特許第6213063号(P6213063)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6213063
(24)【登録日】2017年9月29日
(45)【発行日】2017年10月18日
(54)【発明の名称】ゴルフクラブ用シャフト
(51)【国際特許分類】
   A63B 53/10 20150101AFI20171005BHJP
【FI】
   A63B53/10 A
【請求項の数】5
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2013-177133(P2013-177133)
(22)【出願日】2013年8月28日
(65)【公開番号】特開2014-61277(P2014-61277A)
(43)【公開日】2014年4月10日
【審査請求日】2016年7月27日
(31)【優先権主張番号】特願2012-189059(P2012-189059)
(32)【優先日】2012年8月29日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006035
【氏名又は名称】三菱ケミカル株式会社
(72)【発明者】
【氏名】渥美 哲也
(72)【発明者】
【氏名】金子 崇
(72)【発明者】
【氏名】下野 智史
【審査官】 吉田 英一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−245309(JP,A)
【文献】 特開2009−022622(JP,A)
【文献】 特開2008−029534(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0142760(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 53/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維強化樹脂を積層してなるゴルフクラブ用シャフトであって、その重量が1168mm換算で60g以上であり、ゴルフクラブ用シャフトの長手方向に対して配向角度90°±10°に繊維が配向された繊維強化樹脂からなるフープ層を一層以上備え、当該フープ層の一層以上の部分の一端がグリップ端から0〜30mmに位置し、当該フープ層の一層以上の部分の他端がグリップ端から100〜300mmに位置するように配置されており、当該フープ層を形成する繊維の引張弾性率が650〜950GPaであることを特徴とするゴルフクラブ用シャフト。
【請求項2】
配向角度0°で概台形状の先端補強層を備え、当該先端補強層の一端が細径端に位置し
、他端が細径端から450〜550mmの位置に存在し、細径端と細径端から300〜4
00mmの位置の間には先端補強層が1層以上存在する請求1に記載のゴルフクラブ用
シャフト。
【請求項3】
フープ層の一層以上の部分の他端がグリップ端から130〜170mmに位置するように配置されている請求項1または2に記載のゴルフクラブ用シャフト。
【請求項4】
繊維が炭素繊維である請求項1〜3のいずれかに記載のゴルフクラブ用シャフト。
【請求項5】
フープ層の厚さが0.03〜0.10mmである請求項1〜4のいずれかに記載のゴルフクラブ用シャフト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴルフクラブ用シャフトに関する。
【背景技術】
【0002】
スイング中のシャフトの挙動は飛距離に影響を与えるだけでなくゴルファーが感じるフィーリングにも大きな影響を与える。このため従来からゴルファーが好ましいフィーリングを得るために曲げ剛性分布やねじり剛性分布に関する研究が行われてきた。
【0003】
しかしながら、対象ゴルファーがプロゴルファーや一般上級者である場合、曲げ剛性分布やねじれ剛性分布の変化の度合いによってシャフトの挙動が安定しないことが多々あり、スイングリズムを崩す一因となり好ましいフィーリングが得られず、打球の方向安定性の低下につながりやすい等の問題がある。
【0004】
対象ゴルファーがプロゴルファーや一般上級者である場合、好ましいフィーリングを得るために把持する部分の曲げ剛性を高めることが試みられるが、連続したしなりの中で急激な曲げ剛性変化部分が生じ、スイングリズムを崩す一因となり改善の余地がある。
【0005】
特許文献1では扁平方向の剛性であるつぶれ剛性の値を高くすることで軽量ゴルフクラブシャフトの飛距離とフィーリングを改良できるとしている。また、特許文献2では軽量化を図ると共につぶし強度の改良できるとしている。しかしながら、特許文献1、2のような軽量シャフトでは対象ゴルファーがプロゴルファーや一般上級者である場合、十分な曲げ剛性やねじり剛性が発現しない。また、シャフトが軽すぎてスイングリズムを損なう。
【0006】
特許文献3ではグリップ端から離れた位置に部分補強フープ層を備えて軽量ゴルフシャフトの打球の飛び性能の向上を図るとしている。しかしながら、特許文献3のような軽量シャフトでは対象ゴルファーがプロゴルファーや一般上級者である場合、十分な曲げ剛性やねじり剛性が発現しない。また、部分補強フープ層によって特異な曲げ剛性分布となり好ましいフィーリングが得られない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002−282399
【特許文献2】特開2004−57673
【特許文献3】特開2009−22622
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、対象ゴルファーがプロゴルファーや一般上級者である場合、好ましいフィーリングを得られ打球の方向性の向上を図ることができるゴルフクラブ用シャフトを提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。
【0010】
(1) 繊維強化樹脂を積層してなるゴルフクラブ用シャフトであって、その重量が1168mm換算で60g以上であり、
ゴルフクラブ用シャフトの長手方向に対して配向角度90°±10°に繊維が配向された繊維強化樹脂からなるフープ層を一層以上備え、
当該フープ層の一層以上の部分の一端がグリップ端から0〜30mmに位置し、当該フープ層の一層以上の部分の他端がグリップ端から100〜300mmに位置するように配置されており、当該フープ層を形成する繊維の引張弾性率が650〜950GPaであることを特徴とするゴルフクラブ用シャフト。
【0011】
(2) 配向角度0°で概台形状の先端補強層を備え、当該先端補強層の一端が細径端に位置し、他端が細径端から450〜550mmの位置に存在し、細径端と細径端から300〜400mmの位置の間には先端補強層が1層以上存在する上記(1)に記載のゴルフクラブ用シャフト。
【0012】
(3) フープ層の一層以上の部分の他端がグリップ端から130〜170mmに位置するように配置されている上記(1)または(2)に記載のゴルフクラブ用シャフト。
【0013】
(4) 繊維が炭素繊維である上記(1)〜(3)のいずれかに記載のゴルフクラブ用シャフト。
【0014】
(5) フープ層の厚さが0.03〜0.10mmである上記(1)〜(4)のいずれかに記載のゴルフクラブ用シャフト。
【発明の効果】
【0015】
本発明のゴルフクラブ用シャフトによると、対象ゴルファーがプロゴルファーや一般上級者である場合、好ましいフィーリングを得られ打球の方向性の向上したゴルフクラブ用シャフトを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】固有振動数の測定方法を示す図である。
図2】ねじり剛性(ねじり角度)の測定方法を示す図である。
図3】実施例で用いたマンドレルの概略説明図である。
図4】本発明のゴルフクラブ用シャフトの一実施形態例を示すプリプレグの裁断形状と、巻き付け順序とを示す説明図である。
図5】本発明のゴルフクラブ用シャフトの他の一実施形態例を示すプリプレグの裁断形状と、巻き付け順序とを示す説明図である。
図6】比較例1の形態例を示すプリプレグの裁断形状と巻き付け順序を示す説明図である。
図7】比較例2の形態例を示すプリプレグの裁断形状と巻き付け順序を示す説明図である。
図8】実験結果から明らかとなった弾道の最終到達点における縦方向飛距離と横方向飛距離を示す図である。
図9】実験結果から明らかとなった弾道の最終到達点における縦方向飛距離と横方向飛距離を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明のゴルフクラブ用シャフトは、繊維強化樹脂を積層してなるシャフトであって、その重量が1168mm換算で60g以上であることを必須とする。即ち、本発明では、1168mm換算で60g以上のゴルフクラブ用シャフトを対象としている。対象ゴルファーがプロゴルファーや一般上級者である場合、ゴルフクラブ用シャフトの重量は長年親しんだ振り易さの観点で重要であり、多くの一般上級者は重めのゴルフクラブ用シャフトを好む傾向にある。ゴルフクラブ用シャフトが軽すぎると振り易さの観点でスイングリズムが乱れやすく打球の方向性が悪くなる。また、十分な曲げ剛性とねじり剛性が得られず好ましいフィーリングが得られない。一方、ゴルフクラブ用シャフトが重すぎるとスイングに過大な力を必要とするため力み易くなり、スイングプレーンが不安定となり打球の方向安定性が得られず、快適なフィーリングが得られない。従って、通常は1168mm換算で90g以下である。好ましくは、1168mm換算で60〜85gである。
【0018】
なお、本発明における「その重量が1168mm換算で60g以上」とは、「シャフトの重量をM(g)、シャフトの長さをL(mm)とした時に、M/Lの値が0.051以上」であることを指す。
【0019】
本発明のゴルフクラブ用シャフトを構成する繊維強化樹脂は、シート形状を形成する繊維にマトリックス樹脂を予め含浸させたもので、一般に繊維プリプレグと呼ばれているものを使用すればよい。
【0020】
本発明の繊維強化樹脂を構成するマトリックス樹脂には、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂を使用することができるが、好ましくは熱硬化性樹脂が用いられる。熱可塑性樹脂としては、ポリアミド系樹脂、ポリアクリレート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、およびこれらの混合樹脂を用いることができる。一方、熱硬化性樹脂としては、エポキシ系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、フェノール系樹脂、ユリア系樹脂、メラミン系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリイミド系樹脂、およびこれらの混合樹脂を使用することができる。中でも、エポキシ系樹脂は硬化収縮率が少なく、高い剛性と靱性値を有するので、最も好ましく使用される。
【0021】
本発明の繊維強化樹脂を構成する繊維は、金属繊維、ボロン繊維、炭素繊維、ガラス繊維、セラミクス繊維などの無機系繊維、アラミド繊維、その他の高強力合成繊維などを使用することができる。無機繊維は軽量、かつ高強力であることから好ましく使用される。中でも炭素繊維が比強度、比剛性に優れるので最適である。
【0022】
これらの繊維は、単独または混合して使用できる。また、長繊維、短繊維及びこれらの混合繊維など、どのような長さの繊維を用いてもよい。
【0023】
本発明のゴルフクラブ用シャフトは、繊維強化樹脂を積層してなるゴルフシャフトであり、その層構成を以下説明する。
【0024】
本発明のゴルフクラブ用シャフトは、ゴルフクラブ用シャフトの長手方向に対して配向角度90°±10°に繊維が配向された繊維強化樹脂からなるフープ層を一層以上備え、当該フープ層の一層以上の部分の一端(フープ層の一層以上の部分のグリップ端側の端)がグリップ端から0〜30mmに位置し、当該フープ層の一層以上の部分の他端(フープ層の一層以上の部分のヘッド側の端)がグリップ端から100〜300mmに位置するように配置されていることを必須とする。このフープ層により、対象ゴルファーがプロゴルファーや一般上級者である場合、好ましいフィーリングを得られ打球の方向性の向上という効果を生み出している。
【0025】
当該フープ層の一層以上の部分の一端(フープ層の一層以上の部分のグリップ端側の端)がグリップ端から離れすぎると把持する部分において外径段差が生じ握った時点で違和感を感じるため好ましくない。また、当該フープ層の一層以上の部分の他端(フープ層の一層以上の部分のヘッド側の端)がグリップ端から近すぎるとゴルファーが把持する範囲を十分に満たすことができず、グリップ端から遠すぎるとゴルファーが把持している範囲からヘッド側に掛けて硬く感じられ特異な曲げ剛性となり良好なフィーリングが得られない。
【0026】
上記フープ層の一層以上の部分の一端(フープ層の一層以上の部分のグリップ端側の端)の位置は、好ましくはグリップ端から0〜10mmの位置であり、より好ましくはグリップ端から0mmの位置である。また、上記フープ層の一層以上の部分の他端(フープ層の一層以上の部分のヘッド側の端)の位置は、好ましくはグリップ端から100〜200mmの位置であり、特に好ましくはグリップ端から120〜170mmの位置である。
【0027】
本発明においては、上記フープ層の一層以上の部分の一端(フープ層の一層以上の部分のグリップ端側の端)がグリップ端から0〜30mmに位置し、上記フープ層の一層以上の部分の他端(フープ層の一層以上の部分のヘッド側の端)がグリップ端から100〜300mmに位置していればよく、それ以外の部分において、上記フープ層が完全に一層存在していない状態(シャフトの同一断面上において、シャフトの周方向に対して上記フープ層が一部存在していない状態)であってもよい。例えば、グリップ端0mm〜100mmの範囲ではフープ層が完全に一層存在し、グリップ端100mm〜200mmの範囲でフープ層が漸減している形態でも良い。
【0028】
本発明のゴルフクラブ用シャフトは、上記の位置において、フープ層1層以上有して(積層されて)いればよく、通常は1〜4層、好ましくは1〜2層有している。層の数が多すぎると成形性が悪くなり易い。また、外径や重量などの制約の下で本来得たい曲げ剛性やねじり剛性の発現を制限することになってしまう。2層以上を積層する場合は、例えば1層分のフープ層(繊維強化樹脂層)を予め個別に準備しておいてそれぞれを積層すればよい。複数のフープ層を積層する際は、複数のフープ層を連続して積層してもよいし、フープ層の間に他の繊維強化樹脂層を積層していても良い。上記の位置に一層以上上記フープ層が存在すれば、上記のフープ層が1層以上存在する位置において、フープ層が漸減もしくは漸増している形態であってもよい。
【0029】
上記フープ層は、最外層よりも1層以上内側に積層していることが好ましい。フープ層を最外層に配置するとシャフトの表面研磨時に削られてフープ層が薄い材料であることもあってフープ層自体が削り取られてしまう。よって、最外層以外において適宜積層する。
【0030】
フープ層を形成する繊維の引張弾性率は650〜950GPaであり、好ましくは700〜900GPa、より好ましくは750〜850GPaである。繊維の引っ張り弾性率が低すぎると把持した部分にて変形感を感じ安定的なスイングリズムが得られない。高すぎるとフープ層の切れ目(ヘッド側の終点)で剛性差が大きくなりシャフト長手方向の曲げ剛性が急激に変化して安定的なスイングリズムが得られない。
【0031】
本発明で用いるフープ層の厚さは0.03〜0.10mmが好ましく、より好ましくは0.05〜0.08mmである。フープ層の厚みが薄すぎる把持した部分にて変形感を感じ易く安定的なスイングリズムが得られない。厚すぎると成形性が悪く、フープ層の切れ目(ヘッド側の終点)で剛性差が大きくなりシャフト長手方向の曲げ剛性が急激に変化して安定的なスイングリズムが得られない。
【0032】
本発明のゴルフクラブシャフトの好ましい実施対応としては、更に配向角度0°で概台形状の先端補強層を備える。当該先端補強層の一端が細径端に位置し、他端が細径端から450〜550mmの位置に存在する。他端の位置が細径端に近すぎるとスイングインパクト直前で比較的ヘッドに近い部分がしなることとなり打球方向がばらつくためであり、細径端から遠すぎると比較的ヘッドから遠い部分がしなることとなりインパクト直前でヘッドの追従が遅れてヘッドフェースが開き気味になり打球方向がばらつくためである。他端の位置は、好ましくはが細径端から480〜520mmの位置である。
【0033】
また、細径端と細径端から300〜400mmの位置の間には先端補強層が1層以上存在する。この位置に先端補強層が1層以上存在しないとスイングインパクト直前のヘッド姿勢を制御できないためである。細径端と細径端から330〜570mmの位置の間に先端補強層が1層以上存在することがより好ましい。
【0034】
なお、細径端から300〜400mmの位置から先端補強層の他端(細径端から450〜550mmの位置に存在する他端)にかけて、層数は漸減している。
【0035】
本発明における先端補強層の形状である「概台形状」とは、ゴルフシャフトとして成形した際に上記の条件を満たすような形状の台形である。具体的1例を示すと、図5におけるパターン7で示すような形状である。
【0036】
本発明においては、この配向角度0°で概台形状の先端補強層が備わっていることにより、打球方向性の向上を達成している。
【0037】
本発明のゴルフクラブ用シャフトの好ましい実施形態としては、繊維強化樹脂を積層してなるゴルフクラブ用シャフトであって、シャフトの長手方向に対して+45°と−45°に配向されたバイアス層と長手方向に対して配向角度90°±10°に配向されたフープ層と、長手方向に対して配向角度0°に配向されたストレート層を有し、その重量が1168mm換算で60g以上であり、上記フープ層は一層以上であり、当該フープ層の一層以上の部分の一端がグリップ端から0〜30mmに位置し、当該フープ層の一層以上の部分の他端がグリップ端から100〜300mmに位置するように配置されており、当該フープ層を形成する繊維の引張弾性率が650〜950GPaであるゴルフクラブ用シャフトが挙げられる。更に、配向角度0°で概台形状の先端補強層を備え、当該先端補強層の一端が細径端に位置し、他端が細径端から450〜550mmの位置に存在し、細径端と細径端から300〜400mmの位置の間には先端補強層が1層以上存在するゴルフクラブ用シャフトが挙げられる。
【0038】
フープ層と配向角度0°で概台形状の先端補強層以外に存在する層としては、シャフトの長手方向に対して+45°と−45°に配向されたバイアス層と、長手方向に対して配向角度0°に配向されたストレート層がある。
【0039】
バイアス層、ストレート層は繊維強化樹脂からなり、繊維強化樹脂を構成するマトリックス樹脂及び繊維は、本発明の繊維強化樹脂の説明部分で述したとおりである。
【0040】
また、バイアス層及びストレート層の繊維の配向度は、±5°程度まで許容できる。
【0041】
バイアス層には、主にねじり剛性やねじり強度を高める効果がある。バイアス層を形成する繊維の引張弾性率は240〜550GPaが好ましい。繊維の引っ張り弾性率が低すぎるとねじり剛性が下がり、ボールインパクト時にヘッドフェース面の返りが遅れ方向性が悪くなる。一方、繊維の引っ張り弾性率が高すぎるとねじり強度が低下する。
【0042】
バイアス層の厚さは0.05mm以上0.125mmが好ましい。重量が1168mm換算で60g以上の比較的高重量な場合、バイアス層の厚みが薄すぎると積層数が多くなり、皺等が発生し易く成形性が悪くなる。一方、厚すぎると端数で構成する場合に周方向で外径や曲げ剛性が不均一になり易い。
【0043】
ストレート層には、主に曲げ剛性や曲げ強度を高める効果がある。ストレート層を形成する繊維の引張弾性率は50〜400GPaが好ましい。繊維の引張弾性率が低すぎると、曲げ剛性が低下して柔らかすぎるためスイングリズムを乱す。一方、繊維の引張弾性率が高すぎると、曲げ剛性は高くなるが曲げ強度の低下を引き起こす。
【0044】
ストレート層の厚さは0.05mm以上0.150mm以下が好ましい。ストレート層の厚みが薄すぎると積層数が多くなり非効率であったり、取扱い性が難しくなり皺等が発生し易く成形性が悪くなる。一方、厚すぎると周方向で外径や曲げ剛性が不均一になり品質が劣る。
【0045】
更に、上記バイアス層や上記ストレート層に加え、部分的なバイアス層や部分的なストレート補強層を存在させても良い。部分的に補強層を設けることでねじり剛性や曲げ剛性を部分的に制御できる。繊維の引張弾性率や厚さは上述の範囲が好ましい。
【0046】
本発明のゴルフクラブ用シャフトは、固有振動数が250cpm以上であることが好ましく、通常は310cpm以下である。より好ましくは260〜310cpmである。固有振動数が小さすぎるとスイングスピードが速いゴルファーにとってしなりが大きすぎて良好なスイングリズムを得られず打球の方向安定性が悪くなる。固有振動数が大きすぎるとしなりが小さいためスイングスピードが低下する。
【0047】
固有振動数は図1で示す方法で測定する。例えば、特開平10−225541号公報に記載されている方法により測定することができる。具体的には、藤倉ゴム株式会社製ゴルフクラブタイミングハーモナイザーを用い、シャフトDの先端(細径端部)にヘッドを模擬した質量196gのおもりCを取り付ける。シャフトの全長をLmmとすると、シャフト先端からヘッド側の固定端までの距離Aを988mmとして、太径端部からヘッド側の固定端までの距離Bを全長L−988(mm)とし、先端(細径端部)にヘッドを模擬した質量196gのおもりCを取り付けて上下に振った時の固有振動数を求める。
【0048】
固有振動数は主にストレート層の繊維量や、繊維の引張弾性率によって適宜調整する。固有振動数を高く(硬く)する場合はストレート層の繊維量を多くする方法や、加えて繊維の引張弾性率が高いプリプレグを用いることが知られている。
【0049】
本発明のゴルフクラブ用シャフトは、ゴルフクラブ用シャフトの先端に13.9kgcmのトルクを加えたときのねじり角度が4.0°以下であることが好ましく、より好ましくは2.0〜3.5°である。当該ねじり角度が大きすぎるとスイングスピードが速いゴルファーにとってヘッドの姿勢を制御することが困難となり、打球の方向安定性が悪くなる。また当該ねじり角度が小さすぎる場合は、適度なヘッドターンが少なくなり打球の方向安定性が悪くなる。
【0050】
ねじり剛性は図2で示す方法で測定する。例えば、特開平5−337223号公報に記載されているトルク(シャフト全体のねじり角)の測定方法に従って測定することができる。シャフトDの細径端部と太径部とをそれぞれチャックFとGでクランプし、各チャックを介して、シャフトに対して互いに逆方向のねじりトルク(13.9kgcm)を加えて、ねじり角度を測定する。細径端部は50mmを完全固定し、その固定位置端から太径部固定端の距離Eを985mmとする。
【0051】
本発明のゴルフクラブ用シャフトの製造方法として特に制限はないが、未硬化のマトリックス樹脂を強化繊維に含浸したシート状のプリプレグを用意し、このプリプレグを棒状の芯金(マンドレル)に巻回した後、硬化させ、芯金を抜き取るシートラップ法が挙げられる。
【0052】
シートラップ法では、プリプレグとして、面積や含有する強化繊維の配向角が異なる複数種のものを用意し、これらを1枚ずつ順次芯金に巻回し、多層構造のシャフトを製造することが一般的である。各プリプレグの面積、各プリプレグが含有する強化繊維の配向角、各プリプレグが含有する強化繊維の引張弾性率、各プリプレグを巻回す位置などを調整したり、プリプレグの層数を変更したりすることにより、本発明のシャフトを製造することができる。また、この際に、シャフトのテーパー度やシャフトの外径を適宜調整することも有効である。
【実施例】
【0053】
以下、実施例に基づき本発明を具体的に説明する。
【0054】
【表1】
【0055】
(固有振動数の測定方法)
固有振動数は図1で示す方法で測定する。藤倉ゴム株式会社製ゴルフクラブタイミングハーモナイザーを用い、シャフトDの先端(細径端部)にヘッドを模擬した質量196gのおもりCを取り付ける。太径端部からヘッド側の固定端までの距離Bを180mm、シャフト先端からヘッド側の固定端までの距離Aを988mmとしてシャフトの固有振動数を測定した。
【0056】
(ねじり剛性(ねじり角度)の測定方法)
ねじり剛性は図2で示す方法で測定する。シャフトDの細径端部は50mmを完全固定し、その固定位置端から太径部固定端の距離Eを985mmとし、細径端部と太径部とをそれぞれチャックFとGでクランプし、各チャックを介して、シャフトに対して互いに逆方向のねじりトルク(13.9kgcm)を加えて、ねじり角度を測定した。
【0057】
(実施例1)
図3に示す形状の芯金H(鉄製)を用意した。この芯金Hにおける各部分の外径、長さ、テーパー度は以下のとおりである。
【0058】
P1の外径=3.45mm、P3の外径=6.85mm、P4およびP5の外径=13.90mm、P1〜P2の距離(l1)=200mm、P2〜P3の距離(l2)=100mm、P1〜P4の距離(l3)=1180mm、P1〜P5の距離(l4)=1500mm、P1〜P2のテーパー度=8.00/1000、P3〜P4のテーパー度=8.01/1000
芯金Hにおけるプリプレグを巻きつける位置は、細径端側から測って50mmから1240mmまでの部分とした。次いで、この芯金Hに図4に示した形状に切断したプリプレグ(パターン1〜11)を順次巻きつけ、その上に20mm幅のポリプロピレン製収縮テープをピッチ2mmで巻きつけた。パターン1は表1記載のプリプレグ1を用い、ヘッド側先端部に配置し、炭素繊維が芯金の軸方向に対して0°とし先端部分補強層とした。パターン2は表1記載の引張弾性率780GPaの炭素繊維から成るプリプレグ2を用い、グリップ端から0mmに配置し、炭素繊維が芯金の軸方向に対して90°としてフープ層とした。パターン3,4は表1記載のプリプレグ3を用い、バイアス層とした。炭素繊維が芯金の軸方向に対して+45°に配向したプリプレグ3と−45°に配向したプリプレグ3を2枚重ね合わせたものである。また、パターン3は、図4のパターン3左側(細径側)において、2枚の巻き始め端部(プリプレグの図中上端)が端部にて8mmずれるように重ねられ、図4右側端部(太径側)において、2枚の巻き始め端部が22mmずれるように重ねられている。同様、パターン4は図4のパターン4左側(細径側)において、2枚の巻き始め端部が9mmずれるように重ねられ、図4右側端部(太径側)において、2枚の巻き始め端部が23mmずれるように重ねられている。パターン5、7、8は表1記載のプリプレグ4を用い、シャフト全長に配置し、炭素繊維が芯金の軸方向に対して0°としストレート層とした。パターン6は表1記載のプリプレグ5を用い、先端部分バイアス層とした。炭素繊維が芯金の軸方向に対して+45°に配向したプリプレグ5と−45°に配向したプリプレグ5を2枚重ね合わせたものである。パターン9は表1記載のプリプレグ6を用い、シャフト全長に配置し、炭素繊維が芯金の軸方向に対して0°としストレート層とした。パターン10は表1記載のプリプレグ1を用い、ヘッド側先端部に配置し、炭素繊維が芯金の軸方向に対して0°とし先端部分補強層とした。パターン11は表1記載のプリプレグ1を用い、ヘッド側先端部に配置し、炭素繊維が芯金の軸方向に対して0°とし先端部分補強層とした。
【0059】
また、図4、5,6、7中の各部分の寸法は以下のとおりである。
【0060】
α1=220mm、α2=56mm、α3=120mm、α4=78mm、α5=260mm、α6=42mm、α7=160mm、α8=44mm、α9=1190mm、α10=54mm、α11=101mm、α12=1190mm、α13=77mm、α14=126mm、α15=21mm、α16=1190mm、α17=50mm、α18=230mm、α19=21mm、α20=150mm、α21=27mm、α22=22mm、α23=1190mm、α24=50mm、α25=45mm、α26=1190mm、α27=102mm、α28=23mm、α29=1190mm、α30=52mm、α31=300mm、α32=24mm、α33=200mm、α34=31mm、α35=130mm、α36=105mm、α37=21mm、α38=500mm、α39=350mm、α40=36mm
次いで、これを135℃に加熱した硬化炉に2時間入れ、取り出した後常温に冷めたところで、前記収縮テープを剥ぎ取り、細径側を10mm、太径側を12mm切断して全長を1168mmとした。次いで表面を研磨して細径側の外径が8.50mm、固有振動数が275cpm、ねじり角度(トルク)が3.0°のシャフトを得た。使用したプリプレグの詳細は、表1に示すとおりである。なお、フープ層の一層以上の部分の一端はグリップ端から0mmに位置し、フープ層の一層以上の部分の他端はグリップ端から148mmに位置する(フープ層はグリップ端から0mm〜148mmの範囲に完全に一層存在している)。
【0061】
得られたシャフトの全長、重量、固有振動数、ねじり角度(トルク)を表2に示す。
【0062】
(実施例2)
図3に示す形状の芯金H(鉄製)を用意した。この芯金Hにおける各部分の外径、長さ、テーパー度は以下のとおりである。
【0063】
P1の外径=3.45mm、P3の外径=6.85mm、P4およびP5の外径=13.90mm、P1〜P2の距離(l1)=200mm、P2〜P3の距離(l2)=100mm、P1〜P4の距離(l3)=1180mm、P1〜P5の距離(l4)=1500mm、P1〜P2のテーパー度=8.00/1000、P3〜P4のテーパー度=8.01/1000
芯金Hにおけるプリプレグを巻きつける位置は、細径端側から測って50mmから1240mmまでの部分とした。次いで、この芯金Hに図5に示した形状に切断したプリプレグ(パターン1〜12)を順次巻きつけ、その上に20mm幅のポリプロピレン製収縮テープをピッチ2mmで巻きつけた。パターン1は表1記載のプリプレグ1を用い、ヘッド側先端部に配置し、炭素繊維が芯金の軸方向に対して0°とし先端部分補強層とした。パターン2は表1記載の引張弾性率780GPaの炭素繊維から成るプリプレグ2を用い、グリップ端から0mmに配置し、炭素繊維が芯金の軸方向に対して90°としてフープ層とした。パターン3,4は表1記載のプリプレグ3を用い、バイアス層とした。炭素繊維が芯金の軸方向に対して+45°に配向したプリプレグ3と−45°に配向したプリプレグ3を2枚重ね合わせたものである。また、パターン3は、図5のパターン3左側(細径側)において、2枚の巻き始め端部(プリプレグの図中上端)が端部にて8mmずれるように重ねられ、図5右側端部(太径側)において、2枚の巻き始め端部が22mmずれるように重ねられている。同様、パターン4は図5のパターン4左側(細径側)において、2枚の巻き始め端部が9mmずれるように重ねられ、図5右側端部(太径側)において、2枚の巻き始め端部が23mmずれるように重ねられている。パターン5、8、9は表1記載のプリプレグ4を用い、シャフト全長に配置し、炭素繊維が芯金の軸方向に対して0°としストレート層とした。パターン7は表1記載のプリプレグ6を用い、ヘッド側先端部に配置し、炭素繊維が芯金の軸方向に対して0°とし先端部分補強層とした。パターン6は表1記載のプリプレグ5を用い、先端部分バイアス層とした。炭素繊維が芯金の軸方向に対して+45°に配向したプリプレグ5と−45°に配向したプリプレグ5を2枚重ね合わせたものである。パターン10は表1記載のプリプレグ6を用い、シャフト全長に配置し、炭素繊維が芯金の軸方向に対して0°としストレート層とした。パターン11は表1記載のプリプレグ1を用い、ヘッド側先端部に配置し、炭素繊維が芯金の軸方向に対して0°とし先端部分補強層とした。パターン12は表1記載のプリプレグ1を用い、ヘッド側先端部に配置し、炭素繊維が芯金の軸方向に対して0°とし先端部分補強層とした。
【0064】
次いで、これを135℃に加熱した硬化炉に2時間入れ、取り出した後常温に冷めたところで、前記収縮テープを剥ぎ取り、細径側を10mm、太径側を12mm切断して全長を1168mmとした。次いで表面を研磨して細径側の外径が8.50mm、固有振動数が275cpm、ねじり角度(トルク)が3.0°のシャフトを得た。使用したプリプレグの詳細は、表1に示すとおりである。なお、フープ層の一層以上の部分の一端はグリップ端から0mmに位置し、フープ層の一層以上の部分の他端はグリップ端から148mmに位置する(フープ層はグリップ端から0mm〜148mmの範囲に完全に一層存在している)。
【0065】
得られたシャフトの全長、重量、固有振動数、ねじり角度(トルク)を表2に示す。
【0066】
(比較例1)
実施例1同様図3に示す形状の芯金H(鉄製)を用意した。
【0067】
芯金Hにおけるプリプレグを巻きつける位置は、細径端側から測って50mmから1240mmまでの部分とした。次いで、この芯金Hに図6に示した形状に切断したプリプレグ(パターン1〜11 ただしパターン2はない)を順次巻きつけ、その上に20mm幅のポリプロピレン製収縮テープをピッチ2mmで巻きつけた。実施例1で設置したパターン2(引張弾性率780GPaの炭素繊維から成るプリプレグ2を用い、炭素繊維が芯金の軸方向に対して90°のフープ層)のみ存在させない形態とした。その他のパターンの寸法や作製方法、各評価方法は実施例1と同様にしてシャフトを得た。
【0068】
(比較例2)
実施例1同様図3に示す形状の芯金H(鉄製)を用意した。
芯金Hにおけるプリプレグを巻きつける位置は、細径端側から測って50mmから1240mmまでの部分とした。次いで、この芯金Hに図7に示した形状に切断したプリプレグ(パターン1〜11)を順次巻きつけ、その上に20mm幅のポリプロピレン製収縮テープをピッチ2mmで巻きつけた。パターン2に引張弾性率295GPaの炭素繊維から成るプリプレグ7を用い、炭素繊維が芯金の軸方向に対して90°のフープ層を配置した以外は実施例1と同様にしてシャフトを得た。
【0069】
(評価試験1)
実施例1及び比較例1、2で製造したシャフトの太径部を切断して全長1100mmとした後、細径側にヘッド(440ml、ロフト:9.5度)、太径側に市販のグリップを装着し、長さ45.25インチ(1149mm)の試験用のドライバーゴルフクラブを製作した。
【0070】
(評価試験2)
実施例1及び2で製造したシャフトの太径部を切断して全長1100mmとした後、細径側にヘッド(440ml、ロフト:9.0度)、太径側に市販のグリップを装着し、長さ45.25インチ(1149mm)の試験用のドライバーゴルフクラブを製作した。
【0071】
(官能評価)
このクラブ用を上級者ゴルファー3名に5球ずつ試打してもらい感想を聴取した。最も振り易く、最も安心感がある、最も好感があるものを5点として5点満点の評価を行った。全テスターの平均値を表3に示す。
【0072】
(弾道計測評価)
次いでミヤマエ社製スイングロボットを用い、下記3条件で各3球ずつ、合計9球の弾道を計測した。
【0073】
<1>ストレート条件:アドレス時のフェース角をスイング方向に一致させる。
【0074】
<2>フック条件:アドレス時のフェース角を2.0度オープンにする。
【0075】
<3>スライス条件:アドレス時のフェース角を2.0度クローズにする
弾道の計測はTrackMan社製弾道計測装置「TrackMan Pro2」を用いて計測した。測定した結果を表4に示す。表4中の評価項目について内容を以下に示す。
Club Speedはインパクトまでの速度。
Ball Speedはインパクト後のボールの速度。
Vertical Angleはインパクト直後の水平方向の打ち出し角度(上下の打ち出し角度)。
Horizontal Angleはインパクト直後のターゲットラインからの打ち出し角度(左右の打ち出し角度) +は右方向、−は左方向。
Spin Rateはインパクト直後のボールの回転数。
Spin Axisはボールのスピン軸。+はスライス回転、−はフック回転。
縦方向飛距離はトータル飛距離。
横方向飛距離はターゲットラインからの横方向の差。+は右方向、−は左方向。
【0076】
弾道の最終到達点における縦方向飛距離と横方向飛距離の測定結果を図8及び図9に示す。
【0077】
【表2】
【0078】
【表3】
【0079】
【表4】
【0080】
【表5】
【0081】
表3、表4、表5、図8から明らかなように実施例のシャフトから得られたゴルフクラブによれば、上級者ゴルファーにとって最も良好なフィーリングが得られ、方向安定性に優れたゴルフクラブ用シャフトを提供することができた。また図9から明らかなように、配向角度0°で概台形状の先端補強層を備え、当該先端補強層の一端が細径端に位置し、他端が細径端から450〜550mmの位置に存在し、細径端と細径端から300〜400mmの位置の間には先端補強層が1層以上存在する(実施例2)ことにより、より方向安定性に優れたゴルフクラブ用シャフトを提供することができた。
【符号の説明】
【0082】
A:シャフト先端からヘッド側の固定端までの距離(mm)
B:太径端部からヘッド側の固定端までの距離
C:ヘッドを模擬した質量196gのおもり
D:ゴルフクラブ用シャフト
E:細径部側の固定位置端から太径部固定端まで距離
F:細径部側の固定部分
G:太径部側の固定部分
H:芯金
L:シャフトの全長
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9