【文献】
OBA T , VACHA M,Relaxation in Thin Polymer Films Mapped across the Film Thickness by Astigmatic Single-Molecule Imaging,ACS Macro Letters,2012年 6月 8日,p.784-788
【文献】
FUH A Y G , et al,Dynamics of Laser-Induced Holographic Gratings in Dye-Doped Liquid Crystal Films,Jpn. J. Appl. Phys.,2003年12月10日,Vol. 42, Pt. 1, No. 12,pp. 7344.7348
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記液晶試料に励起光を照射しながら、前記液晶試料中で前記励起光とは異なる波長の光を発する発光物質の画像を取得することにより、前記発光性物質の3次元的な空間座標(x,y,z)を計測することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の液晶の評価方法。
前記液晶層に対して電界を印加した状態での計測と、前記液晶層に対して電界を印加しない状態での計測とを行うことを特徴とする請求項12に記載の液晶パネルの評価方法。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下の説明では、各構成要素を見易くするため、図面において構成要素によって寸法の縮尺を異ならせて示すことがある。
【0025】
[液晶組成物の評価方法]
先ず、本発明の一実施形態に係る液晶の評価方法について説明する。
図1は、本実施形態における液晶の評価方法の手順を示すフローチャートである。
【0026】
本実施形態における液晶の評価方法は、
図1に示すように、発光性物質を含有する液晶試料を準備するステップS101と、液晶試料に励起光を照射しながら、液晶試料中で励起されて発光する発光性物質の3次元的な空間座標(x,y,z)を計測するステップS102と、発光性物質の計測結果に基づいて、液晶試料中に含まれる液晶分子のx,y,z軸方向における移動の評価を行うステップS103と、を含む。
【0027】
先ず、
図1に示すステップS101において、評価対象となる液晶試料については、特に限定されるものではなく、後述する(液晶)などを含有したものを例示することができる。
【0028】
液晶試料中に添加される発光性物質としては、例えば下記に示すペリレンジイミド化合物(PDI)を用いることができる。
【0030】
上記式中において、R
1及びR
2は、炭素原子数1〜14のアルキル基を表すことが好ましく、炭素原子数5〜10のアルキル基を表すことがより好ましい。
【0031】
発光性物質の分子量については、評価対象となる液晶試料中に含まれる液晶分子の分子量と同程度のものを使用することが好ましい。これにより、後述するステップS102で計測される液晶試料中における発光性物質の移動から、液晶試料中における液晶分子の移動や配向状態などを分子レベルで解析することができる。
【0032】
なお、液晶試料中における発光性物質又は液晶分子の移動とは、発光性物質又は液晶分子の液晶試料(媒体)中における動き全般のことを表す。具体的には、発光性物質又は液晶分子の液晶試料中における運動挙動や変位、その変位する方向や速さなどを含む動き全般のことを表す。
【0033】
発光性物質としては、上記PDIに限らず、励起光により励起されて、励起光とは異なる波長の光(蛍光又は燐光)を発する発光性化合物を用いることができる。具体的に、発光性物質としては、上記PDI以外にも、例えば、Rhodamine系色素(Atto、Alexaとも呼ばれる。)、Cyanine系色素(Cyとも呼ばれる。)などを挙げることができる。また、半導体量子ドット(CdSe系)や金ナノ量子などを挙げることができる。
【0034】
発光性物質は、液晶試料中に拡散させることが好ましい。発光性物質を液晶試料中に拡散させるためには、液晶試料中に含まれる発光性物質の含有量(添加量)を10
−8mol/L以下とすることが好ましい。発光性物質の含有量が多過ぎると、発光性物質が凝集してしまい、液晶試料中における液晶分子の移動や配向状態などを適切に解析することが困難となる。また、背景の目的物以外の背景のシグナルが強くなり、目的物の運動や変位を決定するのに十分なコントラストを得ることが困難となる。
【0035】
一方、発光性物質の含有量が少な過ぎると、後述するステップS102において液晶試料中における発光性物質の移動を計測することが困難となる。したがって、発光性物質の含有量の上限については、液晶試料中で発光性物質が凝集しない、若しくは目的物のコントラストを低下させない程度(濃度)とし、発光性物質の含有量の下限については、励起光により励起されて発光する発光性物質を検出できる程度とすることが好ましい。このような条件を満足する発光性物質の含有量としては、10
−10〜10
−11mol/Lの範囲とすることが特に好ましい。なお、発光性物質の含有量の下限値については、特に規定しないものの、少なくとも10
−19mol/L以上であればよい。
【0036】
なお、液晶試料は、上述した液晶や発光性物質の他にも、液晶材料として通常添加される各種の添加剤等を含有したものであってもよい。すなわち、液晶試料とは、液晶材料中に含まれる液晶分子の移動や配向状態を解析するため、この液晶材料中に更に発光性物質を所定量添加したものからなる。
【0037】
次に、
図1に示すステップS102において、励起光としては、計測の障害となるような光の吸収や発光などを生じさせない光を選定することが好ましく、この励起光に対して十分低いバックグラウンドノイズレベルとなるように、波長や出力などが調整(最適化)された光を用いることが好ましい。
【0038】
具体的に、励起光を発する光源としては、単一波長(単色)の光を発するレーザー光源や発光ダイオード(LED)などを用いることができる。励起光としては、発光性物質を可視光域で発光させることが可能な単色光を用いることが好ましい。一般に、発光性物質は、励起光により励起されたとき、この励起光の波長よりも長波長の単色光を発することから、可視光域でも短波長側の単色光(例えば、青色光や青緑色光、緑色光など。)を用いることが好ましい。
【0039】
一般的に、発光性物質に励起光を照射し続けると、最終的には発光性物質の分解が生じて発光性物質が発光しなくなる。したがって、発光性物質の計測を行うのに十分な時間を確保するためには、発光性物質の寿命と励起光の波長や出力とのバランスを調整する必要がある。
【0040】
一方、発光性物質の分解を防ぐため、むやみに励起光の出力を小さくすると、発光性物質の検出感度の低下を招くことになる。すなわち、励起光により励起されて発光する発光性物質を検出可能とするためには、この光の検出感度との関係も考慮して、光源を選定する必要がある。
【0041】
発光性物質の計測には、例えばCCDやCMOSなどの撮像素子を用いることができる。これらの撮像素子を用いた場合、画像解析により10ナノメートル以下の高い解像度が得られることから、液晶試料中における発光物質の移動を分子レベルで計測することができる。
【0042】
また、発光性物質の計測は、時分割で行うことが好ましい。これにより、発光性物質の液晶試料中における運動挙動や変位、その変位する方向や速さなどを含む動きを計測することができる。なお、発光性物質の計測については、このような時分割による計測に必ずしも限定されるものではない。それ以外にも、例えば、一定時間内に連続的して計測を行ってもよく、ある時点で計測を単発的に行ってもよい。
【0043】
ここで、本実施形態で用いられる計測装置の一例を
図2に示す。
なお、
図2は、本実施形態で用いられる計測装置の構成を示す模式図である。
【0044】
図2に示す計測装置は、いわゆる倒立型顕微鏡であり、レーザー光源1と、コンデンサーレンズ2と、ダイクロイックミラー3と、対物レンズ4と、試料台5と、励起光カットフィルター6と、リレーレンズ7a,7bと、偏光子8と、シリンドリカルレンズ9と、結像レンズ10と、撮像素子11とを備えている。
【0045】
このうち、レーザー光源1と、コンデンサーレンズ2と、ダイクロイックミラー3とは、同一の軸線ax1上において、この順で並んで配置されている。一方、試料台5と、対物レンズ4と、ダイクロイックミラー3と、励起光カットフィルター6と、リレーレンズ7a,7bと、偏光子8と、シリンドリカルレンズ9と、結像レンズ10と、撮像素子11とは、同一の軸線ax2上において、この順で並んで配置されている。軸線ax1と軸線ax2とは、同一平面内で互いに直交している。軸線ax1と軸線ax2との交点には、ダイクロイックミラー3が配置されている。
【0046】
レーザー光源1は、アルゴンレーザーであり、励起光BLとして、例えば波長488nmの青緑色レーザー光を出射する。
【0047】
コンデンサーレンズ2は、レーザー光源1から出射された励起光BLを試料台5上の液晶試料Sに対して平行光として照射するためのものである。
【0048】
ダイクロイックミラー3は、励起光BLを試料台5に向けて反射する一方、後述する蛍光光YLを撮像素子11に向けて透過させる。
【0049】
対物レンズ4は、試料台5上の液晶試料Sに対して励起光BLを平行光として照射するために配置される。また、対物レンズ4を軸線方向に移動させることによって、液晶試料S内の発光性物質に焦点を合わせることができる。
【0050】
試料台5は、液晶試料Sが載置される移動ステージである。試料台5では、ピエゾ素子等の駆動素子を用いて、液晶試料Sの位置をx軸、y軸、z軸方向に移動させることができる。
【0051】
液晶試料Sは、例えば、透明な基板の間に挟み込まれた状態で、試料台5上に載置される。液晶試料Sに励起光BLが照射されることによって、液晶試料S中の発光性物質が励起される。これにより、発光性物質が励起光BLとは異なる波長の光(蛍光光)YLを発する。発光性物質が発する蛍光光YLは、対物レンズ4を通過した後、ダイクロイックミラー3を透過する。
【0052】
励起光カットフィルター6は、対物レンズ4で反射しダイクロイックミラー3を透過した励起光BLや、液晶試料Sで反射しダイクロイックミラー3を透過した励起光BL等を遮断する。
【0053】
リレーレンズ7a,7bは、撮像素子11の撮像面の大きさに合わせて、蛍光光YLのサイズを調整する。
【0054】
偏光子8は、蛍光光YLのうち特定方向の偏光成分の光のみを通過させる。また、偏光子8は、蛍光光YLの光路中から外すことも可能である。
【0055】
シリンドリカルレンズ9は、蛍光光YLを一方向に集光させる。
【0056】
結像レンズ10は、蛍光光YLを撮像素子11の撮像面上に結像させる。
【0057】
撮像素子11は、CCDカメラであり、撮像面上に結像された蛍光光YLを受光することによって、この蛍光光YLを発する発光性物質の像を撮像する。
【0058】
また、
図2に示す計測装置は、白色光源12と、投射レンズ13と、偏光子14と、を備えている。偏光子14と、投射レンズ13と、白色光源12とは、軸線ax2上において、試料台5側から順に並んで配置されている。
【0059】
白色光源12は、白色光WLを試料台5上の試料Sに向けて照射する。
【0060】
投射レンズ13は、白色光源12から出射された白色光WLを試料台5上にある液晶試料Sに向けて拡大投射させる。
【0061】
偏光子14は、白色光WLのうち特定方向の偏光成分の光のみを通過させる。また、偏光子14は、白色光WLの光路中から外すことも可能である。
【0062】
本実施形態では、
図2に示す計測装置を用いて、液晶試料Sに励起光BLを照射しながら、液晶試料S中で蛍光光YLを発する発光性物質の計測を時分割で行う。これにより、計測時毎の発光性物質の画像が取得される。
【0063】
なお、上記偏光子8,14については、励起光WLを照射せずに白色光WLを照射し、
図2中の軸線ax2に沿った偏光顕微鏡により、主に液晶試料S中の液晶分子の配向状態を解析する際に用いられる。一方、液晶試料S中の発光性物質の移動を計測する際は、これらの偏光子8,14を除いた状態で、白色光WLを照射せずに励起光BLを照射して計測を行うことができる。
【0064】
次に、
図1に示すステップS103において、取得した発光性物質の画像から、発光性物質の単位時間当たりの移動距離を求めた後、液晶試料S中に含まれる液晶分子の拡散係数を算出する。具体的に、本実施形態では、液晶試料S中に含まれる液晶分子の3次元的な移動や拡散状態、配向状態等を解析するため、液晶試料S中に含まれる液晶分子のx軸方向における拡散係数をD
xとし、y軸方向における拡散係数をD
yとし、z軸方向における拡散係数をD
zとしたときに、それぞれの拡散係数D
x,D
y,D
zを下記式(1)〜(3)の何れかにより算出して求めることができる。
【0065】
2D
xΔt=〈{x(t+Δt)−x(t)}
2〉 …(1)
2D
yΔt=〈{y(t+Δt)−y(t)}
2〉 …(2)
2D
zΔt=〈{z(t+Δt)−z(t)}
2〉 …(3)
【0066】
なお、上記式(1)〜(3)中において、x(t),y(t),z(t)は、それぞれt秒時における前記発光性物質の発光点の中心位置のx座標,y座標,z座標を表し、x(t+Δt),y(t+Δt),z(t+Δt)は、それぞれt+Δt秒時における前記発光性物質の発光点の中心位置のx座標,y座標,z座標を表す。
【0067】
また、上記式(1)〜(3)中の〈 〉は、平均を表し、例えば〈{x(t+Δt)−x(t)}
2〉は、t秒からt+Δt秒までの間に発光性物質がx軸方向に移動する距離の二乗平均を表す。
【0068】
ここで、液晶分子の拡散係数とは、実際は発光性物質の単位時間当たりの移動距離から求める発光性物質の拡散係数である。本実施形態では、液晶試料S中における発光性物質の移動を反映して、液晶試料S中における液晶分子が同様の移動を示すと考えられることから、この液晶試料S中における発光性物質の移動を液晶試料S中における液晶分子の移動と見なして評価を行っている。
【0069】
さらに、例えば不純物等の液晶分子以外の物質が液晶試料S中に含まれている場合、液晶試料S中における発光性物質の移動を反映して、液晶試料S中における不純物等も同様の移動を示すと考えられる。したがって、この液晶試料S中における発光性物質の移動を液晶試料S中における不純物等の移動と見なして、液晶試料S中における不純物等の移動を解析することもできる。
【0070】
以上のように、本実施形態では、算出された液晶分子の拡散係数D
x,D
y,D
zから、液晶試料S中における液晶分子の移動や配向状態などを分子レベルで解析することができる。その結果、これまでには得られなかった液晶の特性評価を行うことができる。
【0071】
すなわち、本実施形態では、液晶分子の三次元的な移動や拡散状態、配向状態等の解析を行うことができる。具体的には、液晶分子の三次元的な移動の解析を10nm以下の精度で行うことにより、液晶分子の配向状態を分子レベルで解析することが可能である。
【0072】
[液晶パネルの評価方法]
次に、本発明の一実施形態に係る液晶パネルの評価方法について説明する。
図3は、本実施形態における液晶パネルの評価方法の手順を示すフローチャートである。
【0073】
本実施形態における液晶パネルの評価方法は、
図3に示すように、基板の間に液晶層が配置された液晶パネルを評価対象としたものであり、液晶層に発光性物質が添加された液晶パネルを準備するステップS201と、液晶パネルに励起光を照射しながら、液晶層中で励起されて発光する発光性物質を計測するステップS202と、発光性物質の計測結果に基づいて、液晶パネルの評価を行うステップS203と、を含む。
【0074】
すなわち、この液晶パネルの評価方法は、上述した液晶の評価方法が液晶試料Sを評価対象にしているのに対し、評価対象を液晶パネルとしている以外は、基本的に同じ方法(計測装置)を用いることができる。
【0075】
(液晶パネル)
ここで、液晶パネルの具体的な構成について、
図4(a)に示す液晶パネル20及び
図4(b)に示す液晶パネル30を例に挙げて説明する。
【0076】
図4(a)に示す液晶パネル20は、第1の基板21と、第2の基板22と、第1の基板21と第2の基板22との間に配置された液晶層23とを有する。
【0077】
第1の基板21と第2の基板22との互いに対向する面には、液晶層23の配向状態を制御する配向層24a,24bと、液晶層23の配向状態を駆動電圧の印加により発生する電界によって変化させる透明電極25a,25bとがそれぞれ設けられている。
【0078】
例えば、TNモードやSTNモード等の水平配向型の場合には、配向層24a,24bは、駆動電圧の無印加時に液晶層23の液晶分子23aを、基板面に対して実質的に水平な方向に配向(水平配向)させる。ここで、実質的に水平な方向には、水平及び略水平な方向が含まれる。
【0079】
一方、VAモード等の垂直配向型の場合には、配向層24a,24bは、駆動電圧の無印加時に液晶層23の液晶分子23aを、基板面に対して実質的に垂直な方向に配向(垂直配向)させる。ここで、実質的に垂直な方向には、垂直及び略垂直な方向が含まれる。
【0080】
液晶パネル20は、パッシブマトリクス表示形式でも、アクティブマトリクス表示方式でもよい。パッシブマトリクス表示形式の場合には、例えばSTNモードなどが挙げられる。STNモードでは、第1の基板21上の透明電極25aと第2の基板22上の透明電極25bとは、互いに直交するように縞状にパターニングされる。
【0081】
アクティブマトリクス表示方式の場合には、例えば、TNモード、VAモードなどが挙げられる。アクティブマトリクス表示方式では、複数の画素電極がマトリクス状に配列された構造を有し、各画素電極と電気的に接続された非線形アクティブ素子(図示せず。)によって、それぞれ独立に駆動が制御される。したがって、アクティブマトリクス表示方式では、透明電極25a,25bのうち、何れか一方が画素電極であり、もう一方が共通電極である。
【0082】
図4(b)に示す液晶パネル30は、第1の基板31と、第2の基板32と、第1の基板31と第2の基板32との間に配置された液晶層33とを有する。
【0083】
第1の基板21と第2の基板22との互いに対向する面には、それぞれ液晶層23の配向状態を制御する配向層34a,34bが設けられている。また、第1の基板21の第2の基板22と対向する面には、液晶層23の配向状態を駆動電圧の印加により発生する電界によって変化させる透明電極35が設けられている。
【0084】
すなわち、この液晶パネル30では、第1の基板21と第2の基板22とのうち、一方の基板のみに電極が設けられた構成である。この構成は、例えばIPSモード等の水平配向型に適用される。IPSモードの場合、配向層34a,34bは、駆動電圧の無印加時に液晶層33の液晶分子33aを、基板面に対して実質的に水平な方向に配向(水平配向)させる。IPSモードの場合、透明電極35は、共通電極と画素電極とからなる櫛歯電極を構成している。
【0085】
本実施形態では、液晶層23に対して電界を印加した状態(駆動電圧の印加時)での計測と、液晶層23に対して電界を印加しない状態(駆動電圧の無印加時)での計測とを行う。これにより、液晶パネル20,30の駆動に伴う液晶層23,33中における液晶分子23a,33aの移動や配向状態などを分子レベルで解析することができる。その結果、これまでには得られなかった液晶パネル20,30の特性評価を行うことが可能である。
【0086】
(液晶)
次に、液晶(液晶層23,33)の具体例について説明する。
液晶としては、例えば、棒状液晶(ネマチック液晶、スメクチック液晶)、円盤状(ディスコチック)液晶、屈曲型液晶(バナナ液晶)、これらにキラリティーが加わった液晶などを挙げることができる。また、キラリティーが加わった液晶としては、液晶の一部又は全部がキラルなもの、液晶とキラルな非液晶とを混合したものなどを挙げることができる。
【0087】
液晶としては、発光性化合物の拡散を計測できるものであれば、単量体、二量体、三量体以上の多量体(オリゴマー)、高分子(ポリマー)の何れかを含むものであってもよい。
【0088】
<一般式(LC)>
棒状の液晶としては、下記一般式(LC)で表される化合物を挙げることができる。
【0090】
上記一般式(LC)において、R
LCは、炭素原子数1〜15のアルキル基を表す。該アルキル基中の1つ又は2つ以上のCH
2基は、酸素原子が直接隣接しないように、−O−、−CH=CH−、−CO−、−OCO−、−COO−又は−C≡C−で置換されていてもよい。該アルキル基中の1つ又は2つ以上の水素原子は、任意にハロゲン原子に置換されていてもよい。
【0091】
A
LC1及びA
LC2は、それぞれ独立して下記(a)〜(c)からなる群より選ばれる基を表す。
(a) トランス−1,4−シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個のCH
2基又は隣接していない2個以上のCH
2基は酸素原子又は硫黄原子で置換されていてもよい。)
(b) 1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個のCH基又は隣接していない2個以上のCH基は窒素原子で置換されていてもよい。)
(c) 1,4−ビシクロ(2.2.2)オクチレン基、ナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、又はクロマン−2,6−ジイル基からなる群より選ばれる基
上記(a)〜(c)の基に含まれる1つ又は2つ以上の水素原子は、それぞれ、F、Cl、CF
3又はOCF
3で置換されていてもよい。
【0092】
Z
LCは、単結合、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、−CH
2CH
2−、−(CH
2)
4−、−OCH
2−、−CH
2O−、−OCF
2−、−CF
2O−、−COO−又は−OCO−を表す。
【0093】
Y
LCは、水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、及び炭素原子数1〜15のアルキル基を表す。該アルキル基中の1つ又は2つ以上のCH
2基は、酸素原子が直接隣接しないように、−O−、−CH=CH−、−CO−、−OCO−、−COO−、−C≡C−、−CF
2O−、−OCF
2−で置換されていてもよい。該アルキル基中の1つ又は2つ以上の水素原子は、任意にハロゲン原子によって置換されていてもよい。
【0094】
aは、1〜4の整数を表すが、aが2、3又は4を表し、A
LC1が複数存在する場合、複数存在するA
LC1は、同一であっても異なっていてもよく、Z
LCが複数存在する場合、複数存在するZ
LCは、同一であっても異なっていてもよい。
【0095】
<一般式(LC1)及び(LC2)>
上記一般式(LC)で表される化合物としては、下記一般式(LC1)及び(LC2)で表される化合物を挙げることができる。
【0097】
上記一般式(LC1)及び(LC2)において、R
LC11及びR
LC21は、それぞれ独立して炭素原子数1〜15のアルキル基を表す。該アルキル基中の1つ又は2つ以上のCH
2基は、酸素原子が直接隣接しないように、−O−、−CH=CH−、−CO−、−OCO−、−COO−又は−C≡C−で置換されていてもよい。該アルキル基中の1つ又は2つ以上の水素原子は、任意にハロゲン原子によって置換されていてもよい。
【0098】
A
LC11及びA
LC21は、それぞれ独立して下記の何れかの構造を表す。
【0100】
上記構造において、シクロヘキシレン基中の1つ又は2つ以上のCH
2基は、酸素原子で置換されていてもよい。1,4−フェニレン基中の1つ又は2つ以上のCH基は、窒素原子で置換されていてもよい。該構造中の1つ又は2つ以上の水素原子は、F、Cl、CF
3又はOCF
3で置換されていてもよい。
【0101】
X
LC11、X
LC12、X
LC21〜X
LC23は、それぞれ独立して水素原子、Cl、F、CF
3又はOCF
3を表す。
Y
LC11及びY
LC21は、それぞれ独立して水素原子、Cl、F、CN、CF
3、OCH
2F、OCHF
2又はOCF
3を表す。
Z
LC11及びZ
LC21は、それぞれ独立して単結合、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、−CH
2CH
2−、−(CH
2)
4−、−OCH
2−、−CH
2O−、−OCF
2−、−CF
2O−、−COO−又は−OCO−を表す。
m
LC11及びm
LC21は、それぞれ独立して1〜4の整数を表す。A
LC11、A
LC21、Z
LC11及びZ
LC21が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていてもよい。
【0102】
R
LC11及びR
LC21は、それぞれ独立して炭素原子数1〜7のアルキル基、炭素原子数1〜7のアルコキシ基、炭素原子数2〜7のアルケニル基を表すことが好ましく、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、炭素原子数2〜5のアルケニル基を表すことがより好ましく、直鎖状であることが更に好ましい。
【0103】
アルケニル基としては、下記の構造を表すことが最も好ましい。下記構造において、環構造へは右端で結合するものとする。
【0105】
A
LC11及びA
LC21は、それぞれ独立して下記の構造を表すことが好ましい。
【0107】
Y
LC11及びY
LC21は、それぞれ独立してF、CN、CF
3又はOCF
3を表すことが好ましく、F又はOCF
3を表すことがより好ましく、Fを表すことが特に好ましい。
Z
LC11及びZ
LC21は、単結合、−CH
2CH
2−、−COO−、−OCO−、−OCH
2−、−CH
2O−、−OCF
2−又は−CF
2O−を表すことが好ましく、単結合、−CH
2CH
2−、−OCH
2−、−OCF
2−又は−CF
2O−を表すことがより好ましく、単結合、−OCH
2−又は−CF
2O−を表すことが更に好ましい。
m
LC11及びm
LC21は、1、2又は3の整数を表すことが好ましく、低温での保存安定性、応答速度を重視する場合には1又は2を表すことが好ましく、ネマチック相上限温度の上限値を改善するには2又は3を表すことが好ましい。
【0108】
<一般式(LC1−a)〜(LC1−c)>
一般式(LC1)で表される化合物としては、下記一般式(LC1−a)〜(LC1−c)で表される化合物を挙げることができる。
【0110】
上記一般式(LC1−a)〜(LC1−c)において、R
LC11、Y
LC11、X
LC11及びX
LC12は、それぞれ独立して上記一般式(LC1)におけるR
LC11、Y
LC11、X
LC11及びX
LC12と同じ意味を表す。
【0111】
A
LC1a1、A
LC1a2及びA
LC1b1は、トランス−1,4−シクロヘキシレン基、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル基、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基を表す。
X
LC1b1、X
LC1b2、X
LC1c1〜X
LC1c4は、それぞれ独立して水素原子、Cl、F、CF
3又はOCF
3を表す。
【0112】
R
LC11は、それぞれ独立して炭素原子数1〜7のアルキル基、炭素原子数1〜7のアルコキシ基、炭素原子数2〜7のアルケニル基を表すことが好ましく、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、炭素原子数2〜5のアルケニル基を表すことがより好ましい。
X
LC11〜X
LC1c4は、それぞれ独立して水素原子又はFを表すことが好ましい。
Y
LC11は、それぞれ独立してF、CF
3又はOCF
3を表すことが好ましい。
【0113】
<一般式(LC1−d)〜(LC1−m)>
一般式(LC1)で表される化合物としては、下記一般式(LC1−d)〜(LC1−m)で表される化合物を挙げることができる。
【0115】
上記一般式(LC1−d)〜(LC1−m)において、R
LC11、Y
LC11、X
LC11及びX
LC12は、それぞれ独立して上記一般式(LC1)におけるR
LC11、Y
LC11、X
LC11及びX
LC12と同じ意味を表す。
【0116】
A
LC1d1、A
LC1f1、A
LC1g1、A
LC1j1、A
LC1k1、A
LC1k2、A
LC1m1〜A
LC1m3は、1,4−フェニレン基、トランス−1,4−シクロヘキシレン基、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル基、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基を表す。
X
LC1d1、X
LC1d2、X
LC1f1、X
LC1f2、X
LC1g1、X
LC1g2、X
LC1h1、X
LC1h2、X
LC1i1、X
LC1i2、X
LC1j1〜X
LC1j4、X
LC1k1、X
LC1k2、X
LC1m1及びX
LC1m2は、それぞれ独立して水素原子、Cl、F、CF
3又はOCF
3を表す。
Z
LC1d1、Z
LC1e1、Z
LC1j1、Z
LC1k1、Z
LC1m1は、それぞれ独立して単結合、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、−CH
2CH
2−、−(CH
2)
4−、−OCH
2−、−CH
2O−、−OCF
2−、−CF
2O−、−COO−又は−OCO−を表す。
【0117】
R
LC11は、それぞれ独立して炭素原子数1〜7のアルキル基、炭素原子数1〜7のアルコキシ基、炭素原子数2〜7のアルケニル基を表すことが好ましく、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、炭素原子数2〜5のアルケニル基を表すことがより好ましい。
X
LC11〜X
LC1m2は、それぞれ独立して水素原子又はFを表すことが好ましい。
Y
LC11は、それぞれ独立してF、CF
3又はOCF
3を表すことが好ましい。
Z
LC1d1〜Z
LC1m1は、それぞれ独立して−CF
2O−、−OCH
2−を表すことが好ましい。
【0118】
<一般式(LC2−a)〜(LC2−g)>
一般式(LC2)で表される化合物としては、下記一般式(LC2−a)〜(LC2−g)で表される化合物を挙げることができる。
【0120】
上記一般式(LC2−a)〜(LC2−g)において、R
LC21、Y
LC21、X
LC21〜X
LC23は、それぞれ独立して上記一般式(LC2)におけるR
LC21、Y
LC21、X
LC21〜X
LC23と同じ意味を表す。
X
LC2d1〜X
LC2d4、X
LC2e1〜X
LC2e4、X
LC2f1〜X
LC2f4及びX
LC2g1〜X
LC2g4は、それぞれ独立して水素原子、Cl、F、CF
3又はOCF
3を表す。
Z
LC2a1、Z
LC2b1、Z
LC2c1、Z
LC2d1、Z
LC2e1、Z
LC2f1及びZ
LC2g1は、それぞれ独立して単結合、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、−CH
2CH
2−、−(CH
2)
4−、−OCH
2−、−CH
2O−、−OCF
2−、−CF
2O−、−COO−又は−OCO−を表す。
【0121】
R
LC21は、それぞれ独立して炭素原子数1〜7のアルキル基、炭素原子数1〜7のアルコキシ基、炭素原子数2〜7のアルケニル基を表すことが好ましく、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、炭素原子数2〜5のアルケニル基を表すことがより好ましい。
X
LC21〜X
LC2g4は、それぞれ独立して水素原子又はFが好ましい。
Y
LC21は、それぞれ独立してF、CF
3又はOCF
3を表すことが好ましい。
Z
LC2a1〜Z
LC2g4は、それぞれ独立して−CF
2O−、−OCH
2−を表すことが好ましい。
【0122】
<一般式(LC3)〜(LC5)>
上記一般式(LC)で表される化合物としては、下記一般式(LC3)〜(LC5)で表される化合物を挙げることができる。
【0124】
上記一般式(LC3)〜(LC5)において、R
LC31、R
LC32、R
LC41、R
LC42、R
LC51及びR
LC52は、それぞれ独立して炭素原子数1〜15のアルキル基を表す。該アルキル基中の1つ又は2つ以上のCH
2基は、酸素原子が直接隣接しないように、−O−、−CH=CH−、−CO−、−OCO−、−COO−又は−C≡C−で置換されてよい。該アルキル基中の1つ又は2つ以上の水素原子は、任意にハロゲン原子によって置換されていてもよい。
【0125】
A
LC31、A
LC32、A
LC41、A
LC42、A
LC51及びA
LC52は、それぞれ独立して下記の何れかの構造を表す。
【0127】
上記構造において、シクロヘキシレン基中の1つ又は2つ以上のCH
2基は、酸素原子で置換されていてもよい。1,4−フェニレン基中の1つ又は2つ以上のCH基は、窒素原子で置換されていてもよい。該構造中の1つ又は2つ以上の水素原子は、Cl、CF
3又はOCF
3で置換されていてもよい。
【0128】
Z
LC31、Z
LC32、Z
LC41、Z
LC42、Z
LC51及びZ
LC51は、それぞれ独立して単結合、−CH=CH−、−C≡C−、−CH
2CH
2−、−(CH
2)
4−、−COO−、−OCH
2−、−CH
2O−、−OCF
2−又は−CF
2O−を表す。
Z
5は、CH
2基又は酸素原子を表す。
X
LC41は、水素原子又はフッ素原子を表す。
m
LC31、m
LC32、m
LC41、m
LC42、m
LC51及びm
LC52は、それぞれ独立して0〜3の整数を表し、m
LC31+m
LC32、m
LC41+m
LC42及びm
LC51+m
LC52は、1、2又は3である。A
LC31〜A
LC52、Z
LC31〜Z
LC52が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていてもよい。
【0129】
R
LC31〜R
LC52は、それぞれ独立して炭素原子数1〜7のアルキル基、炭素原子数1〜7のアルコキシ基、炭素原子数2〜7のアルケニル基を表すことが好ましい。
【0130】
アルケニル基としては、下記の構造を表すことが最も好ましい。下記構造において、環構造へは右端で結合するものとする。
【0132】
A
LC31〜A
LC52は、それぞれ独立して下記の構造を表すことが好ましい。
【0134】
Z
LC31〜Z
LC51は、それぞれ独立して単結合、−CH
2O−、−COO−、−OCO−、−CH
2CH
2−、−CF
2O−、−OCF
2−又は−OCH
2−を表すことが好ましい。
【0135】
<一般式(LC3−a)及び(LC3−b)>
一般式(LC3)で表される化合物としては、下記一般式(LC3−a)及び(LC3−b)で表される化合物を挙げることができる。
【0137】
上記一般式(LC3−a)及び(LC3−b)において、R
LC31、R
LC32、A
LC31及びZ
LC31は、それぞれ独立して上記一般式(LC3)におけるR
LC31、R
LC32、A
LC31及びZ
LC31と同じ意味を表す。
【0138】
X
LC3b1〜X
LC3b6は、水素原子又はフッ素原子を表すが、X
LC3b1及びX
LC3b2又はX
LC3b3及びX
LC3b4のうちの少なくとも一方の組み合わせは共にフッ素原子を表す。
m
LC3a1は、1、2又は3の整数を表し、m
LC3b1は、0又は1の整数を表す。A
LC31及びZ
LC31が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていてもよい。
【0139】
R
LC31及びR
LC32は、それぞれ独立して炭素原子数1〜7のアルキル基、炭素原子数1〜7のアルコキシ基、炭素原子数2〜7のアルケニル基又は炭素原子数2〜7のアルケニルオキシ基を表すことが好ましい。
A
LC31は、1,4−フェニレン基、トランス−1,4−シクロヘキシレン基、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル基、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基を表すことが好ましく、1,4−フェニレン基、トランス−1,4−シクロヘキシレン基を表すことがより好ましい。
Z
LC31は、単結合、−CH
2O−、−COO−、−OCO−、−CH
2CH
2−を表すことが好ましく、単結合を表すことがより好ましい。
【0140】
<一般式(LC3−a1)〜(LC3−a4)>
一般式(LC3−a)で表される化合物としては、下記一般式(LC3−a1)〜(LC3−a4)で表される化合物を挙げることができる。
【0142】
上記一般式(LC3−a1)〜(LC3−a4)において、R
LC31及びR
LC32は、それぞれ独立して上記一般式(LC3)におけるR
LC31及びR
LC32と同じ意味を表す。
【0143】
R
LC31及びR
LC32は、それぞれ独立して炭素原子数1〜7のアルキル基、炭素原子数1〜7のアルコキシ基、炭素原子数2〜7のアルケニル基を表すことが好ましく、R
LC31が炭素原子数1〜7のアルキル基を表し、R
LC32が炭素原子数1〜7のアルコキシ基を表すことがより好ましい。
【0144】
<一般式(LC3−b1)〜(LC3−b12)>
一般式(LC3−b)で表される化合物としては、下記一般式(LC3−b1)〜(LC3−b12)で表される化合物を挙げることができる。その中でも、一般式(LC3−b1)、(LC3−b6)、(LC3−b8)、(LC3−b11)で表される化合物であることがより好ましく、一般式(LC3−b1)及び(LC3−b6)で表される化合物であることが更に好ましく、一般式(LC3−b1)で表される化合物であることが最も好ましい。
【0146】
上記一般式(LC3−b1)〜(LC3−b12)において、R
LC31及びR
LC32は、それぞれ独立して上記一般式(LC3)におけるR
LC31及びR
LC32と同じ意味を表す。
【0147】
R
LC31及びR
LC32は、それぞれ独立して炭素原子数1〜7のアルキル基、炭素原子数1〜7のアルコキシ基、炭素原子数2〜7のアルケニル基を表すことが好ましく、R
LC31が炭素原子数2又は3のアルキル基を表し、R
LC32が炭素原子数2のアルキル基を表すことがより好ましい。
【0148】
<一般式(LC4−a)〜(LC4−c)>
<一般式(LC5−a)〜(LC5−c)>
一般式(LC4)で表される化合物としては、下記一般式(LC4−a)〜(LC4−c)で表される化合物を挙げることができる。一般式(LC5)で表される化合物としては、下記一般式(LC5−a)〜(LC5−c)で表される化合物を挙げることができる。
【0150】
上記一般式(LC4−a)〜(LC4−c)において、R
LC41、R
LC42及びX
LC41は、それぞれ独立して上記一般式(LC4)におけるR
LC41、R
LC42及びX
LC41と同じ意味を表す。上記一般式(LC5−a)〜(LC5−c)において、R
LC51及びR
LC52は、それぞれ独立して上記一般式(LC5)におけるR
LC51及びR
LC52と同じ意味を表す。
【0151】
Z
LC4a1、Z
LC4b1、Z
LC4c1及びZ
LC5a1、Z
LC5b1、Z
LC5c1は、それぞれ独立して単結合、−CH=CH−、−C≡C−、−CH
2CH
2−、−(CH
2)
4−、−COO−、−OCH
2−、−CH
2O−、−OCF
2−又は−CF
2O−を表す。
【0152】
R
LC41、R
LC42及びR
LC51、R
LC52は、それぞれ独立して炭素原子数1〜7のアルキル基、炭素原子数1〜7のアルコキシ基、炭素原子数2〜7のアルケニル基又は炭素原子数2〜7のアルケニルオキシ基を表すことが好ましい。
Z
LC4a1、Z
LC4b1、Z
LC4c1及びZ
LC5a1、Z
LC5b1、Z
LC5c1は、それぞれ独立して単結合、−CH
2O−、−COO−、−OCO−、−CH
2CH
2−を表すことが好ましく、単結合を表すことがより好ましい。
【0153】
<一般式(LC6)>
一般式(LC)で表される化合物としては、下記一般式(LC6)で表される化合物を挙げることができる。
【0155】
上記一般式(LC6)において、R
LC61及びR
LC62は、それぞれ独立して炭素原子数1〜15のアルキル基を表す。該アルキル基中の1つ又は2つ以上のCH
2基は、酸素原子が直接隣接しないように、−O−、−CH=CH−、−CO−、−OCO−、−COO−又は−C≡C−で置換されてよい。該アルキル基中の1つ又は2つ以上の水素原子は、任意にハロゲン置換されていてもよい。
【0156】
A
LC61〜A
LC63は、それぞれ独立して下記の構造を表すことが好ましい。
【0158】
上記構造において、シクロヘキシレン基中の1つ又は2つ以上のCH
2CH
2基は、−CH=CH−、−CF
2O−、−OCF
2−で置換されていてもよい。1,4−フェニレン基中1つ又は2つ以上のCH基は、窒素原子で置換されていてもよい。
【0159】
Z
LC61及びZ
LC62は、それぞれ独立して単結合、−CH=CH−、−C≡C−、−CH
2CH
2−、−(CH
2)
4−、−COO−、−OCH
2−、−CH
2O−、−OCF
2−又は−CF
2O−を表す。
m
iii1は、0〜3の整数を表す。
【0160】
R
LC61及びR
LC62は、それぞれ独立して炭素原子数1〜7のアルキル基、炭素原子数1〜7のアルコキシ基、炭素原子数2〜7のアルケニル基を表すことが好ましい。
【0161】
アルケニル基としては、下記の構造を表すことが最も好ましい。下記構造において、環構造へは右端で結合するものとする。
【0163】
A
LC61〜A
LC63は、それぞれ独立して下記の構造を表すことが好ましい。
【0165】
Z
LC61及びZ
LC62は、それぞれ独立して単結合、−CH
2CH
2−、−COO−、−OCH
2−、−CH
2O−、−OCF
2−又は−CF
2O−を表すことが好ましい。
【0166】
<一般式(LC6−a)〜(LC6−m)>
一般式(LC6)で表される化合物としては、下記一般式(LC6−a)〜(LC6−m)で表される化合物を挙げることができる。
【0168】
上記一般式(LC6−a)〜(LC6−m)において、R
LC61及びR
LC62は、それぞれ独立して炭素原子数1〜7のアルキル基、炭素原子数1〜7のアルコキシ基、炭素原子数2〜7のアルケニル基又は炭素原子数2〜7のアルケニルオキシ基を表す。
【0169】
(その他)
なお、本発明は、上記実施形態のものに必ずしも限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0170】
例えば、上記実施形態では、液晶試料S中おける液晶分子の3次元的な移動や拡散状態、配向状態などを解析するため、液晶試料S中に含まれる液晶分子のx軸、y軸、z軸方向における拡散係数D
x,D
y,D
zを算出する場合について説明したが、液晶分子の拡散係数については、x軸、y軸、z軸方向の何れか1つ(1軸方向)の拡散係数D
x,D
y,D
zを求める場合であっても、何れか2つ(2軸方向)の拡散係数D
x,D
y,D
zを求める場合であってもよい。
【0171】
また、本実施形態では、上述した拡散係数D
x,D
y,D
zを算出する場合に限らず、計測結果に基づいて、液晶や液晶パネル20,30の評価を多面的に行うことが可能である。例えば、計測結果に基づいて、液晶の粘性を評価したり、液晶パネル20,30の液晶層23,33が配置される側の面(画素電極や配向層など。)の状態を評価したりすることが可能である。また、液晶パネル20,30を製造する際の検査工程に本実施形態の評価方法を適用することも可能である。
【0172】
また、本実施形態で用いられる計測装置についても、上記
図2に示す構成のものに限定されるものではなく、本実施形態の計測方法に合わせて最適な計測装置を適宜選択して用いることが可能である。
【実施例】
【0173】
以下、実施例により本発明の効果をより明らかなものとする。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することができる。
【0174】
(参考試料)
本実施例では、液晶の評価を行う前に、参考試料を準備し、この参考試料の計測を行った。具体的には、先ず、厚さ0.15mmの顕微鏡用カバーガラスを、エタノールと1Mの水酸化カリウム水溶液とでそれぞれ交互に20分間超音波洗浄し、最後に超純水で10分間超音波洗浄した。その後、この基板を窒素ガスで十分乾燥させた。
【0175】
次に、球形の蛍光微粒子を含む水溶液(商品名:FS02F、Bangs Laboratories社製)を純水で2000倍に希釈した溶液とし、この溶液を上記カバーガラスの上に100μL滴下し、スピンコーター(商品名:K−359 S−1、共和理研社製)を用いて3000rpmの条件で30秒間スピンコートした。その後、この基板を3時間真空乾燥することで、カバーガラス上に蛍光微粒子が散りばめられた参考試料を作製した。
【0176】
次に、参照試料におけるカバーガラス上の蛍光微粒子の様子を原子間力顕微鏡(商品名:MPF−3D、Asylum Research社製)で測定した。その結果、蛍光微粒子は厚さ7.0nmの状態で凝集されることなく、基板上に単拡散されていることを確認した。
【0177】
次に、上記
図2に示す計測装置と同様の倒立型顕微鏡(商品名:IX71、オリンパス社製)を準備した。そして、参照試料を試料台に載置した後、励起光源としてAr−Krイオンレーザー(商品名:Innova、Coherent社製)から励起光を導入し、ダイクロイックミラー(商品名:FF495−Di2−25×36、Semrock社製)で反射させ、対物レンズ(×100 商品名:UPLSAPO N.A.1.3 Oil−immersion、Olympus社製)を通して参照試料に落斜型の励起光を照射した。
【0178】
次に、参照試料の蛍光微粒子から発せられる2次元蛍光像を励起光カットフィルター(商品名:FF02−525/40−25 Band−pass filter 498−554nm、Semrock社製)、シリンドリカルレンズ(円筒面比良凸レンズf=200−700mm、シグマ光機社製)の順で通過させた後、EM−CCD(iXon、AndorTechnology社製)に結像するように光路内のレンズの位置を調整した。さらに、参照試料の蛍光微粒子の発光画像が円状になる位置をZ=0nmとした。この位置では焦点が蛍光微粒子に合っている状態となる。
【0179】
次に、以下の方法により蛍光微粒子の焦点を上下にずらした際に発光画像がどのように変化していくのかを計測した。試料台については、ピエゾステージ(商品名:NS4312−C、Nano Control社製)を3軸コントローラー(商品名:NC3301−CNano Control社製)でZ=−500nmからZ=+500nmまで25nm/秒の速度で動かすことで、参照試料を垂直(z軸)方向に移動させながら、参照試料の蛍光微粒子からの発光画像を0.1秒毎に500枚撮影した。
【0180】
ここで、任意のz座標に対して発光点の縦と横の比が一つに決定されるような画像を取得した。その取得した画像を
図5(a)に示す。この時間t[秒]において観察された発光画像のz座標は、Z=25t−500[nm]として表すことができる。また、Z=±500[nm]範囲内の発光点に対して以下の2次元ガウス関数でフィッティングを施した解析像を取得した。その取得した画像を
図5(b)に示す。
【0181】
【数1】
【0182】
上式において、hは、発光ピーク値を表す。x
0及びy
0は、それぞれ発光点の中心のX座標及びy座標を表す。W
x(Z)及びW
y(Z)は、それぞれZにおけるx軸及びy軸方向のそれぞれ発光点の幅を表す。bは、バックグラウンドに相当する。
【0183】
次に、個々のZに対してのW
x(Z)及びW
y(Z)の値を取得した後、xy平面上の発光点のx軸方向の分散W
x(Z)をxy平面上の発光点のx軸方向の分散W
y(Z)で除した値W
x(Z)/W
y(Z)を求めた。そして、このW
x(Z)/W
y(Z)とZとの関係を示す曲線を得た。この曲線を
図6に示す。そして、この曲線を後述する液晶試料1のz座標を決定するための校正曲線として用いた。
【0184】
(液晶試料1)
次に、評価対象となる液晶試料1を準備した。具体的には、厚さ0.15mmの顕微鏡用カバーガラスと、厚さ0.7mmのスライドガラスとを、エタノールと1Mの水酸化カリウム水溶液とでそれぞれ交互に20分間超音波洗浄した。最後に超純水で10分間超音波洗浄した。この2枚の基板を窒素ガスで十分乾燥させた後、各基板を厚さ8.6μmのギャップとなるようにUV効果性のエポキシ樹脂(商品名:Norland Optical Adhesive 61 、Norland社製)で固定した。
【0185】
次に、室温でネマチック相を示す液晶(商品名:RD−001、DIC社製)中に、発光性物質として、N,N’−ジオクチル−3,4,9,10−ぺリレンジイミド(PDI)(Ardrich社製)を10−10Mの濃度となるように混合させた混合物(流動体)を用意し、この混合物を上記2枚のガラス基板の間に毛細管現象により注入した。これにより、厚さ8.6μmのギャップを持つ基板の間に挟み込まれた液晶試料1を作製した。
【0186】
次に、液晶試料1を計測装置の試料台に顕微鏡カバーガラスが下になるように置き、液晶試料1と白色光源との間及び液晶試料1とEM−CCDとの間に、それぞれ偏光子を直交クロス二コルの関係となるようにセットした。このとき、励起光は液晶試料1に入射しないようにシャッターによりカットした。
【0187】
次に、白色光源を点灯し、液晶試料1をxy平面内に回転させたときの画像をEM−CCDで観察したところ、様々な色のポリドメインの画像が得られた。したがって、液晶試料1中に含まれる液晶組成物については、明確な消光位が観察されないことからも、モノドメインに配向していないことを確認した。
【0188】
次に、上記2枚の偏光子を除き、白色光源を消灯した後、励起光のシャッターを開き、落斜型の励起光を液晶試料1に照射した。
【0189】
次に、時間t[秒]の間に時分割で発光性物質の発光画像を取得した。具体的には、試料台を動かさずに、15秒間に発光性物質の画像を0.030秒毎に500枚撮影した。取得した発光性物質の発光画像を
図7(a),(b)に示す。なお、
図7(a)は、液晶試料1のt秒時に得られたxy平面内における発光性物質の発光画像である。
図7(b)は、液晶試料1のt+Δt秒時に得られたxy平面内における発光性物質の発光画像である。
【0190】
図7(a),(b)に示すように、発光性物質は、
図7(a)に示すt秒時の位置からΔt秒後に
図7(a)に示すt+Δt秒時の位置へとxy平面内で拡散により移動していることがわかる。また、
図7(a),(b)に示す発光性物質の発光画像において発光点のx軸方向の幅とy方向の幅の比が変化していることから、t秒からt+Δt秒までの間に、発光物質はz軸方向へも拡散して移動していることがわかる。
【0191】
次に、
図7(a),(b)に示す発光性物質の発光画像から、t秒時における発光点の中心位置のx座標x(t)及びy座標y(t)と、t+Δt時における発光点の中心位置のx座標x(t+Δt)及びy座標y(t+Δt)とを、それぞれ2次元ガウスフィッティングにより決定した。
【0192】
次に、x座標のx(t)及びx(t+Δt)における発光点の中心位置から、液晶試料1のx軸方向における拡散係数D
xを上記式(1)を用いて算出した。同様に、y座標のy(t)及びy(t+Δt)における発光点の中心位置から、液晶試料1のy軸方向における拡散係数D
yを上記式(2)を用いて算出した。
【0193】
また、
図7(a)に示す発光性物質のt秒時における発光画像から、発光性物質のt秒時における発光点の2次元ガウスフィッティング像を
図8(a)に示すように決定した。なお、
図8(a)中において、左側は、
図7(a)に示す発光性物質のt秒時における発光画像を示し、右側は、その2次元ガウスフィッティング像を示す。そして、この2次元ガウスフィッティング像から、t秒時における発光点のW
x(Z(t))/W
y(Z(t))の値を決定した。さらに、このW
x(Z(t))/W
y(Z(t))の値を
図6に示す校正曲線に代入することで、t秒時における発光性物質のZ位置Z(t)を決定した。
【0194】
同様に、
図7(b)に示す発光性物質のt+Δt秒時における発光画像から、発光性物質のt+Δt秒時における発光点の2次元ガウスフィッティング像を
図8(b)に示すように決定した。なお、
図8(b)中において、左側は、
図7(b)に示す発光性物質のt+Δt秒時における発光画像を示し、右側は、その2次元ガウスフィッティング像を示す。そして、この2次元ガウスフィッティング像から、t+Δt秒時における発光点のW
x(Z(t+Δt))/W
y(Z(t+Δt))の値を決定した。さらに、このW
x(Z(t+Δt))/W
y(Z(t+Δt))の値を
図6に示す校正曲線に代入することで、t+Δt秒時における発光性物質のZ位置Z(t+Δt)を決定した。
【0195】
そして、液晶試料1のz軸方向における拡散係数D
zは、これらZ(t)及びZ(t+Δt)の位置から、上記式(3)を用いて算出した。
【0196】
次に、上記式(1)から算出された液晶試料1のx軸方向における拡散係数D
xのヒストグラムを
図9(a)に示す。また、上記式(2)から算出された液晶試料1のy軸方向における拡散係数D
yのヒストグラムを
図9(b)に示す。また、上記式(3)から算出された液晶試料1のz軸方向における拡散係数D
zのヒストグラムを
図9(c)に示す。
【0197】
図9(a)〜(c)に示す結果から、液晶試料1の各拡散係数D
x、D
y、D
zの平均値D
xave、D
yave、D
zaveは、それぞれ0.67、0.80、0.61[μm
2/s]であった。
【0198】
液晶試料1では、液晶がモノドメインに配向していないことから、液晶試料1の各拡散係数D
x、D
y、D
zについては、明確な違いが観測されないと考えられる。また、ギャップが8.6μmの薄さにも関わらず、z軸方向の拡散の様子が1μm以下の精度で得られることがわかる。