特許第6230073号(P6230073)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アプライド マテリアルズ インコーポレイテッドの特許一覧

特許6230073加熱ランプのまわりの空気流の減少を容易にするための基部を有する加熱ランプ
<>
  • 特許6230073-加熱ランプのまわりの空気流の減少を容易にするための基部を有する加熱ランプ 図000002
  • 特許6230073-加熱ランプのまわりの空気流の減少を容易にするための基部を有する加熱ランプ 図000003
  • 特許6230073-加熱ランプのまわりの空気流の減少を容易にするための基部を有する加熱ランプ 図000004
  • 特許6230073-加熱ランプのまわりの空気流の減少を容易にするための基部を有する加熱ランプ 図000005
  • 特許6230073-加熱ランプのまわりの空気流の減少を容易にするための基部を有する加熱ランプ 図000006
  • 特許6230073-加熱ランプのまわりの空気流の減少を容易にするための基部を有する加熱ランプ 図000007
  • 特許6230073-加熱ランプのまわりの空気流の減少を容易にするための基部を有する加熱ランプ 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6230073
(24)【登録日】2017年10月27日
(45)【発行日】2017年11月15日
(54)【発明の名称】加熱ランプのまわりの空気流の減少を容易にするための基部を有する加熱ランプ
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/26 20060101AFI20171106BHJP
   H01K 1/46 20060101ALI20171106BHJP
   H01K 7/00 20060101ALI20171106BHJP
【FI】
   H01L21/26 J
   H01K1/46 Z
   H01K7/00 B
【請求項の数】12
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-558778(P2014-558778)
(86)(22)【出願日】2013年2月19日
(65)【公表番号】特表2015-513796(P2015-513796A)
(43)【公表日】2015年5月14日
(86)【国際出願番号】US2013026645
(87)【国際公開番号】WO2013126324
(87)【国際公開日】20130829
【審査請求日】2016年2月18日
(31)【優先権主張番号】61/603,215
(32)【優先日】2012年2月24日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/770,013
(32)【優先日】2013年2月19日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【弁理士】
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】ミョー ニー オー
【審査官】 河合 俊英
(56)【参考文献】
【文献】 特表2006−518552(JP,A)
【文献】 実開平01−092059(JP,U)
【文献】 特公昭48−026631(JP,B1)
【文献】 特公昭48−025230(JP,B1)
【文献】 登録実用新案第3109271(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/26
H01K 1/46
H01K 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体プロセスチャンバで使用するための加熱ランプであって、
加熱ランプ外囲器内に配置されたフィラメントを有する前記加熱ランプ外囲器と、
前記加熱ランプ外囲器が張り出している第1の表面と、前記第1の表面に平行で前記第1の表面に対向する第2の表面と、互いに平行で対向する2つの第3の表面とを有し、前記2つの第3の表面が前記第1の表面と前記第2の表面の間に延びている基部と、
改善された握り部をユーザに与えるために前記2つの第3の表面の中に延びる1つまたは複数の凹部と
を備え、前記1つまたは複数の凹部は、互いに平行で、前記加熱ランプ外囲器の主軸に実質的に垂直である直線軸を有する加熱ランプ。
【請求項2】
半導体プロセスチャンバで使用するための加熱ランプアレイであって、
複数の請求項1に記載の加熱ランプであり、隣接する加熱ランプ基部間の距離が加熱ランプのフィラメントにフィラメント材料の再堆積を生じさせる加熱ランプ温度を維持するように前記隣接する加熱ランプ基部間の空気流を低減させる複数の加熱ランプ
を備える、加熱ランプアレイ。
【請求項3】
円形アレイに配置された複数のソケットをさらに含み、前記複数の加熱ランプのそれぞれの加熱ランプが前記複数のソケットの対応するソケットに結合される、請求項2に記載の加熱ランプアレイ。
【請求項4】
チャンバ本体と、
前記チャンバ本体内に配置された加熱ランプアレイであり、円形アレイに配置された複数のソケットと、前記複数のソケットにそれぞれ結合される複数の請求項1に記載の加熱ランプとを含む前記加熱ランプアレイとを備え、隣接する加熱ランプ基部間の距離が加熱ランプのフィラメントにフィラメント材料の再堆積を生じさせる加熱ランプ温度を維持するように前記隣接する加熱ランプ基部間の空気流を低減させ、前記円形アレイの各加熱ランプは、各基部から内向きに放射状にかつ前記チャンバ本体の下面に実質的に平行に延びている加熱ランプ外囲器を有している
プロセスチャンバ。
【請求項5】
前記1つまたは複数の凹部が、前記基部の幅に沿って中央に配置される、請求項1から4のいずれかに記載の加熱ランプ。
【請求項6】
前記1つまたは複数の凹部が、前記基部の両側に配置された2つの凹形チャネルである、請求項1から4のいずれかに記載の加熱ランプ。
【請求項7】
前記1つまたは複数の凹部が、約10mm〜約15mmの幅と、約0.3mm〜約1mmの深さとを有する、請求項1から4のいずれかに記載の加熱ランプ。
【請求項8】
前記基部が、約43mm〜約45mmの幅と、約25mm〜約28mmの長さと、約43mm〜約46mmの厚さとを有する、請求項1から4のいずれかに記載の加熱ランプ。
【請求項9】
前記基部は、前記基部の1つまたは複数の側面の少なくとも一部分に配置され、前記少なくとも一部分から延びる複数のフィンを含む、請求項1から4のいずれかに記載の加熱ランプ。
【請求項10】
前記凹部が、前記フィンの少なくともいくつかに少なくとも部分的に配置される、請求項に記載の加熱ランプ。
【請求項11】
前記複数のフィンが、前記加熱ランプ外囲器に隣接する前記基部の第1の端部から前記1つまたは複数の凹部を越える点まで延び、前記複数のフィンが、前記基部の反対側の端部に達する前に終了する、請求項10に記載の加熱ランプ。
【請求項12】
前記基部が酸化アルミニウム(Al23)から製作される、請求項1から4のいずれかに記載の加熱ランプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、一般に、加熱ランプを使用する半導体処理に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体プロセスチャンバで利用される従来の加熱ランプは、一般に、加熱ランプのまわりに高い空気流を許すプロファイルを有することに本発明者は気づいた。この高い空気流により、加熱ランプ構成要素は十分に低い温度に冷やされ、それにより、材料が、好ましくないことに、加熱ランプ構成要素に堆積する。例えば、タングステン(W)などの材料から製作されたフィラメントを有する加熱ランプでは、フィラメント材料が昇華して、加熱ランプの内側表面に堆積することがある。フィラメント材料が加熱ランプの内側表面に堆積するようになる(フィラメントに再堆積するのではなく)ことによって、フィラメントは消耗した状態になり、それにより、脆弱化が生じ、フィラメントのあり得る故障がもたらされる。
加えて、従来から利用されている加熱ランプは、一般に、平滑な表面をもつ基部を有する。そのような平滑な表面は、加熱ランプの安全な除去および/または設置を容易にするための十分な握り部を備えていないことに本発明者は気づいた。例えば、ユーザの手が、基部から滑り、加熱ランプの熱いまたは帯電した構成要素に接触し、それによって、けがをすることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
それ故に、本発明者は改善された加熱ランプを提供した。
【課題を解決するための手段】
【0004】
例えば半導体基板処理で使用するための加熱ランプおよび加熱ランプアレイの実施形態が本明細書で開示される。いくつかの実施形態では、加熱ランプは、加熱ランプ外囲器(heating lamp envelope)内に配置されたフィラメントを有する加熱ランプ外囲器と、加熱ランプ外囲器を支持するために加熱ランプ外囲器に結合された基部と、改善された握り部をユーザに与えるために基部に形成された1つまたは複数の凹部とを含むことができる。いくつかの実施形態では、半導体プロセスチャンバで使用するための加熱ランプアレイは、複数の加熱ランプを含むことができ、各加熱ランプは、加熱ランプ外囲器内に配置されたフィラメントを有する加熱ランプ外囲器と、加熱ランプ外囲器を支持するために加熱ランプ外囲器に結合された基部であり、隣接する加熱ランプ基部間の距離が約0.02インチ〜約0.08インチである、基部とを含む。
いくつかの実施形態では、半導体プロセスチャンバで使用するための加熱ランプアレイは、複数の加熱ランプを含むことができ、各加熱ランプは、加熱ランプ外囲器内に配置されたフィラメントを有する加熱ランプ外囲器と、加熱ランプ外囲器を支持するために加熱ランプ外囲器に結合された基部であり、基部が改善された握り部をユーザに与えるために基部に形成された1つまたは複数の凹部を有し、隣接する加熱ランプ基部間の距離が約0.02インチ〜約0.08インチである、基部とを含む。
いくつかの実施形態では、プロセスチャンバは、チャンバ本体と、チャンバ本体内に配置された加熱アレイであり、円形アレイに配置された複数のソケットと、複数のソケットにそれぞれ結合される複数の加熱ランプとを含み、複数の加熱ランプの各々が、加熱ランプ外囲器内に配置されたフィラメントを有する加熱ランプ外囲器と、加熱ランプ外囲器を支持するために加熱ランプ外囲器に結合された基部であり、基部が、改善された握り部をユーザに与えるために基部に形成された1つまたは複数の凹部と、基部の1つまたは複数の側面の少なくとも一部分に配置され、この少なくとも一部分から延びる複数のフィンとを有し、隣接する加熱ランプ基部間の距離が約0.02インチ〜約0.08インチである、基部とを含む、加熱アレイとを含むことができる。
【0005】
本発明の他のおよびさらなる実施形態が以下で説明される。
上述で簡単に要約し、以下でさらに詳細に論じる本発明の実施形態は、添付図面に示される本発明の例示的な実施形態を参照することによって理解することができる。しかし、添付図面は本発明の典型的な実施形態のみを示しており、それ故に、本発明は他の等しく効果的な実施形態を認めることができるので本発明の範囲を限定すると見なされるべきでないことに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本発明のいくつかの実施形態による加熱ランプとともに使用するのに好適なプロセスチャンバの図である。
図2】本発明のいくつかの実施形態による加熱ランプの図である。
図3】本発明のいくつかの実施形態による、プロセスチャンバで使用するのに好適な加熱ランプのアレイの図である。
図4】本発明のいくつかの実施形態による加熱ランプで使用するのに好適な基部の様々な図である。
図5】本発明のいくつかの実施形態による加熱ランプで使用するのに好適な基部の様々な図である。
図6】本発明のいくつかの実施形態による加熱ランプで使用するのに好適な基部の様々な図である。
図7】本発明のいくつかの実施形態による加熱ランプで使用するのに好適な基部の様々な図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
理解しやすくするために、同一の参照番号が、可能であれば、図に共通する同一の要素を指定するために使用されている。図は原寸に比例して描かれておらず、明瞭にするために簡単化されていることがある。1つの実施形態の要素および特徴は、さらなる詳述なしに他の実施形態に有益に組み込むことができると考えられる。
従来の加熱ランプと比較して空気流の減少を容易にすることができる加熱ランプ基部を有する加熱ランプの実施形態が、本明細書で開示される。本発明の実施形態は、有利には、従来の加熱ランプと比較して有効寿命が延びた加熱ランプを提供することができる。本発明の加熱ランプは、さらに有利には、加熱ランプの設置および/または除去を容易にするために握り面をユーザに与え、それによって、加熱ランプの設置および/または除去の間のユーザのけがの危険性を減少させることができる。
【0008】
図1は、本発明のいくつかの実施形態による加熱ランプとともに使用するのに好適なプロセスチャンバ100の概略側面図を示す。いくつかの実施形態では、プロセスチャンバ100は、カリフォルニア州、サンタクララの Applied Materials, Inc.から入手可能なEPI(登録商標)リアクタのうちの任意のものなどの市販のプロセスチャンバとするか、または本明細書で説明するような加熱ランプを使用できる任意の好適な半導体プロセスチャンバとすることができる。加熱ランプを使用する他のプロセスチャンバは、やはり、本明細書で提供する教示から利益を得ることができる。
プロセスチャンバ100は、一般に、チャンバ本体110、支援システム130、およびコントローラ140を含むことができる。チャンバ本体110は、一般に、上部部分102、下部部分104、および筐体120を含む。チャンバ本体110内の所望の圧力を維持しやすくするために、真空システム123をチャンバ本体110に結合することができる。いくつかの実施形態では、真空システム123は、チャンバ本体110を排気するために使用されるスロットルバルブ(図示せず)および真空ポンプ119を含むことができる。いくつかの実施形態では、チャンバ本体110の内部の圧力は、スロットルバルブおよび/または真空ポンプ119を調節することによって調整することができる。
上部部分102は下部部分104上に配置され、リッド106、クランプリング108、ライナ116、基部プレート112、1つまたは複数の上部加熱ランプ136および1つまたは複数の下部加熱ランプ138、ならびに上部パイロメーター156を含む。いくつかの実施形態では、リッド106はドーム様形状係数を有するが、しかし、他の形状係数を有するリッド(例えば、平坦または背向曲線リッド)も考えられる。
【0009】
下部部分104は、プロセスガス取入れ口114および排気口118に結合され、基部プレートアセンブリ121、下部ドーム132、基板支持体124、予熱リング122、基板リフトアセンブリ160、基板支持アセンブリ164、1つまたは複数の上部加熱ランプ152および1つまたは複数の下部加熱ランプ154、ならびに下部パイロメーター158を含む。「リング」という用語は予熱リング122などのプロセスチャンバ100のいくつかの構成要素を説明するために使用されるが、これらの構成要素の形状は円形である必要はなく、限定はしないが、長方形、多角形、楕円形などを含む任意の形状を含むことができることが考えられる。いくつかの実施形態では、ガス供給117は、1つまたは複数のプロセスガスを、入口114を介してプロセスチャンバ100に供給することができる。そのような実施形態では、ガス供給117からのプロセスガスの流れを制御するために、バルブまたは質量流量コントローラ115をガス供給117に結合することができる。
【0010】
処理の間、基板101は基板支持体124に配置される。加熱ランプ136、138、152、および154は、赤外(IR)放射(例えば熱)の供給源であり、動作時に、基板101の端から端までの所定の温度分布を発生する。加熱ランプ136、138、152、および154は、例えば、2kWランプ、3kWランプなどのような半導体処理に好適な任意のタイプの加熱ランプとすることができる。リッド106、クランプリング108、および下部ドーム132は、石英から形成されるが、しかし、これらの構成要素を形成するために他のIR透過性プロセス適合材料を使用することもできる。
【0011】
基板支持アセンブリ164は、一般に、基板支持体124に結合された複数の支持ピン166を有する支持ブラケット134を含む。基板リフトアセンブリ160は、基板リフトシャフト126と、基板リフトシャフト126のそれぞれのパッド127に選択的に載る複数のリフトピンモジュール161とを含む。いくつかの実施形態では、リフトピン128が、基板支持体124の第1の開口162を通して移動可能に配置される。動作時に、基板リフトシャフト126は、リフトピン128と係合するように移動される。係合されると、リフトピン128は、基板支持体124の上方に基板101を持ち上げるか、または基板支持体124上に基板101を下ろすことができる。
支援システム130は、プロセスチャンバ100で所定のプロセス(例えば、エピタキシャル膜の成長)を実行しモニタするために使用される構成要素を含む。そのような構成要素は、一般に、様々なサブシステム(例えば、ガスパネル、ガス分配導管、真空および排気サブシステムなど)と、プロセスチャンバ100のデバイス(例えば、電源、プロセス制御機器など)とを含む。これらの構成要素は当業者によく知られており、明瞭にするために図面から省略されている。
【0012】
コントローラ140は、プロセスチャンバ100の構成要素を制御するために、設けて、プロセスチャンバ100に結合することができる。コントローラ140は、基板プロセスチャンバの動作を制御するための任意の好適なコントローラとすることができる。コントローラ140は、一般に、中央処理装置(CPU)142、メモリ144、および支援回路146を含み、直接に(図1に示すように)、または代替としてプロセスチャンバおよび/または支援システムに関連するコンピュータ(またはコントローラ)を介して、プロセスチャンバ100および支援システム130に結合されて、それらを制御する。
CPU142は、産業環境で使用することができる汎用コンピュータプロセッサの任意の形態とすることができる。支援回路146は、CPU142に結合され、キャッシュ、クロック回路、入力/出力サブシステム、電源などを含むことができる。例えば以下の図2に関して本明細書で開示する基板を処理する方法などのソフトウェアルーチンは、コントローラ140のメモリ144に記憶させることができる。ソフトウェアルーチンは、CPU142で実行されると、CPU142を特定目的コンピュータ(コントローラ)140に変換する。ソフトウェアルーチンは、コントローラ140から遠く離して設置された第2のコントローラ(図示せず)で記憶および/または実行することもできる。代替としてまたは組み合わせて、いくつかの実施形態では、例えば、プロセスチャンバ100がマルチチャンバ処理システムの一部である場合、マルチチャンバ処理システムの各プロセスチャンバは、その特定のプロセスチャンバで実行することができる本明細書で開示する本発明の方法の一部を制御するためのそれ自体のコントローラを有することができる。そのような実施形態では、個別のコントローラは、コントローラ140と同様に構成することができ、プロセスチャンバ100の動作の同期をとるためにコントローラ140に結合することができる。
【0013】
図2を参照すると、いくつかの実施形態では、加熱ランプ200は(例えば、上述の加熱ランプ136、138、152、154のいずれも)、一般に、内部容積部204を有するランプ外囲器202を含むことができる。ランプ外囲器202は、石英、ガラス、または他の好適な材料などの透明または半透明の材料で形成することができる。
【0014】
フィラメント206は内部容積部204内に配置されて、電流が加熱ランプ200のフィラメント206に供給されるときに熱エネルギーを供給する。フィラメント206は、フィラメント206の第1の端部211と第2の端部213との間に配置される本体205を含む。フィラメント206は、第1の端部211で第1の導電体208に結合される。いくつかの実施形態では、フィラメント206は、内部容積部204内に配置された1つまたは複数の支持基部209から延びる1つまたは複数の支持構造体(図示せず)で支持することができる。いくつかの実施形態では、導電性の第1のインターセプタバー(interceptor bar)210を、ランプ外囲器202内でフィラメント206の下に配置することができる。本明細書で使用される「の下に」は、フィラメントが使用中にまたは時がたつにつれて十分な程度まで弛んだときに導電性の第1のインターセプタバー210に接触できる限り、フィラメント206の真下に、またはフィラメント206に対してある角度で(例えば、フィラメント206の下方で横に)の両方を意味する。第1のインターセプタバー210は、フィラメント206の第2の端部213と第2の導電体212との間で結合することができる。一般的な動作の間、電流は、第1の導電体208を介してランプの中に流れ、フィラメント206を通り、第1のインターセプタバー210を伝わり、そして第2の導電体212を介してランプを出ていく。
【0015】
いくつかの実施形態では、フィラメント206は堅く巻かれたワイヤからなり、次に、堅く巻かれたワイヤは複数のコイル218へと巻き付けられる。複数のコイル218は、フィラメント206の本体205を形成することができる。しかし、環、螺旋、または他の好適なコイル様構成などのフィラメントの他の構成が可能である。例えば、コイル218および二次コイル(図示せず)を設けることによってフィラメントの長さおよび電流経路を増加させると、フィラメント106による抵抗は増加することができ、それにより、ランプはより低い電流で動作することができるようになる。フィラメントは、タングステン(W)または別の好適なフィラメント材料で形成することができる。
【0016】
いくつかの実施形態では、内部容積部204は、不活性ガス、例えばアルゴン、ヘリウムなどと、さらに、臭素または臭化水素などのハロゲンガスとで充満させることができる。ハロゲンガスは、加熱ランプ200の使用中に存在すると、フィラメント206へのフィラメント材料の再堆積を容易にすることによって加熱ランプ外囲器202の内部表面216へのフィラメント材料の堆積を防止することができる。
加熱ランプ200は、基部203であって、それを通して配置される第1および第2の導電体208、212を有する基部203をさらに含むことができる。基部203は、ソケットアセンブリ(以下で説明する)または他の同様の構造体に保持されることなどによってランプ200を支えることができる。基部は、ランプを支えるのに好適な任意の非導電性材料、例えば酸化アルミニウム(Al23)などのようなセラミックから製作することができる。
【0017】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の加熱ランプ(例えば、上述の加熱ランプ136、138、152、154)は、プロセスチャンバ(例えば、上述のプロセスチャンバ100)内に所望の温度プロフィルを与えてプロセスチャンバ内のプロセスを容易にするのに好適なように配列または構成することができる。例えば、いくつかの実施形態では、一群の上部加熱ランプ136、138または下部加熱ランプ152、154の1つまたは複数(上部加熱ランプ136が示されている)は、例えば、図3に示すように円形アレイなどのアレイに配列することができる。そのような実施形態では、一群の加熱ランプ136の各加熱ランプ200は、加熱ランプ200に電力を供給するためにそれぞれのソケット304に結合することができる。ソケット304は、例えば、上述の筐体120などのプロセスチャンバの任意の部分、または任意の他の好適な場所の任意の部分で支えられるかまたはそれに結合され、所望に応じてランプを位置づけて、使用中にランプからの熱エネルギーをプロセスチャンバに供給しやすくすることができる。
【0018】
加熱ランプ200の使用中、加熱ランプ200のまわりの空気流(矢印306で示される)が加熱ランプ外囲器202の冷却を引き起こすことがあることに本発明者は気づいた。隣接する従来の加熱ランプの間の間隙310のサイズに起因して、空気流の量は、好ましくないことに、加熱ランプ外囲器202内に材料を堆積させるのに十分な温度まで加熱ランプ外囲器202を冷却することがあることに本発明者はさらに気づいた。例えば、加熱ランプがタングステン(W)などの材料から製作されたフィラメント206を含む実施形態では、フィラメント材料は昇華して加熱ランプ外囲器202に堆積することがある。加えて、例えば臭素(Br)または臭化水素(HBr)などのハロゲンガスが、昇華したフィラメント材料をフィラメント206に再堆積させて戻しやすくするためにランプ外囲器202に供給される実施形態では、ハロゲンガスが加熱ランプ外囲器202に堆積することがある。ハロゲンガスは、加熱ランプ外囲器202に堆積することによって、昇華したフィラメント材料をフィラメント206に再堆積させて戻しやすくするのに役立たなくなり、それによって、フィラメント材料が加熱ランプ外囲器202にさらに堆積するようになる。フィラメント材料がフィラメント206に再堆積するのではなくランプ外囲器202に堆積するようになることによって、フィラメント206は消耗した状態になり、それにより、脆弱化と、フィラメント206のあり得る故障とが生じる。
【0019】
したがって、いくつかの実施形態では、基部203は、隣接する加熱ランプ200間の空気流306を「絞る」(すなわち、制限する)のに十分な寸法を有することができる。例えば、アレイに配置されたときにランプの隣接する基部の間の最小距離が約0.02インチ(または約0.50mm)〜約0.08インチ(または約2mm)、またはいくつかの実施形態によっては約0.03インチ(または約0.76mm)となるような基部サイズを有するようにランプを構成することによって空気流を十分に制限することができることに本発明者等は気づいた。隣接する加熱ランプ200間の空気流306を制限することによって、加熱ランプ200の加熱ランプ外囲器202は、有利には、高温に維持することができ、それによって、加熱ランプ外囲器202へのフィラメント材料および/またはハロゲンガスの堆積が防止され、このようにして、フィラメント206へのフィラメント材料の再堆積の増加が可能になる。フィラメント206へのフィラメント材料の再堆積の増加を可能にすることによって、フィラメントの消耗のレートを減少させ、それによって、消耗効果に起因するフィラメント206の故障を減少または除去し、フィラメント206の有効寿命を延ばすことができることに本発明者は気づいた。
基部203は、隣接する加熱ランプ200間の空気流306を制限するのに好適な寸法を有することができる。例えば、いくつかの実施形態では、基部は、図4に示すように、約43mm〜約45mmの幅402を有することができる。いくつかの実施形態では、基部203は、約25mm〜約28mmの長さ404を有することができる。図5を参照すると、いくつかの実施形態では、基部は、約43mm〜約46mmの厚さ504を有することができる。
【0020】
従来から利用されている加熱ランプでは、例えば基部などの加熱ランプの構成要素が平滑な表面であることに本発明者はさらに気づいた。そのような平滑な表面は、例えば、手による加熱ランプの設置および/または除去を容易にするための十分な握り面を備えておらず、そのために、好ましくないことに、ユーザの手が基部から滑り、熱い表面(例えば、加熱ランプ外囲器)に接触し、それによって、けがをするかまたはランプを損傷することがあることに本発明者は気づいた。したがって、いくつかの実施形態では、基部203は、改善された握り部をユーザに与えるように構成された、図5に示すものなどの1つまたは複数の凹部(2つの凹部502が示されている)を含むことができる。1つまたは複数の凹部502を備えることによって、十分な握り面がユーザに与えられ、それによって、ユーザの手が基部から滑り、加熱ランプの帯電したまたは熱い構成要素に接触することによって引き起こされるユーザのけがまたはランプの損傷の危険性が減少する。
【0021】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の凹部502は、基部203の対置する側506に配置された2つの凹部502からなることができる(より多いまたはより少ない凹部502を備えることができるのではあるが)。凹部502は、加熱ランプの設置または除去を可能にするためにユーザによるランプの握りの改善を促進するのに好適なように位置づけることができる。例えば、いくつかの実施形態では、凹部502は基部203の幅に沿って中央に位置決めして配置することができる。いくつかの実施形態では、凹部は、円筒の側壁の部分と基部203との交線によって形成されるような基部203の凹曲面部分とすることができる。いくつかの実施形態では、凹部は各々直線軸を有し、直線軸は互いに平行で、ランプの主軸(例えば、基部から外囲器の先端に及ぶ)に実質的に垂直である。いくつかの実施形態では、凹部は、基部203の両側に配置された1対の凹状凹部またはチャネルとすることができる。
【0022】
凹部502は、前述の握り部を用意するのに好適な任意の寸法を有することができる。例えば、いくつかの実施形態では、各凹部502は、約10mm〜約15mmの幅508を有することができる。いくつかの実施形態では、凹部は、約0.3mm〜約1mmの深さ510を有することができる。
【0023】
上述の実施形態のいずれでも、基部203は、例えば、図6および図7に示したものなどの、基部203の側面506に配置され、それから延びる複数のフィン602を含むことができる。複数のフィン602を設けることによって、隣接する加熱ランプ(例えば、上述のような)間の空気流をさらに減少させることができ、それによって、加熱ランプは高温に維持されるようになり、それによって、加熱ランプ外囲器へのフィラメント材料および/またはハロゲンガスの堆積がさらに防止され、フィラメントへのフィラメント材料の再堆積の増加が可能になることに本発明者は気づいた。複数のフィン602もまたランプ200を扱うときのユーザの握りをさらに強化することができる。複数のフィン602は、上述の空気流の減少を行うのに好適なように任意に構成することができる。例えば、いくつかの実施形態では、複数のフィン602は基部203の長さ404全体に沿って配置することができる。代替として、いくつかの実施形態では、複数のフィン602は、基部203の長さ404よりも短くすることができる。例えば、いくつかの実施形態では、複数のフィン602は、少なくとも、1つまたは複数の凹部502に沿って設けることができる。いくつかの実施形態では、複数のフィン602は、加熱ランプ外囲器202に隣接する基部203の第1の端部から1つまたは複数の凹部502を越えた点まで延びるが、基部203の反対側の第2の端部に達する前に終了することができる。複数のフィン602は、上述の減少した空気流を実現するのに好適な任意の寸法を有することができる。
【0024】
このように、改善された加熱ランプが本明細書で開示された。本発明の加熱ランプは、加熱ランプのまわりの空気流を「絞る」(すなわち、制限する)のに十分な寸法を有利に備える加熱ランプ基部を含む。空気流を制限することによって、加熱ランプ外囲器は高温に維持することができ、それによって、加熱ランプ外囲器へのフィラメント材料および/またはハロゲンガスの堆積が防止され、このようにして、フィラメントへのフィラメント材料の再堆積の増加が可能になる。フィラメントへのフィラメント材料の再堆積の増加が可能になると、フィラメントの早すぎる脆弱化または故障が防止され、したがって、加熱ランプの有効寿命を延ばすことができる。本発明の加熱ランプは、加熱ランプの設置および/または除去を容易にするために改善された握り面をユーザに与えるように構成された基部の1つまたは複数の凹部をさらに含むことができる。ユーザの手が基部から滑り、加熱ランプの帯電したまたは熱い構成要素に接触することによって引き起こされるユーザのけがの可能性を、十分な握り面を設けることによって減少または除去することができる。
【0025】
前述は本発明の実施形態に関するが、本発明の他のおよびさらなる実施形態を本発明の基本範囲から逸脱することなく考案することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7