特許第6230040号(P6230040)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6230040
(24)【登録日】2017年10月27日
(45)【発行日】2017年11月15日
(54)【発明の名称】混練物の固化体製造装置
(51)【国際特許分類】
   B28B 7/00 20060101AFI20171106BHJP
   C04B 28/02 20060101ALI20171106BHJP
   C04B 18/04 20060101ALI20171106BHJP
   C04B 22/06 20060101ALI20171106BHJP
   B28B 1/08 20060101ALI20171106BHJP
【FI】
   B28B7/00 Z
   C04B28/02
   C04B18/04
   C04B22/06 Z
   B28B1/08
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-73341(P2013-73341)
(22)【出願日】2013年3月29日
(65)【公開番号】特開2014-195976(P2014-195976A)
(43)【公開日】2014年10月16日
【審査請求日】2016年3月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000173809
【氏名又は名称】一般財団法人電力中央研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100101236
【弁理士】
【氏名又は名称】栗原 浩之
(72)【発明者】
【氏名】日恵井 佳子
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 茂男
【審査官】 小野 久子
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−124315(JP,A)
【文献】 特開平10−119025(JP,A)
【文献】 実開昭64−025742(JP,U)
【文献】 実開昭54−017860(JP,U)
【文献】 特開平11−116292(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B28B 1/00− 1/54
B28B 7/00− 7/46
C04B18/04
C04B22/06
C04B28/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも石炭灰を含む材料が湿式混合された混練物が供給される型枠部材と、
前記型枠部材に供給された前記混練物を振動させることで、前記混練物を締め固める振動付与手段とを備え、
前記型枠部材は、
ベース台及び前記ベース台に対し取り外し自在に配される型部材と、
前記ベース台に前記型部材が取り付けられた状態で前記混練物が前記型部材に供給された際に、前記ベース台と前記型部材の間から前記混練物に含まれる余剰水分を排出する排水手段とを有し
前記型部材の内部側に突出して前記ベース台の上に配され、前記混練物が前記型部材に供給されることで前記混練物の内部に沈み込み、前記混練物が締め固められて前記型部材が前記ベース台から取り外された際に、固化体の形くずれを抑制する形くずれ抑制部材を備えた
ことを特徴とする混練物の固化体製造装置。
【請求項2】
請求項1に記載の混練物の固化体製造装置において、
前記振動付与手段は、前記形くずれ抑制部材を加振することで前記混練物を振動させる手段である
ことを特徴とする混練物の固化体製造装置。
【請求項3】
請求項1もしくは請求項2に記載の混練物の固化体製造装置において、
前記ベース台は平面部を有し、前記型部材は筒状に形成され、
前記ベース台の平面部に筒状突起部が形成され、
前記筒状突起部に前記型部材が嵌合されて前記ベース台に前記型部材が取り付けられ、
前記排水手段は、前記筒状突起部と前記型部材の嵌合部に配される
ことを特徴とする混練物の固化体製造装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の混練物の固化体製造装置において、
前記混練物は、石炭灰に加え、貝殻粉末、石灰類を含有する混練物である
ことを特徴とする混練物の固化体製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、混練物から固化体を製造する固化体製造装置に関し、特に、石炭灰およびホタテやカキなどの貝殻等を含有する固化体を製造する固化体製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
我が国の石炭灰発生量は年々増加しており、近年は、年間1000万トンを超え、これらを大量に有効利用できる方法の開発が求められている。一方、年間20〜40万トン産出されるホタテやカキの貝殻は、資源循環型社会の実現に向けてリサイクルの取組みが積極的に進められているものの、本格的な運用には至っておらず、依然、埋め立て地不足や野積みによる悪臭が地方自治体の抱える産廃処理問題の一つとして深刻な課題となっている。これらの理由から、石炭灰やホタテ貝殻などの未利用資源を大量に、かつ安価、そして安全に処理できる技術の開発が望まれている。
【0003】
石炭灰を用いて固化体あるいは造粒物を製造する方法としては、セメントなどの硬化促進剤と混合する方法や高温、高圧下で水熱処理する方法が主として知られている。例えば、石炭灰と、酸化カルシウム、水酸化カルシウム等を所定の割合で配合して高温・高圧処理することが提案されている。
【0004】
石炭灰、及び、ホタテやカキなどの貝殻の廃棄物を用いて固化体を得ることで、養浜用の砂礫や路盤材等に利用できることが従来から本発明者により提案されている(特許文献1参照)。
【0005】
石炭灰の固化体を養浜用の砂礫や路盤材等に利用する場合、貯蔵性、運搬の容易性、粉塵飛散防止などの観点から、粒状の成形体とすることが好ましい。石炭灰、及び、ホタテやカキなどの貝殻の廃棄物を用いて成形体を得る場合、石炭灰、及び、ホタテやカキなどの貝殻の混練物を加圧成形することが考えられているが、装置が大掛かりになることもあり、加圧成形に限らず、種々の手法で成形体(固化体)を得ることが望まれているのが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−263210号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、石炭灰等の廃棄物を用いた混練物から容易に固化体を得ることができる混練物の固化体製造装置を提供することを目的とする。
【0008】
特に、石炭灰、及び、ホタテやカキなどの貝殻の廃棄物を用いた混練物から容易に固化体を得ることができる混練物の固化体製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための請求項1に係る本発明の混練物の固化体製造装置は、少なくとも石炭灰を含む材料が湿式混合された混練物が供給される型枠部材と、前記型枠部材に供給された前記混練物を振動させることで、前記混練物を締め固める振動付与手段とを備え、前記型枠部材は、ベース台及び前記ベース台に対し取り外し自在に配される型部材と、前記ベース台に前記型部材が取り付けられた状態で前記混練物が前記型部材に供給された際に、前記ベース台と前記型部材の間から前記混練物に含まれる余剰水分を排出する排水手段とを有し、前記型部材の内部側に突出して前記ベース台の上に配され、前記混練物が前記型部材に供給されることで前記混練物の内部に沈み込み、前記混練物が締め固められて前記型部材が前記ベース台から取り外された際に、固化体の形くずれを抑制する形くずれ抑制部材を備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項1に係る本発明では、型枠部材の型部材の内部に混練物が供給され、振動付与手段により混練物に振動が与えられることで、型枠部材の内部で混練物中の各材料が個々の質量の違いにより移動して混練物内の空隙が減少し締め固められ、固化体が形成される。固化体が形成される過程で、排水手段によりベース台と型部材の間から混練物に含まれる余剰水分が排出される。排水手段によりこの水分が排出されることにより、余分な水分が振動により浮き上がることが抑制される。
そして、ベース台から型部材が取り外された際に、固化体が形くずれ抑制部材により支えられて形くずれが抑制される。
【0011】
振動付与手段としては、型部材やベース台を振動させることで混練物を振動させる機構や、自身が振動する棒材を混練物に挿入して混練物を直接振動させるバイブレータ等を用いることが可能である。
また、形くずれ抑制部材は、型部材の大きさに応じて、棒状の突起物や、矩形板状の突起物等を、単独、または、複数備えることができる。また、棒状の突起物や、矩形板状の突起物等を適宜組み合わせて備えることができる。
【0012】
このため、石炭灰等の廃棄物を用いた混練物から容易に固化体を得ることが可能になる。
【0016】
また、請求項2に係る本発明の混練物の固化体製造装置は、請求項1に記載の混練物の固化体製造装置において、前記振動付与手段は、前記形くずれ抑制部材を加振することで前記混練物を振動させる手段であることを特徴とする。
【0017】
請求項2に係る本発明では、形くずれ抑制部材を加振することで混練物を振動させるので、形くずれ抑制部材により、混練物に振動を与えることができ、固化体の形くずれの抑制を行う部材を振動付与手段とすることが可能になる。
【0018】
また、請求項3に係る本発明の混練物の固化体製造装置は、請求項1もしくは請求項2に記載の混練物の固化体製造装置において、前記ベース台は平面部を有し、前記型部材は筒状に形成され、前記ベース台の平面部に筒状突起部が形成され、前記筒状突起部に前記型部材が嵌合されて前記ベース台に前記型部材が取り付けられ、前記排水手段は、前記筒状突起部と前記型部材の嵌合部に配されることを特徴とする。
【0019】
請求項3に係る本発明では、ベース台の平面部に筒状突起部に筒状の型部材を嵌合することで、ベース台に型部材が取り付けられ、筒状突起部の外面もしくは型部材の内面に溝を形成することで、または、筒状突起部と型部材の対向部位に溝を形成することで、筒状突起部と型部材の嵌合部に配された溝を通して混練物中の余剰水分が排出される。
【0020】
筒状の型部材としては、円筒状の型部材や、多角筒状(四角筒状)の型部材が適用される。この場合の筒状突起部は、型部材の筒形状に合わせて、円柱状、多角柱状(四角柱状)に形成される。型部材を周方向の複数箇所で分割できる構成にすることも可能である。
【0021】
また、請求項4に係る本発明の混練の固化体製造装置は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の混練物の固化体製造装置において、前記混練物は、石炭灰に加え、貝殻粉末、石灰類を含有する混練物であることを特徴とする。
【0022】
請求項4に係る本発明では、石炭灰、及び、ホタテやカキなどの貝殻の廃棄物を用いた混練物から容易に固化体を得ることが可能になる。
【発明の効果】
【0023】
本発明の混練物の固化体製造装置は、石炭灰等の廃棄物を用いた混練物から容易に固化体を得ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の一実施例に係る固化体製造装置の概略構成を表す外観図である。
図2】本発明の一実施例に係る固化体製造装置の分解斜視図である。
図3図1中のIII−III線矢視図である。
図4図1中のIV−IV線矢視図である。
図5】固化体製造装置による工程図である。
図6】形くずれ抑制部材の他の実施例を表す外観図である。
図7】振動付与手段の他の実施例を表す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の混練物の固化体製造装置は、少なくとも石炭灰及を含む材料が湿式混合された混練物に振動を与えて締め固め、固化体を作成する装置である。例えば、石炭灰、貝殻粉末、石灰類に所定量の水分を加え混練した石炭灰、貝殻粉末、石膏、石灰を含有する混練物(混合割合は、例えば、石炭灰:貝殻粉末:石膏:消石灰=70:15:4:11)に振動を与えて締め固め、固化体を作成する装置である。
【0026】
混練物として用いる石炭灰は、組成が限定されるものではなく、種々の石炭灰を使用することが可能である。また、石炭灰は、フライアッシュやクリンカアッシュを利用することができ、また、埋め立て処理されたものを再度利用することも可能である。
【0027】
貝殻粉は、ホタテ、カキ、ハマグリ、アサリなど各種の貝殻を粉末として用いたものであり、貝の種類は特に限定されない。廃棄物となる貝殻粉を焼成せずにそのまま使用することができる。一方、焼成し生石灰(CaO)等にして用いることもできる。
【0028】
石灰類は、例えば、生石灰(CaO)、消石灰(Ca(OH))等を適用することができる。また、貝殻粉を焼成したものを適用することができる。また、石膏類としては、石炭灰、貝殻(未焼成)、石灰類との混合物の総カルシウム含有量の不足分を補うため、ならびに、水和反応生成物,たとえばエトリンガイト(3CaO・Al・3CaSO・32HO)の形成に必要なS成分を補うために添加するものであり、排脱石膏(脱硫石膏)、化学石膏、廃石膏ボード粉末、天然石膏などを挙げることができる。
【0029】
これにより、本発明の混練物の固化体製造装置で作製された固化体は、必要に応じて養生された後に所定の形状の材料に加工され、人工砂、路盤材、盛り土やコンクリート砂の代替材、水処理部材等に有効利用することができる。
【0030】
図1から図4に基づいて本発明の混練物の固化体製造装置の実施例を説明する。
【0031】
図1には本発明の一実施例に係る固化体製造装置の全体の概略構成の外観、図2には固化体製造装置の分解斜視状況、図3には排水溝の部位の断面を表す図1中のIII−III線矢視の状態、図4には密着部の部位の断面を表す図1中のIV−IV線矢視の状態を示してある。
【0032】
図1から図4に示すように、固化体製造装置1は、混練物2が供給される型枠部材3が備えられ、型枠部材3に供給された混練物2を振動させることで、混練物2を締め固める振動付与手段が備えられている。型枠部材3は、ベース台4及びベース台4に対し取り外し自在に配される型部材5とから構成されている。
【0033】
ベース台4には平面部7が形成され、平面部7の中心部位に円柱状の筒状突起部9が設けられている。型部材5は両端が開口する円筒状の筒部8とされ、筒部8がベース台4の筒状突起部9に嵌合されている。ベース台4の平面部7に筒状突起部9の筒部8が嵌合することで、ベース台4に型部材5が取り付けられる。
【0034】
筒状の型部材としては、円筒状の筒部8の他に、多角筒状(例えば、四角筒状)の筒状の型部材を適用することが可能である。この場合、筒状突起部9は、型部材の筒形状に合わせて、多角柱状(四角柱状)に形成される。尚、型部材を周方向の複数箇所で分割できる構成にすることも可能である。
【0035】
図1から図3に示すように、筒状突起部9と筒部8の嵌合部である、ベース台4の平面部7及び筒状突起部9に亘り溝11が形成され、溝11は筒部8の内周面との間に通路が存在するように断面コ字型に形成されている。平面部7及び筒状突起部9の溝11で形成される通路から混練物2の不要な水が排出される(排水手段)。
【0036】
尚、排水手段として、溝11につながる流路を筒状突起部9の上面に設けることも可能である。
【0037】
図1から図4に示すように、型部材5の筒部8が取り付けられるベース台4の筒状突起部9には、筒部8の略中心部位に位置し、筒部8の中心軸方向に沿って延びる抑制棒(形くずれ抑制部材)15が設けられている。抑制棒15は型部材5の内部側(筒部8の内部側)に突出して筒状突起部9に配された状態とされ、混練物2が型部材5に供給されることで(筒部8の内部に供給されることで)、抑制棒15は混練物2の内部に沈み込むようになっている。
【0038】
抑制棒15が混練物2の内部に沈み込むため、後述するように混練物2が締め固められて固化体とされ、型部材5が平面部7の筒状突起部9から取り外された際に、固化体が抑制棒15に支えられて形くずれが抑制される。
【0039】
尚、形くずれ抑制部材としては、固化体の大きさに応じ、複数の抑制棒15を用いることが可能である。また、図6に示すように、矩形板状の突起物17を用いることが可能である。また、抑制棒15、及び、突起物17を適宜組み合わせて用いることが可能である。
【0040】
抑制棒15が設けられたベース台4の平面部7(筒状突起部9)の下側には、抑制棒15を振動させる加振手段16が設けられている。筒部8に混練物2が供給された状態で、加振手段16により抑制棒15を振動させることで混練物2が振動し、混練物2が締め固められる(振動付与手段)。
【0041】
振動付与手段としては、筒部8を振動させることで混練物2を振動させる手段を設けることも可能である。また、図7に示すように、自身が振動する棒材21を混練物2に挿入することで混練物2を直接振動させるバイブレータ22を用いることも可能である。
【0042】
図5に基づいて固化体の製造工程を説明する。図5には固化体製造装置による固化体の製造の工程を示してある。
【0043】
石炭灰と、石灰類と、貝殻粉末、(石膏類)とを湿式混合して混練物2を得る。湿式混合は、例えば、ミキサー、ボールミル等で行う。湿式混合は、各原料が均一に混合されるように行えばよく、また、湿式混合は水を用いて行えばよく、混練物が振動により締め固められて固化体とされるのに適した水分含有量となるようする。
【0044】
図5(a)に示すように、ベース台4に型部材5を取り付けた状態で、型部材5の筒部8の中に、抑制棒15が沈み込む量の混練物2を供給する。
【0045】
図5(b)に示すように、加振手段16により抑制棒15を振動させ、混練物2を振動させる。混練物2は振動されることにより、個々の材料の質量の違いにより移動して重力により締め固められる。振動によって液状化された水は、即ち、締め固めて固化体にする場合に余分となる水は、溝11で形成された通路(ベース台4と型部材5の間)から排水される。
【0046】
このため、混練物2を締め固めると同時に排水を行うことができ、締め固めと排水を一つの工程で実施することができる。溝11で形成された通路から排水を行うことで、余分な水分が振動により過剰に浮き上がることが抑制され、Caを含んだ大量の水が固化物の上に溜まることがない。
【0047】
所望の時間、混練物2を振動させ、余分な水が排水されて混練物2が十分に締め固められると、加振手段16による抑制棒15の振動(混練物2の振動)を停止する。
【0048】
図5(c)に示すように、ベース台4の筒状突起部9から型部材5の筒部8が抜き外される。固化体20は、抑制棒15により支えられているので、形くずれが抑制されて必要な形状が保たれた状態にされる。型部材5を抜き外した際に、筒部8の内部に固化体20が残る可能性もあるため、型部材5を抜き外す際に、固化体20を押さえる部材を別途設けることも可能である。
【0049】
固化体20の形くずれを抑制するための抑制棒15を用いて混練物2に振動を与える構成となっているため、固化体20の形くずれを抑制する部材により、混練物2に振動を与えることができる。このため、固化体20の形くずれの抑制を行う部材と振動付与手段とを共用して部品点数の削減を図ることが可能になると共に、それぞれの装置を別々に備える必要がなく、装置の大型化を抑制することが可能になる。
【0050】
図5(d)に示すように、抑制棒15から固化体20を取り外し、石炭灰、及び、ホタテやカキなどの貝殻の廃棄物を用いた混練物2から得た固化体20として種々の用途に使用される。例えば、必要に応じて養生された後に所定の形状の材料に加工され、人工砂、路盤材、盛り土やコンクリート砂の代替材、水処理部材等に有効利用することができる。
【0051】
上述した実施例では、石炭灰、貝殻粉末、石膏、石灰を含む混練物2を締め固める装置として説明したが、混練物としては、少なくとも石炭灰を含む材料が湿式混合された混練物を用いることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は、混練物から固化体を製造する混練物の固化体製造装置の産業分野で利用することができる。
【符号の説明】
【0053】
1 固化体製造装置
2 混練物
3 型枠部材
4 ベース台
5 型部材
7 平面部
8 筒部
9 筒状突起部
11 溝
15 抑制棒
16 加振手段
17 突起物
20 固化体
21 棒材
22 バイブレータ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7