(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
一般式(1)で示される4級アンモニウム塩を構成する酸性基の水中での酸解離定数が3.0以上であることを特徴とする請求項1に記載の難燃性硬質ウレタンフォーム製造用組成物。
触媒(B)の使用量が、ポリオ−ル(A)100重量部に対して、0.1〜8重量部の範囲であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の難燃性硬質ウレタンフォーム製造用組成物。
触媒(B)が、一般式(1)で示される4級アンモニウム塩を60重量%以上含有する水溶液であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の難燃性硬質ウレタンフォーム製造用組成物。
触媒(B)に含有される、一般式(1)で示される4級アンモニウム塩の使用量が、ポリオ−ル(A)100重量部に対して、0.05〜7重量部の範囲であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の難燃性硬質ウレタンフォーム製造用組成物。
請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の難燃性硬質ウレタンフォーム製造用組成物とポリイソシアネートとをイソシアネートインデックスが300以上の条件下で反応させることを特徴とする難燃性硬質ウレタンフォームの製造方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記の背景技術に鑑みてなされたものであり、その目的は、少量の難燃剤の使用において、酸素指数が32%以上である難燃性硬質ウレタンフォームを得られる難燃性硬質ウレタンフォームの製造方法、並びにそれを用いる難燃性硬質ウレタンフォーム製造用組成物、及び難燃性硬質ウレタンフォーム製造用触媒溶液を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、特定の原料組成物を用いた高イソシアネートインデックス処方において、少量の難燃剤で酸素指数32%以上の難燃性硬質ウレタンフォームが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、以下に示すとおりの難燃性硬質ウレタンフォーム製造用組成物、及びそれを用いた難燃性硬質ウレタンフォームの製造方法に関する。
【0009】
[1]ポリオール(A)、触媒(B)、発泡剤(C)、整泡剤(D)、及び難燃剤(E)を含有し、触媒(B)が下記一般式(1)で示される4級アンモニウム塩を50重量%を超えて含有する水溶液であり、且つ難燃剤(E)の使用量がポリオール(A)100重量部に対して120重量部以下である難燃性硬質ウレタンフォーム製造用組成物。
【0010】
【化1】
(式中、R
1〜R
4は各々独立して、炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜14の芳香族炭化水素基を表す。X
b−は無機酸基又は炭素数1〜8のカルボン酸基を表す。aは1〜3の範囲の整数を表す。bは1〜3の範囲の整数を表す。)
[2]一般式(1)で示される4級アンモニウム塩を構成する酸性基の水中での酸解離定数が3.0以上であることを特徴とする上記[1]に記載の難燃性硬質ウレタンフォーム製造用組成物。
【0011】
[3]一般式(1)で示される4級アンモニウム塩を構成するR
1〜R
4がメチル基であることを特徴とする上記[1]又は[2]に記載の難燃性硬質ウレタンフォーム製造用組成物。
【0012】
[4]触媒(B)の使用量が、ポリオ−ル(A)100重量部に対して、0.1〜8重量部の範囲であることを特徴とする上記[1]乃至[3]のいずれかに記載の難燃性硬質ウレタンフォーム製造用組成物。
【0013】
[5]触媒(B)が、一般式(1)で示される4級アンモニウム塩を60重量%以上含有する水溶液であることを特徴とする上記[1]乃至[4]のいずれかに記載の難燃性硬質ウレタンフォーム製造用組成物。
【0014】
[6]触媒(B)に含有される、一般式(1)で示される4級アンモニウム塩の使用量が、ポリオ−ル(A)100重量部に対して、0.05〜7重量部の範囲であることを特徴とする上記[1]乃至[5]のいずれかに記載の難燃性硬質ウレタンフォーム製造用組成物。
【0015】
[7]難燃剤(E)が、液体難燃剤であることを特徴とする上記[1]乃至[6]のいずれかに記載の難燃性硬質ウレタンフォーム製造用組成物。
【0016】
[8]下記一般式(1)で示される4級アンモニウム塩を50重量%を超えて含有する水溶液からなる難燃性硬質ウレタンフォーム製造用触媒溶液。
【0017】
【化2】
(式中、R
1〜R
4は各々独立して、炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜14の芳香族炭化水素基を表す。X
b−は無機酸基又は炭素数1〜8のカルボン酸基を表す。aは1〜3の範囲の整数を表す。bは1〜3の範囲の整数を表す。)
[9]一般式(1)で示される4級アンモニウム塩を構成する酸性基の水中での酸解離定数が3.0以上であることを特徴とする上記[8]に記載の触媒溶液。
【0018】
[10]一般式(1)で示される4級アンモニウム塩を構成するR
1〜R
4が、すべてメチル基であることを特徴とする上記[8]又は上記[9]に記載の触媒溶液。
【0019】
[11]上記[1]乃至[7]のいずれかに記載の難燃性硬質ウレタンフォーム製造用組成物とポリイソシアネートとをイソシアネートインデックスが300以上の条件下で反応させることを特徴とする難燃性硬質ウレタンフォームの製造方法。
【発明の効果】
【0020】
本発明の組成物を用い、かつ本発明の製造方法により得られる難燃性硬質ウレタンフォームは、少量の難燃剤の使用においても、酸素指数32%以上の高い難燃性を有するため、断熱材や構造材として極めて有用である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の難燃性硬質ウレタンフォーム製造用組成物は、
(1)ポリオール(A)、触媒(B)、発泡剤(C)、整泡剤(D)、及び難燃剤(E)を含有する組成物であって、
(2)触媒(B)が、上記一般式(1)で示される4級アンモニウム塩を50重量%を超えて含有する水溶液であること、並びに
(3)難燃剤(E)の使用量が、ポリオール(A)100重量部に対して120重量部以下であること、
をその特徴とする。
【0023】
なお、本発明において「難燃性硬質ウレタンフォーム」とは、難燃性の指標である酸素指数が32%以上である硬質ウレタンフォームをいう。
【0024】
本発明の組成物において、ポリオール(A)としては、例えば、従来公知のポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリマーポリオール等を使用することができ、特に限定するものではない。
【0025】
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、
エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−へキサンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールブロパン、ペンタエリスリトール、メチルグルコシド、ソルビトール、シュークロース等の多価アルコール類、ピロガロール、ハイドロキノン等の多価フェノール類;ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールF、フェノールとホルムアルデヒドとの低縮合物等のビスフェノール類;プロピレンジアミン、へキサメチレンジアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ぺンタメチレンヘキサミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、アミノエチルエタノールアミン等の脂肪族アミン類;アニリン、フェニレンジアミン、キシリレンジアミン、メチレンジアニリン、ジフェニルエーテルジアミン等の芳香族アミン類;イソホロンジアミン、シクロヘキシレンジアミン等の脂環式アミン類;アミノエチルピペラジン等の複素脂環式アミン類;前記多価フェノール、マンニッヒポリオール(前記脂肪族アミンとホルマリンとの反応により得られる化合物)等の活性水素化合物に、アルキレンオキサイドを付加した化合物;等が挙げられる。これらの活性水素化合物は、2種以上の混合物であってもよい。
【0026】
活性水素化合物に付加するアルキレンオキサイドとしては、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等が挙げられ、これら2種以上を併用してもよい。アルキレンオキサイドとして好ましいものは、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、又はこれらの併用である。
【0027】
ポリエステルポリオールとしては、例えば、オルトフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、無水フタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、マレイン酸、ダイマー酸、トリメリット酸等の多塩基酸と多価アルコールとを反応させて得られる縮合ポリエステルポリオール、ポリエチレンテレフタレート等のフタル酸系ポリエステル成形品を分解して得られるフタル酸系回収ポリエステルポリオール、ε−カプロラクトン等のラクトンを開環重合して得られるポリラクトンポリオール等が挙げられる。
【0028】
ポリマーポリオールとしては、例えば、上記したポリエーテルポリオールとエチレン性不飽和単量体(例えば、ブタジエン、アクリロニトリル、スチレン等)とをラジカル重合触媒の存在下に反応させた重合体ポリオール等が挙げられる。
【0029】
これらのうち、難燃性が高いことからオルトフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、無水フタル酸等のフタル酸系縮合ポリエステルポリオールを含むことが望ましい。
【0030】
本発明の組成物において、触媒(B)としては、上記一般式(1)で示される4級アンモニウム塩を50重量%を超えて含有する水溶液が用いられる。
【0031】
上記一般式(1)において、R
1〜R
4は各々独立して、炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜14の芳香族炭化水素基を表し、X
b−は酸性基を表し、aは1〜3の範囲の整数、bは1〜3の範囲の整数を表す。aは1又は2が好ましく、bは1又は2が好ましい。
【0032】
上記一般式(1)において、R
1〜R
4が脂肪族炭化水素基の場合、該脂肪族炭化水素基は直鎖又は分岐のどちらでもよく、飽和又は不飽和のどちらでもよい。炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、n−ヘキシル基、1−メチルペンチル基、4−メチル−2−ペンチル基、3,3−ジメチルブチル基、2−エチルブチル基、n−ヘプチル基、1−メチルヘキシル基、n−オクチル基、tert−オクチル基、1−メチルヘプチル基、2−エチルヘキシル基、2−プロピルペンチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基等が挙げられる。また、上記一般式(1)において、R
1〜R
4が芳香族炭化水素基の場合、該芳香族炭化水素基は単環又は多環のどちらでもよい。炭素数6〜14の芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、(2−,3−,4−)ビフェニリル基、(1−,2−)ナフチル基、アセナフチレン−(1−,3−,4−,5−)イル基、フルオレン−(1−,2−,3−,4−,9−)イル基、フェナレン−(1−,2−)イル基、(1−,2−,3−,4−,9−)フェナントリル基等が挙げられる。
【0033】
また、上記一般式(1)において、R
1〜R
4として用いられる炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜14の芳香族炭化水素基は、さらに置換基を有していてもよい。このような置換基としては、例えば、上記した炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基や炭素数6〜14の芳香族炭化水素基等が挙げられる。
【0034】
さらに、上記一般式(1)において、R
1〜R
4のいずれか2個が炭素原子、酸素原子又は窒素原子を介して、脂環又はヘテロ環を形成していてもよい。
【0035】
上記一般式(1)において、R
1〜R
4は特に限定するものではないが、4級アンモニウム塩の分子量が小さいほど重量当たりの物質量が多く活性が高くなるので、R
1〜R
4はメチル基であることが好ましい。
【0036】
上記一般式(1)において、酸性基(X
b−)は、無機酸基又は炭素数1〜8のカルボン酸基を表す。
【0037】
無機酸基としては、例えば、塩化水素酸基、過塩素酸基、塩素酸基、亜塩素酸基、次亜塩素酸基等の塩素酸基、臭化水素酸基、過臭素酸基、臭素酸基、亜臭素酸基、次亜臭素酸基等の臭素酸基、ヨウ化水素酸基、過ヨウ素酸基、ヨウ素酸基、亜ヨウ素酸基、次亜ヨウ素酸基等のヨウ素酸基、硫酸基、二硫酸基、チオ硫酸基、スルファミン酸基、亜硫酸基、二亜硫酸基、チオ亜硫酸基等の硫黄酸基、硝酸基、亜硝酸基、次亜硝酸基、ニトロキシル酸基等の窒素酸基、オルトリン酸基、亜リン酸基、次亜リン酸基、亜ホスフィン酸基、ホスフェン酸基、亜ホスフェン酸基、二リン酸基、三リン酸基、メタリン酸基等のリン酸基、オルトホウ酸基、メタホウ酸基、過ホウ酸基、次ホウ酸基、ボロン酸基、ボリン酸基等のホウ酸基、炭酸水素基、炭酸基等が挙げられる。
【0038】
炭素数1〜8のカルボン酸基としては、例えば、ギ酸基、酢酸基、プロピオン酸基、ブタン酸基、ペンタン酸基、ヘキサン酸基、ヘプタン酸基、オクチル酸基、2−エチルヘキサン酸基等の脂肪族モノカルボン酸基、蓚酸基、マロン酸基、コハク酸基、グルタル酸基、アジピン酸基等の脂肪族ポリカルボン酸基、安息香酸基、トルイル酸基等の芳香族モノカルボン酸基、フタル酸基、イソフタル酸基、テレフタル酸基、ニトロフタル酸基等の芳香族ポリカルボン酸基等が挙げられる。
【0039】
これらの酸性基は1種又は2種以上の混合物として用いることができる。
【0040】
これらのうち、4級アンモニウム塩が解離して活性化しやすいことから、水中での酸解離定数が3.0以上の酸性基が好ましい。
【0041】
また、これらのうち、4級アンモニウム塩の分子量が小さいほど重量当たりの物質量が多く高活性になることから、炭素数1〜4のカルボン酸基が好ましい。
【0042】
本発明において、酸性基(X
b−)を構成する無機酸基又は炭素数1〜8のカルボン酸としては、具体的には、酢酸、ギ酸、2−エチルヘキサン酸、ホウ酸、炭酸等が好ましく、酢酸、ギ酸、炭酸等が特に好ましい。
【0043】
上記一般式(1)で表される4級アンモニウム塩の調製法としては、特に限定するものではないが、例えば、4級アンモニウムヒドロキシドと酸性化合物を反応させる調製法(1)や、3級アミンと炭酸ジエステルを反応させ、得られた4級アンモニウム炭酸塩と酸性化合物を反応させる調製法(2)等が挙げられる。
【0044】
上記調製法(1)の反応条件としては特に限定するものではないが、水、エタノール等の溶媒中で、常温又は加熱下で行うことが好ましい。
【0045】
上記調製法(1)で使用される4級アンモニウムヒドロキシドとは、下記一般式(2)
【0046】
【化3】
(式中、R
1〜R
4は各々独立して、炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜14の芳香族炭化水素基を表す。)
で示される化合物である。
【0047】
4級アンモニウムヒドロキシドとしては、具体的には、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラn−プロピルアンモニウムヒドロキシド、テトライソプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラn−ブチルアンモニウムヒドロキシド、テトライソブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラsec−ブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラtert−ブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラn−ペンチルアンモニウムヒドロキシド、テトラn−ヘキシルアンモニウムヒドロキシド、テトラn−ヘプチルアンモニウムヒドロキシド、テトラn−オクチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルモノエチルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルモノメチルアンモニウムヒドロキシド、トリn−プロピルモノメチルアンモニウムヒドロキシド、トリn−プロピルモノエチルアンモニウムヒドロキシド、トリn−ブチルモノメチルアンモニウムヒドロキシド、トリn−ブチルモノエチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルモノn−オクチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルモノn−ドデシルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルモノフェニルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルモノベンジルアンモニウムヒドロキシド等が例示される。
【0048】
上記調製法(2)の反応条件としては特に限定するものではないが、3級アミンと炭酸ジエステルの反応は、メタノール、エタノール等の溶媒中又は溶媒の非存在下で、常温又は加熱下で行うことが好ましい。また、得られた4級アンモニウム炭酸塩と酸性化合物の反応は、メタノール、エタノール等の溶媒中又は溶媒の非存在下で、常温又は加熱下、適宜発生する炭酸ガスを反応系から除去しながら行なうことが好ましい。
【0049】
上記調製法(2)で使用される3級アミンとしては、特に限定するものではないが、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリn−プロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリn−ブチルアミン、トリイソブチルアミン、トリsec−ブチルアミン、トリtert−ブチルアミン、トリn−ペンチルアミン、トリn−ヘキシルアミン、トリn−ヘプチルアミン、トリn−オクチルアミン、ジメチルn−オクチルアミン、ジメチルn−ドデシルアミン、トリフェニルアミン、トリベンジルアミン、1−メチルピロリジン、1−エチルピロリジン、1−メチルピペリジン、1−エチルピペリジン、1−メチルヘキサンメチレンイミン、1−エチルヘキサメチレンイミン、4−メチルモルホリン、4−エチルモルホリン、1,4−ジメチルピペラジン、1,4−ジエチルピペラジン、トリエチレンジアミン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン(DBN)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(DBU)、1−メチルイミダゾール等が挙げられる。
【0050】
上記調製法(2)で使用される炭酸ジエステルとしては、特に限定するものではないが、例えば、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸ジプロピル、炭酸エチルメチル等が好適なものとして挙げられる。
【0051】
上記調製法(1)又は(2)で使用される酸性化合物としては特に限定するものではないが、例えば、無機酸化合物、有機酸化合物等が挙げられる。
【0052】
無機酸化合物としては、例えば、塩化水素酸、過塩素酸、塩素酸、亜塩素酸、次亜塩素酸等の塩素酸;臭化水素酸、過臭素酸、臭素酸、亜臭素酸、次亜臭素酸等の臭素酸;ヨウ化水素酸、過ヨウ素酸、ヨウ素酸、亜ヨウ素酸、次亜ヨウ素酸等のヨウ素酸;硫酸、二硫酸、チオ硫酸、スルファミン酸、亜硫酸、二亜硫酸、チオ亜硫酸等の硫黄酸;硝酸、亜硝酸、次亜硝酸、ニトロキシル酸等の窒素酸;オルトリン酸、亜リン酸、次亜リン酸、亜ホスフィン酸、ホスフェン酸、亜ホスフェン酸、二リン酸、三リン酸、メタリン酸等のリン酸;オルトホウ酸、メタホウ酸、過ホウ酸、次ホウ酸、ボロン酸、ボリン酸等のホウ酸;炭酸水素、炭酸等が挙げられる。
【0053】
有機酸化合物としては、炭素数1〜8のカルボン酸であって、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクチル酸、2−エチルヘキサン酸等の脂肪族モノカルボン酸、蓚酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸等の脂肪族ポリカルボン酸、安息香酸、トルイル酸等の芳香族モノカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ニトロフタル酸等の芳香族ポリカルボン酸等が挙げられる。該酸性化合物は1種又は2種以上の混合物として用いることができる。これらのうち好ましいものは、水中での酸解離定数が3.0以上、さらに好ましくは水中での酸解離定数が3.5〜11.0の範囲の酸性化合物、炭素数1〜4のカルボン酸である。
【0054】
本発明の組成物において、触媒(B)は、テトラメチルアンモニウム酢酸塩、テトラメチルアンモニウム蟻酸塩、テトラメチルアンモニウム2−エチルヘキサン酸塩、テトラエチルアンモニウム酢酸塩、トリメチルモノエチルアンモニウム酢酸塩、トリメチルモノn−オクチルアンモニウム酢酸塩、及びトリメチルモノn−ドデシルアンモニウム酢酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の4級アンモニウム塩を含有することが好ましい。特に好ましくは、テトラメチルアンモニウム酢酸塩、テトラメチルアンモニウム蟻酸塩又はトリメチルモノn−ドデシルアンモニウム酢酸塩である。
【0055】
本発明の組成物において、触媒(B)の使用量は、特に限定するものではないが、ポリオ−ル(A)100重量部に対して、通常0.1〜8重量部の範囲、好ましくは0.5〜5重量部の範囲である。触媒(B)の使用量が0.1重量部未満では、硬質ウレタンフォームの難燃性、機械的強度が不十分となるおそれがあり、8重量部を越えると硬質ウレタンフォーム製造時の液流れ性が低下するおそれがある。
【0056】
本発明の組成物において、触媒(B)は、上記一般式(1)で示される4級アンモニウム塩を含有し、その濃度が50重量%を超える水溶液であることをその特徴とする。
【0057】
このような水溶液とすることで、本発明の組成物中で、上記一般式(1)で示される4級アンモニウム塩が均一に分散されうる。
【0058】
また、少量の難燃剤の使用において、難燃性硬質ウレタンフォームを製造するためには、十分な触媒量を使用してポリイソシアネートの三量化反応を完了させる必要がある。しかしながら、従来の4級アンモニウム塩を含む触媒は有機溶媒溶液が用いられており、その溶解度から濃度は50重量%未満の低濃度のものしかなく、十分な触媒量を使用すると、溶媒がポリマー物性に悪影響を与え、高難燃性が達成できないという問題があった。
【0059】
本発明の組成物では、触媒(B)として、4級アンモニウム塩を濃度が50重量%を超える水溶液を使用することで、高濃度の4級アンモニウム塩を用いることが可能になり、溶媒によるポリマー物性への影響が小さくなって、32%以上の酸素指数の達成が容易となった。
【0060】
このように、触媒(B)としては、高濃度の4級アンモニウム塩を含有する水溶液を用いることが好ましい。水溶液中の上記一般式(1)で示される4級アンモニウム塩の濃度としては、60重量%以上が好ましく、70重量%以上がさらに好ましい。一方、濃度が90重量%を超えると、低温で結晶が析出するおそれがあるため、濃度は85重量%以下とすることが好ましい。
【0061】
本発明の組成物において、触媒(B)に含有される上記一般式(1)で示される4級アンモニウム塩の使用量は、ポリオ−ル(A)100重量部に対して、好ましくは0.05〜7重量部の範囲、さらに好ましくは0.25〜5重量部の範囲である。触媒(B)に含有される4級アンモニウム塩の使用量が0.05重量部未満では、硬質ウレタンフォームの難燃性、機械的強度が不十分となるおそれがあり、7重量部を越えると硬質ウレタンフォーム製造時の液流れ性が低下するおそれがある。
【0062】
本発明の組成物において、触媒(B)として、上記一般式(1)で示される4級アンモニウム塩の他に、3級アミン類、カルボン酸塩等の公知の触媒を使用しても構わないが、上記効果を発現するため、その使用量は、上記一般式(1)で示される4級アンモニウム塩に対し50重量%以下であることが望ましい。
【0063】
このような3級アミン類としては、特に限定するものではないが、例えば、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルプロピレンジアミン、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチル−(3−アミノプロピル)エチレンジアミン、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジプロピレントリアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルグアニジン、1,3,5−トリス(N,N−ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ−S−トリアジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、トリエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、N,N’−ジメチルピペラジン、ジメチルシクロヘキシルアミン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、1−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1−イソブチル−2−メチルイミダゾール、1−ジメチルアミノプロピルイミダゾール等の従来公知の化合物が挙げられる。
【0064】
また、カルボン酸塩としては、特に限定するものではないが、例えば、カルボン酸のアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩が挙げられる。ここで、カルボン酸としては、特に限定するものではないが、例えば、酢酸、プロピオン酸、2−エチルヘキサン酸、アジピン酸等の脂肪族モノ及びジカルボン酸類、安息香酸、フタル酸等の芳香族モノ及びジカルボン酸類等の従来公知の化合物が挙げられる。また、カルボン酸塩を形成すべき金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属が好適な例として挙げられる。
【0065】
本発明の組成物において、発泡剤(C)としては、特に限定するものではないが、例えば、水素原子含有ハロゲン化炭化水素、低沸点炭化水素、水等が用いられる。これらは、1種単独で用いても、複数種を併用してもよい。
【0066】
水素原子含有ハロゲン化炭化水素発泡剤としては、具体的には、HCFCタイプのもの(例えば、「HCFC−123」、「HCFC−141b」、「HCFC−22」、「HCFC−142b」等)、HFCタイプのもの(例えば、「HFC−134a」、「HFC−245fa」、「HFC−245ca」、「HFC−365mfc」、「HFC−236ea」等)、及びこれらの2種以上の混合物等が例示される。これらのうち、発泡剤(c)として好ましくは、「HCFC−141b」、「HFC−134a」、「HFC−245fa」、「HFC−365mfc」、及びこれらの2種以上の混合物である。
【0067】
低沸点炭化水素とは、沸点が通常0〜50℃の炭化水素であり、特に限定するものではないが、具体的には、プロパン、ブタン、ペンタン、シクロペンタン、及びこれらの混合物等が例示される。
【0068】
発泡剤(C)が水素原子含有ハロゲン化炭化水素の場合、その使用量は、特に限定するものではないが、ポリオール(A)100重量部に対して、通常5〜100重量部の範囲、好ましくは10〜80重量部の範囲である。
【0069】
発泡剤(C)が低沸点炭化水素類の場合、その使用量は、特に限定するものではないが、ポリオール(A)100重量部に対して、通常1〜40重量部の範囲、好ましくは1〜30重量部の範囲である。
【0070】
発泡剤(C)が水単独の場合、その使用量は、特に限定するものではないが、ポリオール(A)100重量部に対して、通常0.5〜10重量部の範囲、好ましくは1〜8重量部の範囲である。
【0071】
発泡剤(C)として、水素原子含有ハロゲン化炭化水素系発泡剤及び水を併用する場合、水素原子含有ハロゲン化炭化水素の使用量は、特に限定するものではないが、ポリオール(A)100重量部に対して、通常1〜100重量部の範囲、好ましくは10〜80重量部の範囲であり、水の使用量は、特に限定するものではないが、通常0.1〜10重量部の範囲、好ましくは0.5〜8重量部の範囲である。
【0072】
発泡剤(C)として、低沸点炭化水素類及び水を併用する場合、低沸点炭化水素類の使用量は、特に限定するものではないが、ポリオール(A)100重量部に対して通常1〜40重量部、好ましくは1〜30重量部であり、水の使用量は、特に限定するものではないが、ポリオール(A)100重量部に対して、通常0.1〜10重量部、好ましくは0.1〜4重量部である。
【0073】
本発明の組成物において、整泡剤(D)としては、例えば、従来公知の有機珪素系界面活性剤が挙げられ、特に限定するものではないが、具体的には、有機シロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体、シリコーン−グリース共重合体等の非イオン系界面活性剤、これらの混合物等が例示される。
【0074】
整泡剤(D)の使用量は、特に限定するものではないが、ポリオール(A)100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲が好ましく、0.3〜5重量部がより好ましい。
【0075】
本発明の組成物において、難燃剤(E)としては、特に限定するものではないが、例えば、常温で液体の難燃剤(液体難燃剤)、常温で固体の難燃剤(固体難燃剤)等が挙げられる。
【0076】
液体難燃剤としては、具体的には、リン酸とアルキレンオキシドとの付加反応によって得られるプロポキシル化リン酸、プロポキシル化ジブチルピロリン酸等の含リンポリオール等の反応型難燃剤;トリクレジルホスフェート等のリン酸エステル類;トリスクロロエチルホスフェート、トリスクロロプロピルホスフェート等のハロゲン含有リン酸エステル類;等が例示される。
【0077】
また、固体難燃剤としては、具体的には、ジブロモプロパノール、ジブロモネオペンチルグリコール、テトラブロモビスフェノールA、2,4,6−トリブロモフェノール、2,2’,6,6’−テトラブロモビスフェノール−S、デカブロモジフェニルエーテル、ヘキサブロモベンゼン、ビス(ペンタブロモフェニル)エタン、ヘキサブロモシクロドデカン等のハロゲン含有有機化合物類;臭素化ポリスチレン、臭素化エポキシ樹脂、臭素化カーボネート樹脂等のハロゲン化ポリマー類;赤リン等のリン単体;酸化アンチモン、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、リン酸アルミニウム等の無機化合物;等が例示される。これらのうち、難燃剤の分散性の点で液体難燃剤が好ましい。液体難燃剤としては、好ましくはハロゲン含有リン酸エステル類であり、トリスクロロプロピルホスフェートが安定性が良く、難燃性が高いため特に好ましい。
【0078】
難燃剤(E)の使用量は、ポリオール(A)100重量部に対して120重量部以下であり、好ましくは50〜120重量部の範囲である。難燃剤(E)を120重量部を超えて使用すると、ウレタンフォームのポリマー物性が低下するおそれがあり、また、使用する難燃剤コストにより経済的ではない。
【0079】
本発明の組成物は、本発明の効果が得られる範囲で、上記(A)〜(E)以外の、その他の助剤を含んでも良い。このような助剤としては、例えば、着色剤、老化防止剤、その他従来公知の添加剤等が挙げられる。これらの添加剤の種類、添加量は、使用される添加剤の通常の使用範囲でよい。
【0080】
本発明の難燃性硬質ウレタンフォームの製造方法は、上記した本発明の難燃性硬質ウレタンフォーム製造用組成物とポリイソシアネートとをイソシアネートインデックスが300以上の条件下で反応させることをその特徴とする。
【0081】
ポリイソシアネートとしては、特に限定するものではないが、例えば、芳香族ポリイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香環式ポリイソシアネート及びこれらの変性物(例えば、カルボジイミド変性、アロファネート変性、ウレア変性、ビューレット変性、イソシアヌレート変性、オキサゾリドン変性等)、イソシアネート基末端プレポリマー等が挙げられる。
【0082】
芳香族ポリイソシアネートとしては、具体的には、2,4−又は2,6−トルエンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、ジフェニルメタン2,4′−又は4,4′−ジイソシアネート(MDI)、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート(粗製MDI)等が例示される。
【0083】
脂肪族ポリイソシアネートとしては、具体的には、イソホロンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等が例示される。
【0084】
本発明の製造方法において、イソシアネートインデックス[(ポリオール成分中の活性水素基1当量あたりの、イソシアネート成分中のイソシアネート基の当量数)×100]は、300以上であり、300〜500の範囲がより好ましい。
【0085】
本発明の製造方法の具体的な実施方法としては、特に限定するものではないが、例えば、上記難燃性硬質ウレタンフォーム製造用組成物とポリイソシアネートとを急激に混合攪拌した後、適当な容器又はモールドに注入して発泡成型させることにより、所望の難燃性硬質ウレタンフォームを製造することができる。具体的な製造装置については、これらを均一に混合することが可能であれば、特に限定されず、例えば、小型ミキサーや、一般のウレタンフォームを製造する際に使用する、注入発泡用の低圧又は高圧発泡機、スラブ発泡用の低圧又は高圧発泡機、連続ライン用の低圧又は高圧発泡機等、スプレー式の発泡装置等を使用することができる。
【0086】
本発明の製造方法で得られる難燃性硬質ウレタンフォームは、難燃性の指標である酸素指数が32%以上であり、高い難燃性を示すという特徴を有する。この特徴により、本発明の製造方法で得られた難燃性硬質ウレタンフォームは種々の用途に使用できる。例えば、建築、土木関係の断熱材や構造材、電気機器関係では、冷凍庫、冷蔵庫、冷凍ショーケース等の断熱材、プラントや船舶関係では、LPG、LNGタンカーやパイプラインの断熱材、車両関係では、保冷庫や冷凍車の断熱材等の用途が挙げられる。
【実施例】
【0087】
以下の実施例により、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何らの制限を受けるものではない。なお、表中の(pbw)はポリオールを100重量部とした時の他の剤の重量部を示す。
【0088】
以下の実施例において、各測定項目の測定方法は以下に示すとおりである。
【0089】
<反応性の測定項目>
クリームタイム:発泡フォームの上昇開始時間を目視で測定した。
【0090】
ゲルタイム:反応が進行し液状物質より、樹脂状物質に変わる時間を測定した。
【0091】
<フォームのコア密度>
5L(リットル)モールド内でフリー発泡させたフォームの中心部を25cm×25cm×8cmの寸法にカットし、寸法、重量を正確に測定してコア密度を算出した。
【0092】
<フォームの酸素指数>
フォームのコア密度を測定したサンプルを利用し、JIS K7201に準じて測定した。
【0093】
<フォームの圧縮強度>
フォームのコア密度を測定したフォームをカットして、JIS K7220に準じて測定した。
【0094】
実施例1 難燃性硬質ウレタンフォームの製造.
500mLのポリエチレン容器に芳香族系ポリエステルポリオール(川崎化成工業社製、製品名:マキシモールRDK133、OH価=315mgKOH/g)56g、マンニッヒ系ポリエーテルポリオール(第一工業製薬社製、製品名:DK3810、OH価=320mgKOH/g)14gを投入して室温下に攪拌を開始した。引き続き、触媒としてテトラメチルアンモニウム酢酸塩の75重量%水溶液を0.91g、整泡剤としてシリコーン系界面活性剤(東レ・ダウコーニング社製、商品名:SZ1642)を2.1g、難燃剤としてトリスクロロプロピルホスフェート(大八化学工業社製、商品名:TMCPP)77g、最後に発泡剤としてHFC−365mfcを35g、水を0.7g、それぞれ添加し攪拌を続け、難燃性硬質ウレタンフォーム製造用組成物を得た。
【0095】
上記組成物とポリイソシアネートとしてポリメリックMDI(日本ポリウレタン工業社製、製品名:MR−200、NCO含量 31.0重量%)200gを液温20℃で、ラボミキサーを使用し6000rpmで5秒間攪拌して発泡反応させた。次いで、これを50℃に温度調節したモールド内に入れて、発泡成型を行った。この際、反応性を測定した。モールド内に混合した原料を入れた時点から10分後に脱型して、難燃性硬質ウレタンフォームを製造した。得られた難燃性硬質ウレタンフォームのコア密度、酸素指数を測定した。さらにこのフォームをカットしてフォームの圧縮強度を測定した。これらの結果を表1に併せて示す。
【0096】
【表1】
【0097】
実施例4〜10 難燃性硬質ウレタンフォームの製造.
表1に示す組成で、実施例1と同様の方法により、触媒種を変更して難燃性硬質ウレタンフォームを製造した。また、反応性、フォームのコア密度、酸素指数、圧縮強度を実施例1と同様の方法により測定した。これらの結果を表1に併せて示す。
【0098】
比較例1 難燃性硬質ウレタンフォームの製造.
表1に示す組成で、実施例1と同様の方法により、特許文献1と同様の組成となる条件で難燃性硬質ウレタンフォームを製造した。また、反応性、フォームのコア密度、酸素指数、圧縮強度を実施例1と同様の方法により測定した。これらの結果を表1に併せて示す。
【0099】
表1の実施例1〜10より明らかなように、本発明の難燃性硬質ウレタンフォームは、イソシアネートインデックス300以上で、4級アンモニウム塩を触媒として用いることで、120重量部以下の少ない難燃剤量で酸素指数32%以上という高難燃性を達成可能であった。
【0100】
これに対し、触媒としてテトラメチルアンモニウム酢酸塩の50重量%エチレングリコール溶液を用い、特許文献1と同様の組成となる条件で製造した比較例1では、酸素指数32%以上を達成するために大量の難燃剤が必要であった。
【0101】
参考例1 難燃性硬質ウレタンフォームの製造.
表1に示す組成で、実施例1と同様の方法により、イソシアネートインデックス250となる条件で難燃性硬質ウレタンフォームを製造した。また、反応性、フォームのコア密度、酸素指数、圧縮強度を実施例1と同様の方法により測定した。結果を表1に併せて示す。
【0102】
参考例2 難燃性硬質ウレタンフォームの製造.
表1に示す組成で、実施例1と同様の方法により、難燃剤の使用量が150重量部となる条件で難燃性硬質ウレタンフォームを製造した。また、反応性、フォームのコア密度、酸素指数、圧縮強度を実施例1と同様の方法により測定した。これらの結果を表1に併せて示す。
【0103】
表1から明らかなとおり、イソシアネートインデックス250となる条件で製造した参考例1では酸素指数が32%を下回った。よって、難燃剤の使用量が少量である本発明の難燃性硬質ウレタンフォーム製造用組成物を使用して難燃性硬質ウレタンフォームを製造する際には、イソシアネートインデックスを300以上とすることが好ましいことが理解される。
【0104】
また、難燃剤の使用量が150重量部となる条件で製造した参考例2では、酸素指数は32%以上であるものの、実施例1に比べ圧縮強度が低くなった。よって、本発明の難燃性硬質ウレタンフォーム製造用触媒溶液を使用して難燃性硬質ウレタンフォームを製造する際には、難燃剤の使用量を多量にする必要がないことが理解される。
【0105】
実施例11〜12 難燃性硬質ウレタンフォームの製造.
表2に示す組成で、実施例1と同様の方法により、テトラメチルアンモニウム酢酸塩の75重量%水溶液の触媒量を変更した条件で難燃性硬質ウレタンフォームを製造した。また、反応性、フォームのコア密度、酸素指数、圧縮強度を実施例1と同様の方法により測定した。これらの結果を表2に併せて示す。
【0106】
【表2】
比較例2〜4 難燃性硬質ウレタンフォームの製造.
表2に示す組成で、実施例1と同様の方法により、テトラメチルアンモニウム酢酸塩の50重量%エチレングリコール溶液を使用し、触媒量を変更した条件で難燃性硬質ウレタンフォームを製造した。また、反応性、フォームのコア密度、酸素指数、圧縮強度を実施例1と同様の方法により測定した。これらの結果を表2に併せて示す。
【0107】
比較例5〜7 難燃性硬質ウレタンフォームの製造.
表2に示す組成で、実施例1と同様の方法により、テトラメチルアンモニウム酢酸塩の30重量%水溶液を使用し、触媒量を変更した条件で難燃性硬質ウレタンフォームを製造した。また、反応性、フォームのコア密度、酸素指数、圧縮強度を実施例1と同様の方法により測定した。これらの結果を表2に併せて示す。
【0108】
表2の実施例11〜12より明らかなように、本発明の難燃性硬質ウレタンフォームは、触媒量の増加により酸素指数を向上させることが可能であった。
【0109】
これに対し、テトラメチルアンモニウム酢酸塩の50重量%エチレングリコール溶液を使用した比較例2〜4では触媒量を増加させても酸素指数が32%以上に到達することはなかった。
【0110】
また、テトラメチルアンモニウム酢酸塩の30重量%水溶液を使用した比較例5〜7では触媒量を増加させても酸素指数が32%以上に到達することはなかった。
【0111】
実施例13〜15 難燃性硬質ウレタンフォームの製造.
表2に示す組成で、実施例1と同様の方法により、ポリオールを変更した条件で、イソシアネートインデックス300〜400において、難燃性硬質ウレタンフォームを製造した。また、反応性、フォームのコア密度、酸素指数、圧縮強度を実施例1と同様の方法により測定した。これらの結果を表2に併せて示す。
【0112】
表2の実施例13〜15より明らかなように、本発明の難燃性硬質ウレタンフォームは、ポリオールを変更した系においても、120重量部以下の少ない難燃剤量で酸素指数32%以上という高難燃性を達成可能であった。