特許第6228334号(P6228334)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6228334トイレトレーニングシステム、及び、トイレトレーニング用プログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6228334
(24)【登録日】2017年10月20日
(45)【発行日】2017年11月8日
(54)【発明の名称】トイレトレーニングシステム、及び、トイレトレーニング用プログラム
(51)【国際特許分類】
   G09B 19/00 20060101AFI20171030BHJP
   B42D 15/00 20060101ALI20171030BHJP
【FI】
   G09B19/00 Z
   B42D15/00 331Z
【請求項の数】13
【全頁数】34
(21)【出願番号】特願2017-59861(P2017-59861)
(22)【出願日】2017年3月24日
【審査請求日】2017年5月8日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000115108
【氏名又は名称】ユニ・チャーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】一色国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】合田 文美
(72)【発明者】
【氏名】小松 茜
【審査官】 櫻井 茂樹
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2014/0155047(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0223570(US,A1)
【文献】 特表2007−531911(JP,A)
【文献】 子どものやる気を引き出す『ごほうびシール台紙』無料プリントサイト,[online],2016年11月 7日,MimiLy、[2017年6月21日検索],URL,https://web.archive.org/web/20161107065618/https://mimily.jp/archives/257
【文献】 トイレトレーニングはシールで楽しく!口コミで人気のおすすめ10選,[online],株式会社エバーセンス,2017年 3月22日,こそだてハック、[2017年6月21日検索],URL,https://192abc.com/45338
【文献】 楽しくトイレトレーニング トレパンマン オリジナル 応援ポスター&シール,[online],ユニ・チャーム株式会社,2016年10月23日,トレパンマン、[2017年6月21日検索],URL,http://web.archive.org/web/20161023194734/http://www.unicharm.co.jp/trepanman/ouen.html
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 3/00−3/08
9/00−9/20
9/26−11/00
B42D 1/00−15/00
15/04−19/00
G09B 1/00−9/56
17/00−19/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
読み取り部及び表示部を備えたコンピューターが読み取り可能なARマーカーを有し、乳幼児がトイレトレーニングを行った際に、完了サインを付与するためのトイレトレーニング用台紙と、
前記読み取り部及び前記表示部を備えた前記コンピューターと、
を備えた、トイレトレーニングシステムであって、
前記コンピューターは、前記ARマーカーを読み取ることにより、トイレトレーニング情報を前記表示部に表示させるトイレトレーニング情報出力処理を実行し、
前記トイレトレーニング用台紙は、前記ARマーカーを複数有し、
複数の前記ARマーカーは、各々異なる前記トイレトレーニング情報に関連付けられており、
前記コンピューターは、各前記ARマーカーに対応づけられた前記トイレトレーニング情報を前記表示部に表示させ、
複数のARマーカーとして、スタート地点に設定された第1ARマーカーと、中間地点に設定された第2ARマーカーと、ゴール地点に設定された第3ARマーカーが設けられており、
前記第1ARマーカーが読み取られた際には、前記コンピューターは、前記乳幼児が使用する使い捨ておむつに関連づけられたキャラクター、及び、前記乳幼児に前記トイレトレーニングを行うことを促すメッセージを、前記表示部に表示させ、
前記第2ARマーカーが読み取られた際には、前記コンピューターは、前記乳幼児が使用する使い捨ておむつに関連づけられた前記キャラクター、及び、前記乳幼児に前記トイレトレーニングを継続させるように応援するメッセージを、前記表示部に表示させ、
前記第3ARマーカーが読み取られた際には、前記コンピューターは、前記乳幼児が使用する使い捨ておむつに関連づけられた前記キャラクター、及び、前記トイレトレーニングを完遂した前記乳幼児を褒めるメッセージを、前記表示部に表示させる、
ことを特徴とするトイレトレーニングシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のトイレトレーニングシステムであって、
前記第2ARマーカーが読み取られた際に前記表示部に表示される前記キャラクターの動作パターンは、前記第1ARマーカーが読み取られた際に前記表示部に表示される前記キャラクターの動作パターンとは異なることを特徴とするトイレトレーニングシステム。
【請求項3】
読み取り部及び表示部を備えたコンピューターに、
前記読み取り部がトイレトレーニング用台紙に設けられたARマーカーを読み取ることにより、トイレトレーニング情報を前記表示部に表示させるトイレトレーニング情報出力処理を実行させるトイレトレーニング用プログラムであって、
前記トイレトレーニング用台紙には、前記ARマーカーが複数設けられており、
複数の前記ARマーカーは、各々異なる前記トイレトレーニング情報に関連付けられており、
前記トイレトレーニング情報出力処理において、各前記ARマーカーに対応づけられた前記トイレトレーニング情報を前記表示部に表示させ、
複数のARマーカーとして、スタート地点に設定された第1ARマーカーと、中間地点に設定された第2ARマーカーと、ゴール地点に設定された第3ARマーカーが設けられており、
前記第1ARマーカーが読み取られた際には、乳幼児が使用する使い捨ておむつに関連づけられたキャラクター、及び、前記乳幼児に前記トイレトレーニングを行うことを促すメッセージを、前記表示部に表示させ、
前記第2ARマーカーが読み取られた際には、前記乳幼児が使用する使い捨ておむつに関連づけられた前記キャラクター、及び、前記乳幼児に前記トイレトレーニングを継続させるように応援するメッセージを、前記表示部に表示させ、
前記第3ARマーカーが読み取られた際には、前記乳幼児が使用する使い捨ておむつに関連づけられた前記キャラクター、及び、前記トイレトレーニングを完遂した前記乳幼児を褒めるメッセージを、前記表示部に表示させる、
ことを特徴とするトイレトレーニング用プログラム。
【請求項4】
請求項3に記載のトイレトレーニング用プログラムであって、
前記第2ARマーカーが読み取られた際に前記表示部に表示される前記キャラクターの動作パターンは、前記第1ARマーカーが読み取られた際に前記表示部に表示される前記キャラクターの動作パターンとは異なることを特徴とするトイレトレーニング用プログラム。
【請求項5】
読み取り部及び表示部を備えたコンピューターが読み取り可能なARマーカーを有し、乳幼児がトイレトレーニングを行った際に、完了サインを付与するためのトイレトレーニング用台紙と、
前記読み取り部及び前記表示部を備えた前記コンピューターと、
を備えた、トイレトレーニングシステムであって、
前記コンピューターは、前記ARマーカーを読み取ることにより、トイレトレーニング情報を前記表示部に表示させるトイレトレーニング情報出力処理を実行し、
前記トイレトレーニング用台紙は、前記ARマーカーを複数有し、
複数の前記ARマーカーは、各々異なる前記トイレトレーニング情報に関連付けられており、
前記コンピューターは、各前記ARマーカーに対応づけられた前記トイレトレーニング情報を前記表示部に表示させ、
複数のARマーカーとして、スタート地点に設定された第1ARマーカーと、中間地点に設定された第2ARマーカーと、ゴール地点に設定された第3ARマーカーが設けられており、
前記第1ARマーカーが読み取られた際には、前記コンピューターは、前記乳幼児に向かって手を振る動作、又は前記乳幼児に呼びかける動作を行うキャラクター、及び、前記乳幼児に前記トイレトレーニングを行うことを促すメッセージを、前記表示部に表示させ、
前記第2ARマーカーが読み取られた際には、前記コンピューターは、前記キャラクター、及び、前記乳幼児に前記トイレトレーニングを継続させるように応援するメッセージを、前記表示部に表示させ、
前記第3ARマーカーが読み取られた際には、前記コンピューターは、前記キャラクター、及び、前記トイレトレーニングを完遂した前記乳幼児を褒めるメッセージを、前記表示部に表示させる、
ことを特徴とするトイレトレーニングシステム。
【請求項6】
請求項5に記載のトイレトレーニングシステムであって、
前記第2ARマーカーが読み取られた際に前記表示部に表示される前記キャラクターの動作パターンは、前記第1ARマーカーが読み取られた際に前記表示部に表示される前記キャラクターの動作パターンとは異なることを特徴とするトイレトレーニングシステム。
【請求項7】
読み取り部及び表示部を備えたコンピューターに、
前記読み取り部がトイレトレーニング用台紙に設けられたARマーカーを読み取ることにより、トイレトレーニング情報を前記表示部に表示させるトイレトレーニング情報出力処理を実行させるトイレトレーニング用プログラムであって、
前記トイレトレーニング用台紙には、前記ARマーカーが複数設けられており、
複数の前記ARマーカーは、各々異なる前記トイレトレーニング情報に関連付けられており、
前記トイレトレーニング情報出力処理において、各前記ARマーカーに対応づけられた前記トイレトレーニング情報を前記表示部に表示させ、
複数のARマーカーとして、スタート地点に設定された第1ARマーカーと、中間地点に設定された第2ARマーカーと、ゴール地点に設定された第3ARマーカーが設けられており、
前記第1ARマーカーが読み取られた際には、前記コンピューターは、乳幼児に向かって手を振る動作、又は前記乳幼児に呼びかける動作を行うキャラクター、及び、前記乳幼児に前記トイレトレーニングを行うことを促すメッセージを、前記表示部に表示させ、
前記第2ARマーカーが読み取られた際には、前記キャラクター、及び、前記乳幼児に前記トイレトレーニングを継続させるように応援するメッセージを、前記表示部に表示させ、
前記第3ARマーカーが読み取られた際には、前記キャラクター、及び、前記トイレトレーニングを完遂した前記乳幼児を褒めるメッセージを、前記表示部に表示させる、
ことを特徴とするトイレトレーニング用プログラム。
【請求項8】
請求項7に記載のトイレトレーニング用プログラムであって、
前記第2ARマーカーが読み取られた際に前記表示部に表示される前記キャラクターの動作パターンは、前記第1ARマーカーが読み取られた際に前記表示部に表示される前記キャラクターの動作パターンとは異なることを特徴とするトイレトレーニング用プログラム。
【請求項9】
読み取り部及び表示部を備えたコンピューターが読み取り可能なARマーカーを有し、乳幼児がトイレトレーニングを行った際に、完了サインを付与するためのトイレトレーニング用台紙と、
前記読み取り部及び前記表示部を備えた前記コンピューターと、
を備えた、トイレトレーニングシステムであって、
前記コンピューターは、前記ARマーカーを読み取ることにより、トイレトレーニング情報を前記表示部に表示させるトイレトレーニング情報出力処理を実行し、
前記トイレトレーニング用台紙は、前記ARマーカーを複数有し、
複数の前記ARマーカーは、各々異なる前記トイレトレーニング情報に関連付けられており、
前記コンピューターは、各前記ARマーカーに対応づけられた前記トイレトレーニング情報を前記表示部に表示させ、
複数のARマーカーとして、スタート地点に設定された第1ARマーカーが設けられており、
前記第1ARマーカーが読み取られた際には、前記コンピューターは、前記乳幼児に向かって手を振る動作、又は前記乳幼児に呼びかける動作を行うキャラクター、及び、前記乳幼児に前記トイレトレーニングを行うことを促すメッセージを、前記表示部に表示させる、
ことを特徴とするトイレトレーニングシステム。
【請求項10】
読み取り部及び表示部を備えたコンピューターが読み取り可能なARマーカーを有し、乳幼児がトイレトレーニングを行った際に、完了サインを付与するためのトイレトレーニング用台紙と、
前記読み取り部及び前記表示部を備えた前記コンピューターと、
を備えた、トイレトレーニングシステムであって、
前記コンピューターは、前記ARマーカーを読み取ることにより、トイレトレーニング情報を前記表示部に表示させるトイレトレーニング情報出力処理を実行し、
前記トイレトレーニング用台紙は、前記ARマーカーを複数有し、
複数の前記ARマーカーは、各々異なる前記トイレトレーニング情報に関連付けられており、
前記コンピューターは、各前記ARマーカーに対応づけられた前記トイレトレーニング情報を前記表示部に表示させ、
複数のARマーカーとして、スタート地点に設定された第1ARマーカーと、中間地点に設定された第2ARマーカーが設けられており、
前記第2ARマーカーが読み取られた際には、前記コンピューターは、キャラクター、及び、前記乳幼児に前記トイレトレーニングを継続させるように応援するメッセージを、前記表示部に表示させる、
ことを特徴とするトイレトレーニングシステム。
【請求項11】
読み取り部及び表示部を備えたコンピューターが読み取り可能なARマーカーを有し、乳幼児がトイレトレーニングを行った際に、完了サインを付与するためのトイレトレーニング用台紙と、
前記読み取り部及び前記表示部を備えた前記コンピューターと、
を備えた、トイレトレーニングシステムであって、
前記コンピューターは、前記ARマーカーを読み取ることにより、トイレトレーニング情報を前記表示部に表示させるトイレトレーニング情報出力処理を実行し、
前記トイレトレーニング用台紙は、前記ARマーカーを複数有し、
複数の前記ARマーカーは、各々異なる前記トイレトレーニング情報に関連付けられており、
前記コンピューターは、各前記ARマーカーに対応づけられた前記トイレトレーニング情報を前記表示部に表示させ、
複数のARマーカーとして、スタート地点に設定された第1ARマーカーと、ゴール地点に設定された第3ARマーカーが設けられており、
前記第3ARマーカーが読み取られた際には、前記コンピューターは、キャラクター、及び、前記トイレトレーニングを完遂した前記乳幼児を褒めるメッセージを、前記表示部に表示させる、
ことを特徴とするトイレトレーニングシステム。
【請求項12】
読み取り部及び表示部を備えたコンピューターが読み取り可能なARマーカーを有し、乳幼児がトイレトレーニングを行った際に、完了サインを付与するためのトイレトレーニング用台紙と、
前記読み取り部及び前記表示部を備えた前記コンピューターと、
を備えた、トイレトレーニングシステムであって、
前記コンピューターは、前記ARマーカーを読み取ることにより、トイレトレーニング情報を前記表示部に表示させるトイレトレーニング情報出力処理を実行し、
前記トイレトレーニング用台紙は、前記ARマーカーを複数有し、
複数の前記ARマーカーは、各々異なる前記トイレトレーニング情報に関連付けられており、
前記コンピューターは、各前記ARマーカーに対応づけられた前記トイレトレーニング情報を前記表示部に表示させ、
複数のARマーカーとして、中間地点に設定された第2ARマーカーと、ゴール地点に設定された第3ARマーカーが設けられており、
前記第2ARマーカーが読み取られた際には、前記コンピューターは、キャラクター、及び、前記乳幼児に前記トイレトレーニングを継続させるように応援するメッセージを、前記表示部に表示させる、
ことを特徴とするトイレトレーニングシステム。
【請求項13】
読み取り部及び表示部を備えたコンピューターが読み取り可能なARマーカーを有し、乳幼児がトイレトレーニングを行った際に、完了サインを付与するためのトイレトレーニング用台紙と、
前記読み取り部及び前記表示部を備えた前記コンピューターと、
を備えた、トイレトレーニングシステムであって、
前記コンピューターは、前記ARマーカーを読み取ることにより、トイレトレーニング情報を前記表示部に表示させるトイレトレーニング情報出力処理を実行し、
前記トイレトレーニング用台紙は、前記ARマーカーを複数有し、
複数の前記ARマーカーは、各々異なる前記トイレトレーニング情報に関連付けられており、
前記コンピューターは、各前記ARマーカーに対応づけられた前記トイレトレーニング情報を前記表示部に表示させ、
複数のARマーカーとして、中間地点に設定された第2ARマーカーと、ゴール地点に設定された第3ARマーカーが設けられており、
前記第3ARマーカーが読み取られた際には、前記コンピューターは、キャラクター、及び、前記トイレトレーニングを完遂した前記乳幼児を褒めるメッセージを、前記表示部に表示させる、
ことを特徴とするトイレトレーニングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トイレトレーニングシステム、及び、トイレトレーニング用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
乳幼児は、成長の過程において、おむつの着用から、トイレで排泄ができるようにトレーニングを行う。乳幼児のトイレトレーニングを支援する補助用具として、例えば、特許文献1には、乳幼児が排泄や手洗い等の排泄動作を行ったことのごほうびとして、パスポート型の小冊子の成功表示エリアにシールを貼らせる等、成功表示手段を配置させることが可能な排泄訓練キットが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2007−531911号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のような排泄訓練キットでは、繰り返し使用することにより、乳幼児がトイレトレーニングに飽きてしまう恐れがある。例えば、シールを貼るという行為自体は非常に単純であるため、乳幼児がシールを貼ることに飽きてしまうと、トイレトレーニングに対する興味が失われ、該トイレトレーニングを継続させることが困難になる恐れがある。
【0005】
本発明は、上記のような従来の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、乳幼児に飽きることなくトイレトレーニングを継続させることが可能なトイレトレーニング補助具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための主たる発明は、
読み取り部及び表示部を備えたコンピューターが読み取り可能なARマーカーを有し、乳幼児がトイレトレーニングを行った際に、完了サインを付与するためのトイレトレーニング用台紙と、
前記読み取り部及び前記表示部を備えた前記コンピューターと、
を備えた、トイレトレーニングシステムであって、
前記コンピューターは、前記ARマーカーを読み取ることにより、トイレトレーニング情報を前記表示部に表示させるトイレトレーニング情報出力処理を実行し、
前記トイレトレーニング用台紙は、前記ARマーカーを複数有し、
複数の前記ARマーカーは、各々異なる前記トイレトレーニング情報に関連付けられており、
前記コンピューターは、各前記ARマーカーに対応づけられた前記トイレトレーニング情報を前記表示部に表示させ、
複数のARマーカーとして、スタート地点に設定された第1ARマーカーと、中間地点に設定された第2ARマーカーと、ゴール地点に設定された第3ARマーカーが設けられており、
前記第1ARマーカーが読み取られた際には、前記コンピューターは、前記乳幼児が使用する使い捨ておむつに関連づけられたキャラクター、及び、前記乳幼児に前記トイレトレーニングを行うことを促すメッセージを、前記表示部に表示させ、
前記第2ARマーカーが読み取られた際には、前記コンピューターは、前記乳幼児が使用する使い捨ておむつに関連づけられた前記キャラクター、及び、前記乳幼児に前記トイレトレーニングを継続させるように応援するメッセージを、前記表示部に表示させ、
前記第3ARマーカーが読み取られた際には、前記コンピューターは、前記乳幼児が使用する使い捨ておむつに関連づけられた前記キャラクター、及び、前記トイレトレーニングを完遂した前記乳幼児を褒めるメッセージを、前記表示部に表示させる、
ことを特徴とするトイレトレーニングシステムである。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、乳幼児に、飽きることなくトイレトレーニングを継続させることが可能なトイレトレーニング補助具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、台紙1の一例を示す図である。
図2図2は、端末10の機能上の構成を示すブロック図である。
図3図3は、本実施形態の初期設定の流れを説明する図である。
図4図4は、個人情報入力表示20を説明する図である。
図5図5は、本実施形態のプログラムのモード選択の流れについて説明する図である。
図6図6は、メニュー表示30を説明する図である。
図7図7は、台紙1のスタート地点2に設定されたARマーカーを読み取った際に出力されるトイレトレーニング情報出力画面40Aの一例である。
図8図8は、台紙1に完了サインとしてシールが貼られた場合の例について示す図である。
図9図9は、台紙1の中間地点3に設定されたARマーカーを読み取った際に出力されるトイレトレーニング情報出力画面40Bの一例である。
図10図10は、台紙1のゴール地点4に設定されたARマーカーを読み取った際に出力されるトイレトレーニング情報出力画面40Cの一例である。
図11図11は、台紙1の変形例について表す図である。
図12図12は、本実施形態のトイレトレーニングの流れを説明する図である。
図13図13は、本実施形態のトイレトレーニングの流れを説明する図である。
図14図14は、本実施形態の記録の流れについて説明する図である。
図15図15は、撮影用画面60を説明する図である。
図16図16は、撮影後画面65を説明する図である。
図17図17は、選択用図柄71について説明する図である。
図18図18は、褒め表示73について説明する図である。
図19図19は、選択肢表示画面80を説明する図である。
図20図20は、スキンシップ方法の表示画面82を説明する図である。
図21図21は、新図柄の表示画面86を説明する図である。
図22図22は、記録リスト100を説明する図である。
図23図23は、カレンダー表示110を説明する図である。
図24図24は、入力画面120を説明する図である。
図25図25は、誘導表示の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
乳幼児がトイレトレーニングを行った際に、完了サインを付与するためのトイレトレーニング用台紙であって、読み取り部及び出力部を備えたコンピューターが読み取り可能なARマーカーを有し、前記ARマーカーは、前記乳幼児に前記トイレトレーニングを行うことを促すトイレトレーニング情報を前記出力部に出力させるトイレトレーニング情報出力処理を前記コンピューターに実行させるための識別子である、ことを特徴とするトイレトレーニング用台紙である。
【0010】
このようなトイレトレーニング用台紙によれば、コンピューターの出力部にトイレトレーニング情報を出力させることで、当該トイレトレーニング情報を見た乳幼児のトイレトレーニングに対するモチベーションを向上させることができる。そして、乳幼児がトイレトレーニングを完了すれば、ごほうびとして台紙に完了サインを付す(例えばシールを貼る)ことができるため、乳幼児は次回以降も積極的にトイレトレーニングを継続しようとする。これらにより、乳幼児に、飽きることなくトイレトレーニングを継続させることが可能となる。
【0011】
かかるトイレトレーニング用台紙であって、前記トイレトレーニング情報は、前記乳幼児が視覚または聴覚の少なくともいずれかによって認識可能な情報である、ことが望ましい。
【0012】
このようなトイレトレーニング用台紙によれば、コンピューターによって出力されるトイレトレーニング情報を視覚的、聴覚的に感じることにより、乳幼児は自分が励まされていると感じるようになる。これにより、乳幼児のトイレトレーニングに対する抵抗感を低減させることができる。
【0013】
かかるトイレトレーニング用台紙であって、前記トイレトレーニング情報出力処理では、前記コンピューターに登録されている個人情報に基づいて前記乳幼児の名前が所定のキャラクターと共に前記コンピューターの表示部に表示される、ことが望ましい。
【0014】
このようなトイレトレーニング用台紙によれば、乳幼児に、自分の名前がキャラクターに直接呼びかけられているように感じさせることができる。これにより、乳幼児のトイレトレーニングに対するやる気を向上させることができる。
【0015】
かかるトイレトレーニング用台紙であって、前記トイレトレーニング情報出力処理では、前記乳幼児に対するメッセージが、前記コンピューターの表示部にさらに表示される、ことが望ましい。
【0016】
このようなトイレトレーニング用台紙によれば、乳幼児に、キャラクターが自分あてのメッセージを送って応援してくれているように感じさせることができる。また、保護者(例えば母親)が乳幼児にメッセージを読んで聞かせてあげることで、母子の良好な相互作用を育むことができる。これにより、乳幼児のトイレトレーニングに対するやる気をより向上させることができる。
【0017】
かかるトイレトレーニング用台紙であって、前記ARマーカーを複数有し、複数の前記ARマーカーは、各々異なる前記トイレトレーニング情報に関連付けられている、ことが望ましい。
【0018】
このようなトイレトレーニング用台紙によれば、複数のARマーカーのそれぞれから異なるトイレトレーニング情報が出力され、キャラクターが異なる動作をしたり異なるメッセージが表示されたりすることから、乳幼児をより飽きさせにくくなり、トイレトレーニングを継続させやすくなる。
【0019】
かかるトイレトレーニング用台紙であって、スタート地点に対応する前記ARマーカーと、ゴール地点に対応する前記ARマーカーとを有している、ことが望ましい。
【0020】
このようなトイレトレーニング用台紙によれば、スタート地点と、ゴール地点とで異なるトイレトレーニング情報が出力されることから、乳幼児やその保護者はトイレトレーニングが進捗したことを実感しやすくなり、トイレトレーニングを行ったことに対する達成感を生じさせることができる。
【0021】
かかるトイレトレーニング用台紙であって、前記スタート地点と前記ゴール地点との間の中間地点に対応する前記ARマーカーをさらに有し、前記スタート地点に対応する前記ARマーカーと、前記中間地点に対応する前記ARマーカーと、前記ゴール地点に対応する前記ARマーカーとを順番に前記コンピューターに読み取らせることによって、前記トイレトレーニング情報が進展する、ことが望ましい。
【0022】
このようなトイレトレーニング用台紙によれば、乳幼児がトイレトレーニングを開始してから複数回のトイレトレーニングを経てトレーニングを修了するまでの期間に、トイレトレーニングの進捗に応じて出力されるトイレトレーニング情報が変化していくため、乳幼児やその保護者は、トイレトレーニングの進捗状況をより正確に把握しやすくなり、やる気を継続させやすくなる。
【0023】
かかるトイレトレーニング用台紙であって、前記ARマーカーを前記コンピューターに読み取らせた回数に応じて、前記トイレトレーニング情報が進展する、ことが望ましい。
【0024】
このようなトイレトレーニング用台紙によれば、トイレトレーニングの実行回数に応じて、適切なトイレトレーニング情報が出力されるため、乳幼児やその保護者は、トイレトレーニングの進捗状況を正確に把握しやすくなる。また、出力されるトイレトレーニング情報の種類がトイレトレーニングの実行回数によって制限されるため、適切なタイミングで適切なトイレトレーニング情報を出力させやすくなる。
【0025】
かかるトイレトレーニング用台紙であって、前記ARマーカーは、前記乳幼児の性別及び年齢の少なくともいずれかに応じた前記トイレトレーニング情報に関連付けられている、ことが望ましい。
【0026】
このようなトイレトレーニング用台紙によれば、トイレトレーニングを行う乳幼児の性別や年齢に応じて、最適なトイレトレーニング情報を出力させることができる。例えば、乳幼児が男の子であればトイレトレーニング情報として自動車を表示させ、女の子であればお花を表示させる等により、乳幼児に飽きることなくトイレトレーニングを行わせやすくなる。
【0027】
かかるトイレトレーニング用台紙であって前記完了サインの付与は、前記トイレトレーニング用台紙の所定の位置にシールを貼ることによって行われる、ことが望ましい。
【0028】
このようなトイレトレーニング用台紙によれば、トイレトレーニングを完了することによって、シールを貼るという乳幼児にとって楽しい行為をできるため、乳幼児はトイレトレーニングが楽しいものであると認識し、次回以降も積極的にトイレトレーニングを継続しようとする。
【0029】
かかるトイレトレーニング用台紙であって、前記ARマーカーは、前記トイレトレーニング用台紙の所定の位置に前記シールを貼ることによって、前記コンピューターで読み取ることが可能となる、ことが望ましい。
【0030】
このようなトイレトレーニング用台紙によれば、乳幼児は、自分(若しくは保護者)がシールを貼ることによってトイレトレーニング情報を出力させることができるようになる。すなわち、乳幼児に、自分の力でキャラクターを登場させた等と感じさせることにより、トイレトレーニングに対するモチベーションをより向上させることができる。
【0031】
かかるトイレトレーニング用台紙であって、前記ARマーカーは、前記トイレトレーニング用台紙の所定の位置を前記シールで隠すことによって、前記コンピューターで読み取ることが可能となる、ことが望ましい。
【0032】
このようなトイレトレーニング用台紙によれば、台紙に対してシールを貼る位置が多少ずれたとしても、トイレトレーニング情報を表示させることが可能となるため、乳幼児であっても失敗しにくい。
【0033】
かかるトイレトレーニング用台紙であって、前記乳幼児が使用する使い捨ておむつのパッケージに付されている、ことが望ましい。
【0034】
このようなトイレトレーニング用台紙によれば、乳幼児に、使い捨ておむつとトイレトレーニングとが関連するものであることを認識させやすくなる。したがって、トイレトレーニングやおむつに対する乳幼児の抵抗感をより軽減することができるようになる。
【0035】
かかるトイレトレーニング用台紙であって、前記ARマーカーを読み取る際に前記コンピューターの表示部に表示される画像と、前記乳幼児を撮影する際に前記表示部に表示される画像とは、少なくとも一部が同一である、ことが望ましい。
【0036】
このようなトイレトレーニング用台紙によれば、トイレトレーニング情報が出力されてから、トイレトレーニングに成功した乳幼児の撮影画像を取得するまでの一連の流れにおいて、表示部に同様の画像が表示され続けることになる。これにより、撮影後の画面を見た乳幼児は、トイレトレーニング情報出力画面においてキャラクターが表示されていた画面と同じ画面に自分が写っているものと認識し、キャラクターと同じ世界に入り込めたような感覚を覚え、トイレトレーニングが楽しいものであると感じやすくなる。
【0037】
===実施形態===
<トイレトレーニング用台紙1>
本実施形態では、乳幼児がトイレトレーニングを行う際に使用される補助具として、トイレトレーニング用台紙1(以下、単に「台紙1」とも呼ぶ)について説明する。図1は、台紙1の一例を示す図である。
【0038】
台紙1は、乳幼児がトイレトレーニングを行って完了した際に、所定の完了サインを付与するための媒体であり、紙や樹脂等によって形成されている。ここで、「完了サインを付与する」とは、トイレトレーニングを完了する度に、乳幼児やその保護者(例えば母親)、若しくはその両者が一緒に台紙1に何らかの徴証を付すことによって、トイレトレーニングを行った実績を記録することである。例えば、台紙1の所定の位置にシールを貼ることや、スタンプを押すこと、また、文字や絵・模様等を記入したり着色したりすること等、乳幼児にとって楽しみや喜びとなる行為である。つまり、乳幼児は、トイレトレーニングに成功する度に、台紙1にシールを貼る等のお楽しみ行為をすることができる。これにより、乳幼児にトイレトレーニングが楽しいものであることを理解させ、飽きさせることなくトイレトレーニングを継続させることができる。また、保護者はトイレトレーニングの経過を確認しやすくなる。
【0039】
台紙1は、スタート地点2と、中間地点3と、ゴール地点4と、サイン付与部5とを有する。スタート地点2は、後述する端末10によって読み取り可能なAR(Augmented Reality:拡張現実)マーカーであり、端末10に所定の処理を実行させるための識別子である。具体的に、トイレトレーニングを開始する際には、端末10を用いてスタート地点2として設定されているARマーカーを読み取ることによってARシステムが起動し、トイレトレーニング情報出力処理が実行される。トイレトレーニング情報出力処理については後で説明する。
【0040】
中間地点3及びゴール地点4は、スタート地点2と同等のARマーカーであり、端末10を用いて読み取ることによって所定の処理を実行させるための識別子である。但し、スタート地点2、中間地点3、ゴール地点4のARマーカーは、それぞれ異なる情報に関連付けられており、それぞれのARマーカーを読み取った際に実行されるトイレトレーニング情報出力処理も異なる。本実施形態のスタート地点2、中間地点3、ゴール地点4には、それぞれARマーカーとして乳幼児が親しみやすいキャラクターが描かれており、また、操作者(保護者若しくは乳幼児)に端末10を操作させる(操作を補助する)ための説明やコメントが表記されていても良い。例えば、図1のスタート地点2には「ここにムーニーカメラをかざしてネ!」と表記されており、操作者が迷うこと無く操作できるようにしている。
【0041】
サイン付与部5は、完了サインを付与させるためのスペースであり、台紙1上に複数設けられる。図1ではスタート地点2から中間地点3を経由してゴール地点4までの間にそれぞれ1番〜21番までの数値が採番された21個のサイン付与部5が配置されている。乳幼児がトイレトレーニングを完了する度にサイン付与部5に採番された数値の順に完了サインを付与することにより、トイレトレーニングの進行度合いやゴールまでのトレーニング回数が視覚的に解りやすく、トイレトレーニングに対する乳幼児や保護者のモチベーションを高めることができる。なお、サイン付与部5に完了サインを付与する際には必ずしも順番通りに行う必要は無く、少なくとも、トイレトレーニングを完了したことによって完了サインが付与されたこと、若しくは完了サインが付与された回数が解るようにしておけば良い。
<端末10>
続いて、本実施形態のトイレトレーニングで使用されるコンピューターである端末10について説明する。端末10は、各種の処理を行い、その結果を画面14に表示させる。端末10は、例えばスマートフォンやタブレット端末である。端末10は、ダウンロードしたプログラムを実行することで、トイレトレーニングに関する各種処理(後述)を実行する。
【0042】
図2は、端末10の機能上の構成を示すブロック図である。本実施形態の端末10は、制御部11、記憶部12、入力部13、画面(表示部)14、通信部15、及びカメラ(撮影部)16を有している。
【0043】
制御部11は、各部間のデータの受け渡しを行うとともに、端末全体の制御を行うものであり、CPU(Central Processing Unit)が所定のメモリに格納されたプログラムを実行することによって実現される。
【0044】
制御部11は、個人情報入力受付処理部111、取得処理部112、増加処理部113、褒め表示処理部114、表示処理部115、入力受付処理部116、及びトイレトレーニング情報表示処理部117を有している。
【0045】
個人情報入力受付処理部111は、乳幼児の個人情報の入力を受け付ける処理を行う。取得処理部112は、カメラ16を用いて撮影された撮影画像を取得する処理を行う。増加処理部113は、記憶部12の記憶図柄の数を増加させる処理を行う。褒め表示処理部114は、乳幼児を褒めるための褒め表示73を画面14に表示させる処理を行う。表示処理部115は、選択用図柄71を画面14に表示させる処理を行う。入力受付処理部116は、乳幼児のトイレトレーニングのときの様子についての入力を受け付ける処理を行う。トイレトレーニング情報表示処理部117は、乳幼児にトイレトレーニングを行うことを促すトイレトレーニング情報(詳細は後述)を画面14に表示させる処理を行う。
【0046】
記憶部12は、褒め表示に用いる記憶図柄が複数格納されている。入力部13は、端末10の操作者が入力するものであり、タッチパネルのタップ操作により実現される。画面14は、制御部11からの指令に基づいて各種の情報を表示する表示部である。通信部15は、プログラムや画像データを受信する受信部としての機能を有している。カメラ16は、撮影によって画像データを取得する撮影部である。
【0047】
<トイレトレーニングについて>
以下、トイレトレーニング方法の流れを説明する。本実施形態のトイレトレーニング方法は、端末10のトイレトレーニング用プログラム(以下、「プログラム」ともいう。)を用いて行う。当該プログラムは、初期設定、モード選択、トイレトレーニング、及び記録を行うことができる。
【0048】
<<初期設定>>
プログラムを端末10で初めて起動させると、個人情報入力受付処理部111は、個人情報入力表示20を画面14に表示させて、乳幼児に関する個人情報の入力を受け付ける。図3は、本実施形態の初期設定の流れを説明する図である。図4は、個人情報入力表示20を説明する図である。
【0049】
図3に示すように、初めてプログラムを起動させた状態において(S1:最初のプログラム起動ステップ)、I、P、Q、Rの各変数(後述)は0(「I、P、Q、R=0」)である(S2)。そして、トイレトレーニングを行う乳幼児に関する個人情報の入力を受け付ける(S3:個人情報入力受付ステップ)。具体的には、図4に示すように、個人情報入力表示20の名前欄21に乳幼児の名前、生年月日欄22に乳幼児の生まれた日、男女欄23に男女の別の入力を受け付ける。なお、この個人情報入力表示20は、男女の別だけを入力させるものでもよいし、生年月日でなく、現在の年齢を入力させるものであってもよい。入力が終わり、「OK」のアイコン24をタップすると、制御部11は、画面14にメニュー表示30を表示させる(S4)。
【0050】
<<モード選択>>
図5は、本実施形態のモード選択の流れについて説明する図である。図6は、メニュー表示30を説明する図である。プログラムを端末1で初めて起動させた場合には、個人情報入力受付ステップS3の後にメニュー表示30を表示させるが、2回目以降にプログラムを起動させた場合には(S10:プログラム起動ステップ)、図5に示すように、制御部11は、まず、トップ画面であるメニュー表示30を画面14に表示させる(S11:メニュー表示ステップ)。
【0051】
メニュー表示30は、メニュー表示30には、キャラクター31と、「せってい」と表示された設定32、「アラーム」と表示されたアラーム33、「きろくする」と表示された記録34、「ムーニーカメラ」と表示されたカメラ35の各アイコンが設けられている。キャラクター31は、画面14の略中央に、各アイコン32〜35は、画面14の下部に設けられている。操作者によっていずれかのアイコンがタップされると、モードが選択されて(S12:モード選択ステップ)、各モードに切り替わる。
【0052】
キャラクター31は、乳幼児が使用する使い捨ておむつに関連付けられたキャラクターであって、台紙1のスタート地点2等に描かれたキャラクター(図1参照)と同じキャラクターである。キャラクター31は可愛い印象を与えるだけでなく、端末1の操作者やトイレトレーニングを行う乳幼児にトイレを意識させやすくすることができ、トイレトレーニングを一緒に頑張ろうと励ますものでもある。
【0053】
設定32のアイコンがタップされると(S13)、制御部11は個人情報入力表示20を画面14に表示させる設定モードに切り替える(A)。設定モードでは、個人情報入力受付処理部111が乳幼児に関する個人情報の変更を受け付ける。
【0054】
アラーム33のアイコンがタップされると(S14)、制御部11は、アラーム設定画面(図示せず)を画面14に表示させるアラーム設定モードに切り替える(B)。アラーム設定画面でアラームを設定することによって、所定時間にプログラムを起動させることができる。このアラームの設定方法は周知の方法が用いられ、例えば、15時(1時間後)に自動的にプログラムを起動させ、プログラムの起動と同時に通知音を発生させて、操作者及び乳幼児にトイレトレーニングを行うタイミングであることを知らせることができる。
【0055】
記録34のアイコンがタップされると(S15)、制御部11は、乳幼児のトイレトレーニングのときの様子を記録する表示50を画面14に表示させる記録モードに切り替える(C)。記録モード(C)及び入力画面120については、後述する。
【0056】
カメラ35のアイコンがタップされると(S16)、制御部11は撮影用画面60を画面14に表示させる撮影モードに切り替える(D)。撮影モード(D)については、後述する。
【0057】
<台紙1を用いたトイレトレーニング>
プログラムを起動させて端末10にメニュー表示30の画面を表示させた後、実際に台紙1を利用してトイレトレーニングを行うことができる。以下、台紙1を用いたトイレトレーニングの方法について具体的に説明する。
【0058】
図6において、操作者(主に保護者)がメニュー表示30の画面でカメラ35のアイコンをタップすると、撮影モードに切り替わり、端末10のカメラ16によって映し出された画像が画面(表示部)14に表示される。この画面で、操作者は台紙1のスタート地点2にカメラ16をかざして、スタート地点2に設定されたARマーカーを読み取る。すると、読み取られたARマーカーに基づいて、制御部11のトイレトレーニング情報表示処理部117は、該ARマーカーに対応付けられたトイレトレーニング情報を、画面14に映し出されている現実の映像に重ねて表示させるトイレトレーニング情報出力処理を実行する。ここで、トイレトレーニング情報は、乳幼児にトイレトレーニングを行うことを促す情報であり、乳幼児が視覚または聴覚の少なくともいずれかによって認識可能な情報である。
【0059】
図7は、台紙1のスタート地点2に設定されたARマーカーを読み取った際に表示されるトイレトレーニング情報出力画面40Aの一例である。トイレトレーニング情報出力画面40Aは、キャラクター41と、文字情報表示部42と、メニュー情報表示部43とを有する。キャラクター41は、キャラクター31と同じキャラクターであって、乳幼児が使用する使い捨ておむつに関連付けられたキャラクターである。図7に示されるように、キャラクター41は、カメラ16によって映し出されている現実の映像(台紙1やスタート地点2の画像)の上に重ねて表示される付加情報であり、スタート地点2に設定されたARマーカーに対応付けられているトイレトレーニング情報に基づいて、画面14上で所定の動作(アニメーション)を行う。例えば、乳幼児に向かって手を振る動作や、乳幼児に呼びかける動作を行う。また、キャラクター41の動作にあわせて、端末10に設けられた再生部(例えば、不図示のスピーカー)から音楽や音声が再生されるようにしても良い。乳幼児は、現実の映像に重ねて表示されたキャラクター41の動作を見たり音声を聞いたりすることで、キャラクター41が実際に自分を励ましたり勇気づけたりしてくれているように感じるようになる。また、キャラクター41が自分と一緒にトイレトレーニングを行ってくれるように感じるようになる。これにより、乳幼児のトイレトレーニングに対するモチベーションを向上させ、トイレトレーニングに対する抵抗感を低減させることができる。
【0060】
また、キャラクター41と共に、画面14上部の文字情報表示部42に種々の文字情報が表示される。文字情報表示部42は、名前表示部421とメッセージ表示部422とを有する。図7では、初期設定の際に登録された個人情報に基づいて乳幼児の名前が名前表示部421に表示され、乳幼児に対するメッセージがメッセージ表示部422に表示されている。これらの文字情報は、保護者(操作者)が乳幼児に読んで聞かせてあげても良いし、プログラム上の音声として再生されるのであっても良い。乳幼児は、名前表示部421に自分の名前が表示されていることによって、キャラクター41に直接呼びかけられているように感じる。また、メッセージ表示部422に自分あてのメッセージが表示されていることによって、キャラクター41が応援してくれているように感じる。これらにより、乳幼児のトイレトレーニングに対するやる気をより向上させることができる。また、保護者(例えば母親)が乳幼児に当該文字情報を読んで聞かせてあげることで、母子の良好な相互作用を育むことができる。
【0061】
メニュー情報表示部43は、画面14の下部において各種操作メニューを表示するための枠である。図7では、メニュー情報表示部43に終了ボタン431とごほうびボタン432とが表示されている。終了ボタン431は、撮影モードを終了してメニュー表示30の画面に戻るための操作ボタンである。ごほうびボタン432は、乳幼児に対して、トイレトレーニングに対するご褒美をプログラム上で付与するための操作ボタンである。ごほうびボタン432の具体的な機能については後で説明する。
【0062】
このようなトイレトレーニング情報に接した乳幼児がトイレトレーニングを無事完了した場合、保護者(操作者)は、乳幼児にご褒美として完了サインの付与動作を行わせる。完了サインの付与は、上述したように台紙1にシールを貼る等の現実の動作であり、乳幼児にとってはお楽しみとなる行為である。キャラクター41と一緒にトイレトレーニングを行った結果、シールを貼るというご褒美が得られるため、乳幼児はトイレトレーニングが楽しいものであると認識し、次回以降も積極的にトイレトレーニングを継続しようとする。
【0063】
図8は、台紙1に完了サインとしてシールが貼られた場合の例について示す図である。同図8では、複数の完了サイン付与部5のうち1番から5番までの完了サイン付与部5に星形のシールが貼られた状態について表している。すなわち、乳幼児がトイレトレーニングを5回完了させた状態について表している。トイレトレーニングの回数を重ねることによって、すごろくのマスが進むかのように台紙1に貼られるシールが増えていくことから、操作者や乳幼児はトイレトレーニングが進捗していることを実感しやすい。なお、保護者が乳幼児に対してシールを貼る位置を指示したり、シールを貼る動作を手伝ったりすることによって、台紙1の完了サイン付与部5にシールが順番通りに貼られて行くことが望ましいが、必ずしも順番通りにシールが貼られる必要は無い。
【0064】
その後も、トイレトレーニングを完了する度にシールが貼られて行き、10番目の完了サイン付与部5までシールを貼り終えると、中間地点3に到達する。中間地点3まで到達した場合、次のトイレトレーニングを開始する際に、操作者は、撮影モードにおいて端末10のカメラ16を中間地点3にかざす。すると、中間地点3に設定されたARマーカーが読み取られ、該ARマーカーに対応付けられたトイレトレーニング情報が出力される。
【0065】
図9は、台紙1の中間地点3に設定されたARマーカーを読み取った際に出力されるトイレトレーニング情報出力画面40Bの一例である。トイレトレーニング情報出力画面40Bの構成は、図7で説明したトイレトレーニング情報出力画面40Aと基本的に同様であり、キャラクター41と、文字情報表示部42と、メニュー情報表示部43とを有する。一方、中間地点3に設定されたARマーカーと、スタート地点2に設定されたARマーカーとでは、それぞれ異なるトイレトレーニング情報が対応付けられており、トイレトレーニング情報出力画面40Bでは、キャラクター41の動作パターンがトイレトレーニング情報出力画面40Aと異なる。例えば、キャラクター41が画面14上を走り回ったりガッツポーズをしたりする等、トイレトレーニング情報出力画面40Aとは異なる動作パターンが表示されることで、トイレトレーニングが進行したことを乳幼児が理解しやすいようにしている。また、メッセージ表示部422にトイレトレーニング情報出力画面40Aとは異なるメッセージが表示されるようにしても良い。例えば、「このちょうしでがんばろうね!」等、乳幼児を褒めつつさらにトイレトレーニングを継続させるように応援するようなメッセージが表示されるようにしても良い。
【0066】
そして、トイレトレーニングをさらに継続し、21番目の完了サイン付与部5までシールを貼り終えると、最終的にゴール地点4に到達する。操作者がカメラ16をゴール地点4にかざすと、ゴール地点4に設定されたARマーカーが読み取られ、該ARマーカーに対応付けられたトイレトレーニング情報が出力される。
【0067】
図10は、台紙1のゴール地点4に設定されたARマーカーを読み取った際に出力されるトイレトレーニング情報出力画面40Cの一例である。トイレトレーニング情報出力画面40Cは、キャラクター41と、文字情報表示部42と、メニュー情報表示部43とを有する。ゴール地点4に設定されたARマーカーも、スタート地点2や中間地点3にそれぞれ設定されたARマーカーとは異なるトイレトレーニング情報が対応付けられている。例えば、キャラクター41がゴールをお祝いして万歳をする動作パターンが表示される。また、メッセージ表示部422に「ゴールだよ!おめでとう!」等、トイレトレーニングを完遂した乳幼児を褒めるメッセージが表示されるようにしても良い。これにより、乳幼児やその保護者に達成感を生じさせやすくなる。
【0068】
なお、図10に示されるトイレトレーニング情報出力画面40Cは、乳幼児が複数回のトイレトレーニングを修了した段階で見ることによって達成感を得ることができるが、トイレトレーニングを開始した直後に見ても効果は薄い。そこで、これらのトイレトレーニング情報が出力される順番を予め規定しておいても良い。すなわち、トイレトレーニングの進捗に応じてスタート地点2、中間地点3、ゴール地点4の順でトイレトレーニング情報が進展するようにしても良い。
【0069】
この場合、端末10の制御部11(トイレトレーニング情報表示処理部117)は、スタート地点2、中間地点3、ゴール地点4の各々に設定されているARマーカーに基づいてトイレトレーニング情報表示処理が行われことについて記憶部12にログを記録する。そして、中間地点3に設定されたARマーカーが読み取られた際には、スタート地点2に設定されたARマーカーが読み取られたログが残っている場合に、トイレトレーニング情報表示処理を実行する。同様に、ゴール地点4に設定されたARマーカーが読み取られた際には、中間地点3(及びスタート地点2)に設定されたARマーカーが読み取られたログが残っている場合に、トイレトレーニング情報表示処理を実行する。つまり、或るトイレトレーニング情報(例えば、中間地点3のトイレトレーニング情報)を出力させるためには、少なくともその前段階のトイレトレーニング情報(例えば、スタート地点2のトイレトレーニング情報)が既に出力されたことが必要となる。このようにすることで、トイレトレーニングの進捗に応じて、適切なトイレトレーニング情報が出力されるようになるので、操作者や乳幼児がトレーニングの進捗状況をより正確に把握しやすくなる。したがって、トイレトレーニングに対する乳幼児のやる気を継続させやすくすることができる。
【0070】
また、トイレトレーニング情報表示処理部117は、トイレトレーニング用プログラムが実行された回数やARマーカーが読み取られた回数について記憶部12にログを記録するようにしても良い。そして、各々のARマーカーが読み取られた際には、プログラムの実行回数やARマーカーの読み取り回数を参照してトイレトレーニング情報表示処理を実行するようにしても良い。例えば、スタート地点2に設定されたARマーカーが読み取られた際には、ARマーカーの読み取り回数によらずトイレトレーニング情報表示処理が実行されるが、中間地点3に設定されたARマーカーが読み取られた際には、それ以前におけるARマーカーの読み取り回数が10回以上である場合にのみトイレトレーニング情報表示処理が実行される等の処理を行うようにしても良い。このようにすれば、トイレトレーニングの実行回数に応じて、適切なトイレトレーニング情報を出力することができる。
【0071】
また、スタート地点2、中間地点3、ゴール地点4の各ARマーカーが所定の条件下で読み取り可能になるようにしても良い。図11は、台紙1の変形例について表す図である。同図11の台紙1では、初期状態においてスタート地点2、中間地点3、ゴール地点4のいずれもがARマーカーとして設定されておらず、カメラ(撮影部)16をかざしてもトイレトレーニング情報表示処理は実行されない。一方、台紙1の所定の位置にシールを貼ることによってARマーカーが完成し、読み取り可能となる。例えば、図11の中間地点3において、星形で示された貼付位置3ASに星形のシールを貼ることで、中間地点3のARマーカーが完成し、読み取り可能となる。乳幼児は、自分がシールを貼る(必要に応じて保護者に手伝ってもらっても良い)ことによってトイレトレーニング情報を出力させ、キャラクター41を登場させることができるため、トイレトレーニングに対するモチベーションがより向上する。
【0072】
なお、上記の場合、シールを貼る位置がずれるとARマーカーとして認識されなくなる可能性もあり、乳幼児には困難な場合がある。そこで、台紙1の所定の位置にシールを貼ることで、一部の情報を隠すことによってARマーカーが完成し、読み取り可能となるようにしても良い。例えば、図11の中間地点3において、星形で示された貼付位置3ASの中央に描かれた黒塗り星形のマーク3stがシールを貼ることによって隠蔽されることで中間地点3がARマーカーとして認識されるようにしても良い。このような態様であれば、シールを貼る位置が多少ずれたとしても、所定の情報(黒塗りの星)を隠すことができればトイレトレーニング情報を出力させることが可能なため、乳幼児でも十分に実施可能である。
【0073】
また、台紙1が複数種類設けられていても良い。例えば、乳幼児の年齢(月齢)や性別に応じて異なる台紙が使用されるようする。各々の台紙に設けられたARマーカーには、それぞれ乳幼児の年齢(月齢)や性別に応じたトイレトレーニング情報が対応付けられている。これらの各台紙に設定されたARマーカーを読み取ることにより、乳幼児の年齢(月齢)や性別に応じて異なるトイレトレーニング情報が出力されるようにしておく。
【0074】
このようにすれば、男の子用の台紙1のスタート地点2に登録されたARマーカーを読み取ったときと、女の子用の台紙1のスタート地点2に登録されたARマーカーを読み取ったときとで異なるトイレトレーニング情報を出力させることができる。例えば、男の子用のトイレトレーニング情報ではキャラクター41と共に自動車や飛行機等、男の子が興味を示しやすい情報が表示され、女の子用のトイレトレーニング情報ではお城や花等、女の子が興味を示しやすい情報が表示されるようにする。また、乳幼児の年齢に応じて、異なるトイレトレーニング情報が出力されるようにしても良い。これにより、トイレトレーニングを行う乳幼児の各々の状況(年齢、性別等)に応じて最適なトイレトレーニング情報を出力し、飽きることなくトイレトレーニングを継続させることができる。
【0075】
また、初期設定で登録した乳幼児の個人情報に基づいて、制御部11が最適なARマーカーが登録されている台紙を「おすすめ台紙」として選択して、当該台紙のダウンロード用URLを画面14に表示するようにしても良い。乳幼児の保護者(操作者)は、おすすめされた台紙のデータをダウンロードして印刷することで、その時点で乳幼児に最適な台紙を使用してトイレトレーニングを行わせることができる。
【0076】
なお、保護者(操作者)に台紙1を提供する方法としては、上述のようにダウンロード用のデータを表示して各家庭で印刷させる方法の他に以下のような方法がある。すなわち、おむつの販売店等で台紙1を配布する方法や、おむつの製品パッケージに台紙1を封入する方法、製品パッケージの一部に台紙1を印刷しておき当該パッケージを切り取って台紙として使用させる方法等である。特に、おむつの製品パッケージに台紙1を封入する方法や、製品パッケージに台紙1を印刷する方法では、当該パッケージにトイレトレーニング情報で表示されるキャラクター41と同じキャラクターを印刷しておくことで、乳幼児がおむつとトイレトレーニングとが関連するものであることを認識しやすくなり、トイレトレーニングやおむつに対する抵抗感をより軽減することができるようになる。
【0077】
<トイレトレーニングプログラムのその他の機能>
端末10等を用いて実行されるトイレトレーニングプログラムについて、上記以外の機能やその流れについて説明する。図12及び図13は、本実施形態のトイレトレーニングの流れを説明する図である。図15は、撮影用画面60を説明する図である。なお、撮影用画面60は、図7のトイレトレーニング情報出力画面40A等に表示されていたごほうびボタン432をタップしたときに表示される、写真撮影用の画面である。
【0078】
制御部11によって画面14に表示された撮影用画面60は(S60:撮影用画面の表示ステップ)、カメラのレンズを通して画面14に表示された撮影待機画像61である。また、撮影用画面60の下部で左右方向の中央部には、「さつえい」と示されたシャッターボタン63、シャッターボタン63より左側には「終了」と示された終了ボタン64が表示されている。シャッターボタン63は、操作者のタップによって、カメラ16が撮影画像を取得するボタンである。終了ボタン64は、操作者のタップによって、メニュー表示30を画面14に表示させるボタンである。図15に示す撮影用画面60は、現実に見ることができる大人用(通常のトイレ)の上に載置された乳幼児用トイレ(以下、「トイレ」ともいう。)61aを、カメラを用いて画面14に映し出している。
【0079】
なお、シャッターボタン63及び終了ボタン64が表示されている撮影用画面60の下部の枠は、図7のトイレトレーニング情報出力画面40Aの下部に表示されていたメニュー情報表示部43と同様である。すなわち、トイレトレーニング情報出力画面40A(40B,40C)で表示されている画像と、撮影用画面60で表示されている画像とは少なくとも一部が同一である。
【0080】
乳幼児がトイレに行き、トイレトレーニングに「成功」した場合に、操作者が画面14の下部のシャッターボタン63をタップすると、取得処理部112が、トイレトレーニングに成功した乳幼児の撮影画像を取得する(S61:撮影画像取得)。図16は、撮影後画面65を説明する図である。撮影画像は、操作者がカメラ16のシャッターボタン63を押したことによって得られた写真の画像であり、トイレに座っている乳幼児の撮影画像である。このとき画面14に表示させた撮影後画面65は、撮影画像に、予め記憶部12に格納された王冠画像62aと複数の星柄画像62bを合成させた画面となっている。
【0081】
「トイレトレーニングの成功」とは、乳幼児がトイレで排泄をすることができた場合に限られず、乳幼児の成長に応じて、操作者がその裁量で適宜変更することができる。例えば、トイレトレーニングを始めたばかりの乳幼児は、トイレに行ったことを「成功」といい、トイレトレーニングを嫌がる乳幼児は、トイレに行って便座に座ったことを「成功した」といい、トイレに行くことに慣れたが、まだトイレで排泄することができない乳幼児は、トイレで排泄することができたことを「成功」ということができる。なお、本実施形態において、トイレの便座に座ることができた状態を「トイレに行った」状態ともいう。
【0082】
続いて、褒め表示処理部114が、クリアボタン66及び選択用図柄ボタン67を撮影後画面65に重ねて表示させ、保存ボタン68及びキャンセルボタン69を画面14の下部に表示させる(S62:選択用図柄ボタン、及び保存ボタンの表示ステップ)。図16において、クリアボタン66は「クリア」と表示されたアイコンであり、選択用図柄ボタン67は「フレーム&スタンプ」と表示されたアイコンであり、保存ボタン68は「ほぞん」と表示されたアイコンであり、キャンセルボタン69は「キャンセル」と表示されたアイコンである。
【0083】
なお、保存ボタン68及びキャンセルボタン69が表示されている撮影後画面65の下部の枠も、図7のトイレトレーニング情報出力画面40Aの下部に表示されていたメニュー情報表示部43と同様である。つまり、トイレトレーニング情報出力画面40Aが表示された状態から、トイレトレーニングに成功した乳幼児の撮影画像を取得するまでの一連の流れ(処理)において、画面14の下部には同様の画像(メニュー情報表示部43に相当する枠の画像)が表示されていることになる。したがって、撮影後画面65を見た乳幼児は、トイレトレーニング情報出力画面40Aにおいてキャラクター41が表示されていた画面と同じ画面に自分が写っているものと認識し、キャラクター41と同じ世界に入り込めたような感覚を覚える。これにより、乳幼児にトイレトレーニングが楽しいものであると感じさせることができる。
【0084】
続いて、操作者がクリアボタン66をタップすると、撮影後画面65に表示された装飾図柄62が消去され、撮影後画面65は、撮影画像のみとなる。操作者が保存ボタン68をタップすると、撮影後画面65を褒め表示画像として記憶部12に保存する(S641)。
【0085】
操作者が選択用図柄ボタン67をタップすると(S631のYES)、表示処理部115は、図17に示すように選択用図柄の一覧70を表示する(S632:選択用図柄の表示ステップ)。図17は、選択用図柄71について説明する図である。図17に示すように、撮影後画面65(画面14)の中央部に選択用図柄の一覧70が重ねて表示され、画面14の左側下部にキャンセルボタン69が表示される。
【0086】
選択用図柄の一覧70には、複数の選択用図柄71が表示されており、各選択用図柄71は、記憶部12内に予め格納された図柄の一部である。図17に示す選択用図柄の一覧70には、選択用図柄71として、「たいへんよくできました!」等の画像71aが5つ、カメの画像71b、ケーキの画像71c、飴の画像71d、飛行機の画像71e、ロボットの画像71fが表示されている。操作者が1つの選択用図柄71、例えばロボットの画像71fをタップして選択し、画面14内の選択用図柄の一覧70より外側の領域をタップすると、褒め表示処理部114は、撮影後画像65にロボットの画像71fを重ねて表示させる(S633:選択された図柄を撮影された写真に重畳表示ステップ)。
【0087】
このS62〜S633を繰り返し所定回数実行することで、所定個数の選択用図柄71を撮影後画像65に重ねて表示させることができ、選択用図柄71を画面14に表示させた褒め表示73を作成することができる。図18は、褒め表示73について説明する図である。図18に示す褒め表示73は、装飾図柄62が表示された状態の撮影後画像65にロボットの画像71f、飛行機の画像71e、「たいへんよくできました!」の画像71aを1つずつ重ねて表示している。選択用図柄の一覧70は、画面14の下部に表示して、撮影画像の中央部を操作者が視認できる状態としている。これによって、操作者及び乳幼児は、撮影画像の乳幼児の顔を確認しながら選択用図柄71を選択することができる。
【0088】
「褒め表示」とは、乳幼児及び操作者を褒めるための表示であり、褒め表示73は、乳幼児を褒めるための選択図柄71及び装飾図柄62と、撮影画像を含んだ表示である。乳幼児はトイレトレーニングに成功した自分の姿が写された撮影画像が選択用図柄71や装飾図柄62等で飾られた褒め表示73を見ることで、褒められている自分の姿を客観的に見ることができ褒められていることを実感させやすくなる。また、自分の成功を認識しやすくさせることができる。これによって、乳幼児の今後のトイレトレーニングの励みにすることができ、継続が不可欠なトイレトレーニングを続けて頑張る意欲を向上させやすくできる。さらに、操作者にとっても褒め画面を作成する楽しみを感じることができる。操作者は、好みに応じて選択用図柄71で撮影画像を装飾することができるため、選択用図柄71を選ぶ楽しみ、褒め表示を作成する楽しみを感じることができる。
【0089】
褒め表示73に表示させることができる選択用図柄71は、選択用図柄の一覧70から選択可能である。また、表示させる選択用図柄71の数も任意で変更することができる。これによって、乳幼児及び操作者は、褒め表示73の作成を楽しんで行うことができる。また、褒め表示73を楽しいものにすることで、乳幼児がトイレトレーニングに飽きてしまう恐れを軽減させることができる。
【0090】
また、選択用図柄71として、日時を表す印の画像を表示させてもよいし、予め記憶部12に保存しておいた『頑張ったね』『やったね』などの乳幼児に対する言葉を表示させてもよい。さらに、褒め表示73の表示の際に、装飾図柄62や選択用図柄71を点滅させたり、動かしたりしてもよいし、端末10のスピーカー(図示せず)から効果音を発生させてもよい。
【0091】
なお、本実施形態では、図17に示すように、選択用図柄の一覧70の上部に「スタンプ」と「フレーム」のタグがあり、「スタンプ」から選択用図柄71を選択して褒め表示73を作成する例を説明したが、これに限られない。「フレーム」のタグを選択して、撮影画像の縁部を装飾する図柄の選択用図柄(図示せず)を用いて褒め表示73を作成してもよい。もちろん、スタンプの選択用図柄71とフレームの選択用図柄を併用して表示させてもよい。
【0092】
また、選択用図柄の一覧70には、記憶図柄12の中から性別や年齢等の個人情報に対応して選択された図柄を選択用図柄71として表示させてもよい。例えば、個人情報入力表示20において男であることを選択すると、選択用図柄の一覧70には、男の子が好む傾向がある、乗り物の画像、ロボットの画像、動物の画像等が選択用画像71として表示される。このように対象とする乳幼児の性別や年齢等に応じて選択することができる図柄を変更することで、乳幼児にとってより楽しい、嬉しいと感じる褒め表示73を作成することができる。
【0093】
さらに、褒め表示73に表示させる図柄は、選択用図柄71だけであってもよく、装飾図柄62だけであってもよい。また、選択用図柄71を選択用図柄の一覧70に表示した図柄から選択できるものとしたがこれに限られない。記憶部12に格納された全図柄から選択可能としてもよいし、褒め表示処理部114が記憶部12から無作為に抽出した図柄を選択用図柄71として表示させてもよい。
【0094】
褒め表示73の作成(選択用図柄71の選択)を終えると、操作者が保存ボタン65をタップすると(S641)、褒め表示73を褒め表示画像として記憶部12に保存する。今後、乳幼児及び操作者が保存された褒め表示画像を見て、トイレトレーニングを振り返り、「あのときは上手にできたね。また頑張ってみよう」等の次回のトイレトレーニングの契機にできる。また、後述の「記録」を作成する際の褒め表示画像101tにもなる。
【0095】
褒め表示画像の保存に続いて、I=Tiであるか否かを判定する(S642)。Iは、連続してトイレに座ることができたという事象が増える毎に増加する自然数である。I=Tiである場合、例えば、Ti=2としたときには、I=2の場合に後述のQ=Tqであるか否かを判定するステップ(S663)へ進む。I≠Tiの場合は、P=Tpであるか否かの判定をする(S643)。Pは、乳幼児が連続してトイレに座った回数をカウントした変数である。Pの増加については後述する。P=Tpである場合、例えば、Tpを5とした場合、P=5の場合には、新選択肢の表示ステップ(S644)に進む。新選択肢の表示ステップ(S644)については後述する。P≠Tpである場合には、褒め表示処理部114は、複数の選択肢を表示させた選択肢表示画面80を画面14に表示させる(S654:選択肢の表示ステップ)。
【0096】
図19は、選択肢表示画面80を説明する図である。選択肢の表示ステップ(S654)では、選択肢であるカード81a、81b、81cが左から順に横一列に並べられた状態で表示されている。カード81a、81b、81cは、それぞれ異なるスキンシップの方法に対応付けられており、スキンシップの方法が隠された状態で表示されている。例えば、カード81aには、スキンシップ方法の『ぎゅーっとタイム』、カード81bには、スキンシップ方法の『ほっぺにちゅ!』、カード81cには、スキンシップ方法の『はいタッチー!』がそれぞれ対応付けられている。各スキンシップ方法は、予め記憶部12に格納されている。
【0097】
操作者又は乳幼児が、1つのカード81を選択すると、褒め表示処理部114は、選択されたカード81に対応付けられたスキンシップ方法を表示する(S655:スキンシップ方法の表示ステップ)。図20は、スキンシップ方法の表示画面82を説明する図である。スキンシップ方法の表示画面82は、選択されたカードに対応付けられた1つのスキンシップ方法のみが表示され、他の2つのカードに対応付けられたスキンシップ方法は表示されない。
【0098】
具体的には、図20に示すように、操作者又は乳幼児が、選択肢表示画面80のカード81aをタップすると、スキンシップ方法の表示画面82を画面14に表示し、カード81aに対応付けられたスキンシップ方法の『ぎゅーっとタイム』を表示する。スキンシップ方法の表示画面82には、画面14の上部にスキンシップ方法を示した文字83a、画面14の中央部にスキンシップ方法を表した画像83b、画像83bより下側に操作者に対するメッセージ83cが表示されている。また、画面14の下部には、TOPボタン84と記録ボタン85(後述)も表示されている。
【0099】
スキンシップ方法の表示画面82を見た操作者が、表示されたスキンシップ方法に従い乳幼児をぎゅーっと抱きしめることで、操作者と乳幼児とのスキンシップを図ることができる。スキンシップを図ることは、操作者にとっても乳幼児にとっても心地よいと感じることであり、喜びを実感できる行為である。スキンシップによって、乳幼児は操作者との親密さを感じられ、両者の関係を良好にし、トイレトレーニングを共に頑張っていく上での連帯感を一緒に感じることができる。乳幼児及び操作者は、スキンシップによってお互いに褒められていることを感じることができ、トイレトレーニングを一緒に継続していく意欲を向上させることができる。また、カードを選択することで、操作者と乳幼児は、カードゲームのように楽しみつつ、スキンシップを図ることができるため、一連のトイレトレーニングが楽しいものであるという印象を感じやすくなる。
【0100】
なお、選択肢表示画面80は3つのカードによる選択に限られない。選択肢は、4枚、5枚・・・等であってもよいし、カードだけでなく、あみだくじやルーレット等、適宜変更することができる。また、本実施形態においては、3つのスキンシップ方法を例示したが、記憶部12に表示させる選択肢以上のスキンシップ方法を予め格納しておき、無作為に表示させる選択肢と対応付けてもよい。さらに、スキンシップ方法の表示は、文字や画像のみに限らず音声や効果音をスピーカー(図示せず)から発してもよい。
【0101】
続いて、TOPボタン84がタップされると(S649)、制御部11は、画面14にメニュー表示30を表示する(S700)。TOPボタン84ではなく、記録ボタン85がタップされると(S669)、制御部11は記録モードに切り替える(C)。
【0102】
また、S643において、P=Tpである場合、具体的には、Tp=5としたときに、P=5である場合には、褒め表示処理部114は複数の選択肢を表示させた新選択肢表示画面(図示せず)に新選択肢を表示させる(S644)。新選択肢表示画面は、選択肢表示画面80と同様に、3枚のカードで、それぞれ異なる図柄に対応付けられた選択肢である。新選択肢表示画面も各図柄が隠された状態で表示される。新選択肢表示画面における各カードには、例えば、車の図柄、パンダの図柄、ホットケーキの図柄がそれぞれ対応付けられている。
【0103】
操作者又は乳幼児が、新選択肢表示画面のうち1つのカードを選択すると、褒め表示処理部114は、選択されたカードに対応付けられた新しい図柄を表示する(S645:新図柄の表示ステップ)。図21は、新図柄の表示画面86を説明する図である。新図柄表示画面86には、選択されたカードに対応付けられた1つの新しい図柄のみが表示され、他の2つのカードに対応付けられた新しい図柄は表示されない。具体的には、図21に示すように、新図柄の表示画面86には、新図柄である車の画像87を持った状態のキャラクターの画像88が画面14の中央部に表示される。また、画面14の下部には、メニュー表示30に戻るためのTOPボタン84とトイレトレーニングの様子について記録をするモードに移動するための記録ボタン85(後述)も表示されている。
【0104】
新図柄の表示画面87が表示されると、増加処理部113は、記憶部12に新しい図柄である車の画像87を保存し、記憶部12内の図柄を増加させる(S646:図柄増加ステップ)。
【0105】
S644〜S646は、乳幼児が連続してトイレに座った回数に応じて実行される。例えば、Tp=5とした場合、乳幼児が6回連続して座った場合(P=5)に実行されるステップである。これによって、乳幼児はトイレトレーニングの成功に応じて新図柄の表示ステップ(S645)における新しいものを獲得する達成感を得ることができ、褒め表示73で装飾される図柄のバリエーションが増えるため、トイレトレーニングに飽きてしまう恐れを軽減させ、トイレトレーニングを行う意欲を向上させやすくなる。また、記憶部12に格納された図柄が増加するため、褒め表示73の作成の際の選択可能な図柄が増加するため、操作者は、褒め表示73を作成する楽しみを増加させることができる。
【0106】
続いて、Pをリセットして0とし(S647:P=0)、IをI+1とする(S648:I=I+1)。つまり、S646の図柄増加ステップが実行されると、Iが増加する。そして、TOPボタン84がタップされると(S649)、制御部11は、画面14にメニュー表示30を表示する(S700)。TOPボタン84ではなく、記録ボタン85がタップされると(S669)、制御部11は、制御部11は記録モードに切り替える(C)。
【0107】
また、S642において、IがTiの場合(I=Ti)、具体的には、Ti=2としたときにI=2の場合には、QがTqであるか否かを判定する(S663)。Qは、乳幼児がトイレで排泄することができた回数をカウントした変数である。Qの増加については後述する。
【0108】
QがTqである場合(Q=Tq)、具体的には、Tq=5で、Q=5である場合には、褒め表示処理部114は、画面14に新選択肢を表示させ(S664:新選択肢の表示ステップ)、操作者又は乳幼児が選択肢の1つのカードを選択すると、新図柄を表示し(S665:新図柄の表示ステップ)、増加処理部113は、新図柄を記憶部12に保存する(S666:図柄増加ステップ)。S664の新選択肢の表示ステップ、S665の新図柄の表示ステップ、S666の図柄増加ステップは、前述のS644の新選択肢の表示ステップ、S645の新図柄の表示ステップ、S646の図柄増加ステップと同様である。
【0109】
図柄増加ステップ(S666)の後、Qを0とする(Q=0、S667)。そして、TOPボタン84がタップされると(S649)、制御部11は、画面14にメニュー表示30を表示する(S700)。TOPボタン84ではなく、記録ボタン85がタップされると(S669)、制御部11は、画面14に表示させる記録モードに切り替える(C)。
【0110】
S664〜S666は、乳幼児が所定回数だけ連続してトイレに座ることができ、且つ、乳幼児がトイレで排泄することができた回数に応じて実行される。例えば、Ti=2、Tp=5とした場合、トイレに6回連続して座ることができたという事象が2回起こると、S642においてI=2となる。乳幼児がトイレで排泄することができた回数に応じて新選択肢の表示(S664)を行う。つまり、トイレトレーニングに慣れていない段階の乳幼児の場合には、トイレに座ることができたという状態がトイレトレーニングの成功となるが、トイレトレーニングに慣れてきた乳幼児は、トイレに座ることは簡単に行うことができるため、トイレで排泄をすることができた場合にトイレトレーニングの成功とすることが望ましい。そのため、トイレに所定回数連続して座ることができた乳幼児の場合には、トイレで所定回数排泄することができたことを褒めてあげることにして、乳幼児のトイレトレーニングの意欲を向上させやすくしている。また、乳幼児は、トイレトレーニングに成功するほど新しい図柄を見ることができるため、トイレトレーニングに飽きてしまう恐れをより軽減させることができる。
【0111】
<<記録>>
次に、記録モード(C)に切り替えた場合の記録の流れについて説明する。図14は、本実施形態の記録の流れについて説明する図である。図22は、記録リスト100を説明する図である。まず、制御部11は、画面14に記録リスト100を表示する(S50:記録リストの表示ステップ)。記録リスト100には、複数のトイレの記録101a、101bと、カレンダーボタン102、戻るボタン103、記録するボタン104、卒業ボタン105が設けられている。
【0112】
トイレの記録101a、101bには、記録した結果を表すアイコン101p、101q、101r、101sと、褒め表示画像101t、コメント欄101uが表示されている。記録した結果を表すアイコンのうち、アイコン101pはトイレに行くことができた(トイレに座ることができた)ことを表しており、アイコン101qは、オムツやパンツに排泄したこと又はオムツを交換したことを表しており、アイコン101rは、うんちをしたことを表しており、アイコン101sは、トイレで排泄をすることができたことを表している。図22において、トイレの記録101aは、アイコン101pと101rを表示していることから、トイレに行くことができて、トイレで排泄をすることはできなかったが、うんちをしたということを示している。トイレの記録101bは、アイコン101p、101q、101r、101sを表示していることから、トイレに行くことができ、オムツを交換し、トイレにうんちをすることができたことを示している。このように記録リスト100を見ることで、操作者や乳幼児はトイレトレーニングの経過を確認することができる。
【0113】
記録リスト100に表示されたカレンダーボタン102は「カレンダー画面へ進む」ボタン、記録するボタン104は「入力画面へ進む」ボタン、卒業ボタン105は「トイレトレーニングを卒業し、トイレトレーニングプログラムを終了する」ボタン、画面を切り替えるボタン、戻るボタン103はメニュー表示30を表示させるボタンである。
【0114】
操作者によってカレンダーボタン102がタップされると、制御部11は、画面を切り替えて(S51)、カレンダー表示110を表示する(S521)。図23は、カレンダー表示110を説明する図である。カレンダー表示110は、1か月のトイレトレーニング結果の概略を確認することができる。例えば、図23に示すように、2016年9月15日と19日は花丸が記されている。これはトイレトレーニングに成功した回数が特に多かった日である。また、14日、17日、18日には丸が記されており、この日はトイレトレーニングに1回でも成功した日を示している。この花丸や○を記載するトイレトレーニングの成功頻度は、適宜変更することができる。操作者によってカレンダー表示110内の所定の日付をタップされると(S522:日付選択ステップ)、制御部11は入力画面120を表示する。
【0115】
操作者によって記録するボタン104がタップされると、制御部11は画面を切り替えて(S51)、入力画面120を表示する。図24は、入力画面120を説明する図である。入力画面120は、乳幼児のトイレトレーニングのときの様子について入力する画面である。図24に示すように、入力画面120には、画面14の上部中央にトイレトレーニングを行った日付を示す日付121、上部左側にリスト表示100を表示させる戻るボタン122、上部右側に本日中のトイレトレーニングの回数を表示する回数表示123が設けられている。画面14の下部に操作者が感想やメモを入力するメモ欄124と、入力画面120での登録が終了した際にタップする登録ボタン126が設けられている。また、画面14の中央部には、トイレトレーニングの様子について各項目を入力するアイコン125が設けられている。
【0116】
アイコン125は、乳幼児のトイレトレーニングの達成度合いを入力するものであり、上から『いつした?』『声かけ』『トイレに行く』『トイレでした』『オムツやパンツに』『おしっこ』『うんち』の文字がそれぞれ左側に示され、これらに対応して入力又は選択するためのアイコン125が右側に設けられている。例えば、『いつした?』に対応してアイコン125aには、時間を入力する。『声かけ』に対応したアイコン125bには、操作者が乳幼児に対してトイレトレーニングを促す声かけを行ったかどうかを操作者が選択してタップする。操作者が乳幼児に対して声かけを行った場合には、『した』が選択される。同様に、『トイレに行く』に対応したアイコン125cが設けられ、『トイレに行く』は、乳幼児がトイレに行くことができたか、トイレに座ることができたかどうかを操作者が選択してタップする。トイレに行った、トイレに座ることができた場合には、『行った』が選択される。『トイレでした』『オムツやパンツに』『おしっこ』『うんち』も同様にそれぞれ対応したアイコン125d、125e、125f、125gが設けられている。『トイレでした』は、乳幼児がトイレで排泄することができたかどうか、『オムツやパンツに』は、乳幼児がトイレではなく、オムツやパンツに排泄してしまったかどうか、『おしっこ』『うんち』は、それぞれ排泄したものを操作者が選択してタップする。なお、コメント欄124への入力は任意である。
【0117】
操作者によって登録ボタン126がタップされると、入力画面120の入力が終了し、入力受付処理部116は入力された内容を受け付けて(S525:記録完了ステップがYES)、連続してトイレに行ったかどうかの判定を行う(S526)。この連続してトイレに行ったかどうかの判定は、前回のトイレトレーニングの結果を参照して行い、具体的には、前回のトイレトレーニングにおいて入力画面120で『トイレに行く』に対応したアイコン125cで『行った』が選択され、今回も入力画面120のアイコン125cで『行った』が選択された場合には、P=P+1となる(S527)。Pは、乳幼児が連続してトイレに座った回数をカウントした変数であり、入力画面120でのアイコン125cへの入力結果に応じてPが増加する。なお、連続してトイレに行っていないと判定された場合(S526がNO)には、P=0にして(S537)、後述のR=R+1とするS530に進む。
【0118】
P=P+1(S527)に続いて、トイレで排泄したかどうかの判定を行う(S528)。トイレで排泄をしたかどうかの判定は、入力画面120で『トイレでした』に対応したアイコン125dで『した』が選択された場合に、Q=Q+1として(S529)、R=R+1(S530)へ進む。Qは、乳幼児がトイレで排泄することができた回数をカウントした変数であり、入力画面120のアイコン125dへの入力結果に応じてQが増加する。なお、トイレで排泄していないと判定された場合(S528がNO)には、Qを増加させることなく、R=R+1(S530)へ進む。
【0119】
Rは、乳幼児のトイレトレーニングの様子について入力画面120に入力をした回数をカウントした変数であり、入力画面120における登録ボタン126を押す回数に応じて増加する。つまり、乳幼児がトイレトレーニングに成功し、褒め表示画像を取得した場合だけでなく、乳幼児がトイレに行くことを拒んだ場合においても、操作者はその様子を入力画面120に入力することでRが増加する。
【0120】
S530の後、RがTrかどうかを判定する(S531)。RがTrでない場合は(R≠Tr)、後述の戻るボタンが押されたかどうかを判定するステップ(S534)へ進む。RがTrである場合は(R=Tr)、RをリセットしてR=0とし(S532)、増加処理部113は、記憶部12に格納された図柄とは異なる新しい図柄を増加させる(S533:図柄増加ステップ)。例えば、Tr=5とした場合、乳幼児のトイレトレーニングが成功しない場合であても、操作者がその乳幼児の様子を記録することでRが増加し、R=5とすることも可能である。操作者の記録回数に応じて新しい図柄を増加させるため、褒め表示73に表示させることができる選択用図柄71や装飾図柄62が増え、操作者は褒め表示73を装飾させる楽しみをより増すことができる。
【0121】
そして、図柄増加処理(S533)の後、記録モード(C)の最初の表示である記録リスト100を画面14に表示する。
【0122】
なお、乳幼児のトイレトレーニングの様子についての記録は、乳幼児のトイレトレーニングの前であっても後であってもよく、トイレトレーニングから一定時間経過したときであってもよい。
【0123】
また、操作者の記録回数に応じて図柄を増やしたが(S529〜S531)、新しい図柄が増えたことに操作者や乳幼児が気付かない恐れがある。そのため、撮影モード(D)から撮影用画面を表示させたときに(S60)、図柄増加ステップ(S533)で増加した図柄を装飾図柄62として自動的に画面14に表示させることにしてもよい。これによって、操作者は、乳幼児のトイレトレーニングの様子を記録する意欲をより向上させることができる。
【0124】
さらに、1回のトイレトレーニングにおいて、記録回数に応じた図柄増加ステップ(S533)と、乳幼児のトイレトレーニングの達成度合いに応じた図柄増加ステップ(S646、S666)の両方が実行させない禁止処理を実行させてもよい。1回のトイレトレーニングで新しい図柄を複数回表示させて、新しい図柄が増加しないトイレトレーニングの場合が多い場合よりも、1回のトイレトレーニングで1個とし、トイレトレーニングの度に図柄が増加しやすい状態の方が、乳幼児や操作者にとってもトイレトレーニングに飽きてしまう恐れを軽減させ、継続させやすくなる。
【0125】
===その他の実施の形態===
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。また、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更や改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれるのはいうまでもない。例えば、以下に示すような変形が可能である。
【0126】
上述の実施形態においては、Tp及びTqを固定値として説明したが、これに限られない。乳幼児の成長やトイレトレーニングの段階に応じてそれぞれ変更することができる。例えば、乳幼児がトイレトレーニングを始めたばかりの場合は、Tp=3、Tq=2とすることで、4回連続してトイレに行くことができた場合に増加処理(S646)を行うため、トイレに行くことができたということを褒める機会を増やすことができる。一方、乳幼児がトイレトレーニングに慣れてきて、トイレに行くことはできるが、トイレで排泄することができない場合には、Tp=7、Tq=4とすることで、トイレで排泄することができたことをより多く褒めることができる。
【0127】
上述の実施形態においては、プログラム起動ステップ(S10)において、操作者がプログラムを起動させることにしたが、これに限られない。端末10内に時計やタイマーを備えて、所定時間になると制御部11が自動的にプログラムを起動させることにしてもよい。このようにすることで、操作者や乳幼児にトイレトレーニングを行う時間を知らせて、定期的にトイレトレーニングを促すことができる。
【0128】
さらに、制御部11は、プログラムの起動と同時に誘導表示を画面14に表示させてもよい(誘導表示処理ステップ)。図25は、誘導表示200の一例を示す図である。誘導表示200は、乳幼児をトイレに誘導するための表示であり、トイレトレーニングを促すために、トイレを想起させるための静止画像、動画、又は静止画像と動画の組み合わせである。この誘導表示画像は、記憶部12に格納されている。画像や動画はキャラクターに限られず、所定の図形、絵、写真や映像等を表示してもよいし、メッセージ等の文字表示や効果音や音声などを伴っていてもよい。図25に示すように、乳幼児が使用している吸収性物品に関連したキャラクター201がトイレに行く様子を表しているため、トイレを意識した乳幼児が、誘導表示200に示されたキャラクター201の行動を真似したくなるとトイレトレーニングへの意欲も向上する。例えば、図25に示すようにあるキャラクター201が乳幼児を誘うような仕草をして、トイレに向かう様子の画像を用いることができる。これによって、乳幼児はトイレに行こうとする意識や意欲を持ちやすくなる。
【0129】
なお、キャラクター201は、乳幼児が好むキャラクターの画像であることが好ましく、より好ましくは、乳幼児が使用している、又は過去に使用していたおむつ等の吸収性物品に関連付けられたキャラクターがよい。このキャラクターは、乳幼児に吸収性物品を想起させやすくするものであり、トイレを連想させやすくすることができる。
【0130】
また、カメラ16でプログラム起動識別子であるARマーカーを読み取ることで、誘導表示200を画面14に表示させたり、プログラムを起動させたりしてもよい。例えば、所定のARマーカーをカメラ16で読み取ると、プログラムが起動し、選択用図柄の表示ステップ(S632)において、選択用図柄の一覧70に表示させる選択用図柄71を読み取ったARマーカーに対応した図柄としてもよい。これによって、プログラムの起動を容易にするだけでなく、乳幼児の好みに応じた図柄を選択用図柄71として表示させやすくなるため、乳幼児がより楽しみながらトイレトレーニングを行うことができる。
【0131】
さらに、ARマーカーを、乳幼児がトイレトレーニングを行った際に完了サインを付与するための台紙に設けてもよい。例えば、操作者や乳幼児がシールを貼るためのシール台紙に設けることで、シールを貼って楽しむことができるだけでなく、ARコードからプログラムにも関心を持ちやすくなるため、トイレトレーニングにより関心を持たせやすくなり、トイレトレーニングを継続させやすくすることができる。
【0132】
また、乳幼児のトイレトレーニングの成功の数に応じて記憶部12に格納された図柄を増加させて、褒め表示73で表示させることができる選択用図柄71及び装飾図柄62を増やしてもよい。例えば、トイレトレーニングを5回成功すると図柄を増加させることにした場合に、トイレトレーニングを7回行い、1回目と6回目に撮影画像を取得することができず、2〜5回目及び7回目に撮影画像を取得することができた場合には、7回目のトイレトレーニングで撮影画像を取得すると、5回のトイレトレーニングの成功によって、図柄を増加させるということにすることもできる。記憶部12に格納された図柄を増加させることで、乳幼児がトイレトレーニングを成功させようと思う意欲を向上させやすくなり、乳幼児にトイレトレーニングを継続させやすくすることができる。
【0133】
さらに、プログラムを最初に起動してから所定時間が経過するまでにおける褒め表示73を表示した回数に対する、図柄を増加させる回数を、所定時間が経過した後における褒め表示73を表示した回数に対する、図柄を増加させる回数よりも多くしてもよい。具体的には、プログラムを最初に起動してから3日間(所定時間)は、褒め表示73を5回表示した場合に図柄を1つ増加させることとし、プログラムを最初に起動して3日後からは、褒め表示73を7回表示した場合に図柄を1つ増加させることにしてもよい。つまり、所定時間が経過するまでは、乳幼児にトイレトレーニングを楽しいものと感じてもらえるようにして、トイレトレーニングに慣れやすくさせる。そして、所定時間経過後のトイレトレーニングに慣れた頃に、新しい図柄を増やす機会を減らすことで、トイレトレーニングをより継続させやすくすることができる。
【0134】
また、所定時間が経過した後で、所定期間に対する褒め表示73を表示させる回数が所定の回数よりも少ない場合には、所定期間における褒め表示73を表示させる回数に対する
S65における図柄を増加させる回数をより増加させてもよい。例えば、プログラムを最初に起動して3日後(所定時間経過後)において、褒め表示73を7回表示した場合に図柄を1つ増加させ、1日(所定期間)における褒め表示73の表示回数が予め設定された数よりも少ない場合には、褒め表示73を5回表示した場合に図柄を1つ増加させることができる。このように、乳幼児がトイレトレーニングに飽きてきた頃に新しい図柄をより多く表示させることで、乳幼児はトイレトレーニングに対して関心を持ちやすくなり、トイレトレーニングを継続させやすくすることができる。
【0135】
さらに、上記の実施形態は、プログラムが前述した各種の処理をコンピューター又はマイクロプロセッサに実行させることにより実現可能である。この場合、全ての処理をプログラムとして準備していてもよいし、一部の処理をハードウェアに処理させ残りの処理をプログラムとして準備していてもよい。
【0136】
また、実行可能なプログラムが記憶された非一時的なコンピューター可読媒体(non−transitory computer readable medium with an executable program thereon)を用いて、コンピューターにプログラムを供給することも可能である。なお、非一時的なコンピューターの可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、CD−ROM(Read Only Memory)等がある。
【符号の説明】
【0137】
1 台紙、2 スタート地点(ARマーカー)、3 中間地点(ARマーカー)、3AS 貼付位置、3st マーク、4 ゴール地点(ARマーカー)、5 サイン付与部、10 端末(コンピューター)、11 制御部、111 個人情報入力受付処理部、112 取得処理部、113 増加処理部、114 褒め表示処理部、115 表示処理部、116 入力受付処理部、117 トイレトレーニング情報表示処理部、12 記憶部、13 入力部、14 画面(表示部)、15 通信部、16 カメラ(撮影部)、20 個人情報入力表示、21 名前欄、22 生年月日欄、23 男女欄、24 アイコン、30 メニュー表示、31 キャラクター、32 設定、33 アラーム、34 記録、35 カメラ、40A〜40C トイレトレーニング情報出力画面、41 キャラクター、42 文字情報表示部、421 名前表示部、422 メッセージ表示部、43 メニュー情報表示部、431 終了ボタン、432 ごほうびボタン、50 記録する表示、60 撮影用画面、61 撮影待機画像、61a トイレ、62 装飾図柄、62a 王冠画像、62b 星柄画像、63 シャッターボタン、64 終了ボタン、65 撮影後画面、66 クリアボタン、67 選択用図柄表示ボタン、68 保存ボタン、69 キャンセルボタン、70 選択用図柄の一覧、71 選択用図柄、73 褒め表示、80 選択肢表示画面、81 カード、82 スキンシップ方法の表示画面、84 TOPボタン、85 記録ボタン、100 記録リスト、102 カレンダーボタン、103 戻るボタン、104 記録するボタン、105 卒業ボタン、110 カレンダー表示、120 入力画面、121 日付、122 戻るボタン、123 回数、124 メモ欄、125 アイコン、126 登録ボタン、200 誘導表示、201 キャラクター
【要約】
【課題】乳幼児に、飽きることなくトイレトレーニングを継続させることが可能なトイレトレーニング補助具を提供する。
【解決手段】乳幼児がトイレトレーニングを行った際に、完了サインを付与するためのトイレトレーニング用台紙(1)であって、読み取り部(16)及び出力部(14)を備えたコンピューター(14)が読み取り可能なARマーカー(2,3,4)を有し、前記ARマーカー(2,3,4)は、前記乳幼児に前記トイレトレーニングを行うことを促すトイレトレーニング情報を前記出力部(14)に出力させるトイレトレーニング情報出力処理を前記コンピューター(10)に実行させるための識別子である、ことを特徴とするトイレトレーニング用台紙である。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25