(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
本願においては、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。以下の説明において、同一の名称、符号については同一又は同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。一実施例及び一実施形態において説明された内容は、他の実施例及び他の実施形態等に利用可能である。
【0014】
〔配光部材の製造方法〕
(a)第1遮光膜付部材の準備
まず、透光板の表面に第1遮光膜が被覆された、第1遮光膜付部材を複数準備する。
使用される透光板は、透光性を有する板状の部材である限り、柔軟性のあるもの、剛性のあるもののいずれを用いてもよい。ここで、透光性を有するとは、配光を意図する光、例えば、発光素子から出射される光の60%以上を透過するもの、さらに、70%以上、80%以上又は90%以上を透過するものが好ましい。
【0015】
このような透光板は、例えば、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、シリコーン変成樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、TPX樹脂、ポリノルボルネン樹脂又はこれらの樹脂を1種以上含むハイブリッド樹脂等の樹脂、ガラス等によって形成されているもの挙げられる。
【0016】
透光板は、透光性を有する限り、蛍光体及び充填剤等を含有していてもよい。
蛍光体は、当該分野で公知のものを使用することができる。例えば、セリウムで賦活されたイットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)系蛍光体、セリウムで賦活されたルテチウム・アルミニウム・ガーネット(LAG)、ユウロピウム及び/又はクロムで賦活された窒素含有アルミノ珪酸カルシウム(CaO−Al
2O
3−SiO
2)系蛍光体、ユウロピウムで賦活されたシリケート((Sr,Ba)
2SiO
4)系蛍光体、βサイアロン蛍光体、KSF系蛍光体(K
2SiF
6:Mn)などが挙げられる。上述した蛍光体を含有する場合には、これらは、透光板の全重量に対して、5〜50%程度で含有することが好ましい。
【0017】
充填材(例えば、拡散剤、着色剤等)としては、例えば、シリカ、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、珪酸カルシウム、酸化亜鉛、チタン酸バリウム、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化クロム、酸化マンガン、ガラス、カーボンブラック、蛍光体の結晶又は焼結体、蛍光体と無機物の結合材との焼結体等が挙げられる。
【0018】
透光板の厚み及び大きさは、特に限定されるものではなく、得ようとする配光部材の形態によって、適宜調整することができる。例えば、厚みは、発光装置の配光部材として使用する際の発光素子のサイズ及び/又は発光素子間の間隔に対応したものであり、発光素子の一辺と同等又はそれもよりも若干大きいことが好ましい。具体的には、100μm〜数mm程度が挙げられ、100〜1000μm程度が好ましく、100〜500μm程度がより好ましい。これにより、得られた配光部材を発光装置に利用する場合に、発光装置のより一層の小型化が可能となることに加え、より一層高い輝度が得られる。
透光板の形状は、特に限定されるものではないが、平面形状が、例えば、正方形又は長方形の四角形であることが好ましい。
【0019】
透光板の表面に形成する第1遮光膜は、薄膜状で、好ましくは発光素子からの光を80%以上遮光し得る材料によって形成することが好ましい。例えば、金、銀、銅、鉄、ニッケル、クロム、アルミニウム、チタン、タンタル、タングステン、シリコン、コバルト、ルテニウム、錫、亜鉛、鉛等の金属又はこれらの合金(例えば、Al合金としては、Alと、Cu、Ag、Pt等の白金族系の金属との合金)の単層又は多層構造膜、2種以上の誘電体を複数積層させた誘電体多層膜からなるDBR(distributed Bragg reflector:分布ブラッグ反射)膜等が挙げられる。
【0020】
DBR構造からなる膜(DBR膜)を構成する誘電体としては、例えば、Si、Ti、Zr、Nb、Ta、Alからなる群より選択された少なくとも一種の元素を含む酸化物又は窒化物が挙げられる。誘電体の多層構造膜では、通常、一方の誘電体の屈折率n1、他方の誘電体の屈折率n2、発光層から発光される光の波長をλとすると、一方の誘電体の厚みd1及び他方の誘電体の厚みd2は、
d1=λ/(4n1) (1)
d2=λ/(4n2) (2)
とすることが好ましい。
第1遮光膜の厚みは、特に限定されるものではなく、例えば、0.数〜数十μm程度が挙げられ、1〜十数μm程度が好ましく、1〜10μm程度がより好ましい。
【0021】
第1遮光膜は、例えば、真空蒸着法、イオンプレーティング法、イオン・ベーパー・デポジション(IVD)法、スパッタリング法、ECRスパッタリング法、プラズマ蒸着法、化学的気相成長(CVD)法、ECR−CVD法、ECR−プラズマCVD法、電子ビーム蒸着(EB)法、原子層堆積(ALD)法等の公知の方法によって形成することができる。
【0022】
第1遮光膜は、透光板の一表面にのみに形成してもよいが、互いに反対側に位置する二表面に形成することが好ましい。また、第1遮光膜は、透光板の表面の全体に形成することが好ましく、全体に均一厚みで形成することがより好ましいが、部分的(格子状、海島状、縞状等)に形成してもよい。
【0023】
第1遮光膜付部材を複数準備する場合、それらは、異なる平面形状及び厚みであってもよいが、平面形状及び厚みが同一又は略同一のものが好ましい。ここで略とは、±10%程度のばらつきを許容することを意味する。
【0024】
第1遮光膜付部材は、透光板に第1遮光膜を形成した後、所望の形状、大きさ等になるように、切断、研磨等してもよい。
【0025】
なお、次工程において、第1遮光膜付部材を、原子拡散接合型の常温接合を用いて接合する場合には、第1遮光膜を微結晶薄膜として形成してもよい。この場合、第1遮光膜を形成する前に、透光板の表面を平滑面とすることが好ましい。
【0026】
(b)第1接合体の形成
複数の第1遮光膜付部材を、第1遮光膜を挟むように接合することにより、第1接合体を形成する。
ここでの接合は、接着剤等利用したものであってもよいし、第1遮光膜の加熱による溶融接合等によるものであってもよいが、第1遮光膜付部材を、第1遮光膜同士を接触させて積層し、常温接合によって接合することが好ましい。
【0027】
常温接合としては、公知の方法を用いることができる。例えば、表面活性化接合型の常温接合や、原子拡散接合型の常温接合の接合方法が挙げられる。このような常温接合を行う場合には、接着剤、熱及び圧力などを加えずに接合することができるため、接合する2つの部材の間の熱膨張率の差を考慮する必要がなく強固に接合することができる。また、原子レベルでの接合であるため、接着剤等による接着に比較して強度が高く、耐久性に優れた接合を行うことができる。さらに、加熱を行わないために、昇温及び降温を必要とせず、短時間で接合することが可能となる。
【0028】
表面活性化接合型の常温接合では、接合面を真空中で表面処理することにより、表面の原子に対して化学結合を形成しやすい活性な状態とする。詳細には、まず、真空中で、接合面に付着している酸化膜、汚れ等を、アルゴンなどのイオン又はプラズマ等を照射して除去する。この場合のエネルギー、時間等は、用いる第1遮光膜付部材の第1遮光膜の厚み、材料等によって適宜調整することができる。このような処理によって、結合手をもった原子が第1遮光膜付部材の接合面で露出し、他の原子との接合力が大きな、非常に活性な状態を形成することができる。これによって、接合面同士を、加重しながら又は加重することなく、接触させることにより、瞬時に結合力が働き、接合面同士を強固に接合させることができる。このような接合では、加熱による熱歪、熱応力が発生しないために、極薄膜状の第1遮光膜に対して安定な接合を実現することができる。
【0029】
原子拡散接合型の常温接合では、接合面に超高真空中で微細結晶膜を形成し、それらの薄膜を真空中で重ね合わせることによって、接合面の接合を常温で行うことができる。通常、原子拡散接合においては、両方の接合面の全体に金属原子が付着しているように、片側(被接合部材の一方の接合面)あたりで少なくとも1原子層相当の金属膜を成膜する。さらに被接合部材同士を接合面で重ね合わせたときに界面の空隙ができるだけ少ないように、被接合部材の接合面の平滑化だけでなく、金属膜が膜厚を面内均一に成膜され易い数nm以上の膜厚であることが好ましい。
【0030】
第1遮光膜付部材の接合では、最端に位置する第1遮光膜付部材では、第1遮光膜が二面に形成されたものを用いてもよいが、最端面に第1遮光膜が配置しないように、一面にのみ形成された第1遮光膜付部材を用いることが好ましい。また、第1接合体における内側に配置する第1遮光膜付部材は、一面に第1遮光膜が形成されたものを用いてもよいが、両面における接合を容易にするために、第1遮光膜が二面に形成された第1遮光膜付部材を用いることが好ましい。
【0031】
いずれの場合においても、第1遮光膜付部材を、一方の又は双方の第1遮光膜を挟むように接合することによって、第1接合体を形成することができる。第1接合体における第1遮光膜付部材の積層数は、特に限定されず、2以上、3以上、4以上又は5以上が挙げられる。また、百以下、数十以下、十数以下が挙げられる。
【0032】
(c)第1接合体の薄片化
得られた第1接合体を切断することにより、薄片化する。ここでの切断は、第1遮光膜付部材の積層面に対して垂直に行うことが好ましい。以下、この切断を第1の切断ということがある。
【0033】
第1遮光膜付部材の積層面に対する垂直方向での切断であればどのような切断であってもよいが、切断面を平坦とする切断方法を利用することが好ましい。このような切断方法は、当該分野で公知の方法を利用することができる。例えば、ブレードダイシング、レーザダイシング等が挙げられる。なお、本明細書において「垂直」とは、±10%以内の傾きを含む。
【0034】
第1遮光膜付部材の積層面に対する垂直方向は、積層面内においては、その切断部位(線)が種々の方向に向かう切断が可能である。よって、透光板が四角形である場合には、第1遮光膜が形成された面に隣接する一端面(例えば、
図1A(c)の端面19)に平行な切断面が得られるように切断することが好ましい(例えば、
図1Aの(d)参照)。このような1回の切断によって、均一膜厚の第1接合体の薄片を形成することができる(
図1B参照)。
【0035】
1つの接合体の平面形状によって、第1遮光膜付部材の積層面に対する垂直方向での切断を1回行うのみで、所望の配光部材を製造することができるが、2回以上、互いに平行に切断することによって、所望の配光部材を複数製造することができる(例えば、
図1Aの(d)及び
図3Aの(d)参照)。
【0036】
また、1つの接合体の平面形状によって、上述したように、第1遮光膜付部材の積層面に対する垂直方向での1回又は2回以上の互いに平行な第1の切断によって得られた配光部材に対して、さらに、第1遮光膜付部材の積層面に対する垂直方向であって、第1の切断に対して交差(好ましくは、直交)する方向において、切断してもよい(
図3Bの(a)及び(b)参照)。このような2方向での切断を行うことにより、接合体の形状にかかわらず、所望形状の配光部材を複数製造することができる。
【0037】
ここでの薄片化は、用いた透光板と同程度の厚み、例えば、100μm〜数mm程度又は100〜1000μm程度、さらに100〜500μm程度に薄膜化することが好ましい。
薄片化した後、研磨等を行って、これらの厚みとしてもよい。
【0038】
なお、本発明では、この工程での切断は、第1遮光膜付部材の積層面に対して垂直に行う代わりに、傾斜して行ってもよい。このような切断は、特定の方向への配光を意図する配光部材を製造する場合に利用することができる。
【0039】
(d)第2遮光膜付部材の形成
本発明の配光部材の製造方法では、上述したように、第1の切断を行って得られた薄片状の配光部材の切断面に、さらに第2遮光膜を形成してもよい。つまり、第1の切断を行って得られた薄片状の配光部材を、上述した透光板と見なして、その表面に第2遮光膜を形成する。これによって、1以上の又は複数の第2遮光膜付部材を形成することができる。従って、第2遮光膜は、第1遮光膜に対して垂直に交わるように形成することとなる。
【0040】
第2遮光膜は、第1遮光膜で例示した材料によって、上述した公知の方法を利用して形成することができる。なかでも、第2遮光膜は、第1遮光膜と同じ材料によって形成することが好ましい。これによって、後述するように、複数の発光素子を用いる場合の各発光素子の配光特性を均一にすることができる。
第2遮光膜は、第1遮光膜と同じ膜厚でなくてもよいが、配光特性の均一化の観点から、同じであることが好ましい。
【0041】
(e)第2接合体の形成
第2遮光膜付部材を接合して第2接合体を形成する方法は、上述した第1接合体を形成する方法と同様に行うことができる。ここでの第2遮光膜付部材の積層数も、任意に設定することができる。
【0042】
(f)第2接合体の薄片化
得られた第2接合体を切断することにより、薄片化する。ここでの切断は、第1接合体の薄片化と同様に行うことができる。
この場合の薄片化は、第2遮光膜付部材の積層面に対して垂直に切断していればよいが、第1遮光膜付部材の積層面及び前記第2遮光膜付部材の積層面の双方に対して垂直に切断することが好ましい。
【0043】
薄片化された配光部材は、透光板の形状、第1遮光膜付部材の積層数、第1接合体の切断形態、第2遮光膜付部材の積層数、第2接合体の切断形態等により、さらに切断して、任意の形状、透光板と第1遮光膜及び第2遮光膜との任意の数に加工することができる。これにより、適用する発光素子数に対応した配光部材を製造することができる。
【0044】
第1接合体を第1の切断に付して薄片化した後、さらに第1の切断に対して交差する方向に切断して薄片化した後、又は第2接合体を切断して薄片化した後において、得られた配光部材を構成し、第1遮光膜及び/又は第2遮光膜で分画された状態の透光板の小片を、以下「透光片」(
図1Bの10、
図3B(a)及び(b)の20、
図4A(c)及び
図4Bの20参照)ということがある。
【0045】
このように、第1接合体を第1の切断により薄片化するか、さらに第1の切断に対して交差する方向に切断して薄片化するか、第2接合体を切断して薄片化することにより、直方体又は立方体の均一厚みの透光片が、縦方向及び/又は横方向に隣接する透光片との間で、遮光を行うことができる配光部材を、高精度に、簡便かつ容易に製造することができる。
【0046】
〔発光装置の製造方法〕
(発光素子の配置)
本発明の発光装置の製造方法では、上述した方法によって形成された配光部材を用い、この配光部材に対して、発光素子を配置する。配光部材は、発光素子の光取り出し面側、つまり、発光装置における光取り出し面側に配置する。
そして、複数の発光素子は、配光部材における第1遮光膜又は第1遮光膜と第2遮光膜との両方によって分画された配光部材に対して、それぞれ離間して配置する。
【0047】
例えば、遮光膜に分画された透光片が一列に配列された配光部材を用いる場合には、複数の発光素子を、透光片に対応して一列に配列する。また、遮光膜に分画された透光片が行列状に配列された配光部材を用いる場合には、複数の発光素子を、透光片に対応して行列状に配列する。これによって、用いる発光素子の点灯/非点灯状態にかかわらず、各発光素子の配光を制御することができる。また、隣接する発光素子間でも光漏れを防止することができる。その結果、上述した簡便な製造方法によって、非点灯の発光素子における微小発光現象を防止することが可能となる。
【0048】
なお、配列する複数の発光素子は、隣接する発光素子間で、互いに近接していることが好ましく、車両用途、さらに輝度分布等を考慮すると、発光素子間距離は、発光素子自体のサイズ(例えば一辺の長さ)よりも短いものが好ましく、例えば、発光素子自体のサイズの30%程度以下がより好ましく、20%以下がさらに好ましい。このように発光素子同士を近接して配置させることにより、発光ムラの少ない発光品位の高い面光源の発光装置とすることができる。
【0049】
発光素子の配光部材に対する配置は、発光素子を配光部材に対して離間して配置してもよいが、発光素子を配光部材に近接又は接触させて配置することが好ましい。これにより、少なくとも発光素子から出射された光のうち、配光部材側に出射される光を効率的に配光部材に導入することができる。ここで近接とは、実質的に両者の接着に関与する部材(接着部材)のみを介して配置していることを意味する。
【0050】
ここで用いる発光素子は、当該分野で一般的に用いられている発光素子のいずれをも用いることができる。例えば、青色、緑色の発光素子としては、ZnSe、窒化物系半導体(In
XAl
YGa
1−X−YN、0≦X、0≦Y、X+Y≦1)、GaPなどの半導体層を用いたもの、赤色の発光素子としては、GaAlAs、AlInGaPなどの半導体層を用いたものが挙げられる。
発光素子は、半導体層の異なる側に電極が配置されているものであってもよいが、同じ側に電極が配置されているものが好ましい。これによって、後述するフェイスダウン形態で実装することができる。
【0051】
発光素子を、上述した配光部材に対応して互いに離間して配置する場合、通常、支持基板の上に、複数の発光素子を直列、並列、直並列又は並直列等の接続形態で配列される。発光素子は、半田等の接合部材又はワイヤ等利用して接続される。発光素子は、フェイスダウン、フェイスアップの何れかの接合形態で接続されていてもよいが、フェイスダウンの形態で接続されることが好ましい。このような接続により、発光素子を配光部材に近接又は接触して配置することができ、所望の配光特性を容易に得ることができる。
【0052】
(反射層の配置)
発光素子間に、反射層を配置する。反射層は、第1遮光膜及び第2遮光膜と異なる材料を用いることができる。ここで、反射層を有するとは、配光を意図する光、例えば、発光素子から出射される光の60%以上を反射するもの、さらに、70%以上、80%以上又は90%以上を反射するものが好ましい。
【0053】
反射層の材料は特に限定されるものではなく、第1遮光膜で例示したものの中から選択してもよいが、反射層の配置の精度、簡便性、容易性等を考慮すると、樹脂を用いることが好ましい。
樹脂としては、透光板の材料として例示したものと同様のものが挙げられ、特に、発光素子から出射される光が透過しないように、これらの材料に、反射性物質を含有させることが好ましい。反射性物質としては、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、チタン酸カリウム、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、ムライトなどが挙げられる。反射性物質等の含有量は、用いる反射性物質の種類等によって適宜調整することができる。例えば、反射層の全重量に対して、30%程度以上とすることが好ましい。なかでも、白色樹脂が好ましい。
【0054】
反射層は、接着部材の有無にかかわらず、隣り合う発光素子どうしと配光部材とで囲まれる空間を満たしていることが好ましい。また、反射層は、発光素子間であって、配光部材側の面において、配光部材における第1遮光膜及び/又は第2遮光膜と接触するように配置することが好ましい。ここでの接触は、配光部材の発光素子側に露出した第1遮光膜及び/又は第2遮光膜の全てが反射層と接触していることが好ましい。このような双方の接触により、発光素子間及び発光素子上での配光部材によって、個々の発光素子から出射される光を発光素子ごとに分離することができ、発光装置内で、隣接する発光素子間での光漏れを防止することができる。その結果、非点灯の発光素子が微小発光するという現象を回避することができる。
【0055】
反射層は、発光素子の側面に接触して配置しなくてもよいが、側面の一部又は全部に接触するように配置することが好ましい。このような配置によって、発光素子の側面から横方向に出射される光を反射層で反射させて、光取り出し面に光を出射させることができる。また、光は発光素子内で伝播するのみであるために、他の部材による光吸収を回避することができる。
【0056】
反射層は、発光素子の光取り出し面側と反対側の面、つまり、発光素子と上述した支持基板との間にも配置することが好ましい。この配置によって、光取り出し面側に光を取り出すことができる。
【0057】
さらに、反射層は、配光部材の外周、つまり、配光部材の端面が第1遮光膜及び/又は第2遮光膜で被覆されていない場合には、配光部材の端面の全部を被覆していることが好ましい。さらに、反射層と配光部材とは、配光部材の周辺において、反射層の上面と配光部材の上面とが同一面を形成していることがより好ましい。これによって、配光部材の側面から出射する光を反射させて、光取り出し面に出射させることができる。
【0058】
反射層は、スクリーン印刷、ポッティング、トランスファーモールド、コンプレッションモールド等により形成することができる。反射層は、製造された発光装置では、配光部材の光取り出し面側の表面を被覆しないが、反射層の形成工程で、一旦配光部材の光取り出し面側の表面を被覆した後、研磨等によって配光部材の光取り出し面を反射層から露出させる加工を行ってもよい。
従って、反射層の厚みは、支持基板に接続した際の発光素子の高さ及び配光部材の厚みの合計と同等とすることが好ましい。
【0059】
このような製造方法によって得られた発光装置は、例えば、互いに反対側に位置し且つ互いに平行な第1主面及び第2主面を有し、これら第1主面及び第2主面に平行な所定の方向に対してそれぞれ交互に配置された透光片と遮光膜とを有するシート状の配光部材と、この配光部材の透光片ごとに互いに離間して、配光部材の第1主面及び第2主面の一方面側に配置された複数の発光素子と、発光素子間に遮光膜と異なる材料によって配置された反射層とを備える(
図2B参照)。言い換えると、互いに分離して配置された発光素子と、これらの発光素子のそれぞれの発光面側に設けられた透光片と、隣り合う透光片を接合する遮光膜(遮光部材)と、隣り合う発光素子間に配置された反射層とを備える。
このような構成により、個々の発光素子から出射される光を発光素子ごとに分離することができ、発光装置内で、隣接する発光素子間での光漏れを防止することができる。その結果、非点灯の発光素子が微小発光するという現象を回避することができる。
【0060】
以下に、本発明の配光部材の製造方法及び発光装置の製造方法を図面に基づいて詳細に説明する。
【0061】
実施形態1:配光部材の製造方法
この実施形態1の配光部材の製造方法では、まず、
図1A(a)に示すように、透光板10aを準備する。この透光板10aは、ガラス材料にYAG蛍光体を10重量%程度混合して焼結することにより得られる大判のYAG板を適当な大きさに切断することによって得られる。
【0062】
図1A(b)に示すように、この透光板10aの片面のみに、(Nb
2O
5(下)/SiO
2(上))n、n=20、厚み:1.5/2.5μm(合計厚み:80μm)のDBR構造からなる第1遮光膜11をスパッタ法によって順次成膜し、第1遮光膜付部材17を2つ形成する。また、この透光板10aの両面に第1遮光膜11を成膜した第1遮光膜付部材17を複数形成する。
次いで、
図1A(c)に示すように、第1遮光膜付部材17を、第1遮光膜11を挟むように順次常温接合して、例えば、4つの第1遮光膜付部材17を積層した、第1接合体18を形成する。この場合、第1接合体18の最下面及び最上面に位置する表面には、第1遮光膜11が形成されていない面を配置する。
【0063】
その後、
図1A(d)に示すように、第1接合体18を、第1遮光膜付部材17の積層面に対して、所望の厚みになるように垂直に切断して薄片化する。また、切断は、第1接合体18の端面19(
図1A(c)参照)に対して平行に行う。その後、表面平坦化のために研磨を行う。
これによって、
図1Bに示すように、透光片10と、隣り合う透光片10を接合する第1遮光膜11とを一列で備え、所望する厚みの配光部材12を形成することができる。
【0064】
図1A及び
図1Bに示すように、透光板10aの厚みが、最終的に発光素子を配置することができる最大幅になる。したがって、透光板10aの厚みは、平面視における発光素子の一辺(幅)より大きいことが好ましく、例えば、発光素子の一辺より50μm以上大きいものとすることができる。
【0065】
この配光部材では、透光片を接合する第1遮光膜として、DBR構造を利用するために、高い光反射率が得られ、遮光効果をより一層向上させることができる。また、光吸収率が低いため、このような遮光膜を配光部材に利用しても、配光部材としての光束低下を回避することが可能となる。
【0066】
実施形態2:発光装置の製造方法
この実施形態2の発光装置の製造方法では、まず、
図2Aに示すように、実施形態1で得られた配光部材12に対応して、発光素子13を配置する。つまり、配光部材12の第1遮光膜11によって分画された透光片10のそれぞれの位置に対応して、4つの発光素子13をそれぞれ離間して配置する。
発光素子13の配置は、配線パターンが表面に形成された支持基板の上に、発光素子13を一列に並べて、半田を用いてフェイスダウン実装することによって行う。そして、このように配置された発光素子13の光取り出し面側に、配光部材12を接着部材によって固定する。
【0067】
続いて、
図2Bに示すように、発光素子13間に配置されるように、二酸化チタンを50%程度含有したシリコーン樹脂によって反射層14を配置して、発光装置16を形成する。反射層14は、発光素子13間においては、配光部材12側で、第1遮光膜11と接触する。また、反射層14は、発光素子13の側面の全てを被覆するように配置する。反射層14、発光装置16の外周においては、発光素子13の側面及び配光部材12の端面の全てを被覆するように配置する。
【0068】
このような製造方法によって得られた発光装置は、例えば、互いに反対側に位置し且つ互いに平行な第1主面及び第2主面を有し、これら第1主面及び第2主面に平行な所定の方向に対してそれぞれ交互に配置された透光片10と第1遮光膜11とを有するシート状の配光部材12と、この配光部材12の透光片10ごとに互いに離間して、配光部材12の第1主面及び第2主面の一方面側に配置された複数の発光素子13と、発光素子13間に第1遮光膜11と異なる材料によって配置された反射層14とを備える。
言い換えると、互いに分離して配置された発光素子13と、これらの発光素子13のそれぞれの発光面側に設けられた透光片10と、隣り合う透光片10を接合する第1遮光膜11と、隣り合う発光素子13間に配置された反射層14とを備える。
【0069】
上述したような製造方法によって、配光部材の側面に反射又は遮光膜を形成する必要がなく、高精度かつ簡便に配光部材及び発光装置を製造することができる。
また、得られた発光装置は、個々の発光素子をそれぞれ独立に点灯制御する場合であって、点灯した発光素子に隣接する発光素子が非点灯の発光素子に対して光漏れを発生させることなく、非点灯の発光素子が微小発光を阻止することができる。また、発光素子間に位置する配光部材の厚みは極薄膜とすることができるため、隣接した発光素子を同時に発光させても、境界部においても均一な明るさを確保することができる。加えて、より一層発光素子を密に配置したより明るい小型の発光装置を製造することができる。
【0070】
実施形態3:配光部材の製造方法
この実施形態3の配光部材の製造方法では、透光板を2方向に対して切断すること以外、実施形態1の配光部材の製造方法と実質的に同様である。
【0071】
まず、
図3A(a)に示すように、透光板20aを準備する。
そして、
図3A(b)に示すように、この透光板20aの表面に、DBR構造からなる第1遮光膜21を成膜し、第1遮光膜付部材27を形成する。例えば、この場合の第1遮光膜付部材27の幅を200μm程度とする。
次いで、
図3A(c)に示すように、第1遮光膜付部材27を、第1遮光膜21を挟むように順次常温接合して、例えば、4つの第1遮光膜付部材27を積層した、第1接合体28を形成する。
【0072】
その後、
図3A(d)に示すように、第1接合体28を、第1遮光膜付部材27の積層面に対して垂直に第1切断を行って薄片化する。
さらに、
図3B(a)に示すように、薄片化した配光部材22aに対して、再度、第1遮光膜付部材の積層面に対して垂直方向であって、第1遮光膜付部材27の積層面において、上述した第1切断に対して直交する方向において、切断する。
このような2方向に対する切断を行うことによって、
図3B(b)に示すよう、所望の形状の配光部材22を複数製造することができる。
【0073】
このように、2方向に対して切断を行う場合は、
図3Aで示すように、透光板20aの奥行きがあることが好ましい。
【0074】
このような製造方法によっても、実施形態1と同様に、高精度で簡便な方法で、隣接する発光素子の光漏れを防止することができる配光部材を大量に製造することができる。
【0075】
実施形態4:配光部材の製造方法
この実施形態4の配光部材の製造方法では、実施形態3において、
図3A(d)に示すように、第1接合体28を、第1遮光膜付部材27の積層面に対して垂直に第1切断を行って薄片化した配光部材22aをさらに加工する。
【0076】
つまり、
図4A(a)に示すように、得られた配光部材22aの表面に、第1遮光膜21の形成と同様に、DBR構造からなる第2遮光膜31を成膜し、第2遮光膜付部材37を形成する。
次いで、
図4A(b)に示すように、第2遮光膜付部材37を、第2遮光膜31を挟むように順次常温接合して、例えば、4つの第2遮光膜付部材37を積層した、第2接合体38を形成する。
【0077】
続いて、
図4A(c)に示すように、第2接合体38を、第2遮光膜付部材37の積層面に対して垂直に切断して薄片化して、配光部材32aを形成する。
その後、任意に、得られた配光部材32aを研磨及び/又は切断して、例えば、
図4Bに示す、所望の形状の配光部材32を製造する。この配光部材32は、透光片20が行列状に複数配置されている。
【0078】
このような製造方法によっても、実施形態1及び3と同様に、高精度で簡便な方法で、隣接する発光素子の光漏れを防止することができる配光部材を大量に製造することができる。
【0079】
実施形態5:発光装置の製造方法
この実施形態5の発光装置の製造方法では、
図5に示すように、実施形態4で得られた配光部材32に対応して、発光素子13を行列状に複数配置する。
この際の発光素子13の配列は、実施形態2と同様に行うことができ、さらに、実施形態2と同様の方法により、反射層を形成して、発光装置を製造することができる。
【0080】
このような製造方法によって得られた発光装置は、発光素子が行列状に配置され、それら発光素子に対応して透光片と第1遮光膜及び第2遮光膜が配置されている以外、実質的に実施形態2の発光装置と同様の構成である。
このような発光装置においても、実施形態2と同様の効果が得られる。