【実施例】
【0071】
これより本実施形態に係る各実施例について、図面に基づいて説明する。以下に、表1〜表3を示すが、これらは第1実施例〜第3実施例における各諸元の表である。
【0072】
なお、第1実施例に係る
図1に対する各参照符号は、参照符号の桁数の増大による説明の煩雑化を避けるため、実施例ごとに独立して用いている。ゆえに、他の実施例に係る図面と共通の参照符号を付していても、それらは他の実施例とは必ずしも共通の構成ではない。
【0073】
各実施例では収差特性の算出対象として、C線(波長656.2730nm)、d線(波長587.5620nm)、F線(波長486.1330nm)、g線(波長435.8350nm)を選んでいる。
【0074】
表中の[レンズ諸元]において、面番号は光線の進行する方向に沿った物体側からの光学面の順序、Rは各光学面の曲率半径、Dは各光学面から次の光学面(又は像面)までの光軸上の距離である面間隔、ndは光学部材の材質のd線に対する屈折率、νdは光学部材の材質のd線を基準とするアッベ数をそれぞれ示す。物面は物体面、(可変)は可変の面間隔、曲率半径の「∞」は平面又は開口、(絞りS)は開口絞りS、像面は像面Iをそれぞれ示す。空気の屈折率「1.000000」は省略する。光学面が非球面である場合には、面番号に*印を付し、曲率半径Rの欄には近軸曲率半径を示す。
【0075】
表中の[非球面データ]には、[レンズ諸元]に示した非球面について、その形状を次式(a)で示す。X(y)は非球面の頂点における接平面から高さyにおける非球面上の位置までの光軸方向に沿った距離を、Rは基準球面の曲率半径(近軸曲率半径)を、κは円錐定数を、Aiは第i次の非球面係数を示す。「E-n」は、「×10
-n」を示す。例えば、1.234E-05=1.234×10
-5である。
【0076】
X(y)=(y
2/R)/{1+(1−κ×y
2/R
2)
1/2}+A4×y
4+A6×y
6+A8×y
8+A10×y
10 …(a)
【0077】
表中の[全体諸元]において、fはレンズ全系の焦点距離、FNoはFナンバー、ωは半画角(最大入射角、単位:°)、Yは像高、Bfは光軸上での(すなわち、第4レンズ群G4の)レンズ最終面から近軸像面までの距離、Bf(空気換算)は光軸上での(すなわち、第4レンズ群G4の)レンズ最終面から近軸像面までの距離を空気換算したもの、TLはレンズ全長(光軸上でのレンズ最前面からレンズ最終面までの距離にBfを加えたもの)を示す。
【0078】
表中の[ズーミングデータ]において、広角端、中間焦点距離、望遠端の各状態における可変間隔の値Diを示す。なお、Diは、第i面と第(i+1)面の可変間隔を示す。
【0079】
表中の[ズームレンズ群データ]において、Gは群番号、群初面は各群の最も物体側の面番号、群焦点距離は各群の焦点距離、レンズ構成長は各群の最も物体側のレンズ面から最も像面側のレンズ面までの光軸上での距離を示す。
【0080】
表中の[条件式]には、上記の条件式(1)〜(7)に対応する値を示す。
【0081】
以下、全ての諸元値において、掲載されている焦点距離f、曲率半径R、面間隔D、その他の長さ等は、特記のない場合一般に「mm」が使われるが、ズームレンズは比例拡大又は比例縮小しても同等の光学性能が得られるので、これに限られるものではない。また、単位は「mm」に限定されることなく、他の適当な単位を用いることが可能である。
【0082】
ここまでの表の説明は全ての実施例において共通であり、以下での説明を省略する。
【0083】
(第1実施例)
第1実施例について、
図1,
図2及び表1を用いて説明する。第1実施例に係るズームレンズZL(ZL1)は、
図1に示すように、光軸に沿って物体側から順に並んだ、正の屈折力を持つ第1レンズ群G1と、負の屈折力を持つ第2レンズ群G2と、正の屈折力を持つ第3レンズ群G3と、正の屈折力を持つ第4レンズ群G4とから構成される。
【0084】
第1レンズ群G1は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL11と両凸形状の正レンズL12との接合レンズから構成される。正レンズL12の像側レンズ面は、非球面である。
【0085】
第2レンズ群G2は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、両凹形状の負レンズL21と、両凹形状の負レンズL22と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL23とから構成される。負レンズL21の像側レンズ面は、非球面である。
【0086】
第3レンズ群G3は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、両凸形状の正レンズL31と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL32と物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL33との接合レンズとから構成される。正レンズL31の両面は、非球面である。
【0087】
第4レンズ群G4は、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL41から構成される。正メニスカスレンズL41の像側レンズ面は、非球面である。
【0088】
本実施例では、光量を調節することを目的とした開口絞りSが、第3レンズ群G3の最も物体側に位置する正レンズL31より、物体側に配置されている。
【0089】
また、フィルタ群FLが、第4レンズ群G4と像面Iとの間に配置されている。フィルタ群FLは、像面Iに配設されるCCD等、固体撮像素子の限界解像以上の空間周波数をカットするためのローパスフィルターや赤外カットフィルター等で構成されている。
【0090】
本実施例に係るズームレンズZL1は、広角端状態から望遠端状態への変倍に際し、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間隔が増加し、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間隔が減少し、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との間隔が増加するように、各レンズ群が移動する。また、前記変倍に際し、開口絞りSは、第3レンズ群G3と一体となって移動する。
【0091】
本実施例に係るズームレンズZL1は、無限遠物体から有限距離物体へのフォーカシングを、第4レンズ群G4を光軸に沿って移動させることによって行う。
【0092】
下記の表1に、第1実施例における各諸元の値を示す。表1における面番号1〜21が、
図1に示すm1〜m21の各光学面に対応している。
【0093】
(表1)
[レンズ諸元]
面番号 R D nd νd
物面 ∞
1 15.0662 0.5000 2.000690 25.46
2 11.5524 3.3000 1.618810 63.86
3* -740.1283 D3(可変)
4 -796.5513 0.4000 1.851350 40.10
5* 5.1061 2.2500
6 -93.1916 0.4000 1.883000 40.66
7 10.5842 0.3000
8 8.3583 1.2500 1.945950 17.98
9 30.7068 D9(可変)
10(絞りS) ∞ 0.2500
11* 4.8185 1.7000 1.593190 59.44
12* -13.4332 0.2000
13 3.9892 1.1000 1.677900 67.90
14 11.0682 0.3000 2.000690 29.14
15 3.0638 D15(可変)
16 8.9287 1.7000 1.531530 55.95
17* 28.7296 D17(可変)
18 ∞ 0.2100 1.516800 63.88
19 ∞ 0.3900
20 ∞ 0.5000 1.516800 63.88
21 ∞ 0.6000
像面 ∞
[非球面データ]
面番号 κ A4 A6 A8 A10
3 1.0000 1.14795E-05 -9.86591E-09 0.00000E+00 0.00000E+00
5 0.9657 0.00000E+00 1.73093E-05 -2.56753E-07 7.39764E-09
11 0.0130 1.77585E-05 0.00000E+00 0.00000E+00 0.00000E+00
12 1.0000 4.07219E-04 0.00000E+00 0.00000E+00 0.00000E+00
17 1.0000 1.67439E-04 8.86060E-01 8.92770E-08 0.00000E+00
[全体諸元]
ズーム比 11.29
広角端 中間焦点 望遠端
f 4.64 23.70 52.39
FNo 3.51 5.55 6.45
ω 42.96 9.58 4.29
Y 3.50 4.05 4.05
Bf 5.50957 12.49373 4.00470
Bf(空気換算) 5.26766 11.95182 3.76279
TL 34.9700 42.6037 49.6713
[ズーミングデータ]
可変間隔 広角端 中間焦点 望遠端
f 4.6402 23.6956 52.3902
D3 0.3916 10.6000 15.9000
D9 12.0396 2.0000 0.2959
D15 3.3792 4.1600 15.8208
D17 3.8096 10.4937 2.3047
[ズームレンズ群データ]
群番号 群初面 群焦点距離 レンズ構成長
G1 1 28.83812 3.80
G2 4 -5.63224 4.60
G3 11 8.91180 3.30
G4 16 23.66763 1.70
[条件式]
条件式(1)TLt/(fw*ft)
1/2 = 3.1857
条件式(2)−f2b/(fw*ft)
1/2 = 0.6891
条件式(3)f1/ft = 0.5504
条件式(4)f1/(−f2) = 5.1202
条件式(5)Nd = 2.001000
条件式(6)(R42+R41)/(R42−R41) = 1.9019
条件式(7)f3/f4 = 0.3765
【0094】
表1から、本実施例に係るズームレンズZL1は、条件式(1)〜(7)を満たすことが分かる。
【0095】
図2は、第1実施例に係るズームレンズZL1の諸収差図(球面収差図、非点収差図、歪曲収差図、コマ収差図及び倍率色収差図)であり、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態における無限遠物体合焦時の諸収差図である。
【0096】
各収差図において、FNOはFナンバー、Aは各像高に対する半画角(単位:°)を示す。dはd線、gはg線、CはC線、FはF線における収差を示す。また、記載のないものは、d線における収差を示す。非点収差図において、実線はサジタル像面、破線はメリディオナル像面を示す。なお、後述する各実施例の収差図においても、本実施例と同様の符号を用いる。
【0097】
図2に示す各収差図から明らかなように、第1実施例に係るズームレンズZL1は、広角端状態から望遠端状態までの各焦点距離状態において諸収差が良好に補正され、優れた光学性能を有することが分かる。
【0098】
(第2実施例)
第2実施例について、
図3,
図4及び表2を用いて説明する。第2実施例に係るズームレンズZL(ZL2)は、
図3に示すように、光軸に沿って物体側から順に並んだ、正の屈折力を持つ第1レンズ群G1と、負の屈折力を持つ第2レンズ群G2と、正の屈折力を持つ第3レンズ群G3と、正の屈折力を持つ第4レンズ群G4とから構成される。
【0099】
第1レンズ群G1は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL11と両凸形状の正レンズL12との接合レンズから構成される。正レンズL12の像側レンズ面は、非球面である。
【0100】
第2レンズ群G2は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、両凹形状の負レンズL21と、両凹形状の負レンズL22と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL23とから構成される。負レンズL22の両面は、非球面である。
【0101】
第3レンズ群G3は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、両凸形状の正レンズL31と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL32と物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL33との接合レンズとから構成される。正レンズL31の両面は、非球面である。
【0102】
第4レンズ群G4は、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL41から構成される。正メニスカスレンズL41の物体側レンズ面は、非球面である。
【0103】
本実施例では、光量を調節することを目的とした開口絞りSが、第3レンズ群G3の最も物体側に位置する正レンズL31より、物体側に配置されている。
【0104】
また、フィルタ群FLが、第4レンズ群G4と像面Iとの間に配置されている。フィルタ群FLは、像面Iに配設されるCCD等、固体撮像素子の限界解像以上の空間周波数をカットするためのローパスフィルターや赤外カットフィルター等で構成されている。
【0105】
本実施例に係るズームレンズZL2は、広角端状態から望遠端状態への変倍に際し、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間隔が増加し、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間隔が減少し、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との間隔が増加するように、各レンズ群が移動する。また、前記変倍に際し、開口絞りSは、第3レンズ群G3と一体となって移動する。
【0106】
本実施例に係るズームレンズZL2は、無限遠物体から有限距離物体へのフォーカシングを、第4レンズ群G4を光軸に沿って移動させることによって行う。
【0107】
下記の表2に、第2実施例における各諸元の値を示す。表2における面番号1〜21が、
図3に示すm1〜m21の各光学面に対応している。
【0108】
(表2)
[レンズ諸元]
面番号 R D nd νd
物面 ∞
1 15.8948 0.5000 1.846660 23.80
2 12.3720 3.3000 1.592520 67.86
3* -243.0567 D3(可変)
4 -74.5845 0.4000 1.883000 40.66
5 6.1762 1.9000
6* -17.7965 0.6000 1.531100 55.91
7* 8.4247 0.3000
8 7.7131 1.1500 1.945950 17.98
9 17.3242 D9(可変)
10(絞りS) ∞ 0.2500
11* 5.3279 1.7000 1.589130 61.24
12* -11.5395 0.2000
13 3.8789 1.1000 1.568830 56.00
14 16.5298 0.3000 2.001000 29.14
15 3.3083 D15(可変)
16* 9.2913 1.7500 1.531100 55.91
17 67.0004 D17(可変)
18 ∞ 0.2100 1.516800 63.88
19 ∞ 0.3900
20 ∞ 0.5000 1.516800 63.88
21 ∞ 0.6000
像面 ∞
[非球面データ]
面番号 κ A4 A6 A8 A10
3 1.0000 1.38077E-05 -1.27084E-08 0.00000E+00 0.00000E+00
6 1.0000 -1.42340E-03 1.07169E-04 -1.91048E-06 0.00000E+00
7 1.0000 -1.09820E-03 1.41958E-04 -2.83155E-06 0.00000E+00
11 -0.7203 5.27733E-04 0.00000E+00 0.00000E+00 0.00000E+00
12 1.0000 4.55539E-04 0.00000E+00 0.00000E+00 0.00000E+00
16 1.0000 -4.64422E-05 2.29199E-06 2.77043E-09 0.00000E+00
[全体諸元]
ズーム比 11.29
広角端 中間焦点 望遠端
f 4.64 23.70 52.39
FNo 3.48 5.11 6.25
ω 42.26 9.74 4.36
Y 3.15 4.05 4.05
Bf 4.95580 11.34227 5.42880
Bf(空気換算) 4.71390 11.10036 5.18690
TL 35.1430 43.0875 50.7915
[ズーミングデータ]
可変間隔 広角端 中間焦点 望遠端
f 4.6350 23.7000 52.3863
D3 0.4000 11.1982 15.6478
D9 11.8494 2.0994 0.3004
D15 4.4878 4.9976 15.9645
D17 3.2558 9.6423 3.7288
[ズームレンズ群データ]
群番号 群初面 群焦点距離 レンズ構成長
G1 1 28.36324 3.80
G2 4 -5.41785 4.35
G3 11 8.84779 3.30
G4 16 20.09955 1.75
[条件式]
条件式(1)TLt/(fw*ft)
1/2 = 3.2595
条件式(2)−f2b/(fw*ft)
1/2 = 0.6855
条件式(3)f1/ft = 0.5414
条件式(4)f1/(−f2) = 5.2351
条件式(5)Nd = 2.001000
条件式(6)(R42+R41)/(R42−R41) = 1.3220
条件式(7)f3/f4 = 0.4402
【0109】
表2から、本実施例に係るズームレンズZL2は、条件式(1)〜(7)を満たすことが分かる。
【0110】
図4は、第2実施例に係るズームレンズZL2の諸収差図(球面収差図、非点収差図、歪曲収差図、コマ収差図及び倍率色収差図)であり、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態における無限遠物体合焦時の諸収差図である。
【0111】
図4に示す各収差図から明らかなように、第2実施例に係るズームレンズZL2は、広角端状態から望遠端状態までの各焦点距離状態において諸収差が良好に補正され、優れた光学性能を有することが分かる。
【0112】
(第3実施例)
第3実施例について、
図5,
図6及び表3を用いて説明する。第3実施例に係るズームレンズZL(ZL3)は、
図5に示すように、光軸に沿って物体側から順に並んだ、正の屈折力を持つ第1レンズ群G1と、負の屈折力を持つ第2レンズ群G2と、正の屈折力を持つ第3レンズ群G3と、正の屈折力を持つ第4レンズ群G4とから構成される。
【0113】
第1レンズ群G1は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL11と両凸形状の正レンズL12との接合レンズから構成される。正レンズL12の像側レンズ面は、非球面である。
【0114】
第2レンズ群G2は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、両凹形状の負レンズL21と、両凹形状の負レンズL22と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL23とから構成される。負レンズL22の両面は、非球面である。
【0115】
第3レンズ群G3は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、両凸形状の正レンズL31と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL32と物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL33との接合レンズとから構成される。正レンズL31の両面は、非球面である。
【0116】
第4レンズ群G4は、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL41から構成される。正メニスカスレンズL41の物体側レンズ面は、非球面である。
【0117】
本実施例では、光量を調節することを目的とした開口絞りSが、第3レンズ群G3の最も物体側に位置する正レンズL31より、物体側に配置されている。
【0118】
また、フィルタ群FLが、第4レンズ群G4と像面Iとの間に配置されている。フィルタ群FLは、像面Iに配設されるCCD等、固体撮像素子の限界解像以上の空間周波数をカットするためのローパスフィルターや赤外カットフィルター等で構成されている。
【0119】
本実施例に係るズームレンズZL3は、広角端状態から望遠端状態への変倍に際し、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間隔が増加し、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間隔が減少し、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との間隔が増加するように、各レンズ群が移動する。また、前記変倍に際し、開口絞りSは、第3レンズ群G3と一体となって移動する。
【0120】
本実施例に係るズームレンズZL3は、無限遠物体から有限距離物体へのフォーカシングを、第4レンズ群G4を光軸に沿って移動させることによって行う。
【0121】
下記の表3に、第3実施例における各諸元の値を示す。表3における面番号1〜21が、
図5に示すm1〜m21の各光学面に対応している。
【0122】
(表3)
[レンズ諸元]
面番号 R D nd νd
物面 ∞
1 17.7326 0.5000 1.846660 23.78
2 13.3470 3.4000 1.592010 67.05
3* -110.8383 D3(可変)
4 -105.5549 0.4000 1.883000 40.80
5 6.1013 2.0000
6* -20.8684 0.6000 1.531100 55.91
7* 8.0283 0.2000
8 7.2498 1.2000 1.945950 17.98
9 15.6043 D9(可変)
10(絞りS) ∞ -0.2500
11* 4.6510 1.7000 1.583320 59.28
12* -10.1220 0.1000
13 5.6957 1.2000 1.593190 67.90
14 9.5626 0.3000 2.000690 25.46
15 3.4990 D15(可変)
16* 9.1074 1.7000 1.531100 55.91
17 37.4766 D17(可変)
18 ∞ 0.2100 1.516800 63.88
19 ∞ 0.2800
20 ∞ 0.5000 1.516800 63.88
21 ∞ 0.6000
像面 ∞
[非球面データ]
面番号 κ A4 A6 A8 A10
3 1.0000 1.29175E-05 -1.59138E-08 0.00000E+00 0.00000E+00
6 1.0000 -2.68748E-03 2.39176E-04 -6.12069E-06 0.00000E+00
7 -9.1589 0.00000E-03 1.94240E-04 -4.99263E-06 0.00000E+00
11 -0.8139 4.77568E-04 0.00000E+00 0.00000E+00 0.00000E+00
12 1.0000 5.18766E-04 0.00000E+00 0.00000E+00 0.00000E+00
16 1.0000 7.19064E-05 9.84249E-07 7.85238E-09 0.00000E+00
[全体諸元]
ズーム比 11.34
広角端 中間焦点 望遠端
f 4.62 26.00 52.40
FNo 3.42 5.55 6.54
ω 42.25 8.94 4.31
Y 3.25 4.00 4.05
Bf 4.40403 8.19505 4.13603
Bf(空気換算) 4.16212 7.95314 3.89413
TL 35.1430 43.0875 50.7915
[ズーミングデータ]
可変間隔 広角端 中間焦点 望遠端
f 4.6161 23.0029 52.3960
D3 0.3966 12.2757 16.2054
D9 12.1178 2.8792 0.8025
D15 4.6870 10.2931 16.6618
D17 2.8880 6.6773 2.5943
[ズームレンズ群データ]
群番号 群初面 群焦点距離 レンズ構成長
G1 1 29.53701 3.90
G2 4 -5.52404 4.40
G3 11 8.47073 3.30
G4 16 22.19207 1.70
[条件式]
条件式(1)TLt/(fw*ft)
1/2 = 3.2700
条件式(2)−f2b/(fw*ft)
1/2 = 0.6969
条件式(3)f1/ft = 0.5637
条件式(4)f1/(−f2) = 5.3470
条件式(5)Nd = 2.000690
条件式(6)(R42+R41)/(R42−R41) = 1.6421
条件式(7)f3/f4 = 0.3817
【0123】
表3から、本実施例に係るズームレンズZL3は、条件式(1)〜(7)を満たすことが分かる。
【0124】
図6は、第3実施例に係るズームレンズZL3の諸収差図(球面収差図、非点収差図、歪曲収差図、コマ収差図及び倍率色収差図)であり、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態における無限遠物体合焦時の諸収差図である。
【0125】
図6に示す各収差図から明らかなように、第3実施例に係るズームレンズZL3は、広角端状態から望遠端状態までの各焦点距離状態において諸収差が良好に補正され、優れた光学性能を有することが分かる。
【0126】
上記の各実施例によれば、高変倍比でありながら、小型で、優れた光学性能を有するズームレンズを実現することができる。
【0127】
ここまで本発明を分かりやすくするために、実施形態の構成要件を付して説明したが、本発明がこれに限定されるものではないことは言うまでもない。
【0128】
上記実施例では、4群構成を示したが、5群、6群等の他の群構成にも適用可能である。また、最も物体側にレンズまたはレンズ群を追加した構成や、最も像側にレンズまたはレンズ群を追加した構成でも構わない。また、レンズ群とは、変倍時に変化する空気間隔で分離された、少なくとも1枚のレンズを有する部分を示す。
【0129】
例えば、単独または複数のレンズ群、または部分レンズ群を光軸方向に移動させて、無限遠物体から近距離物体への合焦を行う合焦レンズ群としてもよい。この合焦レンズ群は、オートフォーカスにも適用することができ、オートフォーカス用の(超音波モーター等を用いた)モーター駆動にも適している。上記の各実施例では、第4レンズ群G4全体を合焦レンズ群としたが、第4レンズ群G4の部分群を合焦レンズ群としてもよい。
【0130】
また、レンズ群または部分レンズ群を光軸に垂直な方向の成分を持つように移動させるか、或いは光軸を含む面内方向に回転移動(揺動)させて、手ブレによって生じる像ブレを補正する防振レンズ群としてもよい。上記の各実施例では、第3レンズ群G3全体を防振レンズ群としたが、第3レンズ群G3の部分群を防振レンズ群としてもよい。
【0131】
レンズ面は、球面または平面で形成されても、非球面で形成されても構わない。レンズ面が球面または平面の場合、レンズ加工および組立調整が容易になり、加工および組立調整の誤差による光学性能の劣化を防げるので好ましい。また、像面がずれた場合でも描写性能の劣化が少ないので好ましい。レンズ面が非球面の場合、非球面は、研削加工による非球面、ガラスを型で非球面形状に形成したガラスモールド非球面、ガラスの表面に樹脂を非球面形状に形成した複合型非球面のいずれの非球面でも構わない。また、レンズ面は回折面としてもよく、レンズを屈折率分布型レンズ(GRINレンズ)あるいはプラスチックレンズとしてもよい。
【0132】
開口絞りは第3レンズ群近傍に配置されるのが好ましいが、開口絞りとしての部
材を設けずに、レンズの枠でその役割を代用してもよい。
【0133】
各レンズ面には、フレアやゴーストを軽減し高コントラストの高い光学性能を達
成するために、広い波長域で高い透過率を有する反射防止膜を施してもよい。