特許第6213000号(P6213000)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6213000
(24)【登録日】2017年9月29日
(45)【発行日】2017年10月18日
(54)【発明の名称】ベアリングキャップの再圧縮用金型装置
(51)【国際特許分類】
   B22F 3/24 20060101AFI20171005BHJP
   B21D 3/10 20060101ALI20171005BHJP
   F16C 9/02 20060101ALI20171005BHJP
【FI】
   B22F3/24 101Z
   B22F3/24 D
   B21D3/10 G
   F16C9/02
【請求項の数】7
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2013-146679(P2013-146679)
(22)【出願日】2013年7月12日
(65)【公開番号】特開2015-17313(P2015-17313A)
(43)【公開日】2015年1月29日
【審査請求日】2016年4月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004455
【氏名又は名称】日立化成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001092
【氏名又は名称】特許業務法人サクラ国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100110180
【弁理士】
【氏名又は名称】阿相 順一
(72)【発明者】
【氏名】榊 次郎
(72)【発明者】
【氏名】坪井 徹
(72)【発明者】
【氏名】山田 淳一
(72)【発明者】
【氏名】小崎 輝彦
(72)【発明者】
【氏名】羽田 正美
【審査官】 米田 健志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−254252(JP,A)
【文献】 特開昭56−109921(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B22F 3/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上側の端面となる上端面と、これと対向する円弧面および下側の端面となる一対の下端面を有し、かつ前記上端面と前記下端面の間に、前記円弧面によって形成される空間の軸方向に対して鉛直な一対の凹字状側面、および前記軸方向に略平行であって前記凹字状側面に直交する一対の側面が配置されるとともに、前記側面の前記下端面側に、前記側面と略平行なフランジ部側面と、前記フランジ部側面と前記下端面を接続するフランジ部下面と、前記フランジ部側面と前記側面を接続するフランジ部上面からなるフランジ部を有するベアリングキャップを再圧縮するための金型装置であって、
記一対の凹字状側面および前記一対の側面と摺動自在に嵌合する型孔を有するダイと、
前記型孔と摺動自在に嵌合し、前記フランジ部下面を押圧して矯正するフランジ下面矯正面、および前記フランジ部側面を矯正するフランジ側面矯正面を有する下第1パンチと、
前記下第1パンチと摺動自在に嵌合し、前記一対の下端面を押圧して矯正する下第2パンチと、
前記型孔と摺動自在に嵌合し、前記フランジ部上面を押圧して矯正するとともに、前記上端面を押圧する上パンチと、を備えることを特徴とするベアリングキャップの再圧縮用金型装置。
【請求項2】
前記ベアリングキャップをウイズドロアル法により再圧縮するための金型装置であることを特徴とする請求項1に記載の再圧縮用金型装置。
【請求項3】
記下第1パンチ及び前記第2パンチの少なくとも一方が、不動のベースプレートに接続されることを特徴とする請求項1または2に記載の再圧縮用金型装置。
【請求項4】
前記上パンチが、前記型孔と摺動自在に嵌合し、前記フランジ部上面を押圧して矯正する上第1パンチと、
前記上第1パンチと摺動自在に嵌合し、前記上端面を押圧する上第2パンチとを有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のベアリングキャップの再圧縮用金型装置。
【請求項5】
記上第1パンチが上第1パンチ駆動装置を介して上パンチプレートに接続され、前記上第1パンチ駆動装置は油圧シリンダにより駆動されることを特徴とする請求項4に記載のベアリングキャップの再圧縮用金型装置。
【請求項6】
前記下第2パンチと分離して設けられ、前記円弧面を保持する円弧面保持パンチをさらに備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のベアリングキャップの再圧縮用金型装置。
【請求項7】
前記円弧面保持パンチが昇降手段により独立して駆動されることを特徴とする請求項6に記載のベアリングキャップの再圧縮用金型装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、内燃機関に用いられるベアリングキャップを粉末冶金法によって製造する際の再圧工程に用いる再圧縮用金型装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ベアリングキャップは、内燃機関のクランクシャフトを回転自在に軸支する軸受を保持する部材で、鋳鉄、鉄系焼結合金、あるいはアルミニウム合金で作られ、外観はおおよそアーチ形状をしており、シリンダブロックにボルトで締め付け固定して用いられる。図1は、自動車エンジンのエンジンブロックへのベアリングキャップの取付け状態の一例を示す側面図である。シリンダブロック2には、ベアリングキャップ1を位置決めし収納する矩形状の凹部2aおよび軸受3を収納する半円状の凹部2bが形成されている。ベアリングキャップ1は、軸受3を収納する半円状の凹部1aが形成され、外形がアーチ状であり、シリンダブロック1の矩形凹部の嵌合部2aで位置決めされ、ボルト4、4で固定される。シリンダブロック2とベアリングキャップ1の各半円弧で形成される内周は、ボルト締めした状態で所定の寸法精度に切削加工され、上下に分割された一対の軸受3、3が装着されて、クランクシャフト5を軸支するようになっている。
【0003】
ベアリングキャップ1を粉末冶金法で製作する場合は、鉄系の原料粉末を圧粉成形、焼結して製造する。ベアリングキャップ1の圧粉成形は、図1に示す上下方向から圧縮する方法、およびそれと直交する方向から圧縮する方法がある。前者の方が、加圧される面積が少ないのでプレス機械の容量が小さくて済み、ボルト孔を成形金型で形成できるので、一般的である。
【0004】
ところで、ベアリングキャップ1は、シリンダブロック2の矩形凹部2aに寸法精度よく嵌合固定する必要がある。したがって、寸法精度を確保するため焼結体を切削加工して対応することが行われる。しかしながら、このような切削加工では、効率が低下し割高となる。このため、焼結体を再圧縮して各部の寸法精度を確保することが行われている(特許文献1、2等)。
【0005】
ベアリングキャップ1は、単純な凹字状のもの(特許文献1等)の他に、図1に示すような凹字状の脚部の外側にフランジ部1bを形成したもの(特許文献2等)がある。このようなフランジ部を形成したベアリングキャップの具体的な形状を図2に示す。図2(a)はベアリングキャップ1の上面図、図2(b)はベアリングキャップ1の側面図、および図2(c)はベアリングキャップ1の斜視図である。ベアリングキャップ1は、図1のベアリングキャップ1の上側の端面となる上端面10と、これと対向する円弧面11および下側の端面となる一対の下端面12を有しており、上端面10と下端面12との間に、一対の円弧面11の軸方向に対して鉛直な側面であり凹字状の側面13、および軸方向に平行であって側面13に直交する側面14が配置される。そして、側面14のベアリングキャップ1の下端面12側にフランジ部15が形成される。フランジ部15は、側面14と略平行なフランジ部側面15aと、フランジ部側面15aと下端面12を接続するフランジ部下面15bと、フランジ部側面15aと側面14を接続するフランジ部上面15cとを有する。
【0006】
上記のフランジ部を形成したベアリングキャップ1は、単純な凹字状のものに比して側面14側の容積が減少するため軽量とすることができることから、適用が増加している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−041302号公報
【特許文献2】特開2005−254252号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ベアリングキャップ1は、シリンダブロック2の矩形凹部に寸法精度よく嵌合固定する必要があり、図1に示すフランジ部を形成したベアリングキャップ1においては、フランジ部側面15aの幅寸法Wの寸法精度が必要となる。また、シリンダブロック2と当接するベアリングキャップ1の一対の下端面12については、各々の平面度とともに、両者の位置バランス、すなわち一対の下端面に位置ずれがないことが必要となる。また、フランジ部下面15bは、ベアリングキャップ1をシリンダブロック2に取り付けられた際に、シリンダブロック2にかかるベアリングキャップ1の下端面12の応力を緩和するため、円弧連続面あるいはテーパ連続面として形成されるが、このような応力緩和作用のための形状を精度良く形成することが重要である。
【0009】
この点、特許文献2のベアリングキャップの再圧縮用金型装置は、ダイを段付き形状とし、この段付きダイの段部でベアリングキャップ素材のフランジ部15を矯正するものであり、フランジ部側面15aの幅寸法Wの寸法精度およびフランジ部下面15bの形状精度を確保することが可能であるが、ベアリングキャップ素材の上下方向は弾性付勢機構により弾性保持されるものであり、一対の下端面12については何ら矯正されない。すなわち特許文献2のベアリングキャップの再圧縮用金型装置は、いわゆる片押し成形法の再圧縮用金型装置である。
【0010】
また、上記のように特許文献2のベアリングキャップの再圧縮用金型装置は、ダイにより矯正を行うものであるが、繰り返し再圧縮を行うと、ダイの摩耗は避けることができない。再圧縮装置のうちダイは高価であるため、ダイの摩耗にともないダイを交換していたのでは製造コストが増加することとなる。
【0011】
以上のことから、本発明のベアリングキャップの再圧縮用金型装置は、フランジ部側面15aの幅寸法Wの寸法精度、一対の下端面12の平面度および位置バランス、ならびにフランジ部下面15bの形状精度の要求を満足することを第1の目的とする。また、再圧縮工程において、ダイの交換頻度を低下させて製造コストを低減することが可能な構成とすることを第2の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するため、本発明のベアリングキャップの再圧縮用金型装置は、上側の端面となる上端面と、これと対向する円弧面および下側の端面となる一対の下端面を有し、かつ前記上端面と前記下端面の間に、前記円弧面によって形成される空間の軸方向に対して鉛直な一対の凹字状側面、および前記円弧面の前記軸方向に略平行であり前記凹字状側面に直交する一対の側面が配置されるとともに、前記側面の前記下端面側に、前記側面と略平行なフランジ部側面と、前記フランジ部側面と前記下端面を接続するフランジ部下面と、前記フランジ部側面と前記側面を接続するフランジ部上面からなるフランジ部を有するベアリングキャップを再圧縮するための金型装置であって、
前記ベアリングキャップの前記一対の凹字状側面および前記一対の側面と摺動自在に嵌合する型孔を有するダイと、前記型孔と摺動自在に嵌合し、前記ベアリングキャップの前記フランジ部の前記フランジ部下面を押圧して矯正するフランジ下面矯正面、前記ベアリングキャップの前記フランジ部の前記フランジ部側面を矯正するフランジ側面矯正面を有するとともに、前記一対の下端面を押圧して矯正するパンチ面を有する下パンチと、前記型孔と摺動自在に嵌合し、前記ベアリングキャップの前記フランジ部の前記フランジ部上面を押圧して矯正するとともに、前記ベアリングキャップの前記上端面を押圧する上パンチと、を備えることを特徴とする。
【0013】
すなわち、本発明のベアリングキャップの再圧縮用金型装置は、下パンチにベアリングキャップ1のフランジ部下面15bを押圧して矯正するフランジ下面矯正面、ベアリングキャップ1のフランジ部側面15aを矯正するフランジ側面矯正面を設けて下パンチによりフランジ部側面15aの幅寸法Wの寸法矯正およびフランジ部下面15bの形状の矯正を行うことを第1の骨子とする。このように構成することで繰り返し再圧縮を行うと下パンチが摩耗することとなるが、ダイに比してパンチはコストが少なくてすむため交換のコストを低減することができる。
【0014】
また、下パンチに一対の下端面を押圧して矯正するパンチ面を設け、上下パンチにより積極的に押圧することでベアリングキャップ1の一対の下端面12の平面度および下端面の位置バランスを矯正することを第2の骨子とする。
【0015】
下パンチは、ベアリングキャップ1のフランジ部側面15aの幅寸法Wの寸法を矯正するとともにフランジ部下面15bの形状を矯正する下第1パンチと、ベアリングキャップ1の一対の下端面12を押圧して平面度および下端面の位置バランスを矯正する下第2パンチの分割パンチとに分けて構成してもよく、下第1パンチと下第2パンチを一体とした下パンチとして構成してもよい。
【0016】
上パンチは、ベアリングキャップ1のフランジ部の上面15cとベアリングキャップ1の上面10とを押圧する構成とする。ここで上パンチは、一体の上パンチとして構成してもよいが、ベアリングキャップ1のフランジ部の上面15cと、ベアリングキャップ1の上面10との加圧タイミングおよび加圧荷重を変えることができるため、ベアリングキャップ1のフランジ部の上面15cを押圧する上第1パンチと、ベアリングキャップ1の上面10を加圧する上第2パンチとに分割して構成することが好ましい。
【0017】
上下パンチはダイに比して剛性が小さいため撓み易い。このため本発明のベアリングキャップの再圧縮用金型装置においては、上下パンチの外周をダイの型孔と摺動自在に嵌合する構成とすることにより、再圧縮時の上下パンチの変形をダイにより拘束して上下パンチの撓みを防止する。
【0018】
本発明のベアリングキャップの再圧縮用金型装置は、ベアリングキャップ1の一対の下端面12を下パンチにより押圧して平面度および位置バランスを矯正することから再圧縮用金型装置としては両押し成形法あるいはウイズドロアル成形法の金型装置とする。しかしながら、両押し成形法とすると下パンチの加圧荷重が大きいことから、加圧荷重の大きい下パンチについて固定とし、圧縮時にダイを引き下げてダイに対して相対的に下パンチを突き上げるウイズドロアル成形法とした方が、下パンチの駆動荷重に比してダイの駆動荷重が小さくてすむことから有利である。
【0019】
なお、下パンチにはベアリングキャップ1の円弧面11を保持する円弧面を形成することにより下パンチの撓みを防止してベアリングキャップ1のフランジ部側面15aの幅寸法Wの寸法矯正、フランジ部下面15bの形状の矯正、およびベアリングキャップ1の一対の下端面12の平面度および下端面の位置バランスの矯正を円滑に行うことができるが、ベアリングキャップ1の円弧面11は、ベアリングキャップ1がエンジンブロック2に取り付け組み付けられた後、エンジンブロック2の半円状の凹部2bとベアリングキャップ1の円弧面11の同軸とするため切削加工されることから寸法精度の要求が小さい。このため、再圧縮時に積極的に矯正する必要がないことから、下パンチもしくは下第2パンチから分離してもよい。
【0020】
なお、本発明における“略平行”とは実質的に平行であることを意味し、例えば円弧面によって形成される空間の軸方向と、凹字状側面に直交する一対の側面とが製造誤差の関係上完全な平行状態からずれているような場合を包含する概念である。
【発明の効果】
【0021】
本発明のベアリングキャップの再圧縮用金型装置は、下パンチにベアリングキャップ1のフランジ部下面15bを押圧して矯正するフランジ下面矯正面、ベアリングキャップ1のフランジ部側面15aを矯正するフランジ側面矯正面を設けて下パンチによりフランジ部側面15aの幅寸法Wの寸法矯正およびフランジ部下面15bの形状の矯正を行うとともに、下パンチに一対の下端面を押圧して矯正するパンチ面を設け、上下パンチにより積極的に押圧することでベアリングキャップ1の一対の下端面12の平面度および下端面の位置バランスの矯正を行うことから、フランジ部側面15aの幅寸法Wの寸法精度、一対の下端面12の平面度および下端面の位置バランス、ならびにフランジ部下面15bの形状精度の要求を満足するものとすることができる。また、摩耗が進行して交換が必要となる部材はダイよりコストの小さい下パンチであるため、製造コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】エンジンブロックへのベアリングキャップの取り付け状態を示す側面図である。
図2】ベアリングキャップの形状を示す模式図であり、図2(a)は上面図、図2(b)は側面図、図2(c)は斜視図である。
図3】本発明の第1実施形態に係るベアリングキャップの再圧縮用金型装置の断面模式図である。
図4】本発明の第1実施形態に係るベアリングキャップの再圧縮用金型装置における、焼結体のセット時の各部の状態を示す断面模式図である。
図5】本発明の第1実施形態に係るベアリングキャップの再圧縮用金型装置における、焼結体の再圧縮時の各部の状態を示す断面模式図である。
図6】本発明の第1実施形態に係るベアリングキャップの再圧縮用金型装置における、焼結体の取り出し時の各部の状態を示す断面模式図である。
図7】本発明の第2実施形態に係るベアリングキャップの再圧縮用金型装置の断面模式図である。
図8】本発明の第2実施形態に係るベアリングキャップの再圧縮用金型装置における、焼結体の充填初期の各部の状態を示す断面模式図である。
図9】本発明の第2実施形態に係るベアリングキャップの再圧縮用金型装置における、焼結体の再圧縮時の各部の状態を示す断面模式図である。
図10】本発明の第2実施形態に係るベアリングキャップの再圧縮用金型装置における、焼結体の取り出し時の各部の状態を示す断面模式図である。
図11】本発明の第3実施形態に係るベアリングキャップの再圧縮用金型装置の断面模式図である。
図12】本発明の第3実施形態に係るベアリングキャップの再圧縮用金型装置における、焼結体の充填初期の各部の状態を示す断面模式図である。
図13】本発明の第3実施形態に係るベアリングキャップの再圧縮用金型装置における、焼結体の再圧縮時の各部の状態を示す断面模式図である。
図14】本発明の第3実施形態に係るベアリングキャップの再圧縮用金型装置における、焼結体の取り出し時の各部の状態を示す断面模式図である。
図15】本発明の第4実施形態に係るベアリングキャップの再圧縮用金型装置の断面模式図である。
図16】本発明の第4実施形態に係るベアリングキャップの再圧縮用金型装置における、焼結体の充填初期の各部の状態を示す断面模式図である。
図17】本発明の第4実施形態に係るベアリングキャップの再圧縮用金型装置における、焼結体の再圧縮時の各部の状態を示す断面模式図である。
図18】本発明の第4実施形態に係るベアリングキャップの再圧縮用金型装置における、焼結体の取り出し時の各部の状態を示す断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明のベアリングキャップの再圧縮用金型装置について、図面を参照して具体的に説明する。
【0024】
[第1実施形態]
本発明のベアリングキャップの再圧縮用金型装置の一実施形態を図3に示す。ダイプレート21には型孔20が形成される。このダイプレート21はガイドロッド52によりヨークプレート50に接続され、ヨークプレート50の上下動にともないダイプレート21が走行可能となっている。ヨークプレート50にはベアリングキャップ1の孔16に挿入され、ベアリングキャップ1を保持するコアロッド51が設けられている。ダイプレート21の下面には下方に向けて延びるウエッジロッド22が配置される。
【0025】
下パンチは、下第1パンチ30と下第2パンチ40とにより構成される。下第1パンチ30は、ベアリングキャップ1のフランジ部15のフランジ部下面15bを押圧して矯正するフランジ下面矯正面30aと、ベアリングキャップ1のフランジ部15のフランジ部側面15aを矯正するフランジ側面矯正面30bを有する下第1パンチ30とを有しており、外周が型孔20と摺動自在に嵌合する。下第2パンチ40は、ベアリングキャップ1の一対の下端面12を押圧して矯正するパンチ面40aと、ベアリングキャップ1の円弧面11を支える円弧面40bとを有しており、下第1パンチ30の内側に収容され、下第1パンチ30と摺動自在に嵌合される。
【0026】
本実施形態においては、下第2パンチ40は不動のベースプレート41に接続される。下第1パンチ30は、下面より下方向に延び、ベースプレート41上に配置されるスライディングブロック42に当接するストッパ32を有する下第1パンチホルダ31に接続され、ガス(エア)シリンダ等のリフティング装置33により上下動可能に構成される。
【0027】
上パンチは、上第1パンチ70と上第2パンチ60とにより構成される。上第2パンチ60は、上パンチプレート61に接続され、上パンチプレート61の上下動に伴い上下動を行う。上第1パンチ70は、上第1パンチ駆動装置71を介して上パンチプレート61に接続され、上第1パンチ70は、上第1パンチ駆動装置71を駆動することにより、上第2パンチ60と独立して上下動可能に構成される。
【0028】
上第1パンチ70は、内周が上第2パンチ60およびベアリングキャップ1の側面14と摺接している。上第1パンチ70の先端部はベアリングキャップ1のフランジ部15のフランジ上面15cを押圧して矯正するフランジ上面矯正面を有し、外側の側面は下第1パンチ30のフランジ側面矯正面30bと摺動自在に嵌合する肉薄部70aと、肉薄部70aに連続して形成され、外側の側面が型孔20に摺動自在に嵌合する肉厚部70bとを有している。上第1パンチ駆動装置71は、油圧シリンダ等の圧力を確実に伝達できるものが用いられ、エア(ガス)シリンダ等の圧力伝達能力の小さいものは好ましくない。
【0029】
上記の第1の実施形態のベアリングキャップの再圧縮用金型装置の再圧縮工程における各部の動作を図4〜6により説明する。図4は再圧縮の素材となるベアリングキャップ1(焼結体)のセット時における各部の動作を示す模式図であり、リフティング装置33により下第1パンチ30が上方向に駆動され、下第1パンチ30のフランジ下面矯正面30aおよびフランジ側面矯正面30bによりベアリングキャップ1(焼結体)を保持する。
【0030】
次いで、図5に示すように、リフティング装置33により下第1パンチ30を降下させて、下第1パンチホルダ31の下面より下方向に延びるストッパ32をスライディングブロック42に当接させ、ヨークプレート50を下方に移動させるとともに、上パンチプレート61を降下させて上第2パンチ60によりベアリングキャップ1(焼結体)を押圧する。次いで、上第1パンチ駆動手段71を駆動し上第1パンチ70を降下させて、上第1パンチ70によりベアリングキャップ1(焼結体)を押圧する。
【0031】
本実施形態では、押圧時に、ヨークプレート50を引き下げることにより、下第1パンチ30および下第2パンチ40が型孔20に対して相対的に上昇したこととなり、上パンチ群(上第1パンチ70と上第2パンチ60)と下パンチ群(下第1パンチ30と下第2パンチ40)とによりベアリングキャップ1(焼結体)が上下両方の方向から押圧され、再圧縮が行われる。この再圧縮時には、下第2パンチ40は不動のベースプレート41に接続され、下第1パンチ30は下第1パンチホルダ31のストッパ32およびスライディングブロック42を介して不動のベースプレート41に接続された状態となるため、特にベアリングキャップ1に対して強固な押圧力を下方から負荷することができるので、ベアリングキャップ1(焼結体)の全体に強固な押圧力を負荷することができる。
【0032】
再圧縮が終了した後、ヨークプレート50を降下させてダイプレート21を降下させると、ダイプレート21の降下にしたがいウエッジロッド22が降下する。このウエッジロッド22の降下によりスライディングブロック42が移動し、下第1パンチホルダ31のストッパ32が外れて落下し、下第1パンチホルダ31のストッパ32がベースプレート41に当接することで下第1パンチ30が降下する。このとき、再圧縮が完了したベアリングキャップ1は、不動のベースプレート41に接続された下第2パンチ40に支持されており、図6に示すように、上記のダイプレート21および第1パンチ30の降下にともない抜き出しが行われる。
【0033】
ベアリングキャップ1の抜き出しが完了したら、ヨークプレート50を上昇させてダイプレート21を上昇させるとともに、上第1パンチ駆動装置71を駆動して下第1パンチホルダ31を上昇させ、併せてスライディングブロック33を図示しないスライディングブロック復帰手段により元の位置に復帰させて、図4の状態として再圧縮の素材となるベアリングキャップ1(焼結体)のセットを行う。
【0034】
本実施形態のベアリングキャップの再圧縮用金型装置は、下第1パンチ30にベアリングキャップ1のフランジ部下面15bを押圧して矯正するフランジ下面矯正面30a、およびベアリングキャップ1のフランジ部側面15aを矯正するフランジ側面矯正面30bを設けて、下第1パンチ30と上第1パンチ70により押圧することで、ベアリングキャップ1のフランジ部側面15aの幅寸法Wの寸法矯正およびフランジ部下面15bの形状の矯正を行う。また、下第2パンチ40に一対の下端面を押圧して矯正するパンチ面40aを設け、上第2パンチ60により積極的に押圧することでベアリングキャップ1の一対の下端面12の平面度および位置バランスの矯正を行う。
【0035】
このためベアリングキャップ1のフランジ部側面15aの幅寸法Wの寸法精度、一対の下端面12の平面度および位置バランス、ならびにフランジ部下面15bの形状精度の要求を満足するものとすることができる。また、摩耗が進行するのは下第1パンチ30であるが、これの交換コストはダイの交換コストに比して小さいことから、製造コストを低減することができる。
【0036】
[第2実施形態]
本発明のベアリングキャップの再圧縮用金型装置の別の実施形態を図7に示す。この第2の実施形態のベアリングキャップの再圧縮用金型装置は、上記の第1の実施形態のベアリングキャップの再圧縮用金型装置において、下第2パンチ40からベアリングキャップ1の円弧面11を支える円弧面40bが形成された部材をコアロッド53として分離し、このコアロッド53をヨークプレート50に接続した形態である。
【0037】
また、この第2の実施形態のベアリングキャップの再圧縮用金型装置においては、上パンチ群について、上第1パンチ70を上パンチプレート61に直接接続し、上第2パンチ60を、上第2パンチ駆動装置62を介して上パンチプレート61に接続された構成としたことが異なる。上第2パンチ60は、上第2パンチ駆動装置62を駆動することにより、上第1パンチ70と独立して上下動可能に構成される。
【0038】
上第1パンチ70において、先端部はベアリングキャップ1のフランジ部15のフランジ上面15cを押圧して矯正するフランジ上面矯正面を有し、外側の側面は下第1パンチ30のフランジ側面矯正面30bと摺動自在に嵌合する肉薄部70aと、肉薄部70aに連続して形成され、外側の側面が型孔20に摺動自在に嵌合する肉厚部70bとを有する点は、第1実施形態の場合と同様である。上第2パンチ駆動装置62は、第1実施形態の上第1パンチ駆動装置と同様に、油圧シリンダ等の圧力を確実に伝達できるものが用いられ、エア(ガス)シリンダ等の圧力伝達能力の小さいものは好ましくない。
【0039】
なお、第1の実施形態のベアリングキャップの再圧縮用金型装置において、上記で説明した第1の実施形態のベアリングキャップの再圧縮用金型装置の上パンチ群に替えて、この第2の実施形態のベアリングキャップの再圧縮用金型装置の上パンチ群を用いてもよい。
【0040】
上記の第2の実施形態のベアリングキャップの再圧縮用金型装置の再圧縮工程における各部の動作を図8〜10により説明する。図8は再圧縮の素材となるベアリングキャップ1(焼結体)のセット時における各部の動作を示す模式図であり、第1実施形態の場合と同様に、リフティング装置33により下第1パンチ30が上方向に駆動され、下第1パンチ30のフランジ下面矯正面30aおよびフランジ側面矯正面30bによりベアリングキャップ1(焼結体)を保持する。
【0041】
次いで、図9に示すように、リフティング装置33により下第1パンチ30を降下させて、下第1パンチホルダ31の下面より下方向に延びるストッパ32をスライディングブロック42に当接させ、ヨークプレート50を下方に移動させるとともに、上パンチプレート61を降下させて上第1パンチ70によりベアリングキャップ1(焼結体)を押圧する。次いで、上第2パンチ駆動手段62を駆動し、上第2パンチ60を降下させて上第2パンチ60によりベアリングキャップ1(焼結体)を押圧する。
【0042】
本実施形態では、押圧時に、ヨークプレート50を引き下げることにより、下第1パンチ30および下第2パンチ40が型孔20に対して相対的に上昇したこととなり、上パンチ群(上第1パンチ70と上第2パンチ60)と下パンチ群(下第1パンチ30と下第2パンチ40)とによりベアリングキャップ1(焼結体)が上下両方の方向から押圧され、再圧縮が行われる。この再圧縮時には、下第2パンチ40は不動のベースプレート41に接続され、下第1パンチ30は下第1パンチホルダ31のストッパ32およびスライディングブロック42を介して不動のベースプレート41に接続された状態となる。したがって、特にベアリングキャップ1に対して強固な押圧力を下方から負荷することができるので、ベアリングキャップ1(焼結体)の全体に強固な押圧力を負荷することができる。
【0043】
再圧縮が終了した後、ヨークプレート50を降下させてダイプレート21を降下させると、ダイプレート21の降下にしたがいウエッジロッド22が降下する。このウエッジロッド22の降下によりスライディングブロック42が移動し、下第1パンチホルダ31のストッパ32が外れて落下し、下第1パンチホルダ31のストッパ32がベースプレート41に当接することで第1パンチ30が降下する。このとき、再圧縮が完了したベアリングキャップ1は、不動のベースプレート41に接続された下第2パンチ40に支持されており、図10に示すように、上記のダイプレート21および第1パンチ30の降下にともない抜き出しが行われる。
【0044】
第2の実施形態のベアリングキャップの再圧縮用金型装置においては、抜き出し工程において、ヨークプレート50に接続された円弧面40bを有するコアロッド53が降下するため、再圧縮が完了したベアリングキャップ1の離型が容易となる。
【0045】
ベアリングキャップ1の抜き出しが完了したら、ヨークプレート50を上昇させてダイプレート21を上昇させるとともに、上第1パンチ駆動装置71を駆動して下第1パンチホルダ31を上昇させ、併せてスライディングブロック33を図示しないスライディングブロック復帰手段により元の位置に復帰させて、図8の状態として再圧縮の素材となるベアリングキャップ1(焼結体)のセットを行う。
【0046】
第2実施形態のベアリングキャップの再圧縮用金型装置も、第1実施形態の場合と同様に、下第1パンチ30にベアリングキャップ1のフランジ部下面15bを押圧して矯正するフランジ下面矯正面30a、およびベアリングキャップ1のフランジ部側面15aを矯正するフランジ側面矯正面30bを設けて、下第1パンチ30と上第1パンチ70により押圧することで、ベアリングキャップ1のフランジ部側面15aの幅寸法Wの寸法矯正およびフランジ部下面15bの形状の矯正を行う。また、下第2パンチ40に一対の下端面を押圧して矯正するパンチ面40aを設け、上第2パンチ60により積極的に押圧することでベアリングキャップ1の一対の下端面12の平面度および位置バランスの矯正を行う。
【0047】
このためベアリングキャップ1のフランジ部側面15aの幅寸法Wの寸法精度、一対の下端面12の平面度および位置バランス、ならびにフランジ部下面15bの形状精度の要求を満足するものとすることができる。また、摩耗が進行するのは下第1パンチ30であるが、これの交換コストはダイの交換コストに比して小さいことから、製造コストを低減することができる。
【0048】
[第3実施形態]
本発明のベアリングキャップの再圧縮用金型装置のまた別の実施形態を図11に示す。この第3の実施形態のベアリングキャップの再圧縮用金型装置は、上記の第1の実施形態のベアリングキャップの再圧縮用金型装置において、下第2パンチ40からベアリングキャップ1の円弧面11を支える円弧面40bを有する部材をコアロッド43として分離し、このコアロッド53をコアロッド駆動手段44により独立して昇降可能に不動のベースプレート41に接続した形態である。コアロッド43は下第2パンチ40と摺動自在に嵌合する。
【0049】
上パンチ群は、第1実施形態のベアリングキャップの再圧縮用金型装置のものと同じであるが、第2実施形態のベアリングキャップの再圧縮用金型装置のものとしてもよい。
【0050】
上記の第3の実施形態のベアリングキャップの再圧縮用金型装置の再圧縮工程における各部の動作を図12〜14により説明する。図12は再圧縮の素材となるベアリングキャップ1(焼結体)のセット時における各部の動作を示す模式図である。この第3の実施形態のベアリングキャップの再圧縮用金型装置においては、コアロッド駆動手段44によりコアロッド43を上方に駆動して、コアロッド43の円弧面40bによりベアリングキャップ1(焼結体)を保持する。
【0051】
次いで、図13に示すように、コアロッド駆動手段44によりコアロッド43を下方に駆動する。同時に、リフティング装置33により下第1パンチ30を降下させて、下第1パンチホルダ31の下面より下方向に延びるストッパ32をスライディングブロック42に当接させ、ダイプレート50を下方に移動させる。さらに、上パンチプレート61を降下させて上第1パンチ70によりベアリングキャップ1(焼結体)を押圧するとともに、上第2パンチ駆動手段62を駆動し上第2パンチ60を降下させて上第2パンチ60によりベアリングキャップ1(焼結体)を押圧する。
【0052】
本実施形態では、押圧時に、ダイプレート50を引き下げることにより、下第1パンチ30および下第2パンチ40が型孔20に対して相対的に上昇したこととなり、上パンチ群(上第1パンチ70と上第2パンチ60)と下パンチ群(下第1パンチ30と下第2パンチ40)とによりベアリングキャップ1(焼結体)が上下両方の方向から押圧され、再圧縮が行われる。この再圧縮時には、下第2パンチ40は不動のベースプレート41に接続され、下第1パンチ30は下第1パンチホルダ31のストッパ32およびスライディングブロック42を介して不動のベースプレート41に接続された状態となるため、特にベアリングキャップ1に対して強固な押圧力を下方から負荷することができる。結果として、ベアリングキャップ1(焼結体)に上下から強固な押圧力を負荷することができる。
【0053】
再圧縮が終了した後、ヨークプレート50を降下させてダイプレート21を降下させると、ダイプレート21の降下にしたがいウエッジロッド22が降下する。このウエッジロッド22の降下によりスライディングブロック42が移動し、下第1パンチホルダ31のストッパ32が外れて落下し、下第1パンチホルダ31のストッパ32がベースプレート41に当接することで第1パンチ30が降下する。このとき、再圧縮が完了したベアリングキャップ1は、不動のベースプレート41に接続された下第2パンチ40に支持されており、図14に示すように、上記のダイプレート21および第1パンチ30の降下にともない抜き出しが行われる。
【0054】
第3の実施形態のベアリングキャップの再圧縮用金型装置においては、抜き出し工程において、コアロッド駆動手段44によりコアロッド43を再圧縮時の位置よりさらに下方に駆動すると、再圧縮が完了したベアリングキャップ1の離型が容易となる。
【0055】
ベアリングキャップ1の抜き出しが完了したら、ヨークプレート50を上昇させてダイプレート21を上昇させるとともに、上第1パンチ駆動装置71を駆動して下第1パンチホルダ31を上昇させ、併せてスライディングブロック42を図示しないスライディングブロック復帰手段により元の位置に復帰させて、図12の状態として再圧縮の素材となるベアリングキャップ1(焼結体)のセットを行う。
【0056】
第3実施形態のベアリングキャップの再圧縮用金型装置も、第1実施形態および第2実施形態の場合と同様に、下第1パンチ30にベアリングキャップ1のフランジ部下面15bを押圧して矯正するフランジ下面矯正面30a、およびベアリングキャップ1のフランジ部側面15aを矯正するフランジ側面矯正面30bを設けて、下第1パンチ30と上第1パンチ70とにより押圧することで、ベアリングキャップ1のフランジ部側面15aの幅寸法Wの寸法矯正およびフランジ部下面15bの形状の矯正を行う。また、下第2パンチ40に一対の下端面を押圧して矯正するパンチ面40aを設け、上第2パンチ60により積極的に押圧することでベアリングキャップ1の一対の下端面12の平面度および位置バランスの矯正を行う。
【0057】
このためベアリングキャップ1のフランジ部側面15aの幅寸法Wの寸法精度、一対の下端面12の平面度、およびフランジ部下面15bの形状精度の要求を満足するものとすることができる。また、摩耗が進行するのは下第1パンチ30であるが、これの交換コストはダイの交換コストに比して小さいことから、製造コストを低減することができる。
【0058】
[第4実施形態]
本発明のベアリングキャップの再圧縮用金型装置のさらに別の実施形態を図15に示す。この第4の実施形態のベアリングキャップの再圧縮用金型装置は、上記の第3の実施形態のベアリングキャップの再圧縮用金型装置において、下第1パンチ30と下第2パンチ40を一体化し、下パンチ34とした形態である。下パンチ34は、ベアリングキャップ1のフランジ部15のフランジ部下面15bを押圧して矯正するフランジ下面矯正面34a、ベアリングキャップ1のフランジ部15のフランジ部側面15aを矯正するフランジ側面矯正面34b、およびベアリングキャップ1の一対の下端面12を押圧して矯正するパンチ面34cを有し、不動のベースプレート41に接続される。
【0059】
上パンチ群は、第1実施形態および第3実施形態のものと同じであるが、第2実施形態のものを用いてもよい。
【0060】
本実施形態のベアリングキャップの再圧縮用金型装置においては、下第1パンチ30と下第2パンチ40とを一体化したことにより、第1〜3実施形態において用いた下第1パンチホルダ31、リフティング装置33およびスライディングブロック42を廃止することができ、装置構成がシンプルとなる。その一方で、第1〜3実施形態においては摩耗が進行して交換する部品は下第1パンチ30のみで済み、下第2パンチ40については交換せずに済む。
【0061】
このように、本実施形態においては、摩耗が進行した場合、下パンチ43を交換する必要があるため、第1〜3実施形態のベアリングキャップの再圧縮用金型装置に比してパンチの交換コストが増加することとなる。ただし、パンチの交換コストが増加するとはいえ、ダイを交換するコストに比べると格段に安価であるため、本実施形態においても、交換コストは小さいといえる。
【0062】
上記の第4の実施形態のベアリングキャップの再圧縮用金型装置の再圧縮工程における各部の動作を図16〜18により説明する。図16は再圧縮の素材となるベアリングキャップ1(焼結体)のセット時における各部の動作を示す模式図である。この第3の実施形態のベアリングキャップの再圧縮用金型装置においては、第3実施形態の場合と同様に、コアロッド駆動手段44によりコアロッド43を上方に駆動して、コアロッド43の円弧面40bによりベアリングキャップ1(焼結体)を保持する。
【0063】
次いで、図17に示すように、コアロッド駆動手段44によりコアロッド43を下方に駆動し、ベアリングキャップ1(焼結体)を下パンチ34に当接させ、ベースプレート50を下方に移動させる。また、上パンチプレート61を降下させて上第1パンチ70によりベアリングキャップ1(焼結体)を押圧するとともに、上第2パンチ駆動手段62を駆動し上第2パンチ60を降下させて上第2パンチ60によりベアリングキャップ1(焼結体)を押圧する。本実施形態でも、押圧時に、ダイプレート50を引き下げることにより、下パンチ34が型孔20に対して相対的に上昇したこととなり、上パンチ群(上第1パンチ70と上第2パンチ60)と下パンチ34とによりベアリングキャップ1(焼結体)が上下両方の方向から押圧され、再圧縮が行われる。この再圧縮時には、下パンチ34は不動のベースプレート41に接続されているため、ベアリングキャップ1(焼結体)に強固な押圧力を負荷することができる。
【0064】
再圧縮が終了した後は、図18に示すように、ヨークプレート50を降下させてダイプレート21を降下させるとともに、コアロッド43をコアロッド駆動手段44により上方に駆動することにより、再圧縮が完了したベアリングキャップ1が型孔21および下パンチ34より抜き出される。
【0065】
上記の第1〜4実施形態のベアリングキャップの再圧縮用金型装置は、いずれも下パンチ群(下第1パンチ30および下第2パンチ40)もしくは下パンチ34が、ベアリングキャップ1のフランジ部15のフランジ部下面15bを押圧して矯正するフランジ下面矯正面30aおよび34a、ベアリングキャップ1のフランジ部15のフランジ部側面15aを矯正するフランジ側面矯正面30bおよび34bを有するとともに、ベアリングキャップ1の一対の下端面12を押圧して矯正するパンチ面40aおよび34cを有するものとなっており、下パンチ群(下第1パンチ30および下第2パンチ40)若しくは下パンチ34は不動のベースプレート41に拘束されて、ベアリングキャップ1(焼結体)に強固な押圧力を上下方向から負荷することができるものとなっている。
【0066】
また、いずれの実施形態においても、上パンチ群(上第1パンチ70と上第2パンチ60)が、ベアリングキャップ1のフランジ部15のフランジ部上面15cを押圧して矯正するとともに、ベアリングキャップ1の上端面10を押圧するものとなっており、上第1パンチ70と上第2パンチ60とのいずれか一方が上パンチプレート61に接続され、もう一方が油圧シリンダ等の押圧力を負荷できる上第1パンチ駆動装置71若しくは上第2パンチ駆動装置62に接続されており、ベアリングキャップ1(焼結体)に強固な押圧力を負荷できるものとなっている。
【0067】
このため、いずれの実施形態においても、ベアリングキャップ1のフランジ部15のフランジ部下面15b、およびベアリングキャップ1の一対の下端面12を矯正して、ベアリングキャップ1のフランジ部側面15aの幅寸法Wの寸法精度、一対の下端面12の平面度および位置バランス、ならびにフランジ部下面15bの形状精度の要求を満足するものとすることができるものとなっている。
【0068】
また、摩耗が進行するのは下第1パンチ30もしくは下パンチ34であるが、これの交換コストはダイの交換コストに比して小さいことから、製造コストを低減することができる。
【0069】
以上、本発明を上記具体例に基づいて詳細に説明したが、本発明は上記具体例に限定されるものではなく、本発明の範疇を逸脱しない限りにおいてあらゆる変形や変更が可能である。
【符号の説明】
【0070】
1 ベアリングキャップ
10 上端面
11 円弧面
12 下端面
13 凹字状側面
14 側面
15 フランジ部
15a フランジ部側面
15b フランジ部下側面
15c フランジ部上側面
16 孔
20 型孔
21 ダイプレート
22 ウェッジロッド
30 下第1パンチ
31 下第1パンチホルダ
32 ストッパ
33 リフティング装置
40 下第2パンチ
41 ベースプレート
42 スライディングブロック
43 コアロッド
50 ヨークプレート
51 コアロッド
52 ガイドロッド
60 上第2パンチ
61 上パンチプレート
62 上第2パンチ駆動手段
70 上第1パンチ
70a 肉薄部
70b 肉厚部
71 上第1パンチ駆動装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18