(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
処理液を貯留するタンクと、前記タンクから送られる処理液を前記タンクへ戻す循環ラインと、分岐ラインを介して前記循環ラインに接続され、前記循環ラインから前記分岐ラインを介して供給される処理液を用いて基板を処理する処理部と、前記循環ラインに設けられ、前記循環ラインを流れる処理液から異物を除去するフィルタとを備える液処理装置における処理液交換方法であって、
前記タンクに貯留された処理液を前記タンクから排出する排出工程と、
前記排出工程後、前記タンクに処理液を貯留する貯留工程と、
前記循環ラインにおける前記フィルタの上流側および下流側をそれぞれ遮断した後、前記循環ラインの遮断された区間に洗浄液を供給して前記フィルタを洗浄するフィルタ洗浄工程と、
前記フィルタ洗浄工程後、前記遮断された区間に処理液を供給して残存する洗浄液を処理液に置換する置換工程と
を含み、
前記貯留工程は、
前記フィルタ洗浄工程と並行して行われるとともに、前記フィルタ洗浄工程後、前記置換工程と並行して行われ、
前記フィルタ洗浄工程は、
前記貯留工程において、前記タンクに対して処理液を予め決められた最大液位よりも低い所定の液位まで貯留した場合に、前記遮断された区間への洗浄液の供給を停止し、
前記置換工程は、
前記遮断された区間への洗浄液の供給を停止した後、前記遮断された区間における前記フィルタの上流側を開放することによって、前記タンクに貯留された処理液を前記循環ラインに供給して残存する洗浄液を処理液に置換すること
を特徴とする処理液交換方法。
処理液を貯留するタンクと、前記タンクから送られる処理液を前記タンクへ戻す循環ラインと、分岐ラインを介して前記循環ラインに接続され、前記循環ラインから前記分岐ラインを介して供給される処理液を用いて基板を処理する処理部と、前記循環ラインに設けられ、前記循環ラインを流れる処理液から異物を除去するフィルタとを備える液処理装置であって、
前記循環ラインにおける前記フィルタの上流側に設けられる第1バルブと、
前記循環ラインにおける前記フィルタの下流側に設けられる第2バルブと、
前記タンクに貯留された処理液を前記タンクから排出する排出処理と、前記排出処理後、前記タンクに処理液を貯留する貯留処理と、前記第1バルブおよび前記第2バルブを閉じることによって前記循環ラインにおける前記フィルタの上流側および下流側をそれぞれ遮断した後、前記循環ラインの遮断された区間に洗浄液を供給して前記フィルタを洗浄するフィルタ洗浄処理と、前記フィルタ洗浄処理後、前記遮断された区間に処理液を供給して残存する洗浄液を処理液に置換する置換処理とを実行する制御部と
を備え、
前記貯留処理は、
前記フィルタ洗浄処理と並行して行われるとともに、前記フィルタ洗浄処理後、前記置換処理と並行して行われ、
前記フィルタ洗浄処理は、
前記貯留処理において、前記タンクに対して処理液を予め決められた最大液位よりも低い所定の液位まで貯留した場合に、前記遮断された区間への洗浄液の供給を停止し、
前記置換処理は、
前記遮断された区間への洗浄液の供給を停止した後、前記遮断された区間における前記フィルタの上流側を開放することによって、前記タンクに貯留された処理液を前記循環ラインに供給して残存する洗浄液を処理液に置換すること
を特徴とする液処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して、本願の開示する処理液交換方法および液処理装置の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0014】
図1は、本実施形態に係る液処理装置の概略構成を示す図である。以下では、位置関係を明確にするために、互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸を規定し、Z軸正方向を鉛直上向き方向とする。
【0015】
図1に示すように、液処理装置1は、搬入出ステーション2と、処理ステーション3とを備える。搬入出ステーション2と処理ステーション3とは隣接して設けられる。
【0016】
搬入出ステーション2は、キャリア載置部11と、搬送部12とを備える。キャリア載置部11には、複数枚の基板、本実施形態では半導体ウェハ(以下ウェハW)を水平状態で収容する複数のキャリアCが載置される。
【0017】
搬送部12は、キャリア載置部11に隣接して設けられ、内部に基板搬送装置13と、受渡部14とを備える。基板搬送装置13は、ウェハWを保持するウェハ保持機構を備える。また、基板搬送装置13は、水平方向および鉛直方向への移動ならびに鉛直軸を中心とする旋回が可能であり、ウェハ保持機構を用いてキャリアCと受渡部14との間でウェハWの搬送を行う。
【0018】
処理ステーション3は、搬送部12に隣接して設けられる。処理ステーション3は、搬送部15と、複数の処理ユニット16とを備える。複数の処理ユニット16は、搬送部15の両側に並べて設けられる。
【0019】
搬送部15は、内部に基板搬送装置17を備える。基板搬送装置17は、ウェハWを保持するウェハ保持機構を備える。また、基板搬送装置17は、水平方向および鉛直方向への移動ならびに鉛直軸を中心とする旋回が可能であり、ウェハ保持機構を用いて受渡部14と処理ユニット16との間でウェハWの搬送を行う。
【0020】
処理ユニット16は、基板搬送装置17によって搬送されるウェハWに対して処理液を用いた液処理を行う。
【0021】
また、液処理装置1は、制御装置4を備える。制御装置4は、たとえばコンピュータであり、制御部18と記憶部19とを備える。記憶部19には、液処理装置1において実行される各種の処理を制御するプログラムが格納される。制御部18は、記憶部19に記憶されたプログラムを読み出して実行することによって液処理装置1の動作を制御する。
【0022】
なお、かかるプログラムは、コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体に記録されていたものであって、その記憶媒体から制御装置4の記憶部19にインストールされたものであってもよい。コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体としては、たとえばハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD)、マグネットオプティカルディスク(MO)、メモリカードなどがある。
【0023】
上記のように構成された液処理装置1では、まず、搬入出ステーション2の基板搬送装置13が、キャリア載置部11に載置されたキャリアCからウェハWを取り出し、取り出したウェハWを受渡部14に載置する。受渡部14に載置されたウェハWは、処理ステーション3の基板搬送装置17によって受渡部14から取り出されて、処理ユニット16へ搬入される。
【0024】
処理ユニット16へ搬入されたウェハWは、処理ユニット16によって処理液による液処理が施された後、基板搬送装置17によって処理ユニット16から搬出されて、受渡部14に載置される。そして、受渡部14に載置された処理済のウェハWは、基板搬送装置13によってキャリア載置部11のキャリアCへ戻される。
【0025】
液処理装置1は、処理ユニット16に対して処理液を供給する処理流体供給源をさらに備える。かかる処理流体供給源の構成について
図2を参照して説明する。
図2は、処理流体供給源の構成を示す図である。
【0026】
図2に示すように、液処理装置は、基板に対して液処理を行う複数の処理ユニット(液処理ユニット)16と、処理ユニット16に処理液を供給する処理流体供給源70を有している。
【0027】
処理流体供給源70は、処理液を貯留するタンク102と、タンク102から出てタンク102に戻る循環ライン104とを有している。循環ライン104にはポンプ106が設けられている。ポンプ106は、タンク102から出て循環ライン104を通りタンク102に戻る循環流を形成する。ポンプ106の下流側において循環ライン104には、処理液に含まれるパーティクル等の汚染物質を除去するフィルタ108が設けられている。必要に応じて、循環ライン104に補機類(例えばヒータ等)をさらに設けてもよい。
【0028】
循環ライン104に設定された接続領域110に、1つまたは複数の分岐ライン112が接続されている。各分岐ライン112は、循環ライン104を流れる処理液を対応する処理ユニット16に供給する。各分岐ライン112には、必要に応じて、流量制御弁等の流量調整機構、フィルタ等を設けることができる。
【0029】
液処理装置は、タンク102に、処理液または処理液構成成分を補充するタンク液補充部116を有している。タンク102には、タンク102内の処理液を廃棄するためのドレン部118が設けられている。
【0030】
つづいて、処理流体供給源70の具体的な構成について
図3を参照して説明する。
図3は、処理流体供給源70の具体的な構成の一例を示す図である。
【0031】
なお、本実施形態では、処理液として有機系の薬液が用いられるものとするが、処理液は、たとえばSC1(アンモニア、過酸化水素および水の混合液)、SC2(塩酸、過酸化水素および水の混合液)、フッ酸等であってもよい。
【0032】
図3に示すように、循環ライン104には、フィルタ108の下流側にヒータ109が設けられる。ヒータ109は、循環ライン104を流れる処理液を加熱する。
【0033】
また、循環ライン104には、フィルタ108の上流側かつポンプ106の下流側に第1バルブ301が配置され、フィルタ108の下流側かつヒータ109の上流側に第2バルブ302が配置される。
【0034】
本実施形態に係る液処理装置1では、これら第1バルブ301および第2バルブ302を閉じることにより、フィルタ108を含む第1バルブ301から第2バルブ302までの区間を遮断することができる。
【0035】
また、第1バルブ301から第2バルブ302までの区間のうち、フィルタ108の上流側には第1ドレンライン201が設けられ、下流側には第2ドレンライン202が設けられる。第1ドレンライン201には第3バルブ303が設けられ、第2ドレンライン202には第4バルブ304が設けられる。
【0036】
また、第1ドレンライン201の第3バルブ303よりも上流側の中途部には、洗浄液としてのDIWを循環ライン104へ供給するための第1供給ライン203が設けられる。第1供給ライン203には、第5バルブ305が設けられる。
【0037】
洗浄液としてのDIWは、たとえば常温(20℃程度)の純水である。なお、洗浄力を高めるために、所定の温度に加熱したDIWを用いてもよい。また、DIWに限らず、たとえばSC1などの他の液体を洗浄液として用いてもよい。
【0038】
また、フィルタ108には、エア抜き用のベントライン204の一端が接続される。ベントライン204の他端は、タンク102に接続される。
【0039】
ベントライン204には、第6バルブ306と第3ドレンライン205とが設けられる。第3ドレンライン205は、第6バルブ306よりも下流側に設けられる。第3ドレンライン205には、第7バルブ307が設けられる。
【0040】
また、フィルタ108には、第4ドレンライン206と、第5ドレンライン207とが設けられる。第4ドレンライン206は、フィルタ108の一次側に接続され、第5ドレンライン207は、フィルタ108の二次側に接続される。第4ドレンライン206には、第8バルブ308が設けられ、第5ドレンライン207には、第9バルブ309が設けられる。
【0041】
また、循環ライン104には、ヒータ109の下流側に、排液用気体としてのN2を循環ライン104へ供給するための第2供給ライン208が設けられる。第2供給ライン208には、第10バルブ310が設けられる。
【0042】
また、処理流体供給源70は、回収ライン113を備える。回収ライン113は、各処理ユニット16に一端が接続されるとともに、他端がタンク102に接続される。各処理ユニット16において使用された処理液は、かかる回収ライン113を通ってタンク102に回収される。
【0043】
また、タンク液補充部116からタンク102への供給ラインには、第11バルブ311が設けられ、ドレン部118には、第12バルブ312が設けられる。
【0044】
また、処理流体供給源70は、タンク102に貯留された処理液の液位を検知するための第1センサLL、第2センサLJおよび第3センサHを備える。
【0045】
第1センサLLは、タンク102内の処理液が空になったことを検知するためのセンサであり、タンク102の底部近傍に配置される。また、第3センサHは、処理液がタンク102に対して予め決められた最大液位まで貯留されたことを検知するためのセンサであり、タンク102の頂部近傍に配置される。また、第2センサLJは、処理液がタンク102の最大液位よりも低い所定の液位まで貯留されたことを検知するためのセンサであり、第1センサLLと第3センサHとの間に配置される。
【0046】
上記のように構成された液処理装置1では、たとえば処理液が劣化した場合、あるいは、使用する処理液の種類を変更する場合に、タンク102に貯留された処理液を新しい処理液に交換する処理液交換処理が行われる。ここで、本実施形態に係る液処理装置1において実行される処理液の交換処理の手順について説明する。
【0047】
まず、本実施形態に係る液処理装置1が実行する処理液交換処理の概要について
図4を参照して説明する。
図4は、本実施形態に係る液処理装置1が実行する処理液交換処理の概要を示す図である。
【0048】
図4に示すように、液処理装置1は、処理液交換処理として、排出処理(S01)、貯留処理(S02)、フィルタ洗浄処理(S03)、置換処理(S04)および循環処理(S05)を行う。
【0049】
排出処理(S01)は、タンク102に貯留された処理液をドレン部118経由でタンク102から排出する処理である。貯留処理(S02)は、排出処理後、タンク102に処理液を貯留する処理である。フィルタ洗浄処理(S03)は、循環ライン104に洗浄液としてのDIWを供給してフィルタ108を洗浄する処理である。置換処理(S04)は、フィルタ洗浄処理後、循環ライン104等に残存する洗浄液を処理液に置換する処理である。循環処理(S05)は、置換処理後、タンク102内の処理液を循環ライン104に循環させる処理である。
【0050】
本実施形態に係る液処理装置1は、フィルタ洗浄処理(S03)、置換処理(S04)および循環処理(S05)を貯留処理(S02)と並行して実施することにより、処理液の交換に要する時間を短縮することとしている。かかる処理液交換処理の具体的な手順について
図5〜
図12を参照して説明する。
図5〜
図12は、処理液交換処理の手順を示す図である。
【0051】
ここで、
図5〜
図12のうち、
図5および
図6には、排出処理(S01)の処理手順を、
図7には、貯留処理(S02)およびフィルタ洗浄処理(S03)の処理手順を、
図8および
図9には、貯留処理(S02)および置換処理(S04)の処理手順を、
図10〜
図12には、貯留処理(S02)および循環処理(S05)の処理手順をそれぞれ示している。
【0052】
また、液処理装置1は、制御部18の制御に従って
図5〜
図12に示す各処理手順を実行する。制御部18は、たとえばCPU(Central Processing Unit)であり、記憶部19に記憶された図示しないプログラムを読み出して実行することによって液処理装置1の動作を制御する。なお、制御部18は、プログラムを用いずにハードウェアのみで構成されてもよい。
【0053】
なお、処理液交換処理の実行前において、ポンプ106およびヒータ109は、停止した状態であるものとする。また、処理液交換処理の実行前において、第1バルブ301、第2バルブ302および第6バルブ306は開状態であり、その他のバルブ、具体的には、第3バルブ303〜第5バルブ305および第7バルブ307〜第12バルブ312は閉状態であるものとする。
【0054】
図5に示すように、制御部18は、第12バルブ312を開くことにより、タンク102に貯留された処理液をドレン部118経由で外部へ排出する。
【0055】
また、制御部18は、上記の処理と並行して、第3バルブ303、第4バルブ304および第10バルブ310を開くことにより、循環ライン104に排出用気体としてのN2を供給する。循環ライン104に供給されたN2は、主に、第1ドレンライン201および第2ドレンライン202を経由して外部へ排出される。これにより、主にヒータ109およびフィルタ108間並びにその周辺に残存する処理液を外部へ排出することができる。
【0056】
つづいて、制御部18は、第1センサLLからの信号に基づき、タンク102内の処理液がすべて排出されたと判定すると、
図6に示すように、第10バルブ310を閉じることにより、循環ライン104へのN2の供給を停止する。そして、制御部18は、第2バルブ302を閉じた後、ポンプ106を作動させる。これにより、主にタンク102および第2バルブ302間に残存する処理液が、第1ドレンライン201および第2ドレンライン202を経由して外部に排出される。
【0057】
その後、制御部18は、ポンプ106を停止した後、所定時間待機することにより、循環ライン104内に残存する処理液を自重で外部へ排出させる。
【0058】
つづいて、制御部18は、貯留処理(S02)およびフィルタ洗浄処理(S03)を開始する。
【0059】
まず、貯留処理(S02)の手順について説明する。
図7に示すように、制御部18は、第1バルブ301を閉じる。これにより、第1バルブ301および第2バルブ302間の循環ライン104が他の区間の循環ライン104から遮断される。また、制御部18は、第3バルブ303、第6バルブ306および第12バルブ312を閉じ、第7バルブ307を開く。
【0060】
そして、制御部18は、第11バルブ311を開くことにより、タンク102への処理液の貯留を開始する。
【0061】
つづいて、フィルタ洗浄処理(S03)の手順について説明する。制御部18は、第5バルブ305を開くことにより、循環ライン104の遮断された区間、すなわち、第1バルブ301および第2バルブ302間の循環ライン104に洗浄液としてのDIWを供給する。なお、DIWは、第1供給ライン203および第1ドレンライン201を介して循環ライン104へ供給される。
【0062】
循環ライン104の遮断された区間には、フィルタ108が含まれる。このため、フィルタ108は、循環ライン104の遮断された区間に供給されるDIWによって洗浄される。また、循環ライン104の遮断された区間に供給されたDIWは、第2ドレンライン202または第3ドレンライン205から外部へ排出される。
【0063】
このように、循環ライン104のフィルタ108を含む一部の区間を遮断することにより、貯留処理(S02)とフィルタ洗浄処理(S03)とを並行して行うことが可能となる。そして、貯留処理とフィルタ洗浄処理とを並行して行うことで、本実施形態に係る液処理装置1によれば、処理液の交換に要する時間を短縮することができる。
【0064】
なお、ここでは、貯留処理(S02)とフィルタ洗浄処理(S03)とを同時に開始する場合の例について説明したが、貯留処理(S02)とフィルタ洗浄処理(S03)とは必ずしも同時に開始されることを要しない。たとえば、制御部18は、排出処理が終了する前にフィルタ洗浄処理(S03)を開始し、排出処理が終了した後に貯留処理(S02)を開始してもよい。
【0065】
つづいて、制御部18は、第2センサLJからの信号に基づき、タンク102内に処理液が所定の液位まで貯留されたと判定すると、
図8に示すように、第5バルブ305を閉じて、循環ライン104へのDIWの供給を停止する。
【0066】
つづいて、制御部18は、置換処理(S04)を開始する。具体的には、制御部18は、第1バルブ301を開くことにより、第1バルブ301および第2バルブ302によって遮断された区間のうちフィルタ108の上流側を開放する。また、制御部18は、第4バルブ304を閉じ、第3バルブ303を開く。
【0067】
そして、制御部18は、ポンプ106を作動させる。これにより、タンク102に貯留された処理液が、循環ライン104における第1バルブ301および第2バルブ302によって遮断されていた区間に供給されて、かかる区間に残存するDIWが処理液に置換される。処理液およびDIWは、第1ドレンライン201から外部へ排出される。この際、第1ドレンライン201に残存するDIWも一緒に外部へ排出することができる。
【0068】
また、制御部18は、
図9に示すように、第3バルブ303を閉じ、第4バルブ304を開く。これにより、処理液およびDIWは、第2ドレンライン202から外部へ排出される。この際、第2ドレンライン202に残存するDIWも一緒に外部へ排出することができる。
【0069】
このように、本実施形態に係る液処理装置1は、フィルタ洗浄処理(S03)だけでなく、置換処理(S04)も貯留処理(S02)と並行して行う。すなわち、液処理装置1は、タンク102に対して処理液が予め決められた最大液位よりも低い所定の液位まで貯留された場合に、遮断された区間への洗浄液の供給を停止し、遮断された区間におけるフィルタ108の上流側を開放することによって、タンク102に貯留された処理液を循環ライン104に供給して残存する洗浄液を処理液に置換する。したがって、本実施形態に係る液処理装置1によれば、処理液の交換に要する時間をさらに短縮することができる。
【0070】
また、液処理装置1によれば、循環ライン104全体でなく、フィルタ108を含む一部の区間に限定して洗浄液としてのDIWを供給することで、後述する置換処理に要する時間を短縮することができる。
【0071】
また、液処理装置1は、第1ドレンライン201を開放し、第2ドレンライン202を遮断した状態で、タンク102に貯留された処理液を循環ライン104に供給する処理(第1置換処理)と、第1ドレンライン201を遮断し、第2ドレンライン202を開放した状態で、タンク102に貯留された処理液を循環ライン104に供給する処理(第2置換処理)とを行う。このため、第1ドレンライン201および第2ドレンライン202に残存するDIWを外部へ排出することができる。
【0072】
なお、上記の置換処理を行う場合、第3バルブ303および第4バルブ304の両方を開放して第1ドレンライン201および第2ドレンライン202に対する置換処理を同時に行うことも考えられる。しかしながら、このようにした場合、フィルタ108が圧損となることで、フィルタ108の上流側に位置する第1ドレンライン201と比べて、フィルタ108の下流側に位置する第2ドレンライン202に処理液が流れにくくなる。この結果、第2ドレンライン202に残存するDIWを処理液に置換するのに時間がかかってしまう。これに対し、液処理装置1では、第1ドレンライン201に対する置換処理である第1置換処理と、第2ドレンライン202に対する置換処理である第2置換処理とを順番に行うこととしているため、各ドレンライン201,202に残存するDIWの処理液への置換を短時間で行うことができる。
【0073】
つづいて、制御部18は、
図10に示すように、ポンプ106を停止する。これにより、タンク102から循環ライン104への処理液の供給が停止され、タンク102に処理液が貯留される。また、制御部18は、第2バルブ302を開く。これにより、循環ライン104が遮断された状態が解除される。
【0074】
なお、制御部18は、置換処理(S04)においてタンク102へ供給される処理液の流量を、たとえば貯留処理(S02)においてタンク102へ供給される処理液の流量と比べて増加させることが望ましい。具体的には、置換処理(S04)では、タンク102から排出される処理液の量よりも多い量の処理液をタンク102へ供給することが望ましい。タンク102内の処理液を所定の液位付近まで貯留させることができるため、次に行われる循環処理(S05)の開始を早めることができる。
【0075】
つづいて、制御部18は、循環処理(S05)を開始する。具体的には、第2センサLJからの信号に基づき、タンク102内に処理液が所定の液位まで貯留されたと判定すると、
図11に示すように、ポンプ106およびヒータ109を作動させる。これにより、タンク102への処理液の貯留と並行して、タンク102から循環ライン104への処理液の供給が開始される。そして、循環ライン104へ供給された処理液は、ヒータ109によって加熱されて、再びタンク102へ戻される。
【0076】
そして、制御部18は、第3センサHからの信号に基づき、タンク102内に処理液が予め決められた最大液位まで貯留されたと判定すると、
図12に示すように、第11バルブ311を閉じて、タンク液補充部116からタンク102への処理液の供給を停止する。これにより、一連の処理液交換処理が終了する。
【0077】
このように、本実施形態に係る液処理装置1は、フィルタ洗浄処理や置換処理だけでなく、循環処理も貯留処理と並行して行う。すなわち、液処理装置1は、貯留処理が終了する前から循環処理を開始することで、処理液の交換に要する時間をさらに短縮することができる。
【0078】
上述してきたように、本実施形態に係る液処理装置1は、タンク102と、循環ライン104と、処理ユニット16(「処理部」の一例に相当)と、フィルタ108と、第1バルブ301と、第2バルブ302と、制御部18を備える。タンク102は、処理液を貯留する。循環ライン104は、タンク102から送られる処理液をタンク102へ戻す。処理ユニット16は、分岐ライン112を介して循環ライン104に接続され、循環ライン104から分岐ライン112を介して供給される処理液を用いて基板を処理する。フィルタ108は、循環ライン104に設けられ、循環ライン104を流れる処理液から異物を除去する。第1バルブ301は、循環ライン104におけるフィルタ108の上流側に設けられる。第2バルブ302は、循環ライン104におけるフィルタの下流側に設けられる。制御部18は、タンク102に貯留された処理液をタンク102から排出する排出処理と、排出処理後、タンク102に処理液を貯留する貯留処理と、第1バルブ301および第2バルブ302を閉じることによって循環ライン104におけるフィルタ108の上流側および下流側をそれぞれ遮断した後、循環ライン104の遮断された区間に洗浄液を供給してフィルタ108を洗浄するフィルタ洗浄処理と、フィルタ洗浄処理後、遮断された区間に処理液を供給して残存する洗浄液を処理液に置換する置換処理とを実行する。
【0079】
かかる液処理装置1によれば、循環ライン104全体でなく、フィルタ108を含む一部の区間に限定して洗浄液としてのDIWを供給するため、置換処理に要する時間を短縮することができる。したがって、処理液の交換に要する時間を短縮することができる。
【0080】
(その他の実施形態)
上述してきた実施形態では、DIWの供給ラインである第1供給ライン203が接続される第1ドレンライン201が、フィルタ108の上流側に設けられ、第2ドレンライン202がフィルタ108の下流側に設けられる場合の例について説明した。しかし、第1ドレンライン201および第2ドレンライン202の配置は、上記の例に限定されない。すなわち、第1ドレンライン201がフィルタ108の下流側に設けられ、第2ドレンライン202がフィルタ108の上流側に設けられてもよい。
【0081】
第1ドレンライン201および第2ドレンライン202をこのように配置することにより、フィルタ洗浄処理において、フィルタ108に対し、処理液の流通方向とは逆方向からDIWを供給することができる。すなわち、フィルタ108を逆流洗浄することができるため、フィルタ108の洗浄効率を高めることができる。
【0082】
また、上述した実施形態では、タンク102内に貯留された処理液を用いて置換処理を行う場合の例について説明した。しかし、置換処理は、上記の例に限定されない。たとえば、制御部18は、第1供給ライン203から処理液を供給することにより、循環ライン104の遮断された区間に残存するDIWを処理液に置換することとしてもよい。かかる場合、置換処理は、第1バルブ301および第2バルブ302を閉じた状態で行えばよい。このようにすることで、貯留処理の所要時間を短縮することができる。
【0083】
また、制御部18は、第8バルブ308および第9バルブ309を開いた状態で、置換処理を行ってもよい。これにより、仮に、第4ドレンライン206および第5ドレンライン207にDIWが残存していたとしても、かかるDIWを外部へ排出することができる。
【0084】
また、上述した実施形態では、DIWの供給ラインである第1供給ライン203が第1ドレンライン201に接続される場合の例について説明したが、第1供給ライン203は、第4ドレンライン206または第5ドレンライン207に接続されてもよい。このようにすることで、第1バルブ301および第2バルブ302によって遮断する循環ライン104の区間を短くすることができ、置換処理に要する時間をさらに短縮することができる。なお、かかる場合、第1ドレンライン201および第2ドレンライン202は、必ずしも設けることを要しない。
【0085】
また、上述した実施形態では、貯留処理(S02)とフィルタ洗浄処理(S03)とを並行して行うこととしたが、貯留処理(S02)とフィルタ洗浄処理(S03)とは、必ずしも並行して行われることを要しない。たとえば、制御部18は、フィルタ洗浄処理(S03)が終了した後に、貯留処理(S02)を開始してもよい。また、置換処理(S04)についても、必ずしもフィルタ洗浄処理(S03)と並行して行われることを要しない。たとえば、制御部18は、置換処理(S04)が終了した後に、貯留処理(S02)を開始してもよい。かかる場合、制御部18は、たとえば第1供給ライン203から処理液を供給することにより、循環ライン104の遮断された区間に残存するDIWを処理液に置換すればよい。
【0086】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。