【実施例】
【0053】
以下に添付図面を参照して、本発明に係るリチウム空気二次電池についての実施例を詳細に説明する。なお、本発明は下記の実施例に示したものに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施できるものである。
【0054】
(実施例1)
先ず、前述した空気極1の電極として用いる三次元網目構造を有する銅(Cu)共連続多孔体単相を以下のようにして合成した。
【0055】
市販の50μmの厚みを有する銅マンガン(Cu
30Mn
70)シートを1.0mol/lの硫酸アンモニウム((NH
4)
2SO
4)水溶液に6時間浸漬し、銅(Cu)共連続多孔体単相を得た。得られた銅(Cu)共連続多孔体単相は、硫酸アンモニウム((NH
4)
2SO
4)が残留しないように、蒸留水による洗浄を5回繰り返した。得られたシートは、60℃で一晩乾燥を行い、X線回折(XRD)測定、SEM観察、BET比表面積測定を行い、評価した。
【0056】
デアロイング法で作成した金属は、XRD測定より銅(Cu,PDFファイルNo.01−085−1236)単相であることを確認した。また、SEM観察により、平均孔径は20nmであることを確認した。また、BET法により銅(Cu)共連続多孔体単相の比表面積を測定したところ、56m
2/gであった。
【0057】
次に、このような銅(Cu)共連続多孔体単相を空気極として用いたリチウム空気二次電池セルを以下のようにして作製した。
【0058】
上記のようにして得られた銅(Cu)共連続多孔体単相を直径23mmの円形に切り抜き、ガス拡散型の空気極を得た。
【0059】
次に、
図2に示す断面構造を有する円柱形のリチウム空気二次電池セル200を作製した。
図2は、リチウム空気二次電池セルの断面図である。リチウム空気二次電池セルは、露点が−60℃以下の乾燥空気中で、以下の手順に従って作製した。
【0060】
上記の方法で調製した空気極1を、PTFEで被覆された空気極支持体10の凹部に配置し、空気極固定用のPTFEリング8で固定した。なお、空気極1と空気極支持体10が接触する部分は、電気的接触をとるためにPTFE被覆を施さないものとした。また、空気極1と空気との接触する電極の有効面積は2cm
2である。
【0061】
次に、空気極1の大気が接触する面とは逆の面にリチウム二次電池用のセパレータ5を凹部の底面に配置した。続いて、
図2に示すような負極固定用座金7に、負極2である厚さ150μmの4枚の金属リチウム箔(有効面積:2cm
2)を同心円上に重ねて圧着した。負極固定用PTFEリング6を、空気極1を設置する凹部と対向する逆の凹部に配置し、中央部に金属リチウムが圧着された負極固定用座金7を更に配置した。続いて、Oリング9を、
図2に示すように空気極支持体10の底部に配置した。次いで、セルの内部(正極1と負極2との間)に、有機電解液3である1mol/lのリチウムビストリフルオロメタンスルホニルイミド/炭酸プロピレン[(CF
3SO
2)
2NLi/PC]溶液を充填し、負極支持体11を被せて、セル固定用ねじ12で、セル全体を固定した。
【0062】
続いて、正極端子4を空気極支持体10に設置し、負極端子13を負極支持体11に設置した。
【0063】
以上の手順で調製したリチウム空気二次電池セル200の電池性能を測定した。なお、電池性能の測定試験用に、
図2に示す正極端子4及び負極端子13を用いた。
【0064】
電池のサイクル試験は、充放電測定システム(Bio Logic社製)を用いて、空気極1の有効面積当たりの電流密度で0.1mA/cm
2を通電し、開回路電圧から電池電圧が、2.0Vに低下するまで測定を行った。また、電池の充電試験は、放電時と同じ電流密度で、電池電圧が4.0Vに増加するまで行った。電池の充放電試験は、通常の生活環境下で行った。充放電容量は銅(Cu)共連続多孔体単相からなる空気極1重量当たりの値(mAh/g)で表した。
【0065】
初回の放電及び充電曲線を
図3に示す。
【0066】
図3に示されるように、銅(Cu)共連続多孔体単相を空気極に用いたときの平均放電電圧は2.8V、放電容量は640mAh/gであることが分かる。
【0067】
また、初回の充電容量は、放電容量とほぼ同様の650mAh/gであり、本発明のリチウム空気二次電池は可逆性に優れていることが分かる。
【0068】
放電容量のサイクル依存性を
図4に示すが、本実施例(実施例1)では充放電サイクルを100回繰り返しても、安定した放電容量(mAh/g)が見られた。
【0069】
また、この充電時の電圧については、
図3より、およそ3.7Vに平坦部分が見られ、従来の報告より低い値を示すことが分かった。
【0070】
充放電サイクルを繰り返して充放電電圧の推移を測定した。その結果を以下の表1に示す。本実施例(実施例1)では、充放電において若干の過電圧の増加が見られるが、ほぼ安定した電圧を示すことが分かった。このように、銅(Cu)共連続多孔体単相は、リチウム空気二次電池の空気極として非常に優れた活性を有していることが分かった。
【0071】
【表1】
【0072】
(実施例2)
本実施例は、ガス拡散型の空気極として、銅(Cu)にニッケル(Ni)を5%(重量%)含有させた金属共連続多孔体を用いた例である。
【0073】
本実施例で使用する、銅(Cu)にニッケル(Ni)を5%(重量%)含有させた金属共連続多孔体(銅(Cu)−ニッケル(Ni)共連続多孔体)は、実施例1に示した最初のプロセスの銅マンガン(Cu
30Mn
70)シートをニッケル銅マンガン(Ni
1。6Cu
28。4Mn
70)シートにすることで作製した。電極及び電池の作製法、並びに電池の評価法は、実施例1と同様である。SEM観察により、平均孔径は18nmであることを確認した。また、BET比表面積は47m
2/gであった。
【0074】
上記のようにして調製した銅(Cu)−ニッケル(Ni)共連続多孔体を空気極1として用いたリチウム空気電池の放電容量及び充放電電圧のサイクル依存性を
図4及び表1に示す。
【0075】
図4に示すように本実施例(実施例2)の放電容量は、初回で620mAh/gを示し、実施例1のような銅(Cu)共連続多孔体単相とほぼ同じ値であった。また、サイクル性能も、実施例1の銅(Cu)共連続多孔体単相とほぼ同等の挙動を示すことが分かった。
【0076】
表1に示すように、充放電電圧も、実施例1と比べほぼ同等の性能を示した。これらの結果から、本実施例のリチウム空気二次電池も安定に作動することが確認できた。
【0077】
上記のように、実施例1のような銅(Cu)共連続多孔体単相とほぼ同等の性能を示したが、耐腐食性の向上による電池の性能の更なる改善のために、ニッケル(Ni)の含有量を、実施例3〜4で更に検討する。
【0078】
(実施例3)
本実施例は、ガス拡散型の空気極として、銅(Cu)に、ニッケル(Ni)を60%(重量%)含有させた金属共連続多孔体を用いた例である。
【0079】
本実施例で使用する銅(Cu)−ニッケル(Ni)共連続多孔体(銅(Cu)にニッケル(Ni)を60%(重量%)含有させたもの)は、実施例1に示した最初のプロセスのニッケルマンガン(Ni
30Mn
70)シートをニッケル銅マンガン(Ni
18。6Cu
11。4Mn
70)シートにすることで作製した。電極及び電池の作製法、並びに電池の評価法は、実施例1と同様である。SEM観察により、平均孔径は10nmであることを確認した。BET比表面積は30m
2/gであった。
【0080】
上記のように調製した銅(Cu)−ニッケル(Ni)共連続多孔体を空気極1として用いたリチウム空気二次電池の放電容量及び充放電電圧のサイクル依存性を
図4及び表1に示す。
【0081】
図4に示すように本実施例(実施例3)の放電容量は、初回で480mAh/gを示し、実施例1のような銅(Cu)共連続多孔体単相、及び、実施例2の銅(Cu)−ニッケル(Ni)共連続多孔体(銅(Cu)にニッケル(Ni)を5%(重量%)含有させたもの)より初回の放電容量が低下する。また、表1に示すように、充放電電圧に関して、初期のサイクルでは、実施例1及び実施例2よりも過電圧が大きいことが分かった。しかしながら、サイクル性能に関して、実施例1及び実施例2の金属共連続多孔体を用いたリチウム空気二次電池より安定した挙動を示すことが分かった。
【0082】
上記のような特性の向上は、ニッケル(Ni)を実施例2に比べ、多く含有したことによって不動態膜が形成され、空気極の耐腐食性が向上し、サイクルを繰り返しても空気極が劣化しなかったことに起因すると考えられる。そして、実施例1及び実施例2に比べ、初回の放電容量が低下したのは、不動態膜が十分に形成されたことにより、金属共連続多孔体を作製する際に、多孔質化が進まず、空気極の多孔質表面の有効な反応部位が減少したためであると考えられる。
【0083】
(実施例4)
本実施例は、ガス拡散型の空気極として、銅(Cu)にニッケル(Ni)を30%(重量%)含有させた金属共連続多孔体を用いた例である。
【0084】
本実施例で使用する銅(Cu)−ニッケル(Ni)共連続多孔体(銅(Cu)にニッケル(Ni)を30%(重量%)含有させたもの)は、実施例1に示した最初のプロセスのニッケルマンガン(Ni
30Mn
70)シートをニッケルクロム鉄マンガン(Ni
9。5Cu
20。5Mn
70)シートにすることで作製した。電極及び電池の作製法、並びに電池の評価法は、実施例1と同様である。SEM観察により、平均孔径は18nmであることを確認した。BET比表面積は43m
2/gであった。
【0085】
上記のように調製した銅(Cu)−ニッケル(Ni)共連続多孔体を空気極1として用いたリチウム空気電池の放電容量及び充放電電圧のサイクル依存性を
図4及び表1に示す。
【0086】
図4に示すように、本実施例(実施例4)の放電容量は、初回で570mAh/gを示し、実施例1のような銅(Cu)共連続多孔体単相、及び実施例2のような銅(Cu)−ニッケル(Ni)共連続多孔体(銅(Cu)にニッケル(Ni)を5%(重量%)含有させたもの)とほぼ同じ値であった。
【0087】
また、表1に示すように、充放電電圧も、サイクルを繰り返した際に、実施例1及び実施例2と同様であった。しかしながら、サイクル性能は、実施例1及び実施例2のような金属共連続多孔体より安定した挙動を示すことが分かった。
【0088】
本実施例のように特性が向上したのは、銅(Cu)を含有する金属共連続多孔体にニッケル(Ni)を適量含有させたことにより、実施例2より耐腐食性が向上したと同時に、空気極の多孔質表面の有効な反応部位が、実施例3より高表面積で存在していることに起因すると考えられる。
【0089】
(実施例5)
本実施例は、ガス拡散型の空気極として、銅(Cu)にニッケル(Ni)を30%(重量%)含有させた金属共連続多孔体に金(Au)で表面修飾した金属共連続多孔体を用いた例である。
【0090】
本実施例で使用する金(Au)を表面修飾した銅(Cu)−ニッケル(Ni)共連続多孔体(銅(Cu)にニッケル(Ni)を30%(重量%)含有させ、金(Au)で表面修飾したもの)は、実施例4に示したプロセスに従って調製した銅(Cu)−ニッケル(Ni)共連続多孔体(銅(Cu)にニッケル(Ni)を30%(重量%)含有させたもの)を、当該プロセスに続いて、金イオン溶液に浸漬することにより調製した。金イオン溶液は、0.0001mol/lのテトラクロロ金(III)酸(HAuCl
4)水溶液に16.1g/lのポリビニルピロリドン(PVP)を溶かした混合液を使用した。浸漬処理の具体的手順では、前記混合溶液に、実施例4と同様のプロセスで得た金属共連続多孔体を30分間浸漬し、次いで、蒸留水による洗浄を5回繰り返した。電極及び電池の作製法、並びに電池の評価法は、実施例1と同様である。SEM観察により、平均孔径は19nmであることを確認した。BET比表面積は42m
2/gであった。また、本実施例5の金属共連続多孔体においてTEM観察を行ったところ、銅(Cu)−ニッケル(Ni)共連続多孔体(銅(Cu)にニッケル(Ni)を30%(重量%)含有させたもの)の表面に金(Au)が平均3nm堆積していることを確認した。
【0091】
金(Au)を表面修飾した、銅(Cu)−ニッケル(Ni)共連続多孔体(銅(Cu)にニッケル(Ni)を30%(重量%)含有させ、金(Au)で表面修飾したもの)を空気極1として用いたリチウム空気電池の放電容量及び充放電電圧のサイクル依存性を
図4及び表1に示す。
【0092】
図4に示すように本実施例(実施例5)の放電容量は、初回で700mAh/gを示し、実施例1〜4のような、金で表面修飾していない銅(Cu)を含有する金属共連続多孔体よりも大きい値であった。また、サイクルを繰り返しても、本実施例の金属共連続多孔体は安定した挙動を示すことが分かった。
【0093】
また、表1に示すように充放電電圧も、実施例1〜4の場合よりも過電圧の減少が見られ、充放電のエネルギー効率が改善された。また、充放電電圧も、サイクルを繰り返しても顕著な過電圧の増加は見られず、本実施例のリチウム空気二次電池が安定に作動することを確認した。
【0094】
本実施例のような特性の向上は、非常に大きな活性を有する金(Au)を、電極(空気極)である金属共連続多孔体の表面へ被覆物質として用いることにより、酸素還元(放電)及び酸素発生(充電)の両反応がスムーズに行われたためであると考えられる。
【0095】
(比較例1)
本比較例は、空気極の電極触媒として公知であるカーボン(ケッチェンブラック)とコバルト酸化物(Co
3O
4)からなる触媒を含む空気極を用いた例である。この空気極を含むリチウム空気二次電池セルを以下のようにして作製した。
【0096】
コバルト酸化物(Co
3O
4)粉末、ケッチェンブラック粉末及びポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粉末を50:30:20の重量比で、らいかい機を用いて十分に粉砕混合し、ロール成形して、シート状電極(厚さ:0.5mm)を作製した。このシート状電極を直径23mmの円形に切り抜き、チタンメッシュ上にプレスすることにより、ガス拡散型の空気極を得た。また、コバルト酸化物(Co
3O
4)は市販試薬(Sigma−Aldrich社製)を用いた。電池のサイクル試験の条件は、実施例1と同様である。
【0097】
本比較例に係るリチウム空気二次電池の放電容量に関するサイクル性能を、実施例1〜5の結果とともに
図4に示す。
【0098】
図4に示すように、本比較例1では初回放電容量は約500mAh/gと、実施例1よりも大きな値を示した。しかしながら、充放電サイクルを繰り返すと、実施例1とは異なり放電容量の極端な減少が見られ、20サイクル後の容量維持率は初期の約20%であった。
【0099】
また、充放電電圧のサイクル依存性を実施例1〜5の結果とともに、表1に示した。
【0100】
表1からも分かるように本比較例1による充電電圧は、実施例1〜5よりも明らかに高い値であるとともに、サイクルを繰り返すと明らかに過電圧が増加し、20回目でサイクルの実施は困難となった。
【0101】
以上の結果より、本発明の金属共連続多孔体は、空気極として、公知の材料よりも、容量及び電圧に関してサイクル特性に優れており、リチウム空気二次電池用空気極として有効であることが確認された。
【0102】
(比較例2)
本比較例は、ガス核酸型の空気極として、銅(Cu)にニッケル(Ni)を1%(重量%)含有させた金属共連続多孔体を用いた例である。
【0103】
本比較例で使用するニッケル(Ni)を1%(重量%)含有した銅(Cu)−ニッケル(Ni)共連続多孔体(銅(Cu)にニッケル(Ni)を1%(重量%)含有させたもの)は、実施例1に示した最初のプロセスの銅マンガン(Cu
30Mn
70)シートをニッケル銅マンガン(Ni
0.32Cu
29.68Mn
70)シートにすることで作製した。電極や電池の作製法及び評価法は、実施例1と同様である。SEM観察により、平均孔径18nmであることを確認した。BET比表面積は58m
2/gであった。
【0104】
上記のように調製した銅(Cu)−ニッケル(Ni)共連続多孔体を空気極1として用いたリチウム空気電池の放電容量及び充放電電圧のサイクル依存性を
図4及び表1に示す。
【0105】
図4に示すように、本比較例(比較例2)の放電容量は、初回で650mAh/gを示し、実施例1のような銅(Cu)共連続多孔体単相とほぼ同じ値であった。しかし、サイクル性能は、実施例1のような銅(Cu)共連続多孔体単相に比べて低下することが分かった。
【0106】
また、表1に示すように、充放電電圧についても、サイクルを繰り返した際に、実施例1と比べて過電圧が増加することが確認された。
【0107】
上記のように初期サイクルでは、実施例1のような銅(Cu)共連続多孔体単相とほぼ同等の性能を示したが、サイクルを繰り返した際に実施例1に比べて過電圧が増加した。これは、サイクロ繰り返すことで、空気極が劣化したためと考えられる。この原因は、本比較例で使用した金属共連続多孔体におけるニッケル(Ni)の含有量が不十分であり、不動態膜が形成されなかったためと考えられる。そのため、充放電を繰り返した際に、ニッケル(Ni)が電解液へ溶出して、空気極が劣化したと考えられる。
【0108】
そのため、ニッケル(Ni)は、金属共連続多孔体に不動態膜が形成される量まで、含有させる必要があることが確認された。
【0109】
(比較例3)
本比較例は、ガス拡散型の空気極として、銅(Cu)にニッケル(Ni)を80%(重量%)含有させた金属共連続多孔体を用いた例である。
【0110】
本比較例で使用するニッケル(Ni)を80%(重量%)含有した銅(Cu)−ニッケル(Ni)共連続多孔体(銅(Cu)にニッケル(Ni)を80%(重量%)含有させたもの)は、実施例1に示した最初のプロセスの銅マンガン(Cu
30Mn
70)シートをニッケル銅マンガン(Ni
25.3Cu
4.7Mn
70)シートにすることで作製した。電極や電池の作製法及び評価法は、実施例1と同様である。SEM観察により、平均孔径11nmであることを確認した。BET比表面積は10m
2/gであった。
【0111】
上記のように調製した、銅(Cu)にニッケル(Ni)を80%(重量%)含有させた銅(Cu)−ニッケル(Ni)共連続多孔体を空気極1として用いたリチウム空気電池の放電容量及び充放電電圧のサイクル依存性を
図4及び表1に示す。
【0112】
図4に示すように本比較例(比較例3)の放電容量は、初回で110mAh/gを示し、実施例1のような銅(Cu)共連続多孔体単相と比べて大幅に放電容量が減少した。
【0113】
上記のような特性は、金属共連続多孔体がニッケル(Ni)を多量に含有したことにより、金属共連続多孔体の多孔質化が進まず、空気極の多孔質表面の有効な反応部位が減少したためであると考えられる。
【0114】
以上の結果から、BET比表面積が30m
2/g以上になるように、金属共連続多孔体中のニッケル(Ni)含有量を調整する必要があることが分かった。