図2(A)中z軸方向)に沿って下方、すなわち、第2保管部122側を見た場合に、搬送機構部124と、第2保管部122の少なくとも一部と、が重なり合うように配置することが好ましい。特に第2保管部122は搬送機構部124の真下に配置することが好ましい。
【0037】
第2保管部122についても第1保管部121と同様に、
図2(A)の紙面と垂直な方向に運搬容器1を2個並べて配置することができる。
【0038】
本実施形態の縦型熱処理装置10においては移載部123の位置を見直し、上述のように搬送機構部124の下方に第2保管部122を設けることにより、フットプリントを増大させることなく、縦型熱処理装置10内に十分な数量の運搬容器1を保管できる。
【0039】
ただし、第2保管部122に運搬容器1を配置した場合、運搬容器1が移載部123への運搬容器1の搬入、搬出を阻害しないように、第2保管部122に配置された運搬容器1の上端部の高さは移載部123の載置台123aの高さよりも低いことが好ましい。しかし、搬送機構部124はその可動域が限られるため、第2保管部122の高さを低くしすぎると第2保管部122を使用できなくなる場合がある。
【0040】
そこで、本実施形態の縦型熱処理装置10において第2保管部122は、第2保管部122に配置された運搬容器1の高さ方向の位置を変化させる昇降機構部125を有することが好ましい。
【0041】
昇降機構部125の構成は特に限定されるものではなく、第2保管部122に運搬容器1を配置したまま、運搬容器1の高さ方向の位置を変化させることができるものであればよい。
【0042】
昇降機構部125は運搬容器1を支持する運搬容器支持部32、52を有することができる(運搬容器支持部32、52等の昇降機構部の各部材については後述する
図3〜
図5を参照)。そして、第2保管部122に要する高さ方向のサイズを最小限にするため、運搬容器1を支持する運搬容器支持部32、52が最も高い位置にある時と、最も低い位置にある時とで、その高さの変位幅が大きいことが好ましい。
【0043】
例えば、運搬容器支持部32、52が最も高い位置にある時の運搬容器支持部32、52と、昇降機構部125の下端面との間の距離(以下、「最高高さ」とも記載する)が、運搬容器支持部32、52が最も低い位置にある時の運搬容器支持部32、52と、昇降機構部125の下端面との間の距離(以下、「最低高さ」とも記載する)の1.2倍以上であることが好ましい。特に、運搬容器支持部32、52の最高高さは、最低高さの1.5倍以上であることがより好ましく、2倍以上であることがさらに好ましい。
【0044】
運搬容器支持部32、52の最高高さと最低高さとの比を上記範囲にすることで、第2保管部122上の運搬容器1による移載部123への運搬容器1の搬送等への干渉の抑制と、搬送機構部124による第2保管部122の運搬容器1の確実な把持とを、両立し易くなり好ましい。
【0045】
さらに、移載部123の載置台123aの高さが低くても第2保管部122上の運搬容器1による移載部123への運搬容器1の搬送等への干渉を抑制できるため、移載部123上に配置する第1保管部121の空間を十分に確保することが可能になるため好ましい。
【0046】
なお、運搬容器支持部32、52の最高高さと最低高さとの比の上限は特に限定されないが、縦型熱処理装置のサイズとの関係から、必要以上に大きくする必要はなく、運搬容器支持部32、52の最高高さは、最低高さの例えば3倍以下とすることが好ましい。特に運搬容器支持部32、52の最高高さは、最低高さの2.1倍以下とすることがより好ましい。
【0047】
既述のように、第2保管部122は2つの運搬容器1を保管することができる。このため、昇降機構部125は、2つの運搬容器1が配置された状態で高さ方向(
図2(A)中のz軸方向)に動くことが可能であることが好ましい。そして、例えば直径が450mmのウエハを25枚収納した運搬容器1は通常24kg程度の質量を有することから、昇降機構部125は、50kg以上の荷重を昇降できることが好ましく、60kg以上の荷重を昇降できることがより好ましい。昇降機構部125の耐荷重の上限値は特に限定されないが、必要以上の能力を備えている必要はないことから、例えば100kg以下とすることができる。
【0048】
なお、昇降機構部125は、運搬容器1毎に独立して設けることもできる。このため、上述のように、第2保管部122に2つの運搬容器1を保管できるように構成する場合、これにあわせて2台の独立した昇降機構部125を配置することもできる。運搬容器1毎に昇降機構部125を設ける場合、昇降機構部125は1つの運搬容器を昇降できればいいから、例えば25kg以上の荷重を昇降できることが好ましく、30kg以上の荷重を昇降できることがより好ましい。運搬容器1毎に昇降機構部125を設ける場合でも、その上限値は特に限定されるものではないが、例えば50kg以下とすることができる。
【0049】
昇降機構部125の具体的な構成は特に限定されるものではないが、運搬容器1を支持した状態で安定して高さ方向の位置を変化できるように構成されることが好ましい。このため、昇降機構部125は、運搬容器1を支持する運搬容器支持部32、52と、運搬容器支持部32、52の高さ方向の位置を変位させる位置変位部材(運搬容器支持部位置変位部材)31、51と、運搬容器支持部32、52の高さ方向の移動をガイドするガイド部材と、を有することが好ましい。
【0050】
運搬容器支持部32、52の形状は特に限定されず、例えば板状体を用いることができる。また、運搬容器支持部32、52の材質については特に限定されないが、例えばアルミニウム合金等の各種金属を好ましく用いることができる。運搬容器支持部32、52には、位置変位部材31、51や、ガイド部材33、53を設置するための加工等を任意に施しておくことができる。また、運搬容器支持部32、52は運搬容器1を載置した際に運搬容器1の位置合わせを行う位置決め用の凸部を運搬容器1の載置面に設けておくことができる。運搬容器1の載置面に位置決め用の凸部を設けておくことにより、位置決め用の凸部と、運搬容器1の底面に設けられた位置決め凹部と、により運搬容器1を位置決めすることができる。さらに運搬容器支持部32、52の運搬容器1の載置面に、運搬容器1を固定できるロック手段を設けておくこともできる。
【0051】
位置変位部材についても特に限定されるものではないが、例えば、ボールねじや、ジップチェーンアクチュエータ(登録商標)やシリンダー等を含むことができる。特に、上述のように、運搬容器支持部32、52の最高高さと最低高さの比を大きくできるように、位置変位部材は、ボールねじまたはジップチェーンアクチュエータを含むことが好ましい。さらに、機構が簡易であり、コストも低くすることができるため、位置変位部材は、ボールねじを含むことがより好ましい。
【0052】
ガイド部材については運搬容器支持部32、52の高さ方向の移動をガイドできる部材であればよく、特に限定されないが、例えばLMガイド(リニアモーションガイド)や、パンタグラフ式の伸縮架台等を好ましく用いることができる。
【0053】
昇降機構部125の具体的な構成例について、
図3〜
図5を用いて説明する。
【0054】
図3、
図4は、位置変位部材31がボールねじ311を含み、ガイド部材33としてLMガイド(リニアモーションガイド)を用いた例を示している。
図3(A)、
図4(A)は
図2(A)におけるB−B´面での断面図を示しており、
図3(B)、
図4(B)は、
図2(A)において昇降機構部125を含む第2保管部122を紙面と垂直な方向から見た場合の側面図を示している。なお、
図2(A)と
図3、4や後述する
図5を比較すると運搬容器支持部のサイズ等が若干異なっているが、これは、いずれも装置の構成が分かり易いように模式的に示しているためであり、装置内の各部材のサイズ等は図面に示した形態に限定されるものではない。また、
図3(A)、(B)、
図4(A)、(B)はいずれも運搬容器支持部32が最も高い位置にある状態を示している。
【0055】
図3(A)、(B)、
図4(A)、(B)に示した昇降機構部30、40は、位置変位部材31として、ボールねじ311を有している。そして、位置変位部材31は、ボールねじ311のナット部314と、モーター312の軸に装着したプーリー313と、の間にベルト315を掛けた構造を有している。このため、モーター312の回転運動をボールねじ311により直線運動に変え、運搬容器支持部32を高さ方向に変位することができる。
【0056】
図3(A)、(B)では、ガイド部材33は運搬容器1の並び方向に沿って、LMガイドを2つ設置した例を示しているが、係る形態に限定されるものではなく、2つ以上配置することもできる。また、
図4(A)、(B)に示した昇降機構部40のように、運搬容器1の並び方向と垂直な2つの面にそれぞれ設置することもできる。ただし、ガイド部材33は、運搬容器支持部32に撓みが生じないように設置することが好ましい。このためガイド部材33としてLMガイドを用いる場合、
図3(A)に示したように運搬容器1の並び方向に沿って、すなわち、運搬容器支持部32の長辺に沿って配置することが好ましい。なお、ここではガイド部材33としてLMガイドを用いた例を示したが、係る形態に限定されるものではなく、後述するパンタグラフ式の伸縮架台や、その他のガイド部材を用いることもできる。
【0057】
次に、
図5(A)、(B)示した昇降機構部50は、位置変位部材51がジップチェーンアクチュエータを含み、ガイド部材53としてパンタグラフ式の伸縮架台を用いた構成例を示している。
図5(A)は
図2(A)におけるB−B´面での断面図を示しており、
図5(B)は、
図2(A)において昇降機構部125を含む第2保管部122を紙面と垂直な方向から見た場合の側面図を示している。
図5(A)、(B)はいずれも運搬容器支持部52が最も高い位置にある状態を示している。
【0058】
図5(A)、(B)に示した昇降機構部50は、位置変位部材51として、ジップチェーンアクチュエータを有している。ジップチェーンアクチュエータは、図示しない、対向面が噛み合うように形状加工された2本のチェーンを用い、2本のチェーンを噛み合わせることにより伸長し、2本のチェーンの噛み合わせを解くことにより収縮する部材を意味する。図中点線で示した部分に上述した噛み合わさった2本のチェーンが伸長し、運搬容器支持部52の高さを変位することができる。
【0059】
図5ではガイド部材53としてパンタグラフ式の伸縮架台を用いているが、
図3、
図4で示したようにLMガイドやその他のガイド部材を用いることもできる。
【0060】
次に、移載部123について説明する。移載部123は、FIMSポートとも呼ばれ、運搬容器1を載置する載置台123aを有することができる。移載部123の載置台123aには、後述する熱処理炉1311に多数枚のウエハを供給する保持具1321に運搬容器1内のウエハを移載する際、または、保持具1321から運搬容器1内にウエハを移載する際に、運搬容器1を載置できる。
【0061】
移載部123は、例えば、
図2(A)に示すように、第1保管部121の下方に配置することが好ましい。第1保管部121側から
図2(A)中z軸方向(高さ方向)に沿って下方、すなわち、移載部123側を見た場合に、第1保管部121と、移載部123の少なくとも一部と、が重なり合うように配置することがより好ましい。特に第1保管部121の真下に配置することがさらに好ましい。
【0062】
そして、移載部123は、後述する熱処理ユニット13内のローディングエリア132内と運搬容器1内とを連通する開口部と、該開口部をローディングエリア132側から密閉できる開閉可能な扉機構123bと、を有することができる。また、図示しない運搬容器1の開閉蓋3を開閉する蓋開閉機構を有することができる。
【0063】
さらに、運搬容器1を載置台123a上に配置した際に、運搬容器1の位置合わせを行う位置決め用の凸部を載置台123a上に設けておくことができる。また、運搬容器1を載置台123a上に配置した際に容器本体の前面周縁部を搬送保管ユニット12の熱処理ユニット13と対向する隔壁123cに当接した状態で、運搬容器1を固定できるロック手段を載置台123a上に配置しておくこともできる。
【0064】
移載部123についても、紙面と垂直な方向に2つの運搬容器1を配置できるように構成されていることが好ましい。この場合、2つの運搬容器1に対して同時にウエハの移載を行えるように、上述した開口部や扉機構123b、蓋開閉機構等も運搬容器1の載置位置に対応して紙面と垂直な方向に2つ配置されていることが好ましい。
【0065】
なお、移載部123に配置できる運搬容器1の数は2つに限定されるものではなく、任意に変更することもできる。例えば移載部123に2つよりも多く運搬容器1を配置する必要がある場合には、第1保管部121の最下段の載置棚121dについても移載部123とすることもできる。この場合、載置棚121d部分に配置される運搬容器1に対応するように上述した開口部や扉機構123b、蓋開閉機構等も設けることができる。
【0066】
また、移載部123についても保持具1321と、運搬容器1との間でのウエハを移載する状況等に応じて、一時的に運搬容器1を保管する保管部(第3保管部)として用いることもできる。
【0067】
搬送機構部124は運搬容器1を搬送する機構とすることができる。
【0068】
搬送機構部124は、搬送保管ユニット12と、搬送保管ユニット12の外部と、の間で運搬容器1を搬送することができる。具体的には例えば、後述する搬入搬出ユニット11から搬入された運搬容器1を第1保管部121、第2保管部122、移載部123へ搬送できる。また、熱処理ユニット13で処理を終えたウエハを収納した運搬容器1を搬入搬出ユニット11へ搬出できる。
【0069】
さらに、搬送機構部124は搬送保管ユニット12内で、運搬容器1を搬送することもできる。具体的には、第1保管部121、第2保管部122、移載部123間で運搬容器1を搬送できる。
【0070】
搬送機構部124は、運搬容器1を搬送することができればよく、その具体的な構成については特に限定されるものではないが、運搬容器1を、運搬容器1の上面側から把持して搬送する機構であることが好ましい。これは、例えば第2保管部122は搬送機構部124の下方に配置されているため、第2保管部122に運搬容器1を搬入、搬出する際には、上面側から把持できる構成とすることが好ましいからである。運搬容器1を運搬容器1の上面側から把持して搬送できる搬送機構として、オートメーションフランジを好適に用いることができる。
(熱処理ユニット)
熱処理ユニット13は既述のように、多数枚のウエハを多段に保持した保持具1321を収納して、ウエハに熱処理を施す熱処理炉1311を有することができる。
【0071】
熱処理ユニット13は、熱処理炉1311が配置された熱処理炉エリア131と、熱処理炉1311にウエハを供給するため、又は、熱処理炉1311で処理を行ったウエハを搬出するため、運搬容器1と保持具1321との間でウエハを移載するローディングエリア132と、を有することができる。
【0072】
熱処理炉エリア131は、
図2(A)に示したようにローディングエリア132上に配置することができ、熱処理炉1311が配置されている。熱処理炉1311は、下部が炉口1311aとして開口された縦長の処理容器である反応管1312と、反応管1312の周囲を覆うように配置されたヒータ1313とを有することができる。ヒータ1313の構成については特に限定されないが、反応管1312内を例えば300〜1200℃に加熱できることが好ましい。
【0073】
反応管1312は例えば石英等から構成することができ、反応管1312内に処理ガスやパージ用の不活性ガスを導入する複数のガス導入管や反応管内を制御可能な真空ポンプや圧力制御弁等を有する排気管を接続できる。また、反応管の下方にはウエハを挿入するための炉口1311aを設けることができる。
【0074】
反応管1312やヒータ1313はベースプレート1314上に配置することができ、ベースプレート1314に開口部を設けておくことにより、図中下方側からウエハを保持した保持具1321等の搬入搬出を行うことができる。ベースプレート1314は例えばステンレス鋼により構成されていることが好ましい。
【0075】
ローディングエリア132には、搬送保管ユニット12の移載部123の載置台123aに載置した運搬容器1内のウエハを移載する保持具1321等を設置することができる。
【0076】
具体的には例えば
図2(A)に示したように、移載部123に載置した運搬容器1と、保持具1321との間で、ウエハを移載する移載機構1322を配置できる。なお、移載機構1322は、熱処理炉1311にウエハを供給するため、運搬容器1から保持具1321にウエハを移載することもできるが、熱処理後、保持具1321から運搬容器1に処理済みのウエハを移載することもできる。
【0077】
保持具1321はボートとも呼ばれ、多数枚のウエハを棚状に保持できる。保持具1321は断熱部(保温筒)1325を介して、蓋体1323上に載置されている。
【0078】
蓋体1323は図示しない昇降機構上に支持されており、昇降機構により上昇することにより熱処理炉1311の炉口1311aを密閉することができる。また、昇降機構により蓋体1323上に載置された保持具1321を熱処理炉1311に対して搬入あるいは搬出することができる。
【0079】
さらに、蓋体1323上に載置された保持具1321を、熱処理炉1311内でウエハを水平面内で回転できるように回転機構1324を設けることもできる。
【0080】
また、ローディングエリア132には、保持具1321や蓋体1323を下降している時に炉口1311aを塞ぐ図示しないシャッターを配置しておくこともできる。
【0081】
本実施形態の縦型熱処理装置10には、
図2(A)に示したように、複数の運搬容器1を搬送保管ユニット12に搬入搬出する、搬入搬出ユニット11をさらに有することができる。搬入搬出ユニット11の構成例について以下に説明する。
(搬入搬出ユニット)
搬入搬出ユニット11は搬送保管ユニット12に隣接して配置することができ、ウエハを複数枚収納した運搬容器1を縦型熱処理装置10に搬入搬出するユニットとすることができる。
【0082】
搬入搬出ユニット11の構成は特に限定されるものではないが、例えば
図2(A)に示すように、下段ロードポート111と上段ロードポート112との2段のロードポートを配置することができる。各ロードポートは、運搬容器1を載置する台と、運搬容器1を搬送保管ユニット12内に搬入搬出するための開口部とを有することができる。
【0083】
具体的には、下段ロードポート111は、運搬容器1を載置する第1の搬入搬出台111aと、第1の開口部111bと、を有することができる。
【0084】
上段ロードポート112は、運搬容器1を載置する第2の搬入搬出台112aと、搬送保管ユニット12に搬入搬出するための第2の開口部112bと、を有することができる。また、第1の搬入搬出台111a、第2の搬入搬出台112a共に、第1保管部121等と同様に紙面と垂直方向に2個の運搬容器1を配置するように構成できる。
【0085】
そして、第1の搬入搬出台111a、第2の搬入搬出台112aに搬入された運搬容器1は、搬送保管ユニット12の搬送機構部124により搬送保管ユニット12内の第1保管部121や第2保管部122、移載部123の載置台123a等に搬送できる。また、熱処理ユニット13で処理を終えたウエハを収納した運搬容器1は、第1の搬入搬出台111aや、第2の搬入搬出台112aに払い出すことができる。
【0086】
なお、第1の搬入搬出台111aや、第2の搬入搬出台112aについても運搬容器1の搬入、搬出状況等に応じて、一時的に運搬容器1を保管する保管部(第4保管部)として用いることもできる。
【0087】
第1の搬入搬出台111aや、第2の搬入搬出台112aへ、縦型熱処理装置の外部からウエハを収容した運搬容器1を搬送する手段は特に限定されるものではないが、例えば天井走行型搬送装置であるOHT(Overhead Hoist Transfer)や、床走行型搬送装置であるAGV(Automated Guided Vehicle)、RGV(Rail Guide Vehicle)や、手押し型搬送装置であるPGV(Person Guided Vehicle)等を用いることができる。また、熱処理ユニット13により所定の処理が施されたウエハを収納した運搬容器1についても、第1の搬入搬出台111aや、第2の搬入搬出台112aに載置された後、同様の手段で搬出し、他の工程に搬送することができる。
【0088】
本実施形態の縦型熱処理装置10においては、上述のように搬送機構部124の下方に第2保管部122を設けることにより装置のフットプリントを増大させずに、装置内部にウエハを収納した運搬容器1を十分な数量保管できる。しかし、装置のスループットをさらに向上させるためには、装置内にさらに多くの運搬容器1を配置、保管できることが好ましい。そこで、装置内に運搬容器1の設置場所をより多く確保するため、搬送保管ユニット12の高さを高くすることが好ましい。
【0089】
ところが、既述のように本実施形態の縦型熱処理装置10は通常クリーンルーム内に配置されているため、高さには制限がある。このため、高さが十分に確保できないクリーンルームに設置する場合、設置場所の床に凹部を形成し、縦型熱処理装置の一部を該凹部に設置することができる。
【0090】
ただし、上述のように運搬容器1の搬入、搬出の際に用いる搬送手段には、例えばOHT(天井走行型搬送装置)や、AGV、RGV(床走行型搬送装置)等が用いられる。このため、運搬容器1の搬送手段が配置された床面または天井面と、縦型熱処理装置10の運搬容器1の受け入れ、払い出し部分との距離は一定の範囲内とすることが好ましい。すなわち、運搬容器1の受け入れ、払い出しを行う搬入搬出ユニット11は、クリーンルームの床面のうち凹部を形成していない部分に設置することが好ましい。
【0091】
そこで、本実施形態の縦型熱処理装置10は、搬入搬出ユニット11を凹部外に、搬送保管ユニット12を凹部内に配置できるよう、搬入搬出ユニット11は、搬送保管ユニット12の高さ方向(
図2(A)のz軸方向)の任意の位置に設置できることが好ましい。
【0092】
搬入搬出ユニット11は、上述のように、運搬容器1を載置し、縦型熱処理装置内に運搬容器を搬入搬出する第1の搬入搬出台111aを有することができる。また、第1の搬入搬出台111aの上側に配置され、運搬容器1を載置し、縦型熱処理装置内に運搬容器1を搬入搬出する第2の搬入搬出台112aを有することができる。
【0093】
下側に配置されている第1の搬入搬出台111aは、AGV、RGV等の床走行型搬送装置に対応するため、搬入搬出ユニット11の下端面(底面)11aから、第1の搬入搬出台111aの上面までの距離が890mm程度となることが好ましい。そして、上述のように搬送保管ユニット12をクリーンルームの床面より下に配置する場合でも、搬入搬出ユニット11はクリーンルームの床面上に配置されることが好ましい。このため、第1の搬入搬出台111aの運搬容器1を載置する面と、搬送保管ユニット12の下端面12aと、の間の距離h1は890mm以上であることが好ましい。特に、凹部を十分な深さにし、搬送保管ユニット12を十分な高さとするために、第1の搬入搬出台111aの運搬容器1を載置する面と、搬送保管ユニット12の下端面12aと、の間の距離h1は1363mm以上であることがより好ましい。
【0094】
ただし、搬入搬出ユニット11とクリーンルームの天井面とが近接しすぎると、例えばOHT(天井走行型搬送装置)により第2の搬入搬出台112aに運搬容器1を搬入等することが困難になる恐れがある。このため、第2の搬入搬出台112aに運搬容器1を配置した際の運搬容器1の上端部と、搬送保管ユニット12の下端面12aとの間の距離h2は、2410mm以下であることが好ましい。
【0095】
また、本実施形態の縦型熱処理装置10は製造後、工場等に設置するため搬送する必要がある。通常、縦型熱処理装置10は、トラックにより縦型熱処理装置の製造工場から該装置を設置する工場等まで搬送される。しかし、道路法により、トラックで搬送する際には指定道路を走行する場合以外は、積載した荷物を含めて車両の高さは3800mm以内に制限されている。そして、トラックは荷台部分が低床車であっても1000mm程度の高さを有しているから、積載する荷物の高さは2800mm以下とすることが好ましい。このため、本実施形態の縦型熱処理装置10についても高さが2800mmを超える場合は複数の部材に分割できるように構成されていることが好ましい。
【0096】
本実施形態の縦型熱処理装置は、上述のように、搬送保管ユニット12、熱処理ユニット13、さらには搬入搬出ユニット11を有することができるが、搬送保管ユニット12、熱処理ユニット13の部分の高さが2800mmを超える恐れがある。このため、これらのユニットについては高さ方向(
図2(A)のz軸方向)に複数の部材に分割できることが好ましい。
【0097】
例えば、搬送保管ユニット12の筐体が、複数に分割できることが好ましい。筐体を分割する場合、搬送先の工場等でより容易に設置できるようにするため、筐体にはユニット内の各部材が配置された状態となっていることが好ましい。
【0098】
このため例えば、搬送保管ユニット12は、筐体が、
図2(A)の点線aで区切られる、領域Y1と領域Y2とを含む筐体部と、領域Y3を含む筐体部との2つに分割できることが好ましい。
【0099】
具体的には、搬送保管ユニット12の筐体は、第1保管部121及び搬送機構部124が配置された第1の筐体部と、第1の筐体部の下側に配置され、第2保管部122が配置された第2の筐体部と、を含むことが好ましい。そして、搬送保管ユニット12の筐体は、少なくとも第1の筐体部と、第2の筐体部と、に分割できることが好ましい。この場合、第1の筐体部の高さ及び第2の筐体部の高さは、2800mm以下であることが好ましい。
【0100】
なお、筐体はさらに分割してもよく、例えば第1の筐体部について点線bで区切られる、搬送機構部124よりも上部の領域Y1を含む筐体部と、領域Y2を含む筐体部と、に分割してもよい。上述のように分割した各筐体部はいずれも、2800mm以下であることが好ましい。なお、搬送保管ユニット12の部材のうち高さ方向に長い搬送機構部124は、それ以上分割できない場合があるため、その高さ(
図2(A)中のz軸方向の長さ)は2800mm以下であることが好ましい。
【0101】
また、熱処理ユニット13についても複数に分割できるように構成することが好ましい。熱処理ユニット13については、熱処理炉エリア131を含む筐体部と、ローディングエリア132を含む筐体部とで分割できることが好ましい。この場合も分割した各筐体部は高さが2800mm以下であることが好ましい。
【0102】
なお、本実施形態の縦型熱処理装置においては、
図2(A)に示すように例えばコンピュータからなる制御部14が設けることができる。制御部14はプログラム、メモリ、CPUからなるデータ処理部などを備えることができる。プログラムには、制御部から縦型熱処理装置10の各部に制御信号を送り、運搬容器1の搬送や、運搬容器1と、保持具1321との間でのウエハの移載、熱処理炉1311の熱処理等の各処理工程を進行させるように命令(各ステップ)を組みこむことができる。プログラムは、コンピュータ記憶媒体、例えばフレキシブルディスク、コンパクトディスク、ハードディスク、MO(光磁気ディスク)及びメモリーカード等の記憶媒体に格納されて制御部にインストールできる。
【0103】
以上の本実施形態の縦型熱処理装置によれば、搬送機構の下部に第2保管部を設けることにより、従来の縦型熱処理装置と同程度のフットプリントを保ちつつ、装置内部に直径450mmのウエハを収納した運搬容器を十分な数量保管することが可能になる。
【0104】
上述した本実施形態の縦型熱処理装置の構成は、直径450mmのウエハを処理する縦型熱処理装置の場合に上述のように特に優れた効果を発揮する。このため、本実施形態の縦型熱処理装置は、直径450mmのウエハを処理する縦型熱処理装置であることが好ましい。すなわち、直径450mmのウエハを複数枚収納した運搬容器を用いる縦型熱処理装置であることが好ましい。ただし、直径300mmのウエハを処理する縦型熱処理装置においても本実施形態の縦型熱処理装置の構成を採用することにより、装置内にウエハを収納した運搬容器をより多く保管することが可能になる。このため、処理時間の短縮、スループットを向上することができる。従って、本実施形態の縦型熱処理装置は直径450mmのウエハを処理する縦型熱処理装置に限定されず、直径300mmのウエハを処理する縦型熱処理装置、すなわち、直径300mmのウエハを複数枚収納した運搬容器を用いる縦型熱処理装置にも適用できる。
【0105】
次に、基板熱処理装置の設置方法の一構成例について説明する。ここでも縦型熱処理装置を例に説明するが、係る形態に限定されるものではない。
【0106】
上述した縦型熱処理装置については、既述のように、クリーンルームの床面に凹部を形成し、該凹部に縦型熱処理装置の一部を設置することができる。このようにクリーンルームの床面に凹部を形成した場合の縦型熱処理装置の設置方法の構成例について説明する。
【0107】
図2(A)において、点線aがクリーンルームの床面であり、搬送保管ユニット12、熱処理ユニット13を設置する場所について、点線cの深さまで凹部を形成したとする。この場合、凹部の対応する位置に搬送保管ユニット12、熱処理ユニット13を設置すれば良いが、通常クリーンルーム内は装置が密に設置されているため、各ユニットが組みあがった状態で設置することは困難であることが多い。また、凹部を形成しているのは縦型熱処理装置がクリーンルームの高さに収まらない場合が多いため装置が組みあがった状態では設置することができない場合が多い。
【0108】
このため、例えば搬送保管ユニット12や、熱処理ユニット13の筐体を上述のように高さ方向(
図2(A)中のz軸方向)に複数に分割可能に構成しておき、分割した各筐体部を凹部上で組み立てて設置することが好ましい。
【0109】
ここではまず搬送保管ユニット12部分を例に設置方法を説明する。
【0110】
搬送保管ユニット12は、図中点線aで区切られる、第1保管部121及び搬送機構部124が配置された第1の筐体部と、第1の筐体部よりも下側に配置され、第2保管部122が配置された第2の筐体部と、を含むことが好ましい。この際、搬送保管ユニット12の筐体は、少なくとも第1の筐体部と、第2の筐体部と、に分割できるように構成されていることが好ましい。
【0111】
そして、係る縦型熱処理装置の設置方法は床面に凹部を形成し、該凹部内に第2の筐体部を設置する工程と、第2の筐体部上に第1の筐体部を設置する工程と、を有することが好ましい。
【0112】
なお、凹部の深さと、第2の筐体部の高さは同じである必要ではない。例えば凹部の深さよりも、第2の筐体部の高さの方が高くてもよく、第2の筐体部の高さの方が低くてもよい。また、上述のように第1の筐体部はさらに分割可能に構成しておくことができ、この場合、分割した全ての筐体を設置する工程を有することができる。
【0113】
熱処理ユニット13についても、熱処理炉エリア131と、ローディングエリア132とで、筐体を分割可能に構成しておくことが好ましい。そして、本実施形態の縦型熱処理装置の設置方法は熱処理ユニット13を設置する際に、ローディングエリア132を含む筐体部を設置する工程と、ローディングエリア132を含む筐体部上に
熱処理炉エリア131を含む筐体部を設置する工程と、を有してもよい。
【0114】
なお、各ユニット毎に組立を完成させる必要はなく、複数のユニットの設置工程を混合して実施することができる。具体的には例えば、最初に搬送保管ユニット12の第2の筐体部を設置する工程を実施し、次いで、熱処理ユニット13のローディングエリア132を含む筐体部を設置する工程を実施することもできる。その後、搬送保管ユニット12の第2の筐体部、熱処理ユニット13のローディングエリア132を含む筐体部の上にそれぞれ第1の筐体部、熱処理炉エリアを含む筐体部を設置することができる。
【0115】
以上に本実施形態の縦型熱処理装置の設置方法について説明したが、係る設置方法によれば、クリーンルーム等の床部に凹部を形成した場所等であっても容易に縦型熱処理装置を設置することが可能になる。