特許第6226677号(P6226677)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6226677
(24)【登録日】2017年10月20日
(45)【発行日】2017年11月8日
(54)【発明の名称】半導体製造装置および半導体製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/205 20060101AFI20171030BHJP
   C23C 16/455 20060101ALI20171030BHJP
【FI】
   H01L21/205
   C23C16/455
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-207430(P2013-207430)
(22)【出願日】2013年10月2日
(65)【公開番号】特開2015-72989(P2015-72989A)
(43)【公開日】2015年4月16日
【審査請求日】2016年6月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】504162958
【氏名又は名称】株式会社ニューフレアテクノロジー
(74)【代理人】
【識別番号】110000235
【氏名又は名称】特許業務法人 天城国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森山 義和
(72)【発明者】
【氏名】石井 成明
【審査官】 正山 旭
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−099972(JP,A)
【文献】 特開2011−151118(JP,A)
【文献】 特開平09−097765(JP,A)
【文献】 特開2008−218734(JP,A)
【文献】 特表平10−501099(JP,A)
【文献】 特開2007−311660(JP,A)
【文献】 特開2011−066356(JP,A)
【文献】 特開2003−203866(JP,A)
【文献】 特開平03−146674(JP,A)
【文献】 特開2009−105165(JP,A)
【文献】 特開2010−027675(JP,A)
【文献】 特開2011−222592(JP,A)
【文献】 特開2008−243938(JP,A)
【文献】 特開2011−077315(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/205
C23C 16/455
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセスガスを導入するガス導入口及びこのガス導入口より前記プロセスガスが導入される緩衝部を含むガス導入部と、前記プロセスガスによりウェーハ上に成膜反応が行われる成膜反応部と、を有する反応炉と、
前記緩衝部から水平方向に分散された状態で導入された前記プロセスガスを前記ウェーハの上面に整流状態で供給する整流板と、
前記成膜反応部内に設けられ、前記ウェーハを支持するウェーハ支持部材と、
前記成膜反応部内に設けられ、前記ウェーハ支持部材の外周部を支持し、前記ウェーハ支持部材と共に前記ウェーハを回転させる回転部と、
この回転部内に設けられ、前記ウェーハを下面側から加熱するヒータと、
前記反応炉の底部に設けられ、前記成膜反応における反応副生成物を含む排気ガスを排出するガス排出口と、を備え
前記緩衝部は、前記整流板の外周部の一部に設けられることを特徴とする半導体製造装置。
【請求項2】
前記緩衝部と前記整流板との間に上方向へ突出して形成され、前記緩衝部から前記整流板に導入される前記プロセスガスの流れの障壁となるように形成された堰部材を更に備えることを特徴とする請求項1記載の半導体製造装置。
【請求項3】
前記堰部材の高さ、厚さまたは幅は、前記緩衝部の位置、大きさおよび前記プロセスガスの流量条件に基づいてそれぞれ調整されることを特徴とする請求項2の半導体製造装置。
【請求項4】
前記堰部材は、着脱可能に設けられることを特徴とする請求項2または請求項3記載の半導体製造装置。
【請求項5】
反応炉内にウェーハを導入して支持し、
前記反応炉の上部の内部空間領域に形成された緩衝部内へプロセスガスを導入し、
前記緩衝部から整流板の上部領域に、水平方向に分散された状態で前記プロセスガスを導入し、
前記整流板を介してから前記ウェーハの上面に前記プロセスガスを整流状態で供給し、
前記ウェーハを下方から加熱しながら回転させ、前記ウェーハの上面に成膜を行い、
前記緩衝部は、前記整流板の外周部の一部に設けられることを特徴とする半導体製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェーハ表面にエピタキシャル膜を形成する半導体製造装置および半導体製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、半導体製造工程においては、ウェーハ表面にエピタキシャル膜などの被膜を形成するためにCVD(Chemical Vapor Deposition)装置などの半導体製造装置が用いられている。このCVD装置においては、例えばサセプタ上にウェーハを載置し、整流板を用いてウェーハの上方から整流状態でプロセスガスを供給し、加熱しながら回転することで、ウェーハ表面に被膜を形成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−311660号公報
【特許文献2】特開2011−66356号公報
【特許文献3】特開2003−203866号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来型の半導体製造装置においては、装置の径が整流板に対して十分に大きく、ガス導入口と整流板の距離も広かったために、整流板からウェーハ上面に向けて供給されるプロセスガスの圧力がガス導入口から整流板の吐出孔までの距離に応じて大きく変わるという問題はなかった。
【0005】
しかしながら、近年の半導体製造装置においては、(1)少ないガス量で均一な厚さの被膜を形成すること、(2)成膜反応を行う空間領域のデッドスペースを小さくし、その領域内での渦の発生を抑制すること、(3)反応炉内での反応副生成物の堆積を抑制すること等を目的として、回転部と反応炉の側壁との間隔を狭め、装置を小型化することが要求されている。装置の径を小さくすると、ガス導入口と整流板との間隔も狭くなってしまうため、整流板からウェーハ上面に向けて供給するプロセスガスの圧力はガス導入口からの距離が近い吐出孔ほど高くなってしまう。従って、ウェーハ上面にプロセスガスを均一に供給することができない。このようなプロセスガスの均一性は、ガス流量条件を変更することで改善することができるが、多量のプロセスガスが必要となり、装置の小型化の目的と反する結果を生じる。
【0006】
そこで、本発明は、上記従来技術の問題に鑑み、反応炉の径を小さくしても、ウェーハの上面にプロセスガスを均一に供給することができる半導体製造装置および半導体製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態に係る半導体製造装置は、プロセスガスを導入するガス導入口及びこのガス導入口より前記プロセスガスが導入される緩衝部を含むガス導入部と、前記プロセスガスによりウェーハ上に成膜反応が行われる成膜反応部と、を有する反応炉と、前記緩衝部から水平方向に分散された状態で導入された前記プロセスガスを前記ウェーハの上面に整流状態で供給する整流板と、前記成膜反応部内に設けられ、前記ウェーハを支持するウェーハ支持部材と、前記成膜反応部内に設けられ、前記ウェーハ支持部材の外周部を支持し、前記ウェーハ支持部材と共に前記ウェーハを回転させる回転部と、この回転部内に設けられ、前記ウェーハを下面側から加熱するヒータと、前記反応炉の底部に設けられ、前記成膜反応における反応副生成物を含む排気ガスを排出するガス排出口と、を備え、前記緩衝部は、前記整流板の外周部の一部に設けられることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の一実施形態に係る半導体製造方法は、反応炉内にウェーハを導入して支持し、前記反応炉の上部の内部空間領域に形成された緩衝部内へプロセスガスを導入し、前記緩衝部から整流板の上部領域に、水平方向に分散された状態で前記プロセスガスを導入し、前記整流板を介してから前記ウェーハの上面に前記プロセスガスを整流状態で供給し、前記ウェーハを下方から加熱しながら回転させ、前記ウェーハの上面に成膜を行い、前記緩衝部は、前記整流板の外周部の一部に設けられることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態1に係る半導体製造装置の反応炉の全体構成例を示す断面図。
図2図1に示す整流板および緩衝部の構成例を示す上面図。
図3図2において破線で示す要部Aにおける斜視図。
図4】実施形態1の変形例(1)における反応炉の全体構成例を示す断面図。
図5】実施形態1の変形例(2)における整流板および緩衝部の構成例を示す上面図。
図6】実施形態2に係る半導体製造装置の反応炉の全体構成例を示す断面図。
図7図6に示す整流板、緩衝部および堰部材の構成例を示す上面図。
図8図7において破線で示す要部Bにおける斜視図。
図9】実施形態2の変形例(1)における堰部材の形状を示す正面斜視図。
図10】実施形態2の変形例(2)における緩衝部および堰部材の形状を示す上面図。
図11】実施形態2の変形例(3)における緩衝部および堰部材の形状を示す上面図。
図12】実施形態2の変形例(4)における緩衝部および堰部材の形状を示す上面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、各実施形態においては、反応炉10内においてシリコンからなるφ200mmのウェーハwを使用する場合を例として説明するが、使用するウェーハwの種類はこれに限られない。
【0011】
<実施形態1>
図1は、本実施形態に係る半導体製造装置の反応炉10の全体構成例を示す断面図である。同図に示すように、反応炉10は、ガス導入部10a、成膜反応部10bから構成されている。ガス導入部10aにおいては、ソースガス(例えば、トリクロロシラン(SiHCl)、ジクロロシラン(SiHCl)など)および水素(H)などのキャリアガスを含むプロセスガスが導入される。ガス導入部10aの下部に設けられる成膜反応部10bにおいては、、成膜反応部10bに導入されたウェーハwの上面でプロセスガスによる成膜反応が行われる。ガス導入部10aにおいて、天井面の端部近傍には、プロセスガスを供給するためのガス供給機構(図示省略)に接続されたガス導入口11が例えば2箇所に設けられている。そして、ガス導入口11からのプロセスガス流を緩和させるための緩衝部13が設けられている。
【0012】
また、ガス導入部10aと成膜反応部10bとの間には、緩衝部13でガス流が緩和され、緩衝部13に少なくとも一部が囲まれた領域(P1領域)に導入されたガスを成膜反応部10b内に整流状態で供給するための多数の吐出孔が形成されたガス吐出部12aと整流板外周部12bからなる整流板12が設けられている。
【0013】
成膜反応部10b内には、導入されたウェーハwを支持するためのウェーハ支持部材の一種であるサセプタ15が設けられている。また、成膜反応部10b内には、上部にサセプタ15が載置される円筒形状の回転リング16aとその回転軸16bから構成された回転部16が設けられている。回転部16の回転軸16bは、反応炉10の外部まで延設されており、回転駆動制御機構(図示省略)に接続されている。そして、回転駆動制御機構は、モータ(図示省略)の駆動力によって回転部16を回転させ、サセプタ15と共にウェーハwを例えば900rpmで回転させる。
【0014】
また、回転部16の内部には、ウェーハwを下面側から加熱するヒータ17が設けられている。ヒータ17は、インヒータ17aとアウトヒータ17bから構成されている。インヒータ17aは、ウェーハwを中央側から加熱する。これに対し、アウトヒータ17bは、インヒータ17aとサセプタ15との間に設けられ、ウェーハwを外周側から加熱する。インヒータ17aの下部には、ウェーハwを効率的に加熱するための円盤状のリフレクター(図示省略)が設置されていてもよい。
【0015】
インヒータ17aおよびアウトヒータ17bは、温度制御機構(図示省略)にそれぞれ接続されている。温度制御機構(図示省略)は、温度測定装置(図示省略)により測定されたウェーハwの面内温度に基づいて、インヒータ17aおよびアウトヒータ17bの温度を例えば1400〜1500℃の範囲で適宜出力を調整して、ウェーハwの面内温度が均一に例えば1100℃となるようにウェーハwを介して加熱する。
【0016】
そして、反応炉10の底部には、ガス排出口18が例えば2箇所に設けられている。このガス排出口18は、ガス排出機構(図示省略)に接続されている。ガス排出機構は、バルブおよび真空ポンプを有し、ウェーハw上に供給されて余剰となったプロセスガスや反応副生成物を含む排気ガスを反応炉10から排出するとともに、反応炉10内の圧力を制御する。反応炉10内の圧力は、ガス導入口11からのガス供給とガス排出口18からの排気の流量によって調整される。
【0017】
図2は、図1に示す整流板12および緩衝部13の構成例を示す上面図である。また、図3は、図2において破線で示す要部Aにおける斜視図である。ここでは、底面形状が扇形状の緩衝部13が、ガス導入口11の数と位置に対応してリング形状の整流板外周部12bの外側に2箇所設けられている。また、図3中の矢印は、ガス導入口11から緩衝部13へ導入されたプロセスガスの進行方向の例を示している。なお、緩衝部13の底面形状は、扇形状に限られず、大きさも任意に変更可能である。
【0018】
続いて、上記のように構成された半導体製造装置を用いて、例えばφ200mmのウェーハw上にSiエピタキシャル膜を形成する方法の具体例を説明する。
【0019】
先ず、反応炉10のゲート(図示省略)を開放して、ロボットハンド(図示省略)により、ウェーハwを例えば炉内が700℃に加熱された反応炉10内に搬入する。
【0020】
次いで、突き上げ機構(図示省略)を上昇させ、ウェーハwを突き上げ機構上に載置し、ロボットハンド(図示省略)を反応炉10の外部に搬出して、ゲート(図示省略)を閉鎖する。
【0021】
次いで、突き上げ機構を下降させることにより、サセプタ15上にウェーハwを載置する。そして、温度制御機構(図示省略)により、ウェーハwの面内温度が均一に、例えば1100℃となるように、インヒータ17aを1400℃、アウトヒータ17bを1500℃程度に制御する。
【0022】
そして、回転駆動機構(図示省略)により、ウェーハwを、例えば900rpmで回転させるとともに、ガス導入口11からプロセスガス(例えば、キャリアガス:Hを61slm、ソースガス:SiHClを16.5slm)を導入し、反応炉10内の圧力を700Torrに調整する。
【0023】
導入されたプロセスガスは先ず緩衝部13内に供給され、緩衝部13で一旦受け止められるため、プロセスガスは図3に示すように緩衝部13内から整流板12のガス吐出部12aへ水平方向に分散して進む。この結果、プロセスガスは整流板12を介して整流状態でウェーハw上に供給され、その流量はガス吐出部12aにおける吐出孔の位置に関わらず一定となる。
【0024】
また、余剰となったSiHClを含むプロセスガス、希釈ガス、反応副生成物であるHClなどのガスは、ガス排出口18より排出され、反応炉10内の圧力を一定に制御する。このようにして、各条件を制御し、ウェーハw上にSiエピタキシャル膜を成長させる。
【0025】
以上のように、本実施形態に係る半導体製造装置によれば、反応炉10の径を従来型よりも大幅に小さくしつつ、ガス導入部10a側に整流板12の外側に所望の大きさの緩衝部13を部分的に設けることで、整流板12の外側に設けた緩衝部13にプロセスガスを導入して整流板12の上部において効率的に広げることができる。従って、整流板12からウェーハwの上面に供給されるプロセスガスの流量を吐出孔の位置に関わらず一定にすることができ、その結果、膜厚の均一性を向上させることができる。
【0026】
なお、本実施形態に限定されるものではなく、他要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【0027】
例えば、図4に断面図を示すように、ガス導入口11を反応炉10の側面に形成し、プロセスガスを垂直下方向ではなく水平方向に供給してもよい。すなわち、ガス導入口11は必ずしも反応炉10の天井面上に設ける必要はなく、プロセスガスの供給方向も垂直下方向だけでなく水平方向であってもよい。
【0028】
また、図5に上面図を示すように、緩衝部13の底面形状を扇型にして整流板12の外側に部分的に配置するのではなく、リング形状にして整流板12の上部全周を囲むように配置してもよい。
【0029】
<実施形態2>
以下、本発明の実施形態2について説明する。なお、上記実施形態1において付された符号と共通する符号は同一の対象を表すため説明を省略し、以下では実施形態1と異なる箇所について詳細に説明する。
【0030】
図6は、実施形態2に係る半導体製造装置の反応炉10の全体構成例を示す断面図である。また、図7は、図6に示す整流板12、緩衝部13および堰部材14の構成例を示す上面図であり、図8は、図7において破線で示す要部Bにおける斜視図である。これらの図に示されるように、本実施形態に係る半導体製造装置は、緩衝部13と整流板12との間に上方向へ突出して形成され、緩衝部13から整流板12に導入されるプロセスガスの流れの障壁となるように形成された堰部材14を更に備えている点が実施形態1と異なっている。
【0031】
堰部材14は、緩衝部13と整流板12のガス吐出部12aとの間に設けられた領域である整流板外周部12bにおいて反応炉10の天井面方向に所定の高さで突出して形成され、かつ、長手方向の幅が少なくとも緩衝部13の幅よりも広く調整されている。この堰部材14は、成膜条件により高さ、厚さ、または幅をそれぞれ変化させるために、着脱可能に構成することが好ましい。
【0032】
本実施形態に係る半導体製造装置は、堰部材14を設けることにより、プロセスガスの流路途中の形状を変更するものである。図6乃至図8の場合における、プロセスガスの流路は以下の通りである。
【0033】
例えば、反応炉10内の圧力を700Torrに調整されるように、、ガス導入口11から緩衝部13へプロセスガス(例えば、キャリアガス:Hを61slm、ソースガス:SiHClを16.5slm)が導入される。
【0034】
次に、緩衝部13へ導入されたプロセスガスは緩衝部13で受け止められ、水平方向に分散して進む。その後、プロセスガスが堰部材14に衝突すると、図7に示したように堰部材14を上方や左右方向に迂回しながら通過する。そして、緩衝部13の位置に対応して堰部材14が設けられた箇所においては、プロセスガスは整流板12に対して上から下方向のガス流が形成される。これに対し、堰部材14が設けられていない箇所においては、堰部材14を左右から迂回して水平方向のガス流が形成される。この結果、整流板12上に形成されている吐出孔と堰部材14との位置関係によってガス流の向きを大きく変えることができる。
【0035】
以上のように、本実施形態に係る半導体製造装置によれば、堰部材14を設けることによって、ガス導入口に近い場所のプロセスガスの供給量を抑え、整流板に供給するガス量を全ての吐出孔において均一にすることができる。その結果、膜厚の均一性を向上させることができる。
【0036】
なお、本実施形態に限定されるものではなく、他要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【0037】
図9に正面斜視図を示すように、堰部材14の高さが、中央部のC点における高さH1を端部のD点における高さH2よりも高くしてもよい。さらに、図10に堰部材14の形状の上面図を示すように、中央部のC点における厚さを端部のD点における厚さよりも厚くなるように調整してもよい。図9図10に示すような構成により、ガス導入口11に近い場所のプロセスガスの供給量を抑え、整流板12に供給するガス量を全ての吐出孔において均一にすることができる。なお、図9図10では堰部材14の高さおよび厚さを部分的に調整したが、全体を同様に調整してもよい。
【0038】
同様に、図11に上面図を示すように、堰部材14の幅を緩衝部13の幅より大幅に広くなるように形成してもよい。なお、堰部材14の高さ、厚さおよび幅は、緩衝部13の位置、大きさおよびプロセスガスの流量条件等に基づいて任意に調整し、実験等を通じて最適化することが好ましい。堰部材14の高さ、厚さ、または幅をそれぞれ変化させることで、ウェーハw上におけるSiエピタキシャル膜の成長状況を更に詳細に制御することが可能となる。
【0039】
また、図12に上面図を示すように、緩衝部13をリング形状として整流板12の上部全周に配置するとともに、堰部材14をリング形状としてもよい。
【0040】
また、上記実施形態2では、堰部材14は、整流板外周部12b上に形成されるものとしたが、少なくとも緩衝部13と整流板12のガス吐出部12aとの間に設けられていればよいため、緩衝部13側に整流板外周部12bと隣接するように設けてもよい。
【0041】
また、上記二つの実施形態では、緩衝部13の底面は整流板12の上面と同じ水平面である必要はなく、緩衝部13の底面が整流板12の上面よりも上方あるいは下方に配置させてもよい。すなわち、緩衝部13はガス導入口11から供給されるプロセスガスを一旦受け止められる領域であればよく、その位置および大きさはガス導入口11や整流板12の位置に応じて任意に決定することができる。
【0042】
更に、上記実施形態において、単層のSiエピタキシャル膜形成を例に挙げて説明したが、GaN系の化合物半導体、その他ポリSi層、SiO層やSi層などの絶縁膜や、SiC、GaAlAs、InGaAsなど化合物半導体の積層に適用することが可能である。また、半導体膜のドーパントを変動させる際にも適用することが可能である。
【符号の説明】
【0043】
w…ウェーハ、10…反応炉、10a…ガス導入部、10b…成膜反応部、11…ガス導入口、12…整流板、12a…ガス吐出部、12b…整流板外周部、13…緩衝部、14…堰部材、15…サセプタ(ウェーハ支持部材)、16…回転部、16a…回転リング、16b…回転軸、17…ヒータ、17a…インヒータ、17b…アウトヒータ、18…ガス排出口。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12