(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数の配線パターンが形成される基板において、前記複数の配線パターンから検査対象となる配線パターンが選択され、該配線パターンの絶縁検査を行う絶縁検査装置であって、
前記複数の配線パターンから検査対象となる配線パターンを第一検査部として選出するとともに、該第一検査部以外の検査対象となる配線パターンを第二検査部として選出する選出手段と、
前記第一検査部と前記第二検査部との間に所定の電位差を設定するために、該第一検査部と該第二検査部に電気的に夫々接続されて電力を供給する電源手段と、
前記第一検査部と第二検査部との間の電位差を検出する電圧検出手段と、
前記電圧検出手段が検出する電圧値に基づいて、電圧降下の発生を検出した場合に当該回路基板を不良品として判定する判定手段とを備え、
前記電源手段は、該電源手段からの電流を制御して、所定の制限電流以上の電流が流れないように制限する電流リミッタ回路を備え、
前記電流リミッタ回路は、前記第一検査部と第二検査部の間の電位差が前記所定の電位差となるまでの前記制限電流である第一電流が、該所定の電位差に到達された後の前記制限電流である第二電流よりも大きくなるよう制御されることを特徴とする絶縁検査装置。
複数の配線パターンが形成される基板において、前記複数の配線パターンから検査対象となる配線パターンが選択され、該配線パターンの絶縁検査を行う絶縁検査方法であって、
前記複数の配線パターンから検査対象となる配線パターンを第一検査部として選出するとともに、該第一検査部以外の検査対象となる配線パターンを第二検査部として検査対象間を選出し、
前記検査対象間に前記絶縁検査を行うための所定電位差が生じるように電力を供給し、
前記検査対象間に前記電力が供給される際の該検査対象間の電位差を検出し、
前記検出される前記電位差を基に、電圧降下の発生を検出した場合に前記検査対象間の絶縁状態を不良と判定し、
前記検査対象間に前記所定電位差が設定される際に、該所定電位差に到達するまでに供給される電流値を第一電流以上の電流が流れないように制限し、該所定電位差に到達した後に供給される電流値を第二電流以上の電流が流れないように制限し、前記第一電流は前記第二電流よりも大きくなるよう制御されることを特徴とする絶縁検査方法。
【背景技術】
【0002】
従来、基板上に形成される配線パターンは、この基板に載置されるICや半導体部品又はその他の電子部品に電気信号を送受信するために用いられる。このような配線パターンは、近年の電子部品の微細化に伴って、より微細に且つ複雑に形成されるようになるとともにより低抵抗に形成されている。このように基板の配線パターンの微細化が進むにつれ、その配線パターンの良/不良を検査する精度の高さが要求されている。
【0003】
このような配線パターンの良/不良を検査する方法として、配線パターンが所定の抵抗値を有して形成されているかを検査する導通検査と、各配線パターンが短絡することなく形成されているかと検査する絶縁検査と大きく二つの検査が存在する。
特に、この絶縁検査は、一方の配線パターンに電圧を印加して、他方の配線パターンに流れる電流を測定することにより、これら配線パターン間の抵抗値を算出して、この抵抗値から絶縁状態を検査するものである。
【0004】
このような絶縁検査では、配線パターンに所定電圧(印加電圧V)が印加された直後は、配線パターン間の電圧が不安定であるとともに配線パターン間に瞬時的に大きな過渡電流が流れるため、配線パターン間の電圧が印加電圧Vに安定し、且つ、電流が安定する経過時間(所定時間)後に絶縁状態の良否判定を行うことになる。しかしながら、検査対象の配線パターン間に比較的高圧の直流電圧(印加電圧)が印加されると、電圧を印加した後、所定時間が経過するまでに配線パターン間でスパーク(放電現象)が発生する場合があり、このスパークにより、配線パターン間の絶縁抵抗値が変化し正しい配線パターン間の絶縁抵抗値が算出できなくなるという不具合があった。
【0005】
このような不具合を改善するために、例えば、特許文献1に開示される技術を利用することができる。この特許文献1に開示される技術では、配線パターンに印加電圧が印加される所定時間中の配線パターン間の電圧の変化値を測定し、上記の如きスパークが発生した場合の電圧降下を検出することにより、スパークを検出しようとするものである。例えば、特許文献1の
図10で示される電圧変化を示すグラフでは、グラフ中の時刻t21と時刻t22においてスパークが発生したことを示している。このように、電圧の変化を検出するとともに、スパークに起因する電圧降下(「dv/dt」を算出して得られる値)を検出(グラフ中のAとBの箇所)することによってスパークを検出する。
【0006】
上記の如き基板は大量に生産されるため、大量の基板を如何に効率良く検査を実施して、完了するかが重要な問題となる。このため、確実に且つ効率良く絶縁検査を実施する方法が求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明は、上記のようなスパーク現象(スパーク不良)を発見し且つ効率良く絶縁検査を実施する方法及び絶縁検査装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1記載の発明は、複数の配線パターンが形成される基板において、前記複数の配線パターンから検査対象となる配線パターンが選択され、該配線パターンの絶縁検査を行う絶縁検査装置であって、前記複数の配線パターンから検査対象となる配線パターンを第一検査部として選出するとともに、該第一検査部以外の検査対象となる配線パターンを第二検査部として選出する選出手段と、前記第一検査部と前記第二検査部との間に所定の電位差を設定するために、該第一検査部と該第二検査部に電気的に夫々接続されて電力を供給する電源手段と、前記第一検査部と第二検査部との間の電位差を検出する電圧検出手段と、
前記電圧検出手段が検出する電圧値を用いて、この比較結果により当該回路基板を良品又は不良品として判定する判定手段とを備え、前記電源手段は、該電源手段からの電流を制御する電流制御部を備え、前記電流制御部は、前記第一検査部と第二検査部の間の電位差が前記所定の電位差となるまで
に供給される第一電流が、該所定の電位差に到達された
後に供給される第二電流よりも大きくなるよう制御されることを特徴とする絶縁検査装置を提供する。
請求項2記載の発明は、前記電流制御部は、前記第一電流と前記第二電流が、0〜30mAの範囲に制御されていることを特徴とする請求項1記載の絶縁検査装置を提供する。
請求項3記載の発明は、前記電流制御部は、前記第一電流が前記第二電流の5〜30倍に制御されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の絶縁検査装置を提供する。
請求項4記載の発明は、複数の配線パターンが形成される基板において、前記複数の配線パターンから検査対象となる配線パターンが選択され、該配線パターンの絶縁検査を行う絶縁検査方法であって、前記複数の配線パターンから検査対象となる配線パターンを第一検査部として選出するとともに、該第一検査部以外の検査対象となる配線パターンを第二検査部として検査対象間を選出し、前記検査対象間に前記絶縁検査を行うための所定電位差が生じるように電力を供給し、前記検査対象間に前記電力が供給される際の該検査対象間の電位差を検出し、前記検出される前記電位差を基に、前記検査対象間の絶縁状態を判定し、前記検査対象間に前記
所定電位差が設定される際に、該
所定電位差に到達するまでに供給される電流値が、該
所定電位差に到達した後に供給される電流値よりも大きくなるよう制御されることを特徴とする絶縁検査方法を提供する。
【発明の効果】
【0010】
請求項1及び4の記載の発明によれば、第一検査部と第二検査部の間に設定される検査対象間に、絶縁検査を実施するための所定電位差が付与される場合に、この検査対象間が所定の電位差に至るまでの第一電流が、この検査対象間が所定電位差に至った後に供給される第二電流よりも大きくなるように制御されているので、検査対象間に所定電位差となるよう電流を供給する間は第二電流よりも大きな第一電流により電位差が供給されることになるため、充電時間を短くすることができる。一方、検査対象間に所定の電位差が設定された後には第一電流よりも小さい第二電流が供給されることになるので、供給電流の影響を低減させてスパーク検出を行うことができる。
請求項2記載の発明によれば、第一電流と第二電流が、0〜30mAの範囲内に設定されているので、好適な絶縁検査を実施することができる。
請求項3記載の発明によれば、第一電流が第二電流の5〜30倍に制御されているので、検査対象間に所定の電位差を付与する時間を短縮し、且つ、電位差が付与された検査対象間に対しては高いスパーク検出能力を有することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明を実施するための最良の形態を説明する。
本発明は、基板上に形成される複数の配線パターンの絶縁検査を行う場合に発生するスパーク不良を効率良く且つ検査時間を冗長することなく行うことができる絶縁検査装置及びその方法に関する。
【0013】
図1は、本発明に係る絶縁検査装置の一実施形態の概略構成図である。
本発明に係る本実施形態の絶縁検査装置1は、電源手段2、電圧検出手段3、電流検出手段4、電流制御部5、制御手段6、切替手段7、電流供給端子8、電圧検出端子9、表示手段10を備えてなる。
図1で示される実施形態では、本発明の絶縁検査装置1と、検査対象となる基板CBと、絶縁検査装置1と基板CBとを電気的に接続するコタンクトプローブCPが示されている。
【0014】
図1に示される基板CBは、4つの配線パターンP1〜P4を有している。この基板CBが有する配線パターンは、設計される基板CBに応じてその数及び形状が適宜設定される。
図1の基板CBでは、一の字状の配線パターンP1と、Tの字状の配線パターンP2と、十の字状の配線パターンP3とP4が示されているが、特に限定されるものではない。
図1では、各配線パターンP1〜P4に電気的に接触する4本のコンタクトプローブCPが示されている。このコンタクトプローブCPは、絶縁検査装置1と基板CBを電気的に導通可能に接続する。また、このコンタクトプローブCPの配置位置や配置本数は、基板CBに形成される配線パターンに応じて適宜設定されることになる。
【0015】
図1の実施形態では、後述する上流側及び下流側電流供給端子と上流側及び下流側電圧検出端子とを1本のコンタクトプローブCPで、配線パターン上に設けられる所定検査位置に導通可能に接触させているが、電流供給端子8と電圧検出端子9の夫々を別々の2本のコンタクトプローブCPで所定検査位置に導通可能に接触させてもよい。
【0016】
電源手段2は、検査対象となる配線パターンと他の配線パターンとの間(以下、検査対象間)に、絶縁検査を行うための所定の電位差(検査電圧)を印加させる。この電源手段2は、直流電源や交流電源を用いることができるが特に限定されるものではなく、検査対象間に所定の電位差を印加させることができるものであれば全て用いることができる。
この電源手段2が印加することになる電位差は、使用者により適宜に設定されるが、基板の絶縁検査の場合一般的に200〜250Vに設定される。
【0017】
電流制御部5は、電源手段2から供給される電流を制御して、検査対象間へ供給する。この電流制御部5は、電流量を増減可能に制御でき、後述する制御手段6からの制御信号に応じて制御される。この電流制御部5が行う電流制御は、具体的に、電源手段2から供給される電流に対して所定の制限を設け、一定以上の電流量の電流が流れないように制限する機能を有している。また、電流制御部5は、このような電流制限を少なくとも二つ有しており、後述する制御手段6からの制御信号に応じて電流量に制限をかけることができる。
【0018】
この電流制御部5は、検査対象間に検査電圧を印加する間(検査対象間が所定の電位差に到達する前まで)に、電源手段2から供給される電流を第一電流として制御を行う機能と、また、検査対象間に所定の検査電圧が印加された後(検査対象間が所定の電位差に到達した後)に、電源手段2から供給される電流を第二電流として制御を行う機能を有している。
【0019】
電流制御部5は、第一電流が第二電流よりも大きくなるように設定される。このため、検査対象間が所定の電位差に到達するまでは、電源手段2から供給される電流は第一電流の大きさの制限がかかって供給されることになる。また、検査対象間が所定の電位差に設定された後には、電源手段2から供給される電流は第二電流の大きさの制限がかかって供給されることになる。このため、検査対象間が所定の電位差に到達していないときには、電流量が大きい第一電流で電流が供給されることになるため、検査対象間をより早く所定の電位差を有することになる。また、検査対象間が所定の電位差に到達した後には、検査対象間には電流量の小さい第二電流で電流が供給されることになるため、電源手段2からの電流の影響を小さくしてスパーク検出を行うことができる。このため、精度の高いスパーク検出を行うことができるようになる。
【0020】
電流制御部5が制御する第一電流と第二電流は、いずれも0〜30mAの範囲に制御されることが好ましい。この電流値の範囲に制御されることによって、基板の配線パターンの検査対象部の絶縁検査を好適に検査することができる。
【0021】
電流制御部5は、第一電流が第二電流の5〜30倍に制御されている。このように制御されることによって、検査対象間が所定の電位差に到達していないときには、検査対象間をより早く処理することができ、検査対象間が所定の電位差に到達した後には、電源手段2からの電流の影響を小さくしてスパーク検出を行うことができ、最も両方の効果を奏する条件となる。尚、具体的には、第一電流は、15〜25mAに設定され、第二電流は0〜5mAに設定されることが好ましい。
【0022】
この第一電流と第二電流がより好適となる具体的な条件は、第一電流を20mAとし、第二電流を1mAに設定することができる。このように設定することによって、所定電位差までの電流供給時間を短縮し、且つ、所定電位差到達後のスパーク検出精度を向上させることができる。なお、本発明者は、第一電流及び第二電流を調整制御することによって、基板の配線パターンにおける絶縁検査時のスパーク不良をより正確に発見し、且つ、大量に処理される基板検査のタクトを向上させて処理する条件を創出したものである。
【0023】
電流制御部5は、上記の如き一定の電流量を調整することができる機能を有しているが、例えば、電流リミッタ回路を採用することができる。電流リミッタ回路を用いることで、所定電流の流量を制御することができる。この電流リミッタ回路は、上記の如き、二つの電流制御ができ、後述する制御手段6の制御信号に応じて、第一電流と第二電流に夫々制御状態を切り替えることができる。
【0024】
電圧検出手段3は、検査対象間の電圧を検出する。この電圧検査手段3は、例えば、電圧計を用いることができるが特に限定されるものではなく、検査対象間の電圧を検出することができるものであればよい。この電圧検出手段3が検出する電圧値と、電源手段2により供給される電流値とを用いることによって、検査対象間の抵抗値を算出することができる。さらに、この抵抗値を用いることによって、検査対象間の絶縁性を検査することができる。尚、この電圧検出手段3が検出する電圧値によって、電源手段2の動作の制御を行うように設定されることもできる。
【0025】
電流検出手段4は、検査対象間の電流を検出する。この電流検出手段4は、例えば、電流計を用いることができるが特に限定されるものではなく、検査対象間に流れる電流値を検出することができればよい。
尚、電流供給手段2により供給される電流値を決定することもできるが、この電流検出手段4を用いることによっても、検査対象間の電流値を検出することもできる。
【0026】
電流供給端子8は、検査対象間の電流を供給するために、各配線パターンPとコンタクトプローブCPを介して接続される。この電流供給端子8は、電流供給手段2の上流側(正極側)と配線パターンPを接続する上流側電流供給端子81と、電流供給手段2の下流側(負極側)又は電流検出手段4と配線パターンPとを接続する下流側電流供給端子82を有している。
図1で示される如く、この電流供給端子8の上流側電流供給端子81及び下流側電流供給端子82は、夫々の配線パターンPに対して設けられている。
【0027】
これらの上流側電流供給端子81と下流側電流供給端子82は、夫々に切替手段7のスイッチ素子SWを有しており、この切替手段7のスイッチ素子SWのON/OFF動作により、接続状態/未接続状態が設定されることになる。尚、この電流供給端子8は、静電気放電(electro-static discharge)保護用の抵抗が配置されることが好ましい。
【0028】
電圧検出端子9は、検査対象間の電圧を検出するために、各配線パターンPとコンタクトプローブCPを介して接続される。この電圧検出端子9は、電圧検出手段3の上流側(正極側)と配線パターンPを接続する上流側電圧検出端子91と、電圧検出手段3の下流側(負極側)と配線パターンPを接続する下流側電圧検出端子92を有してなる。
図1で示される如く、この電圧検出端子9の上流側電圧検出端子91及び下流側電圧検出端子92は、夫々の配線パターンPに対して設けられている。これらの上流側電圧検出端子91と下流側電圧検出端子92は、電流供給端子8と同様、夫々に切替手段7のスイッチ素子SWを有しており、この切替手段7のスイッチ素子SWのON/OFF動作により、接続状態/未接続状態が設定されることになる。
【0029】
電流供給端子8と電圧検出端子9は、
図1で示される如く、配線パターンPに導通接触する一本のコンタクトプローブCPに対して、4つの端子が配置されることになるとともに、各端子のON/OFF制御を行う4つのスイッチ素子SWが備えられることになる。尚、
図1では、上流側電流供給端子81の動作を制御するスイッチ素子を符号SW1とし、上流側電圧検出端子91の動作を制御するスイッチ素子を符号SW2とし、下流側電流供給端子82の動作を制御するスイッチ素子を符号SW3とし、下流側電圧検出端子92の動作を制御するスイッチ素子を符号SW4として示している。
【0030】
切替手段7は、上記した各コンタクトプローブCPに導通接続される複数のスイッチ素子SWから構成されている。この切替手段7は、後述する制御手段6からの動作信号により。ON/OFFの動作が制御されることになる。
【0031】
制御手段6は、検査対象となる配線パターンPを選出したり、電圧検出手段3からの電圧値を基にスパークを検出したり、切替手段7の動作の指示信号を送信したり、本装置1の全体的な制御を行う。この制御手段6は、
図1で示される如く、選出手段61、判定手段62、記憶手段63を備えている。
【0032】
選出手段61は、基板CBの複数の配線パターンPから検査対象となる配線パターンPを選出し、検査対象の配線パターンPを特定する。この選出手段61が検査対象の配線パターンPを特定することにより、順次、絶縁検査が行われる配線パターンPが選出される。この選出手段61が行う検査対象の配線パターンPの選出方法は、予め記憶手段63に検査対象となる配線パターンPの順番が設定され、この順番に従って検査対象の配線パターンPが選出される方法を例示することができる。この選出方法は、上記の如き方法を採用することもできるが、検査対象となる配線パターンPが順序良く選出される方法であれば特に限定されない。
【0033】
この選出手段61が行う具体的な配線パターンPの選出は、切替手段7を用いることにより実施される。例えば、切替手段7の各スイッチ素子SWのON/OFF制御を行うことにより、検査対象となる配線パターンPを選出することができる。本実施形態の絶縁検査装置では、検査対象となる配線パターンPが電源手段2と接続されるための上流側電流供給端子81と接続されるように、スイッチ素子SWがONされることになる。また同時に、上流側電圧検出手段91とこの配線パターンPが接続されるようにスイッチ素子SWがONされる。
【0034】
例えば、
図1で示される実施形態では、配線パターンP1を検査対象とする場合、選出手段61が、配線パターンP1に接続する上流側電流供給端子81と上流側電圧検出端子91を選出し、これら端子81、91のスイッチ素子SW1とスイッチ素子SW2をONさせるように促す信号を送信する。この信号を切替手段7が受信することにより、スイッチ素子SW1とスイッチ素子SW2が動作することになる。また、この場合、検査対象の配線パターン以外の配線パターン(残りの配線パターン)に対応するスイッチSW3とスイッチSW4がONされるように促す信号が送信される。
【0035】
上記の説明の如く、選出手段61によって、基板CBの複数の配線パターンPから検査対象となる配線パターンPが選択されることになる。この実施形態で示される絶縁検査装置1の選出手段61が選出する配線パターンPは、基板CB上に形成された複数の配線パターンから1本の配線パターンPが選出される。つまり、選出手段61により選出された1本の配線パターンPと、残り全ての配線パターンPとの間で絶縁検査が実施される。このように配線パターンPが選出されることによって、検査対象間が設定されることになる。
【0036】
判定手段62は、電圧検出手段3からの電圧値を基に、スパークの発生を判定する。この判定手段62が行う判定は、例えば、電圧印加によって生じる検査対象間の電圧を検出し、電圧降下の発生を検出した場合にスパーク不良として判定することができる。また、
図1には示されていないが、上流側電流供給端子81と上流側電圧検出端子91との間の電圧の変化を検出し、スパーク不良の電圧変化を検出することもできる。なお、この判定手段62が行う判定方法は、上記の如き検査対象間の電圧降下を検出した場合を不良としても良いし、検査対象間を形成する配線パターンPの上流側電流供給端子と上流側電圧検出端子との間の電圧の変化を利用しても良い(図示せず)。
【0037】
表示手段10は、絶縁検査の状態などを表示する。この表示手段10は、スパークの発見が表示されることになる。この表示手段10が表示する内容は特に限定されず、本絶縁検査装置の製造者により適宜設定されることになる。
以上が本発明に係る絶縁検査装置1の構成の説明である。
【0038】
次に、本絶縁検査装置の動作を説明する。
尚、
図2は本絶縁検査装置の絶縁検査を実施する場合の一実施例を示す図であり、
図3は
図2の絶縁検査装置の電圧変化を示すグラフであり、(a)は良品の場合の電圧変化を示しており、(b)は不良品の場合の電圧変化を示している。
【0039】
まず、検査対象となる基板CBの配線パターンPの情報などが記憶手段63に格納され、基板CBの導通及び絶縁検査の準備が実施される。次に、基板CBが所定の検査位置に配置され、基板CB上に形成される配線パターンP上の検査点にコンタクトプローブCPが配置され、電気的な接続が可能なように当接される。
【0040】
基板CBが準備されると導通検査が実施される。この場合、詳細は記載しないが、全ての配線パターンの導通検査が実施され、全ての配線パターンの導通状態に問題がなければ(全ての配線パターンが導通検査にパスした状態であれば)、次に絶縁検査が実施される。
この場合、選出手段61が、検査対象間を設定するために、検査対象となる配線パターンPを選出する。選出手段61が検査対象となる配線パターンPを選出すると、この選出手段61は切替手段7へこの検査対象として選出された配線パターンPの上流側電流供給端子81と上流側電圧検出端子91が特定される。そして、この特定された上流側電流供給端子81と上流側電圧検出端子91を接続状態とするためのスイッチ素子SW1、SW2がONされるように、選出手段61から動作信号が切替手段7へ送信される。切替手段7は、選出手段61からのスイッチ素子のON/OFF動作に関する信号を受信すると、この信号に従ってスイッチ素子SWのON/OFF制御が行われる。
【0041】
より具体的には、例えば、配線パターンP1が検査対象の配線パターンとなる場合、配線パターンP1に対応する上流側電流供給端子81と上流側電圧検出端子91に接続されるスイッチ素子SW1、SW2がONとなる。またこのとき同時に、この配線パターンP1以外の配線パターンP2乃至配線パターンP4に接触されるコンタクトプローブCPが、夫々下流側電流供給端子82と接続状態となるために、夫々の下流側電圧検出端子92のスイッチ素子SW3と下流側電流供給端子82のスイッチ素子SW4が、ONとなるように制御される(
図2参照)。
【0042】
この
図2で示される動作状態では、上記の説明の如く、配線パターンP1が検査対象として選出されている。このため、配線パターンP1は、スイッチ素子SW1とスイッチSW2がONされており、上流側電流供給端子81と上流側電圧検出端子91と接続されている。このとき、検査対象以外の配線パターンP2乃至配線パターンP4は、スイッチ素子SW3とスイッチ素子SW4がONされて、下流側電流供給端子82と下流側電圧検出端子92と夫々接続されている。
【0043】
上記の如きスイッチ素子SWが、ON又はOFF制御されると、検査対象間が設定されたことになり、配線パターンP1に絶縁検査のための所定の電位差が印加されることになる。具体的には、制御手段6が、電源手段2に電力を供給するよう動作する信号を送信するとともに、電流制御部5に対して第一電流の制限を行うよう動作する信号を送信する。制御手段6が電源手段2と電流制御部5に制御信号を送信すると、電源手段2から電流制御部5を介して、第一電流に制限された電流が供給されることとなる。第一電流は、第二電流よりも大きく設定された電流であり、検査対象間が所定の電位差となる時間を迅速に行うことができる。
【0044】
この場合、電圧検出手段3は、絶縁検査の実施中、検査対象間の電圧を検出しており、この検出結果を制御手段6へ送信している。制御手段6は、この電圧検出手段3が検出する電圧情報を基に、電源手段2及び電流制御部5を制御する信号を送信することになる。
図3では、(a)が、スパーク不良が存在しない場合の電圧の変化を示すグラフであり、(b)がスパーク不良に存在した場合の電圧の変化を示すグラフである。
図3では、電圧値V1が検査対象間に印加される所定の電位差に設定されている。この
図3では、(a)の時刻t0から時刻t1までの間、(b)の時刻t0から時刻t3の間が、検査対象間の電圧が所定電位差まで上昇している状態を示しており、この期間は第一電流が供給されることになる。
【0045】
検査対象間の電圧が、電源手段2からの電流(第一電流)の供給により絶縁検査のための所定電位に設定されると、電圧検出手段3からの信号を制御手段6が受信し、検査対象間に所定電圧が供給されたことが確認され、制御手段6は電流制御部5に対して、電源手段2からの電流を第二電流に制限するよう制御信号を送信する。制御手段6からの制御信号を受信すると、電流制御部5は電源手段2からの電流を第二電流に制限する。
【0046】
電流制御部5は、制御手段6からの制御信号を受信すると、電源手段2から電流制御部5を介して、第二電流に制限された電流が供給されることとなる。第二電流は、第一電流よりも小さく設定された電流であり、既に所定電圧に到達した検査対象間に供給されるため、スパーク不良への影響を極めて小さくして供給されることになり、スパーク不良の精度を向上させて絶縁検査を実施することができる。
図3では、
図3(a)の時刻t1から時刻t2の期間に、この第二電流による電流供給が行われる。
図3(b)では、時刻t0から時刻t3の間でスパーク不良(図面での符号Aで示される箇所)が発見されることになるため、絶縁検査が行われる時刻をグラフには記載していないが、時刻t3以降は第二電流が検査対象間に供給されることになる。
【0047】
制御手段6は、上記の如き検査対象間に所定の電位差が印加され始め、検査対象間が所定の電位差に設定されて所定時間経過まで、連続的に検査対象間の電圧が検出されている。このとき、例えば、
図3(a)の如く、スパークに起因するような電圧降下が算出されなければ、この検査対象間にはスパーク不良が存在せず、絶縁検査が行われることになる。尚、
図3(a)の時刻t2の検査対象間の電圧値の検出が行われて、検査対象間の抵抗値が算出されることになる。なお、時刻t2は、検査対象間が所定電位差に到達した後の所定時間経過後に設定される。
【0048】
また一方で、
図3(b)の如く、スパークに起因するような電圧降下が算出された場合には、例えば、第一電流が供給される期間での電圧降下状態や、第二電流が供給される期間での電圧降下状態が検出された場合には、検査対象間はスパーク不良が存在するとして、判定手段62が判定することになる。
【0049】
上記の如く、スパークが発生した場合には、スパークが発生したことが通知されるとともにそのスパークの大きさを算出し、スパークと同時にその大きさも表示されることになる。このため、使用者は、電圧値を検出することにより、容易に絶縁検査中に発生するスパークを検出することができるとともに、そのスパークの大きさも知ることができる。
この絶縁検査装置1では、検査対象となる一本の配線パターンPと残り全ての配線パターンの絶縁検査が行われ、この検査対象の一本の配線パターンPの絶縁検査が終了すると、検査対象として次の配線パターンPが一本選択され、残り全ての配線パターンとの絶縁検査が繰り返し行われる。なお、各検査対象間(検査対象の配線パターンP)の絶縁検査が実施される場合には、上記のようなスパーク不良も同時に検査が実施され、不良が検出された場合には、不良基板として検査が終了される。
上記の如く、このようにして被検査基板に設けられる配線パターン全てを検査対象の配線パターンとして絶縁検査が行われることになる。