特許第6222064号(P6222064)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6222064
(24)【登録日】2017年10月13日
(45)【発行日】2017年11月1日
(54)【発明の名称】継ぎ手
(51)【国際特許分類】
   F16L 39/00 20060101AFI20171023BHJP
   F28D 7/10 20060101ALI20171023BHJP
【FI】
   F16L39/00
   F28D7/10 A
【請求項の数】3
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2014-245915(P2014-245915)
(22)【出願日】2014年12月4日
(65)【公開番号】特開2016-109186(P2016-109186A)
(43)【公開日】2016年6月20日
【審査請求日】2016年9月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091513
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 俊夫
(74)【代理人】
【識別番号】100133776
【弁理士】
【氏名又は名称】三井田 友昭
(72)【発明者】
【氏名】岡本 芳樹
【審査官】 宮崎 賢司
(56)【参考文献】
【文献】 特開平04−231969(JP,A)
【文献】 特開昭62−113984(JP,A)
【文献】 特開平04−210185(JP,A)
【文献】 特開昭57−175887(JP,A)
【文献】 特開昭55−107888(JP,A)
【文献】 米国特許第05063994(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0025902(US,A1)
【文献】 米国特許第06086114(US,A)
【文献】 特開2003−297788(JP,A)
【文献】 実開昭54−102524(JP,U)
【文献】 実開平02−028968(JP,U)
【文献】 特開2003−301985(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 39/00
F28D 7/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理液の流路を形成する内管と、通液空間を介してこの内管を囲む外管と、前記通液空間を周方向に複数に区画して前記内管の外側に第1の通液空間と第2の通液空間を形成する区画部と、を備えた二重管を被接続部に接続するための継ぎ手であって、
前記内管と嵌合され、前記処理液の流路に連通する流路形成部と、
前記二重管の端部に対向する前端側の部位に設けられ、前記第1の通液空間及び第2の通液空間に対して互いに独立して接続される第1の開口部及び第2の開口部と、を備え
前記外管がその外周面に沿って嵌合される円周面形成部を備え、
前記第1の開口部及び第2の開口部は前記円周面形成部の前端面に形成されており、
前記円周面形成部の前端側には、前記区画部材に係合して当該区画部材を案内する、前後方向に伸びる案内溝が設けられていることを特徴とする継ぎ手。
【請求項2】
前記区画部が前記外管から突出し、前記内管の外周面を押圧する突条部として構成される可撓性を有する二重管に対応する構造として構成され、
前記内管と嵌合される流路形成部は、前記内管がその中に嵌合される筒状体として構成され、
前記案内溝は前記筒状体の外周面から前記円周面形成部に亘って形成されていることを特徴とする請求項記載の継ぎ手。
【請求項3】
前記円周面形成部の前端から前記筒状体の前端部までは前方に位置するほど外径が小さくなる傾斜面として形成され、
前記第1の開口部及び第2の開口部は前記傾斜面に形成されていることを特徴とする請求項記載の継ぎ手。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二重管を被接続部に接続するための継ぎ手に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の製造におけるフォトリソグラフィ工程では、基板である半導体ウエハ(以下ウエハと記載する)に、レジスト液などの基板に処理を行う処理液を供給する液処理が行なわれる。この処理液は、処理液供給管によりノズルに供給されて、当該ノズルからウエハに吐出される。各ウエハに均一性高く液処理を行うために、ノズルから吐出される処理液が温調(温度調整)されることが求められる。
【0003】
そのように処理液を温調するために、液処理装置において処理液供給管の外側に第1の外管と第2の外管とを設け、これら処理液供給管と第1の外管と第2の外管とにより三重管を形成する場合がある。処理液供給管と第1の外管との間は温調水の往路となる供給路、第1の外管と第2の外管との間は温調水の復路となる排出路として構成される。つまり、温調水の供給路に対して温調水の排出路である復路がその外側に設けられている。
【0004】
三重管の一端側(処理液供給管の下流側)で前記供給路と前記排出路とは互いに接続される。また、三重管の他端側には、前記供給路に温調水を供給する流路、前記排出路から温調水を排出する流路を夫々形成する給排路形成部が設けられる。このような構成によって、温調水は三重管の他端側から一端側に前記供給路(往路)を流れて処理液供給管を流通する処理液を温調した後、前記排出路(復路)を一端側から他端側へと流れて三重管から排出される。特許文献1、2においてはそのような三重管を備え、処理液としてレジスト液、洗浄液を夫々温調できる液処理装置について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012−13071号公報
【特許文献2】特開2003―297788号公報
【発明の概要】
【0006】
ところで、管が3つ重なる構成であるため前記三重管の外径は比較的大きく、それによって三重管に接続される被接続部である前記給排路形成部も大きくなってしまうため、液処理装置の小型化が妨げられてしまうおそれがある。また、前記レジスト液を供給する液処理装置においては、例えばウエハのロットごとに異なるレジスト液を供給できるようにノズル及び三重管が複数設けられる場合がある。しかし、そのように三重管が複数設けられると、前記給排路形成部がさらに大きくなってしまい、より装置が大型化してしまうか、あるいは装置の大型化を防ぐために1つの装置に設けられるノズルの数が制約を受けてしまう。
【0007】
従って、処理液の流路と、この処理液を温調する流体の供給路及び排出路と、を形成すると共に、その外径を小さく抑えることができる配管が求められており、それに合わせて当該配管を前記給排路形成部に接続することができる継ぎ手が求められている。
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、このような事情においてなされたものであり、その目的は、適用される装置の小型化を図ることができる二重管の継ぎ手を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の継ぎ手は、処理液の流路を形成する内管と、通液空間を介してこの内管を囲む外管と、前記通液空間を周方向に複数に区画して前記内管の外側に第1の通液空間と第2の通液空間を形成する区画部と、を備えた二重管を被接続部に接続するための継ぎ手であって、
前記内管と嵌合され、前記処理液の流路に連通する流路形成部と、
前記二重管の端部に対向する前端側の部位に設けられ、前記第1の通液空間及び第2の通液空間に対して互いに独立して接続される第1の開口部及び第2の開口部と、を備え
前記外管がその外周面に沿って嵌合される円周面形成部を備え、
前記第1の開口部及び第2の開口部は前記円周面形成部の前端面に形成されており、
前記円周面形成部の前端側には、前記区画部材に係合して当該区画部材を案内する、前後方向に伸びる案内溝が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の継ぎ手によれば、二重管の内管と嵌合され、処理液の流路に連通する流路を形成する流路形成部と、前記内管と前記二重管の外管との間に互いに区画されて設けられる第1の通液空間、第2の通液空間に夫々接続されるように、二重管の端部に対向する前端側の部位に設けられた第1の開口部、第2の開口部と、を備える。この継ぎ手によって、前記二重管と被接続部との接続が可能になり、前記第1の配管流路、第2の配管流路を、例えば夫々温調流体の往路、復路とし、内管を流通する流体を温調することができるので、背景技術で説明した三重管を用いる必要がなくなる。三重管に比べて重ねられる管の数が少ないため、前記二重管の外径は小さく抑えることができるし、それによって前記被接続部の大型化も防ぐことができる。結果として、当該継ぎ手が適用される装置の大型化を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の継ぎ手が適用されるレジスト塗布装置の斜視図である。
図2】前記レジスト塗布装置の平面図である。
図3】前記レジスト塗布装置を構成するレジスト液供給ノズル、継ぎ手及び二重管の縦断側面図である。
図4】前記二重管の横断平面図である。
図5】前記レジスト塗布装置を構成する温調水給排部の概略斜視図である。
図6】温調水供給部を構成する流路形成用ブロックの縦断側面図である。
図7】流路形成用ブロックの正面及び前記二重管を接続する接続路形成継ぎ手の斜視図である。
図8】前記接続路形成継ぎ手の横断平面図である。
図9】前記二重管が接続された状態を示す前記接続路形成継ぎ手の横断平面図である。
図10】前記二重管が接続された状態を示す前記接続路形成継ぎ手の横断平面図である。
図11】給排路形成用ブロックの他の構成例を示す説明図である。
図12】接続路形成継ぎ手の他の例を示す斜視図である。
図13】前記接続路形成継ぎ手の縦断側面図である。
図14】接続路形成継ぎ手のさらに他の例を示す斜視図である。
図15】接続路形成継ぎ手のさらに他の例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の継ぎ手が適用される液処理装置の一例であるレジスト塗布装置1について、斜視図、平面図である図1図2を夫々参照しながら説明する。レジスト塗布装置1は、各々ウエハWを収納する2つのカップ11と、ウエハWにレジスト液を供給して塗布処理を行うためのレジスト液供給機構2と、レジスト液供給機構2に含まれるレジスト液供給ノズル41を移動させるノズル移動機構3と、を備えている。ノズル移動機構3及びレジスト液供給機構2は、2つのカップ11で共用される。
【0013】
カップ11は、処理液であるレジスト液の塗布時にウエハWから飛散したレジスト液をその内周面で受け、その内部の下方に設けられる図示しない排液口にガイドして除去する役割を有する。また、カップ11は、その内部にスピンチャック12を備える。スピンチャック12は、ウエハWの裏面中央部を吸着し、水平に保持すると共に、その下方に設けられる図示しない回転駆動機構によりウエハWを保持した状態で鉛直軸回りに回転する。図中13はカップ11内にてスピンチャック12の周囲に配置された昇降ピンであり、昇降することにより、図示しないウエハWの搬送機構とスピンチャック12との間でウエハWを受け渡す。
【0014】
ノズル移動機構3はカップ11とカップ11との間の手前側に設けられている。ノズル移動機構3は、水平な円形台31と、円形台31上に設けられる水平ガイド部32と、水平ガイド部32上に垂直に設けられる柱状部33と、柱状部33に接続される進退ガイド34と、進退ガイド34に接続されるノズルアーム35と、を備えている。
【0015】
円形台31は垂直軸周りに回転するように構成され、柱状部33は水平ガイド部32にガイドされて水平方向に移動自在に構成される。また、水平ガイド部32は柱状部33にガイドされて昇降し、柱状部33の移動方向に直交するように水平方向に伸び出している。ノズルアーム35は、その先端が進退ガイド34から当該進退ガイド34の伸長方向に伸びるように形成されると共に、進退ガイド34にガイドされて当該伸長方向に進退自在に構成される。
【0016】
ノズルアーム35の先端部の下方には、ノズル保持部36が設けられている。ノズル保持部36は、レジスト液供給ノズル41に設けられる差し込み口42に差し込まれる垂直な円柱部37を備えている。円柱部37の側面には当該側面にて突没自在な突起38が設けられており、前記差し込み口42に形成される凹部に係合して、レジスト液供給ノズル41がノズルアーム35に保持される。図1は、ノズルアーム35がレジスト液供給ノズル41を保持した状態を示しており、前記差し込み口に差し込まれた円柱部37を鎖線の矢印の先に示している。
【0017】
前記円形台31上において、前記水平ガイド部32に対してノズルアーム35の先端側に、前記レジスト液供給機構2が設けられている。レジスト液供給機構2はノズルホルダ21と、ノズルホルダ21の下方に設けられる温調水給排部5と、を備えており、ノズルホルダ21上には前記レジスト液供給ノズル41が例えば10個待機される。これら10個のレジスト液供給ノズル41は、各々種類の異なるレジスト液をウエハWに供給する。
【0018】
ノズル移動機構3の各部の動作の協働により、ノズルホルダ21に待機するレジスト液供給ノズル41の一つが選択されてノズルアーム35に保持され、さらに当該ノズルホルダ21から、各カップ11内のスピンチャック12に保持されるウエハWの中心部上に移動されて、レジスト液がウエハWに供給される。図2は、そのように一つのレジスト液供給ノズル41がウエハWの中心部上に移動した状態を示している。
【0019】
図3の縦断側面図も参照しながら、レジスト液供給ノズル41についてさらに説明すると、レジスト液供給ノズル41は、その上部に前記差し込み口42が形成される基体43と、基体43の下部に設けられるノズル本体44と、を備えている。基体43には、温調水給排部5から伸びるレジスト液供給管45の下流端が接続されており、当該レジスト液供給管45から供給されたレジスト液が、基体43及びノズル本体44に形成される流路を介して、ノズル本体44の吐出口44Aから鉛直下方に吐出される。このレジスト液供給管45を外側から囲い、二重管4を形成するように、外管46が設けられている。外管46の一端は温調水給排部5に、他端は基体43に夫々接続されている。内管であるレジスト液供給管45及び外管46は、ノズルホルダ21とカップ11内に保持されるウエハW上との間におけるレジスト液供給ノズル41の移動を妨げないように可撓性を有しており、例えば樹脂により構成されている。
【0020】
図4は、前記二重管4の横断平面図である。外管46の内周からレジスト液供給管45の外周に向かう突条部47が、当該外管46の周方向に互いに離れて、例えば4つ設けられている。区画部である突条部47は、例えば外管46の一端側から他端側に向かって、外管46の長さ方向に沿って形成されている。外管46の弾性によって、突条部47の突端は、外管46の外周を押圧しており、外管46とレジスト液供給管45との間に形成される隙間が前記周方向に互いに区画され、4つの通液空間が形成されている。これらの通液空間においては、レジスト液供給管45を流通するレジスト液の温度を調整するための温調水が流通する。
【0021】
4つの通液空間のうち二重管4の周方向に互いに隣接する2つの通液空間は、温調水給排部5側からレジスト液供給ノズル41側へ温調水を流通させるための第1の通液空間であり、48Aとして示す。48A以外の通液空間は、温調水をレジスト液供給ノズル41側から温調水給排部5側へと流通させるための第2の通液空間であり、48Bとして示す。二重管4の寸法の一例を示しておくと、外管46の外径、内径は夫々6.0mm、5.5mm、レジスト液供給管45の外径、内径は夫々4.0mm、3.0mmである。
【0022】
外管46の他端部には前記突条部47が形成されておらず、基体43の外壁面、外管46の内周面及びレジスト液供給管45の外周面に囲まれ、通液空間48A、48Bを互いに接続するための接続路49が形成される(図3参照)。図3では二重管4における温調水の流れを矢印で示しており、温調水給排部5から通液空間48Aに供給された温調水は、接続路49を介して通液空間48Bに流れ、温調水給排部5から排出される。また、レジスト液供給管45は、外管46よりも長く形成され、外管46の一端からその上流端が突出するように構成されている。
【0023】
図5は温調水給排部5の概略斜視図である。温調水給排部5は温調水の流路を形成する給排路形成用ブロック51をレジスト液供給ノズル41の数と同じ10個備えており、図5では図示の便宜上、3個のみ表示している。
【0024】
図6は、給排路形成用ブロック51の横断平面図である。被接続部である給排路形成用ブロック51には、前記二重管4を構成する外管46の一端が、接続路形成継ぎ手7を介して接続される。給排路形成用ブロック51は概ね直方体状に形成されている。給排路形成用ブロック51において、図1に示したノズル移動機構3の水平ガイド部32に向かう壁面を正面(前面)とすると、当該正面から背面に向けて貫通孔52が形成されており、前記正面に前記接続路形成継ぎ手7が設けられる。前記背面には凹部53が形成され、この凹部53の底面の中央に前記貫通孔52が開口している。この凹部53には、いわゆるボアードスルーと呼ばれる継ぎ手54の一端部が進入するように設けられ、継ぎ手54の他端部は凹部53の外側に設けられている。
【0025】
上記のように外管46の一端から突出するレジスト液供給管45の上流端は、接続路形成継ぎ手7、貫通孔52、継ぎ手54をこの順で貫通し、レジスト液供給源4Aに接続される。このレジスト液供給源4Aはポンプを備え、貯留されたレジスト液をレジスト液供給管45の下流側へ圧送できるように構成されている。レジスト塗布装置1においては、レジスト液供給管45が10個設けられるため、それに対応してレジスト液供給源4Aも10個設けられ、レジスト液供給源4Aごとに貯留されるレジスト液の種類は異なっている。従って、既述のように各レジスト液供給ノズル41から互いに種類が異なるレジスト液を吐出することができる。
【0026】
前記継ぎ手54の一端部の外周は凹部53の側面に密着し、継ぎ手54の他端部の内周は前記レジスト液供給管45の外周に密着している。このように凹部53及びレジスト液供給管45に密着することで、継ぎ手54は、給排路形成用ブロック51とレジスト液供給管45の界面を介して、後述の温調水が漏れ出すことを防ぐためのシール部材の役割を果たしている。
【0027】
図7は、給排路形成用ブロック51の正面を示す斜視図であり、この図7も参照しながら説明を続ける。給排路形成用ブロック51の正面には、前記貫通孔52の外側に、温調水供給流路55及び温調水排出流路56が、各々貫通孔52の周に沿った円弧状に開口し、例えば貫通孔52の中心軸に対して左右に設けられている。なお、上記の図3では図示の便宜上、前記貫通孔52の中心軸の上側、下側に夫々温調水供給流路55、温調水排出流路56を示している。図6に示すように、温調水供給流路55及び温調水排出流路56は、互いに区画されている。温調水供給流路55は、給排路形成用ブロック51を背面側に向かった後、正面から見て左方に屈曲されるように形成され、前記温調水排出流路56は、給排路形成用ブロック51を奥側の側面に向かった後、右方へ屈曲されるように形成されている
【0028】
給排路形成用ブロック51の正面において、温調水供給流路55及び温調水排出流路56の周縁は、これら温調水供給流路55及び温調水排出流路56の開口方向へ若干突出して、突出部57を形成している。この突出部57よりも外側には、当該突出部57を囲うようにリング状の溝58が形成されている。当該溝58にはOリング59が設けられている。このOリング59は、接続路形成継ぎ手7と給排路形成用ブロック51との界面を介して温調水が漏れ出すことを防ぐ役割を有する。
【0029】
給排路形成用ブロック51を正面から見て、当該給排路形成用ブロック51の例えば左方、右方には、夫々温調水供給継ぎ手61、温調水排出継ぎ手62が接続されている。温調水供給継ぎ手61及び温調水排出継ぎ手62には、夫々配管61A、62Aの一端が接続される。配管61A、62Aの他端は、例えば給排路形成用ブロック51が設けられる円形台31の下方へと向かい、水を設定された温度に温調する温調水供給源63に接続されている。温調水供給源63は、前記温調を行えるように、熱交換器などの温調機構を備えている。また、温調水供給源63は例えばポンプを備え、温調水供給継ぎ手61を介して温調水を前記温調水供給流路55に供給すると共に、温調水排出流路56に排出された温調水を温調水排出継ぎ手62を介して吸引する。
【0030】
続いて、上記の図6図7を参照しながら、本発明に係る接続路形成継ぎ手7について説明する。接続路形成継ぎ手7は、円筒状に形成された本体部71を備え、この本体部71の一端側(後端側)に本体部71の外径よりもその外径が大きく形成された円形リング状のフランジ72が設けられている。また、本体部71の他端側(前端側)における内縁部から本体部71の軸方向に沿って突出するように筒状の配管進入部73が形成されている。本体部71、フランジ72、配管進入部73の中心軸は互いに一致しており、図6に当該中心軸をCとして示している。
【0031】
本体部71の外周面には、例えば後述のナット64と螺合するねじが形成されているが、図示は省略している。また、本体部71の内径の大きさは、当該本体部71の内周面が、レジスト液供給管45の外周面と嵌合できる大きさに構成されている。フランジ72の内径は本体部71の内径よりも大きく形成されており、このフランジ72は、上記の給排路形成用ブロック51の正面に、前記Oリング59を介して密着するように取付けられる。このように取付けられることで、フランジ72の内部には、前記給排路形成用ブロック51の正面に形成された突出部57が進入する。
【0032】
円周面形成部である配管進入部73の外径は、本体部71の外径より小さく構成されている。配管進入部73の外周面は、本体部71から中心軸Cと並行に配管進入部73の前端に向かって伸びる途中で屈曲し、当該前端に向かうにつれて中心軸Cに近接するように、その外径が小さくなる傾斜面74を形成し、当該傾斜面74が配管進入部73の前端面を構成する。また、配管進入部73の内周面は、配管進入部73の後端側(本体部71側)から配管進入部73の前端に亘って、中心軸Cに沿って伸びるように形成され、本体部71の内周面と同様に、レジスト液供給管45の外周面に嵌合するように構成される。つまり、本体部71及び配管進入部73の内側は、二重管4内におけるレジスト液の流路と連通する流路をなしており、これら本体部71及び配管進入部73は、流路形成部材として構成される。なお、配管進入部73において、傾斜面74が形成された先端部よりも後端側の部位は、特許請求の範囲における筒状体に相当する。
【0033】
また、上記のように配管進入部73の外周面及び内周面が形成されることで、配管進入部73の先端側の縦断側面は、楔型に形成されており、それによって、二重管4の配管進入部73への差し込みが容易に行えるようになっている。さらに、このような楔型に形成されることで、後述するように傾斜面74に開口する接続路76A、76Bが外管46の内周面に塞がれることを防ぐことができる。
【0034】
配管進入部73の外周面において基端から先端に亘って、前後方向に直線状の案内溝75が形成されている。この案内溝75は、外管46の突条部47に対応するように、配管進入部73の周方向に間隔をおいて例えば4つ設けられ、当該突条部47に係合するように形成されている。図6に示す接続路形成継ぎ手7の縦断側面図は、この案内溝75の縦断側面図であり、配管進入部73の先端側を二点鎖線の円で囲み、矢印の先に囲った箇所を拡大して示している。案内溝75の底面は、縦断側面で見て中心軸Cに対して傾斜するように形成されている。前記傾斜面74と中心軸Cとのなす角度をθ1、前記案内溝75の底面と中心軸Cとのなす角度をθ2とすると、θ1>θ2となるように構成されており、それによって傾斜面74においては、突条部47の高さよりも案内溝75の深さが小さく形成されると共に、配管進入部73の先端に向かうにつれて案内溝75の深さが小さくなる。このように案内溝75が形成される理由については後述する。
【0035】
図8は、配管進入部73の横断平面図を示している。接続路形成継ぎ手7においては、本体部71及び配管進入部73を貫通する温調水の流路である接続路が形成されている。この接続路は接続路形成継ぎ手7の軸方向に沿って形成され、その一端が前記傾斜面74に、その他端が本体部71におけるフランジ72の内側に夫々開口する。この接続路は、接続路形成継ぎ手7の周方向に沿って互いに離れてこの例では、4つ形成されている。また、各接続路は、配管進入部73において接続路形成継ぎ手7の周方向に見て案内溝75に対してずれて形成されており、案内溝75と接続路とが前記周方向に交互に設けられている。
【0036】
上記のようにフランジ72を給排路形成用ブロック51に取付けることで、図8に示すように、4つの接続路のうち前記周方向に隣接する2つの接続が、給排路形成用ブロック51の温調水供給流路55に重なり、当該温調水供給流路55に接続される。また、4つの接続路のうち前記周方向に隣接する他の2つの接続路が、給排路形成用ブロック51の温調水排出流路56に重なり、当該温調水排出流路56に接続される。図中、温調水供給流路55に接続される接続路を76A、温調水排出流路56に接続される接続路を76Bとして示している。傾斜面74に開口した接続路76A、76Bは、夫々第1の開口部、第2の開口部を構成する。
【0037】
接続路形成継ぎ手7と外管46とを接続するにあたっては、接続路形成継ぎ手7に対してレジスト液供給管45の上流端を貫通させ、さらに前記案内溝75と外管46の突条部47とが係合するように配管進入部73を外管46の一端部とレジスト液供給管45との間に差し込み、本体部71の前端を二重管4の端部に対向させることにより行う。図9図10は、そのように配管進入部73が差し込まれた外管46及びレジスト液供給管45の横断平面図を示している。図9は、図3においてA−Aの矢印で示す配管進入部73の後端部側(基端部側)の断面を示し、図10は、図3においてB−Bの矢印で示す配管進入部73の前端部側(先端部側)の断面を示している。
【0038】
上記のように、配管進入部73には傾斜面74が形成されているため、配管進入部73が差し込まれることにより、外管46の一端部はその可撓性によって拡径されると共に、その復元力によって接続路形成継ぎ手7を中心軸Cに向かって押圧する。このとき、図9に示すように配管進入部73の基端側では外管46の内周面は配管進入部73の外周面に密着して嵌合しており、外管46と配管進入部73との間から温調水が漏れ出すことが防がれる。その一方で、配管進入部73の先端側では、上記の図6で説明したように、配管進入部73の外周面である傾斜面74と中心軸Cとのなす角度θ1>案内溝75の底面と中心軸Cとのなす角度θ2として構成されているため、図10に示すように突条部47に支持されることによって、外管46の内周面は前記傾斜面74に対して離れた状態となる。つまり、当該傾斜面74の流路76A、76Bは外管46によって塞がれることなく、外管46とレジスト液供給管45との間の通液空間48A、48Bに夫々接続される。なお、案内溝75は突条部47の形状に対応するように形成されるものであるため、図8図10に示す例では案内溝75の底面は、断面視直線状に形成されているが、そのように構成されることに限られるものではない。従って案内溝75の形状としては、例えば溝の底部が断面視U字状に形成されることで、溝の底に向かうほど溝の幅が狭まると共に、当該溝の底面が断面視曲線をなすようなものであってもよい。
【0039】
接続路形成継ぎ手7の外側には、円筒状のナット64が設けられている(図3)。このナット64の先端部側は外管46の外側から配管進入部73を囲み、基端部側は本体部71を囲む。例えばナット64の基端部側の内周面にはねじが設けられ、本体部71の外周のねじと螺合するように構成される。ナット64の先端部側の内周には周方向にリング状の溝65が設けられ、当該溝65内にはOリング66が設けられている。このOリング66は、外管46と配管進入部73との間の隙間から漏れ出した温調水が、外管46とナット64との間の隙間を介して、ナット64の先端側へと漏れ出すことを防ぐために設けられている。ナット64と本体部71とが螺合しているため、外管46と配管進入部73との間の隙間から漏れ出した温調水が、ナット64の基端側から漏れ出すことが防がれるが、より確実にこの基端側からの漏れ出しを防ぐために、ナット64の基端とフランジ72との間にOリングなどのシール部材を設けてもよい。
【0040】
レジスト塗布装置1の動作についてまとめる。各給排路形成用ブロック51に接続される温調水供給源63から、予め設定された温度に温調された温調水が、継ぎ手61を介して給排路形成用ブロック51の温調水供給流路55に供給され、接続路形成継ぎ手7の流路76Aに供給される(図3図6参照)。そして、温調水は、前記流路76Aから、二重管4における外管46とレジスト液供給管45との間の通液空間48Aに供給され、当該通液空間48Aをレジスト液供給管45の下流側に向かって流れ、二重管4の端部に形成される接続路49を介して、通液空間48Bに流入する。そして、温調水はこの通液空間48Bをレジスト液供給管45の上流側へ向かって流れ、給排路形成用ブロック51の温調水排出流路56に流入する。
【0041】
温調水排出流路56に流れた温調水は継ぎ手62を介して温調水供給源63へ流れ、当該温調水供給源63にて温調された後、継ぎ手61を介して給排路形成用ブロック51へと供給される。このように給排路形成用ブロック51の温調水供給流路55及び排出流路56、二重管4の通液空間48A、48B、接続路形成継ぎ手7の流路76A、76Bにより形成される循環路を温調水が循環する。そして、このように温調水がその外周を流れることで、レジスト液供給管45の温度が温調水の設定温度になるように温調される。
【0042】
上記のように温調水が循環した状態で、ウエハWがカップ11内のスピンチャック12に保持されると、ノズル移動機構3が当該ウエハWについて処理を行うように設定されたレジスト液供給ノズル41を、ノズルホルダ21から当該ウエハWの中心部の上方に搬送する。ウエハWが回転し、レジスト液供給源4Aからレジスト液供給管45にレジスト液が供給される。レジスト液は、レジスト液供給管45を下流側に向かって流通する間に、上記のようにレジスト液供給管45が温調されていることにより、その温度が温調水の設定温度になるように温調される。然る後、当該レジスト液は、レジスト液供給ノズル41からウエハWの中心部上へ供給される。そして、ウエハWの回転の遠心力によってレジスト液の周縁部へと広げられて、ウエハW表面全体にレジスト液が塗布され、レジスト膜が形成される。
【0043】
カップ11に搬送される後続のウエハWについて、直前に処理したウエハWと同じレジスト液により処理されるように設定されている場合、引き続きノズル移動機構3に保持されたレジスト液供給ノズル41を用いてレジスト液の塗布処理が行われる。後続のウエハWが、直前に処理したウエハWと異なるレジスト液により処理されるように設定されている場合、ノズル移動機構3に保持されているレジスト液供給ノズル41はノズルホルダ21に戻され、後続のウエハWに対応するレジスト液供給ノズル41がノズル移動機構3に保持され、当該後続のウエハWにレジスト液の塗布が行われる。上記のように各レジスト液供給ノズル41に供給されるまでにレジスト液が温調されるので、同じレジスト液供給ノズル41を用いて処理した各ウエハWについては、レジスト膜の膜厚についての均一性を高くすることができる。
【0044】
上記の接続路形成継ぎ手7によれば、先端側に向かうにつれてその外周が中心軸Cに対して近接するように構成された傾斜面74を備えた配管進入部73を含み、この傾斜面74に形成された案内溝75が二重管4を構成する外管46の突条部47に係合するように、配管進入部73が二重管4の外管46とレジスト液供給管45との間に差し込まれる。それによって、前記傾斜面74に開口し、接続路形成継ぎ手7の軸方向に沿って形成される流路76A、76Bを介して、二重管4において外管46とレジスト液供給管45との間に形成される通液空間48A、48Bと、給排路形成用ブロック51の温調水の供給流路55、排出流路56と、が互いに接続される。二重管4は、背景技術の項目で説明した三重管よりも重ねられる管数が少ないことから、その外径を小さくすることができる。また、この二重管4が接続される給排路形成用ブロック51についても、三重管を接続する場合に比べてその大きさを小さく抑えることができる。従って、レジスト塗布装置1の小型化を図ったり、レジスト液供給ノズル41を増設して、より多種のレジスト液を用いてウエハWに処理を行うように装置を構成したりすることができる。
【0045】
ところで流路形成用ブロックとしては、二重管4を個別に接続するように形成されることに限られず、複数の二重管4を接続するように構成されていてもよい。図11では、接続路形成継ぎ手7を各々介して、例えば5つの二重管4を接続できる流路形成用ブロック8について示している。流路形成用ブロック8の正面には温調水供給流路55及び温調水排出流路56が、給排路形成用ブロック51と同様に開口しているが、その数は二重管4の数に対応して夫々5つ設けられている。温調水供給流路55の上流側は流路形成用ブロック8内において合流して各接続路形成用継ぎ手7に共用の供給路78を形成し、その上流側が継ぎ手61を介して温調水供給源63に接続されている。また、温調水排出流路56の下流側は流路形成用ブロック8内において合流して各接続路形成用継ぎ手7に共用の排出路79を形成し、その下流側が継ぎ手62を介して温調水供給源63に接続されている。このように複数の二重管4に対して流路形成用ブロックを共通化することで、流路形成用ブロックの大型化をより確実に防ぐことができる。
【0046】
また、例えば一の流路形成用ブロック81の継ぎ手62を、配管を介して他の流路形成用ブロック81の継ぎ手61に接続するようにしてもよい。つまり、温調水供給源63から一の流路形成用ブロック81に接続される二重管4に供給された温調水を、他の流路形成用ブロック81に接続される二重管4にさらに供給した後、温調水供給源63に戻される構成にしてもよい。
【0047】
図12図13は、接続路形成用継ぎ手の他の構成例である接続路形成用継ぎ手81について示している。接続路形成用継ぎ手81は、二重管4と略同様に構成された二重管40を給排路形成用ブロック51に接続する。二重管4との差異点として、二重管40にはレジスト液供給管45の外周の上下に起立した仕切り板39が2つ設けられており、この仕切り板39は例えばレジスト液供給管45の外周と外管46の内周とに接合されている。仕切り板39によって、レジスト液供給管45と外管46との間が仕切られ、上記の通液空間48A、48Bが形成されている。
【0048】
接続路形成継ぎ手81における上記の接続路形成用継ぎ手7との差異点としては、本体部71の前端側に流路76A、76Bが円弧状に開口していることである。この本体部71の外径は、当該本体部71の外周面が外管46の内周面に嵌合できる大きさに形成されている。本体部71の前端側の内縁からは上記の配管進入部73の代わりに円筒部82が前方へ伸び出している。この円筒部82の外周面は、配管進入部73の外周面と異なり、後端から先端に亘って接続路形成用継ぎ手81の中心軸に並行に形成される。円筒部82の上方側及び下方側の2箇所に、当該円筒部82の先端から基端に亘る直線状の切り欠きが形成されており、各切り欠きについて、その縁部から円筒部82の外側に向かうと共に、互いに対向する案内用の立て板83が形成されている。対向する立て板83、83の間の隙間を84とする。
【0049】
接続路形成継ぎ手81と二重管40とが接続されるときには、レジスト液供給管45は、円筒部82と本体部71とに差し込まれて、レジスト液供給管45の外周面と、これら円筒部82及び本体部71の内周面とが嵌合すると共に、本体部71の外周面と外管46の内周面とが嵌合する。さらに、隙間84に仕切り板39が進入し、立て板83と仕切り板39、39とが嵌合する。このように各部が嵌合することによって、接続路形成継ぎ手81の接続路76A、76Bが二重管40の通液空間48A、48Bに接続されると共に、接続路76A及び通液空間48Aと、接続路76B及び通液空間48Bとが、互いに区画される。このような接続路形成継ぎ手81及び二重管40の構成であれば、二重管40の外管46が可撓性を有していなくても、当該二重管40を給排路形成用ブロック51に対して接続することができる。
【0050】
図14は、接続路形成継ぎ手91について示している。接続路形成用継ぎ手91は、二重管92を給排路形成用ブロック51に接続する。二重管92においては、当該二重管92の中心部に形成されたレジスト液の流路93の周囲の管壁に、通液空間48A、48Bが、二重管92の周に沿って夫々複数形成されている。なお、通液空間48A、48Bを周方向に互いに区画している二重管92の管壁が区画部に相当する。
【0051】
接続路形成継ぎ手91における上記の接続路形成用継ぎ手7との差異点として、本体部71の前端側の内縁から、上記の配管進入部73の代わりに円筒部94が前方へ伸び出すように設けられていることが挙げられる。また、本体部71の前端側からは、円筒部95、96が前方へ伸び出すように設けられており、円筒部94の周囲に配置されている。円筒部95、96内は、夫々本体部71の接続路76A、76Bに接続されている。円筒部94の外周面が二重管92の流路93を形成する内周面に嵌合し、円筒部95、96の外周面は、二重管92の通液空間48A、48Bを形成する内周面に嵌合することにより、二重管92が接続路形成継ぎ手91に接続される。なお、円筒部95、96は、この例のように接続路形成継ぎ手91に設ける代わりに二重管92の端部から突出すると共にその内部が通液空間48A、48Bに接続されるように形成されてもよい。その場合、本体部71の流路76A、76Bが当該本体部71の前端に開口すると共にその内周面が、当該円筒部95、96の外周面に嵌合するように構成し、二重管92を接続路形成継ぎ手91に接続できるようにする。
【0052】
図15には、さらに他の接続路形成継ぎ手101を示している。接続路形成継ぎ手101は、接続路形成継ぎ手7と同様に二重管4に対して接続される。なお、図15に示す、この接続路形成継ぎ手101に接続される二重管4においては、突条部47の高さが、当該接続路形成継ぎ手101の形状に対応して、図9などで示した各図の突条部47の高さよりも大きく形成されている。接続路形成継ぎ手101の接続路形成用継ぎ手7との差異点としては、本体部71の前端側の内縁からは上記の配管進入部73の代わりに円筒部102が前方へ伸び出すように設けられていることが挙げられる。円筒部102の外周面は、配管進入部73のように傾斜面74を構成せず、円筒部102の中心軸に並行に形成されている。円筒部102の内周面は、レジスト液供給管45の外周面に嵌合できるように形成されている。
【0053】
円筒部102の外周面には突条部47と係合し、接続路形成継ぎ手101に対して二重管4の周方向の位置を規制する案内溝103が前後方向に形成されている。本体部71には外周側から中心軸側に向かって切り欠き104が形成されており、この切り欠き104の中心軸側の端部は、接続路形成継ぎ手101の前後方向に見て、案内溝103に重なるように形成されている。また、本体部71の前端面には切り欠き104に対して周方向にずれるように、接続路76A、76Bが開口している。
【0054】
接続路形成継ぎ手101と二重管4とを接続する際には、レジスト液供給管45の外周面を本体部71及び円筒部102の内周面に嵌合させると共に、外管46の内径をその可撓性によって広げ、突条部47が切り欠き104及び案内溝103内に収まるように外管46の内側に本体部71を差し込む。外管46の復元力によって、外管46の内周面は、本体部71の外周面を押圧し、本体部71と外管46とが嵌合する。また、切り欠き104及び案内溝103が、突条部47に係合し、接続路76A、76Bが通液空間48A、48Bに連通する。上記のように突条部47と、切り欠き104及び案内溝103と、が係合していることにより、接続路76A及び通液空間48Aと、接続路76B及び通液空間48Bとが互いに区画される。つまり、接続路形成継ぎ手は、接続路形成継ぎ手7のように傾斜面74を持たない構成としてもよい。
【0055】
上記の例ではレジスト液を温調する例を説明しているが、そのようにレジスト液を温調することには限られない。例えばウエハWに反射防止膜を形成するための薬液や、液浸露光時にレジスト膜を保護するために当該レジスト膜の上層に形成される保護膜形成用の薬液や、ウエハWを洗浄する洗浄液を温調するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0056】
W ウエハ
1 レジスト塗布装置
4 二重管
41 レジスト液供給ノズル
45 レジスト液供給管
46 外管
47 突条部
48A、48B 通液空間
5 温調水給排部
51 給排路形成用ブロック
7 接続路形成継ぎ手
73 配管進入部
74 傾斜面
75 案内溝
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15