特許第6231292号(P6231292)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6231292粉体塗工装置、およびそれを用いた電極の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6231292
(24)【登録日】2017年10月27日
(45)【発行日】2017年11月15日
(54)【発明の名称】粉体塗工装置、およびそれを用いた電極の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B05C 5/00 20060101AFI20171106BHJP
   B05C 11/02 20060101ALI20171106BHJP
   B05C 9/12 20060101ALI20171106BHJP
   B05C 19/06 20060101ALI20171106BHJP
   H01M 4/04 20060101ALI20171106BHJP
   H01G 11/22 20130101ALI20171106BHJP
【FI】
   B05C5/00 101
   B05C11/02
   B05C9/12
   B05C19/06
   H01M4/04 Z
   H01G11/22
【請求項の数】3
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-74192(P2013-74192)
(22)【出願日】2013年3月29日
(65)【公開番号】特開2014-198293(P2014-198293A)
(43)【公開日】2014年10月23日
【審査請求日】2016年3月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000229117
【氏名又は名称】日本ゼオン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117606
【弁理士】
【氏名又は名称】安部 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100136423
【弁理士】
【氏名又は名称】大井 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100121186
【弁理士】
【氏名又は名称】山根 広昭
(74)【代理人】
【識別番号】100142239
【弁理士】
【氏名又は名称】福富 俊輔
(74)【代理人】
【識別番号】100080621
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 寿一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100124730
【弁理士】
【氏名又は名称】正津 秀明
(72)【発明者】
【氏名】谷原 功一
(72)【発明者】
【氏名】坂下 康広
(72)【発明者】
【氏名】柴田 祐二
(72)【発明者】
【氏名】関根 裕幸
【審査官】 安藤 達也
(56)【参考文献】
【文献】 特開平06−134374(JP,A)
【文献】 実開平01−099469(JP,U)
【文献】 特開平11−135116(JP,A)
【文献】 特開2001−015117(JP,A)
【文献】 実開昭53−115167(JP,U)
【文献】 特開2005−211762(JP,A)
【文献】 特開2007−005747(JP,A)
【文献】 特開2009−212113(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05B1/00〜B05B17/08
B05C1/00〜B05C21/00
B05D1/00〜B05D7/26
H01M4/00〜H01M4/98
H01G2/00〜H01G17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続する表面を有する被供給部材を、当該表面が所定の方向に移動するように駆動する駆動手段と、
前記被供給部材の表面上に粉体を供給する粉体供給手段と、
前記被供給部材との間に所定の隙間が形成されるように配置され、前記粉体供給手段によって前記被供給部材の表面上に供給された粉体を均すことによって当該粉体の厚みを調整するスキージと、
前記スキージによって均された粉体を圧縮するプレス手段と、を具備する粉体塗工装置であって、
前記被供給部材は、円柱状に形成され、
前記スキージは、前記被供給部材の表面に対して平行、かつ、前記被供給部材の表面の移動する方向に対して直交、となる軸心を有する円柱状に形成され、
前記スキージは、当該スキージの外周面と前記被供給部材の表面との最短距離が維持されるように、当該被供給部材の外周面に沿った円弧状に振動する、
ことを特徴とする粉体塗工装置。
【請求項2】
前記スキージは、当該スキージの外周面における、前記被供給部材の表面に対向する部分が、前記被供給部材の表面の移動する方向とは逆向きに移動するように回転駆動される、
ことを特徴とする請求項1に記載の粉体塗工装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の粉体塗工装置を用いて、活物質を含む前記粉体から成る圧縮粉体層を、金属箔から成る集電体の少なくとも一方の表面上に形成する工程を含む、
ことを特徴とする、電極の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉体塗工装置、およびそれを用いた電極の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ウェブを搬送しつつ、当該ウェブの表面上に粉体を塗工する技術が広く知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、長尺の金属箔である集電体(ウェブ)の表面上に、活物質を含む複合材料(粉体)を塗工する技術が開示されている。
特許文献1に記載の技術においては、ウェブの表面上に粉体を供給した後、当該粉体をブレード形状のスキージによって均すことにより、粉体の厚みを均一に調整している(特許文献1における段落[0047]参照)。
【0004】
しかしながら、図5に示すように、粉体は、スキージに接触した際、移動方向(ウェブの搬送方向)とは逆方向の力を受けるため、スキージよりもウェブの搬送方向における上流側にて粉体が滞留する(ブリッジが発生する)おそれがある。
よって、特許文献1に記載の技術では、ウェブの表面上に供給された粉体の厚みが均一となるように、粉体を均すことが困難である。
なお、図5における白塗り矢印は、ウェブの搬送方向を示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−216504号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、被供給部材の表面上に供給された粉体を均一に均すことが可能な技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る粉体塗工装置は、連続する表面を有する被供給部材を、当該表面が所定の方向に移動するように駆動する駆動手段と、前記被供給部材の表面上に粉体を供給する粉体供給手段と、前記被供給部材の表面との間に所定の隙間が形成されるように配置され、前記粉体供給手段によって前記被供給部材の表面上に供給された粉体を均すことによって当該粉体の厚みを調整するスキージと、前記スキージによって均された粉体を圧縮するプレス手段と、を具備する粉体塗工装置であって、前記スキージは、前記被供給部材の表面に対して平行、かつ、前記被供給部材の表面の移動する方向に対して直交、となる軸心を有する円柱状に形成される。
【0008】
本発明に係る粉体塗工装置において、前記スキージは、当該スキージの外周面における、前記被供給部材の表面に対向する部分が、前記被供給部材の表面の移動する方向とは逆向きに移動するように回転駆動されることが好ましい。
【0009】
本発明に係る粉体塗工装置において、前記スキージは、当該スキージの外周面と前記被供給部材の表面との最短距離が維持されるように振動することが好ましい。
【0010】
本発明に係る電極の製造方法は、上記の粉体塗工装置を用いて、活物質を含む前記粉体から成る圧縮粉体層を、金属箔から成る集電体の少なくとも一方の表面上に形成する工程を含む。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、被供給部材の表面上に供給された粉体を均一に均すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明に係る粉体塗工装置を示す図。
図2】粉体がスキージローラによって均される様子を示す図。
図3】粉体がスキージローラによって均される様子を示す図。
図4】本発明に係る電極の製造工程を示す図。
図5】従来のスキージに粉体が滞留する様子を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下では、図1および図2を参照して、本発明に係る粉体塗工装置の一実施形態である粉体塗工装置1について説明する。
粉体塗工装置1は、所定の搬送装置(不図示)によってウェブWを搬送しつつ、ウェブWの表面上に粉体Pを塗工する装置である。詳細には、粉体塗工装置1は、前記搬送装置によってウェブWを搬送しつつ、ウェブWの両面上にそれぞれ粉体Pを連続的に供給すると共に、当該粉体Pを連続的に圧縮することによって、ウェブWの両面上に圧縮粉体層L・Lを形成する装置である。
前記搬送装置は、ロール状に巻回されたウェブWを連続的に繰り出し、両面上に圧縮粉体層L・Lが形成されたウェブWをロール状に巻回するように構成されている。なお、ウェブWの搬送経路上には、ウェブWの移動に伴って回転するガイドローラ、およびウェブWの蛇行を修正する制御装置等が適宜設けられる。
ウェブWは、長尺の薄板である。本実施形態において、ウェブWは、金属箔から成る集電体である。
粉体Pは、粉状の物質である。本実施形態において、粉体Pは、活物質を含む粒子群である。
圧縮粉体層Lは、粉体Pを圧縮することによって形成される層である。
【0014】
図1に示すように、粉体塗工装置1は、プレスローラ10・10と、ホッパ20・20と、スキージローラ30・30とを具備し、一方のプレスローラ10、ホッパ20およびスキージローラ30(図1においてウェブWよりも右側に位置するプレスローラ10、ホッパ20およびスキージローラ30)と、他方のプレスローラ10、ホッパ20およびスキージローラ30(図1においてウェブWよりも左側に位置するプレスローラ10、ホッパ20およびスキージローラ30)とが線対称となるように配置されている。
図1における上下方向は、鉛直方向に一致し、図1における左右方向は、水平方向に一致する。
なお、一方のプレスローラ10、ホッパ20およびスキージローラ30と、他方のプレスローラ10、ホッパ20およびスキージローラ30とは、略同様に構成されているため、特に説明する場合を除き、一方のプレスローラ10、ホッパ20およびスキージローラ30のみについて説明する。
【0015】
プレスローラ10・10は、それぞれ円柱状に形成され、それらの軸心が互いに平行となるように水平に設けられている。プレスローラ10・10は、鉛直方向下向きに搬送されるウェブWを挟むように、互いに所定の間隔を空けて設けられている。詳細には、プレスローラ10・10は、一方のプレスローラ10の外周面が、ウェブWの一方の表面に対向すると共に、他方のプレスローラ10の外周面が、ウェブWの他方の表面に対向するように設けられている。プレスローラ10・10は、所定の駆動装置(不図示)によって、互いに逆方向に回転駆動される(図1におけるプレスローラ10・10上の矢印参照)。
【0016】
ホッパ20は、本発明に係る粉体供給手段の一実施形態である。ホッパ20は、その内部に粉体Pを貯溜すると共に、粉体Pをプレスローラ10の外周面上に供給するように構成されている。ホッパ20は、プレスローラ10・10の外周面同士が最も近接する位置(以下、「プレス位置」と記す)よりも粉体Pの移動方向における上流側に配置される。そのため、ホッパ20からプレスローラ10の外周面上に供給された粉体Pは、プレスローラ10の回転に伴ってプレス位置に到達することとなる。
【0017】
スキージローラ30は、ホッパ20からプレスローラ10の外周面上に供給された粉体Pを均すスキージである。スキージローラ30は、プレスローラ10よりも小さい外径を有する円柱状に形成され、その軸心がプレスローラ10の軸心と平行となるように、プレスローラ10の近傍に設けられている。つまり、スキージローラ30は、プレスローラ10の外周面に対して平行、かつ、プレスローラ10の外周面の移動方向(プレスローラ10の回転方向)に対して直交、となる軸心を有する円柱状に形成されている。スキージローラ30は、プレスローラ10との間に所定の隙間が形成されるように、ホッパ20よりも粉体Pの移動方向における下流側であって、プレス位置よりも粉体Pの移動方向における上流側に配置されている。
スキージローラ30・30は、それぞれ近傍に位置するプレスローラ10の回転方向と同一の方向に、所定の駆動装置(不図示)によって回転駆動される(図1におけるスキージローラ30・30上の矢印参照)。詳細には、一方のスキージローラ30は、一方のプレスローラ10の回転方向と同一の方向に回転し、他方のスキージローラ30は、他方のプレスローラ10の回転方向と同一の方向に回転する。換言すれば、スキージローラ30は、その外周面における、プレスローラ10の外周面に対向する部分が、当該プレスローラ10の外周面の移動方向とは逆向きに移動するように回転する。
【0018】
図2に示すように、粉体Pがスキージローラ30を通過する際、粉体Pの幅(図2における上下寸法)が一定となるように、幅調整板31・31が設けられている。
幅調整板31・31は、粉体Pの移動方向に沿って設けられ、プレスローラ10およびスキージローラ30の軸心方向に沿って粉体Pを挟むように配置されている。幅調整板31・31は、プレスローラ10およびスキージローラ30と接触しないような形状を有する。幅調整板31・31は、例えば、ホッパ20(図1参照)に固定される。
【0019】
以上のように構成される粉体塗工装置1においては、一方のホッパ20から一方のプレスローラ10の外周面上に供給された粉体Pが、一方のプレスローラ10の回転に伴ってプレス位置まで到達するまでの間に、一方のスキージローラ30によって均されると共に、他方のホッパ20から他方のプレスローラ10の外周面上に供給された粉体Pが、他方のプレスローラ10の回転に伴ってプレス位置まで到達するまでの間に、他方のスキージローラ30によって均される。そして、プレス位置において、一方のプレスローラ10の外周面上に供給された粉体P、および他方のプレスローラ10の外周面上に供給された粉体Pは、それぞれウェブWの一方および他方の表面上で加圧される。こうして、ウェブWの両面上に圧縮粉体層L・Lが形成されることとなる。
なお、ウェブWは、プレス位置に到達するまでに、粉体Pを接着するための接着剤がウェブWの両面上に塗布される。
前記接着剤をウェブWの両面上に塗布する手段は限定するものではなく、例えば、グラビアコータを適用可能である。
前記接着剤は、導電材を含むことが好ましい。
【0020】
以下では、図3を参照して、スキージローラ30について詳細に説明する。
【0021】
図3に示すように、スキージローラ30は、プレスローラ10の外周面上に供給された粉体Pを均すことによって、当該粉体Pの厚み(図3における上下寸法)を一定に調整する。つまり、スキージローラ30とプレスローラ10との間に所定の隙間が形成されているため、当該隙間をプレスローラ10の外周面上に供給された粉体Pが通過することにより、当該粉体Pの厚みがスキージローラ30の外周面とプレスローラ10の外周面との間の最短距離dとなるのである。
なお、スキージローラ30は、距離dを変更できるように、プレスローラ10に対して移動可能に構成されている。
【0022】
前述のように、スキージローラ30は、円柱状に形成されている。
そのため、粉体Pがスキージローラ30とプレスローラ10との隙間に向かう際、スキージローラ30の外周面に接触した粉体Pには、スキージローラ30の径方向外側に向けた反力が働く。つまり、スキージローラ30とプレスローラ10との間に位置する粉体Pには、プレスローラ10の外周面に向けた力が働く。
また、粉体Pがスキージローラ30とプレスローラ10との隙間に向かう際、スキージローラ30の外周面とプレスローラ10の外周面との成す角度が徐々に小さくなる。そのため、スキージローラ30の外周面に接触した粉体Pに働く反力の方向が徐々に変化する。
これらのことにより、粉体Pがスキージローラ30の外周面上で滞留することを抑制し、粉体Pを良好にスキージローラ30とプレスローラ10との隙間を通過させることができる。したがって、スキージローラ30を通過した粉体Pの厚みが不均一となることを抑制でき、ひいては圧縮粉体層Lの厚みを均一にすることができる。
【0023】
また、前述のように、スキージローラ30は、プレスローラ10の回転方向と同一の方向に回転駆動されている。換言すれば、スキージローラ30は、粉体Pの移動方向とは逆方向の力が粉体Pに働くように回転駆動されている。
これにより、粉体Pがスキージローラ30の外周面上で滞留することを更に抑制することができる。
スキージローラ30の回転速度は、プレスローラ10の回転速度の50%程度に設定することが好ましい。
なお、スキージローラ30を回転駆動させない構成とすることも可能である。
【0024】
スキージローラ30は、振動させることが好ましい。
スキージローラ30を振動させることにより、粉体Pがスキージローラ30の外周面上で滞留することを更に抑制することができる。
スキージローラ30を振動させる方向は、スキージローラ30の外周面とプレスローラ10の外周面との間の最短距離dが維持されるような方向に設定する。詳細には、スキージローラ30の軸心がプレスローラ10の軸心に対して近接および離間する方向に直交する方向にスキージローラ30を振動させる。スキージローラ30を振動させる方向は、直線状であるか、曲線状(本実施形態においては、プレスローラ10の外周面に沿った円弧状)であるかを問わない。例えば、スキージローラ30の軸心方向、または粉体Pの移動方向にスキージローラ30を振動させればよい。
スキージローラ30の振動は、スキージローラ30を通過した粉体Pの厚みが不均一とならない程度(例えば、周波数:700Hz、振幅:5μm)に設定される。
【0025】
なお、本実施形態に係る粉体塗工装置1は、ウェブWの両面上に圧縮粉体層L・Lを形成するように構成されているが、ウェブWの少なくとも一方の表面に圧縮粉体層Lを形成するように構成されていればよい。
つまり、粉体塗工装置1を、ウェブWの片方の表面のみに圧縮粉体層Lを形成するように構成することも可能である。かかる場合、一方のホッパ20およびスキージローラ30、または他方のホッパ20およびスキージローラ30を設けなくともよい。
【0026】
本実施形態において、プレスローラ10は、本発明に係る被供給部材として機能し、プレスローラ10の外周面は、本発明に係る被供給部材の連続する表面に相当する。一対のプレスローラ10・10は、本発明に係るプレス手段として機能する。更に、プレスローラ10・10を回転駆動させるための前記駆動装置は、本発明に係る駆動手段として機能する。
【0027】
なお、ウェブWを本発明に係る被供給部材とすることも可能である。かかる場合、ウェブWを搬送させるための前記搬送装置が、本発明に係る駆動手段として機能する。
【0028】
以下では、図4を参照して、本発明に係る電極の製造方法の一実施形態である、電極の製造工程S1について説明する。
【0029】
図4に示すように、製造工程S1は、粉体作製工程S10と、粉体塗工工程S20とを含む。
【0030】
粉体作製工程S10は、活物質を含む粒子群である粉体Pを作製する工程である。
粉体作製工程S10においては、まず、活物質および結着剤に適宜の添加物(例えば、導電材)を加えたものを溶媒に分散させてペーストを作製する。そして、スプレードライ、フリーズドライ、または流動層造粒等により、前記ペーストを乾燥させて、粉体Pを作製する。この時、粉体Pに対して、適宜、分級を行ってもよい。
【0031】
粉体塗工工程S20は、粉体塗工装置1を用いて、活物質を含む粉体Pを集電体であるウェブWの表面上に塗工する工程である。
粉体塗工工程S20においては、粉体塗工装置1を用いて、ウェブWの両面上でそれぞれ粉体Pを圧縮することによって、ウェブWの両面上に圧縮粉体層L・Lを形成する。
【0032】
以上のように、製造工程S1において、粉体作製工程S10および粉体塗工工程S20を順に経ることによって、集電体であるウェブWの両面上に活物質を含む圧縮粉体層L・Lが形成された電極が作製される。
粉体塗工装置1を用いて作製された電極は、圧縮粉体層L・Lが均一の厚みで形成される。
したがって、製造工程S1によれば、良好な品質(出力等)を有する電極を製造することができる。
【符号の説明】
【0033】
1 粉体塗工装置
10 プレスローラ(被供給部材、プレス手段)
20 ホッパ(粉体供給手段)
30 スキージローラ(スキージ)
P 粉体
L 圧縮粉体層
図1
図2
図3
図4
図5