(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記液体浸漬器は、前記ワークの少なくとも一部が前記液体に常に浸るように前記液体を供給可能な液体供給管である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のワークの厚さ測定装置。
前記槽は、排液体部と、前記排液体部からの排液体量を測定する排液体量測定器と、測定した排液体量に基づいて排液体量を調整する制御部と、を有する、請求項12又は13に記載のワークの厚さ測定装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、研磨工程においては、研磨スラリーや研削水などを用いて研磨を行うため、研磨後にはウェーハが濡れた状態であり、従って、特許文献1の手法では、ウェーハの厚さを正確に測定するためにウェーハが乾燥するのを待つ必要があった。
【0007】
従って、ウェーハの厚さを正確に測定することができるようになるまで、すなわち乾燥工程が終了するまでの数時間のタイムラグが生じるため、その間に処理されたウェーハは、研磨量を正確に制御できず、あるいは、研磨量を正確に制御するために乾燥工程が終了するまで次のウェーハの研磨を行わないでおく場合には研磨処理のスループットが低下するという問題があった。また、このような問題は、シリコンウェーハのみならず、同様の手法により研磨を行うワーク一般に生じうる問題であった。
【0008】
本発明は、上記の問題を解決しようとするものであり、ワークが濡れた状態で該ワークの厚さを測定することのできる、ワークの厚さ測定装置及びワークの厚さ測定方法を提供することを目的とする。また、本発明は、スループットを確保しつつ、且つ、研磨量を適切に制御することができる、ワークの研磨装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の要旨構成は、以下の通りである。
本発明のワークの厚さ測定装置は、研磨後のワークの少なくとも一部を液体に浸す液体浸漬器と、対向して配置され、前記ワークの前記液体に浸された部分の表面までの距離を測定可能な2つ以上の測定器と、を備えることを特徴とするものである。
【0010】
また、本発明のワークの厚さ測定装置では、前記測定器を固定する支持部材をさらに備えることが好ましい。
【0011】
さらに、本発明のワークの厚さ測定装置においては、前記測定器は、先端にキャップを備えることが好ましい。
【0012】
加えて、本発明のワークの厚さ測定装置にあっては、前記液体浸漬器は、前記ワークを内部に収容可能な槽であることが好ましい。
【0013】
また、本発明のワークの厚さ測定装置では、前記槽は、石英又は板ガラスでできていることが好ましい。
【0014】
さらに、本発明のワークの厚さ測定装置においては、前記槽内に、前記測定器の少なくとも一部が挿入され、前記槽と前記測定器との間に隙間を有することが好ましい。
【0015】
さらにまた、本発明のワークの厚さ測定装置にあっては、前記液体浸漬器は、前記ワークの少なくとも一部が前記液体に常に浸るように前記液体を供給可能な液体供給管であることが好ましい。
【0016】
また、本発明のワークの厚さ測定装置では、前記液体供給管は、前記液体を供給する量を調整可能な液体供給量調整部を備えることが好ましい。
【0017】
さらに、本発明のワークの厚さ測定装置では、前記ワークの厚さの測定箇所に近接して前記ワークを挟んで対向して配置される液体導入管をさらに備え、前記測定器の少なくとも先端は、前記液体導入管内に挿入されることが好ましい。
【0018】
ここで、本発明のワークの厚さ測定装置では、前記液体は、水であることが好ましい。
【0019】
また、本発明のワークの厚さ測定装置では、前記測定器は、光学式の分光干渉型測定器であることが好ましい。
【0020】
さらに、本発明のワークの厚さ測定装置では、前記ワークの厚さの測定時に、前記槽の変形量が50nm以下であることが好ましい。
ここで、「槽の変形量」は、上記2つの測定器が対向する線上の点における変形量をいい、測定時間の間における最大変位をいうものとする。
【0021】
また、本発明のワークの厚さ測定装置では、前記槽に補強板を配置してなることが好ましい。
【0022】
さらに、本発明のワークの厚さ測定装置では、前記槽は、排液体部と、前記排液体部からの排液体量を測定する排液体量測定器と、測定した排液体量に基づいて排液体量を調整する制御部と、を有することが好ましい。
【0023】
ここで、本発明のワークの厚さ測定方法は、研磨後のワークの少なくとも一部を液体に浸す工程と、前記ワークの少なくとも一部が前記液体に浸った状態で、前記ワークを挟んで対向して配置され、前記ワークの前記液体に浸された部分の表面までの距離を測定可能な2つ以上の測定器により、前記ワークの厚さを測定する工程と、を含むことを特徴とする。
【0024】
また、本発明の一の態様によるワークの研磨装置は、上記のワークの厚さ測定装置により測定された、前記ワークの厚さの情報を受け取る受信部と、前記ワークの厚さの情報に基づいて、研磨レシピの切り替え又は研磨条件のパラメータの補正を行う演算部と、を備えることを特徴とするものである。
【0025】
さらに、本発明の別の態様によるワークの研磨装置は、上記のワークの厚さ測定方法により測定された、前記ワークの厚さの情報を受け取る受信部と、前記ワークの厚さの情報に基づいて、研磨レシピの切り替え又は研磨条件のパラメータの補正を行う演算部と、を備えることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、ワークが濡れた状態で該ワークの厚さを測定することのできる、ワークの厚さ測定装置及びワークの厚さ測定方法を提供することができる。また、本発明によれば、スループットを確保しつつ、且つ、研磨量を適切に制御することができる、ワークの研磨装置を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に例示説明する。
【0029】
(ワークの厚さ測定装置)
<第1の実施形態>
図1(a)は、本発明の第1の実施形態にかかるワークの厚さ測定装置の概略斜視図であり、
図1(b)は、本発明の第1の実施形態にかかるワークの厚さ測定装置の要部を示す図である。
図1(a)に示すように、このワークの厚さ測定装置1は、水(純水)を満たした水槽2を有している。この水槽2は、研磨後のワーク(本実施形態ではシリコンウェーハ)Wを収容可能であり、ウェーハW全体又は一部を水に浸すことのできる液体浸漬器である。
【0030】
また、
図1(a)に示すように、このワークの厚さ測定装置1は、対向して配置され、ウェーハWの液体に浸された部分の表面までの距離を測定可能な2つ以上(図示例では2つ)の測定器3を備えている。すなわち、測定器3の一方は、該測定器3からウェーハWのおもて側の表面までの距離を測定することができ、他方は、該測定器3からウェーハWの裏側の表面までの距離を測定することができる。
そして、
図1(a)に示すように、このワークの厚さ測定装置1では、測定器3を固定する支持部材4をさらに備えている。図示例では、支持部材4は、水槽2を取り囲むように配置された4つの支柱と支柱間を連結する剛性の高い4つの板状部材からなり、対向する2つの板状部材に測定器3が固定されることにより、対向する測定器3の間の距離が一定に保たれる。
これにより、測定器3は、ウェーハWの所定の位置における、ウェーハWのおもて側の表面までの距離及びウェーハWの裏側の表面までの距離を測定することによって、例えば図示しない演算ユニットにより、その所定の位置におけるウェーハWの厚さを求めることができる。
【0031】
ここで、
図1(b)に示すように、水槽2には、水(純水)5が満たされ、全面がその水5に浸るように、かつ、対向する測定器3の間にウェーハWが配置されている。このウェーハWは、研磨後に研磨スラリーや研削液等で濡れた状態で、移送部(図示せず)を用いて水中に移送されたものである。
以下、第1の実施形態の作用効果について説明する。
【0032】
本実施形態のワークの厚さ測定装置1によれば、まず、ウェーハWが濡れた状態で水中に移送され、ウェーハWが水中に浸った状態でウェーハWの厚さを測定することができる。従って、ウェーハWを乾燥させてからウェーハWの厚さを計測する場合と比べて、研磨処理のスループットを確保することができる。また、研磨前のウェーハWの厚さとの比較により研磨の取代量の変化を把握して、それを研磨装置にフィードバックして研磨レシピの変更や研磨条件のパラメータの補正を行うことにより、研磨装置による研磨量を適切に制御することができる。なお、研磨の取代量は、例えば、1枚のウェーハWで把握しても良いし、また例えば、複数枚のウェーハWを統計的にみて把握しても良い。よって、本実施形態による測定の結果を用いることにより、研磨後のウェーハWの平坦度(特に外周部の平坦度)やLPDの密度を改善することができる。さらに、研磨の取代量を管理することにより、使い捨ての研磨スラリーの使用量を適正化することができ、資材費を低減することもできる。
【0033】
なお、ウェーハWを図示しない移送部によりウェーハWの径方向に移動させることにより、ウェーハWのある直径範囲における全ての面内のウェーハWの厚さを測定することができる。この場合、水槽2は、ウェーハWの移動範囲も含めた大きな容積のものとすることが好ましい。一方で、ウェーハWの半径範囲で厚さを測定してもよい。あるいは、測定器3を移動させてウェーハWの任意の位置での厚さを測定することもできる。この場合は、対向する測定器3間の距離は一定に保つようにしながら、該測定器3を移動させる。
また、移送部にウェーハWを回転させる機構を設けることにより、ウェーハWの任意の位置での厚さ測定、任意の方向の半径範囲又は直径範囲での厚さ測定、及びウェーハWの円周方向に沿った面内の厚さ測定をすることもできる。
【0034】
さらに、本実施形態では、対向する2つの測定器3を用いてウェーハWの表面までの距離からウェーハWの厚さを算出している。例えば、ウェーハWの片側からレーザ等を照射して表裏面の反射光の干渉によりウェーハWの厚さを測定する方法では、シリコン基板中の不純物濃度が高い場合に光が裏面まで透過せず、ウェーハの厚さが評価できない場合があるが、本実施形態では、ウェーハWの不純物濃度によらずにウェーハWの厚さを測定可能である。
【0035】
ここで、本発明にあっては、この実施形態のように、液体を水とすることが好ましく、純水とすることが特に好ましい。光を透過させ、かつ、ウェーハWや測定器3と化学的に反応しないからである。
【0036】
また、測定器3は、光学式の分光干渉型測定器とすることが好ましい。これにより、水などの液体を介しても、測定器3からウェーハWの表面までの距離を測定することができるからである。
【0037】
ここで、
図1(a)(b)に示す例では、測定器3は、水槽2の外側に配置しているため、水槽2は、光を透過させる材料でできていることが好ましい。
また、
図1(a)(b)に示すように、水槽2に窪み2aを設けて、ウェーハWと測定器3との距離を近づけることにより、測定器3を高精度に使用することもできる。
【0038】
さて、
図1(a)(b)に示すように、水中部分と測定器3との間に空気層7が介在する場合に、ウェーハWの水中での移動等により水圧が変化すると、水槽2が変形し、空気層7と水中部分との距離の割合が変化し、光学的な見かけ上の距離に多少のずれが生じることが考えられる。本発明者は、これを抑制することで、より高精度にウェーハWの厚さを測定することができることを新たに見出した。
【0039】
そこで、
図1(a)(b)に示す実施形態では、水槽2は、石英又は板ガラスでできていることが好ましい。石英や板ガラスは、剛性が高い材料であるため水槽の変形を小さくすることができるからである。これにより、空気層7が介在することによる上記の不都合を回避することができるからである。
また、水槽2の剛性を高めるために、水槽2の厚さを厚くすることが好ましく、具体的には、8mm以上とすることが好ましく、10mm以上とすることがより好ましく、12mm以上とすることが特に好ましい。
【0040】
さらに、本発明のワークの厚さ測定装置では、ワークの厚さの測定時に、槽の変形量が50nm以下であることが好ましい。より高精度にウェーハWの厚さを測定することができるからである。なお、槽の変形量は、特には限定しないが、キーエンス社製SI−F10等を用いて測定することができる。
【0041】
槽の変形量を50nm以下とするためには、具体的には、槽の、2つの測定器3が対向する線上の測定用の透過窓(
図1(a)(b)に示す例では、水槽2の窪み2a)の周囲に補強材(
図1(a)(b)に示す例では、補強板2b)を有することが好ましい。これにより、補強材により槽を補強して、槽の変形量を低減することができるからである。
ここで、補強効果を高めるためには、補強材は、少なくとも測定用の透過窓の上下左右を覆うものであることが好ましく、槽の側面全体を補強することがより一層好ましい。また、補強材の材質は、SUS等の金属を用いることが好ましい。
あるいは、槽自体を、測定用の透過窓の部分を除いて、SUS等の金属で構成することもできる。
【0042】
また、槽の変形量を50nm以下とするためには、槽内の液面の高さ(
図1(a)(b)に示す例では、水槽2内の水面の高さ)が一定となるように調整することが好ましい。
具体的には、例えば、
図1(a)(b)に示す例では、槽(この例では水槽2)に排液体部(この例では排水部)を設け、該排液体部(この例では排水部)からの排液体量(この例では排水量)を排液体量測定器(排水量測定器)により測定し、該測定した排液体量(排水量)に基づいて、制御部により、供給する液体の量(給水量)、及び/又は、ウェーハWを移動させる移送部の移動速度を制御して、排液体量(排水量)を調整することが好ましい。
【0043】
<第2の実施形態>
図2(a)は、本発明の第2の実施形態にかかるワークの厚さ測定装置の概略斜視図であり、
図2(b)は、本発明の第2の実施形態にかかるワークの厚さ測定装置の要部を示す図である。
図2(a)(b)に示すように、この実施形態のワークの厚さ測定装置1は、水槽2内に、測定器3の先端が挿入され、水槽2と測定器3との間に隙間8を設けている点で、
図1(a)(b)に示す実施形態と異なっている。そして、測定器3の先端にはキャップ6が設けられ、このキャップ6により金属製の測定器3が防水され、また、測定器3の先端とキャップ6との間に空気層7が形成される。
【0044】
第2の実施形態によれば、まず、基本的な構成が第1の実施形態と同様であるため、上述した第1の実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
また、第2の実施形態によれば、水槽2と測定器3との間に隙間8を設け、この隙間8から水槽2内の水5が漏れる構造となっているため、水圧の変動等により水槽2が変形した場合でも測定器3とは干渉せず、空気層7と水中部分との距離の割合が変化して光学的な見かけ上の距離が変化するのを抑制することができる。従って、本実施形態によれば、空気層7が介在することによる上記の不都合を回避することができる。また、第2の実施形態によれば、測定器3をウェーハWに近づけることができるため、測定精度の向上の利点を得ることができる。
なお、本実施形態では、水5が水槽2から漏れる構造であるため、水槽2内に供給する水の量を多くすることが好ましいが、水5の乱流が発生してウェーハWを振動させて測定誤差を生じさせることがないように、隙間8から漏れ出る量より若干多い程度に水5を供給することが好ましい。
【0045】
<第3の実施形態>
図3(a)は、本発明の第3の実施形態にかかるワークの厚さ測定装置の概略断面図であり、
図3(b)は、本発明の第3の実施形態にかかるワークの厚さ測定装置の要部を示す断面図である。
第3の実施形態は、空気層7と水中部分との光学的な見かけ上の距離の割合が変化する原因となる水槽2の変形をなくすために、水槽2自体を用いない例である。
【0046】
ここで、液体供給管9は、水5を供給する量を調整可能な液体供給量調整部を備え、水5の供給量を多めに調整することにより、ウェーハWの厚さを測定する位置に水膜11を形成して、測定箇所が常に水5に浸った状態にすることができる。
また、水5は、例えば、
図3(a)に示すように、円筒状の液体導入管10の一方の端部から液体導入管10内に導入され、液体導入管10内を流れる。
【0047】
第3の実施形態によれば、まず、ウェーハWの少なくとも厚さを測定する箇所は、水に浸った状態となるため、先の第1及び第2の実施形態と同様に、ウェーハWが水中に浸った状態でウェーハWの厚さを測定することができ、ウェーハWを乾燥させてからウェーハWの厚さを計測する場合と比べて、研磨処理のスループットを確保することができる。また、研磨前のウェーハWの厚さとの比較により研磨の取代量の変化を把握して、それを研磨装置にフィードバックして研磨レシピの変更や研磨条件のパラメータの補正を行うことにより、研磨装置による研磨量を適切に制御することができる。本実施形態による測定結果を用いることにより、研磨後のウェーハWの平坦度(特に外周部の平坦度)やLPDの密度を改善することができる。さらに、研磨の取代量を管理することにより、使い捨ての研磨スラリーの使用量を適正化することができ、資材費を低減することもできる。
【0048】
なお、第3の実施形態においても、ウェーハWを図示しない移送部によりウェーハWの径方向に移動させることにより、ウェーハWのある直径範囲における全ての面内のウェーハWの厚さを測定することができる。さらに、本実施形態によれば、第1及び第2の実施形態と同様に、ウェーハWの不純物濃度によらずにウェーハWの厚さを測定可能である。
【0049】
そして、第3の実施形態によれば、水槽2を用いないため、上述したような水槽2の変形によってウェーハWの厚さの測定に誤差を与えることもなく、従って、空気層7が介在することによる上記の不都合を回避することができる。また、測定器3をウェーハ3に近づけることにより測定器3の高精度な使用が可能となる。
【0050】
<第4の実施形態>
図4(a)は、本発明の第4の実施形態にかかるワークの厚さ測定装置の概略断面図であり、
図4(b)は、本発明の第4の実施形態にかかるワークの厚さ測定装置の要部を示す断面図である。
第4の実施形態は、
図4(a)に示すように、ウェーハWが、径方向が水平方向(重力に垂直な方向)となるように配置されるように、ウェーハWを挟んで、対向するように2つの測定器3が配置されている点で、第3の実施形態と異なっている。
第4の実施形態でも、第3の実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
特に、第4の実施形態によれば、ウェーハWの上面に水膜11を保持することが容易である。なお、ウェーハWの下面にも高めの圧力で水を供給することにより、水膜11を保持することができる。
【0051】
(ワークの厚さ測定方法)
本発明の一実施形態によるワークの厚さ測定方法は、
図1〜
図4により説明したように、研磨後のウェーハWの少なくとも一部を純水などの液体に浸す工程を含む。ウェーハWを液体に浸す手法としては、例えば
図1、
図2に示したように、水槽2を用いて水槽2内にウェーハWを配置することもでき、あるいは、
図3、
図4に示したように、液体供給管9により例えば水圧を強くして、ウェーハWの一部に水膜11が形成されるようにしても良い。また、他の手法とすることもできる。
そして、ウェーハWの少なくとも一部が液体に浸った状態で、ウェーハWを挟んで対向して配置され、ウェーハWの表面までの距離を測定可能な2つ以上の測定器3により、ウェーハWの液体に浸された部分の厚さを測定する工程を含む。
【0052】
本実施形態のワークの厚さ測定方法によれば、ウェーハWが濡れた状態で該ウェーハWの厚さを測定することができ、ウェーハWを乾燥させてからウェーハWの厚さを計測する場合と比べて、研磨のバッチ処理のスループットを確保することができる。また、研磨前のウェーハWの厚さとの比較により研磨の取代量の変化を把握して、それを研磨装置にフィードバックして研磨レシピの変更や研磨条件のパラメータの補正を行うことにより、研磨装置による研磨量を適切に制御することができる。本実施形態の方法による測定結果を用いることにより、研磨後のウェーハWの平坦度(特に外周部の平坦度)やLPDの密度を改善することができる。さらに、研磨の取代量を管理することにより、使い捨ての研磨スラリーの使用量を適正化することができ、資材費を低減することもできる。
【0053】
(ワークの研磨装置)
本発明の一実施形態によるワークの研磨装置は、上述のワークの厚さ測定装置・測定方法により測定された、ウェーハWの厚さの情報を受け取る受信部(図示せず)と、受信部により受け取ったウェーハWの厚さの情報に基づいて、研磨レシピの切り替え又は研磨条件のパラメータの補正を行う演算部(図示せず)と、を備える。具体的には、演算部により、例えば研磨時間等を補正することができる。なお、研磨装置は、両面研磨装置であっても、片面研磨装置であっても良い。
本実施形態によるワークの研磨装置によれば、スループットを確保しつつ、且つ、研磨量を適切に制御することができる。従って、研磨後のワークの平坦度(特に外周部の平坦度)を向上させることができ、LPD等の欠陥の密度も低減することができる。
【0054】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に何ら限定されるものではない。また、以下において本発明の実施例について説明するが、本発明は、この実施例に何ら限定されるものではない。
【実施例】
【0055】
(実施例1)
ウェーハまでの距離を測定する2つの異なるタイプの測定器を用いて、研磨後のシリコンウェーハの厚さを測定する試験を行った。研磨は、一般的な片面研磨装置を用いた。以下の表1に示すように、シリコンウェーハは、径300mmのp−、p++の2種類の基板を用いた。さらに、水中でウェーハの表裏面での反射光の干渉を評価するタイプの測定器として、浜松ホトニクス社製Optical MicroGaugeを用い(従来例1)、本発明に用いることのできる、水中でウェーハの表面までの距離を測定可能な測定器として、キーエンス社製SI−F10を用いた(発明例1)。また、比較対象として、黒田社製ナノメトロを用いて、乾燥後にウェーハの厚さを測定した(比較例)。発明例1及び比較例については、
図1に示すような、2つの測定器でウェーハを挟み込むタイプの装置を用いて測定を行った。一方で、従来例については、ウェーハの片側側のみに測定器を配置した。
以下、表1に評価結果を示す。
【0056】
【表1】
【0057】
表1に示すように、p
-基板の厚さは、従来例1及び発明例1ともに精度良くウェーハの厚さを測定することができたが、p
++基板の厚さは、従来例1では、測定自体ができなかった一方で、発明例1では、精度良くウェーハの厚さを測定することができたことがわかる。
【0058】
(実施例2)
次に、片面研磨後のウェーハの厚さを測定し、それを片面研磨装置にフィードバックして研磨時間を補正した際のSFQR(Site Front Least Square Range)を測定し、片面研磨前後のSFQRの差(ΔSFQR)を求めた。ここでは、上記の片面研磨装置は、測定されたウェーハの厚さの情報を受け取る受信部と、受信したウェーハの厚さの情報に基づいて、研磨時間の補正を行う演算部とを備え、その他の構成は、一般的な片面研磨装置と同様である。また、研磨に供したシリコンウェーハは、径300mmのp
-型のシリコンウェーハとした。なお、SFQRとは、設定されたサイト内でデータを最小二乗法にて算出したサイト内平面を基準平面とし、この平面からの+側(すなわち、ウェーハの主表面を上に向け水平に置いた場合の上側)、−側(同下側)の各々の最大変位量の絶対値の和で表したサイト毎に評価された値のことである。実施例2においては、平坦度測定器(KLA−Tencor社製:WaferSight)を用い、26×8mm
2のサイトサイズ内を測定した。
ここで、研磨装置の稼働状況によって研磨レートに変動があるため、一旦停止して再度立ち上げた後と連続稼働した時との2つの場合に分けてSFQRを評価した。評価結果を以下の表2に示す。表2において、発明例2は、上記のフィードバックを行った場合であり、従来例2は、上記のフィードバックを行わなかった場合である。また、表2でΔSFQRの符号が正である場合は、片面研磨後にSFQRが悪化していることを示す。なお、片面研磨後のウェーハの厚さの測定は、発明例1と同様に行ったものである。
【0059】
【表2】
【0060】
表2に示すように、従来例2では、研磨時間を一定にしたため、片面研磨装置を停止し再立ち上げした場合にΔSFQRが大きく、平坦度が低下していた。一方で、発明例2では、測定した研磨後のウェーハの厚さの情報を片面研磨装置にフィードバックして、研磨時間を調整したため(520sec)、停止再立ち上げ後でもΔSFQRが小さく、平坦度の低下が抑えられたことがわかる。
【0061】
(実施例3)
次に、片面研磨後のウェーハの厚さを測定し、それを片面研磨装置にフィードバックして研磨時間を補正した際のLPD密度を評価した。LPD密度の評価は、パーティクルカウンタ(KLA−Tencor社SP2)を用いた。ここでは、上記の片面研磨装置は、測定されたウェーハの厚さの情報を受け取る受信部と、受信したウェーハの厚さの情報に基づいて、研磨時間の補正を行う演算部とを備え、その他の構成は、一般的な片面研磨装置と同様である。また、研磨に供したシリコンウェーハは、径300mmのp
-型のシリコンウェーハとした。研磨装置の稼働状況によって研磨レートに変動があるため、一旦停止して再度立ち上げた後と連続稼働した時との2つの場合に分けてLPD密度を評価した。評価結果を以下の表3に示す。表3において、発明例3は、上記のフィードバックを行った場合であり、従来例3は、上記のフィードバックを行わなかった場合である。なお、片面研磨後のウェーハの厚さを測定は、発明例1と同様に行ったものである。
【0062】
【表3】
【0063】
表3に示すように、従来例3では、研磨時間を一定にしたため、片面研磨装置を停止し再立ち上げした場合に、LPD密度が大きく欠陥が多く発生したが、発明例3では、測定した研磨後のウェーハの厚さの情報を片面研磨装置にフィードバックして、研磨時間を調整したため(520sec)、停止再立ち上げ後でもLPDの発生を抑制することができたことがわかる。また、研磨の取代量を管理することにより、使い捨ての研磨スラリーの使用量を適正化することができ、資材費を低減することができた。
【0064】
(実施例4)
次に、水槽の材質や厚さを変えた場合のウェーハの厚さの測定誤差を及び水槽の変形量をモニタして評価した。研磨に供するシリコンウェーハとしては、径300mmのp
++型の基板を用いた。研磨には、一般的な片面研磨装置を用いた。ここで、測定誤差は、キーエンス社製SI−F10を
図1に示す装置に用いて測定を行った場合と、黒田社製ナノメトロを用いて、乾燥後にウェーハの厚さを測定した場合とで、10回の測定を行い、その測定結果の差の最大値を測定誤差とした。また、水槽の変形量は、キーエンス社製SI−F10を用いて測定時間の間モニタし、その間での最大変位を水槽の変形量とした。
以下の表4に評価結果を示す。なお、表4において、「測定の誤差」は、アクリル樹脂(厚さ8mm)の場合を100としたときの相対指数で表し、数値が小さい方が「測定の誤差」が小さいことを示す。なお、金属補強は、
図1に示すように、SUS製の補強板を水槽に取り付けることにより行ったものであり、排水量制御は、排水量のモニタリングにより、給水量及びウェーハの移動速度を調整することにより行ったものである。
【0065】
【表4】
【0066】
表4に示すように、石英を用いた場合、水槽の変形量を大幅に低減させ、これにより測定の誤差を大幅に改善することができたことがわかる。また、水槽の厚さを厚くするほど、水槽の変形量が小さくなり、測定の誤差も小さくなったことがわかる。
また、金属補強をすることにより、水槽の変形量がさらに小さくなり、測定の誤差もさらに小さくなったことがわかる。さらに、水の排水量を制御することにより、水槽の変形量がより一層小さくなり、測定の誤差もより一層小さくなったことがわかる。
【0067】
(実施例5)
次に、
図2に示す水槽を用いた場合のウェーハ厚さの測定の誤差を、
図1に示す水槽(ただし、補強板を有しない)を用いた場合の測定の誤差との対比で評価した。評価方法は、実施例4と同様である。なお、水槽の材質や厚さは同一とした。なお、表5において、「測定の誤差」は
図1の場合を100とした場合の相対値で示しており、数値が小さい方が、誤差が小さいことを意味する。なお、本実施例においては、排水量制御を行わないものとした。
【0068】
【表5】
【0069】
図2に示す装置を用いた場合、水槽が隙間を有し、水槽の変形が測定器に干渉しないため、表5に示すように、測定の誤差を大幅に低減することができたことがわかる。
【0070】
(実施例6)
次に、
図3に示す装置を用いた場合の、ウェーハ厚さの測定の誤差を
図1に示す水槽(ただし、補強板を有しない)を用いた場合の測定の誤差との対比で評価した。評価方法は、実施例4、5と同様である。なお、表6において、「測定の誤差」は
図1の場合を100とした場合の相対値で示しており、数値が小さい方が、誤差が小さいことを意味する。なお、本実施例においては、排水量制御を行わないものとした。
【0071】
【表6】
【0072】
表6に示すように、
図3に示す装置を用いた場合、測定の誤差を生じさせる原因となる水槽自体を用いていないため、測定の誤差を大幅に低減することができたことがわかる。
【0073】
(実施例7)
次に、実施例2と同様に、片面研磨後のウェーハの厚さを測定し、それを片面研磨装置にフィードバックして研磨時間を補正した際のSFQR(Site Front Least Square Range)を測定し、片面研磨前後のSFQRの差(ΔSFQR)を求めた。試験は、金属補強及び排水量制御を共に行わない場合と、金属補強のみ行う場合と、金属補強と排水量制御を共に行う場合と、の3通りで行った。なお、片面研磨後のウェーハの厚さの測定は、発明例1と同様に行ったものである。
表7において、評価結果は、ΔSFQRの標準偏差の相対値で示しており、金属補強及び排水量制御を共に行わない場合を100とし、数値が小さい程ばらつきが小さく良好である。
なお、金属補強及び排水量制御は、実施例4と同様の手法により行ったものである。
【0074】
【表7】
【0075】
表7に示すように、金属補強を行うことにより、ΔSFQRの標準偏差の相対値をより一層低減することができ、金属補強及び排水量制御を行うことにより、ΔSFQRの標準偏差の相対値をさらに低減することができたことがわかる。