(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して各実施形態を説明する。なお、添付図面は、特徴を分かりやすくするために便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。また、断面図では、各部材の断面構造を分かりやすくするために、一部の部材のハッチングを梨地模様に代えて示し、一部の部材のハッチングを省略している。
【0009】
(第1実施形態)
以下、
図1〜
図12に従って第1実施形態を説明する。
まず、配線基板10の構造について説明する。
【0010】
図1(a)に示すように、配線基板10は、コア層20と、導電層30と、導電層40と、導電層50とを有している。
コア層20は、導電層30等を形成するための基体となる平板状の部材である。コア層20の平面形状は、任意の形状及び任意の大きさとすることができる。例えば、コア層20の平面形状は、200mm×200mm程度の正方形状とすることができる。また、コア層20の厚さは、例えば、70〜100μm程度とすることができる。
【0011】
コア層20は、絶縁性基材21と、複数の線状導体22とを有している。
絶縁性基材21は、上面21Aと下面21Bとを有している。絶縁性基材21には、その絶縁性基材21の厚さ方向に貫通する複数の貫通孔21Xが形成されている。すなわち、各貫通孔21Xは、絶縁性基材21の上面21Aと下面21Bとの間を貫通するように形成されている。
【0012】
絶縁性基材21の材料としては、例えば、アルミナ(酸化アルミニウム)、ムライト、窒化アルミニウム、ガラスセラミックス(ガラスとセラミックスの複合材料)、チタン酸バリウムストロンチウム、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタンジルコン酸鉛等の無機材料を用いることができる。
【0013】
各線状導体22は、貫通孔21X内を充填するように形成されている。この各線状導体22は、絶縁性基材21を厚さ方向に貫通するように形成されている。このため、各線状導体22は、上端面22Aが絶縁性基材21の上面21Aから露出されており、下端面22Bが絶縁性基材21の下面21Bから露出されている。これら複数の線状導体22は平行に隣接して形成されている。また、これら複数の線状導体22は、絶縁性基材21の上面21A又は下面21Bが広がる方向(平面方向)全体に亘って形成されている。これら複数の線状導体22の配置形態については、特に限定されず、例えば、ヘキサゴナル状に配置してもよいし、グリッド状に配置してもよい。
【0014】
各線状導体22の上端面22Aは、絶縁性基材21の上面21Aと略面一となるように形成されている。また、各線状導体22の下端面22Bは、絶縁性基材21の下面21Bと略面一となるように形成されている。各線状導体22の平面形状は、任意の形状及び任意の大きさとすることができる。例えば、各線状導体22は、直径が10〜1000nm程度の平面視円形状に形成されている。ここで、本明細書における「平面視円形状」とは、厳密に円形である場合のみならず、おおよそ円形である場合も含むものとする。また、各線状導体22は、例えば、隣接する線状導体22との間隔が各線状導体22の直径以下となる程度に密度に形成されている。このような線状導体22のピッチは、例えば、20〜2000nm程度とすることができる。なお、線状導体22の材料としては、例えば、銀(Ag)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)又はそれらの合金を用いることができる。
【0015】
導電層30は、コア層20の上面20A(絶縁性基材21の上面21A及び線状導体22の上端面22A)に形成されている。この導電層30は、コア層20の上面20Aにベタ状に形成されている。例えば、導電層30は、コア層20の上面20Aの略全面を被覆するように形成されている。導電層30は、複数の線状導体22と電気的に接続されている。
【0016】
導電層30には、所要の箇所(ここでは、4箇所)に、当該導電層30を厚さ方向に貫通してコア層20の上面20Aの一部を露出する開口部30Xが形成されている。開口部30Xの底部(コア層20側(図中下側)の開口部)には、複数の線状導体22の上端面22Aが露出されている。
【0017】
図1(b)に示すように、本例の開口部30Xは、導電層30の上面(コア層20の上面20A)の四隅近傍に形成されている。各開口部30Xの平面形状は、任意の形状及び任意の大きさとすることができる。例えば、各開口部30Xの平面形状は、直径が100〜300μm程度の円形状とすることができる。
【0018】
図1(a)に示すように、導電層30は、コア層20の上面20Aから、金属層31と金属層32とが順に積層された構造を有している。金属層32は、例えば、金属層31の上面全面を被覆するように形成されている。金属層32の材料としては、例えば、銅や銅合金を用いることができる。金属層31の材料としては、金属層32を構成する金属材料(例えば、銅)よりも絶縁性基材21との密着性が高い金属材料を用いることが好ましい。金属層31の材料としては、例えば、チタン(Ti)、窒化チタン(TiN)、窒化タンタル(TaN)、タンタル(Ta)、クロム(Cr)を用いることができる。なお、このような金属材料からなる金属層31は、導電層30と絶縁性基材21との密着性を高める密着層として機能するとともに、金属層32(例えば、Cu層)から絶縁性基材21に銅が拡散することを抑制する金属バリア層としても機能する。また、金属層31の厚さは、例えば10〜100nm程度とすることができ、金属層32の厚さは、例えば100〜1000nm程度とすることができる。
【0019】
一方、導電層40は、コア層20の下面20B(絶縁性基材21の下面21B及び線状導体22の下端面22B)に形成されている。導電層40は、導電層30と平面視で重なる位置に形成されている。この導電層40は、コア層20の下面20Bにベタ状に形成されている。例えば、導電層40は、コア層20の下面20Bの略全面を被覆するように形成されている。導電層40は、複数の線状導体22と電気的に接続されている。
【0020】
図1(c)に示すように、導電層40には、所要の箇所(ここでは、4箇所)に、当該導電層40を厚さ方向に貫通してコア層20の下面20Bの一部を露出する開口部40Xが形成されている。開口部40Xは、その一部が開口部30Xと平面視で重なる位置に形成されている。開口部40Xの平面形状は、開口部30Xよりも大きく形成されている。なお、開口部40Xの平面形状は、任意の形状とすることができ、開口部30Xと同様の形状(ここでは、円形状)であってもよいし、開口部30Xと異なる形状(例えば、矩形状)であってもよい。例えば、開口部40Xの平面形状は、500×500μm程度の正方形状とすることができる。
【0021】
図1(a)に示すように、導電層40は、コア層20の下面20Bから、金属層41と金属層42とが順に積層された構造を有している。金属層42は、例えば、金属層41の下面全面を被覆するように形成されている。金属層42の材料としては、例えば、銅や銅合金を用いることができる。金属層41の材料としては、金属層42を構成する金属材料(例えば、銅)よりも絶縁性基材21との密着性が高い金属材料を用いることが好ましい。金属層41の材料としては、例えば、Ti、TiN、TaN、Ta、Crを用いることができる。なお、このような金属材料からなる金属層41は、導電層40と絶縁性基材21との密着性を高める密着層として機能するとともに、金属層42(例えば、Cu層)から絶縁性基材21に銅が拡散することを抑制する金属バリア層としても機能する。また、金属層41の厚さは、例えば10〜100nm程度とすることができ、金属層42の厚さは、例えば100〜1000nm程度とすることができる。
【0022】
導電層50は、開口部40Xから露出されたコア層20の下面20Bに形成されている。このため、コア層20の下面20Bには、4つの導電層50が形成されている。各導電層50は、開口部40X内に形成されている。各導電層50は、複数の線状導体22と電気的に接続されている。具体的には、各導電層50は、開口部40Xと平面視で重なる位置に形成された導電層30と接続される線状導体22と電気的に接続されている。なお、導電層50の材料としては、例えば、銅やニッケルなどの電解めっきで成膜可能な金属を用いることができる。
【0023】
各導電層50には、所要の箇所(ここでは、1箇所)に、当該導電層50を厚さ方向に貫通してコア層20の下面20Bの一部を露出する開口部50Xが形成されている。開口部50Xの底部(コア層20側(図中上側)の開口部)には、複数の線状導体22の下端面22Bが露出されている。開口部50Xは、開口部30Xと平面視で重なる位置に形成されている。
図1(c)に示すように、開口部50Xの平面形状は、開口部30Xと同様の形状(ここでは、円形状)に形成されている。また、開口部50Xの平面形状は、開口部30Xの平面形状と同じ大きさ、又は開口部30Xの平面形状よりも若干小さく形成されている。例えば、開口部50Xの平面形状は、直径が100〜300μm程度の円形状とすることができる。
【0024】
このような開口部50Xと開口部30Xとは、平面視において略完全に重なった状態で形成されている。詳述すると、開口部30Xに上端面22Aが露出した線状導体22の下端面22Bは、開口部50Xに露出している。すなわち、開口部30Xと開口部50Xとは、平面方向にほとんど位置ずれすることなく形成されている。なお、開口部30X及び開口部50Xから両端面が露出する線状導体22は、導体には接続されず、電気的に孤立(フローティング)した状態となっている。
【0025】
これら開口部30X,50Xは、導電層30,40が形成されている領域に配線パターン等を形成する際に、アライメントマークとして利用される。
次に、配線基板10の製造方法について説明する。なお、説明の便宜上、最終的に配線基板10の各構成要素となる部分には、最終的な構成要素の符号を付して説明する。
【0026】
図2(a)に示す工程では、まず、多数の貫通孔21Xを有する絶縁性基材21を準備する。ここで、各貫通孔21Xの深さは、例えば、70〜100μm程度とすることができる。各貫通孔21Xは、例えば平面視円形状とすることができ、その場合の直径Φは例えば10〜1000nm程度とすることができる。また、貫通孔21Xは、隣接する貫通孔21Xの間隔Pが貫通孔21Xの直径Φ以下となる程度に高密度に形成されている。このような貫通孔21Xのピッチは、例えば、20〜2000nm程度とすることができる。
【0027】
このような微小径でアスペクト比(孔深さと孔径の比)が高く、且つ高密度に配置された貫通孔21Xの形成方法の一例を以下に示す。貫通孔21Xは、例えば、陽極酸化法を用いて形成することができる。ここでは、酸化アルミニウムからなる絶縁性基材21に貫通孔21Xを形成する方法について説明する。
【0028】
具体的には、アルミニウム(Al)の基板の一方の面を絶縁被膜したAl基板、又はガラス基板上にスパッタリング等によりAlの電極層を形成したAl電極層を用意する。その用意したAl基板又はAl電極層の表面を洗浄後、電解液(好適には硫酸水溶液)中に浸漬し、浸漬したAl基板又はAl電極層を陽極とし、これに対向配置される白金(Pt)電極を陰極として通電(パルス電圧を印加)する。これにより、Al基板又はAl電極層の表面に多孔質金属酸化膜(微小径の孔が規則正しく形成された酸化アルミニウムの膜)を形成することができる。
【0029】
この後、陽極酸化とは逆電位の電圧を各電極に印加(Al基板又はAl電極層を陰極とし、白金電極を陽極として通電)することで、多孔質金属酸化膜をAl配線基板又はAl電極層から分離する。これによって、所望の微小径の貫通孔21Xが高密度に形成された絶縁性基材21が得られる。
【0030】
なお、陽極酸化法では、電解液の種類、電圧、時間などの条件を変更することにより、絶縁性基材21の厚さ(貫通孔21Xの深さ)、貫通孔21Xの径や貫通孔21Xのピッチを調整することができる。
【0031】
次に、
図2(b)に示す工程では、絶縁性基材21の貫通孔21Xに金属材料を充填して線状導体22(ビア)を形成する。これにより、絶縁性基材21を厚さ方向に貫通する複数の線状導体22を有するコア層20が製造される。線状導体22は、例えば、スクリーン印刷法やインクジェット法等を用いて、銅や銀等の導電性ペーストを貫通孔21Xに充填して形成することができる。また、絶縁性基材21の一方の面に電極を設けた電解めっき法によっても線状導体22を形成することができる。
【0032】
さらに、必要に応じて、機械研磨、化学機械研磨(CMP:Chemical Mechanical Polishing)等により両面を研磨して平坦化してもよい。これにより、線状導体22の両端を絶縁性基材21の両面から露出させることができ、線状導体22の長さの均一性を確保することができる。
【0033】
次に、
図2(c)に示す工程では、コア層20の上面20Aに導電層30を形成するとともに、コア層20の下面20Bに導電層40を形成する。本工程では、導電層30はコア層20の上面20A全面を被覆するように形成され、導電層40はコア層20の下面20B全面を被覆するように形成される。これら導電層30,40は、例えば、スパッタ法や無電解めっき法により形成することができる。
【0034】
例えば、スパッタ法により導電層30を形成する場合には、まず、コア層20の上面20A上にチタンをスパッタリングにより堆積させて金属層31(Ti層)を形成する。その後、金属層31上に銅をスパッタリングにより堆積させて金属層32(Cu層)を形成する。これにより、2層構造(Ti層/Cu層)の導電層30を形成することができる。同様に、スパッタ法により導電層40を形成する場合には、まず、コア層20の下面20B上にチタンをスパッタリングにより堆積させて金属層41(Ti層)を形成する。その後、金属層41上に銅をスパッタリングにより堆積させて金属層42(Cu層)を形成する。これにより、2層構造(Ti層/Cu層)の導電層40を形成することができる。なお、コア層20と金属層32,42(Cu層)との間に金属層31,41(Ti層)を形成することにより、絶縁性基材21と導電層30,40との密着性を向上させることができる。
【0035】
続いて、
図3(a)に示す工程では、導電層30の上面に開口パターン60Xを有するレジスト層60を形成するとともに、導電層40の下面に開口パターン61Xを有するレジスト層61を形成する。開口パターン60Xは、開口部30Xの形成領域に対応する部分の導電層30を露出するように形成されている。また、開口パターン61Xは、開口部40X(
図1(a)参照)の形成領域に対応する部分の導電層40を露出するように形成されている。レジスト層60,61の材料としては、後工程のエッチング処理及びめっき処理に対して耐エッチング性及び耐めっき性がある材料を用いることができる。具体的には、レジスト層60,61の材料としては、例えば、感光性のドライフィルムレジスト又は液状のフォトレジスト(例えば、ノボラック系樹脂やアクリル系樹脂等のドライフィルムレジストや液状レジスト)を用いることができる。例えば、感光性のドライフィルムレジストを用いる場合には、導電層30の上面及び導電層40の下面にドライフィルムを熱圧着によりラミネートし、そのドライフィルムを露光・現像によりパターニングして開口パターン60X,61Xを有するレジスト層60,61を形成する。なお、液状のフォトレジストを用いる場合にも、同様の工程を経て、レジスト層60,61を形成することができる。また、レジスト層60,61として非感光性のレジストを用いるようにしてもよい。この場合には、例えば、CO
2レーザやUV−YAGレーザによるレーザ加工法等によって開口パターン60X,61Xを形成することができる。
【0036】
ここで、開口パターン60X,61Xは平面視で重なる位置に形成される。さらに、開口パターン61Xの平面形状は、開口パターン60Xの平面形状よりも大きく形成される。このため、例えば、露光装置(製造装置)の位置精度(位置合わせ精度)等に起因して、開口パターン60X,61Xの形成位置が設計位置からずれた場合であっても、開口パターン60Xの平面全面が開口パターン61Xと平面視で重なるように開口パターン60X,61Xを好適に形成することができる。換言すると、開口パターン61Xを開口パターン60Xよりも大きく形成したため、露光装置の位置精度に起因した開口パターン60X,61Xの位置ずれによって、開口パターン60Xの一部が開口パターン61Xと平面視で重ならない位置に形成されることを抑制することができる。
【0037】
次いで、
図3(b)に示す工程では、レジスト層60,61をエッチングマスクとして、導電層30,40をエッチングする。具体的には、レジスト層60の開口パターン60Xから露出する導電層30(金属層31,32)をエッチングし、導電層30に開口部30Xを形成する。また、レジスト層61の開口パターン61Xから露出する導電層40(金属層41,42)をエッチングし、導電層40に開口部40Xを形成する。
【0038】
これにより、
図4(a)に示すように、導電層30の上面の四隅近傍に、平面視円形状の開口部30Xが形成され、その開口部30Xにコア層20の上面20Aが露出される。また、
図4(b)に示すように、導電層40の下面の四隅近傍に、平面視略矩形状の開口部40Xが形成され、その開口部40Xにコア層20の下面20Bが露出される。これら開口部30Xと開口部40Xとは、開口パターン60Xと開口パターン61Xと同様に、平面視で重なるように形成される。
【0039】
次に、
図5(a)に示す工程では、レジスト層60の上面全面を被覆するようにマスク材62を形成する。このマスク材62は、次工程のめっき処理におけるめっき液が開口部30Xに露出する導電層30やコア層20に接触することを抑制するために形成される。マスク材62の材料としては、例えば、次工程のめっき処理に対して耐めっき性がある材料を用いることができる。例えば、マスク材62の材料としては、マスキングテープやレジスト層を用いることができる。マスキングテープの材料としては、例えば、塩化ビニルやPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムを用いることができる。例えば、マスク材62としてマスキングテープを用いる場合には、レジスト層60上にマスキングテープを貼り付けることによりマスク材62を形成することができる。なお、この場合のマスク材62(マスキングテープ)は、後工程においてレジスト層60から容易に剥離できる状態で仮接着される。
【0040】
続いて、開口部40Xから露出するコア層20の下面20Bに、開口部50Xを有する導電層50を形成する。例えば、レジスト層61及びマスク材62をめっきマスクとして、開口部40Xから露出するコア層20の下面20Bに、導電層30及びその導電層30と電気的に接続された線状導体22を給電経路とする電解めっき法(ここでは、電解銅めっき法)を施す。すると、開口部40X及び開口パターン61Xから露出するコア層20の下面20Bでは、平面視で重複する位置に導電層30が存在する部分だけに、その導電層30及び線状導体22を介して給電され、その部分だけにめっき膜が析出成長される。これにより、開口部40Xと平面視で重なる位置に形成された導電層30と対向する位置に、導電層50が形成される。
【0041】
図5(b)に示すように、導電層50は、開口部40Xと平面視で重なる位置に形成された導電層30に上端面22Aが接続された線状導体22の下端面22Bのみから、めっき膜が析出成長して形成される。また、開口部40Xと平面視で重なる位置であって、導電層30の形成されていない位置に配置された線状導体22(つまり、開口部30Xに上端面22Aが露出する線状導体22)の下端面22Bからは、めっき膜が析出成長されない。このため、導電層50は、開口部40Xと平面視で重なる位置に形成された導電層30の平面形状が転写されて形成され、開口部30Xと平面視で重なる位置に開口部50Xが形成される。換言すると、
図6(a)に示すように、開口部40Xに露出するコア層20の下面20Bにおいて、開口部30Xと平面視で重なる位置以外の部分に導電層50が形成され、開口部30Xと平面視で重なる位置に開口部50Xが形成される。したがって、導電層50の開口部50Xを、開口部30Xと平面視において、極めて精度良く重複する位置に形成することができる。
【0042】
なお、コア層20の下面20Bに析出成長されるめっき膜は、略等方的に成長するため、下面20Bの平面方向へも成長する。このため、開口部50Xの平面形状は、開口部30Xよりも若干小さくなる場合がある。但し、この場合であっても、開口部50Xは、直径が100〜300μm程度の平面視円形状の開口部30Xよりも直径が100〜500nm程度小さくなるだけであるため、開口部30Xとほとんど同じ大きさ及び形状と見ることができる。
【0043】
次に、
図6(b)に示す工程では、
図5(a)に示したマスク材62を除去する。例えば、マスク材62としてマスキングテープを用いる場合には、レジスト層60からマスク材62(マスキングテープ)を機械的に剥離する。続いて、
図5(a)に示したレジスト層60,61を、例えば、アルカリ性の剥離液により除去する。
【0044】
以上の製造工程により、
図1に示した配線基板10を製造することができる。すなわち、コア層20の上面20A及び下面20Bで位置ずれのほとんどない略同一形状の開口部30X,50X(アライメントマーク)が形成された配線基板10を製造することができる。
【0045】
(配線基板の適用例)
次に、配線基板10を利用して、コア層20の上面20A及び下面20Bに配線パターンや絶縁層を形成する方法の一例について説明する。
【0046】
まず、
図7(a)に示す工程では、導電層30の上面に開口パターン63Xを有するレジスト層63を形成するとともに、導電層40の下面に開口パターン64Xを有するレジスト層64を形成する。開口パターン63Xは、所定の配線パターンに対応する部分の導電層30を露出するように形成されている。開口パターン64Xは、所定の配線パターンに対応する部分の導電層40を露出するように形成されている。また、レジスト層63は、所定の認識マークに対応する部分の導電層30を被覆するレジスト層63Aを有している。レジスト層64は、所定の認識マークに対応する部分の導電層40を被覆するレジスト層64Aを有している。レジスト層63,64の材料としては、次工程のめっき処理に対して耐めっき性がある材料を用いることができる。具体的には、レジスト層63,64の材料としては、例えば、感光性のドライフィルムレジスト又は液状のフォトレジスト(例えば、ノボラック系樹脂やアクリル系樹脂等のドライフィルムレジストや液状レジスト)を用いることができる。
【0047】
本工程では、平面視において略完全に重複して形成された開口部30X,50Xがアライメントマークとして利用される。例えば、レジスト層63,64の材料として感光性のドライフィルムレジストを用いる場合には、まず、導電層30の上面全面及び導電層40の下面全面にドライフィルムを熱圧着によりラミネートする。その後、開口部30X(例えば、開口部30Xの平面中心)をアライメントマークとしてCCDカメラなどの撮像装置(図示略)で検出し、その検出した開口部30Xを位置基準(基準位置)として用いて、露光装置によりマスクの位置合わせを行った上で、露光・現像を行う。これにより、導電層30の上面に形成されたドライフィルムがパターニングされて、導電層30の上面に所定の開口パターン63Xを有するレジスト層63が形成される。同様に、開口部50X(例えば、開口部50Xの平面中心)をアライメントマークとしてCCDカメラなどの撮像装置(図示略)で検出し、その検出した開口部50Xを位置基準として用いて、露光装置(図示略)によりマスクの位置合わせを行った上で、露光・現像を行う。これにより、導電層40の下面に形成されたドライフィルムがパターニングされて、導電層40の下面に所定の開口パターン64Xを有するレジスト層64が形成される。このとき、位置基準として利用される開口部30X,50Xが平面視において略完全に重複して形成されているため、レジスト層63の開口パターン63Xとレジスト層64の開口パターン64Xとを位置精度良く形成することができる。また、レジスト層63Aとレジスト層64Aとを位置精度良く形成することができる。
【0048】
次に、
図7(b)に示す工程では、レジスト層63,64をめっきマスクとして、導電層30上及び導電層40上に、それら導電層30,40を給電経路とする電解めっき法を施す。例えば、レジスト層63の開口パターン63Xから露出された導電層30の上面に電解銅めっき法を施すことにより、開口パターン63X内に電解めっき層33を形成する。また、レジスト層64の開口パターン64Xから露出された導電層40の下面に電解銅めっき法を施すことにより、開口パターン64X内に電解めっき層43を形成する。なお、電解めっき層33,43の材料としては、例えば、銅や銅合金を用いることができる。
【0049】
続いて、
図8(a)に示す工程では、
図7(b)に示したレジスト層63,64を、例えば、アルカリ性の剥離液により除去する。このとき、
図7(b)に示したレジスト層63Aが除去されると、レジスト層63Aが形成されていた位置に開口部33Xが形成される。同様に、レジスト層64Aが除去されると、レジスト層64Aが形成されていた位置に開口部43Xが形成される。
【0050】
次いで、
図8(b)に示す工程では、電解めっき層33によって被覆されていない導電層30(金属層31,32)をエッチング等により除去し、導電層30をパターニングする。また、電解めっき層43によって被覆されていない導電層40(金属層41,42)をエッチング等により除去する。これらにより、電解めっき層33と導電層30とからなる配線パターン34が形成され、電解めっき層43と導電層40とからなる配線パターン44が形成される。また、配線パターン34の一部(開口部33X(
図8(a)参照)が形成されていた位置)に開口部34Xが形成される。開口部34Xは、配線パターン34(電解めっき層33及び導電層30)を厚さ方向に貫通してコア層20の上面20Aを露出するように形成されている。同様に、開口部43X(
図8(a)参照)が形成されていた位置に、配線パターン44によって囲まれた開口部44Xが形成される。開口部44Xは、配線パターン44(電解めっき層43及び導電層40)を厚さ方向に貫通してコア層20の下面20Bを露出するように形成されている。これら開口部34X,44Xが後工程において認識マーク(アライメントマーク)として機能する。以下では、説明の便宜上、開口部34Xを「認識マーク34X」、開口部44Xを「認識マーク44X」と称する場合もある。
【0051】
本工程では、金属層42(Cu層)と併せて、
図8(a)に示すように、導電層50(Cu層)をエッチング等により除去する。また、本工程において、開口部30X,50X(アライメントマーク)が形成されたコア層20の周縁領域(アライメントマーク形成領域)を切断する(例えば、図中の破線位置で切断する)ことにより、導電層50を除去するようにしてもよい。
【0052】
以上の製造工程により、
図9(a)に示すように、コア層20の上面20Aの中央部に複数の配線パターン34が形成され、それら複数の配線パターン34が形成される領域の四隅に認識マーク(開口部)34Xが形成される。また、
図9(b)に示すように、コア層20の下面20Bの中央部に複数の配線パターン44が形成され、それら複数の配線パターン44が形成される領域の四隅に認識マーク(開口部)44Xが形成される。なお、
図9(a)では、各配線パターン34の平面形状については図示を省略し、
図9(b)では、各配線パターン44の平面形状については図示を省略している。
【0053】
ここで、
図8及び
図9を参照して、配線パターン34,44及び認識マーク34X,44Xについて説明する。
配線パターン34,44の厚さは、例えば、3〜30μm程度とすることができる。配線パターン34,44の配置形態については、特に限定されず、例えば、ヘキサゴナル状に配置されていてもよいし、グリッド状に配置されていてもよい。配線パターン34,44のピッチは、例えば、50μm程度とすることができる。各配線パターン34,44の平面形状は、任意の形状及び任意の大きさとすることができる。配線パターン34の平面形状と配線パターン44の平面形状とは、例えば、略同じ形状に形成されている。但し、配線パターン34の平面形状と配線パターン44の平面形状とは完全に同一の形状である必要はない。これら配線パターン34,44は、平面視において重複する位置に精度良く形成されたレジスト層63.64の開口パターン63X,64X(
図7(a)参照)の平面形状が転写されて形成されている。このため、これら配線パターン34と配線パターン44とは、平面視において重複する位置に精度良く形成されている。すなわち、配線パターン34と配線パターン44とは、略同じ平面位置に形成されている。そして、配線パターン34と配線パターン44とは、複数の線状導体22を介して電気的に接続されている。すなわち、コア層20を介して対向配置された配線パターン34と配線パターン44とは単軸状に導電接続されている。ここで、「単軸状に導電接続される」とは、配線層等を平面方向に引き回すことなく、コア層20の厚さ方向に形成された導体(ここでは、線状導体22)により接続することをいう。
【0054】
このように、導電層30をパターニングして配線パターン34の一部が形成され、導電層40をパターニングして配線パターン44の一部が形成される。換言すると、配線基板10の導電層30は、少なくとも、配線パターン34が形成される領域に形成されている。また、配線基板10の導電層40は、少なくとも、配線パターン44が形成される領域に形成されている。
【0055】
認識マーク34X,44Xの平面形状は、任意の形状及び任意の大きさとすることができる。例えば、認識マーク34Xの平面形状は、直径が100〜300μm程度の円形状とすることができる。また、認識マーク44Xの平面形状は、認識マーク34Xと同様の形状(ここでは、円形状)に形成され、認識マーク34Xと同じ大きさに形成されている。例えば、認識マーク44Xの平面形状は、直径が100〜300μm程度の円形状とすることができる。これら認識マーク34X,44Xは、平面視において重複する位置に精度良く形成されたレジスト層63A,64Aの平面形状が転写されて形成されている。このため、これら認識マーク34Xと認識マーク44Xとは、平面視において重複する位置に精度良く形成されている。
【0056】
なお、認識マーク34Xと認識マーク44Xとを、異なる位置に形成するようにしてもよく、異なる形状及び異なる大きさに形成するようにしてもよい。
ここで、比較例に係る配線基板の製造方法を示しつつ、本実施形態の配線基板10を利用して配線パターン34,44を形成する際の効果について説明する。
【0057】
図36(a)に示すように、比較例では、まず、絶縁性基材201とその絶縁性基材201を厚さ方向に貫通する多数の線状導体202とを有するコア層200の所要の箇所に、当該コア層200を厚さ方向に貫通する貫通孔200Xを形成する。貫通孔200Xは、後工程においてアライメントマークとして利用される。この貫通孔200Xは、例えば、レーザ加工法や機械ドリル加工法などにより形成される。このとき、
図36(a)に示すように、貫通孔200Xが絶縁性基材201に対して斜めに形成されると、コア層200の上方から見た貫通孔200Xの平面中心(アライメントマーク)と、コア層200の下方から見た貫通孔200Xの平面中心(アライメントマーク)との間には、位置ずれD1が発生してしまう。
【0058】
次に、
図36(b)に示す工程では、コア層200の上面200A全面を被覆するシード層203を形成し、コア層200の下面200B全面を被覆するシード層204を形成する。これらシード層203,204は、例えば、スパッタ法により形成される。
【0059】
続いて、
図36(c)に示す工程では、所定の配線パターンに対応する開口パターン205Xを有するレジスト層205をシード層203上に形成し、所定の配線パターンに対応する開口パターン206Xを有するレジスト層206をシード層204上に形成する。開口パターン205X,206Xは、例えば、フォトリソグラフィ法により形成される。このとき、製造装置(例えば、露光装置)の位置精度により、開口パターン205X,206Xの形成位置が設計位置からずれる場合がある。具体的には、露光装置の位置精度により、アライメントマーク(ここでは、貫通孔200Xの平面中心)を基準位置としたときの開口パターン205X,206Xの形成位置が設計値からずれる場合がある。さらに、上述したように、コア層200の上面200A側のアライメントマークとコア層200の下面200B側のアライメントマークとの間には位置ずれD1(
図36(a)参照)が発生している。このため、アライメントマークの位置ずれD1と露光装置の位置精度に起因した位置ずれとによって、レジスト層205(開口パターン205X)とレジスト層206(開口パターン206X)との間には位置ずれD2が発生する。
【0060】
次いで、
図37(a)に示す工程では、電解めっき法により、開口パターン205Xから露出したシード層203上に導電層207を形成するとともに、開口パターン206Xから露出したシード層204上に導電層208を形成する。
【0061】
その後、
図37(b)に示す工程では、
図37(a)に示したレジスト層205,206を除去する。続いて、導電層207によって被覆されていないシード層203をエッチングにより除去し、導電層208によって被覆されていないシード層204をエッチングにより除去する。これにより、コア層200の上面200Aに、シード層203と導電層207とからなる配線パターン209が形成され、コア層200の下面200Bに、シード層204と導電層208とからなる配線パターン210が形成される。このとき、配線パターン209は、開口パターン205X(
図37(a)参照)の平面形状が転写されたパターンとなり、配線パターン210は、開口パターン206X(
図37(a)参照)の平面形状が転写されたパターンとなる。このため、配線パターン209と配線パターン210との間には、開口パターン205X,206Xと同様に、位置ずれD2が発生している。このような位置ずれD2が大きくなると、コア層200(線状導体202)を介した配線パターン209と配線パターン210との電気的な接続が正しく行うことができなくなる。すなわち、位置ずれD2が大きくなると、平面視において重複した位置に形成されるべき配線パターン209,210を、平面視において重複して形成することができなくなる。また、位置ずれD2が大きくなると、配線パターン209と、配線パターン210の本来は導通しない部分(例えば、本来は導通すべき配線パターン210に隣接する配線パターン210)とが線状導体202を介して電気的に接続されてしまう。このような問題は、当然、配線パターン209,210が狭ピッチ化されるほど(配線密度が高くなるほど)生じやすい。このため、比較例における製造方法では、配線パターン209,210の狭ピッチ化に対応することが困難である。すなわち、比較例における製造方法では、配線パターン209と配線パターン210との位置ずれを考慮した設計をしなければ接続信頼性を維持できないため、配線パターン209,210の狭ピッチ化を実現することが困難である。
【0062】
これに対し、本実施形態の製造方法では、配線基板10の開口部30X,50Xを検出し、その検出した開口部30X,50Xを位置基準として利用し、レジスト層63,64に開口パターン63X,64Xを形成するようにした。そして、これら開口パターン63X,64Xの平面形状が転写された配線パターン34,44を形成するようにした。ここで、レジスト層63,64をパターニングする際の位置基準として利用される開口部30X,50Xが平面視において略完全に重複して形成されている。すなわち、コア層20の上面20Aに形成された開口部30X(アライメントマーク)と、コア層20の下面20Bに形成された開口部50X(アライメントマーク)との間には、位置ずれがほとんど無い。このため、レジスト層63の開口パターン63Xとレジスト層64の開口パターン64Xとの位置ずれにおいては、開口部30X,50X(アライメントマーク)の位置ずれによる影響をほとんど受けない。したがって、コア層20の上面20A及び下面20Bに形成された各々のアライメントマークに大きな位置ずれが生じている場合に比べて、開口パターン63Xと開口パターン64Xとを位置精度良く形成することができる。すなわち、コア層20の上面20A及び下面20Bに形成された各々のアライメントマークに大きな位置ずれが生じている場合に比べて、開口パターン63Xと開口パターン64Xとの位置ずれ量を小さくすることができる。具体的には、各開口パターン63Xと各開口パターン64Xとを平面視で重複する位置に精度良く形成することができる。この結果、各配線パターン34と各配線パターン44とを平面視で重複する位置に精度良く形成することができる。これにより、比較例に比べて、配線パターン34,44の位置ずれを考慮したマージンを小さくすることができるため、配線パターン34,44の狭ピッチ化に容易に対応することができる。
【0063】
次に、
図10(a)に示す工程では、コア層20の上面20Aに、配線パターン34を覆うように層間絶縁層35を形成するとともに、コア層20の下面20Bに、配線パターン44を覆うように層間絶縁層45を形成する。その後、層間絶縁層35に、配線パターン34の上面に達するビアホール35Xと、コア層20の上面20Aに達する貫通孔35Yとを形成する。また、層間絶縁層45に、配線パターン44の下面に達するビアホール45Xと、コア層20の下面20Bに達する貫通孔45Yとを形成する。なお、層間絶縁層35,45の材料としては、例えば、エポキシ系樹脂やポリイミド系樹脂などの絶縁性樹脂を用いることができる。層間絶縁層35,45は、例えば、シリカやアルミナ等のフィラーを含有していてもよい。層間絶縁層35,45の厚さは、例えば、3〜30μm程度とすることができる。
【0064】
本工程において、層間絶縁層35は、例えば、コア層20の上面20Aに樹脂フィルムをラミネートした後に、樹脂フィルムを押圧しながら130〜190℃程度の温度で熱処理して硬化させることにより形成することができる。同様に、層間絶縁層45は、例えば、コア層20の下面20Bに樹脂フィルムをラミネートした後に、樹脂フィルムを押圧しながら130〜190℃程度の温度で熱処理して硬化させることにより形成することができる。なお、樹脂フィルムのラミネートに代えて、液状又はペースト状の樹脂をスピンコート法等により塗布するようにしてもよい。また、ビアホール35X,45X及び貫通孔35Y,45Yは、例えば、レーザ加工法やフォトリソグラフィ法により形成することができる。なお、これらビアホール35X,45X及び貫通孔35Y,45Yを形成する際には、認識マーク34X,44Xが位置基準として利用される。
【0065】
続いて、ビアホール35X,45X及び貫通孔35Y,45Yをレーザ加工法によって形成した場合には、デスミア処理を行って、ビアホール35X,45X及び貫通孔35Y,45Y内の樹脂残渣(樹脂スミア)を除去する。このデスミア処理は、例えば、過マンガン酸塩法を用いて行うことができる。
【0066】
次いで、
図10(b)に示す工程では、ビアホール35Xに充填されたビア配線と、そのビア配線を介して配線パターン34と電気的に接続され、層間絶縁層35の上面に積層された配線パターンとを有する配線層36を形成する。また、ビアホール45Xに充填されたビア配線と、そのビア配線を介して配線パターン44と電気的に接続され、層間絶縁層45の下面に積層された配線パターンとを有する配線層46を形成する。これら配線層36,46は、例えば、セミアディティブ法やサブトラクティブ法などの各種の配線形成方法を用いて形成することができる。
【0067】
なお、配線層36,46の材料としては、例えば、銅や銅合金を用いることができる。配線層36,46の厚さは、例えば、10〜30μm程度とすることができる。
次に、
図11(a)に示す工程では、配線層36の一部を露出させるための開口部37Xを有するソルダレジスト層37を、層間絶縁層35の上面に積層する。また、配線層46の一部を露出させるための開口部47X,47Yを有するソルダレジスト層47を、層間絶縁層45の下面に積層する。例えば、ソルダレジスト層37,47は、感光性のソルダレジストフィルムをラミネートし、又は液状のソルダレジストを塗布し、当該レジストをフォトリソグラフィ法により所要の形状にパターニングして形成することができる。なお、ソルダレジスト層37,47の材料としては、例えば、フェノール系樹脂やポリイミド系樹脂などを主成分とする感光性の絶縁性樹脂を用いることができる。ソルダレジスト層37,47は、例えば、シリカやアルミナ等のフィラーを含有していてもよい。ソルダレジスト層37,47の厚さは、例えば、20〜30μm程度とすることができる。
【0068】
ソルダレジスト層37の開口部37Xから露出する配線層36は、例えば、半導体チップ等の電子部品と電気的に接続される接続パッドとして機能する。開口部37Xの平面形状は、例えば円形状とすることができる。開口部37Xの直径やピッチは、搭載される電子部品(半導体チップ)の仕様に合わせて適宜設定される。
【0069】
ソルダレジスト層47の開口部47Xから露出する配線層46は、例えば、半導体チップ等の電子部品と電気的に接続される接続パッドとして機能する。開口部47Xの平面形状は、例えば円形状とすることができる。開口部47Xの直径やピッチは、搭載される電子部品(半導体チップ)の仕様に合わせて適宜設定される。
【0070】
ソルダレジスト層47の開口部47Yから露出する配線層46は、例えば、マザーボード等の実装基板(図示略)と電気的に接続される外部接続用パッドとして機能する。開口部47Yの平面形状は、例えば円形状とすることができる。開口部47Yの直径やピッチは、接続される実装基板の仕様に合わせて適宜設定される。
【0071】
なお、必要に応じて、開口部37Xから露出する配線層36上に表面処理層38を形成し、開口部47Xから露出する配線層46上に表面処理層48を形成し、開口部47Yから露出する配線層46上に表面処理層49を形成するようにしてもよい。表面処理層38,48,49の例としては、金(Au)層、ニッケル(Ni)層/Au層(Ni層とAu層をこの順番で積層した金属層)、Ni層/パラジウム(Pd)層/Au層(Ni層とPd層とAu層をこの順番で積層した金属層)などを挙げることができる。これらNi層、Au層、Pd層は、例えば、無電解めっき法により形成することができる。なお、Ni層はNi又はNi合金からなる金属層、Au層はAu又はAu合金からなる金属層、Pd層はPd又はPd合金からなる金属層である。また、開口部37X,47X,47Yから露出する配線層36,46の上面に、OSP(Organic Solderability Preservative)処理などの酸化防止処理を施して表面処理層38,48,49を形成するようにしてもよい。
【0072】
次に、破線で示した切断位置のソルダレジスト層37,47、層間絶縁層35,45及びコア層20をダイシングブレード等によって切断する。これにより、
図11(b)に示すように、配線パターン34,44等の形成されていない配線基板10の外周領域が除去される。以上の製造工程により、配線基板10を利用して、配線パターン34,44や層間絶縁層35,45等を有する配線基板11を製造することができる。なお、配線基板10の外周領域を切断する際には、認識マーク34X,44Xを除去するように切断位置を設定してもよいし、認識マーク34X,44Xを残すように切断位置を設定してもよい。また、配線基板10の外周領域を切断する工程を省略してもよい。
【0073】
次に、配線基板11を有する半導体パッケージ12の製造方法について説明する。ここでは、まず、半導体パッケージ12の製造方法の説明に先立ち、半導体パッケージ12の全体構造について説明する。
【0074】
半導体パッケージ12は、配線基板11と、配線基板11の上面に実装された1又は複数の半導体チップ70と、アンダーフィル樹脂73と、配線基板11の下面に実装された1又は複数の半導体チップ75と、アンダーフィル樹脂78と、外部接続端子79とを有している。
【0075】
半導体チップ70は、配線基板11の上面にフリップチップ実装されている。すなわち、半導体チップ70の回路形成面(ここでは、下面)に配設された接続端子71を、接合部材72を介して配線基板11の表面処理層38に接合することにより、半導体チップ70は、接続端子71及び接合部材72を介して表面処理層38(配線層36)と電気的に接続されている。
【0076】
半導体チップ70としては、例えば、CPU(Central Processing Unit)チップやGPU(Graphics Processing Unit)チップなどのロジックチップを用いることができる。また、半導体チップ70としては、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)チップ、SRAM(Static Random Access Memory)チップやフラッシュメモリチップなどのメモリチップを用いることもできる。なお、配線基板11に複数の半導体チップ70を搭載する場合には、ロジックチップとメモリチップとを組み合わせて配線基板11に搭載するようにしてもよい。
【0077】
接続端子71としては、例えば金属ポストを用いることができる。この接続端子71は、半導体チップ70の回路形成面から下方に延びる柱状の接続端子である。本例の接続端子71は、例えば円柱状に形成されている。このような接続端子71の高さは、例えば10〜20μm程度とすることができる。接続端子71の直径は、例えば20〜30μm程度とすることができる。接続端子71の材料としては、例えば、銅や銅合金を用いることができる。なお、接続端子71としては、金属ポストの他に、例えば、金バンプやはんだバンプを用いることもできる。
【0078】
接合部材72は、表面処理層38に接合されるとともに、接続端子71に接合されている。接合部材72としては、例えば、錫(Sn)層や鉛(Pb)フリーはんだのはんだめっきを用いることができる。はんだめっきの材料としては、例えば、Sn−Ag系、Sn−Cu系、Sn−Ag−Cu系の鉛フリーはんだを用いることができる。なお、接合部材72の厚さは、例えば5〜15μm程度とすることができる。
【0079】
アンダーフィル樹脂73は、配線基板11と半導体チップ70との隙間を充填するように設けられている。アンダーフィル樹脂73の材料としては、例えば、エポキシ系樹脂などの絶縁性樹脂を用いることができる。
【0080】
半導体チップ75は、配線基板11の下面にフリップチップ実装されている。すなわち、半導体チップ75の回路形成面(ここでは、上面)に配設された接続端子76を、接合部材77を介して表面処理層48に接合することにより、半導体チップ75は、接続端子76及び接合部材77を介して表面処理層48(配線層46)と電気的に接続されている。
【0081】
半導体チップ75としては、例えば、ロジックチップやメモリチップを用いることができる。なお、配線基板11に複数の半導体チップ75を搭載する場合には、ロジックチップとメモリチップとを組み合わせて配線基板11に搭載するようにしてもよい。
【0082】
接続端子76としては、例えば、接続端子71と同様の接続端子を用いることができる。また、接合部材77としては、例えば、接合部材72と同様の部材を用いることができる。
【0083】
アンダーフィル樹脂78は、配線基板11と半導体チップ75との隙間を充填するように設けられている。アンダーフィル樹脂78の材料としては、例えば、エポキシ系樹脂などの絶縁性樹脂を用いることができる。
【0084】
外部接続端子79は、表面処理層49上に形成されている。この外部接続端子79は、例えば、マザーボード等の実装基板(図示略)に設けられたパッドと電気的に接続される接続端子である。外部接続端子79としては、例えば、はんだボールやリードピンを用いることができる。なお、本例では、外部接続端子79として、はんだボールを用いている。
【0085】
次に、
図12に従って、半導体パッケージ12の製造方法について説明する。
図12に示す工程では、表面処理層49上に外部接続端子79を形成する。例えば、表面処理層49上に、適宜フラックスを塗布した後、外部接続端子79(ここでは、はんだボール)を搭載し、240〜260℃程度の温度でリフローして固定する。その後、表面を洗浄してフラックスを除去する。
【0086】
また、
図12に示す工程では、柱状の接続端子71を有する半導体チップ70と、柱状の接続端子76を有する半導体チップ75とを用意する。接続端子71,76は、公知の製造方法により製造することが可能であるため、図示を省略して詳細な説明を割愛するが、例えば以下のような方法で製造される。なお、接続端子71,76は同様に製造することができるため、ここでは、接続端子71及び接合部材72の製造方法についてのみ説明する。
【0087】
まず、半導体チップ70の回路形成面に、例えば、電極パッドを露出させる開口部を有する保護膜を形成し、その保護膜の下面及び電極パッドの下面を被覆するようにシード層を形成する。次に、接続端子71の形成領域に対応する部分のシード層(電極パッドの下面を被覆するシード層)を露出させたレジスト層を形成する。続いて、レジスト層から露出されたシード層上に、そのシード層を給電層に利用する電解めっき法(例えば、電解銅めっき法)を施すことにより、電極パッド上に柱状の接続端子71を形成する。
【0088】
続いて、接続端子71の下面に、接合部材72を形成する。この接合部材72は、例えば、シード層上に形成されたレジスト層をめっきマスクに利用し、シード層をめっき給電層に利用する電解はんだめっき法により、接続端子71の下面にはんだを被着することにより形成することができる。その後、不要なシード層及びレジスト層を除去する。
【0089】
次に、配線基板11の表面処理層38上に、半導体チップ70の接続端子71をフリップチップ接合する。例えば、配線基板11と半導体チップ70とを位置合わせした後に、リフロー処理を行って接合部材72(はんだめっき層)を溶融させ、接続端子71を表面処理層38に電気的に接続する。その後、フリップチップ接合された半導体チップ70と配線基板11との間に、アンダーフィル樹脂73を充填し、そのアンダーフィル樹脂73を硬化する。
【0090】
同様に、配線基板11の表面処理層48上に、半導体チップ75の接続端子76をフリップチップ接合する。その後、フリップチップ接合された半導体チップ75と配線基板11との間に、アンダーフィル樹脂78を充填し、そのアンダーフィル樹脂78を硬化する。
【0091】
以上の製造工程により、
図12に示した半導体パッケージ12を製造することができる。
以上説明した本実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
【0092】
(1)平面視において略完全に重複する開口部30X,50Xを形成し、それら開口部30X,50Xを、導電層30,40が形成された領域に配線パターン34,44を形成するときにアライメントマークとして利用するようにした。これにより、配線パターン34と配線パターン44との位置ずれ量を小さくすることができる。
【0093】
(2)配線パターン34と配線パターン44との位置ずれ量が小さくなるため、配線パターン34,44の位置ずれを考慮したマージンを小さくすることができる、これにより、配線パターン34,44の狭ピッチ化に容易に対応することができる。
【0094】
(3)導電層30では、銅等からなる金属層32とコア層20との間にチタン等からなる金属層31を形成するようにした。また、導電層40では、銅等からなる金属層42とコア層20との間にチタン等からなる金属層41を形成するようにした。このように、絶縁性基材21と金属層32,42との間に、それら金属層32,42よりも絶縁性基材21との密着性が高い金属層31,41を設けるようにした。これにより、導電層30,40と絶縁性基材21との密着性を向上させることができるため、コア層20からの導電層30,40の剥離を好適に抑制することができる。ひいては、コア層20からの配線パターン34,44の剥離を好適に抑制することができる。
【0095】
(4)認識マーク34X,44Xを形成するときに、導電層50を除去するようにした。ここで、導電層50は、銅やニッケルなどの電解めっきで成膜可能な金属からなる単層の金属層(Cu層)であり、導電層30,40のようにコア層20とCu層との間に、絶縁性基材21との密着性が高い金属層が形成されていない。このため、導電層50は、導電層30,40よりもコア層20から剥離しやすい。このような導電層50を残したまま、例えば
図10及び
図11に示した製造工程を実施すると、その製造途中に導電層50が絶縁性基材21から剥離するおそれがある。仮に、製造途中に導電層50が部分的に剥離すると、層間絶縁層35に気泡が生じるという問題がある。これに対し、本実施形態の製造方法では、認識マーク34X,44Xを形成するのと同時に、導電層50を除去するようにしたため、上述した問題の発生を未然に防止することができる。
【0096】
(5)平面視において略完全に重複する開口部30X,50Xを位置基準として位置決めして認識マーク34X,44Xを形成するようにした。これにより、認識マーク34X,44Xを位置精度良く形成することができる。このため、導電層50を除去した後の工程においても、認識マーク34X,44Xを位置基準として利用することにより、層間絶縁層35,45に形成されるビアホール35X,45X等の位置ずれを小さくすることができる。
【0097】
(6)フォトリソグラフィ法を用いて開口部30Xを形成し、電解めっき法を用いて開口部30Xと略同一形状の開口部50Xを形成するようにした。これにより、開口部30X,50Xの平面形状を、高精度に、且つ再現性良く形成することができる。このため、比較例の貫通孔200Xをアライメントマークとして利用する場合に比べて、開口部30X,50Xを検出する際の認識精度を向上させることができる。
【0098】
(7)また、レーザ加工法や機械ドリル加工法などにより貫通孔200Xを形成する場合に比べて、開口部30X,50X(アライメントマーク)の設置位置や設置個数の自由度を向上させることができる。さらに、本実施形態の製造方法によれば、多数の開口部30X,50Xを一括して形成することができる。
【0099】
(8)比較例の貫通孔200Xのような貫通孔をコア層20に形成しないため、レーザ加工法や機械ドリル加工などによってコア層20が損傷するおそれがない。
(第2実施形態)
以下、
図13〜
図18に従って第2実施形態を説明する。この実施形態では、配線基板10の製造方法及び配線基板10を有する半導体パッケージ12の製造方法が上記第1実施形態と異なっている。以下、第1実施形態との相違点を中心に説明する。なお、先の
図1〜
図12に示した部材にはそれぞれ同一の符号を付して示し、それら各要素についての詳細な説明は省略する。
【0100】
まず、
図13(a)に示す工程では、支持体80付きのコア層20を積層し、コア層20の上面20Aに導電層30を形成する。ここで、支持体80としては、例えば、金属板や金属膜を用いることができる。本例の支持体80の材料としてはアルミニウム(Al)を用いる。この支持体80の厚さは、例えば、200〜800μm程度とすることができる。
【0101】
次に、
図13(b)に示す工程では、導電層30の上面に開口パターン81X,81Yを有するレジスト層81を形成する。開口パターン81Xは、所定の配線パターンに対応する部分の導電層30を露出するように形成されている。開口パターン81Yは、所定の認識マークに対応する部分の導電層30を露出するように形成されている。また、レジスト層81は、開口部30X(
図1(a)参照)に対応する部分の導電層30を被覆するレジスト層81Aを有している。レジスト層81の材料としては、次工程のエッチング処理に対して耐エッチング性がある材料を用いることができる。例えば、レジスト層81の材料としては、
図3(a)に示したレジスト層60と同様の材料を用いることができる。また、レジスト層81は、レジスト層60と同様の方法により形成することができる。
【0102】
続いて、
図14(a)に示す工程では、レジスト層81をめっきマスクとして、導電層30上に、その導電層30を給電経路とする電解めっき法を施す。これにより、開口パターン81X内に電解めっき層33を形成し、開口パターン81Y内に電解めっき層51Aを形成する。なお、電解めっき層33,51Aの材料としては、例えば、銅や銅合金を用いることができる。
【0103】
次いで、
図14(b)に示す工程では、
図14(a)に示したレジスト層81を、例えば、アルカリ性の剥離液により除去する。続いて、電解めっき層33,51Aによって被覆されていない導電層30(金属層31,32)をエッチング等により除去し、導電層30をパターニングする。これにより、電解めっき層33とその電解めっき層33の直下に形成された導電層30とからなる配線パターン34が形成され、電解めっき層51Aとその電解めっき層51Aの直下に形成された導電層30とからなる認識マーク51が形成される。また、外周領域に形成された配線パターン34の一部(具体的には、
図14(a)においてレジスト層81Aが形成されていた位置)に開口部30Xが形成される。
【0104】
次に、
図15(a)に示す工程では、
図10(a)〜
図11(a)に示した工程と同様に、コア層20の上面20A上に、層間絶縁層35と、配線層36と、ソルダレジスト層37と、表面処理層38とを順に形成する。このとき、層間絶縁層35及びソルダレジスト層37の外側面の一部は、コア層20の外側面からコア層20の内側に後退するように形成される。すなわち、層間絶縁層35及びソルダレジスト層37の外側面の一部に、それら層間絶縁層35及びソルダレジスト層37を厚さ方向に貫通して、外周領域に形成された配線パターン34の上面を露出する開口部37Yが形成される。なお、ビアホール35Xや貫通孔35Y等を形成する際には、開口部30X又は認識マーク51がアライメントマークとして利用される。
【0105】
続いて、
図15(b)に示す工程では、
図12に示した工程と同様に、表面処理層38上に、半導体チップ70の接続端子71をフリップチップ接合し、半導体チップ70とソルダレジスト層37との間に、アンダーフィル樹脂73を形成する。
【0106】
次いで、
図16(a)に示す工程では、
図15(b)に示した支持体80を、エッチング等により除去する。
次に、
図16(b)に示す工程では、
図2(c)〜
図3(b)に示した工程と同様に、コア層20の下面20Bに、開口部40Xを有する導電層40を形成する。このとき、導電層40の下面には、その下面を被覆するレジスト層61が形成されている。開口部40Xは、上記第1実施形態と同様に、一部が開口部30Xと平面視で重なる位置に形成され、開口部30Xよりも大きく形成されている。
【0107】
次いで、
図17(a)に示す工程では、開口部40Xから露出するコア層20の下面20Bに、開口部50Xを有する導電層50を形成する。例えば、レジスト層61をめっきマスクとして、開口部40Xから露出するコア層20の下面20Bに、外周領域に形成された配線パターン34とその配線パターン34と電気的に接続された線状導体22を給電経路とする電解めっき法(ここでは、電解銅めっき法)を施す。すると、開口部40X及び開口パターン61Xから露出するコア層20の下面20Bでは、平面視で重複する位置に配線パターン34(導電層30)が存在する部分だけに、その配線パターン34及び線状導体22を介して給電され、その部分だけにめっき膜が析出成長される。これにより、開口部40Xと平面視で重なる位置に形成された導電層30と対向する位置に導電層50が形成され、その導電層50の開口部30Xと平面視で重なる位置に開口部50Xが形成される。本工程では、開口部37Yから露出された配線パターン34を利用して給電経路を確保している。なお、平面視は図示を省略するが、外周領域に形成された配線パターン34は、コア層20の周縁部に沿って枠状に連続して形成されている。
【0108】
次に、
図17(b)に示す工程では、
図7(a)に示した工程と同様に、導電層40の下面に開口パターン82X,82Yを有するレジスト層82を形成する。開口パターン82Xは、所定の配線パターンに対応する部分の導電層40を露出するように形成されている。開口パターン82Yは、所定の認識マークに対応する部分の導電層40を露出するように形成されている。
【0109】
続いて、
図7(b)に示した工程と同様に、レジスト層82をめっきマスクとして、導電層40上に、その導電層40を給電経路とする電解めっき法を施す。これにより、開口パターン82X内に電解めっき層43を形成し、開口パターン82Y内に電解めっき層52Aを形成する。その後、レジスト層82を、例えば、アルカリ性の剥離液により除去する。
【0110】
次に、
図18(a)に示す工程では、電解めっき層43,52Aによって被覆されていない導電層40をエッチング等により除去し、導電層40をパターニングする。これにより、電解めっき層43とその電解めっき層43の直上に形成された導電層40とからなる配線パターン44が形成され、電解めっき層52Aとその電解めっき層52Aの直上に形成された導電層40とからなる認識マーク52が形成される。本工程では、認識マーク52を形成する際に、導電層50(
図17(b)参照)をエッチング等により除去する。
【0111】
図17(b)及び
図18(a)に示した工程では、例えば、レジスト層82の開口パターン82X,82Yを形成する際に、開口部50Xが位置基準として利用される。このため、配線パターン44及び認識マーク52は、開口部50Xを位置基準として位置決めされて形成されたことになる。
【0112】
図18(b)に示す工程では、
図10(a)〜
図11(a)に示した工程と同様に、コア層20の下面20Bに、層間絶縁層45と、配線層46と、ソルダレジスト層47と、表面処理層48,49を形成する。なお、ビアホール45Xや貫通孔45Y等を形成する際には、認識マーク52がアライメントマークとして利用される。
【0113】
続いて、破線で示した切断位置のソルダレジスト層37,47、層間絶縁層35,45及びコア層20をダイシングブレード等によって切断する。その後、表面処理層48上に、半導体チップ75の接続端子76をフリップチップ接合し、半導体チップ75とソルダレジスト層47との間にアンダーフィル樹脂78を形成する。
【0114】
以上の製造工程により、
図12に示した半導体パッケージ12と同様の半導体パッケージを製造することができる。
以上説明した本実施形態によれば、第1実施形態の(1)〜(8)の効果に加えて、以下の効果を奏することができる。
【0115】
(9)支持体80上に、コア層20、配線パターン34や層間絶縁層35等の構造体を製造した後に、支持体80を除去し、コア層20の下面20Bに配線パターン44や層間絶縁層45等を形成するようにした。支持体80によって製造途中の構造体の機械的強度を確保することができるため、その構造体の搬送時のハンドリング性を向上させることができる。
【0116】
(10)認識マーク51,52を、配線パターン34,44と同様に導電層30,40を利用して形成するようにした。このため、認識マーク51,52は、導電層50よりもコア層20との密着性が高い。したがって、認識マーク51,52がコア層20から剥離することを好適に抑制することができる。
【0117】
(第3実施形態)
以下、
図19〜
図22に従って第3実施形態を説明する。先の
図1〜
図18に示した部材と同一の部材にはそれぞれ同一の符号を付して示し、それら各要素についての詳細な説明は省略する。以下、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
【0118】
図19(a)に示すように、配線基板10Aは、コア層20と、開口部30Xを有する導電層30と、開口部40Xを有する導電層40と、認識マーク55と、認識マーク56とを有している。
【0119】
認識マーク55は、導電層30の開口部30Xから露出されたコア層20の上面20Aに形成されている。認識マーク55は、導電層30と離間して形成されている。すなわち、認識マーク55は、導電層30と電気的に絶縁されている。例えば、
図19(b)に示すように、認識マーク55は、コア層20の上面20Aの四隅近傍に形成された開口部30X内に形成されている。各認識マーク55は、例えば、開口部30X内に島状に形成されている。各認識マーク55の平面形状は、任意の形状及び任意の大きさとすることができる。例えば、各認識マーク55の平面形状は、直径が100〜300μm程度の円形状とすることができる。
【0120】
図19(a)に示すように、認識マーク55は、導電層30と同様に、金属層31と金属層32とが順に積層された構造を有している。
認識マーク56は、導電層40の開口部40Xから露出されたコア層20の下面20Bに形成されている。認識マーク56は、例えば、導電層40と離間して形成されている。すなわち、認識マーク56は、導電層40と電気的に絶縁されている。例えば、
図19(c)に示すように、認識マーク56は、コア層20の下面20Bの四隅近傍に形成された開口部40X内に形成されている。各認識マーク56は、例えば、開口部40X内に島状に形成されている。認識マーク56は、認識マーク55と平面視で重なる位置に形成されている。認識マーク56の平面形状は、認識マーク55と同様の形状(ここでは、円形状)に形成されている。また、認識マーク56の平面形状は、認識マーク55と同じ大きさ、又はめっき膜の等方成長により認識マーク55よりも若干大きく形成されている。例えば、認識マーク55の平面形状は、直径が100〜300nm程度の円形状とすることができる。なお、認識マーク56は、例えば、銅又は銅合金からなる1層の金属層から構成されている。
【0121】
このような認識マーク55と認識マーク56とは、平面視において略完全に重なった状態で形成されている。詳述すると、
図19(a)に示すように、上端面22Aが認識マーク55に接続された線状導体22の下端面22Bは、認識マーク56と接続されている。すなわち、認識マーク55と認識マーク56とは、平面方向にほとんど位置ずれすることなく形成されている。なお、これら認識マーク55,56は、上記第1実施形態の開口部30X,50Xと同様に、導電層30,40が形成されている領域に配線パターン等を形成する際に、アライメントマークとして利用される。
【0122】
次に、配線基板10Aの製造方法について説明する。なお、説明の便宜上、最終的に配線基板10Aの各構成要素となる部分には、最終的な構成要素の符号を付して説明する。
図20(a)に示す工程では、まず、
図2(a)〜
図2(c)に示した工程と同様に、コア層20の上面20A全面を被覆する導電層30を形成するとともに、コア層20の下面20B全面を被覆する導電層40を形成する。続いて、
図3(a)に示した工程と同様に、導電層30の上面に開口パターン83Xを有するレジスト層83を形成するとともに、導電層40の下面に開口パターン84Xを有するレジスト層84を形成する。開口パターン83Xは、開口部30Xの形成領域に対応する部分の導電層30を露出するように形成されている。但し、レジスト層83では、認識マーク55の形成領域に対応する部分の導電層30を被覆するレジスト層83Aが開口パターン83X内に形成されている。開口パターン84Xは、開口部40Xの形成領域に対応する部分の導電層40を露出するように形成されている。
【0123】
次に、
図20(b)に示す工程では、
図3(b)に示した工程と同様に、レジスト層83,84をエッチングマスクとして、導電層30,40をエッチングする。これにより、導電層30に開口部30Xが形成され、その開口部30X内のレジスト層83Aが形成されている位置に認識マーク55が形成される。また、導電層40に開口部40Xが形成される。このように、認識マーク55は、導電層30をパターニングすることにより形成することができる。その後、レジスト層83,84を、例えば、アルカリ性の剥離液により除去する。
【0124】
続いて、
図21(a)に示す工程では、コア層20の上面20A及び導電層30の上面に、開口パターン85Xを有するレジスト層85を形成する。開口パターン85Xは、認識マーク55の上面を露出するように形成されている。
【0125】
次いで、レジスト層85の上面及び認識マーク55の上面を被覆する金属層86を形成する。この金属層86は、4つの認識マーク55と接続される。このため、互いに離間して形成された4つの認識マーク55は、金属層86によって電気的に接続される。金属層86は、例えば、スパッタ法や無電解めっき法により形成することができる。
【0126】
次に、
図21(b)に示す工程では、
図5(a)に示した工程と同様に、金属層86の上面全面を被覆するマスク材62を形成した後に、認識マーク55と平面視において重複するコア層20の下面20Bに認識マーク56を形成する。例えば、マスク材62をめっきマスクとして、金属層86、認識マーク55、及び認識マーク55と電気的に接続された線状導体22を給電経路とする電解めっき法により、コア層20の下面20Bからめっき膜を析出成長させ、開口部40X内に認識マーク56を形成する。このとき、認識マーク56は、上端面22Aが認識マーク55と電気的に接続された線状導体22の下端面22Bのみから、めっき膜が析出成長されて形成される。このため、認識マーク56を、認識マーク55と平面視において、極めて精度良く重複する位置に形成することができる。
【0127】
続いて、
図22(a)に示す工程では、
図21(b)に示したマスク材62を除去する。その後、導電層40及び認識マーク56を全体的に被覆し、それら導電層40及び認識マーク56から露出するコア層20の下面20B全面を被覆するレジスト層87を形成する。そして、レジスト層85,87をマスクとして、
図21(b)に示した金属層86をエッチング等により除去する。
【0128】
次いで、レジスト層85,87を、例えば、アルカリ性の剥離液により除去する。以上の製造工程により、
図22(b)に示すように、本実施形態の配線基板10Aを製造することができる。なお、ここでは、説明を省略するが、上記第1実施形態と同様に、配線基板10Aを利用して配線基板11及び半導体パッケージ12を製造することができる。
【0129】
以上説明した本実施形態によれば、上記第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
なお、上記第3実施形態は、これを適宜変更した以下の態様にて実施することもできる。
【0130】
・上記第3実施形態では、
図22(a)に示した工程において、金属層86を除去し、金属層31,32を有する認識マーク55の上面を露出させるようにしたが、これに限定されない。
【0131】
例えば、
図23(a)に示すように、金属層86(Cu層)の除去と合わせて、認識マーク55の金属層32(Cu層)をエッチング等により除去するようにしてもよい。この場合には、金属層31がエッチングストッパ層として機能する。そして、この場合には、
図23(b)に示すように、コア層20の上面20AにTi等からなる金属層31のみを有する認識マーク55が形成され、コア層20の下面20BにCu等からなる認識マーク56が形成された配線基板10Aが製造される。
【0132】
このように製造された配線基板10Aでは、認識マーク55,56が互いに異なる金属によって構成されている。
(第4実施形態)
以下、
図24〜
図26に従って第4実施形態を説明する。この実施形態では、配線基板10Aの製造方法及び配線基板10Aを有する半導体パッケージの製造方法が上記第3実施形態と異なっている。以下、第3実施形態との相違点を中心に説明する。なお、先の
図1〜
図23に示した部材にはそれぞれ同一の符号を付して示し、それら各要素についての詳細な説明は省略する。
【0133】
まず、
図24(a)に示す工程では、
図13(a)に示した工程と同様に、支持体80を準備し、その支持体80上にコア層20を積層し、コア層20の上面20Aに導電層30を形成する。続いて、
図13(b)に示した工程と同様に、導電層30の上面に開口パターン91X,91Y,91Zを有するレジスト層91を形成する。開口パターン91Xは、配線パターン34に対応する部分の導電層30を露出するように形成されている。開口パターン91Yは、認識マーク55に対応する部分の導電層30を露出するように形成されている。開口パターン91Zは、認識マーク51に対応する部分の導電層30を露出するように形成されている。次いで、
図14(a)に示した工程と同様に、レジスト層91をめっきマスクとして、導電層30上に、その導電層30を給電経路とする電解めっき法を施す。これにより、開口パターン91X内に電解めっき層33が形成され、開口パターン91Y内に電解めっき層55Aが形成され、開口パターン91Z内に電解めっき層51Aが形成される。
【0134】
次いで、
図24(b)に示す工程では、
図24(a)に示したレジスト層91を、例えば、アルカリ性の剥離液により除去する。続いて、電解めっき層33,51A,55Aによって被覆されていない導電層30をエッチング等により除去し、導電層30をパターニングする。これにより、電解めっき層33及び導電層30からなる配線パターン34と、電解めっき層51A及び導電層30からなる認識マーク51と、電解めっき層55A及び導電層30からなる認識マーク55とが形成される。
【0135】
次に、
図25(a)に示す工程では、
図10(a)及び
図10(b)に示した工程と同様に、コア層20の上面20A上に、層間絶縁層35と、配線層36とを順に形成する。このとき、層間絶縁層35の上面には、配線層36と併せて、認識マーク55と電気的に接続される、めっき給電用の給電ライン36Aが形成される。なお、ビアホール35Xや貫通孔35Y等を形成する際には、認識マーク55又は認識マーク51がアライメントマークとして利用される。
【0136】
続いて、
図25(b)に示す工程では、
図11(a)に示した工程と同様に、層間絶縁層35の上面に、開口部37Xを有するソルダレジスト層37を形成し、開口部37Xから露出する配線層36上に表面処理層38を形成する。このとき、ソルダレジスト層37の外側面は、コア層20の外側面からコア層20の内側に後退するように形成される。すなわち、ソルダレジスト層37の外側面に、そのソルダレジスト層37を厚さ方向に貫通して、給電ライン36Aの上面を露出する開口部37Yが形成される。次いで、
図12に示した工程と同様に、表面処理層38上に、半導体チップ70の接続端子71をフリップチップ接合し、半導体チップ70とソルダレジスト層37との間に、アンダーフィル樹脂73を形成する。その後、支持体80を、例えば、エッチング等により除去する。
【0137】
次に、
図26(a)に示す工程では、
図20(a)〜
図21(b)に示した工程と同様に、コア層20の下面20Bに、開口部40Xを有する導電層40を形成する。このとき、導電層40の下面には、その下面を被覆するレジスト層61が形成されている。開口部40Xは、上記第1実施形態と同様に、一部が開口部30Xと平面視で重なる位置に形成され、開口部30Xよりも大きく形成されている。
【0138】
続いて、
図21(b)に示した工程と同様に、給電ライン36A、認識マーク55、及び認識マーク55と電気的に接続された線状導体22を給電経路とする電解めっき法により、コア層20の下面20Bからめっき膜を析出成長させ、開口部40X内に認識マーク56を形成する。
【0139】
次いで、
図26(b)に示す工程では、
図17(b)〜
図18(b)に示した工程と同様に、コア層20の下面20B上に、配線パターン44と、層間絶縁層45と、配線層46と、ソルダレジスト層47と、表面処理層48,49とを順に形成する。本工程では、配線パターン44を形成する際に、認識マーク52を形成する。また、この認識マーク52を形成する際に、認識マーク56をエッチング等により除去する。なお、配線パターン44及び認識マーク52を形成する際には、認識マーク56が位置基準として利用される。また、本例では、ビアホール45Xや貫通孔45Y等を形成する際には、認識マーク52が位置基準として利用される。
【0140】
続いて、破線で示した切断位置のソルダレジスト層37,47、層間絶縁層35,45及びコア層20をダイシングブレード等によって切断する。その後、表面処理層48上に、半導体チップ75の接続端子76をフリップチップ接合し、半導体チップ75とソルダレジスト層47との間にアンダーフィル樹脂78を形成する。
【0141】
以上の製造工程により、
図12に示した半導体パッケージ12と同様の半導体パッケージを製造することができる。
以上説明した本実施形態によれば、上記第1及び第2実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0142】
(第5実施形態)
以下、
図27〜
図30に従って第5実施形態を説明する。先の
図1〜
図26に示した部材と同一の部材にはそれぞれ同一の符号を付して示し、それら各要素についての詳細な説明は省略する。以下、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
【0143】
図27(a)に示すように、配線基板10Bは、コア層20と、導電層30Aと、導電層40Aと、認識マーク57と、認識マーク58とを有している。
導電層30Aは、コア層20の上面20Aに形成されている。導電層30Aは、金属層31と、金属層31とを有している。
図27(b)に示すように、導電層30Aは、例えば、コア層20の上面20Aの中央部にベタ状に形成されている。
【0144】
図27(a)に示すように、導電層40Aは、コア層20の下面20Bに形成されている。導電層40Aは、金属層41と、金属層42とを有している。
図27(c)に示すように、導電層40Aは、例えば、コア層20の下面20Bの中央部にベタ状に形成されている。
【0145】
図27(a)に示すように、認識マーク57は、コア層20の上面20Aに形成されている。認識マーク57は、例えば、導電層30Aと離間して形成されている。例えば、
図27(b)に示すように、認識マーク57は、コア層20の上面20Aの四隅近傍に形成されている。各認識マーク57の平面形状は、任意の形状及び任意の大きさとすることができる。例えば、各認識マーク57の平面形状は、直径が100〜300μm程度の円形状とすることができる。認識マーク57の材料としては、例えば、銅や銅合金を用いることができる。
【0146】
図27(a)に示すように、認識マーク58は、コア層20の下面20Bに形成されている。認識マーク58は、例えば、導電層40Aと離間して形成されている。認識マーク58は、認識マーク57と平面視で重なる位置に形成されている。
図27(c)に示すように、認識マーク58の平面形状は、認識マーク57と同様の形状(ここでは、円形状)に形成されている。また、認識マーク58の平面形状は、認識マーク57と同じ大きさ、又は認識マーク57よりも若干小さく形成されている。例えば、認識マーク58の平面形状は、直径が100〜300nm程度の円形状とすることができる。認識マーク58の材料としては、例えば、銅や銅合金を用いることができる。
【0147】
このような認識マーク57と認識マーク58とは、平面視において略完全に重なった状態で形成されている。詳述すると、
図27(a)に示すように、上端面22Aが認識マーク57に接続された線状導体22の下端面22Bは、認識マーク58と接続されている。すなわち、認識マーク57と認識マーク58とは、平面方向にほとんど位置ずれすることなく形成されている。なお、これら認識マーク57,58は、上記第1実施形態の開口部30X,50Xと同様に、導電層30A,40Aが形成されている領域に配線パターン等を形成する際に、アライメントマークとして利用される。
【0148】
次に、配線基板10Bの製造方法について説明する。なお、説明の便宜上、最終的に配線基板10Bの各構成要素となる部分には、最終的な構成要素の符号を付して説明する。
図28(a)に示す工程では、まず、
図2(a)〜
図2(c)に示した工程と同様に、コア層20の上面20A全面を被覆する導電層30Aを形成するとともに、コア層20の下面20B全面を被覆する導電層40Aを形成する。続いて、導電層30Aの上面全面を被覆するレジスト層100を形成するとともに、導電層40Aの下面の一部を被覆するレジスト層101を形成する。レジスト層101は、
図27(a)に示した導電層40Aの形成領域に対応する部分を被覆するように形成される。
【0149】
続いて、レジスト層100,101をエッチングマスクとして、導電層40Aをエッチングする。これにより、
図28(b)に示すように、コア層20の下面20Bの中央部を被覆する導電層40Aが形成される。その後、
図28(a)に示したレジスト層100,101を、例えば、アルカリ性の剥離液により除去する。
【0150】
次いで、
図29(a)に示す工程では、導電層30Aの上面全面を被覆するレジスト層102を形成する。また、コア層20の下面20Bに、開口パターン103Xを有し、導電層40Aの下面及び側面を被覆するレジスト層103を形成する。開口パターン103Xは、認識マーク58の形成領域に対応する部分のコア層20の下面20Bを露出するように形成されている。
【0151】
続いて、レジスト層102,103をめっきマスクとして、コア層20の下面20Bに、導電層30A及びその導電層30Aと電気的に接続された線状導体22を給電経路とする電解めっき法を施す。すると、レジスト層103の開口パターン103Xから露出されたコア層20の下面20Bにめっき膜が析出成長され、開口パターン103X内に認識マーク58(電解めっき層)が形成される。
【0152】
続いて、
図29(b)に示す工程では、レジスト層103の下面及び認識マーク58の下面を被覆する金属層104を形成する。この金属層104によって、互いに離間して形成された4つの認識マーク58が電気的に接続される。金属層104は、例えば、スパッタ法や電解めっき法により形成することができる。
【0153】
次いで、
図30(a)に示す工程では、導電層30Aの上面の一部を被覆するレジスト層105を形成するとともに、金属層104の下面全面を被覆するレジスト層106を形成する。続いて、レジスト層105,106をエッチングマスクとして、導電層30Aをエッチングする。これにより、コア層20の上面20Aの中央部を被覆する導電層30Aが形成される。また、本工程により、認識マーク58と平面視で重複する位置のコア層20の上面20Aが導電層30Aから露出される。
【0154】
続いて、
図30(b)に示す工程では、認識マーク58と平面視において重複するコア層20の上面20Aに認識マーク57を形成する。例えば、レジスト層105,106をめっきマスクとして、金属層104、認識マーク58、及び認識マーク58と電気的に接続された線状導体22を給電経路とする電解めっき法により、コア層20の上面20Aからめっき膜を析出成長させ、認識マーク57を形成する。このとき、認識マーク57は、下端面22Bが認識マーク58と電気的に接続された線状導体22の上端面22Aのみから、めっき膜が析出成長されて形成される。このため、認識マーク57を、認識マーク58と平面視において、極めて精度良く重複する位置に形成することができる。
【0155】
次いで、レジスト層105,106を、例えば、アルカリ性の剥離液により除去する。その後、金属層104をエッチング等により除去する。そして、レジスト層103を、例えば、アルカリ性の剥離液により除去する。
【0156】
以上の製造工程により、
図27に示した配線基板10Bを製造することができる。なお、ここでは、説明を省略するが、上記第1実施形態と同様に、配線基板10Bを利用して配線基板11及び半導体パッケージ12を製造することができる。
【0157】
以上説明した本実施形態によれば、上記第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
(第6実施形態)
以下、
図31〜
図35に従って第6実施形態を説明する。この実施形態では、配線基板の製造方法が上記第5実施形態と異なっている。以下、配線基板10Bと略同様の構造を有する配線基板10Cを製造するための製造方法について説明する。なお、先の
図1〜
図30に示した部材と同一の部材にはそれぞれ同一の符号を付して示し、それら各要素についての詳細な説明は省略する。
【0158】
図31(a)に示す工程では、コア層20の上面20Aに、開口パターン110X,110Yを有するレジスト層110を形成する。開口パターン110Xは、
図27(a)に示した認識マーク58の形成領域と平面視において重複する部分の上面20Aを露出するように形成されている。
【0159】
次に、
図31(b)に示す工程では、コア層20の上面20Aに、導電層30Aを形成する。導電層30Aは、コア層20の上面20A全面及びレジスト層110の上面全面を被覆する金属層31と、上面20A全面及び上面20Aに形成された構造体(レジスト層110及び金属層31)の表面全面を被覆する金属層32とが順に積層されて形成される。
【0160】
続いて、
図31(c)に示す工程では、開口パターン110X,110Y内に形成された導電層30A及びその導電層30Aと電気的に接続された線状導体22を給電経路とする電解めっき法(ここでは、電解銅めっき法)を施す。すると、コア層20の下面20Bでは、平面視で重複する位置に開口パターン110X,110Yが存在する部分(つまり、レジスト層110が存在しない部分)だけにめっき膜が析出成長される。これにより、開口パターン110Xと平面視において重複する位置の下面20Bに認識マーク58(電解銅めっき層)が形成され、開口パターン110Yと平面視において重複する位置の下面20Bに導電層59(電解銅めっき層)が形成される。
【0161】
次いで、
図32(a)に示す工程では、コア層20の上面20Aの中央部分に形成された導電層30Aの上面を被覆するレジスト層113を形成し、コア層20の下面20Bの周縁領域(外周領域)を被覆するレジスト層114を形成する。レジスト層114は、外周領域に形成された導電層59及び認識マーク58を被覆するように形成される。
【0162】
次に、レジスト層113,114をエッチングマスクとして、導電層30A(金属層31,32)及び導電層59をエッチングする。これにより、導電層30Aがパターニングされ、
図32(b)に示すように、コア層20の上面20Aの中央部を被覆する導電層30Aが形成される。また、コア層20の下面20Bの中央部に形成されていた導電層59が除去される。その後、レジスト層110,113,114を、例えば、アルカリ性の剥離液により除去する。
【0163】
次いで、
図33(a)に示す工程では、コア層20の上面20Aに、導電層30Aの表面(上面及び側面)全面を被覆し、開口パターン115Xを有するレジスト層115を形成する。また、コア層20の下面20Bに、開口パターン116X,116Yを有するレジスト層116を形成する。開口パターン115Xは、認識マーク58と平面視において重複する位置に形成され、認識マーク58よりも平面形状が大きくなるように形成されている。一方、開口パターン116Xは、認識マーク58の下面の一部を露出するように形成されている。開口パターン116Yは、導電層40A(
図27(a)参照)の形成領域に対応する部分のコア層20の下面20Bを露出するように形成されている。
【0164】
次に、
図33(b)に示す工程では、コア層20の下面20Bに、導電層40Aを形成する。導電層40Aは、コア層20の下面20Bから、金属層41と金属層42とが順に積層されて形成される。金属層41は、コア層20の下面20B全面、レジスト層116の下面全面及び認識マーク58の下面全面を被覆するように形成される。また、金属層42は、コア層20の下面20B全面及び下面20Bに形成された構造体(レジスト層116及び金属層41)の表面全面を被覆するように形成される。
【0165】
続いて、導電層40Aの下面全面を被覆するようにマスク材117を形成する。このマスク材117は、次工程のめっき処理におけるめっき液が導電層40Aに接触することを抑制するために形成される。例えば、マスク材117の材料としては、
図5(a)に示したマスク材62と同様の材料を用いることができる。
【0166】
次いで、
図34(a)に示す工程では、
図30(b)に示した工程と同様に、認識マーク58と平面視において重複するコア層20の上面20Aに認識マーク57を形成する。例えば、レジスト層115及びマスク材117をめっきマスクとして、導電層40A、認識マーク58、及び認識マーク58と電気的に接続された線状導体22を給電経路とする電解めっき法により、コア層20の上面20Aからめっき膜を析出成長させ、認識マーク57を形成する。このとき、認識マーク57は、下端面22Bが認識マーク58と電気的に接続された線状導体22の上端面22Aのみから、めっき膜が析出成長して形成される。このため、認識マーク57は、認識マーク58と平面視において、極めて精度良く重複する位置に形成することができる。その後、マスク材117及びレジスト層115を除去する。
【0167】
次に、
図34(b)に示す工程では、コア層20の上面20Aにレジスト層118を形成し、導電層40Aの下面にレジスト層119を形成する。レジスト層118は、認識マーク57及び導電層30Aの表面(上面及び側面)全面と、コア層20の上面20A全面とを被覆するように形成されている。レジスト層119は、
図27(a)に示した導電層40Aの形成領域に対応する部分を被覆するように形成されている。
【0168】
次に、レジスト層118,119をエッチングマスクとして、導電層40A(金属層41,42)をエッチングする。これにより、
図35(a)に示すように、コア層20の下面20Bの中央部を被覆する導電層40Aが形成される。
【0169】
続いて、レジスト層116,118,119を、例えば、アルカリ性の剥離液により除去する。これにより、
図35(b)に示すように、
図27に示した配線基板10Bと略同様の構造を有する配線基板10Cを製造することができる。すなわち、コア層20の上面20A及び下面20Bで位置ずれのほとんどない同一形状の認識マーク57,58と、上面20Aの中央部に形成された導電層30Aと、下面20Bの中央部に形成された導電層40Aとを有する配線基板10Cを製造することができる。
【0170】
なお、ここでは、説明を省略するが、上記第1実施形態と同様に、配線基板10Cを利用して配線基板11及び半導体パッケージ12を製造することができる。
以上説明した本実施形態によれば、上記第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0171】
(他の実施形態)
なお、上記各実施形態は、これを適宜変更した以下の態様にて実施することもできる。
・上記第1実施形態における認識マーク34X,44Xを、第2実施形態における認識マーク51,52に変更してもよい。
【0172】
・上記第2及び第4実施形態における認識マーク51,52を、上記第1実施形態における認識マーク34X,44Xに変更してもよい。
・上記各実施形態の配線基板10,10A〜10Cを利用した配線基板11及び半導体パッケージ12の製造において、認識マーク44X(又は、認識マーク52)の形成の際に、導電層50(又は、認識マーク56)を除去するようにした。これに限らず、例えば、導電層50(又は、認識マーク56)を残した状態のまま、層間絶縁層45やソルダレジスト層47等の製造を実施するようにしてもよい。この場合に、認識マーク44X,52の形成を省略し、層間絶縁層45やソルダレジスト層47等を製造する際においても開口部50Xや認識マーク56をアライメントマークとして利用するようにしてもよい。
【0173】
・上記各実施形態の配線基板10,10A〜10Cを利用した配線基板11及び半導体パッケージ12の製造において、認識マーク51の形成を省略してもよい。この場合には、層間絶縁層35やソルダレジスト層37等を製造する際に、開口部30Xや認識マーク55,57をアライメントマークとして利用する。
【0174】
・上記第2及び第4実施形態では、支持体80を除去する前に、半導体チップ70を表面処理層38上にフリップチップ接合するようにした。これに限らず、例えば、支持体80を除去した後に、半導体チップ70を表面処理層38上にフリップチップ接合するようにしてもよい。例えば、
図18(b)等に破線で示した切断位置で構造体を切断した後に、半導体チップ70を表面処理層38上にフリップチップ接合するようにしてもよい。
【0175】
・上記第2及び第4実施形態における支持体80を除去するタイミングは特に限定されない。例えば、コア層20の上面20Aに層間絶縁層35を形成した後であって、ソルダレジスト層37を形成する前に、支持体80を除去するようにしてもよい。
【0176】
・上記各実施形態の配線基板10,10A〜10Cを上下反転させ、その上下反転させた配線基板10,10A〜10Cを利用して配線基板11及び半導体パッケージ12を製造するようにしてもよい。
【0177】
・上記第1及び第2実施形態における開口部30X,50Xの個数は特に限定されない。但し、開口部30X,50Xはアライメントマークとして利用されるため、開口部30X,50Xの個数は3個以上であることが好ましい。
【0178】
・上記第3及び第4実施形態における認識マーク55,56の個数は特に限定されない。但し、認識マーク55,56はアライメントマークとして利用されるため、認識マーク55,56の個数は3個以上であることが好ましい。
【0179】
・上記第5及び第6実施形態における認識マーク57,58の個数は特に限定されない。但し、認識マーク57,58はアライメントマークとして利用されるため、認識マーク57,58の個数は3個以上であることが好ましい。
【0180】
・上記第1及び第3実施形態におけるマスク材62や上記第6実施形態におけるマスク材117の形成を省略してもよい。
・上記各実施形態では、単数個取り(一個取り)の製造方法に具体化したが、多数個取りの製造方法に具体化してもよい。
【0181】
・上記各実施形態における配線基板10,10A〜10Cを利用して製造される配線基板11の構造は、
図11(b)や
図18(b)等に示した構造に限定されない。
・上記各実施形態における配線基板10,10A〜10Cを利用して製造される半導体パッケージ12の構造は、
図12に示した構造に限定されない。例えば、配線基板11の下面に実装される半導体チップ75等を省略してもよい。