(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の移動機構によって前記研磨ヘッドを移動して前記押圧部材の前記基板の側の縁部を前記当接面に当接させることで、前記押圧部材の前記基板の側の縁部と前記研磨テープの前記基板の側の縁部とを揃えることを特徴とする請求項1又は2に記載の研磨装置。
前記押圧部材は、前記研磨テープを吸着した後に、前記研磨テープを吸着した状態で研磨位置に移動して、前記研磨位置にて前記基板の周縁部を研磨することを特徴とする請求項8に記載の研磨方法。
前記押圧部材は、前記研磨テープの前記基板の側の縁部が前記押圧部材の前記基板の側の縁部よりも前記基板の側にずれた位置関係で、前記研磨テープを吸着することを特徴とする請求項11に記載の研磨方法。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの製造における歩留まり向上の観点から、基板の表面状態の管理が近年注目されている。半導体デバイスの製造工程では、種々の材料がシリコンウェハ上に成膜される。このため、基板の周縁部には不要な膜や表面荒れが形成される。近年では、基板の周縁部のみをアームで保持して基板を搬送する方法が一般的になってきている。このような背景のもとでは、周縁部に残存した不要な膜が種々の工程を経ていく間に剥離して基板に形成されたデバイスに付着し、歩留まりを低下させてしまう。そこで、基板の周縁部に形成された不要な膜を除去するために、研磨装置を用いて基板の周縁部が研磨される。
【0003】
この種の研磨装置は、研磨テープの研磨面を基板の周縁部に摺接させることで基板の周縁部を研磨する。ここで、本明細書では、基板の周縁部を、基板の最外周に位置するベベル部と、このベベル部の半径方向内側に位置するトップエッジ部及びボトムエッジ部とを含む領域として定義する。
【0004】
図1(a)及び
図1(b)は、基板Wの周縁部を示す拡大断面図である。より詳しくは、
図1(a)はいわゆるストレート型の基板の断面図であり、
図1(b)はいわゆるラウンド型の基板の断面図である。
図1(a)の基板Wにおいて、ベベル部は、上側傾斜部(上側ベベル部)P、下側傾斜部(下側ベベル部)Q、及び側部(アペックス)Rから構成される基板Wの最外周面(符号Bで示す)である。
図1(b)の基板Wにおいては、ベベル部は、基板Wの最外周面を構成する、湾曲した断面を有する部分(符号Bで示す)である。トップエッジ部は、ベベル部Bよりも半径方向内側に位置する領域であって、かつデバイスが形成される領域Dよりも半径方向外側に位置する平坦部E1である。ボトムエッジ部は、トップエッジ部とは反対側に位置し、ベベル部Bよりも半径方向内側に位置する平坦部E2である。これらトップエッジ部E1及びボトムエッジ部E2は、総称してニアエッジ部と呼ばれることもある。
【0005】
研磨テープを基板の周縁部に押し当てて該周縁部を研磨する従来の研磨装置(例えば、特許文献1)は、基板を保持し、回転させる基板保持部と、基板の周縁部を研磨する少なくとも1つの研磨ユニットとを備えている。この研磨ユニットは、基板の周縁部に対して研磨テープを上から押し当てる押圧部材を有する研磨ヘッドと、研磨ヘッドに研磨テープを供給し、研磨ヘッドから研磨テープを回収するテープ供給回収機構とを備えている。研磨ヘッドは、第1の移動機構によって基板の半径方向に移動可能であり、テープ供給回収機構は、第2の移動機構によって基板の半径方向に移動可能である。テープ供給回収機構は、研磨テープを支持する複数のガイドローラを有し、これらの複数のガイドローラは、研磨テープが基板の接線方向と平行に延び、かつ研磨テープの研磨面が基板の表面と平行となるように配置される。研磨中は、回転する基板の中心部に液体(例えば純水)が供給され、基板は水の存在下で研磨される。基板に供給された液体は、遠心力により基板の上面全体に広がる。
【0006】
研磨テープは、細長い帯状の研磨具である。研磨テープの幅は基本的にはその全長に亘って一定であるが、研磨テープの部分によってはその幅に若干のばらつきがあることがある。よって、研磨テープをテープ供給回収機構によって送り出して新たな研磨面を押圧部材の下に提供するごとに、押圧部材に押し当てられる研磨位置にある研磨テープの縁部の位置が異なるおそれがある。このために、研磨装置は、研磨テープの縁部を押圧部材の縁部に合わせるために、研磨テープの縁部の位置を検出する研磨テープエッジ検出センサを備えている。
【0007】
図2(a)乃至
図2(c)は、研磨テープエッジ検出センサ100を用いて研磨テープ38の縁部を検出する動作を説明する図である。基板Wの研磨に先立って、テープ供給回収機構70に支持される研磨テープ38は、
図2(a)に示す退避位置から、
図2(b)に示すテープエッジ検出位置に移動される。このテープエッジ検出位置において、テープエッジ検出センサ100により、研磨テープ38の基板側の縁部の位置が検出される。テープエッジ検出センサ100は、透過型の光学式センサである。テープエッジ検出センサ100は、投光部100Aと受光部100Bとを有しており、投光部100Aから受光部100Bに光を照射して、受光部100Bによって受光される光の量から研磨テープ38の縁部の位置を検出する。そして、
図2(c)に示すように、研磨テープ38は、その縁部が押圧部材51の縁部と一致するように、第2の移動機構によって研磨位置に移動される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述のように、研磨中には回転する基板Wの中心部に液体が供給され、液体は遠心力により基板Wの上面全体に広がるが、この液体が水滴となって研磨テープ38に付着することがある。よって、研磨テープ38の特にエッジ部分に水滴が付着すると、テープエッジ検出センサ100の投光部100Aから投射された光が水滴で散乱してしまい、受光部100Bに入射すべき光が正確に受光部100Bに入射しなくなってしまう。そうすると、テープエッジ検出センサ100で正確に研磨テープ38のエッジが検出できず、研磨テープ38の位置の精度が低下してしまう。また、このような水滴による精度低下を防止するためには、研磨テープ38に水滴が付着しないようにエアノズル等によって水滴を除去する必要があり、装置の構成が複雑化する。
【0010】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、研磨テープを高精度に位置決め可能な研磨装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の研磨装置は、基板のエッジ部を研磨する少なくとも1つの研磨ユニットと、位置決めユニットとを備え、前記研磨ユニットは、研磨テープを吸着して前記基板の周縁部に対して前記研磨テープを上から押し当てる押圧部材を有する研磨ヘッドと、前記研磨ヘッドに前記研磨テープを供給し、前記研磨ヘッドから前記研磨テープを回収するテープ供給回収機構と、前記研磨ヘッドを前記基板の半径方向に移動させる第1の移動機構と、前記テープ供給回収機構を前記基板の半径方向に移動させる第2の移動機構とを備え、前記位置決めユニットは、当接面を有する位置決めブロックを備え、前記第2の移動機構によって前記テープ供給回収機構を移動して前記研磨テープの前記基板の側の縁部を前記当接面に当接させることで、前記研磨テープの位置決めを行う構成を有している。
【0012】
この構成によれば、研磨テープを押圧部材に吸着させるための研磨テープの位置決めを、研磨テープの基板側の縁部を当接面に当接させるという機械的な方法によって行うので、研磨テープの位置決めに光学センサを用いることなく研磨テープの位置決めを行うことができる。ここで、基板の半径方向とは、研磨テープで基板のエッジ部を研磨する際の研磨箇所における基板の半径方向である。
【0013】
上記の研磨装置において、前記押圧部材は、前記当接面に当接した状態の前記研磨テープを吸着してよい。この構成により、当接面に当接して位置決めされた研磨テープが押圧部材に吸着されるので、研磨テープと押圧部材との位置合わせを高精度で行うことができる。
【0014】
上記の研磨装置において、前記研磨ヘッドを移動して前記押圧部材の前記基板の側の縁部を前記当接面に当接させることで、前記押圧部材の前記基板の側の縁部と前記研磨テープの前記基板の側の縁部とを揃えてよい。この構成により、押圧部材と研磨テープとを基板側の縁部が揃うように位置合わせすることができる。
【0015】
上記の研磨装置において、前記位置決めユニットは、さらに、先端が前記位置合わせブロックの当接面から突出するとともに、前記先端の押し込み量を検出可能な位置センサを備え、前記第1の移動機構によって前記研磨ヘッドを移動して前記押圧部材の前記基板の側の縁部で前記位置センサの前記先端を押し込んで、検出した前記押し込み量に基づいて前記押圧部材の位置決めをしてよい。この構成により、研磨テープに対する押圧部材の基板の半径方向の位置を任意に設定して、研磨テープと押圧部材との位置合わせを行うことができる。
【0016】
上記の研磨装置において、前記位置決めユニットは、さらに位置決めブロックを前記基板の半径方向に移動させる第3の移動機構を備え、前記第3の移動機構によって、前記当接面が前記基板の前記エッジ部の内側の縁部に一致するように、前記位置決めブロックを移動させてよい。この構成により、研磨テープ及び/又は押圧部材の位置決めをすることで、研磨テープ及び/又は押圧部材の基板の半径方向の位置決めも行うことができる。
【0017】
上記の研磨装置において、前記研磨ユニットを前記基板の接線方向に移動させる研磨ユニット移動機構をさらに備えてよい。この構成により、テープ位置合わせ位置で研磨テープ及び/又は押圧部材の基板の半径方向の位置決めをしたのちに、研磨ユニットを研磨位置に移動させることができる。ここで、基板の接線方向とは、研磨テープで基板のエッジ部を研磨する際の研磨箇所における基板の接線方向である。
【0018】
本発明の研磨方法は、基板を回転させ、研磨テープの前記基板の側の縁部を当接面に当接させることで、前記研磨テープを位置決めし、位置決めされた前記研磨テープを押圧部材に吸着させ、前記押圧部材により前記研磨テープを前記基板の周縁部に対して上から押し当てて前記基板の周縁部を研磨する。この構成により、研磨テープを押圧部材に吸着させるための研磨テープの位置決めを当接面に当接させるという機械的な方法によって行うので、研磨テープの位置決めに光学センサを用いることなく研磨テープの位置決めを行うことができる。
【0019】
上記の研磨方法において、前記押圧部材は、前記当接面に当接した状態の前記研磨テープを吸着してよい。この構成により、当接面に当接して位置決めされた研磨テープが押圧部材に吸着されるので、研磨テープと押圧部材との位置合わせを高精度で行うことができる。
【0020】
上記の研磨方法において、前記押圧部材は、前記研磨テープを吸着した後に、前記研磨テープを吸着した状態で研磨位置に移動して、前記研磨位置にて前記基板の周縁部を研磨してよい。この構成により、研磨位置とは異なる位置で研磨テープを押圧部材に吸着させることができる。
【0021】
上記の研磨方法において、前記押圧部材の前記基板の側の縁部を前記当接面に当接させることで、前記押圧部材を位置決めし、前記押圧部材は、前記当接面に当接した状態で前記研磨テープを吸着してよい。この構成により、研磨テープと押圧部材とを同一の当接面に当接させることで位置決めするので、研磨テープと押圧部材の前記基板の側の縁部を揃えることができる。
【0022】
上記の研磨方法において、前記押圧部材の位置を位置センサで検出して、前記位置センサの検出値に基づいて前記押圧部材を位置決めし、前記押圧部材は、前記位置決めされた位置で前記研磨テープを吸着してよい。この構成により、押圧部材が研磨テープを吸着する際の研磨テープと押圧部材との位置関係を任意の位置関係とすることができる。
【0023】
上記の研磨方法において、前記押圧部材は、前記研磨テープの前記基板の側の縁部が前記押圧部材の前記基板の側の縁部よりも前記基板の側にずれた位置関係で、前記研磨テープを吸着してよい。この構成により、研磨テープの出代が確保される。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、研磨テープを押圧部材に吸着させるための研磨テープの位置決めを、研磨テープの基板側の縁部を当接面に当接させるという機械的な方法によって行うので、研磨テープの位置決めに光学センサを用いることなく研磨テープの位置決めを行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態の研磨装置について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明を実施する場合の一例を示すものであって、本発明を以下に説明する具体的構成に限定するものではない。本発明の実施にあたっては、実施の形態に応じた具体的構成が適宜採用されてよい。
【0027】
図3は、本発明の実施の形態の研磨装置を示す平面図であり、
図4は、
図3のF−F線断面図であり、
図5は、
図4の矢印Gで示す方向から見た図である。
【0028】
本実施形態に係る研磨装置は、研磨対象物である基板Wを水平に保持し、回転させる基板保持部3を備えている。
図3及び
図4は、基板保持部3が基板Wを保持している状態を示している。基板保持部3は、基板Wの下面を真空吸引により保持する保持ステージ4と、保持ステージ4の中央部に連結された中空シャフト5と、この中空シャフト5を回転させるモータM1とを備えている。基板Wは、基板Wの中心が中空シャフト5の軸心と一致するように保持ステージ4の上に載置される。保持ステージ4は、隔壁20とベースプレート21によって形成された研磨室22内に配置されている。
【0029】
中空シャフト5は、ボールスプライン軸受(直動軸受)6によって上下動自在に支持されている。保持ステージ4の上面には溝4aが形成されており、この溝4aは、中空シャフト5を通って延びる連通路7に連通している。連通路7は中空シャフト5の下端に取り付けられたロータリジョイント8を介して真空ライン9に接続されている。連通路7は、処理後の基板Wを保持ステージ4から離脱させるための窒素ガス供給ライン10にも接続されている。これらの真空ライン9と窒素ガス供給ライン10を切り替えることによって、基板Wを保持ステージ4の上面に保持し、離脱させる。
【0030】
中空シャフト5は、この中空シャフト5に連結されたプーリーp1と、モータM1の回転軸に取り付けられたプーリーp2と、これらプーリーp1、p2に掛けられたベルトb1を介してモータM1によって回転される。ボールスプライン軸受6は、中空シャフト5がその長手方向へ自由に移動することを許容する軸受である。ボールスプライン軸受6は円筒状のケーシング12に固定されている。従って、中空シャフト5は、ケーシング12に対して上下に直線移動が可能であり、中空シャフト5とケーシング12は一体に回転する。中空シャフト5は、エアシリンダ(昇降機構)15に連結されており、エアシリンダ15によって中空シャフト5及び保持ステージ4が上昇及び降下できるようになっている。
【0031】
ケーシング12と、その外側に同心上に配置された円筒状のケーシング14との間にはラジアル軸受18が介装されており、ケーシング12は軸受18によって回転自在に支持されている。このような構成により、基板保持部3は、基板Wをその中心軸まわりに回転させ、かつ基板Wをその中心軸に沿って上昇降下させることができる。
【0032】
基板保持部3に保持された基板Wの半径方向外側には、基板Wの周縁部を研磨する研磨ユニット25が配置されている。この研磨ユニット25は、研磨室22の内部に配置されている。
図5に示すように、研磨ユニット25の全体は、設置台27の上に固定されている。この設置台27はアームブロック28を介して研磨ユニット移動機構30に連結されている。
【0033】
研磨ユニット移動機構30は、アームブロック28をスライド自在に保持するボールネジ機構31と、このボールネジ機構31を駆動するモータ32と、ボールネジ機構31とモータ32とを連結する動力伝達機構33とを備えている。動力伝達機構33は、プーリー及びベルトなどから構成されている。モータ32を作動させると、ボールネジ機構31がアームブロック28を
図5の矢印で示す方向に動かし、研磨ユニット25全体が基板Wの接線方向に移動する。この研磨ユニット移動機構30は、研磨ユニット25を所定の振幅及び所定の速度で揺動させるオシレーション機構としても機能する。
【0034】
研磨ユニット25は、研磨テープ38を用いて基板Wの周縁部を研磨する研磨ヘッド50と、研磨テープ38を研磨ヘッド50に供給し、かつ研磨ヘッド50から回収する研磨テープ供給回収機構70を備えている。研磨ヘッド50は、研磨テープ38の研磨面を基板Wの周縁部に上から押し当てて基板Wのトップエッジ部を研磨するトップエッジ研磨ヘッドである。
【0035】
図6は研磨ヘッド50及び研磨テープ供給回収機構70の平面図であり、
図7は研磨ヘッド50及び研磨テープ供給回収機構70の正面図であり、
図8は
図7に示すH−H線断面図であり、
図9は
図7に示す研磨テープ供給回収機構70の側面図であり、
図10は
図7に示す研磨ヘッド50を矢印Iで示す方向から見た縦断面図である。
【0036】
設置台27の上には、基板Wの半径方向と平行に延びる2つの直動ガイド40A、40Bが配置されている。研磨ヘッド50と直動ガイド40Aとは、連結ブロック41Aを介して連結されている。さらに、研磨ヘッド50は、該研磨ヘッド50を直動ガイド40Aに沿って(すなわち、基板Wの半径方向に)移動させるモータ42A及びボールネジ43Aに連結されている。より具体的には、ボールネジ43Aは連結ブロック41Aに固定されており、モータ42Aは設置台27に支持部材44Aを介して固定されている。モータ42Aは、ボールネジ43Aのねじ軸を回転させるように構成されており、これにより、連結ブロック41A及びこれに連結された研磨ヘッド50は直動ガイド40Aに沿って移動される。モータ42A、ボールネジ43A、及び直動ガイド40Aは、基板保持部3に保持された基板Wの半径方向に研磨ヘッド50を移動させる第1の移動機構を構成する。
【0037】
同様に、研磨テープ供給回収機構70と直動ガイド40Bとは、連結ブロック41Bを介して連結されている。さらに、研磨テープ供給回収機構70は、該研磨テープ供給回収機構70を直動ガイド40Bに沿って(すなわち、基板Wの半径方向に)移動させるモータ42B及びボールネジ43Bに連結されている。より具体的には、ボールネジ43Bは連結ブロック41Bに固定されており、モータ42Bは設置台27に支持部材44Bを介して固定されている。モータ42Bは、ボールネジ43Bのねじ軸を回転させるように構成されており、これにより、連結ブロック41B及びこれに連結された研磨テープ供給回収機構70は直動ガイド40Bに沿って移動される。モータ42B、ボールネジ43B、及び直動ガイド40Bは、基板保持部3に保持された基板Wの半径方向に研磨テープ供給回収機構70を移動させる第2の移動機構を構成する。
【0038】
図10に示すように、研磨ヘッド50は、研磨テープ38を基板Wに対して押し付ける押圧部材51と、押圧部材51を保持する押圧部材ホルダー52と、この押圧部材ホルダー52(及び押圧部材51)を押し下げるアクチュエータとしてのエアシリンダ53とを備えている。エアシリンダ53は、保持部材55に保持されている。さらに、保持部材55は、鉛直方向に延びる直動ガイド54を介してリフト機構としてのエアシリンダ56に連結されている。図示しない気体供給源から空気などの気体がエアシリンダ56に供給されると、エアシリンダ56は保持部材55を押し上げる。これにより、保持部材55、エアシリンダ53、押圧部材ホルダー52、及び押圧部材51は、直動ガイド54に沿って持ち上げられる。
【0039】
エアシリンダ56は、連結ブロック41Aに固定された据付部材57に固定されている。据付部材57と押圧部材ホルダー52とは、鉛直方向に延びる直動ガイド58を介して連結されている。エアシリンダ53により押圧部材ホルダー52を押し下げると、押圧部材51は直動ガイド58に沿って下方に移動し、研磨テープ38を基板Wの周縁部に対して押し付ける。押圧部材51は、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)のなどの樹脂、ステンレス鋼などの金属、またはSiC(炭化ケイ素)などのセラミックから形成されている。
【0040】
押圧部材51には、鉛直方向に延びる複数の貫通孔51aを有しており、この貫通孔51aには真空ライン60が接続されている。真空ライン60には、図示しない弁が設けられており、弁を開くことにより押圧部材51の貫通孔51a内に真空が形成されるようになっている。押圧部材51が研磨テープ38の上面に接触した状態で貫通孔51aに真空が形成されると、研磨テープ38の上面は押圧部材51の下面に保持される。なお、押圧部材51の貫通孔51aは1つであってもよい。
【0041】
押圧部材ホルダー52、エアシリンダ53、保持部材55、エアシリンダ56、及び据付部材57は、ボックス62内に収容されている。押圧部材ホルダー52の下部はボックス62の底部から突出しており、押圧部材ホルダー52の下部に押圧部材51が取り付けられている。ボックス62内には、押圧部材51の鉛直方向の位置を検出する位置センサ63が配置されている。この位置センサ63は、据付部材57に取り付けられている。押圧部材ホルダー52には、センサターゲットとしてのドグ64が設けられており、位置センサ63はドグ64の鉛直方向の位置から押圧部材51の鉛直方向の位置を検出するようになっている。
【0042】
図11は、位置センサ63及びドグ64を上から見た図である。位置センサ63は、投光部63Aと受光部63Bとを有している。ドグ64が押圧部材ホルダー52(及び押圧部材51)とともに降下すると、投光部63Aから発せられた光の一部がドグ64によって遮られる。従って、受光部63Bによって受光される光の量からドグ64の位置、すなわち押圧部材51の鉛直方向の位置を検出することができる。なお、
図13に示す位置センサ63はいわゆる透過型の光学式センサであるが、他のタイプの位置センサを用いてもよい。
【0043】
研磨テープ供給回収機構70は、研磨テープ38を供給する供給リール71と、研磨テープ38を回収する回収リール72とを備えている。供給リール71及び回収リール72は、それぞれテンションモータ73、74に連結されている。これらテンションモータ73、74は、所定のトルクを供給リール71及び回収リール72に与えることにより、研磨テープ38に所定のテンションをかけることができるようになっている。
【0044】
供給リール71と回収リール72との間には、研磨テープ送り機構76が設けられている。この研磨テープ送り機構76は、研磨テープ38を送るテープ送りローラ77と、研磨テープ38をテープ送りローラ77に対して押し付けるニップローラ78と、テープ送りローラ77を回転させるテープ送りモータ79とを備えている。研磨テープ38はニップローラ78とテープ送りローラ77との間に挟まれている。テープ送りローラ77を
図7の矢印で示す方向に回転させることにより、研磨テープ38は供給リール71から回収リール72に送られる。
【0045】
テンションモータ73、74及びテープ送りモータ79は、基台81に設置されている。この基台81は連結ブロック41Bに固定されている。基台81は、供給リール71及び回収リール72から研磨ヘッド50に向かって延びる2本の支持アーム82、83を有している。支持アーム82、83には、研磨テープ38を支持する複数のガイドローラ84A、84B、84C、84D、84Eが取り付けられている。研磨テープ38はこれらのガイドローラ84A〜84Eにより、研磨ヘッド50を囲むように案内される。
【0046】
研磨テープ38の延びる方向は、上から見たときに、基板Wの半径方向に対して垂直である。研磨ヘッド50の下方に位置する2つのガイドローラ84D、84Eは、研磨テープ38の研磨面が基板Wの表面(上面)と平行となるように研磨テープ38を支持している。さらに、これら2つのガイドローラ84D、84Eの間にある研磨テープ38は、基板Wの接線方向と平行に延びている。研磨テープ38と基板Wとの間には、鉛直方向において隙間が形成されている。
【0047】
研磨装置には、基板保持部3と平行して位置決めユニット90が設けられている。
図12は、研磨ユニット25がテープ位置合わせ位置にあるときの研磨装置の平面図であり、
図13は、
図12のJ−J線断面図であり、
図14は、
図13のK−K線断面図であり、
図15は
図14のL部の拡大図である。
【0048】
位置決めユニット90は、研磨室22内に設置された支柱29に支持される。位置決めユニット90は、位置センサ91と、位置センサ91を保持する位置決めブロック92と、位置決めブロック92を前後方向(基板Wの半径方向)に駆動するボールネジ機構93と、このボールネジ機構93のシャフト931を回転させるモータM2とを備えている。ボールネジ機構93及びモータM2は、支柱29に固定された基台941の上に設けられている。基台941上にはボールネジ機構93及びモータM2を囲うようにサイドプレート942が立設され、サイドプレート942の上にはトッププレート943が被せられている。
【0049】
位置決めブロック92及びそれに保持される位置センサ91は、トッププレート943上に設けられる。位置決めブロック92の下面には複数のレールブロック95が固定されており、トッププレート943の上面には、このレールブロック95を前後方向に案内するレール96が固定されている。位置決めブロック92は、その下面に、トッププレート943を貫通してボールネジ機構93のナット932に固定される接続部921を有し、前方(研磨ユニット25側)には押圧部材51と研磨テープ38との位置合わせを行うための当接面922を有する。この当接面922は、鉛直方向に平行に形成された平面である。位置センサ91は、先端が当接面922から僅かに突出するように、位置決めブロック92に保持される。位置センサ91は、先端の押し込み量を検出して、動作制御部11に出力する。
【0050】
図14に示すように、位置決めブロック92は、当接面922の高さが基板Wの被研磨面(上面)より高くなるように設置される。これは、後述するように、研磨テープ38が基板Wの被研磨面よりも高い位置で位置決めされて、その位置で押圧部材51に吸着され、その状態で基板Wの上方まで移動させられて、押圧部材51が降下することにより基板Wの被研磨面に押圧されるようにするためである。
【0051】
以上のように構成された位置決めユニット90において、モータM2が駆動すると、ボールネジ機構93のシャフト931が回転し、それによってナット932が前進又は後退する。ナット932に接続部921が固定された位置決めブロック92は、ナット932の前進又は後退とともに、前進又は後退する。このとき、位置合わせブロック92は、下面に固定されたレールブロック95がレール96に案内されて、前後方向に移動する。
【0052】
次に、上述のように構成された研磨装置の研磨動作について説明する。以下に説明する研磨装置の動作は、
図3に示す動作制御部11によって制御される。
図16は、研磨装置の動作のフロー図である。動作フローの開始時において、基板Wは、その表面に形成されている膜(例えば、デバイス層)が上を向くように基板保持部3に保持され、研磨ユニット25は
図12に示すテープ位置合わせ位置に移動している。まず、テープ送りローラ77を
図7の矢印で示す方向に回転させることにより、研磨テープ38を供給リール71から回収リール72に送ることで、新たな研磨面を押圧部材51の下方に提供する(ステップS161)。このとき、押圧部材51は、エアシリンダ56(
図10参照)により持ち上げられた状態にあり、押圧部材51は研磨テープ38の上方に位置している。
【0053】
次に、テープ位置合わせを行う(ステップS162)。このテープ位置合わせの動作の詳細は後述するが、テープ位置合わせによって研磨テープ38は押圧部材51に真空吸着される。テープ位置合わせが完了して研磨テープ38が押圧部材51に保持されると、基板Wを保持する基板保持部3は中心周りに回転され、回転する基板Wの中心に、図示しない液体供給機構から液体(例えば、純水)が供給する基板動作が開始される(ステップS163)。
【0054】
研磨ユニット移動機構30は、押圧部材51が研磨テープ38を吸着した研磨ユニット25をテープ位置合わせ位置から研磨位置に移動する(ステップS164)。
図17は、研磨位置にある研磨ユニット25の平面図である。この研磨位置で、押圧部材51は、研磨テープ38を保持したままエアシリンダ53(
図10参照)により降下され、押圧部材51は、研磨テープ38の研磨面を基板Wの周縁部に所定の研磨荷重で押し付けて研磨を開始する(ステップS165)。研磨荷重は、エアシリンダ53に供給する気体の圧力により調整することができる。
【0055】
回転する基板Wと、研磨テープ38との摺接により、基板Wの周縁部が研磨される。基板Wの研磨レートを上げるために、基板Wの研磨中に研磨ユニット移動機構30により研磨テープ38を基板Wの接線方向に沿って揺動させてもよい。研磨中は、回転する基板Wの中心部に液体(例えば純水)が供給され、基板Wは水の存在下で研磨される。基板Wに供給された液体は、遠心力により基板Wの上面全体に広がり、これにより基板Wに形成されたデバイスに研磨屑が付着してしまうことが防止される。上述したように、研磨中は、研磨テープ38は、真空吸引により押圧部材51に保持されているので、研磨テープ38と押圧部材51との位置がずれることが防止される。従って、研磨位置及び研磨形状を安定させることができる。さらに、研磨荷重を大きくしても、研磨テープ38と押圧部材51との位置がずれることがないため、研磨時間を短縮することができる。
【0056】
研磨テープ38は上から押圧部材51により押されるので、基板Wのトップエッジ部(
図1(a)及び
図1(b)参照)を研磨することができる。
図18は、研磨テープ38により研磨されている基板Wの周縁部を示す拡大図である。
図18に示すように、研磨テープ38の縁部と押圧部材51の縁部とが一致した状態で、研磨テープ38の縁部を含む平坦部が、基板Wの周縁部に押し当てられる。研磨テープ38の縁部は直角な角部であり、この直角な縁部が押圧部材51の縁部により基板Wの周縁部に上から押圧される。従って、
図19に示すように、研磨された基板Wの断面形状を直角とすることができる。すなわち、基板Wの表面に対して垂直なデバイス層の端面を形成することができる。
【0057】
基板Wの研磨中の押圧部材51の鉛直方向の位置は、位置センサ63により検出される。動作制御部11は、この位置センサ63の検出結果に基づいて、押圧部材51の鉛直方向の位置から研磨終点を検出して、研磨を終了する(ステップS166)。動作制御部11は、例えば、押圧部材51の鉛直方向の位置が所定の目標位置に達したときに、基板Wの周縁部の研磨を終了することができる。この所定の目標位置は、目標とする研磨量に従って決定される。
【0058】
基板Wの研磨が終了すると、エアシリンダ53への気体の供給が停止され、これにより押圧部材51が上昇し、研磨テープ38の真空吸引が停止される。さらに、押圧部材51のみがエアシリンダ56により上昇されて、押圧部材51と研磨テープ38とが離間される(ステップS167)。そして、研磨ユニット25は、
図12に示すテープ位置合わせ位置に移動される(ステップS168)。研磨された基板Wは、基板保持部3によって上昇され、図示しない搬送機構のハンドによって研磨室22の外に搬出され、新たな基板Wが基板保持部3に供給される(ステップS169)。
【0059】
次に、ステップS162のテープ位置合わせの動作について説明する。このテープ位置合わせの動作も、
図3に示す動作制御部11によって制御される。
図20(a−1)〜(e−1)は、それぞれ位置決めブロック92と、押圧部材51と、研磨テープ38との位置関係を示す側面図であり、
図20(a−2)〜(e−2)は、それぞれ基板Wと、位置決めブロック92と、押圧部材51と、研磨テープ38との位置関係を示す平面図であり、
図21は、テープ位置合わせ動作のフロー図である。
図20及び
図21の例は、押圧部材51の基板側の縁部と研磨テープ38の基板側の縁部とが完全に一致するように押圧部材51と研磨テープ38との位置合わせを行う場合を示している。テープ位置合わせは、
図12に示すように、研磨ユニット25がテープ位置合わせ位置にあるときに行われる。
【0060】
図20(a−1)、(a−2)に示すように、最初は、位置決めブロック92は退避位置にあり、押圧部材51と研磨テープ38とは位置合わせが行われておらず、互いに任意の位置関係にある。次に、
図20(b−1)、(b−2)に示すように、位置決めブロック92が研磨ヘッド50側に前進する(ステップS211)。このとき、位置決めブロック92は、
図20(b−2)に示すように、当接面922が基板Wのエッジ部の内側の縁部(デバイス層の外縁)に一致する位置まで前進する。次に、
図20(c−1)、(c−2)に示すように、押圧部材51及び研磨テープ38をそれぞれ、いずれも位置決めブロック92の当接面922に当接するまで、位置決めブロック92に向けて移動させる(ステップS212)。押圧部材51及び研磨テープ38がいずれも当接面922に当接することで、押圧部材51及び研磨テープ38の基板側の縁部が揃い、かつ、これらの縁部は基板Wのエッジ部の内側の縁部と一致する。
【0061】
なお、押圧部材51が位置決めブロック92の当接面922に当接したことは、押圧部材51の移動が止まったことによって判断してもよいし、位置センサ91にて押圧部材51の位置を検出することで判断してもよい。後者の場合には、押圧部材51が位置センサ91の先端を当接面922側に押し込むと、位置センサ91はその押し込み量を検出して検出値を動作制御部11に送る。動作制御部11は、位置センサ91の当接面922からの初期の突出量をLとすると、押圧部材51による位置センサ91の先端の押し込み量がLとなるまで押圧部材51を当接面922に近づけて押圧部材51を停止させる。
【0062】
このように押圧部材51及び研磨テープ38の基板側の縁部が揃った状態で、
図20(d−1)に示すように、押圧部材51を降下させて(ステップS213)、研磨テープ38と接触させ、この状態で研磨テープ38を押圧部材51に真空吸着させる(ステップS214)。真空吸着が完了して、押圧部材51と研磨テープ38との基板側の縁部が一致した状態で研磨テープ38が押圧部材51に保持されると、
図20(e−1)、(e−2)に示すように、位置決めブロック92は後退して最初の退避位置に戻る(ステップS215)。
【0063】
以上のように、本実施の形態の位置決めユニット90によれば、押圧部材51と研磨テープ38は、それぞれ位置決めブロック92の当接面922に当接されることで位置決めされ、研磨の際に基板Wの内側になる縁部を揃えることができる。即ち、押圧部材51と研磨テープ38との位置合わせは、光学センサを用いた位置の検出によることなく、押圧部材51と研磨テープ38の位置が物理的に揃えられるので、水滴による光の散乱等によって位置合わせの精度が低下することがない。また、そのような精度低下の要因となる水滴を除去するためのエアノズルを用意する必要もない。
【0064】
また、この押圧部材51と研磨テープ38との位置決めにおいて、研磨テープ38を吸着保持した押圧部材51と基板Wとの基板半径方向の位置決めも行われる。よって、上記の位置決めが完了すると、研磨ユニット25は、押圧部材51が基板Wのエッジ部の上部に位置する研磨位置まで平行移動する。
【0065】
上記の例では、押圧部材51及び研磨テープ38の基板側の縁部が一致するように互いの位置合わせを行ったが、位置決めユニット90は、研磨テープ38の縁部が押圧部材51の縁部よりもわずかに基板側にある位置関係で位置合わせをすることも可能である。以下、このように押圧部材51の縁部よりも基板側に出た研磨テープ38の縁部をテープ出代という。
【0066】
図22(a−1)〜(e−1)は、テープ出代を設ける位置合わせを行う場合の位置決めブロック92と、押圧部材51と、研磨テープ38との位置関係を示す側面図であり、
図22(a−2)〜(e−2)は、基板Wと、位置決めブロック92と、押圧部材51と、研磨テープ38との位置関係を示す平面図である。
図22(a−1)、(a−2)に示すように、押圧部材51と研磨テープ38が互いに任意の位置関係にあるときに、
図22(b−1)、(b−2)に示すように、位置決めブロック92が研磨ヘッド50側に前進するところまでは
図20の例と同じである。次に、
図22(c−1)、(c−2)に示すように、押圧部材51及び研磨テープ38をそれぞれ、いずれも位置決めブロック92の当接面922に向けて移動する。
【0067】
ここで、本例の場合は、研磨テープ38については、当接面922に当接するまで移動させるが、押圧部材51は、位置センサ91によって押圧部材51の基板側の縁部が当接面922との間に出代に相当する間隔をあけた位置に至るまで移動させる。具体的には、押圧部材51が位置センサ91の先端を当接面922側に押し込むと、位置センサ91はその押し込み量を検出して検出値を動作制御部11に送る。動作制御部11は、位置センサ91の当接面922からの初期の突出量をLとし、目標とする研磨テープ38の出代をaとすると、押圧部材51による位置センサ91の先端の押し込み量がL−aとなるまで押圧部材51を当接面922に近づけて押圧部材51を停止させる。
図22(c−1)、(c−2)はこのようにして押圧部材51が所望の量だけ移動し、研磨テープ38が当接面922に当接するまで移動した状態を示している。
【0068】
次に、
図22(d−1)に示すように、押圧部材51が研磨テープ38に向けて降下し、押圧部材51が出代を残したまま研磨テープ38を真空吸着する。研磨テープ38が押圧部材51に保持されると、
図22(e−1)、(e−2)に示すように、位置決めブロック92が後退する。以上のように、この例では、研磨テープ38は、位置決めブロック92の当接面922に当接させることにより機械的に位置決めがなされるとともに、押圧部材51については、そのように研磨テープ38による機械的な位置決めの基準とされた当接面922から突出した位置センサ91を機械的に押し込んだ量によって、当接面922からの距離が制御されるので、光学センサを用いることなく、所望の出代を確保して押圧部材51と研磨テープ38との位置決めをすることができる。
【0069】
この研磨テープ38の出代は、研磨プロファイルに影響するパラメータである。この出代を0にすれば、
図20のように押圧部材51と研磨テープ38との基板側の縁部が一致し、
図19に示すように、研磨された基板Wの断面形状を直角とすることができるが、基板Wの種類によっては、装置の振動などにより割れたり、欠けたりするおそれがある。そこで、この出代を基板Wの種類に応じて適切に設定することにより、基板Wの割れや欠けの可能性を低減できる。また、必要に応じて、研磨された基板Wの断面形状をR形状にすることが可能となる。
【0070】
図3乃至
図5に示すように、隔壁20は、基板Wを研磨室22に搬入及び搬出するための搬送口20aを備えている。搬送口20aは、水平に延びる切り欠きとして形成されている。この搬送口20aは、シャッター23により閉じることが可能となっている。
図23に示すように、研磨される基板Wは、シャッター23が開かれた状態で、搬送機構のハンド105により搬送口20aから研磨室22内に搬入される。
図24に示すように、基板Wが研磨ユニット25にぶつからないように、研磨ユニット25は上述した研磨ユニット移動機構30により退避位置まで移動される。
【0071】
基板Wが研磨室22内に搬入されると、
図25に示すように、エアシリンダ15が作動して保持ステージ4が上昇し、基板Wは保持ステージ4の上面に保持される。その後、保持ステージ4は、基板Wとともに所定の研磨位置まで降下する。
図4は基板Wが研磨位置にあることを示している。そして、研磨ユニット25は、
図24に示す退避位置から
図5に示す基板研磨位置にまで移動し、上述したように基板Wを研磨する。基板Wの研磨中は、搬送口20aはシャッター23により閉じられる。
【0072】
基板Wの研磨が終了すると、研磨ユニット25は、上述した研磨ユニット移動機構30により
図24に示す退避位置まで再び移動される。その後、ハンド105が研磨室22内に進入する。さらに、保持ステージ4は基板Wとともに、
図25に示す基板搬送位置まで再び上昇する。ハンド105は基板Wを把持し、
図26に示すように基板Wを研磨室22から搬出する。このように、ハンド105に把持された基板Wは、水平な状態を保ちながら、搬送口20aを通って研磨室22内を横切ることが可能となっている。
【0073】
図27は、上述のように構成された研磨ユニットを複数備えた研磨装置を示す平面図である。この研磨装置では、研磨室22内に第1の研磨ユニット25A及び第2の研磨ユニット25B並びに第1の位置決めユニット90A及び第2の位置決めユニット90Bが設けられている。これら2つの研磨ユニット25A、25Bの配置は、基板保持部3に保持された基板Wに関して対称であり、2つの位置決めユニット90A、90Bも基板Wに関して対称である。第1の研磨ユニット25Aは第1の研磨ユニット移動機構(図示せず)により移動可能となっており、第2の研磨ユニット25Bは第2の研磨ユニット移動機構(図示せず)により移動可能となっている。これら第1及び第2の研磨ユニット移動機構は、上述の研磨ユニット移動機構30と同様の構成を有している。
【0074】
第1の研磨ユニット25Aと第2の研磨ユニット25Bでは、異なるタイプの研磨テープを使用することができる。例えば、第1の研磨ユニット25Aで基板Wの粗研磨を行い、第2の研磨ユニット25Bで基板Wの仕上げ研磨をすることができる。また、第1の位置決めユニット90Aは、研磨ユニット25Aにおける押圧部材51と研磨テープ38との位置合わせを行い、第2の位置決めユニット90Bは、研磨ユニット25Bにおける押圧部材51と研磨テープ38との位置合わせを行う。これら第1及び第2の位置決めユニット90A、90Bは、上述の位置決めユニット90と同様の構成を有している。
【0075】
図28は、研磨モジュールを含む複数の基板処理モジュールを備えた基板処理装置を示す上面図である。
図28に示すように、基板処理装置は、基板Wを基板処理装置に投入する2つのロードポート240、ロードポート240上のウエハカセット(図示せず)から基板Wを取り出す第1の搬送ロボット245、基板Wのノッチ位置を検出するとともに、基板Wのノッチ部が所定の位置になるように基板Wを回転させるノッチアライナ248、ノッチアライナ248を移動させるノッチアライナ移動機構250、基板Wのノッチ部を研磨するノッチ研磨モジュール(第1の研磨モジュール)255、ノッチアライナ248からノッチ研磨モジュール255へ基板Wを搬送する第2の搬送ロボット257、基板Wのトップエッジ部を研磨するトップエッジ研磨モジュール(第2の研磨モジュール)256、研磨された基板Wを洗浄する洗浄モジュール260、洗浄された基板Wを乾燥させる乾燥モジュール265、ノッチ研磨モジュール255からトップエッジ研磨モジュール256、洗浄モジュール260、乾燥モジュール265の順に基板Wを搬送する搬送機構270を備えている。
【0076】
ノッチ研磨モジュール255としては、例えば特開2009−154285号公報に開示されているような公知のノッチ研磨装置を使用することができる。トップエッジ研磨モジュール256としては、上述した
図5または
図26に示す研磨装置を使用することができる。洗浄モジュール260としては、回転する基板Wに液体を供給しながら、回転するロールスポンジを基板Wの上面及び下面に接触させるロールスポンジ型の洗浄機を用いることができる。乾燥モジュール265としては、基板Wを高速で回転させるスピン乾燥機を用いることができる。
【0077】
ノッチ研磨モジュール255、トップエッジ研磨モジュール256、洗浄モジュール260、乾燥モジュール265(以下適宜、総称して基板処理モジュールという)は一列に配列され、搬送機構270はこれら基板処理モジュールの配列方向に沿って配置されている。搬送機構270は、ハンドユニット270A、ハンドユニット270B、及びハンドユニット270Cを有している。各ハンドユニットは、基板Wを保持する1組のハンド271を有しており、隣り合う基板処理モジュール間で基板Wを搬送する。すなわち、ハンドユニット270Aはノッチ研磨モジュール255から基板Wを取り出してトップエッジ研磨モジュール256へ搬送し、ハンドユニット270Bはトップエッジ研磨モジュール256から基板Wを取り出して洗浄モジュール260へ搬送する。そしてハンドユニット270Cは洗浄モジュール260から基板Wを取り出して乾燥モジュール265へ搬送する。
【0078】
ハンドユニット270A、ハンドユニット270B、ハンドユニット270Cは、基板処理モジュールの配列方向に沿って直線的に移動可能に構成されている。ハンドユニット270A、ハンドユニット270B、ハンドユニット270Cは同時に基板Wを処理モジュールから取り出し、同時に移動し、隣接する基板処理モジュールに同時に基板Wを搬入する。
【0079】
次に基板Wの処理の全体の流れを説明する。第1の搬送ロボット245が基板Wをウエハカセットから取り出し、基板Wをノッチアライナ248に載置する。ノッチアライナ248は基板Wとともにノッチアライナ移動機構250により、第2の搬送ロボット257の近傍位置まで移動する。この時、ノッチアライナ248は基板Wのノッチ位置を検出し、ノッチ部が所定の位置になるように基板Wを回転させておく。
【0080】
そして、第2の搬送ロボット257がノッチアライナ248から基板Wを受け取り、ノッチ研磨モジュール255に搬入する。基板Wのノッチ部は、ノッチ研磨モジュール255によって研磨される。研磨された基板Wは前述のように搬送機構270の3つのハンドユニット270A、270B、270Cにより順次、トップエッジ研磨モジュール256、洗浄モジュール260、乾燥モジュール265の順に搬送され、それぞれの基板処理モジュールで処理される。処理された基板Wは第1の搬送ロボット245によりロードポート240上のウエハカセットに収容される。
【0081】
ノッチ研磨モジュール255及びトップエッジ研磨モジュール256は、着脱可能に基板処理装置に設置されている。従って、ノッチ研磨モジュール255及び/またはトップエッジ研磨モジュール256を取り出して、別のタイプの研磨モジュールを基板処理装置に組み込むことも可能である。例えば、第1の研磨モジュールとして、基板Wのトップエッジ部を研磨することができる上記実施形態に係る研磨装置を使用し、第2の研磨モジュールとして、基板Wのベベル部を研磨することができる公知のベベル研磨装置を使用することができる。
【0082】
なお、上記の実施の形態では、押圧部材51も位置決めユニット90を用いて位置決めされたが、研磨テープ38のみが位置決めユニット90を用いて位置決めされ、押圧部材51を含む研磨ヘッド50は別の方法によって位置決めされてよい。また、上記の実施の形態では、位置決めユニット90が基板Wの横にあり、研磨ユニット25は、テープ位置合わせ位置で押圧部材51と研磨テープ38との位置合わせが行われた後に、水平方向(接線方向)に移動することにより研磨位置に移動したが、位置決めユニット90は、基板Wの鉛直上方又は下方に配置され、押圧部材51と研磨テープ38との位置合わせの後に研磨ユニット25を研磨位置まで鉛直方向に移動させてもよい。
【0083】
上述した実施形態は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を実施できることを目的として記載されたものである。上記実施形態の種々の変形例は、当業者であれば当然になしうることであり、本発明の技術的思想は他の実施形態にも適用しうることである。従って、本発明は、記載された実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲によって定義される技術的思想に従った最も広い範囲に解釈されるものである。