(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0023】
<自動分析装置の構成および基本動作>
図1〜
図3により、本発明の一実施の形態に係る自動分析装置の構成および基本動作について説明する。
図1は本発明の一実施の形態に係る自動分析装置の構成を示す構成図、
図2は本発明の一実施の形態に係る自動分析装置で使用される試薬ボトルの一例を示す図、
図3は本発明の一実施の形態に係る自動分析装置で使用される検体容器の一例を示す図である。
【0024】
図1において、液体試料などの検体を収容した多数の検体容器1が検体ディスク2に配列されている。検体分注機構5の吸排ノズルは検体用シリンジポンプ7に接続されている。
【0025】
検体用シリンジポンプ7および検体分注機構5の動作は、インターフェイス4を介して各機構部の動作制御および測定データの演算をする制御部であるコンピュータ3によって制御される。
【0026】
反応浴槽9に対して回転可能に設けられた反応テーブル17上には多数の反応容器6が配列され、反応ラインを形成している。反応浴槽9へは恒温液供給部10から摂氏37度に維持された恒温液が供給される。
【0027】
光源14と多波長分光器15を備えており、光源14からの光ビームを反応容器6の列が横切るように反応テーブル17が回転移送される。使用済の反応容器6は洗浄機構19によって洗浄され再使用に供される。
【0028】
撹拌機構13は反応容器6に加えられた検体とその分析項目に対応する試薬液とを混合する。多波長分光器15によって得られる反応液に基づく測定信号は、A/Dコンバータ16によってアナログ信号からディジタル信号に変換され、コンピュータ3に入力される。
【0029】
第1試薬用の試薬ディスク26Aおよび第2試薬用の試薬ディスク26Bには、各分析項目に対応した多種の試薬ボトル12が円周に沿ってそれぞれ設置される。つまり、試薬ディスク26A、26Bは選択的に回転可能な試薬ボトル収納部である。
【0030】
試薬ディスク26Aの近傍にはバーコード読取装置23Aが、試薬ディスク26Bの近傍にはバーコード読取装置23Bが配設される。試薬分注器は試薬分注ピペッタ8A、8Bおよび試薬用シリンジポンプ11を含む。
【0031】
これらの試薬分注ピペッタ8A、8Bは、吸入位置に停止された試薬ボトル12内の試薬液を吸排ノズル内に所定量吸入保持し、それらの吸排ノズルを反応容器列上に回動し試薬受入位置に停止している反応容器6に、保持していた試薬液を吐出する。この際に分注される試薬液は、各反応容器に割り当てられている分析項目に対応した種類のものである。
【0032】
検体ディスク2、反応容器6、光源14、多波長分光器15、第1試薬用の試薬ディスク26A、第2試薬用の試薬ディスク26B、その他分注や洗浄の構成部により分析部が構成されている。
【0033】
それぞれの試薬ボトル12には、
図2に示すようにその外壁にバーコードが印刷された試薬バーコードラベル22が貼付けされている。
【0034】
このバーコードとして表示される情報は、例えば、シーケンス番号からなる各ボトル固有の試薬ボトルコード、そのボトルのサイズ、その試薬液の有効期限、第1試薬か第2試薬か第3試薬かを示す試薬分注順番、その試薬液の最大分析可能回数、1回の分注使用量を示す試薬分注量、製造ロット番号などである。
【0035】
また、各試薬ボトル12からバーコード読取装置23A、23Bによって読み取られた試薬情報は、記憶部25またはコンピュータ3の各々対応するメモリエリアに記憶される。
【0036】
試薬ボトル12が試薬ディスク26A、26Bに収納されたのに伴って試薬情報がバーコード読取装置23A、23Bによって読み取られるが、その際に、各試薬ディスクに設けられている回転角検知部によって各試薬ボトルのセット位置を示す信号が出力され、インターフェイス4を介してコンピュータ3に入力される。試薬情報とボトルセット位置と分析項目は対応づけて記憶される。
【0037】
操作者は、表示部であるCRT18の画面と入力部であるキーボード21を使って各種情報を入力することができる。分析項目の測定結果は、プリンタ27およびCRT18に表示できる。記録媒体24の情報はその読取装置によって読み取られ、記憶部25またはコンピュータ3の該当するメモリエリアに記憶される。
【0038】
記録媒体24に記憶されている情報は、例えば、次のものである。すなわち、5桁で表示される分析項目コード、その分析項目で共通に使用されるパラメータ、試薬ボトルごとに別々に記憶されるパラメータなどである。
【0039】
そのうち、分析項目で共通に使用されるパラメータとしては、光度計で使用する波長、サンプル量、キャリブレーション方法、標準液濃度、標準液本数、分析異常のチェック限界値、などである。また、試薬ボトルごとのパラメータとしては、試薬種別、試薬分注順番、試薬ボトルコード、試薬液容量、試薬分注量、最大分析可能回数、試薬製造年月日などである。
【0040】
記憶部25には、記録媒体24から読み取られた情報の他に、自動分析装置の各機構部の動作条件、各分析項目の分析パラメータ、各試薬のボトル管理を行う判定論理、試薬ボトルから読み取られた最大分析可能回数、分析結果などが記憶される。
【0041】
試薬情報は試薬ボトルの納入時にメーカによって供される記録媒体24によって提供される。記録媒体24によって試薬情報が準備されない場合は、試薬ボトルに付属されている目視確認用紙に記載された情報を、操作者が画面とキーボード21を使用して自動分析装置に入力することもできる。
【0042】
検体容器1には、
図3に示すように、その外壁にバーコードが印刷された検体バーコードラベル50が貼付けされている。このバーコードとして表示される情報は、例えば、検体を一意に決定する検体識別番号である。
【0043】
この番号は、バーコード読取装置28により読み取られ、検体ディスク2の角度検知により、検体位置と検体識別番号の対応が認識される。
【0044】
一方、検体識別番号に対応した分析項目はあらかじめキーボード21とCRT18により入力され記憶されているので、先のバーコード読み取り時に結局検体位置と検体識別番号と分析項目が対応づけられて記憶される。また、検体識別番号の上位番号によりその検体が標準検体なのかコントロール検体なのか一般検体なのかが一般に識別可能となっている。
【0045】
自動分析装置全体の分析は以下のようにサンプリング、試薬分注、撹拌、測光、反応容器の洗浄、濃度換算等のデータ処理の順番に実施される。
【0046】
試料を入れた検体容器1は、検体ディスク2上に複数個設置されている。検体ディスク2は、コンピュータ3によりインターフェイス4を介して制御される。また、検体ディスク2は、検体容器1外壁の検体バーコードラベル50をバーコード読取装置28で読ませて、検体と分析項目を対応づける。
【0047】
その後、分析される試料の順番に従って検体分注機構5のプローブの下まで回転移動し、所定の検体容器1の検体が、検体分注機構5に連結された検体用シリンジポンプ7の動作により反応容器6の中に所定量分注される。
【0048】
検体を分注された反応容器6は、反応浴槽9の中を第1試薬添加位置まで移動する。移動した反応容器6には、試薬分注ピペッタ8A、8Bの吸排ノズルに連結された試薬用シリンジポンプ11の動作により試薬ボトル12から吸引された試薬が所定量加えられる。第1試薬添加後の反応容器6は、撹拌機構13の位置まで移動し、最初の撹拌が行われる。
【0049】
試薬ディスク26A、26Bに第4試薬までセットされている場合には、このような試薬の添加−撹拌が、第1〜第4試薬について行われる。
【0050】
内容物が撹拌された反応容器6は光源から発した光束を通過し、この時の吸光度が多波長分光器15により検知される。検知された吸光度信号はA/Dコンバータ16を経由して、インターフェイス4を介してコンピュータ3に入り、検体の濃度に変換される。
【0051】
濃度変換されたデータは、インターフェイス4を介してプリンタ27から印字出力され、CRT18の画面に表示される。測光の終了した反応容器6は、洗浄機構19の位置まで移動し、容器洗浄ポンプにより内部を排出後、洗浄液で洗浄され、次の分析に供される。
【0052】
<一括準備動作設定によるメンテナンス処理>
次に、
図4〜
図6により、本発明の一実施の形態に係る自動分析装置の一括準備動作設定によるメンテナンス処理について説明する。
【0053】
図4は本発明の一実施の形態に係る自動分析装置の一括準備動作設定画面の一例を示す図、
図5は本発明の一実施の形態に係る自動分析装置の一括準備動作設定画面の設定値入力例を示す図、
図6は本発明の一実施の形態に係る自動分析装置の一括準備動作の時間経過と一括準備動作設定に従った動作概念図である。
【0054】
まず、自動分析装置でメンテナンスを実行する前に、操作者は、コンピュータ3によりCRT18の画面に表示される
図4に示すような一括準備動作設定画面にて、メンテナンス項目ごとに、一括準備動作が中断した場合の再実行を開始するメンテナンス項目を設定しておく。
【0055】
一括準備動作設定画面は、
図4に示すようにメンテナンス項目一覧101から、一括準備項目として選択したメンテナンス項目一覧102を表示し、選択したメンテナンス項目ごとに一括準備動作の再実行時に、再実行を開始するメンテナンス項目を設定する再実行設定の入力欄103を備えている。
【0056】
この一括準備動作設定画面で設定された情報により、自動分析装置の電源オン時や分析開始前に実施する準備処理や、分析終了後に自動分析装置の電源をオフする前の洗浄処理などの分析後処理などの日常的なメンテナンスを行うようになっている。
【0057】
図4に示した一括準備動作設定の場合、メンテナンス項目一覧102に含まれるNo.1のエアパージから、No.5の光度計チェックまでの5つのメンテナンス項目を連続して実行する。
【0058】
エアパージは、検体試料や試薬や洗剤のような液体を吸引、吐出する際に用いるピペッタのシリンジ管の内側とシリンジ管に接続する流路内の気泡を除去するメンテナンスである。ピペッタはシリンジ管とプランジャなどで構成され、シリンジ管には水が充填される。プランジャをモータで動作させることでシリンジ管内の水量を増減させ、シリンジ管に接続されたチューブを含めた流路内の水量を制御する。チューブの先端にはプローブが接続され、プローブを検体試料や試薬や洗剤のような液体に浸した状態でプランジャを吸引動作させて液体を吸引する。また、プローブを所定の位置に移動後、プランジャを吐出動作させて液体を吐出する。その際、シリンジ管の内側と接続する流路に気泡が残っていると、流路が水で充填されている場合よりも、プランジャの吸引吐出動作で流路内の水量が制御できない。そのため、流路内の気泡を除去するエアパージは液体の分注正確性のために必要である。
【0059】
再実行設定の入力欄103は、
図4に示すようにメンテナンス項目の番号を入力しても、
図5に示すように選択式のボタン103aによりメンテナンス項目の番号を入力してもよい。
【0060】
図4に示す再実行設定の入力欄103に入力するメンテナンス番号は、一括準備項目のメンテナンスが中断した場合に、一括準備動作の再実行時に実施するメンテナンス番号が入力されている。
【0061】
図4に示す再実行設定の場合は、
図6に示すように、一括準備動作の実行中、No.2の試薬プライムの実行中にメンテナンス動作が停止401bした場合に再実行を指示すると、No.1のエアパージから実行402bする。
【0062】
同様に、No.5の光度計チェックの実行中にメンテナンス動作が停止401eした場合に再実行を指示すると、No.4のセルブランク測定から実行402eする。
【0063】
<一括準備動作が何らかの要因で中断した場合の再実行の処理>
次に、
図7〜
図9により、本発明の一実施の形態に係る自動分析装置の一括準備動作が何らかの要因で中断した場合の再実行の処理について説明する。
図7は本発明の一実施の形態に係る自動分析装置の一括準備動作の再実行の指示画面の一例を示す図、
図8は本発明の一実施の形態に係る自動分析装置の一括準備動作の再実行時の設定例を示す図、
図9は本発明の一実施の形態に係る自動分析装置の一括準備動作が何らかの要因で中断した場合の再実行の処理を示すフローチャートである。
【0064】
一括準備動作が何らかの要因で中断した場合、自動分析装置は、中断したメンテナンス項目を記憶する。
【0065】
そして、自動分析装置は、CRT18の画面に表示する
図7に示すようなメンテナンス画面にて、メンテナンス項目と実施日時などを表示し、
図4に示す一括準備動作設定の再実行設定で設定した通りの再実行を行う場合は、操作者は、
図7に示す一括準備動作再実行ボタン201により一括準備動作の再実行を指示する。
【0066】
また、
図4に示す一括準備動作設定の再実行設定で設定した通りの再実行ではなく、中断した一括準備動作の再実行時に、任意のメンテナンス項目から再実行する場合は、CRT18に
図8に示すような一括準備動作再実行画面を表示する。
【0067】
一括準備動作再実行画面は、中断した一括準備動作に含まれるメンテナンス項目を一覧表示301し、中断したメンテナンス項目を操作者に示す手段302、および予め設定した再実行メンテナンス項目を操作者に示す手段303を持つ。
【0068】
中断したメンテナンス項目を操作者に示す手段302や予め設定した再実行メンテナンス項目を操作者に示す手段303は、特別の着色で表示しても良いし、それぞれに対応した特別なマーク302a、302bを追加表示しても良い。
【0069】
操作者は中断したメンテナンス項目や予め設定した再実行メンテナンス項目から、再実行時で実施するメンテナンス項目を選択し、選択ボタン304で確定する。
【0070】
選択した再実行メンテナンス項目は操作者が認識しやすいように、再実行メンテナンス項目表示305する。選択された再実行メンテナンス項目の表示305は、別表示領域に表示しても良いし、メンテナンス項目一覧301上に強調表示305aしても良い。
【0071】
再実行メンテナンス項目を選択して、実行ボタン306により、選択したメンテナンス項目から一括準備動作を再実行する。
【0072】
図7に示す一括準備動作再実行ボタン201や、
図8に示す実行ボタン306により、一括準備動作が再実行されると、
図9に示すように、まず、一括準備動作設定の中から、記憶した中断メンテナンス項目を検索し(ステップS101)、再実行メンテナンス項目の指定があるか否かを判定する(ステップS102)。
【0073】
ステップS102で、例えば、
図8に示すような一括準備動作再実行画面での再実行メンテナンス項目の指定があれば、指定されたメンテナンス項目から実行するものと特定し(ステップS103)、ステップS102で再実行メンテナンス項目の指定がなければ、中断したメンテナンス項目から実行するものと特定する(ステップS104)。
【0074】
そして、ステップS103またはステップS104で再実行するメンテナンス項目の特定完了後、再実行するメンテナンス項目以降のメンテナンス項目で用いる消耗品の残量や機構系の状況を判断し、再実行可能か否かを判定する(ステップS105)。
【0075】
そして、ステップS105で再実行可能であれば一括準備動作を再実行し(ステップS106)、ステップS105で再実行不可能であればシステムアラームを発生するなどの手段にて実行不可を操作者に通知し(ステップS107)、処理を終了する。
【0076】
<一括準備動作設定の他の設定例>
次に、
図10および
図11により、本発明の一実施の形態に係る自動分析装置の一括準備動作の再実行時の他の設定例について説明する。
【0077】
図10および
図11は本発明の一実施の形態に係る自動分析装置の一括準備動作の再実行時の他の設定例を示す図であり、
図10は中断した一括準備動作を再実行する際に、一括準備動作に登録したメンテナンス項目以外のメンテナンス項目を割込み実行させるための設定例、
図11は中断した一括準備動作を再実行する際に、中断の要因別に、割込ませるメンテナンス項目を切り替えて実行させるための設定例である。
【0078】
図10に示すように、一括準備動作設定の他の設定例として、一括準備動作として登録したメンテナンス項目一覧102のメンテナンス項目毎に、再実行設定の入力欄103と割込ませるメンテナンスの割込み項目の入力欄110を設けている。
【0079】
この割込み項目の入力欄110にリセットなどを設定することで、一括準備動作の再実行時に、設定された割込ませるメンテナンス項目が実施される。
【0080】
図10に示した設定例では、エアパージの実行前やセルブランク測定の実行前にリセット動作を実行することを示している。割込ませるメンテナンスの割込み項目の入力欄110は、メンテナンス項目名やメンテナンス項目に対応付けられた番号などの選択式でも良い。
【0081】
メンテナンス項目のリセットとは、各機構の位置を原点位置に戻す動作である。メンテナンス実行中に機構系が動作異常を起こして停止した場合でも、リセットを実行することで、機構を正規位置に移動することができる。
【0082】
また、
図10の設定では、一括準備動作の1つ目にエアパージ、3つ目に反応槽水交換を実施する。一連の一括準備動作中に異常が発生しなければ、エアパージ実施からほどなくして反応槽水交換を実施する。反応槽水交換ではメンテナンス中にハイタージェント液を試薬ボトルから吸引して反応槽に吐出するため、エアパージを事前に実施しておくことが有効である。しかし、一括準備動作のエアパージ終了後、反応槽水交換の間に異常が発生すると、エアパージと反応槽水交換が連続的に実施されずに中断することになる。その状態で時間が経過すると、1つ目に実施したエアパージの効果が無くなり、ハイタージェント液の分注と吐出が正確に実施されない可能性がある。これに対応するため、
図10の一括準備動作設定で、反応槽水交換への割込み項目としてエアパージを設定する。反応槽水交換から再開する場合、反応槽水交換前にエアパージを実行するため、ハイタージェント液の分注と吐出を正確に実施することができる。
【0083】
また、
図11に示すように、一括準備動作設定の他の設定例として、複数の中断要因に対応する中断要因別割込み項目を設定できる領域を設けている。
【0084】
図11に示した設定例では、中断要因を機構系の動作異常時に実行するメンテナンス項目の設定領域112と消耗品不足時に実行するメンテナンス項目の設定領域113の2種類を有している。
【0085】
機構系の異常によって一括準備動作が中断した場合、エアパージの実行前やセルブランク測定の実行前にリセット動作を実行し、消耗品不足によって一括準備動作が中断した場合の設定では、割込ませるメンテナンス項目として試薬プライムを実行することを示している。
【0086】
図11に示した設定例では、試薬プライムの前に試薬プライムを割込ませる設定であるため、試薬プライムは2回実行される。試薬プライムは試薬の流路内を当該試薬で充填するメンテナンス項目であり、充填中にその試薬の不足が発生したことに対するリカバリ処理として、充填動作を複数回実施して確実性を高める効果が期待できる。
【0087】
なお、
図11では、中断要因別割込み項目として中断要因を2つで説明したが、中断要因の分類は3つ以上でも良いし、分類はアラーム番号のような中断原因を識別できる番号を用いても良い。さらに、中断分類の設定を可変とし、操作者によって登録できるようにしても良い。
【0088】
以上のように、本実施の形態では、一括準備動作設定で、一括準備動作が中断、停止した場合の再実行のメンテナンス項目を設定し、中断、停止したメンテナンス項目に対する設定された再実行のメンテナンス項目から再実行処理を行うので、無駄な消耗品の使用量抑制と、操作者の負担軽減とを両立し、分析準備処理や分析終了処理を漏れなく効率的に実施できる。
【0089】
さらに、割込み項目欄にスキップと設定することで、一括準備動作中にメンテナンス項目が異常停止した場合に、そこで中断せずに次に続くメンテナンス項目を継続実行することもできる。
図11に示す設定において消耗品不足要因で試薬プライムが停止した場合でも、後に続く一括準備項目が試薬プライム動作の成否に影響を受けない設定であれば、一括準備動作を中断せずに継続するほうが効率的なことがある。
【0090】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。