(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。
なお、本明細書に於ける基(原子団)の表記において、置換又は無置換を記していない表記は、置換基を有していないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
本発明において「活性光線」又は「放射線」とは、例えば、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外線(EUV光)、X線、電子線等を意味する。また、本発明において「光」とは、活性光線又は放射線を意味する。本明細書中における「露光」とは、特に断らない限り、水銀灯、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、X線、EUV光等による露光のみならず、電子線及びイオンビーム等の粒子線による描画も露光に含める。
【0010】
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物(以下、単に「本発明の組成物」ともいう)は、(A)後述の一般式(I)で表される基により、フェノール性水酸基の水素原子が置換された構造を有する高分子化合物、及び、(B)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物を含有する感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物である。
本発明の組成物は、電子線又は極紫外線露光用であることが好ましい。
本発明の組成物は、ネガ型化学増幅型レジスト組成物であってもよく、ポジ型化学増幅型レジスト組成物であってもよい。
【0011】
特定の高分子化合物(A)を含有する本発明の組成物を用いてレジスト膜を形成することで、高解像性(例えば、高い解像力、優れたパターン形状、小さいラインエッジラフネス(LER))、及び、良好なドライエッチング耐性を同時に満足したパターンを形成できる。その理由は定かではないが、次のように推定される。
まず、高分子化合物(A)のフェノール性水酸基は、一般式(I)で表される基により保護されているが、この基は、比較的ガラス転移点(Tg)が高い脂環基を有している。このため、高分子化合物(A)自体のTgや、高分子化合物(A)を含有する組成物から形成されるレジスト膜のTgも高くなり、その結果、ドライエッチング耐性が向上するものと考えられる。
また、高Tgとなることで、後述する化合物(B)(酸発生剤)から発生する酸の拡散性が抑制されるため、高い解像力、優れたパターン形状、小さいLER等が得られるものと考えられる。
以下、本発明の本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物について詳細に説明する。
【0012】
〔1〕(A)高分子化合物
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、(A)下記一般式(I)で表される基により、フェノール性水酸基の水素原子が置換された構造を有する高分子化合物(以下、「高分子化合物(A)」ともいう)を含有する。
本発明では、フェノール性水酸基を有し、そのフェノール性水酸基の一部が下記一般式(I)で表される基により置換されている高分子化合物を主成分として使用する。
【0014】
一般式(I)中、A
1は、炭素数3〜12のヘテロ原子を有していてもよい脂環基を表す。R
1およびR
2は、それぞれ独立に炭化水素基を表す。R
1とR
2とは、結合して環を形成してもよい。*は上記フェノール性水酸基の酸素原子との結合位置を表す。
【0015】
一般式(I)は、フェノール性水酸基を有する繰り返し単位を含有する高分子化合物の現像性をコントロールする機能を有する部位である。一般式(I)で表される基により、フェノール性水酸基の水素原子が置換された構造は、酸の作用により分解してフェノール性水酸基を発生する。
次に、一般式(I)で表される基について説明する。
【0016】
一般式(I)中、A
1は、炭素数3〜12のヘテロ原子を有していてもよい脂環基を表し、二重結合を有していてもよい。
このような脂環基としては、例えば、単環式シクロアルキル基、有橋環式シクロアルキル基などが挙げられる。
【0017】
単環式シクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘプチル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデニル基、シクロウンデニル基、シクロドデカニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘキサジエニル基、シクロペンテニル基、シクロペンタジエニル基などが挙げられ、シクロヘキシル基、シクロペンチル基が好ましい。
【0018】
有橋環式シクロアルキル基としては、例えば、ビシクロ構造、トリシクロ構造、テトラシクロ構造などの構造を含有する基が挙げられ、その具体例としては、ビシクロブチル基、ビシクロヘキシル基、ビシクロヘプチル基、ビシクロオクチル基、ビシクロノニル基、ビシクロデカニル基、ビシクロウンデカニル基、ビシクロドデカニル基、ビシクロオクテニル基、ビシクロトリデセニル基、アダマンチル基、デカリン基、イソボロニル基、ノルボルニル基、セドロール基、イソボロニル基、カンファニル基、α−ピネル基、トリシクロデカニル基、テトシクロドデシル基、アンドロスタニル基などが挙げられ、なかでも、アダマンチル基、デカリン基、ノルボルニル基、セドロール基、ビシクロヘキシル基、ビシクロヘプチル基、ビシクロオクチル基、ビシクロデカニル基、ビシクロドデカニル基、トリシクロデカニル基が好ましく、ドライエッチング耐性の観点でアダマンチル基がより好ましい。
【0019】
なお、これらの単環式または有橋環式のシクロアルキル基中の炭素原子の一部が、例えば酸素原子、硫黄原子等のヘテロ原子によって置換されていてもよい。
このようなA
1が表す脂環基としては、本発明の効果(特に、ドライエッチング耐性)がより優れるという理由から、有橋環式シクロアルキル基が好ましい。
【0020】
一般式(I)中、R
1およびR
2は、それぞれ独立に炭化水素基を表す。R
1およびR
2で表される炭化水素基の炭素数は、好ましくは1〜12であり、より好ましくは1〜6である。
R
1およびR
2で表される炭化水素基は、好ましくはアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基であり、より好ましくは炭素数1〜4のアルキル基であり、これらは置換基を有してもよい。置換基としては例えば、アルキル基(好ましくは炭素数1〜6)、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜6)、カルボキシル基、カルボニル基、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜7)等が挙げられ、アルキル基、アルコキシ基が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基がより好ましい。
【0021】
また、一般式(I)中、R
1とR
2とは、結合して環を形成していてもよい。R
1とR
2とが形成してもよい環としては、例えば、前述のA
1が表す脂環基として記載したものが挙げられ、好ましい範囲も同様である。
【0022】
フェノール性水酸基が一般式(I)で表される基により置換されている構造は、好ましくは下記一般式(II)で表される繰り返し単位の側鎖として含まれる。すなわち、高分子化合物(A)は、下記一般式(II)で表される繰り返し単位を含むことが好ましい。
【0024】
一般式(II)中、A
1は、炭素数3〜12のヘテロ原子を有していてもよい脂環基を表す。R
1およびR
2は、それぞれ独立に炭化水素基を表す。R
1とR
2とは、結合して環を形成してもよい。Ar
1は、アリーレン基を表す。Bは、単結合又は2価の有機基を表す。R
3は、水素原子、置換基を有していてもよいメチル基、又はハロゲン原子を表す。
一般式(II)におけるA
1、R
1及びR
2は、前述の一般式(I)におけるA
1、R
1及びR
2と同義である。
【0025】
一般式(II)中における、Ar
1が表すアリーレン基は、好ましくは炭素数6〜18のアリーレン基であり、より好ましくはフェニレン基、ナフチレン基であり、最も好ましくはフェニレン基である。
なお、Ar
1で表されるアリーレン基は、上記−OC(R
1)(R
2)−A
1で表される基以外にも置換基を有していてもよく、置換基としては前述の一般式(I)におけるR
1が有していてもよい置換基の具体例及び好ましい範囲と同様の置換基が挙げられる。
【0026】
一般式(II)中における、Bが表す2価の有機基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基などの炭素数1〜10のアルキレン基等が挙げられる。
なお、一般式(II)中のBとしては、単結合が好ましい。
【0027】
一般式(II)中における、R
3が表すメチル基が有していてもよい置換基としては、前述の一般式(I)におけるR
1が有していてもよい置換基の具体例及び好ましい範囲と同様の置換基が挙げられる。
一般式(II)中のR
3としては、水素原子、メチル基が好ましく、水素原子がより好ましい。
【0028】
フェノール性水酸基が一般式(I)で表される基により置換されている構造は、より好ましくは下記一般式(II′)で表される繰り返し単位の側鎖として含まれる。すなわち、高分子化合物(A)は、下記一般式(II′)で表される繰り返し単位を含むことがより好ましい。
【0030】
一般的式(II′)中、A
1は、炭素数3〜12のヘテロ原子を有していてもよい脂環基を表す。R
1およびR
2は、それぞれ独立に炭化水素基を表す。R
1とR
2とは、結合して環を形成してもよい。Ar
1は、アリーレン基を表す。R
3は、水素原子、置換基を有していてもよいメチル基、又はハロゲン原子を表す。
一般式(II′)における、A
1、R
1、R
2、Ar
1及びR
3は、前述の一般式(II)における、A
1、R
1、R
2、Ar
1及びR
3と同義である。
【0031】
以下に、一般式(I)で表される基によりフェノール性水酸基の水素原子が置換された構造を有する繰り返し単位、または、一般式(II)もしくは(II′)で表される繰り返し単位の具体例を示す。もっとも、本発明は、以下に示す具体例に限定されるものではない。
【0038】
一般式(II)で表される繰り返し単位を得る方法としては、例えば、フェノール含有重合性モノマー、又は、フェノール含有ポリマーから、下記反応式に示したステップi)により得る方法が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0040】
上記反応式における、A
1、R
1、R
2、R
3、B、及びAr
1は、前述の一般式(II)における、A
1、R
1、R
2、R
3、B、及びAr
1と同義である。
また、上記反応式におけるR
1′は、前述の一般式(II)におけるR
1が表す炭化水素基から水素原子を除いた基を表す。
上記反応は公知の条件で容易に進行するが、無溶剤又はトルエン、ヘキサン等の溶剤中、フェノール化合物及びオレフィン化合物を酸触媒の存在下、反応温度−30〜50℃にて反応を行うのがよい。用いる酸触媒としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、過塩素酸などの無機酸類、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸などの有機酸、トリフッ化ホウ素などのルイス酸、モンモリロナイト、アンバーライト等の固体酸を挙げることができる。
【0041】
高分子化合物(A)における、一般式(I)で表される基によりフェノール性水酸基の水素原子が置換された構造を有する繰り返し単位、または、一般式(II)もしくは(II′)で表される繰り返し単位の含有量は、高分子化合物(A)の全繰り返し単位に対して、1〜60モル%の範囲が好ましく、3〜40モル%の範囲がより好ましい。
【0042】
高分子化合物(A)は、更に、下記一般式(III)で表される繰り返し単位を含むことが好ましい。
【0044】
一般的式(III)中、R
4は、水素原子、置換基を有していてもよいメチル基、又はハロゲン原子を表す。B
2は、単結合又は2価の有機基を表す。Ar
2は、アリーレン基を表す。mは1以上の整数を表す。
【0045】
一般式(III)中、R
4が表すメチル基が有していてもよい置換基としては、前述の一般式(I)におけるR
1が有していてもよい置換基の具体例及び好ましい範囲と同様の置換基が挙げられる。R
4としては、水素原子、メチル基が好ましく、水素原子がより好ましい。
【0046】
一般式(III)中における、Ar
2が表すアリーレン基は、好ましくは炭素数6〜18のアリーレン基であり、より好ましくはフェニレン基、ナフチレン基であり、最も好ましくはフェニレン基である。
なお、Ar
2で表されるアリーレン基は、上記−(OH)
mで表される基以外にも置換基を有していてもよく、置換基としては前述の一般式(I)におけるR
1が有していてもよい置換基の具体例及び好ましい範囲と同様の置換基が挙げられる。
【0047】
一般式(III)中におけるmは、1以上の整数であり、1〜5の範囲の整数であるのが好ましく、1であるのがより好ましい。
なお、一般式(III)において、Ar
2がフェニレン基であって、mが1のとき、−OHのAr
2のベンゼン環に対する結合位置は、ベンゼン環のポリマー主鎖との結合位置に対して、パラ位でもメタ位でもオルト位でもかまわないが、パラ位若しくはメタ位が好ましい。
【0048】
一般式(III)中、B
2が表す2価の有機基としては、例えば、前述の一般式(II)におけるBが表す2価の有機基の具体例及び好ましい範囲と同様である。
【0049】
このような一般式(III)で表される繰り返し単位としては、下記一般式(III′)で表される繰り返し単位であるのが好ましい。
【0051】
一般的式(III′)中、R
4は、水素原子、置換基を有していてもよいメチル基、又はハロゲン原子を表す。Ar
2は、アリーレン基を表す。mは1以上の整数を表す。
一般式(III′)における、R
4、Ar
2、及びmは、前述の一般式(III)におけるR
4、Ar
2、及びmと同義である。
【0052】
一般式(III)で表される繰り返し単位は、アルカリ可溶性基を有する繰り返し単位で、レジストの現像性をコントロールする機能を有する。
一般式(III)の繰返し単位で好ましい例を以下に記載する。
【0054】
このうち、一般式(III)で表される繰り返し単位の好ましい例は、Ar
2が無置換のフェニレン基である繰り返し単位であり、以下に記載するものが挙げられる。
【0056】
高分子化合物(A)における一般式(III)で表される繰り返し単位の含有量は、高分子化合物(A)中の全繰り返し単位に対し、ポジ型レジスト組成物である場合、3〜90モル%が好ましく、より好ましくは5〜80モル%、更に好ましくは7〜70モル%であり、ネガ型レジスト組成物である場合、60〜99モル%が好ましく、より好ましくは70〜98モル%、更に好ましくは75〜98モル%である。
【0057】
本発明で用いられる高分子化合物(A)は、更に下記のような繰り返し単位を有することも好ましい。
例えば、本発明の組成物をポジ型のレジスト組成物として用いる場合は、高分子化合物(A)が、更に、一般式(I)で表される基によりフェノール性水酸基の水素原子が置換された構造を有する繰り返し単位、または、一般式(II)もしくは(II′)で表される繰り返し単位以外の、酸の作用により分解してアルカリ可溶性基を発生する基を有する繰り返し単位(以下、「酸分解性基を有する繰り返し単位」と称することがある)を含むことが好ましい。
【0058】
アルカリ可溶性基としては、フェノール性水酸基、カルボキシル基、フッ素化アルコール基、スルホン酸基、スルホンアミド基、スルホニルイミド基、(アルキルスルホニル)(アルキルカルボニル)メチレン基、(アルキルスルホニル)(アルキルカルボニル)イミド基、ビス(アルキルカルボニル)メチレン基、ビス(アルキルカルボニル)イミド基、ビス(アルキルスルホニル)メチレン基、ビス(アルキルスルホニル)イミド基、トリス(アルキルカルボニル)メチレン基、トリス(アルキルスルホニル)メチレン基等が挙げられる。
【0059】
好ましいアルカリ可溶性基としては、フェノール性水酸基、カルボキシル基、フッ素化アルコール基(好ましくはヘキサフルオロイソプロパノール)、スルホン酸基が挙げられる。
【0060】
酸分解性基として好ましい基は、これらのアルカリ可溶性基の水素原子を酸で脱離する基で置換した基である。
【0061】
酸で脱離する基としては、例えば、−C(R
36)(R
37)(R
38)、−C(R
36)(R
37)(OR
39)、−C(R
01)(R
02)(OR
39)等を挙げることができる。
【0062】
式中、R
36〜R
39は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、1価の芳香環基、アルキレン基と1価の芳香環基とを組み合わせた基、又はアルケニル基を表す。R
36とR
37とは、互いに結合して環を形成してもよい。
【0063】
R
01及びR
02は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、1価の芳香環基、アルキレン基と1価の芳香環基とを組み合わせた基、又はアルケニル基を表す。
【0064】
酸の作用により分解して、アルカリ可溶性基を発生する繰り返し単位としては、下記一般式(IV)で表される繰り返し単位が、反応性が高く、ポストベークでの感度変動、製造時のプロセス変動が少ないため好ましい。一般式(IV)で表される繰り返し単位は、ポジ型レジスト組成物において、酸の作用により分解して、アルカリ可溶性基となる基であるアセタール基又はケタール基を側鎖に有する繰り返し単位である。
【0066】
一般式(IV)中、R
11は、水素原子又はメチル基を表す。Ar
11はアリーレン基を表す。Acは酸の作用により脱離する基であり、−OAcは酸の作用により分解して、アルカリ可溶性基を発生するアセタール基又はケタール基を表す。
【0067】
一般式(IV)で表される繰り返し単位の好適態様を以下に記述する。
一般式(IV)におけるR
11は水素原子又はメチル基を表すが、水素原子が特に好ましい。
一般式(IV)におけるAr
11はアリーレン基を表し、置換基を有していてもよい。Ar
11のアリーレン基は、炭素数6〜18の、置換基を有していてもよいアリーレン基であることが好ましく、置換基を有していてもよいフェニレン基又はナフチレン基がより好ましく、置換基を有していてもよいフェニレン基が最も好ましい。またAr
11が有していてもよい置換基としては、例えば、アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基が挙げられる。
一般式(IV)で表される繰り返し単位において、Ar
11がフェニレン基の時、−OAcのAr
11のベンゼン環に対する結合位置は、ベンゼン環のポリマー主鎖との結合位置に対して、パラ位でもメタ位でもオルト位でもかまわないが、パラ位若しくはメタ位が好ましい。
【0068】
一般式(IV)におけるAcは、酸の作用により脱離する基であり、−OAcは酸の作用により分解して、アルカリ可溶性基を発生するアセタール基又はケタール基を表す。Acは、具体的には下記一般式(VI)で表される基であることが好ましい。
【0070】
一般式(VI)中、R
41及びR
42は各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を表す。
M
41は、単結合又は2価の連結基を表す。
Qは、アルキル基、ヘテロ原子を含んでいてもよい脂環基、又は、ヘテロ原子を含んでいてもよい芳香環基を表す。
なお、R
41、R
42、M
41及びQの少なくとも2つは、互いに結合して、環を形成していてもよい。この環は、5員環又は6員環であることが好ましい。
【0071】
R
41及びR
42としてのアルキル基は、例えば、炭素数1〜8のアルキル基である。好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基及びオクチル基が挙げられる。
【0072】
R
41及びR
42としてのシクロアルキル基は、例えば、炭素数3〜15のシクロアルキル基である。好ましくは、シクロヘキシル基、ノルボルニル基及びアダマンチル基が挙げられる。
【0073】
R
41及びR
42としてのアリール基は、例えば、炭素数6〜15のアリール基である。好ましくは、フェニル基、トリル基、ナフチル基及びアントリル基が挙げられる。
【0074】
R
41及びR
42としてのアラルキル基は、例えば、炭素数6〜20のアラルキル基である。好ましくは、ベンジル基及びフェネチル基が挙げられる。
【0075】
R
41及びR
42として特に好ましくは、水素原子、メチル基、フェニル基、ベンジル基である。またR
41及びR
42のいずれか少なくとも一方が水素原子である(すなわち、−OAcは酸の作用により分解して、アルカリ可溶性基を発生するアセタール基である)ことが好ましい。
【0076】
M
41としての2価の連結基は、例えば、アルキレン基(好ましくは炭素数1〜8のアルキレン基、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基又はオクチレン基)、シクロアルキレン基(好ましくは炭素数3〜15のシクロアルキレン基、例えば、シクロペンチレン基又はシクロヘキシレン基)、−S−、−O−、−CO−、−CS−、−SO
2−、−N(R
0)−、又はこれらの2種以上の組み合わせであり、総炭素数が20以下のものが好ましい。ここで、R
0は、水素原子又はアルキル基(例えば炭素数1〜8のアルキル基であって、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ヘキシル基及びオクチル基等)である。
M
41は、単結合、アルキレン基、又はアルキレン基と−O−、−CO−、−CS−及び−N(R
0)−の少なくとも一つとの組み合わせからなる2価の連結基が好ましく、単結合、アルキレン基、又はアルキレン基と−O−との組み合わせからなる2価の連結基がより好ましい。ここで、R
0は上述のR
0と同義である。
【0077】
Qとしてのアルキル基は、例えば、上述したR
41及びR
42としてのアルキル基と同様である。
【0078】
Qとしての脂環基及び芳香環基としては、例えば、上述したR
41及びR
42としてのシクロアルキル基及びアリール基が挙げられる。その炭素数は、好ましくは、3〜15である。なお、本発明においては、複数の芳香環が単結合を介して連結されてなる基(例えば、ビフェニル基、ターフェニル基)もQとしての芳香族基に含まれる。
ヘテロ原子を含む脂環基及びヘテロ原子を含む芳香環基としては、例えば、チイラン、シクロチオラン、チオフェン、フラン、ピロール、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、ベンゾピロール、トリアジン、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、トリアゾール、チアジアゾール、チアゾール及びピロリドンが挙げられる。なお、本発明においては、複数の“ヘテロ原子を含む芳香環”が単結合を介して連結されてなる基(例えば、ビオローゲン基)もQとしての芳香族基に含まれる。
Qとしての脂環基及び芳香環基は、置換基を有していてもよく、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、シアノ基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基が挙げられる。
【0079】
(−M
41−Q)として特に好ましくは、メチル基、アリールオキシエチル基、シクロヘキシルエチル基若しくはアリールエチル基である。
【0080】
R
41、R
42、M
41及びQの少なくとも2つが互いに結合して環を形成する場合としては、例えば、M
41及びQのいずれかとR
41とが結合してプロピレン基又はブチレン基を形成して、酸素原子を含有する5員環又は6員環を形成する場合が挙げられる。
【0081】
R
41、R
42、M
41及びQの炭素数の総和をN
Cと表記すると、N
Cが大きい場合には一般式(VI)で表される基が脱離する前後の、高分子化合物(A)のアルカリ溶解速度変化が大きくなり、溶解のコントラストが向上して好ましい。N
Cの範囲としては、好ましくは4〜30であり、更に好ましくは7〜25であり、7〜20が特に好ましい。N
Cが30以下であると、高分子化合物(A)のガラス転移温度が低下することが抑制され、レジストの露光ラチチュード(EL)が低下したり、一般式(VI)で表される基が脱離した残渣がレジストパターン上に欠陥として残ったりすることが抑制されるので好ましい。
【0082】
また、R
41、R
42、M
41及びQのうち少なくとも1つは、脂環あるいは芳香環を有することが、ドライエッチング耐性の観点から好ましい。ここでの脂環基及び芳香環基は、例えば、上述したQとしての脂環基及び芳香環基と同様である。
【0083】
酸の作用により分解して、アルカリ可溶性基を発生する繰り返し単位としては、下記一般式(VII)で表される繰り返し単位も好ましい。一般式(VII)で表される繰り返し単位は、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物において、酸の作用により分解して、アルカリ可溶性基であるカルボキシル基を側鎖に発生する繰り返し単位である。
【0085】
一般式(VII)中、R
21は、水素原子又はメチル基を表す。Lは単結合又は2価の連結基を表す。Y
2は酸の作用により脱離する基を表す。
【0086】
一般式(VII)で表される繰り返し単位で、本発明に用いられる好ましい化合物を以下に記述する。
一般式(VII)におけるR
21は水素原子又はメチル基を表すが、水素原子が特に好ましい。
【0087】
Lが2価の連結基の場合、例えば、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、−O−、−SO
2−、−CO−、−N(R
N)−及びこれらの複数の組み合わせ等が挙げられる。ここで、R
Nは、アリール基、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
Lとしてのアルキレン基は、炭素数1〜10のものが好ましく、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基及びオクチレン基等が挙げられる。
Lとしてのシクロアルキレン基は、炭素数5〜10のものが好ましく、例えば、シクロペンチレン基及びシクロヘキシレン基等が挙げられる。
Lとしてのアリーレン基は、炭素数4〜20のものが好ましく、例えば、フェニレン基及びナフチレン基等が挙げられる。
【0088】
R
Nとしてのアリール基の炭素数は、好ましくは4〜20であり、更に好ましくは6〜14である。このアリール基としては、例えば、フェニル基及びナフチル基が挙げられる。
R
Nとしてのアルキル基の炭素数は、好ましくは1〜8である。このアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基及びオクチル基が挙げられる。
R
Nとしてのシクロアルキル基の炭素数は、好ましくは5〜8である。このシクロアルキル基としては、例えば、シクロペンチル基及びシクロヘキシル基が挙げられる。
【0089】
Lの各基は、更に、置換基を有していてもよく、このような置換基の具体例としては、上記Ar
11としてのアリーレン基が更に有し得る置換基として説明したものと同様のものを挙げることができる。
【0090】
Y
2は酸の作用により脱離する基を表し、具体的には下記一般式で表される基であることが好ましい。
【0092】
R
44〜R
46は、各々独立に、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。R
44〜R
46の2つは、互いに結合して、シクロアルキル基を形成してもよい。
R
44〜R
46のアルキル基としては、炭素数1〜4の直鎖又は分岐状のものが好ましい。
R
44〜R
46のシクロアルキル基としては、炭素数3〜8の単環のシクロアルキル基又は炭素数7〜20の多環のシクロアルキル基が好ましい。
R
44〜R
46の2つが互いに結合して形成し得るシクロアルキル基としては、炭素数3〜8の単環のシクロアルキル基又は炭素数7〜20の多環のシクロアルキル基が好ましい。中でも、炭素数5〜6の単環のシクロアルキル基が特に好ましい。R
46がメチル基又はエチル基であり、R
44とR
45とが結合して上述のシクロアルキル基を形成している態様が更に好ましい。
【0093】
Y
2は、下記一般式で表される基であることも好ましい。
【0095】
式中、R
30は炭素数4〜20、好ましくは4〜15の三級アルキル基、各アルキル基がそれぞれ炭素数1〜6のトリアルキルシリル基、炭素数4〜20のオキソアルキル基又は上記−C(R
44)(R
45)(R
46)で示される基を示し、三級アルキル基として具体的には、tert−ブチル基、tert−アミル基、1,1−ジエチルプロピル基、1−エチルシクロペンチル基、1−ブチルシクロペンチル基、1−エチルシクロヘキシル基、1−ブチルシクロヘキシル基、1−エチル−2−シクロペンテニル基、1−エチル−2−シクロヘキセニル基、2−メチル−2−アダマンチル基等が挙げられ、トリアルキルシリル基として具体的には、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、ジメチル−tert−ブチルシリル基等が挙げられ、オキソアルキル基として具体的には、3−オキソシクロヘキシル基、4−メチル−2−オキソオキサン−4−イル基、5−メチル−2−オキソオキソラン−5−イル基等が挙げられる。a1は1〜6の整数である。
【0096】
以下に酸の作用により分解してアルカリ可溶性基を発生する基を有する繰り返し単位の具体例を示すが、これらに限定されるものではない。
【0101】
本発明の組成物をポジ型のレジスト組成物として用いる場合の高分子化合物(A)における、一般式(I)で表される基によりフェノール性水酸基の水素原子が置換された構造を有する繰り返し単位、または、一般式(II)もしくは(II′)で表される繰り返し単位以外の、酸の作用により分解して、アルカリ可溶性基を発生する繰り返し単位の含有量は、高分子化合物(A)の全繰り返し単位に対して、3〜90モル%の範囲が好ましく、5〜80モル%の範囲がより好ましく、7〜70モル%の範囲が特に好ましい。
【0102】
本発明で用いられる高分子化合物(A)は、上記繰り返し単位以外の繰り返し単位として、下記のような繰り返し単位を更に有することも好ましい。
例えば、本発明の組成物をポジ型のレジスト組成物として用いる場合は、更に、アルカリ現像液の作用で分解しアルカリ現像液中への溶解速度が増大する基を有する繰り返し単位があげられる。そのような基としては、ラクトン構造を有する基、フェニルエステル構造を有する基などがあげられ、アルカリ現像液の作用で分解しアルカリ現像液中への溶解速度が増大する基を有する繰り返し単位としては、下記一般式(AII)で表される繰り返し単位がより好ましい。
【0104】
一般式(AII)中、Vはアルカリ現像液の作用で分解しアルカリ現像液中への溶解速度が増大する基を表し、Rb
0は水素原子又はメチル基を表し、Abは単結合又は2価の有機基を表す。
アルカリ現像液の作用で分解する基であるVはエステル結合を有する基であり、中でもラクトン構造を有する基がより好ましい。ラクトン構造を有する基としては、ラクトン構造を有していればいずれでも用いることができるが、好ましくは5〜7員環ラクトン構造であり、5〜7員環ラクトン構造にビシクロ構造、スピロ構造を形成する形で他の環構造が縮環しているものが好ましい。
好ましいAbは、単結合、又は−AZ−CO
2−で表される2価の連結基である(AZは、アルキレン基又は脂肪族環基である)。好ましいAZはメチレン基、エチレン基、シクロヘキシレン基、アダマンチレン基、ノルボルニレン基である。
以下に、具体例を示す。式中、Rxは、H又はCH
3を表す。
【0107】
本発明の組成物をポジ型のレジスト組成物として用いる場合の高分子化合物(A)は、アルカリ現像液の作用で分解しアルカリ現像液中への溶解速度が増大する基を有する繰り返し単位を含有してもしなくてもよいが、含有する場合、該基を有する繰り返し単位の含有量は、高分子化合物(A)中の全繰り返し単位に対し、5〜60モル%が好ましく、より好ましくは10〜50モル%、更に好ましくは10〜40モル%である。
【0108】
本発明で用いられる高分子化合物(A)には、上記と別に、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する基(以下、「光酸発生基」とも言う)を側鎖に有する繰り返し単位を更に有することも好ましい。この場合は、本発明の必須成分である活性光線又は放射線により酸を発生する化合物(B)が独立した化合物でなく、本発明にかかわる高分子化合物(A)中の一構成成分と言うことになる。すなわち、本発明の一態様として、高分子化合物(A)が、更に、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する基を側鎖に有する繰り返し単位を含み、上記高分子化合物(A)と上記化合物(B)とが同一の化合物であることも好ましい。
側鎖に光酸発生基を有する繰り返し単位としては、下記一般式(VIII)で表される繰り返し単位があげられる。
【0110】
上記一般式(VIII)中、R
31は水素原子又はメチル基を表す。Ar
21はアリーレン基を、L
21は2価の有機基を、Ar
22はアリーレン基を表す。X
+はオニウムカチオンを表す。
【0111】
上式中、R
31は水素原子又はメチル基を表すが、水素原子が好ましい。Ar
21はアリーレン基を表し、置換基を有していてもよい。Ar
21は、好ましくはフェニレン基である。L
21は2価の有機基を表すが、好ましくは、カルボニル基、−CH
2COO−、−CO−CH
2−O−、−CO−CH
2−O−CO−、−CH
2−CONR
1−、又は−CO−CH
2−NR
1−であり、更に好ましくはカルボニル基、又は−CH
2COO−である。R
1は、水素原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜8)、アリール基(好ましくは炭素数6〜15)又はアラルキル基(好ましくは炭素数6〜20)を表す。Ar
22はアリーレン基を表し、置換基を有していてもよい。Ar
22は、置換基を有していてもよい、フェニレン基又はナフチレン基が好ましく、特に置換フェニレン基が好ましい。X
+はオニウムカチオンを表すが、好ましいのはスルホニウムカチオン又はヨードニウムカチオンであり、アリールスルホニウムカチオンやアリールヨードニウムカチオンが特に好ましい。
Ar
21及びAr
22が有していてもよい置換基としては、前述した一般式(I)におけるR
1が有していてもよい置換基の具体例及び好ましい範囲と同様である。
このような側鎖に光酸発生基を有する繰り返し単位として具体的には以下に示すような単位があげられる。
【0115】
高分子化合物(A)における上記以外の繰り返し単位を形成するための重合性モノマーの例としては、スチレン、アルキル置換スチレン、アルコキシ置換スチレン、O−アルキル化スチレン、O−アシル化スチレン、水素化ヒドロキシスチレン、無水マレイン酸、アクリル酸誘導体(アクリル酸、アクリル酸エステル等)、メタクリル酸誘導体(メタクリル酸、メタクリル酸エステル等)、N−置換マレイミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、置換基を有しても良いインデン、α位がフルオロアルキル基などで置換されたアルコール性水酸基を有する重合性モノマー等を挙げることができる。置換スチレンとしては4−(1−ナフチルメトキシ)スチレン、4−ベンジルオキシスチレン、4−(4−クロロベンジルオキシ)スチレン、3−(1−ナフチルメトキシ)スチレン、3−ベンジルオキシスチレン、3−(4−クロロベンジルオキシ)スチレンなどが好ましい。
高分子化合物(A)は、これら他の繰り返し単位を含有してもしなくてもよいが、含有する場合、これら他の繰り返し単位の高分子化合物(A)中の含有量は、高分子化合物(A)を構成する全繰り返し単位に対して、一般的に1〜20モル%、好ましくは2〜10モル%である。
【0116】
高分子化合物(A)は、例えば、各繰り返し単位に対応する不飽和モノマーを、ラジカル、カチオン又はアニオン重合させることにより合成することができる。また各繰り返し単位の前駆体に相当する不飽和モノマーを用いてポリマーを重合した後に、合成したポリマーに低分子化合物を修飾し、所望の繰返し単位へ変換することによって合成することも可能である。いずれの場合も、リビングアニオン重合等のリビング重合を用いることで、得られる高分子化合物の分子量分布が均一となり、好ましい。
高分子化合物(A)の重量平均分子量は、好ましくは1000〜200000であり、更に好ましくは2000〜50000であり、更により好ましくは2000〜15000である。高分子化合物(A)の好ましい分散度(分子量分布)(Mw/Mn)は、感度の観点から、1.0以上1.7以下であり、より好ましくは1.0以上1.2以下である。高分子化合物(A)の重量平均分子量及び分散度は、GPC測定によるポリスチレン換算値として定義される。
【0117】
本発明の組成物において、高分子化合物(A)は2種以上を混合して使用してもよい。
高分子化合物(A)の含有量は、本発明の組成物の全固形分を基準として、30〜100質量%とすることが好ましく、50〜99.7質量%とすることがより好ましく、70〜99.5質量%とすることが特に好ましい。
【0118】
〔2〕(B)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、更に必須成分として、(B)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(以下、適宜、これらの化合物を「酸発生剤」と略称する)を含有する。本発明において、活性光線又は放射線により酸を発生する化合物(B)は、活性光線又は放射線(特に電子線又は極紫外線)の照射により酸を発生する低分子の酸発生剤でもでもいいし、酸発生高分子化合物でもよい。また前述したように、高分子化合物(A)中の一構成成分として、一体化した高分子化合物としているのも好ましい。
酸発生剤の好ましい形態として、オニウム化合物を挙げることができる。そのようなオニウム化合物としては、例えば、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、ホスホニウム塩などを挙げることができる。
また、酸発生剤の別の好ましい形態として、活性光線又は放射線の照射により、スルホン酸、イミド酸又はメチド酸を発生する化合物を挙げることができる。その形態における酸発生剤は、例えば、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、ホスホニウム塩、オキシムスルホネート、イミドスルホネートなどを挙げることができる。
【0119】
本発明に用いる酸発生剤としては、低分子化合物に限らず、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する基を高分子化合物の主鎖又は側鎖に導入した化合物も用いることができる。更に前述したように、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する基が、本発明に用いる高分子化合物(A)の共重合成分となっている繰り返し単位中に存在する場合は、本発明の高分子化合物とは別分子の酸発生剤(B)はなくてもかまわない。
【0120】
酸発生剤は、電子線又は極紫外線の照射により酸を発生する化合物であることが好ましい。
【0121】
本発明において、好ましいオニウム化合物として、下記一般式(1)で表されるスルホニウム化合物、若しくは一般式(2)で表されるヨードニウム化合物を挙げることができる。
【0123】
一般式(1)及び(2)において、
R
a1、R
a2、R
a3、R
a4及びR
a5は、各々独立に、有機基を表す。
X
−は、有機アニオンを表す。
以下、一般式(1)で表されるスルホニウム化合物及び一般式(2)で表されるヨードニウム化合物を更に詳述する。
【0124】
上記一般式(1)のR
a1〜R
a3、並びに、上記一般式(2)のR
a4及びR
a5は、各々独立に有機基を表すが、好ましくはR
a1〜R
a3の少なくとも1つ、並びに、R
a4及びR
a5の少なくとも1つがそれぞれアリール基である。アリール基としては、フェニル基、ナフチル基が好ましく、更に好ましくはフェニル基である。
上記一般式(1)及び(2)におけるX
−の有機アニオンは、例えばスルホン酸アニオン、カルボン酸アニオン、ビス(アルキルスルホニル)アミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチドアニオンなどが挙げられ、好ましくは、下記一般式(3)、(4)又は(5)で表される有機アニオンであり、より好ましくは下記一般式(3)で表される有機アニオンである。
【0126】
上記一般式(3)、(4)及び(5)に於いて、Rc
1、Rc
2、Rc
3及びRc
4は、それぞれ、有機基を表す。
【0127】
上記X
−の有機アニオンが、電子線や極紫外線などの活性光線又は放射線の照射により発生する酸であるスルホン酸、イミド酸、メチド酸などに対応する。
上記R
c1〜R
c4の有機基としては、例えばアルキル基、アリール基、又はこれらの複数が連結された基を挙げることができる。これら有機基のうちより好ましくは1位がフッ素原子又はフロロアルキル基で置換されたアルキル基、フッ素原子又はフロロアルキル基で置換されたフェニル基である。フッ素原子又はフロロアルキル基を有することにより、光照射によって発生した酸の酸性度が上がり、感度が向上する。ただし、末端基は置換基としてフッ素原子を含有しないことが好ましい。
【0128】
そして、本発明においては、上記酸を発生する化合物(B)は、露光で発生した酸の非露光部への拡散を抑制し解像性やパターン形状を良好にする観点から、体積130Å
3以上の大きさの酸(より好ましくはスルホン酸)を発生する化合物であることが好ましく、体積190Å
3以上の大きさの酸(より好ましくはスルホン酸)を発生する化合物であることがより好ましく、体積270Å
3以上の大きさの酸(より好ましくはスルホン酸)を発生する化合物であることが更により好ましく、体積400Å
3以上の大きさの酸(より好ましくはスルホン酸)を発生する化合物であることが特に好ましい。ただし、感度や塗布溶剤溶解性の観点から、上記体積は、2000Å
3以下であることが好ましく、1500Å
3以下であることが更に好ましい。上記体積の値は、富士通株式会社製の「WinMOPAC」を用いて求めた。すなわち、まず、各例に係る酸の化学構造を入力し、次に、この構造を初期構造としてMM3法を用いた分子力場計算により、各酸の最安定立体配座を決定し、その後、これら最安定立体配座についてPM3法を用いた分子軌道計算を行うことにより、各酸の「accessible volume」を計算することができる。
以下に本発明において、特に好ましい酸発生剤を以下に例示する。なお、例の一部には、体積の計算値を付記している(単位Å
3)。なお、ここで求めた計算値は、アニオン部にプロトンが結合した酸の体積値である。
【0133】
また、本発明に用いる酸発生剤(好ましくはオニウム化合物)としては、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する基(光酸発生基)を高分子化合物の主鎖又は側鎖に導入した高分子型酸発生剤も用いることができ、前述の高分子化合物(A)の記載中に、光酸発生基を有する繰り返し単位として記載した。
【0134】
酸発生剤の組成物中の含有量は、組成物の全固形分を基準として、好ましくは0.1〜25質量%であり、より好ましくは0.5〜20質量%であり、更に好ましくは1〜18質量%である。
酸発生剤は、1種単独で又は2種以上を組合せて使用することができる。
【0135】
〔3〕ヒドロキシメチル基又はアルコキシメチル基を分子内に2個以上有する化合物
本発明の組成物をネガ型の化学増幅型レジスト組成物として用いる場合には、架橋剤として、(C)ヒドロキシメチル基又はアルコキシメチル基を分子内に2個以上有する化合物(以下、適宜、酸架橋剤又は単に架橋剤と称する)を含有することが好ましい。
【0136】
好ましい架橋剤としては、ヒドロキシメチル化又はアルコキシメチル化系フェノール化合物、アルコキシメチル化メラミン系化合物、アルコキシメチルグリコールウリル系化合物類及びアルコキシメチル化ウレア系化合物が挙げられる。特に好ましい架橋剤としての化合物(C)としては、分子内にベンゼン環を3〜5個含み、更にヒドロキシメチル基又はアルコキシメチル基を合わせて2個以上有し、分子量が1200以下のフェノール誘導体や、少なくとも2個の遊離N−アルコキシメチル基を有するメラミン−ホルムアルデヒド誘導体やアルコキシメチルグリコールウリル誘導体が挙げられる。
アルコキシメチル基としては、メトキシメチル基、エトキシメチル基が好ましい。
【0137】
上記架橋剤のうち、ヒドロキシメチル基を有するフェノール誘導体は、対応するヒドロキシメチル基を有さないフェノール化合物とホルムアルデヒドを塩基触媒下で反応させることによって得ることができる。また、アルコキシメチル基を有するフェノール誘導体は、対応するヒドロキシメチル基を有するフェノール誘導体とアルコールを酸触媒下で反応させることによって得ることができる。
このようにして合成されたフェノール誘導体のうち、アルコキシメチル基を有するフェノール誘導体が感度、保存安定性の点から特に好ましい。
【0138】
別の好ましい架橋剤の例として、更にアルコキシメチル化メラミン系化合物、アルコキシメチルグリコールウリル系化合物類及びアルコキシメチル化ウレア系化合物のようなN−ヒドロキシメチル基又はN−アルコキシメチル基を有する化合物を挙げることができる。
【0139】
このような化合物としては、ヘキサメトキシメチルメラミン、ヘキサエトキシメチルメラミン、テトラメトキシメチルグリコールウリル、1,3−ビスメトキシメチル−4,5−ビスメトキシエチレンウレア、ビスメトキシメチルウレア等が挙げられ、EP0,133,216A、西独特許第3,634,671号、同第3,711,264号、EP0,212,482A号に開示されている。
これら架橋剤の中で特に好ましいものを以下に挙げる。
【0141】
式中、L
1〜L
8は、各々独立に、水素原子、ヒドロキシメチル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基又は炭素数1〜6のアルキル基を示す。
【0142】
本発明において架橋剤は、ネガ型のレジスト組成物の固形分中、好ましくは3〜65質量%、より好ましくは5〜50質量%の添加量で用いられる。架橋剤の添加量を3〜65質量%とすることにより、残膜率及び解像力が低下することを防止するとともに、レジスト液の保存時の安定性を良好に保つことができる。
【0143】
本発明において、架橋剤は単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよく、パターン形状の観点から2種以上組み合わせて用いることが好ましい。
例えば、上記のフェノール誘導体に加え、他の架橋剤、例えば上述のN−アルコキシメチル基を有する化合物等を併用する場合、上記のフェノール誘導体と他の架橋剤の比率は、モル比で100/0〜20/80、好ましくは90/10〜40/60、更に好ましくは80/20〜50/50である。
【0144】
〔4〕(D)塩基性化合物
本発明の組成物には、上記成分の他に、塩基性化合物を酸補足剤として含有することが好ましい。塩基性化合物を用いることにより、露光から後加熱までの経時による性能変化を小さくすることできる。このような塩基性化合物としては、有機塩基性化合物であることが好ましく、より具体的には、脂肪族アミン類、芳香族アミン類、複素環アミン類、カルボキシル基を有する含窒素化合物、スルホニル基を有する含窒素化合物、ヒドロキシ基を有する含窒素化合物、ヒドロキシフェニル基を有する含窒素化合物、アルコール性含窒素化合物、アミド誘導体、イミド誘導体等が挙げられる。アミンオキサイド化合物(特開2008−102383号公報に記載)、アンモニウム塩(好ましくはヒドロキシド又はカルボキシレートである。より具体的にはテトラブチルアンモニウムヒドロキシドに代表されるテトラアルキルアンモニウムヒドロキシドがLERの観点で好ましい。)も適宜用いられる。更に、酸の作用により塩基性が増大する化合物も、塩基性化合物の1種として用いることができる。
アミン類の具体例としては、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−デシルアミン、トリイソデシルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン、ジデシルアミン、メチルオクタデシルアミン、ジメチルウンデシルアミン、N,N−ジメチルドデシルアミン、メチルジオクタデシルアミン、N,N−ジブチルアニリン、N,N−ジヘキシルアニリン、2,6−ジイソプロピルアニリン、2,4,6−トリ(t−ブチル)アニリン、トリエタノールアミン、N,N−ジヒドロキシエチルアニリン、トリス(メトキシエトキシエチル)アミンや、米国特許第6040112号明細書のカラム3、60行目以降に例示の化合物、2−[2−{2―(2,2―ジメトキシ−フェノキシエトキシ)エチル}−ビス−(2−メトキシエチル)]−アミンや、米国特許出願公開第2007/0224539A1号明細書の段落[0066]に例示されている化合物(C1−1)〜(C3−3)などが挙げられる。
含窒素複素環構造を有する化合物としては、2−フェニルベンゾイミダゾール、2,4,5−トリフェニルイミダゾール、N−ヒドロキシエチルピペリジン、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、4−ジメチルアミノピリジン、アンチピリン、ヒドロキシアンチピリン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕−ウンデカ−7−エンなどが挙げられる。アンモニウム塩としてはテトラブチルアンモニウムヒドロキシドが好ましい。
また、光分解性塩基性化合物(当初は塩基性窒素原子が塩基として作用して塩基性を示すが、活性光線あるいは放射線の照射により分解されて、塩基性窒素原子と有機酸部位とを有する両性イオン化合物を発生し、これらが分子内で中和することによって、塩基性が減少又は消失する化合物。例えば、特許3577743、特開2001−215689号、特開2001−166476、特開2008−102383に記載のオニウム塩)、光塩基発生剤(例えば、特開2010−243773に記載の化合物)も適宜用いられる。
これら塩基性化合物の中でも解像性向上の観点でアンモニウム塩が好ましい。
本発明で使用される塩基性化合物の含有量は、組成物の全固形分に対して、0.01〜10質量%が好ましく、0.03〜5質量%がより好ましく、0.05〜3質量%が特に好ましい。
【0145】
〔5〕界面活性剤
本発明の組成物中には、更に、塗布性を向上させるため界面活性剤を加えることができる。界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー類、ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなどのノニオン系界面活性剤、フロラードFC430(住友スリーエム製)やサーフィノールE1004(旭硝子製)、OMNOVA社製のPF656及びPF6320、等のフッ素系界面活性剤、オルガノシロキサンポリマーが挙げられる。
本発明の組成物が界面活性剤を含有する場合、界面活性剤の使用量は、組成物の全量(溶剤を除く)に対して、好ましくは0.0001〜2質量%、より好ましくは0.0005〜1質量%である。
【0146】
〔6〕有機カルボン酸
本発明の組成物には、上記成分の他に、有機カルボン酸を含有することが好ましい。このような有機カルボン酸化合物として、脂肪族カルボン酸、脂環式カルボン酸、不飽和脂肪族カルボン酸、オキシカルボン酸、アルコキシカルボン酸、ケトカルボン酸、安息香酸誘導体、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2−ナフトエ酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸などを挙げることができるが、電子線露光を真空化で行なう際にはレジスト膜表面より揮発して描画チャンバー内を汚染してしまう恐れがあるので、好ましい化合物としては、芳香族有機カルボン酸、その中でも例えば安息香酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸が好適である。
有機カルボン酸の配合量としては、高分子化合物(A)100質量部に対し、0.01〜10質量部の範囲内が好ましく、より好ましくは0.01〜5質量部、更により好ましくは0.01〜3質量部である。
【0147】
本発明の組成物には、必要に応じて、更に、染料、可塑剤、光分解性塩基化合物、光塩基発生剤等を含有させることができる。これらの化合物については、いずれも特開2002−6500号に記載のそれぞれの化合物を挙げることができる。
【0148】
また、本発明の組成物に使用される有機溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME、別名1−メトキシ−2−プロパノール)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA、別名1−メトキシ−2−アセトキシプロパン)、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、β−メトキシイソ酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸プロピル、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸イソアミル、乳酸エチル、トルエン、キシレン、酢酸シクロヘキシル、ジアセトンアルコール、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネートなどが好ましい。これらの溶剤は単独若しくは組み合わせて用いられる。
本発明の組成物の固形分は、上記溶剤に溶解し、固形分濃度として、1〜40質量%で溶解することが好ましい。より好ましくは1〜30質量%、更に好ましくは3〜20質量%である。このような固形分濃度の範囲とすることで、上記の膜厚を達成できる。
【0149】
本発明は、本発明の組成物により形成されたレジスト膜にも関する。このようなレジスト膜は、例えば、前述のような固形分濃度の本発明の組成物が基板等の支持体上に塗布されることにより形成される。本発明の組成物は、スピンコート、ロールコート、フローコート、ディップコート、スプレーコート、ドクターコート等の適当な塗布方法により基板上に塗布され、60〜150℃で1〜20分間、好ましくは80〜120℃で1〜10分間プリベークしてレジスト膜を形成する。形成されたレジスト膜の膜厚は、10〜200nmが好ましく、10〜150nmがより好ましく、20〜150nmがさらに好ましい。
【0150】
本発明に適した基板は、シリコン基板、金属蒸着膜又は金属を含む膜が設けられた基板、より適しているのは、表面にCr、MoSi、TaSi若しくはそれらの酸化物、窒化物による蒸着膜が設けられた基板である。
【0151】
また、本発明は、上記のようにして得られるレジスト膜を塗布した、レジスト塗布マスクブランクスにも関する。このようなレジスト塗布マスクブランクスを得るために、フォトマスク作製用のフォトマスクブランクス上にレジストパターンを形成する場合、使用される透明基板としては、石英、フッ化カルシウム等の透明基板を挙げることができる。一般には、この基板上に、遮光膜、反射防止膜、更に位相シフト膜、追加的にはエッチングストッパー膜、エッチングマスク膜といった機能性膜の必要なものを積層する。機能性膜の材料としては、ケイ素、又はクロム、モリブデン、ジルコニウム、タンタル、タングステン、チタン、ニオブ等の遷移金属を含有する膜が積層される。また、最表層に用いられる材料としては、ケイ素又はケイ素に酸素及び/又は窒素を含有する材料を主構成材料とするもの、更にそれらに遷移金属を含有する材料を主構成材料とするケイ素化合物材料や、遷移金属、特にクロム、モリブデン、ジルコニウム、タンタル、タングステン、チタン、ニオブ等より選ばれる1種以上、又は更にそれらに酸素、窒素、炭素より選ばれる元素を1以上含む材料を主構成材料とする遷移金属化合物材料が例示される。
遮光膜は単層でも良いが、複数の材料を塗り重ねた複層構造であることがより好ましい。複層構造の場合、1層当たりの膜の厚みは、特に限定されないが、5nm〜100nmであることが好ましく、10nm〜80nmであることがより好ましい。遮光膜全体の厚みとしては、特に限定されないが、5nm〜200nmであることが好ましく、10nm〜150nmであることがより好ましい。
【0152】
これらの材料のうち、一般にクロムに酸素や窒素を含有する材料を最表層に持つフォトマスクブランク上で感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を用いてパターン形成を行った場合、基板付近でくびれ形状が形成される、いわゆるアンダーカット形状となりやすいが、本発明の組成物を用いた場合、従来のものに比べてアンダーカット問題を改善することができる。
【0153】
次いで、このレジスト膜には活性光線又は放射線(電子線等)を照射し、好ましくはベーク(通常80〜150℃、より好ましくは90〜130℃)を行った後、現像する。これにより良好なパターンを得ることができる。そして、このパターンをマスクとして用いて、適宜エッチング処理及びイオン注入などを行い、半導体微細回路及びインプリント用モールド構造体等を作成する。
なお、本発明の組成物を用いてインプリント用モールドを作成する場合のプロセスについては、例えば、特許第4109085号公報、及び特開2008−162101号公報に記載されている。
【0154】
本発明は、上記レジスト膜又はレジスト塗布マスクブランクスを露光すること、及び、該露光されたレジスト膜又はレジスト塗布マスクブランクスを現像することを含む、レジストパターン形成方法にも関する。上記露光は、電子線又は極紫外線を用いて行われることが好ましい。
また、本発明は、上記レジスト塗布マスクブランクスを、露光及び現像して得られるフォトマスクにも関する。
【0155】
精密集積回路素子の製造などにおいてレジスト膜上への露光(パターン形成工程)は、まず本発明のレジスト膜に、パターン状に電子線又は極紫外線(EUV)照射を行うことが好ましい。露光量は電子線の場合0.1〜20μC/cm
2程度、好ましくは3〜15μC/cm
2程度、極紫外線の場合0.1〜20mJ/cm
2程度、好ましくは3〜15mJ/cm
2程度となるように露光する。次いで、ホットプレート上で60〜150℃で1〜20分間、好ましくは80〜120℃で1〜10分間、露光後加熱(ポストエクスポージャベーク)を行い、ついで現像、リンス、乾燥することによりレジストパターンを形成する。
【0156】
現像液は、アルカリ現像液でもよく、有機系現像液であってもよい。
アルカリ現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の第一アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−ブチルアミン等の第二アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第三アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドドキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラペンチルアンモニウムヒドロキシド、テトラヘキシルアンモニウムヒドロキシド、テトラオクチルアンモニウムヒドロキシド、エチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ブチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、メチルトリアミルアンモニウムヒドロキシド、ジブチルジペンチルアンモニウムヒドロキシド等のテトラアルキルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルフェニルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルベンジルアンモニウムヒドロキシド等の第四級アンモニウム塩、ピロール、ピヘリジン等の環状アミン類等のアルカリ性水溶液を使用することができる。
更に、上記アルカリ性水溶液にアルコール類、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
アルカリ現像液のアルカリ濃度は、通常0.1〜20質量%である。
アルカリ現像液のpHは、通常10.0〜15.0である。
特に、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの2.38質量%の水溶液が望ましい。
【0157】
有機系現像液としては、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤、エーテル系溶剤等の極性溶剤及び炭化水素系溶剤を用いることができる。
ケトン系溶剤としては、例えば、1−オクタノン、2−オクタノン、1−ノナノン、2−ノナノン、アセトン、2−ヘプタノン(メチルアミルケトン)、4−ヘプタノン、1−ヘキサノン、2−ヘキサノン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、フェニルアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン、アセトニルアセトン、イオノン、ジアセトニルアルコール、アセチルカービノール、アセトフェノン、メチルナフチルケトン、イソホロン、プロピレンカーボネート等を挙げることができる。
エステル系溶剤としては、例えば、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ペンチル、酢酸イソペンチル、酢酸アミル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネート、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸ブチル、蟻酸プロピル、乳酸エチル、乳酸ブチル、乳酸プロピル等を挙げることができる。
アルコール系溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、4−メチル−2−ペンタノール、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、n−ヘキシルアルコール、n−ヘプチルアルコール、n−オクチルアルコール、n−デカノール等のアルコールや、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等のグリコール系溶剤や、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、メトキシメチルブタノール等のグリコールエーテル系溶剤等を挙げることができる。
エーテル系溶剤としては、例えば、上記グリコールエーテル系溶剤の他、アニソール、ジオキサン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
アミド系溶剤としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が使用できる。
炭化水素系溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、ペンタン、ヘキサン、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素系溶剤が挙げられる。
上記の溶剤は、複数混合してもよいし、上記以外の溶剤や水と混合し使用してもよい。但し、本発明の効果を十二分に奏するためには、現像液全体としての含水率が10質量%未満であることが好ましく、実質的に水分を含有しないことがより好ましい。
すなわち、有機系現像液に対する有機溶剤の使用量は、現像液の全量に対して、90質量%以上100質量%以下であることが好ましく、95質量%以上100質量%以下であることが好ましい。
特に、有機系現像液は、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤及びエーテル系溶剤からなる群より選択される少なくとも1種類の有機溶剤を含有する現像液であるのが好ましい。
有機系現像液は、塩基性化合物を含んでいてもよい。本発明で用いられる現像液が含みうる塩基性化合物の具体例及び好ましい例としては、前述した、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物が含みうる塩基性化合物におけるものと同様である。
有機系現像液には、必要に応じて界面活性剤を適当量添加することができる。
【実施例】
【0158】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明の内容がこれにより限定されるものではない。
【0159】
<高分子化合物(P1)の合成>
25.5gのp−ヒドロキシスチレン(53.1質量%プロピレングリコールモノメチルエーテル溶液)と、9.69gの下記式(X)で表される化合物と、2.42gの重合開始剤V−601(和光純薬工業(株)製)とを、31.4gのプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)に溶解させた。反応容器中に10.8gのPGMEを入れ、窒素ガス雰囲気下、85℃の系中に2時間かけて滴下した。反応溶液を4時間に亘って加熱撹拌した後、これを室温まで放冷した。
【0160】
【化38】
【0161】
上記反応溶液を、33gのアセトンを加えることにより希釈した。希釈した溶液を1000gのヘプタン/酢酸エチル(質量比)=8/2中に滴下し、ポリマーを沈殿させ、ろ過した。その後、固体を減圧乾燥に供して、31.31gの高分子化合物(P1)を得た。
【0162】
<高分子化合物(P2)の合成>
日本曹達株式会社製、ポリ(p−ヒドロキシスチレン)(VP2500)20gをトルエン120mLに溶解し、6.2gのprop-1-en-2-ylcyclohexaneを加え、5℃以下に冷却し、0.5gのメタンスルホン酸を加え、そのままの温度で8時間撹拌した。1NのNaOH水溶液を少しずつ反応液に添加し中和した。反応液を分液ロートに移し、酢酸エチル100mLと蒸留水100mLを更に加えて撹拌後、水層を除去した。その後有機層を200mLの蒸留水で5回洗浄後、有機層を濃縮した。この反応液をヘキサン3L中に滴下した。粉体をろ過後、分取し、真空乾燥することで高分子化合物(P2)10.6gが得られた。
【0163】
<高分子化合物(P3)〜(P12)及び比較高分子化合物(P1)〜(P4)の合成>
高分子化合物(P1)(P2)と同様にして、他の高分子化合物(P3)〜(P12)及び比較高分子化合物(P1)〜(P4)を合成した。
【0164】
得られた高分子化合物につき、
1H−NMR測定により、高分子化合物の組成比(モル比)を算出した。また、GPC(溶媒:THF)測定により、高分子化合物の重量平均分子量(Mw:ポリスチレン換算)、数平均分子量(Mn:ポリスチレン換算)及び分散度(Mw/Mn、以下「PDI」ともいう)を算出した。重量平均分子量及び分散度について、以下の表1および表2中に、高分子化合物の化学式及び組成比とともに示す。
【0165】
【表1】
【0166】
【表2】
【0167】
〔実施例1P〕
(1)支持体の準備
酸化Cr蒸着した6インチウェハー(通常のフォトマスクに使用する遮蔽膜処理を施したもの)を準備した。
【0168】
(2)感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物(以下、単に「組成物」ともいう)の準備
(組成物P1の塗布液組成)
高分子化合物(P1) 0.60g
光酸発生剤(z42)(構造式は下記) 0.12g
テトラブチルアンモニウムヒドロキシド(塩基性化合物) 0.002g
界面活性剤PF6320(OMNOVA(株)製) 0.001g
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(溶剤) 9.0g
上記成分を配合し、0.04μmの孔径を有するメンブレンフィルターで精密ろ過して、組成物P1を得た。
【0169】
(3)レジスト膜の作成
上記6インチウェハー上に、東京エレクトロン製スピンコーターMark8を用いて、組成物P1を塗布し、110℃、90秒間ホットプレート上で乾燥して、膜厚100nmのレジスト膜を得た。すなわち、レジスト塗布マスクブランクスを得た。
【0170】
(4)ポジ型レジストパターンの作製
このレジスト膜に、電子線描画装置((株)日立製作所製HL750、加速電圧50KeV)を用いて、パターン照射を行った。照射後に、120℃、90秒ホットプレート上で加熱し、2.38質量%テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)水溶液を用いて60秒間浸漬した後、30秒間、水でリンスして乾燥した。
【0171】
(5)レジストパタ−ンの評価
得られたパターンを下記の方法で、感度、解像力、パタ−ン形状、ラインエッジラフネス(LER)及びドライエッチング耐性について評価した。
【0172】
〔感度〕
得られたパターンの断面形状を走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製S−4300)を用いて観察した。線幅100nm(ライン:スペース=1:1)のレジストパターンを解像するときの露光量(電子線照射量)を感度(単位:μC/cm
2)とした。この値が小さいほど、感度が高い。
【0173】
〔解像力評価(LS)〕
上記の感度を示す露光量(電子線照射量)における限界解像力(ラインとスペース(ライン:スペース=1:1)が分離解像する最小の線幅)をLS解像力(単位:nm)とした。
【0174】
〔解像力評価(IL)〕
線幅100nmの孤立ラインパターン(ライン:スペース=1:>100)を解像する際の最小照射量における限界解像力(ラインとスペース(ライン:スペース=1:>100)が分離解像する最小の線幅)をIL解像力(単位:nm)とした。
【0175】
〔パタ−ン形状〕
上記の感度を示す露光量(電子線照射量)における線幅100nmラインパターン(L/S=1/1)の断面形状を走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製S−4300)を用いて観察した。ラインパターンの断面形状において、[ラインパターンのボトム部(底部)における線幅/ラインパターンの中部(ラインパターンの高さの半分の高さ位置)における線幅]で表される比率が1.5以上のものを「順テーパー」とし、該比率が1.2以上1.5未満のものを「やや順テーパー」とし、該比率が1.2未満のものを「矩形」として、評価を行った。
【0176】
〔ラインエッジラフネス(LER)〕
上記の感度を示す照射量(電子線照射量)で、線幅100nmのラインパターン(L/S=1/1)を形成した。そして、その長さ方向50μmに含まれる任意の30点について、走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製S−9220)を用いて、エッジがあるべき基準線からの距離を測定した。そして、この距離の標準偏差を求め、3σを算出した。値が小さいほど良好な性能であることを示す。
【0177】
〔ドライエッチング耐性評価〕
未露光レジスト膜を、HITACHI U−621でAr/C
4F
6/O
2ガス(体積比率100/4/2の混合ガス)を用いて30秒間ドライエッチングを行った。その後レジスト残膜率を測定し、ドライエッチング耐性の指標とした。
非常に良好:残膜率95%以上
良好:95%未満90%以上
不良:90%未満
【0178】
〔実施例2P〜23P、及び、比較例1P〜4P〕
下記表3および表4に記載の成分以外は実施例1Pと同様にして組成物P2〜P23および比較組成物P1〜P4の調製、ポジ型パターン形成及びその評価を行った。結果を、実施例1Pの結果と共に、下記表5に示す。
【0179】
【表3】
【0180】
【表4】
【0181】
上記表3および表4中の、前掲した成分以外の成分を以下に記載する。
【0182】
〔酸発生剤(化合物(B))〕
【化39】
【0183】
〔塩基性化合物〕
B1:テトラブチルアンモニウムヒドロキシド
B2:トリ(n−オクチル)アミン
B3:2,4,5−トリフェニルイミダゾール
【化40】
【0184】
〔溶剤〕
S1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(1−メトキシ−2−アセトキシプロパン)
S2:プロピレングリコールモノメチルエーテル(1−メトキシ−2−プロパノール)
S3:2−ヘプタノン
S4:乳酸エチル
S5:シクロヘキサノン
S6:γ−ブチロラクトン
S7:プロピレンカーボネート
【0185】
【表5】
【0186】
表5に示す結果から、本発明の組成物によれば、感度、解像力、パターン形状、LER及びドライエッチング耐性に優れることが分かる。
【0187】
〔実施例1Q〜8Q、及び、比較例1Q〜4Q〕
(組成物の調製)
表3および表4に記載した成分を同表に記載した配合量で配合し、ポアサイズ0.04μmのポリテトラフルオロエチレンフィルターによりろ過して、組成物を調製した。
【0188】
(レジスト評価)
調製した組成物を、スピンコーターを用いて、ヘキサメチルジシラザン処理を施したシリコン基板上に均一に塗布し、100℃で60秒間ホットプレート上で加熱乾燥を行って、0.05μmの膜厚を有したレジスト膜を形成させた。
得られたレジスト膜に関し、下記の方法で、感度、解像力、パタ−ン形状、ラインエッジラフネス(LER)及びドライエッチング耐性について評価した。
【0189】
〔感度〕
得られたレジスト膜に、EUV光(波長13nm)を用いて、露光量を0〜20.0mJ/cm
2の範囲で0.1mJ/cm
2ずつ変えながら、線幅100nmの1:1ラインアンドスペースパターンの反射型マスクを介して、露光を行った後、110℃で90秒間ベークした。その後、2.38質量%テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)水溶液を用いて現像した。
線幅100nmのラインアンドスペース(L/S=1/1)のマスクパターンを再現する露光量を感度(単位:μC/cm
2)とした。この値が小さいほど、感度が高い。
【0190】
〔解像力(LS)〕
上記の感度を示す露光量における限界解像力(ラインとスペース(ライン:スペース=1:1)とが分離解像する最小の線幅)をLS解像力(単位:nm)とした。
【0191】
〔パターン形状評価〕
上記の感度を示す露光量における線幅100nmのラインパターン(L/S=1/1)の断面形状を走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製S−4300)を用いて観察した。ラインパターンの断面形状において、[ラインパターンのボトム部(底部)における線幅/ラインパターンの中部(ラインパターンの高さの半分の高さ位置)における線幅]で表される比率が1.5以上のものを「順テーパー」とし、該比率が1.2以上1.5未満のものを「やや順テーパー」とし、該比率が1.2未満のものを「矩形」として、評価を行った。
【0192】
〔ラインエッジラフネス(LER)〕
上記の感度を示す露光量における線幅100nmのラインパターン(L/S=1/1)の長さ方向50μmにおける任意の30点について、走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製S−9220)を用いてエッジがあるべき基準線からの距離を測定し、標準偏差を求め、3σを算出した。値が小さいほど良好な性能であることを示す。
【0193】
〔ドライエッチング耐性評価〕
未露光レジスト膜を、HITACHI U−621でAr/C
4F
6/O
2ガス(体積比率100/4/2の混合ガス)を用いて30秒間ドライエッチングを行った。その後レジスト残膜率を測定し、ドライエッチング耐性の指標とした。
非常に良好:残膜率95%以上
良好:95%未満90%以上
不良:90%未満
【0194】
以上の評価結果を、下記表6に示す。
【表6】
【0195】
表6に示す結果から、本発明の組成物によれば、感度、解像力、パターン形状、ラインエッジラフネス(LER)及びドライエッチング耐性に優れることが分かる。
また、実施例1Q〜8Qにおいて現像液を有機系現像液(酢酸ブチル)に変更した場合においても、アルカリ現像液の場合と同様に良好なレジスト性能を示すことを確認した。