特許第6222506号(P6222506)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6222506
(24)【登録日】2017年10月13日
(45)【発行日】2017年11月1日
(54)【発明の名称】シールテープ
(51)【国際特許分類】
   C09J 7/02 20060101AFI20171023BHJP
   C09J 133/06 20060101ALI20171023BHJP
   C09J 133/14 20060101ALI20171023BHJP
   C09J 11/06 20060101ALI20171023BHJP
   H01M 2/14 20060101ALI20171023BHJP
   H01M 10/04 20060101ALI20171023BHJP
   H01M 10/0587 20100101ALI20171023BHJP
【FI】
   C09J7/02 Z
   C09J133/06
   C09J133/14
   C09J11/06
   H01M2/14
   H01M10/04 W
   H01M10/0587
【請求項の数】16
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2016-534536(P2016-534536)
(86)(22)【出願日】2014年8月14日
(65)【公表番号】特表2016-532752(P2016-532752A)
(43)【公表日】2016年10月20日
(86)【国際出願番号】KR2014007596
(87)【国際公開番号】WO2015023152
(87)【国際公開日】20150219
【審査請求日】2016年4月11日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0097404
(32)【優先日】2013年8月16日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2014-0071993
(32)【優先日】2014年6月13日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2014-0106142
(32)【優先日】2014年8月14日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2014-0106147
(32)【優先日】2014年8月14日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100122161
【弁理士】
【氏名又は名称】渡部 崇
(72)【発明者】
【氏名】ミン・ス・パク
(72)【発明者】
【氏名】ユン・テ・ファン
(72)【発明者】
【氏名】セ・ウ・ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ミュン・ソブ・キム
(72)【発明者】
【氏名】ムン・スン・キム
【審査官】 松原 宜史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−024865(JP,A)
【文献】 特開2012−211216(JP,A)
【文献】 特開2003−321669(JP,A)
【文献】 特開2001−342321(JP,A)
【文献】 特開2011−018631(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/138153(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0160932(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09J 1/00−201/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材層と、
前記基材層の一面に形成され、電解液と接触後に前記電解液を吸収して膨脹して3次元立体構造を形成し、前記電解液と接触した時点から24時間経過後に測定した中心線平均粗さが100〜250μmである粘着剤層と、を含み、
前記粘着剤層は、炭素数が1〜14であるアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート、下記化学式1で表される単量体及び架橋性官能基を含有する架橋性単量体から誘導された重合単位を有する重合体を含む粘着剤組成物の硬化物を含み、
前記重合体は、アルキル(メタ)アクリレート100重量部に対して化学式1で表される単量体30〜300重量部を重合された形態で含み、
前記重合体は、アルキル(メタ)アクリレート100重量部に対して架橋性単量体0.1〜10重量部を重合された形態で含み、
前記粘着剤組成物は架橋剤をさらに含む、シールテープ
【化1】
前記化学式1において、
は、水素または炭素数1〜12のアルキル基を示し、
は、炭素数1〜6のアルキレンを示し、
は、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数6〜24のアリール基または炭素数6〜48のアリールアルキル基を示し、
nは、1以上である。
【請求項2】
化学式1で表される単量体が、下記化学式2の単量体である、請求項に記載のシールテープ:
【化2】
前記化学式2において、
及びRは、請求項1の定義と同義であり、
p+qは、1以上であり、
pは、0〜100であり、qは、0〜100である。
【請求項3】
化学式1で表される単量体が、メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールメチルエーテル(メタ)アクリレート、エトキシル化ノニルフェノール(メタ)アクリレート、プロポキシル化ノニルフェノール(メタ)アクリレート、エトキシル化フェノール(メタ)アクリレート、及びポリプロピレングリコール(メタ)アクリレートからなる群から選択された1種以上である、請求項に記載のシールテープ。
【請求項4】
架橋性単量体が、ヒドロキシ基、カルボキシル基、エポキシ基、グリシジル基、イソシアネート基、アミド基、アミノ基、及びアルコキシシリル基からなる群から選択された1種以上の架橋性官能基を含む、請求項に記載のシールテープ。
【請求項5】
架橋剤が、全組成物100重量部に対して0.001〜10重量部の含量で含まれる、請求項に記載のシールテープ。
【請求項6】
架橋剤が、イソシアネート系化合物、エポキシ系化合物、アジリジン系化合物及び金属キレート系化合物からなる群から選択された1種以上を含む、請求項に記載のシールテープ。
【請求項7】
基材層が、アクリルフィルム、ポリオレフィンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリウレタンフィルム、セルロースアセテートフィルム及びポリエステルフィルムからなる群から選択された1つ以上のフィルムである、請求項1に記載のシールテープ。
【請求項8】
ポリエステルフィルムが、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム及びポリブチレンテレフタレートフィルムからなる群から選択される1つ以上である、請求項に記載のシールテープ。
【請求項9】
基材層の厚さが、10〜200μmである、請求項1に記載のシールテープ。
【請求項10】
粘着剤層の厚さが、2〜100μmである、請求項1に記載のシールテープ。
【請求項11】
粘着剤層は、ガラスに対して5mm/secの剥離速度及び180度の剥離角度で測定した常温での剥離力が370gf/25mm以下である、請求項1に記載のシールテープ。
【請求項12】
電極組立体の外周面に付着されるシールテープであって、前記シールテープは、電解液と接触後、前記電極組立体の外周面に前記シールテープが付着された面積の50%以上が脱離される、請求項1に記載のシールテープ。
【請求項13】
陽極板、陰極板及び前記陽極板と陰極板との間に介在する分離膜を含む電極組立体及び前記電極組立体の外周面に粘着剤層を媒介として付着されている請求項1に記載のシールテープを含む、二次電池。
【請求項14】
シールテープは、前記電極組立体の外周面のうち分離膜の最外側端部が位置する仕上部を含んで前記外周面を覆うように付着されている、請求項13に記載の二次電池。
【請求項15】
粘着剤層は、分離膜に対して、5mm/secの剥離速度及び180度の剥離角度で測定した常温での剥離力が1200gf/25mm以下である、請求項13に記載の二次電池。
【請求項16】
前記電池が円筒形である、請求項13に記載の二次電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、シールテープ及び二次電池に関する。
【背景技術】
【0002】
モバイル機器に対する技術開発と需要の増加につれてエネルギー源としての二次電池の需要が急激に増加しており、特に、前記二次電池のうちの高いエネルギー密度と放電電圧を有するリチウム二次電池が商用化されて広く用いられている。前記二次電池は、電池ケースの形状に応じて、電極組立体が、円筒形または角形の金属缶に内蔵されている円筒形電池及び角形電池と、電極組立体がアルミニウムラミネートシートのパウチ形ケースに内蔵されているパウチ形電池とに分類される。
【0003】
例えば、前記円筒形電池は、ゼリーロール形電極組立体(以下、「ゼリーロール」とする)の端部を、粘着剤層を含むシールテープに固定した後に円筒形金属ケースに収納して製造し、二次電池特性上の充放電を繰り返す過程において、前記ゼリーロールは前記シールテープによって、非等方性体積膨張と収縮を繰り返すことになる。この場合、ゼリーロール外郭部位で非等方性膨張と収縮の影響を最も受けやすく、これにより、電極が切れる断線現象が発生し得る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態はシールテープ及び二次電池を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態はシールテープを提供する。一例において、前記シールテープが粘着剤層を媒介として電極組立体に付着され、前記電極組立体が電池缶内部に挿入されて製造された二次電池の場合、前記粘着剤層が前記電解液と接触すると、前記電解液を吸収し、膨潤または膨張(swelling)し、このとき、前記シールテープは3次元立体構造を形成し、前記粘着剤層の表面が特定範囲の表面粗さを有することになる。これによって、前記電極組立体と粘着剤層との間の接着力または剥離力が減少されるので、前記粘着剤層が前記電極組立体から脱離することで、結果的に電極組立体の等方性体積膨張と収縮を誘導して電極の断線現象を阻止する。
【0006】
以下、図面を参照しながら本発明のシールテープを説明しているが、図面は例示的なものであって、本発明のシールテープは添付の図面により限定されない。
【0007】
図1は、前記シールテープ10の断面を例示的に示す図である。
【0008】
図1のように、前記シールテープ10は、基材層12及び前記基材層12の一面に形成される粘着剤層11を含む。
【0009】
前記基材層12は、例えば、アクリルフィルム、ポリオレフィンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリウレタンフィルム、セルロースアセテートフィルム及びポリエステルフィルムからなる群から選択された1つ以上のフィルムが用いられるが、これに限定されない。
【0010】
前記基材層12として、ポリエステルフィルムを用いる場合には、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム及びポリブチレンテレフタレートフィルムからなる群から選択された1つ以上のフィルムが用いられ、前記基材層12として、セルロース系基材層12を用いる場合には、例えば、セルロースアセテート樹脂またはセルロースアルキレート樹脂を含む基材層12として、前記樹脂を含む混合物を押出またはキャスティング工程に適用して製造された基材層12が用いられる。前記において、セルロースアルキレートとしては、例えば、セルロースアセテートプロピオネート(cellulose acetate propionate)またはセルロースアセテートブチレート(cellulose acetate butylate)などが用いられる。
【0011】
前記樹脂を用いて基材層12を製造する方式は、特に限定されず、例えば、前記樹脂及び必要に応じて公知の添加剤を含む原料を押出またはキャスティングのような通常のフィルムまたはシート成形方式が用いられる。
【0012】
前記のような基材層12が、シートまたはフィルム状である場合、基材層12の厚さは特に限定されず、例えば、10〜200μm、10〜100μm、10〜50μm、15〜30μmまたは15〜20μm程度であってもよい。
【0013】
前記シールテープ10は粘着剤層11を含み、前記粘着剤層11は電解液と接触後に、前記電解液を吸収して膨脹し、これにより、前記シールテープ10が3次元立体構造を形成してもよい。例えば、前記粘着剤層11が電解液と接触時に、前記粘着剤層11の厚さ方向及び/または長さ方向に膨脹することができ、これにより、立体構造を形成してもよい。前記でシールテープ10の「立体構造」は、電解質と接触したシールテープ10の粘着剤層11の膨張力と基材層12との剥離力の作用を介して形成されることとして、前記粘着剤層11が電極組立体から脱着できるようにするすべての構造を含む概念であってもよい。
【0014】
一例において、前記立体構造は前記粘着剤層の長さ方向に垂直の方向に突出した形状を複数個含んでいてもよい。前記で「長さ方向」は、前記粘着剤層を平らに維持させた場合に前記粘着剤層の厚さ方向に垂直の方向を意味することができる。また、前記の「垂直」または「水平」は、目的とする効果を損傷しない範囲での実質的な垂直または水平を意味し、例えば、±10度、±5度、または±3度程度の誤差を含んでいてもよい。
【0015】
前記のように、電解液と接触した後、複数個の突出された形状を含む立体構造を形成する粘着剤層表面の中心線平均粗さ(Ra)は、100〜250μm、例えば、150〜240μmまたは155〜230μmであってもよい。前記中心線平均粗さ(Ra)は、前記電解液と接触した時点から24時間経過後に測定された値であってもよい。本発明の粘着剤層が形成する立体構造の中心線平均粗さが前述の範囲内に調節される場合、電極組立体の外周面から前記シールテープが効率的に脱離され得る。前記「中心線平均粗さ」は、例えば、立体構造を形成する粘着剤層の断面を撮影し、前記撮影された写真を介して3次元構造の断面を数学的にリモデリングして粗さ曲線を得た後に、前記粗さ曲線から平均線の方向に基準長さL分だけ抽出し、平均線方向をx軸に、高い方向をy軸にし、粗さ曲線をy=f(x)に表示した場合、下記式1から求められる値をマイクロメートルで表されることを意味する。
【0016】
【数1】
【0017】
前記中心線平均粗さは、ASTM D4417の規格下で測定されるか、またはJIS B0031またはJIS B0601で定義されたものから求められる。
【0018】
一例において、前記粘着剤層11は、粘着剤組成物の硬化物を含むことができ、前記粘着剤組成物に含まれる重合体を架橋された形態で含んでいてもよい。例えば、前記粘着剤組成物は、(メタ)アクリル酸エステル単量体、極性官能基を有する単量体及び架橋性官能基を含む架橋性単量体から誘導された重合単位を有する重合体を含む。一例において、前記粘着剤組成物により形成された粘着剤層を含むシールテープが前記粘着剤層を媒介として電極組立体に付着し、前記電極組立体が電池缶内部に挿入されて製造された二次電池の場合、前記粘着剤層は二次電池内部に注入される電解質と接触する際に、前記粘着剤層内に存在する前記極性官能基を有する単量体の前記極性官能基の存在によって、変形、例えば膨潤または膨張(swelling)される。このとき、前記シールテープは3次元立体構造を形成し、前記粘着剤層の表面が特定範囲の表面粗さを有するようになって、これにより、前記電極組立体と粘着剤層との間の接着力または剥離力が減少されるので、前記粘着剤層が前記電極組立体から脱離することで、結果的に電極組立体の等方性体積膨張と収縮を誘導して電極の断線現象を阻止することができる。
【0019】
前記粘着剤組成物は、重合単位を有する重合体を含み、一例において、前記重合体は、例えば、(メタ)アクリル酸エステル単量体、極性官能基を有する単量体及び架橋性官能基を有する架橋性単量体を重合された形態に含んでいてもよい。
【0020】
前記重合体に重合単位として含まれる(メタ)アクリル酸エステル単量体としては、例えば、アルキル(メタ)アクリレートが用いられ、粘着剤の凝集力やガラス転移温度または粘着性などを考慮して、炭素数が1〜14であるアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートが用いられる。このような単量体としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルブチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート及びテトラデシル(メタ)アクリレートなどの1種または2種以上が例示されるが、これに限定されない。
【0021】
前記において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレートまたはメタアクリレートを意味し、「(メタ)」を用いる他の用語も同様である。
【0022】
前記極性官能基を有する単量体は、電解質と親和力に優れる単量体であって、前記粘着剤組成物により製造された粘着剤層が電解質と接触する際に、変形、例えば膨潤または膨張(swelling)されて、電極組立体と粘着剤層との間の接着力または剥離力を減少させるために、前記粘着剤組成物の重合体に重合単位として含まれる。また、本発明では、前記極性官能基を有する単量体であって、特定の構造を有する単量体を適用することで、前記シールテープが電解液と接触する際に特定表面粗さを有する立体構造が形成するようにさせ、これにより、前記シールテープが電極組立体から優れた効率で脱離することで、電極組立体の等方性体積膨張と収縮を誘導して電極の断線現象を効率的に防止することができる。
【0023】
一例において、前記極性官能基を有する単量体は、下記化学式1で表される。
【0024】
【化1】
【0025】
前記化学式1において、Rは、水素または炭素数1〜12のアルキル基を示し、
は、炭素数1〜6のアルキレンを示し、
は、水素、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数6〜24のアリール基または炭素数6〜48のアリールアルキル基を示し、
nは、0以上である。
【0026】
前記化学式1において、Rは、水素、炭素数1〜12、炭素数1〜8または炭素数1〜4のアルキル基であり、例えば、水素、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基などが例示され、好ましくは、水素またはメチル基であってもよいが、これに限定されない。
【0027】
また、前記化学式1において、Rは、炭素数1〜6、1〜4または1〜2のアルキレンであり、例えば、エチレンまたはプロピレンであってもよいが、これに限定されない。
【0028】
前記Rは、水素、炭素数1〜12、1〜8、1〜6または1〜4のアルキル基;炭素数6〜24、炭素数6〜20、炭素数6〜18または炭素数6〜12のアリール基;または炭素数6〜48、炭素数6〜30、炭素数6〜24または炭素数6〜18のアリールアルキル基を示し、例えば、水素、メチル基、エチル基、プロピル基、フェニル基、ナフチル基、ブチルフェノール基、ペンチルフェノール基、ヘキシルフェノール基、ヘプチルフェノール基、オクチルフェノール基またはノニルフェノール基などが例示されるが、これに限定されない。
【0029】
また、前記nは、0以上、例えば、1以上、好ましくは、2以上であってもよい。
【0030】
一例において、前記化学式1で表される単量体は、下記化学式2の単量体であってもよい。
【0031】
【化2】
【0032】
前記化学式2において、R及びRは、前記で定義したものと同様であって、
p+qは、1以上であり、
pは、0〜100であり、qは0〜100である。
【0033】
前記化学式1または化学式2で表される単量体としては、例えば、メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールメチルエーテル(メタ)アクリレート、エトキシル化ノニルフェノール(メタ)アクリレート、プロポキシル化ノニルフェノール(メタ)アクリレート、エトキシル化フェノール(メタ)アクリレート、及びポリプロピレングリコール(メタ)アクリレートが用いられ、好ましくは、メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、またはポリエチレングリコールメチルエーテル(メタ)アクリレートが例示されるが、特にこれに限定されない。
【0034】
前記化学式1または化学式2で表される単量体は、少なくとも1つ以上の酸素原子を含み、前記酸素原子の高い電気陰性度により、前記単量体が非常に高い極性を帯びるので、前記単量体を含む粘着剤層は極性の電解液と高い親和力を有し、前記電解質と接触時に膨脹することができる。一方、前記において、用語「電解液」は、例えば、二次電池などで用いられるイオン電導の媒質を意味することができる。一例において、前記電解質は、液体状態の媒質である電解液であってもよいが、これに限定されない。本明細書において、電解液は電解質に表現され得る。
【0035】
前記重合体は、(メタ)アクリル酸エステル単量体100重量部に対して前記化学式1で表される単量体30〜300重量部、例えば、40〜280重量部または44〜250重量部を重合された形態で含んでいてもよいが、これに限定されない。また、前記化学式1で表される単量体は、前記重合体に重合単位として含まれる全単量体100重量部に対して25〜80重量部、例えば、25〜75重量部または30〜70重量部で含まれる。前記化学式1で表される単量体があまり少なく含まれると、粘着剤層が電解質と接触時に電極組立体から脱離されるほど十分に膨脹できず、あまり多く含まれると、前記重合体の重合反応でゲル化(gelation)が起きやすく、粘着剤の粘着性を実現することが難しいので、このようなことを考慮して、前述の範囲内に極性官能基を有する単量体の含量を調節することができる。本明細書において、特に他の規定がない限り、「重量部」は相対的な「重量の割合」を意味する。
【0036】
前記架橋性官能基を有する架橋性単量体は、前記(メタ)アクリル酸エステル単量体または重合体に含まれる他の単量体と共重合されることができ、共重合された後に重合体の主鎖に多官能性架橋剤と反応する架橋点を提供することができる単量体である。前記において、架橋性官能基は、ヒドロキシ基、カルボキシル基、イソシアネート基、グリシジル基またはアミド基などであってもよく、場合によっては、アクリロイル基またはメタクリロイル基などのような光架橋性官能基であってもよい。光架橋性官能基の場合、前記共重合性単量体によって提供された架橋性官能基に光架橋性官能基を有する化合物を反応させて導入することができる。前記ヒドロキシ基を含む架橋性単量体としては、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレートまたはヒドロキシプロピレングリコール(メタ)アクリレートなどのようなヒドロキシ基を含む単量体が用いられ、また、このうちの1種以上が混合された単量体が用いられるが、これに限定されない。前記カルボキシル基含有単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸などが用いられるが、これに限定されない。また、前記グリシジル基を含む架橋性単量体としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、エポキシアルキル(メタ)アクリレートまたはエポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレートのようなエポキシシクロアルキルアルキル(メタ)アクリレートなどが用いられるが、これに制限されない。前記イソシアネート基を含む架橋性単量体は、例えば、2−イソシアネートエチル(メタ)アクリレート、1,1−ビス(アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート、(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、メタ−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート、メタクリロイルイソシアネートまたはアリルイソシアネート;ジイソシアネート化合物またはポリイソシアネート化合物を(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルと反応させて得られるアクリロイルモノーイソシアネート化合物;ジイソシアネート化合物またはポリイソシアネート化合物、ポリオール化合物及び(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルを反応させて得られるアクリロイルモノーイソシアネート化合物などが用いられるが、これに限定されない。前記アミド基含有単量体としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N、N−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミドなどが用いられるが、これに限定されない。また、アミノ基含有単量体としては、例えば、アミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレートなどが用いられるが、これに限定されない。前記アルコキシシリル基含有単量体としては、トリメトキシシリルプロピル(メタ)アクリレートまたはアリルオキシエチル(メタ)アクリレートなどが用いられるが、これに限定されない。
【0037】
前記重合体は、(メタ)アクリル酸エステル単量体100重量部に対して架橋性単量体0.1〜10重量部、例えば、2.5〜10重量部、2.9〜9重量部または2.9〜8重量部を重合された形態で含んでいてもよいが、これに限定されない。また、前記架橋性単量体は、前記重合体に重合単位として含まれる全単量体100重量部に対して0.1〜5重量部、例えば、0.5〜3重量部または1〜2重量部で含まれ得る。前記架橋性単量体があまり多く含まれる場合には、剥離力があまり低くて粘着剤層が電極組立体を固定しにくい問題が発生し、あまり少なく含まれる場合、粘着剤層が電解質と接触時に電極組立体から脱離できるほど十分に膨脹することが難しいので、このようなことを考慮して、前述の範囲内に架橋性単量体の含量を調節することができる。
【0038】
前記重合体は、必要に応じて他の機能性共単量体を重合された形態で、さらに含んでいてもよいが、その例としては、下記化学式3で表される単量体が挙げられる。
【0039】
【化3】
【0040】
前記式において、R〜Rは、それぞれ独立に水素またはアルキルを示し、Rは、シアノ;アルキルで置換または非置換されたフェニル;アセチルオキシ;またはCOR10を示し、このとき、R10はアルキルまたはアルコキシアルキルで置換または非置換されたアミノまたはグリシジルオキシを示す。
【0041】
前記式のR〜R10の定義において、アルキルまたはアルコキシは、炭素数1〜8のアルキルまたはアルコキシを意味し、好ましくは、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、プロポキシまたはブトキシである。
【0042】
前記化学式3の単量体の具体的な例としては、(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル、N−ビニルピロリドンまたはN−ビニルカプロラクタムなどの窒素含有単量体、スチレンまたはメチルスチレンのようなスチレン系単量体;グリシジル(メタ)アクリレート;カプロラクトン、またはビニルアセテートのようなカルボン酸のビニルエステルなどが例示されるが、これに限定されない。
【0043】
前記重合体は、多官能性架橋剤により架橋された形態で前記組成物に含まれる。前記重合体が架橋された形態で含まれる場合、前記組成物から製造された粘着剤層は、電解質と接触時に膨張または膨潤する特性を有することができ、これで、電極の断線を防止することができる。また、前記重合体が架橋された形態で含まれることで、前記粘着剤組成物から製造された粘着剤層は適切な凝集力を確保することができる。
【0044】
前記重合体を架橋させる多官能性架橋剤の種類は特に限定されず、例えば、イソシアネート架橋剤、エポキシ架橋剤、アジリジン架橋剤、金属キレート架橋剤または光架橋剤などの公知の架橋剤中から重合体に存在する架橋性官能基の種類によって適切な架橋剤が選択され得る。前記において、イソシアネート架橋剤の例としては、トルエンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネートまたはナフタレンジイソシアネートなどのようなジイソシアネートや、前記ジイソシアネートとポリオールとの反応物などが挙げられ、前記において、ポリオールとしては、トリメチロールプロパンなどが用いられる。エポキシ架橋剤としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、トリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、N,N,N’,N’−テトラグリシジルエチレンジアミンまたはグリセリンジグリシジルエーテルなどが用いられ、アジリジン架橋剤としては、N,N’−トルエン−2,4−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)、N,N’−ジフェニルメタン−4,4’−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)、トリエチレンメラミン、ビスイソプロタロイル−1−(2−メチルアジリジン)またはトリ−1−アジリジニルホスフィンオキシドなどが挙げられ、金属キレート架橋剤としては、アセチルアセトンまたはアセト酢酸エチルなどの化合物に多価金属が配位した化合物が挙げられ、前記において、多価金属としては、アルミニウム、鉄、亜鉛、錫、チタン、アンチモン、マグネシウムまたはバナジウムなどが挙げられ、光架橋剤としては、多官能性アクリレートなどが用いられる。前記において、重合体に含まれている架橋性官能基の種類を考慮し、1種または2種以上の架橋剤が用いられる。
【0045】
粘着剤組成物において、前記多官能性架橋剤の重量の割合は、例えば、目的とする剥離力または後述するゲル分率が確保され得る範囲に調節することができる。例えば、前記架橋剤は、全組成物100重量部に対して0.001〜10重量部、例えば、0.1〜5重量部または0.5〜4重量部の含量で含まれるが、これに限定されない。多官能性架橋剤の比率が少なすぎると、粘着剤層の凝集力が適切に確保できず、高すぎると、接着物性が低下するので、これを考慮して適切な範囲が選択され得る。
【0046】
前記粘着剤組成物に含まれる重合体は、前記のような単量体の混合物を溶液重合(solution polymerization)、光重合(photo polymerization)、バルク重合(bulk polymerization)、懸濁重合(suspension polymerization)または乳化重合(emulsion polymerization)などのような重合工程に適用して製造することができる。
【0047】
前記重合体は、重量平均分子量(Mw、Weight Average Molecular Weight)が30万〜250万、40万〜200万、40万〜150万、40万〜100万、50万〜200万、80万〜180万、60万〜120万、70万〜140万または60万〜80万程度であってもよい。本明細書において、重量平均分子量は、GPC(Gel Permeation Chromatograph)で測定した標準ポリスチレンに対する換算値を意味し、特に他の規定がない限り、分子量は重量平均分子量を意味する。前記重合体の分子量が少なすぎると、粘着剤層の凝集力が低下され、高すぎると接着物性が低下するので、このようなことを考慮して適切な分子量が選択され得る。
【0048】
粘着剤組成物には、前記成分以外にも必要に応じてこの分野で公知された多様な添加剤がさらに含まれる。例えば、前記粘着剤組成物は、接着付与剤をさらに含んでいてもよい。接着付与剤としては、例えば、ロジンエステル系またはスチレン系接着付与剤が用いられるが、これに限定されず、必要に応じて適切な種類が選択されて用いられる。前記接着付与剤の含量も特に限定されず、電極組立体との剥離力などを考慮して調節され得る。一例において、前記接着付与剤は、前記重合体100重量部に対して1〜25重量部の割合で用いられる。
【0049】
前記粘着剤組成物は、また、目的とする効果に影響を及ぼさない範囲で、熱開始剤または光開始剤のような開始剤;エポキシ樹脂;硬化剤;紫外線安定剤;酸化防止剤;調色剤;補強剤;充填剤;消泡剤;界面活性剤;多官能性アクリレートのような光重合性化合物;または可塑剤などのような添加剤をさらに含んでいてもよい。
【0050】
一例において、前記粘着剤組成物に含まれる重合体は、一般によく知られた適切な光開始剤の選定により光重合法で製造され得る。前記光開始剤は、例えば、ベンゾイルペルオキシド、1,1−ビス(ターシャリ−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリエチルシクロヘキサン、ターシャリブチルペルオキシアセテート、ターシャリブチルペルオキシベンゾエート、ターシャリブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、ターシャリブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルペルオキシジカーボネート、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート、ジ−3−メトキシブチルペルオキシジカーボネート、ジ−3,3,5−トリメチルヘキサノイルペルオキシド、ジ−ターシャリ−ブチルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、メチルエーテルケトンペルオキシドなどの有機過酸化物;ブチルヒドロペルオキシド、クミルヒドロペルオキシドなどのヒドロ過酸化物;過酸化水素、過酸化二硫酸アンモニウム、硝酸及びその塩、過塩素酸及びその塩、硫酸及びその塩、次亜塩素酸及びその塩、過マンガン酸及びその塩、クロム酸及びその塩、二酸化鉛、二酸化マンガン、酸化銅、塩化鉄、フッ素、塩素、ブロム、ヨウ素などの酸化剤;水酸化ホウ素ナトリウム、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アミン、ヒドラジンなどの還元剤;アゾビスイソブチロニトリル(azobisisobutyronnitrile、以下、AIBNとする)などのようなアゾ化合物;熱、光紫外線または高エネルギーの波長を照射する手段;電解質内での電子移動;などによって前記光重合法に適用され得るが、これに限定されない。
【0051】
前記光開始剤の含量は、特に限定されないが、全単量体混合物100重量部に対して0.01〜5重量部、例えば、0.01〜1重量部、0.01〜0.5重量部の体積で含まれる。
【0052】
前記のような粘着剤層11は、例えば、前記のような重合体と多官能性架橋剤を配合したコーティング液を前記基材層12上にコーティングし、適正な条件で前記重合体と多官能性架橋剤の架橋反応を誘導して形成してもよい。
【0053】
前記粘着剤層11の厚さは、適用される用途、例えば、目的とする剥離力などによって適切に選択され得るもので、特に限定されない。前記粘着剤層11は、例えば、2〜100μm、3〜50μm、4〜25μm、2〜15μm、4〜10μm、4〜9μm、4〜7μm、5〜9μmまたは5〜7μm程度の厚さを有するように形成してもよいが、これは目的に応じて変更されてもよい。
【0054】
前記シールテープ10は、二次電池内で電極組立体の外周面に付着されるシールテープ10であってもよい。また、本発明の実施形態に係るシールテープ10は、前記粘着剤層11の初期剥離力があまりに高くなく、前述の極性官能基を有する単量体を含む粘着剤層11を含むことで、二次電池内において前記シールテープ10が電解液と接触時に前記粘着剤層11が電解液を吸収して膨脹することで、前記粘着剤層11の剥離力が電極組立体から脱離されるほどに低く調節され得る。
【0055】
一例において、本発明のシールテープ10は、前記電極組立体を固定することと同時に、電解質と接触時に前記電極組立体から脱離させるのに十分な初期剥離力を有することができる。前記電極組立体の初期剥離力が高すぎると、前記粘着剤層11が電解質と接触後にも電極組立体22から脱着しにくくなる。例えば、前記粘着剤層11は、ガラスに対して、5mm/secの剥離速度及び180度の剥離角度で測定した常温での剥離力が370gf/25mm以下、例えば、350gf/25mm以下、315gf/25mm以下または312gf/25mm以下であってもよい。前記粘着剤層11のガラスに対する剥離力の下限値は、特に限定されず、例えば、低すぎる初期剥離力を有する場合、前記粘着剤層は、電解液と接触時に粘着力を失ってしまい、これにより、前記シールテープが電極組立体から脱離することで、電極の断線を防止することができる。ただ、前記粘着剤層11の初期剥離力が低すぎると、前記電極組立体が缶に収納される前に電解液と接触しない状態で解けてしまうこともあり、このようなことを考慮すると、前記粘着剤層11のガラスに対する剥離力の下限値は、5gf/25mm以上、例えば、10gf/25mm以上、20gf/25mm以上、30gf/25mm以上、40gf/25mm以上、50gf/25mm以上、60gf/25mm以上、70gf/25mm以上、80gf/25mm以上、85gf/25mm以上または88gf/25mm以上に調節され得る。前記粘着剤層11が、ガラスに対して前記のような範囲の剥離力を有する場合、前記粘着剤層11が電極組立体の外周面に付着された場合にも、電解液と接触時に脱離できる適切な初期剥離力を示すことができ、前記シールテープ10が電解液と接触した場合、特定表面粗さを有する立体構造を形成してもよい。前記電極組立体の外周面は、例えば、分離膜であるか、または前記分離膜上に積層したガラスであってもよい。
【0056】
また、本発明のシールテープ10は、電解液と接触時に、前記粘着剤層11が電解液を吸収して膨脹することで、立体構造を形成し、前記粘着剤層11の剥離力が電極組立体から脱離されるほどに低く調節されることができ、これにより、前記粘着剤層11は電極組立体の外周面から脱離され得る。一例において、前記シールテープ10は、電解液と接触後に、前記電極組立体の外周面から脱離することができ、好ましくは、前記電極組立体の外周面に前記シールテープ10が付着された面積の50%以上、例えば、60%以上、70%以上または80%以上が脱離され得る。
【0057】
前記シールテープ10の厚さは、目的とする剥離力などによって適切に選択することができ、特に限定されない。前記シールテープ10は、例えば、10〜100μm、15〜75μm、20〜45μm、15〜40μm、20〜40μm、20〜30μm程度の厚さを有するように形成してもよいが、これは目的に応じて変更してもよい。前記シールテープ10の厚さが薄すぎると、シールテープ10の粘着剤層11の膨張による効果が発揮されにくく、逆に厚さが厚すぎると、その分電極組立体の厚さが増加して電池ケースに挿入時に工程性低下による電極組立体の損傷が大きいか、または同一規格の大きさで容量低下をもたらす。
【0058】
前記シールテープ10は、前記テープの使用前まで粘着剤層11を保護するために前記粘着剤層11に付着される離型シートをさらに含んでいてもよい。
【0059】
本発明のまた1つの実施形態は、二次電池を提供する。
【0060】
図2は、本発明の例示的な二次電池を模式的に示す図である。
【0061】
一例において、前記二次電池20は、図2に示すように、電極組立体22及び前記電極組立体22の外周面に粘着剤層11を媒介として付着されているシールテープ10を含む。前記シールテープ10及び粘着剤層11に対する説明は、前述と同様であるので、省略する。
【0062】
本発明の二次電池20において、前記シールテープ10は、前記のように基材層12上に形成されている粘着剤層11を媒介として前記電極組立体22に固定された状態で、前記シールテープ10が電解質と接触して膨脹することで、前記電極組立体22との剥離力が減少され、これにより、前記粘着剤層11が電極組立体22から脱離または脱着され得る。
【0063】
前記のように、粘着剤層11が電解質と接触する際に電極組立体22から脱離または脱着できるようにするために、前記粘着剤層11は、適切な初期剥離力を有するように設計され得る。例えば、前記電極組立体の初期剥離力が高すぎると、前記粘着剤層11が電解質と接触後にも、電極組立体22から脱着しにくくなる。前記粘着剤層の5mm/secの剥離速度及び180度の剥離角度で測定した常温での電極組立体に対する剥離力は、例えば、1200gf/25mm以下、1000gf/25mm以下、900gf/25mm以下、800gf/25mm以下、700gf/25mm以下または600gf/25mm以下であってもよい。前記粘着剤層11の電極組立体に対する剥離力の下限値は、特に限定されず、例えば、低すぎる初期剥離力を有する場合、前記粘着剤層は、電解液と接触時に粘着力を失ってしまい、これにより、前記シールテープが電極組立体から脱離することで、電極の断線を防止することができる。ただ、前記粘着剤層11の初期剥離力が低すぎると、前記電極組立体が缶に収納される前に電解液と接触しない状態で解けてしまうので、このようなことを考慮すると、前記粘着剤層11の剥離力の下限値は、5gf/25mm以上、10gf/25mm以上、20gf/25mm以上、25gf/25mm以上、45gf/25mm以上、65gf/25mm以上、70gf/25mm以上、80gf/25mm以上、85gf/25mm以上、または90gf/25mm以上に調節され得る。前記電極組立体の外周面、例えば分離膜であってもよいので、前記剥離力が、例えば分離膜に対する剥離力であってもよい。前記粘着剤層11が、電極組立体または分離膜に対して前記のような範囲の剥離力を有する場合、前記粘着剤層11が電極組立体の外周面に付着した場合にも、電解液と接触時に脱離するための適切な初期剥離力を示すことができ、前記シールテープ10が電解液と接触する場合、特定表面粗さを有する立体構造を形成することで、効率的に電極組立体から脱離され得る。
【0064】
前記粘着剤層11は、電解液と反応して前記粘着剤層11と電極組立体22との間の剥離力が低くなることができ、剥離力が低くなることによって、前述のように電極組立体22から脱着され得る。前記のように、シールテープ10が電極組立体22から脱着されることで、電極組立体22の等方性体積膨張と収縮が誘導され、電極が切れる断線現象を改善することができる。
【0065】
前記シールテープ10の粘着剤層11は、前記のように、電解質と接触した後、膨張されて立体構造を形成してもよい。
【0066】
前記二次電池20は、例えば、電極組立体22に前記シールテープ10を付着した後、缶21内部に収納し、前記缶21内部に電解質を注入した後に缶21を密封する方式で製造され得る。
【0067】
前記電極組立体22の具体的な種類は特に限定されず、この分野で用いる一般的な組立体がすべて含まれる。一例において、前記電極組立体22は、二次電池20、例えばリチウム二次電池用の電極組立体22であってもよい。
【0068】
前記電極組立体22は、陽極板;陰極板及び前記陽極板と陰極板との間に介在される分離膜を含むことで、前記方法で前記シールテープは前記粘着剤層11を媒介として前記電極組立体22に外周面に付着することができる。前記電極組立体22は、場合によってゼリーロール状に巻取され得る。
【0069】
前記陽極板は、導電性に優れる金属薄板などで構成される陽極集積体;及び前記陽極集積体の表面にコーティングされている陽極活物質層を含んでいてもよい。また、前記陽極板の両末端には、前記陽極活物質がコーティングされない領域が形成されていて、その領域には電極組立体22の上部または下部に所定長さに突出している陽極タップが付着され得る。前記陽極タップは、前記電極組立体22と電池の他の部分を電気的に接続する役割をする。
【0070】
また、前記陰極板は、伝導性金属薄板などで構成される陰極集積体と、前記陰極集積体の表面にコーティングされている陰極活物質層と、を含んでいてもよい。また、陽極板と同様に陰極板の両末端には陰極活物質層がコーティングされない領域が形成されていて、前記領域には電極組立体22の上部または下部に所定長さに突出されていて、前記電極組立体22と電池の他部分を電気的に接続することができる陰極タップが付着され得る。
【0071】
また、前記電極組立体22は、キャップ組立体または円筒形缶21との接触を防止するためのものであって、上部及び/または下部に形成されている絶縁プレートをさらに含んでいてもよい。
【0072】
前記シールテープ10は、前記電極組立体22の外周面の前記分離膜の最外側端部が位置する仕上部を含み、前記外周面を覆うように付着することができる。また、前記シールテープ10は、前記電極組立体22の外周面全体面積の少なくとも30%以上を覆うように付着することができ、前記電極組立体22の外周面で上端部及び下端部は、前記組立体がそのまま露出されるように付着され得る。
【0073】
前記電極組立体22が収納される缶21の種類は、特に限定されず、例えば、この分野の公知の種類として円筒形の缶21などが例示され得る。
【0074】
また、前記でシールテープ10の粘着剤層11を変形、例えば膨張させる流体である電解液の種類も特に限定されず、電池の種類によってこの分野の公知の電解液が用いられる。例えば、前記電池がリチウム二次電池の場合、前記電解質は、例えば、非水性有機溶媒及びリチウム塩を含んでいてもよい。前記において、リチウム塩は、有機溶媒に溶解されて、電池内でリチウムイオンの供給源として作用し、陽極と陰極との間のリチウムイオンの移動を促進させることができる。リチウム塩の例としては、LiPF、LiBF、LiSbF、LiAsF、LiCFSO、LiN(CFSO、Li(CFSON、LiCSO、LiClO、LiAlO、LiAlCl、LiN(C2x+1SO)(CF2+1SO)(ここで、x及びyは自然数)、LiCl、LiI、及びリチウムビスオキサレートボレート(lithium bisoxalate borate)などの1種または2種以上を支持(supporting)電解塩に含むことが挙げられる。電解質においてリチウム塩の濃度は、用途に応じて変化され得るもので、通常的には、0.1〜2.0M範囲内で用いられる。また、前記有機溶媒は、電池の電気化学的反応に関与するイオンが移動できる媒質の役割をするものであって、その例としては、ベンゼン、トルエン、フルオロベンゼン、1,2−ジフルオロベンゼン、1,3−ジフルオロベンゼン、1,4−ジフルオロベンゼン、1,2,3−トリフルオロベンゼン、1,2,4−トリフルオロベンゼン、クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、1,3−ジクロロベンゼン、1,4−ジクロロベンゼン、1,2,3−トリクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼン、ヨードベンゼン(iodobenzene)、1,2−ジヨードベンゼン、1,3−ジヨードベンゼン、1,4−ジヨードベンゼン、1,2,3−トリヨードベンゼン、1,2,4−トリヨードベンゼン、フルオロトルエン、1,2−ジフルオロトルエン、1,3−ジフルオロトルエン、1,4−ジフルオロトルエン、1,2,3−トリフルオロトルエン、1,2,4−トリフルオロトルエン、クロロトルエン、1,2−ジクロロトルエン、1,3−ジクロロトルエン、1,4−ジクロロトルエン、1,2,3−トリクロロトルエン、1,2,4−トリクロロトルエン、ヨードトルエン、1,2−ジヨードトルエン、1,3−ジヨードトルエン、1,4−ジヨードトルエン、1,2,3−トリヨードトルエン、1,2,4−トリヨードトルエン、R−CN(ここで、Rは、炭素数2〜50の直鎖状、分枝状または環状構造の炭化水素基であって、前記炭化水素基は、二重結合、芳香族環またはエーテル結合などを含んでいてもよい)、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセテート、キシレン、シクロヘキサン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、エタノール、イソプロピルアルコール、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、プロピレンカーボネート、メチルプロピオネート、エチルプロピオネート、メチルアセテート、エチルアセテート、プロピルアセテート、ジメトキシエタン、1,3−ジオキソラン、ジグライム、テトラグライム、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、スルホラン(sulfolane)、バレロラクトン、デカノリドまたはメバロラクトンの1種または2種以上が挙げられるが、これに限定されない。
【0075】
一例において、前記シールテープ10の長さは、電極組立体22の外周面の長さに基づいて50〜90%の大きさで製造され、好ましくは、60〜80%の大きさで製造され得る。前記シールテープ10は、電極組立体22の外周面を覆いながら付着され、その長さは電池内部での占有空間を最小化する長さで製造されることが好ましい。具体的に、シールテープ10の長さが短すぎると、電池缶21内面に対してゲル化されたシールテープ10の緩衝効果及び摩擦力増加が大きくなく、所望する効果を期待することが難しい。逆に、シールテープ10が長すぎると、電池缶21内部での占有空間が必要以上に大きくなるので、同一電池缶21の規格で容量低下をもたらし、好ましくない。
【0076】
また、図2に示すように、前記二次電池20は、円筒形リチウムイオン二次電池であってもよく、前記円筒形二次電池は、価格効率性が高く、大きい電気容量を有することができる。
【発明の効果】
【0077】
本発明は、電解液と接触して膨脹することで、前記電極組立体から脱着可能な電極組立体付着用シールテープを提供し、二次電池の充放電を繰り返す過程で電極組立体の等方性体積膨張と収縮を誘導し、電極が切れる断線現象を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0078】
図1】本発明の例示的なシールテープの断面を模式的に示す図である。
図2】本発明の例示的な二次電池を模式的に示す図である。
図3】本発明の実施例1のシールテープを電解質と接触させた後に形成された立体構造を撮影した写真である。
図4】本発明の比較例1のシールテープを電解質と接触させた後に表面を撮影した写真である。
図5】本発明の実施例4のシールテープを電解質と接触させた後に形成された立体構造の断面を撮影した写真である。
図6】本発明の比較例1のシールテープを電解質と接触させた後にシールテープの断面を撮影した写真である。
図7】本発明の実施例4のシールテープを電解質と接触させた後に形成された立体構造の断面を数学的にモデリングして得た表面粗さグラフである。
図8】本発明の比較例1のシールテープを電解質と接触させた後にシールテープの断面を数学的にモデリングして得た表面粗さグラフである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0079】
以下、本発明に係る実施例及び本発明以外の比較例を介して本発明をより詳しく説明するが、本発明の範囲が下記提示された実施例によって限定されない。
【0080】
以下、実施例及び比較例における物性を下記の方式で評価した。
【0081】
[1.重量平均分子量の測定]
粘着剤組成物の重量平均分子量は、GPCを用いて以下の条件で測定した。検量線の製作には、Agilent systemの標準ポリスチレンを用いて測定結果を換算した。
【0082】
<重量平均分子量の測定条件>
測定器:Agilent GPC(Agilent 1200 series、米国)
カラム:PL Mixed B 2個連結
カラム温度:40℃
溶離液:テトラヒドロフラン
流速:1.0mL/min
濃度:〜2mg/mL(100μL injection)
【0083】
[2.ガラスに対する剥離力の測定]
シールテープを、横長さが25mm、縦長さが200mmとなるように裁断して試験片を製造した。試験片を、粘着剤層を媒介としてガラス板に2kgのゴムローラを用いて付着し、常温で約2時間保管した後、引張試験機を用いて5mm/secの剥離速度及び180度の剥離角度でシールテープを剥離しながら剥離力を測定した。
【0084】
[3.分離膜に対する剥離力の測定]
シールテープを、横長さが25mm、縦長さが200mmとなるように裁断して試験片を製造した。試験片を、粘着剤層を媒介として電極組立体の分離膜(SRSオレフィン系分離膜)に2kgのゴムローラを用いて付着し、常温で約2時間保管した後、引張試験機を用いて5mm/secの剥離速度及び180度の剥離角度でシールテープを剥離しながら剥離力を測定した。剥離力を測定する際400gf/25mmを超える場合には、分離膜自体が層分離されながら破壊されて剥離力の測定が不可能であった。
【0085】
[4.表面形状観察]
実施例及び比較例により製造された試験片をカーボネート系電解質に含浸させ、密封した状態において常温で1日間放置した後、電解質から取り出してデジタルカメラを用いて表面形状を撮影し、これを図3及び図4に示した。
【0086】
さらに、前記シールテープの表面形状を観察して立体構造の発生可否を下記のような基準により評価した。
【0087】
<立体構造の形成可否評価基準>
○:立体構造が明確に観察されて肉眼で確認できる
△:立体構造が明確でないため肉眼で確認できない
×:立体構造が観察されない
【0088】
[5.中心線平均粗さ(Ra)の測定]
実施例4及び比較例1により製造された試験片をカーボネート系電解質に含浸させ、密封した状態において常温で1日間放置した後、電解質から取り出して光学顕微鏡を利用して前記試験片の断面形状を撮影し、これを図5及び図6に示した。実施例4の場合、粘着剤層が電解液を吸収して立体構造を形成することに従い粘着剤層が所定のヘイズを有することで、透明なPET基材との界面が明確に観察されたが、比較例1の場合、粘着剤層が電解液をほとんど吸収できず、これにより、ヘイズを有することができなくなり、透明な粘着剤層とPET基材との界面を肉眼上で観察することは難しかった。
【0089】
前記実施例4及び比較例1の試験片に対する断面形状が撮影された映像のピクセル値を算出し、物差しの目盛で前記ピクセル数を長さに換算し、数学的にリモデリングして図7及び図8のような表面粗さ曲線をそれぞれ得た後に、下記のような方法で中心線平均粗さを計算した。詳しくは、前記粗さ曲線において平均線方向に基準長さ(L)を約2.3mm抽出して、平均線方向をx軸に、高さ方向をy軸にして、粗さ曲線をy=f(x)に表示し、下記式1から中心線平均粗さを求めた。
【0090】
【数2】
【0091】
[6.脱離現象観察]
実施例及び比較例により製造されたシールテープ試験片(横×縦=50mm×57mm)を電極組立体(長さ60mm×直径17mm)に付着し、前記電極組立体をカーボネート系電解質に含浸させた後、前記シールテープが電極組立体表面から脱離する現象を観察し、脱離された面積の横及び縦の長さを測定して計算し、前記電極組立体に付着された面積(625mm)に対する脱離された面積の比率を計算した。
【0092】
[7.電池パフォーマンス評価]
実施例及び比較例により製造されたシールテープ試験片を電極組立体に付着し、前記電極組立体を外装缶に挿入し、前記外装缶に電解液を注入した後、前記外装缶を密封して円筒形電池を構成した。前記のように製造された円筒形電池サンプルを4個準備した後、各サンプルに対して、10回充電と放電を繰り返し、電池を分解して電極組立体を取り出して陽極/分離膜/陰極/分離膜を分離させながらクラックの発生可否を観察した。同一
【0093】
[製造例1.重合体(A1)の製造]
窒素ガスが還流され、温度調節が容易にできるように、冷却装置を設置した1000cc反応器にn−ブチルアクリレート(n−Butyl Acrylate、n−BA)58重量部、メトキシエチルアクリレート(Methoxy Ethyl Acrylate、MEA)40重量部及びヒドロキシブチルアクリレート(HydroxyButyl Acrylate、HBA)2重量部で構成される単量体混合物と連鎖移動剤であるn−ドデカンチオール(n−dodecanethiol)0.02重量部を投入し、溶媒としてエチルアセテート(Ethyl Acetate、EAc)150重量部を投入した。次に、酸素を除去するために60℃で、窒素ガスを60分間パージングした後、60℃を維持した。混合物を均一にさせた後、反応開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(Azobisisobutyronitrile、AIBN)0.04重量部を投入した。混合物を8時間反応させて重量平均分子量が80万である重合体(A1)を製造した。前記で重量部はwt%を意味する。
【0094】
[製造例2.重合体(A2)の製造]
前記製造例1において、メトキシエチルアクリレート40重量部の代わりに、メトキシエトキシエチルアクリレート(Methoxy Ethoxy Ethyl Acrylate、MOEOEA)40重量部を投入した以外は、製造例1と同様な方法で重量平均分子量が70万である重合体(A2)を製造した。前記で重量部はwt%を意味する。
【0095】
[製造例3.重合体(A3)の製造]
前記製造例1において、メトキシエチルアクリレート40重量部の代わりに、エトキシエトキシエチルアクリレート(Eethoxy Ethoxy Ethyl Acrylate、EOEOEA)40重量部を投入した以外は、製造例1と同様な方法で重量平均分子量が60万である重合体(A3)を製造した。前記で重量部はwt%を意味する。
【0096】
[製造例4.重合体(A4)の製造]
前記製造例1において、n−BA58重量部、MEA40重量部及びHBA2重量部の代わりに、n−BA68部、MEA30重量部及びHBA2重量部を投入した以外は、製造例1と同様な方法で重量平均分子量が78万である重合体(A4)を製造した。前記で重量部はwt%を意味する。
【0097】
[製造例5.重合体(A5)の製造]
前記製造例1において、n−BA58重量部、MEA40重量部及びHBA2重量部の代わりに、n−BA48重量部、MEA50重量部及びHBA2重量部を投入した以外は、製造例1と同様な方法で重量平均分子量が79万である重合体(A5)を製造した。前記で重量部はwt%を意味する。
【0098】
[製造例6.重合体(A6)の製造]
前記製造例1において、n−BA58重量部、MEA40重量部及びHBA2重量部の代わりに、n−BA38重量部、MEA60重量部及びHBA2重量部を投入した以外は、製造例1と同様な方法で重量平均分子量が75万である重合体(A6)を製造した。前記で重量部はwt%を意味する。
【0099】
[製造例7.重合体(A7)の製造]
前記製造例1において、n−BA58重量部、MEA40重量部及びHBA2重量部の代わりに、n−BA28重量部、MEA70重量部及びHBA2重量部を投入した以外は、製造例1と同様な方法で重量平均分子量が73万である重合体(A7)を製造した。前記で重量部はwt%を意味する。
【0100】
[製造例8.重合体(B1)の製造]
前記製造例1において、メトキシエチルアクリレートを投入せず、n−ブチルアクリレート98重量部、及びヒドロキシブチルアクリレート2重量部で構成される単量体混合物を投入した以外は、製造例1と同様な方法で重量平均分子量が80万である重合体(B1)を製造した。前記で重量部はwt%を意味する。
【0101】
[製造例9.重合体(B2)の製造]
前記製造例1において、メトキシエチルアクリレートを投入せず、n−ブチルアクリレート93重量部、及びアクリル酸7重量部で構成される単量体混合物を投入した以外は、製造例1と同様な方法で重量平均分子量が80万である重合体(B2)を製造した。前記で重量部はwt%を意味する。
【0102】
[製造例10.重合体(B3)の製造]
前記製造例1において、n−BA58重量部、MEA40重量部及びHBA2重量部の代わりに、n−BA88重量部、MEA10重量部及びHBA2重量部を投入した以外は、製造例1と同様な方法で重量平均分子量が79万である重合体(B3)を製造した。前記で重量部はwt%を意味する。
【0103】
[製造例11.重合体(B4)の製造]
前記製造例1において、n−BA58重量部、MEA40重量部及びHBA2重量部の代わりに、n−BA78重量部、MEA20重量部及びHBA2重量部を投入した以外は、製造例1と同様な方法で重量平均分子量が80万である重合体(B4)を製造した。前記で重量部はwt%を意味する。
【0104】
[実施例1]
[粘着剤組成物の製造]
前記製造した重合体(A1)100重量部に対して多官能性イソシアネート系架橋剤としてトリメチロールプロパンのトリレンジイソシアネート付加物0.3重量部をエチルアセテート溶液に投入した後、コーティング性を考慮して適正濃度に希釈して均一に混合した。
【0105】
[シールテープの製造]
前記製造例1により製造された粘着剤組成物をPET(poly(ethylene terephthalate))フィルム(厚さ:19μm)の一面にコーティング及び乾燥を行い、厚さが6μmの均一なコーティング層を形成させた。続いて、コーティング層上に離型フィルムを合板し、続いて、恒温(25℃)恒湿条件で、3日間成熟させてシールテープを製造した。
【0106】
[電極組立体及び電池の製造]
陰極、陽極及び分離膜を含むゼリーロール状の電極組立体(断面径:17.2mm)の外周の約50%の面積を覆うようにシールテープを付着し、前記組立体を円筒形の缶(断面径:17.5mm)に挿入した。続いて、前記缶の内部にカーボネート系電解質を注入し、密封して電池を完成した。
【0107】
[実施例2〜11及び比較例1〜4]
シールテープの製造時に、粘着剤層の組成を下記表1及び2のように変更させながら、実施例1と同様にシールテープ及び電池を製造した。
【0108】
【表1】
【0109】
【表2】
【0110】
前記実施例及び比較例に対して測定した物性を下記表3及び4に整理して記載した。
【0111】
【表3】
【0112】
【表4】
【符号の説明】
【0113】
10 シールテープ
11 粘着剤層
12 基材層
20 二次電池
21 缶
22 電極組立体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8