(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記溶媒系が、少なくとも2つの異なる溶媒を含み、かつ、該溶媒系が除去されると前記SOM1が前記SOM2より早く沈殿するように該SOM1、該SOM2、および該溶媒系が適合されている、請求項1記載の組成物。
前記SOM1とは異なる少なくとも1つのマトリックス材料を前記溶媒に供給する工程をさらに含み、第二の有機半導体材料(SOM2)が該マトリックス材料とは異なる、請求項14に記載の方法。
前記SOM1用の少なくとも1つのドーパントを溶媒に供給する工程であって、該ドーパントが、前記マトリックス材料を実質的にドープせず、かつ、該ドーパントがイオン性化合物を含む、工程をさらに含む、請求項15に記載の方法。
請求項1記載の組成物を用いて作製されるLED、OLED、PHOLED、OPV、エレクトロクロミックデバイス、スーパーキャパシタ、アクチュエータ、薄膜トランジスタ、またはバッテリーを含む、有機電子デバイス。
【発明を実施するための形態】
【0027】
詳細な説明
序論
本明細書において引用される参照文献は全て、参照によりその全体が組み入れられる。
【0028】
優先権の基礎となる2011年7月5日に出願された米国特許仮出願第61/504,653号は、参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。
【0029】
2009年4月10日に出願された米国特許出願公開第2009/0256117号(権利譲受人:Plextronics, Inc.)には、一連のポリマー、ドーピングシステム、およびデバイスが記載されており、その実施例、図面、共役ポリマー、ドーパント、および特許請求の範囲を含む参照により本明細書に組み入れられる。
【0030】
米国特許出願公開第2008/0248313号(2007年7月13日に出願)には、正孔注入層および正孔輸送層に使用されるスルホン化材料ならびに関連するデバイスが記載されている。
【0031】
米国特許第7,569,159号には、正孔注入層および正孔輸送層ならびに関連するデバイスが記載されている。
【0032】
米国特許出願公開第2006/0078761号および同第2006/0076050号(2005年9月26日に出願)には、エレクトロルミネセントおよび光起電デバイスで使用される共役ポリマーが記載されている。
【0033】
米国特許出願公開第2009/0230361号(平坦化物質);同第2010/0072462号(平坦化物質);同第2010/0108954号(ポリアリールアミンケトン);同第2010/0109000号(電荷注入);同第2010/0292399号(アミノベンゼン);および同第2011/0147725号(縮合環系)にはまた、正孔注入材料、ならびに、平坦化物質、ドーパント、および溶媒系を含む組成物が記載されている。
【0034】
有機電子デバイスで使用される共役ポリマーは、また、例えば、WO 2009/152,165(2009年12月17日に公開);WO 2009/111,675(2009年9月11日に公開);WO 2009/111,339(2009年9月11日に公開)に記載されている。
【0035】
OLEDディスプレーおよび材料は、例えば、Organic Light-Emitting Materials and Devices, Li and Meng (Eds.), 2006に記載されている。例えば、この参照文献には、正孔注入材料および正孔輸送材料が記載されている(例えば、第3章を参照)。
【0036】
有機材料および/またはドーパントの他の例には、EP 1725079;US 2007/0207341;WO 2009/102027;WO 2009/158069;米国特許第5,853,906号;米国特許第5,999,780号;およびNielsen et al., J Am. Chem. Soc., 2008, 130, 9734-9746が含まれる。
【0037】
下記の米国特許、公報番号、および刊行物には、発光材料および組成物が記載されており、参照によりその全体が本明細書に組み入れられる:Youtian et al., Chemical Society Reviews, 2011), 40(5), 2943-2970; Ulbricht et al., Advanced Materials, 2009, 21(44), 4418-4441. Duan et al. Journal of Materials Chemistry, 2010, 20(31), 6392-6407; Highly Efficient OLEDs with Phosphorescent Materials, 2008, Edited by Yersin, Hartmut; Zhou et al. Journal of Photochemistry and Photobiology, C: Photochemistry Reviews, 2010, 11(4), 133-156. Kido et al., Chemistry of Materials, 2011, 23(3), 621-630. US 2011/02409874 A1。
【0038】
下記の米国特許、公報番号、および刊行物には、高い三重項エネルギーを有する正孔輸送材料および組成物が記載されており、参照によりその全体が本明細書に組み入れられる:Shirota, et al., Chem. Rev., 2007, 107, 953-1010, Yeob et al., Organic Electronics, 2012, 13, 1245; Yeob et al., Organic Electronicsm, 2012, 13, 1044; Yeob et al., J. Mat. Chem., 2012, 22, 3099; Yeob et al., Adv. Mat., 2011; Yeob et al., Chemistry of Materials (2011), 23(19), 4338-4343; Vygintas, Molecular Crystals and Liquid Crystals, 2011, 536, 200-207; Gu, Applied Physics Letters, 2008, 93(6), 063306/1-063306/3; WO 2011049953, WO 2011049904; Kondakova et al. Journal of Applied Phys., 104, 2010, 094501/1、US 2011/02409874 A1。
【0039】
下記の米国特許、公報番号、および刊行物には、電子輸送材料および組成物が記載されており、参照によりその全体が本明細書に組み入れられる:Shirota, et al., Chem. Rev., 2007, 107, 953-1010; Jenekhe et al. Advanced Functional Materials, 3889-3899, October 21, 2011; Organic Electronics: Materials, Processing, Devices and Applications, 2009, Ed. Franky So; US 2011/02409874 A1。
【0040】
デバイス構造
様々なOLEDデバイス構造が、当技術分野において公知であり、かつ使用することができる。これらには、例えば、倒置構造、ボトムエミッション構造、トップエミッション構造、透明構造、および積層構造が含まれる。
【0041】
基板およびコーティングされた基板
異なるデバイス構造を支持するために、当技術分野において公知であるとおり、多種多様な基板を使用することができる。
【0042】
様々な種類のコーティングされた基板を調製することができる。いくつかの態様において、方法は、少なくとも1つのベース基板と、少なくとも1つの透明(または他の)導電性電極と、任意で、少なくとも1つの有機半導体材料を含む1つまたは複数の層とを備える少なくとも1つの基板を準備する工程;第一の有機半導体材料(SOM1)と、SOM1とは異なる第二の有機半導体材料(SOM2)とを含む液体インク組成物を準備する工程;少なくとも1つの電極上に、または任意で、少なくとも1つの有機半導体材料を含む1つまたは複数の層上に、インク組成物をコーティングする工程;電極上にまたは少なくとも1つの有機半導体材料を含む層上に少なくとも1つの膜を形成するために、インク組成物を乾燥させる工程を含み、インクが乾燥する際に膜が、電極上にまたは少なくとも1つの有機半導体材料を含む層上に配置された少なくとも1つの下部第一層と、第一層とは異なりかつ電極からまたは少なくとも1つの有機半導体材料を含む層から離れて配置された、少なくとも1つの上部第二層とを含むようにインクが適合されており、第一層がSOM1で富化されており、かつ、第二層がSOM2で富化されており、SOM1およびSOM2がそれぞれ、(a)少なくとも1つの正孔注入材料(HIM)、および少なくとも1つの正孔輸送材料(HTM)、(b)少なくとも1つの第一の正孔輸送材料(HTM1)、および少なくとも1つの第二の正孔輸送材料(HTM2)、または、(c)少なくとも1つの発光材料(EM)および少なくとも1つの電子輸送材料(ETM)からなる群より選択される。一態様において、例えば、方法は、少なくとも1つの基板を準備する工程;少なくとも1つの正孔注入材料と、正孔注入材料とは異なる少なくとも1つの正孔輸送材料とを含む液体インク組成物を準備する工程;基板上にインク組成物をコーティングする工程;基板上に少なくとも1つの膜を形成するために、インク組成物を乾燥させる工程を含み、インクが乾燥する際に膜が、電極上に配置された少なくとも1つの下部第一層と、第一層とは異なりかつ電極から離れて配置された、少なくとも1つの上部第二層とを含むようにインクが適合されており、第一層が少なくとも1つの正孔注入材料で富化されており、かつ、第二層が少なくとも1つの正孔輸送材料で富化されている。
【0043】
1つのさらなる態様は、少なくとも1つのベース基板と、少なくとも1つの透明(または他の)導電性電極を含む少なくとも1つの電極とを備える、少なくとも1つの基板を提供する。
【0044】
電子デバイスに使用される基板は、当技術分野において公知であり、かつ可撓性基板および硬質基板を含むことができる。基板は、ロールツーロールプロセシング用に適合することができる。基板は、自立型であることができる。基板は、ベース基板と、ベース基板の上部に、例えば、透明導電性電極(TCO)を含む電極とを備えることができる。TCOを含む電極は、パターン化することができる。
【0045】
ベース基板
ベース基板は、例えば、可撓性基板または硬質基板であることができる。例えば、ベース基板は、合成ポリマーまたは無機材料、例えば、ガラスまたは金属箔であることができる。例えば、ベース基板は、ガラス、アルミニウム、ステンレス、PET、またはPENを含むことができる。本明細書に記載される組成物は、基板上に、または基板上に事前に蒸着された層上に、例えば、少なくとも1つの有機半導体材料(例えば、正孔輸送層または正孔注入層)または有機電子デバイスで通常使用される他の材料(例えば、マトリックス材料または平坦化材料)上に形成することができる。
【0046】
導電性電極
電極は、ベース基板上に形成することができる。有機電子デバイスで使用される電極は、当技術分野において一般的に公知であり、例えば、下記の電極タイプが含まれる。
【0047】
透明(または他の)導電性電極は、ベース基板上に形成することができる。例えば、ITOのような透明導電体は、金属箔、ガラス、アルミニウム、ステンレス、PET、またはPENのような基板上に形成することができる。本明細書に記載される組成物は、透明(または他の)導電性電極上に形成することができる。ITO置換材料を使用することもできる。ITO置換材料は、当技術分野において公知であり、かつ例えば、「Indium Tin Oxide and Alternative Transport Conductors Markets, NanoMarkets, 2009」に開示される材料が含まれる。また、金属グリッド型電極を使用してもよく、これらは当技術分野において公知であり、かつ例えば、Appl. Phys. Lett. 96, 203301に開示されるものを含む。
【0048】
液体インク
液体インクは、溶媒系を使用して調製することができる。溶媒系は、1つの溶媒または2つまたはそれ以上の溶媒を含むことができる。
【0049】
方法工程は、少なくとも1つの第一の有機半導体材料(SOM1)を含む少なくとも1つの液体インク組成物を準備すること;任意で、SOM1とは異なる少なくとも1つのマトリックス材料を準備すること;任意で、SOM1用の少なくとも1つのドーパントを準備すること;第二の有機半導体材料(SOM2)がSOM1およびマトリックス材料とは異なる、該SOM2を準備することでありうる。いくつかの態様において、ドーパントは、任意のマトリックス材料を実質的にドープせず、かつ/またはドーパントは、イオン性化合物を含む。いくつかの態様において、該方法は、SOM1とは異なる少なくとも1つのマトリックス材料を準備する工程を含まない。別の態様において、該方法は、SOM1とは異なる少なくとも1つのマトリックス材料を準備する工程を含む。いくつかの態様において、該方法は、SOM1用の少なくとも1つのドーパントを準備する工程を含まない。別の態様において、該方法は、SOM1用の少なくとも1つのドーパントを準備する工程を含む。例えば、方法工程は、共役ポリマーのような少なくとも1つの正孔注入材料と、正孔注入材料とは異なる少なくとも1つの正孔輸送材料とを含む少なくとも1つの液体インク組成物を準備することでありうる。別の態様において、SOM1およびSOM2は、それぞれ、少なくとも1つの正孔注入材料(HIM)および少なくとも1つの正孔輸送材料(HTM)である。別の態様において、SOM1およびSOM2は、それぞれ、少なくとも1つの第一の正孔輸送材料(HTM1)および少なくとも1つの第二の正孔輸送材料(HTM2)である。別の態様において、SOM1およびSOM2は、それぞれ、少なくとも1つの発光材料(EM)および少なくとも1つの電子輸送材料(ETM)である。
【0050】
液体インク組成物は、例えば、(i)例えば、共役ポリマーのような少なくとも1つの正孔注入材料;(ii)任意で、(i)とは異なる少なくとも1つのマトリックス材料;(iii)ドーパントが、任意のマトリックス材料(ii)を実質的にドープせず、かつ、ドーパントがイオン性化合物を含む、共役ポリマー(i)のような正孔注入材料用の少なくとも1つのドーパント;(iv)共役ポリマーおよびマトリックス材料とは異なる、少なくとも1つの正孔輸送化合物;ならびに、(v)少なくとも1つの溶媒を含むことができる。
【0051】
液体インク組成物は、電極、例えば、導電性電極上に、または基板上に事前に蒸着された層、例えば、少なくとも1つの有機半導体材料(例えば、正孔輸送層もしくは正孔注入層)または有機電子デバイスに通常使用される他の材料(例えば、マトリックス材料もしくは平坦化材料)上にコーティングすることができる。インク組成物は、例えば、溶媒の一部または全てを除去することによって乾燥させて、電極上に少なくとも1つの膜、例えば、380〜800nmの波長の照射の場合に約90nmの厚さで90%超の透過率を有する膜を形成することができる。インク組成物は、少なくとも2つの層に垂直に相分離するように調合することができる。
【0052】
共役ポリマーを含む正孔注入材料
正孔注入材料の広範な例が当技術分野において公知であり、これらは、小分子またはポリマーであってもよく、かつ、中性であってもまたはドープされていてもよい。ポリマーは、高度に共役されることができるか、または例えば、トリアリールアミン、置換ベンジジン、置換カルバゾールのような別々の正孔輸送材料を含有することができる。ポリマーは、その主鎖または側鎖で官能化することができる。例えば、米国特許出願公開第2010/0108954号および同第2010/0292399号を含む、序論において引用される参照文献を参照されたい。
【0053】
組成物は、例えば、少なくとも1つの共役ポリマーを含むことができる。共役ポリマーは、有機電子デバイスでのそれらの使用を含み、当技術分野において公知である。例えば、Friend, 「Polymer LEDs」, Physics World, November 1992, 5, 11, 42-46を参照されたい;例えば、Kraft et al., 「Electroluminescent Conjugated Polymers-Seeing Polymers in a New Light」, Angew. Chem. Int. Ed., 1998, 37, 402-428を参照されたい。加えて、ポリアセチレン、ポリ(p-フェニレン)、ポリ(p-フェニレンスルフィド)、ポリピロールおよびポリチオフェンを含み、これらのポリマーファミリーおよびこれらのポリマー系の誘導体を含む、導電性または共役ポリマーが、参照によりその全体が本明細書に組み入れられる、The Encyclopedia of Polymer Science and Engineering, Wiley, 1990, 298-300ページに記載されている。この参照文献はまた、ブロックコポリマー形成を含む、ポリマーのブレンドおよび共重合を記載している。
【0054】
共役ポリマーは、ポリチオフェンを含む任意の共役ポリマーであることができ、かつホモポリマー、コポリマー、またはブロックコポリマーであることができる。側基を有する立体規則性ポリチオフェンを含む、合成方法、ドーピング、およびポリマー特徴決定は、例えば、参照によりその全体が本明細書に組み入れられる、McCulloughらに対する米国特許第6,602,974号およびMcCulloughらに対する同第6,166,172号に提供されている。さらなる記載については、論文「The Chemistry of Conducting Polythiophenes」, Richard D. McCullough著, Adv. Mater., 1998, 10, No. 2, 93-116ページに見出すことができ、かつここに引用される参照文献は、参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。当業者が使用することができる別の参照文献は、参照によりその全体が本明細書に組み入れられる、Handbook of Conducting Polymers, 2nd Ed., 1998, Chapter 9, by McCullough et al., 「Regioregular, Head-to-Tail Coupled Poly(3-alkylthiophene) and its Derivatives」, 225-258ページである。参照によりその全体が本明細書に組み入れられる、この参照文献にはまた、29章、823-846ページに、「Electroluminescence in Conjugated Polymers」が記載されている。
【0055】
ポリチオフェンは、例えば、Roncali, J., Chem. Rev. 1992, 92, 711; Schopf et al., Polythiophenes: Electrically Conductive Polymers, Springer: Berlin, 1997にさらに記載されている。また、例えば、米国特許第4,737,557号および同第4,909,959号を参照されたい。
【0056】
ポリマー半導体は、参照によりその全体が本明細書に組み入れられる、例えば、「Organic Transistor Semiconductors」, Katz et al.著, Accounts of Chemical Research, vol. 34, no. 5, 2001, 365-367ページを含む359ページに記載されている。
【0057】
共役ポリマーは、例えば、ブロックコポリマーを含むコポリマーであることができる。ブロックコポリマーは、例えば、Block Copolymers, Overview and Critical Survey、Noshay and McGrath著、Academic Press, 1977に記載されている。例えば、このテキストには、A-Bジブロックコポリマー(5章)、A-B-Aトリブロックコポリマー(6章)および-(AB)
n-マルチブロックコポリマー(7章)が記載されており、これらは、本発明においてブロックコポリマータイプのベースを形成することができる。
【0058】
ポリチオフェンを含むさらなるブロックコポリマーは、参照によりその全体が組み入れられる、例えば、Francois et al., Synth. Met., 1995, 69, 463-466; Yang et al., Macromolecules, 1993, 26, 1188-1190; Widawski et al., Nature (London), vol. 369, June 2, 1994, 387-389; Jenekhe et al., Science, 279, March 20, 1998, 1903-1907; Wang et al., J Am. Chem. Soc., 2000, 122, 6855-6861; Li et al., Macromolecules, 1999, 32, 3034-3044; Hempenius et al., J Am. Chem. Soc., 1998, 120, 2798-2804に記載されている。
【0059】
側鎖を有する導電性ポリマーを可溶化するために使用することができる置換基には、例えば、C1〜C25基を含むアルコキシおよびアルキル、ならびに、例えば、酸素および窒素を含むヘテロ原子系が含まれる。特に、少なくとも3つの炭素原子または少なくとも5つの炭素原子を有する置換基を使用することができる。混合置換基を使用することができる。置換基は、非極性、極性または官能性有機置換基であることができる。側基は、置換基Rと呼ぶことができ、これは、例えば、アルキル、ペルハロアルキル、ビニル、アセチレン、アルコキシ、アリールオキシ、ビニルオキシ、チオアルキル、チオアリール、ケチル、チオケチルであることができ、水素以外の原子で置換されていてもよい。
【0060】
共役ポリマーは、複素環式モノマーの繰り返し単位を含むことができ、かつ複素環式ポリマーが特に好ましい。特に好ましい系は、ポリチオフェン系、立体規則性ポリチオフェン系、3-置換ポリチオフェン系、および3,4-二置換ポリチオフェン系である。ポリマーは、例えば、PLEXCORE、Plexcoat、および類似の材料のようなポリチオフェンベースポリマーを含み、Plextronics, Inc., Pittsburgh, PAから得ることができる。
【0061】
共役ポリマーは、少なくとも1つの3-置換アルコキシポリチオフェン、または3,4-置換ジアルコキシポリチオフェンを含むことができる。
【0062】
共役ポリマーならびにそのポリマーを使用する調合物およびデバイスの1つの重要な例は、3-置換ポリチオフェンである。好ましくは、3-置換ポリチオフェンは、ポリ(3-アルコキシチオフェン)であってもよい。
【0063】
共役ポリマーならびにそのポリマーを使用する調合物およびデバイスの別の重要な例は、立体規則性ポリチオフェンである。好ましくは、ポリチオフェンの立体規則性は、例えば、約85%、または少なくとも約95%、または少なくとも約98%であってもよい。いくつかの態様において、立体規則性は、少なくとも約70%または少なくとも約80%であることができる。さらに他の態様において、立体規則性ポリチオフェンは、少なくとも約90%の立体規則性、または少なくとも約98%の立体規則性を有する。
【0064】
共役ポリマーならびにそのポリマーを使用する調合物およびデバイスの1つの重要な例、3,4-二置換ポリチオフェンである。好ましくは、3,4-二置換ポリチオフェンは、ポリ(3,4-ジアルコキシチオフェン)またはポリ(3,4-ジ-ポリエーテル)-チオフェンであってもよい。ポリエーテルは、複数のエーテル基を有する分子である。アルコキシおよびポリエーテル側基は、ポリマー骨格鎖に電子供与することができる。
【0065】
3,4-二置換ポリチオフェンは、対称モノマーの繰り返し単位を有してもよい。多くの場合、3,4-二置換ポリチオフェンは、繰り返し単位として3,4-置換チオフェンを含み、それは、二置換チオフェンの3位および4位に酸素原子が直接連結し、かつ2-および5位を介して重合している。置換基は、側鎖を有する3,4-置換チオフェンを可溶化するために使用することができ、その側鎖は、例えば、直鎖または分岐鎖の炭素鎖、例えば、C1〜C25基を含む、アルコキシおよびポリエーテルを含むことができ、該鎖中の1、2、3、4、5または6個の炭素原子は、酸素および/または窒素などのヘテロ原子により置換されていてもよい。
【0066】
共役ポリマーは、2,5-ジブロモ-3,4-ビス(2-(2-ブトキシエトキシ)エトキシ)チオフェン、または2,5-ジブロモ-3,4-ビス(2-(2-エトキシエトキシ)エトキシ)チオフェン;2,5-ジブロモ-3,4-ビス(2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ)チオフェン;2,5-ジブロモ-3,4-ビス(2-(2-ブトキシエトキシ)エトキシ)チオフェン;2,5-ジブロモ-3,4-ビス(2-(2-ブトキシブトキシ)ブトキシ)チオフェン;および2,5-ジブロモ-3,4-ビス(2-(2-メトキシメトキシ)メトキシ)チオフェンのようなモノマー単位の重合によって調製してもよい。
【0067】
任意の公知の重合方法を使用して、3,4-二置換ポリチオフェンを得てもよい。典型的には、ポリマーそのものは、ニッケル触媒を使用して、ジアルコキシチオフェンまたはジポリエーテルチオフェンの2,5-ジブロモ誘導体のGRIM重合によって得ることができる。
【0068】
対称モノマーのGRIM重合は、例えば、Campos et al., Photovoltaic Activity of a PolyProDOT Derivative in a Bulk Heterojunction Solar Cell, Solar Energy Materials & Solar Cells, August 2006に記載されている。
【0069】
共役ポリマーは、3,4-二置換ポリチオフェン、例えば、ポリ(3,4-ビス(2(2-ブトキシエトキシ)エトキシ)チオフェン)-2,5-ジイル、ポリ(3,4-ビス(2-(2-エトキシエトキシ)エトキシ)チオフェン)2,5-ジイル;ポリ(3,4-ビス(2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ)チオフェン)-2,5-ジイル;ポリ(3,4-ビス(2-(2-ブトキシエトキシ)エトキシ)チオフェン)-2,5-ジイル;ポリ(3,4-ビス(2-(2-ブトキシブトキシ)ブトキシ)チオフェン)2,5-ジイル;およびポリ(3,4-ビス(2-(2-メトキシメトキシ)メトキシ)チオフェン)-2,5-ジイルであることができる。
【0070】
典型的には、共役ポリマーは、下記で表される3,4-二置換ポリチオフェンであることができる:
。式中、R
1は、独立して、置換されていてもよいアルコキシ基またはアルコキシヘテロ原子基、例えば、アルコキシアルコキシアルコキシ成分であることができ、かつR
2は、独立して、置換されていてもよいアルコキシ基 アルコキシヘテロ原子基、例えば、アルコキシアルコキシアルコキシ成分であることができる。あるいは
R
1は、独立して、置換されていてもよいアルキル、および置換されていてもよいアリールオキシであることができ、かつR
2は、独立して、置換されていてもよいアルキル、および置換されていてもよいアリールオキシであることができる。任意の置換のための置換基の例には、ヒドロキシル、フェニルおよびさらなる置換されていてもよいアルコキシ基が含まれる。アルコキシ基は、また、ヒドロキシル、フェニルまたはアルコキシ基で置換されていてもよいことができる。あるいは
R
1は、独立して、置換されていてもよいアルキレンオキシドであることができ、かつR
2は、独立して、置換されていてもよいアルキレンオキシドであることができる。置換基は、例えば、ヒドロキシル、フェニルまたはアルコキシ基であることができる。あるいは
R
1は、独立して、置換されていてもよいエチレンオキシド、または置換されていてもよいプロピレンオキシド、または他の低級アルキレンオキシ単位であることができ、かつR
2は、独立して、置換されていてもよいエチレンオキシド、または置換されていてもよいプロピレンオキシド、または他の低級アルキレンオキシ単位であることができる。置換基は、例えば、ヒドロキシル、フェニルまたはアルコキシ基であることができる。あるいは
R
1は、独立して、例えば、メチレンまたはエチレンのような置換されていてもよいアルキレンであることができ、置換基は、例えば、エチレンオキシまたはプロピレンオキシのような置換されていてもよいアルキレンオキシであり;置換基は、例えば、ヒドロキシル、フェニルまたはアルコキシであることができ、かつR
2は、独立して、例えば、メチレンまたはエチレンのような置換されていてもよいアルキレンであることができ、置換基は、例えば、エチレンオキシまたはプロピレンオキシのような置換されていてもよいアルキレンオキシであり;置換基は、例えば、ヒドロキシル、フェニルまたはアルコキシであることができる。
【0071】
加えて、置換基R
1およびR
2は、アルコキシまたはフェノキシのような酸素原子によってチオフェンに連結することができ、その置換基は対応するアルコールまたはフェノールによってそれぞれ特徴付けることができる。アルコールは、例えば、直鎖または分岐鎖であることができ、かつC2〜C20、またはC4〜C18、またはC6〜C14個の炭素原子を有すことができる。アルコールは、例えば、アルキルアルコール、またはエチレングリコール、またはプロピレングリコール、またはジエチレングリコール、またはジプロピレングリコール、またはトリプロピレングリコールであることができる。さらなる例は、モノエチレングリコールエーテルおよびアセテート、ジエチレングリコールエーテルおよびアセテート、トリエチレングリコールエーテルおよびアセテートなどであることができる。酸素原子を介してチオフェン環に連結することができるアルコールの例には、ヘキシルセロソルブ、Dowanol PnB、エチルカルビトール、Dowanol DPnB、フェニルカルビトール、ブチルセロソルブ、ブチルカルビトール、Dowanol DPM、ジイソブチルカルビノール、2-エチルヘキシルアルコール、メチルイソブチルカルビノール、Dowanol Eph、Dowanol PnP、Dowanol PPh、プロピルカルビトール、ヘキシルカルビトール、2-エチルヘキシルカルビトール、Dowanol DPnP、Dowanol TPM、メチルカルビトール、Dowanol TPnBが含まれる。商品名は、当技術分野において周知である。様々なアルコキシおよびポリエーテル置換基を含むポリチオフェン置換基ならびに調合物は、例えば、2007年7月13日に出願された米国特許出願第11/826,394号(米国特許出願公開第2008/0248313号)に記載されている。
【0072】
重合度nは、特に限定されないが、例えば、2〜500,000、または5〜100,000、または10〜10,000、または10〜1,000、10〜500、または10〜100であることができる。多くの場合、ポリマーは、およそ5,000〜100,000g/molの数平均分子量を有する。いくつかの態様において、Rは、モノアルコキシ、ジアルコキシ、トリアルコキシまたはテトラアルコキシ基であることができ、かつ共役ポリマーは、ポリ(3,4-ジアルコキシチオフェン)またはポリ(3,4-ジポリエーテルチオフェン)である。
【0073】
側基の例は、ブトキシエトキシ(エトキシ)基であり、ポリマーは、ポリ-3,4-ビス(2-(2-ブトキシエトキシ)エトキシ)チオフェン-2,5-ジイルであることができる。
【0074】
ドーパント
例えば、共役ポリマーを含む正孔注入材料は、ドーパントと混合することができる。反応は、混合した場合に起こりうる。特に、共役ポリマーは、ドーパントでドープすることができる。例えば、ドーパントは、例えば共役ポリマーとの1つまたは複数の電子移動反応を受けて、それによって、ドープされた共役ポリマーを生成する材料であることができる。ドーパントは、好適な荷電バランスの対アニオンを与えるように選択することができる。例えば、ドーパントは、ポリマーから金属塩のようなカチオン-アニオンドーパントへの自発的な電子移動を受けて、それによって、酸化された形態の共役ポリマーと関連するアニオンおよび遊離金属を生じてもよい。本明細書において論じるように、共役ポリマーおよびドーパント、またはドーパントは、ドープされたポリマーを形成するように反応する構成要素を指すことができる。ドーピング反応は、電荷キャリアが生成される電荷移動反応であることができ、その反応は可逆的または不可逆的であることができる。ドーパントは、当技術分野において公知である。例えば、米国特許または米国特許出願第7,070,867号;同第2005/0123793号;同第2004/0113127号を参照されたい。
【0075】
アニオンTPFBは、当技術分野において公知である。例えば、Hijazi et al., European J. Inorganic Chemistry, 2008, 18, 2892-2898; Ogawa et al., Organometallics, 2005, 24(20), 48424844; Kuprat et al., Organometallics, 2010, 29(6), 1421-1427(AgTPFBがLiTPFBより不安定であることを示している)を参照されたい。TPFBは、一価および二価のカチオンを含む多種多様なカチオンと錯体形成することができ、かつまた、アセトニトリル、塩化メチレン、ジエチルエーテル、ペンタン、ベンゼン、またはトルエンのような極性および非極性配位子と配位または錯体形成することもできる。
【0076】
正孔輸送材料または化合物
インク組成物は、正孔輸送材料または正孔輸送化合物を含むことができる。いくつかの態様において、インク組成物は、少なくとも1つの第一の正孔輸送材料または正孔輸送化合物(HTM1)および少なくとも1つの第二の正孔輸送材料または正孔輸送化合物(HTM2)を含むことができる。正孔輸送化合物は、ポリマーであることができる。正孔輸送化合物は、小分子であることができる。正孔輸送化合物は、例えば、5,000g/mol未満または2,000g/mol未満の分子量を有することができる。正孔輸送化合物は、フッ素化されたまたは部分的にフッ素化された正孔輸送化合物を含むことができる。正孔輸送化合物は、ドープされていないことができる。正孔輸送化合物は、水素結合することができる。正孔輸送化合物は、架橋することができる。正孔輸送化合物は、自己表面化(self-surfacing)することができる。正孔輸送化合物は、置換されていてもよいアルキルまたはアリール基ならびにヘテロアルキルおよびヘテロアリール基を含むことができる。
【0077】
いくつかの態様において、正孔輸送化合物は、架橋しているものを含む金属有機骨格を含むことができる。
【0078】
正孔輸送化合物は、例えば、N4,N4'-ビス(4-トリデカフルオロノニルオキシ-フェニル)-N4,N4'-ジフェニル-[1,1'-ビフェニル]-4,4'-ジアミンを含むことができる。
【0079】
正孔輸送化合物は、例えば、N4,N4'-ビス(4-ビニルフェニル)-N4,N4'-ジフェニル-[1,1'-ビフェニル]-4,4'-ジアミンを含むことができる。
【0080】
正孔輸送化合物は、例えば、ポリ(9,9-ジオクチル-フルオレン-co-N-(4-ブチルフェニル)-ジフェニルアミンを含むことができる。
【0081】
正孔輸送化合物は、N
7-ジ(ナフタレン-1-イル)-N
2,N
7-ジフェニル-9H-フルオレン-2,7-ジアミン(DMFL-NPD)を含むことができる。
【0082】
好適な正孔輸送化合物は、大気中光電子分光法(PESA)により測定して、HOMO≧-5.1eV、例えば、-5.1eVより深い、例えば、約-5.3eVを有することができる。
【0083】
他の正孔輸送材料は、例えば、共に2011年7月1日に出願された、米国特許出願第13/175,710号(米国特許出願公開第2012/0001127号)および、米国特許出願第13/175,714号(権利譲受人:Plextronics)に記載されている。加えて、正孔輸送材料は、例えば、2012年5月15日に出願された米国特許出願第61/647,428号に記載されている。これらの参照文献はそれぞれ参照によりその全体が組み入れられる。正孔輸送材料は架橋性化合物であることができる。
【0084】
好適な正孔輸送化合物は、例えば、構造HTM-SMGにより表される化合物を含むことができ、HTMは正孔輸送基であり、かつSMGは表面活性基である。好適な正孔輸送化合物は、下記構造の少なくとも1つにより表される化合物を含むことができる:
。式中、R基は、例えば、アルキル鎖、ペルフルオロアルキル鎖もしくはセミフルオロアルキル鎖、またはシロキサンから選択され、かつ表1に示されるリストから選択される官能基を含み得る。
【0085】
(表1)官能性および官能性を得るための出発シントンの一覧表
【0086】
他の好適な正孔輸送化合物は、下記の構造により表される化合物のようなフッ素化された正孔輸送化合物を含むことができる:
。
【0087】
いくつかの態様において、インク組成物は、少なくとも1つの第一の正孔輸送材料または正孔輸送化合物(HTM1)および少なくとも1つの第二の正孔輸送材料または正孔輸送化合物(HTM2)を含む。ある態様において、HTM2は、HTM1より高い三重項エネルギーを有する。例えば、一態様において、リン光スペクトルから測定して、HTM2は、2.7eV超の三重項エネルギーを有し、かつHTM1は、2.7eV未満または2.7eVの三重項エネルギーを有する(Mikhnenko, et al., Phys. Rev. Lett. 108, 2012, 137401; Baldo et al. Phys. Rev. B 62, 2000, 10958-10966; Leo et al Physical Review B, 2010, Volume: 81, Issue: 24, Murov et al. Handbook of Photochemistry, 3
rd edition. Turro N. J., Modern Molecular Photochemistry, 1991)。
【0088】
HTM1は、アリールアミンであることができ、かつ/または少なくとも1つのペルフルオロアルキル鎖もしくは少なくとも1つのセミフルオロアルキル鎖またはアリール基で官能化されていることができる。例は、フッ素化メチルおよびエチルを示すが、好ましい態様は特定の構造に限定されない。周知のHansonの溶解パラメーターを利用する溶解特性の反復設計は、反復合成の他に、この用途に理想的な構造を特定するために用いられる。一態様において、HTM1は、本明細書に列挙された先の正孔輸送材料のいずれかの1つまたは複数である。
【0089】
HTM2は、HTM1とは異なる正孔輸送材料であることができる。いくつかの態様において、HTM2は、2.7eV超の三重項エネルギーを有する。HTM2のより高い三重項エネルギーは、例えば、緑色または青色発光PHOLEDにおいて使用してもよい。一態様において、HTM2は、アリールアミンおよび/またはフッ素化された正孔輸送化合物、例えば、下記の構造により表される化合物である。HTM2の特定の態様には、非限定的に、下記の例示化合物が含まれる:
。
【0090】
一態様において、HTM2材料は、下記の一般構造により表し得る:
。式中、nは、1〜20の任意の整数であるか、またはその中の整数の任意の組み合わせである。破線円は、アリールまたはヘテロアリール成分であってもよく、かつ同じであっても異なっていてもよい。アルキレン成分は、パラ位に結合しているように示されているが、メタ位であってもオルト位であってもよく、各フェニルに1つまたは複数のアルケン成分が結合していてもよい。アルケン成分は、有効な架橋またはアニーリング成分として知られる他の成分により置換されていてもよい。別の態様において、フェニルは、別のアリールまたはヘテロアリール成分により置き換えられていてもよい。別の態様において、CF
3は、破線円ごとに複数回置換されていてもよい。別の態様において、CF
3は、C1〜C10ペルフルオロアルキルのような1つまたは複数のフルオロ置換基を含む、別のアルキレンにより置換されていてもよい。フルオロ成分をその化合物に加えるかまたはその化合物から除去する表面化能を調整してもよい。一態様において、2.7eV超の三重項の核は、このレベルのeVを有する当技術分野において公知の成分であってもよいか、または化合物全体でこのeV値を有するようなアリールアミンもしくはヘテロアリール化合物であってもよい。当業者であれば、公知の方法によって化合物を試験して、そのeV値を容易に決定することができる。
【0091】
発光材料または化合物
インク組成物は、発光材料または化合物(EM)を含むことができる。いくつかの態様において、インク組成物は、少なくとも1つのEMおよび少なくとも1つの電子輸送材料または化合物(ETM)を含むことができる。
【0092】
EMは、ポリマーであることができる。EMは、小分子であることができる。EMは、例えば、5,000g/mol未満または2,000g/mol未満の分子量を有することができる。EMは、フッ素化されたまたは部分的にフッ素化されたEMを含むことができる。EMは、ドープされていないことができる。EMは、水素結合することができる。EMは、架橋することができる。EMは、置換されていてもよいアルキルまたはアリール基ならびにヘテロアルキルおよびヘテロアリール基を含むことができる。EMは、フッ素化されたまたは部分的にフッ素化された側鎖を含むことができる。
【0093】
電子輸送材料または化合物
インク組成物は、発光材料または化合物(EM)を含むことができる。いくつかの態様において、インク組成物は、少なくとも1つのEMおよび少なくとも1つの電子輸送材料または化合物(ETM)を含むことができる。
【0094】
ETMは、ポリマーであることができる。ETMは、小分子であることができる。ETMは、例えば、5,000g/mol未満または2,000g/mol未満の分子量を有することができる。ETMは、フッ素化されたまたは部分的にフッ素化された正孔輸送化合物を含むことができる。ETMは、ドープされていないことができる。ETMは、水素結合することができる。ETMは、架橋することができる。ETMは、自己表面化することができる。ETMは、置換されていてもよいアルキルまたはアリール基ならびにヘテロアルキルおよびヘテロアリール基を含むことができる。ETMは、フッ素化された側鎖を含むことができる。
【0095】
ETMのいくつかの態様の代表的な構造の1つは、下記の構造である:
。式中、nは、1〜10の整数であるかもしくはその中の任意の個々の整数であることができ、mは、2n+1であることができるか、または、炭素構造中に1つまたは複数のアルケンもしくはアルキン成分がある場合にmは炭素C
nがフルオロ基により完全に置換されている数である。破線円は、アリールまたはヘテロアリール成分であってもよく、同じであっても異なっていてもよい。ピリジン成分は、窒素含有ヘテロアリール化合物のような異なるヘテロアリール化合物で置き換えることができる。
【0096】
一態様において、ETMは、置換されていてもよいフェナントロリンである。一態様において、ETMは、下記式の1つにより表される少なくとも1つの化合物を含む:
。
【0097】
溶媒
溶媒は、インクを使用してデバイス中に膜を形成する場合、陽極または発光層のような他の層とともに使用および加工処理するために適合されている、少なくとも1つの溶媒であることができる。
【0098】
本発明の溶媒系で使用される一般的な溶媒には、中性および酸化型の芳香族炭化水素が含まれる。中性および酸化型のテトラヒドロフラン、クロロホルムまたは芳香族炭化水素のような溶媒が使用される。さらなる溶媒には、テトラヒドロフラン、クロロホルム、アルキル化ベンゼン、ハロゲン化ベンゼン、NMP、DMF、DMAc、DMSO、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、クロロホルム、ジクロロメタン、アセトン、THF、ジオキサン、酢酸エチル、安息香酸エチル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、またはそれらの組み合わせが含まれる。共役ポリマーは、典型的には溶解性が高く、かつこれらの溶媒中での加工処理可能性が高い。
【0099】
環境遵守の観点から、1つまたは複数の非ハロゲン化溶媒を選択してもよい。ハロゲン化溶媒は、実質的にまたは完全に排除することができる(例えば、全溶媒担体あたり、10%容量未満、または5%容量未満、または1%容量未満、または0.1容量%未満で使用される)。そのような追加の因子を検討する際には、例えば、Cheremisnoff, N.P., Industrial Solvents Handbook, 2nd Ed. (Marcel Dekker, New York, 2003); Ash, M, Handbook of Solvents, 2nd Ed. (Syapse Information Resources, 2003); Wypych, G., Handbook of Solvents (Chemical) (Noyes Publications, 2000); Hansen, C.M., Durkee, J. and Kontogeorgis, G, Hanson Solubility Parameters: A User's Handbook (Taylor and Francis, 2007) などの参照文献を参照することが役に立つ場合もあり、これらの全ては、参照によりその全体が組み入れられる。2つまたはそれ以上の溶媒を含む溶媒系の選択に関するより詳細な説明については、参照によりその全体が組み入れられる、2008年8月20日に出願された、米国特許第61/090,464号(043419-0256)を参照されたい。
【0100】
考慮される溶媒には、エーテル(C1〜C10アルキル鎖で置換されていてもよい)、例えば、アニソール、エトキシベンゼン、ジメトキシベンゼンおよびグリコールエーテル、例えば、エチレングリコールジエーテル、例えば、1,2-ジメトキシエタン、1,2-ジエトキシエタン、1,2-ジブトキシエタン;ジエチレングリコールジエーテル、例えば、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル;プロピレングリコールジエーテル、例えば、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル;ジプロピレングリコールジエーテル、例えば、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジブチルエーテル;また、上記のエチレングリコールおよびプロピレングリコールエーテルのより高次の類似体(トリ-およびテトラ-)を含んでもよい。
【0101】
さらに他の溶媒、例えば、エチレングリコールモノエーテルアセテートおよびプロピレングリコールモノエーテルアセテートを考慮することができ、そのエーテルは、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソ-プロピル、n-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、シクロヘキシルから選択することができる。また、ジ、トリおよびテトラのような上記リストのより高次のグリコールエーテル類似体。例には、非限定的に、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、2-エトキシエチルアセテート、2-ブトキシエチルアセテートが含まれる。
【0102】
さらに他の可能な溶媒には、脂肪族および芳香族ケトン、例えば、アセトニルアセトン、メチルイソブチルケトン、メチルイソブテニルケトン、2-ヘキサノン、2-ペンタノン、アセトフェノン、エチルフェニルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノンが含まれる。
【0103】
さらに可能な溶媒には、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、テトラメチレンスルホキシド、アセトニトリル、ベンゾニトリル、炭酸エチレン、炭酸プロピレンなどが含まれる。
【0104】
他の例には、例えば、テトラヒドロピラン(THP)のような環状エーテルが含まれる。溶媒は、溶媒の重合を回避することができるように使用することができる。別の例は、メトキシプロピオニトリルである。
【0105】
1つまたは複数の溶媒を様々な割合で使用して、基板の水和性、溶媒除去の容易性、粘性、表面張力、および湿潤性などのインク特徴を改良することができる。
【0106】
あるいは、複数の溶媒、例えば、第一の溶媒および第二の溶媒を選択することが有用であり得る。一例では、HIL/HTLインク系において、共役ポリマーは、第二の溶媒中よりも第一の溶媒中で高い溶解性を有することができる。正孔輸送化合物はまた、第一の溶媒中よりも第二の溶媒中で高い溶解性を有することができる。溶媒は、乾燥工程において、第一の溶媒が、第二の溶媒よりも速い速度で除去されることができるように選択することができる。同様に、HTL1/HTL2インク系において、HTM1は、第二の溶媒中よりも第一の溶媒中で高い溶解性を有することができる。HTM2は、また、第一の溶媒中よりも第二の溶媒中で高い溶解性を有することができる。溶媒は、乾燥工程において、第一の溶媒が、第二の溶媒よりも速い速度で除去されることができるように選択することができる。同様に、ETL/EMLインク系において、EMは、第二の溶媒中よりも第一の溶媒中で高い溶解性を有することができる。ETMはまた、第一の溶媒中よりも第二の溶媒中で高い溶解性を有することができる。溶媒は、乾燥工程において、第一の溶媒が、第二の溶媒よりも速い速度で除去されることができるように選択することができる。
【0107】
垂直相分離
インク組成物は、電極上または少なくとも1つの有機半導体材料を含む1つもしく複数の層上に、例えば、基板/電極上に事前に蒸着された正孔注入層もしくは正孔輸送層上に、または他の事前に蒸着された有機半導体材料層上に、コーティングおよび乾燥することができる。
【0108】
インク組成物は、最終デバイスの電子特性を改良するために使用される電極またはさらなる層を任意で含有する、基板上に膜として形成することができる。例えば、組成物は、それが相分離するように調合することができる。一般的に相分離は、具体的には垂直相分離は、当技術分野において公知である。例えば、Arias, A.C., et al.,「Photovoltaic Performance and Morphology of Polyfluorene Blends: A combined Microscopic and Photovoltaic Investigation」, Macromolecules, 2001, 34, 6005-6013; Walheim, S., et al. 「Structure Formation via Polymer Demixing in Spin-Cast Films」, Macromolecules, 1997, 30, 4995-5003; Coe-Sullivan, S., et al.,「Large-Area Ordered Quantum-Dot Monolayers via Phase Separation During Spin-Casting」, Adv. Func. Mater., 2005, 15, 1117-1124; Arias, A.C.,「Vertically Segregated Polymer Blends: Their Use in Organic Electronics」, Journal of Macromolecular Science, Part C: Polymer Reviews, 46:103-125, 2006; Corcoran, N., et al., 「Increased efficiency in vertically segregated thin-film conjugated polymer blends for light-emitting diodes」, App. Phys. Lett., Vol. 82, No. 2, 2003; Heriot, SY., et al., 「An interfacial instability in a transient wetting layer leads to lateral phase separation in thin spin-cast polymer blend films」, Nature, Vol. 4, October 2005; Kim, Y, et al., 「Mixing effect of hole-injecting and hole transporting materials on the performance and lifetime of organic light-emitting devices」, App. Phys. Lett., 88, 043504 (2006); Sun, 8., et al., 「Vertically segregated hybrid blends for photovoltaic devices with improved efficiency」, J Appl. Phys., 97, 014914 (2005); Arias, A.C., et al., 「Vertically segregated polymer-blend photovoltaic thin-film structures through surface-mediated solution processing」, Appl. Phys. Lett., Vol. 80, No. 10, March 2002, Greczynski, G., et al., 「Characterization of the PEDOT-PSS system by means of X-ray and Ultraviolet Photoelectron Spectroscopy」, Thin Solid Films, Vol. 354, Nos. 1-2, October 1999, およびHwang, J., 「Spectroscopic study on sputtered PEDOT-PSS: Role of surface PSS layer」, Org. Electronics, Vol. 7, No. 5, October 2006を参照されたい。
【0109】
従って、インク組成物は、少なくとも1つの下部第一層と、該第一層とは異なりかつ該第一層上に配置された少なくとも1つの上部第二層とを含む相分離した膜を形成するために使用することができる。
【0110】
少なくとも1つの下部第一層は、電極、あるいは、例えば、基板/電極上に事前に蒸着された正孔注入層もしくは正孔輸送層または他の事前に蒸着された有機半導体材料層などの、少なくとも1つの有機半導体材料を含む1つまたは複数の層などの、基板上に配置することができる。第一層は、例えば共役ポリマーなどの少なくとも1つの正孔注入材料、または少なくとも1つの第一の正孔輸送材料(HTM1)、または少なくとも1つの発光材料(EM)などの少なくとも1つの第一の有機半導体材料(SOM1)で富化されていてもよい。例えば、第一層は、少なくとも30重量%、または少なくとも50重量%、または少なくとも70重量%、または少なくとも90重量%のSOM1を含むことができる。
【0111】
少なくとも1つの上部第二層は、第一層とは異なっていることができ、かつ、電極のような基板から離れて配置することができる。第二層は、SOM1とは異なる第二の有機半導体材料(SOM2)によって富化されていてもよい。第二層は、デバイスの正孔輸送層またはHTM1とは異なる少なくとも1つの第二の正孔輸送材料または少なくとも1つの電子輸送材料(ETM)であることができる。第二層は、少なくとも30重量%、または少なくとも50重量%、または少なくとも70重量%、または少なくとも90重量%、または少なくとも95重量%、または少なくとも99重量%のSOM2を含むことができる。第二層は、正孔輸送層の場合、10
-3〜10
-6cm
2V
-1S
-1の正孔移動度を有することができる。第二層は、2.0〜1.8eVのLUMOを有することができる。第二層は、好ましくは、約200℃未満、または約150℃未満、または約100℃未満の温度で、いかなる温度転移(すなわち、溶融、ガラス転移または分解)も受けない。第二層は、いかなる収縮も受けない。
【0112】
第二層は、好ましくは、ドープされていない正孔輸送層のようなSOM2を形成するためのインク組成物の乾燥工程中に自己表面化することができるSOM2を含む。第二層は、好ましくは、例えば、トルエンまたはキシレンに溶解したエミッタおよびホストを含む発光層によって続いてコーティングすることができる正孔輸送化合物のようなSOM2を含む。例えば、正孔輸送化合物で富化された場合、第二層は、エミッタ層(EML)が上部に形成された平滑で湿潤性の表面を提供することができるはずである。したがって、トルエンおよびキシレンに溶解したエミッタによるその後のコーティングは、第二層の初期の表面粗さに影響を及ぼすべきではない。発光層でコーティングした場合に、(例えば)トルエンまたはキシレンから正孔輸送層が100%保持されることが望ましい。HTLの90%超または95%超が保持されることが少なくとも望ましい。正孔輸送化合物は、コーティングされた基板上をトルエンで洗浄し、かつ基板を100℃で5分間アニーリングして基板を乾燥した後、初期の膜厚の少なくとも90%を保持することができ、トルエン洗浄工程は、トルエンを基板上に1分間スピニングすることを含むことができる。リン光OLEDデバイスにおいて正孔輸送層として使用する場合、第二層はまた、三重項励起子遮断用に適合させ得る。
【0113】
相分離のプロセスに関していかなる特定の理論にも制限されるものではないが、相分離は、例えば、乾燥工程中に行うことができる。相分離は、インク構成要素の少なくとも1つが沈殿するように、溶媒の除去によって開始することができる。相分離の駆動力は、自己表面化する有機半導体材料(すなわち、SOM2)(例えば、正孔輸送化合物)、すなわち、低蒸気圧溶媒、例えば、第一の溶媒および第二の溶媒のような少なくとも1つの溶媒を含む溶媒系において部分的溶解性を有する、有機半導体材料(すなわち、SOM2)の使用を含み、第二の溶媒の蒸気圧は、第一の溶媒より低い。例えば、有機半導体材料(すなわち、SOM2)の部分的フッ素化および水素結合は、垂直に相分離している膜の自己表面化層を供給すること特徴とする。ヒドロキシルのような水素結合基は、当技術分野において公知である。そのうえ、インク組成物の構成要素間のイオン性/酸性相互作用は、垂直に相分離している膜の形成においてインクを支援することができる。アンモニウム基がイオン性基の例である。
【0114】
相分離を制御することもできる材料パラメーターは、表面エネルギー、溶解度差、溶媒揮発性、溶媒粘性、ならびに、基板、インク、および気圧の間の特定の相互作用である。
【0115】
さらに、垂直に相分離した膜のような膜を形成するために態様のインク組成物が蒸着された基板表面は、垂直相分離を促進するために官能化することができる。例えば、ガラス基板上に形成されたITO電極は、その表面が、好ましくは、例えば、HIMの第一層の共役ポリマーに結合するように官能化することができ、それにより正孔輸送化合物が最上部で表面化し、それによって、上述したとおりに第二の上部層を形成することが可能になる。
【0116】
光学顕微鏡法、X-線光電子分光法(XPS)、フーリエ変換分光法(FTIR)、原子間力顕微鏡法(AFM)、および電流検出型AFMなどの複数の方法が、相分離膜を特徴決定するために利用可能である。相分離は、これらの特徴決定法を使用して、有機半導体材料(すなわち、SOM2)のみを含む組成物から形成された膜の測定値と態様のインク組成物により形成された膜の測定値とを比較することによって検証することができる。
【0117】
量
インク組成物は、下記の表2に示される量で提供することができる。各構成要素の量は、示される特定の配合表から最大25%までの変更を含み変更することができる。その量は重量%で開示する。
【0119】
インク組成物は、二重HTL用に下記の表3に示される量で提供することができる。各構成要素の量は、示される特定の配合表から最大25%までの変更を含み変更することができる。その量は重量%で開示する。
【0121】
インク組成物は、ETL EML被覆用に下記の表4に示される量で提供することができる。各構成要素の量は、示される特定の配合表から最大25%までの変更を含み変更することができる。その量は重量%で開示する。
【0123】
製造方法
一態様において、液体インク組成物を製造する方法が提供される。
【0124】
方法の一態様は、少なくとも1つの溶媒を準備する工程、少なくとも1つの正孔注入材料(例えば、共役ポリマー)を溶媒に供給する工程、任意で、正孔注入材料とは異なる少なくとも1つのマトリックス材料を溶媒に供給する工程、共役ポリマー用の少なくとも1つのドーパントを溶媒に供給する工程であって、ドーパントが、任意のマトリックス材料を実質的にドープせず、かつ、ドーパントがイオン性化合物を含む、工程、ならびに、正孔輸送化合物が正孔注入材料およびマトリックス材料とは異なる、少なくとも1つの正孔輸送化合物を溶媒に供給する工程を含む。
【0125】
方法の別の態様は、少なくとも1つの溶媒を準備する工程、少なくとも1つの第一の正孔輸送材料(HTM1)を溶媒に供給する工程、任意で、HTM1とは異なる少なくとも1つのマトリックス材料を溶媒に供給する工程、ならびに、第二の正孔輸送材料(HTM2)がHTM1およびマトリックス材料とは異なる、少なくとも1つのHTM2を溶媒に供給する工程を含む。
【0126】
方法の別の態様は、少なくとも1つの溶媒を準備する工程、少なくとも1つの発光材料(EM)を準備する工程、およびEMとは異なる少なくとも1つの電子輸送材料(ETM)を溶媒に供給する工程を含む。
【0127】
デバイス(使用方法)
当技術分野において公知の方法を使用して、例えば、OLEDおよびOPVデバイスを含む有機電子デバイスを製作することができる。当技術分野において公知の方法を使用して、輝度、効率、および寿命を測定することができる。OLED特許には、例えば、米国特許第4,356,429号および同第4,539,507号(Kodak)が含まれる。光を放出する導電性ポリマーは、例えば、米国特許第5,247,190号および同第5,401,827号(Cambridge Display Technologies)に記載されている。また、参照によりその全体が本明細書に組み入れられる、デバイスの構造、物理的原理、溶液加工処理、多層形成、ブレンド、ならびに材料の合成および調合が含まれる、Kraft et al., 「Electroluminescent Conjugated Polymers - Seeing Polymers in a New Light」, Angew. Chem. Int. Ed., 1998, 37, 402-428を参照されたい。
【0128】
本明細書に含まれるいくつかの態様の代表的な略図は、
図1(B)〜1(D)に見出される。
【0129】
一態様において、デバイスは、本明細書に包含される組成物の1つまたは複数からなる層を有することができる。別の態様において、デバイスは、少なくとも1つの基板;基板上に配置された少なくとも1つの導電性電極;任意で、導電性電極上に配置された1つまたは複数の半導体層;導電性電極上にまたは任意の半導体層上に配置された上面および下面を有し、少なくとも1つの第一の有機半導体材料(SOM1)と、SOM1とは異なる少なくとも1つの第二の有機半導体材料(SOM2)とを含む、有機半導体層を備え、下部境界部は、導電性電極または任意の半導体層と少なくとも部分的に接触する面であり、かつ上面は、下部境界部から最も離れており、かつ、SOM2は、下面よりも高い重量%で上面に存在する。さらに説明すると、本明細書において使用される下面は、例えば、
図1BにおいてITOと接触しているHTL/HIL層の表面、または
図1CにおいてHILと接触しているHTL1/HTL2の表面、または1DにおいてHTL層と接触しているETL/EMの表面であることができる。同様に、上面は、例えば、
図1BにおいてEMと接触しているHTL/HIL層の表面、または
図1CにおいてEMと接触しているHTL1/HTL2の表面、または1Dにおいて陰極層と接触しているETL/EMの表面であることができる。図面は、単にいくつかの態様の代表例であり、上面は、一般的に、表面化合物(surfacing compound)において富化されることを理解されたい。いくつかの態様において、上面および下面を有する有機半導体層は、本明細書に包含される化合物の1つまたは複数からなる。有機半導体層は、第一の有機半導体材料(SOM1)と、SOM1とは異なる第二の有機半導体材料(SOM2)とを含むことができる。
【0130】
光エミッタ
光エミッタを含む層は、上述される少なくとも1つの正孔注入材料(HIM)および少なくとも1つの正孔輸送材料(HTM)、または少なくとも1つの第一の正孔輸送材料(HTM1)および少なくとも1つの第二の正孔輸送材料(HTM2)膜上に形成することができる。当技術分野において公知であり、かつ市販の光エミッタを使用することができ、これには、様々な導電性ポリマーおよび有機分子、例えば、Sumation、Merck Yellow、Merck Blue、American Dye Sources(ADS)、Kodak(例えば、AlQ3など)、およびさらにAldrich(BERP-PPVなど)から市販されている材料が含まれる。そのような有機エレクトロルミネセント材料の例には、(i)ポリ(p-フェニレンビニレン)およびフェニレン成分上の様々な位置で置換されているその誘導体;(ii)ポリ(p-フェニレンビニレン)およびビニレン成分上の様々な位置で置換されているその誘導体;(iii)ポリ(p-フェニレンビニレン)ならびにフェニレン成分上の様々な位置で置換されているおよびビニレン成分上の様々な位置で置換されているその誘導体;(iv)アリーレンが、ナフタレン、アントラセン、フリレン、チエニレン、オキサジアゾールのような成分であってもよい、ポリ(アリーレンビニレン);(v)アリーレンが、上記(iv)のようなものであってもよく、かつそのうえアリーレン上の様々な位置に置換基を有していてもよい、ポリ(アリーレンビニレン)の誘導体;(vi)アリーレンが、上記(iv)のようなものであってもよく、かつそのうえ、ビニレン上の様々な位置に置換基をさらに有していてもよい、ポリ(アリーレンビニレン)の誘導体;(vii)アリーレンが、上記(iv)のようなものであってもよく、かつそのうえアリーレン上の様々な位置に置換基およびビニレン上の様々な位置に置換基を有していてもよい、ポリ(アリーレンビニレン)の誘導体;(viii)例えば、(iv)、(v)、(vi)および(vii)のようなアリーレンビニレンオリゴマーと非共役オリゴマーとのコポリマー;(ix)ポリ(9,9-ジアルキルフルオレン)などのようなラダーポリマー誘導体を含む、ポリp-フェニレンおよびフェニレン成分上の様々な位置で置換されているその誘導体;(x)アリーレンが、ナフタレン、アントラセン、フリレン、チエニレン、オキサジアゾールのような成分であってもよい、ポリ(アリーレン);およびアリーレン成分上の様々な位置で置換されているそれらの誘導体;(xi)例えば、(x)のようなオリゴアリーレンと非共役オリゴマーとのコポリマー;(xii)ポリキノリンおよびその誘導体;(xiii)ポリキノリンと、溶解性を付与するためにフェニレン上において、例えば、アルキルまたはアルコキシ基で置換されているp-フェニレンとのコポリマー;(xiv)ポリ(p-フェニレン-2,6-ベンゾビスチアゾール)、ポリ(p-フェニレン-2,6-ベンゾビスオキサゾール)、ポリp-フェニレン-2,6-ベンズイミダゾール)およびそれらの誘導体のような剛体棒状ポリマー;(xv)ポリフルオレンポリマー、およびポリフルオレン単位とのコポリマーが含まれる。
【0131】
好ましい有機発光ポリマーには、緑色、赤色、青色、もしくは白色光を放射するSUMATION発光ポリマー(「LEP」)、またはそれらのファミリー、コポリマー、誘導体、またはそれらの混合物が含まれ;SUMATION LEPは、Sumation KKから市販されている。他のポリマーには、Covion Organic Semiconductors GmbH, Frankfurt, Germany(現在は、Merck(登録商標)の所有)から市販されているポリスピロフルオレン様ポリマーが含まれる。
【0132】
あるいは、ポリマー以外に、蛍光またはリン光を放射する小有機分子が、有機エレクトロルミネセント層として役立つことができる。小分子有機エレクトロルミネセント材料の例には、(i)トリス(8-ヒドロキシキノリナト)アルミニウム(Alq);(ii)1,3-ビス(N,N-ジメチルアミノフェニル)-1,3,4-オキシダゾール(OXD-8);(iii)-オキソ-ビス(2-メチル-8-キノリナト)アルミニウム;(iv)ビス(2-メチル-8-ヒドロキシキノリナト)アルミニウム;(v)ビス(ヒドロキシベンゾキノリナト)ベリリウム(BeQ
2);(vi)ビス(ジフェニルビニル)ビフェニレン(DPVBI);および(vii)アリールアミン置換ジスチリルアリーレン(DSAアミン)が含まれる。
【0133】
そのようなポリマーおよび小分子材料は、当技術分野において周知であり、かつ例えば、VanSlykeに交付された米国特許第5,047,687号;およびBredas, J.-L., Silbey, R., eds., Conjugated Polymers, Kluwer Academic Press, Dordrecht (1991)に記載されている。
【0134】
デバイスにおけるHILの例には、以下が含まれる。
(1)PLEDおよびSMOLEDを含むOLEDにおける正孔注入;例えば、PLEDにおけるHILに関して、共役に炭素またはケイ素原子が関与する共役ポリマーエミッタの全てのクラスを使用することができる。SMOLEDにおけるHILに関して、下記が例である:蛍光エミッタを含有するSMOLED;リン光エミッタを含有するSMOLED;HIL層に加えて1つまたは複数の有機層を含むSMOLED;および小分子層が溶液またはエアロゾルスプレーまたは任意の他の加工処理法から加工処理されるSMOLED。さらに、他の例には、デンドリマーまたはオリゴマー有機半導体ベースのOLEDにおけるHIL;HILが電荷注入を改変するためにまたは電極として使用される二極性発光FETにおけるHILが含まれる。
(2)OPVにおける正孔抽出層。
(3)トランジスタにおけるチャンネル材料。
(4)ロジックゲートのようなトランジスタの組み合わせを含む回路におけるチャンネル材料。
(5)トランジスタにおける電極材料。
(6)キャパシタにおけるゲート層。
(7)導電性ポリマーにより感知される種の会合によってドーピングレベルの改変が達成される、化学センサー。
【0135】
多種多様な光活性層をOPVデバイスにおいて使用することができる。光起電デバイスは、例えば、米国特許第5,454,880号(Univ. Cal.);同第6,812,399号;および同第6,933,436号に記載されるように、例えば、導電性ポリマーと混合されたフラーレン誘導体を含む光活性層を用いて製作することができる。また、例えば、Wienk et al., Applied Physics Letters, 88, 153511 (2006); Campos et al., Solar Energy Materials & Solar Cells, 90 (2006) 3531-3546を参照されたい。さらに、光活性層は、導電性ポリマーのブレンド、導電性ポリマーと半導体ナノ粒子とのブレンド、ならびに、フタロシアニン、フラーレン、およびポルフィリンのような小分子の二重層を含んでもよい。
【0136】
上述されるものなどの一般的な電極材料および基板の他に、例えば、封入材料を使用することができる。
【0137】
界面修飾層および光学スペーサー層を使用することができる。
【0139】
図1Aに示すとおりに、従来のOLEDデバイスは、2回の別々のコーティングイベント(すなわち、2工程プロセス)中にHILとHTLを形成する必要がある。例えば、HILをITO上に形成し、次に乾燥させる。続いて、HTLを形成し、乾燥させる。しかし、本明細書に記載される態様において、1回のコーティングイベントにより、
図18に示すようにHTLおよびHILが提供される。一態様において、HTLおよびHIL相は、境界面で分けられた別々の層に分離する。他の態様において、勾配のあるHIL-HTL層を、HTLに下に形成してもよい。
【0140】
I-V測定
OLEDは、ガラス基板上にピクセルを含むことができ、デバイスの被覆面積の外側に伸びるその電極はピクセルの発光部を含む。各ピクセルの典型的な面積は、0.05cm
2である。電極をKeithley 2400ソースメーターのような電流ソースメーターと接触させて、バイアスを酸化インジウムスズ電極に印加し、一方でアルミニウム電極を接地した。これによって、正電荷のキャリア(正孔)および負電荷のキャリアがデバイスに注入されて、励起子を形成して光が発生する。この例では、HILは、発光層への電荷キャリアの注入を支援する。これによって、デバイスの作動電圧(ピクセルに所与の電流密度を流すのに必要な電圧として定義される)が低くなる。
【0141】
同時に、別のKeithley 2400ソースメーターを使用して、大面積シリコンフォトダイオードを扱った。このフォトダイオードを、2400ソースメーターによってゼロボルトバイアスに維持した。これを、OLEDピクセルの明るい領域の真下にあるガラス基板の領域と直接接触するように設置する。フォトダイオードは、OLEDにより発生した光を集光し、これらを光電流に変換して、これを今度はソースメーターにより読み取る。発生したフォトダイオード電流を、Minolta CS-200 Chromometerを用いて校正することによって光度単位(カンデラ/平方メートル)に定量化する。
【0142】
デバイスの試験の間に、OLEDピクセルを扱うKeithley 2400によって、電圧掃引を行った。ピクセルを通過して得られた電流を測定した。同時に、OLEDピクセルを通過した電流によって光が発生し、次に、これによって、フォトダイオードに接続された他のKeithley 2400によって光電流を読み取る。このように、ピクセルに関する電圧−電流−光またはIVLデータが生成された。これから、同様にピクセルへの電気入力1ワットあたりのルーメンおよびピクセル電流1アンペアあたりのカンデラのような他のデバイス特徴の測定が可能になる。
【0143】
異なる例のOLED型における異なるHILの性能を記載する。典型的に、性能は、作動電圧(低くなければならない)、ニト単位の輝度(明るくなければならない)、発光効率;cd/A単位(どのくらい多くの電荷がデバイスから光を得るために必要であるかを示す)および操作寿命(試験開始時の初期輝度値の半分に到達するのに必要な時間)のような異なるパラメーターの組み合わせによって定量化されることに注目されたい。そのため、総合的な性能が、HIL性能の比較評価おいて非常に重要である。
【0144】
膜特徴決定研究
酸化ポリチオフェンインク(CE1)の調製
ポリ(3,4-(ジブトキシエトキシエトキシ)チオフェン)のストック溶液を、室温で30〜60分間撹拌することにより、テトラヒドロピラン中0.5%固体で調製する。溶液20mLあたり約0.5gの銀粉(5〜8μm)を加える。上記溶液の必要量を清潔なフラスコに量り取り、0.5%固体でテトラヒドロピランに溶解したテトラキス(ペンタフルオロフェニル)-ホウ酸銀の適量をかき混ぜながら滴下する。混合物を室温でさらに30分間撹拌し、0.5μmのガラス繊維フィルターでもう一度濾過する。溶液をさらに2日間静置して、酸化プロセスを完了し、0.5μmのガラス繊維フィルターでもう1回濾過する。インクの固体含量を測定し、次に、25〜40℃の温度に維持しながら、インクを所望の濃度(例えば、1.5%)まで低圧で濃縮する。
【実施例】
【0145】
実施例1−インク組成物
N4,N4'-ビス(4-トリデカフルオロノニルオキシフェニル)-N4,N4'-ジフェニル-[1,1-ビフェニル]-4,4'-ジアミン(C9f13-TPD)のストック溶液を、テトラヒドロピラン中1.5%で調製する。事前に量り取った量の上述の酸化ポリチオフェンインクに、撹拌しながらまたは撹拌することなく、C9f13-TPD溶液を加える。次に、溶液を、シェイカー中でまたはスターラーを使用して単純にかき混ぜることによって十分に混合する。C9f13-TPDの重量%は、インク中、全固体の5、10、25、50、75または90%であることができる。得られた組成物をスピンコーティングにより基板上に形成し、乾燥させた。膜を175℃でアニーリングした。
【0146】
実施例2−インク組成物
N4,N4'-ビス(4-ビニルフェニル)-N4,N4'-ジフェニル-[1,1'-ビフェニル]-4,4'-ジアミン(Sty-TPD)のストック溶液を、テトラヒドロピラン中1.5%で調製する。事前に量り取った量の酸化ポリチオフェンインクに、撹拌しながらまたは撹拌することなく、C9f13-TPD溶液を加える。次に、溶液を、シェイカー中でまたはスターラーを使用して単純にかき混ぜることによって十分に混合する。C9f13-TPDの重量%は、インク中、全固体の5、10、25、50、75または90%であることができる。得られた組成物を基板上に形成し、乾燥させた。得られた組成物をスピンコーティングにより基板上に形成し、乾燥させた。膜を175℃でアニーリングした。
【0147】
実施例3−インク組成物
ポリ(9,9-ジオクチル-フルオレン-co-N-(4-ブチルフェニル)-ジフェニルアミン)(TFB)のストック溶液を、テトラヒドロピラン中1.5%で調製する。事前に量り取った量の酸化ポリチオフェンインクに、撹拌しながらまたは撹拌することなく、TFB溶液を加える。次に、溶液を、シェイカー中でまたはスターラーを使用して単純にかき混ぜることによって十分に合する。TFBの重量%は、インク中、全固体の5、10、25、50、75または90%であることができる。得られた組成物を基板上に形成し、乾燥させた。得られた組成物をスピンコーティングにより基板上に形成し、乾燥させた。膜を175℃でアニーリングした。
【0148】
比較例1
酸化型共役ポリマーインクを基板上にスピンコーティングし、乾燥させて、175℃でアニーリングする。
【0149】
比較例2
C9f13-TPDのストック溶液を、テトラヒドロピラン中1.5%で調製して、基板上にスピンコーティングし、乾燥させて、175℃でアニーリングする。
【0150】
比較例3
Sty-TPDのストック溶液を、テトラヒドロピラン中1.5%で調製して、基板上にスピンコーティングし、乾燥させて、175℃でアニーリングする。
【0151】
比較例4
TFBのストック溶液を、テトラヒドロピラン中1.5%で調製して、基板上にスピンコーティングし、乾燥させて、175℃でアニーリングする。
【0152】
特徴決定例1:FTIR
共役ポリマーと正孔輸送化合物との間の垂直相分離度を評価するために、実施例1〜3の膜のFTIRスペクトルを収集する。また、比較例1〜4の各膜のFTIRスペクトルも収集する。
【0153】
これらの3つの試料から得られたスペクトルを比較する。好ましくは、垂直相分離は、実施例1〜3のスペクトルがそれぞれ、比較例2〜4のスペクトルと実質的に一致する場合に適切であると考えられる。
【0154】
実施例1〜3および比較例1〜4の膜の調製において、異なるアニール温度および時間を使用することができる。
【0155】
スペクトルは、様々な角度、例えば、表面を調べるために小さい角度で、かつ、上部第二層が正孔輸送層として機能するために十分な厚さであるかどうかを決定するために大きい角度で測定することができる。
【0156】
特徴決定例2:XPS
実施例1〜3で形成された膜のXPSスペクトルを測定する。元素分析を実施して、表面の硫黄および窒素のピークを追跡する。相分離は、硫黄が検出されない場合に適切であり、というのは、このことは、表面が酸化ポリチオフェン以外の材料を多く含むことを意味することからである。
【0157】
加えて、FTIRと同様に可変の角度分析を用いて、深さおよび表面の分析を行うことができる。
【0158】
特徴決定例3:AFM
実施例1〜3の3つの膜の形態を、AFMを使用して特徴決定および比較する。様々なアニール温度および異なるアニール時間で形成する以外の実施例1〜3の調合物を使用したさらなる膜を提供することができる。
【0159】
AFM形態の変化は、相分離の指標となる。例えば、好ましくないアニール時間および温度では、表面に正孔輸送化合物の島状構造が現れるが、完全被覆率をもたらさない。好ましくは、適切な相分離は、正孔輸送化合物が均質かつ均一な表面として現れる場合に存在する。
【0160】
特徴決定例4:電流検出型(conductive)AFM
共役ポリマーを含む第一層と正孔輸送化合物を含む上部第二層の伝導率は大きく異なる。電流検出型AFM(CAFM)は、これらの垂直相分離を特徴決定するうえで有用なツールである。実施例1〜3で形成された膜のC-AFM測定値を記録する。実施例1〜3のC-AFM測定値が、比較例2〜4のC-AFM測定値と実質的に類似するC-AFMマップを生成した場合に、相分離は適切であると決定する。少なくとも、実施例1〜3の適切な相分離は、C-AFM測定値が比較例1のCAFM測定値と実質的に異なる場合に存在する。
【0161】
特徴決定例5:AC2
AC2を使用して、実施例1〜3および比較例1〜4の膜のHOMOエネルギーを測定することができる。表面HOMOエネルギーは、最上部の膜を特徴決定するために使用される。
【0162】
実施例4〜6:OLEDデバイス製作
実施例4〜6それぞれ1つで3つの異なるOLEDデバイスを製造した。
【0163】
OLEDデバイスは、ガラス基板上に蒸着された酸化インジウムスズ(ITO)電極を含む。ITO表面をプレパターン化して、0.05cm
2のピクセル面積を画定した。デバイスの基板を、それぞれ、低濃度の石鹸水中で20分間超音波洗浄し、続いて、蒸留水で洗浄した。この後に、イソプロパノール中で20分間の超音波処理を行った。基板を窒素流下で乾燥させた後、300Wで作動させたUV-オゾンチャンバー内にてこれらを20分間処理した。
【0164】
次に、洗浄した基板をHILおよびHTLインク組成物でコーティングし、90〜170℃で5〜15分間乾燥させて、HIL層(すなわち、共役ポリマーで富化された第一の層)およびHTL層(すなわち、正孔輸送化合物で富化された第二の上部層)を含む相分離した膜を形成した。例えば、実施例1〜3のインク組成物を使用して、相分離した膜を形成することができる。
【0165】
乾燥膜厚は、およそ5nm〜100nm、または5nm〜70nm、または10nm〜100nm、または10nm〜70nmの範囲であった。コーティングプロセスは、スピンコーター上で行ったが、所望の厚さのHIL膜を得ることが可能なスプレーコーティング、インクジェッティング、コンタクトプリンティングまたは任意の他の蒸着法で同様に達成することができる。次に、基板を真空チャンバーに移し、そこで、デバイススタックの残りの層を物理蒸着によって蒸着させた。
【0166】
一例では、相分離した膜の最上部に蒸着された層は、発光層(EML)、正孔遮断層(HBL)、電子輸送層(ETL)および金属陰極を含む。本実施例で使用される材料は、EML用にトリス-(l-フェニルイソキノリン)イリジウムIII(Ir(piq)3)でドープされたビス(2-メチル-8-キノリノラト-N1,O8)-(1,1'-ビフェニル-4-オラト)アルミニウム(BAlq)、HBL用としてBAlq、かつ、ETL用としてトリス(8-ヒドロキシキノリン)アルミニウム(Alq3)であった。これらの材料は全て市販されており、典型的には、当技術分野のOLED構造において見出される。
【0167】
また本実施例において、陰極層を2つの金属層の逐次蒸着によって調製し、1つ目の層は、3nm〜5nmのCa層(0.1nm/秒)であり、続く層は、200nmのA1層(0.5nm/秒)であり、その底面圧は、5×10
-7 Torrであった。
【0168】
そのように得られたデバイスをガラスカバースリップで被覆し、80W/cm
2のUV曝露で4分間硬化させたUV光硬化性エポキシ樹脂によって周囲条件に曝露しないようにした。
【0169】
実施例7〜9;比較例5〜8:正孔のみのデバイス
実施例7〜9の各々において、実施例1〜3のインク調合物を使用して、正孔のみのデバイスの膜をそれぞれ形成する。比較例5〜8の各々において、比較例1〜4のインク調合物を使用して、正孔のみのデバイスの膜をそれぞれ形成する。正孔のみのデバイスは、デバイス構造:ガラス/ITO/膜/Auを有する。
【0170】
比較例5の正孔のみのデバイスは、非常に高い電流密度を有し、かつダイオード挙動を示さない。比較例6〜8の正孔のみのデバイスは、ダイオード挙動を示すが電荷注入が不十分である。実施例7〜9の正孔のみのデバイスは、2つのダイオード挙動の組み合わせを示し、正孔注入が大きく改善している。寿命研究を実施して、実施例7〜9の相分離した膜の境界面の安定性を評価する。
【0171】
実施例10〜12:正孔のみのデバイスの試験に関するインピーダンス分光法
正孔のみのデバイスのインピーダンス分光法測定を行い、HTL層の厚さを推定する。これは、HILが伝導性であるために、全電圧降下はHTL層にわたって起こるはずであるという理由から可能である。インピーダンス分光法は、材料/膜の誘電特性を周波数と電圧の関数として測定するために使用することができる。インピーダンス測定のために、HIL/HTLでコーティングした試料を金/銀電極の最上部で蒸着して、単一のキャリアデバイスを製作することができる(電子注入を遮断するために)。最上部が半導体薄層で表面化している場合、有限の幾何静電容量がデバイスから測定され、これは電荷キャリアが注入されるにつれて消失する。所定の誘電率を有する公知の材料では、その厚さは、静電容量周波数の測定値から計算することができる(特に、厚さが20〜30nm超の膜の場合に)。インピーダンス分光法により決定される厚さは、例えば、XPSのような二番目の方法により確認し得る。
【0172】
さらなる比較例:
最適化したHIL/HTLの組み合わせを用いてOLEDを製作して、HILとHTLが別々の工程でコーティングされたデバイスの性能と比較することができる。
【0173】
さらなるHIL/HTL態様
下記の64個の請求項は、優先権の基礎となる2011年7月5日に出願された米国特許仮出願第61/504,653号に記載されており、かつ参照によりその全体が64態様として組み入れられる。
1. 少なくとも1つの正孔注入材料;該正孔注入材料とは異なる少なくとも1つの正孔輸送材料;少なくとも1つの溶媒系を含む、組成物であって、該溶媒系が除去されかつ膜が基板上に形成される場合に、該正孔輸送材料が、該基板から離れた該正孔輸送材料の表面富化を促進するように官能化されている、組成物。
2. 前記正孔輸送材料がアリールアミンである、態様1の組成物。
3. 前記正孔輸送材料が、少なくとも1つのフッ素化基、少なくとも1つのアルキル基、および/または少なくとも1つのシロキシル基で官能化されている、態様1の組成物。
4. 前記正孔輸送材料が、少なくとも1つのペルフルオロアルキル鎖もしくは少なくとも1つのセミフルオロアルキル鎖またはアリール基で官能化されている、態様1の組成物。
5. 前記正孔輸送材料が、約2,000g/molまたはそれ未満の分子量を有する、態様1の組成物。
6. 前記正孔輸送材料が架橋性正孔輸送材料である、態様1の組成物。
7. 少なくとも2つの正孔輸送材料を含む、態様1の組成物。
8. 混合によって前記正孔輸送材料および前記正孔注入材料に電荷移動が起きない、態様1の組成物。
9. 前記正孔注入材料が共役ポリマーを含む、態様1の組成物。
10. 前記正孔注入材料が、少なくとも1つのアリールアミンポリマーを含む、態様1の組成物。
11. 前記正孔注入材料が、少なくとも1つのポリチオフェンを含む、態様1の組成物。
12. 前記正孔注入材料が、少なくとも1つの立体規則性ポリチオフェンを含む、態様1の組成物。
13. 前記正孔注入材料が、少なくとも1つの3-置換アルコキシポリチオフェン、または3,4-置換ジアルコキシポリチオフェンを含む、態様1の方法。
14. 前記正孔注入材料が、アルコキシ側基を含む少なくとも1つのポリチオフェンを含む、態様1の組成物。
15. 前記正孔注入材料が、ポリ(3,4-(ジブトキシエトキシエトキシ)チオフェンを含む、態様1の方法。
16. 前記溶媒系が、少なくとも2つの異なる溶媒を含み、かつ、該溶媒系が除去されると前記正孔注入材料が前記正孔輸送材料より早く沈殿するように該正孔注入材料、該正孔輸送材料、および該溶媒系が適合されている、態様1の組成物。
17. 前記溶媒系が、少なくとも1つの極性溶媒と少なくとも1つの芳香族溶媒とを含む、態様1の組成物。
18. 前記溶媒系が、少なくとも2つの異なる溶媒を含み、かつ、該溶媒系が除去されると前記正孔注入材料が前記正孔輸送材料より早く沈殿するように該正孔注入材料、該正孔輸送材料、および該溶媒系が適合されており、該正孔輸送材料が極性成分で官能化されている、態様1の組成物。
19. 前記溶媒系が、少なくとも2つの異なる溶媒を含み、かつ、該溶媒系が除去されると前記正孔注入材料が前記正孔輸送材料より早く沈殿するように該正孔注入材料、該正孔輸送材料、および該溶媒系が適合されており、該正孔輸送材料が塩成分で官能化されている、態様1の組成物。
20. 前記基板が可撓性基板である、態様1の組成物。
21. 少なくとも1つのベース基板と、少なくとも1つの透明(または他の)導電性電極とを備える少なくとも1つの基板を準備する工程;少なくとも1つの正孔注入材料と、正孔注入材料とは異なる少なくとも1つの正孔輸送材料とを含む液体インク組成物を準備する工程;該少なくとも1つの電極上に該インク組成物をコーティングする工程;該電極上に少なくとも1つの膜を形成するために、該インク組成物を乾燥させる工程を含む方法であって、該インクが乾燥する際に該膜が、該電極上に配置された少なくとも1つの下部第一層と、該第一層とは異なりかつ該電極から離れて配置された少なくとも1つの上部第二層とを含むように該インクが適合されており、該第一層が該少なくとも1つの正孔注入材料で富化されており、かつ、該第二層が該少なくとも1つの正孔輸送材料で富化されている、方法。
22. 前記正孔輸送材料が、HTG-SAGにより表される構造を含み、HTGが正孔輸送基であり、かつ、SAGが表面活性基である、態様21記載の方法。
23. 前記正孔輸送材料が、HTG-SAGにより表される構造を含み、HTGが正孔輸送基であり、かつ、SAGが、少なくとも1つのフルオロ置換基を含む表面活性基である、態様21記載の方法。
24. 前記正孔輸送材料が、HTG-SAGにより表される構造を含み、HTGが正孔輸送基であり、かつ、SAGが、少なくとも1つのアルキル置換基を含む表面活性基である、態様21記載の方法。
25. 前記正孔輸送材料が、HTG-SAGにより表される構造を含み、HTGが正孔輸送基であり、かつ、SAGが、少なくとも1つのシロキシル置換基を含む表面活性基である、態様21記載の方法。
26. 前記正孔輸送材料が、少なくとも1つのフッ素化アルキル基を含む、態様21記載の方法。
27. 前記正孔輸送材料が、少なくとも2つのフッ素化アルキル基を含む、態様21記載の方法。
28. 前記正孔輸送材料が、少なくとも1つのトリフルオロメチル基を含む、態様21記載の方法。
29. 前記正孔輸送材料が、少なくとも1つの水素結合基を含む、態様21記載の方法。
30. 前記正孔輸送材料が、少なくとも1つのヒドロキシル基を含む、態様21記載の方法。
31. 前記正孔輸送材料が、少なくとも1つのイオン性または酸性基を含む、態様21記載の方法。
32. 前記正孔輸送材料が、少なくとも1つのアンモニウム基を含む、態様21記載の方法。
33. 前記正孔輸送材料がアリールアミン化合物を含む、態様21記載の方法。
34. 前記正孔輸送材料が、少なくとも1つのチオフェン環を含む、態様21記載の方法。
35. 前記正孔輸送材料が、約5,000g/mol未満の分子量を有する、態様21記載の方法。
36. 前記正孔輸送材料が、約2,000g/mol未満の分子量を有する、態様21記載の方法。
37. 前記正孔輸送材料が、約1,000g/mol未満の分子量を有する、態様21記載の方法。
38. 前記インクが第一の溶媒および第二の溶媒をさらに含み、かつ、共役ポリマーが、該第二の溶媒中よりも該第一の溶媒中で高い溶解性を有し、前記正孔輸送化合物が、該第一の溶媒中よりも該第二の溶媒中で高い溶解性を有し、かつ、前記乾燥させる工程中に該第一の溶媒が該第二の溶媒より速い速度で除去される、態様21記載の方法。
39. 前記膜が、380〜800nmの波長の照射の場合に100nmの厚さで90%超の透過率を有する、態様21記載の方法。
40. 前記第二層が、10
-3cm
2V
-1s
-1〜10
-6cm
2V
-1s
-1の移動度を有する、態様21記載の方法。
41. 前記第二層が、正孔輸送化合物を少なくとも50%含む、態様21記載の方法。
42. 前記正孔輸送材料が、N4,N4'-ビス(4-トリデカフルオロノニルオキシフェニル)-N4,N4'-ジフェニル-[1,1'-ビフェニル]-4,4'-ジアミン;またはN4,N4'-ビス(4-ビニルフェニル)-N4,N4'-ジフェニル-[1,1'-ビフェニル]-4,4'-ジアミン;またはポリ(9,9-ジオクチル-フルオレン-co-N-(4-ブチルフェニル)-ジフェニルアミンを含む、態様21記載の方法。
43. 前記第一層が、前記少なくとも1つの正孔注入材料を少なくとも50%含む、態様21記載の方法。
44. 前記正孔注入材料が共役ポリマーを含む、態様21記載の方法。
45. 前記正孔注入材料が、少なくとも1つの3-置換アルコキシポリチオフェン、または3,4-置換ジアルコキシポリチオフェンを含む、態様21記載の方法。
46. 前記乾燥させる工程が前記膜をアニーリングすることを含む、態様21記載の方法。
47. 正孔輸送化合物がドープされていない、態様21記載の方法。
48. 前記膜上にエミッタ層を形成する工程;および、該エミッタ層上に第二の電極を形成する工程をさらに含む、態様21記載の方法。
49. 前記第二層が発光層を含まない、態様21記載の方法。
50. 前記正孔輸送材料がポリマーである、態様21記載の方法。
51.少なくとも1つの溶媒を準備する工程;少なくとも1つの正孔注入材料を該溶媒に供給する工程;任意で、該正孔注入材料とは異なる少なくとも1つのマトリックス材料を該溶媒に供給する工程;該正孔注入材料用の少なくとも1つのドーパントを該溶媒に供給する工程であって、該ドーパントが、任意の該マトリックス材料を実質的にドープせず、かつ、該ドーパントがイオン性化合物を含む、工程;ならびに、正孔輸送化合物が該正孔注入材料および該マトリックス材料とは異なる、少なくとも1つの該正孔輸送化合物を該溶媒に供給する工程であって、該正孔輸送化合物が、HTG-SAGにより表される構造を有し、HTGが正孔輸送基であり、かつSAGが表面活性基または極性基である、工程を含む、液体インク組成物を製造する方法。
52. 前記正孔輸送化合物がポリマーである、態様51記載の方法。
53. 前記正孔輸送化合物が、5,000g/mol未満の分子量を有する、態様51記載の方法。
54. 前記SAGが表面活性基である、態様51記載の方法。
55. 前記正孔輸送化合物が、フッ素化された正孔輸送化合物を含む、態様51記載の方法。
56. 前記正孔注入材料が共役ポリマーを含む、態様51記載の方法。
57. 前記正孔注入材料が共役ポリチオフェンポリマーを含む、態様51記載の方法。
58. 前記正孔注入材料が、少なくとも1つの3-置換アルコキシポリチオフェン、または3,4-置換ジアルコキシポリチオフェンを含む、態様51記載の方法。
59. 前記正孔輸送化合物がドープされていない、態様51記載の方法。
60. 前記正孔輸送化合物がポリマーである、態様51記載の方法。
61. 前記溶媒が第一の溶媒および第二の溶媒を含み、前記正孔注入材料が、該第二の溶媒中よりも該第一の溶媒中で高い溶解性を有し、前記正孔輸送化合物が、該第一の溶媒中よりも該第二の溶媒中で高い溶解性を有する、態様51記載の方法。
62.垂直相分離が可能であるように前記組成物が調合される、態様51記載の方法。
63. 態様1の組成物を用いて作製される、デバイス。
64. 少なくとも1つの基板を準備する工程;少なくとも1つの正孔注入材料と、該正孔注入材料とは異なる少なくとも1つの正孔輸送材料とを含む液体インク組成物を準備する工程;該基板上に該インク組成物をコーティングする工程;該基板上に少なくとも1つの膜を形成するために、該インク組成物を乾燥させる工程を含む方法であって、該インクが乾燥する際に該膜が、電極上に配置された少なくとも1つの下部第一層と、該第一層とは異なりかつ該電極から離れて配置された、少なくとも1つの上部第二層とを含むように該インクが適合されており、該第一層が、少なくとも1つの正孔注入材料で富化されており、かつ、該第二層が、少なくとも1つの正孔輸送材料で富化されている、方法。
【0174】
さらなる態様は、例えば、以下を含む。
1a. 第一の有機半導体材料(SOM1);該SOM1とは異なる第二の有機半導体材料(SOM2);少なくとも1つの溶媒系を含む、組成物であって、該SOM1および該SOM2がそれぞれ、(a)少なくとも1つの正孔注入材料(HIM)、および該正孔注入材料とは異なる少なくとも1つの正孔輸送材料(HTM)、(b)少なくとも1つの第一の正孔輸送材料(HTM1)、および該第一の正孔輸送材料とは異なる少なくとも1つの第二の正孔輸送材料(HTM2)、または、(c)少なくとも1つの発光材料(EM)および少なくとも1つの電子輸送材料(ETM)からなる群より選択され、かつ、該溶媒系が除去されかつ膜が基板上に形成される場合に該SOM2が、該基板から離れた該SOM2の表面富化を促進するように官能化されている、組成物。
2a. 前記SOM2が、少なくとも1つのペルフルオロアルキル鎖もしくは少なくとも1つのセミフルオロアルキル鎖またはアリール基で官能化されている、態様1aの組成物。
3a. 前記SOM2が、約2,000g/molまたはそれ未満の分子量を有する、態様1aの組成物。
4a. 前記SOM2が架橋性材料である、態様1aの組成物。
5a. 混合によって前記SOM1および前記SOM2に電荷移動が起きない、態様1aの組成物。
6a. 前記溶媒系が、少なくとも2つの異なる溶媒を含み、かつ、該溶媒系が除去されると前記SOM1が前記SOM2より早く沈殿するように該SOM1、該SOM2、および該溶媒系が適合されている、態様1aの組成物。
7a. 前記溶媒系が、少なくとも1つの極性溶媒と少なくとも1つの芳香族溶媒とを含む、態様1aの組成物。
8a. 前記溶媒系が、少なくとも2つの異なる溶媒を含み、かつ、該溶媒系が除去されると前記SOM1が前記SOM2より早く沈殿するように該SOM1、該SOM2、および該溶媒系が適合されており、該SOM2が極性成分で官能化されている、態様1aの組成物。
9a. 前記溶媒系が、少なくとも2つの異なる溶媒を含み、かつ、該溶媒系が除去されると前記SOM1が前記SOM2より早く沈殿するように該SOM1、該SOM2、および該溶媒系が適合されており、該SOM2が塩成分で官能化されている、態様1aの組成物。
10a. 前記基板が可撓性基板である、態様1aの組成物。
11a. 前記SOM1が正孔注入材料(HIM)であり、かつ、前記SOM2が、該正孔注入材料とは異なる正孔輸送材料(HTM)である、態様1aの組成物。
12a. 前記正孔輸送材料がアリールアミンである、態様11aの組成物。
13a. 前記正孔輸送材料が、少なくとも1つのフッ素化基、少なくとも1つのアルキル基、および/または少なくとも1つのシロキシル基で官能化されている、態様11aの組成物。
14a. 前記正孔輸送材料が、少なくとも1つのペルフルオロアルキル鎖もしくは少なくとも1つのセミフルオロアルキル鎖またはアリール基で官能化されている、態様11aの組成物。
15a. N4,N4'-ビス(4-トリデカフルオロノニルオキシフェニル)-N4,N4'-ジフェニル-[1,1'-ビフェニル]-4,4'-ジアミン;またはN4,N4'-ビス(4-ビニルフェニル)-N4,N4'-ジフェニル-[1,1'-ビフェニル]-4,4'-ジアミン;またはポリ(9,9-ジオクチル-フルオレン-co-N-(4-ブチルフェニル)-ジフェニルアミンを含む、態様11aの組成物。
16a. 前記正孔注入材料が共役ポリマーを含む、態様11aの組成物。
17a. 前記正孔注入材料が、少なくとも1つのアリールアミンポリマーを含む、態様11aの組成物。
18a. 前記正孔注入材料が、少なくとも1つのポリチオフェンを含む、態様11aの組成物。
19a. 前記正孔注入材料が、少なくとも1つの立体規則性ポリチオフェンを含む、態様11aの組成物。
20a. 前記正孔注入材料が、少なくとも1つの3-置換アルコキシポリチオフェン、または3,4-置換ジアルコキシポリチオフェンを含む、態様11aの組成物。
21a. 前記SOM1および前記SOM2がそれぞれ、少なくとも1つの第一の正孔輸送材料(HTM1)、および第一の正孔輸送材料とは異なる少なくとも1つの第二の正孔輸送材料(HTM2)である、態様1aの組成物。
22a. 前記HTM2が、前記HTM1より高い三重項エネルギーを有する、態様21a記載の組成物。
23a. 前記HTM2が、2.7eV超の三重項エネルギーを有し、かつ、前記HTM1が、2.7eV未満または2.7eVの三重項エネルギーを有する、態様21a記載の組成物。
24a. 前記HTM1がアリールアミンである、態様21a記載の組成物。
25a. 前記HTM2がアリールアミンである、態様21a記載の組成物。
26a. 前記HTM1が、少なくとも1つのペルフルオロアルキル鎖もしくは少なくとも1つのセミフルオロアルキル鎖またはアリール基で官能化されている、態様21a記載の組成物。
31a. 前記SOM1および前記SOM2がそれぞれ、少なくとも1つの発光材料(EM)および少なくとも1つの電子輸送材料(ETM)である、態様1aの組成物。
32a. 前記ETMが、少なくとも1つのペルフルオロアルキル鎖もしくは少なくとも1つのセミフルオロアルキル鎖またはアリール基で官能化されている、態様31a記載の組成物。
33a. 前記ETMが、置換されていてもよいフェナントロリンである、態様31a記載の組成物。
41a. 少なくとも1つのベース基板と、少なくとも1つの導電性電極と、任意で少なくとも1つの有機半導体材料を含む1つまたは複数の層とを備える少なくとも1つの基板を準備する工程;第一の有機半導体材料(SOM1)と、該SOM1とは異なる第二の有機半導体材料(SOM2)とを含む液体インク組成物を準備する工程;該少なくとも1つの電極上に、または任意で、少なくとも1つの有機半導体材料を含む1つまたは複数の層上に、該インク組成物をコーティングする工程;該電極上にまたは該該少なくとも1つの有機半導体材料を含む層上に少なくとも1つの膜を形成するために、該インク組成物を乾燥させる工程を含む方法であって、該インクが乾燥する際に該膜が、該電極上にまたは該少なくとも1つの有機半導体材料を含む層上に配置された少なくとも1つの下部第一層と、該第一層とは異なりかつ該電極からまたは該少なくとも1つの有機半導体材料を含む層から離れて配置された、少なくとも1つの上部第二層とを含むように該インクが適合されており、該第一層が該SOM1で富化されており、かつ該第二層が該SOM2で富化されており、該SOM1および該SOM2がそれぞれ、(a)少なくとも1つの正孔注入材料(HIM)、および該正孔注入材料とは異なる少なくとも1つの正孔輸送材料(HTM)、(b)少なくとも1つの第一の正孔輸送材料(HTM1)、および該第一の正孔輸送材料とは異なる少なくとも1つの第二の正孔輸送材料(HTM2)、または、(c)少なくとも1つの発光材料(EM)および少なくとも1つの電子輸送材料(ETM)からなる群より選択される、方法。
42a. 前記SOM2が、SOM2-SAGにより表される構造を含み、SAGが表面活性基である、態様41a記載の方法。
43a. 前記SOM2が、SOM2-SAGにより表される構造を含み、SAGが、少なくとも1つのフルオロ置換基を含む表面活性基である、態様41a記載の方法。
44a. 前記SOM2が、SOM2-SAGにより表される構造を含み、SAGが、少なくとも1つのアルキル置換基を含む表面活性基である、態様41a記載の方法。
45a. 前記SOM2が、SOM2-SAGにより表される構造を含み、SAGが、少なくとも1つのシロキシル置換基を含む表面活性基である、態様41a記載の方法。
46a. 前記SOM2が、少なくとも1つのフッ素化アルキル基を含む、態様41a記載の方法。
47a. 前記SOM2が、少なくとも2つのフッ素化アルキル基を含む、態様41a記載の方法。
48a. 前記SOM2が、少なくとも1つのトリフルオロメチル基を含む、態様41a記載の方法。
49a. 前記SOM2が、少なくとも1つの水素結合基を含む、態様41a記載の方法。
50a. 前記SOM2が、少なくとも1つのヒドロキシル基を含む、態様41a記載の方法。
51a. 前記SOM2が、少なくとも1つのイオン性または酸性基を含む、態様41a記載の方法。
52a. 前記SOM2が、少なくとも1つのアンモニウム基を含む、態様41a記載の方法。
53a. 前記SOM2が、アリールアミンまたはフェナントロリン化合物を含む、態様41a記載の方法。
54a. 前記SOM2が、約5,000g/mol未満の分子量を有する、態様41a記載の方法。
55a. 前記SOM2が、約2,000g/mol未満の分子量を有する、態様41a記載の方法。
56a. 前記SOM2が、約1,000g/mol未満の分子量を有する、態様41a記載の方法。
57a. 前記インクが、第一の溶媒および第二の溶媒をさらに含み、かつ、前記SOM1が、該第二の溶媒中よりも該第一の溶媒中で高い溶解性を有し、前記SOM2が、該第一の溶媒中よりも該第二の溶媒中で高い溶解性を有し、かつ、前記乾燥させる工程中に該第一の溶媒が該第二の溶媒より速い速度で除去される、態様41a記載の方法。
58a. 前記膜が、380〜800nmの波長の照射の場合に100nmの厚さで90%超の透過率を有する、態様41a記載の方法。
59a. 前記第二層が、50%超のSOM2を含む、態様41a記載の方法。
60a. 前記第一層が、50%超のSOM1を含む、態様41a記載の方法。
61a. 前記乾燥させる工程が前記膜をアニーリングすることを含む、態様41a記載の方法。
62a. 前記SOM1および前記SOM2がそれぞれ、少なくとも1つの正孔注入材料(HIM)および少なくとも1つの正孔輸送材料(HTM)であり、かつ、前記方法が、前記膜上にエミッタ層を形成する工程、ならびに、該エミッタ層上に第二の電極を形成する工程をさらに含む、態様41a記載の方法。
63a. 前記SOM1および前記SOM2がそれぞれ、少なくとも1つの正孔注入材料(HIM)および少なくとも1つの正孔輸送材料(HTM)であり、かつ、前記第二層が発光層を含まない、態様41a記載の方法。
64a. 前記SOM1および前記SOM2がそれぞれ、少なくとも1つの正孔注入材料(HIM)および少なくとも1つの正孔輸送材料(HTM)であり、かつ、該正孔注入材料が、少なくとも1つの3-置換アルコキシポリチオフェン、または3,4-置換ジアルコキシポリチオフェンを含む、態様41a記載の方法。
65a. 前記SOM1および前記SOM2がそれぞれ、少なくとも1つの第一の正孔輸送材料(HTM1)および少なくとも1つの第二の正孔輸送材料(HTM2)であり、かつ、該HTM2が、2.7eV超の三重項エネルギーを有し、かつ該HTM1が、2.7eV未満または2.7eVの三重項エネルギーを有する、態様41a記載の方法。
66a. 前記SOM1および前記SOM2がそれぞれ、少なくとも1つの第一の正孔輸送材料(HTM1)および少なくとも1つの第二の正孔輸送材料(HTM2)であり、かつ、前記基板が、少なくとも1つの有機半導体材料を含む1つまたは複数の層を備える、態様41a記載の方法。
67a. 前記SOM1および前記SOM2がそれぞれ、少なくとも1つの第一の正孔輸送材料(HTM1)および少なくとも1つの第二の正孔輸送材料(HTM2)であり、かつ、該第一の正孔輸送材料および該第二の正孔輸送材料がアリールアミンである、態様41a記載の方法。
68a. 前記SOM1および前記SOM2がそれぞれ、少なくとも1つの発光材料(EM)および少なくとも1つの電子輸送材料(ETM)であり、かつ、前記基板が、少なくとも1つの有機半導体材料を含む1つまたは複数の層を備える、態様41a記載の方法。
69a. 前記SOM1および前記SOM2がそれぞれ、少なくとも1つの発光材料(EM)および少なくとも1つの電子輸送材料(ETM)であり、かつ、該ETMがフェナントロリンである、態様41a記載の方法。
70a. 前記SOM1および前記SOM2がそれぞれ、少なくとも1つの発光材料(EM)および少なくとも1つの電子輸送材料(ETM)であり、かつ、前記EMが正孔輸送材料を含まない、態様41a記載の方法。
71a.少なくとも1つの溶媒を準備する工程;第一の有機半導体材料(SOM1)を該溶媒に供給する工程;任意で、該SOM1とは異なる少なくとも1つのマトリックス材料を該溶媒に供給する工程;任意で、該SOM1用の少なくとも1つのドーパントを該溶媒に供給する工程であって、該ドーパントが、任意の該マトリックス材料を実質的にドープせず、かつ、該ドーパントがイオン性化合物を含む、工程;ならびに、第二の有機半導体材料(SOM2)が該SOM1および該マトリックス材料とは異なる、該SOM2を該溶媒に供給する工程であって、該SOM2が、SOM2-SAGにより表される構造を有し、SAGが表面活性基または極性基である、工程を含む、液体インク組成物を製造する方法であって、該SOM1および該SOM2がそれぞれ、(a)少なくとも1つの正孔注入材料(HIM)、および少なくとも1つの正孔輸送材料(HTM)、(b)少なくとも1つの第一の正孔輸送材料(HTM1)、および少なくとも1つの第二の正孔輸送材料(HTM2)、または、(c)少なくとも1つの発光材料(EM)および少なくとも1つの電子輸送材料(ETM)からなる群より選択される、方法。
72a. 前記SOM1および前記SOM2がそれぞれ、少なくとも1つの正孔注入材料(HIM)および少なくとも1つの正孔輸送材料(HTM)である、態様71a記載の方法。
73a. 前記SOM1および前記SOM2がそれぞれ、少なくとも1つの第一の正孔輸送材料(HTM1)および少なくとも1つの第二の正孔輸送材料(HTM2)である、態様71a記載の方法。
74a. 前記SOM1および前記SOM2がそれぞれ、少なくとも1つの発光材料(EM)および少なくとも1つの電子輸送材料(ETM)である、態様71a記載の方法。
75a. 正孔輸送化合物が、フッ素化された正孔輸送化合物を含む、態様72a記載の方法。
76a. 前記正孔注入材料が、少なくとも1つの3-置換アルコキシポリチオフェン、または3,4-置換ジアルコキシポリチオフェンを含む、態様72a記載の方法。
77a. 前記正孔輸送材料がアリールアミンである、態様72a記載の方法。
78a. 前記HTM2が、2.7eV超の三重項エネルギーを有し、かつ前記HTM1が、2.7eV未満または2.7eVの三重項エネルギーを有する、態様73a記載の方法。
79a. 前記第一の正孔輸送材料および前記第二の正孔輸送材料がアリールアミンである、態様73a記載の方法。
80a. 前記ETMがフェナントロリンである、態様74a記載の方法。
81a. 垂直相分離が可能であるように前記組成物が調合される、態様71a記載の方法。
82a. 態様1a〜33aのいずれか1つ記載の組成物を用いて作製される、デバイス。
83a. 少なくとも1つの基板を準備する工程;少なくとも1つの第一の有機半導体材料(SOM1)と、該SOM1とは異なる少なくとも1つの第二の有機半導体材料(SOM2)とを含む液体インク組成物を準備する工程;該基板上に該インク組成物をコーティングする工程;該基板上に少なくとも1つの膜を形成するために、該インク組成物を乾燥させる工程を含む方法であって、該インクが乾燥する際に該膜が、該基板上に配置された少なくとも1つの下部第一層と、該第一層とは異なりかつ該基板から離れて配置された少なくとも1つの上部第二層とを含むように該インクが適合されており、該第一層が該少なくとも1つのSOM1で富化されており、かつ、該第二層が該少なくとも1つのSOM2で富化されており、かつ該SOM1および該SOM2がそれぞれ、(a)少なくとも1つの正孔注入材料(HIM)、および該正孔注入材料とは異なる少なくとも1つの正孔輸送材料(HTM)、(b)少なくとも1つの第一の正孔輸送材料(HTM1)、および該第一の正孔輸送材料とは異なる少なくとも1つの第二の正孔輸送材料(HTM2)、または、(c)少なくとも1つの発光材料(EM)および少なくとも1つの電子輸送材料(ETM)からなる群より選択される、方法。
84a. 前記SOM1および前記SOM2がそれぞれ、少なくとも1つの正孔注入材料(HIM)および少なくとも1つの正孔輸送材料(HTM)である、態様83a記載の方法。
85a. 前記SOM1および前記SOM2がそれぞれ、少なくとも1つの第一の正孔輸送材料(HTM1)および少なくとも1つの第二の正孔輸送材料(HTM2)である、態様83a記載の方法。
86a. 前記SOM1および前記SOM2がそれぞれ、少なくとも1つの発光材料(EM)および少なくとも1つの電子輸送材料(ETM)である、態様83a記載の方法。