特許第6223862号(P6223862)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6223862
(24)【登録日】2017年10月13日
(45)【発行日】2017年11月1日
(54)【発明の名称】切削装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/301 20060101AFI20171023BHJP
   B24B 27/06 20060101ALI20171023BHJP
   B24B 49/12 20060101ALI20171023BHJP
【FI】
   H01L21/78 F
   B24B27/06 M
   B24B49/12
【請求項の数】1
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-36565(P2014-36565)
(22)【出願日】2014年2月27日
(65)【公開番号】特開2015-162555(P2015-162555A)
(43)【公開日】2015年9月7日
【審査請求日】2016年12月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000134051
【氏名又は名称】株式会社ディスコ
(74)【代理人】
【識別番号】100087099
【弁理士】
【氏名又は名称】川村 恭子
(74)【代理人】
【識別番号】100063174
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 功
(74)【代理人】
【識別番号】100124338
【弁理士】
【氏名又は名称】久保 健
(74)【代理人】
【識別番号】110001014
【氏名又は名称】特許業務法人東京アルパ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 万平
(72)【発明者】
【氏名】八木原 惇
(72)【発明者】
【氏名】松岡 伸太郎
(72)【発明者】
【氏名】大和 愛実
(72)【発明者】
【氏名】ファン チュック リン
【審査官】 宮久保 博幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−184331(JP,A)
【文献】 実公平07−051221(JP,Y2)
【文献】 特開2003−124152(JP,A)
【文献】 特開平08−124882(JP,A)
【文献】 特開2011−236024(JP,A)
【文献】 特開2012−222075(JP,A)
【文献】 特開2005−142202(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/301
B24B 27/06
B24B 49/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被加工物を保持する保持面を有する保持部と該保持面と同一面であるブレード高さ位置検出用上面を有し該保持部が嵌装される金属枠体とを備える保持テーブルと、
該保持テーブルのサイズを検出するサイズ検出手段と、
該保持テーブルで保持された被加工物を切削する導電性を有する切削ブレードを含む切削手段と、
該金属枠体と該切削ブレードとの間に電圧を印加する電圧付与手段と、
該サイズ検出手段で検出された該保持テーブルのサイズを記憶するサイズ記憶部と、該サイズ記憶部で記憶された該保持テーブルのサイズに基づいて該切削ブレードを該ブレード高さ位置検出用上面に近接移動させるブレード移動部と、該電圧付与手段が該金属枠体と該切削ブレードとの間に付与する電圧の変化量に基づいて該ブレード高さ位置検出用上面に該切削ブレードが接触したことを検知することにより該切削ブレードと該保持テーブルの該保持面との相対位置を検出する相対位置検出部と、を有する制御手段と、
を備えた切削装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被加工物に切削加工を施す切削装置に関する。
【背景技術】
【0002】
被加工物を切削する装置としては、例えば、被加工物を保持する保持部を有する保持テーブルと、保持テーブルに保持された被加工物に対して切削を施す切削ブレードを有する切削手段とを少なくとも備えているものがある。保持テーブルは、ポーラスセラミックス等で形成された保持部の周囲を金属製の枠体が囲繞して構成されている。このような切削装置において、被加工物を切削する場合には、被加工物のサイズに対応した径の保持部を有する保持テーブルを使用しており、切削加工しようとする被加工物のサイズに応じて作業者が適宜保持テーブルを交換している。
【0003】
切削装置においては、作業者によって保持テーブルを交換した後は、被加工物に対する切削ブレードの切り込みを高精度に制御するため、切削ブレードと保持テーブルとの間に電圧を印加した状態で切削ブレードを下降させていき、保持テーブルの外周縁の枠体に切削ブレードを接触させたときの電圧の変化に基づいて切削ブレードの刃先の位置を検出し、切り込み方向の原点を設定する、いわゆる接触セットアップを行っている(例えば、下記の特許文献1を参照)。
【0004】
また、作業者が保持テーブルを交換した際には、交換後の保持テーブルのサイズを切削装置のコントローラに入力しておくことにより、入力された保持テーブルのサイズに基づいて切削ブレードが保持テーブルの外周縁の枠体上に位置付けられ、切削ブレードのセットアップが自動で行われるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭61−071967号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記したような切削装置において、作業者が保持テーブルの交換を忘れたり、保持テーブルのサイズを誤って入力したりした状態で、接触セットアップを実施すると、保持テーブルの保持部や保持テーブルの外側に配設されている機構といった保持テーブルの枠体以外に切削ブレードが接触してしまい、保持テーブルだけでなく装置自体も破損してしまうおそれがある。
【0007】
本発明は、上記の事情にかんがみてなされたものであり、切削装置におけるいわゆる接触セットアップにおいて、保持テーブルのサイズの入力ミスや保持テーブルの交換忘れ等の作業者のミスに伴う不具合発生を低減することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、被加工物に対して切削加工を施す切削装置に関するものであり、被加工物を保持する保持面を有する保持部と該保持面と同一面であるブレード高さ位置検出用上面を有し該保持部が嵌装される金属枠体とを備える保持テーブルと、該保持テーブルのサイズを検出するサイズ検出手段と、該保持テーブルで保持された被加工物を切削する導電性を有する切削ブレードを含む切削手段と、該金属枠体と該切削ブレードとの間に電圧を印加する電圧付与手段と、該サイズ検出手段で検出された該保持テーブルのサイズを記憶するサイズ記憶部と該サイズ記憶部で記憶された該保持テーブルのサイズに基づいて該切削ブレードを該ブレード高さ位置検出用上面に近接移動させるブレード移動部と該電圧付与手段が該金属枠体と該切削ブレードとの間に付与する電圧の変化量に基づいて該ブレード高さ位置検出用上面に該切削ブレードが接触したことを検知することにより該切削ブレードと該保持テーブルの該保持面との相対位置を検出する相対位置検出部とを有する制御手段とを備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明の切削装置は、保持テーブルのサイズを検出するサイズ検出手段と、サイズ検出手段によって検出された保持テーブルのサイズを記憶するサイズ記憶部と切削ブレードを金属枠体のブレード高さ位置検出用上面に近接移動させるブレード移動部と切削ブレードと保持テーブルの保持面との相対位置を検出する相対位置検出部とを有する制御手段とを備えた構成となっているため、仮に作業者が被加工物のサイズに対応した保持テーブルの交換を忘れたり、交換後の保持テーブルのサイズを切削装置に誤入力したりしたとしても、サイズ検出手段によって切削装置に実際に搭載されている保持テーブルのサイズを検出しサイズ記憶部に当該保持テーブルのサイズが記憶され、そのサイズに基づいて切削ブレードを移動させるため、切削ブレードをブレード高さ位置検出用上面に正確に位置づけて切削ブレードのセットアップを遂行できる。
よって、切削ブレードで保持テーブルの金属枠体以外を切削してしまうおそれを低減でき、保持テーブルや装置自体が破損するのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】切削装置の一例を示す斜視図である。
図2】切削装置の内部構成の一例を示す斜視図である。
図3】保持テーブル及びクランプ手段の構成を示す斜視図である。
図4】テーブルベース及びテーブルベースに配設されたサイズ検出手段の構成を示す平面図である。
図5】切削ブレードのセットアップを実施している状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1に示す切削装置1は、被加工物に切削を行う切削装置の一例であり、基台2を有している。基台2の前部には、複数の被加工物を収容するカセット3が配設されている。基台2の上面には、カセット3から切削前の被加工物を搬出するとともにカセット3に切削後の被加工物を搬入する搬入出手段4と、被加工物が仮置きされる仮置き領域5と、被加工物を保持しながらX軸方向に往復移動可能な保持テーブル10とが配設されている。カセット3の近傍には、仮置き領域5と保持テーブル10との間で被加工物を搬送する第一の搬送手段6が配設されている。
【0012】
保持テーブル10の移動経路の上方には、被加工物の切削すべき領域を認識するための撮像手段8と、被加工物に切削を施す切削手段40とを備えている。撮像手段8は、撮像レンズと光学系の撮像素子とを少なくとも有している。基台2の中央には、切削手段40によって切削された被加工物に対して洗浄が行われる洗浄領域9と、保持テーブル10から洗浄領域9に切削後の被加工物を搬送する第二の搬送手段7とが配設されている。
【0013】
切削手段40は、図2に示すように、Y軸方向の軸心を有するスピンドル41と、スピンドル41の先端に装着された切削ブレード42と、スピンドル41を回転可能に囲繞するスピンドルハウジング43とを少なくとも備えている。切削ブレード42としては、導電性を有するものを使用する。図示しないモータによって駆動されてスピンドル41が回転することにより、切削ブレード42を回転させることができる。
【0014】
保持テーブル10は、図3に示すように、被加工物を保持する保持部100と、保持部100を囲繞するとともに中央部に該保持部100が嵌装される金属枠体101とを備えている。保持部100はポーラス部材により形成されており、その上面が被加工物を保持する保持面100aとなっている。金属枠体101は、保持部100の保持面100aと同一面であって、切削ブレード42のブレード高さの位置を検出するためのリング状の高さ位置検出用上面101aを有している。金属枠体101の高さ位置検出用上面101aの幅は、特に限定されるものではないが、例えば10mmに形成されている。また、保持テーブル10としては、被加工物のサイズに対応させ、例えば6インチや8インチのものを使用でき、被加工物のサイズに応じて保持部100の径が異なる。
【0015】
保持テーブル10は、テーブルベース11によって下方から支持されている。図3に示すように、テーブルベース11の周囲には、被加工物を支持する環状のフレームをクランプするクランプ手段20が少なくとも4つ配設されている。クランプ手段20は、保持テーブル12の外周側に突出する一対のガイド部200と、フレームを載置させるフレーム載置部201と、フレーム載置部201の位置を固定する固定部202と、フレームの上面を押さえる断面L字形のフレーム押さえ部204と、フレーム押さえ部204を回転させる回転駆動部203とにより構成されている。回転駆動部203に駆動されてフレーム押さえ部204が回転することにより、フレーム押さえ部204とフレーム載置部201との間でフレームを挟持することができる。
【0016】
クランプ手段20は、フレーム載置部201に形成された貫通孔201aにガイド部200が遊嵌し、フレーム載置部201がガイド部200に沿って所定範囲移動できる構成となっている。また、フレーム載置部201に形成された貫通孔201bには、固定部202が挿入可能となっている。この固定部202を引っ張るとフレーム載置部201をガイド部200に沿って摺動させることができ、固定部202を押し込んでガイド部200の側面に固定部202を当接させることでクランプ手段20の位置を固定できる。これにより、フレームの大きさに対応させてクランプ手段20の位置を調整することができる。
【0017】
保持テーブル10の周囲は、図2に示すカバー13によってカバーされており、テーブルベース11の下方には、モータ12が接続されている。モータ12は、テーブルベース11とともに保持テーブル10を所定の回転速度で回転させることができる。
【0018】
図2に示すように、図1で示した基台2のベース部2aには、保持テーブル10をX軸方向に移動させるX方向送り手段14と、切削手段40をY軸方向に移動させるY方向送り手段15と、切削手段40をZ軸方向に移動させるZ方向送り手段16とが配設されている。
【0019】
X方向送り手段14は、X軸方向にのびるボールネジ140と、ボールネジ140の一端に接続されたモータ141と、ボールネジ140と平行にのびる一対のガイドレール142と、保持テーブル10を下方から支持する移動基台143とを少なくとも備えている。移動基台143の中央に形成されたナットにボールネジ140が螺合するとともに、移動基台143の下部にガイドレール142が摺接している。モータ141によってボールネジ140を回動させることにより、移動基台143とともに保持テーブル10をX軸方向に往復移動させることができる。
【0020】
Y方向送り手段15は、Y軸方向にのびるボールネジ150と、ボールネジ150の一端に接続されたモータ151と、ボールネジ150と平行にのびる一対のガイドレール152と、切削手段40を支持するとともにY軸方向に移動可能な立設基台153とを少なくとも備えている。立設基台153の下面中央に形成されたナットにボールネジ150が螺合するとともに、立設基台153の下部にガイドレール152が摺接している。モータ151によってボールネジ150を回動させることにより、立設基台153とともに切削手段40をY軸方向に往復移動させることができる。
【0021】
Z方向送り手段16は、立設基台153に沿って配設されたZ軸方向にのびるボールネジ160と、ボールネジ160の一端に接続されたモータ161と、ボールネジ160と平行にのびる一対のガイドレール162と、切削手段40のスピンドルハウジング43を支持する支持部163とを少なくとも備えている。モータ161によってボールネジ160を回動させることにより、支持部163とともに切削手段40をZ軸方向に切削送りすることができる。なお、図2においては図示していないが、ボールネジ160及びガイドレール162と平行にリニアスケール18(図5を参照)が配設されており、切削ブレード42の切り込み方向の位置がリニアスケール18によって計測される。
【0022】
図4に示すように、テーブルベース11には、例えば6インチの保持テーブル10Aを載置することが可能となっており、図4では、保持テーブル10Aがテーブルベース11に載置されたときの保持テーブル10Aの外周縁P1を示している。また、テーブルベース11の周囲には、保持テーブル10Aよりも大きいサイズの保持テーブルの外周側を下方から支持するテーブル載置部17が複数配設されている。テーブル載置部17には、例えば8インチの保持テーブル10Bを載置することが可能となっており、図4では、保持テーブル10Bがテーブルベース11及びテーブル載置部17に載置されたときの保持テーブル10Bの外周縁P2を示している。なお、保持テーブル10A及び保持テーブル10Bは、全体のサイズ及び保持部100のサイズが異なるだけで、図4に示した保持テーブル10と同様の構成となっている。
【0023】
図4に示すテーブルベース11とテーブル載置部17とには、保持テーブルのサイズを検出するサイズ検出手段30を備えている。サイズ検出手段30は、例えば反射型の光センサであって、テーブルベース11に配設された第一光センサ300aと、テーブル載置部17に配設された第二光センサ300bとにより構成されている。第一光センサ300a及び第二光センサ300bは、測定光を投光する投光部と測定光の反射光を受光する受光部とをそれぞれ有している。第一光センサ300a及び第二光センサ300bは、保持テーブルに投光した測定光の反射光の有無によって保持テーブルの有無を検出することができる。
【0024】
図示の例における第一光センサ300aは、保持テーブル10Aの外周縁P1の内側に配置されているため、保持テーブル10Aによって第一光センサ300aが覆われることでテーブルベース11上に保持テーブル10Aが載置されたことを検出できる。一方、第二光センサ300bは、保持テーブル10Aの外周縁P1の外側で、かつ保持テーブル10Bの外周縁P2の内側に配置されているため、保持テーブル10Aよりもサイズの大きい保持テーブル10Bによって第一光センサ300a及び第二光センサ300bが覆われることでテーブルベース11上に保持テーブル10Bが載置されたことを検出できる。なお、図示の例におけるサイズ検出手段30では、2つの光センサによって構成されているが、切削装置1において使用する保持テーブル10のサイズの種類に応じてサイズ検出手段30の光センサの数も増やすことができる。また、第二光センサ300bの配設位置は、保持テーブル10Aの外周縁P1より外周側であれば、載置部17でなくてもよい。
【0025】
さらに、サイズ検出手段30は、光センサによって構成されているが、この構成に限定されるものではない。例えば、保持テーブル10の荷重を検出する押圧センサをテーブルベース11に配設し、保持テーブルが大径になるほど荷重が増すことを利用し、荷重に応じて保持テーブルのサイズを判断するようにしてもよい。また、保持テーブルが大径になるほど回転時のトルクが大きくなることを利用し、保持テーブルの回転時に図2で示したモータ12のトルクを検出してトルクの大きさに基づきテーブルベース11上にある保持テーブルのサイズを検出してもよい。さらには、撮像手段8をサイズ検出手段として兼用させることにより、保持テーブル10の上面側を撮像して保持テーブル10のサイズを検出してもよい。
【0026】
図2に示す切削装置1は、保持テーブル10の金属枠体101と切削ブレード42との間に電圧を印加する電圧付与手段31と、少なくともY方向送り手段15、Z方向送り手段16及び切削手段40を制御する制御手段32とを備えている。
【0027】
電圧付与手段31は、切削手段40の切削ブレード42及び金属枠体101に接続されており、切削ブレード42と金属枠体101との間に所定の電圧を印加することができる。制御手段32は、図4で示したサイズ検出手段30によって検出された保持テーブルのサイズを記憶するサイズ記憶部320と、サイズ記憶部320に記憶された保持テーブルのサイズに基づいて切削ブレード42を金属枠体101の高さ位置検出用上面101aに接近する方向に移動させるようにY方向送り手段15及びZ方向送り手段16を制御するブレード移動部321と、電圧付与手段31が金属枠体101と切削ブレード42との間に付与する電圧の変化量に基づいて金属枠体101の高さ位置検出用上面101aに切削ブレード42が接触したことを検知することにより切削ブレード42と保持テーブル10の保持面100aとの相対位置を検出する相対位置検出部322とを有している。
【0028】
切削装置1を用いてウェーハWを切削する動作について説明する。図1に示すウェーハWは、被加工物の一例であって、特に材質等が限定されるものではない。ウェーハWの切削時には、ウェーハWはテープTを介して環状のフレームFと一体となって形成され、これがカセット3に複数収容されている。
【0029】
まず、搬入出手段4は、フレームFと一体となったウェーハWをカセット3から引き出して仮置き領域5に仮置きする。次いで、仮置き領域5に仮置きされたウェーハWを第一の搬送手段6によって保持テーブル10に搬送する。図示しない吸引源が作動することにより、保持テーブル10でウェーハWを吸引保持するとともに、図3に示したクランプ手段20が作動することにより、フレーム押さえ部204でフレームFの上部を押さえて固定する。次いで、図2に示すX方向送り手段14によって、保持テーブル10をX軸方向に移動させ、切削手段40の下方に移動させる。このとき、撮像手段8によって保持テーブル10に保持されたウェーハWの上面を撮像し、ウェーハWを個々のデバイスに分割するための領域を認識する。
【0030】
切削手段40の下方に保持テーブル10を移動させつつ、スピンドル41が回転し、切削ブレード42を所定の回転速度で回転させるとともに、Z方向送り手段16によって切削手段40をZ軸方向に切り込み送りする。そして、回転する切削ブレード42をウェーハWの上面に切り込ませて切削を行い、ウェーハWを個々のデバイスに分割する。
【0031】
ウェーハWの切削が完了した後、図1に示す第二の搬送手段7によって切削後のウェーハWを洗浄領域9に搬送し、洗浄領域9でウェーハWを洗浄後、第一の搬送手段6によって仮置き領域5にウェーハWを仮置きする。その後、搬出入手段4によって、仮置き領域5からウェーハWを搬出してカセット3に収容する。このようにして、カセット3に収容された全てのウェーハWに対して切削、搬出入及び洗浄を行う。
【0032】
次に、切削装置1においてウェーハWのサイズに対応する保持テーブル10を交換し、接触セットアップを行う場合について説明する。まず、作業者は、先に切削を行ったウェーハWを保持していた図3に示した保持テーブル10をテーブルベース11から取り外し、次に切削しようとするウェーハWのサイズに対応するサイズを有する保持テーブルをテーブルベース11に載置し固定する。なお、作業者は、交換後の保持テーブルのサイズを切削装置1のコントローラに入力しておく。
【0033】
保持テーブルの交換後、図4に示すサイズ検出手段30は、テーブルベース11上に実際に載置された保持テーブルのサイズが、直径6インチのウェーハ用の保持テーブル10Aであるか直径8インチのウェーハ用の保持テーブル10Bであるのかを検出する。
【0034】
具体的には、第一光センサ300a及び第二光センサ300bの投光部によってテーブルベース11の上方に向けて測定光を投光する。このとき、第一光センサ300aの受光部のみで測定光の反射光を受光すると、テーブルベース11上には、保持テーブル10Aが載置されていると検出する。そして、図2で示したサイズ記憶部320は、第一光センサ300aにより検出された保持テーブル10Aのサイズ(直径6インチ)を記憶する。
【0035】
一方、第一光センサ300aにおいて上記測定光の上記反射光を受光するとともに、第二光センサ300bの受光部で該反射光を受光すると、テーブルベース11上には、保持テーブル10Bが固定されていると検出する。そして、サイズ記憶部320は、第二光センサ300bにより検出された保持テーブル10Bのサイズ(直径8インチ)を記憶する。
【0036】
また、図2で示した撮像手段8がサイズ検出手段としても機能する場合は、上記サイズ検出手段30に替えて、撮像手段8によって保持テーブル10の上面側を撮像して保持テーブル10のサイズを検出する。例えば、直径6インチ(半径3インチ)のウェーハ用の保持テーブル10Aについては、保持部100の半径が76.3mm(3インチ+1mm)、高さ位置検出用上面101aの幅が10mm、全体の半径が86.3mm(76.3mm+10mm)であり、直径8インチ(半径4インチ)のウェーハ用の保持テーブル10Bについては、保持部100の半径が101.7mm(4インチ+1mm)、高さ位置検出用上面101aの幅が10mm、全体の半径が111.7mm(101.7mm+10mm)であるとする。この場合において、保持テーブル10の保持面100aの中心に撮像手段8に備える撮像レンズの焦点を合わせた後、X方向送り手段14によって、保持テーブル10を、例えば86.4mmだけX軸方向に移動させる。そして、その移動後の位置(第1位置)で撮像レンズの焦点が合わない場合は、6インチ用の保持テーブル10Aがテーブルベース11に固定されていると判断する。一方、第1位置で撮像レンズの焦点が合う場合は、さらに保持テーブル10をX軸方向に移動させ、保持テーブルの中心から111.8mm離れた位置(第2位置)で撮像を行い、その位置で撮像レンズの焦点が合わなければ、テーブルベース11に固定された保持テーブル10のサイズは、8インチであると検出する。第2位置においても撮像レンズの焦点が合う場合は、8インチより大きいウェーハ用の保持テーブル10がテーブルベース11に固定されていると判断する。なお、撮像手段8を用いて保持テーブル10のサイズを検出する場合は、保持テーブル10をX軸方向に移動させるのではなく、撮像手段8をY軸方向に移動させることによっても、同様の判断を行うことができる。
【0037】
このようにテーブルベース11に実際に載置された保持テーブル10のサイズを検出したら、切削ブレード42のセットアップを実施する。具体的には、図2に示すX方向送り手段14によって保持テーブル10をX軸方向に移動させ、切削手段40の下方に位置づける。続いて、制御手段32のブレード移動部321が、サイズ記憶部320に記憶されている交換後の保持テーブルのサイズに基づいてY方向送り手段15及びZ方向送り手段16を制御する。
【0038】
Y方向送り手段15は、金属枠体101の高さ位置検出用上面101aの上方側に切削ブレード42を位置づけ、Z方向送り手段16は、モータ161によってボールネジ160を回動させ、支持部163とともに切削手段40をZ軸方向に切り込み送りすることにより、図5に示すように、回転する切削ブレード42を金属枠体101の高さ位置検出用上面101aに接近する方向に移動させる。このように、切削ブレード42は、保持テーブル10のサイズに応じて金属枠体101の高さ位置検出用上面101aに向けて正確に切り込み送りされるため、保持部100の保持面100aに接触したり、金属枠体101の外側に接触したりすることはない。
【0039】
このとき、電圧付与手段31は、切削ブレード42と金属枠体101との間に所定の電圧を印加しており、導電性を有する切削ブレード42の刃先と金属枠体101の高さ位置検出用上面101aとの間における電気的導通が検出可能な状態となっている。
【0040】
したがって、図5に示すように、切削ブレード42の刃先が、金属枠体101の高さ位置検出用上面101aに接触すると、切削ブレード42と金属枠体101の高さ位置検出用上面101aとの間が導通し、電圧付与手段31が電圧値の変化を検出する。なお、電圧の変化量の検出は、電圧付与手段31が行ってもよいし、図示しない検出器を用いて検出してもよい。
【0041】
相対位置検出部322は、電圧の変化量に基づいて、切削ブレード42の刃先が金属枠体101の高さ位置検出用上面101aに接触したことを検知する。そして、切削ブレード42の刃先が高さ位置検出用上面101aに接触した時における切削ブレード42の切り込み方向の位置をリニアスケール18によって計測して相対位置検出部322で検出する。この切削ブレード42の切り込み方向の位置が、保持テーブル10の保持面100aに対する切削ブレード42の相対位置となる。このようにして検出した相対位置を切削ブレード42のZ軸方向の切り込み送りの基準位置として図2に示した制御手段32に設定し、切削ブレード42のセットアップが完了する。なお、図2で示したモータ161がパルスモータで構成されている場合は、リニアスケール18を用いることなく、モータ161のパルス数によっても切削ブレード42の切り込み方向の位置を計測できる。
【0042】
切削ブレード42のセットアップ完了後、切削装置1においてウェーハWを切削する際には、ウェーハWの厚みをあらかじめ把握しておくとともにウェーハWの厚みのうち切削ブレード42で切削しない切り残し高さを制御手段32にあらかじめ設定しておく。これにより、制御手段32に設定された切削ブレード42の高さの基準位置を基準として切削ブレード42のウェーハWに対する切り込みを高精度に制御しながら、切削加工を行うことができる。
なお、上記実施形態では、保持テーブルを交換した場合について説明したが、例えば切削ブレードを交換した場合などの保持テーブルの交換時以外においても、本発明の接触セットアップを行うことができる。
【0043】
以上のとおり、本発明の切削装置1には、テーブルベース11において保持テーブル10のサイズを検出する第一光センサ300aと第二光センサ300bとを有するサイズ検出手段30を備えているため、テーブルベース11上に載置されている実際の保持テーブル10のサイズを検出することができる。
また、切削装置1には、サイズ検出手段30によって検出された保持テーブル10のサイズを記憶するサイズ記憶部320と、そのサイズに基づいて切削ブレード11をブレード高さ位置検出用上面101aに近接移動させるブレード移動部321と、ブレード高さ位置検出用上面101aに切削ブレード11の切り刃18が接触したことを検知することにより切削ブレード11と保持テーブル10の保持面100aとの相対位置を検出する相対位置検出部322とを有する制御手段32を備えているため、サイズ記憶部320に記憶された正確な保持テーブル10のサイズに基づき、切削ブレード42を適切な位置に移動させてセットアップを遂行することが可能となる。
これにより、作業者がウェーハWのサイズに対応した保持テーブルの交換を忘れたり、交換後の保持テーブルのサイズを切削装置1のコントローラに誤入力したりしたとしても、切削ブレード42で保持テーブル10の保持面100aを切削したり切削ブレード42を金属枠体101の外側にある機構に接触させたりして保持テーブル10や装置自体を破損させてしまう等の不具合発生を低減しうる。
【符号の説明】
【0044】
1:切削装置 2:基台 2a:ベース部 3:カセット 4:搬入出手段
5:仮置き領域 6:第一の搬送手段 7:第二の搬送手段 8:撮像手段
9:洗浄領域
10,10A,10B:保持テーブル 100:保持部 100a:保持面
101:金属枠体 101a:高さ位置検出用上面 11:テーブルベース
12:モータ 13:カバー
14:X方向送り手段 140:ボールネジ 141:モータ
142:ガイドレール 143:移動基台
15:Y方向送り手段 150:ボールネジ 151:モータ
152:ガイドレール 153:立設基台
16:Z方向送り手段 160 ボールネジ 161:モータ
162:ガイドレール 163:支持部 17:テーブル載置部 18:リニアスケール
20:クランプ手段 200:ガイド部 201:フレーム載置部
201a,201b:貫通孔 202:固定部 203:回転駆動部
204:フレーム押さえ部
30:サイズ検出手段 300a:第一光センサ 300b:第二光センサ
31:電圧付与手段 32:制御手段 320:サイズ記憶部 321:ブレード移動部
322:相対位置検出部
40:切削手段 41:スピンドル 42:切削ブレード 43:スピンドルハウジング
図1
図2
図3
図4
図5