(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記マイクロレンズアレイのガラス基板の前記撮像素子基板と対向する面に、スペーサとして作用し、貼り合わせ先の前記撮像素子基板において前記画素アレイが形成される領域を取り囲むように配される第1の樹脂材料による第1の樹脂層が設けられており、
前記マイクロレンズアレイのガラス基板と前記撮像素子基板とが、前記ガラス基板に設けられた第1の樹脂層を介して、かつ第2の樹脂系材料である接着剤により張り合わされている
請求項1〜7いずれか1項に記載の撮像素子パッケージ。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明のマイクロレンズアレイの例を示す構成図である。
図1に示すマイクロレンズアレイ10は、ガラス基板1の一方の透光面にマイクロレンズアレイ構造12が設けられてなる。なお、本発明では「マイクロレンズアレイ」といった場合には、基板上にマイクロレンズアレイ構造12が設けられているものの全体を指すものとする。また、本発明では、マイクロレンズアレイ構造12が設けられている基板を「マイクロレンズアレイ基板」という。
【0025】
ここで、マイクロレンズアレイ構造12とは、複数のマイクロレンズ11がアレイ状に配されることによって形成される構造体をいう。なお、
図1では、マイクロレンズアレイ基板を構成するガラス基板1に直接マイクロレンズアレイ構造12を形成する例を示している。
【0026】
ガラス基板1は、貼り合わせ先となる撮像素子基板または撮像素子パッケージ(以下、単に被貼着部という。)と同じまたはそれと近い線膨張率を有する材料を用いる。
【0027】
例えば、被貼着部の材質がシリコンであれば、線膨張率が0.3×10
−6〜11×10
−6/K近傍の材料がガラス基板1の材料として好適であり、好ましくは線膨張率が0.3×10
−6〜6×10
−6/K近傍の材料がガラス基板1の材料としてより好適であり、さらに好ましくは線膨張率が2×10
−6〜4×10
−6/K近傍の材料がガラス基板1の材料としてさらに好適である。
【0028】
具体例としては、石英、アルミノシリケートガラス、ホウケイ酸ガラス、ショット社製の「AF33」、「AF32」、「BOROFLOAT33」、「D263T」、「D263Teco」、「D263LA」、「B270」、旭硝子社製の「SW−3」、「SW−Y」、「SW−YY」、「AN100」、「EN−A1」、「パイレックス」、「FP1」、「FP10」、「FP01eco」、「FL」、「JFL」、コーニング社製の「Eagle2000」、「EagleXG」、日本電気硝子社製の「ABC」、「BDA」(以上、商品名、登録商標を含む。)等のガラスが挙げられ、特に、石英、ショット社製の「AF33」、「AF32」、「BOROFLOAT33」、旭硝子社製の「SW−3」、「SW−Y」、「SW−YY」、「AN100」、「EN−A1」、「パイレックス」」、コーニング社製の「Eagle2000」、「EagleXG」、日本電気硝子社製の「ABC」(以上、商品名、登録商標を含む。)等のガラスがシリコンと近い線膨張率であり、より好ましい。
【0029】
また、例えば、被貼着部の材質がゲルマニウムであれば、線膨張率が0.3×10
−6〜14×10
−6/K近傍の材料がガラス基板1の材料として好適であり、好ましくは線膨張率が3×10
−6〜9×10
−6/K近傍の材料がガラス基板1の材料としてより好適であり、さらに好ましくは線膨張率が5×10
−6〜7×10
−6/K近傍の材料がガラス基板1の材料としてさらに好適である。
【0030】
具体例としては、石英、アルミノシリケートガラス、ホウケイ酸ガラス、リン酸ガラス、フツリン酸ガラス、ショット社製の「AF33」、「AF32」、「BOROFLOAT33」、「D263T」、「D263Teco」、「D263LA」、「B270」、旭硝子社製の「SW−3」、「SW−Y」、「SW−YY」、「AN100」、「EN−A1」、「パイレックス」、「FP1」、「FP10」、「FP01eco」、「FL」、「JFL」、「NF50」、コーニング社製の「Eagle2000」、「EagleXG」、日本電気硝子社製の「ABC」、「BDA」(以上、商品名、登録商標を含む。)等のガラスが挙げられ、特に、ショット社製の「AF33」、「AF32」、「BOROFLOAT33」、「D263T」、「D263Teco」、「D263LA」、「B270」、旭硝子社製の「SW−3」、「SW−Y」、「SW−YY」、「AN100」、「EN−A1」、「パイレックス」、「FP1」、「FP10」、「FP01eco」、「FL」、「JFL」、コーニング社製の「Eagle2000」、「EagleXG」、日本電気硝子社製の「ABC」、「BDA」等のガラスがゲルマニウムと近い線膨張率であり、ガラス基板1の材料としてより好適である。
【0031】
また、例えば、被貼着部の材質がアルミナ等のセラミックスであれば、線膨張率が0.3×10
−6〜15×10
−6/K近傍の材料がガラス基板1の材料として好適であり、好ましくは線膨張率が4×10
−6〜10×10
−6/K近傍の材料がガラス基板1の材料としてより好適であり、さらに好ましくは線膨張率が6×10
−6〜8×10
−6/K近傍の材料がガラス基板1の材料としてさらに好適である。
【0032】
具体例としては、石英、アルミノシリケートガラス、ホウケイ酸ガラス、リン酸ガラス、フツリン酸ガラス、ショット社製の「AF33」、「AF32」、「BOROFLOAT33」、「D263T」、「D263Teco」、「D263LA」、「B270」、旭硝子社製の「SW−3」、「SW−Y」、「SW−YY」、「AN100」、「EN−A1」、「パイレックス」、「FP1」、「FP10」、「FP01eco」、「FL」、「JFL」、「NF50」、コーニング社製の「Eagle2000」、「EagleXG」、日本電気硝子社製の「ABC」、「BDA」(以上、商品名、登録商標を含む。)等のガラスが挙げられ、特に、ショット社製の「D263T」、「D263Teco」、「D263LA」、「B270」、日本電気硝子社製の「BDA」、旭硝子社製の「FP1」、「FP10」、「FP01eco」、「FL」、「JFL」等のガラスがアルミナ等のセラミックスと近い線膨張率であり、ガラス基板1の材料としてより好適である。
【0033】
参考までに、シリコン基板の撮像素子は可視の波長帯域の光を用いる光学装置によく用いられるが、その材料となるシリコンの線膨張率は約3×10
−6/Kである。また、ゲルマニウム基板の撮像素子は赤外の波長帯域の光を用いる光学装置によく用いられるが、その材料となるゲルマニウムの線膨張率は約6×10
−6/Kである。また、撮像素子をパッケージ化する際に外枠材料としてアルミナセラミックスが用いられることがあるが、アルミナセラミックスの線膨張率は約6×10
−6〜8×10
−6/Kである。
【0034】
また、上述したガラス材料の線膨張率は、例えば「AN100」であれば約38×10
−7/Kである。また、「SW」であれば約33×10
−7/Kである。また、例えば「AF33」であれば約33×10
−7/Kである。また、例えば「パイレックス」であれば約33×10
−7/Kである。また、例えば「AF32」であれば約32×10
−7/Kである。また、例えば「BOROFLOAT33」であれば約33×10
−7/Kである。また、例えば「Eagle2000」であれば約32×10
−7/Kである。また、例えば「ABC」であれば約38×10
−7/Kである。また、例えば「FP−1」であれば約52×10
−7/Kである。また、例えば「BDA」であれば約66×10
−7/Kである。また、例えば「D263」であれば約72×10
−7/Kである。また、例えばフツリン酸ガラスであれば120〜150×10
−7/Kである。また、例えばリン酸ガラスであれば70〜120×10
−7/Kである。
【0035】
また、ガラス基板1の材料は、α線放出量が少ないものの方がα線に起因する撮像素子のノイズ発生、撮像素子のダメージを抑制できるため好ましい。ガラス基板1の材料のα線放出量は、例えば、0.01c/cm
2・hr以下であることが好ましく、0.005c/cm
2・hr以下であることがより好ましい。
【0036】
次に、本実施形態のマイクロレンズアレイ10の製造方法について説明する。
図2は、本実施形態のマイクロレンズアレイ10の製造方法の一例を示す説明図である。なお、
図2では、ガラス基板1上に形成される複数のマイクロレンズ11のうち1つのマイクロレンズ11に着目してそれがガラス基板上に形成されるまでの工程を示しているが、実際の製造工程では複数のマイクロレンズ11を同時に形成することにより、結果としてマイクロレンズアレイ構造12が形成される。
【0037】
図2に示す例では、まずガラス基板1のマイクロレンズアレイ構造12を形成する面にレジスト201を塗布する(
図2(a)レジスト塗布工程)。レジスト201は、例えば、アクリル系ポジ型のレジストであってもよい。そして、ガラス基板1上の個々のマイクロレンズ11を形成したい位置に対応したマスク202を用いてレジスト201を露光した後、現像してガラス基板1上のマイクロレンズ12を形成したい位置に断面形状が矩形のレジスト201が残された状態にする(
図2(b)露光工程、
図2(c)現像工程)。
【0038】
次に、サーマルリフローにより、
図2(c)の現像工程で残されたレジスト201を球面形状に形成する(
図2(d)サーマルリフロー工程)。ガラス基板1上に球面形状のレジスト201が形成されると、そのレジスト201をマスクとして利用して、ガラス基板1のドライエッチングを行い、マイクロレンズ11を形成する(
図2(e)ドライエッチング工程,
図2(f)完成図)。
【0039】
なお、
図2(b)の露光工程から
図2(d)のサーマルリフロー工程までの工程に代わって、グレースケールマスクを用いたフォトリソを行い、レジスト201に球面形状を付与する工程を行うことも可能である。
【0040】
また、
図3は、本実施形態のマイクロレンズアレイ10の製造方法の他の例を示す説明図である。なお、
図3でも、ガラス基板1上に形成される複数のマイクロレンズ11のうち1つのマイクロレンズ11に着目してそれがガラス基板上に形成されるまでの工程を示しているが、実際の製造工程では複数のマイクロレンズ11を同時に形成することにより、結果としてマイクロレンズアレイ構造12が形成される。
【0041】
図3に示す例では、まず形成したいマイクロレンズアレイ構造12の形状に対応したモールド(金型)301を用意し、被転写成型材との剥離性を高めるために、モールド301にポリマー系のSAM(自己組織単分子モノマー)膜やDLC(ダイヤモンドライクカーボン)膜を塗布する(
図3(a)離型処理工程)。そして、ガラス基板1上のマイクロレンズを形成したい位置にインプリント材料302を選択的に塗布し、その後
図3(a)の離型処理が施されたモールドをインプリント材料302に押し付けて、インプリント材料302を伸ばし広げてモールド301の形状すなわちアレイ状に並ぶ球面形状の構造体に成形する(
図3(b)感光性モノマー成形工程)。インプリント材料302には、例えば、感光性アクリルモノマーを用いればよい。
【0042】
そして、モールド301を介して成形されたインプリント材料302に光照射を行い、インプリント材料302を光硬化させ、硬化したインプリント材料302からなる球面形状の構造体を形成する(
図3(c)露光工程)。その後、モールド301を離型する(
図3(d)離型工程)。
【0043】
ガラス基板1上に硬化したインプリント材料302からなる球面形状の構造体が形成されると、そのパターンをマスクとして利用して、ガラス基板1のドライエッチングを行い、マイクロレンズ11を形成する(
図3(e)ドライエッチング工程,
図3(f)完成図)。
【0044】
なお、
図3(b)の感光性モノマー成形工程から
図3(c)の露光工程までの工程に代わって、インプリント材料302として熱可塑性樹脂膜を塗布し、モールド301を介して加熱加圧して成形する工程を行うことも可能である。
【0045】
なお、
図1では、ガラス基板1の片方の面にマイクロレンズアレイ構造12を形成する例を示したが、例えば、
図4に示すようにマイクロレンズアレイ20のように、マイクロレンズアレイ構造12をガラス基板1の両方の面に形成することも可能である。なお、
図4は、本発明のマイクロレンズアレイの他の例を示す構成図である。
【0046】
なお、
図4に示すマイクロレンズアレイ20の製造方法は、
図1に示すマイクロレンズアレイ10の製造方法と同様の工程を、ガラス基板1の両面に対して行えばよい。
【0047】
また、
図5は、本発明のマイクロレンズアレイの他の例を示す構成図である。
図5に示すマイクロレンズアレイ30は、ガラス基板1の一方の透光面に、樹脂層2によるマイクロレンズアレイ構造22が設けられてなる。より具体的には、ガラス基板1の一方の透光面に、アレイ状に配されたマイクロレンズ21からなるマイクロレンズアレイ構造22が形成された樹脂層2が積層されてなる。
【0048】
樹脂層2は、例えば、
図2に示した製造工程において使用されるレジスト201を利用して形成してもよい。この場合、
図2に示した製造工程において生成される、球面形状に形成されたレジスト201がそのままマイクロレンズ11として用いられることになる。
【0049】
また、樹脂層2は、例えば、
図3に示した製造工程において使用されるインプリント材料302を利用して形成することも可能である。この場合、
図3に示した製造工程において生成される、球面形状に成形されたインプリント材料302がそのままマイクロレンズアレイ11として用いられることになる。
【0050】
本例における樹脂材料としては、例えば、東京応化工業社製の「TMR−P15」などのアクリル系ポジ型レジスト材料が挙げられる。また、例えば、旭硝子社製の「NIF−A−7g」や「NIF−A−1」といった感光性アクリルモノマーのインプリント材料が挙げられる。
【0051】
なお、本例においても、マイクロレンズアレイ基板を構成するガラス基板1の材料は、貼り合わせ先の撮像素子の被貼着部の材質が有する線膨張率と近い線膨張率を有する材料とする。なお、樹脂層2の材料についても、貼り合わせ先の撮像素子の被貼着部の材質が有する線膨張率と近い線膨張率を有することが好ましいが、そうでなくてもよい。すなわち、樹脂層2がガラス基板1と接着されていることから、樹脂層2の材料である樹脂の接着性によって位置ずれを抑制できるからである。
【0052】
なお、本例のマイクロレンズアレイ30の製造方法は、
図1に示すマイクロレンズアレイ10の製造方法におけるドライエッチング工程を除けばよい。
【0053】
また、
図6は、本発明のマイクロレンズアレイの他の例を示す構成図である。
図6に示すマイクロレンズアレイ40は、
図5に示したマイクロレンズアレイ30の樹脂層2に対して、さらにカバー層3を設けている。なお、カバー層3を設ける対象は、樹脂層によって形成されるマイクロレンズアレイに限らず、例えば、
図1に示したマイクロレンズアレイ10のようなガラス製のマイクロレンズアレイに対しても設けることが可能である。その場合、カバー層3は、少なくともマイクロレンズが形成されている領域を覆う範囲に形成されていればよい。
【0054】
カバー層3は、例えば、樹脂を用いて形成してもよい。カバー層3を設けることによって、マイクロレンズアレイ構造12、22を保護できる。また、カバー層3を設けることによって、レンズ層だけの時よりも焦点距離の制御範囲を広げることができる。曲率半径を大きくできないが焦点距離を大きくしたい場合などにカバー層3を設けるといった用法も挙げられる。
【0055】
また、
図5および
図6では、ガラス基板1の片方の面にマイクロレンズアレイ構造22が形成された樹脂層2を接着させたマイクロレンズアレイの例を示したが、
図4に示した例と同じように、マイクロレンズアレイ構造22が形成された樹脂層2をガラス基板1の両方の面に設けることも可能である。
図7は、樹脂製のマイクロレンズアレイ構造22を両面に設けた場合のマイクロレンズアレイの例を示す構成図である。なお、図示省略しているが、さらにそれぞれのマイクロレンズアレイ構造12,22に対してカバー層3を設けることも可能である。
【0056】
次に、撮像素子基板または撮像素子パッケージとの貼り合わせ例を示す。
図8〜
図12は、本発明によるマイクロレンズアレイと撮像素子基板または撮像素子パッケージとの貼り合わせ例を示す説明図である。
【0057】
例えば、
図8に示すように、所定の画素ピッチに対応した受光素子アレイ41が形成されている撮像素子基板4とマイクロレンズアレイ基板1とをギャップスペーサ51が含有された接着剤5を用いて直接貼り合わせてもよい。
【0058】
この方法におけるマイクロレンズアレイ基板の貼り合わせ対象は、撮像素子基板4である。したがって、撮像素子基板4がシリコン基板であれば、マイクロレンズアレイ基板を構成するガラス基板1の材料には、シリコンの線膨張率に近い線膨張率を有するガラスを用いればよい。また、撮像素子基板4がゲルマニウム基板であれば、マイクロレンズアレイ基板を構成するガラス基板1の材料には、ゲルマニウムの線膨張率に近い線膨張率を有するガラスを用いればよい。
【0059】
また、接着剤5は、例えば、エポキシ系の熱硬化型または光硬化型の樹脂を用いる。その他にも、アクリル系、シリコン系の熱硬化型または光硬化型の樹脂を用いてもよい。
【0060】
なお、
図8では、レンズ面が表(入射する側)となるように貼り合わせる例を示したが、
図9に示すように、レンズ面を裏にして撮像素子基板4と貼り合わせることも可能である。また、収差を抑制できる点で、両面にマイクロレンズアレイ構造12が設けられている方が好ましい。
【0061】
また、
図10に示す例は、ギャップスペーサ51の代わりに、フォトリソしたレジスト6を用いて所望の高さを作り、そのレジスト6を介して撮像素子基板4と接着剤5により貼り合わせる例である。
【0062】
この方法におけるマイクロレンズアレイ基板の貼り合わせ対象は、樹脂系レジストや樹脂系接着剤等の樹脂系材料を除けば実質的に撮像素子基板4とみなすことができる。したがって、撮像素子基板4がシリコン基板であれば、マイクロレンズアレイ基板を構成するガラス基板1の材料には、シリコンの線膨張率に近い線膨張率を有するガラスを用いればよい。また、撮像素子基板4がゲルマニウム基板であれば、マイクロレンズアレイ基板を構成するガラス基板1の材料には、ゲルマニウムの線膨張率に近い線膨張率を有するガラスを用いればよい。
【0063】
また、
図11に示すように、マイクロレンズアレイ基板1のマイクロレンズアレイ構造12が設けられていない側の面の外縁部分を残して掘り下げ、その残った外縁部分の高さをスペーサの代わりにして、撮像素子基板4と接着剤5により貼り合わせることも可能である。
【0064】
この方法におけるマイクロレンズアレイ基板の貼り合わせ対象は、撮像素子基板4である。したがって、撮像素子基板4がシリコン基板であれば、マイクロレンズアレイ基板を構成するガラス基板1の材料には、シリコンの線膨張率に近い線膨張率を有するガラスを用いればよい。また、撮像素子基板4がゲルマニウム基板であれば、マイクロレンズアレイ基板を構成するガラス基板1の材料には、ゲルマニウムの線膨張率に近い線膨張率を有するガラスを用いればよい。
【0065】
なお、
図8〜
図11に示す貼り合わせ方法によれば、複数個の撮像素子基板4を構成するウェハ(例えば、シリコンウェハやゲルマニウムウェハ)と、複数個のマイクロレンズアレイ基板1を構成するガラスウェハを貼り合わせた後で、切断、個片化することも可能である。
【0066】
また、
図12に示すように、撮像素子基板4がセラミックス製のパッケージ内に納められている構成の場合には、そのパッケージ開口部にマイクロレンズアレイ基板1を接着剤により接着して一つの光学部品としてもよい。
【0067】
この方法におけるマイクロレンズアレイ基板の貼り合わせ対象は、セラミックスパッケージ6である。したがって、マイクロレンズアレイ基板を構成するガラス基板1の材料には、セラミックスパッケージ6の材料であるセラミックスの線膨張率に近い線膨張率を有するガラスを用いればよい。
【0068】
なお、図示省略しているが、マイクロレンズアレイと撮像素子の画素アレイとを組み合わせる用途がライトフィールドカメラ用途である場合には、1つのマイクロレンズを通った光が複数の撮像素子に分散して入射されるように、各々のマイクロレンズおよび各々の撮像素子の位置や大きさや、マイクロレンズの焦点距離を定めればよい。
【0069】
以上のように、本実施形態によれば、マイクロレンズアレイと撮像素子の画素アレイとを組み合わせて用いる光学装置において、マイクロレンズアレイ基板とその貼着先である撮像素子基板または撮像素子パッケージとの間で線膨張率の違いによる昇温時のマイクロレンズアレイと撮像素子の画素アレイの位置ずれによる集光スポットのずれを防止できる。
【0070】
さらに、マイクロレンズアレイ基板の材料にα線放出量が低いガラスを用いれば、撮像素子でα線によるノイズが発生することや、撮像素子のダメージを防止できる。
【実施例1】
【0071】
以下、具体的な例を用いて本発明によるマイクロレンズアレイおよび該マイクロレンズアレイを一体型のパッケージとして備える撮像素子パッケージを説明する。第1の実施例は、旭硝子社製の「SW−YY」ガラスをマイクロレンズアレイ基板1に用いる例である。本例のマイクロレンズアレイは、まず「SW−YY」ガラスを用いて製造されたガラス基板1(以下、SWガラスという。)の一方の面に、ポジ型フォトレジスト材料を1300rpmにてスピン塗布し、100℃で加熱して膜厚1.7μmのレジスト膜を形成する。なお、レジスト材料としては、THMR−iP3100(東京応化工業株式会社製)を用いる。
【0072】
次いで、得られたレジスト膜に対してフォトマスクを介在させた状態で露光を行い、その後、現像液で感光部分のフォトレジストを除去し、直径31μm、高さ1.7μmの円柱が、32μmピッチで配列したレジストパターンが形成されたSWガラスを作製する。
【0073】
次いで、得られた円柱のレジストパターンを200℃で加熱し、レジストを溶融させ曲率半径44.4μmの凸球面状のレジストにする。
【0074】
そして、CF
4(四フッ化メタン)ガスとBCl
3(三塩化ホウ素)ガスを含む混合ガスを使い反応性イオンエッチング法にてレジストとSWガラスをエッチングし、レンズ形状をSWガラスに転写し、曲率半径62.4μmのマイクロレンズ11が32μmピッチで配列されているマイクロレンズアレイ構造12を有するマイクロレンズアレイ10を作製する。なお、ガラスウェハを用いて一度に複数のマイクロレンズアレイ10を作製する場合は、ここで、ダイシングによりガラスウェハを切断し、マイクロレンズアレイ10を個片化してもよい。この場合、撮像素子との貼り合わせは個片にて実施する。
【0075】
また、このようにして作製したマイクロレンズアレイ10と撮像素子が形成された半導体基板とを、レンズと撮像素子との距離を制御するため120μmのスペーサを内添させた接着剤を受光領域を取り囲むように塗布して光硬化させる。なお、接着剤はエポキシ接着剤を用いる。
【0076】
本例の場合、SW−YYガラス基板の線膨張率は33×10
−7(/K)であり、その貼り合わせ先である半導体基板の線膨張率は、33×10
−7(/K)であるので、両者の線膨張率差は1×10
−7(/K)以下となる。したがって、線膨張率の違いから使用温度や発熱による撮像素子の画素ピッチとレンズピッチの位置ずれを防止できる。また、プリント配線基板にリフロー実装する際に基板同士の剥れが生じることも防止できる。
【0077】
また、SWガラス基板のα線放出量は、0.01c/cm
2・hr以下であることから、撮像素子でα線によるノイズが発生することを防止できる。
【実施例2】
【0078】
第2の実施例は、旭硝子社製の「AN100」ガラスをマイクロレンズアレイ基板1に用いる例である。本例のマイクロレンズアレイは、まず「AN100」ガラスを用いて製造されたガラス基板1(以下、ANガラスという。)の一方の面に、ポジ型フォトレジスト材料を2500rpmにてスピン塗布し、100℃で加熱して膜厚1.3μmのレジスト膜を形成する。なお、レジスト材料としては、THMR−iP3100(東京応化工業株式会社製)を用いる。
【0079】
次いで、得られたレジスト膜に対してフォトマスクを介在させた状態で露光を行い、その後、現像液で感光部分のフォトレジストを除去し、直径31μm、高さ1.3μmの円柱が、32μmピッチで配列したレジストパターンが形成されたANガラスを作製する。
【0080】
次いで、得られた円柱のレジストパターンを200℃で加熱し、レジストを溶融させ曲率半径56.4μmの凸球面状のレジストにする。
【0081】
そして、CF
4(四フッ化メタン)ガスとBCl
3(三塩化ホウ素)ガスを含む混合ガスを使い反応性イオンエッチング法にてレジストとANガラスをエッチングし、レンズ形状をANガラスに転写し、曲率半径62.4μmのマイクロレンズ11が32μmピッチで配列されているマイクロレンズアレイ構造12を有するマイクロレンズアレイを作製する。なお、本例では、ここでダイシングによりガラスウェハを切断し、マイクロレンズアレイを個片化する。
【0082】
また、このようにして作製したマイクロレンズアレイと撮像素子が形成された半導体基板とを貼り合わせて、ライトフィールドカメラ用の撮像素子パッケージを作製する。なお、マイクロレンズアレイと半導体基板との貼り合わせ方法および貼り合わせ先の半導体基板は第1の実施例と同様である。
【0083】
本例の場合、ANガラス基板の線膨張率は38×10
−7(/K)であり、その貼り合わせ先である半導体基板の線膨張率は、33×10
−7(/K)であるので、両者の線膨張率差は1×10
−6(/K)以下となる。したがって、線膨張率の違いから使用温度や発熱による撮像素子の画素ピッチとレンズピッチの位置ずれを防止できる。また、プリント配線基板にリフロー実装する際に基板同士の剥れが生じることも防止できる。
【実施例3】
【0084】
第3の実施例は、石英ガラスをマイクロレンズアレイ基板1に用いる例である。本例のマイクロレンズアレイは、まず石英ガラス基板の一方の面に、ポジ型フォトレジスト材料を2900rpmにてスピン塗布し、100℃で加熱して膜厚1.2μmのレジスト膜を形成する。なお、レジスト材料としては、THMR−iP3100(東京応化工業株式会社製)を用いる。
【0085】
次いで、得られたレジスト膜に対してフォトマスクを介在させた状態で露光を行い、その後、現像液で感光部分のフォトレジストを除去し、直径31μm、高さ1.2μmの円柱が、32μmピッチで配列したレジストパターンが形成された石英ガラスを作製する。
【0086】
次いで、得られた円柱のレジストパターンを200℃で加熱し、レジストを溶融させ曲率半径60.5μmの凸球面状のレジストにする。
【0087】
そして、CF
4(四フッ化メタン)ガスとCHF
3ガスを含む混合ガスを使い反応性イオンエッチング法にてレジストと石英ガラスをエッチングし、レンズ形状を石英ガラスに転写し、曲率半径55.2μmのマイクロレンズが32μmピッチで配列されているマイクロレンズアレイ構造を有するマイクロレンズアレイを作製する。なお、本例では、ここでダイシングによりガラスウェハを切断し、マイクロレンズアレイを個片化する。
【0088】
また、このようにして作製したマイクロレンズアレイと撮像素子が形成された半導体基板とを貼り合わせて、ライトフィールドカメラ用の撮像素子パッケージを作製する。なお、マイクロレンズアレイと半導体基板との貼り合わせ方法および半導体基板の材料は第1の実施例と同様である。
【0089】
本例の場合、石英ガラス基板の線膨張率は6×10
−7(/K)であり、その貼り合わせ先である半導体基板の線膨張率は、33×10
−7(/K)であり、両者の線膨張率差は3×10
−6(/K)以下となる。したがって、線膨張率の違いから使用温度や発熱による撮像素子の画素ピッチとレンズピッチの位置ずれを防止できる。また、プリント配線基板にリフロー実装する際に基板同士の剥れが生じることも防止できる。
【0090】
比較例1.
以下、比較例として、樹脂基板を用いて作製されるマイクロレンズアレイおよび該マイクロレンズアレイを一体型のパッケージとして備える撮像素子パッケージを説明する。
【0091】
本比較例のマイクロレンズアレイは、まず準備段階として、石英ガラス基板の一方の面に、ポジ型フォトレジスト材料を2900rpmにてスピン塗布し、100℃で加熱して膜厚1.2μmのレジスト膜を形成する。なお、レジスト材料としては、THMR−iP3100(東京応化工業株式会社製)を用いる。
【0092】
次いで、得られたレジスト膜に対してフォトマスクを介在させた状態で露光を行い、その後、現像液で感光部分のフォトレジストを除去し、直径31μm、高さ1.2μmの円柱が、32μmピッチで配列したレジストパターンが形成された石英ガラスを作製する。
【0093】
次いで、得られた円柱のレジストパターンを200℃で加熱し、レジストを溶融させ曲率半径60.5μmの凸球面状のレジストにする。
【0094】
次いで、凸球面状のレジストが付与されたガラス基板表面にスパッタ法にてNi膜を製膜し、さらに電気メッキ法で1mm厚のNiメッキを施した後、Niを母型から剥がし、凹球面状のNi製金型を作製する。以上で準備段階を終了する。
【0095】
金型が作製されると、作製したNi製金型に、離型剤をスピン塗布し、100℃で焼成してフッ素処理を行う。
【0096】
次いで、フッ素処理したNi製金型と、本例のマイクロレンズアレイ基板となるポリカーボネート基板との間にアクリル系光硬化樹脂を滴下して重ね合せ、全面を均等に加圧しながら金型とポリカーボネート基板の間に樹脂を充填させる。
【0097】
次いで、金型とポリカーボネート基板の間に充填させた状態で、金型とポリカーボネート基板の平行度合わせと位置合わせを行い、ポリカーボネート基板越しにUV露光を行う。UV露光後、85℃で焼成し、樹脂を十分硬化させた後、基板から金型を離型して曲率半径60.2μmのマイクロレンズが32μmピッチで配列されているマイクロレンズアレイ構造を有する、マイクロレンズアレイ基板が樹脂基板であるマイクロレンズアレイを作製する。
【0098】
また、このようにして作製したマイクロレンズアレイと撮像素子が形成された半導体基板とを貼り合わせて、ライトフィールドカメラ用の撮像素子パッケージを作製する。なお、マイクロレンズアレイと半導体基板との貼り合わせ方法および貼り合わせ先の半導体基板は第1の比較例と同様である。
【0099】
本例の場合、ポリカーボネート基板の線膨張率は690×10
−7(/K)であり、その貼り合わせ先である半導体基板の線膨張率は、33×10
−7(/K)であり、両者の線膨張率差は657×10
−7(/K)となり大きい。このため、プリント配線基板にリフロー実装する際、基板同士の剥れが生じることが懸念される。また、線膨張率の違いから使用温度や発熱による撮像素子の画素ピッチとレンズピッチの位置ずれが生じることが懸念される。なお、実験により、温度65℃の環境で本例の撮像素子パッケージを動作させたところ、位置ずれが確認される。
【0100】
以上、本発明を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、本発明は、さらに別の態様でも実施でき、その主旨を逸脱しない範囲で種々変更を加えうるものである。
本出願は、2012年3月7日付けで出願された日本特許出願(特願2012−050641)に基づいており、その全体が引用により援用される。