(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ホイール基板は、前記回転軸の先端を、固定部材により前記出射面と同一平面または前記出射面より前記入射面側に凹んだ状態として取り付けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光源装置。
前記ホイール基板は、前記蛍光領域と前記半導体レーザ装置からの出射光を通過させる通過領域とが、当該ホイール基板の周方向に並んで設けられていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の光源装置。
前記ホイール基板の入射面側に、前記半導体レーザ装置からの出射光を前記ホイール基板へ照射する照射光学系を備えることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の光源装置。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[第一実施形態]
以下、本発明の第一実施形態に係る光源装置について、図面を参照しながら説明する。以下の説明で参照する図面は、本発明を概略的に示したものであるため、部材のスケールや位置関係などが誇張、あるいは部材の一部が省略されている場合がある。また、以下の説明では、同一の名称および符号については原則として同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。
【0016】
以下、本発明の第一実施形態に係る光源装置1の構成について
図1,2を参照しながら説明する。
光源装置1は、
図1に示すように、半導体レーザ装置11と、コリメートレンズ12と、照射光学系13と、ホイール基板14と、モータ15と、集光光学系16と、を備える構成とした。
【0017】
半導体レーザ装置11は、ここでは、それぞれ400nmから480nmの波長帯の青色レーザ光を出射する3つの半導体レーザ装置111,112,113により構成されている。なお、以下の説明で前方(前側)、後方(後側)というときは、半導体レーザ装置11からの出射光の進行方向を基準とするものとする。
【0018】
コリメートレンズ12は、半導体レーザ装置11の前方に配置され、半導体レーザ装置11から出射される発散光を平行光として出射するものである。コリメートレンズ12は、半導体レーザ装置11の数に対応する数だけ設けられる。コリメートレンズ12は、ここでは半導体レーザ装置111,112,113のそれぞれに対応するコリメートレンズ121,122,123により構成されている。コリメートレンズ121は、半導体レーザ装置111から出射される青色光の基準軸を光軸として配置されている。コリメートレンズ122は、半導体レーザ装置112から出射される青色光の基準軸を光軸として配置されている。コリメートレンズ123は、半導体レーザ装置113から出射される青色光の基準軸を光軸として配置されている。なお、以下の図面では、コリメートレンズ12から出射された平行光の光軸を一点鎖線で示している。
【0019】
照射光学系13は、コリメートレンズ121,122,123の前方に配置され、コリメートレンズ121,122,123から出射された平行光を、ホイール基板14の光入射面に集光して照射するものである。照射光学系13は、1つ以上のレンズで構成されている。ここでは、
図1に示すように、照射光学系13は、1つの両凸レンズ131と、2つの平凸レンズ132,133とにより構成されており、光の進行方向に沿って、両凸レンズ131、平凸レンズ132、平凸レンズ133の順で配置されている。
【0020】
両凸レンズ131は、全てのコリメートレンズ121,122,123からの出射光を全て取り込むことができる大きさ(有効口径)で形成され、全ての出射光を両凸レンズ131の光軸に近づける。平凸レンズ132は、両凸レンズ131を通過した光をさらに平凸レンズ132の光軸に近づける。平凸レンズ133は、平凸レンズ132を通過した光をホイール基板14に照射する。また、平凸レンズ133の直径は、近傍に配置されたモータ15と干渉しない大きさで形成される。
【0021】
ホイール基板14は、
図1(b)に示すように、例えば石英やガラス等の透明な材料で形成された円板状部材であり、
図1(b)に示すように、照射光学系13に対し反対側の表面に、周方向に沿って、赤色蛍光体領域141と、緑色蛍光体領域142と、透過領域(通過領域)143との3つの領域が設けられている。ホイール基板14は、中心に、モータ15の回転軸15bを挿通させるための挿入孔144が設けられている。また、赤色蛍光体領域141と、緑色蛍光体領域142と、透過領域143とは、ホイール基板14の中心よりも周方向外側の領域に設けられている。また、ここでは赤色蛍光体領域、緑色蛍光体領域として説明するが、これら蛍光体が敷設された領域を総称して蛍光領域と称することがある。
【0022】
赤色蛍光体領域141は、半導体レーザ装置11から出射され、照射光学系13により集光照射された青色光によって励起されて、赤色光を出射する蛍光体が敷設された領域である。緑色蛍光体領域142は、半導体レーザ装置11から出射され、照射光学系13により集光照射された青色光によって励起されて、緑色光を出射する蛍光体が敷設された領域である。透過領域143は、ここでは、ホイール基板14を所定量切り欠いた空間として構成されており、半導体レーザ装置11から出射され、照射光学系13により集光照射された青色光を透過させる領域である。
【0023】
ホイール基板14は、ここでは、
図1(b)に示すように、赤色蛍光体領域141と、緑色蛍光体領域142とが略同じ表面積を有しており、かつ、透過領域143よりも広い表面積を有しているが、各領域の範囲は適宜変更することができる。また、ここでは、ホイール基板14の赤色蛍光体領域141に敷設された赤色蛍光体と、緑色蛍光体領域142に敷設された緑色蛍光体とは、同じ厚さを有している。
【0024】
ここで、ホイール基板14の光入射面とは、ホイール基板14において、照射光学系13における平凸レンズ133の出射面と対向する面のことである。ホイール基板14の光出射面とは、ホイール基板14において、赤色蛍光体領域141の光出射側の表面、緑色蛍光体領域142の光出射側の表面および透過領域143の光出射側の表面のことである。なお、透過領域143は、ホイール基板14の板面を所定量切り欠いて形成された空間であるため、透過領域143の光出射側の表面は、赤色蛍光体領域141および緑色蛍光体領域142の光出射側の表面よりも後側に位置する。以下で、ホイール基板14の光出射面というときは、赤色蛍光体領域141および緑色蛍光体領域142の光出射側の表面の位置を指すものとする。
【0025】
モータ15は、
図1(a)および
図2(a)に示すように、モータ本体15aと、モータ本体15aの中心から突出する回転軸15bとを備えている。このモータ15は、ホイール基板14の入射面側に配置され、ホイール基板14の中心を回転軸15bで支持して回転駆動する。
モータ本体15aは、回転軸15bを駆動させるための動力を発生させて回転軸15bに供給するものである。回転軸15bは、モータ本体15aの中心から突出しており、先端部分にホイール基板14を固定した状態でモータ本体15aから供給された動力により自転することでホイール基板14を周方向に回転させるものである。モータ15は、ホイール基板14に対して半導体レーザ装置11側に配置される。
【0026】
ここで、モータ15の回転軸15bにホイール基板14を固定する方法について説明する。
回転軸15bは、
図2(b),(d)に示すように、ホイール基板14の光入射面側から挿入孔144に挿通され、ホイール基板14の光出射面側から突出した先端部分に固定部材17が装着されることで、ホイール基板14を固定する。固定部材17としては、例えば
図2(b)に示す留め具17aや、
図2(d)に示す接着剤17b等が挙げられる。なお、
図1(a)および
図2(a)では、固定部材17を
図2(b)に示す留め具17aとした例を示した。
【0027】
図2(a),(b)に示す留め具17aは、例えば金属や樹脂で形成されており、回転軸15bよりも直径が大きい厚肉の円板状部材である。留め具17aは、一面側の中央に、回転軸15bの直径と略同等の直径を有する平面視円形状の凹部を有している。この留め具17aの凹部を、ホイール基板14の光出射面側から回転軸15bの先端部分に嵌合することで、ホイール基板14を回転軸15bから抜けないように固定する。例えば、回転軸15bの先端部分と、留め具17aの凹部の内壁とにそれぞれねじ溝を形成しておき、回転軸15bの先端部分のねじ溝に、留め具17aの凹部のねじ溝を噛み合わせて固定してもよい。
【0028】
また、
図2(c),(d)に、固定部材17を接着剤とした場合の例を示した。
図2(d)に示すように、固定部材17を接着剤17bとする場合、ホイール基板14の光出射面側から突出した回転軸15bの先端部分とその周囲のホイール基板14の表面とに亘って接着剤17bを塗布して硬化させる。これにより、ホイール基板14を回転軸15bから抜けないように固定する。
【0029】
回転軸15bは、先端部分にホイール基板14を固定した状態で、モータ本体15aとホイール基板14とが当接しない長さとなっている。ここでの長さとは、モータ本体15aからの突出長さのことである。つまり、回転軸15bの先端部分にホイール基板14を固定した状態で、モータ本体15aとホイール基板14の光入射面との間には、適度な隙間が形成されている。これにより、ホイール基板14とモータ本体15aとの干渉を防ぐことができ、ホイール基板14の回転動作がモータ本体15aによって妨げられないようにすることができる。
【0030】
集光光学系16は、ホイール基板14の光出射面から出射された拡散光(蛍光)を集光するものである。集光光学系16は、複数のレンズで構成されている。ここでは、
図1(a)に示すように、集光光学系16を2つの平凸レンズ161,162で構成した。平凸レンズ161,162は、ホイール基板14からの蛍光の基準軸を光軸として、光の進行方向に沿って平凸レンズ161、平凸レンズ162の順で配置されている。なお、ホイール基板14からの蛍光の基準軸は、半導体レーザ装置11からの出射光の基準軸と一致している。また、平凸レンズ161,162は、平面側を光入射側(ホイール基板14側)に向け、凸面側を集光側に向けて配置されている。
【0031】
平凸レンズ161は、ホイール基板14の光出射面から出射された光を取り込んで、平凸レンズ162に出射するものである。平凸レンズ162は、平凸レンズ161からの出射光を入射して平凸レンズ161の光軸に近づけ、合波光(図示せず)に出射するものである。
【0032】
ここで、ホイール基板14の光出射面に最も近い側に配置される平凸レンズ161は、ホイール基板14の光出射面側から見たときに、ホイール基板14の中心を覆う大きさ(直径)で形成されている。つまり、ホイール基板14の光出射面側から見ると、その中心は、平凸レンズ161によって隠れることとなる。
なお、集光光学系16を2つ以上のレンズで構成する場合、ホイール基板14の光出射面に最も近い側に配置されるレンズを、ホイール基板14の中心を覆う大きさで形成することとする。
【0033】
このように、集光光学系16を構成するレンズのうち、ホイール基板14の光出射面に最も近い側に配置される平凸レンズ161の直径を大きくすることで、光学的な有効範囲(光の取り込み面積)を広くすることができる。そのため、ホイール基板14の光出射面から出射された拡散光の上下左右方向の光線束を有効光として効率よく集光することができる。これにより、モータとの物理的な干渉がおきないように大きさを制限したレンズを用いた場合に比べて、拡散光の利用効率を向上させることができる。
【0034】
また、ホイール基板14に最も近い側に配置されるレンズ(ここでは平凸レンズ161)は、ホイール基板14の回転動作を妨げない範囲で、できる限りホイール基板14の光出射面側に近接させて配置することが好ましい。これにより、ホイール基板14の光出射面側から出射された拡散光を、さらに効率よく集光することができるので、有効光を増やすことができる。
【0035】
ここでは、
図2(b),(d)を参照して前記したように、ホイール基板14の光出射面側において、ホイール基板14の光出射面よりも固定部材または回転軸15bの先端部分の方が前側に突出している。そのため、固定部材または回転軸15bの先端部分と干渉しない範囲で平凸レンズ161をホイール基板14の光出射面にできる限り近接させて配置するとよい。
【0036】
このように構成された光源装置1の動作について、
図1,2を適宜参照しながら説明する。
光源装置1は、半導体レーザ装置111,112,113によって、青色レーザ光(青色光)を発生し、発生した青色光を対応するコリメートレンズ121,122,123に照射する。光源装置1は、コリメートレンズ121,122,123によって、対応する半導体レーザ装置111,112,113からの出射光を入射して平行光とし、照射光学系13に出射する。
【0037】
そして、光源装置1は、照射光学系13の両凸レンズ131、平凸レンズ132、平凸レンズ133によって、コリメートレンズ121,122,123から出射された平行光を集光し、ホイール基板14の光入射面に照射する。
【0038】
このとき、光源装置1は、モータ15のモータ本体15aで発生させた駆動力により、回転軸15bを介してホイール基板14を回転駆動させ、ホイール基板14の赤色蛍光体領域141、緑色蛍光体領域142または透過領域143のいずれかの光入射面を照射光学系13の光出射面に対向させる。つまり、ホイール基板14の赤色蛍光体領域141、緑色蛍光体領域142または透過領域143のいずれかの光入射面を、半導体レーザ装置11からの出射光の光軸上に位置させる。
【0039】
ホイール基板14は、赤色蛍光体領域141によって、半導体レーザ装置111,112,113から出射され、照射光学系13で集光照射された青色光を入射すると、入射した青色光によって励起されて赤色波長帯域の光を発生して光出射面から出射する。一方、ホイール基板14は、緑色蛍光体領域142によって、半導体レーザ装置111,112,113から出射され、照射光学系13で集光照射された青色光を入射すると、入射した青色光によって励起されて緑色波長帯域の光を発生して光出射面から出射する。また、ホイール基板14は、透過領域143によって、半導体レーザ装置111,112,113から出射され、照射光学系13で集光照射された青色光を入射すると、入射した青色光をそのまま透過させて光出射面から出射する。
【0040】
光源装置1は、集光光学系16の平凸レンズ161によって、ホイール基板14の光出射面から出射された光を入射して集光し、平凸レンズ162に出射する。光源装置1は、集光光学系16の平凸レンズ162によって、平凸レンズ161から出射された光を入射して集光し、合波系(図示せず)等に出射する。光源装置1は、以上のように動作する。
【0041】
以上説明した第一実施形態に係る光源装置1によれば、次のような優れた作用効果を奏する。
つまり、光源装置1によれば、モータ15をホイール基板14に対して半導体レーザ装置11側に配置しているので、モータ15の配置や大きさによって、集光光学系16を構成するレンズの大きさ(直径)が制限されない。
【0042】
そして、光源装置1によれば、集光光学系16を構成するレンズのうち、ホイール基板14の光出射面に最も近い側に配置される平凸レンズ161を、ホイール基板14の中心を覆う大きさで形成している。そのため、光源装置1は、ホイール基板14の光出射面から出射された拡散光を集光光学系16の平凸レンズ161によって、有効光として効率よく集光することができる。そのため、光源装置1によれば、光の利用効率を向上させることができる。
【0043】
このように、光源装置1によれば、ホイール基板14の光出射面に最も近い側に配置される平凸レンズ161の光の入射面を広くすることができる。よって、モータ本体15aと物理的な干渉がおきないよう直径を小さくしたレンズや、モータ本体15aと物理的な干渉が起きる部分を切除したレンズを用いた場合に比べて、ホイール基板14の直径を大きくすることなく蛍光を効率よく集光できるので、装置を小型化しつつ蛍光の利用効率を向上させることができる。
【0044】
さらに、光源装置1によれば、ホイール基板14の周方向に赤色蛍光体領域141と、緑色蛍光体領域142と、透過領域143とが並んで設けられている。そのため、モータ15によりホイール基板14を回転させて、半導体レーザ装置111,112,113からの出射光を入射させる領域を切り替えることで、時分割により、赤色、緑色、青色の蛍光を発生させることができる。
【0045】
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態に係る光源装置1Aについて、
図3を参照しながら説明する。
光源装置1Aは、
図3(a)に示すように、半導体レーザ装置11と、コリメートレンズ12と、照射光学系13と、ホイール基板14Aと、モータ15と、集光光学系16と、を備える構成とした。
図3(a)に示す光源装置1Aにおいて、ホイール基板14A以外の構成は、
図1(a)に示した光源装置1と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0046】
ホイール基板14Aは、
図3(b)に示すように、円板状部材であって、ホイール基板14Aの光出射面側において、ホイール基板14Aの中心から所定の半径内の領域を光入射面側に凹状に窪ませた平面視円形状の窪みが形成されている。ここでは、その平面視円形状の窪みを凹状部145と呼ぶ。所定の半径は、凹状部145が、ホイール基板14Aの表面において、赤色蛍光体領域141、緑色蛍光体領域142および透過領域143よりも内側の領域内に収まる範囲内で適宜設定することができる。
【0047】
ホイール基板14Aは、
図3(b)に示すように、中心(凹状部145の中心)に、モータ15の回転軸15bを、ホイール基板14Aの光入射面側から光出射面側に挿通するための挿入孔144が設けられている。以下では、
図3(b)に示すように、ホイール基板14Aの光出射面から凹状部145の表面までの深さ(距離)をWとして説明する。ここで、「ホイール基板の光出射面」とは、赤色蛍光体領域141に敷設された赤色蛍光体の表面(光出射面)、緑色蛍光体領域142に敷設された緑色蛍光体の表面、および、透過領域143に拡散板が敷設されている場合には拡散板の表面が該当する。
【0048】
ここで、
図3(c)に、
図3(a)に示すモータ15およびホイール基板14AのC−C線断面図を示した。
図3(c)に示すように、モータ15の回転軸15bにホイール基板14Aが固定された状態で、ホイール基板14Aの光出射面が最表面となっている。
最表面とは、モータ15の回転軸15bにホイール基板14Aが固定された状態で、ホイール基板14Aの光出射面側で最も光の進行方向前側に位置する面のことである。
ここでは、モータ15の回転軸15bにホイール基板14Aが固定された状態で、回転軸15bの先端に取り付けられた固定部材17(ここでは留め具17a)の先端面は、ホイール基板14Aの光出射面よりも後側に位置している。
【0049】
図3(c)に示すように、ホイール基板14Aは、凹状部145が形成された部分の板厚が、凹状部145の深さの分だけ、その周辺の他の部分の板厚よりも薄くなっている。そのため、ホイール基板14Aは、凹状部145の底面が、他の部分の表面よりも低い(下がった)位置となる。このようにして形成された凹状部145内に固定部材(留め具17a)を配置すると、凹状部145の深さによって、留め具17aの高さが吸収されることになる。そのため、
図3(c)に示すように、モータ15の回転軸15bにホイール基板14Aが固定された状態で、留め具17aの先端面が、ホイール基板14Aの光出射面よりも後側に位置することとなる。
【0050】
図3(c)に示すように、凹状部145の底面から留め具17aの先端面までの高さは、凹状部145の底面からホイール基板14Aの光出射面までの高さに比べて、Δ分だけ低くなっている。ホイール基板14Aの光出射面から凹状部145の底面までの深さWは、ホイール基板14Aを固定部材によりモータ15の回転軸15bに固定した状態で、ホイール基板14Aの光出射面が最表面となる値に設定する。なお、
図3(c)では、固定部材を留め具17aとした例を示したが、固定部材を
図2(c)に示したような接着剤とした場合も、同様にホイール基板14Aの光出射面が最表面となるように深さWを設定する。
【0051】
このように、ホイール基板14Aの光出射面よりも固定部材(ここでは留め具17a)の表面が光の進行方向後側に位置しているので、集光光学系16のレンズをホイール基板14Aの光出射面により近接させて配置することができる。
そして、集光光学系16を構成するレンズを、ホイール基板14Aの光出射面に近接させて配置したとしても固定部材と干渉しないため、ホイール基板14Aの回転動作が妨げられることはない。
【0052】
集光光学系16を構成する複数のレンズのうち、ホイール基板14Aの光出射面に最も近い側に配置されるレンズの入射面と、ホイール基板14Aにおける光出射面との間隔が2mm以下になるように集光光学系16を配置することが好ましい。ここでは、集光光学系16を構成するレンズのうち、ホイール基板14Aの光出射面に最も近い側に配置されるレンズは平凸レンズ161となる。
【0053】
このようにすると、平凸レンズ161によって拡散光を効率よく集光することができるので、有効光を増やすことができる。また、モータ15のモータ本体15aで発生した振動が回転軸15bを介して伝えられることによって、ホイール基板14Aの回転に光軸方向の揺れが加わったとしても、ホイール基板14Aと平凸レンズ161とが干渉しないようにすることができる。
【0054】
このような光源装置1Aは、第一実施形態で説明した光源装置1と同様に動作する。
第二実施形態に係る光源装置1Aによれば、第一実施形態で説明した光源装置1の作用効果に加え、以下のような優れた作用効果を奏する。
光源装置1Aは、ホイール基板14Aが、凹状部145を備えているため、ホイール基板14Aをモータ15の回転軸15bに固定した状態で、回転軸15bの先端を出射面と同一平面または出射面より入射面側に凹んだ状態とすることができ、ひいてはホイール基板14の光出射面が最表面となる。これにより、光源装置1Aは、集光光学系16を構成するレンズ(平凸レンズ161)をホイール基板14Aの光出射面に、より近接させて配置することができる。
そして、光源装置1Aによれば、ホイール基板14Aの光出射面に最も近い位置に配置された平凸レンズ161によって、ホイール基板14Aの光出射面から出射された拡散光を効率よく集光することができるので、有効光をさらに増やすことができる。したがって、光源装置1Aによれば、光の利用効率をさらに向上させることができる。
【0055】
[変形例]
次に、第二実施形態に係る光源装置1Aのホイール基板14Aの変形例に係るホイール基板14Bを備える光源装置1Bについて、
図4を参照しながら説明する。
なお、
図4に示した光源装置1Bは、
図3に示した第二実施形態に係る光源装置1Aに対し、ホイール基板14Aに代えてホイール基板14Bを備える点のみが相違する。そのため、以下では、光源装置1Bのホイール基板14Bの構成のみを説明する。
【0056】
図3(b)に示した第二実施形態に係る光源装置1Aのホイール基板14Aは、均一な板厚を有する円板状部材の一面側(光出射面側)の中心部分を他面側(光入射面側)に所定量凹ませることにより、凹状部145が形成されている。このようにすると、
図3(b)に示すように、凹状部145の深さを確保するために、ホイール基板14Aにおいて、凹状部145の周辺部分、つまり、蛍光体領域および透過領域が形成される部分の板厚が大きくなる。例えば、ホイール基板14Aを石英等の透明な材料で形成したとしても、板厚が大きいと、照射光学系13から照射された光を多少吸収してしまうため、蛍光体領域および透過領域に入射される光の量が低減してしまうおそれがある。
【0057】
これに鑑み、
図4(b)に示すように、変形例に係る光源装置1Bのホイール基板14Bは、凹状部145の周辺部分の板厚を小さくしている。ここでは、
図4(b)に示すように、ホイール基板14Bの凹状部145の周辺部分の板面において、光入射面側を所定量削減することで、板厚を薄くしている。ホイール基板14Bにおける凹状部145の周辺の板厚は、適宜設定することができる。例えば、
図1に示したような全て均一な板厚で形成されたホイール基板14Aの板厚と同等としてもよい。
【0058】
ホイール基板14Bは、
図4(b)に示すように、凹状部145の周辺部分の光入射面側を所定量削減しているので、光出射面および凹状部145の底面の光の進行方向における位置は、
図3(b)に示したホイール基板14と変わらない。そのため、ホイール基板14Bの光出射面から凹状部145の底面までの深さWは、
図3(b)に示したホイール基板14Aと同様となる。
【0059】
以上説明した変形例に係る光源装置1Bによれば、ホイール基板14Bは、蛍光体領域および透過領域が設けられる部分の板厚が小さくなっているので、ホイール基板14Bによる光の吸収を抑制することができる。そのため、光源装置1Bによれば、ホイール基板14Bの蛍光体領域および透過領域に入射される光量が低減するのを防止することができる。
【0060】
[シミュレーション]
次に、
図5を参照して、光源装置において、ホイール基板の光出射面から出射された蛍光を1枚の平凸レンズ(集光レンズ)によって集光する場合のシミュレーションを行った。ここでは、平凸レンズのレンズ直径[mm]と、ホイール基板の光出射面と平凸レンズの第一面との距離[mm]を変化させた場合における、平凸レンズの光の取り込み効率[%]の変化をシミュレーションにより調べた。なお、平凸レンズにおいて、光の入射側の面を第一面とし、光の出射側の面を第二面とする。このシミュレーションでは、平凸レンズの平面を第一面としている。
【0061】
具体的には、シミュレーションにおいて、ホイール基板の光出射面と平凸レンズの第一面との距離を1〜3mmまで1mm間隔で変化させるとともに、平凸レンズの直径を10〜25mmまで5mm間隔で変化させた場合における平凸レンズの光の取り込み効率の変化を調べた。なお、ホイール基板の光出射面と平凸レンズの第一面との距離を1mmとした場合に限り、平凸レンズの直径を5mmとしたときの平凸レンズの光の取り込み効率についてもシミュレーションした。
【0062】
図5にシミュレーション結果のグラフを示した。
図5に示すグラフでは、縦軸に光の取り込み効率[%]をとり、横軸にレンズ直径[mm]をとった。
図5に示すように、平凸レンズの直径が大きくなるにつれて、また、ホイール基板の光出射面と平凸レンズの第一面との距離が近づくにつれて、光の取り込み効率が上昇する。
【0063】
まず、平凸レンズの直径に応じた光の取り込み効率の変化について説明する。例えば、
図5に示すグラフで、ホイール基板の光出射面と平凸レンズの第一面との距離が1mmであるときの、平凸レンズの直径に応じた光の取り込み効率の変化に着目する。
図5に示すように、光の取り込み効率は、平凸レンズの直径を5mmとした場合70%前後であるが、10mmとした場合90%程度まで上昇し、以降、15mm、20mm、25mmと変化させるにつれて、光の取り込み効率が上昇する。
【0064】
次に、ホイール基板の光出射面と平凸レンズの第一面との距離に応じた光の取り込み効率の変化について説明する。
図5に示すグラフにおいて、破線で示す3本の曲線は、上から順に距離を1mm、2mm、3mmとした場合のシミュレーション結果である。つまり、平凸レンズの直径によらず、距離を1mmとした場合が最も取り込み効率が高く、次いで、距離を2mmとした場合、距離を3mmとした場合の順で続いていることがわかる。特に距離を2mmとすることによって、レンズの直径が10mmと小さい場合でも、80%以上の光の取り込み効率を得ることができる。さらに距離を1mmとすることによって、レンズ直径が5mmから10mmにかけて急激に高い光の取り込み効率が得られ、レンズ直径が10mmと小さい場合でも、90%以上の光の取り込み効率をえることができる。
【0065】
例えば、
図5に示すグラフで、平凸レンズの直径が15mmであるときの、ホイール基板の光出射面と平凸レンズの第一面との距離に応じた光の取り込み効率の変化に着目する。
図5に示すように、光の取り込み効率は、距離を3mmとした場合80%未満であるが、距離を2mmとした場合ほぼ90%まで上昇し、さらに、距離を1mmとした場合95%以上まで上昇していることがわかる。
【0066】
以上のように、今回のシミュレーション条件の中で、ホイール基板の光出射面と平凸レンズの第一面との距離が最も近く、かつ、平凸レンズの直径が最も大きい場合に、光の取り込み効率が最も良好となることが確認できた。
したがって、前記した第一、第二実施形態に係る光源装置のように、ホイール基板の光出射面と平凸レンズの第一面(入射面)との距離をできる限り近づけ、かつ、平凸レンズの直径を大きくすることが可能な構成とすることで、光の利用効率を向上することができることが確認できた。
【0067】
[光学エンジン]
次に、本実施形態に係る光源装置を備える光学エンジンについて
図6を参照しながら説明する。ここでは、
図6に示すように、一例として、第一実施形態に係る光源装置1を備える光学エンジンOについて説明する。この光学エンジンOは、例えばプロジェクタの光学エンジンとして用いることができる。
【0068】
光学エンジンOは、
図6に示すように、
図1に示した光源装置1と、合波系20と、ミラー30と、光変調器40と、投射光学系50と、を備えて構成されている。
なお、以下の説明において前方、後方というときは、光源装置1の半導体レーザ装置11から出射された光の進行方向を基準としている。
以下、光学エンジンOの各構成要素について説明する。なお、光源装置1は、第一実施形態において説明したとおりであるので、ここでは説明を省略する。
【0069】
合波系20は、光源装置1の前方に配置されており、合波素子21と、合波素子21の前後に配置される集光光学系22とにより構成される。ここでは、集光光学系22を、合波素子21の前方に配置される両凸レンズ221と、合波素子21の後方に配置される両凸レンズ222とにより構成した。
【0070】
合波素子21は、光源装置1におけるホイール基板14の赤色蛍光体領域141と、緑色蛍光体領域142と、透過領域143の光出射面からそれぞれ出射され、集光光学系16で集光された光を入射して合波(光路合成・色合成)し、空間的に光強度を均一にするものであり、例えば、ロッドインテグレータやライトパイプ等が該当する。
【0071】
両凸レンズ221は、光源装置1の集光光学系16(平凸レンズ161,162)によって集光された光を入射し、ビーム径を縮小して合波素子21に出射するものである。両凸レンズ222は、合波素子21で合波された合波光を入射し、ビーム径を拡大してミラー30に出射するものである。
【0072】
ミラー30は、合波系20を構成する両凸レンズ222の前方に、反射面を光変調器40側に向けて配置されており、合波系20の両凸レンズ222から出射された合波光を全反射して光変調器40に出射するものである。ミラー30は、
図6に示した例では、合波系20の両凸レンズ222から入射した合波光の光軸を45度変換して光変調器40に出射している。
【0073】
光変調器40は、例えばマイクロミラーや液晶素子等の変調素子と表示制御部等を備えて構成されている。光変調器40は、変調素子によって、ミラー30からの出射光を入射し、表示制御部から供給される映像信号に基づいて変調しつつ反射(若しくは透過)させて映像光を出射するものである。
投射光学系50は、光変調器40から出射された映像光を入射して、この映像光を、例えば表示パネルやスクリーン等に投射(拡大投射)するものである。
【0074】
このような光学エンジンOの動作について、
図6を適宜参照して説明する。
光学エンジンOは、光源装置1の半導体レーザ装置111,112,113により青色光をそれぞれ発生させ、対応するコリメートレンズ121,122,123にそれぞれ出射する。光学エンジンOは、コリメートレンズ121,122,123によって、入射した青色光をそれぞれ平行光として、照射光学系13の両凸レンズ131にそれぞれ出射する。
【0075】
そして、光学エンジンOは、光源装置1の照射光学系13(両凸レンズ131、平凸レンズ132,133)によって、コリメートレンズ121,122,123からの平行光を集光してホイール基板14の光入射面に照射する。
【0076】
続いて、光学エンジンOは、光源装置1のモータ15によってホイール基板14を回転させ、半導体レーザ装置111,112,113から出射され、照射光学系13によって集光された青色光を赤色蛍光体領域141、緑色蛍光体領域142または透過領域143のいずれかに入射させる。
【0077】
光学エンジンOは、ホイール基板14の赤色蛍光体領域141によって、入射した青色光の波長を変換し、赤色光を出射する。同様に、ホイール基板14の緑色蛍光体領域142によって、入射した青色光の波長を変換し緑色光を出射する。また、ホイール基板14の透過領域143によって、入射した青色光をそのまま透過させて出射する。
【0078】
光学エンジンOは、光源装置1の集光光学系16(平凸レンズ161,162)によって、ホイール基板14の各領域から出射された赤色光と、緑色光と、青色光をそれぞれ入射し、ビーム径を拡大して合波系20に出射する。
【0079】
光学エンジンOは、合波系20の両凸レンズ221によって、赤色光、緑色光および青色光を合波素子21に出射する。光学エンジンOは、合波系20の合波素子21によって、赤色光、緑色光および青色光を合波して、空間的に光強度を均一にした合波光として出射する。そして、光学エンジンOは、合波系20の両凸レンズ222によって、合波素子21から出射された合波光をミラー30に出射する。
【0080】
光学エンジンOは、ミラー30によって、合波光を全反射して光変調器40に出射する。光学エンジンOは、光変調器40によって、ミラー30からの出射光を映像化して、映像光を投射光学系50に出射する。光学エンジンOは、投射光学系50によって、映像光を入射して図示しない表示装置等に投射する。
光学エンジンOは、以上のように動作する。
【0081】
このような光学エンジンOによれば、光を効率よく集光できる光源装置1を備えるので、投射光学系50から表示装置等に投射する光量を増やすことができる。そのため、投射光学系50から投射された光を入射した表示装置等によって、輝度の高い映像を表示することが可能となる。このように、光学エンジンOで扱う光量を増やすことができるので、光学エンジンOの性能を向上させることができる。
【0082】
なお、光学エンジンOは、ここでは、
図1に示した光源装置1を備えることとしたが、これに代えて、
図3に示した光源装置1Aまたは
図4に示した光源装置1Bを備えることとしてもよい。
また、光学エンジンOは、ここでは、ミラー30によって合波系20から出射された合波光を全反射して光変調器40に出射することとしたが、ミラー30を配置せず、合波光20から出射された合波光を、直接、光変調器40に出射してもよい。
【0083】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記した実施形態に限定されるものではない。
例えば、前記した実施形態では、ホイール基板は、赤色蛍光体領域と緑色蛍光体領域と透過領域の3つの領域を備えることとしたが、これに限られず、領域は4つ以上であってもよいし、1つまたは2つであってもよい。また、透過領域を青色蛍光体領域としてもよい。さらに蛍光領域は、出射光と異なる波長の光に変換する蛍光体が敷設された少なくとも1種類の蛍光領域を備えていればよい。さらに、透過領域は、ホイール基板の光出射面側に、入射された光を拡散する拡散板を敷設して構成してもよい。この拡散板は、ホイール基板の表面に光学処理を施すほか、光学物質である固体物を付着させることで形成することができる。また、さらに、赤色蛍光体、緑色蛍光体に代えて、他の波長帯の光を発する蛍光体を用いてもよい。
【0084】
さらに、前記した実施形態では、光源装置は、励起光源として、青色の蛍光を発生する半導体レーザ装置を3つ備えることとしたが、半導体レーザ装置11の数は特に限定されない。したがって、半導体レーザ装置の数は、4つ以上であってもよいし、1つまたは2つであってもよい。半導体レーザ装置を複数備えていると、ホイール基板に入射する光量を増やすことができるので、高輝度化を図ることができる。また、半導体レーザ装値として、青色以外の特定の波長の光を発生するものを用いてもよい。
また、さらに、前記した実施形態では、光源装置は、ホイール基板を円板状部材としたが、これに限られず、多角形状部材としてもよい。
【0085】
さらに、前記した実施形態では、照射光学系13、集光光学系16、集光光学系22を平凸レンズと両凸レンズで構成したが、各レンズの形状と配置、レンズの数は特に限定されない。したがって、照射光学系13、集光光学系16、集光光学系22は2つのレンズで構成してもよいし、1つのレンズで構成してもよい。レンズの形状は、メニスカスレンズでもよいし、平凹レンズ、両凹レンズでもよい。